(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240423BHJP
【FI】
G06Q40/03
(21)【出願番号】P 2021024727
(22)【出願日】2021-02-19
【審査請求日】2022-09-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-07-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518309460
【氏名又は名称】株式会社Kort Valuta
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀樹
【合議体】
【審判長】渡邊 聡
【審判官】佐藤 智康
【審判官】松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-132880(JP,A)
【文献】特開2015-128579(JP,A)
【文献】特開2013-138880(JP,A)
【文献】国際公開第2019/021314(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/232333(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置であって、
酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、MET
のうちの少なくとも2種以上の
生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、
利用者から前記
生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記
生理学的データである波形データ
から生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記
生理学的データのパターンを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記
生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出手段と
、
を有していることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記波形データが
、携帯電子装置から受信される1種又は2種以上の
波形データを含む請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記生理学的データのパターン毎の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を平均化又は加重平均化する処理を含む請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための情報処理装置であって、
酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、
利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出手段と、
を有していることを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記与信情報データベースが、前記与信限度額毎にランク分けされているランク情報を含む請求項
4記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記与信情報データベースが、前記利用者の利用用途毎に前記与信限度額が記憶されている請求項
4又は5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
利用者のユーザ端末と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置とが通信回線を介して通信可能に接続されている情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、
利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出手段と、
を有していることを特徴とする情報処理システム。
【請求項8】
与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための情報処理装置と、利用者のユーザ端末とが通信回線を介して通信可能に接続されている情報処理システムであって、
前記情報処理装置が、
酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、
利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出手段と、
を有していることを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
情報処理装置が、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出する
情報処理方法であって、
前記情報処理装置
が、記憶手段、選択手段、算出手段を有しており、
前記記憶手段が、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、MET
のうちの少なくとも2種以上の
生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶
ステップと、
前記選択手段が、利用者から前記
生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記
生理学的データである波形データ
から生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記
生理学的データのパターンを選択する選択
ステップと、
前記算出手段が、前記選択
ステップにより選択された前記記憶
ステップにおける前記
生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出
ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理
方法。
【請求項10】
情報処理装置が、与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出する
情報処理方法であって、
前記情報処理装置が、
記憶手段、選択手段、算出手段を有しており、
前記記憶手段が、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、MET
のうちの少なくとも2種以上の
生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶
ステップと、
前記選択手段が、利用者から前記
生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記
生理学的データである波形データ
から生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記
生理学的データのパターンを選択する選択
ステップと、
前記算出手段が、前記選択
ステップにより選択された前記記憶
ステップにおける前記
生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出
ステップと、
を含むことを特徴とする情報処理
方法。
【請求項11】
債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理
装置を、
酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、MET
のうちの少なくとも2種以上の
生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶
手段、
利用者から前記
生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記
生理学的データである波形データ
から生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記
生理学的データのパターンを選択する選択
手段、及び、
前記選択
手段により選択された前記記憶
手段における前記
生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出
手段、
として機能させるプログラム。
【請求項12】
与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための情報処理
装置を、
酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、MET
のうちの少なくとも2種以上の
生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶
手段、
利用者から前記
生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記
生理学的データである波形データ
から生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記
生理学的データのパターンを選択する選択
手段、及び、
前記選択
手段により選択された前記記憶
手段における前記
生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出
手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の与信限度額等の算出の際に用いられる情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法又はこれらに適用されるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードの審査等の与信審査に用いられる指標として、例えば、利用者の属性情報や信用履歴情報といった個人情報をスコアリングエンジンにかけて数値化したものが用いられている。しかしながら、このような指標では、与信審査の精度を高めることができるとは限らず、利用者の属性情報や信用履歴情報といった個人情報を数値化しているに過ぎないので、過去に延滞で信用情報に傷がついてしまったが、状況も変わり、現在は返済能力に問題がない利用者であっても、クレジットカードを発行不可と判断される場合等が生じる問題があった。
【0003】
近年においては、与信審査の精度を高める目的で、利用者の行動履歴を用いて、行動履歴から利用者のデフォルト率を算出し、ついでデフォルト率から利用者の信用力を推定する技術が検討されている(特許文献1等)。しかしながら、行動履歴は景気や流行等の影響を受けやすい問題があり、利用者個人及びその生活環境や景気に依存しやすいデフォルト率との関係が明確にし難い問題もあるので、与信審査の精度があまり良くならず、必ずしも満足のいくものではなかった。
【0004】
また、自動車販売や自動車リースの業界において、実際には返済能力があったとしてもファイナンス与信審査を通らないと一般的にローンやリースの契約ができないといった問題があり、車両の稼働状況等から与信情報を求め、この与信情報に基づいてローンやリースの申込者に対して与信限度額を拡大して、ファイナンス与信審査を通らない場合であっても車両を入手できるようにする与信審査支援システム等も検討されている(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、車両の稼働状況等は、車両の利用環境の影響を受けやすい問題があり、車両の稼働状況等から収入等を予測したとしても、利用者及びその生活環境や景気に依存しやすいデフォルト率との関係が明確にし難い問題もあるので、実際には、車両の過去の保有期間や返済実績から予測できる利用者の収入を重視した与信限度額の設定に依拠しなければならないなど、必ずしも満足のいくものではなかった。また、車両入手以外の用途に対しては何ら与信限度額を拡大することにはならず、そのため、ファイナンス与信審査を通らない場合であっても、用途を限定することなく、また、与信審査の精度が高く、ローン等の与信限度額を適切に拡大できるような方策が待ち望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-185595号公報
【文献】特許第6476408号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、利用者のデフォルト率、残債率又は与信限度額をより適切に算出でき、より適切な与信情報を処理することができる新規かつ有用な情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、返済実績や購入実績等の利用者の行動パターン等から与信限度額等を推定するのではなく、利用者の生理学的データから与信限度額を推定するようにすると、景気等にもあまり左右されず、生理学的データとデフォルト率との関係が驚くほど明確になることを知見し、さらに、より適切に利用者の与信限度額等を算出できることをも知見し、このような情報処理方法が上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置であって、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出手段とを有していることを特徴とする情報処理装置。
[2] 前記波形データが、携帯電子装置から受信される1種又は2種以上の波形データを含む前記[1]記載の情報処理装置。
[3] 前記算出手段は、前記生理学的データのパターン毎の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を平均化又は加重平均化する処理を含む前記[1]又は[2]に記載の情報処理装置。
[4] 与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための情報処理装置であって、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記記憶手段における前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出手段とを有していることを特徴とする情報処理装置。
[5] 前記与信情報データベースが、前記与信限度額毎にランク分けされているランク情報を含む前記[4]記載の情報処理装置。
[6] 前記与信情報データベースが、前記利用者の利用用途毎に前記与信限度額が記憶されている前記[4]又は[5]に記載の情報処理装置。
[7] 利用者のユーザ端末と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置とが通信回線を介して通信可能に接続されている情報処理システムであって、前記情報処理装置は、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、利用者から前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出手段とを有していることを特徴とする情報処理システム。
[8] 与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための情報処理装置と、利用者のユーザ端末とが通信回線を介して通信可能に接続されている情報処理システムであって、前記情報処理装置が、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段と、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出手段とを有していることを特徴とする情報処理システム。
[9] 情報処理装置が、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出する情報処理方法であって、前記情報処理装置が、記憶手段、選択手段、算出手段を有しており、前記記憶手段が、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶ステップと、前記選択手段が、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択ステップと、前記算出手段が、前記選択ステップにより選択された前記記憶ステップにおける前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出ステップとを含むことを特徴とする情報処理方法。
[10] 情報処理装置が、与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出する情報処理方法であって、前記情報処理装置が、記憶手段、選択手段、算出手段を有しており、前記記憶手段が、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶ステップと、前記選択手段が、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択ステップと、前記算出手段が、前記選択ステップにより選択された前記記憶ステップにおける前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記デフォルト率及び/又は前記残債率に対応する前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出ステップとを含むことを特徴とする情報処理方法。
[11] 債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置を、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを記憶する記憶手段、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段、及び、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出手段として機能させるプログラム。
[12] 与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率との対応関係が少なくとも記憶されている与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための情報処理装置を、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、METのうちの少なくとも2種以上の生理学的データのパターンに対応させて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率を記憶する記憶手段、利用者から前記生理学的データである波形データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データである波形データから生理学的データのパターンを生成して、前記記憶手段から同一又は近似する前記生理学的データのパターンを選択する選択手段、及び、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データのパターンに対する前記デフォルト率及び/又は前記残債率の確率分布のデータを当てはめて、前記与信情報データベースにおける前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として当てはめる算出手段として機能させるプログラム。
【発明の効果】
【0010】
本発明の情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法によれば、利用者のデフォルト率、残債率又は与信限度額をより適切に算出でき、より適切な与信情報を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明において好適に用いられる、前記生理学的データ毎に算出された前記利用者のデフォルト率一覧表を模式的に示す図である。
【
図2】バイタルセンサーにて収集されたバイタルデータが表示されたマルチパラメータモニター11の表示画面12の好適な態様の一例を模式的に示す。
【
図3】本発明において好適に用いられる生理学的データのパターン化の一例を説明する図である。
【
図4】本発明において好適に用いられるウェアラブル携帯電子装置の一例を模式的に示す図である。
【
図5】本発明において好適に用いられるニューラルネットワークの一例を示す。
【
図6】本発明において好適に用いられる与信情報データベースの一例を示す。
【
図7】本発明の情報処理システムの好適な実施態様の一例を模式的に示す図である。
【
図8】本発明において好適い用いられるユーザ端末の機能的要素を示すブロックダイアグラムの模式図である。
【
図9】
図7の情報処理システムにおいて好適に実施される情報処理フローの一例を模式的に示す図である。
【
図10】本発明の情報処理システムの好適な実施態様の別の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の情報処理装置は、所定の融資予定金額等に対する債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置であって、1種又は2種以上の生理学的データ及び/又は前記生理学的データのパターンに対応させて前記デフォルト率及び/又は前記残債率を記憶する記憶手段と、利用者から前記生理学的データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データと同一又は近似する前記記憶手段における前記生理学的データ及び/又は前記パターンを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データ及び/又は前記パターンに対応する前記デフォルト率及び/又は前記残債率を用いて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する算出手段とを有していることを特長とする。
【0013】
前記情報処理装置は、通常、与信事業者の情報処理装置であるが、本発明においては特に限定されない。金融機関であってもよいし、決済機関であってもよい。前記与信事業者も与信ができる者であれば特に限定されず、法人であってもよいし、自然人であってもよい。
【0014】
「利用者」は、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の算出対象となるものであれば特に限定されず、自然人であってもよいし、法人であってもよい。任意の複数の者であってもよい。例えば、前記利用者が法人である場合の前記利用者の前記生理学データは、前記法人にかかる前記生理学的データであれば特に限定されず、前記法人の従業員全員又は一部の前記生理学的データであってもよいし、社員全員又は一部の前記生理学的データであってもよい。前記法人の従業員全員又は一部の平均の前記生理学的データであってもよいし、社員全員又は一部の平均の前記生理学的データであってもよい。
【0015】
「デフォルト率」は、所定の融資予定金額等に対する債務不履行の確率であれば特に限定されず、公知のデフォルト率であってよい。前記デフォルト率としては、例えば、融資を受けた企業又は個人が一定基準の財務状態に陥った場合又は当該企業又は個人が借入金の返済を延滞した場合を「デフォルト」と定義して、この発生確率を計算するものなどが挙げられる。なお、前記デフォルトには、例えば預金残高、自己資本比率などが一定以下になること、又は返済が予定した計画から1ヶ月以上若しくは3ヶ月以上延滞することなども本発明の目的を阻害しない限り含まれる。
【0016】
「残債率」は、債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合であれば特に限定されず、公知の残債率であってよい。前記残債率としては、例えば、融資を受けた企業又は個人が前記デフォルトを起こしたときに、貸与した額のうち回収できない額の割合などが挙げられる。
【0017】
「生理学的データ」は、通常、ヒトの性格または肉体に関する任意の測定可能な特性に関連するか又は関係する任意のデータを意味するが、公知の生理学的データであってよい。前記生理学的データには、例えば、心拍数、脈拍、酸素飽和度、血中酸素濃度、燃焼カロリー、カロリー燃焼率、MET、体重、体温、血圧、心電図データ等が含まれるが、これらに限定されるわけではなく、これらを適宜組み合わせて2種以上でもって前記生理学的データとしてもよい。本発明においては、前記生理学的データが1種又は2種以上のバイタルサインを含むのが与信限度額設定の精度や適切性等をより向上させることができるため好ましい。
【0018】
「バイタルサイン」は、通常、ヒトの生理的パラメータ及び派生パラメータを意味するが、公知のバイタルサインであってよい。前記バイタルサインには、血液量パルス信号、心拍(HR)(パルスレートとも呼ばれる)、心拍変動性(パルスレート変動性)、拍動性強さ、潅流、潅流インジケータ、潅流変動性、トラウベ・エラン・マイヤー波、呼吸レート(RR)、皮膚温度、血圧、皮膚伝導度、パルスオキシメトリ、血中酸素飽和度又はブドウ糖レベルといった血液及び/又は組織における物質の濃度等が含まれ、PPG信号の形状から取得される健康指標も含まれる。本発明においては、前記生理学的データが、心拍数、心電図、血圧、中心静脈圧(CVP)、酸素飽和度(SpO2)、体温及び呼吸数から選ばれる1種又は2種以上含むのが好ましく、2種以上含むのがより好ましく、3種以上含むのが最も好ましい。
【0019】
図2は、本発明において好適な、バイタルセンサーにて収集されたバイタルデータが表示されたマルチパラメータモニター11の表示画面12の一例を示す。
図2のマルチパラメータモニター11には、心拍数(脈拍数)13aとその波形13b、血圧14aとその波形14b、酸素飽和度(SpO2)15aとその波形15b、体温16aとその波形16b及び呼吸数17aとその波形17bが表示されている。本発明においては、波形データもパターン化することにより、好適に用いることができる。
【0020】
図3は、本発明において好適に用いられる生理学的データのパターン化の一例を説明する図である。
図3では、心拍数(HR)の波形13bを用いて、ピーク毎に、各ピークのピーク付近における波形(波形パターン)が順に切り出され、切り出された波形パターンと、予め記憶されている心拍数の波形パターン13cとの比較が行われ、公知の波形解析手法にて得られた近似値19等を用いて、一番近似する波形パターン13cに置き換えられる。ここで、波形パターン13cには、波形符号13dが付されているのが好ましく、それぞれの波形符号が並べられてなる符号パターンが、前記生理学的データのパターンとして生成される。
【0021】
また、本発明においては、前記生理学的データが、携帯電子装置から受信される1種又は2種以上の生理学的データを含むのが好ましい。
【0022】
前記携帯電子装置は、前記生理学的データを記憶し、前記生理学的データを記情報処理装置に送信可能なものであれば特に限定されず、公知の携帯電子装置であってよい。前記携帯電子装置としては、例えば、タブレットコンピュータ、スマートフォン、身体装着型デバイス又はウェアラブルデバイスなどが挙げられる。なお、前記携帯電子装置は、携帯無線通信機器を含み、手に持っての使用及び/又はハンズフリー使用向けに構成されてもよいし、乗り物(航空、海事又は地上の)に搭載されてもよいし、また地域的に及び/又は地球上及び/又は宇宙の他のあらゆる場所に分散した手法で動作するように配置及び/又は構成されてもよい。本発明においては、前記携帯電子装置が、前記生理学的データを測定可能なものであるのが好ましく、ウェアラブル携帯電子装置であるのがより好ましい。前記ウェアラブル携帯電子装置としては、公知のものであってよく、例えば、リストバンド型、クリップ型、時計型、アイウェア型等の各種ウェアラブルデバイスなどが挙げられる。前記ウェアラブル携帯電子装置のセンサにより生成された前記生理学的データを用いることにより、より効率的かつより簡便に実施することができ、特に大量の生理学的データをより容易に処理することができる。
【0023】
図4のウェアラブル携帯電子装置は、本明細書に記載された生理学的データを生成することに関連するユーザインターフェースを含むウェアラブルデバイス101を示している。なお、ウェアラブルデバイス101のディスプレイ102は、タッチ感知式及び/ 又は圧力感知式であるのが好ましい。このようにして、ディスプレイは、ユーザ入力を受信するための入力コンポーネントとして機能することができる。
【0024】
ウェアラブルデバイス101は、例えば、グラフィカル心臓ユーザインターフェース要素103及び心臓指標104を含んでいる。グラフィカル心臓ユーザインターフェース要素103は、準備フェーズの間に、ディスプレイ102上で脈動してよい。グラフィカル心臓ユーザインターフェース要素103は、ウェアラブルデバイス101のユーザの心拍数に対応する方法で脈動してよい。例えば、1つ以上のセンサが心拍数データを収集してよく、ウェアラブルデバイス101が、グラフィカル心臓ユーザインターフェース要素103に、心拍数データに従って脈動させてよい。同様に、心臓指標104は、利用者の心拍数に対応する。準備フェーズの間、及びディスプレイ102がグラフィカル心臓ユーザインターフェース要素103を含んでいる間に、ウェアラブルデバイス101が、ウェアラブルデバイス101の1つ以上のセンサから信号データを受信していてもよい。この信号データに少なくとも部分的に基づいて、ウェアラブルデバイス101は、ウェアラブルデバイス101の利用者に対応する初期呼吸パターンを推定してよい。初期呼吸パターンは、呼吸事象及び呼吸事象に対応する時間の周期的パターンであってよい。例えば、周期的パターンは、一連の吸い込む息の事象及び一連の吐き出す息の事象を含んでよい。少なくともウェアラブルデバイス101が初期呼吸パターンを推定できるまで、又は一定時間の間、又は一定数の呼吸が識別されるまで、準備フェーズとしてもよい。
【0025】
準備フェーズ後の測定フェーズにおいて、例えば、1つ以上のセンサが心拍数データを収集する。なお、準備フェーズの間に収集されたセンサデータが、測定フェーズの間に収集されたセンサデータと比較されてよい。例えば、利用者の心拍数が比較されてよく、心拍数変動測定値が比較されてよく、利用者の脈拍数が比較されてよく、ストレス、不安などを示すことのある任意のその他の指標が比較されてよい。特に問題なければ、収集された脈拍数をグラフィカル心臓ユーザインターフェース要素103及び心臓指標104として出力し、利用者に確認を求めるOKボタン105をディスプレイ102上に表示する。また、本発明においては、測定フェーズにて収集されたデータは、前記情報処理装置に送信されてよい。
【0026】
前記情報処理装置における前記記憶手段は、1種又は2種以上の生理学的データ及び/又は前記生理学的データのパターンに対応させて前記デフォルト率及び/又は前記残債率を記憶する手段であれば特に限定されない。本発明においては、前記生理学的データ及び/又は前記パターンに対応させて前記デフォルト率及び/又は前記残債率が設定されてよいが、過去の前記デフォルトデータ又はシミュレーション結果を含む実験データを用いて設定されるのが好ましい。
【0027】
前記情報処理装置における前記選択手段は、利用者から前記生理学的データを受け付けると、受け付けた前記生理学的データと同一又は近似する前記記憶手段における前記生理学的データ及び/又は前記パターンを選択する手段であれば特に限定されない。本発明においては、公知の解析手段を用いて、受け付けた前記生理学的データと同一又は近似するかどうかを判定することができる。本発明においては、100%を含む近似値を求めることにより、前記判定が行われてもよい。
【0028】
前記情報処理装置における前記算出手段は、前記選択手段により選択された前記記憶手段における前記生理学的データ及び/又は前記パターンに対応する前記デフォルト率及び/又は前記残債率を用いて、前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出する手段であれば特に限定されない。
【0029】
本発明においては、前記算出手段には、前記生理学的データ及び/又は前記パターン毎の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を平均化又は加重平均化する処理が含まれているのが好ましい。
【0030】
また、前記算出手段は、さらに、利用者の属性情報、収入情報、納税情報、支出情報、信用履歴情報、行動履歴情報又は返済実績等を用いる公知の前記デフォルト率及び/又は前記残債率の算出手段と組み合わせて用いられてもよい。
【0031】
図1は、本発明において用いられる好適な態様の一例として、前記生理学的データ毎に前記利用者の前記デフォルト率が算出され、算出されたそれぞれのデフォルト率を一覧表示したものであり、最下段にデフォルト率の総合平均値が表示されている。このように2種以上の生理学的データを用いることにより、より適切かつより安定したデフォルト率及び/又は残債率を算出することができる。
【0032】
前記の加重平均化する処理としては、好適には、例えば、前記の平均化されたデフォルト率及び/又は残債率(x)を「x1、x2、x3、x4、x5、・・・、xn」とし、例えば、前記生理学的データのデータ数又は信頼係数(w)を「w1、w2、w3、w4、w5、・・・、wn」とした場合、加重平均の下記式(a)によって導き出す処理などが挙げられ、本発明においては、下記式(a)により導き出される前記デフォルト率及び/又は残債率Aが好適に用いられる。このようにすることにより、より適切かつより安定したデフォルト率及び/又は残債率を算出することができる。
【0033】
【0034】
また、本発明においては、前記算出手段に、前記生理学的データ及び/又は前記パターン毎の前記デフォルト率及び/又は前記残債率を用いて、平均と標準偏差で表される確率分布を算出し、算出した前記確率分布に基づいて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率を判定する処理が含まれているのが好ましく、前記確率分布が正規分布であるのが好ましい。このようにすることにより、デフォルト率及び/又は残債率における前記利用者の生理学的データの位置づけをより明確にすることができ、限度額設定においてもより関係を明確にしやすくなる。なお、前記確率分布が正規分布である場合には、前記平均±前記標準偏差×2の範囲に基づき前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出するのが好ましく、前記平均±前記標準偏差×1の範囲に基づき前記デフォルト率及び/又は前記残債率を算出するのがより好ましい。
【0035】
また、本発明においては、前記情報処理装置が、さらに、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の関係性を、前記生理学的データ及び/又は前記パターンに基づいて関数により近似することで、前記デフォルト率及び/又は前記残債率を学習し、前記学習により、前記利用者の前記生理学的データ及び/又は前記パターンから前記デフォルト率及び/又は前記残債率を予測し、予測した予測値を前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率として出力する手段を備えるのが好ましい。なお、前記デフォルト率及び/又は前記残債率と、前記生理学的データ及び/又は前記パターンとは、それぞれ対応させて前記実測値として記憶手段に蓄積してもよく、本発明においては、前記学習が、前記予測値と、前記実測値との関係を学習した学習モデルを生成する処理をさらに含むのが好ましい。このような構成とすることにより、より確度の高い算出を可能とすることができ、より優れた与信情報を得ることができる。
【0036】
前記学習モデルは、ニューラルネットワークを用いるのが好ましい。まず、
図5を参照して、本実施形態に係る学習モデルにおいて用いられるニューラルネットワークについて説明する。
図5は、ニューラルネットワークの一例を示す。
図5における丸印は、人工ニューロンを表している。ニューラルネットワークにおいては、この人工ニューロンは、通常、ノード又はユニットと称される(以下、「ノード」という)。
図5において、L=1は入力層、L=2およびL=3は隠れ層、L=4は出力層を各々示す。また、
図5において、x1およびx2は入力層(L=1)のノード及びそのノードからの出力値を示し、yは出力層(L=4)の各ノード及びそのノードからの出力値を示す。同様に、隠れ層(L=2)のz1、z2およびz3は隠れ層(L=2)の各ノードからの出力値を示し、隠れ層(L=3)のz1およびz2は隠れ層(L=3)の各ノードからの出力値を示す。なお、隠れ層の層数は、1個又は任意の個数とすることができ、入力層のノードの数および隠れ層のノードの数も任意の個数とすることができる。なお、本実施形態では、出力層のノードの数は1個とされている。
【0037】
入力層の各ノードでは、入力がそのまま出力される。一方、隠れ層(L=2)の各ノードには、入力層の各ノードの出力値x1およびx2が入力される。隠れ層(L=2)の各ノードでは、各々対応する重みwおよびバイアスbを用いて総入力値uが算出される。例えば、
図5において隠れ層(L=2)のzk(k=1,2,3)で示されるノードにおいて算出される総入力値ukは、次式のようになる(Mは入力層のノードの数)。
【0038】
【0039】
次いで、この総入力値ukは、活性化関数fにより変換され、隠れ層(L=2)のzkで示されるノードから、出力値zk(=f(uk))として出力される。一方、隠れ層(L=3)の各ノードには、隠れ層(L=2)の各ノードの出力値z1、z2およびz3が入力される。隠れ層(L=3)の各ノードでは、各々対応する重みwおよびバイアスbを用いて総入力値u(Σz・w+b)が算出される。この総入力値uは、同様に活性化関数fにより変換され、隠れ層(L=3)の各ノードから、出力値z1、z2として出力される。なお、本実施形態では、この活性化関数としてシグモイド関数σが用いられている。
【0040】
一方、出力層(L=4)のノードには、隠れ層(L=3)の各ノードの出力値z1およびz2が入力される。出力層のノードでは、各々対応する重みwおよびバイアスbを用いて総入力値u(Σz・w+b)が算出されるか、又は、各々対応する重みwのみを用いて総入力値u(Σz・w)が算出される。本実施形態では、出力層のノードでは活性化関数として恒等関数が用いられており、したがって、出力層のノードからは、出力層のノードにおいて算出された総入力値uが、そのまま出力値yとして出力される。
【0041】
本実施形態では、第一ECU611の学習部93は、誤差逆伝播法を用いて、ニューラルネットワーク内における各重みwの値およびバイアスbの値を学習する。この誤差逆伝播法は周知であり、したがって、誤差逆伝播法についてはその概要を以下に簡単に説明する。なお、バイアスbは重みwの一種なので、以下の説明では、バイアスbは重みwの一つとしている。
【0042】
図5に示すようなニューラルネットワークにおいて、L=2、L=3又はL=4の各層のノードへの入力値u
(L)における重みをw
(L)と表すと、誤差関数Eの重みw
(L)による微分、即ち、勾配∂E/∂w
(L)は、次の(1)式で示される。
【0043】
【0044】
ここで、z(L-1)・∂w(L)=∂u(L)であるので、(∂E/∂u(L))=δ(L)とすると、上記(1)式は、次の(2)式で表すことができる。
【0045】
【0046】
ここで、u(L)が変動すると、次の層の総入力値u(L+1)の変化を通じて誤差関数Eの変動を引き起こすので、δ(L)は、次の(3)式で表すことができる(KはL+1層におけるノードの数)。
【0047】
【0048】
ここで、z(L)=f(u(L))と表すと、上記(3)式の右辺に現れる入力値uk(L+1)は、次の(4)式で表すことができる。
【0049】
【0050】
ここで、上記(3)式の右辺第一項(∂E/∂u(L+1))はδ(L+1)である。上記(3)式の右辺第2項(∂uk(L+1)/∂u(L))は、上記(4)式より、次の(5)式で表すことができる。
【0051】
【0052】
したがって、δ(L)は、上記(3)乃至(5)式より、次の(6)式で表すことができる。
【0053】
【0054】
即ち、δ(L+1)が求まると、δ(L)を求めることができる。
【0055】
さて、或る入力値x及びその入力値xに対する正解データtを含む教師データが求められており、この入力値xに対する出力層からの出力値がyであった場合、誤差関数として二乗誤差が用いられている場合には、二乗誤差Eは、E=(y-t)
2/2で求められる。
図5に示される出力層(L=4)のノードでは、出力値y=f(u
(L))となるため、この場合には、出力層(L=4)のノードにおけるδ
(L)の値は、次の(7)式で示される。
【0056】
【0057】
ところで、本実施形態では、前述したように、f(u(L))は恒等関数であるため、f’(u(Ll))=1となる。したがって、δ(L)=y-tとなり、δ(L)を求めることができる。
【0058】
δ(L)が求まると、上記(6)式を用いて前層のδ(L-1)を求めることができる。このようにして順次、前層のδが求められ、これらδの値を用いて、上記(2)式から、各重みwについて誤差関数Eの微分、即ち、勾配∂E/∂w(L)が求められる。
【0059】
勾配∂E/∂w(L)が求められると、この勾配∂E/∂w(L)を用いて、誤差関数Eの値が減少するように、重みwの値が更新される。即ち、重みwの値の学習が行われることになる。なお、教師データとしてバッチ、又はミニバッチが用いられる場合には、誤差関数Eとして、次の(8)式で示される二乗和誤差Eが用いられる。ここで、Nは教師データの総数であり、iはN以下の自然数(i=1,2,…,N)であり、yi及びtiは入力値xiに対する出力値及び正解データをそれぞれ示す。
【0060】
【0061】
一方、二乗誤差を逐次算出して学習が行われる場合には、誤差関数Eとして、上述の二乗誤差E=(y-t)2/2が用いられる。
【0062】
ニューラルネットワークを用いた学習モデルの具体例について説明する。まず、本実施形態におけるニューラルネットワークで用いられる入力パラメータの一例を説明する。本実施形態における学習モデルの入力パラメータは、前記生理学的データ及び又は前記パターンのうち、2種以上を含むことが好ましい。また、本実施形態における学習モデルの出力パラメータは、通常、前記デフォルト率及び/又は前記残債率である。
【0063】
前記学習モデルでは、前記入力パラメータの実測値が入力される。入力パラメータが入力されると、出力パラメータの予測値を出力する。学習モデルの入力パラメータの実測値と学習モデルの出力パラメータの実測値とを含む教師データを用いて、学習モデルの学習を行う。学習後は、学習後の学習モデルが前記情報処理装置に記憶される。このようにすることにより、より確度の高い算出を可能とすることができ、より優れた与信情報を得ることができるようになる。
【0064】
前記情報処理装置は、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の算出後、さらに、前記デフォルト率及び/又は前記残債率から、与信情報データベースにおける前記与信限度額を前記利用者の前記与信限度額として算出する算出手段を備えているのが好ましく、このような情報処理装置も本発明に含まれる。このような情報処理装置は、例えば、与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率とが少なくとも記憶されている前記与信情報データベースから利用者の与信限度額を算出するための公知の情報処理装置に、前記記憶手段、前記選択手段及び前記算出手段を用いることにより容易に得られる。
【0065】
前記与信限度額は、例えば、前記利用者に対して融資可能な金額の上限であり、公知の与信限度額であってよい。
【0066】
前記与信情報データベースは、与信限度額と、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率とが少なくとも記憶されていれば特に限定されず、公知の与信情報データベースであってよい。前記与信情報データベースとしては、例えば
図6に示されるデータベース等が挙げられる。
図6のデータベースは、利用者ID毎に、融資した場合の利率、デフォルト率、残債率及びランク等を含んでいる。本発明においては、前記与信情報データベースが、前記与信限度額毎にランク分けされているランク情報を含むのが好ましく、前記ランク及び/又は前記利率等は、公知の手段を用いて、前記デフォルト率及び/又は前記残債率から適宜設定され得る。
【0067】
また、前記与信情報データベースは、前記利用者の利用用途毎に前記与信限度額が記憶されているデータベースであってもよく、このようにして用途毎に前記与信限度額を設定することにより、より柔軟かつより個別具体的に前記与信限度額を設定することができる。
【0068】
また、本発明においては、前記情報処理装置が、さらに、前記デフォルト率及び/又は前記残債率の関係性を、前記生理学的データ及び/又は前記パターンに基づいて関数により近似することで、前記デフォルト率及び/又は前記残債率を学習し、前記学習により、前記利用者の前記生理学的データ及び/又は前記パターンから前記デフォルト率及び/又は前記残債率を予測し、予測した予測値を前記利用者の前記デフォルト率及び/又は前記残債率として用いて、前記利用者の前記与信限度額を算出する手段を備えるのが好ましい。なお、前記デフォルト率及び/又は前記残債率と、前記生理学的データ及び/又は前記パターンとは、それぞれ対応させて前記実測値として記憶手段に蓄積してもよく、本発明においては、前記学習が、前記予測値と、前記実測値との関係を学習した学習モデルを生成する処理をさらに含むのが好ましい。なお、前記学習モデルは、前記と同様であってよい。このような構成とすることにより、より確度の高い算出を可能とすることができ、より優れた与信情報を得ることができる。
【0069】
以下、図面を用いてさらに本発明の好適な態様をより具体的に説明するが、本発明はこれら好適な態様に限定されるものではない。
【0070】
図7は、本発明の情報処理システムの好適な実施態様の一例を示す。
図7の情報処理システムは、利用者のユーザ端末1aと、債務不履行の確率であるデフォルト率及び/又は前記債務不履行の状態になった場合に回収が不能となる割合である残債率を算出するための情報処理装置2とが通信回線8を介して通信可能に接続されている。
【0071】
「通信回線」は、特に限定されず、通信可能であれば無線回線であっても、有線回線であってもよいが、電話網又はインターネット網を含むことが、双方向で通信が行えるので好ましい。
【0072】
前記ユーザ端末は、前記情報処理装置2と通信可能に接続される端末であれば特に限定されない。前記ユーザ端末としては、例えば、
図8に示すユーザ端末1a等が挙げられる。
図8は、前記ユーザ端末の機能的要素を示すブロックダイアグラムであり、ユーザ端末1aの各要素間の関係を示すものである。いくつかの機能的要素は、個々に又は他と相まって、
図7で示したユーザ端末1aの部材と関連付けることができる。
【0073】
前記ユーザ端末1aは、前記情報処理装置2と通信回線8を介して通信可能に接続される端末であれば特に限定されず、公知のものであってよい。
図8に示すように、ユーザ端末1aは、記憶部1101、処理部1102、入力部1103、出力部1104、表示部1105及び通信部1106を含んで構成される。すなわち、ユーザ端末1aは、公知のサーバーやコンピュータの基本構成を備えていれば特に限定されず、例えば公知の端末等を用いることができる。
【0074】
図8のユーザ端末1aにおいて、処理部1102は、CPU等の演算処理を行う手段を含む。処理部1102は、記憶部1101に記憶されている情報管理プログラム等を実行することによって、本実施の形態における前記生理学的データ等に関する処理を実現する。記憶部1101は、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶装手段を含む。記憶部1101は、処理部1102とアクセス可能に接続され、各種処理に供されるデータ等を記憶する。入力部1103は、ユーザ端末1aに情報を入力する手段を含む。入力部1103は、例えば、利用者又は情報管理者からの入力を受けるタッチパネルやキーボードを備える。また、入力部1103は、利用者の外部から情報を受け取るネットワークインターフェース等を含み、処理に供されるデータを受信する。出力部1104は、ユーザ端末1aで処理された情報を出力する手段を含む。出力部1104は、例えば、利用者又は情報管理者に対して画像等を呈示するディスプレイを備える。また、出力部1104は、通信回線18を介して、ユーザ端末1aの外部へ情報等を送信するネットワークインターフェース等を含む。表示部1105は例えば、液晶ディスプレイ、ディスプレイパネルなどのディスプレイデバイスである。入力部1103と表示部1105とは、別体であってもよいし、一体化されたタッチパネルとして構成されてもよい。通信部1106は、例えば、通信インタフェースである。
【0075】
前記ユーザ端末は、1種又は2種以上で用いられてよい。また、前記ユーザ端末には、前記生理学的データを収集可能なセンサ部が含まれているのが好ましい。前記センサ部には公知のセンサが用いられてよく、このような好ましいユーザ端末によれば、より容易に前記生理学的データを前記情報処理装置に送信することができ、前記情報処理装置もより信頼性の高いデフォルト率及び/又は残債率をより効率的に算出することができる。
【0076】
前記情報処理装置としては、例えば与信情報管理系ホストコンピュータ等が挙げられる。前記与信情報管理系ホストコンピュータは、前記利用者の与信情報を管理するコンピュータであり、通信回線を介して、前記情報管理者の制御系コンピュータに接続されうる。なお、前記情報処理装置は、前記ユーザ端末と同様の構成を有していてもよい。
【0077】
図9は、
図7の情報処理システムにおいて好適に実施される情報処理フローの一例を模式的に示す図である。かかる処理は、例えば
図8に示されるユーザ端末の各機能が、CPUにて所定のプログラムを実行されることにより実行される。以下では、
図9をもとに本発明の好適な態様を説明する。
【0078】
前記利用者は、前記ユーザ端末1aを用いて、与信情報の要求を行うために、開始画面コンテンツとしてメニュー画面を前記ユーザ端末1aに表示させると、前記開始画面コンテンツは、前記利用者に対し、ログイン情報を求める。なお、前記ログイン情報は利用者認証情報として求められてもよい。ログイン情報が求められると、利用者は、前記ユーザ端末1aを用いて、IDやパスワード等の認証情報をログイン情報として前記情報処理装置2に送信する(S101)。前記情報処理装置2は、前記ユーザ端末1aから認証情報を受信すると、認証確認を行う(S102)。認証確認後、前記情報処理装置2は、前記認証確認結果を前記ユーザ端末1aに対して送信する(S103)。前記ユーザ端末1aは、前記情報処理装置2から前記認証結果を受信すると、前記認証確認結果にエラー情報が付加されている場合には、認証エラーを前記ユーザ端末1aの画面上に表示させる。前記認証確認結果が問題なく完了している場合には、認証処理を完了する。
【0079】
前記認証処理確認後、前記利用者は、前記ユーザ端末1aを用いて、前記情報処理装置2に対し、前記与信情報要求を送信する(S104)。前記情報処理装置2は、前記ユーザ端末1aから前記与信情報要求を受信すると、前記与信情報要求に基づき、与信情報を作成するためのデフォルト率算出に必要な生理学的データ要求を作成する(S105)。前記情報処理装置2は、前記生理学的データ要求作成後、前記ユーザ端末1aに対して、前記生理学的データ要求を送信する(S106)。前記ユーザ端末1aが、前記情報処理装置2から前記生理学的データ要求を受信した後、前記利用者は、前記生理学的データ要求に従い、前記ユーザ端末の記憶部に格納されている前記生理学的データを抽出する(S107)。なお、本発明においては、前記生理学的データ要求を受信後、利用者は、前記ユーザ端末を用いて前記生理学的データを計測・収集してもよい。そして、前記利用者は、前記ユーザ端末1aを用いて、前記生理学的データを前記情報処理装置2に送信する(S108)。前記情報処理装置2は、前記ユーザ端末1aから前記生理学的データを受信すると、前記利用者の前記生理学的データに基づき、前記利用者のデフォルト率を算出する(S109)。なお、デフォルト率の算出については、前記した通りの算出手段が用いられる。デフォルト率の算出後、情報処理装置2は、算出されたデフォルト率に基づき、与信情報を作成する(S110)。与信情報は、例えば、任意の金額等に対する与信情報であってもよく、より具体的に例えば、
図6に示される任意の金額に対する利率又はランクを含む与信情報であってよい。与信情報の作成後、前記情報処理装置2は、前記ユーザ端末1aに対し、作成した前記与信情報を送信する(S111)。
【0080】
以上のように与信情報を利用者が入手することにより、より適切な与信情報の提供のみならず、前記生理学的データの向上と、与信限度額の拡大等の与信に関する信頼性向上とを支援することができる。
【0081】
また、本発明においては、前記ユーザ端末と前記情報処理装置とが、決済事業者の決済端末を介して通信可能に接続されており、前記情報処理装置が、前記決済端末から前記利用者の与信要求を決済金額とともに受信すると、前記利用者のデフォルト率及び/又は残債率に基づき、前記決済金額に対する与信処理を行った後、与信処理結果を前記決済端末に送信する手段を有しているのが好ましい。このような好ましい態様としては、例えば
図10に示される情報処理システムなどが挙げられる。
【0082】
図10の情報処理システムは、前記ユーザ端末1a、1bと前記情報処理装置2とが、決済事業者の決済端末3を介して通信可能に接続されている。前記決済事業者は、決済を行う者であれば特に限定されず、本発明においては、クレジットカード発行事業者以外に、ハウスプリペイド事業者、電子マネー事業者、キャリア決済事業者なども含み、さらには、収納代行業者、代引決済業者、リース業者、貸金業者なども前記決済事業者に含まれる。
【0083】
情報処理装置2は、予め利用者Bのユーザ端末1b等から生理学的データとデフォルトの有無等のデータを収集し、利用者情報とともに、1種又は2種以上の生理学的データ及び/又は前記生理学的データのパターンに対応させて前記デフォルト率及び/又は前記残債率を記憶している。
【0084】
利用者Aは決済事業者に後払い等の決済を依頼する際に、前記決済事業者は、決済端末3を用いて、前記情報処理装置2に与信審査を要求する。与信審査要求を受信した情報処理装置2は、前記利用者の与信情報を抽出し、必要により、前記決済事業者又は前記利用者に対し、前記与信情報作成のために必要な生理学的データの情報を要求する。前記情報処理装置2は、前記利用者の与信情報を抽出した後、前記与信審査要求に基づき、与信審査を行う。例えば、決済金額が与信限度額の範囲内か否かを判定し、その結果を与信審査結果として前記決済端末3に送信する。前記情報処理装置から与信審査結果を受信した前記決済端末は、特に問題なければ決済処理を進め、問題があればエラー情報を表示する。
【0085】
以上のようにすることにより、利用者のデフォルト率、残債率又は与信限度額をより適切に算出でき、より適切な与信情報を処理することができ、利用者の健康や経済活動をより支援しつつ、与信精度もより向上させて、より利便性を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法又はこれらに適用されるプログラムは、融資を含め、あらゆる決済関連の事業に用いられる与信審査等に有用である。
【符号の説明】
【0087】
1a ユーザ端末
1b ユーザ端末
2 情報処理装置
3 決済端末
8 通信回線
11 マルチパラメータモニター
12 表示画面
13a 心拍数(脈拍数)
13b 心拍数(脈拍数)の波形
13c 波形パターン
13d 波形符号
14a 血圧
14b 血圧の波形
15a 酸素飽和度(SpO2)
15b 酸素飽和度(SpO2)の波形
16a 体温
16b 体温の波形
17a 呼吸数
17b 呼吸数の波形
19 近似値
101 ウェアラブルデバイス
102 ディスプレイ
103 グラフィカル心臓ユーザインターフェース要素
104 心臓指標(心拍数)
105 OKボタン
1101 記憶部
1102 処理部
1103 入力部
1104 出力部
1105 表示部
1106 通信部