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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】水処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240423BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20240423BHJP
   E03C 1/01 20060101ALI20240423BHJP
   E03C 1/122 20060101ALI20240423BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240423BHJP
【FI】
G06Q10/06
A47K3/28
E03C1/01
E03C1/122 Z
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022166508
(22)【出願日】2022-10-17
(62)【分割の表示】P 2020138883の分割
【原出願日】2018-09-20
(65)【公開番号】P2023009055
(43)【公開日】2023-01-19
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2017180580
(32)【優先日】2017-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】517039483
【氏名又は名称】WOTA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】北川 力
(72)【発明者】
【氏名】奥寺 昇平
(72)【発明者】
【氏名】西尾 学
(72)【発明者】
【氏名】山田 諒
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-107464(JP,A)
【文献】特表2012-524848(JP,A)
【文献】特開2008-55290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A47K 3/28
E03C 1/01
E03C 1/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された水がユーザにより使用されると、その使用済みの水を排水として出力する1以上の使用手段を含む水処理システムであって、第1ユーザが前記水を使用した後に当該第1ユーザによる使用済みの前記排水を浄化して、当該第1ユーザの次の第2ユーザ用の前記水として使用する水処理システムにおいて、
前記1以上の使用手段を制御対象とする情報処理装置の夫々に入力された前記水と、前記1以上の使用手段の夫々から出力された前記排水とのうち、少なくとも一部に関する所定の物理量又はそれに基づく量を検出し得る1以上の検出手段と、
前記1以上の検出手段のうち少なくとも一部の結果に基づいて、前記1以上の使用手段の夫々の前記ユーザの使用に関する情報を生成する情報生成手段と、
前記1以上の使用手段から出力された前記排水のうち少なくとも一部に対して所定の水処理を行い得る1以上の水処理手段と、
前記1以上の検出手段の夫々の結果に基づいて、前記1以上の使用手段の夫々と、前記1以上の水処理手段とのうち少なくとも一部を制御対象として、当該制御対象に対する所定の制御を実行する制御手段と、
を備え、
前記情報生成手段は、
前記1以上の使用手段の夫々における、前記ユーザによる水の使用開始、使用停止、使用量、使用時間、及び前記排水の水質に関する情報のうち少なくとも1つを含む水使用情報を生成し、
前記制御手段は、
生成された前記水使用情報に基づいて、前記所定の制御として、前記1以上の使用手段に対する前記所定の水処理を行った水の入力の制御を行い、
前記水処理手段は、1以上の浄化手段を含み、
前記第2ユーザによる前記水の使用準備の指示があると、前記水使用情報に基づいて、前記1以上の浄化手段のうち、当該第1ユーザの前記排水の処理に使用する前記浄化手段前記排水を浄化して前記第2ユーザが使用する前記水にするための準備を含む、当該第2ユーザが当該水の使用を開始できるようになるまでの前記水処理システムの準備時間を決定する準備時間決定手段をさらに備える、
水処理システム。
【請求項2】
前記情報生成手段は、
前記1以上の使用手段の夫々を利用するユーザの利用状況と、前記1以上の使用手段を利用しようとするユーザが前記使用手段を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含むユーザ利用情報を生成する、
請求項1に記載の水処理システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記所定の制御として、前記水使用情報に基づいて、さらに、
前記使用手段から散水される水の水量の制御をする、
請求項1又は2に記載の水処理システム。
【請求項4】
前記使用手段は、
シャワー、トイレ、洗濯機のうち少なくとも1つを含み、
前記制御手段は、
前記水使用情報に基づいて、前記所定の制御として、さらに、
前記使用手段から散水される水の圧力の制御をする、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の水処理システム。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記所定の制御として、さらに、
前記使用手段から散水される水の温度と量との制御をする、
請求項3又は4に記載の水処理システム。
【請求項6】
前記水使用情報に基づいて、前記1以上の浄化手段のうち、前記排水の処理に使用する前記浄化手段の構成を決定する構成決定手段をさらに備える、
請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の水処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、最小限のスペースでシャワーブースを効率良く共用できるシャワー設備に関する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-191866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含め従来技術は、1台のシャワーブースの利用効率を上げることができるシャワー設備であり、より多人数で共用するには不十分であった。また、シャワー設備に限らず、水を使用して排水する装置(以下、「水使用装置」)を効率良く共有したいとする要求がある。さらに、水を確保することが困難な環境において、水使用装置に使用する水として、排水を再利用したいとする要求がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、シャワーを含む複数の水使用手段を効率良く共用することができ、かつ、水を確保することが困難な環境でも排水を利用できる水処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の水処理システムは、
入力された水がユーザにより使用されると、その使用済みの水を排水として出力する1以上の使用手段を制御対象とする情報処理装置を含む水処理システムにおいて、
前記1以上の使用手段の夫々に入力された前記水と、前記1以上の使用手段の夫々から出力された前記排水とのうち、少なくとも一部に関する所定の物理量又はそれに基づく量を検出し得る1以上の検出手段と、
前記1以上の検出手段のうち少なくとも一部の結果に基づいて、前記1以上の使用手段の夫々の前記ユーザの使用に関する情報を生成する情報生成手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シャワーを含む複数の水使用手段を効率良く共用することができ、かつ、水を確保することが困難な環境でも排水を利用できる水処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る水循環管理システムの構成を示す図である。
図2図1の水処理装置から出力される処理済水の量を調整する出力調整機能を示す図である。
図3図1の水循環管理システムのうち、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成のうち、水循環処理と、フィルタ決定処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5】シャワーブースを利用しようとするユーザのユーザ端末に表示される画面の具体例を示す図である。
図6A】シャワーブースの待ち時間の推定に用いられるグラフである。
図6B】シャワーブースの待ち時間の推定に用いられるグラフである。
図6C】シャワーブースの待ち時間の推定に用いられるグラフである。
図7】シャワーブースを利用しようとするユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図8】シャワーブースを利用しようとするユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図9A】シャワーブースを利用しようとするユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図9B】シャワーブースを利用しようとするユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図9C】シャワーブースを利用しようとするユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図10A】シャワーブースの利用中、又はシャワーブースの利用後に、ユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図10B】シャワーブースの利用中、又はシャワーブースの利用後に、ユーザのユーザ端末に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図11A】シャワーブースの利用を終了する操作を行うための操作画面の具体例を示す図である。
図11B】シャワーブースの利用を終了する操作を行うための操作画面の具体例を示す図である。
図12】ユーザ端末に表示されるメンテナンス画面の具体例を示す図である。
図13】ユーザ端末に表示されるメンテナンス画面から、センサデータの詳細を表示させた場合の具体例を示す図である。
図14】ユーザ端末に表示されるメンテナンス画面から、フィルタ情報の詳細を表示させた場合の具体例を示す図である。
図15A】排水の処理に用いられる浄化手段としてのフィルタの構成を示す図である。
図15B】排水の処理に用いられる浄化手段としてのフィルタの構成を示す図である。
図16】本発明の第2実施形態に係る水循環管理システムの構成の一部を示す図である。
図17】本発明の第3実施形態に係る水循環管理システムの構成を示す図である。
図18A】ユーザによる利用が可能である状態を示す画面である。
図18B】ユーザが利用中の状態を示す画面である。
図18C】水処理中の状態を示す画面である。
図19】本発明の第4実施形態に係る水循環管理システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
(システム構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る水循環管理システムS1の構成を示す図である。
【0010】
本発明の第1実施形態に係る水循環管理システムS1は、サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-n(nは1以上の任意の整数値)と、水処理装置3と、処理済水センサ4C-1乃至4C-4と、排水センサ4D-1乃至4D-4と、シャワーブース5-1乃至5-4とを含むように構成されている。
サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2nと、水処理装置3と、処理済水センサ4C-1乃至4C-4と、排水センサ4D-1乃至4D-4と、シャワーブース5-1乃至5-4とは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0011】
図1に示す水循環管理システムS1は、水処理装置3に複数のシャワーブース5-1乃至5-4を直列、並列又は直列及び並列の組合せにより水路WLで配管し接続する構成となっている。なお、水路WLのうち、実線は処理済水が流れる水路を示し、破線は排水が流れる水路を示している。サーバ1は、水路WL、又は後述するバルブ52に取り付けられた処理済水センサ4C-1乃至4C-4、及び排水センサ4D-1乃至4D-4の夫々のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々の利用状況を検知する。
【0012】
なお、ユーザ端末2-1乃至2-n、及びユーザU1乃至Unの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「ユーザ端末2」、「ユーザU」の夫々と呼ぶ。また、処理済水センサ4C-1乃至4C-4の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「処理済水センサ4C」の夫々と呼ぶ。また、排水センサ4D-1乃至4D-4の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「排水センサ4D」の夫々と呼ぶ。また、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、「シャワーブース5」の夫々と呼ぶ。
以下、水循環管理システムS1を構成する各要素について説明する。
【0013】
(サーバ)
サーバ1は、センシング手段のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
具体的には、サーバ1は、処理済水センサ4C-1乃至4C-4、及び排水センサ4D-1乃至4D-4のセンシングにより得られたセンシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
これにより、シャワーブースを含む複数の水使用装置を効率良く共用できる水循環管理システムを提供することができる。
【0014】
また、サーバ1は、センシングデータに基づいて、1以上の使用手段における、処理済水の使用開始、使用停止、使用量、使用時間、使用環境等、処理済水に関する各種情報と、排水の排水開始、排水停止、排水量、水質汚染度等、排水に関する各種情報とのうち少なくとも1つを含む情報(以下、「水使用情報」と呼ぶ)を生成する。
具体的には、サーバ1は、センシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4における水使用情報を生成する。
これにより、シャワーブースを含む複数の水使用装置を効率良く共用できるようにするための水使用情報を得ることができる。
【0015】
また、サーバ1は、センシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々を利用するユーザの利用状況と、1以上の使用手段の夫々を利用しようとするユーザが使用手段を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含む情報(以下、「ユーザ利用情報」と呼ぶ)を生成する。
具体的には、サーバ1は、センシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を利用するユーザUの利用状況と、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を利用しようとするユーザUがシャワーブース5を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含むユーザ利用情報を生成する。
サーバ1により生成されたユーザ利用情報は、ユーザ端末2、又はシャワーブース5の外壁に取り付けられた、後述するタッチパネル54に表示される。
これにより、シャワーブース5を利用しようとするユーザUは、シャワーブース5が利用可能になるまでの状況を即座に把握することができる。その結果、ユーザUの利便性を向上させることができる。
なお、サーバ1が備える機能の具体的な内容は、図4を参照して後述する。
【0016】
(ユーザ端末)
ユーザ端末2は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUが操作する情報処理装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0017】
(水処理装置)
水処理装置3は、1以上の浄化手段を用いて、1以上の使用手段から出力された排水の処理を行い、1以上の使用手段で再利用可能な処理済水を生成する。
具体的には、水処理装置3は、フィルタ31-1乃至フィルタ31-m(mは1以上の任意の整数値)を用いて、シャワーブース5-1乃至5-4から出力された排水の処理を行い、シャワーブース5-1乃至5-4で再利用可能な処理済水を生成する。
フィルタ31は、ストレーナー、糸巻きタイプのフィルタ、セディメントフィルタ、限外濾過(Ultra Filtration Membrane)タイプのフィルタ(以下、「UFフィルタ」と呼ぶ)、精密濾過フィルタ、逆浸透(Reverse Osmosis Membrane)タイプのフィルタ(以下、「ROフィルタ」と呼ぶ)、正浸透フィルタ、イオン交換フィルタ、生物処理、活性炭フィルタ、ナノフィルタ(NF)、砂ろ過、セラミックフィルタ、遠心分離フィルタなどのうち少なくとも1つ以上で構成される。
【0018】
排水処理タンク32は、中間タンクと濃縮タンクとを含むように構成されている。中間タンクは、一部のフィルタ31を通過した水を一時的に貯めて浄化を行う。浄化により生じた濃縮水は、濃縮タンクに一時的に貯められて、メンテナンスが実施された際に廃棄される。このように、中間タンクを設けて、水の浄化を行うことにより、フィルタ31の消耗が減るため、フィルタ31の寿命を引き延ばすことができる。また、中間タンクに水を一時的に貯めておくことにより、水の全有機炭素(TOC)と全窒素(TN)とを推定することもできる。これにより、水の分析にかけるコストを削減することができる。
貯水タンク33は、生成された処理済水を貯めておくためのタンクである。貯水タンク33に貯められた処理済水は、シャワーブース5に出力される。
また、生成された処理済水は、ヒーター(図示せず)によって温度調節される。
【0019】
(処理済水センサ)
処理済水センサ4Cは、1以上の使用手段の夫々に入力される処理済水のセンシングを行う。
具体的には、処理済水センサ4Cは、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々に入力される処理済水のセンシングを行う。
【0020】
(排水センサ)
排水センサ4Dは、1以上の使用手段の夫々から出力された排水のセンシングを行う。
具体的には、排水センサ4Dは、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々から出力された排水のセンシングを行う。
【0021】
処理済水センサ4C及び排水センサ4Dは、水圧、流量、pH、粘度、濁度、色度、臭気、全有機炭素、全無機炭素、全炭素、硝酸態窒素、亜硝酸体窒素、アンモニア態窒素、全窒素、残留塩素、溶存酸素、全リン、電気伝導度、及び温度の検知を可能とする少なくとも1つ以上のセンサで構成されている。
【0022】
(シャワーブース)
シャワーブース5は、ユーザUが利用するシャワーを備えるブースであり、ポンプ51と、バルブ52と、シャワーヘッド53と、タッチパネル54と、排水パン(図示せず)とを備える。シャワーブース5は、使用するユーザUの種別に応じて、男性用、女性用、子供用、ペット用等に利用条件を設定することができる。
ポンプ51は、生成された処理済水の少なくとも一部を、バルブ52を介してシャワーヘッド53に入力する。また、ポンプ51は、生成された処理済水の少なくとも一部を、他のシャワーブース5が備えるポンプ51に送り出す。
具体的には例えば、図1に示すように、ポンプ51-1は、水処理装置3により生成された処理済水の少なくとも一部を、バルブ52-1を介してシャワーヘッド53-1に入力する。また、ポンプ51-1は、水処理装置3により生成された処理済水の少なくとも一部を、シャワーブース5-2が備えるポンプ51-2に送り出す。
ポンプ51-1乃至51-4は、容積式ポンプ、非容積式ポンプ、水槌ポンプ、気泡ポンプ、噴射ポンプ、水中ポンプ等のポンプで構成されている。
バルブ52は、シャワーブース5を利用するユーザUが、シャワーヘッド53から散水される処理済水の圧力を調節する操作をおこなうためのバルブである。
シャワーヘッド53は、ポンプ51により入力された処理済水を散水するためのシャワーヘッドである。
タッチパネル54は、シャワーブース5の外壁に取り付けられているタッチパネルであり、水使用情報、及びユーザ利用情報を表示する。また、タッチパネル54は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUの入力操作を受け付ける。
【0023】
図2は、水処理装置3から出力される処理済水の量を調整する出力調整機能を示す図である。具体的には、図2には、シャワーブース5-1乃至5-4のうち、2台が稼働している場合におけるシャワーブース5と水処理装置3の出力との関係が示されている。
【0024】
サーバ1は、センシングデータから生成した水使用情報に基づいて、水処理装置3から出力される処理済水の量を調節する。
例えば、シャワーブース5-1乃至5-4のうち一部が休止しているような場合には、サーバ1は、稼働しているシャワーブース5の台数に応じて、水処理装置3から出力される処理済水の量を調節する。これにより、水処理装置3の電力の消費を抑えることができる。また、必要以上に処理済水が出力されることを抑えることができる。
具体的には例えば、図2に示す例では、シャワーブース5-1乃至5-4のうち2台が休止している。このため、サーバ1は、センシングデータから生成した水使用情報に基づいて、水処理装置3から出力される処理済水の量を、シャワーブース5-1乃至5-4のすべてが稼働しているときの出力(100%)の半分(50%)に減らす調節を行う。
また、水処理装置3から出力される処理済水の量を半分(50%)の出力とした後、シャワーブース5-1乃至5-4のすべてが稼働する状態になった場合には、サーバ1は、水処理装置3から出力される処理済水の量を倍増させる。これにより、シャワーの水圧が足りないといった事象が生じることを防ぐことができる。
このように、サーバ1が、センシングデータから生成した水使用情報に基づいて、水処理装置3から出力される処理済水の量を調節するので、シャワーブース5を複数台運用させた場合であっても、シャワーの水圧が一定になり、ユーザUの快適性を向上させることができる。
【0025】
(ハードウェア構成)
図3は、図1の水循環管理システムのうち、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0027】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0028】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0029】
出力部16は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0030】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えばユーザ端末2、水処理装置3、処理済水センサ4C、排水センサ4D、及びシャワーブース5)との間で行う通信を制御する。
【0031】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0032】
このような図3のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理の実行が可能になる。
なお、図示はしないが、図1の水循環管理システムのうち、ユーザ端末2、水処理装置3、処理済水センサ4C、排水センサ4D、及びシャワーブース5も、図5に示すハードウェア構成を有している。ただし、ユーザ端末2、及びシャワーブース5は、出力部16及び入力部17として、タッチパネルを有している。
【0033】
(機能的構成)
図4は、図3のサーバ1の機能的構成のうち、水循環処理と、フィルタ決定処理とを実現させる機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0034】
「水循環処理」とは、水を使用して排水する1以上の水使用装置と、排水を浄化して、水使用装置が使用可能な水を生成する1以上の水処理装置との間における水の流れを管理するための処理をいう。
「フィルタ決定処理」とは、水処理装置3が備える1以上のフィルタ31のうち、水処理装置3による排水の処理に使用する1以上のフィルタ31の構成を決定する処理をいう。
【0035】
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、水循環処理が実行される場合には、取得部101と、情報生成部102と、入力制御部103とが機能する。また、フィルタ決定処理が実行される場合には、さらに決定部104が機能する。
なお、記憶部18の一領域には、センシングDB401と、水使用DB402と、ユーザ利用DB403とが設けられている。
【0036】
取得部101は、センシングにより得られたセンシングデータを取得する。
具体的には、取得部101は、処理済センサ4C及び排水センサ4Dのセンシングにより得られたセンシングデータを取得する。取得されたセンシングデータは、センシングDB401に記憶されて管理される。
【0037】
情報生成部102は、センシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々における、処理済水の使用開始、使用停止、使用量、及び使用時間のうち少なくとも1つを含む水使用情報を生成する。
具体的には、情報生成部102は、センシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々における、処理済水の使用開始、使用停止、使用量、及び使用時間のうち少なくとも1つを含む水使用情報を生成する。生成された水使用情報は、水使用DB402に記憶されて管理される。
【0038】
また、情報生成部102は、センシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々を利用するユーザの利用状況と、1以上の使用手段を利用しようとするユーザが使用手段を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含むユーザ利用情報を生成する。
具体的には、情報生成部102は、センシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を利用するユーザUの利用状況と、シャワーブース5を利用しようとするユーザUがシャワーブース5を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含むユーザ利用情報を生成する。生成されたユーザ利用情報は、ユーザ利用DB403に記憶されて管理される。
【0039】
入力制御部103は、センシングにより得られたセンシングデータに基づいて、1以上の使用手段の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
具体的には、入力制御部103は、センシングにより得られたセンシングデータに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々に対する処理済水の入力を制御する
【0040】
また、情報生成部102により水使用情報が生成された場合には、入力制御部103は、さらに、水使用情報に基づいて、1以上の使用手段の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
具体的には、入力制御部103は、センシングデータと、センシングデータに基づき生成された水使用情報とに基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
【0041】
決定部104は、水使用情報に基づいて、1以上の浄化手段のうち、排水の処理に使用する浄化手段の構成を決定する。
具体的には、決定部104は、水使用情報に基づいて、フィルタ31-1乃至31-mのうち、排水の処理に使用する1以上のフィルタ31の構成を決定する。
【0042】
センシングDB401には、処理済センサ4C及び排水センサ4Dのセンシングにより得られたセンシングデータが記憶され管理されている。
水使用DB402には、センシングデータに基づいて生成された水使用情報が記憶され管理されている。
ユーザ利用DB404には、センシングデータに基づいて生成されたユーザ利用情報が記憶され管理されている。
【0043】
図5は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUのユーザ端末2に表示される画面の具体例を示す図である。
【0044】
上述したように、サーバ1は、センシングデータに基づいて、ユーザ利用情報を生成し、これをユーザ端末2に表示させる。
図5に示すように、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々には、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を一意に識別するための情報として、1乃至4のシャワーIDが夫々付与されている。ユーザ端末2には、ユーザ利用情報として、シャワーID毎の待ち時間が表示される。
これにより、これからシャワーブース5を利用してシャワーを浴びたいと考えるユーザUは、シャワーを浴びることができるようになるまでの時間を即座に知ることができるので、ユーザUの利便性を向上させることができる。
具体的には、シャワーIDが「01」のシャワーブース5-1の待ち時間が「5min(分)」であることと、シャワーIDが「02」のシャワーブース5-2の待ち時間が「15min(分)」であることと、シャワーIDが「03」のシャワーブース5-3の待ち時間が「1min(分)」であることと、シャワーIDが「04」のシャワーブース5-4の待ち時間が「OK(即ち、即時利用可)」であることがユーザ端末2に表示されている。これにより、ユーザUは、シャワーIDが「04」のシャワーブース5-4を直ぐに利用することができることを即座に知ることができる。
【0045】
次に、シャワーブース5の待ち時間を推定する手法について説明する。
図6は、シャワーブース5の待ち時間の推定に用いられるグラフである。なお、図6のグラフの横軸は時間(分)を示し、縦軸は水量を示している。
【0046】
図6のグラフに実線で示されている曲線L1は、蓄積されたセンシングデータに基づいた形状となっているため、ユーザU1乃至Unの夫々がシャワーブース5を利用する時間を推定する際の根拠情報となる。
具体的には、図6Aは、シャワーIDが「01」のシャワーブース5-1の待ち時間を推定するときに用いられるグラフである。図6Aに示すように、シャワーIDが「01」のシャワーブース5-1の待ち時間は、「残り5分」と推定されている。
また、図6Bは、シャワーIDが「02」のシャワーブース5-2の待ち時間を推定するときに用いられるグラフである。図6Bに示すように、シャワーIDが「02」のシャワーブース5-2の待ち時間は、「残り15分」と推定されている。
また、図6Cは、シャワーIDが「03」のシャワーブース5-3の待ち時間を推定するときに用いられるグラフである。図6Cに示すように、シャワーIDが「03」のシャワーブース5-3の待ち時間は、「残り1分」と推定されている。
【0047】
図7は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUのユーザ端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
【0048】
上述の図6には、シャワーブース5-1乃至5-4を利用することができるまでの時間が表示されていたが、図7には、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々の状況を示す情報が表示されている。
図7に示す例では、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々の状況毎にタブで区分けされた情報が表示されている。具体的には、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々の状況として、「利用中」、「利用可」、「メンテ中(メンテナンス中)」が例示されている。そして、シャワーIDが「04」のシャワーブース5-4が「利用可」であることが示されている。これにより、ユーザUは、シャワーIDが「04」のシャワーブース5-4を直ぐに利用することができることを即座に知ることができるので、ユーザUの利便性を向上させることができる。
【0049】
図8は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUのユーザ端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
【0050】
図8に示す操作画面の表示領域F1には、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々を示すボタンが配置されている。具体的には、「シャワーブース(ID:01)」と表示されたボタンと、「シャワーブース(ID:02)」と表示されたボタンと、「シャワーブース(ID:03)」と表示されたボタンと、「シャワーブース(ID:04)」と表示されたボタンが配置されている。例えば、ユーザUが、シャワーブース5-4の状況を知りたいと考えた場合には、シャワーブース5-4を示す「シャワーブース(ID:04)」と表示されたボタンを押下する。
【0051】
図9は、シャワーブース5を利用しようとするユーザUのユーザ端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
【0052】
ユーザUは、ユーザ端末2を操作することにより、シャワーブース5-1乃至5-4のいずれか1台を選択して、シャワーブース5を利用可能な状態にするための準備(以下、「利用準備」と呼ぶ)の開始を指示することができる。
【0053】
ユーザUからシャワーブース5の利用準備の指示が出されると、シャワーブース5の利用準備が開始される。具体的には、水処理装置3において、所定温度の処理済水が、所定の圧力で出力されるための準備が開始される。
図9Aは、ユーザ端末2に表示される画面のうち、シャワーブース5の利用準備が開始されたときに表示される画面の具体例を示す図である。具体的は、「利用準備を開始します」というメッセージとともに、表示領域F11には、利用準備が完了するまでの残り時間として「30:00(30分間)」が表示されている。なお、シャワーブース5の利用準備には、排水を浄化してシャワーに使用される処理済水の準備や、水温を目標温度にするための準備等が含まれる。
【0054】
シャワーブース5の利用準備が完了すると、その旨がユーザ端末2に表示される。
図9Bは、ユーザ端末2に表示される画面のうち、シャワーブース5の利用準備が完了したときに表示される画面の具体例を示す図である。
具体的は、「ユーザ画面へ切り替わります」というメッセージとともに、表示領域F11には、利用準備が完了するまでの残り時間として「00:00(0分間)」が表示されている。
【0055】
図9Cは、ユーザ端末2に表示される画面のうち、シャワーブース5を利用できる状態になったときに表示されるユーザ画面の具体例を示す図である。図9Cに示すユーザ画面は、表示領域F21乃至F23を含むように構成されている。具体的には、表示領域F21には、シャワー用に準備された処理済水の水質(きれい)が表示されている。また、表示領域F22には、シャワーブース5の利用可能時間(15分)が表示されている。また、表示領域F23には、シャワー用に準備された処理済水の量(40L(リットル))が表示されている。これにより、ユーザUは、シャワーブース5の利用を開始する前に、処理済水の水質、シャワーブース5の利用可能時間、及びシャワーブース5の利用に伴い使用できる処理済水の量を確認することができる。
【0056】
図10は、シャワーブース5の利用中、又はシャワーブース5の利用後に、ユーザUのユーザ端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
【0057】
図10Aは、シャワーブース5の利用中にユーザUのユーザ端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
上述の図10Aに示す画面は、表示領域F31と、表示領域F32とを含むように構成されている。表示領域F31には、ユーザUがシャワーブース5の利用を開始してから経過した時間が05:00(5分)であることが表示されている。表示領域F32には、ユーザUが、シャワーブース5の利用を終了させるときに押下するボタンB31が表示されている。
図10Bは、シャワーブース5の利用後にユーザUのユーザ端末2に表示される操作画面の具体例を示す図である。
図10Aに示すボタンB31が押下されると、図10Bに示すように、シャワーブース5を利用したユーザUのユーザ端末2に、シャワーブース5の利用結果(以下、「入浴結果」と呼ぶ)を示す画面が表示される。図10Bに示す画面は、表示領域F41と、表示領域F42とを含むように構成されている。表示領域F41には、シャワーブース5の利用時間(入浴時間)が10:00(10分)であったことと、シャワーブース5の利用に伴い使用した処理済水の量が25L(リットル)であったことが表示されている。表示領域F42には、ユーザUが、表示領域F41に表示された入浴結果を確認した場合に押下するボタンB41が表示されている。ボタンB41が押下されると、ユーザ端末2には、シャワーブース5の利用を終了する操作を行うための操作画面(図11)が表示される。
また、図示はしないが、シャワーブース5にトラブルが生じた場合、ユーザ端末2には、アラートが表示されるとともに、オペレータへの連絡先が表示される。また、必要に応じてメンテナンス画面が表示される。なお、メンテナンス画面の詳細は、図12を参照して後述する。
【0058】
図11は、シャワーブース5の利用を終了する操作を行うための操作画面の具体例を示す図である。
【0059】
図11Aは、シャワーブース5のメンテナンスを行った後に、シャワーブース5の利用を終了する指示を出すための操作画面の一例を示す図である。
具体的には、「メンテナンスを行って終了しますか?」というメッセージが表示されるとともに、表示領域F51には、「はい(推奨)」と記載されたボタンB511と、「いいえ」と記載されたボタンB512とが表示されている。ユーザUは、表示領域F51に表示された2つのボタンのうちいずれかを押下する。
【0060】
図11Aの表示領域F51に表示された2つのボタンのうち、「いいえ」と記載されたボタンB512が押下されると、そのままシャワーブース5の利用が終了することができる。これに対して、「はい(推奨)」と記載されたボタンB511が押下されると、シャワーブース5のメンテナンスを行うための操作画面が表示される。
【0061】
図11Bは、シャワーブース5のメンテナンスを行うための操作画面の一例を示す図である。具体的には、シャワーブース5のメンテナンス作業を、以下の3つのステップで実施することが示されている。即ち、第1ステップとして、濃縮水を排水する作業を実施する旨の案内として「濃縮水の排水を実施してください」というメッセージが表示されている。また、第2ステップとして、フラッシングを実施する旨の案内として「フラッシングを実施してください」というメッセージが表示されている。また、第3ステップとして、シャワーブース5の排水用タンクに貯まった排水を捨てる作業を実施する旨の案内として「排水タンクを取り外して、排水を実施してください」というメッセージが表示されている。各ステップの案内文の下の表示領域F61には、各ステップにおけるメンテナンス作業が実施されたときに押下する、「完了」と記載されたボタンが夫々表示されている。
【0062】
図12は、ユーザ端末2に表示されるメンテナンス画面の具体例を示す図である。
【0063】
処理済水センサ4C及び排水センサ4Dのセンシングにより得られたセンシングデータによれば、上述した水使用情報及びユーザ利用情報の他に、ポンプ51の状態に関する情報(以下、「ポンプ情報」と呼ぶ)、バルブ52の状態に関する情報(以下、「バルブ情報」と呼ぶ)、及びフィルタ31の状態に関する情報(以下、「フィルタ情報」と呼ぶ)を生成することができる。メンテナンスが実施される際、ユーザ端末2には、水使用情報、ポンプ情報、バルブ情報、及びフィルタ情報で構成されるメンテナンス画面が表示される。
【0064】
図12に示すように、メンテナンス画面は、表示領域F71乃至F74を含むように構成されている。表示領域F71には、「センサ値(時系列データを確認する)」と記載された表題とともに、処理済水センサ4C及び排水センサ4Dのセンシングにより得られたセンシングデータの内容が表示されている。ここで、表示されるセンシングデータの内容は特に限定されないが、図11に示す例には、対応するポンプ51を一意に識別するID番号(SP ID)と、各種水質データ(A乃至D)とが表示されている。
【0065】
表示領域F72には、ポンプ情報の具体例として、「A」、「B」、及び「C」と表示された3つのポンプ51を示すアイコンが表示されており、このうち、「A」と表示されたアイコンのみ着色されている。これは、「A」と表示されたアイコンが示すポンプ51が稼働していることを意味している。
【0066】
表示領域F73には、バルブ情報の具体例として、「A」、「B」、及び「C」と表示された3つのバルブ52を示すアイコンが表示されており、このうち、「A」と表示されたアイコンと、「B」と表示されたアイコンとが着色されている。これは、「A」と表示されたアイコンが示すポンプ51と、「B」と表示されたアイコンが示すポンプ51とが稼働していることを意味している。
【0067】
表示領域F74には、フィルタ情報の具体例として、水処理装置3で使用されている複数のフィルタ31の状態が示されている。具体的には例えば、フィルタ31は、セディメントフィルタと、プレ活性炭タイプのフィルタ(以下、「前活性炭フィルタ」と呼ぶ)と、2つのROフィルタ(RO1フィルタ及びRO2フィルタ)と、ポスト活性炭タイプのフィルタ(以下、「後活性炭フィルタ」と呼ぶ)と、UF膜フィルタと、を含むように構成することができる。
【0068】
表示領域F74には、フィルタ31を構成する、セディメントフィルタ、前活性炭フィルタ、RO1フィルタ、RO2フィルタ、後活性炭フィルタ、及びUFフィルタの状態が、一見して把握できる態様で表示されている。
具体的には、フィルタ31を交換してから次の交換までの寿命を5段階で示した場合の、次の交換までの寿命の長さがブロックの数で示されている。例えば、フィルタ31のうちセディメントフィルタの寿命は、残り5分の3程度ということになる。これに対し、「RO1」という名称で特定されるフィルタ31は、残り寿命がなく、交換を促すマークが表示されている。
【0069】
図13は、ユーザ端末2に表示されるメンテナンス画面から、センサデータの詳細を表示させた場合の具体例を示す図である。
【0070】
図13の例では、センサデータの詳細として、水処理装置3からシャワーブース5に入力される処理済水(INPUT WATER)W1と、INPUT WATERのうちシャワーヘッド53から散水される処理済水(SERVICE WATER)W2と、シャワーブース5から出力される排水(OUTPUT WATER)W3との夫々の水質データの推移を示すグラフが示されている。なお、図12に示すグラフの横軸は時間(分)を示し、縦軸は水質清浄度合を示している。
【0071】
図14は、ユーザ端末2に表示されるメンテナンス画面から、フィルタ情報の詳細を表示させた場合の具体例を示す図である。
【0072】
図14に示すように、フィルタ情報の詳細として、セディメントフィルタ(Sediment)、前活性炭フィルタ(Pre-Carbon)、RO膜フィルタ(RO)、及びUF膜フィルタ(FU)の夫々の透過性の推移を示すグラフがユーザ端末2に表示される。なお、図14に示すグラフの横軸は時間(月)を示し、縦軸はフィルタの能力(k-value)を示している。
【0073】
図15は、排水の処理に用いられる浄化手段としてのフィルタ31のフィルタの構成を示す図である。
【0074】
サーバ1は、水使用情報に基づいて、フィルタ31-1乃至フィルタ31-mのうち、排水の処理に使用する1以上のフィルタ31の構成を決定する。これにより、排水の量や排水に含有される物質の種類等に応じて、排水を浄化させるための1以上のフィルタ31の構成を効率良く決定することができる。その結果、排水を効率良く浄化することができるので、フィルタ31の交換時期を遅らせることや、フィルタ31の寿命を引き延ばすことが可能となる。
【0075】
図15A及びBの夫々には、排水の処理に使用する1以上のフィルタ31の構成の具体例が夫々示されている。
具体的には、図15A及びBに示すように、フィルタ31には、2種類のフィルタ(フィルタA及びフィルタB)が夫々2つずつ用意されている。
上述したように、フィルタ31は、排水の量や排水に含有される物質の種類等に応じて、排水を浄化させるための1以上のフィルタ31の構成が決定される。例えば、シャワーブース5を利用するユーザUが、男性である場合と、女性である場合とを比較した場合、女性は化粧を落とすことがあるため、排水に含有される物質に違いが生じる。
【0076】
図15Aには、男性用のシャワーブース5の例として、シャワーIDが「M01」のシャワーブース5が示されている。この場合、フィルタ31は、2種類のフィルタ(フィルタA及びフィルタB)を夫々1つずつ使用する構成となっている。具体的には、フィルタ31として用意されたフィルタA1、フィルタA2、フィルタB1、及びフィルタB2のうち、フィルタA2及びフィルタB1を、水路WLが通過する構成となっている。
これに対して、図15Bには、女性用のシャワーブース5の例として、シャワーIDが「F01」のシャワーブース5が示されている。この場合、フィルタ31は、すべてのフィルタを使用する構成となっている。具体的には、フィルタ31として用意されたフィルタA1、フィルタA2、フィルタB1、及びフィルタB2のすべてを水路WLが通過する構成となっている。
このように、男性用のシャワーブース5と、女性用のシャワーブース5とで使用するフィルタ31の構成を変えることにより、排水を効率良く浄化することができる。その結果、フィルタ31の交換時期を遅らせることや、フィルタ31の寿命を引き延ばすことが可能となる。
【0077】
[第2実施形態]
(システム構成)
図16は、本発明の第2実施形態に係る水循環管理システムS2の構成の一部を示す図である。
【0078】
本発明の第2実施形態に係る水循環管理システムS2は、第1実施形態とは異なり、貯水タンク33は、水処理装置3から独立して備えられている。具体的には、3台の水処理装置3-1乃至3-3から、4台の貯水タンク33-1乃至33-4が独立して備えられている。
なお、図示はしないが、水循環管理システムS2は、図1に示す水循環管理システムS1と同様に、処理済水センサ4C-1乃至4C-4、排水センサ4D-1乃至4D-4、及びシャワーブース5-1乃至5-4を含むように構成されている。
【0079】
図16に示す水循環管理システムS2は、複数の水処理装置3-1乃至3-3に複数のシャワーブース5-1乃至5-4を直列、並列又は直列及び並列の組合せにより配管し接続する構成となっている。
サーバ1は、水路WL、又はバルブ52に取り付けられた処理済水センサ4C-1乃至4C-4、及び排水センサ4D-1乃至4D-4の夫々によるセンシングの結果に基づいて、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々の利用状況を検知する。
図16に示すように、水循環管理システムS2は、複数の水処理装置3-1乃至3-3と、水処理装置3から独立した複数の貯水タンク33-1乃至33-4を備えることにより、多量の処理済水を準備することができるとともに、多量の排水の処理を行うことができる。これにより、シャワーブース5-1乃至5-4のみならず、それよりも多くのシャワーブース5を水循環管理システムS2に含めたとしても、安定的な処理済水の供給を実現させることができる。その結果、多数の者によるシャワーブース5の利用が見込まれる場所、例えばキャンプ場、イベント会場、災害が発生したときの避難場所、トレーラーハウス、海水浴場等にシャワーブース5を設置することができる。
【0080】
[第3実施形態]
(システム構成)
図17は、本発明の第3実施形態に係る水循環管理システムS3の構成を示す図である。
【0081】
第1実施形態及び第2実施形態では、水処理装置の一例として、複数のシャワーブースを制御する手法について説明した。しかしながら、上述したように、本発明における使用手段としての水処理装置は、シャワーブースに限定されず、水を使用して排水する機能を有するあらゆる装置を包含する概念である。また、シャワーブースを含む複数種類の水処理装置を効率良く共有したいとする要求がある。
本発明の第3実施形態に係る水循環管理システムS3は、上述の第1実施形態及び第2実施形態とは異なり、本発明における使用手段として、4台の水処理装置を備える。具体的には、4台の水処理装置の夫々として、食器洗い乾燥機(以下、「食洗機」)5-1と、洗濯機5-2と、トイレ5-3と、シャワーブース5-4との夫々を含むように構成されている。
【0082】
サーバ1は、水路WL、又はバルブ52-1乃至52-4に取り付けられた処理済水センサ4C-1乃至4C-4、及び排水センサ4D-1乃至4D-4の夫々によるセンシングの結果に基づいて、食洗機5-1、洗濯機5-2、トイレ5-3、及びシャワーブース5-4の夫々の利用状況を検知する。そして、サーバ1は、食洗機5-1、洗濯機5-2、トイレ5-3、及びシャワーブース5-4の夫々に対する処理済水の入力を制御する。
【0083】
処理済センサ4Cは、例えば以下の場所に取り付けられて、センシングを行う。
即ち、水処理装置3では、排水処理タンク32及び貯水タンク33の内部と、処理済水の流入部とに取り付けられた処理済センサ4C(図示せず)が、処理済水の水量、温度、流量、及び圧力をセンシングする。
食洗機5-1では、蛇口と、処理済水の流入部と、キッチンのシンクに接続された配管とに取り付けられた処理済センサ4C-1が、処理済水の流量及び圧力をセンシングする。
洗濯機5-2では、処理済水の流入部と、洗濯機5-2に接続された配管とに取り付けられた処理済センサ4C-2が、処理済水の流量及び圧力をセンシングする。
トイレ5-3では、処理済水の流入部と、トイレタンクと、トイレタンクからトイレ洗浄水が流出する部分とに取り付けられた処理済センサ4C-3が、処理済水の水量、流量及、圧力、及び温度をセンシングする。
シャワーブース5-4では、バルブ52-4と、シャワーヘッド53-4と、シャワーの接続管とに取り付けられた処理済センサ4C-4が、処理済水の流量、圧力、及び温度をセンシングする。
【0084】
また、排水センサ4Dは、例えば以下の場所に取り付けられて、センシングを行う。
即ち、水処理装置3では、排水処理タンク32及び貯水タンク33の内部と、排水の流出部とに取り付けられた排水センサ4D(図示せず)が、排水の水量、温度、流量、及び圧力をセンシングする。
食洗機5-1では、キッチンのシンクの排水口と、処理済水の流出部と、キッチンのシンクの排水口に接続された配管とに取り付けられた排水センサ4D-1が、排水の流量、圧力、電気伝導度、温度、粘度、pH、水質等をセンシングする。
洗濯機5-2では、洗濯機用排水ホースと、排水口と、排水口に接続された配管とに取り付けられた排水センサ4D-2が、排水の流量、圧力、電気伝導度、及び温度をセンシングする。
トイレ5-3では、排水口と、排水口に接続された配管とに取り付けられた排水センサ4D-4が、排水の流量、圧力、電気伝導度、温度、pH、及び水質等をセンシングする。
シャワーブース5-4では、排水口と、排水口に接続された配管とに取り付けられた排水センサ4D-4が、排水の流量、圧力、温度、pH、電気伝導度、及び水質をセンシングする。
【0085】
これにより、シャワーブースを含む複数の水使用装置(食洗機、洗濯機、トイレ、及びシャワーブース)を効率良く共用できる水循環管理システムを提供することができる。具体的には例えば、以下のような共用が可能となる。
即ち、食洗機5-1と、シャワーブース5-4とで水循環管理システムを共用した場合は、シャワーブース5-4で使用されている処理済水の流量、圧力、及び温度をセンシングして、食洗機5-1で使用している処理済水の流量、圧力、及び温度をセンシングする。さらに、水処理装置3の貯水タンク33に貯まった処理済水の水量、流量、圧力、及び温度のセンシングを行い、ユーザUの利用に最適となる温度、流量、及び圧力を、ポンプ51-1及び51-4と、ヒータ(図示せず)とにフィードバックを行う。また、排水の温度や水質を、排水センサ4D-1及び4D-4を用いて計測することにより、次に利用可能になるまでの時間について推定することができる。また、水質(例えば汚染量)に合わせて使用するフィルタ31を切り替える。この場合、余剰の貯水タンク量を水量センサで測定し、使用する水量の分配を行う。
【0086】
また例えば、以下のような共用が可能となる。
即ち、食洗機5-1と、洗濯機5-2と、トイレ5-3と、シャワーブース5-4とで水循環管理システムを共用した場合は、食洗機5-1で使用している処理済水の流量、圧力、及び温度をセンシングすることで食洗機5-1の利用状況を感知する。また、洗濯機5-2に使用している処理済水の流量、圧力、温度をセンシングすることで洗濯機5-2の利用状況を感知する。また、トイレ5-3に使用している処理済水の流量、圧力、及び温度のセンシングを行うことでトイレ5-3の利用状況を感知する。また、シャワーブース5-4に使用している処理済水の流量、圧力、及び温度のセンシングを行うことでシャワーブース5-4の利用状況を感知する。これにより、ユーザUの利用に最適となる温度、流量、及び圧力を、ポンプ51-1及び51-4と、ヒータ(図示せず)とにフィードバックを行う。また、排水の温度や水質を、排水センサ4D-1及び4D-4を用いて計測することにより、次に利用可能になるまでの時間について推定することができる。また、水質(例えば汚染量)に合わせて使用するフィルタ31を切り替える。この場合、余剰の貯水タンク量を水量センサで測定し、使用する水量の分配を行う。
【0087】
図18は、ユーザ端末2にリアルタイムで表示される、水使用装置としての食洗機5-1、洗濯機5-2、トイレ5-3、及びシャワーブース5-4の状況を示す画面の具体例を示す図である。図18に示すように、ユーザ端末2には、水使用装置としての食洗機5-1、洗濯機5-2、トイレ5-3、及びシャワーブース5-4の夫々を示すアイコンが表示されている。
【0088】
図18Aに示す画面は、ユーザUによる利用が可能である状態(以下、「利用可能状態」と呼ぶ)を示す画面である。即ち、図18Aに示す状態は、水使用装置としての食洗機5-1、洗濯機5-2、トイレ5-3、及びシャワーブース5-4について、まだユーザUによる利用が開始されていない状態を示している。
【0089】
図18Bに示す画面は、ユーザUが利用中の状態を示す画面である。即ち、図18Bに示すように、2つのアイコンの色彩が、図18Aに示すアイコンの色彩と異なっている。これは、洗濯機5-2及びシャワーブース5-4について、ユーザUによる利用が開始されている状態を示している。
【0090】
図18Cに示す画面は、水処理中の状態を示す画面である。図18Cに示すように、2つのアイコンには、利用可能状態になるまでの残り時間が表示されている。具体的には、左下に配置されたアイコンは、シャワーブース5-4が利用可能状態になるまであと残り「8分」であることが示されている。また、中央下に配置されたアイコンは、の色彩が、図18Aに示す画面と異なっている。これは、洗濯機5-2が利用可能状態になるまであと残り「3分」であることが示されている。
【0091】
[第4実施形態]
(システム構成)
図19は、本発明の第4実施形態に係る水循環管理システムS4の構成を示す図である。
【0092】
本発明の第4実施形態に係る水循環管理システムS4は、上述の第3実施形態とは異なり、複数の水処理装置3を備える構成となっている。具体的には、図17に示す水循環管理システムS4の構成に、2台の水処理装置3-2及び3-3をさらに備える構成となっており、その結果、水使用装置の数(4台)と水処理装置3の数(4台)との関係が1対1の関係になっている。
これにより、処理済水を水使用装置5-1乃至5-4の夫々について個別に準備することができるとともに、多量の排水の処理を行うことができる。その結果、各水使用装置5への安定的な処理済水の供給を実現させることができる。その結果、多数の者によるシャワーブース5の利用が見込まれる場所、例えば避難場所、イベント会場、海水浴場等にシャワーブース5を設置することができる。
【0093】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0094】
例えば、上述の実施形態において、シャワーブース5等の水使用装置の台数は、合計4台の構成となっているが、これは例示に過ぎず、5台以上で構成させることもできる。
【0095】
また例えば、上述の実施形態では、水使用装置として食洗機、洗濯機、トイレ、シャワーブースを含む構成となっているが、これは例示に過ぎない。水を使用して排水する機能を有するあらゆる装置を水使用装置として採用することができる。
【0096】
また例えば、上述の実施形態において、ユーザUによる操作は、ユーザ端末2に対するものとなっているが、これに限定されない。シャワーブース5が備えるタッチパネル54に対する操作であってもよい。即ち、上述の図5図7図8乃至図12に示す画面は、ユーザ端末2にインストールされたアプリケーションプログラムを起動させて表示させることもできるし、シャワーブース5が備えるタッチパネル54に表示させることもできる。
【0097】
また例えば、上述の実施形態では、決定部104により決定されるフィルタ31の構成は、男性用のシャワーブース5と女性用のシャワーブース5とで異なる例が挙げられているが、これは例示に過ぎない。例えば、水使用情報に基づいて、排水のモニタリングを行うことで、排水の水質の評価を行い、排水の汚れ具合に応じてフィルタ31の構成や水路WLを決定することもできる。また、フィルタ31の寿命を予測することもできる。これにより、フィルタ31が受ける負荷や環境負荷を最小化させることができる。また、過去に利用実績のないシーンで水処理装置3を利用する場合に、水使用情報に基づいて、水処理装置3が実際におかれる環境に近い状況を想定し、排水処理に好適となるフィルタの構成を決定することもできる。具体的には例えば、水使用情報から得られる気候、地理情報、生活スタイル等に基づいて、排水処理に好適となるフィルタの構成を決定することもできる。これにより、例えば、森でのキャンプ、オフィス、インドのランニングイベント、山でのキャンプ等、あらゆるシーンに応じたフィルタの構成を決定することもできる。このように決定されたフィルタの構成は、その結果とともに水使用DB402に蓄積されるので、決定部104は、将来に向けて学習を継続し、さらに好適なフィルタの構成を決定することが可能となる。
【0098】
また例えば、上述の実施形態において、処理水センサ4C及び排水センサ4Dは、所定のセンサが採用される構成となっているが、これに限定されない。水使用情報に基づいて、各種各様のセンサのうちどのセンサを採用すべきかをサーバ1側で提案できる構成とすることもできる。
【0099】
また例えば、上述の実施形態においては、シャワー等の使用手段に対して入力される水は、当該使用手段から出力された排水に対して浄化等の水処理を施す水処理手段から出力されたものだった。即ち、上述の実施形態においては、水の循環処理システムが採用されていた。
しかし、水の循環処理システムを採用することは特に必須ではない。例えば、入力された水がユーザにより使用されると、その水を排水として出力する1以上の使用手段と、前記1以上の使用手段から出力された前記排水のうち少なくとも一部に対して所定の水処理を行い得る1以上の水処理手段と、を備える水処理システムを採用した場合、使用手段に入力される水は、水処理手段から出力される水であってもよいし、それ以外から供給される水であってもよい。換言すると、水処理手段から出力される水は、使用手段に使われてもよいし、使用手段以外のものに使われてもよい。
【0100】
また、上述の実施形態において、シャワーブース5-1乃至5-4と、サーバ1と、ユーザ端末2と、水処理装置3と、処理済水センサ4とは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されているものとして説明を行ったが、これについて簡単に補足する。
即ち、具体的に例えば、シャワーブース5-1乃至5-4の夫々は、インターネットや近距離無線通信等を利用して、相互に通信を行ってもよいし、シャワーブース5-1乃至5-4は、ユーザ端末2等を介さずに直接サーバ1やクラウド等と通信を行ってもよい。
【0101】
また、上述の実施形態(主として図18)において、サーバ1には、事前に使用手段に係る各種装置(例えば食洗機5-1等)が接続されていることを前提として説明を行った。
しかしながら、サーバ1は、自身に接続されている使用手段に係る各種装置を事前に認識している必要はない。
即ち、サーバ1は、センサ4C又はセンサ4Dのセンシングの結果から、使用手段に係る各種装置の接続状況を自動で判定してもよい。
これにより、サーバ1は、事前に使用手段に係る各種装置の接続状況を取得しておく必要がなく、そのような情報が取得できないような場合であっても、使用手段に係る各種装置の接続状況を踏まえた処理を実行することができる。
さらに言えば、このような接続状況の結果は、図18等に示すアイコンの表示方法に反映させることができる。
即ち、例えば、図示はしないがアイコンの下部にA、B、Cのアイコンを表示して、Cに対応する装置のみが接続されており、A及びBが接続されていない場合には、Cのアイコンのみを明るく表示させ、A及びBのアイコンを暗く表示させる等してもよい。
【0102】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、図4に特に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0103】
また例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであっても良い。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0104】
また例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0105】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0106】
以上まとめると、本発明が適用される水循環管理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される水処理システム(例えば図1の水循環処理システムS1)は、
入力された水がユーザ(例えば図1のユーザU)により使用されると、その使用済みの水を排水として出力する1以上の使用手段(例えば図1のシャワーブース5-1乃至5-4)を含む水処理システムにおいて、
前記1以上の使用手段を制御対象とする情報処理装置の夫々に入力された前記水と、前記1以上の使用手段の夫々から出力された前記排水とのうち、少なくとも一部に関する所定の物理量又はそれに基づく量を検出し得る1以上の検出手段(例えば図1の処理済水センサ4C、及び排水センサ4D)と、
前記1以上の検出手段のうち少なくとも一部の結果(例えばセンシングデータ)に基づいて、前記1以上の使用手段の夫々の前記ユーザの使用に関する情報を生成する情報生成手段(例えば図4の情報生成部102)と、
を備える。
これにより、複数の水使用手段を効率良く共用することができる水処理システムを提供することができる。
【0107】
また、前記1以上の使用手段から出力された前記排水のうち少なくとも一部に対して所定の水処理を行い得る1以上の水処理手段(例えば図1の水処理装置3)と、
前記1以上の検出手段の夫々の結果に基づいて、前記1以上の使用手段の夫々と、前記1以上の水処理手段とのうち少なくとも一部を制御対象として、当該制御対象に対する所定の制御を実行する制御手段(例えば図4の入力制御部103)と、
を備えることができる。
これにより、水を確保することが困難な環境でも排水を利用できる水処理システムを提供することができる。
【0108】
また、前記情報生成手段は、
前記1以上の使用手段の夫々における、前記ユーザによる水の使用開始、使用停止、使用量、及び使用時間のうち少なくとも1つを含む水使用情報を生成することができる。
これにより、生成された水使用情報に基づいて、複数の水使用手段を効率良く共用することができる水処理システムを提供することができる。
【0109】
また、前記制御手段は、さらに、
生成された前記水使用情報に基づいて、前記所定の制御として、前記1以上の使用手段の夫々に対する前記処理済水の入力の制御をすることができる。
これにより、生成された水使用情報に基づいて、水を確保することが困難な環境でも排水を利用できる水処理システムを提供することができる。
【0110】
また、前記情報生成手段は、
前記1以上の使用手段の夫々を利用するユーザの利用状況と、前記1以上の使用手段を利用しようとするユーザが前記使用手段を利用できるようになるまでの時間とのうち少なくとも一方を含むユーザ利用情報を生成することができる。
これにより、ユーザ利用情報に基づいて、水を確保することが困難な環境でも排水を利用できる水処理システムを提供することができる。
【0111】
また、前記水処理手段は、1以上の浄化手段を含み、
前記水使用情報に基づいて、前記1以上の浄化手段のうち、前記排水の処理に使用する前記浄化手段の構成を決定する決定手段をさらに備えることができる。
これにより、フィルタ31を効率よく使用することができる。
【0112】
また、前記使用手段はシャワーを含み、
前記制御手段は、
前記水使用情報に基づいて、前記所定の制御として、前記シャワーから散水される水の圧力の制御をすることができる。
これにより、シャワーを含む複数の水使用手段を効率良く共用することができる水処理システムを提供することができる。
【0113】
また、前記制御手段は、前記所定の制御として、さらに、
前記シャワーから散水される水の温度と量との制御をすることができる。
これにより、散水される水の温度と量が制御されたシャワーを効率良く共用することができる水処理システムを提供することができる。
【0114】
また、ポンプ(例えば図1のポンプ51)の駆動または停止、シャワーヘッド(例えば図1のシャワーヘッド53)の動作、シャワーバルブ(例えば図1のバルブ52)の開閉、または、シャワーブース(例えば図1のシャワーブース5-1乃至5-4)間の配管(例えば図1の水路WL)に接続された少なくとも1つのセンサ(例えば図1の処理済水センサ4C、図1の排水センサ4D)、より得られた1以上の電気信号の変化を検知して、シャワーブースの利用可能状況と、シャワーブースが利用可能になるまでの時間とをユーザUに通知することができる。
【0115】
また、シャワーヘッドの動作、又は、シャワーブース間の配管に接続された1つのセンサより得られたいずれかの1以上の電気信号変化を検知して、フィードバックを行い、シャワーの水圧を一定にすることができる。
【0116】
また、シャワーバルブの開閉、少なくとも1つのセンサ、又は、水処理装置に組み込まれたセンサより得られた1以上の電気信号変化を検知して、シャワー利用可能または可能までの時間を推定することができる。
【0117】
また、シャワーの利用条件に合わせて、フィルタおよび水路を切り替え、最適な水浄化方法を提供することができる。
【0118】
また、シャワーの利用状況、装置の稼働状況、貯水量の状況に即して、水路を切り替えまたは開閉し、余剰のタンク(例えば図16の貯水タンク33-1乃至33-4)又は水処理装置を稼働させることで、常に一定の水温、水量または水圧でシャワーを提供することができる。
【符号の説明】
【0119】
1:サーバ、2,2-1乃至2-n:ユーザ端末、3,3-1乃至3-4:水処理装置、4C,4C-1乃至4C-4:処理済水センサ、4D,4D-1乃至4D-4:排水センサ、5,5-1乃至5-4:水使用装置(シャワーブース、食洗機、洗濯機、トイレ)、11:CPU、12:ROM、13:RAM、14:バス、15:入出力インターフェース、16:出力部、17:入力部、18:記憶部、19:通信部、20:ドライブ、30:リムーバブルメディア、31:フィルタ、32:排水処理タンク、33,33-1乃至33-4:貯水タンク、51,51-1乃至51-4:ポンプ、52,52-1乃至52-4:バルブ、53,53-1乃至53-4:シャワーヘッド、54,54-1乃至54-4:タッチパネル、101:取得部、102:情報生成部、103:入力制御部、104:決定部、401:センシングDB、402:水使用DB、403:ユーザ利用DB、A1,A2:フィルタA、B1,B2:フィルタB、F1,F11,F21乃至F23,F31,F32,F41,F42,F51,F61,F71乃至F74:表示領域、B31,B41,B511,B512:ボタン、S1,S2,S3:水循環管理システム、U,U1乃至Un:ユーザ、WL:水路、N:ネットワーク、W1乃至W3:グラフ上の線
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
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図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
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図14
図15A
図15B
図16
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図18A
図18B
図18C
図19