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特許7477008ウエアラブル機器、測位制御方法、および、測位制御プログラム
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  • 特許-ウエアラブル機器、測位制御方法、および、測位制御プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ウエアラブル機器、測位制御方法、および、測位制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/25 20100101AFI20240423BHJP
【FI】
G01S19/25
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023055023
(22)【出願日】2023-03-30
(62)【分割の表示】P 2019056107の分割
【原出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2023073431
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-04-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】尾下 佑樹
【審査官】渡辺 慶人
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-133535(JP,A)
【文献】特開平11-160412(JP,A)
【文献】特開2002-162247(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0102960(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0007553(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
19/00 - 19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行し、自装置の位置である第一位置情報と、自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報と、を取得する測位部と、
携帯可能な外部装置と通信し、前記外部装置が測位した位置情報である第二位置情報と、前記衛星に係る軌道情報と、前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報と、を受信する通信部と、
制御部と、
前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された前記第一時刻情報よりも現在時刻に近く、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内である場合に、前記第二位置情報を用いて前記測位部に測位動作を実行させる、
ことを特徴とするウエアラブル機器。
【請求項2】
前記所定時間は、24時間である、
ことを特徴とする請求項1に記載のウエアラブル機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記第二位置情報の位置が、前記記憶部に記憶された前記第一位置情報の位置から所定距離以上離れている場合に、前記第二位置情報を用いて前記測位部に測位動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のウエアラブル機器。
【請求項4】
前記所定距離は、75kmである、
ことを特徴とする請求項3に記載のウエアラブル機器。
【請求項5】
前記測位部は、前記外部装置から受信した前記軌道情報が有効でなかったならばコールドスタートし、前記軌道情報が有効ならば前記軌道情報を用いてホットスタートする、
ことを特徴とする請求項1に記載のウエアラブル機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記第二位置情報及び前記外部装置から受信した前記軌道情報を用いて前記測位部に測位動作を実行させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のウエアラブル機器。
【請求項7】
ウエアラブル機器のコンピュータが、
測位部に衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行させ、自装置の位置である第一位置情報、および自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報を取得させるステップと、
通信部に携帯可能な外部装置と通信させ、前記外部装置が測位した位置情報である第二位置情報と、前記衛星に係る軌道情報と、前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報と、を受信させるステップと、
記憶部に、前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶させるステップと、
前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された前記第一時刻情報よりも現在時刻に近く、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内である場合に、前記第二位置情報を用いて前記測位部に測位動作を実行させるステップと、
を実行することを特徴とする測位制御方法。
【請求項8】
ウエアラブル機器のコンピュータに、
測位部に衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行させ、自装置の位置である第一位置情報、および自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報を取得させるステップと、
通信部に携帯可能な外部装置と通信させ、前記外部装置が測位した位置情報である第二位置情報、前記衛星に係る軌道情報と、前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報と、を受信させるステップと、
記憶部に、前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶させるステップと、
前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された前記第一時刻情報よりも現在時刻に近く、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内である場合に、前記第二位置情報を用いて前記測位部に測位動作を実行させるステップと、
を実行させるための測位制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエアラブル機器、測位制御方法、および、測位制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)を用いた測位機能を有するウエアラブル機器(例えば、電子時計など)において、スマートフォンが有する測位位置の情報を受信し、その情報を参照することでGPSの測位にかかる時間を早めるという構成がある。
【0003】
特許文献1には、リストデバイスが更新されたエフェメリスデータを記憶しているか否かを判定する発明が記載されている。特許文献1には、更新されたエフェメリスデータを記憶していない場合、セカンダリ装置から更新されたエフェメリスデータを取得することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2014/0292566号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
リストデバイスのようなウエアラブル機器は、スマートフォンのようなセカンダリ機器よりもユーザの現在位置に近い位置情報を有していることが多い。そのため、ウエアラブル機器は、自機が測位した位置情報を使用せずにスマートフォンの測位した位置情報を使用すると、むしろユーザの現在位置から遠い位置情報となる場合があった。このような場合、GPSの測位に掛かる時間が遅くなってしまうおそれがある。
そこで、本発明は、ウエアラブル機器、測位制御方法、および、測位制御プログラムについて、GPSの測位に掛かる時間を短縮する確率を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、
衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行し、自装置の位置である第一位置情報と、自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報と、を取得する測位部と、
携帯可能な外部装置と通信し、前記外部装置が測位した位置情報である第二位置情報と、前記衛星に係る軌道情報と、前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報と、を受信する通信部と、
制御部と、
前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶する記憶部と、
を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された前記第一時刻情報よりも現在時刻に近く、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内である場合に、前記第二位置情報を用いて前記測位部に測位動作を実行させる、
ことを特徴とするウエアラブル機器である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、GPSの測位に掛かる時間を短縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態における電子時計の概略を示す構成図である。
図2】スマートフォンの構成図である。
図3A】時計がスマートフォンから位置情報と予測エフェメリス情報を取得する処理のフローチャート(その1)である。
図3B】時計がスマートフォンから位置情報と予測エフェメリス情報を取得する処理のフローチャート(その2)である。
図4】24時間の経過後にスマートフォン位置使用フラグをオフする処理のフローチャートである。
図5A】電子時計によるGPS受信時処理のフローチャート(その1)である。
図5B】電子時計によるGPS受信時処理のフローチャート(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以降、本発明を実施するための形態を、各図を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態における電子時計1の概略を示す構成図である。
電子時計1は、ウエアラブル機器の一例であり、CPU(Central Processing Unit)11と、ディスプレイ12と、メモリ13と、GPS-IC(Integrated Circuit)14と、近距離無線通信部15とを備えている。
【0010】
CPU11は、この電子時計1の各部を統括制御する処理部である。ディスプレイ12は、例えば液晶ディスプレイであり、CPU11が計時した時刻を表示する。メモリ13は、例えばフラッシュメモリで構成されており、CPU11が実行するための測位制御プログラム(不図示)を格納する。メモリ13は更に、GPS-IC14により取得された位置情報(第一位置情報)、第一位置情報の位置を測位した時刻の時刻情報(第一時刻情報)、近距離無線通信部15により取得された位置情報(第二位置情報)、および第二位置情報の位置が測位された時刻の時刻情報(第二時刻情報)を記憶する記憶部である。なお、メモリ13は、フラッシュメモリで構成されることに限定されない。
【0011】
GPS-IC14(測位部の一例)は、GPS衛星から受信した電波を用いて測位するGPS受信部であり、フラッシュメモリ141を備えている。フラッシュメモリ141に衛星の予測軌道情報(予測エフェメリス)を格納することにより、GPS-IC14は、この予測エフェメリスをホットスタートに用いて、短時間に測位を完了することができる。GPS-IC14は、フラッシュメモリ141に予測エフェメリスを格納した上、更に有効な位置情報を格納することで、より短時間に測位を完了することができる。
【0012】
近距離無線通信部15は、外部装置との間で、例えば後記するスマートフォン2との間でBluetooth(登録商標) Low Energyなどの近距離無線通信路を介して、各種情報を送受信する通信部である。スマートフォン2はGPSによる測位機能を備えているため、CPU11は、近距離無線通信部15を介してスマートフォン2が取得した位置情報や予測エフェメリスや取得時刻を受信することができる。なお、スマートフォン2はGPSによる測位機能以外にも位置情報を取得する手段を備えていても良い。また、近距離無線通信部15によってGPSによる測位機能以外の位置情報取得手段で得られた位置情報を受信するようにしても良い。
【0013】
図2は、スマートフォン2の構成図である。
スマートフォン2は、CPU21と、ディスプレイ22と、メモリ23と、衛星電波受信部24と、近距離無線通信部25とを備えている。
【0014】
CPU21は、このスマートフォン2の各部を統括制御する処理部である。ディスプレイ22は、例えばタッチパネルディスプレイであり、このスマートフォン2を操作するためのグラフィカル・ユーザ・インタフェースを表示する。メモリ23は、例えばフラッシュメモリで構成されており、CPU21が実行するためのプログラムなどを格納する。なお、メモリ23は、フラッシュメモリで構成されることに限定されない。
【0015】
衛星電波受信部24は、例えば、GPS衛星から受信した電波を用いて測位するGPS受信部である。近距離無線通信部25は、例えば前記した電子時計1との間でBluetooth(登録商標) Low Energyなどの近距離無線通信路を介して情報を送受信するものである。なお、衛星電波受信部24が受信するのはGPS衛星からの電波に限定されない。同様の効果が得られる範囲であれば、GPS以外の衛星測位システムを使用しても良い。
【0016】
《予測エフェメリスについて》
予測エフェメリスは、測位に必要な軌道情報(エフェメリス)の有効期間を大幅に拡大し、GPS受信部が測位する時間を短縮するために用いられる衛星の予測軌道情報である。
【0017】
GPS受信部が測位するには、衛星の軌道情報(エフェメリス)が必要である。GPS受信部は、エフェメリスを取得し、取得したエフェメリスを使って測位する。この際、前回に取得したエフェメリスをメモリにバックアップしておき、測位時にそれを読み出すことで、短時間に測位を完了することができる。これをホットスタートという。
ここでエフェメリスがバックアップされていなければ、航法メッセージからエフェメリスを取得することになり、ホットスタートの時よりも長い時間が掛かってしまう。このような動作をコールドスタートという。
【0018】
エフェメリスには約4時間の有効期限があり、それを過ぎると新しいエフェメリスを取得しなければならない。したがって、GPS受信部が素早く測位できるホットスタートの可能な期間は、通常は前回のエフェメリス取得時から4時間程度である。GPS受信部を組み込んだ機器(例えばGPSロガーなど)では、4時間以上電源を切っていた場合、次に電源を入れて再び測位する際にはコールドスタートするので、ホットスタート時よりも長い時間が掛かっていた。
【0019】
予測エフェメリスとは、衛星から受信したエフェメリスと機器の位置情報(緯度および経度)を元に、未来の所定時間までの衛星位置を予測・推定した軌道情報のことをいう。予測エフェメリスにより、エフェメリスを取得してからから4時間以上の時間に亘ってホットスタートを実現することができる。
【0020】
またGPS受信部が、新しいエフェメリスを受信するたびに、必要に応じて内部で計算することにより、ユーザが面倒な操作をすることなく使用可能である。このとき、衛星から受信したエフェメリスは所定時間内に取得されたものでなければならず、機器の位置情報はユーザの位置から離れていてはならない。
【0021】
直近に電子時計1がGPS測位した位置情報とエフェメリスを使う方法は、ユーザが毎回同じ場所でトレーニングを行うような状況では効果的であり、ホットスタートできる確率が高くなる。しかし、ユーザが出張などで移動した先では、電子時計1が測位した位置情報とユーザの位置とが離れてしまうので、ホットスタートができないおそれがある。
【0022】
一方、電子時計1がスマートフォン2などの外部装置から位置情報とエフェメリスを貰う方法は、スマートフォン2が位置情報を保持していれば、移動先でも有効な位置情報を使えるので、ホットスタート要件を満たせる可能性がある。ユーザがスマートフォン2上のGPSアプリケーションの位置情報の取得設定を「常に許可」にしていれば、GPSアプリケーションは定期的に位置情報を取得する。この場合、スマートフォン2は、ユーザの直近の位置情報を保持できている可能性が高く、ホットスタートができる可能性が高い。
【0023】
しかし、ユーザがGPSアプリケーションの位置情報の取得設定を「許可しない」又は「アプリ使用時のみ許可」としていた場合、スマートフォン2は、GPSアプリケーションの位置情報を取得できる頻度が減ってしまうため、直近の位置情報を保持していない可能性がある。また、その場合、スマートフォン2よりも電子時計1の方がユーザの直近の位置情報を保持していることが多くなる。
【0024】
そこで、電子時計1は、スマートフォン2から位置情報を貰う際には、その位置情報を取得した時刻情報も一緒に貰い、前回の測位時刻と比較してより新しい方(現在時刻に近い方)の位置情報を採用するようにする。この処理により、より直近の位置情報を用いて測位を行うことができるため、ホットスタートをしやすくなる。この処理は、後記する図3に示している。
【0025】
しかし、電子時計1とスマートフォン2がそれぞれ有する位置情報のうち、新しい位置情報を採用したとしても、必ずホットスタートをしやすくなるとは限らない。例えば、スマートフォン2が測位した位置情報が、ユーザが普段トレーニングを行う場所から遠く離れた移動先の位置情報であり、かつ、後日ユーザが移動先から帰り、ユーザが普段トレーニングを行う場所で次の測位を行う場合にも、スマートフォン2が測位した位置情報の方を使ってしまうおそれがある。この場合、スマートフォン2の有する直近の位置情報は、ユーザが普段トレーニングを行う場所から遠く離れているため、ホットスタートができないおそれがある。そのため、この場合はユーザが普段トレーニングを行う場所の位置情報を保持している可能性のある電子時計1が直近に測位した新しい位置情報を使った方が良い。すなわち、電子時計1に比べて新しく取得された位置情報をスマートフォン2が有していたとしても、その位置情報が取得されてからある程度の時間がたっていた場合、電子時計1が直近に測位した位置情報を使った方が良い場合が多い。したがって、スマートフォン2が測位した位置情報を使う場合は、その位置情報を取得した時刻が或る程度現在時刻に近い必要がある。よって、スマートフォン2が測位した位置情報を用いるためには、「スマートフォン2から取得した位置情報の測位時刻が現在時刻から所定時間内であった場合に」という条件も付加する。この処理を後記する図4に示す。
【0026】
しかし、「所定時間」を短くしすぎると、スマートフォン2が測位した位置情報を移動先で利用しにくくなってしまう。そのため「所定時間」はある程度の長さを持たせた上で、電子時計1が次の測位時に使用予定の位置情報に対して、「所定距離が離れている場合に」という条件も付加し、次の測位時に使用予定の位置情報を決定する。これにより、普段のトレーニングを行う場合、電子時計1は、直近にGPS受信部で測位した新しい位置情報を使える確率を高めることができる。更にユーザが普段トレーニングを行う場所から遠く離れた移動先でトレーニング又はレースを行う場合、電子時計1は、より有効なスマートフォン2が測位した位置情報を使って、GPSの測位に掛かる時間を短縮する確率を高める事ができる。
【0027】
図3A図3Bは、電子時計1がスマートフォン2から位置情報と予測エフェメリス情報を取得する処理のフローチャートである。
《スマートフォン2の処理》
スマートフォン2のCPU21は、電子時計1と連動するためのアプリケーションを実行することにより、スマートフォン2からBluetooth(登録商標) Low Energyでの通信を介して、スマートフォン2が取得した位置情報(緯度経度)とその位置を取得した時刻を受信する。
スマートフォン2のCPU21は、起動後にGPS情報の取得条件が成立するか否かを判定する(S10)。ここで、GPS情報の取得条件とは、例えば、スマートフォン2のGPSアプリケーションの設定である。ユーザがGPSアプリケーションの位置情報の取得設定を「許可しない」としていた場合には、GPSの取得条件は成立しない。ユーザがGPSアプリケーションの位置情報の取得設定を「アプリ使用時のみ許可」としていた場合、GPSアプリケーションを使用したときにGPS情報の取得条件が成立する。ユーザがスマートフォン2上のGPSアプリケーションの位置情報の取得設定を「常に許可」にしていれば、GPS情報の取得条件は常に成立する。また、条件はこれに限られることなく、GPSアプリケーションの設定とは別に、例えば、前回のGPS情報取得時からの経過時間も条件になりうる。
【0028】
ステップS10において、CPU21は、GPS情報の取得条件が成立するならば(Yes)、衛星電波から位置情報と予測エフェメリスを取得し(S11)、ステップS12の処理に進む。CPU21は、GPS情報の取得条件が成立しないならば(No)、ステップS10の処理に戻る。ステップS11において、CPU21は、衛星から受信したエフェメリスと機器の位置情報(緯度および経度)を元に、未来の所定時間までの衛星位置を予測・推定した軌道情報である予測エフェメリスを算出する。
【0029】
ステップS12において、CPU21は、電子時計1との間の接続条件が成立したか否かを判定する。電子時計1との間の接続条件は、例えば電子時計1とスマートフォン2のリンク接続時や、リンクロスからの再接続時、アプリケーションを実行するスマートフォン2からのタイムゾーン切替り通知受信時、Bluetooth(登録商標) Low Energyによる自動時刻修正タイミング、スマートフォン2上の電子時計1と連動するためのアプリケーション起動時などに成立する。スマートフォン2からデータを受信できれば、前述の条件に限定されなくてもよい。
【0030】
CPU21は、電子時計1との間で接続条件が成立したならば(Yes)、取得した位置情報と取得時刻と予測エフェメリスを電子時計1に送信したのち(S13)、ステップS10の処理に戻る。CPU21は、電子時計1との間の接続条件が成立しなかったならば(No)、ステップS10の処理に戻る。このように、スマートフォン2のCPU21は、GPSによる測位と、測位した位置情報等の送信とをそれぞれ別の条件で実行する。そのため、位置情報の取得時刻と、位置情報の送信時刻とは一致していない。そのため、CPU21は、位置情報の送信と共に、この位置情報の取得時刻を送信している。なお、位置情報の取得時刻を求める方法は限定されない。例えば、スマートフォン2がGPSによる測位時にGPS衛星から受信した電波を利用して求めてもよいし、スマートフォン2のCPU21が計時する時刻を利用して求めてもよい。また、スマートフォン2のCPU21の計時する時刻と、GPS衛星から受信した電波から得られた情報の組み合わせによって求められても良い。
【0031】
《電子時計1の処理》
以下、電子時計1がスマートフォン2から位置情報とスマートフォン2が取得した位置情報の取得時刻と予測エフェメリスとを受信する処理を説明する。以下、図3A図3B図4図5に示したフローチャートは、CPU11が、メモリ13に格納された測位制御プログラムを実行した際の処理を示している。なお、CPU11の起動直後における“次回GPS受信時位置使用フラグ”と“スマートフォン位置使用フラグ”の初期値は、OFFである。
【0032】
電子時計1のCPU11は、前記したステップS12において送信された位置情報と取得時刻と予測エフェメリスを受信すると(S20)、受信した位置情報が、電子時計1の再起動後から初回に取得した位置情報であるか否かを判定する(S21)。ここで、再起動は電子時計1のソフトウェアの初期化であるオールクリア(AC)、及び、電源電圧の低下に伴う再起動であるバッテリーオールクリア(BAC)を含む。CPU11は、ステップS20で受信した位置情報が電子時計1の再起動(AC)又はバッテリーオールクリア(BAC)後から初回に取得した位置情報であるならば(Yes)、図3BのステップS29の処理に進む。
【0033】
CPU11は、ステップS20で受信した位置情報が電子時計1の再起動又はバッテリーオールクリア(BAC)後から初回に取得した位置情報でなかったならば(No)、“スマートフォン位置使用フラグ”(以下、スマホ位置使用フラグ)がONであるか否かを判定する(S22)。
【0034】
ステップS22において、CPU11は、“スマホ位置使用フラグ”がONならば(Yes)、前回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻よりも今回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻が新しいか否かを判定する(S24)。この“スマホ位置使用フラグ”は、スマートフォン2から受信した位置情報を測位時に使用することを示すフラグである。前回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻は、メモリ13に記憶されている。
CPU11は、前回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻よりも今回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻が現在時刻に近くないならば(No)、図3A図3Bの処理を終了する。
CPU11は、前回のスマートフォン位置情報の取得時刻よりも今回のスマートフォン位置情報の取得時刻が新しいならば(Yes)、図3BのステップS25の処理に進む。
【0035】
ステップS22においてCPU11は、“スマホ位置使用フラグ”がOFFならば(No)、前回のGPS位置情報の取得時刻よりも今回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻が現在時刻に近いか否かを判定する(S23)。前回のGPS位置情報の取得時刻は、メモリ13に記憶されている。ここで、前回のGPS位置情報とは、電子時計1がメモリ13に有する最も現在時刻に近い時刻に取得した位置情報を表す。本実施例の場合、メモリ13には電子時計1による測位で得られた位置情報と、スマートフォン2から受信した位置情報を有するため、それらの中で最も現在時刻に近い時刻に取得した位置情報が前回のGPS位置情報である。なお、前回のGPS位置情報としたが、例えば、スマートフォン2が、GPS以外にも位置情報を取得する手段を有していた場合、その位置情報を取得した時刻をメモリ13に記憶させ、比較対象としてもよい。
CPU11は、前回のGPS位置情報の取得時刻よりも今回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻が現在時刻に近くないならば(No)、図3A図3Bの処理を終了する。
CPU11は、前回のGPS位置情報の取得時刻よりも今回のスマートフォン位置情報の取得時刻が現在時刻に近いならば(Yes)、図3BのステップS25の処理に進む。
【0036】
ステップS25において、CPU11は、今回のスマートフォン位置情報の取得時刻が現在時刻から24時間以内か否かを判定する。CPU11は、今回のスマートフォン位置情報の取得時刻が現在時刻から24時間を過ぎていたならば(No)、図3A図3Bの処理を終了する。CPU11は、今回のスマートフォン2による位置情報の取得時刻が24時間以内ならば(Yes)、ステップS26の処理に進み、前回の位置情報と今回のスマートフォン2による位置情報とから前回の位置情報と今回のスマートフォン2による位置情報との間の距離を算出する(S26)。
【0037】
例えば、ユーザの出張先でスマートフォン2が位置情報を取得し、ユーザの帰宅後に電子時計1が、スマートフォン2の位置を使用すると、ユーザの現在位置から遠く離れた位置情報を測位に使用する事になってしまう。そのため、ステップS25で示したような時間制限が必要である。ただし、時間制限は24時間に限られない。例えば、機器の用途や、機器のモードなどによって、24時間でない時間制限が設けられてもよい。
【0038】
ステップS27において、CPU21は、算出した距離が75kmを超えているか否かを判定する。CPU21は、算出した距離が75kmを超えていないならば(No)、図3A図3Bの処理を終了する。CPU21は、算出した距離が75kmを超えているならば(Yes)、ステップS28の処理に進む。ステップS27の判定条件が75kmである理由は、GPS-IC14のホットスタート条件が真値に対して75km以内であることによる。ただし、判定条件となる距離は75kmに限られない。例えば、機器に搭載されるGPS-ICの性能に合わせて、75kmでない距離を判定条件としても良い。
【0039】
ステップS28において、CPU11は、“次回GPS受信時位置使用フラグ”をONし、その後、“スマホ位置使用フラグ”をONする(S29)。なお、“次回GPS受信時位置使用フラグ”は、再起動後から位置情報の受信を行ったことを示すものである。
【0040】
本実施形態では、CPU21は、メモリ13が記憶する、スマートフォン2による位置情報を今回スマートフォンから取得した位置情報で更新し(S30)、スマートフォン位置取得時刻を更新する(S31)。なお、次回電子時計1が測位する時に、現在時刻に最も近い時刻に測位された位置情報が使用可能となっていればよいため、更新した際に過去の位置情報のデータを消去しなくても良い。更にCPU11は、予測エフェメリスをGPS-IC14内のフラッシュメモリ141に設定すると(S32)、図3A図3Bの処理を終了する。
【0041】
図3A図3Bの処理により、電子時計1は、GPSの受信を始める前に位置情報(緯度経度情報)をGPS-IC14へ入力する事により、予測エフェメリスと合わせてホットスタートする事が可能となり、測位完了までの時間を大幅に短縮する事ができる。
【0042】
図4は、スマートフォン2が測位した時刻から24時間の経過後にスマホ位置使用フラグをオフする処理のフローチャートである。この処理は、例えば電子時計1のCPU11が一時間分のカウントを行う度に実行されるが、これに限定されず、例えば10分ごとに実行されてもよい。
ステップS40において、CPU11は、“次回GPS受信時位置使用フラグ”がONであるか否かを判定する。CPU11は、“次回GPS受信時位置使用フラグ”がOFFならば(No)、図4の処理を終了する。
【0043】
CPU11は、“次回GPS受信時位置使用フラグ”がONならば(Yes)、ステップS41の処理に進み、“スマホ位置使用フラグ”がONであるか否かを判定する。CPU11は、“スマホ位置使用フラグ”がOFFならば(No)、図4の処理を終了する。
【0044】
CPU11は、“スマホ位置使用フラグ”がONならば(Yes)、ステップS42の処理に進み、スマートフォン2が測位した時刻(位置取得時刻)から24時間が経過したか否かを判定する。CPU11は、スマートフォン2の位置取得時刻から24時間以内ならば(No)、図4の処理を終了する。
【0045】
CPU11は、スマートフォン2の位置取得時刻から24時間が経過したならば(Yes)、ステップS43の処理に進んで“スマホ位置使用フラグ”をOFFに設定し(S43)、図4の処理を終了する。
【0046】
すなわち、本実施形態では、スマートフォン2が取得した位置情報の有効期限は位置情報を取得してから24時間なので、CPU11は、スマートフォン2の位置情報の取得時刻から24時間が経過したら、“スマホ位置使用フラグ”をOFFする。
【0047】
図5A図5Bは、電子時計1によるGPS受信時処理のフローチャートである。このGPS受信時処理は、GPS-IC14がGPS衛星から電波を受信させる際に起動され、衛星の電波情報をもとに位置情報を取得する処理(測位動作)を実行する。
【0048】
CPU11は、GPS-IC14を起動してから受信コマンドを実行するまでの間に、図5AのステップS52、ステップS53に示したような判定結果に応じて、GPS-IC14の実行パラメータアドレスマップへの書込みを通して、ホットスタート設定と位置情報(緯度経度情報)の書込みを行う。
【0049】
電子時計1によるGPS受信時処理の最初に、CPU11は、GPS-IC14を起動する(S50)。CPU11は、フラッシュメモリ141に有効な予測エフェメリスが保持されていないならば(S51→No)、ステップS54の処理に進み、実行パラメータマップへ位置情報(緯度経度情報)を送信しない。これによりGPS-IC14はコールドスタートする。ここで有効な予測エフェメリスを保持していない場合とは、機器の再起動又はバッテリーオールクリアの直後、および、予測エフェメリスを取得したのち予測エフェメリスの有効期限を超えた場合などが含まれる。ステップS54を実行した場合、コールドスタートであるため、GPS-IC14が測位に要する時間は、後述するステップS55~ステップ57での測位に比べ、長い。
【0050】
ステップS51において、CPU11は、有効な予測エフェメリスを保持しているならば(Yes)、ステップS52の処理に進み、“次回GPS受信時位置使用フラグ”がONであるか否かを判定する。
【0051】
CPU11は、“次回GPS受信時位置使用フラグ”がOFFならば(No)、ステップS57の処理に進み、実行パラメータマップへ位置情報(緯度経度情報)を送信しない。しかし有効な予測エフェメリスを保持しているため、GPS-IC14はホットスタートすることができる。ホットスタートであるため、ステップS54に比べて、GPS-IC14が測位に要する時間は短くなる。これによりCPU11は、ステップS54のコールドスタート設定に比べて短時間に測位を完了させることができる。しかし実行パラメータマップへ位置情報(緯度経度情報)を入力せずに測位を行うため、後述するステップS55及びステップS56に比べて、測位に要する時間は長い。
【0052】
CPU11は、“次回GPS受信時位置使用フラグ”がONならば(Yes)、ステップS53の処理に進み、“スマホ位置使用フラグ”がONであるか否かを判定する。
CPU11は、“スマホ位置使用フラグ”がONならば(Yes)、ステップS55の処理に進み、実行パラメータマップへスマートフォン2が測位した位置情報(緯度経度情報)を送信する。これにより、GPS-IC14をホットスタートすることができる。これによりCPU11は、ステップS57のホットスタート設定に比べて、より短時間に測位を完了させることができる。
【0053】
CPU11は、ステップS53において、“スマホ位置使用フラグ”がONならば(Yes)、ステップS55の処理に進み、実行パラメータマップへスマートフォン2が測位した緯度経度情報を入力する。これにより、GPS-IC14をホットスタートすることができる。このとき、GPS-IC14が測位に要する時間は、およそ数秒である。これによりCPU11は、ステップS57のホットスタート設定に比べて、より短時間に測位を完了させることができる。
【0054】
その後、GPS-IC14はGPS電波の受信を開始し(S58)、CPU11は、GPSの受信が成功したか否かを判定する(S59)。CPU11は、GPSの受信に失敗したならば(No)、図5A図5Bの処理を終了する。
【0055】
CPU11は、GPS-IC14によるGPSの受信に成功したならば(Yes)、ステップS60の処理に進む。CPU11は、取得した位置情報を次回の受信時に使用できるように“次回GPS受信時位置使用フラグ”をONし(S60)、“スマホ位置使用フラグ”をOFFする(S61)。その後、CPU11は、GPS-IC14によるGPSの受信を終了させる(S62)。本実施形態では、GPS位置情報を、GPS-IC14によって今回取得した位置情報で更新する(S63)。なお、次回電子時計1が測位する時に、現在時刻に最も近い時刻に測位された位置情報が使用可能となっていればよいため、更新した際に過去の位置情報のデータを消去しなくても良い。ステップS63の処理が終わると、処理はステップS64に進む。さらに、CPU11は、GPS位置情報の取得時刻を更新すると(S64)、図5A図5Bの処理が終了する。なお、CPU11が、GPS位置情報の取得時刻を取得する方法は限定されない。たとえば、GPSの電波から時刻情報を取得しても良いし、CPU11が計時する時刻を利用して取得しても良い。また、CPU11が計時する時刻情報とGPSの電波から得られる情報とを組み合わせて、時刻情報を取得しても良い。
【0056】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能であり、例えば、次の(a)~(f)のようなものがある。
【0057】
(a) 上記実施形態の電子時計1は、予測エフェメリスを位置情報と一緒にスマートフォン2からダウンロードしている。しかし、これに限られず、別個の条件でスマートフォン2からダウンロードしてもよい。
(b) 本発明は、上記実施形態の電子時計1に限られず、ウエアラブル機器全般に適用してよい。
(c) 電子時計1に位置情報やエフェメリスを送信する外部装置は、スマートフォン2に限定されず、GPS測位機能を有する任意の装置であってもよい。
(d) 予測エフェメリスが格納されるのはフラッシュメモリに限定されず、GPS-IC内のRAM(Random Access Memory)であってもよい。メモリ13内であってもよい。
(e) 電子時計1とスマートフォン2との間の通信方式は、Bluetooth(登録商標) Low Energyに限定されず、Wi-Fi(登録商標)やZigBee(登録商標)やIrDAなどの任意の無線通信方式を用いてもよい。
(f) 同様の効果が達成される範囲内で、図3A図5Bに示したフローチャートに変更点があってもよい。例えば、図3Bに示すステップS25~ステップS27の順番は変更されても良い。
【0058】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0059】
〔付記〕
《請求項1》
衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行し、自装置の位置である第一位置情報、および自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報を取得する測位部と、
外部装置と通信し、前記外部装置の位置情報である第二位置情報、前記衛星に係る軌道情報、および前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報を受信する通信部と、
現在時刻を計時する制御部と、
前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶する記憶部と、
を備えるウエアラブル機器であって、
前記制御部は、前記測位部に測位動作を実行させる際に、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された第一時刻情報よりも現在時刻に近く、前記記憶部に記憶された前記第二位置情報の位置が、前記記憶部に記憶された前記第一位置情報の位置から所定距離以上離れており、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内であるならば、前記第二位置情報、および前記外部装置から受信した前記軌道情報を前記測位部に送信する、
ことを特徴とするウエアラブル機器。
《請求項2》
前記所定時間は、24時間である、
ことを特徴とする請求項1に記載のウエアラブル機器。
《請求項3》
前記所定距離は、75kmである、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のウエアラブル機器。
《請求項4》
前記測位部は、前記外部装置から受信した前記軌道情報が有効でなかったならばコールドスタートし、前記軌道情報が有効ならば前記軌道情報を用いてホットスタートする、
ことを特徴とする請求項1から3のうち何れか1項に記載のウエアラブル機器。
《請求項5》
測位部が衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行し、自装置の位置である第一位置情報、および自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報を取得するステップと、
通信部が外部装置と通信し、前記外部装置の位置情報である第二位置情報、前記衛星に係る軌道情報、および前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報を受信するステップと、
記憶部が、前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶するステップと、
制御部が、前記測位部に測位動作を実行させる際に、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された前記第一時刻情報よりも現在時刻に近く、前記記憶部に記憶された前記第二位置情報の位置が、前記記憶部に記憶された前記第一位置情報の位置から所定距離以上離れており、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内であるならば、前記第二位置情報、および前記外部装置から受信した前記軌道情報を前記測位部に送信するステップと、
を実行することを特徴とする測位制御方法。
《請求項6》
コンピュータに、
測位部が衛星から受信した電波を用いて測位動作を実行し、自装置の位置である第一位置情報、および自装置の前記位置を取得した時刻である第一時刻情報を取得するステップと、
通信部が外部装置と通信し、前記外部装置の位置情報である第二位置情報、前記衛星に係る軌道情報、および前記外部装置が前記第二位置情報を取得した時刻である第二時刻情報を受信するステップと、
記憶部が、前記第一位置情報、前記第一時刻情報、前記第二位置情報、および前記第二時刻情報を記憶するステップと、
前記測位部に測位動作を実行させる際に、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が、前記記憶部に記憶された前記第一時刻情報よりも現在時刻に近く、前記記憶部に記憶された前記第二位置情報の位置が、前記記憶部に記憶された前記第一位置情報の位置から所定距離以上離れており、かつ、前記記憶部に記憶された前記第二時刻情報が前記現在時刻から所定時間内であるならば、前記第二位置情報、および前記外部装置から受信した前記軌道情報を前記測位部に送信するステップと、
を実行させるための測位制御プログラム。
【符号の説明】
【0060】
1 電子時計 (ウエアラブル機器)
11 CPU (制御部)
12 ディスプレイ
13 メモリ(記憶部)
14 GPS-IC (測位部)
141 フラッシュメモリ
15 近距離無線通信部 (通信部)
2 スマートフォン (外部装置)
21 CPU
22 ディスプレイ
23 メモリ
24 衛星電波受信部
25 近距離無線通信部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B