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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】農業用の収量管理システム
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/127 20060101AFI20240423BHJP
   A01F 25/00 20060101ALI20240423BHJP
   G06Q 50/02 20240101ALI20240423BHJP
【FI】
A01D41/127 140
A01F25/00 E
G06Q50/02
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023004633
(22)【出願日】2023-01-16
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】516260291
【氏名又は名称】株式会社ふるさと未来
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 賢一
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063789(JP,A)
【文献】特開2016-065814(JP,A)
【文献】特開2016-066292(JP,A)
【文献】特開2016-066293(JP,A)
【文献】特開2017-068532(JP,A)
【文献】特開2019-192139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 41/127
A01F 25/00
G06Q 50/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場情報を入力する圃場情報入力手段と、
圃場単位での作物名を入力する作物名入力手段と、
乾燥機単位での圃場単位の搬入情報を入力する搬入情報入力手段と、
乾燥機単位での乾燥の調製実績を入力する調製実績入力手段と、
前記圃場情報入力手段により入力された圃場情報と前記作物名入力手段により入力された作物名と前記搬入情報入力手段により入力された搬入情報と前記調製実績入力手段により入力された調製実績に基づいて、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を計算して出力する収穫量出力手段と
を備え
前記搬入情報入力手段に入力される乾燥機単位での圃場単位の搬入情報には、作物の搬入数量が含まれ、作物の搬入数量は、特定の目盛りをつけた容れ物を用いて作物を搬入し、容れ物の目盛りに基いて作物の搬入数量を読み取って入力され、
前記調製実績入力手段に入力される乾燥機単位での乾燥の調製実績には、製品、B級品、不良品の重量が含まれることを特徴とする農業用の収量管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作物の生産管理をするための農業用の収量管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
農業における生産管理、特に米の生産管理において、工業における生産管理と同様に、一圃場を一工程ラインとして捉えて、収穫時に圃場単位で製品、B級品、不良品の量を把握することができれば、その実績に基づいて次年度の生産計画を立てることができると考えられる。ところが、現状では、複数の圃場で収穫された米は、圃場ごとに区別されることなく、自社乾燥施設やカントリーエレベーターと呼ばれる共同利用施設などで乾燥処理されている。このため、圃場単位での収穫量や、製品、B級品、不良品の把握がなされていない。
【0003】
なお、収穫された穀粒の収量などを即座に評価しながら収穫作業を進めることができる穀粒収穫機が開発され、販売もされているが、得られる収穫量が計算値であるため、実際の収穫量の数値と合わない場合が多い。また、この穀粒収穫機は高額であり、導入できる農家も限られる。また、運搬車両ごと重量を計測する方法もあるが、この方法では、水分のばらつきがある場合に収穫量を補正することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-187909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、高額な装置を用いることなく、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を正確に把握することができる、農業用の収量管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の農業用の収量管理システムは、圃場情報を入力する圃場情報入力手段と、圃場単位での作物名を入力する作物名入力手段と、乾燥機単位での圃場単位の搬入情報を入力する搬入情報入力手段と、乾燥機単位での乾燥の調製実績を入力する調製実績入力手段と、前記圃場情報入力手段により入力された圃場情報と前記作物名入力手段により入力された作物名と前記搬入情報入力手段により入力された搬入情報と前記調製実績入力手段により入力された調製実績に基づいて、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を計算して出力する収穫量出力手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の農業用の収量管理システムによれば、高額な装置を用いることなく、自社乾燥調整施設での作業だけでなく、共同利用乾燥設備に持ち込んだものでも、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を正確に把握することができる、農業用の収量管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の農業用の収量管理システムの一実施例における処理手順を示すフローチャートである。
図2】同上、圃場情報と作物名の入力画面の一例である。
図3】同上、搬入情報と調製実績の入力画面の一例である。
図4】同上、モミ記録調製計算表の表示画面の一例である。
図5】同上、生産実績集計表の表示画面の一例である。
図6】同上、圃場別収量集計表の表示画面の一例である。
図7】同上、乾燥調製・製品出来高・ロス率計算表の表示画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の農業用の収量管理システムについて、主に米の収量管理を例にして説明する。添付した図面に基づき説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。
【0010】
処理手順を示す図1において、10は圃場情報であり、圃場情報10は、収量管理システムの使用者によって、圃場情報入力手段(図示せず)によりデータベース20に入力される。また、30は圃場単位での作物名であり、作物名30は、収量管理システムの使用者によって、作物名入力手段(図示せず)によりデータベース20に入力される。
【0011】
図2に圃場情報10と作物名30の入力画面を示す。収量管理システムの使用者は、圃場情報10として、圃場グループ、圃場番号、圃場名、圃場住所、圃場面積を入力する。また、作物名30として、稲、枝豆などの品目名、コシヒカリ、新潟茶豆などの品種名を入力する。
【0012】
図1に戻ると、40は乾燥機単位での圃場単位の搬入情報であり、搬入情報40は、収量管理システムの使用者によって、搬入情報入力手段(図示せず)によりデータベース20に入力される。また、50は乾燥機単位での乾燥の調製実績であり、調製実績50は、収量管理システムの使用者によって、調製実績入力手段(図示せず)によりデータベース20に入力される。
【0013】
図3に搬入情報40と調製実績50の入力画面を示す。収量管理システムの使用者は、搬入情報40として、(1)刈取搬入日を選択し、(2)乾燥機番号を入力し、(3)圃場名、搬入数量、オペレーター名、搬入者名、(4)作物の区分、品目名、品種名を選択し、(5)張込(搬入)日時、測定水分を入力する。また、籾摺り調製が完了したら、調製実績50として、(1)乾燥終了日、仕上日時を選択し、測定水分を入力し、(2)調製日を選択し、(3)製品のロット番号、製品重量を入力し、(4)中米(B級品)、くず米(不良品、C級品)の総重量を入力する。これらの入力により、同一の乾燥機に入れた量が圃場ごとに記録される。なお、管理がしやすいように、例えば、特定の目盛りをつけた容れ物を用いて作物を搬入し、容れ物の目盛りに基いて作物の搬入数量を読み取って入力するようにする。
【0014】
再び図1に戻ると、データベース20に入力された圃場情報10、作物名30、搬入情報40、調製実績50に基づき、収穫量出力手段(図示せず)は、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を計算して出力する。具体的には、収穫量出力手段は、モミ記録調製計算表60、生産実績集計表70、圃場別収量集計表80、乾燥調製・製品出来高・ロス率計算表90を出力する。
【0015】
図4にモミ記録調製計算表60の表示画面を示す。モミ記録調製計算表60は、刈取日ごとに、コンバインオペレーター、搬入者、地番、品種、乾燥機単位の搬入数量、地番合計、調製日、乾燥機単位の製品重量が自動計算され、作表されている。モミ記録調製計算表60は、搬入数量の確認のために用いられる。
【0016】
図5に生産実績集計表70の表示画面を示す。生産実績集計表70は、調製日ごとの乾燥機単位で、圃場面積、区分、刈取水分、刈取重量、仕上げ水分、乾燥重量、籾殻重量、玄米(製品)重量、中米(B級品)重量、くず米(C級品)重量、総玄米(製品、B級品、C級品)重量、製品率(製品重量/総玄米重量)、圃場1000m当たり製品重量などが自動計算され、作表されている。なお、籾殻重量は、総玄米量の20%として計算するなど、必要に応じて計算を簡略化してもよい。
【0017】
図6に圃場別収量集計表80の表示画面を示す。圃場別収量集計表80は、圃場単位で、圃場名、品種、総玄米量、10a当たり総玄米量、製品重量、中米(B級品)重量、くず米(C級品)重量、製品率、中米率、くず米率、圃場製品反収(10a当たり)が自動計算され、作表されている。なお、一つの圃場から複数の乾燥機に入れた場合においても、圃場別に集計された収量が表示されている。
【0018】
図7に乾燥調製・製品出来高・ロス率計算表90の表示画面を示す。乾燥調製・製品出来高・ロス率計算表90は、調製日ごとの乾燥機単位で、品種、面積ほか、各項目が自動計算され、作表されている。ここでは、ロット番号も表示されている。
【0019】
以上のように、本実施例の収量管理システムによれば、高額な装置を用いることなく、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を正確に把握することができる。また、圃場単位で、製品率、中米(B級米)率、くず米率、10a当たりの反収が分かることで、圃場単位で行った一年間の作業状況との関係性を分析、検証することができる。
【符号の説明】
【0020】
10 圃場情報
30 作物名
40 搬入情報
50 調製実績
【要約】
【課題】高額な装置を用いることなく、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を正確に把握することができる、農業用の収量管理システムを提供する。
【解決手段】圃場情報10を入力する圃場情報入力手段と、圃場単位での作物名30を入力する作物名入力手段と、乾燥機単位での圃場単位の搬入情報40を入力する搬入情報入力手段と、乾燥機単位での乾燥の調製実績50を入力する調製実績入力手段と、圃場情報入力手段により入力された圃場情報10と作物名入力手段により入力された作物名30と搬入情報入力手段により入力された搬入情報40と調製実績入力手段により入力された調製実績50に基づいて、圃場単位の製品、B級品、不良品の量を計算して出力する収穫量出力手段とを備えた。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7