(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】バイアス回路及び増幅装置
(51)【国際特許分類】
H03F 1/30 20060101AFI20240423BHJP
H03F 3/24 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H03F1/30
H03F3/24
(21)【出願番号】P 2019162382
(22)【出願日】2019-09-05
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0045557
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、キュ ジン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ジェ ヒー
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-134768(JP,A)
【文献】特開2008-193264(JP,A)
【文献】特開2010-278521(JP,A)
【文献】特開2014-207651(JP,A)
【文献】特開2009-055096(JP,A)
【文献】特開2011-101405(JP,A)
【文献】特開2008-017453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0190992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00-3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、
前記第1補償電流
を増幅することにより第1ベースバイアス電流を生成して増幅回路のベースノードに出力する第1温度補償回路と、
前記第2補償電流
を増幅することにより第2ベースバイアス電流を生成して前記増幅回路のベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含み、
前記電流生成回路は、前記基準電流の端子に接続された一端を有する第1抵抗と、前記第1抵抗の他端に接続された一端を有する第2抵抗と、前記第2抵抗の他端と接地との間に接続され、前記増幅回路の増幅トランジスタに電流ミラー構造で接続された温度補償トランジスタとを含み、
前記電流生成回路は、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の第1接続ノードにおいて前記第1補償電流を出力し、前記温度補償トランジスタのコレクタに接続された第2接続ノードにおいて前記第2補償電流を出力し、
周囲の温度変化に応じて、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が上昇すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が上昇し、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が減少すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が減少する、
バイアス回路。
【請求項2】
前記第1温度補償回路は、前記第1接続ノードに接続されたベース、電源電圧の端子に接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第1補償トランジスタを含む、請求項1に記載のバイアス回路。
【請求項3】
前記第2温度補償回路は、前記第2接続ノードに接続されたベース、前記第1補償トランジスタのコレクタに接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第2補償トランジスタを含む、請求項2に記載のバイアス回路。
【請求項4】
基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、
前記第1補償電流に基づいて第1ベースバイアス電流を生成して増幅回路のベースノードに出力する第1温度補償回路と、
前記第2補償電流に基づいて第2ベースバイアス電流を生成して前記増幅回路のベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含み、
前記電流生成回路は、前記基準電流の端子に接続された一端を有する第1抵抗と、前記第1抵抗の他端に接続された一端を有する第2抵抗と、前記第2抵抗の他端と接地との間に接続され、前記増幅回路の増幅トランジスタに電流ミラー構造で接続された温度補償トランジスタとを含み、
周囲の温度変化に応じて、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が上昇すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が上昇し、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が減少すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が減少し、
前記第1温度補償回路は、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の第1接続ノードに接続されたベース、電源電圧の端子に接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第1補償トランジスタを含み、
前記第2温度補償回路は、前記第2抵抗と前記温度補償トランジスタのコレクタとの間の第2接続ノードに接続されたベース、前記第1補償トランジスタのコレクタに接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第2補償トランジスタを含む、
バイアス回路。
【請求項5】
前記電流生成回路は、前記第1接続ノードにおいて前記第1補償電流を出力し、前記第2接続ノードにおいて前記第2補償電流を出力する、請求項4に記載のバイアス回路。
【請求項6】
前記第1補償トランジスタは、前記ベースに入力される前記第1補償電流を増幅して前記第1ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、請求項2から5のいずれか一項に記載のバイアス回路。
【請求項7】
前記第1接続ノードと接地との間に接続された第1キャパシタをさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のバイアス回路。
【請求項8】
前記第2補償トランジスタは、前記ベースに入力される前記第2補償電流を増幅して前記第2ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、請求項3から5のいずれか一項に記載のバイアス回路。
【請求項9】
前記温度補償トランジスタのベースと接地との間に接続された第2キャパシタをさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のバイアス回路。
【請求項10】
前記温度補償トランジスタは、前記増幅トランジスタと同一の温度特性を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載のバイアス回路。
【請求項11】
増幅トランジスタを有する増幅回路と、
温度補償されたベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力するバイアス回路と、を含み、
前記バイアス回路は、
基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、
前記第1補償電流
を増幅することにより第1ベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力する第1温度補償回路と、
前記第2補償電流
を増幅することにより第2ベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含み、
前記電流生成回路は、前記基準電流の端子に接続された一端を有する第1抵抗と、前記第1抵抗の他端に接続された一端を有する第2抵抗と、前記第2抵抗の他端と接地との間に接続され、前記増幅回路の増幅トランジスタに電流ミラー構造で接続された温度補償トランジスタとを含み、
前記電流生成回路は、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の第1接続ノードにおいて前記第1補償電流を出力し、前記温度補償トランジスタのコレクタに接続された第2接続ノードにおいて前記第2補償電流を出力し、
周囲の温度変化に応じて、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が上昇すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が上昇し、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が減少すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が減少する、
増幅装置。
【請求項12】
前記第1温度補償回路は、前記第1接続ノードに接続されたベース、電源電圧の端子に接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第1補償トランジスタを含む、請求項11に記載の増幅装置。
【請求項13】
前記第2温度補償回路は、前記第2接続ノードに接続されたベース、前記第1補償トランジスタのコレクタに接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第2補償トランジスタを含む、請求項12に記載の増幅装置。
【請求項14】
増幅トランジスタを有する増幅回路と、
温度補償されたベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力するバイアス回路と、を含み、
前記バイアス回路は、
基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、
前記第1補償電流に基づいて第1ベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力する第1温度補償回路と、
前記第2補償電流に基づいて第2ベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含み、
前記電流生成回路は、前記基準電流の端子に接続された一端を有する第1抵抗と、前記第1抵抗の他端に接続された一端を有する第2抵抗と、前記第2抵抗の他端と接地との間に接続され、前記増幅回路の増幅トランジスタに電流ミラー構造で接続された温度補償トランジスタとを含み、
周囲の温度変化に応じて、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が上昇すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が上昇し、前記増幅トランジスタを介して流れる電流が減少すると、前記温度補償トランジスタを介して流れる電流が減少し、
前記第1温度補償回路は、前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の第1接続ノードに接続されたベース、電源電圧の端子に接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第1補償トランジスタを含み、
前記第2温度補償回路は、前記第2抵抗と前記温度補償トランジスタのコレクタとの間の第2接続ノードに接続されたベース、前記第1補償トランジスタのコレクタに接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第2補償トランジスタを含む、
増幅装置。
【請求項15】
前記電流生成回路は、前記第1接続ノードにおいて前記第1補償電流を出力し、前記第2接続ノードにおいて前記第2補償電流を出力する、請求項14に記載の増幅装置。
【請求項16】
前記第1補償トランジスタは、前記ベースに入力される前記第1補償電流を増幅して前記第1ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、請求項12から15のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項17】
前記第1接続ノードと接地との間に接続された第1キャパシタをさらに含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項18】
前記第2補償トランジスタは、前記ベースに入力される前記第2補償電流を増幅して前記第2ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、請求項13から15のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項19】
前記温度補償トランジスタのベースと接地との間に接続された第2キャパシタをさらに含む、請求項11から18のいずれか一項に記載の増幅装置。
【請求項20】
前記温度補償トランジスタは、
前記増幅トランジスタと同一の温度特性を有する、請求項11から19のいずれか一項に記載の増幅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デュアル補償機能を有するバイアス回路及び増幅装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、無線通信システムには送信信号を増幅するための増幅装置が含まれている。無線通信システムのマルチメディアサービスの拡散に伴い、高速通信機能の需要を満たすために、継続的な技術の開発ならびに広帯域特性及び非線形特性を改善するための研究が続いている。
【0003】
増幅装置において、HBT(Hetero-junction Bipolar Transistor)などのパワーアンプ(Power amplifier)の線形性とバイアスレベル(bias level)には深い関わりがある。一般に、パワートランジスタ(power transistor)が高いレベルでバイアスされたとき、優れた線形性を有するようになる。
【0004】
しかし、増幅装置が高温で動作する場合、HBT(Hetero-junction Bipolar Transistor)素子の温度特性により、ベース-エミッタ(base-emitter)間のPN接合(P-N junction)のターンオン(Turn-on)電圧(Vth)が低くなるにつれて、ベースバイアスレベル(base bias level)もともに低くなるという問題を有する。
【0005】
そこで、高温動作で低くなるベースバイアスレベル(base bias level)により、パワーアンプの線形性が低下するという問題がある。かかる問題を克服するために、高温動作時にアンプが外部バイアスの電流量を増加させるPTAT(Proportion to Absolute Temperature)バイアスを用いるなどという解決方法が提案されているが、かかる方法には、HBTパワートランジスタの温度を正確に感知しなければならないなどという技術的難しさや、それを実現するための外部回路がさらに必要となり、増幅装置に含まれる回路がさらに複雑となるなどの問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2004-0028963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的のうちの一つは、電流バイアス回路において、周囲の温度変化を反映するデュアル温度補償機能を用いることで、周囲の温度に応じて変動することができるベースバイアス電流を効率的に補償するデュアル補償バイアス回路及び増幅装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態によると、基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、上記第1補償電流に基づいて第1ベースバイアス電流を生成して増幅回路のベースノードに出力する第1温度補償回路と、上記第2補償電流に基づいて第2ベースバイアス電流を生成して上記増幅回路のベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含むバイアス回路が提案される。
【0009】
また、本発明の他の一実施形態によると、増幅トランジスタを有する増幅回路と、温度補償されたベースバイアス電流を生成して上記増幅トランジスタのベースノードに出力するバイアス回路と、を含み、上記バイアス回路は、基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、上記第1補償電流に基づいて第1ベースバイアス電流を生成して上記増幅トランジスタのベースノードに出力する第1温度補償回路と、上記第2補償電流に基づいて第2ベースバイアス電流を生成して上記増幅トランジスタのベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含む増幅装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によると、電流バイアス回路において、周囲の温度変化を反映するデュアル温度補償機能を用いることにより、周囲の温度に応じて変動することができるベースバイアス電流を効率的に補償することができるとともに、温度変化に伴う利得偏差(Gain deviation)、AM-AM歪み偏差、及び線形性片波などの性能偏差を改善させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による増幅装置の一例示図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるデュアル補償バイアス回路及び増幅回路の一例示図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるデュアル補償バイアス回路及び増幅回路の一例示図である。
【
図4】本発明の一実施形態による増幅装置を適用した一例示図である。
【
図5】第1及び第2内部電流特性を示すグラフである。
【
図6】第1及び第2補償電流特性を示すグラフである。
【
図7】温度-静止電流(Quiescent current)特性を示すグラフである。
【
図8a】温度変化に伴う出力パワー-利得特性を示すグラフである。
【
図8b】温度変化に伴う出力パワー-利得特性を示すグラフである。
【
図9a】温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフである。
【
図9b】温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフである。
【
図10a】温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフである。
【
図10b】温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフである。
【
図11a】温度変化に伴う出力パワー-ACLR特性を示すグラフである。
【
図11b】温度変化に伴う出力パワー-ACLR特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0013】
図1は本発明の一実施形態による増幅装置の一例図である。
【0014】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による増幅装置は、制御回路10及びパワー増幅回路20を含むことができる。
【0015】
上記制御回路10は、基準電流回路50を含むことができる。上記基準電流回路50は、基準電流Irefを生成することで、上記パワー増幅回路20に出力することができる。
【0016】
上記パワー増幅回路20は、増幅回路100及びデュアル補償バイアス回路200を含むことができる。
【0017】
図2は本発明の一実施形態によるデュアル補償バイアス回路及び増幅回路の一例示図であり、
図3は本発明の一実施形態によるデュアル補償バイアス回路及び増幅回路の一例示図である。
【0018】
図2及び
図3を参照すると、上記デュアル補償バイアス回路200は、電流生成回路210、第1温度補償回路220、及び第2温度補償回路230を含むことができる。
【0019】
上記電流生成回路210は、基準電流Irefに基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流I1及び第2補償電流I2を生成することができる。
【0020】
上記第1温度補償回路220は、入力される上記第1補償電流I1を増幅することにより、第1ベースバイアス電流Ib1を生成して増幅回路100のベースノードNBに出力することができる。
【0021】
上記第2温度補償回路230は、入力される上記第2補償電流I2を増幅することにより、第2ベースバイアス電流Ib2を上記増幅回路100のベースノードNBに出力することができる。
【0022】
上記増幅回路100は、上記第1ベースバイアス電流Ib1と第2ベースバイアス電流Ib2が加わったベースバイアス電流(Ib1+Ib2)の供給を受ける増幅トランジスタM1を含むことができる。
【0023】
例えば、
図2及び
図3を参照すると、上記電流生成回路210は、第1抵抗R11、第2抵抗R12、及び温度補償トランジスタM10を含むことができる。
【0024】
上記第1抵抗R11は、上記基準電流Irefの端子に接続された一端、及び上記第2抵抗R12の一端に接続された他端を含むことができる。
【0025】
上記第2抵抗R12は、上記第1抵抗R11の他端に接続された一端、及び上記温度補償トランジスタM10のコレクタに接続された他端を含むことができる。
【0026】
上記温度補償トランジスタM10は、上記第2抵抗R12の他端に接続されたコレクタ、接地に接続されたエミッタ、及び上記増幅トランジスタM1のベースに抵抗RB1、RB2を介して接続されたベースを含むことができる。上記温度補償トランジスタM10は、上記増幅回路100の増幅トランジスタM1の電流ミラー構造(current mirror structure)で接続されることができる。
【0027】
これにより、上記増幅トランジスタM1を介して流れる電流に相当する電流が上記温度補償トランジスタM10を介して流れるようになる。例えば、周囲の温度変化に応じて、上記増幅トランジスタM1を介して流れる電流が上昇すると、上記温度補償トランジスタM10を介して流れる電流も上昇するようになる。逆に、上記増幅トランジスタM1を介して流れる電流が減少すると、上記温度補償トランジスタM10を介して流れる電流は減少するようになる。
【0028】
上記電流生成回路210は、上記第1抵抗R11と2抵抗R12との間の第1接続ノードN1において上記第1補償電流I1を出力し、上記第2抵抗R12と温度補償トランジスタM10のコレクタとの間の第2接続ノードN2において上記第2補償電流I2を出力することができる。
【0029】
上記温度補償トランジスタM10は、上記増幅トランジスタM1と同一の温度特性を有するように、上記増幅トランジスタM1と同一の種類のトランジスタ(例えば、BJTまたはHBT)であることができる。
【0030】
一方、上記増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10では、周囲の温度変化に応じて、トランジスタ(例えば、HBT(Heterojunction Bipolar Transistor)またはBJT(bipolar junction transistor))の温度特性により、ベース-エミッタ(base-emitter)間のPN接合(P-N junction)のターンオン(Turn-on)電圧(Vth)(または臨界電圧)が変わるようになる。
【0031】
例えば、周囲の温度が高温に上昇すると、上記増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のターンオン電圧(Vth)(または臨界電圧)は減少し、バイアス点が減少し、ターンオン電圧及びベース-エミッタ電圧(Vbe)が減少し、ベースバイアス電流も減少するようになる。これにより、上記増幅トランジスタM1を介して流れる電流が減少すると、上記温度補償トランジスタM10を介して流れる電流も減少するようになる。
【0032】
これと異なって、周囲の温度が低温に下降すると、上記増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のターンオン電圧(Vth)(または臨界電圧)は上昇し、バイアス点が上昇し、ターンオン電圧及びベース-エミッタ電圧(Vbe)が上昇し、ベースバイアス電流も上昇する。これにより、上記増幅トランジスタM1を介して流れる電流が上昇すると、上記温度補償トランジスタM10を介して流れる電流も上昇するようになる。
【0033】
例えば、上記第1温度補償回路220は、第1補償トランジスタM20を含むことができる。上記第1補償トランジスタM20は、上記第1抵抗R11と上記第2抵抗R12との間の第1接続ノードN1に接続されたベース、電源電圧VBATの端子に接続されたコレクタ、及び上記増幅回路100のベースノードNBに接続されたエミッタを含むことができる。
【0034】
上記第1補償トランジスタM20は、上記ベースに入力される上記第1補償電流I1を増幅することにより、上記第1ベースバイアス電流Ib1を上記エミッタを介して上記増幅回路100のベースノードNBに出力することができる。
【0035】
一例として、周囲の温度が低温に下降すると、第1補償電流I1が減少して上記第1ベースバイアス電流Ib1が減少するようになる。または、周囲の温度が高温に上昇すると、第1補償電流I1が上昇して上記第1ベースバイアス電流Ib1が上昇するようになる。
【0036】
例えば、上記第2温度補償回路230は、第2補償トランジスタM30を含むことができる。上記第2補償トランジスタM30は、上記第2抵抗R12と上記温度補償トランジスタM10のコレクタとの間の第2接続ノードN2に接続されたベース、上記第1補償トランジスタM20のコレクタに接続されたコレクタ、及び上記増幅回路100のベースノードNBに接続されたエミッタを含むことができる。
【0037】
上記第2補償トランジスタM30は、上記ベースに入力される上記第2補償電流I2を増幅することにより、上記第2ベースバイアス電流Ib2を上記エミッタを介して上記増幅回路100のベースノードNBに出力することができる。
【0038】
一例として、周囲の温度が低温に下降すると、第2補償電流I2が減少して上記第2ベースバイアス電流Ib2が減少するようになる。または、周囲の温度が高温に上昇すると、第2補償電流I2が上昇して上記第2ベースバイアス電流Ib2が上昇するようになる。
【0039】
上述のように、本発明は、デュアル補償機能を行うことができるように、第1温度補償回路220及び第2温度補償回路230を含ませることで、上記増幅回路100のベースノードにおいて、第1温度補償回路220及び第2温度補償回路230のそれぞれからの第1ベースバイアス電流Ib1と第2ベースバイアス電流Ib2が加わって温度補償機能を改善させることができる。
【0040】
図3を参照すると、上記電流生成回路210は、第1抵抗R11と第2抵抗R12との間の第1接続ノードN1と接地との間に接続されたキャパシタC11、及び上記温度補償トランジスタM10のベースと接地との間に接続されたキャパシタC10をさらに含むことができる。
【0041】
上記キャパシタC11は、第1接続ノードN1と接地との間の電圧、及び第2接続ノードN2と接地との間の電圧を安定化させることができる。上記キャパシタC10は、上記温度補償トランジスタM10のベース電圧を安定化させることができる。
【0042】
また、上記増幅トランジスタM1のコレクタと電源電圧VCCの端子との間には、電源電圧のノイズを遮断するためのコイルL10が接続されることができる。
【0043】
以下、上述した温度補償動作についてさらに説明する。
【0044】
図2及び
図3を参照すると、基準電流Irefは、第1接続ノードN1において第1補償電流I1と第1内部電流I11に分けられることができる。上記第1内部電流I11は、第2接続ノードN2において第2補償電流I2と第2内部電流I21に分けられることができる。
【0045】
例えば、増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10が互いに温度特性が同一のトランジスタ(BJTまたはHBT)である場合、周囲の温度が下降または上昇すると、トランジスタの特性により、増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のそれぞれの臨界電圧(Vth)が上昇または下降し、増幅トランジスタM1のコレクタ-エミッタ電流も増加または減少するようになる。そのため、増幅トランジスタM1のコレクタ-エミッタ電流を補償する必要がある。
【0046】
一例として、周囲の温度が下降すると、トランジスタの特性により、増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のそれぞれの臨界電圧(Vth)は上昇し、増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のそれぞれのコレクタ-エミッタ電流も増加するようになるため、上記基準電流Irefが一定の状態で上記温度補償トランジスタM10を介して流れる第1及び第2内部電流I11、I21は増加するようになる。
【0047】
これにより、第1補償電流I1及び第2補償電流I2は減少するようになり、上記第1補償電流I1に基づいて生成された第1ベースバイアス電流Ib1も減少し、上記第2補償電流I2に基づいて生成された第2ベースバイアス電流Ib2も減少する。したがって、増幅トランジスタM1のコレクタ-エミッタ電流の増加は、第1ベースバイアス電流Ib1及び第2ベースバイアス電流Ib2を減少させることで、ベースバイアス電流の上昇を補償することができる。
【0048】
他の一例として、周囲の温度が上昇すると、トランジスタの特性により、増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のそれぞれの臨界電圧(Vth)は減少し、増幅トランジスタM1及び温度補償トランジスタM10のそれぞれのコレクタ-エミッタ電流も減少するようになるため、上記基準電流Irefが一定の状態で上記温度補償トランジスタM10を介して流れる第1及び第2内部電流I11、I21は減少するようになる。
【0049】
これにより、第1補償電流I1及び第2補償電流I2は上昇するようになり、上記第1補償電流I1に基づいて生成された第1ベースバイアス電流Ib1も上昇し、上記第2補償電流I2に基づいて生成された第2ベースバイアス電流Ib2も上昇する。したがって、増幅トランジスタM1のコレクタ-エミッタ電流の減少は、第1ベースバイアス電流Ib1及び第2ベースバイアス電流Ib2を上昇させることで、ベースバイアス電流の減少を補償することができる。
【0050】
図4は本発明の一実施形態による増幅装置を適用した一例示図である。
【0051】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による増幅装置は、3つの第1パワー増幅回路1100、第2パワー増幅回路1200、及び第3パワー増幅回路1300を有する3-ステージパワー増幅回路100に適用することができる。
【0052】
本発明のデュアル補償バイアス回路200は、上記第1パワー増幅回路1100、第2パワー増幅回路1200、及び第3パワー増幅回路1300のうち少なくとも一つに適用することができる。
【0053】
図4には、3ステージの第1パワー増幅回路1100、第2パワー増幅回路1200、及び第3パワー増幅回路1300のうち、温度に伴う性能の変化に大きい影響を及ぼす最終ステージ(final stage)である第3パワー増幅回路1300に適用された例が示されている。
【0054】
第1パワー増幅回路1100は、第1バイアス回路及び第1増幅回路A1を含むことができ、第2パワー増幅回路1200は、第2バイアス回路及び第2増幅回路A2を含むことができる。
【0055】
そして、第3パワー増幅回路1300は、本発明によるデュアル補償バイアス回路200及び第2増幅回路100、A3を含むことができる。
【0056】
図5は第1及び第2内部電流特性を示すグラフであり、
図6は第1及び第2補償電流特性を示すグラフである。
【0057】
図5において、GI11は温度変化に伴う第1内部電流I11のグラフであり、GI21は温度変化に伴う第2内部電流I21のグラフである。
【0058】
図5に示すGI11及びGI21を参照すると、温度が下降すると、第1内部電流I11及び第2内部電流I21はそれぞれ増加し、温度が上昇すると、第1内部電流I11及び第2内部電流I21はそれぞれ減少することが確認できる。
【0059】
図6において、GI1は温度変化に伴う第1補償電流I1のグラフであり、GI2は温度変化に伴う第2補償電流I2のグラフである。
【0060】
図5に示すGI11及びGI21と
図6に示すGI1及びGI2を参照すると、温度が下降すると、基準電流Irefが一定の状態で、第1内部電流I11及び第2内部電流I21がそれぞれ増加するため、第1補償電流I1及び第2補償電流I2はそれぞれ減少する。そして、温度が上昇すると、基準電流Irefが一定の状態で、第1内部電流I11及び第2内部電流I21はそれぞれ減少するため、第1補償電流I1及び第2補償電流I2はそれぞれ増加することが確認できる。
【0061】
図7は温度-静止電流(Quiescent current)特性を示すグラフである。
【0062】
図7に示すグラフは、
図4の3-ステージの第1パワー増幅回路1100、第2パワー増幅回路1200、及び第3パワー増幅回路1300のうち、最終ステージ(final stage)である第3パワー増幅回路1300に本発明のバイアス回路が適用された場合に対して、温度に伴う静止電流(Quiescent current)をシミュレーションした結果に基づく温度-静止電流(Quiescent current)特性を示すグラフである。
【0063】
図7に示すG11は、従来のバイアス回路の温度-静止電流(Quiescent current)特性を示すグラフであり、G12は本発明のバイアス回路の温度-静止電流(Quiescent current)特性を示すグラフである。
【0064】
図7に示すG11及びG12は、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)の3地点でシミュレーションを行った結果である。G11及びG12を参照すると、従来のバイアス回路を適用した場合、温度に伴う静止電流(Quiescent current)の偏差が最大32mA(62mA~94mA)のレベルであったが、本発明の温度補償回路を含むバイアス回路を適用すると、温度に伴う静止電流(Quiescent current)の偏差が最大9mA(72mA~81mA)に下がり、従来に比べて約1/3レベルに減少した。これを参照すると、本発明によると、温度に伴うバイアス点(bias point)の偏差を減らすことができる点が分かる。
【0065】
図8aは従来の温度変化に伴う出力パワー-利得特性を示すグラフであり、
図8bは本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-利得特性を示すグラフである。
【0066】
図8aに示すG21、G22、及びG23はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-利得特性を示すグラフである。そして、
図8bに示すG31、G32、及びG33はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-利得特性を示すグラフである。
【0067】
図8aに示すG21、G22、及びG23を参照すると、従来のバイアス回路を適用した場合には、温度に伴うパワー利得の偏差が最大2.6dBレベルであったが、
図8bに示すG31、G32、及びG33を参照すると、本発明の温度補償回路を有するバイアス回路を適用すると、最大1.8dBと偏差が減少したことが確認できる。
【0068】
図9a及び
図9bは温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフである。
【0069】
図9aは従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフであり、
図9bは本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフである。
【0070】
図9aに示すG41、G42、及びG43はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフである。そして、
図9bに示すG51、G52、及びG53はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪み特性を示すグラフである。
【0071】
図9aに示すG41、G42、及びG43を参照すると、従来のバイアス回路を適用した場合には、温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪みの偏差が最大0.7dBレベルであったが、
図9bに示すG51、G52、及びG53を参照すると、本発明のバイアス回路を適用した場合には、温度変化に伴う出力パワー-AM-AM歪みの偏差は最大0.3dB程度と減少したことが確認できる。
【0072】
図10a及び
図10bは温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフである。
【0073】
図10aは従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフであり、
図10bは本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフである。
【0074】
図10aに示すG61、G62、及びG63はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフである。そして、
図10bに示すG71、G72、及びG73はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪み特性を示すグラフである。
【0075】
図10aに示すG61、G62、及びG63を参照すると、従来のバイアス回路を適用した場合には、温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪みの偏差が3deg(@30dBm基準)レベルであったが、
図10bに示すG71、G72、及びG73を参照すると、本発明のバイアス回路を適用した場合には、温度変化に伴う出力パワー-AM-PM歪みの偏差は約0.5deg(@30dBm基準)程度と減少したことが確認できる。
【0076】
図11a及び
図11bは温度変化に伴う出力パワー-ACLR(Adjacent Channel Leakage Ratio)特性を示すグラフである。
【0077】
図11aは従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-ACLR特性を示すグラフであり、
図11bは本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-ACLR特性を示すグラフである。
【0078】
図11aに示すG81、G82、及びG83はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、従来のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-ACLR特性を示すグラフである。そして、
図11bに示すG91、G92、及びG93はそれぞれ、-30℃(低温)、25℃(常温)、及び80℃(高温)のそれぞれの3地点における、本発明のバイアス回路による温度変化に伴う出力パワー-ACLR特性を示すグラフである。
【0079】
図11aに示すG81、G82、及びG83を参照すると、従来のバイアス回路を適用した場合には、温度変化に伴う出力パワー-ACLR性能が最大5.5dBまで低下したが、
図11bに示すG91、G92、及びG93を参照すると、本発明のバイアス回路を適用した場合には、温度変化に伴う出力パワー-ACLRの性能は最大2.5dB程度と線形性の低下幅を減らすことができる点が分かる。
【0080】
一方、本発明の一実施形態による増幅装置の制御回路は、プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、FPGA(Field Programmable Gate Arraysなど)、メモリ(例えば、揮発性メモリ(例えば、RAMなど)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、フラッシュメモリなど)、入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイス、赤外線カメラ、ビデオ入力デバイスなど)、出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、プリンタなど)、及び通信接続装置(例えば、モデム、ネットワークインタフェースカード(NIC)、統合型ネットワークインタフェース、無線周波数送信機/受信機、赤外線ポート、USB接続装置など)が互いに相互接続(例えば、周辺の構成要素との相互接続(PCI)、USB、ファームウェア(IEEE 1394)、光学バス構造、ネットワークなど)されたコンピューティング環境で実現されることができる。
【0081】
上記コンピューティング環境は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、モバイルデバイス(モバイルフォン、PDA、メディアプレーヤーなど)、マルチプロセッサシステム、消費者電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、任意の上述のシステムまたはデバイスを含む分散コンピューティング環境などで実現されることができるが、これに限定されない。
【0082】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
[項目1]
基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、
前記第1補償電流に基づいて第1ベースバイアス電流を生成して増幅回路のベースノードに出力する第1温度補償回路と、
前記第2補償電流に基づいて第2ベースバイアス電流を生成して前記増幅回路のベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含む、バイアス回路。
[項目2]
前記電流生成回路は、
前記基準電流の端子に接続された一端を有する第1抵抗と、
前記第1抵抗の他端に接続された一端を有する第2抵抗と、
前記第2抵抗の他端と接地との間に接続され、前記増幅回路の増幅トランジスタに電流ミラー構造で接続された温度補償トランジスタと、を含む、項目1に記載のバイアス回路。
[項目3]
前記電流生成回路は、
前記第1抵抗と第2抵抗との間の第1接続ノードにおいて前記第2補償電流を出力し、前記温度補償トランジスタのコレクタに接続された第2接続ノードにおいて前記第1補償電流を出力する、項目2に記載のバイアス回路。
[項目4]
前記温度補償トランジスタは、
前記増幅トランジスタと同一の温度特性を有する、項目2または3に記載のバイアス回路。
[項目5]
前記第1温度補償回路は、
前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の第1接続ノードに接続されたベース、電源電圧の端子に接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第1補償トランジスタを含む、項目2から4のいずれか一項に記載のバイアス回路。
[項目6]
前記第1補償トランジスタは、
前記ベースに入力される前記第1補償電流を増幅して前記第1ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、項目5に記載のバイアス回路。
[項目7]
前記第2温度補償回路は、
前記第2抵抗と前記温度補償トランジスタのコレクタとの間の第2接続ノードに接続されたベース、前記第1補償トランジスタのコレクタに接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第2補償トランジスタを含む、項目5または6に記載のバイアス回路。
[項目8]
前記第2補償トランジスタは、
前記ベースに入力される前記第2補償電流を増幅して前記第2ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、項目7に記載のバイアス回路。
[項目9]
増幅トランジスタを有する増幅回路と、
温度補償されたベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力するバイアス回路と、を含み、
前記バイアス回路は、
基準電流に基づいて周囲の温度変化が反映された第1補償電流及び第2補償電流を生成する電流生成回路と、
前記第1補償電流に基づいて第1ベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力する第1温度補償回路と、
前記第2補償電流に基づいて第2ベースバイアス電流を生成して前記増幅トランジスタのベースノードに出力する第2温度補償回路と、を含む、増幅装置。
[項目10]
前記電流生成回路は、
前記基準電流の端子に接続された一端を有する第1抵抗と、
前記第1抵抗の他端に接続された一端を有する第2抵抗と、
前記第2抵抗の他端と接地との間に接続され、前記増幅回路の増幅トランジスタに電流ミラー構造で接続された温度補償トランジスタと、を含む、項目9に記載の増幅装置。
[項目11]
前記電流生成回路は、
前記第1抵抗と第2抵抗との間の第1接続ノードにおいて前記第1補償電流を出力し、前記温度補償トランジスタのコレクタに接続された第2接続ノードにおいて前記第2補償電流を出力する、項目10に記載の増幅装置。
[項目12]
前記温度補償トランジスタは、
前記増幅トランジスタと同一の温度特性を有する、項目10または11に記載の増幅装置。
[項目13]
前記第1温度補償回路は、
前記第1抵抗と前記第2抵抗との間の第1接続ノードに接続されたベース、電源電圧の端子に接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第1補償トランジスタを含む、項目10から12のいずれか一項に記載の増幅装置。
[項目14]
前記第1補償トランジスタは、
前記ベースに入力される前記第1補償電流を増幅して前記第1ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、項目13に記載の増幅装置。
[項目15]
前記第2温度補償回路は、
前記第2抵抗と前記温度補償トランジスタのコレクタとの間の第2接続ノードに接続されたベース、前記第1補償トランジスタのコレクタに接続されたコレクタ、及び前記増幅回路のベースノードに接続されたエミッタを有する第2補償トランジスタを含む、項目13または14に記載の増幅装置。
[項目16]
前記第2補償トランジスタは、
前記ベースに入力される前記第2補償電流を増幅して前記第2ベースバイアス電流を前記エミッタを介して前記増幅回路のベースノードに出力する、項目15に記載の増幅装置。
【符号の説明】
【0083】
10 制御回路
20 パワー増幅回路
50 基準電流回路
100 増幅回路
200 デュアル補償バイアス回路