(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ストラップ収容装置
(51)【国際特許分類】
B65H 75/48 20060101AFI20240423BHJP
G09F 1/10 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
B65H75/48 A
B65H75/48 C
G09F1/10 E
(21)【出願番号】P 2020044846
(22)【出願日】2020-03-14
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591070831
【氏名又は名称】株式会社マーゼンプロダクツ
(74)【代理人】
【識別番号】100109195
【氏名又は名称】武藤 勝典
(72)【発明者】
【氏名】内藤 佳秋
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-128406(JP,A)
【文献】特開平09-151921(JP,A)
【文献】実開昭64-025515(JP,U)
【文献】実開昭57-105035(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/48
G09F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、
所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、
収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、
第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、
第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、を備え、
第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、
第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、
固定手段は、
屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、
軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、少なくとも1つの組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され
、
少なくとも1つの組が、第1周縁部および第2周縁部が延びる周縁方向における引出開口の両側のうちの少なくとも1つの側の角度範囲内に配置され、
引出開口の両側のうちの少なくとも1つの側の角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲であるストラップ収容装置。
【請求項2】
長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、
所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、
収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、
第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、
第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、を備え、
第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、
第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、
固定手段は、
屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、
軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、
複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる周縁方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の周縁方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、
2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲であるストラップ収容装置。
【請求項3】
長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、
所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、
収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、
第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、を備え、
第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、
第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、
固定手段は、
屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、
軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、
第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、
第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、
ストラップに連結される連結部材であって、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、引出開口が形成されるケース分割体の部分に当接してストラップの巻き付けを止める連結部材と、を備え、
複数の組のうちで、
第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、
2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲
であるストラップ収容装置。
【請求項4】
1つの係止固定手段と2つの嵌合固定手段とが、
2つの角度範囲の各角度範囲内に配置される1つの組を構成し、
2つの嵌合固定手段の2つの嵌合突部は、2つの嵌合固定手段と同じ組の係止固定手段の係止片の円周方向における両側に、それぞれ配置される
請求項3に記載のストラップ収容装置。
【請求項5】
長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、
所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、
収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、
第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、を備え、
第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、
第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、
固定手段は、
屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、
軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、
第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、
1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、
複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の嵌合突部は、一方の組の係止片の円周方向における両側のうちで、他方の組の係止片から遠い側のみに、配置
されるストラップ収容装置。
【請求項6】
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、
1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、嵌合固定手段の嵌合突部は、係止固定手段の係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口に近い側に、配置される請求項3に記載のストラップ収容装置。
【請求項7】
1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、
1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、嵌合固定手段の嵌合突部は、係止固定手段の係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口から遠い側のみに、配置される請求項3に記載のストラップ収容装置。
【請求項8】
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、
複数の組のうちで、円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線を対称軸線として、線対称の関係で配置される請求項3、請求項6、および請求項7のいずれかに記載のストラップ収容装置。
【請求項9】
2つの嵌合固定手段は、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線の上にそれぞれ位置するように、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置される請求項3、請求項6、請求項7、および請求項8のいずれかに記載のストラップ収容装置。
【請求項10】
長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、
所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、
収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、
第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、
第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、
ストラップに連結される連結部材であって、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、引出開口を形成するケース分割体の部分に当接してストラップの巻き付けを止める連結部材と、を備え、
第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、
第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、
第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、
固定手段は、
屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、
軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、
1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、
複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う第1および第2の組において、第1の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、第2の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、
2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする45度以内の角度範囲であるストラップ収容装置。
【請求項11】
複数の組は、第1および第2の組以外に、第3の組を含み、
第3の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線を対称中心として、引出開口の配置位置と点対称の位置に、配置される請求項10に記載のストラップ収容装置。
【請求項12】
複数の組は、第1および第2の組以外に、第3および第4の組を含み、
第3の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線を対称軸線として、第1の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段との配置位置と線対称の位置に、配置され、
第4の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線を対称軸線として、第2の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段との配置位置と線対称の位置に、配置される請求項10に記載のストラップ収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容空間を形成する第1および第2のケース分割体と、収容空間内に回転可能に配置され、ストラップが巻装される回転体と、ストラップを巻き取る方向に回転体を弾性力により付勢する弾性体とを備え、使用者の引き出し操作によりストラップを収容空間から引き出すことが可能に構成されるストラップ収容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容空間を形成する第1および第2のケース分割体を備えるストラップ収容装置として、種々の構成のストラップ収容装置が提案されている。たとえば、特許文献1に記載のストラップ収容装置のように、第1および第2のケース分割体が溶着されることにより固定されるストラップ収容装置が提案されている。しかし、この従来のストラップ収容装置を製造するためには、特別の溶着装置を使用して第1および第2のケース分割体を溶着する特別の製造工程が必要となる。
【0003】
溶着工程をなくして製造工程を簡易にするために、たとえば、特許文献2に記載のストラップ装置が提案されている。特許文献2に記載のストラップ装置は、第1ケースと、第2ケースと、仕切り板とを備える。仕切り板は、4つの第1ランスと、4つの第2ランスとを備え、鉤爪が各ランスの先端部に形成される。4つの係止穴が、第1ケースの外周に形成され、別の4つの係止穴が、第2ケースの外周に形成される。第1ランスの鉤爪が第1ケースの係止穴に係止されることにより、第1ケースと仕切り板とが固定される。第2ランスの鉤爪が第2ケースの係止穴に係止されることにより、第2ケースと仕切り板とが固定される。
【0004】
特許文献2に記載のストラップ装置において、ぜんまいばねの弾性力によりストラップを巻き取るために操作される押しボタンが、第1ケースに配置される。使用者が押しボタンを押すと、ストラップに連結される安全連結具の連結部材が第1ケースに当接するまで、ストラップは巻き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-128406号公報
【文献】特許第5230679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載のストラップ装置において、仕切り板の第1および第2ランスの各ランスと、第1および第2ケースの各係止穴とが弾性力により係止されることにより、第1ケースと第2ケースとが仕切り板を介して固定される。使用者がストラップ装置を使用しているときに、外部からの衝撃力が、固定された第1および第2ケースに加わることがある。たとえば、使用者がストラップ装置を誤って落下させた場合、または、使用者が押しボタンを押してストラップを巻き取るときに連結部材が第1ケースに衝突した場合に、大きな衝撃力が第1および第2ケースに加わる。
【0007】
外部からの衝撃力がストラップ装置に繰り返し加わると、仕切り板のいずれかのランスが、第1および第2ケースの係止穴から外れるおそれがある。いずれかのランスが係止穴から外れることにより、第1および第2ケースと仕切り板との間に作用する係止力が低下することがあり、場合によっては、第1および第2ケースと仕切り板との間に隙間が生ずることもある。
【0008】
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、外部からの衝撃力が加わった場合でも第1および第2のケース分割体の固定状態を確実に保持することができるストラップ収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(第1の発明態様)
請求項1に記載の第1の発明態様は、長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、を備える。第1の発明態様では、第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、固定手段は、屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、少なくとも1つの組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、少なくとも1つの組が、第1周縁部および第2周縁部が延びる周縁方向における引出開口の両側のうちの少なくとも1つの側の角度範囲内に配置され、引出開口の両側のうちの少なくとも1つの側の角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲である。
【0010】
本発明態様では、ストラップは、長尺状の物であれば、帯状の物であってもよいし、紐状の物であってもよい。また、ストラップの先端部に、ネームカードなどの物品が取り付けられる構成であってもよい。ストラップが、巻尺の目盛が表記された帯状の物であれば、ストラップの先端部には把持用の金具以外に何も取り付けられない。
【0011】
本発明態様では、第1および第2ケース分割体の第1および第2周縁部は、円形形状、楕円形状、および多角形形状など、種々の形状で形成されてもよい。
【0012】
本発明態様では、第1および第2ケース分割体が1つの収容空間を形成する構成であってもよい。または、第2ケース分割体に取り付けられる取付部材が、特許文献2に記載の仕切り板として使用され、第1および第2ケース分割体と取付部材とが、2つの収容空間を形成する構成であってもよい。2つの収容空間を形成する構成では、2つの回転体、および、2つの弾性体が、2つの収容空間にそれぞれ配置されてもよい。
【0013】
本発明態様では、取付部材が使用される場合、取付部材を第2ケース分割体に取り付ける手段として、種々の手段が採用される。取付部材を第2ケース分割体に取り付ける手段として、好ましくは、係止固定手段と嵌合固定手段とが1つの組として使用される構成であるが、たとえば、係止固定手段および嵌合固定手段のいずれかのみが使用される構成であってもよい。
【0014】
本発明態様では、係止片と係止溝と嵌合突部と嵌合孔との配置構成として、種々の配置構成が採用される。たとえば、係止片と嵌合突部とが、第1周縁部に配置され、係止溝と嵌合孔とが、第2周縁部または取付部材に配置される構成であってもよい。または、係止片と嵌合孔とが、第1周縁部に配置され、係止溝と嵌合突部とが、第2周縁部または取付部材に配置される構成であってもよい。
【0015】
本発明態様では、第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段として、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、少なくとも1つの組が採用されればよい。1つの組のみが採用される場合、両ケース分割体を固定する別の手段として、係止固定手段および嵌合固定手段のいずれかのみが、さらに採用される構成であってもよい。
【0016】
本発明態様では、係止固定手段と嵌合固定手段とは、第1および第2周縁部が延びる周縁方向において可能な限り近接して配置されることが、好ましい。しかし、外部から衝撃力がストラップ収容装置に加わる場合に、係止端部が係止溝から外れないように、嵌合突部と嵌合孔との嵌合により、第1周縁部と第2周縁部との相対的なずれを低減することができるのであれば、係止固定手段と嵌合固定手段との間の周縁方向における間隔は、特別に限定されない。
【0017】
本発明態様では、1つまたは複数の嵌合突部が、第1および第2周縁部が延びる周縁方向において係止片の両側の各側に配置される構成であってもよい。或いは、1つまたは複数の嵌合突部が、周縁方向において係止片の両側のうちの片側のみに配置される構成であってもよい。
【0018】
本発明態様では、ストラップに連結される連結部材が備えられる場合、その連結部材は、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、ケース分割体の一部分に当接してストラップの巻き付けを止める構成であってもよいし、ストラップが回転体に完全に巻き付けられるときでも、ケース分割体の一部分には当接しない構成であってもよい。
【0019】
本発明態様では、第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の嵌合突部は、他方の組の係止片よりも、一方の組の係止片に近い位置に配置される構成であってもよい。この構成の発明態様では、一方の組の嵌合突部と一方の組の係止片との間の円周方向における間隔が、一方の組の嵌合突部と他方の組の係止片との間の円周方向における間隔よりも小さいのであれば、一方の組の嵌合突部は、一方の組の係止片の円周方向における両側のいずれの側に配置される構成であってもよい。
【0020】
(第2の発明態様)
請求項2に記載の第2の発明態様は、長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、を備える。第2発明態様では、第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、固定手段は、屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる周縁方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の周縁方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲である。
【0021】
(第3の発明態様、第4の発明態様、およびその具体的態様)
請求項3に記載の第3の発明態様は、長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、を備える。第3の発明態様では、第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、固定手段は、屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置される。第3の発明態様は、第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、ストラップに連結される連結部材であって、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、引出開口が形成されるケース分割体の部分に当接してストラップの巻き付けを止める連結部材と、を備える。第3の発明態様では、複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲である。
【0022】
第3の発明態様では、連結部材は、使用者がストラップを引き出すために手指で把持することができる部材であってもよいし、特許文献2に記載の安全連結具の1つの部品であってもよい。
【0023】
第3の発明態様では、1つの引出開口が、第1および第2ケース分割体の一方のケース分割体のみに形成される構成であってもよいし、2つの別個の引出開口が、第1および第2ケース分割体にそれぞれ形成される構成であってもよい。または、1つの引出開口を形成する2つの形成部分が、第1および第2ケース分割体にそれぞれ形成される構成であってもよい。
【0024】
請求項4に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と2つの嵌合固定手段とが、2つの角度範囲の各角度範囲内に配置される1つの組を構成し、2つの嵌合固定手段の2つの嵌合突部は、2つの嵌合固定手段と同じ組の係止固定手段の係止片の円周方向における両側に、それぞれ配置される。
【0025】
本具体的形態では、複数の組のうちで、少なくとも1つの組が、1つの係止固定手段と2つの嵌合固定手段とから構成されればよい。
【0026】
請求項5に記載の第4の発明態様は、長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、を備える。第4の発明態様では、第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、固定手段は、屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が挿入されて嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の嵌合突部は、一方の組の係止片の円周方向における両側のうちで、他方の組の係止片から遠い側のみに、配置される。
【0027】
第4の発明形態では、複数の組のうちで、少なくとも1つの組が、1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とから構成されればよい。
【0028】
請求項6に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、嵌合固定手段の嵌合突部は、係止固定手段の係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口に近い側に、配置される。
【0029】
本具体的態様では、1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、1つの嵌合突部が、係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口に近い側に、配置されるのであれば、別の嵌合突部が、係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口から遠い側に、配置されてもよい。
【0030】
請求項7に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、嵌合固定手段の嵌合突部は、係止固定手段の係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口から遠い側のみに、配置される。
【0031】
請求項8に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、複数の組のうちで、円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線を対称軸線として、線対称の関係で配置される。
【0032】
請求項9に記載の具体的態様では、2つの嵌合固定手段は、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線の上にそれぞれ位置するように、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置される。
【0033】
(第5の発明態様およびその具体的態様)
請求項10に記載の第5の発明態様は、長尺状のストラップが巻き付けられる回転体と、所定の回転軸線の周りに回転体を回転可能に収容する収容空間を形成する第1ケース分割体および第2ケース分割体と、収容空間に収容される弾性体であって、所定の巻き付け方向に回転体が回転するように回転体を付勢する弾性体と、第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する固定手段と、第1ケース分割体および第2ケース分割体のうち、少なくとも1つのケース分割体に形成され、ストラップを引き出す引出開口と、ストラップに連結される連結部材であって、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、引出開口を形成するケース分割体の部分に当接してストラップの巻き付けを止める連結部材と、を備え、第1ケース分割体は、所定の回転軸線が延びる軸線方向に開口する第1開口を画定する第1周端部を含み、第2ケース分割体は、軸線方向に開口する第2開口を画定する第2周端部であって、第2周端部に取り付けられる取付部材を介して、または、取付部材を介さずに直接に、第1周端部と接合可能な形状に形成される第2周端部を含み、第1周縁部および第2周縁部は、所定の回転軸線を中心とする円形形状にそれぞれ形成され、固定手段は、屈曲した係止端部を有し、軸線方向に延びる弾性変形可能な係止片と、係止端部が係合する係止溝とを含む係止固定手段と、軸線方向に延びる嵌合突部と、軸線方向に延びて形成され、嵌合突部が嵌合する嵌合孔とを含む嵌合固定手段と、を備え、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組が、第1周端部と第2周端部との間に、または、第1周端部と、第2周端部に取り付けられる取付部材との間に、配置され、複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる円周方向において隣り合う第1および第2の組において、第1の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、第2の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする45度以内の角度範囲である。
【0034】
本発明態様では、1つの組の係止固定手段と嵌合固定手段とにおいて、係止片と、少なくとも1つの嵌合突部とが、45度以内の各角度範囲内に配置されていれば、別の嵌合突部は、45度以内の各角度範囲の外に配置されてもよい。
【0035】
本発明態様では、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組とする第1および第2の組が、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置される構成であれば、各角度範囲の外において第1ケース分割体と第2ケース分割体とを固定する手段として、係止固定手段および嵌合固定手段のいずれかのみが使用される構成であってもよい。
【0036】
本発明態様でも、第1乃至第4の発明態様およびその具体的態様と同様に、ストラップ収容装置の各構成部分を種々の態様で具現化することができる。
【0037】
請求項11に記載の具体的態様では、複数の組は、第1および第2の組以外に、第3の組を含み、第3の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線を対称中心として、引出開口の配置位置と点対称の位置に、配置される。
【0038】
請求項12に記載の具体的態様では、複数の組は、第1および第2の組以外に、第3および第4の組を含み、第3の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線を対称軸線として、第1の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段との配置位置と線対称の位置に、配置され、第4の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線を対称軸線として、第2の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段との配置位置と線対称の位置に、配置される。
【発明の効果】
【0039】
(第1乃至第4の発明態様およびその具体的態様の効果)
請求項1に記載の第1の発明態様では、係止片の係止端部は、係止片自体が弾性変形することにより、係止溝と係合する。嵌合突部は、嵌合孔に挿入されて嵌合する。係止端部が係止溝に係合するとともに、嵌合突部が嵌合孔に嵌合することにより、第1ケース分割体の第1周縁部は、第2ケース分割体の第2周縁部、または、第2周縁部に取り付けられる取付部材と接合されて固定される。1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、少なくとも1つの組が、引出開口の両側のうちの少なくとも1つの側の角度範囲内に配置され、引出開口の両側のうちの少なくとも1つの側の角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲である。この結果、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲において、第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、嵌合突部と嵌合孔との嵌合により低減される。この相対的なずれの低減により、係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を確実に保持することができる。
【0040】
請求項2に記載の第2の発明態様では、係止片の係止端部は、係止片自体が弾性変形することにより、係止溝と係合する。嵌合突部は、嵌合孔に挿入されて嵌合する。係止端部が係止溝に係合するとともに、嵌合突部が嵌合孔に嵌合することにより、第1ケース分割体の第1周縁部は、第2ケース分割体の第2周縁部、または、第2周縁部に取り付けられる取付部材と接合されて固定される。1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組として、複数の組のうちで、第1周縁部および第2周縁部が延びる周縁方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の周縁方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲である。この結果、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の2つの角度範囲において、第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、嵌合突部と嵌合孔との嵌合により低減される。この相対的なずれの低減により、係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を確実に保持することができる。第1および第2の発明態様が、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とを1つの組とする複数の組のうちで、円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の嵌合突部は、他方の組の係止片よりも、一方の組の係止片に近い位置に配置される構成を備える場合、1つの組の係止固定手段と嵌合固定手段とにおいて、嵌合突部が係止片に近い位置に配置されることにより、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、係止端部が係止溝から一層外れ難くすることができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を一層確実に保持することができる。
【0041】
請求項3に記載の第3の発明態様では、ストラップに連結される連結部材は、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、引出開口が形成されるケース分割体の部分に当接してストラップの巻き付けを止める。複数の組のうちで、円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする90度以内の角度範囲である。この結果、連結部材がケース分割体の一部分に衝突することにより、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、引出開口の両側の90度以内の各角度範囲において第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、嵌合突部と嵌合孔との嵌合により低減される。この相対的なずれの低減により、引出開口の両側の90度以内の各角度範囲において係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を確実に保持することができる。
【0042】
請求項4に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と2つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、2つの嵌合固定手段の2つの嵌合突部は、2つの嵌合固定手段と同じ組の係止固定手段の係止片の円周方向における両側に、それぞれ配置される。この結果、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、2つの嵌合突部が係止片の両側にそれぞれ配置されることにより、第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが一層確実に低減される。
【0043】
請求項5に記載の第4の発明態様では、1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の嵌合突部は、一方の組の係止片の円周方向における両側のうちで、他方の組の係止片から遠い側のみに、配置される。この結果、嵌合突部が、係止片の両側のうちで他方の組の係止片に近い側に配置される構成に比べて、嵌合突部が、係止片の両側のうちで他方の組の係止片から遠い側のみに配置されることにより、一方の組の係止片と他方の組の係止片とを互いに接近させて配置することができ、第1および第2ケース分割体を係止する係止力を大きくすることができる。
【0044】
請求項6に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、嵌合固定手段の嵌合突部は、係止固定手段の係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口に近い側に、配置される。この結果、嵌合突部が、係止片の両側のうちで、引出開口に近い側に配置されることにより、引出開口の周辺において第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、嵌合突部と嵌合孔との嵌合により低減される。
【0045】
請求項7に記載の具体的態様では、1つの係止固定手段と1つの嵌合固定手段とが、1つの組を構成し、1つの組の嵌合固定手段と係止固定手段とにおいて、嵌合固定手段の嵌合突部は、係止固定手段の係止片の円周方向における両側のうちで、引出開口から遠い側のみに、配置される。この結果、嵌合突部が、係止片の両側のうちで、引出開口に近い側に配置される構成に比べて、嵌合突部が、係止片の両側のうちで、引出開口から遠い側のみに配置されることにより、係止片を引出開口に接近させて配置することができ、引出開口の周辺において第1および第2ケース分割体を係止する係止力を大きくすることができる。
【0046】
請求項8に記載の具体的態様では、複数の組のうちで、円周方向において隣り合う2つの組の一方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、他方の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線を対称軸線として、線対称の関係で配置される。この結果、線対称の関係で配置される2つの組の係止片と嵌合突部とにより、対称軸線の両側において第1周縁部と第2周縁部との相対的なずれが均一して低減される。この相対的なずれを均一して低減することにより、対称軸線の両側において係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を確実に保持することができる。
【0047】
請求項9に記載の具体的態様では、2つの嵌合固定手段は、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線の上にそれぞれ位置するように、配置される。この結果、連結部材がケース分割体の一部分に衝突することにより、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、引出開口の周辺において第1周縁部と第2周縁部とが相対的に僅かにずれることがあっても、所定の回転軸線を通る直交線よりも、引出開口から遠い側に位置する第1周縁部と第2周縁部との部分に、その僅かな相対的なずれが伝わることを、2つの嵌合固定手段の嵌合突部と嵌合孔との嵌合により低減することができる。
【0048】
(第5の発明態様およびその具体的態様の効果)
請求項10に記載の第5の発明態様では、ストラップに連結される連結部材が、弾性体の弾性力によりストラップが回転体に巻き付けられるときに、引出開口を形成するケース分割体の部分に当接してストラップの巻き付けを止める。係止片の係止端部は、係止片自体が弾性変形することにより、係止溝と係合する。嵌合突部は、嵌合孔に挿入されて嵌合する。係止端部が係止溝に係合するとともに、嵌合突部が嵌合孔に嵌合することにより、第1ケース分割体の第1周縁部は、第2ケース分割体の第2周縁部、または、第2周縁部に取り付けられる取付部材と接合されて固定される。複数の組のうちで、円周方向において隣り合う第1および第2の組において、第1の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部と、第2の組の係止片および少なくとも1つの嵌合突部とは、引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲内にそれぞれ配置され、2つの角度範囲の各角度範囲が、引出開口から所定の回転軸線を中心とする45度以内の角度範囲である。この結果、連結部材がケース分割体の一部分に衝突することにより、衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、引出開口の周辺である45度以内の各角度範囲において第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、嵌合突部と嵌合孔との嵌合により低減される。この相対的なずれの低減により、引出開口の周辺において係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を確実に保持することができる。
【0049】
請求項11に記載の具体的態様では、複数の組は、第1および第2の組以外に、第3の組を含む。第3の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線を対称中心として、引出開口の配置位置と点対称の位置に、配置される。この結果、連結部材がケース分割体の一部分に衝突することにより、引出開口の配置位置から所定の回転軸線に向かう方向の衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、第1および第2の組の嵌合突部と嵌合孔との嵌合とともに、第3の組の嵌合突部と嵌合孔との嵌合により、一層低減される。この相対的なずれの一層の低減により、引出開口の周辺、および、引出開口の配置位置と点対称の位置において係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を一層確実に保持することができる。
【0050】
請求項12に記載の具体的態様では、複数の組は、第1および第2の組以外に、第3および第4の組を含む。第3の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線を対称軸線として、第1の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段との配置位置と線対称の位置に、配置される。第4の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段とは、所定の回転軸線と引出開口の配置位置とを結ぶ線と直交する線であって、所定の回転軸線を通る線を対称軸線として、第2の組の1つの係止固定手段と少なくとも1つの嵌合固定手段との配置位置と線対称の位置に、配置される。この結果、連結部材がケース分割体の一部分に衝突することにより、引出開口の配置位置から所定の回転軸線に向かう方向の衝撃力が外部からストラップ収容装置に加わる場合に、第1周縁部と第2周縁部とが相対的にずれることが、第1および第2の組の嵌合突部と嵌合孔との嵌合とともに、第3および第4の組の嵌合突部と嵌合孔との嵌合により、一層低減される。この相対的なずれの一層の低減により、引出開口の周辺、および、引出開口の配置位置と線対称の位置において係止端部が係止溝から外れることを低減することができ、第1および第2のケース分割体の固定状態を一層確実に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1】本発明の第1の実施形態であるストラップ収容装置1であって、名札ケースNTが装着されたストラップ収容装置1を示す斜視図である。
【
図2】第1の実施形態のストラップ収容装置1の分解斜視図である。
【
図3】第1の実施形態のケース分割体20を上後方から見た斜視図である。
【
図4】第1の実施形態のケース分割体20の内部を後方から見た図面と、ケース分割体20を下方から見た図面とである。
【
図5】第1の実施形態のケース分割体22の内部を前方から見た図面である。
【
図6】第1の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせた状態において、組み合わされた両ケース分割体20、22を前方から見た正面図と、組み合わされた両ケース分割体20、22を右方から見た右側面図とである。
【
図7】第1の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせる前の状態において、
図6の(A)に示すX1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た右側断面図と、
図6の(A)に示すY1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た下側断面図とである。
【
図8】第1の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせる途中の状態において、
図6の(A)に示すX1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た右側断面図と、
図6の(A)に示すY1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た下側断面図とである。
【
図9】第1の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせた後の状態において、
図6の(A)に示すX1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た右側断面図と、
図6の(A)に示すY1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た下側断面図とである。
【
図10】本発明の第2の実施形態であるストラップ収容装置101であって、名札ケースNTが装着されたストラップ収容装置101を示す斜視図である。
【
図11】第2の実施形態のストラップ収容装置101の分解斜視図である。
【
図12】第2の実施形態のケース分割体120を上後方から見た斜視図である。
【
図13】第2の実施形態のケース分割体120の内部を後方から見た図面と、ケース分割体120を下方から見た図面とである。
【
図14】第2の実施形態のケース分割体122の内部を前方から見た図面である。
【
図15】第2の実施形態の両ケース分割体120、122を組み合わせた状態において、組み合わされた両ケース分割体120、122を前方から見た正面図と、組み合わされた両ケース分割体120、122を右方から見た右側面図とである。
【
図16】第2の実施形態の両ケース分割体120、122を組み合わせた後の状態において、
図15の(A)に示すX2-X2線に沿って両ケース分割体120、122を切断して右方から見た右側断面図と、
図15の(A)に示すY2-Y2線に沿って両ケース分割体120、122を切断して右下方から見た下側断面図とである。
【
図17】本発明の第3の実施形態であるストラップ収容装置201のケース分割体20を上後方から見た斜視図である。
【
図18】第3の実施形態のケース分割体20の内部を後方から見た図面と、ケース分割体20を下方から見た図面とである。
【
図19】第3の実施形態のケース分割体22の内部を前方から見た図面である。
【
図20】第3の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせる前の状態において、X1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た
図7の(A)に相当する右側断面図と、Y1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た
図7の(B)に相当する下側断面図とである。
【
図21】第3の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせる途中の状態において、X1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た
図8の(A)に相当する右側断面図と、Y1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た
図8の(B)に相当する下側断面図とである。
【
図22】第3の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせた後の状態において、X1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た
図9の(A)に相当する右側断面図と、Y1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た
図9の(B)に相当する下側断面図とである。
【
図23】本発明の第4の実施形態であるストラップ収容装置301のケース分割体20の内部を後方から見た図面である。
【
図24】第4の実施形態のケース分割体22を上前方から見た斜視図である。
【
図25】第4の実施形態のケース分割体22の内部を前方から見た図面と、ケース分割体22を下方から見た図面とである。
【
図26】第4の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせる途中の状態において、X1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た
図8の(A)に相当する右側断面図と、Y1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た
図8の(B)に相当する下側断面図とである。
【
図27】本発明の第5の実施形態であるストラップ収容装置401のケース分割体20を上後方から見た斜視図である。
【
図28】第5の実施形態のケース分割体20の内部を後方から見た図面と、ケース分割体20を下方から見た図面とである。
【
図29】第5の実施形態のケース分割体22を上前方から見た斜視図である。
【
図30】第5の実施形態のケース分割体22の内部を前方から見た図面である。
【
図31】第5の実施形態の両ケース分割体20、22を組み合わせる前の状態において、X1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た
図7の(A)に相当する右側断面図と、Y1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た
図7の(B)に相当する下側断面図とである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
<第1の実施形態>
以下に、本発明の第1の実施形態であるストラップ収容装置1について、図面を参照して説明する。
図1は、名札ケースNTが装着されたストラップ収容装置1を示す。
図1において矢印で示す3つの方向を、上下方向、左右方向、および前後方向として、
図2以降の他の図面でも同様に、各方向を示す。
【0053】
図1において、ストラップ収容装置1は、摘み部2と、クリップ体4とを備える。摘み部2は、紐状のストラップ6の端部に固定される。クリップ体4は、上着の胸ポケットの端縁部分などを挟持してストラップ収容装置1を上着などに取り付けるために設けられる。摘み部2は、装着用バンド8を含む装着用部材により、名札ケースNTと連結される。ネームカード、または入門証カードなどの表示物が、名札ケースNTに収納される。
【0054】
[ストラップ収容装置1の詳細な構成]
ストラップ収容装置1の詳細な構成について、図面を参照して説明する。
図2は、ストラップ収容装置1の分解斜視図である。
図2において、ストラップ収容装置1は、摘み部2、およびクリップ体4以外に、一対のケース分割体20、22と、リール組体23とを、主に備える。ストラップ6は、リール組体23の外周に巻き付けられる。両ケース分割体20、22は、互いに組み合わされることにより、1つのケースを構成し、ケース内部にリール組体23を収容する。
【0055】
(ケース分割体20の詳細な構成)
ケース分割体20の詳細な構成について、
図2乃至
図4を参照して説明する。
図3は、ケース分割体20を上後方から見た斜視図であり、
図4の(A)は、ケース分割体20の内部を後方から見た図面であり、
図4の(B)は、ケース分割体20を下方から見た図面である。
【0056】
ケース分割体20は、前方壁部24と、円形の円周壁部26と、クリップ取付突部28と、凸形状固定手段とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。半円形の開口30が、円周壁部26の最も下方の部分に形成される。
図3、および
図4の(A)において、凸形状固定手段は、円周壁部26の後方円形端面26Aから後方に突出して形成される。後方円形端面26Aが形成される円周壁部26の円形周端部は、後方に開放する円形開口を画定する。凸形状固定手段は、第1の凸形状固定組32と、第2の凸形状固定組34と、第3の凸形状固定組36と、右方嵌合突部38と、左方嵌合突部40とを含む。第1の凸形状固定組32は、後方円形端面26Aの最も上方の部分に配置され、第1の係止片32Aと、一対の第1の嵌合突部32B、32Cとを含む。第2の凸形状固定組34は、後方円形端面26Aの下方部分において半円形の開口30の右側に配置され、第2の係止片34Aと、一対の第2の嵌合突部34B、34Cとを含む。第3の凸形状固定組36は、後方円形端面26Aの下方部分において半円形の開口30の左側に配置され、第3の係止片36Aと、一対の第3の嵌合突部36B、36Cとを含む。右方嵌合突部38は、後方円形端面26Aの最も右側の部分に配置され、左方嵌合突部40は、後方円形端面26Aの最も左側の部分に配置される。第1の凸形状固定組32は、円周壁部26の中心点を点対称の対称点として、開口30の配置位置と点対称の位置に、配置される。本実施形態では、ケース分割体20の合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂材料が使用される。
【0057】
図4の(A)において、ケース分割体20は、円周壁部26の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL11に対して、線対称の形状に形成される。円周壁部26の中心点を中心とする第2の嵌合突部34B、34Cの間の角度α12は、円周壁部26の中心点を中心とする第3の嵌合突部36B、36Cの間の角度α13と同じ角度に設定される。円周壁部26の中心点を中心とする第1の嵌合突部32B、32Cの間の角度α11は、角度α12、α13の各角度より大きな角度に設定される。本実施形態では、角度α11は、40度に設定され、角度α12、α13の各角度は、30度に設定される。円周壁部26の円周方向における第1の係止片32Aの円周長さは、円周壁部26の円周方向における第2の係止片34Aの円周長さ、または、円周壁部26の円周方向における第3の係止片36Aの円周長さより、長く設定される。第2の係止片34Aの円周長さは、第3の係止片36Aの円周長さと同じ長さに設定される。第2の嵌合突部34Bは、左右方向において基準線RL11から、第2の嵌合突部34Cよりも右方に離れて配置され、第3の嵌合突部36Bは、左右方向において基準線RL11から、第3の嵌合突部36Cよりも左方に離れて配置される。円周壁部26の中心点を中心とする基準線RL11と第2の嵌合突部34Bとの間の角度β11は、円周壁部26の中心点を中心とする基準線RL11と第3の嵌合突部36Bとの間の角度β12と同じ角度に設定される。本実施形態では、角度β11、β12の各角度は、45度に設定される。右方嵌合突部38と、左方嵌合突部40とは、円周壁部26の中心点を通り基準線RL11と直交して左右方向に延びる線上に配置される。
【0058】
係止片32A、34A、36Aの各係止片は、その円周長さが円周方向と直交する半径方向の長さである幅よりも十分に長くなるように細長い形状に形成される。嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40は、同じ直径の円形の横断面形状をそれぞれ有する。第1の係止片32Aは、後方先端部に屈曲係止爪32Dを有する。第2の係止片34Aは、後方先端部に屈曲係止爪34Dを有する。第3の係止片36Aは、後方先端部に屈曲係止爪36Dを有する。各屈曲係止爪は、円周壁部26の中心点から離れる半径方向に延びて形成される。
【0059】
図4の(A)において、円周壁部26の円周方向における第1の係止片32Aの右端縁から第1の嵌合突部32Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部26の円周方向における第1の係止片32Aの左端縁から第1の嵌合突部32Cの中心までの距離である円周間隔と同じ間隔に設定され、各円周間隔は、第1の係止片32Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部26の円周方向における第2の係止片34Aの右端縁から第2の嵌合突部34Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部26の円周方向における第2の係止片34Aの左端縁から第2の嵌合突部34Cの中心までの距離である円周間隔とほぼ同じ間隔に設定され、各円周間隔は、第2の係止片34Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部26の円周方向における第3の係止片36Aの左端縁から第3の嵌合突部36Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部26の円周方向における第3の係止片36Aの右端縁から第3の嵌合突部36Cの中心までの距離である円周間隔とほぼ同じ間隔に設定され、各円周間隔は、第3の係止片36Aの円周長さより小さい間隔に設定される。
【0060】
図4の(B)において、クリップ取付突部28は、前方壁部24から前方に突出する回動軸部28Aと、鍔部28Bとを有する。鍔部28Bは、回動軸部28Aの前方端部に配置され、回動軸部28Aの直径よりも十分に大きな直径を有するほぼ円形の形状に形成される。クリップ体4は、図示しない取付溝を有する。回動軸部28Aが、クリップ体4の取付溝に嵌入されることにより、クリップ体4を回動可能に支持する。鍔部28Bは、クリップ体4が回動軸部28Aから前方に脱落することを防止する。
【0061】
(ケース分割体22の詳細な構成)
ケース分割体22の詳細な構成について、
図2および
図5を参照して説明する。
図5は、ケース分割体22の内部を前方から見た図面である。
【0062】
ケース分割体22は、後方壁部50と、円形の円周壁部52と、リール支持部54と、凹形状固定手段とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。半円形の開口55が、円周壁部52の最も下方の部分に形成される。
図2、および
図5において、凹形状固定手段は、円周壁部52の前方円形端面52Aに、後方に窪んで形成される。前方円形端面52Aが形成される円周壁部52の円形周端部は、前方に開放する円形開口を画定する。凹形状固定手段は、第1の凹形状固定組56と、第2の凹形状固定組58と、第3の凹形状固定組60と、右方嵌合孔62と、左方嵌合孔64とを含む。第1の凹形状固定組56は、前方円形端面52Aの最も上方の部分に配置され、第1の係止溝56Aと、一対の第1の嵌合孔56B、56Cとを含む。第2の凹形状固定組58は、前方円形端面52Aの下方部分において半円形の開口55の右側に配置され、第2の係止溝58Aと、一対の第2の嵌合孔58B、58Cとを含む。第3の凹形状固定組60は、前方円形端面52Aの下方部分において半円形の開口55の左側に配置され、第3の係止溝60Aと、一対の第3の嵌合孔60B、60Cとを含む。右方嵌合孔62は、前方円形端面52Aの最も右側の部分に配置され、左方嵌合孔64は、前方円形端面52Aの最も左側の部分に配置される。第1の凹形状固定組56は、円周壁部52の中心点を点対称の対称点として、開口55の配置位置と点対称の位置に、配置される。本実施形態では、ケース分割体22の合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂材料が使用される。
【0063】
図5において、ケース分割体22は、円周壁部52の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL12に対して、線対称の形状に形成される。円周壁部52の中心点を中心とする第2の嵌合孔58B、58Cの間の角度α22は、円周壁部52の中心点を中心とする第3の嵌合突部60B、60Cの間の角度α23と同じ角度に設定される。円周壁部52の中心点を中心とする第1の嵌合孔56B、56Cの間の角度α21は、角度α22、α23の各角度より大きな角度に設定される。本実施形態では、角度α21は、40度に設定され、角度α22、α23の各角度は、30度に設定される。円周壁部52の円周方向における第1の係止溝56Aの円周長さは、円周壁部52の円周方向における第2の係止溝58Aの円周長さ、または、円周壁部52の円周方向における第3の係止溝60Aの円周長さより、長く設定される。第2の係止溝58Aの円周長さは、第3の係止片溝60Aの円周長さと同じ長さに設定される。第2の嵌合孔58Bは、左右方向において基準線RL12から、第2の嵌合孔58Cよりも右方に離れて配置され、第3の嵌合孔60Bは、左右方向において基準線RL12から、第3の嵌合孔60Cよりも左方に離れて配置される。円周壁部52の中心点を中心とする基準線RL12と第2の嵌合孔58Bとの間の角度β21は、円周壁部52の中心点を中心とする基準線RL12と第3の嵌合孔60Bとの間の角度β22と同じ角度に設定される。本実施形態では、角度β21、β22の各角度は、45度に設定される。右方嵌合孔62と、左方嵌合孔64とは、円周壁部52の中心点を通り基準線RL12と直交して左右方向に延びる線上に配置される。
【0064】
係止溝56A、58A、60Aの各係止溝は、その円周長さが円周方向と直交する半径方向の長さである幅よりも十分に長くなるように細長い形状に形成される。嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64は、同じ直径の円形の形状をそれぞれ有し、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40と嵌合可能に形成される。本実施形態では、各嵌合孔の直径は、各嵌合突部の直径より、僅かに大きく設定される。係止溝56A、58A、60Aは、係止片32A、34A、36Aと嵌合可能に形成される。係止溝56A、58A、60Aの各係止溝は、後方壁部50に近接する後方部分に、爪係合溝部を有する。たとえば、
図7の(A)において、係止溝56Aは、後方壁部50に近接する後方部分に、爪係合溝部56Dを有する。各爪係合溝部は、円周壁部52の中心点から離れる半径方向に延びて形成される。各爪係合溝部は、各係止片の屈曲係止爪と係合可能に形成される。たとえば、
図7の(A)において、第1の係止溝56Aの爪係合溝部56Dは、第1の係止片32Aの屈曲係止爪32Dと係合可能に形成される。
【0065】
図5において、円周壁部52の円周方向における第1の係止溝56Aの右端縁から第1の嵌合孔56Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部52の円周方向における第1の係止溝56Aの左端縁から第1の嵌合孔56Cの中心までの距離である円周間隔と同じ間隔に設定され、各円周間隔は、第1の係止溝56Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部52の円周方向における第2の係止溝58Aの右端縁から第2の嵌合孔58Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部52の円周方向における第2の係止溝58Aの左端縁から第2の嵌合孔58Cの中心までの距離である円周間隔とほぼ同じ間隔に設定され、各円周間隔は、第2の係止溝58Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部52の円周方向における第3の係止溝60Aの左端縁から第3の嵌合孔60Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部52の円周方向における第3の係止溝60Aの右端縁から第3の嵌合孔60Cの中心までの距離である円周間隔とほぼ同じ間隔に設定され、各円周間隔は、第3の係止溝60Aの円周長さより小さい間隔に設定される。
【0066】
リール支持部54は、後方壁部50から前方に突出して形成される。リール支持部54は、
図2に示すように、一対の支持軸部54A、54Bと、リール係止溝54Cとを有する。一対の支持軸部54A、54Bは、半円形の横断面形状を有する。リール係止溝54Cは、両支持軸部54A、54Bの間に形成される。
【0067】
(リール組体23の詳細な構成)
リール組体23の詳細な構成について、
図2を参照して説明する。リール組体23は、リール本体70と、発条ばね72とを備える。リール本体70は、円形基体部74と、円形鍔部76と、収容凹部78と、円形壁部79とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。円形壁部79は、
図7の(A)に図示される。本実施形態では、リール本体70の合成樹脂材料として、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂材料が使用される。
【0068】
円形基体部74と円形鍔部76とは、所定の間隔をあけた状態で、円形壁部79により連結される。円形基体部74の外周部分と円形鍔部76との間に、ストラップ6が、
図2において時計回り方向に巻き付けられる。ストラップ6の一端は、リール本体70の円形壁部79に固定され、摘み部2は、ストラップ6の他端に固定される。収容凹部78は、円形基体部74と、円形壁部79とにより形成される。収容凹部78は、
図2に示すように、渦巻き状に巻かれた発条ばね72を収容する。
【0069】
支持孔80が、
図2に示すように、円形基体部74に形成される。支持孔80は、円形基体部74の外周円形状と同じ中心を有する円形状に形成される。支持孔80は、一対の支持軸部54A、54Bが挿通されるように形成される。
【0070】
発条ばね72は、円形壁部79の係止溝に引っ掛けられる一端を備え、
図2における反時計回り方向に、係止溝に引っ掛けられた一端から内側に向かって巻かれる。発条ばね72は、他端に係止延出部82を備える。係止延出部82は、屈曲された端部82Aを有する。係止延出部82は、巻かれた発条ばね72により形成される円形の内部空間の中心位置近傍まで、発条ばね72の他端から延びる。一対の支持軸部54A、54Bが支持孔80に挿通されるときに、係止延出部82は、リール係止溝54Cに嵌入して係止される。
【0071】
[第1の実施形態の動作および作用]
ストラップ収容装置1を組み立てる手順と、ストラップ収容装置1におけるストラップ6の引き出し動作および巻き取り動作とについて、図面を参照して説明する。
【0072】
(ストラップ収容装置1の組み立て手順)
ストラップ収容装置1の組み立て手順について、
図6乃至
図9を参照して説明する。
図6の(A)は、両ケース分割体20、22を組み合わせた状態において、組み合わされた両ケース分割体20、22を前方から見た正面図であり、
図6の(B)は、組み合わされた両ケース分割体20、22を右方から見た右側面図である。
図7の(A)は、両ケース分割体20、22を組み合わせる前の状態において、
図6の(A)に示すX1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た右側断面図であり、
図7の(B)は、
図6の(A)に示すY1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た下側断面図である。
図8の(A)は、両ケース分割体20、22を組み合わせる途中の状態において、
図6の(A)に示すX1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た右側断面図であり、
図8の(B)は、
図6の(A)に示すY1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た下側断面図である。
図9の(A)は、両ケース分割体20、22を組み合わせた後の状態において、
図6の(A)に示すX1-X1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して右方から見た右側断面図であり、
図9の(B)は、
図6の(A)に示すY1-Y1線に沿って両ケース分割体20、22を切断して下方から見た下側断面図である。
【0073】
《リール組体23の組み立て》
先ず、作業者は、所定の長さのストラップ6の一端を、リール本体70の円形壁部79に固定し、ストラップ6の他端に摘み部2を取り付ける。その後に、作業者は、発条ばね72の一端を、リール本体70の円形壁部79の係止溝に引っ掛けて固定する。作業者は、
図2における反時計回り方向に発条ばね72を内側に巻き、その巻かれた発条ばね72を収容凹部78に収容する。この収容状態において、発条ばね72の他端に位置する係止延出部82は、
図2に示すように、リール本体70の支持孔80を横切って延びる。発条ばね72の収容後に、作業者は、
図2における時計回り方向にストラップ6をリール本体70の円形壁部79に所定の回数巻く。これらの作業により、リール組体23の組み立てが完了する。
【0074】
《リール組体23のケース分割体22への組み付け》
リール組体23をケース分割体22に組み付けるために、作業者は、後述の治具を使用する。作業者は、リール本体70の支持孔80を一対の支持軸部54A、54Bに嵌入させる。この嵌入状態において、作業者は、ケース分割体22のリール係止溝54Cに発条ばね72の係止延出部82を嵌合させる。この嵌合により、係止延出部82がリール係止溝54Cに係止される。係止延出部82の係止状態において、作業者は、リール本体70に巻かれたストラップ6の他端側の部分、すなわち、摘み部2が取り付けられた他端側の部分をケース分割体22の開口55に挿通させる。リール組体23をケース分割体22に組み付ける作業が開始されてから、両ケース分割体20、22を組み付ける作業が終了するまでの間、摘み部2は、後述の治具の摘み保持部により保持されることから、ストラップ6の他端がケース分割体22の内部に巻き込まれることはない。
【0075】
《両ケース分割体20、22の組み付け》
両ケース分割体20、22を組み付けるために、図示しない治具が使用される。この治具は、ケース分割体22の後方壁部50および円周壁部52を保持するケース保持部と、リール組体23がケース分割体22から脱落しないように、リール組体23をケース分割体22に向かって押圧する押圧部と、ケース保持部を所定の回数だけ回転させる回転操作部と、ストラップ6に連結された摘み部2を保持する摘み保持部と、ケース保持部により保持されるケース分割体22に向かってケース分割体20を押し込む押込操作部とを備える。治具の押圧部は、リール組体23を押圧する押圧位置と、その押圧を解除する解除位置との間で変位可能に構成される。また、治具の回転操作部は、ケース保持部が所定の回数だけ回転した後に、ケース保持部の回転位置が保持されるように構成され、両ケース分割体20、22を組み付ける作業が終了した後に、所定の初期操作位置に戻すことができるように構成される。
【0076】
先ず、作業者は、治具のケース保持部によりケース分割体22の後方壁部50および円周壁部52を保持する。作業者は、リール組体23をケース分割体22の内部に嵌入させ、ケース分割体22のリール係止溝54Cに発条ばね72の係止延出部82を嵌合させる。これにより、リール組体23がケース分割体22に組み付けられる。作業者は、治具の押圧部を解除位置から押圧位置に変位させてリール組体23を押圧する。この押圧位置への変位後に、作業者は、ストラップ6がケース分割体22から引き出される状態で摘み部2を治具の摘み保持部に保持させる。作業者は、治具の回転操作部を操作することにより、ケース分割体22を保持するケース保持部を所定の回数だけ回転させる。ケース保持部の回転方向は、リール組体23の発条ばね72を内側に巻き付けて弾性エネルギーを蓄積する方向である。作業者は、治具の押圧部を押圧位置から解除位置に変位させてリール組体23の押圧を解除する。この解除状態において、作業者は、摘み部2が取り付けられたストラップ6の他端側の部分をケース分割体22の開口55に挿通させる。その後、作業者は、ケース分割体20を把持し、ケース分割体20が、
図7の(A)、(B)に示すように、リール組体23が組付けられるケース分割体22に対向するように、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。具体的には、ケース分割体20の係止片32A、34A、36Aがケース分割体22の係止溝56A、58A、60Aにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36Cがケース分割体22の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60Cにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部38、40がケース分割体22の嵌合孔62、64にそれぞれ対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。
【0077】
次に、ケース分割体20の各係止片および各嵌合突部が、
図8の(A)、(B)に示すように、ケース分割体22の各係止溝および各嵌合孔に部分的に係合する状態、すなわち、仮組み状態になるように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して押し込む。たとえば、仮組み状態において、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、
図8の(A)に示すように、ケース分割体22の係止溝56Aに係合するが、ケース分割体22の爪係合溝部56Dには、まだ係合していない。また、仮組み状態において、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、
図8の(B)に示すように、ケース分割体22の嵌合孔62、64に途中まで嵌入している。仮組み状態において、ケース分割体20の全ての係止片および全ての嵌合突部が、
図8の(A)、(B)に示すように、ケース分割体22の全ての係止溝および全ての嵌合孔に部分的にそれぞれ係合し、両ケース分割体20、22の係合状態が保持される。
【0078】
作業者が、治具の押込操作部を操作することにより、仮組み状態から、ケース分割体20をケース分割体22に対して更に押し込むと、
図9の(A)、(B)に示すように、ケース分割体20の円周壁部26の後方円形端面26Aが、ケース分割体22の円周壁部52の前方円形端面52Aに当接する。この当接状態において、ケース分割体20の全ての屈曲係止爪は、ケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合するとともに、ケース分割体20の全ての嵌合突部は、ケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入する。たとえば、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、
図9の(A)に示すように、ケース分割体22の爪係合溝部56Dに係合するとともに、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、
図9の(B)に示すように、ケース分割体22の嵌合孔62、64に完全に嵌入する。両円形端面26A、52Aの当接状態において、両ケース分割体20、22の組み付けが完了する。
【0079】
ケース分割体20の全ての屈曲係止爪がケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合することにより、両ケース分割体20、22が、
図9の(A)、(B)における前後方向に互いに離間することを抑えることができる。また、ケース分割体20の全ての嵌合突部がケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入することにより、両ケース分割体20、22が、
図9の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを抑えることができる。
【0080】
(ストラップ4の引き出し動作および巻き取り動作)
作業者が、クリップ体4により上着の胸ポケットの端縁部分などを挟持してストラップ収容装置1を上着などに取り付ける。このストラップ収容装置1の取り付け状態において、作業者が、発条ばね72の弾性力に抗して、摘み部2または名札ケースNTを掴んで引っ張ると、ストラップ6が
図1に示すようにストラップ収容装置1から引き出される。ストラップ6が引き出されるときに、リール組体23は、両ケース分割体20、22により構成されるケースの内部で、
図2における時計回り方向に回転する。リール組体23は、ケース分割体22のリール支持部54により支持されることから、このリール支持部54の回りに回転する。リール組体23の回転に伴って、発条ばね72は、収容凹部78の内部で、リール支持部54の回りに徐々に巻き付けられ、弾性エネルギを蓄える。
【0081】
作業者は、所望の長さだけストラップ6を引き出したときに、名札ケースNTに収納される入門証カードなどの表示物を、通行検知器などに検知させることができる。
【0082】
引き出されたストラップ6をストラップ収容装置1に収容するために、作業者は、摘み部2または名札ケースNTを掴んだ状態で、上着などに取り付けられているストラップ収容装置1まで摘み部2または名札ケースNTを接近させる。摘み部2または名札ケースNTの接近に伴って、
図2における反時計回り方向の回転力が、発条ばね72に蓄えられた弾性エネルギによりリール組体23に付与され、リール組体23は、反時計回り方向に回転する。この反時計回り方向の回転により、引き出されたストラップ6はストラップ収容装置1の内部に巻き取られる。
【0083】
ストラップ6が引き出された状態において、作業者が、掴んでいた摘み部2または名札ケースNTを放すと、ストラップ6は、発条ばね72に蓄えられた弾性エネルギにより、ストラップ収容装置1の内部に急激に巻き取られる。この急激な巻き取りにより、摘み部2は、両ケース分割体20、22の開口30、55の近傍部分に衝突して停止する。
【0084】
摘み部2が両ケース分割体20、22の開口30、55の近傍部分に衝突するとき、大きな衝撃力が、開口30、55の近傍部分を含めて両ケース分割体20、22の全体に加わる。大きな衝撃力が両ケース分割体20、22に加わる場合、両ケース分割体20、22の一方のケース分割体が、他方のケース分割体に対して、上下方向および左右方向などの前後方向と直交する方向に、ずれるように、衝撃力が一方のケース分割体に作用するおそれがある。しかし、本実施形態では、ケース分割体20の各嵌合突部とケース分割体22の各嵌合孔との嵌合により、前後方向と直交する方向のずれが、抑えられる。この結果、ケース分割体20の各屈曲係止爪とケース分割体22の各爪係合溝部との係合状態が、各嵌合突部と各嵌合孔との嵌合により、保持される。
【0085】
[第1の実施形態の効果]
本実施形態では、ケース分割体20が、多数の係止片32A、34A、36Aと、多数の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40とを備え、ケース分割体22が、多数の係止溝56A、58A、60Aと、多数の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64とを備える。両ケース分割体20、22は、各係止片および各係止溝の係合と、各嵌合突部および各嵌合孔の嵌合とにより、互いに組み付けられる。この結果、両ケース分割体が溶着される従来技術に比べて、ストラップ収容装置の製造工程を簡易にすることができる。また、各係止片および各係止溝の係合により、両ケース分割体20、22が、
図9の(A)において、前後方向に離間することを抑えることができるとともに、各嵌合突部および各嵌合孔の嵌合とにより、両ケース分割体20、22が、
図2において、上下方向および左右方向など、前後方向に直交する方向にずれることと、両ケース分割体20、22の円周方向にずれることとを抑えることができる。
【0086】
本実施形態では、
図4の(A)に示すように、第2の凸形状固定組34と、第3の凸形状固定組36とが、開口30の近傍において、基準線RL11から時計回り方向の角度β11の範囲と、基準線RL11から反時計回り方向の角度β12の範囲とに、それぞれ配置される。また、
図5に示すように、第2の凹形状固定組58と、第3の凹形状固定組60とが、開口55の近傍において、基準線RL12から反時計回り方向の角度β21の範囲と、基準線RL12から時計回り方向の角度β22の範囲とに、それぞれ配置される。角度β11、β12、β21、β22は、45度という鋭角に設定され、第2の凸形状固定組34と、第3の凸形状固定組36とが、開口30、55の近傍に配置される。この結果、摘み部2が両ケース分割体20、22の開口30、55の近傍部分に衝突することにより、大きな衝撃力が開口30、55の近傍部分に加わった場合でも、両ケース分割体20、22が前後方向と直交する方向にずれることを抑えることができ、ケース分割体20の各屈曲係止爪とケース分割体22の各爪係合溝部との係合状態、特に、開口30、55の近傍部分に配置される屈曲係止爪34D、36Dと係止溝58A、60Aの爪係合溝部との係合状態を、確実に保持することができる。
【0087】
本実施形態では、
図4の(A)に示すように、第1の凸形状固定組32が、円周壁部26の中心点に対して開口30と反対側に配置される。また、
図5に示すように、第1の凹形状固定組56が、円周壁部52の中心点に対して開口55と反対側に配置される。この結果、摘み部2が下方から上方に向けて両ケース分割体20、22の開口30、55の近傍部分に衝突することにより、上方に向かう大きな衝撃力が開口30、55の近傍部分に加わった場合でも、両ケース分割体20、22が上下方向にずれることを抑えることができ、ケース分割体20の全ての屈曲係止爪とケース分割体22の全ての爪係合溝部との係合状態を、確実に保持することができる。
【0088】
本実施形態では、第1乃至第3の凸形状固定組32~36の各凸形状固定組は、各係止片の両側に2つの嵌合突部を備える。第1乃至第3の凹形状固定組56~60の各凹形状固定組は、各係止溝の両側に2つの嵌合孔を備える。この結果、各係止片の片側のみに1つの嵌合突部を備え、各係止溝の片側のみに1つの嵌合孔を備える構成に比べ、両ケース分割体20、22が前後方向と直交する方向にずれることを抑えることができ、ケース分割体20の各屈曲係止爪とケース分割体22の各爪係合溝部との係合状態、特に、開口30、55の近傍部分に配置される屈曲係止爪34D、36Dと係止溝58A、60Aの爪係合溝部との係合状態を、一層確実に保持することができる。
【0089】
本実施形態では、
図4の(A)に示すように、嵌合突部38、40が、円周壁部26の中心点と開口30の配置位置とを通る基準線RL11と直交する左右方向の線上に、それぞれ配置される。また、
図5に示すように、嵌合孔62、64が、円周壁部52の中心点と開口55の配置位置とを通る基準線RL12と直交する左右方向の線上に、それぞれ配置される。ストラップ収容装置1を上着の胸ポケットなどに取り付ける際に、作業者が、ストラップ収容装置1を誤って床に落下させ、大きな衝撃力が両ケース分割体20、22に加わる場合がある。この場合、大きな衝撃力の方向は、上下方向だけでなく、その他の方向であることも考えられる。大きな衝撃力の方向が、その他の方向であっても、嵌合突部38、40と嵌合孔62、64との嵌合により、両ケース分割体20、22が左右方向などの上下方向以外の方向にずれることを抑えることができ、ケース分割体20の全ての屈曲係止爪とケース分割体22の全ての爪係合溝部との係合状態を、確実に保持することができる。
【0090】
本実施形態では、第2の係止片34Aおよび第3の係止片36Aの円周長さは第1の係止片32Aの円周長さよりも小さい寸法に設定され、第2の係止溝58Aおよび第3の係止溝60Aの円周長さは第1の係止溝56Aの円周長さよりも小さい寸法に設定される。この結果、第2の嵌合突部34Bおよび第3の嵌合突部36Bが開口30に近い位置に配置され、第2の嵌合孔58Bおよび第3の嵌合孔60Bが開口55に近い位置に配置されることから、大きな衝撃力が開口30、55の近傍部分に加わった場合でも、両ケース分割体20、22が前後方向と直交する方向にずれることを抑えることができ、ケース分割体20の各屈曲係止爪とケース分割体22の各爪係合溝部との係合状態、特に、開口30、55の近傍部分に配置される屈曲係止爪34D、36Dと係止溝58A、60Aの爪係合溝部との係合状態を、一層確実に保持することができる。
【0091】
<第2の実施形態>
以下に、本発明の第2の実施形態であるストラップ収容装置101について、図面を参照して説明する。
図10は、名札ケースNTが装着されたストラップ収容装置101を示す。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成を有する部分には、同じ番号を付して示す。
【0092】
[ストラップ収容装置101の詳細な構成]
ストラップ収容装置101の詳細な構成について、図面を参照して説明する。
図11は、ストラップ収容装置101の分解斜視図である。
図11において、ストラップ収容装置101は、摘み部2と、取付具102と、一対のケース分割体120、122と、リール組体23とを、主に備える。ストラップ6は、リール組体23の外周に巻き付けられる。両ケース分割体120、122は、互いに組み合わされることにより、1つのケースを構成し、ケース内部にリール組体23を収容する。なお、リール組体23は、第1の実施形態と同じ構成であるので、第2の実施形態では、その説明を省略する。
【0093】
図10において、摘み部2は、紐状のストラップ6の端部に固定される。取付具102は、首掛け用バンド100の端部にストラップ収容装置101の上端部分を取り付けるために設けられる。摘み部2は、装着用バンド8を含む装着用部材により、名札ケースNTと連結される。ネームカード、または入門証カードなどの表示物が、名札ケースNTに収納される。
【0094】
(取付具102の詳細な構成)
取付具102の詳細な構成について、
図11を参照して説明する。
図11において、取付具102は、一対の挟持部103、104を備え、合成樹脂材料により一体に形成される。本実施形態では、取付具102の合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂材料が使用される。
【0095】
挟持部103の右側端部は、挟持部104の左側端部と、屈曲変形可能に連結される。挟持部103は、前方部分が開口された円形凹部105と、2列に配列された多数の挟持突起106と、一対の係止突起107、108とを備える。ケース分割体122の連結軸部190が、回転自在に円形凹部105に嵌合する。挟持部104は、円形凹部105の開口部分に嵌合する嵌合部109と、2列に配列された多数の挟持突起110と、一対の係止溝111、112とを備える。円形鍔部192が、連結軸部190の上端部から径方向に突出して形成される。
【0096】
両挟持部103、104の両側端部が屈曲変形され、両係止突起107、108が両係止溝111、112に係合するときに、首掛け用バンド100の端部が多数の挟持突起106、110により挟持される。嵌合部109が円形凹部105の開口部分に嵌合することにより、連結軸部190が取付具102に取り付けられる。両係止突起107、108が両係止溝111、112に係合することにより、両挟持部103、104の挟持状態が保持される。円形鍔部192が円形凹部105の上端部および嵌合部109の上端部に当接することにより、取付具102が連結軸部190から上方に抜けることが防止される。
【0097】
(ケース分割体120の詳細な構成)
ケース分割体120の詳細な構成について、
図12および
図13を参照して説明する。
図12は、ケース分割体120を上後方から見た斜視図であり、
図13の(A)は、ケース分割体120の内部を後方から見た図面であり、
図13の(B)は、ケース分割体120を下方から見た図面である。
【0098】
ケース分割体120は、前方壁部124と、円形の円周壁部126と、凸形状固定手段とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。半円形の開口130が、円周壁部126の最も下方の部分に形成され、半円形の開口194が、円周壁部126の最も上方の部分に形成される。
図12、および
図13の(A)において、凸形状固定手段は、円周壁部126の後方円形端面126Aから後方に突出して形成される。後方円形端面126Aが形成される円周壁部126の円形周端部は、後方に開放する円形開口を画定する。凸形状固定手段は、第1の凸形状固定組132と、第2の凸形状固定組133と、第3の凸形状固定組134と、第4の凸形状固定組136と、右方嵌合突部138と、左方嵌合突部140とを含む。第1の凸形状固定組132は、後方円形端面126Aの上方部分において半円形の開口194の右側に配置され、第1の係止片132Aと、第1の嵌合突部132Bとを含む。第2の凸形状固定組133は、後方円形端面126Aの上方部分において半円形の開口194の左側に配置され、第2の係止片133Aと、第2の嵌合突部133Bとを含む。第3の凸形状固定組134は、後方円形端面126Aの下方部分において半円形の開口130の右側に配置され、第3の係止片134Aと、第3の嵌合突部134Bとを含む。第4の凸形状固定組136は、後方円形端面126Aの下方部分において半円形の開口130の左側に配置され、第4の係止片136Aと、第4の嵌合突部136Bとを含む。右方嵌合突部138は、後方円形端面126Aの最も右側の部分に配置され、左方嵌合突部140は、後方円形端面126Aの最も左側の部分に配置される。本実施形態では、ケース分割体120の合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂材料が使用される。
【0099】
図13の(A)において、ケース分割体120は、円周壁部126の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL21に対して、線対称の形状に形成されるとともに、円周壁部126の中心点を通り基準線RL21に直交する線に対して、ほぼ線対称の形状に形成される。円周壁部126の円周方向における第1乃至第4の係止片132A~136Aの円周長さは、同じ円周長さに設定される。第1の嵌合突部132Bは、左右方向において基準線RL21から、第1の係止片132Aよりも右方に離れて配置され、第2の嵌合突部133Bは、左右方向において基準線RL21から、第2の係止片133Aよりも左方に離れて配置される。第3の嵌合突部134Bは、左右方向において基準線RL21から、第3の係止片134Aよりも右方に離れて配置され、第4の嵌合突部136Bは、左右方向において基準線RL21から、第4の係止片136Aよりも左方に離れて配置される。円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL21と第1の嵌合突部132Bとの間の角度β31は、円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL21と第2の嵌合突部133Bとの間の角度β32と同じ角度に設定される。円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL21と第3の嵌合突部134Bとの間の角度β33は、円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL21と第4の嵌合突部136Bとの間の角度β34と同じ角度に設定される。本実施形態では、角度β31~β34の各角度は、40度に設定される。右方嵌合突部138と、左方嵌合突部140とは、円周壁部126の中心点を通り基準線RL21と直交して左右方向に延びる線上に配置される。
【0100】
第1乃至第4の係止片132A~136Aの各係止片は、その円周長さが円周方向と直交する半径方向の長さである幅よりも十分に長くなるように細長い形状に形成される。嵌合突部132B、133B、134B、136B、138、140は、同じ直径の円形の横断面形状をそれぞれ有する。第1の係止片132Aは、後方先端部に屈曲係止爪32Dを有する。第2の係止片133Aは、後方先端部に屈曲係止爪133Dを有する。第3の係止片134Aは、後方先端部に屈曲係止爪134Dを有する。第4の係止片136Aは、後方先端部に屈曲係止爪136Dを有する。各屈曲係止爪は、円周壁部126の中心点から離れる半径方向に延びて形成される。
【0101】
図13の(A)において、円周壁部126の円周方向における第1の係止片132Aの右端縁から第1の嵌合突部132Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部126の円周方向における第1の係止片132Aの左端縁から、
図13の(A)に示す開口194の右端縁194Aまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第1の係止片132Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部126の円周方向における第2の係止片133Aの左端縁から第2の嵌合突部133Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部126の円周方向における第2の係止片133Aの右端縁から、
図13の(A)に示す開口194の左端縁194Bまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第2の係止片132Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部126の円周方向における第3の係止片134Aの右端縁から第3の嵌合突部134Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部126の円周方向における第3の係止片134Aの左端縁から、
図13の(A)に示す開口130の右端縁130Aまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第3の係止片134Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部126の円周方向における第4の係止片136Aの左端縁から第4の嵌合突部136Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部126の円周方向における第4の係止片136Aの右端縁から、
図13の(A)に示す開口130の左端縁130Bまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第4の係止片136Aの円周長さより小さい間隔に設定される。
【0102】
(ケース分割体122の詳細な構成)
ケース分割体122の詳細な構成について、
図11および
図14を参照して説明する。
図14は、ケース分割体122の内部を前方から見た図面である。
【0103】
ケース分割体122は、後方壁部150と、円形の円周壁部152と、リール支持部154と、凹形状固定手段とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。連結軸部190が、円周壁部152の最も上方の部分において、円周壁部52の外周縁から上方に突出して形成される。半円形の開口155が、円周壁部152の最も下方の部分に形成される。
図11および
図14において、凹形状固定手段は、円周壁部152の前方円形端面152Aに、後方に窪んで形成される。前方円形端面152Aが形成される円周壁部152の円形周端部は、前方に開放する円形開口を画定する。凹形状固定手段は、第1の凹形状固定組156と、第2の凹形状固定組157と、第3の凹形状固定組158と、第4の凹形状固定組160と、右方嵌合孔162と、左方嵌合孔164とを含む。第1の凹形状固定組156は、前方円形端面152Aの上方部分において連結軸部190の右側に配置され、第1の係止溝156Aと、第1の嵌合孔156Bとを含む。第2の凹形状固定組157は、前方円形端面152Aの上方部分において連結軸部190の左側に配置され、第2の係止溝157Aと、第2の嵌合孔157Bとを含む。第3の凹形状固定組158は、前方円形端面152Aの下方部分において半円形の開口155の右側に配置され、第3の係止溝158Aと、第3の嵌合孔158Bとを含む。第4の凹形状固定組160は、前方円形端面152Aの下方部分において半円形の開口155の左側に配置され、第4の係止溝160Aと、第4の嵌合孔160Bとを含む。右方嵌合孔162は、前方円形端面152Aの最も右側の部分に配置され、左方嵌合孔164は、前方円形端面152Aの最も左側の部分に配置される。本実施形態では、ケース分割体122の合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂材料が使用される。
【0104】
図14において、ケース分割体122は、円周壁部152の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL22に対して、線対称の形状に形成されるとともに、円周壁部152の中心点を通り基準線RL22に直交する線に対して、ほぼ線対称の形状に形成される。円周壁部152の円周方向における第1乃至第4の係止溝156A~160Aの各係止溝の円周長さは、同じ円周長さに設定される。第1の嵌合孔156Bは、左右方向において基準線RL22から、第1の係止溝156Aよりも右方に離れて配置され、第2の嵌合孔157Bは、左右方向において基準線RL22から、第2の係止溝157Aよりも左方に離れて配置される。第3の嵌合孔158Bは、左右方向において基準線RL22から、第3の係止溝158Aよりも右方に離れて配置され、第4の嵌合孔160Bは、左右方向において基準線RL22から、第4の係止溝160Aよりも左方に離れて配置される。円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL22と第1の嵌合孔156Bとの間の角度β41は、円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL22と第2の嵌合孔157Bとの間の角度β42と同じ角度に設定される。円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL22と第3の嵌合孔158Bとの間の角度β43は、円周壁部126の中心点を中心とする基準線RL22と第4の嵌合孔160Bとの間の角度β44と同じ角度に設定される。本実施形態では、角度β41~β44の各角度は、40度に設定される。右方嵌合孔162と、左方嵌合孔164とは、円周壁部152の中心点を通り基準線RL22と直交して左右方向に延びる線上に配置される。
【0105】
第1乃至第4の係止溝156A~160Aの各係止溝は、その円周長さが円周方向と直交する半径方向の長さである幅よりも十分に長くなるように細長い形状に形成される。嵌合孔156B、158B、160B、162、164は、同じ直径の円形の形状をそれぞれ有し、嵌合突部132B、133B、134B、136B、138、140と嵌合可能に形成される。本実施形態では、各嵌合孔の直径は、各嵌合突部の直径より、僅かに大きく設定される。第1乃至第4の係止溝156A~160Aは、第1乃至第4の係止片132A~136Aと嵌合可能に形成される。第1乃至第4の係止溝156A~160Aの各係止溝は、後方壁部150に近接する後方部分に、爪係合溝部を有する。たとえば、
図16の(B)において、係止溝156Aは、後方壁部150に近接する後方部分に、爪係合溝部156Dを有する。各爪係合溝部は、円周壁部152の中心点から離れる半径方向に延びて形成される。各爪係合溝部は、各係止片の屈曲係止爪と係合可能に形成される。たとえば、
図16の(B)において、第1の係止溝156Aの爪係合溝部156Dは、第1の係止片132Aの屈曲係止爪132Dと係合可能に形成される。
【0106】
図14において、円周壁部152の円周方向における第1の係止溝156Aの右端縁から第1の嵌合孔156Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部152の円周方向における第1の係止溝156Aの左端縁から、
図14に示す連結軸部190の右側端縁190Aまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第1の係止溝156Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部152の円周方向における第2の係止溝157Aの左端縁から第2の嵌合孔157Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部152の円周方向における第2の係止溝157Aの右端縁から、
図14に示す連結軸部190の左側端縁190Bまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第2の係止溝157Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部152の円周方向における第3の係止溝158Aの右端縁から第3の嵌合孔158Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部152の円周方向における第3の係止溝158Aの左端縁から、
図14に示す開口155の右端縁155Aまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第3の係止溝158Aの円周長さより小さい間隔に設定される。円周壁部152の円周方向における第4の係止溝160Aの左端縁から第4の嵌合孔160Bの中心までの距離である円周間隔は、円周壁部152の円周方向における第4の係止溝160Aの右端縁から、
図14に示す開口155の左端縁155Bまでの距離である円周間隔よりも小さい間隔に設定される。各円周間隔は、第4の係止溝160Aの円周長さより小さい間隔に設定される。
【0107】
リール支持部154は、後方壁部150から前方に突出して形成される。リール支持部154は、
図11に示すように、一対の支持軸部154A、154Bと、リール係止溝154Cとを有する。一対の支持軸部154A、154Bは、半円形の横断面形状を有する。リール係止溝154Cは、両支持軸部154A、154Bの間に形成される。
【0108】
[第2の実施形態の動作および作用]
ストラップ収容装置101を組み立てる手順について、図面を参照して説明する。なお、ストラップ収容装置101におけるストラップ6の引き出し動作および巻き取り動作は、第1の実施形態と同じ動作であるので、第2の実施形態では、その説明を省略する。
【0109】
(ストラップ収容装置101の組み立て手順)
ストラップ収容装置101の組み立て手順について、
図15および
図16を参照して説明する。なお、リール組体23の組み立て手順、および、リール組体23のケース分割体22への組み付け手順は、第1の実施形態と同じ手順であるので、第2の実施形態では、その説明を省略する。
図15の(A)は、両ケース分割体120、122を組み合わせた状態において、組み合わされた両ケース分割体120、122を前方から見た正面図であり、
図15の(B)は、組み合わされた両ケース分割体120、122を右方から見た右側面図である。
図16の(A)は、両ケース分割体120、122を組み合わせた状態において、
図15の(A)に示すX2-X2線に沿って両ケース分割体120、122を切断して右方から見た右側断面図であり、
図16の(B)は、
図15の(A)に示すY2-Y2線に沿って両ケース分割体120、122を切断して右下方から見た断面図である。
【0110】
《両ケース分割体120、122の組み付け》
両ケース分割体120、122を組み付けるために、第1の実施形態と同様に、図示しない治具が使用される。ケース分割体120が、リール組体23が組付けられるケース分割体122に対向するように、作業者は、ケース分割体120をケース分割体122に対して位置させる。具体的には、ケース分割体120の第1乃至第4の係止片132A~136Aがケース分割体122の第1乃至第4の係止溝156A~160Aにそれぞれ対向し、ケース分割体120の第1乃至第4の嵌合突部132B~136Bがケース分割体122の第1乃至第4の嵌合孔156B~160Bにそれぞれ対向し、ケース分割体120の嵌合突部138、140がケース分割体122の嵌合孔162、164にそれぞれ対向するように、作業者は、ケース分割体120をケース分割体122に対して位置させる。
【0111】
次に、ケース分割体120の各係止片および各嵌合突部が、
図8の(A)、(B)に示すと同様に、ケース分割体122の各係止溝および各嵌合孔に部分的に係合する状態、すなわち、仮組み状態になるように、作業者は、ケース分割体120をケース分割体122に対して押し込む。たとえば、仮組み状態において、ケース分割体120の係止片132Aの屈曲係止爪132Dは、
図8の(A)に示すと同様に、ケース分割体120の係止溝156Aに係合するが、ケース分割体120の爪係合溝部156Dには、まだ係合していない。また、仮組み状態において、ケース分割体120の嵌合突部138、140は、
図8の(B)に示すと同様に、ケース分割体122の嵌合孔162、164に途中まで嵌入している。仮組み状態において、ケース分割体120の全ての係止片および全ての嵌合突部が、
図8の(A)、(B)に示すと同様に、ケース分割体122の全ての係止溝および全ての嵌合孔に部分的にそれぞれ係合し、両ケース分割体120、122の係合状態が保持される。
【0112】
作業者が、仮組み状態から、ケース分割体120をケース分割体122に対して更に押し込むと、ケース分割体120の円周壁部126の後方円形端面126Aが、ケース分割体122の円周壁部152の前方円形端面152Aに当接する。この当接状態において、ケース分割体120の全ての屈曲係止爪は、ケース分割体122の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合するとともに、ケース分割体120の全ての嵌合突部は、ケース分割体122の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入する。たとえば、ケース分割体120の係止片132Aの屈曲係止爪132D、および係止片136Aの屈曲係止爪136Dは、
図16の(B)に示すように、ケース分割体122の爪係合溝部156D、および爪係合溝部160Dにそれぞれ係合する。両円形端面126A、152Aの当接状態において、両ケース分割体120、122の組み付けが完了する。両ケース分割体120、122の組み付けが完了した状態において、ケース分割体122の連結軸部190の外周面の前方部分は、
図16の(A)に示すように、ケース分割体120の開口194の内周面に係合する。
【0113】
ケース分割体120の全ての屈曲係止爪がケース分割体122の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合することにより、両ケース分割体120、122が、
図16の(A)、(B)における前後方向に互いに離間することを抑えることができる。また、ケース分割体120の全ての嵌合突部がケース分割体122の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入することにより、両ケース分割体120、122が、
図16の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを抑えることができる。
【0114】
《取付具102の連結軸部190への取り付け》
作業者は、両ケース分割体120、122の組み付けが完了した後に、
図11に示すように屈曲変形していない状態の挟持部103の円形凹部105に、ケース分割体122の連結軸部190を嵌合させる。次に、作業者は、首掛け用バンド100の端部が多数の挟持突起106の上に位置する状態で、両挟持部103、104の両側端部を屈曲変形させながら、両係止突起107、108を両係止溝111、112に係合させる。両係止突起107、108が両係止溝111、112に係合するときに、首掛け用バンド100の端部が多数の挟持突起106、110により挟持される。嵌合部109が円形凹部105の開口部分に嵌合することにより、連結軸部190が取付具102に取り付けられる。
【0115】
[第2の実施形態の効果]
本実施形態では、
図13の(A)に示すように、第1の凸形状固定組132、および第2の凸形状固定組133が、円周壁部126の中心点に対して開口130と反対側に配置される。また、
図14に示すように、第1の凹形状固定組156、および第2の凹形状固定組157が、円周壁部152の中心点に対して開口155と反対側に配置される。この結果、摘み部2が下方から上方に向けて両ケース分割体120、122の開口130、155の近傍部分に衝突することにより、上方に向かう大きな衝撃力が開口130、155の近傍部分に加わった場合でも、両ケース分割体120、122が上下方向にずれることを抑えることができ、ケース分割体120の全ての屈曲係止爪とケース分割体122の全ての爪係合溝部との係合状態を、確実に保持することができる。
【0116】
本実施形態では、
図13の(A)に示すように、第3の嵌合突部134Bが第3の係止片134Aよりも開口130から右方に離れて配置され、第4の嵌合突部136Bが第4の係止片136Aよりも開口130から左方に離れて配置される。
図14に示すように、第3の嵌合孔158Bが第3の係止溝158Aよりも開口155から右方に離れて配置され、第4の嵌合孔160Bが第4の係止溝160Aよりも開口155から左方に離れて配置される。この結果、各嵌合突部が開口130と各係止片との間に配置されるとともに、各嵌合孔が開口155と各係止溝との間に配置される構成に比べて、係止片134A、136Aが、開口130に可能な限り近い位置に配置されるとともに、係止溝158A、160Aが、開口155に可能な限り近い位置に配置される。各係止片および各係止溝が開口130、155に可能な限り近い位置に配置されることから、摘み部2が下方から上方に向けて両ケース分割体120、122の開口130、155の近傍部分に衝突することにより、上方に向かう大きな衝撃力が開口130、155の近傍部分に加わった場合でも、開口130、155の近傍部分において両ケース分割体120、122の前後方向の係合状態を、一層強固に保持することができる。ここで、可能な限り近い位置は、各係止片および各係止溝の物理的強度が十分に確保することができる位置である。
【0117】
本実施形態では、
図13の(A)に示すように、第1の嵌合突部132Bが第1の係止片132Aよりも開口194から右方に離れて配置され、第2の嵌合突部133Bが第2の係止片133Aよりも開口194から左方に離れて配置される。
図14に示すように、第1の嵌合孔156Bが第1の係止溝156Aよりも連結軸部190から右方に離れて配置され、第2の嵌合孔157Bが第2の係止溝157Aよりも連結軸部190から左方に離れて配置される。この結果、各嵌合突部が開口194と各係止片との間に配置されるとともに、各嵌合孔が連結軸部190と各係止溝との間に配置される構成に比べて、係止片132A、133Aが開口194に可能な限り近い位置に配置されるとともに、係止溝156A、157Aが連結軸部190に可能な限り近い位置に配置される。各係止片および各係止溝が開口194および連結軸部190に可能な限り近い位置に配置されることから、開口194および連結軸部190の近傍部分において両ケース分割体120、122の前後方向の係合状態を、一層強固に保持することができる。ここで、可能な限り近い位置は、各係止片および各係止溝の物理的強度が十分に確保することができる位置である。
【0118】
第2の実施形態の構成のうちで、第1の実施形態と同じ構成については、第2の実施形態は、第1の実施形態と同じ効果を有する。
【0119】
<第3の実施形態>
以下に、本発明の第3の実施形態であるストラップ収容装置201について、図面を参照して説明する。第3の実施形態は、第1の実施形態のケース分割体20に、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216を追加して設けるとともに、第1の実施形態のケース分割体22に、第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222を追加して設ける点で、相違する。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成を有する部分については、同じ番号を付して示し、その説明を省略する。以下に、第1の実施形態と相違する第3の実施形態の構成についてのみ、以下に説明する。
【0120】
(ケース分割体20の詳細な構成)
ケース分割体20の詳細な構成について、
図17および
図18を参照して説明する。
図17は、ケース分割体20を上後方から見た斜視図であり、
図18の(A)は、ケース分割体20の内部を後方から見た図面であり、
図18の(B)は、ケース分割体20を下方から見た図面である。
【0121】
ケース分割体20は、前方壁部24と、円形の円周壁部26と、クリップ取付突部28と、凸形状固定手段と、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216は、円周壁部26の内周部分に、円周壁部26の中心点を中心とする円弧形状に形成される。第1の嵌合壁部210は、第1の係止片32Aの右端縁の近傍から、第2の係止片34Aの右端縁の近傍まで、
図18の(A)において反時計回り方向に連続して延びる。第2の嵌合壁部212は、第1の係止片32Aの左端縁の近傍から、第3の係止片36Aの左端縁の近傍まで、
図18の(A)において時計回り方向に連続して延びる。第3の嵌合壁部214は、第2の係止片34Aの左端縁と開口30との間に配置される。第4の嵌合壁部216は、第3の係止片36Aの右端縁と開口30との間に配置される。第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216の各嵌合壁部が、円周壁部26の後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さは、
図18の(B)に示すように、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40の各嵌合突部が、後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さよりも大きい長さに設定される。また、各嵌合壁部が、円周壁部26の後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さは、
図18の(B)および
図20の(A)に示すように、第1乃至第3の係止片32A、34A、36Aの各係止片が、後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さよりも僅かに小さい長さに設定される。
【0122】
図18の(A)において、ケース分割体20は、円周壁部26の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL11に対して、線対称の形状に形成される。第1の嵌合壁部210、および第3の嵌合壁部214は、基準線RL11に対して、第2の嵌合壁部212、および第4の嵌合壁部216と線対称の位置に配置される。
【0123】
(ケース分割体22の詳細な構成)
ケース分割体22の詳細な構成について、
図19を参照して説明する。
図19は、ケース分割体22の内部を前方から見た図面である。
【0124】
ケース分割体22は、後方壁部50と、円形の円周壁部52と、リール支持部54と、凹形状固定手段と、第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222は、円周壁部52の内周部分に、円周壁部52の中心点を中心とする円弧形状に形成される。第1の嵌合内周面218は、第1の係止溝56Aの右端縁の近傍から、第2の係止溝58Aの右端縁の近傍まで、
図19において時計回り方向に連続して延びる。第2の嵌合内周面220は、第1の係止溝56Aの左端縁の近傍から、第3の係止溝60Aの左端縁の近傍まで、
図19において反時計回り方向に連続して延びる。第3の嵌合内周面222は、第2の係止溝58Aの左端縁と第3の係止溝60Aの右端縁との間に配置される。
【0125】
図19において、ケース分割体22は、円周壁部52の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL12に対して、線対称の形状に形成される。第1の嵌合内周面218は、基準線RL12に対して、第2の嵌合内周面220と線対称の位置に配置される。第3の嵌合内周面222は、基準線RL12に対して、線対称となる形状に形成される。
【0126】
[第3の実施形態の動作および作用]
ストラップ収容装置201を組み立てる手順について、図面を参照して説明する。なお、ストラップ収容装置201におけるストラップ6の引き出し動作および巻き取り動作は、第1の実施形態と同じ動作であるので、第3の実施形態では、その説明を省略する。
【0127】
(ストラップ収容装置201の組み立て手順)
ストラップ収容装置201の組み立て手順について、
図20乃至
図22を参照して説明する。なお、リール組体23の組み立て手順、および、リール組体23のケース分割体22への組み付け手順は、第1の実施形態と同じ手順であるので、第3の実施形態では、その説明を省略する。
図20の(A)、(B)は、両ケース分割体20、22を組み合わせる前の状態を示し、
図7の(A)、(B)に相当する図面である。
図21の(A)、(B)は、両ケース分割体20、22を組み合わせる途中の状態を示し、
図8の(A)、(B)に相当する図面である。
図22の(A)、(B)は、両ケース分割体20、22を組み合わせた後の状態を示し、
図9の(A)、(B)に相当する図面である。
【0128】
《両ケース分割体20、22の組み付け》
両ケース分割体20、22を組み付けるために、第1の実施形態と同様に、図示しない治具が使用される。ケース分割体20が、
図20の(A)、(B)に示すように、リール組体23が組付けられるケース分割体22に対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。具体的には、ケース分割体20の係止片32A、34A、36Aがケース分割体22の係止溝56A、58A、60Aにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36Cがケース分割体22の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60Cにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部38、40がケース分割体22の嵌合孔62、64にそれぞれ対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。両ケース分割体20、22が対向する状態で位置するときに、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216は、
図20の(A)、(B)に示すように、第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222から前方に僅かに離れた状態で位置する。
【0129】
次に、ケース分割体20の各係止片および各嵌合突部が、
図21の(A)、(B)に示すように、ケース分割体22の各係止溝および各嵌合孔に部分的に係合する状態、すなわち、仮組み状態になるように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して押し込む。たとえば、仮組み状態において、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、
図21の(A)に示すように、ケース分割体20の係止溝56Aに係合するが、ケース分割体20の爪係合溝部56Dには、まだ係合していない。仮組み状態において、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、
図21の(B)に示すように、ケース分割体22の嵌合孔62、64に途中まで嵌入している。仮組み状態において、ケース分割体20の全ての係止片および全ての嵌合突部が、
図21の(A)、(B)に示すように、ケース分割体22の全ての係止溝および全ての嵌合孔に部分的にそれぞれ係合し、両ケース分割体20、22の係合状態が保持される。仮組み状態になる際に、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216は、第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222に部分的に嵌合する。各嵌合壁部と各嵌合内周面との部分的な嵌合の後に、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40が、嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64に部分的に嵌合し、
図21の(A)、(B)に示す仮組み状態に達する。
【0130】
作業者が、仮組み状態から、ケース分割体20をケース分割体22に対して更に押し込むと、
図22の(A)、(B)に示すように、ケース分割体20の円周壁部26の後方円形端面26Aが、ケース分割体22の円周壁部52の前方円形端面52Aに当接する。この当接状態において、ケース分割体20の全ての屈曲係止爪は、ケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合するとともに、ケース分割体20の全ての嵌合突部は、ケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入する。たとえば、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、
図22の(A)に示すように、ケース分割体22の爪係合溝部56Dに係合するとともに、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、
図22の(B)に示すように、ケース分割体22の嵌合孔62、64に完全に嵌入する。両円形端面26A、52Aの当接状態において、両ケース分割体20、22の組み付けが完了する。両ケース分割体20、22の組み付けが完了した状態において、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216は、
図22の(A)、(B)に示すように、第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222の後方部分まで、完全に嵌合する。
【0131】
ケース分割体20の全ての屈曲係止爪がケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合することにより、両ケース分割体20、22が、
図22の(A)、(B)における前後方向に互いに離間することを抑えることができる。また、ケース分割体20の全ての嵌合突部がケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入するとともに、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216が第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222の後方部分まで完全に嵌合することにより、両ケース分割体20、22が、
図22の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを確実に抑えることができる。
【0132】
[第3の実施形態の効果]
本実施形態では、ケース分割体20が、多数の係止片32A、34A、36Aと、多数の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40とを備え、ケース分割体22が、多数の係止溝56A、58A、60Aと、多数の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64とを備える。更に、ケース分割体20が、多数の嵌合壁部210、212、214、216を備え、ケース分割体22が、多数の嵌合内周面218、220、222を備える。両ケース分割体20、22は、各係止片および各係止溝の係合と、各嵌合突部および各嵌合孔の嵌合と、各嵌合壁部および各嵌合内周面の嵌合とにより、互いに組み付けられる。この結果、両ケース分割体が溶着される従来技術に比べて、ストラップ収容装置の製造工程を簡易にすることができる。また、各嵌合壁部および各嵌合内周面の嵌合により、両ケース分割体20、22が、
図22の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを確実に抑えることができる。
【0133】
本実施形態では、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216の各嵌合壁部が、円周壁部26の後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さは、
図18の(B)に示すように、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40の各嵌合突部が、後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さよりも大きい長さに設定される。この結果、仮組み状態になる際に、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40が、嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64に部分的に嵌合する前に、第1乃至第4の嵌合壁部210、212、214、216が、第1乃至第3の嵌合内周面218、220、222に部分的に嵌合し始める。各嵌合壁部と各嵌合内周面との部分的な嵌合が先に行われることにより、作業者は、左右方向および上下方向において、各嵌合突部を各嵌合孔に対して容易に位置決めすることができる。
【0134】
第3の実施形態の構成のうちで、第1の実施形態と同じ構成については、第3の実施形態は、第1の実施形態と同じ効果を有する。
【0135】
<第4の実施形態>
以下に、本発明の第4の実施形態であるストラップ収容装置301について、図面を参照して説明する。第4の実施形態は、第1の実施形態のケース分割体20に、第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322を追加して設けるとともに、第1の実施形態のケース分割体22に、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316を追加して設ける点で、相違する。なお、第4の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成を有する部分については、同じ番号を付して示し、その説明を省略する。以下に、第1の実施形態と相違する第4の実施形態の構成についてのみ、以下に説明する。
【0136】
(ケース分割体20の詳細な構成)
ケース分割体20の詳細な構成について、
図23を参照して説明する。
図23は、ケース分割体20の内部を後方から見た図面である。
【0137】
ケース分割体20は、前方壁部24と、円形の円周壁部26と、クリップ取付突部28と、凸形状固定手段と、第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322は、円周壁部26の内周部分に、円周壁部26の中心点を中心とする円弧形状に形成される。第1の嵌合内周面318は、第1の係止片32Aの右端縁の近傍から、第2の係止片34Aの右端縁の近傍まで、
図23において反時計回り方向に連続して延びる。第2の嵌合内周面320は、第1の係止片32Aの左端縁の近傍から、第3の係止片36Aの左端縁の近傍まで、
図23において時計回り方向に連続して延びる。第3の嵌合内周面322は、第2の係止片34Aの左端縁と第3の係止片36Aの右端縁との間に配置される。
【0138】
図23において、ケース分割体20は、円周壁部26の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL11に対して、線対称の形状に形成される。第1の嵌合内周面318は、基準線RL11に対して、第2の嵌合内周面320と線対称の位置に配置される。第3の嵌合内周面322は、基準線RL11に対して、線対称となる形状に形成される。
【0139】
(ケース分割体22の詳細な構成)
ケース分割体22の詳細な構成について、
図24および
図25を参照して説明する。
図24は、ケース分割体22を上前方から見た斜視図であり、
図25の(A)は、ケース分割体22の内部を後方から見た図面であり、
図25の(B)は、ケース分割体22を下方から見た図面である。
【0140】
ケース分割体22は、後方壁部50と、円形の円周壁部52と、リール支持部54と、凹形状固定手段と、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316は、円周壁部52の内周部分に、円周壁部52の中心点を中心とする円弧形状に形成される。第1の嵌合壁部310は、第1の係止溝56Aの右端縁の近傍から、第2の係止溝58Aの右端縁の近傍まで、
図25の(A)において時計回り方向に連続して延びる。第2の嵌合壁部312は、第1の係止溝56Aの左端縁の近傍から、第3の係止溝60Aの左端縁の近傍まで、
図25の(A)において反時計回り方向に連続して延びる。第3の嵌合壁部314は、第2の係止溝58Aの左端縁と開口55との間に配置される。第4の嵌合壁部316は、第3の係止溝60Aの右端縁と開口55との間に配置される。第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316の各嵌合壁部が、円周壁部52の前方円形端面52Aから前方に突出する突出長さは、
図26の(B)に示すように、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40の各嵌合突部が、円周壁部26の後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さよりも大きい長さに設定される。また、各嵌合壁部が、前方円形端面52Aから前方に突出する突出長さは、第1乃至第3の係止片32A、34A、36Aの各係止片が、後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さよりも僅かに小さい長さに設定される。
【0141】
図25の(A)において、ケース分割体22は、円周壁部52の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL12に対して、線対称の形状に形成される。第1の嵌合壁部310、および第3の嵌合壁部314は、基準線RL12に対して、第2の嵌合壁部312、および第4の嵌合壁部316と線対称の位置に配置される。
【0142】
[第4の実施形態の動作および作用]
ストラップ収容装置301を組み立てる手順について、図面を参照して説明する。なお、ストラップ収容装置301におけるストラップ6の引き出し動作および巻き取り動作は、第1の実施形態と同じ動作であるので、第4の実施形態では、その説明を省略する。
【0143】
(ストラップ収容装置301の組み立て手順)
ストラップ収容装置301の組み立て手順について、
図26を参照して説明する。なお、リール組体23の組み立て手順、および、リール組体23のケース分割体22への組み付け手順は、第1の実施形態と同じ手順であるので、第4の実施形態では、その説明を省略する。
図26の(A)、(B)は、両ケース分割体20、22を組み合わせる途中の状態を示し、
図8の(A)、(B)に相当する図面である。
【0144】
《両ケース分割体20、22の組み付け》
両ケース分割体20、22を組み付けるために、第1の実施形態と同様に、図示しない治具が使用される。ケース分割体20が、
図20の(A)、(B)に示す第3の実施形態と同様に、リール組体23が組付けられるケース分割体22に対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。具体的には、ケース分割体20の係止片32A、34A、36Aがケース分割体22の係止溝56A、58A、60Aにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36Cがケース分割体22の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60Cにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部38、40がケース分割体22の嵌合孔62、64にそれぞれ対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。両ケース分割体20、22が対向する状態で位置するときに、第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322は、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316から前方に僅かに離れた状態で位置する。
【0145】
次に、ケース分割体20の各係止片および各嵌合突部が、
図26の(A)、(B)に示すように、ケース分割体22の各係止溝および各嵌合孔に部分的に係合する状態、すなわち、仮組み状態になるように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して押し込む。たとえば、仮組み状態において、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、
図26の(A)に示すように、ケース分割体20の係止溝56Aに係合するが、ケース分割体20の爪係合溝部56Dには、まだ係合していない。仮組み状態において、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、
図26の(B)に示すように、ケース分割体22の嵌合孔62、64に途中まで嵌入している。仮組み状態において、ケース分割体20の全ての係止片および全ての嵌合突部が、
図26の(A)、(B)に示すように、ケース分割体22の全ての係止溝および全ての嵌合孔に部分的にそれぞれ係合し、両ケース分割体20、22の係合状態が保持される。仮組み状態になる際に、第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322は、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316に部分的に嵌合する。各嵌合内周面と各嵌合壁部との部分的な嵌合の後に、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40が、嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64に部分的に嵌合し、
図26の(A)、(B)に示す仮組み状態に達する。
【0146】
作業者が、仮組み状態から、ケース分割体20をケース分割体22に対して更に押し込むと、
図22の(A)、(B)に示す第3の実施形態と同様に、ケース分割体20の円周壁部26の後方円形端面26Aが、ケース分割体22の円周壁部52の前方円形端面52Aに当接する。この当接状態において、ケース分割体20の全ての屈曲係止爪は、ケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合するとともに、ケース分割体20の全ての嵌合突部は、ケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入する。たとえば、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、ケース分割体22の爪係合溝部56Dに係合するとともに、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、ケース分割体22の嵌合孔62、64に完全に嵌入する。両円形端面26A、52Aの当接状態において、両ケース分割体20、22の組み付けが完了する。両ケース分割体20、22の組み付けが完了した状態において、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316は、第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322の前方部分まで、完全に嵌合する。
【0147】
ケース分割体20の全ての屈曲係止爪がケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合することにより、両ケース分割体20、22が、
図26の(A)、(B)における前後方向に互いに離間することを抑えることができる。また、ケース分割体20の全ての嵌合突部がケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入するとともに、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316が第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322の前方部分まで完全に嵌合することにより、両ケース分割体20、22が、
図26の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを確実に抑えることができる。
【0148】
[第4の実施形態の効果]
本実施形態では、ケース分割体20が、多数の係止片32A、34A、36Aと、多数の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40とを備え、ケース分割体22が、多数の係止溝56A、58A、60Aと、多数の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64とを備える。更に、ケース分割体20が、多数の嵌合内周面318、320、322を備え、ケース分割体22が、多数の嵌合壁部310、312、314、316を備える。両ケース分割体20、22は、各係止片および各係止溝の係合と、各嵌合突部および各嵌合孔の嵌合と、各嵌合壁部および各嵌合内周面の嵌合とにより、互いに組み付けられる。この結果、両ケース分割体が溶着される従来技術に比べて、ストラップ収容装置の製造工程を簡易にすることができる。また、各嵌合壁部および各嵌合内周面の嵌合により、両ケース分割体20、22が、
図26の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを確実に抑えることができる。
【0149】
本実施形態では、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316の各嵌合壁部が、円周壁部52の前方円形端面52Aから前方に突出する突出長さは、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40の各嵌合突部が、円周壁部26の後方円形端面26Aから後方に突出する突出長さよりも大きい長さに設定される。この結果、仮組み状態になる際に、嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40が、嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64に部分的に嵌合する前に、第1乃至第4の嵌合壁部310、312、314、316が、第1乃至第3の嵌合内周面318、320、322に部分的に嵌合し始める。各嵌合壁部と各嵌合内周面との部分的な嵌合が先に行われることにより、作業者は、左右方向および上下方向において、各嵌合突部を各嵌合孔に対して容易に位置決めすることができる。
【0150】
第4の実施形態の構成のうちで、第1の実施形態と同じ構成については、第4の実施形態は、第1の実施形態と同じ効果を有する。
【0151】
<第5の実施形態>
以下に、本発明の第5の実施形態であるストラップ収容装置401について、図面を参照して説明する。第5の実施形態は、第1の実施形態のケース分割体20に、嵌合突部32E、32Fを追加して設けるとともに、第1の実施形態のケース分割体22に、嵌合孔56E、56Fを追加して設ける点で、相違する。なお、第5の実施形態において、第1の実施形態と同じ構成を有する部分については、同じ番号を付して示し、その説明を省略する。以下に、第1の実施形態と相違する第5の実施形態の構成についてのみ、以下に説明する。
【0152】
(ケース分割体20の詳細な構成)
ケース分割体20の詳細な構成について、
図27および
図28を参照して説明する。
図27は、ケース分割体20を上後方から見た斜視図であり、
図28の(A)は、ケース分割体20の内部を後方から見た図面であり、
図28の(B)は、ケース分割体20を下方から見た図面である。
【0153】
ケース分割体20は、前方壁部24と、円形の円周壁部26と、クリップ取付突部28と、凸形状固定手段とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。凸形状固定手段は、第1の実施形態と同様に、第1の凸形状固定組32と、第2の凸形状固定組34と、第3の凸形状固定組36と、右方嵌合突部38と、左方嵌合突部40とを含む。第5の実施形態は、第1の凸形状固定組32の構成についてのみ、第1の実施形態と相違することから、第1の凸形状固定組32の構成のうちで、相違する構成のみを以下に説明する。
【0154】
ケース分割体20の第1の凸形状固定組32は、後方円形端面26Aの最も上方の部分に配置され、第1の係止片32Aと、一対の第1の嵌合突部32B、32Cと、一対の補助嵌合突部32E、32Fとを含む。補助嵌合突部32Eは、第1の嵌合突部32Bよりも、第1の係止片32Aから右方に離れた位置に配置される。補助嵌合突部32Fは、第1の嵌合突部32Cよりも、第1の係止片32Aから左方に離れた位置に配置される。
【0155】
図28の(A)において、ケース分割体20は、円周壁部26の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL11に対して、線対称の形状に形成される。円周壁部26の中心点を中心とする基準線RL11と補助嵌合突部32Eとの間の角度β13は、円周壁部26の中心点を中心とする基準線RL11と補助嵌合突部32Fとの間の角度β14と同じ角度に設定される。本実施形態では、角度β13、β14の各角度は、35度に設定される。
【0156】
(ケース分割体22の詳細な構成)
ケース分割体22の詳細な構成について、
図29および
図30を参照して説明する。
図29は、ケース分割体22を上前方から見た斜視図であり、
図30は、ケース分割体22の内部を後方から見た図面である。
【0157】
ケース分割体22は、後方壁部50と、円形の円周壁部52と、リール支持部54と、凹形状固定手段とを備え、合成樹脂材料により一体に形成される。凹形状固定手段は、第1の実施形態と同様に、第1の凹形状固定組56と、第2の凹形状固定組58と、第3の凹形状固定組60と、右方嵌合孔62と、左方嵌合孔64とを含む。第5の実施形態は、第1の凹形状固定組56の構成についてのみ、第1の実施形態と相違することから、第1の凹形状固定組56の構成のうちで、相違する構成のみを以下に説明する。
【0158】
ケース分割体22の第1の凹形状固定組56は、円周壁部52の前方円形端面52Aの最も上方の部分に配置され、第1の係止溝56Aと、一対の第1の嵌合孔56B、56Cと、一対の補助嵌合孔56E、56Fとを含む。補助嵌合孔56Eは、第1の嵌合孔56Bよりも、第1の係止溝56Aから右方に離れた位置に配置される。補助嵌合孔56Fは、第1の嵌合孔56Cよりも、第1の係止溝56Aから左方に離れた位置に配置される。
【0159】
図30において、ケース分割体22は、円周壁部52の中心点を通り上下方向に延びる基準線RL12に対して、線対称の形状に形成される。円周壁部52の中心点を中心とする基準線RL12と補助嵌合孔56Eとの間の角度β23は、円周壁部52の中心点を中心とする基準線RL12と補助嵌合孔56Fとの間の角度β24と同じ角度に設定される。本実施形態では、角度β23、β24の各角度は、35度に設定される。
【0160】
[第5の実施形態の動作および作用]
ストラップ収容装置401を組み立てる手順について、図面を参照して説明する。なお、ストラップ収容装置401におけるストラップ6の引き出し動作および巻き取り動作は、第1の実施形態と同じ動作であるので、第5の実施形態では、その説明を省略する。
【0161】
(ストラップ収容装置401の組み立て手順)
ストラップ収容装置401の組み立て手順について、
図31を参照して説明する。なお、リール組体23の組み立て手順、および、リール組体23のケース分割体22への組み付け手順は、第1の実施形態と同じ手順であるので、第5の実施形態では、その説明を省略する。
図31の(A)、(B)は、両ケース分割体20、22を組み合わせる前の状態を示し、
図7の(A)、(B)に相当する図面である。
【0162】
《両ケース分割体20、22の組み付け》
両ケース分割体20、22を組み付けるために、図示しない治具が、第1の実施形態と同様に、使用される。ケース分割体20が、
図31の(A)、(B)に示すように、リール組体23が組付けられるケース分割体22に対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。具体的には、ケース分割体20の係止片32A、34A、36Aがケース分割体22の係止溝56A、58A、60Aにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、および補助嵌合突部32E、32Fが、ケース分割体22の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、および補助嵌合孔56E、56Fにそれぞれ対向し、ケース分割体20の嵌合突部38、40がケース分割体22の嵌合孔62、64にそれぞれ対向するように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して位置させる。
【0163】
次に、ケース分割体20の各係止片および各嵌合突部が、ケース分割体22の各係止溝および各嵌合孔に部分的に係合する状態、すなわち、仮組み状態になるように、作業者は、ケース分割体20をケース分割体22に対して押し込む。たとえば、仮組み状態において、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、ケース分割体20の係止溝56Aに係合するが、ケース分割体20の爪係合溝部56Dには、まだ係合していない。仮組み状態において、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、ケース分割体22の嵌合孔62、64に途中まで嵌入している。仮組み状態において、ケース分割体20の全ての係止片および全ての嵌合突部が、ケース分割体22の全ての係止溝および全ての嵌合孔に部分的にそれぞれ係合し、両ケース分割体20、22の係合状態が保持される。
【0164】
作業者が、仮組み状態から、ケース分割体20をケース分割体22に対して更に押し込むと、ケース分割体20の円周壁部26の後方円形端面26Aが、ケース分割体22の円周壁部52の前方円形端面52Aに当接する。この当接状態において、ケース分割体20の全ての屈曲係止爪は、ケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合するとともに、ケース分割体20の全ての嵌合突部は、ケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入する。たとえば、ケース分割体20の係止片32Aの屈曲係止爪32Dは、ケース分割体22の爪係合溝部56Dに係合するとともに、ケース分割体20の嵌合突部38、40は、ケース分割体22の嵌合孔62、64に完全に嵌入する。両円形端面26A、52Aの当接状態において、両ケース分割体20、22の組み付けが完了する。
【0165】
ケース分割体20の全ての屈曲係止爪がケース分割体22の全ての爪係合溝部にそれぞれ係合することにより、両ケース分割体20、22が、
図31の(A)、(B)における前後方向に互いに離間することを抑えることができる。また、ケース分割体20の全ての嵌合突部がケース分割体22の全ての嵌合孔に完全にそれぞれ嵌入することにより、両ケース分割体20、22が、
図31の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを確実に抑えることができる。
【0166】
[第5の実施形態の効果]
本実施形態では、ケース分割体20が、多数の係止片32A、34A、36Aと、多数の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40と、複数の補助嵌合突部32E、32Fとを備え、ケース分割体22が、多数の係止溝56A、58A、60Aと、多数の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64と、複数の補助嵌合孔56E、56Fとを備える。両ケース分割体20、22は、各係止片および各係止溝の係合と、各嵌合突部および各嵌合孔の嵌合と、各補助嵌合突部および各補助嵌合孔の嵌合とにより、互いに組み付けられる。この結果、両ケース分割体が溶着される従来技術に比べて、ストラップ収容装置の製造工程を簡易にすることができる。また、各補助嵌合突部および各補助嵌合孔の嵌合により、ケース分割体20の第1の係止片32Aの近傍部分と、ケース分割体22の第1の係止溝56Aの近傍部分とが、
図31の(A)、(B)における上下方向および左右方向など、前後方向と直交する方向に互いにずれることを確実に抑えることができる。
【0167】
発明者は、摘み部2に所定量の荷重を連結する状態で、ストラップ6を所定の長さだけ引き出して摘み部2をストラップ収容装置に衝突させる衝撃試験を行った。第1の実施形態のストラップ収容装置1について7千回を超える衝撃試験を行った結果、衝撃力が加えられた開口30、55の配置部分とは反対側に位置する第1の係止片32Aおよび第1の係止溝56Aの配置部分において、両ケース分割体20、22が互いに離れて隙間が生じた。第5の実施形態のストラップ収容装置401について同様の衝撃試験を行ったが、1万回の衝撃試験を行っても、衝撃力が加えられた開口30、55の配置部分と、その反対側に位置する第1の係止片32Aおよび第1の係止溝56Aの配置部分とのいずれの配置部分においても、両ケース分割体20、22が互いに離れる現象は生じなかった。これらの衝撃試験の結果として、複数の補助嵌合突部32E、32Fと複数の補助嵌合孔56E、56Fとの嵌合により、ストラップ収容装置401の強度が増加したことが確認された。特に、第5の実施形態では、両ケース分割体20、22の中心位置に関して、衝撃力が加わる部分とは反対側の部分を補強することにより、ストラップ収容装置の強度を大幅に増加させることができる。なお、第1の実施形態から係止片32A、34A、36Aの全てを除去した第1の比較例と、第1の実施形態から嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40の全てを除去した第2の比較例とについても、同様の衝撃試験を行ったが、第1の比較例では2千回に満たない回数の衝撃試験で、両ケース分割体20、22に隙間が生じ、第2の比較例では30回に満たない回数の衝撃試験で、両ケース分割体20、22に隙間が生じた。
【0168】
第5の実施形態の構成のうちで、第1の実施形態と同じ構成については、第5の実施形態は、第1の実施形態と同じ効果を有する。
【0169】
<構成の対応関係>
ストラップ収容装置1、101、201、301、401、およびストラップ6は、本発明のストラップ収容装置、およびストラップの一例である。摘み部2は、本発明の連結部材の一例である。ケース分割体20、120、22、122は、本発明の第1ケース分割体および第2ケース分割体の一例である。リール本体70は、本発明の回転体の一例である。発条ばね72は、本発明の弾性体の一例である。ケース分割体20、120の円周壁部26、126の後方円形端面26A、126Aが、本発明の第1ケース分割体の第1周端部の一例であり、ケース分割体22、122の円周壁部52、152の前方円形端面52A、152Aが、本発明の第2ケース分割体の第2周端部の一例である。第1乃至第3の係止片32A~36A、および第1乃至第4の係止片132A~136Aが、本発明の係止片の一例であり、第1乃至第3の係止片32A~36Aの屈曲係止爪32D~36D、および第1乃至第4の係止片132A~136Aの屈曲係止爪132D~136Dが、本発明の係止片の係止端部の一例である。第1乃至第3の係止溝56A~60A、および第1乃至第4の係止溝156A~160Aが、本発明の係止溝の一例である。第1乃至第3の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、第1乃至第4の嵌合突部132B~136B、右方嵌合突部38、138、左方嵌合突部40、140、および補助嵌合突部32E、32Fは、本発明の嵌合突部の一例である。第1乃至第3の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、第1乃至第4の嵌合孔156B~160B、右方嵌合孔62、162、左方嵌合孔64、164、および補助嵌合孔56E、56Fは、本発明の嵌合孔の一例である。開口30、55、130、155は、本発明の引出開口の一例である。角度β11、β12、および角度β33、β34は、本発明の「引出開口の円周方向における両側の2つの角度範囲」の一例である。
【0170】
<変形例>
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0171】
(1)本実施形態では、ケース分割体20、120が、多数の係止片32A、34A、36Aと、多数の嵌合突部32B、32C、34B、34C、36B、36C、38、40とを備え、ケース分割体22、122が、多数の係止溝56A、58A、60Aと、多数の嵌合孔56B、56C、58B、58C、60B、60C、62、64とを備える構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、本実施形態の構成に代えて、ケース分割体20、120が、多数の係止片と、多数の嵌合孔とを備え、ケース分割体22、122が、多数の係止溝と、多数の嵌合突部とを備える構成であってもよい。
【0172】
(2)本実施形態では、ケース分割体20、120は、基準線RL11、RL21の線上の位置、または、その基準線の近傍であって基準線の両側の位置に配置される係止片を備え、ケース分割体22、122は、基準線RL12、RL22の線上の位置、または、その基準線の近傍であって基準線の両側の位置に配置される係止溝を備える構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、本実施形態の構成に加えて、または、一部の構成に代えて、ケース分割体20、120が、基準線RL11、RL21に直交する直交線上の位置、または、その直交線の近傍であって直交線の両側の位置に配置される係止片を備え、ケース分割体22、122が、基準線RL12、RL22に直交する直交線上の位置、または、その直交線の近傍であって直交線の両側の位置に配置される係止溝を備える構成であってもよい。
【0173】
(3)本実施形態では、ストラップ収容装置1、101、201、301、401は、ストラップ6が引き出されたときに、ストラップ6の引き出し状態を保持する構成を備えない構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、ストラップ収容装置1、101、201、301、401が、特開2017-128406号公報に開示されるように、リール組体23に固定され、複数の係止部分を有する係合体と、ケース分割体20、120に固定される複数の係止部分と、係合体をケース分割体20、120に向かって付勢する弾性体とを備える構成であってもよい。
【0174】
(4)第2の実施形態、および第5の実施形態では、ケース分割体20、120、およびケース分割体22、122は、係止片および嵌合突部と、係止溝および嵌合孔とを備える構成であるが、この構成に加えて、第3および第4の実施形態のように、嵌合壁部および嵌合内周面を備える構成であってもよい。
【0175】
(5)本実施形態では、第2の凸形状固定組34と、第3の凸形状固定組36とは、ケース分割体20の開口30の両側の角度β11、β12の角度範囲に配置され、第2の凹形状固定組58と、第3の凹形状固定組60とは、ケース分割体22の開口55の両側の角度β21、β22の角度範囲に配置される。第3の凸形状固定組134と、第4の凸形状固定組136とは、ケース分割体120の開口130の両側の角度β33、β34の角度範囲に配置され、第3の凹形状固定組158と、第4の凹形状固定組160とは、ケース分割体122の開口155の両側の角度β43、β44の角度範囲に配置される。これらの角度β11~β44は、45度または40度など、45度以下の鋭角の角度に設定されるが、この設定角度に限定されない。たとえば、ケース分割体20、120の開口30、130の近傍部分と、ケース分割体22、122の開口55、155の近傍部分とが、前後方向、前後方向に直交する方向、および、円周方向において、ずれることを抑えることができるのであれば、これらの角度β11~β44は、90度以下の角度に設定されてもよい。
【0176】
(6)本実施形態では、ケース分割体20、120の円周壁部26、126の後方円形端面26A、126Aと、ケース分割体22、122の円周壁部52、152の前方円形端面52A、1526Aとが、直接に当接することにより、両ケース分割体が接合される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、特許第5230679号公報に開示されるように、両ケース分割体が、仕切り板を間に介在させて、間接的に当接する構成であってもよい。この変形例では、係止片または係止溝と、嵌合突出部または嵌合孔とが、仕切り板に形成される構成が考えられる。変形例における仕切り板が、本発明の取付部材の一例である。
【符号の説明】
【0177】
1、101、201、301、401 ストラップ収容装置
2 摘み部
6 ストラップ
20、22、120、122 ケース分割体
23 リール組体
30 ケース分割体20、120の開口
55 ケース分割体22、122の開口
32A、34A、36A、132A、133A、134A、136A 係止片
56A、58A、60A、156A、157A、158A、160A 係止溝
32B、32C~36B、36C、38、40、132B、132C~136B、136C、138、140 嵌合突部
56B、56C~60B、60C、62、64、156B、156C~160B、160C、162、164 嵌合孔
32E、32F 補助嵌合突部
56E、56F 補助嵌合孔
32D~36D、132D~136D 係止片32A~36A、132A~136Aの屈曲係止爪
70 リール本体
72 発条バネ