(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】複合式耐衝撃装置及びその適用
(51)【国際特許分類】
F16F 15/023 20060101AFI20240423BHJP
F16F 7/12 20060101ALI20240423BHJP
F16F 9/26 20060101ALI20240423BHJP
F16F 9/32 20060101ALI20240423BHJP
F16F 9/46 20060101ALI20240423BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
F16F15/023 A
F16F7/12
F16F9/26
F16F9/32 M
F16F9/32 N
F16F9/32 P
F16F9/32 S
F16F9/46
F16F15/02 Z
(21)【出願番号】P 2022575797
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 CN2021100157
(87)【国際公開番号】W WO2022179006
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110201245.0
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518411338
【氏名又は名称】山東科技大学
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】陳 萌
(72)【発明者】
【氏名】王 成龍
【審査官】田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105508494(CN,A)
【文献】実開平04-024615(JP,U)
【文献】中国実用新案第206958148(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第111946767(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110017349(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 7/09
F16F 7/12
F16F 9/26
F16F 9/32
F16F 9/46
F16F 13/26
F16F 15/00 - 15/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内筒、第1の圧力センサ、第2の圧力センサ、
磁気レオロジーダンパコイルを含む磁気レオロジー
ダンパ、外筒及び制御システムを含み、内筒は外筒の内側底面に接続され、 前記第1の圧力センサは作動油の圧力変化を計測するセンサであって、外筒内に配置され且つ前記内筒の底部に接続され、前記内筒のキャビティには、下から上へ前記磁気レオロジーダンパ、螺旋弁体、フローティングピストン及びばねが順次接続されており、 前記外筒は、上から下へ順次接続されるトップカバー、圧潰部材及びベースを含み、前記圧潰部材の上下両端は、それぞれ
前記トップカバー及びベースに開設された溝に挿入され、 前記外筒の内側上面にピストンロッドが接続されており、前記ピストンロッドの底端は、前記内筒の頂部、前記ばね及び前記フローティングピストンを貫通してから前記螺旋弁体に接続され、前記螺旋弁体の下方に作動油が充填され、 前記トップカバーの外面に前記第2の圧力センサが設けられており、前記第1の圧力センサ、前記第2の圧力センサ及び前記磁気レオロジーダンパコイルは、それぞれ制御システムに接続され、 前記第2の圧力センサによって圧力情報を収集して前記制御システムに伝送して
、複合式耐衝撃装置が外部衝撃力を受けたときに、前記制御システムが前記磁気レオロジーダンパコイルの出力抵抗がゼロになるように前記磁気レオロジーダンパコイルの電流を調整する ことを特徴とする複合式耐衝撃装置。
【請求項2】
前記トップカバーの内面にトップカバー溶接部材が設けられており、ピストンロッドの上下両端は、それぞれトップカバー溶接部材及び螺旋弁体にネジ接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複合式耐衝撃装置。
【請求項3】
前記内筒は、上から下へ順次接続されるエンドカバー、シリンダチューブ及びシリンダベースを含み、エンドカバーとシリンダチューブはボルトによって接続され、シリンダチューブとシリンダベースは溶接され、シリンダベースは、外筒のベースに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の複合式耐衝撃装置。
【請求項4】
前記螺旋弁体の表面に複数周の螺旋溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の複合式耐衝撃装置。
【請求項5】
前記フローティングピストンとシリンダチューブの内壁の間、ピストンロッドとエンドカバーの間、ピストンロッドとフローティングピストンの間のいずれにもシールゴムリングが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の複合式耐衝撃装置。
【請求項6】
前記磁気レオロジーダンパは、磁気レオロジーダンパピストンロッド、磁気レオロジーダンパピストン、
前記磁気レオロジーダンパコイル及び磁気レオロジーダンパシリンダチューブを含み、磁気レオロジーダンパピストンは、磁気レオロジーダンパシリンダチューブ内に配置され、磁気レオロジーダンパコイルは、磁気レオロジーダンパピストンに巻き付けられ、磁気レオロジーダンパピストンロッドは、磁気レオロジーダンパシリンダチューブに伸びて磁気レオロジーダンパピストンに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の複合式耐衝撃装置。
【請求項7】
前記シリンダチューブの下半部にセンサインタフェースが設けられており、第1の圧力センサは、センサインタフェースにネジ接続されていることを特徴とする請求項3に記載の複合式耐衝撃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合式耐衝撃装置及びその適用に関し、緩衝設備の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
耐衝撃装置は、機械設備に取り付けられる緩衝エネルギー吸収装置であり、自動車産業、宇宙航空、鉱山機械などの分野で非常に広く適用されており、設備が衝撃時に受けた衝撃力を減少し、設備の信頼性、安全性及び耐用年数を増加させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、順次接続される第1の接続ヘッド、上部外筒、下部外筒及び第2の接続ヘッドを含み、下部外筒の頂部は上部外筒に嵌め込まれ且つ上部外筒に可動に接続され、下部外筒内にアルミニウムハニカム及び磁気レオロジー緩衝器の外筒が設けられており、アルミニウムハニカムは下部エンドカバーの底部に設けられ、磁気レオロジー緩衝器の外筒にピストンロッドが設けられており、ピストンロッドの先端は上部エンドカバーから延出してラムに接続され、ラムと上部エンドカバーの間のピストンロッドに復帰ばねが嵌設されており、ピストンロッドに電磁コイルが巻き付けらており、ピストンロッドの下部はダンピングピストンであり、且つダンピングピストンにダンピングホールが開設されており、ダンピングピストンの底端に案内ディスクが設けられており、案内ディスクの下方に磁気レオロジー流体が充填されている、新規な耐衝撃装置及びその動作方法が開示されている。本発明は、鉱車の2つのトレーラの間に取り付けられ、後車の速度が前車の速度よりも速い時又は前車の制動時に、後車による衝撃を防止するために緩衝し、効果的に減速させ、事故が発生する場合に後続のトレーラに対して緩衝し、事故による二次被害を効果的に防止する。
【0004】
特許文献2には、順次接続されるプランジャー、中部シリンダ、底部シリンダ及び耐衝撃緩衝器を含むピラーを含み、耐衝撃緩衝器に相互に接続される圧力センサとコントローラが設けられており、コントローラは、更に耐衝撃緩衝器内の磁気レオロジーコイルに電気的に接続され、圧力センサによって圧力情報を収集し、コントローラによって磁気レオロジーコイルの電流をリアルタイムに調節したりオン/オフにしたりすることにより、耐衝撃緩衝器がピラーの受けたロックバーストを補助的に緩衝する、油圧サポートがロックバーストに耐えるための緩衝システム及び油圧サポートが開示されている。本実用新案のロックバーストに耐える緩衝システムは、従来の油圧サポート構造に集積されやすく、従来の油圧サポートとセットとして使用するように取り付けやすい。大流量の安全弁により減圧される従来の単一形態を変更し、当該緩衝システムを採用することでピラーの緩衝減圧過程を効果的に保護しながら、油圧サポートがロックバーストに耐える時の信頼性を向上させ、油圧サポートの安全かつ効果的な動作を保障することができる。
【0005】
衝撃状況で、油圧サポートは、十分に大きな支持力を有する必要があるだけでなく、衝撃荷重の効果的な緩衝を実現する必要もある。従来の耐衝撃装置は、液圧緩衝器又は機械圧潰部材であることが多く、液圧緩衝器は、スピンドル型、多孔型及びギャップ型などを含み、機械圧潰部材は、アルミニウムハニカム及びベローズなどを含む。液圧緩衝器は、衝撃エネルギーを比較的穏やかに吸収することを実現することができるが、初期支持力を効果的に提供することができない。従来のアルミニウムハニカム又はベローズ圧潰部材は、変形しやすく、エネルギー吸収容量が高いという特性を有するが、その材料特性によって、限られた構造サイズで大きな支持力を提供することができず、その構造設計が完成した後にその支持力は一定値になり、実際の状況に応じて適応的に調節することができない。
【0006】
そのために、本願は、特定の初期支持力を提供することができるだけでなく、動的衝撃に対する能動的適応を実現することもでき、従来の液圧緩衝器が初期支持力を提供できず、従来の機械圧潰部材が大きな支持力を提供しにくく、衝撃状況に応じて適応的に調節できないなどの問題を解決する、油圧サポートに用いられるインテリジェントな複合式耐衝撃装置を提案する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】中国特許文献CN111322345A
【文献】中国特許文献CN208669329U
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の不足に対して、本発明は、特定の初期支持力を提供することができるだけでなく、衝撃状況に応じて適応的に調節することができる複合式耐衝撃装置を提供する。 本発明は、上記複合式耐衝撃装置の動作方法を更に提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の技術案は以下の通りである。
【0010】
内筒、第1の圧力センサ及び外筒を含み、内筒は外筒の内側底面に接続され、第1の圧力センサは外筒内に配置され且つ内筒の底部に接続され、内筒のキャビティには、下から上へ磁気レオロジーダンパ、螺旋弁体、フローティングピストン及びばねが順次接続されており、外筒の内側上面にピストンロッドが接続されており、ピストンロッドの底端は、内筒の頂部、ばね及びフローティングピストンを貫通してから螺旋弁体に接続され、螺旋弁体の下方に作動油が充填されている複合式耐衝撃装置である。
【0011】
好ましくは、前記外筒は、上から下へ順次接続されるトップカバー、圧潰部材及びベースを含み、圧潰部材の上下両端は、それぞれトップカバー及びベースに開設された溝に挿入されている。
【0012】
好ましくは、前記トップカバーの内面にトップカバー溶接部材が設けられており、ピストンロッドの上下両端は、それぞれトップカバー溶接部材及び螺旋弁体にネジ接続されている。
【0013】
好ましくは、前記内筒は、上から下へ順次接続されるエンドカバー、シリンダチューブ及びシリンダベースを含み、エンドカバーとシリンダチューブはボルトによって接続され、シリンダチューブとシリンダベースは溶接され、シリンダベースは、外筒のベースに配置されている。
【0014】
好ましくは、前記螺旋弁体の表面に複数周の螺旋溝が設けられている。
【0015】
好ましくは、前記フローティングピストンとシリンダチューブの内壁の間、ピストンロッドとエンドカバーの間、ピストンロッドとフローティングピストンの間のいずれにもシールゴムリングが設けられている。
【0016】
好ましくは、前記磁気レオロジーダンパは、磁気レオロジーダンパピストンロッド、磁気レオロジーダンパピストン、磁気レオロジーダンパコイル及び磁気レオロジーダンパシリンダチューブを含み、磁気レオロジーダンパピストンは、磁気レオロジーダンパシリンダチューブ内に配置され、磁気レオロジーダンパコイルは、磁気レオロジーダンパピストンに巻き付けられ、磁気レオロジーダンパピストンロッドは、磁気レオロジーダンパシリンダチューブに伸びて磁気レオロジーダンパピストンに接続されている。
【0017】
好ましくは、前記シリンダチューブの下半部にセンサインタフェースが設けられており、第1の圧力センサは、センサインタフェースにネジ接続されている。
【0018】
好ましくは、前記複合式耐衝撃装置は、制御システムを更に含み、トップカバーの外面に第2の圧力センサが設けられており、第1の圧力センサ、第2の圧力センサ及び磁気レオロジーダンパコイルは、それぞれ制御システムに接続されている。
【0019】
好ましくは、前記圧潰部材は、透かし彫り構造を採用する。
【0020】
複合式耐衝撃装置の動作方法は、以下のステップを含む。
【0021】
1)耐衝撃装置を、衝撃を緩衝する必要のある位置に取り付け、第1の圧力センサ、第2の圧力センサ及び磁気レオロジーダンパコイルを制御システムに接続し、この場合、磁気レオロジーダンパが最大抵抗を出力し、耐衝撃装置全体が最大緩衝抵抗出力状態にある。
【0022】
2)耐衝撃装置が外部衝撃圧力を受けた場合、第2の圧力センサによって圧力情報を収集して制御システムに伝送し、制御システムによって磁気レオロジーダンパコイルの電流を調整することで、磁気レオロジーダンパの出力抵抗をゼロにし、この場合、圧潰部材のみが外部衝撃圧力を受け、圧潰部材が更に圧潰されて変形される。
【0023】
3)圧潰部材が変形して降下する過程中に、トップカバー、ピストンロッド及び螺旋弁体が下へ同期変位するように駆動し、螺旋弁体の下部にある作動油が押し出されて螺旋溝を流れ、衝撃エネルギーを消費する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の技術的特徴及び有益な効果は以下の通りである。
【0025】
1、本発明の複合式耐衝撃装置は、特定の初期支持力を提供することができるだけでなく、動的衝撃に対する能動的適応を実現することもでき、従来の液圧緩衝器が初期支持力を提供できず、従来の機械圧潰部材が大きな支持力を提供しにくく、衝撃状況に応じて適応的に調節できないなどの問題を解決する。
【0026】
2、本発明の複合式耐衝撃装置では、全衝撃過程において、圧潰部材、磁気レオロジーダンパ及び液圧緩衝部分は共同して機能し、圧潰部材は、主に支持、退避及びエネルギー吸収の役割を果たし、磁気レオロジーダンパは、主に出力抵抗を制御して衝撃の発生時に耐衝撃装置が速やかに退避してエネルギーを吸収できることを実現するという役割を果たし、液圧緩衝部分は、ピーク値を削減し、エネルギーを吸収するという役割を果たし、圧力センサは、圧力変化をリアルタイムに監視して記録し、衝撃過程が発生したか否か、及び設備を交換する必要があるか否かを判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2】本発明における磁気レオロジーダンパの構造模式図である。
【
図4】本発明における圧潰部材の構造特徴模式図である。
【
図5】本発明における圧潰部材の全体構造模式図である
【
図6】本発明の耐衝撃装置が油圧サポートに取り付けられた場合の模式図である。
【
図7】本発明の耐衝撃装置の受ける力の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、実施例により図面を参照しながら本発明を更に説明するが、これらに限定しない。
【0029】
実施例1
図1~5に示すように、本実施例は、複合式耐衝撃装置を提供し、当該複合式耐衝撃装置は、内筒、第1の圧力センサ及び外筒を含み、内筒は外筒の内側底面に接続され、第1の圧力センサは外筒内に配置され且つ内筒の底部に接続され、 内筒のキャビティには、下から上へ磁気レオロジーダンパ15、螺旋弁体6、フローティングピストン5及びばね13が順次接続されており、外筒の内側上面にピストンロッド4が接続されており、ピストンロッド4の底端は、内筒の頂部、ばね13及びフローティングピストン5を貫通してから螺旋弁体6に接続され、螺旋弁体6の下方に作動油が充填されている。
【0030】
具体的には、外筒は、上から下へ順次接続されるトップカバー1、圧潰部材10及びベース8を含み、圧潰部材10の上下両端は、それぞれトップカバー1及びベース8に開設された溝に挿入されている。
【0031】
トップカバー1の内面にトップカバー溶接部材9が設けられており、ピストンロッド4の上下両端は、それぞれトップカバー溶接部材9及び螺旋弁体6にネジ接続されている。
【0032】
内筒は、上から下へ順次接続されるエンドカバー2、シリンダチューブ7及びシリンダベース17を含み、エンドカバー2とシリンダチューブ7はボルトによって接続され、シリンダチューブ7とシリンダベース17は溶接され、シリンダベース17は、外筒のベース8に配置されている。
【0033】
螺旋弁体6の表面に複数周の螺旋溝が設けられており、螺旋溝は、作動油が流れるために用いることができ、緩衝作用を果たす。
【0034】
フローティングピストン5とシリンダチューブ7の内壁の間、ピストンロッド4とエンドカバー2の間、ピストンロッド4とフローティングピストン5の間のいずれにもシールゴムリングが設けられている。
【0035】
磁気レオロジーダンパ15は、磁気レオロジーダンパピストンロッド151、磁気レオロジーダンパピストン152、磁気レオロジーダンパコイル153及び磁気レオロジーダンパシリンダチューブ154を含み、磁気レオロジーダンパピストン152は、磁気レオロジーダンパシリンダチューブ154内に設けられ、磁気レオロジーダンパコイル153は、磁気レオロジーダンパピストン152に巻き付けられ、磁気レオロジーダンパピストンロッド151は、磁気レオロジーダンパシリンダチューブ154に伸びて磁気レオロジーダンパピストン152に接続されている。
【0036】
シリンダチューブ7の下半部にセンサインタフェース16が設けられており、第1の圧力センサ14は、センサインタフェース16にネジ接続されている。
【0037】
複合式耐衝撃装置は、制御システムを更に含み、トップカバー1の外面に第2の圧力センサ(図示せず)が設けられており、第1の圧力センサ14、第2の圧力センサ及び磁気レオロジーダンパコイル153は、それぞれ制御システムに接続されている。
【0038】
圧潰部材10は、透かし彫り構造を採用し、
図3に示すように垂直長尺開口が設けられており、
図4に示すように傾斜長尺開口が設けられており、
図5に示すように多層交互横方向開口が設けられている。
【0039】
本実施例の技術案の動作原理は以下の通りである。衝撃がない場合、耐衝撃装置の初期支持力はFとされる。F=F1+F2 (1) F=耐衝撃装置の全抵抗 F1=耐衝撃装置の機械圧潰抵抗 F2=磁気レオロジーダンパの抵抗
【0040】
式(1)に示すように、この時の耐衝撃装置における圧潰部材10は、支持作用を発揮することができ、その構造パラメータを合理的に設計することでその支持力がF1に達することを保証し、磁気レオロジーダンパ15は、磁気レオロジーダンパコイル153の電流の大きさを制御することで磁気レオロジーのせん断降伏強度を制御し、それにより磁気レオロジーダンパ15が減衰力を出力するように制御し、本実施形態の磁気レオロジーダンパ15は、その出力抵抗の範囲が0~F2であり、このように耐衝撃装置の全抵抗の調節可能な範囲はF1~(F1+F2)の範囲となり、サポートが正常に動作する場合、耐衝撃装置の全抵抗がF1+F2となるように制御し、この場合、液圧緩衝部分は動作せず、圧力監視システムは、正常で衝撃がないことを報告し、油圧サポートが大きな衝撃を受けた場合、圧力監視システムは、速やかに警報すると共に、磁気レオロジーダンパ15により出力される抵抗が低下するように制御し、耐衝撃装置の全抵抗が速やかにF1に低下し、圧潰部材10の支持力がピラーの構造強度よりも小さいため、衝撃を受けると、圧潰部材10は、速やかに圧潰されて変形され、且つトップカバー1、ピストンロッド4及び螺旋弁体6が下へ同期変位するように駆動し、螺旋弁体6の下部の油液が押し出され、油液が高い流速で螺旋溝を流れ、衝撃エネルギーを消費し、全衝撃過程において圧潰部材10、磁気レオロジーダンパ15及び液圧緩衝部分は共同して機能し、圧潰部材10は、主に支持、退避及びエネルギー吸収の役割を果たし、磁気レオロジーダンパ15は、主に出力抵抗を制御して衝撃の発生時に耐衝撃装置が速やかに退避してエネルギーを吸収できることを実現するという役割を果たし、液圧緩衝部分は、ピーク値を削減し、エネルギーを吸収するという役割を果たし、第1の圧力センサ14は、圧力変化をリアルタイムに監視して記録し、衝撃過程が発生したか否か、及び設備を交換する必要があるか否かを判断することができる。
【0041】
実施例2 実施例1に記載の複合式耐衝撃装置の動作方法は、油圧サポートを適用対象とする場合、具体的な動作プロセスが以下のステップを含む。
【0042】
1)
図6に示すように、耐衝撃装置を油圧サポートのピラーの底端に取り付け、耐衝撃装置の両端をそれぞれ油圧サポートのピラー及びベースに接続し、第1の圧力センサ14、第2の圧力センサ及び磁気レオロジーダンパコイル153を制御システムに接続し、この場合、磁気レオロジーダンパ15が最大抵抗を出力し、耐衝撃装置全体が最大緩衝抵抗出力状態にある。
【0043】
2)油圧サポートが衝撃を受け、ピラーによって耐衝撃装置に伝達した場合、第2の圧力センサによって圧力情報を収集して制御システムに伝送し、制御システムによって磁気レオロジーダンパコイル153の電流を調整することで、磁気レオロジーダンパ15の出力抵抗をゼロにし、この場合、圧潰部材10のみが外部衝撃圧力を受け、圧潰部材10が更に圧潰されて変形される。
【0044】
3)圧潰部材10の変形及び降下中に、トップカバー1、ピストンロッド4及び螺旋弁体6が下へ同期変位するように駆動し、螺旋弁体6の下部にある作動油が押し出され、油液が高い流速で螺旋溝を流れ、衝撃エネルギーを消費する。
【0045】
全衝撃過程において、圧潰部材、磁気レオロジーダンパ及び液圧緩衝部分は共同して機能し、圧潰部材は、主に支持、退避及びエネルギー吸収の役割を果たし、磁気レオロジーダンパは、主に出力抵抗を制御して衝撃の発生時に耐衝撃装置が速やかに退避してエネルギーを吸収できることを実現するという役割を果たし、液圧緩衝部分は、ピーク値を削減し、エネルギーを吸収するという役割を果たし、圧力センサは、圧力変化をリアルタイムに監視して記録し、衝撃過程が発生したか否か、及び設備を交換する必要があるか否かを判断することができる。
【0046】
以上は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲は、これらに限定されず、当業者が本発明に開示された技術範囲内で容易に想到できる変化や置換は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0047】
1 トップカバー 2 エンドカバー 3 シリンダボス 4 ピストンロッド 5 フローティングピストン 6 螺旋弁体 7 シリンダチューブ 8 ベース 9 トップカバー溶接部材 10 圧潰部材 11 ボルト 12 ナット 13 ばね 14 第1の圧力センサ 15 磁気レオロジーダンパ 16 センサインタフェース 17 シリンダベース 151 磁気レオロジーダンパピストンロッド 152 磁気レオロジーダンパピストン 153 磁気レオロジーダンパコイル 154 磁気レオロジーダンパシリンダチューブ