(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理システム、コンピュータプログラム、及び情報処理方法。
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240423BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20240423BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240423BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240423BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20240423BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B25/10 A
G08B21/02
A61B5/11 110
A61B5/08
A61B5/0245 100T
(21)【出願番号】P 2020037570
(22)【出願日】2020-03-05
(62)【分割の表示】P 2019239676の分割
【原出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】517146714
【氏名又は名称】株式会社リードライフ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 清文
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 篤史
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/221752(WO,A1)
【文献】特開2019-066452(JP,A)
【文献】特開2004-215824(JP,A)
【文献】特開2004-364142(JP,A)
【文献】特開2015-114863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 21/00-31/00
A61B 5/00
H04M 9/00-11/00
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
居住空間
に設置された、生体信号を計測す
るセン
サから、前記生体信号の計測データを取得する取得部と、
情報機器が備える操作デバイスを通じ
たユーザからの要求に応じて、前
記セン
サからの前記計測データに基づく前記生体信号の計測結果を表
す画面
である生体信号関連画面を、前記
情報機器が備える表示デバイスに表示させる
生体信号関連表示制御部と、
前記
生体信号関連画面の表示時刻を、前記
要求元の前記ユーザの識別情報と共に、ログデータとして記憶デバイスに記録する履歴記録部と、
前記記憶デバイスに記録された前記ログデータに基づき、前記
生体信号関連画面の表示履歴を示
す画面
である履歴関連画面を、前記表示デバイスに表示させる
履歴関連表示制御部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理システムであって
、
前記取得部は、前記センサとして、前記居住空間に設置された生体信号を計測する複数のセンサのそれぞれから、前記生体信号の計測データを取得し、
前記生体信号関連表示制御部は、前記ユーザからの要求に従って、前記複数のセンサのうちの前記ユーザから指定された一つのセンサからの前記計測データに基づく前記生体信号の計測結果を表す画面を、前記生体信号関連画面として前記表示デバイスに表示させる情報処理システム。
【請求項3】
請求項2記載の情報処理システムであっ
て、
前記履歴関連画面は、前記
複数のセンサに関する前記
生体信号関連画面の表示履歴を示す画面である情報処理システム。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の情報処理システムであって、
前記
生体信号関連画面には、前記
履歴関連画面を呼び出すための操作オブジェクトが含まれ、
前記
履歴関連表示制御部は
、前記
生体信号関連画面に含まれる前記操作オブジェクトが前記操作デバイスを通じて操作されたことを条件に、前記
履歴関連画面を前記表示デバイスに表示させる情報処理システム。
【請求項5】
請求項2~請求項4のいずれか一項記載の情報処理システムであって、
前記
履歴関連画面は、前記
生体信号関連画面の表示履歴として、前記
生体信号関連画面を閲覧したユーザのリストを、前記ユーザによる前記
生体信号関連画面の閲覧時刻の情報と共に示す画面である情報処理システム。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか一項記載の情報処理システムであって、
前記情報処理システムは、複数の情報機器と通信可能であり、
前記
生体信号関連表示制御部は、前記複数の情報機器の
それぞれに関して、対応する情報機器を操作するユーザからの要求に応じて、前記対応する情報機器が備える表示デバイスに
、前記
生体信号関連画面を表示させる情報処理システム。
【請求項7】
請求項6記載の情報処理システムであっ
て、
前記生体信号関連表示制御部は、前記ログデータに基づき、
前回までの前記
生体信号関連画面の最終表示時刻であって前記複数の情報機器全体における最終表示時刻
が、前記生体信号関連画面に表示されるように、前記
生体信号関連画面を前記表示デバイスに表示させる情報処理システム。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれか一項記載の情報処理システムであって、
前
記セン
サは、マイクロ波の送受信により前記生体信号を計測するマイクロ波ドップラーセンサである情報処理システム。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれか一
項記載の情報処理システムであって、
前
記セン
サは、前記生体信号として、計測対象者の身体運動に関する第一のパラメータ、前記計測対象者の呼吸及び心拍の少なくとも一方に関する第二のパラメータを計測するセンサであり、
前記情報処理システムは更に、
前記センサにより計測された前記第一及び第二のパラメータの少なくとも一つに基づいて、前記計測対象者に関するアラート信号を出力するアラート出力部
を備える情報処理システム。
【請求項10】
請求項9記載の情報処理システムであって、
前記アラート出力部は、前記第一のパラメータが前記身体運動の不存在を示す値に変化する第一の事象、及び、前記第二のパラメータが前記呼吸及び心拍の少なくとも一方の低下又は不存在を示す値に変化する第二の事象の少なくとも一方が発生したことを条件に、前記アラート信号を出力する情報処理システム。
【請求項11】
請求項9又は請求項10記載の情報処理システムであって、
前記アラート出力部は、前記センサにより計測される前記第一のパラメータが前記身体運動の不存在を示している状態で、前記第二のパラメータが、前記呼吸及び心拍の少なくとも一方の低下又は不存在を示す値に変化したことを条件に、前記アラート信号を出力する情報処理システム。
【請求項12】
請求項1~請求項11のいずれか一項記載の情報処理システムであって、
前
記セン
サには、
前記センサの設置場所に存在する人により操作可能な呼出装置が付設されており、
前記情報処理システムは更に、
前記呼出装置が操作されたことに応じて、予め登録された出力先に、コール信号を出力するコール信号出力部を備える情報処理システム。
【請求項13】
請求項1~請求項12のいずれか一項記載の情報処理システムであって、
前
記セン
サには、
前記センサの設置場所に存在する人に向けて音声を出力するためのスピーカが付設されており、
前記情報処理システムは更に、
前記スピーカ
に前記情報機器からの音声信号を入力して、前記スピーカに前記音声信号に対応する音声を出力させる音声出力制御部を備える情報処理システム。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか一項記載の情報処理システムにおける前記取得部、前記
生体信号関連表示制御部、前記
履歴関連表示制御部、及び前記履歴記録部として、コンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項15】
居住空間
に設置された、生体信号を計測す
るセン
サから、前記生体信号の計測データを取得することと、
情報機器が備える操作デバイスを通じ
たユーザからの要求に応じて、前
記セン
サからの前記計測データに基づく前記生体信号の計測結果を表
す画面
である生体信号関連画面を、前記
情報機器が備える表示デバイスに表示させることと、
前記
生体信号関連画面の表示時刻を、前記
要求元の前記ユーザの識別情報と共に、ログデータとして記憶デバイスに記録することと、
前記記憶デバイスに記録された前記ログデータに基づき、前記
生体信号関連画面の表示履歴を示
す画面
である履歴関連画面を、前記表示デバイスに表示させることと、
を備える情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者を遠隔から見守るシステムが既に知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、被見守り人の生体信号を計測するためにマイクロ波ドップラーセンサが用いられる。ドップラー効果により生じる送受信信号の位相差に基づいて、被見守り人の身体運動、呼吸、及び心拍などが計測される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高齢者の見守り形態としては、兄弟で親を見守る形態、夫婦で互いの親を見守る形態などが考えられる。このため、一人又は複数の被見守り人を、複数人で見守ることが可能な見守りシステムの開発は、社会にとって有意義である。
【0005】
そこで、本開示の一側面によれば、1対複数又は複数対複数の見守りに好適なシステム及び方法を提供できることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る情報処理システムは、取得部と、第一の表示制御部と、第二の表示制御部と、履歴記録部と、第三の表示制御部とを備える。取得部は、一以上の居住空間において互いに異なる場所に設置された、生体信号を計測する複数のセンサのそれぞれから、生体信号の計測データを取得する。第一の表示制御部は、情報機器が備える操作デバイスを通じて複数のセンサの一つを選択可能な第一の画面を、情報機器が備える表示デバイスに表示させる。
【0007】
第二の表示制御部は、複数のセンサの一つが選択されたことを条件に、選択されたセンサからの計測データに基づく生体信号の計測結果を表す第二の画面を、表示デバイスに表示させる。
【0008】
履歴記録部は、第二の画面の表示時刻を、選択の主体であるユーザの識別情報と共に、ログデータとして記憶デバイスに記録する。第三の表示制御部は、記憶デバイスに記録されたログデータに基づき、第二の画面の表示履歴を示す第三の画面を、表示デバイスに表示させる。
【0009】
上記の情報機器は、一つ又は複数の機器であり得る。このシステムによれば、計測結果の閲覧履歴を、情報機器の表示デバイスを通じて、特定の又はすべてのユーザが確認をすることができる。従って、本開示の一側面によれば、複数のユーザによる見守りを、連携しながら効率よく実現できる、1対複数又は複数対複数の見守りに好適なシステムを提供できる。
【0010】
本開示の一側面によれば、第三の表示制御部は、第一の画面を通じて複数のセンサの一つが選択されたことを条件に、第三の画面として、選択されたセンサに関する第二の画面
の表示履歴を示す画面を、表示デバイスに表示させるように構成されてもよい。
【0011】
本開示の一側面によれば、複数のセンサの少なくとも一部は、グループ化されてもよい。本開示の一側面によれば、第三の画面は、選択されたセンサを含む、選択されたセンサと同一グループに属する一以上のセンサに関する第二の画面の表示履歴を示す画面であってもよい。
【0012】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは、情報機器の操作デバイスから入力される情報に基づき、複数のセンサを少なくとも部分的にグループ化するグルーピング部を備えていてもよい。
【0013】
一人の被見守り人などの計測対象者に対して複数のセンサが設けられる形態が考えられる。こうした形態において、複数のセンサをグループ化することができることは有意義である。更に、グループ毎に、表示履歴を示す第三の画面を表示することは、計測対象者毎の見守り状況を把握するのに有意義である。
【0014】
本開示の一側面によれば、第二の画面には、第三の画面を呼び出すための操作オブジェクトが含まれていてもよい。本開示の一側面によれば、第三の表示制御部は、第二の画面に含まれる操作オブジェクトが操作デバイスを通じて操作されたことを条件に、第三の画面を表示デバイスに表示させるように構成されてもよい。
【0015】
本開示の一側面によれば、第三の画面は、第二の画面の表示履歴として、第二の画面を閲覧したユーザのリストを、ユーザによる第二の画面の閲覧時刻の情報と共に示す画面であってもよい。こうした表示形態によれば、どのユーザが、いつ計測結果を閲覧したかを第三の画面を通じて把握することができる。
【0016】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは、複数の情報機器と通信可能であってもよい。本開示の一側面によれば、第一の表示制御部は、複数の情報機器のそれぞれが備える表示デバイスに、第一の画面として、対応する情報機器のユーザが、対応する情報機器が備える操作デバイスを通じて複数のセンサの一つを選択可能な画面を表示させるように構成されてもよい。
【0017】
本開示の一側面によれば、第二の表示制御部は、第一の画面を通じて複数のセンサの一つが選択されたことを条件に、選択されたセンサに関する第二の画面を、選択が行われた情報機器の表示デバイスに表示させるように構成されてもよい。
【0018】
本開示の一側面によれば、第一の画面は、選択可能なセンサ毎に、対応するセンサに対する選択操作を受け付けるためのオブジェクトを含んでいてもよい。本開示の一側面によれば、第一の表示制御部は、ログデータに基づき、第一の画面におけるオブジェクトのそれぞれが、対応するセンサに関する第二の画面の最終表示時刻であって複数の情報機器全体における最終表示時刻に応じた形態で表示されるように、第一の画面を表示デバイスに表示させるように構成されてもよい。
【0019】
本開示の一側面によれば、第一の表示制御部は、第一の画面における複数のセンサのそれぞれのオブジェクトが、最終表示時刻に応じた形態として、最終表示時刻を示す文字情報を含む形態で表示されるように、第一の画面を表示デバイスに表示させてもよい。こうした表示形態によれば、ユーザは、第一の画面を通じて、複数のセンサの計測結果の閲覧状況を容易に把握することができる。
【0020】
本開示の一側面によれば、第二の表示制御部は、ログデータに基づき、第二の画面とし
て、複数の情報機器全体における第二の画面の前回表示時刻に関する情報を含む画面を、表示デバイスに表示させるように構成されてもよい。
【0021】
本開示の一側面によれば、複数のセンサのそれぞれは、マイクロ波の送受信により生体信号を計測するマイクロ波ドップラーセンサであってもよい。本開示の一側面によれば、複数のセンサのそれぞれは、生体信号として、計測対象者の身体運動に関する第一のパラメータ、計測対象者の呼吸及び心拍の少なくとも一方に関する第二のパラメータを計測するセンサであってもよい。
【0022】
本開示の一側面によれば、情報処理システムは更に、アラート出力部を備えてもよい。アラート出力部は、センサにより計測された第一及び第二のパラメータの少なくとも一つに基づき、計測対象者に関するアラート信号を出力するように構成されてもよい。この構成によれば、アラートを受けた者等が、例えば計測対象者の元に移動して計測対象者に対する必要な行動を迅速に行うことができる。
【0023】
本開示の一側面によれば、アラート出力部は、第一のパラメータが身体運動の不存在を示す値に変化する第一の事象、及び、第二のパラメータが呼吸及び心拍の少なくとも一方の低下又は不存在を示す値に変化する第二の事象の少なくとも一方が発生したことを条件に、アラート信号を出力するように構成されてもよい。
【0024】
本開示の一側面によれば、アラート出力部は、センサにより計測される第一のパラメータが身体運動の不存在を示している状態で、第二のパラメータが、呼吸及び心拍の少なくとも一方の低下又は不存在を示す値に変化したことを条件に、アラート信号を出力するように構成されてもよい。
【0025】
呼吸及び心拍の不存在は、計測対象者がセンサの計測可能領域の外に移動した場合にも生じるが、この場合には、身体運動がセンサにより計測される。これに対して、身体運動が不存在のまま、呼吸及び心拍の低下又は不存在が計測された場合には、計測対象者の生命に重大な問題が生じている可能性が高い。従って、上述した条件でアラート信号を出力することによれば、誤報を抑えて適切なアラート信号を出力可能である。
【0026】
本開示の一側面によれば、複数のセンサの少なくとも一部には、対応するセンサの設置場所に存在する人により操作可能な呼出装置が付設されていてもよい。本開示の一側面によれば、情報処理システムは更に、呼出装置が操作されたことに応じて、予め登録された出力先に、コール信号を出力するコール信号出力部を備えてもよい。
【0027】
本開示の一側面によれば、複数のセンサの少なくとも一部には、対応するセンサの設置場所に存在する人に向けて音声を出力するためのスピーカが付設されていてもよい。本開示の一側面によれば、情報処理システムは更に、選択されたセンサに付設されたスピーカに対し、選択が行われた情報機器からの音声信号を入力して、スピーカに音声信号に対応する音声を出力させる音声出力制御部を備えてもよい。
【0028】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムにおける取得部、第一の表示制御部、第二の表示制御部、履歴記録部、アラート出力部、コール信号出力部、及び音声出力制御部の少なくとも一部の機能を、コンピュータを実行させるためのコンピュータプログラムが提供されてもよい。
【0029】
本開示の一側面によれば、上述した情報処理システムに対応する情報処理方法が提供されてもよい。情報処理方法は、一以上の居住空間において互いに異なる場所に設置された、生体信号を計測する複数のセンサのそれぞれから、生体信号の計測データを取得するこ
とと、情報機器が備える操作デバイスを通じて複数のセンサの一つを選択可能な第一の画面を、情報機器が備える表示デバイスに表示させることと、複数のセンサの一つが選択されたことを条件に、選択されたセンサからの計測データに基づく生体信号の計測結果を表す第二の画面を、表示デバイスに表示させることと、第二の画面の表示時刻を、選択の主体であるユーザの識別情報と共に、ログデータとして記憶デバイスに記録することと、記憶デバイスに記録されたログデータに基づき、第二の画面の表示履歴を示す第三の画面を、表示デバイスに表示させることと、を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】見守りシステムの構成を表すブロック図である。
【
図2】
図2Aはサーバ装置が実行するデータ取得関連処理を表すフローチャートであり、
図2Bはサーバ装置が実行するコール信号関連処理を表すフローチャートである。
【
図3】
図3Aはサーバ装置が記憶する装置管理データベースの構成を表す図であり、
図3Bはサーバ装置が記憶するユーザ管理データベースの構成を表す図である。
【
図4】サーバ装置が実行するサービス提供処理を表すフローチャートである。
【
図6】グループ設定画面の例示的構成を示す図である。
【
図7】サーバ装置が実行する個別画面送信関連処理を表すフローチャートである。
【
図9】
図9Aは、閲覧履歴画面の例示的構成を示す図であり、
図9Bは、アラート設定画面の例示的構成を示す図である。
【
図10】ユーザ端末装置が実行する処理のフローチャートである。
【
図11】ユーザ端末装置が実行する個別画面関連処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本開示の例示的実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示す本実施形態の見守りシステム1は、複数の監視装置10と、サーバ装置30と、複数のユーザ端末装置50とを備える。この見守りシステム1では、各監視装置10が、被見守り人の生体信号を計測するために、被見守り人が居住する空間に設置される。
【0032】
監視装置10は、異なる居住空間で生活する複数の被見守り人のそれぞれに対して設けられる。監視装置10は、一人の被見守り人に対して一つ又は複数設けられ得る。例えば、監視装置10は、一人の被見守り人が居住する建物における、リビング及び寝室などの複数の部屋のそれぞれに設けられ得る。
【0033】
サーバ装置30は、これら監視装置10のそれぞれから、生体信号の計測データを取得する。サーバ装置30は、計測データに基づき、被見守り人に関する情報を、見守り人のユーザ端末装置50に提供する。
【0034】
ユーザ端末装置50は、見守り人が使用する情報機器である。ここでいう「ユーザ」は、見守りシステム1を利用する見守り人に対応する。ユーザ端末装置50は、ユーザ操作に従って、被見守り人に関する情報を表示する。ユーザ端末装置50は、例えば、見守りシステム1の利用のために用意されたアプリケーションプログラムがインストールされたスマートフォン及びタブレット等の情報機器であり得る。
【0035】
監視装置10は、センサ11と、スピーカ13と、コントローラ15と、通信インタフェース17とを備える。この監視装置10には、人が押下操作可能なボタン式の呼出装置20が有線又は無線により接続される。呼出装置20は、例えば被見守り人からのエマージェンシーコールを見守り人に伝送するために使用される。
【0036】
センサ11は、マイクロ波ドップラーセンサである。センサ11は、マイクロ波を送受信し、ドップラー効果により生じる送信信号と受信信号との間の位相差に基づいて、計測可能範囲における人の身体運動、呼吸、及び心拍(換言すれば脈拍)を計測するように構成される。スピーカ13は、サーバ装置30からの受信信号に基づく音声を、監視装置10が設置された被見守り人の居住空間に出力するように構成される。
【0037】
コントローラ15は、監視装置10の全体を統括制御するように構成される。一例によれば、コントローラ15は、プロセッサ、ROM、及びRAMを備えることができる。この例によれば、プロセッサがコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、コントローラ15の各種機能が実現される。
【0038】
コントローラ15は、通信インタフェース17を通じてサーバ装置30と通信する。監視装置10は、サーバ装置30と広域ネットワークNTを通じて通信可能に接続される。コントローラ15は、センサ11からの計測データを、通信インタフェース17を通じてサーバ装置30に送信する。
【0039】
コントローラ15は更に、サーバ装置30から音声信号を受信すると、受信した音声信号に基づく音声をスピーカ13に出力させるように動作する。コントローラ15は更に、呼出装置20からボタン押下信号が入力されると、サーバ装置30に対してコール信号を送信するように構成される。
【0040】
サーバ装置30は、
図1に示すように、プロセッサ31と、メモリ33と、ストレージ35と、通信インタフェース37とを備える。プロセッサ31は、ストレージ35に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行することにより、サーバ装置30としての機能を実現する。
【0041】
ストレージ35は、例えばハードディスク装置で構成され、コンピュータプログラム及びデータを記憶する。通信インタフェース37は、監視装置10及びユーザ端末装置50と広域ネットワークNTを通じて通信可能に構成される。
図1において簡易表示されるサーバ装置30は、複数のコンピュータを含むシステムで構成され得る。
【0042】
ユーザ端末装置50は、
図1に示すように、プロセッサ51と、メモリ53と、ストレージ55と、ディスプレイ56と、マイクロフォン57と、操作インタフェース58と、通信インタフェース59とを備える。
【0043】
プロセッサ51は、ストレージ55に記憶されたコンピュータプログラムに従う処理を実行する。ストレージ55は、例えばフラッシュメモリで構成され、コンピュータプログラム及びデータを記憶する。ディスプレイ56は、プロセッサ51により制御されて、各種画面を表示する表示デバイスである。ディスプレイ56の例には、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイが含まれる。
【0044】
操作インタフェース58は、ユーザからの操作信号をプロセッサ51に入力する操作デバイスである。操作インタフェース58の例には、ディスプレイ56上のタッチパネルが含まれる。通信インタフェース59は、サーバ装置30と広域ネットワークNTを通じて通信可能に構成される。
【0045】
続いて、サーバ装置30のプロセッサ31が実行するデータ取得関連処理の詳細を、
図2Aを用いて説明する。プロセッサ31は、監視装置10毎に、データ取得関連処理を繰返し実行する。
【0046】
データ取得関連処理を開始すると、プロセッサ31は、監視装置10から、生体信号の計測データであって、未取得の新規計測データを取得する(S110)。更に、プロセッサ31は、取得した新規計測データを、ストレージ35内の装置管理データベース351に記録する(S120)。
【0047】
図3Aに示される装置管理データベース351は、監視装置10の管理に用いられるデータベースである。装置管理データベース351は、監視装置10毎の装置管理データ351Aを備える。装置管理データ351Aは、対応する監視装置10の識別コードである装置IDに関連付けて、コール先データ、アラート設定データ、関連ユーザデータ、閲覧ログデータ、及び計測データを含む。
【0048】
S120において、プロセッサ31は、新規計測データの取得元に対応する監視装置10の装置管理データ351Aに、取得した新規計測データを追加記録することにより、監視装置10からの計測データを蓄積する。装置管理データ351Aには、過去所定期間分(例えば、1年分)の計測データが格納され得る。
【0049】
その後、プロセッサ31は、装置管理データ351Aに含まれるアラート設定データを参照し(S130)、アラート信号の出力が必要であるか否かを判断する(S140)。アラート設定データは、アラート信号の出力条件を示す。
【0050】
S140において、プロセッサ31は、S110で取得した新規計測データから特定される生体信号に、上記アラート信号の出力条件を満足する変化が生じているか否かを判断することにより、アラート信号の出力が必要であるか否かを判断する。アラート信号の出力条件の詳細に関しては、アラート設定に関する処理と共に後述する。
【0051】
プロセッサ31は、アラート信号の出力が必要であると判断すると(S140でYes)、アラート信号を出力する(S150)。アラート設定データは、見守り人により指定されたアラート先の情報を含むことができ、プロセッサ31は、上記指定されたアラート先にアラート信号を出力することができる。別例として、アラート先は、監視装置10に関連付けられた見守り人のユーザ端末装置50であってもよい。
【0052】
関連ユーザデータは、監視装置10に関連付けられたユーザ(すなわち見守り人)のリストを有する。プロセッサ31は、関連ユーザデータを参照して、監視装置10に関連付けられた見守り人のユーザ端末装置50に対し、通信インタフェース37を介して、アラート信号を出力することができる。
【0053】
ユーザ端末装置50は、アラート信号を受信すると、被見守り人の生体信号の異常を知らせるアラート音を出力するように構成され得る。S150での処理を終えると、プロセッサ31は、データ取得関連処理を終了する。
【0054】
一方、プロセッサ31は、アラート信号の出力が不要であると判断すると(S140でNo)、S150の処理を実行せずに、データ取得関連処理を終了する。上記データ取得関連処理を繰返し実行により、プロセッサ31は、各監視装置10から生体信号の計測データを逐次取得し、必要に応じてアラート信号を出力する。
【0055】
この他、プロセッサ31は、
図2Bに示すコール信号関連処理を繰返し実行する。コール信号関連処理を開始すると、プロセッサ31は、監視装置10のいずれかから、呼出装置20に対するボタン押下操作により発生するコール信号を受信するまで待機する(S210)。
【0056】
コール信号を受信すると、プロセッサ31は、コール信号の送信元に対応する監視装置10の装置管理データ351Aが有するコール先データを参照し、予め指定されたコール先に対する呼出処理を実行する(S220)。コール先データは、見守り人により指定されたコール先の情報を含む。コール先は、アラート先と同様に、監視装置10に関連付けられた見守り人のユーザ端末装置50であってもよい。
【0057】
呼出処理において、プロセッサ31は、上記指定されたコール先に、コール信号を転送して、コール先を呼び出すことができる。ユーザ端末装置50は、コール信号を受信すると、呼出装置20に対するボタン押下操作がなされたことを通知するビープ音を出力するように構成され得る。その後、プロセッサ31は、コール信号関連処理を終了する。このようにプロセッサ31は、監視装置10からコール信号を受信する度に、対応するコール先を呼び出す。
【0058】
この他、プロセッサ31は、ユーザ端末装置50からログイン要求を受信すると、要求元に対するユーザ認証を行う。プロセッサ31は、ユーザ認証に成功すると、ログインユーザに対する処理として
図4に示すサービス提供処理を実行する。
【0059】
サービス提供処理を開始すると、プロセッサ31は、ログインユーザに関連付けられた一つ以上の監視装置10の計測データを、装置管理データベース351から読み出す(S310)。ログインユーザに関連付けられた監視装置10は、ストレージ35内のユーザ管理データベース353に登録された、ログインユーザのユーザ管理データ353Aを参照することにより、把握される。
【0060】
図3Bに示すように、ユーザ管理データベース353は、ユーザ毎のユーザ管理データ353Aを有する。ユーザ管理データ353Aは、対応するユーザの識別コードであるユーザIDに関連付けて、ユーザ登録データ、関連装置データ、グループ設定データを有する。ユーザ登録データは、ユーザのニックネーム等の情報を含む。更に、ユーザ登録データは、プッシュ通知を含む、対応するユーザのユーザ端末装置50との間の通信に必要な情報を含む。
【0061】
関連装置データは、ユーザに関連付けられた監視装置10のリストを示す。ユーザに関連付けられた監視装置10は、通常、ユーザが見守る被見守り人の居住空間に設置された監視装置10である。一人のユーザに対して、被見守り人は複数存在し得る。これらの監視装置10は、ユーザからの指示に従って、ユーザに関連付けられる。
【0062】
プロセッサ31は、ログインユーザの関連装置データを参照することにより、ユーザに関連付けられた監視装置10を特定し、これらの監視装置10からの計測データをストレージ35から読み出すことができる。この際、各監視装置10の閲覧ログデータ(詳細後述)も読み出すことができる。
【0063】
S310での処理を終えると、プロセッサ31は、読み出した計測データ及び閲覧ログデータに基づき、監視装置10の一覧画面データを、ログインユーザのユーザ端末装置50に送信する(S320)。
【0064】
一覧画面データは、ログインユーザに関連付けられた各監視装置10に対応するオブジェクトが配置された
図5に例示する構成の一覧画面をユーザ端末装置50に表示させるためのデータである。各監視装置10のオブジェクトは、ユーザ端末装置50の操作インタフェース58を通じてユーザが選択可能な操作オブジェクトである。一覧画面は、オブジェクトの選択操作により、ユーザが監視装置10の一つを選択可能な構成にされる。
【0065】
図5に示されるように、各オブジェクトは、対応する監視装置10の計測データに基づく、被見守り人の身体運動の大きさ、並びに、呼吸及び心拍の強さに関する簡易折れ線グラフを表示する。折れ線グラフの横軸は、時刻である。各オブジェクトには、上記閲覧ログデータに基づく、対応する監視装置10の個別画面(
図8参照)の最終閲覧時刻を表す文字情報が表示される。
【0066】
このように一覧画面では、ユーザに関連付けられた監視装置10が選択可能に一覧表示され、更に、各監視装置10での計測データが簡易表示される。この他、一覧画面には、グループ設定のための操作オブジェクトであるグループ設定ボタン、及び、監視装置10の追加登録のための操作オブジェクトである追加ボタンが含まれる。
【0067】
プロセッサ31は、一覧画面データの送信後、ユーザ端末装置50からの要求信号を受信するか、終了条件が満足されるまで待機する(S330,S340,S350,S360)。要求信号を受信する度、受信した要求信号に対応する処理を実行する(S335,S345,S355)。終了条件が満足されると(S360でYes)、ログインユーザに対するサービス提供処理を終了する。終了条件は、例えばログアウトにより満足される。
【0068】
プロセッサ31は、ユーザ端末装置50から監視装置10の追加要求信号を受信すると(S330でYes)、S335に移行して、装置追加処理を実行する。追加要求信号は、一覧画面に含まれる追加ボタンがユーザ端末装置50にて押下操作されたことを契機に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。
【0069】
追加ボタンが押下操作されると、ユーザ端末装置50は、監視装置10の筐体に貼付された二次元コードの読取モードに移行する。この読取モードにて、監視装置10の二次元コードが読み取られると、二次元コードが示す監視装置10の識別コードを含む追加要求信号がユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。
【0070】
S335において、プロセッサ31は、受信した追加要求信号に含まれる監視装置10の識別コードに基づいて、ログインユーザのユーザ管理データ353Aが有する関連装置データを編集して、監視装置10を追加登録する。すなわち、プロセッサ31は、追加登録により、ログインユーザに新たな監視装置10を関連付ける。更に追加登録が完了したことを、ユーザ端末装置50に通知する。このようにしてS335での装置追加処理を終了すると、プロセッサ31は、S310に移行する。
【0071】
一方、ユーザ端末装置50からグループ設定要求信号を受信すると(S340でYes)、プロセッサ31は、グループ設定処理を実行する(S345)。グループ設定要求信号は、一覧画面に含まれるグループ設定ボタンがユーザ端末装置50にて押下操作されたことを契機に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。
【0072】
グループ設定ボタンが押下操作されると、ユーザ端末装置50は、グループ設定モードに移行する。グループ設定モードにおいて、ユーザ端末装置50は、ディスプレイ56の表示画面を一覧画面からグループ設定画面に切り替える。
【0073】
グループ設定画面は、ログインユーザに関連付けられた監視装置10のうち、グループ化対象の監視装置10の一群を、ユーザが操作インタフェース58を通じて選択可能な画面である。グループ設定画面の例は、
図6に示される。この画面によれば、ユーザにより選択された監視装置10の一群が、一つのグループとして設定すべき監視装置10の一群に対応する。
【0074】
ユーザ端末装置50は、このグループ設定画面を通じてグループ設定に関するユーザ操作を受け付け、ユーザ操作が確定ボタンの押下操作により終了すると、ユーザにより指定された監視装置10の一群を一グループにまとめることを要求するグループ設定要求信号をサーバ装置30に送信する。
【0075】
S345において、プロセッサ31は、受信したグループ設定要求信号に従って、ユーザに関連付けられた監視装置10をグループ化し、ログインユーザのグループ設定データに、監視装置10のグループを定義する情報を書き込む。更に、プロセッサ31は、設定完了をユーザ端末装置50に通知する。このようにしてS345でのグループ設定処理を終了すると、プロセッサ31は、S310に移行する。
【0076】
この他、ユーザ端末装置50から個別画面要求信号を受信すると(S350でYes)、プロセッサ31は、S355に移行し、
図7に示す個別画面送信関連処理を実行する。個別画面要求信号は、一覧画面に表示される監視装置10のオブジェクトの選択操作により、監視装置10の一つがユーザ端末装置50にて選択されたことを契機に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。個別画面要求信号は、選択された監視装置10の識別コードが含まれる。
【0077】
個別画面送信関連処理を開始すると、プロセッサ31は、個別画面要求信号に含まれる監視装置10の識別コードに基づき、一覧画面で選択された監視装置10に関する個別画面データを、対応する監視装置10の計測データ及び閲覧ログデータに基づき生成し、生成した個別画面データをログインユーザのユーザ端末装置50に送信する(S410)。
【0078】
個別画面データは、一覧画面で選択された監視装置10に関する
図8に示す個別画面を、ユーザ端末装置50に表示させるためのデータである。
図8に示すように、個別画面は、対応する監視装置10にて計測された被見守り人の身体運動の大きさ、並びに、呼吸及び心拍の強さに関する詳細な折れ線グラフを表示する。個別画面は、折れ線グラフの表示を、日単位、週単位、月単位で切り替え操作可能に構成される。折れ線グラフの縦軸は、身体運動の大きさ、並びに、呼吸及び心拍の強さを表す。
【0079】
個別画面は更に、折れ線グラフの上部に、現在の身体運動に関する第一のパラメータ値、現在の呼吸の強さに関する第二のパラメータ値、現在の心拍の強さに関する第三のパラメータ値を表示する。例えば、第一のパラメータ値、第二のパラメータ値、及び、第三のパラメータ値は、それぞれ、身体運動の大きさ、呼吸の強さ、及び、心拍の強さを、10段階で表す数値である。
【0080】
個別画面は更に、対応する監視装置10に関連付けられた複数のユーザ全体における、当該監視装置10の個別画面の前回以前の最終閲覧時刻を表す文字情報を表示する。すなわち、監視装置10に対応する被見守り人を見守るユーザの全体における今回を除く個別画面の最終閲覧時刻を表示する。
【0081】
個別画面は更に、閲覧履歴表示のための操作オブジェクトである閲覧履歴ボタン、アラート設定のための操作オブジェクトであるアラート設定ボタン、監視装置10のスピーカ13からの音声出力により被見守り人に対する呼掛け行為を行うための操作オブジェクトである呼掛けボタン、及び、一覧画面に戻るための操作オブジェクトである戻るボタンを備える。
【0082】
S410において上記個別画面データを送信すると、プロセッサ31は、対応する監視装置10の装置管理データ351Aが有する閲覧ログデータを更新する(S420)。サーバ装置30のプロセッサ31は、ユーザ端末装置50に対して個別画面データを送信す
る度に、見守り人が個別画面を閲覧したとみなして、閲覧ログデータに、閲覧時刻及びログインユーザのユーザIDを含むレコードを追加する。S420において、プロセッサ31は、このレコード追加により、閲覧ログデータを更新する。レコードに含まれる閲覧時刻は、個別画面の表示時刻とみなすことができる個別画面データの送信時刻である。
【0083】
閲覧ログデータの更新後、プロセッサ31は、ログインユーザのユーザ端末装置50から要求信号を受信するか、終了条件が満足されるまで待機する(S430,S440,S450,S460,S470)。
【0084】
要求信号を受信する度、プロセッサ31は、受信した要求信号に対応する処理を実行する(S435,S445,S455,S465)。一方、終了条件が満足されると(S470でYes)、個別画面送信関連処理を終了する。終了条件は、例えば、個別画面における戻るボタンの押下操作により満足される。個別画面送信関連処理を終了すると、プロセッサ31は、S310(
図4参照)に移行する。
【0085】
プロセッサ31は、ユーザ端末装置50から閲覧履歴要求信号を受信すると(S430でYes)、S435に移行して、履歴表示関連処理を実行する。閲覧履歴要求信号は、個別画面に含まれる閲覧履歴ボタンがユーザ端末装置50にて押下操作されたことを契機に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。
【0086】
履歴表示関連処理において、プロセッサ31は、個別画面に対応する監視装置10の閲覧ログデータに基づき、閲覧履歴画面データを生成し、生成した閲覧履歴画面データを、要求元のユーザ端末装置50に送信する。
【0087】
閲覧履歴画面データは、対応する監視装置10の個別画面に関する閲覧履歴情報を含む
図9Aに示す閲覧履歴画面を、ユーザ端末装置50に表示させるためのデータである。
図9Aに示すように、閲覧履歴画面は、対応する監視装置10の個別画面を閲覧したユーザのリストを、閲覧時刻と共に表示する。
【0088】
図9Aによれば、閲覧履歴画面には、監視装置10に関連付けられたユーザ全体の閲覧履歴が、閲覧時刻順に列挙される。閲覧履歴画面には、今回の個別画面の閲覧を除く前回以前の個別画面の閲覧に関する履歴が表示され得る。閲覧履歴画面には、今回の閲覧、すなわち、この画面に切り替わる直前の個別画面の閲覧(開始)時刻を含む閲覧履歴が表示されてもよい。
【0089】
付言すると、プロセッサ31は、個別画面に対応する監視装置10にグループが設定されているか否かを、ログインユーザのグループ設定データを参照して判定することができる。そして、グループが設定されている場合には、個別画面に対応する監視装置10だけではなく、同一グループに属するすべての監視装置10の閲覧ログデータに基づき、閲覧履歴画面データを生成することができる。
【0090】
この場合、閲覧履歴画面には、同一グループの複数の監視装置10のそれぞれの個別画面に対する閲覧履歴が、混在した形態で、閲覧時刻順に表示される。閲覧履歴画面は、各閲覧時刻が、どの監視装置10に対応するものであるのかをユーザが理解できるように付属情報を表示してもよい。例えば、閲覧履歴画面は、各閲覧時刻を、閲覧したユーザ及び対応する監視装置10の識別情報と共に表示してもよい。
【0091】
プロセッサ31は、閲覧履歴画面に含まれる戻るボタンが押下操作されることにより、ユーザ端末装置50から終了指示が入力されると、S435における履歴表示関連処理を終了して、S410に移行する。
【0092】
一方、ユーザ端末装置50からアラート設定要求信号を受信すると(S440でYes)、プロセッサ31は、S445に移行し、アラート設定関連処理を実行する。アラート設定要求信号は、個別画面に含まれるアラート設定ボタンがユーザ端末装置50にて押下操作されたことを契機に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。
【0093】
アラート設定関連処理において、プロセッサ31は、個別画面に対応する監視装置10のアラート設定データに基づき、現在のアラート設定を反映したアラート設定画面データを生成し、生成したアラート設定画面データを要求元のユーザ端末装置50に送信する。
【0094】
アラート設定画面データは、対応する監視装置10により計測された生体信号に基づくアラート信号の出力条件を設定するためのアラート設定画面を、ユーザ端末装置50に表示させるためのデータである。アラート設定画面の構成は、
図9Bに例示される。
【0095】
例示されるアラート設定画面は、身体運動、呼吸、及び心拍の有無(換言すれば存在及び不存在)を要素として、アラート信号の出力条件を設定可能に構成される。
図9Bの例によれば、アラート信号の出力条件は、身体運動に関する第一のパラメータ値が身体運動の不存在を示している状態で、呼吸に関する第二のパラメータ値及び心拍に関する第三のパラメータ値が、呼吸及び心拍の存在を示す値から、不存在を示す値に変化したことを条件に、アラート信号を出力する条件として設定される。
【0096】
上記の第一、第二、及び第三のパラメータ値は、それぞれ、身体運動の大きさ、呼吸の強さ、及び、心拍の強さが計測できないレベルであることを示す値「1」から、身体運動の大きさ、呼吸の強さ、及び心拍の強さが最大レベルであることを示す値「10」までの範囲の整数値を採り得る。
【0097】
ここでいう「不存在」は、対応するパラメータ値がレベル1であることを意味すると理解されてもよい。「存在」は、対応するパラメータ値がレベル2以上であることを意味すると理解されてもよい。
【0098】
あるいは、「不存在」及び「存在」は、閾値を境界として定められるものとして広義に解釈されてもよい。すなわち、「不存在」は、対応するパラメータ値が閾値以下であることを意味すると理解されてもよいし、「存在」は、対応するパラメータ値が閾値より大きいことを意味すると理解されてもよい。
【0099】
閾値は、「2」以上の値として定められてもよい。この場合、身体運動、呼吸、及び心拍の「存在」は、それぞれ、身体運動が閾値より大きいこと、呼吸が閾値より強いこと、心拍が閾値より強いことを意味し、身体運動、呼吸、及び心拍の「不存在」は、それぞれ、身体運動の大きさ、呼吸の強さ、及び心拍の強さが閾値以下であることを意味する。どのレベルを基準に、「存在」「不存在」を定義するかは、設計者の自由である。定義に際しては、誤差も考慮され得る。
【0100】
図9Bに示される例示的なアラート設定画面は更に、アラートの要否を切り替え操作可能に構成される。このアラート設定画面は、更に、確定信号をサーバ装置30に送信するための決定ボタン、及び、キャンセル信号をサーバ装置30に送信するための戻るボタンを備える。プロセッサ31は、アラート設定画面データの送信後、アラート設定に関する確定信号又はキャンセル信号を受信すると、受信信号に対応する処理を実行した後、アラート設定関連処理を終了する。
【0101】
プロセッサ31は、確定信号を受信すると、確定信号に示されるアラート信号の出力条
件に従って、対応する監視装置10のアラート設定データにより定義されるアラート信号の出力条件を更新した後、アラート設定関連処理を終了する。プロセッサ31は、キャンセル信号を受信すると、アラート設定データにより定義されるアラート信号の出力条件を更新せずに、アラート設定関連処理を終了する。アラート設定関連処理の終了後、プロセッサ31は、S410に移行する。
【0102】
この他、プロセッサ31は、ユーザ端末装置50からデータ要求信号を受信すると(S450でYes)、S455に移行して、データ提供処理を実行する。データ要求信号は、個別画面において折れ線グラフの表示期間を切り替える操作がなされたときにユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。データ要求信号は、個別画面において現在のパラメータ値を更新するために、定期的に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信されてもよい。
【0103】
データ提供処理において、プロセッサ31は、受信した要求信号に対応するデータを、要求元のユーザ端末装置50に送信する。すなわち、個別画面における折れ線グラフの更新又はパラメータ値の更新に必要な計測データ、又は、画面データを、ユーザ端末装置50に送信する。その後、プロセッサ31は、データ提供処理を終了し、S460に移行する。
【0104】
この他、プロセッサ31は、ユーザ端末装置50から呼掛け要求信号を受信すると(S460でYes)、S465に移行して、呼掛け関連処理を実行する。呼掛け要求信号は、個別画面に含まれる呼掛けボタンがユーザ端末装置50にて押下操作されたことを契機に、ユーザ端末装置50からサーバ装置30に送信される。
【0105】
呼掛け関連処理において、プロセッサ31は、ユーザ端末装置50から送信されてくる音声信号を、対応する音声が監視装置10のスピーカ13から出力されるように転送する。この音声信号は、ユーザ端末装置50のマイクロフォン57からの音声信号である。監視装置10に転送された音声信号は、上述したように、監視装置10で処理されて、対応する音声がスピーカ13から出力される。
【0106】
ユーザ端末装置50は、呼掛けボタンが押下操作された後、呼掛けボタンが再度押下操作されるまでの間、マイクロフォン57から入力されるユーザの発話音声をディジタル信号に変換した音声信号を、広域ネットワークNTを通じてサーバ装置30に送信するように動作する。
【0107】
図示しないが、監視装置10には、マイクロフォンが設けられ得る。この場合、被見守り人は、見守り人からの呼掛けに対して、音声にて応答することができる。この応答音声に関する音声信号は、監視装置10からサーバ装置30を通じてユーザ端末装置50に送信され得る。
【0108】
監視装置10にマイクロフォンがない場合、見守り人は、生体信号の変化をみることにより、被見守り人が呼掛けに反応したかを確認することができる。このために、ユーザ端末装置50は、最新の生体信号に基づく情報(上述のパラメータ値など)を、個別画面を通じてリアルタイム表示するように動作し得る。プロセッサ31は、呼掛けボタンの再押下によってユーザ端末装置50から終了指示が入力されると、呼掛け関連処理を終了し、S470に移行する。
【0109】
続いて、ユーザ端末装置50のプロセッサ51が実行する処理を
図10及び
図11を用いて説明する。ユーザ端末装置50で実行される処理の一部については、サーバ装置30で実行される処理の説明と併せて上述しているので、必要に応じて参照されたい。
【0110】
ユーザ端末装置50のプロセッサ51は、ユーザ端末装置50にインストールされた見守りシステム1用のアプリケーションプログラムが起動されると、
図10に示す処理を開始する。
【0111】
図10に示す処理を開始すると、プロセッサ51は、広域ネットワークNTを通じてサーバ装置30にアクセスし、ログインに必要な処理を実行する(S510)。ログインに成功すると、プロセッサ51は、サーバ装置30からS320の処理にて送信される上述の一覧画面データを受信し、受信データに基づいて、ディスプレイ56に、
図5に例示される一覧画面を表示させる(S520)。
【0112】
その後、プロセッサ51は、一覧画面に対するユーザ操作がなされるか、終了条件が満足されるまで待機する(S530,S540,S550,S560)。プロセッサ51は、操作インタフェース58からの信号入力により、ユーザ操作が発生したことを検知する度、なされた操作に対応する処理を実行する(S535,S545,S555)。終了条件が満足されると(S560でYes)、
図10に示す処理を終了する。終了条件は、例えば、上記アプリケーションプログラムに対する終了操作により満足される。
【0113】
プロセッサ51は、一覧画面における追加ボタンの押下操作を検知すると(S530でYes)、S535に移行して、追加操作関連処理を実行する。追加操作関連処理では、上述した読取モードに移行し、ユーザ操作に従って読み取った二次元コードが示す監視装置10の識別コードを含む追加要求信号をサーバ装置30に送信する。追加登録が完了したことを示す通知をサーバ装置30から受信すると、プロセッサ51は、S520に移行する。S520において、プロセッサ51は、追加登録後の一覧画面データを、サーバ装置30から取得することができる。
【0114】
プロセッサ51は、一覧画面におけるグループ設定ボタンの押下操作を検知すると(S540でYes)、S545に移行して、設定操作関連処理を実行する。設定操作関連処理では、上述したグループ設定モードに移行し、ディスプレイ56にグループ設定画面を表示して、グループ設定に関する操作インタフェース58を通じたユーザ操作を受け付ける。受け付けたユーザ操作に従うグループ設定要求信号を、サーバ装置30に送信する。
【0115】
設定完了の通知をサーバ装置30から受信すると、プロセッサ51は、設定操作関連処理(S545)を終了し、S520に移行する。S520において、プロセッサ51は、グループ設定が反映された一覧画面データを、サーバ装置30から取得することができる。この場合、一覧画面データは、一覧画面に含まれる同一グループに属する複数の監視装置10のオブジェクトにおいてグループ共通の最終閲覧時刻が表示されるように構成され得る。グループ共通の最終閲覧時刻は、グループに属する監視装置10の全体に関して最後に閲覧された個別画面の閲覧時刻であり得る。
【0116】
この他、プロセッサ51は、一覧画面に含まれる監視装置10のオブジェクトの一つに対する選択操作を検知すると(S550でYes)、S555に移行して、個別画面関連処理を実行する。個別画面関連処理を終了すると、S520に移行する。
【0117】
個別画面関連処理においてプロセッサ51は、
図11に示すように、サーバ装置30に対して個別画面要求信号を送信し、サーバ装置30から、選択された監視装置10に対応する個別画面データを取得し、ディスプレイ56に個別画面を表示させる(S610)。
【0118】
その後、プロセッサ51は、個別画面に対するユーザ操作がなされるか、終了条件が満足されるまで待機する(S630,S640,S650,S660,S670)。ユーザ
操作が発生したことを検知する度、なされた操作に対応する処理を実行する(S635,S645,S655,S665)。終了条件が満足されると(S670でYes)、
図11に示す処理を終了する。終了条件は、例えば、個別画面に対する戻るボタンの押下操作により満足される。
【0119】
プロセッサ51は、個別画面における閲覧履歴ボタンの押下操作を検知すると(S630でYes)、S635に移行して、履歴表示関連処理を実行する。履歴表示関連処理において、プロセッサ51は、閲覧履歴要求信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30から受信した閲覧履歴画面データに基づいて、閲覧履歴画面(
図9A参照)を表示する。閲覧履歴画面における戻るボタンの押下操作がなされると、プロセッサ51は、履歴表示関連処理を終了して、S610に移行する。
【0120】
プロセッサ51は、個別画面におけるアラート設定ボタンの押下操作を検知すると(S640でYes)、S645に移行して、アラート設定操作関連処理を実行する。アラート設定操作関連処理において、プロセッサ51は、アラート設定要求信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30から受信したアラート設定画面データに基づいて、ディスプレイ56にアラート設定画面(
図9B参照)を表示させる。
【0121】
プロセッサ51は更に、操作インタフェース58を通じてアラート設定画面に対するユーザ操作を受け付け、ユーザ操作が完了すると、上述した確定信号又はキャンセル信号をサーバ装置30に送信する。その後、プロセッサ51は、アラート設定操作関連処理を終了し、S610に移行する。
【0122】
この他、プロセッサ51は、個別画面における折れ線グラフ周辺のタブ及び矢印ボタンを通じたデータ選択操作を検知すると(S650でYes)、S655に移行し、データ選択関連処理を実行する。データ選択関連処理において、プロセッサ51は、操作に対応するデータ要求信号をサーバ装置30に送信し、サーバ装置30からの受信データに基づいて、個別画面における情報を更新する。例えば、個別画面における折れ線グラフを更新する。その後、データ選択関連処理を終了して、S660に移行する。
【0123】
この他、プロセッサ51は、個別画面における呼掛けボタンの押下操作を検知すると(S660でYes)、S665に移行して、呼掛け操作関連処理を実行する。呼掛け操作関連処理において、プロセッサ51は、マイクロフォン57からの音声信号を、サーバ装置30を通じて、対応する監視装置10に送信する。再度呼掛けボタンが押下操作されると、呼掛け操作関連処理を終了し、S670に移行する。プロセッサ51は、このようにして終了条件が満足されるまで、個別画面に対するユーザ操作がなされる度に、操作に対応する処理を実行する。
【0124】
以上に説明した本実施形態によれば、サーバ装置30が、一以上の居住空間において互いに異なる場所に設置された複数の監視装置10であって、生体信号を計測するセンサ11を備える監視装置10のそれぞれから、生体信号の計測データを取得する(S110)。サーバ装置30は、ユーザ端末装置50が備える操作インタフェース58を通じて複数の監視装置10の一つを選択可能な第一の画面としての一覧画面(
図5参照)を、ユーザ端末装置50のディスプレイ56に表示させる(S320)。
【0125】
サーバ装置30は、複数の監視装置10の一つが選択されたことを条件に、選択された監視装置10からの計測データに基づく生体信号の計測結果を表す第二の画面としての個別画面を、ディスプレイ56に表示させる(S410)。更にサーバ装置30は、閲覧時刻として、個別画面の表示時刻を、選択の主体であるログインユーザの識別コードと共に、記憶デバイスとしてのストレージ35内の閲覧ログデータに記録する(S420)。
【0126】
サーバ装置30は、個別画面における閲覧履歴ボタンが押下操作されたことを契機に、閲覧ログデータに基づき、個別画面の表示履歴を示す第三の画面としての閲覧履歴画面を、ディスプレイ56に表示させる(S435)。
【0127】
この見守りシステム1によれば、複数の見守り人によって一人の被見守り人に対する見守りが行われるときに、見守り人による生体信号の閲覧履歴を、ユーザ端末装置50を通じて、すべての見守り人が確認することができる。従って、この見守りシステム1によれば、遠隔での親の見守りであって、複数の子による親の見守り、及び、夫婦による互いの親の遠隔での見守り、並びに、それらの見守りが混在した見守りなど、複数の見守り人による一人以上の被見守り人に対する見守りを互いに連携しながら、効率よく実現できる。
【0128】
例えば、上記見守りシステム1によれば、閲覧履歴の確認により複数の見守り人による見守り状況を確認することができるので、見守り人の相互依存により、だれも見守りをしていないなどの見守りが不十分な事象の発生を抑えることができる。また、閲覧頻度が不十分な見守り人に閲覧による見守りを促すことができる。更には、見守り不足な時間帯を把握して、見守り行為の改善を図ることができる。このように、本開示の技術によれば、1対複数又は複数対複数の見守りに好適な見守りシステム1を提供できる。
【0129】
この他、上記実施形態では、閲覧履歴画面を、選択された監視装置10毎に表示するので、複数の被見守り人に対する見守り状況を、閲覧履歴画面を通じて容易に把握することができる。特に、本実施形態では、グループ化された監視装置10に関し、グループ内の監視装置10全体の閲覧履歴をまとめた閲覧履歴画面を表示するので、一人の被見守り人に対して複数の監視装置10が用意される状況において、見守り状況が把握しやすい。すなわち、複数の監視装置10を被見守り人毎の監視装置グループに、グループ化することにより、複数の被見守り人の見守り状況を容易に把握可能に、閲覧履歴画面を表示することができる。
【0130】
更に上記実施形態では、一覧画面における各監視装置10のオブジェクトに、対応する監視装置10の個別画面の最終閲覧時刻が表示される。この最終閲覧時刻は、閲覧ログデータに基づく、監視装置10に関連付けられたユーザ(見守り人)全体の閲覧行為に関する最終閲覧時刻である。従って、各見守り人は、一覧画面を通じて、他の見守り人の見守り状況を把握することができ、互いに連携しながら、被見守り人を効率よく且つ適切に見守ることができる。
【0131】
更に見守りシステム1は、監視装置10により計測された生体信号の変化に基づき、被見守り人に関するアラート信号、具体的には被見守り人の生命に関するアラート信号を出力して、見守り人に、被見守り人に対する電話での、あるいは被見守り人の元へ駆けつけての状況確認や、救急車の手配を促すことができる。
【0132】
特に、上記実施形態の見守りシステム1では、身体運動の大きさ、呼吸の強さ、及び、心拍の強さを要素として、アラート信号の出力条件を、ユーザが設定することができる。具体的には、身体運動の大きさを表す第一のパラメータ値が、身体運動の不存在を示す値に変化する第一の事象、呼吸の強さを表す第二のパラメータ値が、呼吸の不存在又は低下を示す値に変化する第二の事象、心拍の強さを表す第三のパラメータ値が、心拍の不存在又は低下を示す値に変化する第三の事象の少なくとも一つの事象の発生を条件に、アラート信号を出力するように、アラート設定を行うことができる。
【0133】
従って、本実施形態によれば、ユーザは、アラートの感度や誤報率を考慮して、被見守り人に応じた適切なアラート設定を行うことができる。なお、上記実施形態では、複数の
見守り人がいずれもアラート設定操作を行うことができるが、一部の見守り人のみがアラート設定操作を行うことができるように、見守りシステム1は構成されてもよい。
【0134】
身体運動、呼吸、及び心拍の不存在は、計測可能範囲より外に被見守り人が移動した場合にも生じ得ること、身体運動の不存在は、被見守り人の生命に異常がなくとも、被見守り人の就寝中などにも生じ得ること、を考慮すれば、本実施形態のよう、身体運動に関する第一のパラメータ値が、身体運動の不存在を示している状態で、呼吸に関する第二のパラメータ値及び/又は心拍に関する第三のパラメータ値が、呼吸及び/又は心拍の低下又は不存在を示す値に変化したことを条件に、アラート信号を出力可能であることは大変有意義である。
【0135】
すなわち、計測可能範囲より外に被見守り人が移動する際には、身体運動が検知されるはずである。この身体運動の検知がない状態で、呼吸及び/又は心拍の低下又は不存在が発生する場合には、被見守り人の生命に異常が生じている可能性が非常に高い。このケースにおいて、アラート信号を出力できることは、大変有意義である。
【0136】
本実施形態によれば、呼出装置20を通じて見守り人に向けてエマージェンシーコールを送信できること、見守り人の音声を監視装置10のスピーカ13から出力して呼掛けを行うことができることも有意義である。
【0137】
本開示が、上述した例示的実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができることは言うまでもない。例えば、見守りシステム1は、監視装置10毎に、対応する個別画面に対する閲覧が所定期間欠落しているユーザに対して、対応する個別画面の閲覧を促すためのメッセージを、ユーザ端末装置50に送信するように構成されてもよい。サーバ装置30の機能の一部又は全ては、監視装置10及び/又はユーザ端末装置50に搭載されてもよい。上述した各種画面の構成及び通信形態は単なる例示であり、他の画面構成及び通信形態を採り得ることは言うまでもない。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0138】
1…見守りシステム、10…監視装置、11…センサ、13…スピーカ、15…コントローラ、17…通信インタフェース、20…呼出装置、30…サーバ装置、31…プロセッサ、35…ストレージ、37…通信インタフェース、50…ユーザ端末装置、51…プロセッサ、55…ストレージ、56…ディスプレイ、57…マイクロフォン、58…操作インタフェース、59…通信インタフェース、351…装置管理データベース、351A…装置管理データ、353…ユーザ管理データベース、353A…ユーザ管理データ、NT…広域ネットワーク。