(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】入退室管理システム、携帯端末、読取装置、入退室管理方法、及び入退室管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07C 9/29 20200101AFI20240423BHJP
G07C 9/27 20200101ALI20240423BHJP
H04W 12/63 20210101ALI20240423BHJP
H04W 12/68 20210101ALI20240423BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20240423BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20240423BHJP
【FI】
G07C9/29
G07C9/27
H04W12/63
H04W12/68
H04W88/06
H04W8/22
(21)【出願番号】P 2023014390
(22)【出願日】2023-02-02
【審査請求日】2023-02-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100116643
【氏名又は名称】伊達 研郎
(72)【発明者】
【氏名】藤江 良一
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-205234(JP,A)
【文献】特開2010-108039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
G07B 15/00
G06K 17/00
G06K 7/00- 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末と、前記認証識別情報を第1の無線通信により前記携帯端末から取得する読取装置と、前記読取装置が取得した前記認証識別情報を用いて、前記利用者の入退室認証を行う認証装置と、を備える入退室管理システムであって、
前記読取装置は、
前記読取装置が対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を前記携帯端末に通知する読取装置制御部と、を備え、
前記携帯端末は、
前記読取装置制御部から取得した前記第1の情報及び前記携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、前記第1の情報と前記第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から前記第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、前記第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を前記読取装置に通知する携帯端末制御部と、を備え、
前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、前記携帯端末制御部は、前記第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を前記第4の無線通信方式とし、
前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、
前記携帯端末と前記読取装置は、前記第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行う、
入退室管理システム。
【請求項2】
前記携帯端末制御部は、前記第1の無線通信に用いる無線通信方式について優先度が定められた優先度テーブルを用いて前記第3の無線通信方式から1つの前記第4の無線通信方式を決定する、
請求項1に記載の入退室管理システム。
【請求項3】
前記携帯端末制御部は、前記利用者に前記第4の情報を含む通知内容を、前記利用者が認識可能な出力部を用いて通知する、
請求項1又は2に記載の入退室管理システム。
【請求項4】
前記第4の無線通信方式はBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、前記第5の無線通信方式はUWB(Ultra Wide Band)である、
請求項
1に記載の入退室管理システム。
【請求項5】
前記携帯端末制御部は、前記第2の無線通信を用いて、前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを判定するエリア判定部と、を備え、
前記エリア判定部が、前記位置情報が前記予め定められたエリアに含まれると判定した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行い、
前記エリア判定部が、前記位置情報が前記予め定められたエリアに含まれないと判定した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行わない、
請求項
1に記載の入退室管理システム。
【請求項6】
前記読取装置制御部は、前記第2の無線通信を用いて、前記携帯端末の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを判定するエリア判定部と、を備え、
前記エリア判定部が、前記位置情報が前記予め定められたエリアに含まれると判定した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行い、
前記エリア判定部が、前記位置情報が前記予め定められたエリアに含まれないと判定した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行わない、
請求項
1に記載の入退室管理システム。
【請求項7】
利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末と、前記認証識別情報を第1の無線通信により前記携帯端末から取得する読取装置と、前記読取装置が取得した前記認証識別情報を用いて、前記利用者の入退室認証を行う認証装置と、を備える入退室管理システムであって、
前記読取装置は、
前記読取装置が対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を前記携帯端末に通知する読取装置制御部と、を備え、
前記携帯端末は、
前記読取装置制御部から取得した前記第1の情報及び前記携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、前記第1の情報と前記第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から前記第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、前記第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を前記読取装置に通知する携帯端末制御部と、を備え、
前記読取装置制御部は、前記第4の無線通信方式の電波強度を測定する電波強度測定部と、前記電波強度と予め定められた閾値とを比較する電波強度判定部と、を備え、
前記電波強度判定部が、前記電波強度測定部が測定した前記電波強度が前記閾値以上であると判定した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行い、
前記電波強度判定部が、前記電波強度測定部が測定した前記電波強度が前記閾値未満であると判定した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行わない、
入退室管理システム。
【請求項8】
前記携帯端末制御部は、前記利用者に前記電波強度判定部から取得した判定結果に基づいた情報を含む通知内容を、前記利用者が認識可能な出力部を用いて通知する、
請求項
7に記載の入退室管理システム。
【請求項9】
利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末と、前記認証識別情報を第1の無線通信により前記携帯端末から取得する読取装置と、前記読取装置が取得した前記認証識別情報を用いて、前記利用者の入退室認証を行う認証装置と、を備える入退室管理システムであって、
前記読取装置は、
前記読取装置が対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を前記携帯端末に通知する読取装置制御部と、を備え、
前記携帯端末は、
前記読取装置制御部から取得した前記第1の情報及び前記携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、前記第1の情報と前記第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から前記第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、前記第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を前記読取装置に通知する携帯端末制御部と、を備え、
前記読取装置制御部は、前記利用者の予め定められた動作を検知する動作検知部を備え、
前記動作検知部が前記動作を検知した場合、前記認証装置は前記入退室認証を行い、
前記動作検知部が前記動作を検知しない場合、前記認証装置は前記入退室認証を行なわず、
前記携帯端末制御部は、前記動作検知部から取得した検知結果に基づいた情報を含む通知内容を、前記利用者が認識可能な出力部を用いて通知する、
入退室管理システム。
【請求項10】
認証装置が、読取装置が携帯端末から取得した利用者を識別する情報である認証識別情報を用いて、前記利用者の入退室認証を行う入退室管理方法であって、
前記読取装置が、前記読取装置が対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を前記携帯端末に通知するステップと、
前記携帯端末が、前記読取装置から取得した第1の情報及び前記携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、前記第1の情報と前記第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第4の無線通信方式を1つ決定し、前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、前記携帯端末が、前記第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を前記第4の無線通信方式とし、前記第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を前記読取装置に通知するステップと、
前記読取装置が、前記第4の無線通信方式を用いた第1の無線通信により、認証識別情報を前記携帯端末から取得するステップと、
前記認証装置が、前記読取装置が前記携帯端末から取得した前記認証識別情報を用いて前記利用者の入退室認証を行うステップと、
前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、
前記携帯端末と前記読取装置は、前記第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行うステップと、
を備えた入退室管理方法。
【請求項11】
認証装置が、読取装置が携帯端末から取得した利用者を識別する情報である認証識別情報を用いて、前記利用者の入退室認証を行う入退室管理プログラムであって、
コンピュータに
前記読取装置が、前記読取装置が対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を前記携帯端末に通知する機能と、
前記携帯端末が、前記読取装置から取得した第1の情報及び前記携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、前記第1の情報と前記第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第4の無線通信方式を1つ決定し、前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、前記携帯端末が、前記第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を前記第4の無線通信方式とし、前記第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を前記読取装置に通知する機能と、
前記読取装置が、前記第4の無線通信方式を用いた第1の無線通信により、前記認証識別情報を前記携帯端末から取得する機能と、
前記認証装置が、前記読取装置が前記携帯端末から取得した前記認証識別情報を用いて前記利用者の入退室認証を行う機能と、
前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、
前記携帯端末と前記読取装置は、前記第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行う機能と、
を実行させるための入退室管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入退室管理システム、携帯端末、読取装置、入退室管理方法、及び入退室管理プログラムに関わる。
【背景技術】
【0002】
利用者の認証識別情報を保持する携帯端末と、利用者の認証識別情報を無線通信により取得する読取装置と、読取装置が取得した利用者の認識識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置と、を備える入退室管理システムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1の認証システムは、利用者のID情報が含まれる認証要求信号を認証装置へ送信する送信手段を備えた携帯端末と、利用者のID情報を記憶する記憶部と、携帯端末から認証要求信号を受信した場合に、認証要求信号に含まれるID情報と記憶部に予め記憶されたID情報とを比較することによって利用者の認証処理を実行する認証手段を備えた認証装置とを備える。このような構成により、携帯端末を用いて利用者の認証が行われている。ここで、携帯端末と認証装置との間で行われる無線通信には、例えばBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、ZigBee(登録商標)、又はWi-Fi(登録商標)等の無線通信インターフェースを有する無線モジュールが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、超高速通信、cm級の高精度測位・測距が可能で他の無線通信方式との干渉も少ないという特徴を持つ無線通信方式であるUWB(Ultra Wide Band)を用いて、携帯端末と読取装置との間の無線通信を行う入退室管理システムの登場が予想される。併せて、無線通信方式が多様化する状況に対応して、複数の無線通信方式に対応可能な読取装置を用いた入退室管理システムも登場している。ここで、複数の無線通信方式とは、UWB、NFC(Near field communication)、BLE、Wi-Fi等である。
ここで、複数の無線通信方式に対応可能な読取装置を用いた入退室管理システムが利用される状況において、複数の無線通信方式から適切な無線通信方式を選択しようとした場合、特許文献1の認証システムでは、携帯端末と認証装置との間で行われる無線通信には、例えばBLE、ZigBee、又はWi-Fi等の無線通信インターフェースを有する無線モジュールが用いられるという記載にとどまる。つまり、複数の無線通信方式に対応可能な読取装置を用いた入退室管理システムが利用される状況において、複数の無線通信方式から携帯端末と読取装置との間の無線通信に用いられる無線通信方式を適切に選択することは考慮していない。そのため、利用者の意向、携帯端末が対応可能な無線通信方式、読取装置が対応可能な無線通信方式等を考慮した無線通信方式の適切な選択が困難となる等の状況が生じる。その結果、利用者が入退室管理システムを適切に利用することができないという課題があった。ここで、利用者とは、入退室管理システムにより入退室を管理される側の人、入退室管理システムにより入退室を管理する側の人を含む。
【0006】
本開示は、上述した課題を解決するためになされたものであり、利用者が入退室管理システムを適切に利用することができる入退室管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る入退室管理システムは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末と、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末から取得する読取装置と、読取装置が取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置と、を備える入退室管理システムであって、読取装置は、読取装置が対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末に通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末は、読取装置制御部から取得した第1の情報及び携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置に通知する携帯端末制御部と、を備え、前記第3の無線通信方式が複数である場合、且つ前記第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、前記携帯端末制御部は、前記第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を前記第4の無線通信方式とし、携帯端末と読取装置は、第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行う。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る入退室管理システムによれば、利用者が入退室管理システムを適切に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る入退室管理システムのブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る優先度テーブルを示す図である。
【
図3】実施の形態1に係る認証識別情報テーブルを示す図である。
【
図4】実施の形態1に係る携帯端末と読取装置との間で行われる処理のシーケンス図である。
【
図5】実施の形態1に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図6】実施の形態1に係る入退室管理システムで行われる処理のシーケンス図である。
【
図7】実施の形態1に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態2に係る入退室管理システムのブロック図である。
【
図9】実施の形態2に係る読取装置識別情報テーブル示す図である。
【
図10】実施の形態2に係る携帯端末と読取装置との間で行われる処理のシーケンス図である。
【
図11】実施の形態2に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図12】実施の形態3に係る入退室管理システムのブロック図である。
【
図13】実施の形態3に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態4に係る入退室管理システムのブロック図である。
【
図15】実施の形態4に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図16】実施の形態5に係る入退室管理システムのブロック図である。
【
図17】実施の形態5に係る携帯端末と読取装置との間で行われる処理のシーケンス図である。
【
図18】実施の形態5に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図19】実施の形態5に係る入退室管理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図20】実施の形態6に係る入退室管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
【0011】
図1を用いて、本実施の形態の入退室管理システム100Aを説明する。
入退室管理システム100Aは、携帯端末1Aと、複数の読取装置2A-1~2A-nと、複数の電子錠3A-1~3A-nと、認証装置4A-1~4A-nと、を備える。
入退室管理システム100Aは、建物、施設等に設置される。入退室管理システム100Aは、建物、施設等の利用者を識別する情報である認識識別情報を保持した携帯端末1Aと読取装置2Aとの無線通信により、読取装置2Aが携帯端末1Aから認証識別情報を取得し、読取装置2Aが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Aが利用者の入退室認証を行う。
【0012】
以下の説明において、複数の読取装置2A-1~2A-nは、それぞれ同様の構成とし、いずれの読取装置2A-1~2A-nであるかを区別しないときは、いずれの読取装置2A-1~2A-nであるかを示すハイフン以降の符号を省略し、「読取装置2A」と称して説明する。また、ハイフンを用いて説明する他の構成についても同様とする。また、
図1に示す認証装置4Aは、説明の便宜上、認証装置4Aと携帯端末1Aを1対1の関係で示しているが、M対N(M、Nは、ともに1以上の自然数)の関係であってもよい。認証装置4Aは、施解錠する扉が設けられる建物、施設ごとに設けられてもよく、建物等のフロアごとに設けられてもよい。
【0013】
携帯端末1Aは、入力部10Aと、出力部11Aと、制御部12Aと、記憶部13Aと、第1の無線通信部14Aと、第2の無線通信部15Aと、第3の無線通信部16Aと、を備える。さらに、制御部12Aは、無線通信方式決定部17Aを備える。
【0014】
携帯端末1Aは、利用者が所持するスマートフォン等である。
【0015】
入力部10Aは、キースイッチ、タッチパネル装置等の入力装置、マイク等の音声入力装置等である。入力部10Aは、利用者から認証識別情報、その他の情報等の入力を受け付ける。ここで、認証識別情報は、例えば、利用者ごとに付与されるID番号、社員番号等である。或いは、認証識別情報は、利用者が保持する携帯端末1Aごとに設定された識別番号又はシリアル番号であってもよい。
【0016】
出力部11Aは、液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカー等の音声出力装置、バイブレーション等の振動発生器等である。出力部11Aは、認証識別情報、後述する第4の無線通信方式、その他の情報等の通知内容を利用者に通知する。
なお、本実施の形態では、出力部11Aが、認証識別情報、第4の無線通信方式等の通知内容を利用者に通知する例を示したが、利用者への認証識別情報、第4の無線通信方式等の通知は必須ではなく通知しなくてもよい。
【0017】
制御部12Aは、記憶部13Aに記録されたプログラムを実行し、携帯端末1Aの制御及び演算を行うCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。
【0018】
無線通信方式決定部17Aは、第1の無線通信方式を示す情報である第1の情報、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報及び優先度テーブルを用いて、入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信においてどの無線通信方式を用いるかを決定する。詳細は後述する。
【0019】
記憶部13Aは、制御部12Aによって実行される携帯端末1Aの制御及び演算を行うためのプログラムを格納している。また、記憶部13Aは、認証識別情報等を予め格納していてもよい。また、記憶部13Aは、入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信においてどの無線通信方式を優先的に用いるかを定めた優先度テーブルを予め格納している。
【0020】
ここで、
図2を用いて優先度テーブルについて説明する。
図2に示すように、優先度テーブルでは、NFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の無線通信方式のうち、入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信においてどの無線通信方式を優先的に用いるかを定めている。例えば、
図2では、優先度が高い順からUWB、BLE、NFC、Wi-Fiと定められている。ここで、携帯端末1A、読取装置2A共に、UWB、BLE、NFCに対応可能である場合、UWB、BLE、NFCのうち優先度が最も高いUWBが入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信に用いられる。また、携帯端末1A、読取装置2A共に、BLE、NFCに対応可能である場合、BLE、NFCのうち優先度が最も高いBLEが入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信に用いられる。
なお、優先度テーブルは、入退室管理システム100Aの設計指針、各無線通信方式の通信距離、各無線通信方式の携帯端末位置特定精度、各無線通信方式の普及率等を考慮して適宜決定される。
【0021】
記憶部13Aは、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の半導体メモリを有することができる。また、記憶部13Aは、フラッシュメモリ等の半導体メモリだけではなく、磁気記憶装置、光学記憶装置等の任意のタイプの記憶装置であってもよい。
【0022】
第1の無線通信部14Aは、読取装置2Aとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第11の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第1の無線通信部14Aは、第2の無線通信部15A及び第3の無線通信部16Aとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0023】
第2の無線通信部15Aは、読取装置2Aとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第12の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第2の無線通信部15Aは、第1の無線通信部14A及び第3の無線通信部16Aとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0024】
第3の無線通信部16Aは、読取装置2Aとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第13の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第3の無線通信部16Aは、第1の無線通信部14A及び第2の無線通信部15Aとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0025】
携帯端末1Aは、第1の無線通信部14A、第2の無線通信部15A、第3の無線通信部16Aを備えているため、第11の無線通信方式、第12の無線通信方式及び第13の無線通信方式に対応する。言い換えれば、携帯端末1Aは、第11の無線通信方式、第12の無線通信方式及び第13の無線通信方式以外の無線通信方式には対応していない。
【0026】
以下の説明では、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式をまとめて第2の無線通信方式とする。本実施の形態における第2の無線通信方式は、第11の無線通信方式、第12の無線通信方式及び第13の無線通信方式となる。
【0027】
なお、本実施の形態では、携帯端末1Aに3つの無線通信部が搭載されている例を示したが、携帯端末1Aには1つ以上の無線通信部が搭載されていればよい。つまり、携帯端末1Aは1つ以上の無線通信方式に対応していればよい。
【0028】
読取装置2Aは、制御部20Aと、記憶部21Aと、認証装置I/F部22Aと、第1の無線通信部23Aと、第2の無線通信部24Aと、第3の無線通信部25Aと、を備える。
【0029】
読取装置2Aは、利用者が入退室を行う扉の付近に設置される。また、読取装置2A-1~2A-nと電子錠3A-1~3A-nはそれぞれ対応して設けられている。例えば、読取装置2A-1は電子錠3A-1に対応し、読取装置2A-nは電子錠3A-nに対応する。
【0030】
制御部20Aは、記憶部21Aに記録されたプログラムを実行し、読取装置2Aの制御及び演算を行うCPU等のプロセッサである。
【0031】
記憶部21Aは、制御部20Aによって実行される読取装置2Aの制御及び演算を行うためのプログラムを格納している。記憶部21Aは、RAM、ROM、EPROM等の半導体メモリを有することができる。また、記憶部21Aは、フラッシュメモリ等の半導体メモリだけではなく、磁気記憶装置、光学記憶装置等の任意のタイプの記憶装置を有してもよい。
【0032】
認証装置I/F部22Aは、ローカルネットワーク、広域ネットワーク等を介して、無線又は有線により認証装置4Aと接続され、読取装置2Aが認証識別情報を認証装置4Aへ出力する際に使用されるインターフェースである。
【0033】
第1の無線通信部23Aは、携帯端末1Aとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第21の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第1の無線通信部23Aは、第2の無線通信部24A及び第3の無線通信部25Aとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0034】
第2の無線通信部24Aは、携帯端末1Aとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第22の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第2の無線通信部24Aは、第1の無線通信部23A及び第3の無線通信部25Aとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0035】
第3の無線通信部25Aは、携帯端末1Aとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第23の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第3の無線通信部25Aは、第1の無線通信部23A及び第2の無線通信部24Aとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0036】
読取装置2Aは、第1の無線通信部23A、第2の無線通信部24A、第3の無線通信部25Aを備えているため、第21の無線通信方式、第22の無線通信方式及び第23の無線通信方式に対応する。言い換えれば、読取装置2Aは、第21の無線通信方式、第22の無線通信方式及び第23の無線通信方式以外の無線通信方式には対応していない。
【0037】
以下の説明では、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式をまとめて第1の無線通信方式とする。本実施の形態における第1の無線通信方式は、第21の無線通信方式、第22の無線通信方式及び第23の無線通信方式となる。
【0038】
なお、本実施の形態では、読取装置2Aに3つの無線通信部が搭載されている例を示したが、読取装置2Aには複数の無線通信部が搭載されていればよい。つまり、読取装置2Aは複数の無線通信方式に対応していればよい。
また、読取装置2A-1~2A-nにおいて、各読取装置2Aが対応可能な無線通信方式の数は一律である必要はなく、各読取装置2Aが対応可能な無線通信方式の数は異なっていてもよい。
【0039】
電子錠3Aは、扉の鍵を外部装置から遠隔操作できるように電気的に施解錠をする機構を組み込んだロックシステムである。電子錠3Aは、例えば、認証装置4Aによる制御で扉の解錠又は施錠を行う。なお、扉に電子錠3Aが設けられた例を示したが、自動ドア、フラッパーゲート等の場合は、認証装置4Aが自動ドア、フラッパーゲート等に設けられた制御部に対して開閉を指示する。
【0040】
認証装置4Aは、制御部40Aと、記憶部41Aと、読取装置I/F部42A-1~42A-nと、電子錠I/F部43A-1~43A-nと、を備える。さらに、制御部40Aは、入退室認証部44Aを備える。
【0041】
制御部40Aは、記憶部41Aに記録されたプログラムを実行し、認証装置4Aの制御及び演算を行うCPU等のプロセッサである。
【0042】
入退室認証部44Aは、読取装置I/F部42Aを介して取得した認証識別情報を、後述する認証識別情報テーブルと比較することによって利用者の建物、施設等への入退室の可否を決定し、入退室可否結果に基づいて、電子錠I/F部43Aを介して電子錠3Aを制御する。
【0043】
記憶部41Aは、制御部40Aによって実行される認証装置4Aの制御及び演算を行うためのプログラムを格納している。また、記憶部41Aは、認証識別情報ごとに解錠可能な扉を示すテーブルである認証識別情報テーブルを予め格納している。
なお、本実施の形態では、記憶部41Aは、認証識別情報ごとに解錠可能な扉を示すテーブルである認証識別情報テーブルを予め格納しているとして説明したが、サーバ等に格納された認証識別情報テーブルを、入退室認証を行う毎にサーバから取得してもよい。
【0044】
ここで、
図3を用いて認証識別情報テーブルについて説明する。
図3に示すように、認証識別情報テーブルでは、認証識別情報ごとに解錠可能な扉が示されている。例えば、認証識別情報1の場合、解錠可能な扉は、扉1、扉2、扉3及び扉4となる。認証識別情報2の場合、解錠可能な扉は、扉1、扉2及び扉3となる。認証識別情報3の場合、解錠可能な扉は、扉1及び扉2となる。
なお、本実施の形態では、認証識別情報テーブルの解錠可能な扉において扉のみを記載したが、扉に限らずフラッパーゲート、自動ドア等も含まれてもよい。
【0045】
記憶部41Aは、RAM、ROM、EPROM等の半導体メモリを有することができる。また、記憶部41Aは、フラッシュメモリ等の半導体メモリだけではなく、磁気記憶装置、光学記憶装置等の任意のタイプの記憶装置を有してもよい。
【0046】
読取装置I/F部42Aは、ローカルネットワーク、広域ネットワーク等を介して、無線又は有線により読取装置2Aと接続され、認証装置4Aが認証識別情報を読取装置2Aから取得する際に使用されるインターフェースである。読取装置I/F部42A-1~42A-nは、それぞれ認証装置I/F部22A-1~22A-nに対応する。
【0047】
電子錠I/F部43Aは、ローカルネットワーク、広域ネットワーク等を介して、無線又は有線により電子錠3Aと接続され、認証装置4Aが電子錠3Aを制御する際に使用されるインターフェースである。電子錠I/F部43A-1~43A-nは、それぞれ電子錠3A-1~3A-nに対応する。
【0048】
図4、
図5、
図6及び
図7を用いて、入退室管理システム100Aの動作例を説明する。
【0049】
図4に、携帯端末1Aと読取装置2Aとの間で行われる処理を示すシーケンス図を示す。
図4に示すシーケンス図は、入退室管理システム100Aにおいて、入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信においてどの無線通信方式を用いるかを決定するための処理を示す。
【0050】
まず、制御部20Aは、予め定められた無線通信方式により、第1の無線通信方式を示す情報である第1の情報を携帯端末1Aに通知する(ステップST101)。
ここで、第1の情報は、周期的に通知されてもよいし、携帯端末1Aから要求された場合に通知されてもよい。
【0051】
そして、無線通信方式決定部17Aは、第1の情報と、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する共通無線通信方式を第3の無線通信方式として決定する。さらに、無線通信方式決定部17Aは、
図2に示す優先度テーブルを用いて第3の無線通信方式から最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式として決定する(ステップST102)。
【0052】
そして、制御部12Aは、予め定められた無線通信方式を介して、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Aに通知する(ステップST103)。
【0053】
そして、制御部12Aは、出力部11Aを介して第4の情報を利用者に通知する(ステップST104)。
【0054】
そして、携帯端末1Aと読取装置2Aは、第4の無線通信方式を用いて無線通信を行う(ステップST105及びステップST106)。
【0055】
ここで、
図4に示すシーケンス図について具体例を示す。
本実施の形態において、第11の無線通信方式及び第21の無線通信方式をUWB、第12の無線通信方式及び第22の無線通信方式をBLE、第13の無線通信方式及び第23の無線通信方式をNFCとする。つまり、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなり、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式である第1の無線通信方式も、UWB、BLE及びNFCとなる。
この場合、
図4に示すステップST101~ステップST106により、第3の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなり、第4の無線通信方式は、UWBとなる。
【0056】
さらに、異なる具体例を示す。
本実施の形態において、第11の無線通信方式をBLE、第12の無線通信方式をNFC、第13の無線通信方式をWi-Fiとする。また、第21の無線通信方式をUWB、第22の無線通信方式をBLE、第23の無線通信方式をNFCとする。つまり、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式は、BLE、NFC及びWi-Fiとなり、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式である第1の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなる。
この場合、
図4に示すステップST101~ステップST106により、第3の無線通信方式は、BLE及びNFCとなり、第4の無線通信方式は、BLEとなる。
【0057】
次に
図5に、
図4のステップST102において、携帯端末1Aで行われる処理を示すフローチャートを示す。
【0058】
まず、無線通信方式決定部17Aは、第1の情報と第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する第3の無線通信方式を決定する(ステップST201)。
【0059】
そして、無線通信方式決定部17Aは、第3の無線通信方式が単数か複数かを判定する(ステップST202)。
【0060】
そして、第3の無線通信方式が単数である場合(ステップST202がYESの場合)、無線通信方式決定部17Aは、第3の無線通信方式を第4の無線通信方式とする(ステップST203)。
【0061】
そして、第3の無線通信方式が複数である場合(ステップST202がNOの場合)、無線通信方式決定部17Aは、
図2に示す優先度テーブルを用いて無線通信方式から最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式とする(ステップST204)。
【0062】
そして、出力部11Aは、第4の情報を利用者に通知する(ステップST205)。
【0063】
次に
図6に、入退室認証の処理を示すシーケンス図を示す。
まず、制御部12Aは、第4の無線通信方式に用いられる無線通信部を介して、読取認証識別情報を読取装置2Aに出力する(ステップST301)。
【0064】
そして、制御部20Aは、取得した認証識別情報を認証装置4Aに出力する(ステップST302)。
【0065】
そして、入退室認証部44Aは、読取装置2Aから取得した認証識別情報を、認証識別情報テーブルと比較することによって利用者の建物、施設等への入退室の可否を決定する(ステップST303)。
【0066】
そして、入退室認証部44Aは、入退室可否結果に基づいて、電子錠3Aを制御する(ステップST304)。
【0067】
図7に、
図6のステップST303及びステップST304の処理を示すフローチャートを示す。
【0068】
まず、入退室認証部44Aは、
図3に示す認証識別情報テーブルにおいて、読取装置2Aから取得した認証識別情報に設定された解錠可能な扉を特定する(ステップST401)。
【0069】
そして、入退室認証部44Aは、特定した解錠可能な扉のなかに、認証識別情報を出力した読取装置2Aが設置された扉が含まれるか否かを判定する(ステップST402)。
ここで、認証識別情報を出力した読取装置2Aが、読取装置2A-1~読取装置2A-nのいずれかであるかを特定する情報は、入退室認証部44Aが認証識別情報を読取装置2Aから取得する際に、読取装置I/F部42A-1~42A-nのうちどの読取装置I/F部42Aを経由して認証識別情報を取得したかにより決定される。
例えば、入退室認証部44Aが読取装置I/F部42A-1を経由して認証識別情報を取得した場合、認証識別情報を出力した読取装置2Aは読取装置2A-1と決定される。
【0070】
そして、特定した解錠可能な扉のなかに、認証識別情報を出力した読取装置2Aが設置された扉が含まれる場合(ステップST402がYESの場合)、入退室認証部44Aは、読取装置2Aに対応する電子錠3Aを解錠する(ステップST403)。
【0071】
そして、特定した解錠可能な扉のなかに、認証識別情報を出力した読取装置2Aが設置された扉が含まれていない場合(ステップST402がNOの場合)、電子錠3Aを解錠しない(ステップST404)。
【0072】
本実施の形態の入退室管理システム100Aは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Aと、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末1Aから取得する読取装置2Aと、読取装置2Aが取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置4Aと、を備える入退室管理システム100Aであって、読取装置2Aは、読取装置2Aが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Aに通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末1Aは、読取装置制御部から取得した第1の情報及び携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Aに通知する携帯端末制御部と、を備える。このような構成により、無線通信方式を用いた認証方式を複数搭載した入退室管理システム100Aが利用される状況において、複数の認証方式から適切な認証方式を選択することができる。そのため、利用者の意向、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式等を考慮した入退室認証に用いる認証方式の選択が困難となる等の状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Aを適切に利用することができる。ここで、利用者とは、利用者とは、入退室管理システム100Aにより入退室を管理される側の人、入退室管理システム100Aにより入退室を管理する側の人を含む。ここで、携帯端末制御部は制御部12A、読取装置制御部は制御部20Aに相当する。また、第1の無線通信は、読取装置2Aが携帯端末1Aから認証識別情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Aと読取装置2Aとの無線通信に相当する。
さらに、本実施の形態の入退室管理システム100Aは、第4の情報を利用者に通知する。そのため、利用者は第4の無線通信方式を認識することができ、第4の無線通信方式の特性に応じて適切に行動することができる。当該行動とは、例えば、利用者が携帯端末1Aを読取装置2Aにさらに近づける等の行動が含まれる。
【0073】
本実施の形態の携帯端末1Aは、利用者を識別する情報である認証識別情報を第1の無線通信により読取装置2Aに出力する携帯端末1Aであって、読取装置2Aが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を読取装置2Aから取得し、読取装置2Aから取得した第1の情報及び携帯端末が対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む情報である第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Aに通知する携帯端末制御部と、を備える。このような構成により、無線通信方式を用いた認証方式を複数搭載した入退室管理システム100Aが利用される状況において、複数の認証方式から適切な認証方式を選択することができる。そのため、利用者の意向、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式等を考慮した入退室認証に用いる認証方式の選択が困難となる等の状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Aを適切に利用することができる。ここで、利用者とは、利用者とは、入退室管理システム100Aにより入退室を管理される側の人、入退室管理システム100Aにより入退室を管理する側の人を含む。
【0074】
本実施の形態の読取装置2Aは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Aから第1の無線通信により認証識別情報を取得する読取装置2Aであって、読取装置2Aが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む情報である第1の情報を携帯端末1Aに通知し、携帯端末1Aが第1の情報及び携帯端末1Aが対応可能な第2の無線通信方式を含む情報である第2の情報を用いて、第1の無線通信方式と第2の無線通信方式とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いられる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、決定した第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を、携帯端末1Aから取得する読取装置制御部と、を備える。このような構成により、無線通信方式を用いた認証方式を複数搭載した入退室管理システム100Aが利用される状況において、複数の認証方式から適切な認証方式を選択することができる。そのため、利用者の意向、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式等を考慮した入退室認証に用いる認証方式の選択が困難となる等の状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Aを適切に利用することができる。ここで、利用者とは、利用者とは、入退室管理システム100Aにより入退室を管理される側の人、入退室管理システム100Aにより入退室を管理する側の人を含む。
【0075】
本実施の形態の入退室管理方法は、認証装置4Aが、読取装置2Aが携帯端末1Aから取得した利用者を識別する情報である認証識別情報を用いて、通知する携帯端末制御部と、を備える利用者の入退室認証を行う入退室管理方法であって、読取装置2Aが、読取装置2Aが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Aに通知するステップと、携帯端末1Aが、読取装置2Aから取得した第1の情報及び携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Aに通知するステップと、読取装置2Aが、第4の無線通信方式を用いた第1の無線通信により、認証識別情報を携帯端末1Aから取得するステップと、認証装置4Aが、読取装置2Aが携帯端末1Aから取得した認証識別情報を用いて利用者の入退室認証を行うステップと、を備える。
このような構成により、無線通信方式を用いた認証方式を複数搭載した入退室管理システム100Aが利用される状況において、複数の認証方式から適切な認証方式を選択することができる。そのため、利用者の意向、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式等を考慮した入退室認証に用いる認証方式の選択が困難となる等の状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Aを適切に利用することができる。ここで、利用者とは、利用者とは、入退室管理システム100Aにより入退室を管理される側の人、入退室管理システム100Aにより入退室を管理する側の人を含む。
【0076】
本実施の形態の入退室管理プログラムは、認証装置4Aが、読取装置2Aが携帯端末1Aから取得した利用者を識別する情報である認証識別情報を用いて、通知する携帯端末制御部と、を備える利用者の入退室認証を行う入退室管理プログラムであって、コンピュータに読取装置2Aが、読取装置2Aが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Aに通知する機能と、携帯端末1Aが、読取装置2Aから取得した第1の情報及び携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Aに通知する機能と、読取装置2Aが、第4の無線通信方式を用いた第1の無線通信により、認証識別情報を携帯端末1Aから取得する機能と、認証装置4Aが、読取装置2Aが携帯端末1Aから取得した認証識別情報を用いて利用者の入退室認証を行う機能を実行させる。
このような構成により、無線通信方式を用いた認証方式を複数搭載した入退室管理システム100Aが利用される状況において、複数の認証方式から適切な認証方式を選択することができる。そのため、利用者の意向、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式等を考慮した入退室認証に用いる認証方式の選択が困難となる等の状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Aを適切に利用することができる。ここで、利用者とは、利用者とは、入退室管理システム100Aにより入退室を管理される側の人、入退室管理システム100Aにより入退室を管理する側の人を含む。
【0077】
実施の形態2.
本実施の形態における入退室管理システム100Bについて説明する。
実施の形態1において、入退室認証での携帯端末1Aと読取装置2Aとの間の無線通信に用いる無線通信方式は、第1の無線通信方式を示す情報である第1の情報、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報及び優先度テーブルにより決定される構成について説明したが、本実施の形態では、入退室認証での携帯端末1Bと読取装置2Bとの間の無線通信に用いる無線通信方式は、後述する読取装置識別情報を示す情報である第1の情報、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報、後述する読取装置識別テーブル及び優先度テーブルにより決定される点が実施の形態1と異なる。本実施の形態の説明において、読取装置2Bが携帯端末1Bから認証識別情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Bと読取装置2Bとの無線通信を、第1の無線通信とする。
【0078】
図8を用いて、本実施の形態の入退室管理システム100Bを説明する。
入退室管理システム100Bは、携帯端末1Bと、複数の読取装置2B-1~2B-nと、複数の電子錠3B-1~3B-nと、認証装置4Bと、を備える。
入退室管理システム100Bは、建物、施設等に設置される。入退室管理システム100Bは、建物、施設等の利用者を識別する情報である認識識別情報を保持した携帯端末1Bと読取装置2Bとの無線通信により、読取装置2Bが携帯端末1Bから認証識別情報を取得し、読取装置2Bが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Bが利用者の入退室認証を行う。
【0079】
携帯端末1Bは、入力部10Bと、出力部11Bと、制御部12Bと、記憶部13Bと、第1の無線通信部14Bと、第2の無線通信部15Bと、第3の無線通信部16Bと、を備える。さらに、制御部12Bは、無線通信方式決定部17Bを備える。
【0080】
第1の無線通信部14Bは、読取装置2Bとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第31の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第1の無線通信部14Bは、第2の無線通信部15B及び第3の無線通信部16Bとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0081】
第2の無線通信部15Bは、読取装置2Bとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第32の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第2の無線通信部15Bは、第1の無線通信部14B及び第3の無線通信部16Bとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0082】
第3の無線通信部16Bは、読取装置2Bとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第33の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第3の無線通信部16Bは、第1の無線通信部14B及び第2の無線通信部15Bとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0083】
携帯端末1Bは、第1の無線通信部14B、第2の無線通信部15B、第3の無線通信部16Bを備えているため、第31の無線通信方式、第32の無線通信方式及び第33の無線通信方式に対応する。言い換えれば、携帯端末1Bは、第31の無線通信方式、第32の無線通信方式及び第33の無線通信方式以外の無線通信方式には対応していない。
【0084】
以下の説明では、携帯端末1Bが対応可能な無線通信方式をまとめて第2の無線通信方式とする。本実施の形態における第2の無線通信方式は、第31の無線通信方式、第32の無線通信方式及び第33の無線通信方式となる。
【0085】
読取装置2Bは、制御部20Bと、記憶部21Bと、認証装置I/F部22Bと、第1の無線通信部23Bと、第2の無線通信部24Bと、第3の無線通信部25Bと、を備える。
【0086】
第1の無線通信部23Bは、読取装置2Bとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第41の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第1の無線通信部23Bは、第2の無線通信部24B及び第3の無線通信部25Bとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0087】
第2の無線通信部24Bは、読取装置2Bとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第42の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第2の無線通信部24Bは、第1の無線通信部23B及び第3の無線通信部25Bとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0088】
第3の無線通信部25Bは、読取装置2Bとの間でNFC、BLE、Wi-Fi、UWB等の第43の無線通信方式による無線通信を行う。ここで、第3の無線通信部25Bは、第1の無線通信部23B及び第2の無線通信部24Bとは異なる無線通信方式により無線通信を行う。
【0089】
読取装置2Bは、第1の無線通信部23B、第2の無線通信部24B、第3の無線通信部25Bを備えているため、第41の無線通信方式、第42の無線通信方式及び第43の無線通信方式に対応する。言い換えれば、読取装置2Bは、第41の無線通信方式、第42の無線通信方式及び第43の無線通信方式以外の無線通信方式には対応していない。
【0090】
以下の説明では、読取装置2Bが対応可能な無線通信方式をまとめて第1の無線通信方式とする。本実施の形態における第1の無線通信方式は、第41の無線通信方式、第42の無線通信方式及び第43の無線通信方式となる。
【0091】
認証装置4Bは、制御部40Bと、記憶部41Bと、読取装置I/F部42B-1~42B-nと、電子錠I/F部43B-1~43B-nと、を備える。さらに、制御部40Bは、入退室認証部44Bを備える。
本実施の形態では、実施の形態1の構成に対して異なる機能を有する記憶部13B、無線通信方式決定部17B、記憶部21B及び制御部20Bについて説明する。それ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0092】
無線通信方式決定部17Bは、読取装置識別情報を示す情報である第1の情報、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報、読取装置識別テーブル及び優先度テーブルを用いて、入退室認証での携帯端末1Bと読取装置2Bとの間の無線通信においてどの無線通信方式を用いるかを決定する。詳細は後述する。
【0093】
記憶部13Bは、制御部12Bによって実行される携帯端末1Bの制御及び演算を行うためのプログラムを格納している。また、記憶部13Bは、認証識別情報等を予め格納している。また、記憶部13Bは、入退室認証での携帯端末1Bと読取装置2Bとの間の無線通信においてどの無線通信方式を優先的に用いるかを定めた優先度テーブル、及び読取装置識別情報と第1の無線通信方式とが対応した読取装置識別テーブルを予め格納している。ここで、読取装置識別情報は、読取装置2Bを識別する情報、第1の無線通信方式は、読取装置2Bが対応可能な無線通信方式を指す。
【0094】
ここで、
図9を用いて読取装置識別テーブルについて説明する。
図9に示すように、読取装置識別テーブルでは、読取装置識別情報ごとに、読取装置2Bが対応可能な無線通信方式である第1の無線通信方式が対応付けられている。例えば、読取装置識別情報1の場合、第1の無線通信方式は、UWB、BLE、NFC及びWi-Fiとなる。読取装置識別情報2の場合、第1の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなる。読取装置識別情報3の場合、第1の無線通信方式は、UWB及びBLEとなる。
なお、読取装置識別テーブルは、携帯端末1Bのキャリア回線等により適宜更新可能である。
【0095】
記憶部13Bは、RAM、ROM、EPROM等の半導体メモリを有することができる。また、記憶部13Bは、フラッシュメモリ等の半導体メモリだけではなく、磁気記憶装置、光学記憶装置等の任意のタイプの記憶装置を有してもよい。
【0096】
制御部20Bは、記憶部21Bに記録されたプログラムを実行し、読取装置2Bの制御及び演算を行うCPU等のプロセッサである。
【0097】
記憶部21Bは、制御部20Bによって実行される読取装置2Bの制御及び演算を行うためのプログラムを格納している。記憶部21Bは、RAM、ROM、EPROM等の半導体メモリを有することができる。また、記憶部21Bは、フラッシュメモリ等の半導体メモリだけではなく、磁気記憶装置、光学記憶装置等の任意のタイプの記憶装置を有してもよい。また、記憶部13Bは、読取装置識別情報を予め格納している。
【0098】
図10に、携帯端末1Bと読取装置2Bとの間で行われる処理を示すシーケンス図を示す。
図10に示すシーケンス図は、入退室管理システム100Bにおいて、入退室認証での携帯端末1Bと読取装置2Bとの間の無線通信においてどの無線通信方式を用いるかを決定するための処理を示す。
【0099】
まず、制御部20Bは、予め定められた無線通信方式により、読取装置識別情報を示す情報である第1の情報を携帯端末1Bに通知する(ステップST501)。
ここで、第1の情報は、周期的に通知されてもよいし、携帯端末1Bから要求された場合に通知されてもよい。
【0100】
そして、無線通信方式決定部17Bは、
図9に示す読取装置識別テーブルを用いて、読取装置2Bから取得した読取装置識別情報に対応する第1の無線通信方式を抽出し、抽出した第1の無線通信方式である抽出情報及び第2の無線通信方式を示す第2の情報を用いて、抽出情報と第2の情報とに共通する共通無線通信方式を第3の無線通信方式として決定する。さらに、
図2に示す優先度テーブルを用いて第3の無線通信方式から最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式として決定する(ステップST502)。
【0101】
そして、制御部12Bは、予め定められた無線通信方式を介して、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Bに通知する(ステップST503)。
【0102】
そして、制御部12Bは、出力部11Bを介して第4の情報を利用者に通知する(ステップST504)。
【0103】
そして、入退室管理システム100Bにおいて、第4の無線通信方式を用いて入退室認証での携帯端末1Bと読取装置2Bとの間の無線通信を行う(ステップST505及びステップST506)。
【0104】
ここで、
図10に示すシーケンス図について具体例を示す。
本実施の形態において、読取装置識別情報を
図9に記載の読取装置識別情報1とし、第31の無線通信方式をUWB、第32の無線通信方式をBLE、第33の無線通信方式をNFCとする。つまり、携帯端末1Bが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFC、読取装置2Bが対応可能な無線通信方式である第1の無線通信方式は、UWB、BLE、NFC及びWi-Fiとなる。
この場合、
図10に示すステップST501~ステップST506により、第3の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなり、第4の無線通信方式は、UWBとなる。
【0105】
図11に、
図10のステップST502において、携帯端末1Bと読取装置2Bとの間で行われる処理を示すフローチャートを示す。
【0106】
まず、無線通信方式決定部17Bは、読取装置識別テーブルを用いて、読取装置2Bから取得した読取装置識別情報に対応する第1の無線通信方式を抽出する(ステップST601)。
【0107】
そして、無線通信方式決定部17Bは、抽出情報と第2の情報を用いて、抽出情報と第2の情報とに共通する第3の無線通信方式を決定する(ステップST602)。
【0108】
そして、無線通信方式決定部17Bは、第3の無線通信方式が単数か複数かを判定する(ステップST603)。
【0109】
そして、第3の無線通信方式が単数である場合(ステップST603がYESの場合)、無線通信方式決定部17Bは、第3の無線通信方式を第4の無線通信方式とする(ステップST604)。
【0110】
そして、第3の無線通信方式が複数である場合(ステップST603がNOの場合)、無線通信方式決定部17Bは、優先度テーブルを用いて無線通信方式から最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式とする(ステップST605)。
【0111】
そして、出力部11Bは、第4の情報を利用者に通知する(ステップST606)。
【0112】
本実施の形態の入退室管理システム100Bは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Bと、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末1Bから取得する読取装置2Bと、読取装置2Bが取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置4Bと、を備える入退室管理システム100Bであって、読取装置2Bは、読取装置2Bを識別する情報である読取装置識別情報を含む第1の情報を携帯端末1Bに通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末1Bは、読取装置識別情報と読取装置2Bが対応可能な無線通信方式である第1の無線通信方式が対応した読取装置識別テーブルを保持し、読取装置識別テーブルを用いて、読取装置2Bから取得した読取装置識別情報に対応する第1の無線通信方式を抽出し、抽出した第1の無線通信方式である抽出情報及び携帯端末1Bが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、抽出情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Bに通知する携帯端末制御部と、を備える。このような構成により、実施の形態1で説明した効果と同様の効果を奏することができる。ここで、携帯端末制御部は制御部12B、読取装置制御部は制御部20Bに相当する。また、第1の無線通信は、読取装置2Bが携帯端末1Bから認証識別情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Bと読取装置2Bとの無線通信に相当する。
【0113】
実施の形態3.
本実施の形態における入退室管理システム100Cについて説明する。
実施の形態1において、読取装置2Aが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Aにおいて利用者の入退室認証が行われる構成について説明したが、本実施の形態では、電波強度測定部26Cが、第4の無線通信方式の電波強度を測定し、電波強度判定部27Cが、電波強度測定部26Cが測定した電波強度と予め定められた閾値を比較し、当該判定結果に基づいて、認証装置4Cが入退室認証を行うか否かを決定する点が実施の形態1と異なる。
【0114】
図12を用いて、本実施の形態の入退室管理システム100Cを説明する。
入退室管理システム100Cは、携帯端末1Cと、複数の読取装置2C-1~2C-nと、複数の電子錠3C-1~3C-nと、認証装置4Cと、を備える。
入退室管理システム100Cは、建物、施設等に設置される。入退室管理システム100Cは、建物、施設等の利用者を識別する情報である認識識別情報を保持した携帯端末1Cと読取装置2Cとの無線通信により、読取装置2Cが携帯端末1Cから認証識別情報を取得し、読取装置2Cが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Cが利用者の入退室認証を行う。
【0115】
携帯端末1Cは、入力部10Cと、出力部11Cと、制御部12Cと、記憶部13Cと、第1の無線通信部14Cと、第2の無線通信部15Cと、第3の無線通信部16Cと、を備える。さらに、制御部12Cは、無線通信方式決定部17Cを備える。
【0116】
読取装置2Cは、制御部20Cと、記憶部21Cと、認証装置I/F部22Cと、第1の無線通信部23Cと、第2の無線通信部24Cと、第3の無線通信部25Cと、を備える。
【0117】
認証装置4Cは、制御部40Cと、記憶部41Cと、読取装置I/F部42C-1~42C-nと、電子錠I/F部43C-1~43C-nと、を備える。さらに、制御部40Cは、入退室認証部44Cを備える。
【0118】
本実施の形態では、制御部40Cに、電波強度測定部26Cと、電波強度判定部27Cと、をさらに備える。以下の説明では、電波強度測定部26Cと、電波強度判定部27Cと、実施の形態1の構成に対して機能が追加された出力部11C及び制御部40Cについて説明する。それ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0119】
出力部11Cは、認証識別情報、第4の無線通信方式に加えて、電波強度判定部27Cから取得した判定結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する。ここで、電波強度判定部27Cから取得した判定結果に基づいた情報とは、測定結果が予め定められた閾値未満の場合に、利用者に読取装置2Cへさらに近づくように促す情報を含む。なお、本実施の形態では、出力部11Cが、認証識別情報、第4の無線通信方式、電波強度判定部27Cから取得した判定結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する例を示したが、利用者への認証識別情報、第4の無線通信方式、電波強度判定部27Cから取得した判定結果に基づいた情報等の通知は必須ではなく通知しなくてもよい。
【0120】
電波強度測定部26Cは、読取装置2Cが携帯端末1Cから認証識別情報を取得した際の、第4の無線通信方式の電波強度を測定する。そして、電波強度判定部27Cに測定結果を出力する。なお、電波強度測定部26Cは、周期的に第4の無線通信方式の電波を受信しているため、複数回受信した電波について電波強度を測定し、電波強度の平均値や代表値を測定結果としてもよい。
【0121】
電波強度判定部27Cは、電波強度測定部26Cが出力した測定結果と予め定められた閾値とを比較する。そして、電波強度判定部27Cは、判定結果を第4の無線通信方式を介して出力部11Cに出力する。さらに電波強度判定部27Cは、判定結果を認証装置I/F部22Cを介して制御部40Cにも出力する。ここで、判定結果とは測定結果が予め定められた閾値以上か否かを含む。また、予め定められた閾値は、入退室管理システム100Cにおける、扉、読取装置2C等の設置環境により適宜設定される。
【0122】
通常、建物、施設等への入退室の意図がある人物は、入退室認証のために読取装置2Cに意図的に接近する場合が多いと考えられ、一方、建物、施設等への入退室の意図がない人物は、入退室認証の必要がないので、意図的に接近する場合が少ないと考えられる。つまり、建物、施設等への入退室の意図がない人物が所持する携帯端末1Cと比較して建物、施設等への入退室の意図がある人物が所持する携帯端末1Cと読取装置2Cとの無線通信において、電波強度測定部26Cで測定される電波強度が強くなる傾向があると考えられる。そのため、入退室管理システム100Cにおける、扉、読取装置2C等の設置環境により、予め定められた閾値を適宜設定することで、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。
【0123】
制御部40Cは、電波強度判定部27Cから取得した判定結果を用いて入退室認証を行うか否かを決定する。具体的には、測定結果が予め定められた閾値以上の場合、入退室認証部44Cは入退室認証を行い、測定結果が予め定められた閾値未満の場合、入退室認証部44Cは入退室認証を行わない。
【0124】
図13に、電波強度の測定結果により入退室認証を行うか否かを決定する処理についてフローチャートを用いて説明する。
図13に示すフローチャートは、
図7に示すフローチャートのステップST402とST403との間で実施される。
図13に示すフローチャートは、同一の読取装置2Cから電波を受信しなくなった場合に終了する。
【0125】
まず、電波強度測定部26Cは、読取装置2Cが携帯端末1Cから認証識別情報を取得した際の、第4の無線通信方式の電波強度を測定する(ステップST701)。
【0126】
そして、電波強度判定部27Cは、電波強度測定部26Cが出力した測定結果と予め定められた閾値とを比較する(ステップST702)。
【0127】
そして、測定結果が予め定められた閾値以上の場合(ステップST702がYESの場合)、入退室認証部44Cは、入退室認証を行う(ステップST703)。
【0128】
そして、測定結果が予め定められた閾値未満の場合(ステップST702がNOの場合)、入退室認証部44Cは、入退室認証を行わない(ステップST704)。
【0129】
そして、ステップST704の次に、出力部11Cは、利用者に読取装置2Cへさらに近づくように促す情報を含む電波強度判定部27Cから取得した判定結果に基づいた情報を利用者に通知する(ステップST705)。具体的には、利用者に読取装置2Cへさらに近づくように促す情報を通知する。
【0130】
本実施の形態の入退室管理システム100Cは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Cと、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末1Cから取得する読取装置2Cと、読取装置2Cが取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置4Cと、を備える入退室管理システム100Cであって、読取装置2Cは、読取装置2Cが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Cに通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末1Cは、読取装置制御部から取得した第1の情報及び携帯端末1Cが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Cに通知する携帯端末制御部と、を備える。読取装置制御部は、携帯端末1Cから認証識別情報を取得した際に、第4の無線通信方式の電波強度を測定する電波強度測定部26Cと、電波強度と予め定められた閾値とを比較する電波強度判定部27Cと、を備え、電波強度判定部27Cが、電波強度測定部26Cが測定した電波強度が閾値以上であると判定した場合、認証装置4Cは入退室認証を行い、電波強度判定部27Cが、電波強度測定部26Cが測定した電波強度が閾値未満であると判定した場合、認証装置4Cは入退室認証を行わない。このような構成により、実施の形態1で説明した効果に加えて、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。そのため、建物、施設等への入退室の意図がない人物に対して入退室認証が実行され、建物、施設等への入退室の意図がない人物の入室又は退室の履歴が残り、実態と相違した履歴が入退室管理システム100Cに残る状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Cを適切に利用することができる。ここで、携帯端末制御部は制御部12C、読取装置制御部は制御部20Cに相当する。また、第1の無線通信は、読取装置2Cが携帯端末1Cから認証識別情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Cと読取装置2Cとの無線通信に相当する。
【0131】
さらに、本実施の形態の入退室管理システム100Cは、読取装置2Cへさらに近づくように促す情報を含む電波強度判定部から取得した判定結果に基づいた情報を利用者に通知する。そのため、利用者は建物、施設等への入退室の意図の有無に応じて適切に行動することができる。
【0132】
なお、本実施の形態において、本実施の形態特有の構成である、電波強度測定部26C及び電波強度判定部27Cと実施の形態1との組み合わせについて説明したが、本実施の形態特有の構成である、電波強度測定部26C及び電波強度判定部27Cと実施の形態2とを組み合わせてもよい。
【0133】
なお、本実施の形態において、電波強度測定部26Cが、読取装置2Cが携帯端末1Cから認証識別情報を取得した際の、第4の無線通信方式の電波強度を測定し、電波強度判定部27Cが、電波強度測定部26Cが出力した測定結果と予め定められた閾値とを比較すると説明したが、第4の無線通信方式として決定された無線通信方式のすべてにおいて、電波強度測定部26C及び電波強度判定部27Cを動作させる必要はない。例えば、BLEが第4の無線通信方式として決定された場合に、電波強度測定部26C及び電波強度判定部27Cを動作させる等、無線通信方式の種類によって電波強度測定部26C及び電波強度判定部27Cを動作させるか否かを設定してもよい。
【0134】
実施の形態4.
本実施の形態における入退室管理システム100Dについて説明する。
実施の形態1において、読取装置2Aが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Aにおいて利用者の入退室認証が行われる構成について説明したが、本実施の形態では、動作検知部26Dが、利用者の予め定められた動作を検知し、当該検知結果に基づいて、認証装置4Dが入退室認証を行うか否かを決定する点が実施の形態1と異なる。
【0135】
図14を用いて、本実施の形態の入退室管理システム100Dを説明する。
入退室管理システム100Dは、携帯端末1Dと、複数の読取装置2D-1~2D-nと、複数の電子錠3D-1~3D-nと、認証装置4Dと、を備える。
入退室管理システム100Dは、建物、施設等に設置される。入退室管理システム100Dは、建物、施設等の利用者を識別する情報である認識識別情報を保持した携帯端末1Dと読取装置2Dとの無線通信により、読取装置2Dが携帯端末1Dから認証識別情報を取得し、読取装置2Dが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Dが利用者の入退室認証を行う。
【0136】
携帯端末1Dは、入力部10Dと、出力部11Dと、制御部12Dと、記憶部13Dと、第1の無線通信部14Dと、第2の無線通信部15Dと、第3の無線通信部16Dと、を備える。さらに、制御部12Dは、無線通信方式決定部17Dを備える。
【0137】
読取装置2Dは、制御部20Dと、記憶部21Dと、認証装置I/F部22Dと、第1の無線通信部23Dと、第2の無線通信部24Dと、第3の無線通信部25Dと、を備える。
【0138】
認証装置4Dは、制御部40Dと、記憶部41Dと、読取装置I/F部42D-1~42D-nと、電子錠I/F部43D-1~43D-nと、を備える。さらに、制御部40Dは、入退室認証部44Dを備える。
【0139】
本実施の形態では、制御部40Dに、動作検知部26Dをさらに備える。以下の説明では、動作検知部26Dと、実施の形態1の構成に対して機能が追加された出力部11D及び制御部40Dについて説明する。それ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0140】
出力部11Dは、認証識別情報、第4の無線通信方式に加えて、動作検知部26Dから取得した検知結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する。ここで、動作検知部26Dから取得した検知結果に基づいた情報とは、動作検知部26Dが利用者の予め定められた動作を検知しない場合に、利用者に読取装置2Dへさらに近づくように促す情報を含む。なお、本実施の形態では、出力部11Dが、認証識別情報、第4の無線通信方式、動作検知部26Dから取得した検知結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する例を示したが、利用者への認証識別情報、第4の無線通信方式、動作検知部26Dから取得した検知結果に基づいた情報等の通知は必須ではなく通知しなくてもよい。
【0141】
動作検知部26Dは、赤外線センサー、カメラ等によって構成され、利用者の予め定められた動作を検知する。そして、認証装置I/F部22Dを介して、制御部40Dに検知結果を出力する。検知結果は、利用者の予め定められた動作を検知したか否かの情報を含む。
【0142】
ここで、利用者の予め定められた動作とは、動作検知部26Dに利用者の手等の身体の一部をかざす動作、動作検知部26Dに利用者が顔を向ける動作等である。通常、入退室認証に動作検知が必要である場合、建物、施設等への入退室の意図がある人物は、予め定められた動作を行う要求に応じると考えられ、一方、建物、施設等への入退室の意図がない人物は、入退室認証の必要がないので、予め定められた動作を行う要求には応じないと考えられる。つまり、動作検知部26Dは、予め定められた動作を検知することで、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別している。
【0143】
なお、利用者の予め定められた動作は、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別するためのものであり、動作検知部26Dに利用者の身体の一部をかざす動作、動作検知部26Dに利用者が顔を向ける動作に限定されず、入退室管理システム100Dの利用環境等により適宜設定される。
【0144】
制御部40Dは、動作検知部26Dから取得した検知結果を用いて入退室認証を行うか否かを決定する。具体的には、動作検知部26Dが利用者の予め定められた動作を検知した場合、入退室認証部44Dは入退室認証を行い、動作検知部26Dが利用者の予め定められた動作を検知しない場合、入退室認証部44Dは入退室認証を行わない。
【0145】
図15に、利用者の予め定められた動作の検知結果により入退室認証を行うか否かを決定する処理についてフローチャートを用いて説明する。
図15に示すフローチャートは、
図7に示すフローチャートのステップST402とST403との間で実施される。
図15に示すフローチャートは、予め定められた時間以上利用者の予め定められた動作を検知しない場合に終了する。
【0146】
まず、動作検知部26Dは、利用者の予め定められた動作を検知する(ステップST801)。
【0147】
そして、動作検知部26Dが利用者の予め定められた動作を検知した場合(ステップST801がYESの場合)、入退室認証部44Dは、入退室認証を行う(ステップST802)。
【0148】
そして、動作検知部26Dが利用者の予め定められた動作を検知しない場合(ステップST801がNOの場合)、入退室認証部44Dは、入退室認証を行わない(ステップST803)。
【0149】
そして、ステップST803の次に、出力部11Dは、利用者に読取装置2Dへさらに近づくように促す情報を含む動作検知部26Dから取得した検知結果に基づいた情報を利用者に通知する(ステップST804)。
【0150】
本実施の形態の入退室管理システム100Dは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Dと、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末1Dから取得する読取装置2Dと、読取装置2Dが取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置4Dと、を備える入退室管理システム100Dであって、読取装置2Dは、読取装置2Dが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Dに通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末1Dは、読取装置制御部から取得した第1の情報及び携帯端末1Dが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Dに通知する携帯端末制御部と、を備える。読取装置制御部は、利用者の予め定められた動作を検知する動作検知部26Dを備え、動作検知部26Dが動作を検知した場合、認証装置4Dは入退室認証を行い、動作検知部26Dが動作を検知しない場合、認証装置4Dは入退室認証を行わない。このような構成により、実施の形態1で説明した効果に加えて、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。そのため、建物、施設等への入退室の意図がない人物に対して入退室認証が実行され、建物、施設等への入退室の意図がない人物の入室又は退室の履歴が残り、実態と相違した履歴が入退室管理システム100Dに残る状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Dを適切に利用することができる。ここで、携帯端末制御部は制御部12D、読取装置制御部は制御部20Dに相当する。また、第1の無線通信は、読取装置2Dが携帯端末1Dから認証識別情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Dと読取装置2Dとの無線通信に相当する。
【0151】
さらに、本実施の形態の入退室管理システム100Dは、動作検知部26Dへさらに近づくように促す情報を含む動作検知部26Dから取得した検知結果に基づいた情報を利用者に通知する。そのため、利用者は建物、施設等への入退室の意図の有無に応じて適切に行動することができる。
【0152】
なお、本実施の形態において、本実施の形態特有の構成である、動作検知部26Dと実施の形態1との組み合わせについて説明したが、本実施の形態特有の構成である、動作検知部26Dと実施の形態2とを組み合わせてもよい。
【0153】
なお、本実施の形態において、動作検知部26Dが、利用者の予め定められた動作を検知すると説明したが、第4の無線通信方式として決定された無線通信方式のすべてにおいて、動作検知部26Dを動作させる必要はない。例えば、BLEが第4の無線通信方式として決定された場合のみ、動作検知部26Dを動作させる等、無線通信方式の種類によって動作検知部26Dを動作させるか否かを設定してもよい。
【0154】
実施の形態5.
本実施の形態における入退室管理システム100Eについて説明する。
実施の形態1において、無線通信方式決定部17Aは、第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定する構成について説明した。本実施の形態では、第3の無線通信方式が複数である場合、且つ第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、無線通信方式決定部17Eは、第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を第4の無線通信方式とする。そして、携帯端末1Eと読取装置2Eは、実施の形態1と同様に、第4の無線通信方式を用いて第1の無線通信を行う。加えて、携帯端末1Eと読取装置2Eは、第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行う点が実施の形態1と異なる。
【0155】
ここで、第1の無線通信は、読取装置2Eが携帯端末1Eから認証識別情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Eと読取装置2Eとの無線通信に相当する。また、第2の無線通信は、位置情報取得部18Eが、携帯端末1Eの位置情報を取得する場合に行われる、携帯端末1Eと読取装置2Eとの無線通信に相当する。以下に、詳細を説明する。
【0156】
図16を用いて、本実施の形態の入退室管理システム100Eを説明する。
入退室管理システム100Eは、携帯端末1Eと、複数の読取装置2E-1~2E-nと、複数の電子錠3E-1~3E-nと、認証装置4Eと、を備える。
入退室管理システム100Eは、建物、施設等に設置される。入退室管理システム100Eは、建物、施設等の利用者を識別する情報である認識識別情報を保持した携帯端末1Eと読取装置2Eとの無線通信により、読取装置2Eが携帯端末1Eから認証識別情報を取得し、読取装置2Eが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Eが利用者の入退室認証を行う。
【0157】
携帯端末1Eは、入力部10Eと、出力部11Eと、制御部12Eと、記憶部13Eと、第1の無線通信部14Eと、第2の無線通信部15Eと、第3の無線通信部16Eと、を備える。さらに、制御部12Eは、無線通信方式決定部17Eと、位置情報取得部18E、エリア判定部19Eと、を備える。
【0158】
読取装置2Eは、制御部20Eと、記憶部21Eと、認証装置I/F部22Eと、第1の無線通信部23Eと、第2の無線通信部24Eと、第3の無線通信部25Eと、を備える。
【0159】
認証装置4Eは、制御部40Eと、記憶部41Eと、読取装置I/F部42E-1~42E-nと、電子錠I/F部43E-1~43E-nと、を備える。さらに、制御部40Eは、入退室認証部44Eを備える。
【0160】
本実施の形態では、実施の形態1の構成に対して制御部12Eに、位置情報取得部18E、エリア判定部19Eをさらに備える。以下の説明では、位置情報取得部18E、エリア判定部19Eと、実施の形態1の構成に対して機能が追加された出力部11E、無線通信方式決定部17E及び制御部40Eについて説明する。それ以外の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
【0161】
出力部11Eは、認証識別情報、第4の無線通信方式に加えて、第5の無線通信方式、エリア判定部19Eから取得した判定結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する。ここで、エリア判定部19Eから取得した判定結果に基づいた情報とは、エリア判定部19Eが携帯端末1Eの位置情報が予め定められたエリアに含まれないと判定した場合に、利用者に読取装置2Eへさらに近づくように促す情報を含む。
なお、本実施の形態では、出力部11Eが、認証識別情報、第4の無線通信方式、第5の無線通信方式、エリア判定部19Eから取得した判定結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する例を示したが、利用者への認証識別情報、第4の無線通信方式、第5の無線通信方式、エリア判定部19Eから取得した判定結果に基づいた情報等の通知は必須ではなく通知しなくてもよい。
【0162】
無線通信方式決定部17Eは、第1の無線通信方式を示す情報である第1の情報、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報及び優先度テーブルを用いて、入退室認証での携帯端末1Eと読取装置2Eとの間の第1の無線通信及び第2の無線通信においてどの無線通信方式を用いるかを決定する。詳細は後述する。
【0163】
位置情報取得部18Eは、第2の無線通信を用いて、携帯端末1Eの位置情報(以下、携帯端末1Eの位置情報を位置情報という。)を取得する。そして、位置情報取得部18Eは、エリア判定部19Eに位置情報を出力する。
【0164】
エリア判定部19Eは、位置情報取得部18Eから取得した位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを判定する。そして、エリア判定部19Eは、判定結果を出力部11Eに出力する。さらに、エリア判定部19Eは、判定結果を制御部40Eにも出力する。ここで、判定結果とは、位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを含む。また、予め定められたエリアは、読取装置2Eの位置を含むように適宜設定される。また、予め定められたエリアは、入退室管理システム100Eにおける、扉、読取装置2E等の設置環境により適宜設定される。
【0165】
通常、建物、施設等への入退室の意図がある人物は、入退室認証のために読取装置2Eに意図的に接近する場合が多いと考えられ、一方、建物、施設等への入退室の意図がない人物は、入退室認証の必要がないので、意図的に接近する場合が少ないと考えられる。つまり、建物、施設等への入退室の意図がない人物が所持する携帯端末1Eの位置情報と比較して建物、施設等への入退室の意図がある人物が所持する携帯端末1Eの位置情報は、予め定められたエリア内に位置する傾向があると考えられる。そのため、入退室管理システム100Eにおける、扉、読取装置2E等の設置環境により、予め定められたエリアを適宜設定することで、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。
【0166】
制御部40Eは、エリア判定部19Eから取得した判定結果を用いて入退室認証を行うか否かを決定する。具体的には、エリア判定部19Eが、位置情報は予め定められたエリアに含まれると判定した場合、入退室認証部44Eは入退室認証を行い、エリア判定部19Eが、位置情報は予め定められたエリアに含まれないと判定した場合、入退室認証部44Eは入退室認証を行わない。
【0167】
つづいて、
図17に携帯端末1Eと読取装置2Eとの間で行われる処理を示すシーケンス図を示す。
図17に示すシーケンス図は、入退室管理システム100Eにおいて、入退室認証での携帯端末1Eと読取装置2Eとの間の第1の無線通信及び第2の無線通信においてどの無線通信方式を用いるかを決定するための処理を示す。
【0168】
まず、制御部20Eは、予め定められた無線通信方式により、第1の無線通信方式を示す情報である第1の情報を携帯端末1Eに通知する(ステップST901)。
ここで、第1の情報は、周期的に通知されてもよいし、携帯端末1Eから要求された場合に通知されてもよい。
【0169】
そして、無線通信方式決定部17Eは、第1の情報と、第2の無線通信方式を示す情報である第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する共通無線通信方式を第3の無線通信方式として決定する。さらに、第3の無線通信方式が複数である場合、且つ第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、無線通信方式決定部17Eは、第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を第4の無線通信方式とする。具体的には、無線通信方式決定部17Eは、
図2に示す優先度テーブルを用いて第5の無線通信方式を除いた無線通信方式のうち最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式として決定する(ステップST902)。
【0170】
そして、制御部12Eは、予め定められた無線通信方式を介して、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報及び第5の無線通信方式を示す情報である第5の情報を読取装置2Eに通知する(ステップST903)。
【0171】
そして、制御部12Eは、出力部11Eを介して第4の情報及び第5の情報を利用者に通知する(ステップST904)。
【0172】
そして、携帯端末1Eと読取装置2Eは、第4の無線通信方式を用いて第1の無線通信及び第5の無線通信方式を用いて第2の無線通信を行う(ステップST905及びステップST906)。
【0173】
ここで、
図17に示すシーケンス図について具体例を示す。
本実施の形態において、第11の無線通信方式及び第21の無線通信方式をUWB、第12の無線通信方式及び第22の無線通信方式をBLE、第13の無線通信方式及び第23の無線通信方式をNFC、第5の無線通信方式をUWBとする。つまり、携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなり、読取装置2Aが対応可能な無線通信方式である第1の無線通信方式も、UWB、BLE及びNFCとなる。
この場合、
図17に示すステップST901~ステップST906により、第3の無線通信方式は、UWB、BLE及びNFCとなり、第4の無線通信方式は、BLE、第5の無線通信方式は、UWBとなる。
【0174】
次に
図18に、
図17のステップST902において、携帯端末1Eで行われる処理を示すフローチャートを示す。
【0175】
まず、無線通信方式決定部17Eは、第1の情報と第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する第3の無線通信方式を決定する(ステップST1001)。
【0176】
そして、無線通信方式決定部17Eは、第3の無線通信方式が単数か複数かを判定する(ステップST1002)。
【0177】
そして、第3の無線通信方式が単数である場合(ステップST1002がYESの場合)、無線通信方式決定部17Eは、第3の無線通信方式を第4の無線通信方式とする(ステップST1003)。
【0178】
そして、第3の無線通信方式が複数である場合(ステップST1002がNOの場合)、無線通信方式決定部17Eは、第5の無線通信方式が含まれているか否かを判定する(ステップST1004)。
【0179】
そして、第5の無線通信方式が含まれている場合(ステップST1004がYESの場合)、無線通信方式決定部17Eは、
図2に示す優先度テーブルを用いて第5の無線通信方式を除いた無線通信方式のうち最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式とする(ステップST1005)。
【0180】
そして、第5の無線通信方式が含まれていない場合(ステップST1004がNOの場合)、無線通信方式決定部17Eは、
図2に示す優先度テーブルを用いて無線通信方式のうち最も優先度が高い無線通信方式を、第4の無線通信方式とする(ステップST1006)。
【0181】
そして、出力部11Eは、第4の情報及び第5の情報を利用者に通知する(ステップST1007)。
【0182】
つづいて、
図19にエリア判定部19Eの判定結果により入退室認証を行うか否かを決定する処理についてフローチャートを用いて説明する。
図19に示すフローチャートは、
図7に示すフローチャートのステップST402とST403との間で実施される。
【0183】
まず、位置情報取得部18Eは、第2の無線通信を用いて、携帯端末1Eの位置情報を取得する(ステップST1101)。
【0184】
そして、エリア判定部19Eは、位置情報取得部18Eから取得した位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを判定する(ステップST1102)。
【0185】
そして、位置情報が予め定められたエリアに含まれている場合、(ステップST1102がYESの場合)、入退室認証部44Eは、入退室認証を行う(ステップST1103)。
【0186】
そして、位置情報が予め定められたエリアに含まれていない場合、(ステップST1102がNOの場合)、入退室認証部44Eは、入退室認証を行わない(ステップST1104)。
【0187】
そして、ステップST1104の次に、出力部11Eは、利用者に読取装置2Eへさらに近づくように促す情報を含むエリア判定部19Eから取得した判定結果に基づいた情報を利用者に通知する(ステップST1105)。具体的には、利用者に読取装置2Eへさらに近づくように促す情報を通知する。
【0188】
本実施の形態の入退室管理システム100Eは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Eと、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末1Eから取得する読取装置2Eと、読取装置2Eが取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置4Eと、を備える入退室管理システム100Eであって、読取装置2Eは、読取装置2Eが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Eに通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末1Eは、読取装置制御部から取得した第1の情報及び携帯端末1Eが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Eに通知する携帯端末制御部と、を備える。第3の無線通信方式が複数である場合、且つ第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、携帯端末制御部は、第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を第4の無線通信方式とし、携帯端末と読取装置は、第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行う。このような構成により、実施の形態1で説明した効果に加えて、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。そのため、建物、施設等への入退室の意図がない人物に対して入退室認証が実行され、建物、施設等への入退室の意図がない人物の入室又は退室の履歴が残り、実態と相違した履歴が入退室管理システム100Eに残る状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Eを適切に利用することができる。ここで、携帯端末制御部は制御部12E、読取装置制御部は制御部20Eに相当する。
【0189】
さらに、本実施の形態の入退室管理システム100Eは、読取装置2Eへさらに近づくように促す情報を含むエリア判定部19Eから取得した判定結果に基づいた情報を利用者に通知する。そのため、利用者は建物、施設等への入退室の意図の有無に応じて適切に行動することができる。
【0190】
なお、本実施の形態において、本実施の形態特有の構成である、位置情報取得部18E及びエリア判定部19Eと実施の形態1との組み合わせについて説明したが、本実施の形態特有の構成である、位置情報取得部18E及びエリア判定部19Eと実施の形態2とを組み合わせてもよい。
【0191】
実施の形態6.
本実施の形態における入退室管理システム100Fについて説明する。
実施の形態5において、位置情報取得部18E及びエリア判定部19Eが制御部12Eに備えられた構成について説明した。本実施の形態では、位置情報取得部26F及びエリア判定部27Fが制御部20Aに備えられる点が実施の形態5と異なる。それ以外の構成及び動作は実施の形態5と同様である
【0192】
図20を用いて、本実施の形態の入退室管理システム100Fを説明する。
入退室管理システム100Fは、携帯端末1Fと、複数の読取装置2F-1~2F-nと、複数の電子錠3F-1~3F-nと、認証装置4Fと、を備える。
入退室管理システム100Fは、建物、施設等に設置される。入退室管理システム100Fは、建物、施設等の利用者を識別する情報である認識識別情報を保持した携帯端末1Fと読取装置2Fとの無線通信により、読取装置2Fが携帯端末1Fから認証識別情報を取得し、読取装置2Fが取得した認証識別情報を用いて、認証装置4Fが利用者の入退室認証を行う。
【0193】
携帯端末1Fは、入力部10Fと、出力部11Fと、制御部12Fと、記憶部13Fと、第1の無線通信部14Fと、第2の無線通信部15Fと、第3の無線通信部16Fと、を備える。さらに、制御部12Fは、無線通信方式決定部17Fと、位置情報取得部26F、エリア判定部27Fと、を備える。
【0194】
読取装置2Fは、制御部20Fと、記憶部21Fと、認証装置I/F部22Fと、第1の無線通信部23Fと、第2の無線通信部24Fと、第3の無線通信部25Fと、を備える。
【0195】
認証装置4Fは、制御部40Fと、記憶部41Fと、読取装置I/F部42F-1~42F-nと、電子錠I/F部43F-1~43F-nと、を備える。さらに、制御部40Fは、入退室認証部44Fを備える。
【0196】
本実施の形態では、実施の形態5の構成に対して位置情報取得部18Eに相当する位置情報取得部26F、及びエリア判定部19Eに相当するエリア判定部27Fが制御部40Fに設けられている点で異なる。以下の説明では、位置情報取得部26F、エリア判定部27Fと、実施の形態5の構成に対して機能が異なる出力部11F及び制御部40Fについて説明する。それ以外の構成及び動作は実施の形態5と同様である。
【0197】
出力部11Fは、認証識別情報、第4の無線通信方式に加えて、第5の無線通信方式、エリア判定部27Fから取得した判定結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する。ここで、エリア判定部27Fから取得した判定結果に基づいた情報とは、エリア判定部27Fが携帯端末1Fの位置情報が予め定められたエリアに含まれないと判定した場合に、利用者に読取装置2Fへさらに近づくように促す情報を含む。
なお、本実施の形態では、出力部11Fが、認証識別情報、第4の無線通信方式、第5の無線通信方式、エリア判定部27Fから取得した判定結果に基づいた情報等の通知内容を利用者に通知する例を示したが、利用者への認証識別情報、第4の無線通信方式、第5の無線通信方式、エリア判定部27Fから取得した判定結果に基づいた情報等の通知は必須ではなく通知しなくてもよい。
【0198】
位置情報取得部26Fは、第2の無線通信を用いて、携帯端末1Fの位置情報(以下、携帯端末1Fの位置情報を位置情報という。)を取得する。そして、位置情報取得部26Fは、エリア判定部27Fに位置情報を出力する。
【0199】
エリア判定部27Fは、位置情報取得部26Fから取得した位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを判定する。そして、エリア判定部27Fは、判定結果を出力部11Fに出力する。さらに、エリア判定部27Fは、判定結果を制御部40Fにも出力する。ここで、判定結果とは、位置情報が予め定められたエリアに含まれるか否かを含む。また、予め定められたエリアは、読取装置2Fの位置を含むように適宜設定される。また、予め定められたエリアは、入退室管理システム100Fにおける、扉、読取装置2F等の設置環境により適宜設定される。
【0200】
通常、建物、施設等への入退室の意図がある人物は、入退室認証のために読取装置2Fに意図的に接近する場合が多いと考えられ、一方、建物、施設等への入退室の意図がない人物は、入退室認証の必要がないので、意図的に接近する場合が少ないと考えられる。つまり、建物、施設等への入退室の意図がない人物が所持する携帯端末1Fの位置情報と比較して建物、施設等への入退室の意図がある人物が所持する携帯端末1Fの位置情報は、予め定められたエリア内に位置する傾向があると考えられる。そのため、入退室管理システム100Fにおける、扉、読取装置2F等の設置環境により、予め定められたエリアを適宜設定することで、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。
【0201】
制御部40Fは、エリア判定部27Fから取得した判定結果を用いて入退室認証を行うか否かを決定する。具体的には、エリア判定部27Fが、位置情報は予め定められたエリアに含まれると判定した場合、入退室認証部44Fは入退室認証を行い、エリア判定部27Fが、位置情報は予め定められたエリアに含まれないと判定した場合、入退室認証部44Fは入退室認証を行わない。ここで、エリア判定部27Fの判定結果により入退室認証を行うか否かを決定する処理は
図19と同様である。当該処理は、
図7に示すフローチャートのステップST402とST403との間で実施される。
【0202】
本実施の形態の入退室管理システム100Fは、利用者を識別する情報である認証識別情報を保持する携帯端末1Fと、認証識別情報を第1の無線通信により携帯端末1Fから取得する読取装置2Fと、読取装置2Fが取得した認証識別情報を用いて、利用者の入退室認証を行う認証装置4Fと、を備える入退室管理システム100Fであって、読取装置2Fは、読取装置2Fが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Fに通知する読取装置制御部と、を備え、携帯端末1Fは、読取装置制御部から取得した第1の情報及び携帯端末1Fが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報とに共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から第1の無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Fに通知する携帯端末制御部と、を備える。第3の無線通信方式が複数である場合、且つ第3の無線通信方式に予め定められた無線通信方式である第5の無線通信方式が含まれる場合、携帯端末制御部は、第5の無線通信方式とは異なる無線通信方式を第4の無線通信方式とし、携帯端末と読取装置は、第5の無線通信方式を用いて、第2の無線通信を行う。このような構成により、実施の形態1で説明した効果に加えて、建物、施設等への入退室の意図がある人物と、建物、施設等への入退室の意図がない人物とを区別することができる。そのため、建物、施設等への入退室の意図がない人物に対して入退室認証が実行され、建物、施設等への入退室の意図がない人物の入室又は退室の履歴が残り、実態と相違した履歴が入退室管理システム100Fに残る状況を回避することができる。その結果、利用者が入退室管理システム100Fを適切に利用することができる。ここで、携帯端末制御部は制御部12F、読取装置制御部は制御部20Fに相当する。
【0203】
さらに、本実施の形態の入退室管理システム100Fは、読取装置2Fへさらに近づくように促す情報を含むエリア判定部27Fから取得した判定結果に基づいた情報を利用者に通知する。そのため、利用者は建物、施設等への入退室の意図の有無に応じて適切に行動することができる。
【0204】
なお、本実施の形態において、本実施の形態特有の構成である、位置情報取得部26F及びエリア判定部27Fと実施の形態1との組み合わせについて説明したが、本実施の形態特有の構成である、位置情報取得部26F及びエリア判定部27Fと実施の形態2とを組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0205】
1A 携帯端末、2A 読取装置、3A 電子錠、4A 認証装置、10A 入力部、11A 出力部、12A 制御部、13A 記憶部、14A 第1の無線通信部、15A 第2の無線通信部、16A 第3の無線通信部、17A 無線通信方式決定部、20A 制御部、21A 記憶部、22A 認証装置I/F部、23A 第1の無線通信部、 第1の無線通信方式、24A 第2の無線通信部、25A 第3の無線通信部、40A 制御部、41A 記憶部、42A 読取装置I/F部、43A 電子錠I/F部、44A 入退室認証部、100A 入退室管理システム
【要約】
【課題】 利用者が入退室管理システムを適切に利用することができる。
【解決手段】 認証識別情報を保持する携帯端末1Aと、認証識別情報を無線通信により取得する読取装置2Aと、認証識別情報を用いて入退室認証を行う認証装置4Aとを備える入退室管理システムであって、読取装置2Aは、読取装置2Aが対応可能な複数の無線通信方式である第1の無線通信方式を含む第1の情報を携帯端末1Aに通知する読取装置制御部とを備え、携帯端末1Aは、第1の情報及び携帯端末1Aが対応可能な無線通信方式である第2の無線通信方式を含む第2の情報を用いて、第1の情報と第2の情報に共通する無線通信方式である第3の無線通信方式から無線通信に用いる無線通信方式である第4の無線通信方式を1つ決定し、第4の無線通信方式を示す情報である第4の情報を読取装置2Aに通知する携帯端末制御部とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1