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特許7476863栽培支援システム、栽培支援方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】栽培支援システム、栽培支援方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A01G 7/00 20060101AFI20240423BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20240423BHJP
【FI】
A01G7/00 603
G06Q50/02
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021167728
(22)【出願日】2021-10-12
(65)【公開番号】P2023057959
(43)【公開日】2023-04-24
【審査請求日】2022-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 平理
(72)【発明者】
【氏名】初谷 恵美子
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219651(JP,A)
【文献】特開2021-125143(JP,A)
【文献】特開2020-144609(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0285783(US,A1)
【文献】特開2019-030253(JP,A)
【文献】特開2019-170359(JP,A)
【文献】特開2013-165687(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0228477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 7/00
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部とを備え
前記クラス推定部は、栽培条件のデータが入力されると、前記複数のクラスのいずれかに分類するクラス推定モデルを用いて、前記栽培条件取得部が取得した前記栽培条件のクラスを推定する
栽培支援システム。
【請求項2】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部と
栽培条件から栽培結果を予測する前記モデルを生成するモデル生成部とを備え、
前記モデル生成部は、前記栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件と前記栽培結果取得部が取得した複数の栽培結果とのうちの一部を用いて、前記モデルを生成し、
前記算出部は、前記栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件と前記栽培結果取得部が取得した複数の栽培結果とのうちの他の一部を用いて、前記信頼度を算出する
栽培支援システム。
【請求項3】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果の少なくとも1つのデータに前処理を行う前処理部と、
前記前処理されたデータを用いて、前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件前記複数の栽培結果、及び前記分類の結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部とを備える
栽培支援システム。
【請求項4】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部と
前記モデルを用いて、前記植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する栽培結果推定部と、
前記予測した栽培結果に応じたデータを出力する出力部とを備え、
前記クラス推定部は、前記栽培結果の予測に用いる栽培条件を前記複数のクラスのうちの少なくとも1つに分類し、
前記出力部は、前記分類したクラスにおける信頼度とともに前記予測した栽培結果の出力、及び前記分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば前記予測した栽培結果に応じたデータの出力のうちの少なくとも1つを実行する
栽培支援システム。
【請求項5】
栽培条件から栽培結果を予測する前記モデルを生成するモデル生成部を備える
請求項1、3、および4のいずれか一項に記載の栽培支援システム。
【請求項6】
前記モデル生成部は、ベイジアンネットワークモデル構造のモデルを生成する
請求項に記載の栽培支援システム。
【請求項7】
前記クラス推定部は、前記栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件を複数のクラスに分類し、
前記モデル生成部は、前記複数のクラスに分類された前記複数の栽培条件と前記複数の栽培結果とを用いて、前記ベイジアンネットワークモデル構造のモデルを生成する
請求項に記載の栽培支援システム。
【請求項8】
前記前処理部は、前記複数の栽培条件のデータと前記複数の栽培結果のデータを時間軸で対応付けること、前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果の少なくとも1つのデータを補完すること、前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果の少なくとも1つのデータの外れ値を処理すること、及び前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果の少なくとも1つのデータの丸め処理を行うことの少なくとも1つを含む前記前処理を行う
請求項に記載の栽培支援システム。
【請求項9】
植物を栽培する栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記栽培条件を複数のクラスのうちのいずれかに分類するクラス推定部と、
栽培条件から栽培結果を予測するモデルを用いて、前記植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する栽培結果推定部と、
前記分類したクラスにおける信頼度に基づいて、前記予測した栽培結果に応じたデータを出力する出力部とを備え
前記クラス推定部は、栽培条件のデータが入力されると、前記複数のクラスのいずれかに分類するクラス推定モデルを用いて、前記栽培条件取得部が取得した前記栽培条件のクラスを推定する
栽培支援システム。
【請求項10】
植物を栽培する栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記栽培条件を複数のクラスのうちのいずれかに分類するクラス推定部と、
栽培条件から栽培結果を予測するモデルを用いて、前記植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する栽培結果推定部と、
前記分類したクラスにおける信頼度に基づいて、前記予測した栽培結果に応じたデータを出力する出力部とを備え
前記クラス推定部は、前記栽培結果の予測に用いる栽培条件を前記複数のクラスのうちの少なくとも1つに分類し、
前記出力部は、前記分類したクラスにおける信頼度とともに前記予測した栽培結果の出力、及び前記分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば前記予測した栽培結果に応じたデータの出力のうちの少なくとも1つを実行する
栽培支援システム。
【請求項11】
前記クラス推定部は、前記栽培条件から前記栽培結果を予測する前記モデルの生成において複数の栽培条件が分類された複数のクラスのいずれかに、前記栽培結果推定部の予測に用いる栽培条件を分類する
請求項9または10に記載の栽培支援システム。
【請求項12】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する段階と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する段階と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類する段階と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する段階とを備え
前記複数のクラスに分類する段階は、栽培条件のデータが入力されると、前記複数のクラスのいずれかに分類するクラス推定モデルを用いて、前記取得した栽培条件のクラスを推定する段階を有する
栽培支援方法。
【請求項13】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する段階と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する段階と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類する段階と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する段階と
栽培条件から栽培結果を予測する前記モデルを生成する段階とを備え、
前記モデルを生成する段階は、前記取得した複数の栽培条件と前記取得した複数の栽培結果とのうちの一部を用いて、前記モデルを生成する段階を有し、
前記信頼度を算出する段階は、前記取得した複数の栽培条件と前記取得した複数の栽培結果とのうちの他の一部を用いて、前記信頼度を算出する段階を有する
栽培支援方法。
【請求項14】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する段階と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する段階と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果の少なくとも1つのデータに前処理を行う段階と、
前記前処理されたデータを用いて、前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類する段階と、
前記複数の栽培条件前記複数の栽培結果、及び前記分類の結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する段階とを備える
栽培支援方法。
【請求項15】
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する段階と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する段階と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類する段階と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する段階と
前記モデルを用いて、前記植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する段階と、
前記予測した栽培結果に応じたデータを出力する段階とを備え、
前記複数のクラスに分類する段階は、前記栽培結果の予測に用いる栽培条件を前記複数のクラスのうちの少なくとも1つに分類する段階を有し、
前記出力する段階は、前記分類したクラスにおける信頼度とともに前記予測した栽培結果の出力、及び前記分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば前記予測した栽培結果に応じたデータの出力のうちの少なくとも1つを実行する段階を有する
栽培支援方法。
【請求項16】
コンピュータを、
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部と、
として機能させ
前記クラス推定部は、栽培条件のデータが入力されると、前記複数のクラスのいずれかに分類するクラス推定モデルを用いて、前記栽培条件取得部が取得した前記栽培条件のクラスを推定する
プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部と、
栽培条件から栽培結果を予測する前記モデルを生成するモデル生成部と
として機能させ、
前記モデル生成部は、前記栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件と前記栽培結果取得部が取得した複数の栽培結果とのうちの一部を用いて、前記モデルを生成し、
前記算出部は、前記栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件と前記栽培結果取得部が取得した複数の栽培結果とのうちの他の一部を用いて、前記信頼度を算出する
プログラム。
【請求項18】
コンピュータを、
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果の少なくとも1つのデータに前処理を行う前処理部と、
前記前処理されたデータを用いて、前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件前記複数の栽培結果、及び前記分類の結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータを、
植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部と、
前記植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部と、
前記複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部と、
前記複数の栽培条件及び前記複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、前記複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部と、
前記モデルを用いて、前記植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する栽培結果推定部と、
前記予測した栽培結果に応じたデータを出力する出力部と
として機能させ、
前記クラス推定部は、前記栽培結果の予測に用いる栽培条件を前記複数のクラスのうちの少なくとも1つに分類し、
前記出力部は、前記分類したクラスにおける信頼度とともに前記予測した栽培結果の出力、及び前記分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば前記予測した栽培結果に応じたデータの出力のうちの少なくとも1つを実行する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培支援システム、栽培支援方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、植物工場における施設や管理のためのガイドラインを提供するための収益モデルが記載されている。非特許文献2には、レタスの成長速度に対する光強度・チップバーン発生・葉のカルシウム含有量についての調査が記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1] Shogo MORIYUKI, Hiroaki KANEDA, Yusaku MIYAGI, Nobuhiro SUGIMURA, and Hirokazu FUKUDA, "Profit Models Based on the Growth Dynamics of Lettuce Populations in a Plant Factory", Environ. Control Biol., 56(4), 143-148, 2018 DOI: 10.2525/ecb.56.143
[非特許文献2] Yuki Sago1, et al., "Effects of Light Intensity and Growth Rate on Tipburn Development and Leaf Calcium Concentration in Butterhead Lettuce", HORTSCIENCE, 51(9), 1087-1091, 2016 DOI:10.21273/HORTSCI10668-16
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、栽培支援システムを提供する。栽培支援システムは、植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部を備えてよい。栽培支援システムは、植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部を備えてよい。栽培支援システムは、複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部を備えてよい。栽培支援システムは、複数の栽培条件及び複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部を備えてよい。
【0004】
栽培支援システムは、栽培条件から栽培結果を予測するモデルを生成するモデル生成部を備えてよい。
【0005】
モデル生成部は、ベイジアンネットワークモデル構造のモデルを生成してよい。
【0006】
クラス推定部は、栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件を複数のクラスに分類してよい。モデル生成部は、複数のクラスに分類された複数の栽培条件と複数の栽培結果とを用いて、ベイジアンネットワークモデル構造のモデルを生成してよい。
【0007】
モデル生成部は、栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件と栽培結果取得部が取得した複数の栽培結果とのうちの一部を用いて、モデルを生成してよい。算出部は、栽培条件取得部が取得した複数の栽培条件と栽培結果取得部が取得した複数の栽培結果とのうちの他の一部を用いて、信頼度を算出してよい。
【0008】
栽培支援システムは、複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータに前処理を行う前処理部を備えてよい。クラス推定部は、前処理されたデータを用いて、複数の栽培条件を複数のクラスに分類してよい。算出部は、分類の結果を用いて、複数のクラスの各々における信頼度を算出してよい。
【0009】
前処理部は、複数の栽培条件のデータと複数の栽培結果のデータを時間軸で対応付けること、複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータを補完すること、複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータの外れ値を処理すること、及び複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータの丸め処理を行うことの少なくとも1つを含む前処理を行ってよい。
【0010】
栽培支援システムは、モデルを用いて、植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する栽培結果推定部を備えてよい。栽培支援システムは、予測した栽培結果に応じたデータを出力する出力部を備えてよい。クラス推定部は、栽培結果の予測に用いる栽培条件を複数のクラスのうちの少なくとも1つに分類してよい。出力部は、分類したクラスにおける信頼度に基づいて、予測した栽培結果に応じたデータを出力してよい。
【0011】
出力部は、分類したクラスにおける信頼度とともに予測した栽培結果の出力、及び分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば予測した栽培結果に応じたデータの出力のうちの少なくとも1つを実行してよい。
【0012】
本発明の第2の態様においては、栽培支援システムを提供する。栽培支援システムは、植物を栽培する栽培条件を取得する栽培条件取得部を備えてよい。栽培支援システムは、栽培条件を複数のクラスのうちのいずれかに分類するクラス推定部を備えてよい。栽培支援システムは、栽培条件から栽培結果を予測するモデルを用いて、植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測する栽培結果推定部を備えてよい。栽培支援システムは、分類したクラスにおける信頼度に基づいて、予測した栽培結果に応じたデータを出力する出力部を備えてよい。
【0013】
クラス推定部は、栽培条件から栽培結果を予測するモデルの生成において複数の栽培条件が分類された複数のクラスのいずれかに、栽培結果推定部の予測に用いる栽培条件を分類してよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、栽培支援方法を提供する。栽培支援方法は、植物を栽培した複数の栽培条件を取得する段階を備えてよい。栽培支援方法は、植物の栽培における複数の栽培結果を取得する段階を備えてよい。栽培支援方法は、複数の栽培条件を複数のクラスに分類する段階を備えてよい。栽培支援方法は、複数の栽培条件及び複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、複数のクラスの各々における信頼度を算出する段階を備えてよい。
【0015】
本発明の第2の態様においては、プログラムを提供する。プログラムは、コンピュータを、植物を栽培した複数の栽培条件を取得する栽培条件取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、植物の栽培における複数の栽培結果を取得する栽培結果取得部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、複数の栽培条件を複数のクラスに分類するクラス推定部として機能させてよい。プログラムは、コンピュータを、複数の栽培条件及び複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデルについての、複数のクラスの各々における信頼度を算出する算出部として機能させてよい。
【0016】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る栽培支援システム10の構成を示す。
図2】栽培支援システム10の動作の一例を示すフローである。
図3】栽培支援システム10において植物栽培が行われる植物工場のレイアウトの一例を示す。
図4】記憶部220に格納される栽培条件データ222のデータベースの一部の例を示す。
図5】記憶部220に格納される栽培条件データ222のデータベースの他の一部の例を示す。
図6】記憶部220に格納される栽培条件データ222のデータベースの他の一部の例を示す。
図7】記憶部220に格納される栽培結果データ224のデータベースの例を示す。
図8】前処理されたデータセットの例を示す。
図9】クラス推定部234により分類されるクラス毎のデータの特徴量の例を示す。
図10】算出部250により予測結果から識別子毎に算出された信頼度の例を示す。
図11】算出部250により予測結果から算出されたクラス毎の信頼度の例を示す
図12】モデル生成部236により生成されるベイジアンネットワークモデル構造のモデルの例を示す。
図13】クラス推定部234により生成されるベイジアンネットワークモデル構造のクラス推定モデルの例を示す。
図14】栽培支援システム10の予測結果出力動作の一例を示すフローである。
図15】本実施形態に係る栽培支援システム10の他の例の構成を示す。
図16】本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0019】
図1は、本実施形態に係る栽培支援システム10の構成を示す。栽培支援システム10は、植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測して、当該予測の信頼度に応じて予測結果をユーザに提示することができる。栽培支援システム10は、複数のセンサ100と、複数の端末110と、支援装置200と、表示装置300とを備える。
【0020】
複数のセンサ100は、支援装置200に有線又は無線で接続され、植物の栽培の栽培条件及び栽培結果の少なくとも一方を検出して、センサデータを支援装置200に供給する。複数のセンサ100は、栽培している植物の周囲環境内(例えば、植物工場内、栽培用のハウス内、又は培地内等)又は栽培している植物(例えば、葉又は茎等)に設置されてよい。
【0021】
ここで、栽培条件は、植物を栽培した環境条件及び栽培した植物の状態の少なくとも1つを含んでよい。環境条件は、栽培した植物の周囲環境の温度、湿度、水分量、日射量、光量、培地温度、培地の電気伝導度(EC)、培地の水素イオン指数(pH)、2酸化炭素濃度(ppm)、栽培エリア、栽培開始日、栽培期間(播種、育苗、定植、緑化)、栽培に用いた薬剤の種類、及び薬剤の量の少なくとも1つを含んでよい。また、植物の状態は、栽培した植物の樹液流、葉面温度、及び茎径の少なくとも1つを含んでよい。
【0022】
栽培結果は、植物の栽培における障害及び栽培した植物の収穫結果の少なくとも1つを含んでよい。植物の栽培における障害は、尻腐果、裂果等の生理障害、病気による障害、及び害虫による障害の少なくとも1つを含んでよい。支援装置200に供給される障害を示すデータは、発生の有無、障害の種類、発生頻度(例えば、栽培単位における障害が発生した株の割合)、及び範囲の少なくとも1つを含んでよい。植物の収穫結果は、収穫した植物の重量、個数、及び品質(糖度、水分量等)の少なくとも1つを含んでよい。
【0023】
複数の端末110は、支援装置200に有線又は無線で接続され、栽培を行う栽培者等が有するPC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、又は汎用コンピュータ等のコンピュータであってよい。端末110は、栽培者から植物の栽培の栽培条件及び栽培結果の少なくとも一方についての入力を受けて、支援装置200に当該入力されたデータを送信してよい。端末110は、栽培条件を管理する管理装置であってよく、栽培者から栽培条件の設定値を示すデータを受けてよい。
【0024】
支援装置200は、表示装置300に接続される。支援装置200は、栽培結果予測の信頼度を算出する信頼度算出動作と、信頼度に応じて栽培結果の予測を出力する予測結果出力動作とを行うことができる。支援装置200は、信頼度算出動作において、試験栽培等により得られた栽培条件及び栽培結果を用いて学習してモデル238を生成し、当該モデル238による予測の信頼度を算出する。支援装置200は、予測結果出力動作において、モデル238を用いて栽培条件から栽培結果を予測した結果を、当該予測の信頼度に応じて表示装置300に出力する。
【0025】
支援装置200は、PC、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、又は汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、支援装置200は、コンピュータ内で1又は複数の実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、支援装置200は、栽培支援用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。コンピュータを用いる場合、支援装置200は、コンピュータによりプログラムを実行することによって実現される。
【0026】
支援装置200は、取得部210と、記憶部220と、学習部230と、栽培結果推定部240と、算出部250と、出力部260とを備える。取得部210は、複数のセンサ100及び端末110に接続され、学習のためのデータを取得する。取得部210は、栽培条件取得部212と、栽培結果取得部214とを有する。
【0027】
栽培条件取得部212は、記憶部220に接続され、植物を栽培した複数の栽培条件を取得し、当該栽培条件を示す栽培条件データ222を記憶部220に供給する。栽培条件取得部212は、栽培条件データ222を複数のセンサ100及び端末110から取得してよい。栽培条件取得部212は、支援装置200のユーザから入力された栽培条件データ222を取得してもよい。
【0028】
栽培結果取得部214は、記憶部220に接続され、植物の栽培における複数の栽培結果を取得し、当該栽培結果を示す栽培結果データ224を記憶部220に供給する。栽培結果取得部214は、栽培結果データ224を複数のセンサ100及び端末110から取得してよい。栽培結果取得部214は、支援装置200のユーザから入力された栽培結果データ224を取得してもよい。
【0029】
記憶部220は、学習部230に接続され、取得部210が取得した栽培条件データ222及び栽培結果データ224を格納する。そして、記憶部220は、栽培条件データ222及び栽培結果データ224を、学習のためのデータとして学習部230に供給する。
【0030】
学習部230は、栽培結果推定部240に接続され、記憶部220から供給された学習のためのデータを用いて栽培条件から栽培結果を予測するモデルを生成及び更新する。学習部230は、前処理部232と、クラス推定部234と、モデル生成部236と、モデル更新部239とを有する。
【0031】
前処理部232は、クラス推定部234に接続され、記憶部220から供給される複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータに前処理を行い、前処理したデータをクラス推定部234に供給する。前処理部232は、学習のための前処理を行ってよい。
【0032】
クラス推定部234は、モデル生成部236、栽培結果推定部240、及びモデル更新部239に接続され、複数の栽培条件を複数のクラスに分類する。クラス推定部234は、分類した複数の栽培条件等のデータを、モデル生成部236、栽培結果推定部240、及びモデル更新部239に供給してよい。
【0033】
モデル生成部236は、栽培条件及び栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデル238を生成して、学習部230に格納する。モデル生成部236は、記憶部220に格納されたデータ、前処理されたデータ、及び分類の結果(分類されたデータ)の少なくとも1つを用いてモデル238を生成してよい。
【0034】
モデル更新部239は、栽培条件及び栽培結果を用いて、モデル238を更新する。モデル更新部239は、記憶部220に格納されたデータ、前処理されたデータ、及び分類の結果(分類されたデータ)の少なくとも1つを用いてモデル238を更新してよい。モデル更新部239は、モデル生成部236がモデル238を生成した後に取得部210が取得したデータを用いて、モデル238を更新してよい。
【0035】
栽培結果推定部240は、算出部250に接続され、学習部230に格納されたモデル238を用いて、植物の栽培における栽培条件から栽培結果を予測して、予測結果を算出部250に供給する。栽培結果推定部240は、信頼度算出動作において、予測に用いた栽培条件及び対応する栽培結果の少なくとも一方とともに、予測した栽培結果を算出部250に供給してよい。栽培結果推定部240は、記憶部220に格納された栽培条件データ222又はユーザから入力された栽培条件から、栽培結果を予測してよい。
【0036】
算出部250は、出力部260に接続され、複数の栽培条件及び複数の栽培結果を用いて、栽培条件から栽培結果を予測するモデル238についての、複数のクラスの各々における信頼度を算出する。算出部250は、信頼度算出動作において、栽培結果推定部240で予測された栽培結果と、記憶部220に格納された複数の栽培結果と、クラス推定部234における分類の結果(分類されたデータ)とを用いて信頼度を算出してよい。算出部250は、算出した複数のクラスの信頼度を算出部250内に格納してよい。算出部250は、予測結果出力動作において、支援装置200へのユーザからの入力等に応じて、予測した栽培結果とともに信頼度を出力部260に供給してよい。
【0037】
出力部260は、表示装置300に接続され、栽培結果推定部240で予測した栽培結果に応じたデータを出力する。出力部260は、予測結果出力動作において、算出部250から供給された信頼度に基づいて、予測した栽培結果に応じたデータを出力してよい。
【0038】
表示装置300は、コンピュータ、又はタッチパネルディスプレイ等のディスプレイであってよい。表示装置300は、出力部260から受信したデータに応じて信頼度及び予測した栽培結果の少なくとも1つを表示画面に表示してよい。表示装置300は、ユーザから栽培結果の予測リクエストを受けて、当該予測リクエストを支援装置200に送信してよい。なお、表示装置300は、支援装置200の一部又は端末110の一部であってもよい。
【0039】
図2は、栽培支援システム10の動作の一例を示すフローである。図2のフローは、栽培支援システム10の信頼度算出動作の例を示す。
【0040】
S11において、取得部210は、植物の栽培における栽培条件及び栽培結果を取得する。栽培条件取得部212は、複数のセンサ100及び端末110からリアルタイムで又は定期的に栽培条件データ222を取得してよい。栽培条件取得部212は、センサ100又は端末110を介して、栽培条件の実測値又は設定値を取得してよい。栽培条件取得部212は、取得した栽培条件データ222を、植物の種類、識別子、検出日時、及び取得日時の少なくとも1つに対応付けて記憶部220に格納してよい。
【0041】
ここで、植物の識別子は、ユーザ又は支援装置200により、植物の栽培単位毎に設定されてよい。植物の識別子は、同じ栽培条件(例えば同じ栽培開始日、同じ栽培エリア、同じ栽培期間等)の複数の株を1つの栽培単位として1つの識別子が設定されてよい。
【0042】
栽培結果取得部214は、複数のセンサ100及び端末110からリアルタイムで又は定期的に栽培結果データ224を取得してよい。栽培結果取得部214は、収穫した植物の障害の発生、品質、及び収穫量の少なくとも1つを示すデータを、センサ100及び端末110から取得してよい。栽培結果取得部214は、障害の発生、植物の品質、及び収穫量の少なくとも1つについて、栽培者が目視等で植物をラベル付けしたデータを、端末110を介して取得してよい。栽培結果取得部214は、センサ100によって画像診断等で検出された障害の発生状況を取得してよい。栽培結果取得部214は、画像から障害の発生状況を出力する障害検出モデルを、予め栽培者等がラベル付けした学習データを用いて学習することにより生成してよい。栽培結果取得部214は、当該障害検出モデルを用いて画像診断を行い、栽培結果データを取得してよい。栽培結果取得部214は、取得した栽培結果データ224を、植物の種類、識別子、栽培条件、検出日時、及び取得日時の少なくとも1つに対応付けて記憶部220に格納してよい。
【0043】
S12において、前処理部232は、栽培条件データ222及び栽培結果データ224に前処理を行う。前処理部232は、記憶部220から、栽培条件データ222及び栽培結果データ224を受け取ってよい。前処理部232は、複数の栽培条件のデータと複数の栽培結果のデータを時間軸で対応付けること、複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータを補完すること、複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータの外れ値を処理すること、及び複数の栽培条件及び複数の栽培結果の少なくとも1つのデータの丸め処理を行うことの少なくとも1つを含む前処理を行ってよい。
【0044】
前処理部232は、栽培条件データ222及び栽培結果データ224をデータ取得時間に応じて対応付けてよい。前処理部232は、一例として、データ取得時間に応じて、同じ取得日毎に、又は異なる取得日もしくは同じ取得日の同じ時間間隔毎に、栽培条件データ222及び栽培結果データ224を対応付けてよい。
【0045】
前処理部232は、時系列のデータの欠損補間を行ってよい。前処理部232は、データが存在しない期間について、線形補間又はスプライン補完等の補完アルゴリズムを用いてデータを補完してよい。前処理部232は、データのうち、複数のデータの平均値との差が、ユーザにより予め定められた閾値を超える場合に、当該データを外れ値として削除又は時間軸で前後のデータと同じ値に変更してよい。前処理部232は、データの所定の桁以下の切り捨て等により丸め処理を行ってよい。前処理部232は、栽培条件データ222及び栽培結果データ224を離散化し、各栽培期間(播種、育苗、定植、緑化)における栽培エリアと対応付けてよい。
【0046】
前処理部232は、栽培条件データ222及び栽培結果データ224の特徴量を抽出する前処理を行ってよい。前処理部232は、栽培条件データ222及び栽培結果データ224の少なくとも一方のデータについて、積算値、微分値、平均値、分散値、及び日中成分と夜間成分を分離したデータの少なくとも1つを特徴量として抽出してよい。前処理部232は、予め定められた期間毎のデータの積算値を特徴量として算出してよい。前処理部232は、一例として、3時間毎に、障害の発生数、温度、又は湿度等の積算値を特徴量として抽出してよい。このように、積算値を算出することで、遅れてくる影響を知ることができる。前処理部232は、複数のデータ取得時間におけるデータの微分値を算出して、微分値を特徴量として抽出してよい。前処理部232は、時間軸で推移するデータを、日中成分と夜間成分の合成波とみなして、日中成分と夜間成分との一方を補完(例えばスプライン補完)又は周波数分解手法(例えばフーリエ変換等)により分離してよい。そして、前処理部232は、分離した日中成分及び夜間成分の一方とセンサデータの間の差分を、日中成分及び夜間成分の他方として分離してよい。
【0047】
前処理部232は、栽培期間又は時間帯(昼と夜)等の区間で前処理したデータを区切り、区間毎の前処理したデータ(平均値、分散値等)を説明変数としてデータセットを作成してよい。前処理部は、前処理したデータセットをクラス推定部234に供給する。
【0048】
S13において、クラス推定部234は、前処理された複数の栽培条件データ222を複数のクラスに分類(クラスタリング)する。クラス推定部234は、植物の複数の識別子を、栽培条件のデータセットが類似する複数のクラス(グループ)に分類してよい。クラス推定部234は、データについて時系列及び特徴量等の類似度の少なくとも1つに基づき、データを分類してよい。クラス推定部234は、一例として、異なる取得日の同じ時間帯におけるデータ同士を同じクラスに分類してよい。また、クラス推定部234は、ベクトル化したデータの類似度が閾値より高い(例えば、距離が閾値より小さい)データ同士を同じクラスに分類してよい。クラス推定部234は、一例として、抽出した特徴量同士の差が閾値以下である対応するデータセット同士を同じクラスに分類してよい。
【0049】
クラス推定部234は、k-means法、又は確率的潜在意味解析(pLSA: Probabilistic Latent Semantic Analysis)等を用いて分類を行ってよい。
【0050】
クラス推定部234は、分類の結果を目的変数、S12で作成したデータセットを説明変数としてクラス推定モデルを作成してよい。クラス推定モデルは、ベイジアンネットワーク等の機械学習を用いて作成されてもよい。クラス推定部234は、後の予測結果出力動作において、クラス推定モデルを用いて、栽培条件のデータのクラスを推定してよい。また、クラス推定部234は、モデル238の生成に用いたクラスの情報を、後の予測結果出力動作に用いるためにクラス推定部234内に格納してもよい。
【0051】
クラス推定部234は、クラスタリング後に、モデル生成用のデータとして、栽培条件データ222の一部及び対応する栽培結果データ224の一部をモデル生成部236に供給してよい。クラス推定部234は、クラスタリング後に、信頼度算出用のデータとして、栽培条件データ222の他の一部及び対応する栽培結果データ224の他の一部を、栽培結果推定部240に供給してよい。クラス推定部234は、クロスバリデーション等を用いて、信頼度を算出するためにモデル生成用のデータと信頼度算出用のデータとを分けてよい。クラス推定部234は、モデル生成用のデータと信頼度算出用のデータとを、ランダムに分けてよい。また、クラス推定部234は、モデル生成用のデータと信頼度算出用のデータとを、データ取得期間(例えば、昼と夜、日、月)で分けてもよい。
【0052】
S14において、モデル生成部236は、分類の結果(分類されたデータ)を用いて機械学習を行うことによってモデル238を生成する。モデル生成部236は、栽培条件取得部210が取得した複数の栽培条件と栽培結果取得部214が取得した複数の栽培結果とのうちの一部を、モデル生成用のデータとしてクラス推定部234から受信して、当該モデル生成用のデータを用いて、モデル238を生成してよい。モデル生成部236は、複数のクラスに分類された複数の栽培条件と複数の栽培結果とを用いて、ベイジアンネットワークモデル構造のモデルを生成してよい。また、モデル生成部236は、ニューラルネットワーク等の他の機械学習モデルを生成してもよい。
【0053】
また、S14において、学習部230に既にモデル238が格納されている場合には、モデル更新部239は、分類の結果(分類されたデータ)を用いてモデル238を更新する。モデル更新部239は、モデル生成部236と同様に機械学習を行い、ベイジアンネットワークモデル構造のモデル238を更新してよい。モデル更新部239は、実行された植物栽培の栽培条件での栽培結果と、モデル238で当該栽培条件から予測した栽培結果とを比較して、当該モデル238を更新してよい。
【0054】
S15において、栽培結果推定部240は、モデル238を用いて、栽培結果を予測する。栽培結果推定部240は、クラス推定部234から、分類の結果(分類されたデータ)を含む信頼度算出用のデータを受け取り、モデル238を用いて当該データから栽培結果を予測してよい。栽培結果推定部240は、モデル238を用いて、1つの識別子に対応する栽培条件から、最も確率が高い又は確率が閾値を超える1つの栽培結果を予測してよい。栽培結果推定部240は、予測した栽培結果を、予測に用いた信頼度算出用のデータとともに算出部250に供給してよい。
【0055】
S16において、算出部250は、栽培結果推定部240から受け取ったデータを用いて、複数のクラスの各々における信頼度を算出する。算出部250は、栽培結果推定部240での予測に用いられた栽培条件が属すると推定されたクラスについて、当該栽培条件の実際の栽培結果と予測された栽培結果とを比較して信頼度(正解率)を算出してよい。算出部250は、識別子毎に信頼度を算出し、クラス毎に複数の信頼度から1つの最終的な信頼度を算出してよい。算出部250は、1つのクラスについて、複数の識別子について算出した複数の信頼度の平均値又は合計値を当該クラスの最終的な信頼度として算出してよい。算出部250は、再現率、適合率、及びF値の少なくとも1つを用いて信頼度を算出してよい。
【0056】
S17において、算出部250は、信頼度算出用のデータの全てを用いて信頼度を算出したかを判断してよい。算出部250は、信頼度算出用のデータの全てを用いるまで、S15-S17を繰り返してよい。
【0057】
また、算出部250は、信頼度算出用のデータを変更して、信頼度の算出を繰り返してもよい。信頼度算出用のデータの全てを用いて信頼度を算出した後に、S13と同様に、クラス推定部234は、分類後のデータを、前回とは異なるように、モデル生成用のデータと信頼度算出用のデータとに分けてよい。クラス推定部234は、一例として、前回から変更したランダムシードを用いて、データをランダムに分けてよい。そして、算出部250は、前回と異なる信頼度算出用のデータを用いて信頼度を算出してよい。このように、算出部250は、信頼度算出用のデータを変更しながら、信頼度の算出を複数回繰り返す(すなわち、S13,S15,及びS16を繰り返す)ことで得られたクラス毎の複数の信頼度から得られる値(平均値等)を、最終的な信頼度としてよい。これにより、クラスの信頼度の評価の精度をより高くすることができる。
【0058】
図3は、栽培支援システム10において植物栽培が行われる植物工場のレイアウトの一例を示す。植物工場の栽培エリアは、複数の栽培エリアa-fに区切られ、エリア毎に1つ以上のセンサ100が設置される。1つの識別子で識別される植物の栽培単位が、所定の栽培期間、1つの栽培エリア内で栽培される。栽培期間によって、栽培エリアが変更されうる。取得部210は、センサ100又は端末110を介して、栽培エリアの情報を栽培条件として取得することができる。
【0059】
図4は、記憶部220に格納される栽培条件データ222の一部の例を示す。栽培条件取得部212は、センサ100又は端末110を介して、栽培エリア、2酸化炭素濃度、光量、温度、及び湿度等のデータを取得し、記憶部220に検出日時に対応付けて格納してよい。
【0060】
図5は、記憶部220に格納される栽培条件データ222の他の一部の例を示す。栽培条件取得部212は、栽培単位の識別子に対応付けて栽培条件を取得し、記憶部220に格納してよい。識別子は、一例として、ID-1-4-1、ID-1-4-2、ID-1-4-3、・・・が、栽培単位毎にそれぞれ設定される。各識別子は、各栽培段階(播種(緑化)、育苗、定植)における栽培エリア、栽培開始日、及び現在の栽培経過日数の情報に対応付けられる。本例では、各栽培段階(播種(緑化)、育苗、定植)における栽培エリア及び栽培開始日が同一である複数の株を1つの栽培単位として1つの識別子が設定される。
【0061】
図6は、記憶部220に格納される栽培条件データ222の他の一部の例を示す。栽培条件取得部212は、栽培エリア毎の設定値を栽培条件として取得して記憶部220に格納してよい。図6においては、記憶部220は、栽培エリアa及び栽培エリアbにおける、2酸化炭素濃度,光量、湿度、及び温度の設定値を、1日毎に格納する。
【0062】
図7は、記憶部220に格納される栽培結果データ224の例を示す。栽培結果取得部214は、収穫重量及び生理障害の有無を取得し、識別子に対応付けて記憶部220に格納する。
【0063】
図8は、前処理されたデータセットの例を示す。前処理部232は、識別子ID-1-4-1、ID-1-4-2、及びID-1-4-3、・・・に対応する栽培条件をそれぞれ前処理して、図8に示すようなデータセットを作成してよい。識別子ID-1-4-1の栽培単位は、栽培結果である収穫重量90g、生理障害の発生有り、育苗期間において栽培エリアaで栽培され、昼間(9時~16時)の温度の平均値が21℃、夜間(16時~9時)の湿度の平均値70%であり、定植期間において栽培エリアbで栽培され、昼間(9時~16時)の湿度の平均値80%である。識別子ID-1-4-2の栽培単位は、栽培結果である収穫重量100g、生理障害の発生無し、育苗期間において栽培エリアaで栽培され、昼間(9時~16時)の温度の平均値が22℃、夜間(16時~9時)の湿度の平均値60%であり、定植期間において栽培エリアbで栽培され、昼間(9時~16時)の湿度の平均値70%である。
【0064】
図9は、クラス推定部234により分類されるクラス毎のデータの特徴量の例を示す。クラス推定部234は、クラスZ001、Z002,Z003に栽培条件を分類することができる。例えば、クラスZ001は、昼間の平均温度20℃以上、昼間の平均湿度90%以上、夜間の平均温度15℃以上、夜間の平均湿度90%以上等である栽培条件を有する識別子が分類される。なお、図9の栽培条件は、前処理されたデータであってよい。
【0065】
図10は、算出部250により予測結果から識別子毎に算出された信頼度の例を示す。算出部250は、栽培結果推定部240から識別子毎に予測結果を受け取り、予測結果と実際の栽培結果とを比較して一致度を信頼度として算出してよい。一例として、算出部250は、識別子ID1-4-1の栽培単位について、クラスZ001、予測収穫重量80g、生理障害の予測発生頻度40%から、実際の栽培結果の収穫重量(例えば100g)、実際の生理障害の発生頻度(例えば50%)を用いて、それぞれの信頼度80%(100×予測収穫重量/実際の収穫重量、100×予測発生頻度/実際の発生頻度)を算出してよい。
【0066】
図11は、算出部250により予測結果から算出されたクラス毎の信頼度の例を示す。算出部250は、図10のように算出された各識別子の信頼度から、クラス毎の信頼度を算出してよい。算出部250は、収穫重量について、クラスZ001に属する識別子ID1-4-1の80%とその他の複数の識別子の信頼度との平均値を算出して、クラスZ001の収穫重量についての信頼度85%としてよい。算出部250は、生理障害について、クラスZ001に属する識別子ID1-4-1の信頼度80%とその他の複数の識別子の信頼度との平均値を算出して、クラスZ001の生理障害についての信頼度90%としてよい。算出部250は、算出されたクラス毎の信頼度を図11のようなテーブルとして格納してよい。
【0067】
図12は、モデル生成部236により生成されるベイジアンネットワークモデル構造のモデル238の例を示す。モデル238は、前処理された栽培条件のデータが入力されると、生理障害及び収穫重量の少なくとも一方を出力する。ノード1000の栽培条件は、育苗期間において栽培エリアaで栽培され、昼間(9時~16時)の温度の平均値が20℃である。ノード1000の栽培条件は、矢印から生理障害の発生に影響する。ノード1010の栽培条件は、育苗期間において栽培エリアbで栽培され、昼間(9時~16時)の湿度の平均値が60%である。ノード1010の栽培条件は、矢印から収穫重量に影響する。ノード1020の栽培条件は、緑化期間において栽培エリアbで栽培され、昼間(9時~16時)の2酸化炭素濃度の平均値が900ppmである。ノード1020の栽培条件は、矢印から生理障害と収穫重量に影響する。ノード1030の栽培条件は、定植期間において栽培エリアbで栽培され、夜間(16時~9時)の湿度の平均値が90%である。ノード1030の栽培条件は、矢印から収穫重量に影響する。なお、平均値等の各数値は、前処理部232で前処理された値であり、例えば平均値60%は、平均値55~64%の範囲が丸め処理されたものである。
【0068】
図13は、クラス推定部234により生成されるベイジアンネットワークモデル構造のクラス推定モデルの例を示す。クラス推定モデルは、前処理された栽培条件のデータが入力されると、複数のクラスのいずれかに分類する。各クラスには、算出した信頼度が対応付けられている。
【0069】
ノード1100の栽培条件は、育苗期間において栽培エリアbで栽培され、昼間(9時~16時)の湿度の平均値が60%である。ノード1100の栽培条件は、クラスZ001に分類される重み60で、クラスZ002に分類される重み40である。ノード1110の栽培条件は、育苗期間において栽培エリアcで栽培され、夜間(16時~9時)の湿度の平均値が70%である。ノード1110の栽培条件は、クラスZ001に分類される重み30で、クラスZ002に分類される重み70である。ノード1120の栽培条件は、育苗期間において栽培エリアaで栽培され、昼間(9時~16時)の温度の平均値が20℃である。ノード1120の栽培条件は、クラスZ002に分類される重み50で、クラスZ003に分類される重み50である。ノード1130の栽培条件は、定植期間において栽培エリアbで栽培され、夜間(16時~9時)の湿度の平均値が90%である。ノード1130の栽培条件は、クラスZ003に分類される重み100である。ノード1140の栽培条件は、緑化期間において栽培エリアbで栽培され、昼間(9時~16時)の2酸化炭素濃度の平均値が900ppmである。ノード1140の栽培条件は、クラスZ003に分類される重み100である。
【0070】
クラス推定部234は、1つの識別子に対応する複数の栽培条件がそれぞれ複数のクラスに分類される場合には、重みの合計値が最も大きいクラスに当該識別子を分類してよい。
【0071】
図14は、栽培支援システム10の予測結果出力動作の一例を示すフローである。S21において、取得部210は、S11と同様に、植物の栽培における栽培条件を取得する。取得部210は、支援装置200がユーザからの予測リクエストを受信することに応じて、栽培条件を取得してよい。取得部210は、1つの識別子に対応付けて栽培条件を取得してよい。S22において、前処理部232は、S12と同様に、栽培条件データ222に前処理を行う。
【0072】
S23において、クラス推定部234は、S13と同様に、前処理された栽培条件データ222をクラスに分類する。クラス推定部234は、栽培結果の予測に用いる栽培条件を複数のクラスのうちの少なくとも1つに分類してよい。クラス推定部234は、モデル238の生成において複数の栽培条件が分類された複数のクラス(例えば図10のクラスZ001、Z002、Z003・・・)のいずれかに、栽培結果推定部240の予測に用いる栽培条件を分類してよい。クラス推定部234は、図13に示すようなクラス推定モデルを用いて、1つの識別子に対応する栽培条件データ222を1つのクラスに分類してよい。クラス推定部234は、分類したデータを栽培結果推定部240に供給してよい。
【0073】
S24において、栽培結果推定部240は、クラス推定部234から供給されたデータから、モデル238を用いて、1つの識別子に対応する栽培結果を予測する。栽培結果推定部240は、S14と同様に、予測を行ってよい。栽培結果推定部240は、予測した栽培結果を算出部250に供給する。
【0074】
S25において、算出部250は、当該識別子が分類されたクラスに対応する信頼度を、テーブル等から取得し、信頼度とともに、予測した栽培結果を出力部260に供給してよい。
【0075】
S26において、出力部260は、分類したクラスにおける信頼度に基づいて、予測した栽培結果に応じたデータを出力する。出力部260は、分類したクラスにおける信頼度とともに予測した栽培結果を出力してよい。表示装置300は、予測した栽培結果とその信頼度を表示することができる。
【0076】
また、出力部260は、分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば予測した栽培結果に応じたデータを出力してよい。この場合、表示装置300は、信頼度が高い栽培結果の予測のみを表示することができる。
【0077】
なお、出力部260は、分類したクラスにおける信頼度が第1閾値以上であれば、植物の栽培条件を制御するデータを、植物の栽培条件を管理する管理装置等に出力してもよい。出力部260は、一例として、高い信頼度で予測した栽培結果が悪い(例えば、予測収穫重量が第2閾値未満である、又は障害の発生確率が第3閾値を超える)と判断した場合、予測に用いた栽培条件を変更する制御データを管理装置等に出力してよい。出力部260は、モデル238を用いて得られた良好な栽培結果となる栽培条件を受け取り、予測した栽培結果が悪い栽培条件から、当該良好な栽培結果となる栽培条件に変更する制御データを出力してよい。
【0078】
本実施形態の栽培支援システム10により、ユーザは、予測の信頼度を栽培結果とともに把握することができる。従来、一つのモデルですべての季節の栽培結果を予測させると、予測に用いるデータが学習データと傾向が異なるため、予測結果の精度が把握できないという問題が生じる。栽培支援システム10により、クラスタリング手法と機械学習を組み合わせて、すべての季節を網羅した一つの収穫結果予測モデルを利用して、予測結果の信頼性を把握することを可能にする。
【0079】
なお、S23において、クラス推定部234が、予測のための栽培条件を、モデルの生成に用いた既存のクラスのいずれにも分類できない(例えば、予測のための栽培条件が、既存のクラスのデータとの類似度が閾値未満である等)場合には、出力部260は、予測した栽培結果を出力しなくてもよい。この場合、出力部260は、予測した栽培結果の代わりに、予測不能の表示を出力してよい。
【0080】
図15は、本実施形態に係る栽培支援システム10の他の例の構成を示す。他の例における栽培支援システム10は、図1の栽培支援システム10と同様の構成を備え、同様の動作を行うものであってよく、ただし、モデル生成部236を備えない。他の例における栽培支援システム10は、主に、図14に示す予測結果出力動作を行うものであってよい。
【0081】
他の例の栽培支援システム10は、外部の装置で予め学習されたモデル238及びクラス推定モデルを格納してよい。他の例の栽培支援システム10の栽培結果推定部240は、モデル238を用いて、図1の支援装置200の栽培結果推定部240と同様に栽培結果推定処理を行ってよい。他の例の栽培支援システム10のクラス推定部234は、クラス推定モデルを用いて図1の支援装置200のクラス推定部234と同様にクラスタリング処理を行ってよい。算出部250は、信頼度の計算を行わずに、信頼度が格納されたテーブル等から、分類されたクラスに対応する信頼度を取得してよい。他の例の栽培支援システム10は、その他の構成及び動作については、図1の栽培支援システム10と同様であってよく、詳細な説明を省略する。
【0082】
また、本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階又は(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階及びセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0083】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0084】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0085】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はプログラマブル回路に対し、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャート又はブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0086】
図16は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作又は当該装置の1又は複数のセクションとして機能させることができ、又は当該操作又は当該1又は複数のセクションを実行させることができ、及び/又はコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0087】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、及びディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インタフェース2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、及びICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230及びキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0088】
CPU2212は、ROM2230及びRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0089】
通信インタフェース2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラム又はデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0090】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0091】
プログラムが、DVD-ROM2201又はICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、又はROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0092】
例えば、通信がコンピュータ2200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0093】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0094】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0095】
上で説明したプログラム又はソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上又はコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0096】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0097】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0098】
10 栽培支援システム
100 センサ
110 端末
200 支援装置
210 取得部
212 栽培条件取得部
214 栽培結果取得部
220 記憶部
222 栽培条件データ
224 栽培結果データ
230 学習部
232 前処理部
234 クラス推定部
236 モデル生成部
238 モデル
239 モデル更新部
240 栽培結果推定部
250 算出部
260 出力部
300 表示装置
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インタフェース
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
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図16