(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】家庭用自律式アイテム回収及び輸送ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
(21)【出願番号】P 2023017788
(22)【出願日】2023-02-08
(62)【分割の表示】P 2020544559の分割
【原出願日】2018-11-01
【審査請求日】2023-03-10
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520158506
【氏名又は名称】ラブラドール システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドーリー マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ロマノフ ニコライ
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-023327(JP,A)
【文献】特開昭63-258303(JP,A)
【文献】特開平07-010208(JP,A)
【文献】特表2009-501685(JP,A)
【文献】特開昭51-053382(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0104278(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108622588(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置と、
パレット要素と、を備えるアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステムであって、
前記パレット要素は、
前記パレット要素とは別の、部分的に支持面側縁に囲まれた少なくとも1つの下部支持面によって、下方から支持されるように構成されるベースと、
前記ベースの略上方に設けられるアイテム支持面と、
前記パレット要素の近位縁に沿って設けられる、下向きに延在する壁であって、前
記ベースは、前記少なくとも1つの下部支持面の上に、前記下向きに延在する壁が前記支持面側縁に近接して設けられた状態で配置
されるように構成される、下向きに延在する壁と、を備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、
実質的に構造化されていない環境内での、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の自律移動を促進するように構成される可動ドライブベースと、
前記可動ドライブベースの上方に設けられ、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキと、
アイテム回収機構であって、少なくとも1つのアクチュエータと、前記デッキと前記アイテム支持面との間における、前記少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成される少なくとも1つの可動器具とを備える、アイテム回収機構と、を備え、
前記下向きに延在する壁は、(i)前記支持面側縁と、(ii)前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置との間で規制されることにより、前記デッキと前記アイテム支持面との間における前記少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送の間、前記パレット要素の移動を抑制するように構成される、
アイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項2】
前記パレット要素は、前記少なくとも1つの下部支持面へ付着しない、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの回収可能アイテムは、少なくとも1つの第1受容面と、少なくとも1つの第2受容面とを備え、
前記アイテム回収機構は、前記少なくとも1つの可動器具を前記少なくとも1つの第1受容面に係合させることにより、(i)前記少なくとも1つの回収可能アイテムが前記アイテム支持面又は前記デッキのうちの少なくとも1つによって支持されている間、前記少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)前記少なくとも1つの回収可能アイテムを前記デッキに向かって引く、ように構成され、
前記アイテム回収機構は、前記少なくとも1つの可動器具を前記少なくとも1つの第2受容面と係合させることにより、(i)前記少なくとも1つの回収可能アイテムが前記アイテム支持面又は前記デッキのうちの少なくとも1つによって支持されている間、前記少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)前記少なくとも1つの回収可能アイテムを前記アイテム支持面に向かって押す、ように構成される、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの可動器具は、前記少なくとも1つの回収可能アイテムの面の下方を進むことにより、前記少なくとも1つの可動器具と、(i)前記少なくとも1つの第1受容面、又は、(ii)前記少なくとも1つの第2受容面のうちの少なくとも1つとの係合を許容する、ように構成される、
請求項
3に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項5】
前記パレット要素は、少なくとも1つの検出可能機構を備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記少なくとも1つの検出可能機能を検出するように構成される少なくとも1つのセンサを備えることにより、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置が、(a)前記パレット要素の存在を検出する機能、又は、(b)前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の少なくとも一部を前記パレット要素に対して位置決めする機能、のうちの少なくとも1つを実行することを許容する、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項6】
前記パレット要素は、少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構を備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構の少なくとも一部の検出を示す、少なくとも1つの信号を生成するように構成される少なくとも1つのセンサを備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記少なくとも1つの信号を利用して、前記少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構の存在の有無を検出するように構成される、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構は、前記パレット要素の1つ又はそれ以上の面の内部又は表面上に設けられる、
請求項
6に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの回収可能アイテムは、少なくとも1つの検出および/又は識別のための機構を備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記少なくとも1つの検出および/又は識別のための機構を検出するように構成される少なくとも1つのセンサを備えることにより、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置が、(a)前記少なくとも1つの回収可能アイテムの存在を検出する機能、又は、(b)前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の少なくとも一部を前記少なくとも1つの回収可能アイテムに対して位置決めする機能、のうちの少なくとも1つを実行することを許容する、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記デッキの上面の下方に備えられる、
かつ/又は、前記少なくとも1つの可動器具の少なくとも一部は、前記デッキの下方を進むように構成される、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項10】
前記パレット要素は、前記近位縁と略反対側の前記パレット要素の遠位縁に沿って上向きに延在する壁をさらに備え、
前記上向きに延在する壁は、少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構を備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構の少なくとも一部の検出を示す、少なくとも1つの信号を生成するように構成される少なくとも1つのセンサを備え、
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記少なくとも1つの信号を利用して、前記少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構の存在の有無を検出するように構成される、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項11】
前記デッキ
の上面は、前記デッキの1つ又はそれ以上の周縁に囲まれた境界の範囲内に配置され、前記上面は、前記デッキに対して移動する前記アイテム回収機構の任意の部分が通過するための場所を提供するように構成される上面開口を有さない、
請求項
1に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボット
システム。
【請求項12】
アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置とともに使用されるように構成されるパレット要素であって、
前記パレット要素は、
前記パレット要素とは別の、主に水平であり部分的に支持面側縁に囲まれた下部支持面によって、下方から支持されるように構成されるベースと、
前記ベースの略上方に設けられ、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるアイテム支持面と、
前記パレット要素の近位縁に沿って設けられる、下向きに延在する壁と、を備え、
前記パレット要素の前記ベースは、前記下部支持面の上に配置
されるように構成され、前記下向きに延在する壁は、前記支持面側縁に接触し、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置のデッキに近接して設けられることにより、前記アイテム支持面と前記デッキとの間における、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置による前記少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送の間、前記パレット要素の移動を抑制するように構成される、パレット要素。
【請求項13】
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置のセンサによって検出されるように構成される、光学検出可能機構をさらに備える、
請求項
12に記載のパレット要素。
【請求項14】
前記光学検出可能機構は、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置が(a)前記少なくとも1つの回収可能アイテムの存在を検出する機能、又は、(b)前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の少なくとも一部を前記少なくとも1つの回収可能アイテムに対して位置決めする機能、のうちの少なくとも1つを実行することを許容する、
請求項13に記載のパレット要素。
【請求項15】
前記アイテム支持面は、前記少なくとも1つの回収可能アイテムの少なくとも一部の下方における前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の少なくとも1つの可動器具の通行のための場所を提供するように構成される、少なくとも1つの上側凹部を画定する、
請求項
12に記載のパレット要素。
【請求項16】
前記近位縁と略反対側の前記パレット要素の遠位縁に沿って設けられる、上向きに延在する壁をさらに備える、
請求項
12に記載のパレット要素。
【請求項17】
前記パレット要素の1つ又はそれ以上の面の内部又は表面上に設けられ、前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置のセンサによって検出されるように構成される、少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構をさらに備える、
請求項
12に記載のパレット要素。
【請求項18】
前記少なくとも1つの回収可能アイテム存在検出機構は、符号化情報を備える、
請求項
17に記載のパレット要素。
【請求項19】
実質的に構造化されていない環境内での、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の自律移動を促進するように構成される可動ドライブベースと、
前記可動ドライブベースの上方に配置され、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキであって、前記デッキの少なくとも1つの周縁に囲まれた境界の範囲内に上面を備えるデッキと、
前記デッキと外部支持面との間における前記少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成されるアイテム回収機構であって、
少なくとも1つの可動器具と、
前記少なくとも1つの可動器具を、(a)前記少なくとも1つの可動器具の大部分が前記デッキの下方に配置される位置から、(b)前記少なくとも1つの可動器具の少なくとも一部が前記少なくとも1つの回収可能アイテムの少なくとも一部の下方に配置される位置まで、横方向外側に移動させるように構成される、少なくとも1つ
のアクチュエータと、
を備えたアイテム回収機構と、を備え、
前記少なくとも1つ
のアクチュエータは、前記アイテム回収機構の収納および運転の間、前記デッキの下方に位置し、
前記アイテム回収機構は、前記少なくとも1つの可動器具に、(i)前記少なくとも1つの回収可能アイテムが前記外部支持面又は前記デッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、前記少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)前記少なくとも1つの回収可能アイテムを前記デッキに向かって引かせる、ように構成され、
前記アイテム回収機構は、前記少なくとも1つの可動器具に、(i)前記少なくとも1つの回収可能アイテムが前記外部支持面又は前記デッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、前記少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)前記少なくとも1つの回収可能アイテムを前記外部支持面に向かって押させる、ように構成される、
アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置。
【請求項20】
実質的に構造化されていない環境内での、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の自律移動を促進するように構成される可動ドライブベースと、
前記可動ドライブベースの上方に配置され、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキであって、前記デッキの少なくとも1つの周縁に囲まれた境界の範囲内に上面を備えるデッキと、
少なくとも1つの可動器具を移動させるように設けられる少なくとも1つのアクチュエータを備えるアイテム回収機構であって、前記デッキと外部支持面との間における、前記少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成されるアイテム回収機構と、を備え、
前記少なくとも1つのアクチュエータは、前記デッキの前記上面の下方に設けられ、
前記上面は、前記デッキに対して移動する前記アイテム回収機構の任意の部分の通過のための場所を提供するように構成される上面開口を有さず、
前記少なくとも1つの可動器具は、前記デッキと前記外部支持面との間における前記少なくとも1つの回収可能アイテムの輸送の間、前記デッキの前記少なくとも1つの周縁の略下方に設けられる少なくとも1つの前面、側面、又は後面開口を通過するように構成され、
前記アイテム回収機構は、前記少なくとも1つの可動器具に、(i)前記少なくとも1つの回収可能アイテムが前記外部支持面又は前記デッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、前記少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)前記少なくとも1つの回収可能アイテムを前記デッキに向かって引かせる、ように構成され、
前記アイテム回収機構は、前記少なくとも1つの可動器具に、(i)前記少なくとも1つの回収可能アイテムが前記外部支持面又は前記デッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、前記少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)前記少なくとも1つの回収可能アイテムを前記外部支持面に向かって押させる、ように構成される、
アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置。
【請求項21】
前記アイテム回収機構の全体は、前記アイテム回収機構の運転期間と運転期間の間に、前記デッキの上面の下方に収納されるように構成される、
請求項
1又は20のいずれか1項に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項22】
前記アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、前記デッキを、前記アイテム支持面又は前記少なくとも1つの回収可能アイテムに対して実質的に同じ高さにするように構成される、高さ調整機構をさらに備える、
請求項
1,18,又は20のいずれか1項に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの可動器具は、前記デッキと前記アイテム支持面との間における前記少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送の方向に対して、垂直な方向に回転するように構成される、
請求項
1,18,又は20のいずれか1項に記載のアイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年11月3日に出願された米国仮特許出願第62/581,564号に基づく優先権を主張し、この仮出願の全内容をここに援用する。
[発明の分野]
本発明は、一般的に、個人用支援機器の役割において、構造化されていない環境内(例えば、住宅内)で対象物を操作するのに適した移動型搬送ロボットに関し、より具体的にはアイテム回収及び輸送ロボットシステムおよび装置に関し、また、アイテム回収及び輸送ロボット装置の運転を支援するのに有用な関連付属品に関する。
[背景技術]
数十年にわたり、製造現場および倉庫内においてアイテムを自動輸送するために、多種多様な無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)が用いられてきた。時間とともに、複数の型のAGVが、病院、研究所、および事務所といった別の環境でアイテムを運搬し配送する用途に適応されてきた。
【0002】
いくつかのAGVは、運搬する対象物の積み降ろしを人間の(例えば、手動の)介入、又は、外部の自動化装置に依存しながら、単に対象物を移動するための可動プラットフォームとして働く。別のAGVは、アクチュエータを有する外部機器が、必要な積み作業、および/又は、降ろし作業のいくつか、又は全てを行う場所へと進む。さらに別のAGVは、外部支援を必要とすることなく対象物の自動積み降ろしをするための、一体化機構が装備される。
【0003】
一体化された積み降ろし機構を有するいくつかのAGVは、人間が運転するフォークリフトと同様の方法で品物のパレットを持ち上げるために、一体化されたフォークリフト機構を用いて、大型の対象物を垂直方向に持ち上げて運搬するのに役立つ。ごく最近開発されたAGV(アマゾンロボティクスの倉庫ロボットに具現化されているものなど)は、収納ユニットの下を進み、収納ユニットを持ち上げて床から離し、新たな場所へ輸送するように構成される。別のAGVは、通常、小型の荷物(例えば、単一の対象物でさえも)を持ち上げて、AGVと外部の場所との間を輸送するロボットアームを備える。
【0004】
自動積み降ろし機能を有する特定のAGVは、AGVのカーゴ面と外部の面との間で、対象物を横方向に移動させるように構成される。このタイプの例として、電動式ベルトコンベヤ、又は、AGVカーゴ面上のローラを有するAGV、および、電動式プッシュプル機構を使用して対象物をスライドさせて、AGVカーゴ面における積み降ろしをする、非移動式カーゴ面を有するAGVが挙げられる。これらの例では、AGV上の横方向移動機構は、移動対象物への最適な到達範囲およびアクセスを提供するために、カーゴエリアで露出している。特定のAGVは、第2の移動度を与える高さ調整機構を備えてもよく、それにより、棚に収納された対象物を回収するなどの目的で、AGVのカーゴ面を1つ又はそれ以上の外部の面と整列させることを可能にする。
【0005】
AGVの種々の構成が徐々に拡張されるとともに、AGVの構成は、AGVの運転が可能な環境の複雑さの観点からも発展してきた。
【0006】
初期のAGVは、高度に構造化された環境で機能するように設計され、運転用に特化した支援インフラの導入を必要とした。例えば、AGVが、ある地点から別の地点へ走行するために用いることができる予め定められたルートおよび位置情報を提供するために、多くの場合、床には磁気テープ又は別のマーカが置かれていた。
【0007】
産業用センサ、プロセッサ、およびソフトウェアの発展により、自動誘導式車両、つまりSGV(Self Guided Vehicle)とも呼ばれることがある、より自律型のAGVの使用
が可能になった。SGVは、AGVと同様の作業を実施してもよいが、通常、AGVより少ない外部構造を伴って運転でき、ルート、および、SGVが支援する配送の役割に適応できる。
【0008】
3Dカメラ、マッピングソフトウェア、ジャイロスコープ、近接センサ、リチウム電池、無線通信、低消費電力高速プロセッサ、認識ソフトウェア、および人工知能を含む、消費者向けエレクトロニクスの種々の技術的発展は、SGVの費用対効果を十分に高いものとして、SGVを、住宅などのより幅広い構造化されていない環境、および、個人用搬送ロボットなどのより幅広い用途に適したものにする可能性がある。しかしながら、対象物の積み降ろし用機構などの、AGVおよびSGVの重要な要素も、ほかの付随する要素も、未だに、主に訓練された従業員の周辺の産業的作業用に設計されている。
【0009】
AGVおよびSGVは発展してきているが、当該技術分野では、手動、および/又は、自動積み降ろし機能を支援できるロボット、および、従来のロボットに関連する課題に対処するロボットを含む、構造化されていない、人間が占める空間での使用に適したアイテム回収/輸送ロボットを探求し続けている。上述の課題には、傍観者(高齢者、子ども、およびペットを潜在的に含む)の安全を確保しつつ、構造化されていない空間での運転を確実に行うこと、信頼性のある運転を促進すること、および、好ましくは、従来のAGVと比較して妥当なコストで、ロボットの実用性および多用途性を促進することが含まれる。
[発明の概要]
本開示の局面は、1人又はそれ以上の訓練を受けていない個人が存在し得る、かつ/又は、ロボットの表面と近接して影響し合い得る、住宅環境、および/又は、別の環境において、対象物を運搬および配達するのに適したアイテム回収及び輸送ロボット装置に関する。少なくともある実施形態によるアイテム回収及び輸送ロボット装置は、第1の位置から対象物を回収し、回収した対象物をロボットの表面に載せて運搬し、少なくとも1つの第2の位置に対象物を輸送し、かつ/又は、降ろすように機能する。
【0010】
ユーザにとって使い易く安全な方法でアイテム回収及び輸送作業を達成するために、少なくともある実施形態によるアイテム回収及び輸送ロボット装置は、移動型ロボットに一体化された(例えば、一部として搭載された)1つ又はそれ以上の回収機構を含み、回収機構が収納されている間、および/又は、回収機構がロボットの表面に対象物を積む作業中、又は、ロボットの表面から対象物を降ろす作業中に、回収機構は最小限に露出される。ある実施形態では、回収機構の最小限の露出には、1つ又はそれ以上のアクチュエータと、少なくとも1つの可動器具の少なくとも大部分とを、アイテム回収及び輸送ロボット装置のデッキ表面の下方に備えることを含む。このような回収機構は、少なくとも1つの回収可能アイテムが、スライドされてデッキに積まれ、かつ、スライドされてデッキから降ろされるように構成されてもよい。ある実施形態では、少なくとも1つの可動器具の少なくとも一部は、アイテム回収及び輸送ロボット装置のデッキの下方を進むように構成される。
【0011】
本開示の一局面では、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、可動ベースと、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキと、アイテム回収機構とを備える。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具を備え、デッキと外部支持面との間における、少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成される。少なくとも1つの回収可能アイテムは、少なくとも1つの第1受容面と、デッキに近接して設けられる近位端部と、デッキから距離を置いて設けられる遠位端部とを
備える。少なくとも1つの第1受容面は、近位端部よりも遠位端部の近くに設けられる。少なくとも1つの可動器具は、少なくとも1つの可動器具と少なくとも1つの第1受容面との係合を許容するために、少なくとも1つの回収可能アイテムの面の下を進むように構成される。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具を少なくとも1つの第1受容面と係合させるように構成されることで、(i)少なくとも1つの回収可能アイテムが外部支持面又はデッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、また、(ii)少なくとも1つの回収可能アイテムをデッキに向かって引くようにする。上述のアイテムの回収および/又は輸送のための装置は、少なくとも1つの回収可能アイテムの重量の大半がデッキ又は外部支持面に支持されている間、少なくとも1つの回収可能アイテムがスライドによって横方向に輸送されることを許容する。このような構成によって、複雑で高価なアイテムリフト機構が不要になる。
【0012】
本開示の別の局面では、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、可動ベースと、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキと、アイテム回収機構とを備える。デッキは、少なくとも1つの周縁に囲まれた境界を備える。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具を備え、デッキと外部支持面との間における、少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成される。アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、次の(i)~(iii)の特徴のうち少なくとも1つをさらに備え、それらの特徴とはすなわち、(i)アイテム回収機構は、アイテム回収機構の収納および操作の間、中央目標エリアの外側に留まり、中央目標エリアは、デッキの中央部分からの上向きの投影として画定でき、デッキの中央部分は、上述の境界の範囲内のエリアの少なくとも50%を占める連続したエリアを備える、という特徴、(ii)デッキは、1メートル未満の最大幅を有し、周辺目標エリアは、デッキの周縁から内側に延在する周辺部の上向きの投影として画定でき、アイテム回収機構の収納、および/又は、操作の間、少なくとも1つの可動器具による周辺目標エリアへのいかなる侵入も、デッキの少なくとも1つの周縁から測定したデッキの最大長さ又は最大幅の0から25%の範囲内である侵入距離に制限される、という特徴、又、(iii)アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、1メートル未満の最大幅を有し、デッキは、アイテム回収機構が引き戻された位置にある状態においてアイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の平面最大設置面積の少なくとも約75%の平面視エリアを占め、アイテム回収機構の任意の部分がデッキの平面視エリアに沿って露出する場合、アイテム回収機構の収納および操作中は、アイテム回収機構は、デッキの20%未満に沿って露出する、という特徴である。特徴(i)から(iii)は、アイテム回収機構に遮られない(つまり、干渉を受けない)状態に維持される、デッキの所望の(例えば、中央の)部分を提供するための代替的設定を表す。デッキの所望の部分への障害を排除することで、所望の部分を別の目的で使用できるようにし、かつ/又は、所望の部分を密封することで、信頼性の高い運転、および/又は、清潔又は衛生的な状態の維持を不可能とし得る汚染物質(例えば、液体や異物など)に対する不浸透性を備えさせることができる。
【0013】
本開示の別の局面では、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、可動ベースと、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキと、アイテム回収機構とを備える。デッキは、デッキの少なくとも1つの周縁に囲まれた境界を備える。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具を備え、デッキと外部支持面との間における、少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成される。少なくとも1つのアクチュエータは、デッキの上面の下方に設けられる。上面は、デッキに対して移動するアイテム回収機構の任意の部分が通過できるように構成される上面開口を何ら含まない。少なくとも1つの可動器具は、デッキと外部支持面との間における少なくとも1つの回収可能アイテムの輸送の間、デッキの少なくとも1つの周縁の略下方に設けられる少なくとも1つの前面、側面、又は後面開口を通過するように構成される。ある実施形態では、少なくとも1つの可動器具の少なくとも一部は、デッキの下方を進むように構
成される。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具に、(i)少なくとも1つの回収可能アイテムが外部支持面又はデッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)少なくとも1つの回収可能アイテムをデッキに向かって引かせるように構成される。さらに、アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具に、(i)少なくとも1つの回収可能アイテムが外部支持面又はデッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)少なくとも1つの回収可能アイテムを外部支持面に向かって押させるように構成される。上述の特徴の組み合わせは、このような機構が収納されている間、および/又は、このような機構がロボットの表面に対象物を積む作業中、又は、ロボットの表面から対象物を降ろす作業中に、回収機構の露出を最小限にすることを可能にする。
【0014】
別の局面では、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、可動ベースと、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキと、アイテム回収機構とを備え、デッキは、少なくとも1つの周縁に囲まれた境界の範囲内に上面を備え、アイテム回収機構は、デッキと外部支持面との間における少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成される。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具と、少なくとも1つの第1アクチュエータとを備え、第1アクチュエータは、少なくとも1つの可動器具を、(a)少なくとも1つの可動器具の大部分がデッキの下方に配置される位置から、(b)少なくとも1つの可動器具の少なくとも一部が少なくとも1つの回収可能アイテムの少なくとも一部の下方に配置される位置まで、横方向外側に移動させるように構成される。少なくとも1つの第1アクチュエータは、アイテム回収機構の収納および操作の間、デッキの下方に位置する。アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具に、(i)少なくとも1つの回収可能アイテムが外部支持面又はデッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)少なくとも1つの回収可能アイテムをデッキに向かって引かせるように構成される。さらに、アイテム回収機構は、少なくとも1つの可動器具に、(i)少なくとも1つの回収可能アイテムが外部支持面又はデッキのうちの少なくとも1つに支持されている間に、少なくとも1つの回収可能アイテムをスライドさせ、かつ、(ii)少なくとも1つの回収可能アイテムを外部支持面に向かって押させるように構成される。
【0015】
本開示の別の局面は、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置とパレット要素とを備える、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボットシステムに関する。パレット要素は、部分的に支持面側縁に囲まれた少なくとも1つの下部支持面によって下方から支持されるように構成されるベースと、ベースの略上方に設けられるアイテム支持面と、パレット要素の近位縁に沿って設けられる、下向きに延在する壁とを備え、パレット要素のベースは、少なくとも1つの下部支持面の上に、下向きに延在する壁が支持面側縁に近接して設けられた状態で配置可能である。アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、可動ベースと、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるデッキと、アイテム回収機構とを備え、アイテム回収機構は、少なくとも1つのアクチュエータと、デッキとアイテム支持面との間における、少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送用に構成される少なくとも1つの可動器具とを備える。下向きに延在する壁は(i)支持面側縁と、(ii)アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置との間で規制されるように構成されることで、デッキとアイテム支持面との間における少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送の間、パレット要素の移動を抑制する。パレット要素を使用することにより、通常であれば実質的に構造化されていない環境に、限定的な構造を与えてもよい。パレットの下向きに延在する壁を設けることにより、下向きに延在する壁をアイテム回収及び支持ロボット装置と下部支持面側縁との間で規制する(例えば、挟む)ことができ、それにより、パレット要素の下部面への付着を必ずしも必要とすることなく、アイテムの積み作業、および/又は、降ろし作業の間に、
パレット要素が不動とされてもよい。このようにして、パレットは、構造化されていない環境の範囲内で、ユーザが所望するように、容易に場所を変えられてもよい。
【0016】
本開示の別の局面は、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置(例えば、本明細書に開示するアイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置)とともに使用するように構成されたパレット要素に関する。パレット要素は、主に水平であり部分的に支持面側縁に囲まれた下部支持面によって、下方から支持されるように構成されるベースと、ベースの略上方に設けられ、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるアイテム支持面と、ベースの略上方に設けられ、少なくとも1つの回収可能アイテムを支持するように構成されるアイテム支持面と、パレット要素の近位縁に沿って設けられる、下向きに延在する壁とを備える。パレット要素のベースは、下部支持面の上に配置可能であり、下向きに延在する壁は、支持面側縁に接触し、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置のデッキに近接して設けられるように構成されることで、アイテム支持面とデッキとの間における、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置による少なくとも1つの回収可能アイテムの横方向輸送の間、パレット要素の移動を抑制する。
【0017】
ある実施形態では、回収および/又は輸送のためのロボット装置は、対象物の運搬に適した少なくとも1つの表面を有するロボット搬送カートを備えてもよく、ユーザは、少なくとも1つの面に対象物を手動で積むことができ、および/又は、少なくとも1つの面から対象物を手動で降ろすことができる。少なくともある実施形態では、少なくとも1つの運搬面を有するロボット搬送カートは、ユーザ用のサイドテーブルとして機能でき、必要に応じて、少なくとも1つの運搬面がサイドテーブルの上面として機能する。少なくともある実施形態では、ロボット搬送カートは、ユーザが必要に応じて到達範囲内に置くこと又はアクセスすることを希望するアイテムを保持するための追加の収納面および収納場所を備えてもよい。少なくともある実施形態では、ロボット搬送カートは、住宅環境、および/又は、別の環境内で、エンドユーザのリクエスト、スケジュール、および/又は、きっかけとなるイベントに基づいて、ある地点から別の地点へ走行するように構成されてもよい。少なくともある実施形態では、ロボット搬送カートは、本明細書で特定した1つ又はそれ以上の機能を果たすように構成されるとともに、1つ又はそれ以上の対象物をロボット搬送カートの少なくとも1つの運搬面に積むことができ、かつ/又は、1つ又はそれ以上の対象物をロボット搬送カートの少なくとも1つの運搬面から降ろすことができる対象物回収機構も備えてもよい。
【0018】
ある実施形態では、本明細書に開示の回収および/又は輸送のためのロボット装置は、ユーザ(又はペットであっても)とアイテム回収機構の可動要素との間の、危険となり得る接触の可能性を排除し得る、又は少なくとも顕著に抑制し得る点で、工業環境に適用された従来のAGVおよびSGVとは異なる。
ある実施形態では、回収および/又は輸送のためのロボット装置は、対象物を保持するための、塞がれていない、又は、最小限に塞がれたデッキ表面を備え、それにより、ユーザに対して、回収、輸送、および/又は、搬送されるあらゆる対象物へのより良いアクセスを提供する。
【0019】
少なくともある実施形態における回収、および/又は、輸送において、対象物運搬用のアイテム回収機構によって使用される1つ又はそれ以上の(例えば、デッキの)表面は、アイテム回収機構の要素、および/又は、回収および/又は輸送のためのロボット機構の別の内部要素から遮断されるか、或いは、大部分において遮断される。この分離および遮断は、対象物の運搬用に使用される1つ又はそれ以上の表面が容易に清浄化又は洗浄されることを、有利に可能としてもよい。このように、表面(例えば、デッキ表面)を食物又は飲料の運搬面として使用されることができ、かつ/又は、食事用の表面として使用され
ることができる一方で、表面上に配置された材料、および/又は、液体が、アイテム回収機構の要素、および/又は、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の別の内部要素に影響するリスクを最小限にする。
【0020】
別の局面では、本明細書に記載する任意の1つ又はそれ以上の局面又は特徴は、さらなる利点を得るために、1つ又はそれ以上の別の局面又は特徴と組み合わせられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
別の局面および実施形態は、発明の詳細な説明および添付の図面によって明らかにされる。
【0022】
当業者は、添付の図面と併せて以下の好適な実施形態の詳細な説明を読めば、本開示の範囲を真に理解するとともに、その追加の局面を認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に記載する実施形態は、当業者による実施形態の実行を可能にするために必要な情報を示し、実施形態を実行する最良の態様を説明するものである。以下の記載を添付の図面に照らして読めば、当業者は本開示の概念を理解し、本明細書に特に記載のない当該概念の応用を認識するであろう。当該概念およびその応用は、本開示および添付の請求項に記載の範囲内であると理解されるべきである。
【0024】
本明細書内で種々の要素を説明するために、第1、第2、などの用語が使用されることがあるが、これらの要素はこれらの用語によって制限されないと理解される。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の範囲を逸脱することなく、第1要素を第2要素と称することができ、同様に、第2要素を第1要素と称することができる。本明細書で使用されているとおり、「および/又は」、「かつ/又は」という用語は、列挙された関連項目のうち1つ又はそれ以上のあらゆる組み合わせを含む。
【0025】
本明細書内で使用されることがある「下」、「上」、「上方」、「下方」、「水平」、又は「垂直」などの相対語は、図に記載された1つの要素、層、又は領域の、別の要素、層、又は領域に対する関係を表す。これらの用語および上述した用語は、図に記載された装置の向きに加えて、それと異なる向きを包含することを意図すると理解される。
【0026】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態だけを説明する目的で使用されるものであり、本開示を限定することを意図しない。本明細書で使用されているとおり、単数としての表記は、文脈から明らかに否定されない限り、複数であることを包含することを意図する。さらに、本明細書で使用される「~を含む」、「~を含んでいる」、「~を備える」、および/又は、「~を備えている」という用語は、記載された特徴、整数、プロセス、作業、要素、および/又は、部品の存在を明記するものであるが、1つ又はそれ以上の別の特徴、整数、プロセス、作業、要素、部品、および/又は、これらからなる群の存在、或いは追加を除外するものではないと理解される。
【0027】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本開示が属する技術分野における当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書で使用される用語は、本明細書の文脈および関連技術におけるその意味と一致した意味を有するように解釈されるべきであり、明細書において明確に定義されない限り、理想化された、又は、過度に形式的な意味に解釈されないものと理解される。
【0028】
本明細書に記載の種々の実施形態は、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置に関する。簡潔にする目的で、この装置は、詳細な説明において「移動型ロボット」又は単に「ロボット」というように、様々に称され得る。ある実施形態では、移動型ロボットは、アイテムを輸送するための1つ又はそれ以上の支持面、および/又は、移動型ロボット上に位置する支持面と外部支持面との間においてアイテムを移動させるための1つ又はそれ以上のアイテム回収機構を備えてもよい。
【0029】
ある実施形態では、移動型ロボットは、アイテムの収納、整理、運搬、および/又は、回収が自力では厳しく、難しく、および/又は、危険である、運動性、体力、安定性、および/又は、認知能力に制限のある個人の、1つ又はそれ以上のアイテムの収納、整理、運搬、および/又は、回収を助ける個人支援機器として設計されてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットは、支援型ロボットが同様の作業を実行することで個人の生産性を上げ、および/又は、こうした作業を実行するうえで個人に必要とされる努力、および/又は、時間の度合いを低減する可能性がある場合に、上述の個人的な制限を必ずしも有してはいない個人が、同様の作業を実行するのを助けるように設計されてもよい。
[本開示に記載の技術的課題]
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のアイテムの収納、運搬、整理、および/又は、回収を助ける個人支援機器として設計される移動型ロボットは、工業環境、商業環境、および/又は、施設環境で使用される既存のAGVと同様の要素を有してもよいが、ターゲットエンドユーザのニーズを支援するという特定の課題、および/又は、より構造化されていない、かつ/又は、より複雑化した環境において移動型ロボットを運転する必要性に対応するために、別の要素、固有の特徴、および/又は、変更点を備えて異なっていてもよい。これらの環境には、居住用住宅、他の個人用生活環境、および/又は、個人が集う別の社会環境を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0030】
これら特定の課題には、アイテム輸送、および/又は、アイテム回収機能を有する移動型ロボットを、訓練されていない大人、子ども、および/又は、ペットに接近して、および/又は、物理的に直接接触して、安全に、かつ/又は、効果的に運転する必要から生じる課題が含まれてもよいが、それには限定されない。
【0031】
これら特定の課題には、身体的障害、および/又は、その他の障害を持ち得る個人に、直接、および/又は、即時にアクセスするために、移動型ロボットのアイテム支持面、および/又は、別の要素を露出させ、こうした個人が移動型ロボットのアイテム支持面、および/又は、別の要素を見て、これに手を伸ばして、かつ/又は、これにアクセスするために必要とされる労力を低減する必要から生じた課題が含まれてもよいが、それには限定されない。これら特定の課題には、移動型ロボットの開放されたアイテム支持面の上に個人が置き得る対象物を検出すること、および/又は、管理することが含まれてもよく、移動型ロボットの開放されたアイテム支持面の上では、移動型ロボットの動作中に1つ又はそれ以上のアイテムは動く可能性があり、1つ又はそれ以上のアイテムは移動型ロボットの枠を越えて延在する可能性があり、かつ/又は、移動型ロボットの動作中に1つ又はそれ以上のアイテムは外部の障害物と接触するリスクがある。また、これら特定の課題には、外部支持面と移動型ロボットのアイテム支持面との間においてアイテムを移動させるアイテム回収機構の可動部を操作しながら、身体的障害、および/又は、その他の障害を持ち得る個人に、外部支持面、および/又は、移動型ロボットの支持面への直接、および/又は、即時のアクセスを提供する必要から生じる課題が含まれてもよい。
【0032】
これら特定の課題には、移動型ロボットを使った個人の活動、および/又は、移動型ロボットの周りにおける個人の活動が、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の要素と干渉し、これを汚染し、かつ/又は、破損し得る場合に、移動型ロボットを安全に、かつ/又は、効果的に運転する必要から生じる課題が含まれてもよいが、これには限定されない。こ
れらの活動には、移動型ロボットの1つ又はそれ以上のアイテム支持面、および/又は、別の要素を使用して食物、液体、および/又は、薬品を収納し、運搬し、回収し、かつ/又は、消費をし易くすること、移動型ロボットの1つ又はそれ以上のアイテム支持面、および/又は、別の要素を使用して個人用ケア製品、家庭用洗浄用品、抗菌剤、廃棄物処理用品、および/又は、廃棄物用容器を収納し、運搬し、回収し、かつ/又は、使用をし易くすること、並びに、移動型ロボットの1つ又はそれ以上のアイテム支持面、および/又は、別の要素を使用して一般的な家庭用品、および/又は、個人用身の回り品(パーソナルアイテム)、書籍、および/又は、他の読み物、電子機器、リモートコントロ-ル機器、個人用スマートデバイス、ヘルス、および/又は、ホームモニタリング機器、眼鏡、衣類、寝具、杖、および/又は、他の支援機器を収納し、運搬し、回収し、かつ/又は、使用をし易くすることが含まれてもよいが、これらには限定されない。
【0033】
これら特定の課題には、移動型ロボットが安全に、および/又は、効果的に、狭い経路、雑然とした環境、様々な高さの張り出した障害物、特定の位置に留まり得る、又は留まらない場合がある様々な寸法の障害物、可変、および/又は、段差のある床面および床の移行部、床上の小さな障害物、並びに、不慣れな環境(例えば、ロボットが当該環境の間取り、および/又は、当該環境に付加された外部基準点について、最小限の事前知識しか持たない、又は、全く事前知識を持たない環境)の中で、上で、周りで、又はこれを通り過ぎて、又はこれを通り抜けて巧みに運転することを可能にすることが含まれてもよいが、これらには限定されない。さらなる課題として、移動型ロボットが、移動型ロボットの経験が限定的であるか、又は、経験がない個人によって設定され、運転され、かつ/又は、再訓練されることを可能にすることが含まれてもよい。
【0034】
これら特定の課題には、移動型ロボットが、限定的な可動性、および/又は、安定性を有し得る個人の周りの閉鎖空間で、安全に、かつ/又は、効果的に運転することで、個人の移動の自由に必要な経路、および/又は、空間との干渉を避けること、個人が自らの安定性を維持するために、特定の位置で移動型ロボットを把持する必要があるときに、安定した構造を提供すること、および/又は、個人がより不安定になり得るような態様で当該個人と接触することを避けること、を可能にすることが含まれてもよいが、これらには限定されない。
【0035】
これら特定の課題には、上述の課題のうち2つ、3つ、又はそれ以上の組み合わせを含む状況が含まれてもよいが、それらには限定されない。例示的状況の一つとして、移動型ロボットは、回収可能アイテムを輸送、および/又は、移動させるための支持面を備えてもよく、当該支持面には、猫などの家庭で飼育されるペットが、移動型ロボットの回収、および/又は、輸送作業中のどの時点でも飛び乗り得る。ある実施形態では、移動型ロボットは開放テーブル状のアイテム支持面などの要素を含んでもよく、それにより、個人が、移動型ロボットの面の上、および/又は、面の近くから食物、および/又は、飲料を消費することを可能にし得てもよい。このような実施形態において生じ得る例示的状況は、移動型ロボットのアイテム支持面が、食物、および/又は、飲料がこぼれる可能性に対応する必要があり得ること、支持面が時々液体洗剤で清浄される必要があり得ること、並びに、閉鎖された居住環境において、および/又は、食物、および/又は、飲料に曝されるとアイテム回収機能の要素に障害が起き得る場合において運転するために、支持面が移動型ロボットのアイテム回収機構に近接している必要があり得ること、を含む。
・本開示の移動型ロボットの要素の紹介
以下の実施形態では、居住環境、および/又は、通常なら構造化されていない環境において、および/又は、個人的な可動性、強度、安定性、および/又は、認知に制限のある個人が1つ又はそれ以上のアイテムを、収納、整理、運搬、および/又は、回収することを助けるために移動型ロボットが用いられ得る場合において、輸送機能、および/又は、回収機能を目的として移動型ロボットを運転する課題のうち、1つ又はそれ以上に対処す
る本発明の要素を記載する。
・移動型ロボットのアイテム支持面
ある実施形態では、移動型ロボットは、アイテムを運搬するための1つ又はそれ以上の支持面を備える。これらの運搬されるアイテムは、手動により移動型ロボットの一つ又は複数の支持面に配置され、かつ/又は、移動型ロボットの一つ又は複数の支持面から撤去されるアイテムを含んでもよい。当該アイテムは、移動型ロボットの支持面と移動型ロボットから離間した外部支持面との間を自動で移動させられ得る回収可能アイテムを含んでもよい。ある実施形態では、いくつかの回収可能アイテムは、移動型ロボットの支持面、および/又は、外部支持面に手動で配置されてもよく、かつ/又は、移動型ロボットの支持面、および/又は、外部支持面から手動で撤去されてもよい。
【0036】
ある実施形態では、移動型ロボットの支持面は1つ又はそれ以上の側縁を備えてもよく、側縁は、移動型ロボットが移動型ロボットの支持面の縁を外部支持面の対応する側縁と整列させ、移動型ロボットの支持面と外部支持面とが、大部分で互いに同じ高さとなるようにすることを可能とし、それにより、アイテムが進行中に必ずしも持ち上げられる必要なく、一方の面から他方の面にスライドすることを可能にする。ある実施形態では、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面は、手動、および/又は、自動のアイテム配置および撤去のためのアクセスを許容するために、支持面のうち1つ又はそれ以上の上方に、1つ又はそれ以上の開放側部、および/又は、開放空間を備えてもよい。
【0037】
図1Aに示す実施形態では、移動型ロボット100は、手動で配置、および/又は、撤去され得るアイテムを支持する上面102を備える、アッパーデッキ101(上デッキ)と称される上部プラットフォームを備える。アッパーデッキの当該上面の一領域は、移動型ロボットの一部として一体化されるアイテム回収機構を用いて、アッパーデッキと外部支持面との間を自動的に移動させることができる回収可能アイテム用の支持面としても使用されてよい。
【0038】
図1Aに示す実施形態では、移動型ロボット100のアッパーデッキ101は、移動型ロボットの前側に開放前縁103を備えてもよく、開放前縁103は、移動型ロボットのベースにおける差動駆動を有する2つの電動輪の軸168と略平行でもよい。この実施形態では、移動型ロボット100は、可動ドライブベース160内の電動輪の回転を利用して、外部支持面に接近し、アッパーデッキ101の前縁103を外部支持面の開放側縁と整列させ、アッパーデッキの上面102が外部支持面に近接するまで前方に駆動することができる。具体的には、アッパーデッキの上面102は、外部支持面に十分近接して、1つ又はそれ以上のアイテムが移動型ロボットのアッパーデッキの前縁を越えて、2つの面の間をスライドできるようにする必要がある。ある実施形態では、アイテムは、前縁を越えて手動で移動されてもよく、かつ/又は、移動型ロボットの一部として一体化されるアイテム回収機構の使用を介して移動されてもよい。1つ又は複数のアイテムが移動されると、可動ドライブベース160の電動輪は、外部の面から離間するために後退駆動し、移動型ロボットの向きを変え、その後新たな位置へと走行してもよい。
【0039】
ある実施形態では、アイテムは、前縁の代わりに、又は前縁に加えて、アッパーデッキの別の縁を越えて手動、および/又は、自動で移動されてもよく、当該縁は、移動型ロボットの本体、主な進行方向、および/又は、ドライブベースの向きに対して様々な角度であってよい。
【0040】
ある実施形態では、移動型ロボットは、多数の支持面を備えてもよく、それらの支持面によるアイテムの運搬、および/又は、それらの支持面の縁のうち1つ又はそれ以上を越える回収可能アイテムの移動を可能としてもよい。これらの面は、移動型ロボットが個人のために保持、運搬、および/又は、回収できるアイテムの種類、数、および/又は、量
を増大し得る。
【0041】
図1Aに示す実施形態では、ロボットは、第2ミドルデッキ140(中デッキ)の上方に設けられるアッパーデッキ101を備え、各デッキ101,140は、アイテムの運搬、および/又は、アイテムの移動ができる支持面を備える。ミドルデッキ140は、外部支持面との対象物の移動を可能にすることにおいて、アッパーデッキ101の前縁103と同じ機能を果たし得る、同様の前縁143を備える。ミドルデッキの高さの方が低いことを前提として、外部支持面は異なる高さであってもよい。
図1Aの実施形態では、ミドルデッキの前縁403は、アッパーデッキの前縁103および可動ドライブベース162の前縁と、垂直方向に整列し、それにより、両デッキは、1つ又はそれ以上の外部支持面に対して最小限の隙間を有して位置することができる。
【0042】
ある実施形態では、アッパーデッキ、別のデッキ、および/又は、支持面の前縁は、移動型ロボットの可動ドライブベース、および/又は、別の要素の前縁に対して凹んでいてもよい。ある実施形態では、アッパーデッキ、別のデッキ、および/又は、支持面の前縁は、移動型ロボットの可動ドライブベース、および/又は、別の要素の前縁に対して延出してもよい。
【0043】
ある実施形態では、ドライブベースの1つ又はそれ以上の縁は、ドライブベースの上方の移動型ロボットの構造の、1つ又はそれ以上の縁を越えて延在してもよい。これらの実施形態は、ドライブベースの全て又は一部を囲むバンパの配置を含むことで、移動型ロボットの構造の別の部品が障害物と接触する前にその障害物を検出するものとしてもよいが、これには限定されない。これらの実施形態は、ドライブベースの1つ又はそれ以上の縁の近くに、上向きの角度に設けられ得る1つ又はそれ以上のセンサの配置を含んでもよく、それによって、移動型ロボットの動作中に移動型ロボットと干渉し得る外部の障害物を検出し、アイテムの移動のプロセスを支援し、かつ/又は、移動型ロボットの支持面上に存在するアイテムの中に移動型ロボットの定められた枠を越えて延在しているものがないかを検出してもよいが、これらには限定されない。これらの実施形態は、移動型ロボットにより大きな安定性を与えるために、ドライブベース内の、移動型ロボットの上体の境界よりもさらに外側に、1つ又はそれ以上の車輪、および/又は、別の支持構造の配置を含んでもよいが、これには限定されない。
【0044】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面は、対象物、および/又は、他の障害物との接触を検出するため、デッキ、および/又は、他の支持面の外縁の一部又は全ての周りに、バンパを備えてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットの本体の他の要素がバンパを備えてもよい。
【0045】
ある実施形態では、ドライブベース、アッパーデッキ、他の支持面、および/又は、移動型ロボットの本体の他の要素の一部又は全てを囲むバンパは異なる部分、および/又は、検出ポイントに区分けされてもよく、バンパが、ある箇所と別の箇所とで、接触の位置を識別可能であってもよい。このような区分けには垂直方向区分、および/又は、横方向区分が含まれてもよい。
【0046】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面は、(移動型ロボットの)電動機構によって、ドライブベース、および/又は、移動型ロボットの他の要素に対して少なくとも1つの方向に可動であり得る。このような実施形態では、移動型ロボットは、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前縁を前進させることで、(i)移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前縁と、(ii)外部支持面の縁、との間の隙間の全て又は一部を塞ぐことができる。ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面
を、移動型ロボットの他の要素の機能にとってより最適である、移動型ロボットのドライブベース、および/又は、他の要素に対して後退した位置まで引き戻してもよい。ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面を、ドライブベース、移動型ロボットの他の要素、外部支持面、および/又は、他の外部対象物に対して回転させてもよい。
【0047】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、他の支持面、および/又は、他の部分は、可動ジョイントの周りに設けられる、接触センサ、および/又は、移動センサを備えてもよい。可動ジョイントにおいて、移動型ロボットのアッパーデッキ、他の支持面、および/又は、他の部分が移動型ロボットの構造と接続する。これらの実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットのアッパーデッキ、他の支持面、および/又は、他の部分の、支持構造に対する位置の変化によって、障害物との接触を検出することができる。
【0048】
図1Aに示す実施形態では、支持柱130は、アッパーデッキ101とミドルデッキ140とを固定された距離で接続する。支持柱130は、構造的な支持を提供することに加えて、アッパーデッキとロボットの他の部分との間に電力および通信手段を提供するための配線を収容してもよい。
【0049】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上の柱、壁、および/又は、他の支持構造を使用して、1つ又はそれ以上のデッキ、アイテム支持面、および/又は、アイテム回収機構を、異なる水平方向、および/又は、垂直方向の構成で配置することができる。
【0050】
ある実施形態では、移動型ロボットの支持面は、アイテムの収納、および/又は、回収の適用並びに必要性によって、より多くの表面、高さ、および/又は、区画に細分されることができる。ある実施形態では、支持面は、異なる目的に特化した複数の表面又は面部分を備えてもよい。例えば、1つ又はそれ以上の領域が、移動型ロボットの支持面と1つ又はそれ以上の外部支持面との間で自動的に移動されるアイテムを支持するように指定される一方で、他の領域が、1人又はそれ以上のユーザによって、手動で移動型ロボットに配置、収納され、かつ/又は、手動で移動型ロボットから撤去され得るアイテムを保持するように指定されてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットの同一の支持面を、アイテムの手動配置、および/又は、アイテムの手動撤去、並びに、1つ又はそれ以上の外部支持面を用いた、回収可能アイテムの自動的な移動に使用できる。
【0051】
ある実施形態では、例えば
図1Aのアッパーデッキ101の上面102の縁103,106,107,108沿いに示すものなど、移動型ロボットの支持面の縁のうち1つ又はそれ以上は、側部において、支持面へのアクセスをよりよくするために、大部分が開放(又は完全に開放)されてよい。ある実施形態では、
図1Aのミドルデッキ140の上面142の縁146,147,148沿いに示すものなど、支持面の縁のうち1つ又はそれ以上が、1つ又はそれ以上の側部において、支持面上に置かれるアイテムの収容を助けるために、ガードレール、および/又は、側壁によって囲まれてもよい。ある実施形態では、
図1Aのミドルデッキ140の上面142の縁146,147,148沿いに示すものなどの、ガードレール、および/又は、側壁は、収容およびアクセスを異なる態様で提供するために可動であってもよく、移動型ロボットは、ガードレール、および/又は、側壁を上昇、および/又は、下降させることができる。
【0052】
ある実施形態では、移動型ロボットの動作中にアイテムの収容を助けるために、上昇態様にあるガードレール、および/又は、側壁は、
図7Aのアッパーデッキ701の上面702を囲む縁703,706,707,708に沿って示されるように設けられてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットの静止中にアイテムへのアクセスをよりよくするた
めに、下降態様にあるガードレール、および/又は、側壁は、
図7Bのアッパーデッキ701の上面702を囲む縁703,706,707,708に沿って示されるようになってもよい。
【0053】
ある実施形態では、移動型ロボットの支持面は、こぼれた液体を受け止めて支持面の表面上の包囲領域、および/又は、支持面の下方の受け止め容器まで導くように構成された排水溝を備えてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットは、液体が支持面の表面、排水溝内、および/又は、受け止め容器内にあるかどうかを検出する1つ又はそれ以上のセンサを備えてもよい。
【0054】
ある実施形態では、移動型ロボットの側部のうちの1つ又はそれ以上は、開放、および/又は、閉鎖可能な壁、および/又は、可動ドア、および/又は、ハッチによって囲まれることができる。ある実施形態では、支持面の側部、および/又は、移動型ロボットの支持面内の領域のうちの1つ又はそれ以上は、開放、および/又は、閉鎖可能な壁、および/又は、可動ドア、および/又は、ハッチによって囲まれることができる。
【0055】
ある実施形態では、移動型ロボットは、大部分が平らな表面によって下方から支持する以外に、1つ又はそれ以上の方法でアイテムを保持するための、1つ又はそれ以上の容器、ホルダ、かご、袋、伸縮コード、フック、取付位置、および/又は、他の接続部を備えることができる。ある実施形態では、容器、および/又は、保持機器は、移動型ロボットの側部のうちの1つ又はそれ以上に取付けられて、容器、および/又は、保持機器、並びにその内容物が、移動型ロボットの外周の角部の回転によって定義される、移動型ロボットの旋回半径内に収まるようにすることができる。ある実施形態では、容器および保持機器は、移動型ロボットの側部のうちの1つ又はそれ以上に取付けることができ、移動型ロボットはリフト機構を備え、容器、および/又は、保持機器、並びにその内容物が、移動型ロボットのデッキ、および/又は、他の支持面と共に上昇、および/又は、下降されることができるが、ロボットが上昇状態、および/又は、下降状態にあるときに、床、および/又は、移動型ロボットの他の要素と接触しないようにすることができる。ある実施形態では、保持機器は、杖、つかまり用のステッキ、および/又は、移動型ロボットのデッキ、支持面、および/又は、他の要素の側部から吊り下げ可能な支援機器などの、水平方向設置面積が小さい、背の高いアイテムを保持することができる。ある実施形態では、保持機器は、カップ、ボトル、および/又は、飲料、および/又は、液体の入った容器を保持することができる。
【0056】
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの背面側の
図1に示す後部支持柱の領域に位置する、垂直な容器、かご、可撓性のあるポケット、袋、ワイヤフレームホルダ、および/又は、他の種類の容器を備えることができ、それにより、本、フォルダ、新聞、他の読み物、ボトル、タブレット、ノートパソコン、および/又は、他の同様のアイテムなどの、比較的薄いが、背が高く、および/又は、設置面積が大きなアイテムを保持するための付加的な収納スペースを提供することができる。
【0057】
ある実施形態では、移動型ロボットは、1つ又はそれ以上の引き出し、カップホルダ、回転式ターンテーブル、自動供給式アイテムホルダ、蓋付きの凹状区画、加熱パック、および/又は、冷却パック用のスペースを有する、および/又は、有さない断熱区画、回転式コンベア、および/又は、ベルトコンベアを備えることができ、それにより、移動型ロボットで運搬されるアイテムの種々の収納およびアクセス方法を提供することができる。
【0058】
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの一端の一部に搭載されることができる、1つ又はそれ以上の可撓性の、および/又は、調整可能なアームを備え、他端に携帯電話、タブレット、他のスマートデバイス、および/又は、他の対象物を保持する
ための保持器具を、容易に手が届き、および/又は、容易に見ることができる位置に備えることができ、保持器具は、調節可能なブラケット、磁気接触面、および/又は、吸引カップを備えることができるが、これらには限定されない。
・多様な高さ/リフト機能
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボット上の1つ又はそれ以上のアイテム支持面の高さを上昇、および/又は、下降させることができる垂直リフト機構を備えてもよく、それにより、1つ又は複数の支持面を、1つ又はそれ以上の多様な高さの外部支持面の高さに整列させてもよい。ある実施形態では、垂直リフト機構は、居住環境、および/又は、他の環境において、種々の外部支持面に回収可能アイテムを収納するためのより多くの場所を提供してもよく、かつ/又は、個人が移動型ロボット上の支持面に到達するためによりよいアクセス、および/又は、より容易なアクセスを提供してもよい。
【0059】
図1Bに示す実施形態では、2段階シザーリフト機構150は、移動型ロボットの可動ドライブベース160とミドルデッキ140との間に存在し、そのため、アッパーデッキ101およびミドルデッキ140が、移動型ロボットの可動ドライブベース160、および/又は、床面に対して、共に上昇又は下降されることができる。それにより、ミドルデッキ140およびアッパーデッキ101の上面142,102が種々の高さで外部支持面と整列するように調整され得て、アイテムが一支持面から別の支持面へと、必ずしも持ち上げられることを必要とせずにスライドできるようになる。シザーリフト機構は、リニアアクチュエータ151から動力を得て、シザーリフトの垂直方向の伸び量を検出するために、少なくとも1つのセンサ、および/又は、エンコーダを備える。
図1Bに示すシザーリフト機構150は、リフト機構の最小運転高さとリフト機構の最大運転高さの間の垂直距離が、ミドルデッキ140の上面142とアッパーデッキ101の上面102との間の垂直距離よりも大きく、2つの上面142,102の調整可能な垂直方向高さの範囲が重なり合うことができるように構成される。
【0060】
ある実施形態では、この2つの支持面の重なった垂直移動範囲は、この2つの支持面の重なった移動範囲内の高さに存在する一般的な外部支持面との間におけるアイテムの移動に利用できる。
図1Cに示す移動型ロボットの実施形態においては、リフト機構が圧縮されてアッパーデッキ101およびミドルデッキ140の両方の高さを、
図1Cに示すアッパーデッキ101が
図1Aに示すミドルデッキ140と同じ高さになる位置まで下降させている。デッキ101,140の両方がアイテム回収機構を備えるある実施形態では、ミドルデッキ140が、
図1Cに示すミドルデッキ140の高さで外部支持面からアイテムを回収し、アイテムを持ち上げて、
図1Aに示すミドルデッキ140の高さで第2の外部支持面へと移動させることができ、その後、アッパーデッキ101が
図1Cの位置まで下降して、第2の外部支持面からアイテムを回収することができる。異なる高さの異なる外部支持体と異なるデッキとの間において行われるこの移動プロセスの実施形態を、
図6A,6B,6Cに示す。
【0061】
ある実施形態では、シザーリフトは、必要とされる高さの範囲に応じて、1つ又はそれ以上の区分を備えてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の要素の高さ、および/又は、位置を調節するために、代替機構を使用することができ、代替機構は、1つ又はそれ以上のリニアアクチュエータ、1つ又はそれ以上の電動レールであって、レールに沿った1つ又はそれ以上のリフトポイントによって駆動される電動レール、1つ又はそれ以上の回転ジョイントを有するピボットアーム、および/又は、1つ又はそれ以上の伸縮区分を有する伸縮リフト支柱を含むが、これらには限定されない。ある実施形態では、単一の移動型ロボットの一部として、複数のリフト機構の組み合わせが使用されてもよい。
【0062】
移動型ロボットの実施形態の一例では、垂直リフト機構は、
図1Aに示す支持柱130
の一部として存在してもよい。ある実施形態では、支持柱の一区分は、別の区分に対して垂直に移動することができ、それにより、アッパーデッキ、および/又は、他のデッキを、移動型ロボットの別の部分に対して上昇/下降させることができる。ある実施形態では、アッパーデッキ、および/又は、他のデッキは、支持柱に接続された直線トラックに沿って移動することができ、それにより、アッパーデッキ、および/又は、他のデッキを、互いに対して、および/又は、移動型ロボットの別の部分に対して上昇/下降させることができる。
【0063】
ある実施形態では、移動型ロボットのリフト機構は、エンドユーザのリクエスト、ロボットに対するエンドユーザの相対位置、近接する家具、および/又は、外部の面の高さ、マップ上の位置に関連付けられた記録された高さ、位置を示すために用いられる1つ又はそれ以上のマーカ、および/又は、実施中の作業に応じて、その高さを調整することができる。ある実施形態では、移動型ロボットは、外部の面、および/又は、他の対象物の高さ、1つ又はそれ以上のマーカ、および/又は、マップ上の位置に関連付けられた高さに基づいて、自動的に移動型ロボットのアッパーデッキの上面、および/又は、別の支持面を、外部の面、および/又は、他の対象物と垂直方向に整列させるために、1つ又はそれ以上のセンサを備えることができる。
・水平化および安定化機構
ある実施形態では、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面、および/又は、他の要素の水平方向移動、回転、および/又は、傾斜を可能にする1つ又はそれ以上の機構を、単独で、および/又は、1つ又はそれ以上のリフト機構との組み合わせで用いることで、3次元空間内で移動型ロボット上の支持面、および/又は、他の要素の位置を調整することができる。ある実施形態では、移動型ロボットは、支持面、および/又は、他の要素のうちの1つ又はそれ以上の相対位置を読み込むために、1つ又はそれ以上のセンサを備えることができ、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、近接センサ、および/又は、他の対象物、および/又は、前の位置に対する向き、および/又は、位置の変化を測定する他のセンサを備えてもよいが、これらには限定されない。ある実施形態では、これらの機構、および/又は、センサのうちの1つ又はそれ以上が、移動型ロボットが平坦でない床面、および/又は、表面上の障害物を越えて移動するときに、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面、および/又は、他の要素の水平にし、かつ/又は、安定化させることを支援するために使用されることができる。
・アイテム回収機構
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットのアイテム支持面と1つ又はそれ以上の外部支持面との間において回収可能アイテムを横方向に移動させる手段を提供する、1つ又はそれ以上のアイテム回収機構を備えることができる。これらの機構は、移動型ロボットが、ある場所において1つ又はそれ以上の外部の面から回収可能アイテムを回収し、その回収可能アイテムを他の場所へ運搬することを可能にすることができる。これらの機構は、移動型ロボットが、1つ又はそれ以上の外部の面上に、回収可能アイテムを運搬および配置することを可能にしてもよい。これらの機構は、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面の上、下、又は内部に一体化された、1つ又はそれ以上の可動器具を備えてもよく、可動器具は、可動器具が横方向に移動するときに回収可能アイテムを押すため、および/又は、引くために、回収可能アイテム上の1つ又はそれ以上の受容面と係合することができる。ある実施形態では、移動型ロボットの支持面に関連付けられた可動器具は、収納の間、および、全て又は実質的に全てのアイテム回収、および/又は、輸送プロセスの間、支持面の下方に配置される。ある実施形態では、少なくとも1つの可動器具は、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置のデッキの下方を進むように構成される。
【0064】
図1Aに示す実施形態では、移動型ロボット100のアッパーデッキ101は、アッパーデッキの上面102の下方に収納され、アッパーデッキの前縁103に沿った前側に近
接した2つの開口110-1,110-2を通って延びる、2つのアイテム回収アームの形状で可動器具を備える。
【0065】
図2Aに、移動型ロボットのアッパーデッキアセンブリ201内における、アイテム回収機構の実施形態の内部図を示す。
図2Aでは、2つのアイテム回収アーム220-1,220-2は、アッパーデッキの上面202の下方に設けられ、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前方側縁203に略直角に交わる。2つのアイテム回収アーム220-1,221-1は、アッパーデッキの前方側縁203から開口210-1,210-2を通過して前方に延び、逆進してアッパーデッキ201の上面202の下に引き戻されるように構成される。2つの回収アーム220-1,221-1は、エンコーダを有するモータ224に駆動される横方向駆動ベルト223と接続した支持ブラケット222と接続され、支持ブラケット、横方向駆動ベルト、モータ、およびエンコーダは全て、アッパーデッキ201の上面202の下に存在する。本実施形態では、横方向駆動ベルト223は、回収アーム220-1,221-1の移動方向に平行に設けられる。運転中は、モータ224は、一方向に回転することで、横方向駆動ベルトおよび支持ブラケット222を移動型ロボットのアッパーデッキの前縁203に対して前方に駆動することができ、モータは、反対方向に回転することで、横方向駆動ベルトおよび支持ブラケットを移動型ロボットのアッパーデッキの前縁に対して後方に駆動することができる。支持ブラケット222は、回収アーム220-1,221-1の、アッパーデッキの上部支持面202の前縁203に対する後方側の端部に向けて接続される。支持ブラケット222は、横方向駆動ベルト223が支持ブラケット222をロボットの前縁に向けて前方に駆動するときに、回収アーム220-1,221-1を前方に駆動するように構成される。支持ブラケット222は、横方向駆動ベルト223が支持ブラケット222をロボットの前縁に対して後方に駆動するときに、回収アーム220-1,221-1を引いて戻す。
【0066】
図2Aに示す実施形態では、アッパーデッキの前縁203から後縁204へ後ろ向きに計測したアッパーデッキ201の長さは、回収アーム220-1,221-1の長さを超えるため、支持ブラケット222がアッパーデッキの後縁204に向かって引き戻されるときに、回収アームの全長がアッパーデッキの上面202の下に引き込まれることができる。
【0067】
ある実施形態では、アイテム回収機構は、回収アームが支持ブラケットに接続される位置に近い側の端部とは反対側の前方端部に回収先端部を有する、1つ又はそれ以上の回収アームを備えることができ、回収先端部は、回収アームの本体の方向、および/又は、回収アームの進行する横方向に対して直角に交わる。ある実施形態では、回収先端部は、回収アームの移動に伴って回収可能アイテムを横方向に移動させるために、回収可能アイテムに設けられる1つ又はそれ以上の受容面と係合する一態様に配置されることができ、回収機構が、ロボットの支持面、および/又は、外部支持面の間において、回収可能アイテムを押すこと、および/又は、引くことを可能にする。ある実施形態では、回収先端部は、回収可能アイテムの受容面と係合しない別の態様に配置されることができ、回収先端部、および/又は、回収アームが、回収可能アイテムを動かすことなく、回収可能アイテムの表面の一部の下、および/又は、周りを移動することを可能にする。ある実施形態では、これら2つの態様は種々の段階で利用されることができ、それにより、回収先端部および回収アームが、回収可能アイテムの下の所望の位置へ進み、回収先端部を再配置して回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の受容面と係合させ、回収アームの移動に伴って回収可能アイテムを移動させ、そして、ひとたび回収可能アイテムが新たな所望の位置に移動させられると、回収先端部を再配置して回収可能アイテムの受容面との係合を解除することを可能にする。
【0068】
図2Aに示す実施形態では、回収アーム220-1,221-1は、小さな延長部のよ
うに見える回収先端部220-2,221-2を有し、それらは、回収アームの本体を通って回収アームの支持ブラケット222とは反対側の端部に延びる長軸に直角に交わる。
図2Aに示す実施形態では、回収先端部220-2,221-2はそれぞれ、対応する回収アーム220-1,221-1と強固に接続される。回収アーム220-1,221-1がアッパーデッキ201内に完全に引き戻されているとき、回収先端部220-2,221-2は、水平に、アッパーデッキの上面202の下方に、上面202と平行に位置している。回収先端部220-2,221-2がアッパーデッキ201の前縁203を越えて外側に延びるとき、回収アーム220-1,221-1はそれぞれ、垂直位置へと約90度回転させられ得るため、回収先端部の端部は回収アームの残りの部分よりも上方に位置する。
図2Bに示す実施形態では、回収先端部220-2,221-2は、ひとたびアッパーデッキ201の前縁203を越えて垂直位置に回転されると、アッパーデッキ201の上面202の高さを越えて延在する。回収先端部220-2,221-2のこの上げられた位置は、アッパーデッキ201の上面202の上、および/又は、アッパーデッキの上面と同じ高さに近い外部支持面の上に置かれた、回収可能アイテムの表面と係合するのに利用できる。
図2Bに示す実施形態では、回収先端部は垂直位置に延在し、回収先端部220-2,221-2の最上部を、アッパーデッキ201の支持面202の上に置かれた回収可能トレイ350の縁355-3に近接したアンダーカットポケット内に納める。
【0069】
図2Aに示す、エンコーダを有しアッパーデッキ201の前縁203に近接する第2モータ228は、回収先端部220-2,221-2の回転を可能にする。一組のギアによって、第2モータ228を2つの駆動ベルト225-1,225-2に接続し、この駆動ベルトはそれぞれ、回収アーム220-1,221-1それぞれの周りに位置する貫通回転ギア226-1,226-2と接続する。第2モータ228,エンコーダ,一組のギア、および駆動ベルト225-1,225-2と共同して、貫通回転ギア226-1,226-2それぞれは、それぞれが接続する回収アーム220-1,221-1の回転角度を制御する一方、各回収アームが、対応する貫通回転ギアの中心を通って前進および後退することを許容する。回収アーム220-1,221-1はそれぞれ、反対側の端部の支持ブラケット222のスリ-ブ227-1,227-2に接続され、スリ-ブ227-1,227-2は回収アームの回転を許可するが、支持ブラケットに対する横方向への移動は許可しない。
【0070】
図1に示す実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ101の上面102は丈夫で、かつ/又は、アッパーデッキの上面の下方に収容されるアイテム回収機構から遮断される。回収アーム用の開口110-1,110-2は、前縁103の下方に設けられるアッパーデッキの前方側壁104に沿って、アッパーデッキ101の上面102の下方に設けられる。
【0071】
ある実施形態では、開口110-1,110-2は、前縁103に対して凹状であってもよく、かつ/又は、アッパーデッキ101の上面102に対して内側に角度を付けて傾けられていてもよく、それにより、アッパーデッキから落下する、又は流れる液体、破片、および/又は、他の物質が、回収アームが使用する開口から進入し、アイテム回収機構の他の可動部が占有するアッパーデッキ内の空間に入る可能性を低くできるようにしてもよい。
【0072】
ある実施形態では、アッパーデッキ101の上面102は、スポンジ、噴霧器、タオル、および/又は、ワイプなどの洗浄器具を使用して、水、および/又は、洗浄液で洗浄可能であることができる。ある実施形態では、アッパーデッキ101の上面102はトレイ又は他の部材として構成されてもよく、洗浄されるアッパーデッキアセンブリの部分以外の部分から取り外し可能であって、その後上面102が洗浄されるとアッパーデッキアセ
ンブリの以外の部分に再取り付けされるものとしてもよい。
【0073】
ある実施形態では、回収アーム用の開口は、フラップ、および/又は、ドアを備えることができ、それらは、回収アーム、および/又は、回収先端部が移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の中に引き戻されると閉鎖し、それにより、アイテム回収機構の内部領域への液体、および/又は、破片の進入に対して、さらなる保護を提供することができる。ある実施形態では、フラップ、および/又は、ドアは、回収アームがアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の外側へ延出し、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の中へ引き戻されるときに、回収アームの動きによって開閉することができる。
【0074】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前縁に沿った領域は、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前縁の最も外側の地点から、指定の距離だけ凹ませた形状でもよい。この凹状縁部は、1つ又はそれ以上の回収アームが移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の上面の下方から外側に移動する、1つ又はそれ以上の領域の周りに配置されることができる。凹状縁部は、回収アームの回収先端部が、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前縁の最も外側の地点を越えて引き戻され、回収アームの回収先端部が、回収可能アイテムの後縁を、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前縁の最も外側の位置の内側に引くことを可能にしてもよい。この配置により、回収可能アイテムの全体設置面積が移動型ロボットの設置面積内に配置されることを可能にしてもよく、かつ/又は、最も外側の位置が移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の側部によって形成されることを可能にしてもよい。
【0075】
図2Cに、回収アーム用の開口を囲むエリア281,282がアッパーデッキの前側の他の領域よりも凹んでいる、移動型ロボットのアッパーデッキの実施形態を示す。
図2Dは、アッパーデッキの凹状のエリア281,282内における回収アームおよび回収先端部の進行可能範囲に基づく位置に引き戻された回収可能トレイを示し、回収可能トレイ350がアッパーデッキ201の上面202上に置かれ、回収可能トレイの前側355-3がアッパーデッキの前側203に対して内側に凹んでいる。
図2Cでは、仮想ボックス290は、アッパーデッキ201の上面202上に位置して、任意の空間容積を示し、任意の空間容積は、移動型ロボットのアイテム回収システムのいかなる要素による侵入も無く、かつ/又は、移動型ロボットのアイテム回収システムのいかなる要素とも接触する危険が無いように設計され、保護空間又は保護容積と称される。ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の上方の上面、および/又は、領域の一部分は、保護空間として定義されることができ、それにより、大人、子ども、およびペットを、移動型ロボットのアイテム回収機構、および/又は、他の可動要素から離間させ、かつ/又は、保護する。ある実施形態では、この保護空間又は保護容積は、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の上面の全ての領域と重なってもよく、或いは、含んでもよい。
図2Aおよび
図2Bに示す実施形態では、アイテム回収機構は、回収可能アイテムの回収作業中、および/又は、保持作業中は、収納位置におけるアッパーデッキ201の上面202の下方に留まるか、又は、アッパーデッキの前縁203の前方に延出する。
【0076】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の上方の上面、および/又は、領域の一部は、アイテム回収機構の1つ又はそれ以上の要素、および/又は、移動型ロボットの他の要素へのアクセスを許可する一方で、大人、子ども、および/又は、ペットへの露出を最小限に維持し続けるように設計されてもよい。ある実施形態では、この保護領域は、
図2Cの仮想ボックス290が描写するような、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の中央目標エリアから広がる空間
の中心容積によって画定できる。ある実施形態では、この保護空間又は保護容積は、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の周縁のうち1つ又はそれ以上の外側から内側に向けた一定距離の侵入を受けない領域によって画定でき、侵入の距離は、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の最大長さ、および/又は、最大幅に対して制限される。
図2Cに、仮想ライン291-1を示す。仮想ライン291-1は、アイテム回収機構の要素、および/又は、移動型ロボットの他の要素による、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前縁203からの侵入の任意の距離制限291-2を印す。ある実施形態では、保護領域は、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の設置面積の最小割合として定義できる。
・外部支持面
ある実施形態では、回収可能アイテムおよび外部支持面のシステムは、移動型ロボットのアイテム回収機構および支持面と共に作動するように設計されることができる。
【0077】
ある実施形態では、外部支持面は、パレットであってよく(又はパレットを備えてもよく)、パレットは、1つ又はそれ以上の回収可能アイテムが、パレットと移動型ロボットの支持面との間を移動できるように、回収可能アイテムを保持する。ある実施形態では、パレットは、回収可能アイテムを置く1つ又はそれ以上の支持面を備えることができる。ある実施形態では、パレットは、1つ又はそれ以上の凹型溝部を備えることができ、凹型溝部は、移動型ロボットの回収アームが回収可能アイテムの下方を進むための空間を提供する。
【0078】
ある実施形態では、回収可能アイテムは、回収可能トレイ、大型容器、箱、又はかごであるか、或いは、回収可能トレイ、大型容器、箱、又はかごを備えることができ、回収可能アイテムは、1つ又はそれ以上の対象物を運搬するように構成され、1つ又はそれ以上のパレットと移動型ロボットの支持面のうち1つ又はそれ以上との間を移動されるように構成されることができる。
【0079】
ある実施形態では、回収可能アイテムは、パレットの表面、別の外部支持面、および/又は、移動型ロボットの支持面の上に収納されることができる。ある実施形態では、回収可能アイテムは、回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の端部に、受容面を備えてもよく、受容面は、回収可能アイテムが、移動型ロボットのアイテム回収機構と互換性があるパレット、および/又は、移動型ロボットの支持面上に置かれているときに、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の回収アームの1つ又はそれ以上の回収先端部によって係合されることができる。
【0080】
図3Aに、パレット300の実施形態を示す。パレット300は、アイテム回収機構を有する移動型ロボットによって回収されることができる回収可能トレイ350用の外部支持面を提供する。
【0081】
図3Bに、回収可能トレイ又はいかなる回収可能アイテムも存在しない、パレット300の実施形態を示す。
図3Aに示す実施形態では、パレット300は、上部水平面を備え、上部水平面は、3つの離間したセクション302-1,302-2,302-3を含み、これらは、共通の平面を有し、凹型溝部310-1,310-2の上方に設けられる。3つのセクション302-1,302-2,302-3からなる上部水平面は、回収可能トレイを上に置くための外部支持面を提供する。2つの凹型溝部310-1,310-2は、パレット300の前縁303に直角に交わる向きに設けられ、移動型ロボットの前縁から延在する2つの回収アームの横方向の間隔に合わせられる。
図3Aのパレット300内の凹型溝部の高さ326は、回収先端部および回収アームの最小高さよりも大きく、それにより、回収先端部および回収アームが凹型溝部の垂直壁で囲まれた垂直方向の空間内を進むことを許可する。パレットの2つの側部は、2つの垂直壁305-1,305-2
で囲まれ、これら垂直壁は、回収可能トレイをパレットの側部の内側に収容するために、上部水平面302-1,302-2,302-3の上方に立設される。パレットの前縁303の反対側であるパレットの後側は、垂直壁305-3で囲まれ、これもまた、回収可能トレイをパレットの後側の内側に収容するために、上部水平面302-1,302-2,302-3の上方に立設される。
【0082】
図3Bに示す実施形態では、パレット300の前縁303に沿った領域は、凹型溝部310-1,310-2の上方の領域において開放され、回収可能アイテムの移動の間に凹型溝部内を進む移動型ロボットの回収アームの、横方向からの進入および進出を可能にする。パレット300の前縁303に沿った領域は、上部水平面302-1,302-2,302-3の上方の領域において開放され、回収可能アイテムの移動の間にパレットの上部水平面を進む回収可能アイテムの横方向における進入および退出を可能にする。
【0083】
図3Cに示す実施形態では、パレット300を、パレットの凹型溝部310-1,310-2内を進む回収アーム220-1,221-1と共に示す。回収アーム220-1,221-1は、回収先端部および回収アームがパレット300の凹型溝部310-1,310-2内を進んでいるときに、回収先端部220-2,221-2が最小高さを維持する水平位置に存在するように回転される。ある実施形態では、パレットの水平支持面および凹型溝部は、1つ又はそれ以上の回収可能アームが回収可能トレイの下方を進む空間と共に、回収可能トレイを保持するのに十分な支持面を提供する限り、異なる方法で構成されることができる。ある実施形態では、
図3Bに示すパレット300の中央水平支持面302-2は撤去されることができ、2つの凹型溝部310-1,310-2は単一の凹型溝部に置き換えることができる。
【0084】
図3Bに示す実施形態では、パレット300の前側は、当該パレットの凹型溝部310-1,310-2の下の面の下で下向きに延在する前方リップ306も備える。前方リップ306は、パレットとパレットが載置される下部支持面とを整列させるための面を提供して、物理的な障壁を提供することで、パレットが、対応する下部支持面の前方縁を越えて押し出されることを防ぐのに役立つ。
【0085】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前面は、回収可能アイテムの移動プロセスの間、パレットの前方リップ、および/又は、別の前面を押圧することができる。このような配置は、回収アームが引き戻されて、回収可能アイテムをパレットの表面からアッパーデッキの上面、および/又は、別の支持面上へ引くときに、パレットが移動型ロボットの方向へ引かれるのを防ぎ得る。
【0086】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキの前面、および/又は、別の支持面は、移動型ロボットがパレットと整列しているときに、パレットの前方リップ、および/又は、別の前面を押圧することができ、それにより、パレットが置かれている表面の前方縁からずれてしまった場合、および/又は、前方縁を越えて延出してしまった場合に、パレットを、パレットが置かれている表面上の正しい位置へ押す。ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキの前面、および/又は、別の支持面は、パレットの前方リップ、および/又は、別の前面と接触することができる1つ又はそれ以上の突出要素を備えることができ、それにより、パレットを押して整列させる。ある実施形態では、これらの突出要素は、必要なときに適切な位置に延びるように、機械的に操作されることができる。ある実施形態では、回収アームの回収先端部は、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面から延びることができ、それにより、パレットの前方リップ、および/又は、別の前面と接触してパレットを押し、整列させる。
図8Aに示す実施形態では、回収先端部220-2,221-2は、移動型ロボットの前側203の前方に同一距離で延出し、垂直位置へ回転することで、ロボットが前方へ進むにつれて、回収先端部
220-2がパレット300の前側303の右半分に沿った箇所に最初に接触し、パレットの右側を押し戻して、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前側203との整列を向上させる。
・回収可能なアイテム
図3Dに、パレット又はいかなる外部支持面も存在しない、回収可能トレイ350の実施形態を示す。
図3Dに示す実施形態では、回収可能トレイ350は、1つ又はそれ以上の対象物の保持に適した上面352を備える中央水平部分を備え、パレットの上部水平面、別の外部支持面、および/又は、移動型ロボットの支持面の上に載置可能な下部面353とを備える。回収可能トレイ350は、回収可能トレイ内に置かれる対象物の収容を助け得る4つの側壁355-1,355-2,355-3,355-4も備える。
【0087】
図3Aは、回収可能トレイ350用の外部支持面として機能するパレット300の実施形態を示す。回収可能トレイの側壁355-4は、パレットの前縁303に最も近接して設けられ、355-3と付与された回収可能トレイの側部は、パレットの後部垂直壁305-3に最も近接して設けられる。回収可能トレイ350が、
図3Aに示すようにパレット300内に完全に押し入れられると、回収可能トレイの側壁355-3の外側は、パレットの後部垂直壁305-3の内側と接触し、パレットの後部垂直壁は、回収可能トレイがパレット内にさらに移動することを防ぎ、かつ/又は、回収可能アイテムがパレットの後部垂直壁に対して整列することを助ける。
図3Aに示す位置では、回収可能トレイ350の側壁355-2,355-1は、パレット300の側部垂直壁305-1,305-2の内側に位置し、パレットの側部垂直壁305-1,305-2は、人による手動配置、および/又は、移動型ロボットによる自動回収又は配置の間、回収可能トレイの収容、および/又は、整列を助けることができる。
【0088】
図3Eに、下から見た回収可能トレイ350の実施形態を示す。面353は、パレットの上部水平面、別の外部支持面、および/又は、移動型ロボットの支持面の上に載置された回収可能トレイの下部面を表す。4つの側壁355-1,355-2,355-3,355-4に沿った縁部は、側壁355-4,355-3が回収可能トレイ350の端部を形成するように配置され、当該端部は、回収可能トレイがパレット300と移動型ロボットの支持面との間を移動するときに、その移動の横方向に直角に交わる。
【0089】
図3Eに示す実施形態では、側壁355-4,355-3は、回収可能トレイ350の端部に近接したアンダーカット溝で形成された、受容ポケット360-1,361-1を備える。受容ポケットは、回収可能トレイ350の端部の側壁355-4,355-3と平行に設けられ、回収可能トレイがパレット300と移動型ロボットの支持面との間を移動するときに、その移動の横方向に直角に交わるように延在する。受容ポケット360-1,361-1は、回収アームの回収先端部が回転して入り、また、回収先端部が回転して出てくることができるスペースを提供する。また、受容ポケット360-1,361-1は、回収アームの回収先端部の表面の係合を許容する受容面360-2,360-3,361-2,361-3を提供し、それにより、パレットと移動型ロボットの支持面との間における回収可能トレイの移動中に、回収可能トレイを押し、かつ/又は、引く。
【0090】
図3Fに、パレット300に載置された回収可能トレイ350の実施形態の断面図を示す。断面を画定する縁部は、パレットの凹型溝部310-2の内側に延びる。受容ポケット360-1,361-1は、回収可能トレイの下部面353から上向きに延在する垂直方向のアンダーカットとして視認でき、受容ポケットの最内部壁および最外部壁によって形成される内側受容面360-2,360-3,361-2,361-3を備える。受容面360-2,360-3,361-2,361-3は、回収アームの進行方向に直角に交わり、回収先端部の回転面に平行に配置される。
図3Fに示す実施形態では、受容ポケット360-1,361-1は互いに対称に、回収可能トレイ350の両端部に設けられ
、それにより、トレイはパレット上のどちらの方向にも載置できる。
・アイテム回収機構の運転
図3Gから
図3Nに示す構成は、アイテム回収機構の露出を最低限にした状態で、一実施形態による移動型ロボットを用いて回収可能アイテムを移動させるプロセスを説明する。
図3Gから
図3Nに、回収可能トレイ350、パレット300、およびアッパーデッキ201の断面図を用いて、上述の目的のための1つの回収アーム221-1を示す。別の回収アーム220-1はこの実施形態に存在しているが、回収アームは、運転中は、露出を最小限にする設計により、アッパーデッキおよび回収可能トレイの表面によってほとんど覆われているため、
図3Gから
図3Nの図ではほとんど隠れている。上述の目的のため、回収アーム220-1は、パレットと移動型ロボットのアッパーデッキの上面との間における回収可能トレイの移動中に、回収アーム221-1と平行に作動することができる。ある実施形態では、1つ又はそれ以上の回収アームは、回収可能アイテムの受容面、および/又は、受容機構と係合するために用いられる種々の取り付け機構を使って回収可能アイテムを移動させるために利用されることができる。
【0091】
図3Gはパレット300に載置された回収可能トレイ350の実施形態を、パレットの前縁303側から、パレットと同じ高さでパレットに接近する移動型ロボットのアッパーデッキ201の前縁203と共に示す。アッパーデッキの上面202は空であり、回収アーム220-1,221-1はアッパーデッキに引き戻され、回収先端部220-2,221-2は水平位置に収納されている。
【0092】
図3Hに、パレット300に載置された回収可能トレイ350の実施形態の断面図および、移動型ロボットのアッパーデッキ201の断面図を示す。断面を画定する縁部は、パレットの凹型溝部310-2の内側に、移動型ロボットのアッパーデッキの回収アーム221-1の領域に沿って設けられる。
図3Hに示す実施形態では、アッパーデッキ201はパレット300に対して「ドッキング」位置にあり、アイテム移動プロセスを開始する準備ができている。このような状態では、移動型ロボットのアッパーデッキ201の上面202は、パレット300の上部水平面302-1,302-2,302-3とおおよそ同じ高さであり、したがって、回収可能アイテムは一方の面から他方の面にスライドされることができ、常に一方又は両方の面によって支持されることができる。同様に、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前縁203も、パレット300の前縁303と接触している(又は、少なくとも近接している)。ある実施形態では、移動型ロボットは、アッパーデッキの側方前縁とパレットの側方前縁との間に隙間があり得る位置に着いてもよく、それには、移動型ロボットが他の障害物によってさらに前方に進むことを阻まれる位置を含む(しかし、これには限定されない)。
図3Hに示す、移動型ロボットの回収アーム221-1および回収アーム220-1(図では視認できない)は、回収先端部221-2および回収先端部220-2(図では視認できない)が水平位置にある状態で、アッパーデッキ内の収納位置に引き戻される。
図3Hでは、回収アームはパレットの凹型溝部と整列させられるため、アイテム移動プロセスの間、回収アームがパレットの凹型溝部の長さに沿って前後に移動することを許可する。
図3Hの回収先端部221-2および回収先端部220-2(図では視認できない)は、水平位置に回転することができ、それにより、回収可能トレイの底の下部面の下に嵌まる。
【0093】
図3Iに、
図3Hと同じ断面図を示すが、移動型ロボットの回収アーム221-1は、部分的に、パレット300の凹型溝部310-2の空間内の回収可能トレイの下部面353の下方に延びる(図示されていないが、回収アーム220-1も同様に配置される)。回収先端部221-2,220-2(図では視認できない)は、水平位置を維持し、それにより、回収先端部は、パレット300の凹型溝部310-2の垂直空間内にも嵌まる。
【0094】
図3Jに、
図3Iと同じ断面図を示すが、移動型ロボットの回収アーム221-1,2
20-1(図では視認できない)は、回収トレイ350の下方でさらに延び、回収先端部221-2,220-2は、受容ポケット361-1の下方に位置し、受容ポケット361-1は、回収可能トレイの移動型ロボットに対する遠位端部に最も近接して位置する。
【0095】
図3Kは、3Jと同じ断面図を示すが、回収先端部221-2,220-2(図では視認できない)は垂直位置まで回転されている。さらに、各回収先端部の上方部分は、回収可能トレイの下部面353の上にあり、回収可能トレイ350の移動型ロボットに対する遠位端部に最も近接して位置する、受容ポケット361-1内に納められる。この実施形態では、回収先端部221-2の移動型ロボットに対する近位側221-3は、受容ポケット361-1の受容面361-3に隣接し、回収アームがアッパーデッキ内に横方向に引き戻されていくと、回収先端部の近位側が受容ポケットの受容面361-3と係合し、トレイを移動型ロボットのアッパーデッキの上面上へ引き始めることができるように配置される。回収先端部220-2の移動型ロボットに対する近位側220-3も、受容ポケット361-1の受容面361-3に隣接するが、
図3Kでは視認できない。
【0096】
ある実施形態では、受容ポケットは複数のポケットに分けられること、又は、複数のポケットと置き換えられることができる。ある実施形態では、回収可能アイテムの受容ポケットは、アンダーカット溝のほかに、代替的な形状に構成されることができ、1つ又はそれ以上の回収先端部の遠位側又は近位側のいずれかが係合する少なくとも1つの接触面をなおも有することを代替的な形状の条件とする。代替的な受容構造の実施形態は、回収可能アイテムにおける底面および上面の両方が開放した垂直開口、サイドレール、ハンドル、および/又は、受容面を形成するために回収可能アイテムの異なる箇所を接続する他の構造、受容可能アイテムを押すか引くために、回収先端部および/又は回収アームの別の構造が、回収可能アイテムの異なる地点に移動することを必要とする、回収可能アイテム上に分配された種々の受容面、および/又は、特定の回収先端部および/又は回収アームの他の構造のみが、回収可能アイテムを押すために使用できる、かつ/又は、特定の回収先端部および/又は回収アームの他の構造のみが、回収可能アイテムを押すために使用できる、回収可能アイテム上に分配された種々の受容面を備えてもよいが、これらには限定されない。
【0097】
ある実施形態では、受容ポケットの開口部における受容面の底縁は、面取りした面、斜面、および/又は、丸縁を備えてもよく、それにより、回収先端部が回収位置へ持ち上げられたときに、回収先端部が受容ポケット内で揃うことを助ける。
【0098】
ある実施形態では、移動型ロボットは、回収アームおよび回収先端部が意図する受容ポケットに向かって横方向に延びるときに、回転可能な回収アームを制御している第2モータに幾らかの電力を加えることができ、それにより、回収先端部の端部が、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの下部面に押し付けられることができる。この実施形態では、移動型ロボットは、回収アームの回転を制御する第2モータからのエンコーダ位置、および/又は、モータ電流フィードバックを用いて、回収先端部が収容ポケット内へと回転し始めたか否かを判断することができ、回収アームの伸張を駆動する一次モータ、および/又は、回収アームの回転を制御する二次モータを制御して、回収先端部を回収ポケット内に正しく配置するように助けることができる。
【0099】
図3Lに、
図3Kと同じ断面を示すが、回収アーム221-1,220-1(図では視認できない)は、移動型ロボットのアッパーデッキ201内に部分的に引き戻され、回収トレイ350は、回収先端部221-2,220-2(図では視認できない)によって引き戻されたことにより、トレイの遠位端部が移動型ロボットのアッパーデッキに向かって横方向に移動し、回収可能トレイの近位端部が、移動型ロボットのアッパーデッキの上面202上に移動している。
【0100】
図3Mに、
図3Lと同じ断面を示すが、回収アーム221-1,220-1(図では視認できない)は、移動型ロボットのアッパーデッキ内にほぼ完全に引き戻され、回収先端部221-2,220-2(図では視認できない)および回収(受容)ポケット361-1は、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前縁203の近くへ引かれ、回収可能トレイ350の大部分は移動型ロボットのアッパーデッキの上面202に載置されている。
【0101】
図3Nに、
図3Gと同じ断面を示す。移動型ロボットはパレット300から僅かに離れて戻るが、ここでは回収可能トレイ350は移動型ロボットのアッパーデッキの上面202上に載置され、パレット300は空である。ここでは、回収先端部221-2,220-2の一部が、回収ポケット361-1(図では視認できない)の下に視認できる。
【0102】
ある実施形態では、
図3Nに示す段階の移動型ロボットは、新しい場所、例えば、回収可能トレイを届けるために個人へ、回収可能トレイを移動するために別のパレットへ、および/又は、トレイを移動するためにトレイを受容するのに適した支持機構を有する別の外部の面へ、の移動を開始することができる。ある実施形態では、回収先端部および回収アームは、
図3Nに示す現在位置に留まってもよい。ある実施形態では、回収可能トレイは、移動型ロボットのアッパーデッキの上面の設置位置に留まることができるが、回収先端部が回転して受容ポケットから水平位置へ進出して、それにより回収アームがさらに引き戻されることで、回収先端部がアッパーデッキの上面の下方の収納場所内に引き入れられてもよい。
【0103】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキの上面から回収可能トレイをパレット上へ移動させるには、
図3Gから
図3Nに示す行程を逆に実行する。回収可能トレイ350は、
図3Nに示すように、始めに移動型ロボットの上面202に載置され、ロボットは、
図3Mに示すように、最終接近操作を実行してパレット300と整列する。回収アームは延出し、回収先端部221-2,221-2(図示していない)の移動型ロボットに対する遠位側221-4,220-4(図示していない)は、受容ポケット361-1の受容面361-2を押し、その結果、
図3Lに示すように、回収可能トレイ350をパレット300上へと押す。回収可能トレイ350は、移動型ロボットの回収機構によって、パレット上にさらに押され、回収可能トレイは、
図3Kに示す、回収可能トレイがパレット300の表面上に完全に載置される位置へ最終的に到達する。移動型ロボットがパレットとの係合の解除を開始するには、移動型ロボットは、回収先端部を下向きに水平方向まで回転させ、それにより、回収先端部221-2,220-2(図では視認できない)は、
図3Jに示すように、回収可能トレイの下部面353の下方に位置する。その後、移動型ロボットは、
図3Iに示す箇所を経て、回収アーム221-1,220-1(図では視認できない)をアッパーデッキ内へと引き戻し始める。次の位置では、回収アーム221-1,220-1(図では視認できない)は完全に引き戻され、回収先端部221-2,220-2(図では視認できない)は、
図3Hに示すように、アッパーデッキの上面の下方に位置する。最終の位置では、移動型ロボットは、
図3Gに示すように、後退して回収可能トレイ350をパレット300の上に残し、アッパーデッキ201の上面202を空にした状態とする。
・支持面、回収機構、パレット、および、回収可能なアイテムの変形例
ある実施形態では、アイテム回収機構は
図2Aに示す機構と同様の機能を実行できるが、当該機構の1つ又はそれ以上の要素について、異なる構成を有し得る。
図2Eに、主に回収先端部の構成、および、回収先端部を回収可能な対象物の受容面と係合させるシステムが異なる、アイテム回収機構の代替実施形態を示す。
・固定垂直回収先端部を有する代替回収アーム
図2Eに示す実施形態では、アイテム回収機構は、移動型ロボットのアッパーデッキの下から横方向に進出して引き戻される、2つの回収アームを維持し、これは、
図2Aに示
す回収アームと同様の概念である。ある実施形態では、1つ又はそれ以上の回収アームを使うことができるが、各図では、比較のために2つの回収アームを示す。
【0104】
図2Eに示す実施形態では、エンコーダを有する一次モータ224および横方向駆動ベルト223は、
図2Aに示す機構における対応する要素と実質的に同様であり、回収アームをアッパーデッキから延出させ、アッパーデッキ内に引き戻すという同じ機能を果たす。しかしながら、回収アーム250-1,251-1および回収先端部250-2,251-2は、
図2Aに示す対応部分とは構成が異なる。相違の一つとして、
図2Eの回収アーム250-1,251-1は、固定された水平位置に設けられ、
図2Aの回収アーム220-1,221-1のように回転するように設計されていない。
【0105】
図2Eに示す実施形態では、回収先端部250-2,251-2は、回収アーム250-1,251-1に、およそ90度の角度で強固に備え付けられているが、回収アームが回転しないため、回収先端部は常に垂直方向上向きに向けられている。
図2Eに示すように、回収先端部250-2,251-2は、アッパーデッキ201の上面202の下方に収納されることができるが、回収先端部が垂直位置に留まる間は、回収先端部がアッパーデッキの内部領域内の垂直空間に嵌まっている必要があるため、250-2,251-2の最大高さ(回収先端部の垂直寸法に沿って測定)は限定される。
図2Bに示す回転先端部220-2,221-2と比較して、垂直方向の高さが制限され、先端部のうち回収可能アイテムの受容面に到達可能な部分が恐らく小さいため、
図2Eに示す回収先端部250-2,251-2は幅広に設計され、それにより、回収可能アイテムの受容面との接触が可能なより広い表面積を得る。
【0106】
図2Fに示す実施形態では、回収アーム250-1,251-1の前方端部、および回収先端部250-2,251-2は、アッパーデッキから延出するときに共に垂直方向に立ち上がることができ、回収先端部の上端は、トップデッキ201の上面202の上方に延在することができる。この状態では、回収先端部250-2,251-2は、
図2Bに示す回転する回収先端部の実施形態と同様に、アッパーデッキ201の上面202の上に載置可能な回収可能アイテムの受容面と係合するのに適切な位置にある。
【0107】
図2Fに示す状態において、回収アーム250-1,251-1および回収先端部250-2,251-2は、
図3Iによる回転する回収先端部を有する回収機構の操作と同様に、パレットの凹型溝部内へも延びる一方で、回収可能アイテムの下方を進むこともできる。しかしながら、パレット300の凹型溝部310-1,310-2は、固定垂直回収先端部の高さにとって十分な空間を提供するために、垂直方向の寸法をより高くする必要がある。
【0108】
ひとたび回収アーム250-1,251-1が延び、回収先端部250-2,251-2が回収可能トレイ350の受容ポケット361-1の下方に配置されると、移動型ロボットのリフト機構は、アッパーデッキ201を回収機構と共に立ち上げて持ち上げ、回収先端部250-2,251-2を回収可能アイテムの受容ポケット内に立ち上げることができる。この方法は、回転する回収先端部220-2,221-2の向きを制御するために
図2Aの第2モータ228を使用するのと比較して、
図2Eおよび
図2Fに示す回収機構が、回収先端部250-2,251-2の高さを調節するために第2モータを必要としないことを意味する。
【0109】
ある実施形態では、立ち上げられた回収アーム250-1,251-1および回収先端部250-2,251-2は、
図2Gに示すように、回収可能アイテムを引き戻してアッパーデッキ201の上面202の上に移動させることができる。
【0110】
回収アーム250-1,251-1の前方端部、および回収先端部250-2,251-2は、トップデッキ内に引き戻されるときに、トップデッキの上面の下に下がることもできるが、
図2Aに示す回転する回収先端部とは異なる機構を採用する。
図2Eに示す実施形態では、回収アーム250-1,251-1の回収先端部250-2,251-2に近い端部は、回収先端部側の端部近辺において、回収アームの上方から圧力を加えられると、下向きに屈曲することができる。ある実施形態では、この屈曲は、回収アーム250-1,251-1に使われる材料の持つ自然な特徴であり得、かつ/又は、回収アームの下方のスプリングを搭載した支持体、および、当該機構の後端において回収アームを支持ブラケット252と接続するヒンジによって可能になり得る。
【0111】
図2Fに示す実施形態では、回収アーム250-1,251-1の前方端部は、回収先端部250-2,251-2の基部に、回収アームの残りの部分よりも幅が広い肩部250-3,251-3を備える。回収先端部がアッパーデッキ201内に引き戻される寸前で、各肩部250-3,251-3は、アッパーデッキ201の表面202の下方で逆ランプ229-1,229-2と接触し、それにより、各肩部がランプの逆傾斜に沿って乗り上げると共に回収アームの端部が下降する。
図2Fでは、各回収アームの肩部250-3,251-3の真後ろに、ノッチ250-4,251-4が備えられ、ノッチは、アームの下方にある支持ポイントの上に配置される。支持ポイントは、通常、アームが延びるときはアームを水平に保持するが、肩部がランプと係合すると、ノッチは支持ポイントの上で開放して、回収アームがランプによって下方に押されることを可能にする。
・支持面の変形例
ある実施形態では、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面は、回収可能アイテムが回収機構によって引き入れられる凹状領域を備えてもよく、凹状領域の設置面積は、少なくとも回収可能アイテムの設置面積の寸法であり、回収可能アイテムの下部面は、支持面の凹状領域内に、支持面の周りの領域の高さに対して陥凹されて設けられる。
【0112】
ある実施形態では、移動型ロボットの支持面のうち1つまたはそれ以上の上面は、陥凹部、ノッチ、および/又は、他の機構を備えてもよく、これらは、回収可能アイテムのうち1つ又はそれ以上の底部側に設けられる適合する機構と一致する表面を提供する。
【0113】
ある実施形態では、移動型ロボットの支持面のうち1つまたはそれ以上の上面は、湾曲でき、かつ/又は、ほかの非平面形状を有することができ、回収可能アイテムの下部面は、移動型ロボットの非平面状の支持面の上面の表面と一致する形状を有している。ある実施形態では、パレットは、回収可能アイテムの下部面に一致する、同様に湾曲した支持面、および/又は、非平面形状の支持面を備えてもよい。
・回収機構の変形例(傾斜要素の取り扱い)
ある実施形態では、移動型ロボットのアイテム回収機構、および/又は、他の要素は、調整可能機構を備えてもよく、それにより、パレットの平面がアイテム支持面の平面、および/又は、移動型ロボットの回収機構の回収アームの平面と同じ高さではない状況に適応する。この状況は、居住環境、および/又は、他の構造化されていない環境における、移動型ロボットが上に設けられる床面、および/又は、パレットが上に設けられる下部支持面が同じ高さではないという環境要素に起因して起こり得る。ある実施形態では、アイテム回収アーム221-1は、回収可能アイテム350の下部面353、および/又は、パレット300の凹型溝部の底における表面310-2に対して、
図3Iに示すこれら三要素の平行な構成と比較して、上向き、又は、下向きの角度に延びてもよい。この状況の例として、移動型ロボットのドライブベースの前縁に沿った車輪がエリアラグ(ラグマット)のように上昇した面に載置され、移動型ロボットの反対側の端部に沿った車輪がより床の低く露出した部分に載置され、それにより移動型ロボットの本体が上向きの角度で傾けられて、アッパーデッキの前縁が移動型ロボットの後部側縁よりも高く設定されることが挙げられるが、これには限定されない。
【0114】
ある実施形態では、移動型ロボットの回収機構の回収アームは、回収アームの長尺の一部に沿って可撓部分を備えてもよく、可撓部分は、回収アームが回収可能トレイ又はアイテムの下のパレットの凹型溝部に進入し、上向き又は下向きに屈曲して移動型ロボットの支持面の平面に対する、パレット、および/又は、回収可能アイテムの平面の角度の変化に適応することを許可する。
【0115】
ある実施形態では、移動型ロボットは、付加的な動力機構を備えることができ、それにより、パレットの平面に対してデッキ、他の支持面、回収機構、および/又は、移動型ロボットの上体の平面の角度を調整する。
【0116】
ある実施形態では、移動型ロボットが、パレットが移動型ロボットのアッパーデッキ又は他の支持面の高さに対して下向きに傾斜していると判断し、パレットおよび移動型ロボットのアッパーデッキ(および/又は、他の支持面)は、接続機構を備えることができ、接続機構は、アッパーデッキがパレットの前方リップとドッキングすることを可能にし、ひとたびドッキングすると、リフト機構に、アッパーデッキおよびパレットの前方端部を、パレットの支持面とアッパーデッキとが整列するまで上昇させる。
・伸縮式回収アーム
ある実施形態では、
図2A、および/又は、
図2Eに示すような回収アームは、各回収アームが、回収アームが完全に延びた状態と比較して、短い長さに圧縮されることを可能にする伸縮機構を備えるように設計されることができる。ある実施形態では、回収アームは圧縮位置で収納され、それにより、内部に回収アームが設けられる移動型ロボットのデッキ、および/又は、他の支持面の内部空間、および/又は、外部の長さを低減させる。ある実施形態では、伸縮機構は、回収アームを外側へ延ばし、移動型ロボットのデッキ、および/又は、支持面内へと引き戻す唯一の機構であることができる。ある実施形態では、伸縮機構は、
図2A、および/又は、
図2Eに示すような、回収アームを延出させ、移動型ロボットのデッキ、および/又は、支持面内へと引き戻すための他の機構と組み合わせることができる。ある実施形態では、伸縮機構は、移動型ロボットが位置することができる最も近い位置からさらに遠い回収可能アイテムに到達するために、回収アームをさらに延ばすために使用されることができる。
・独立回収アーム
ある実施形態では、回収アームの延長は、独立した駆動機構によって独立して制御されることができ、それにより、1つ又はそれ以上の回収アームが、少なくとも1つの他の回収アームと異なる位置へ延びることを許可する。ある実施形態では、限定はされないが回収先端部の回転を含む回収先端部の位置は、独立した駆動機構によって制御されることができ、それにより、異なる複数の回収アームに設けられた1つ又はそれ以上の回収先端部が、少なくとも1つの他の回収アームと異なる位置、および/又は、向きに設けられることを許可する。
・回収可能なアイテムとのインターフェイス接続の変形例
ある実施形態では、移動型ロボットの回収先端部、および/又は、回収アームは、受容ポケット内で受容面を押すこと、および/又は、引くことに替えて、かつ/又は、加えて、限定はされないが、回収可能アイテム、および/又は、別の対象物の面に対して押す、引く、スライドさせる、および/又は、持ち上げることを含む、追加の機能用に利用されることができる。
【0117】
ある実施形態では、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムが、それが載置されているパレット、および/又は、他の外部支持面の前方縁からずれてしまった場合、および/又は、これを越えて延出してしまった場合に、移動型ロボットは、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムの前方リップ、および/又は、別の前面を押すことができ、それにより、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムを
パレット上の正しい位置へ押し戻す。ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前面、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の1つ又はそれ以上の突出要素、および/又は、延長位置にある回収アームの回収先端部を利用することで、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの前方リップ、および/又は、別の前面と接触して、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムをパレット上の正しい位置へ押し戻すことができる。ある実施形態では、回収先端部、および/又は、回収アームは、回収可能アイテムの受容ポケット内の受容面の外側の回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の表面に接触すること、および、力を加えることによって、回収可能アイテムの並び、および/又は、位置を修正するため、および/又は、回収可能アイテムを移動させるために利用されることができる。
【0118】
ある実施形態では、移動型ロボットが、回収可能アイテムが回収可能アイテムの意図する受容面に到達、および/又は、係合できない程に、パレット、および/又は、外部の面の側縁に正しく整列していないこと、および/又は、位置していないことを検出すると、移動型ロボットは、回収アームをパレット、および/又は、外部の面の高さの上方の地点まで上昇させ、異なる表面上で回収可能アイテムと接触するように延長させることができる。このように配置されることで、回収アームは、その表面上で押しても、および/又は、引いてもよく、それにより、回収可能アイテムを回収のための正しい位置に導く助けとなる。ある実施形態では、回収アームの回収先端部の1つ又はそれ以上は、回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の前向きの表面を押すことができ、それにより、回収可能アイテムの回収アームに対する角度を変更する。
【0119】
図8Bに示す実施形態では、アッパーデッキ201の前側203は、パレット300の前縁303と整列するが、パレット300に載置された回収可能トレイ350は、パレット300および移動型ロボットのアッパーデッキ201の両方とずれている。
図8Bでは、回収先端部220-2,221-2は、同じ距離だけ移動型ロボットの前側203の前方に延出されて垂直位置へ回転されることで、移動型ロボットが前進するにつれて、回収先端部220-2が回収可能トレイ350の前側355-4の右半分に沿った地点と最初に接触し、回収可能トレイの右側を押し戻して、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前側203とより整列するようにさせる。
【0120】
ある実施形態では、移動型ロボットは、回収可能アイテムの垂直受容面を捕らえて引くために、回収アームを延出して下向きに回転させることができ、回収可能アイテムが移動型ロボットによる回収に適したように整列していない場合、および/又は、適切な位置にない場合は、2つの回収アームによる引き動作によって、先ず1つの回収先端部を回収可能アイテムの受容面に係合させ、側部を回収可能アイテムの両側部が揃うまで前方に引くことができる。回収可能アイテムが整列してはいるが、通常のアイテム回収プロセスを遂行するには後退しすぎている可能性がある実施形態では、移動型ロボットは回収アームの引き動作を利用して回収可能アイテムを範囲内に引いてから、通常のアイテム回収プロセスの実行に切替えることができる。
図8Cに示す実施形態では、アッパーデッキ201の前側203は、パレット300の前縁303と整列しているが、パレット300に載置された回収可能トレイ350は、パレット300および移動型ロボットのアッパーデッキ201のいずれとも整列していない。
図8Cでは、回収先端部220-2,221-2は、移動型ロボットの前側203の前方に同一距離だけ延出し、垂直に下向きの位置に回転される。アッパーデッキ201の高さは、回収アームが回収可能トレイ350の前側355-4の上部前縁の上を通過できるように上昇される。この位置に到達するために、移動型ロボットは先ず、回収先端部220-2,221-2が回収可能トレイの前側を通過できる水平位置ないし垂直位置にある回収アームが、回収可能トレイの前側355-4の上部高さの上方にある状態で、回収可能トレイ350に接近する。各回収先端部が回収可能トレイの前側の内壁を越えて延びる位置に着くと、回収先端部は垂直に下向きの位置へと回
転する。ロボットは、回収可能トレイ350の前側355-4とアッパーデッキ201の前側203との間の距離を確認し、回収可能トレイにより近づくように移動する決定をして、回収可能トレイとの隙間を一部、又は全て閉鎖することができる。準備が整うと、移動型ロボットは回収アームを引き戻し、回収先端部221-2は回収可能トレイ350の前側355-4の内壁の左半分に沿った地点と最初に接触し、回収可能トレイの左側を引き戻して、移動型ロボットのアッパーデッキ201の前側203との整列を向上させる。・回収の代替方法
ある実施形態では、移動型ロボットは、1つ又はそれ以上の取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムを保持できる搭載機構を備えることができる。ある実施形態では、搭載機構は、移動型ロボットの外側の1つ又はそれ以上に沿って、又は、近接して設けられることができ、リフト機構の上方の地点で移動型ロボットに取り付けられることができる。ある実施形態では、取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムは、搭載機構内に上方から下方に向けて垂直に降りることができる1つ又はそれ以上の接続機構を備えることができ、それにより、取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能な対象物を移動型ロボットに取り付ける。取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムは、別の側部に、追加の接続機構を備えてもよく、追加の接続機構は、外部構造の1つ又はそれ以上の搭載機構とも接続することを許可する。この構成は、移動型ロボットが、移動型ロボットの一側部に沿って取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムを運搬し、接続機構が取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムの別の側部に沿って設けられている地点まで運転し、外部構造の搭載機構の上方で整列し、リフト機構を下降させて、取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムの接続機構を外部構造の搭載機構と係合させ、その後、移動型ロボットから取り外し可能容器、および/又は、取り外し可能なアイテムを離すために、引き続き下降を続けることを許可することができる。同一のプロセスを逆に実行して、移動型ロボットを、取り外し可能容器、および/又は、他の対象物の接続機構の下方で始動させて、移動型ロボットの一部を搭載機構と共に上昇させることができ、それにより、搭載機構のうち1つ又はそれ以上が、取り外し可能容器、および/又は、取り外し可能なアイテムのコネクタのうちの1つ又はそれ以上を捕らえて、取り外し可能容器、および/又は、他の取り外し可能なアイテムを外部構造から持ち上げる。
【0121】
ある実施形態では、移動型ロボットに設けられる搭載機構は、移動型ロボットの後部側に備えられることができ、それにより、移動型ロボットの前方のアイテム回収システム、および/又は、領域内のセンサとの干渉を避け、かつ/又は、移動型ロボットの重心を維持するのにより最適となる。ある実施形態では、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の後方部分は、追加のセンサを備えることができ、それにより、移動型ロボットの後部側に沿う積み降ろし機能を支援する。ある実施形態では、これらのセンサは、
図4Aにおいてパレットおよび回収トレイ用に利用されているシステムと同様の、アイテムの検知、整列、および、回収のために移動型ロボットのシステムを制御するためのマーキングシステムに続いて、外部の面に設けられた搭載ブラケット又はコネクタに近接する視覚パターン、および/又は、他の部品と互いに作用しあうことができる。
【0122】
ある実施形態では、回収アームの回転する回収先端部は、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前方から短い距離だけ延出して、垂直に配置されることができ、上述のとおり、取り外し可能容器、および/又は、取り外し可能なアイテム用の搭載機構として働く。
【0123】
ある実施形態では、回収アームの回転する回収先端部、および/又は、上述したような固定された搭載機構は、フック状の外部接続機構に掛けられた衣類、タオル、および/又は、他の繊維材、鍵、および/又は、他のアイテムを伴うリング、杖、および/又は、手動の把持アームなどの、ストラップ、および/又は、フック状のハンドルに掛けることが
可能なアイテムを含む、他の対象物の回収に利用されることができるが、これらには限定されない。
・パレットおよび外部支持面の変形例
ある実施形態では、外部支持面、回収可能アイテム、回収機構、移動型ロボットの支持面、および/又は、移動型ロボットの他の要素のシステムは、
図3G から
図3Nに示す
ように、回収可能アイテムを、アイテム回収機構の露出を最小限にして輸送するという、同じ中心的機能を実行することができるが、システムの要素は様々な構成で実施され得る。
【0124】
ある実施形態では、多数のパレット、および/又は、パレット機構を有するアイテムは、単一の環境内で提供され、回収可能アイテムの収納、および/又は、回収可能アイテムの回収用の1つ又はそれ以上の移動型ロボットによって利用されてもよい。ある実施形態では、1つ又はそれ以上のロボットは、種々の型式の多数の回収可能アイテムを、移動型ロボット上の1つ又はそれ以上の支持面と1つ又はそれ以上のパレット、および/又は、パレット機構を有するアイテムとの間において移動させてもよい。ある実施形態では、種々の異なる形状の回収可能アイテムは、単一の型式のパレットと使用することができる。ある実施形態では、ある回収可能アイテム、又はその複数の型式が、特定のパレットの使用に適合してもよい。
【0125】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のパレットは、一環境内の1つ又はそれ以上の表面上に配置されることができ、当該環境には、テーブルトップ、カウンタートップ、単一の棚、一式の棚のうちの単一の棚、中央部が部分的に開放されているラックであって、その側部に接続する支持面を有するラック、アイテムが中、および/又は、上に載置される冷蔵庫、電子レンジなどの電化製品、食器類、および/又は、他の家庭用電化製品の面、および/又は、別の移動型ロボットの上又は中の面を含んでもよいが、これらには限定されない。本実施形態では、パレットは、回収可能アイテムが移動型ロボットの上にないときに、回収可能アイテムのための収納場所を提供することができ、回収可能アイテムが移動型ロボットとパレットとの間を移動している間、回収可能アイテムを支持するために利用されることができる。
【0126】
ある実施形態では、パレットの回収可能アイテム支持機構は、家具、収納システム、電化製品、および/又は、作り付けの備品、の一部である棚、又は、表面などの別の構造に一体化されてもよく、棚、又は、表面は、パレットとして働き、独立したパレットを必要としない。回収可能アイテム支持面が別の構造によって提供される、ある実施形態では、特定の場所に支持面を提供し、回収可能アイテム収納領域のうちの他の領域を下方に開放させておくことで、凹型溝部などのパレットの特定の要素の替わりとすることができる。ある実施形態では、これらの構造は、ラックの側部に支持面を有し、中央に1つ又はそれ以上の回収アームが移動するための開放空間を有する開放型収納ラック、1つ又はそれ以上の回収アームが移動するための開放領域を有する棚、後方から延在して回収可能アイテムを中心から支持し、1つ又はそれ以上の回収アームが移動するために側部への空間を開放した棚、後方から延在し、1つ又はそれ以上の回収アームが移動するための開口を備える、2つ又はそれ以上の支持ロッド又はブラケット、および/又は、回収可能アイテムを置くための支持面と、1つ又はそれ以上の回収アームが移動することを許容する開放空間との組み合わせを提供する他の構成を含むことができるが、これらには限定されない。
・回収可能アイテムの変形例
ある実施形態では、回収可能アイテムは、食事を運搬および配膳するための低い側部を有する上面が開放されたサービストレイ、視認性、および/又は、アクセスのために、高さの一部が壁の高さを越え得る対象物を、内側に収納するのを助ける立設した壁を有する上面開放トレイ、大型容器、箱、および/又は、かご、トレイ、大型容器、箱、および/又は、かごの内側に置かれた対象物よりも上方に延びる、より高い側壁を有する上面開放
トレイ、大型容器、箱、および/又は、かご、および/又は、トレイ、大型容器、箱、および/又は、かごの上面を覆う取り外し可能、および/又は、移動可能な蓋を有するトレイ、大型容器、箱、および/又は、かごなどの、種々の寸法因子および形状因子で構成されることができるが、これらには限定されない。ある実施形態では、回収可能アイテムは、例えば日用家庭用品などの単一の対象物であってもよく、それは、移動型ロボットのアイテム回収機構が必要とする受容面を含むことで対象物を移動型ロボットの支持面、および/又は、外部支持面から離して、および/又は、移動型ロボットの支持面、および/又は、外部支持面の上に押し、かつ/又は、移動型ロボットの支持面、および/又は、外部支持面の上から引くように、設計、および/又は、適合されてきた。
・受容面の変形例
ある実施形態では、回収可能アイテムは、1つ又はそれ以上の受容面を備えることができ、回収アームの回収先端部、および/又は、他の機構は、受容面と係合することで回収可能アイテムを押し、かつ/又は、引くことができる。ある実施形態では、1つ又はそれ以上の受容面は、回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の側部の内部又は上に配置されることができ、それにより、パレットに対する回収可能アイテムの異なる向きの配置を許可し、回収アームの回収先端部、および/又は、他の機構は、回収可能アイテムを移動させるときに利用するように配置されたいずれの受容面とも係合できる。
【0127】
図3Hから
図3Mに示すように、ある実施形態では、移動型ロボットのアイテム回収機構は、回収可能アイテムの移動型ロボットに対する遠位端部に設けられる回収可能アイテムの受容面と係合することができ、それにより、外部のアイテム支持面と移動型ロボットのアイテム支持面との間で回収可能アイテムを移動させる。
【0128】
ある実施形態では、アイテム回収機構は、回収可能アイテムの移動型ロボットに対する遠位端部のほかに、および/又は、回収可能アイテムの移動型ロボットに対する遠位端部に追加して、回収可能アイテムの他の場所に設けられる受容面と係合することもでき、受容面の場所は、回収可能アイテムの近位端部、回収可能アイテムの近位端部および遠位端部に直角に交わる側部、および/又は、回収可能アイテムの周囲の境界の内側の場所を含んでもよいが、これらには限定されない。一実施形態の一例として、1つ又はそれ以上の受容面は、回収可能アイテムの側部に沿ったものであることができ、当該側部は、回収可能アイテムの移動型ロボットに対する遠位端部および近位端部に直角に交わり、開放溝、および/又は、回収可能アイテムの側部に沿った他の開放空間は、回収可能アームの横方向移動を許可し、垂直受容壁は、側部に沿った1つ又はそれ以上の場所に設けられ、それにより、垂直受容壁は回収可能アイテムの側部に直角に交わり、回収アームの回収先端部は適切な位置に回転して、垂直受容壁と係合し、回収可能アイテムを押し、かつ/又は、引くことができる。
【0129】
ある実施形態では、アイテム回収機構は、回収可能アイテムを外部のアイテム支持面と移動型ロボットのアイテム支持面との間で移動させるプロセスと組み合わせて、1つ又はそれ以上の受容面と係合してもよい。このような場合は、アイテム回収機構は、1つ又はそれ以上の受容面を使用して回収可能アイテムを一定の距離だけ押し、かつ/又は、引き、その後、異なる一群の受容面と係合して回収可能アイテムを追加の距離だけ押し、かつ/又は、引く。ある実施形態では、多段階移動プロセスを利用することで、アイテム回収機構が移動型ロボットのアイテム支持面の前縁から回収可能アイテムの受容面に至るまで進むのに必要な距離を低減することができ、それにより、アイテム回収機構が、移動型ロボットのアイテム支持面の前縁からさらに離れて設けられる回収可能アイテムを移動させることが可能となり、および/又は、アイテム回収機構が、アイテム回収アーム、および/又は、アイテム回収機構が一工程で進む距離よりも長さが長い回収可能アイテムを移動させることが可能となり、および/又は、回収アームの長さ、および/又は、移動型ロボット内にアイテム回収機構を収納するのに必要な内部空間を低減することが可能となる。
ある実施形態では、アイテム回収機構は、移動型ロボットのアイテム支持面の前縁に対する回収可能アイテムの遠位端部までの距離の50%の地点に到達するまで延出し、回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の受容面と係合し、移動型ロボットのアイテム支持面上にアイテムを部分的に引くように後退し、その後、係合を解除して、回収可能アイテムの遠位端部に到達するように延出し、回収可能アイテムの遠位端部の1つ又はそれ以上の受容面と係合し、再び後退して回収可能アイテムの残りの部分を移動型ロボットのアイテム支持面の上に引いてもよい。
ある実施形態では、回収可能アイテムの受容面、および/又は、回収アームの係合面はこの2つの要素が係合して回収アームの押す機能、および/又は、引く機能を可能にでき、係合を解除して回収アームが回収可能アイテムから独立して移動することを許可することができる限り、幅広い種類の形状因子を採用してもよい。ある実施形態では、回収可能アイテムと回収アームとの間の接続は、回収可能アイテムに接続されたフック状又はポスト状の機構が進入して接続することを許可する、回収可能アームのデザインに一体化された穴、又は他の種類の開口、回収アームの動きに基づいて回収可能アイテムと係合および係合解除する、回収アームに設けられるばね荷重ラッチ、および/又は、最初に位置に着いたときに接続ポイントに固定し、回収アームの動き、および/又は、力のレベルに基づいて係合を解除するコネクタを含んでもよいが、これらには限定されない。ある実施形態では、係合は、磁気システム、吸引システム、1つ又はそれ以上の追加のアクチュエータにより電力を供給され、ケーブル接続によって使用可能になるシステム、摩擦システム、フックおよびループアタッチメントシステム、接着面、回転スクリューおよびネジ部品、油圧システム、空気圧システム、および/又は、空気で膨張/収縮するシステムを利用することもできる。
・回収可能アイテムの追加要素
ある実施形態では、
図3Eに示す回収可能トレイの下部面353、および/又は、異なる回収可能アイテムの下部面は、パレット、アイテム回収アーム、および/又は、移動型ロボットの支持面とインターフェイスで接続するさらなる機構を備えてもよい。
【0130】
ある実施形態では、回収可能トレイ又は別の回収可能アイテムの下部面は、回収可能トレイ又は回収可能アイテムの主要な下部面の下方に、1つ又はそれ以上の下部構造を有してもよい。これらの下部構造は、表面間の移動の際の回収可能トレイの進行方向の横方向に沿って並べられる、レール、壁、スキー板、脚、および/又は、車輪を含んでもよいが、これらには限定されない。これらの下部構造は、移動型ロボットの支持面に一体化された適合する機構を備えてもよく、それにより、回収可能アイテムが移動型ロボットの支持面上に引かれると、下部構造の全て又は一部が支持面の陥凹機構内に位置するものとしてよい。この構成は、多くの機能にとって物理的なガイドとなることができ、回収可能アイテムが、移動型ロボットの支持面への移動、および/又は、移動型ロボットの支持面からの離間の間、移動型ロボットの支持面、および/又は、回収機構との整列を維持するように助けること、移動型ロボットが移動している間、回収可能アイテムが、移動型ロボットの支持面上で適切な位置に留まることを助けること、個人が、回収可能アイテムを、移動型ロボットの支持面上における、回収機構との係合に必要とされる適切な位置に配置することを助けること、および/又は、パレットの上部水平支持面を、パレットの凹型溝部に対してより低くすることを可能にすること、を含むが、これらには限定されない。
【0131】
先に例示した実施形態では、回収可能アイテムの下方の下部構造は、下部構造がデッキの上面、および/又は、移動型ロボットの他の支持面の下方に位置するその垂直距離だけパレットの上部水平支持面の高さを低減することができ、移動型ロボットは、下部構造が載置される移動型ロボットのデッキ又は支持面の凹状の特徴の底部を、パレットの上部水平支持面と整列させることができる。ある実施形態では、パレットの上部水平支持面は、回収可能アイテムの下部構造に合致する陥凹機構を備えてもよく、それにより、移動型ロボットのデッキの表面、および/又は、他の支持面と共に陥凹機構を使用することについ
て、上述したものと同様の利点を提供する。
【0132】
ある実施形態では、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムの底部は、上向きの凹型溝部、および/又は、逆向きの陥凹部を備えてもよく、これらは、移動型ロボットのアッパーデッキの上面、移動型ロボットの別の支持面、および/又は、パレットの上部水平支持面上の、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムが、適合する隆起部、および/又は、レールに沿って整列され、かつ/又は、押され、かつ/又は、引かれることを許可する。
・パレットおよび回収可能なアイテムの検出
ある実施形態では、パレットは、1つ又はそれ以上の要素を備えることができ、1つ又はそれ以上の要素は、移動型ロボット上の1つのセンサ又は複数のセンサがパレットの存在を検出すること、パレットの識別を判断すること、および/又は、移動型ロボットの位置、および/又は、移動型ロボットの支持面のうち1つ又はそれ以上の位置に対するパレットの位置を判断することを可能にする。
【0133】
図1Aに示す移動型ロボットの実施形態では、視覚センサ109は、移動型ロボット100のアッパーデッキ101の前側104の近くに設けられ、視覚センサ109は、アッパーデッキ101の前縁103の近くであって、アッパーデッキ101の上面102の下方に設けられる。
【0134】
図4Aに、パレットの異なる表面に並べられた複数の視覚エレメントを備えるパレット300の実施形態を示す。
図4Aに示すパレットの実施形態では、視覚パターン420-1が、パレット300の前側304に、パレットの前縁303に沿って設けられ、それにより、移動型ロボットが一定の角度の範囲内でパレット300の前側304を向いているとき、および、移動型ロボットがパレットから一定の最小距離内にあるとき、パターン420-1は、
図1に示す移動型ロボット100のアッパーデッキ101の前側104に設けられる視覚センサ109によって視認できる。この実施形態では、
図1の移動型ロボット100の視覚センサ109は、パレット300の前側304に設けられる視覚パターン420-1の検出に基づいて、
図4Aに示すパレット300の相対位置を判断することができ、この位置情報は、移動型ロボットからパレットまでの距離、移動型ロボット100のアッパーデッキ101の前縁103の、パレット300の前縁303に対する水平角度、および/又は、水平変位、移動型ロボット100のアッパーデッキ101の上面102の、パレット300の上部水平面302-1,302-2,302-3に対する垂直角度、および/又は、垂直変位、および/又は、パレットの上部水平面302-1,302-2,302-3の平面の向きに対する、移動型ロボットのアッパーデッキ101の上面102の平面の向きを含んでもよい。この位置情報を利用して、移動型ロボットは、パレットに向かって走行することができ、移動型ロボット100の前縁103がパレット300の前縁303と整列し、2つの側縁が互いに最小距離にあり、および/又は、移動型ロボットのアッパーデッキ101の上面102が、パレットの水平面302-1,302-2,302-3と同じ高さであり、かつ、平行であり、そのため、移動型ロボットの回収アームが、パレットと移動型ロボットのアッパーデッキとの間における回収可能アイテムの移動に使用することができる地点へ向かう。
【0135】
ある実施形態では、他のデッキ、および/又は、支持面は、1つ又はそれ以上のセンサを備え、パレット、他の外部支持面、および/又は、回収可能アイテムの検出、および/又は、それらとの整列のために使用することができる。ある実施形態では、パレット、他の外部支持面、および/又は、回収可能アイテムの検出、および/又は、それらとの整列のために使用する支持面に加えて、又は、当該支持面の代わりに、移動型ロボットの異なる要素に1つ又はそれ以上のセンサを設けてもよい。
【0136】
ある実施形態では、複数の要素、および/又は、複数のパターンが、移動型ロボットに設けられる1つ又はそれ以上のセンサによって検出されることができる、パレット300の前側304、および/又は、パレットの他の面に設けられてもよい。
【0137】
図4Aに示す実施形態では、パレット300の前側304の中央、右側、左側の領域にある視覚パターン420-1,420-2,420-3は、移動型ロボットのセンサの視野内により多くの検出可能地点を提供する。ある実施形態では、パレットの前側のほかに、又は、パレットの前側に加えて、他の表面に、検出、および/又は、整列用の視覚パターンが設けられる。移動型ロボットの1つ又はそれ以上の視覚パターンの初回検出後、ある場所のあるパターンが、移動型ロボットの接近および整列手順の異なる段階を促進するために使用されてもよい。ある実施形態では、パレット300の前側304の中央下部領域に設けられる視覚パターン420-1を設けることで、移動型ロボットが、アッパーデッキとパレットとの間の最終的な距離を埋めるときに、視覚パターン420-1が、
図1Aに示す移動型ロボット100のアッパーデッキ101の前側104の中央に設けられる視覚センサ109の視野内に留まる。
【0138】
パレットは、移動型ロボットの1つのセンサ又は複数のセンサがパレットの表面上の対象物の存在を検出することを可能にする、1つ又はそれ以上の要素も備えることができる。
【0139】
図4Aに示す実施形態では、パレットは、パレットの前側304の反対側であるパレット300の後部内壁305-3の中央、右側、左側の領域に、視覚パターン421-1,421-2,421-3の第2セットを備える。
図4Aに示すパレット300の視覚エレメント421-1,421-2,421-3は、
図1Aの移動型ロボット100の視覚センサ109が、パレット300の範囲内の領域が空であるかどうか、および/又は、回収可能トレイ、別の回収可能アイテム、および/又は、外来の対象物がパレットに置かれ、パレット300の後部壁305-3の内部における視覚パターンの1つ又はそれ以上への、視覚センサ109の視野を遮っているかどうかを判断することを可能にすることができる。別の実施形態では、視野エレメントの第2セットは、パレットの1つ又はそれ以上の内側部に沿って、1つ又はそれ以上の内部水平面に沿って、および/又は、後部内壁、1つ又はそれ以上の内部側壁、および/又は、1つ又はそれ以上の、内部水平支持面の組み合わせに沿って設けられる。
【0140】
ある実施形態では、視覚センサは、アッパーデッキの前側の中央とは異なる場所に設けられてもよく、センサが移動型ロボットのパレット検出、整列、および/又は、接近機能のために、パレットの視覚パターンを見られることをその条件とする。ある実施形態では、移動型ロボットのデッキ、および/又は、他の支持面はそれぞれ、対応する移動型ロボットのデッキ、および/又は、他の支持面がパレットと整列することを可能にするために、視覚センサを備えることができる。
【0141】
ある実施形態では、移動型ロボットに設けられる1つ又はそれ以上のセンサは、パレット視覚パターンの存在、および/又は、非存在により、パレット上の対象物の存在、および/又は、非存在を判断することができる。ある実施形態では、これらのセンサは、移動型ロボットに対して、パレットの1つ又はそれ以上の既知の表面を検出し、対象物がその表面を遮っているか否かを確認するように配置される1つ又はそれ以上のデプスカメラ、および/又は、近接センサを備えてもよいが、これらには限定されない。
【0142】
ある実施形態では、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムは、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの種々の外部表面および内部表面に、移動型ロボットの1つ又はそれ以上のセンサによって検出可能な機構を備えてもよい。
図4Bに示す
実施形態では、回収可能トレイは、外部前側に外部視覚パターン422を備え、回収可能トレイの内部後側に内部視覚パターン423を備え、パターン422,423はいずれも、移動型ロボットのアッパーデッキに設けられる光学的な、および/又は、視覚的なセンサによって検出可能である。ある実施形態では、視覚センサを有する移動型ロボットは、回収可能アイテムに設けられる1つ又はそれ以上の視覚パターンを使用して、1つ又はそれ以上の機能を実行することができ、当該機能には、特定のパレット上における回収可能アイテムの存在の確認、回収可能アイテムの識別の判断、例えば、回収可能アイテムがパレット内に整列しているか否か、および/又は、パレット内いっぱいに載置されているか否かなど、パレットに対する回収可能アイテムの位置の確認、および/又は、回収可能アイテムのロボットへの積載に先立つ、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、支持面に対する回収可能アイテムの位置の確認を含んでもよいが、これらには限定されない。ある実施形態では、回収可能アイテムに設けられる1つ又はそれ以上の視覚パターンは、移動型ロボットに対して、回収可能アイテムに対する受容面の相対的な位置に関する寸法情報を提供することで、アイテム回収機構を制御することができ、寸法情報は、例えば、回収アームの回収先端部を回収可能アイテムの受容面との係合のための適切な位置に配置するために、移動型ロボットの回収機構の回収アームが、回収可能アイテムの前縁、および/又は、他の目印を越えて進むのに必要な距離などであるが、これには限定されない。
【0143】
別の実施形態では、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムは、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの内部面の範囲内に設けられる機構を備えることができ、当該機構は、移動型ロボットに設けられる、1つ又はそれ以上のセンサによって検出されることで、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテム内における対象物の存在、および/又は、非存在を判断することができる。ある実施形態では、移動型ロボットは、視覚カメラ、および/又は、他のセンサを使用することにより、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの内部領域の2つ又はそれ以上の時点における情報を捕らえ、情報を比較して、回収可能トレイに含まれるアイテム、および/又は、他の対象物、および/又は、他の回収可能アイテムにおける可能な変化を特定する。ある実施形態では、移動型ロボットは、視覚カメラ、および/又は、他のセンサを備えることで、回収可能トレイの内部の1つ又はそれ以上のアイテム、および/又は、対象物、および/又は、他の回収可能アイテムを直接検出する。
【0144】
ある実施形態では、移動型ロボットは、複数のシステムからの情報を組み合わせることができ、それにより、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテム内の1つ又はそれ以上のアイテム、および/又は、対象物の使用、および/又は、消費を経時的に推定する。これらのシステムは、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの内部の特徴が視認可能、および/又は、直接検出可能となる変化を検出するための視覚カメラ、および/又は、他のセンサ、回収可能トレイ内のアイテム、および/又は、対象物、および/又は、回収可能アイテムが、視認可能、および/又は、直接検出可能である変化を検出するための視覚カメラ、および/又は、他のセンサ、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテムの重量の変化を検出することができる1つ又はそれ以上のセンサ、および/又は、1つ又はそれ以上のアイテムが回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムから撤去された、又は、回収可能トレイ、および/又は、他の回収可能アイテムの上に移動された可能性を示すために1つ又はそれ以上のセンサによって監視される支持面の縁部の周囲の、1つ又はそれ以上の平面を横切る人物、および/又は、他の対象物の一部を検出する1つ又はそれ以上のセンサを備えることができる。
ある実施形態では、パレット、回収可能トレイ、および/又は、回収可能アイテム上で使用される視覚パターンのシステムは、他の対象物上に設けられてもよく、移動型ロボットが対象物を検出、整列、および/又は、潜在的に回収するのを助けてもよく、又は、少なくとも、対象物が置かれている場所、および/又は、移動型ロボットによって最後に観察
された場所を個人に示すのを助けてもよい。
【0145】
ある実施形態では、パレット、および/又は、回収可能アイテムは、移動型ロボットの検出、整列、および/又は、接近機能のために使用可能な他の要素を有してもよい。これらの実施形態は、パレットの構造、および/又は、回収可能アイテムに一体化される視覚機構、パレット、および/又は、回収可能アイテムに設けられる、アクティブな照明に対する反射要素を有する視覚機構、パレット、および/又は、回収可能アイテムに設けられる、赤外線スペクトルで視認可能な視覚機構、ビーコンなどの、パレット、および/又は、回収可能アイテムに設けられる1つ又はそれ以上の受電LEDによって放たれる視覚シグナル、および/又は、パレット、および/又は、回収可能アイテムに一体化される、RFIDタグ、WiFiモジュール、ブルートゥースモジュール、および/又は、無線信号、磁場、音波、および/又は、他の検知可能なシグナルを放つ他の部品などの電子部品などの、非視覚機構を備えてもよいが、これらには限定はされない。ある実施形態では、これらの検出要素の1つ又はそれ以上を、移動型ロボットの検出、整列、および/又は、接近機能を支援するために、パレット、および/又は、回収可能アイテムの代わりに、および/又は、パレット、および/又は、回収可能アイテムに追加して、環境中のほかの場所で使用してもよい。
【0146】
ある実施形態では、概要を上に記載した検出要素は、棚、カウンタートップ、家具、壁、ドア、戸口、電子機器、および/又は、床に、一体化、および/又は、載置されて、移動型ロボットが、パレット、および/又は、回収可能アイテムの領域に走行することを可能にしてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットが一定の位置に着いたら、先ず、パレット又は回収可能アイテムから離間した1つ又はそれ以上の検出要素を利用し、かつ/又は、当該検出要素に接近して、パレット、および/又は、回収可能アイテムにより近づき、パレット、および/又は、回収可能アイテムの検出要素を探してもよい。
【0147】
ある実施形態では、これらの検出要素は、他の対象物に一体化、および/又は、載置されて、移動型ロボットが、移動型ロボット用の充電ドック、個人が追跡したい家庭用対象物、および/又は、個人的対象物、移動型ロボットが相互作用できる他の移動型ロボット、および/又は、他の機器、および/又は、
図2Aおよび
図2Eに示すアイテム回収機構、および/又は、他の型の回収機構を使って移動型ロボットが回収できる他の容器、および/又は、対象物を含む物の場所を特定できるようにしてもよいが、これらには限定されない。
【0148】
ある実施形態では、少なくとも1つの回収可能アイテムは、少なくとも1つの検出および/又は識別のための機構を備えてもよく、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置は、少なくとも1つの検出および/又は識別のための機構を検出するように構成された少なくとも1つのセンサを備えることにより、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置が、下記の機能(a)又は(b)のうち少なくとも1つを実行することを許容してもよい。機能(a)はすなわち、少なくとも1つの回収可能アイテムの存在を検出することであり、機能(b)はすなわち、アイテムの回収および/又は輸送のためのロボット装置の少なくとも一部を、少なくとも1つの回収可能アイテムに対して位置決めすることである。
・アイテム回収プロセスのシステムレベルサマリー
図5に、移動型ロボットが回収可能アイテムをパレットから回収し、回収可能アイテムを移動型ロボットの支持面に載置するプロセスの実施形態の概要を示す。初期位置として、回収可能アイテムはパレット上に置かれ、パレットは棚の上に置かれ、移動型ロボットは別の場所に位置する。エンドユーザは、特定の回収可能アイテムをリクエストすることで回収プロセスを開始する。
【0149】
ある実施形態では、エンドユーザのリクエストの入力は種々の方法、および/又は、装置によって実行され得て、例えば、移動型ロボット、および/又は、移動型ロボットとネットワークで結ばれて通信する音声認識可能な装置に音声コマンドを提供すること、移動型ロボットとインターフェイスで繋がるスマートデバイス上で実行されるアプリケーションを使うこと、移動型ロボットとインターフェイスで繋がるアプリケーションにコマンドをリレーする移動型ロボット上のユーザインターフェイスを使うこと、および/又は、1つ又はそれ以上のボタン、および/又は、移動型ロボットとインターフェイスで繋がるリモートデバイス上のコントロールを押すこと、によって実行されるが、これらには限定されない。
【0150】
引き続き、
図5に示すアイテム回収プロセスにおいて、ローカル環境のマップ内のパレットの前の所在地に関する知識に基づいて、移動型ロボット上のコンピュータモジュール上、および/又は、移動型ロボットと通信するコンピュータモジュール上で実行されるソフトウェアプログラムのガイドの下で、移動型ロボットはパレットの概略の所在地へ走行する。パレットに関連付けられた概略の所在地に到着すると、移動型ロボットは、視覚センサを使ってその領域をスキャンしてパレットを探し、パレットに設けられる1つ又はそれ以上の視覚機構の検出によってパレットの存在と所在地を確認する。パレットが検出できない場合には、移動型ロボットは、所望のパレットを探すためのサーチモードに入ること、および/又は、ソフトウェアプログラムがサーチ処理における特定の制限時間に達すると、エンドユーザにパレットが存在しないことを通知することができる。パレットが検出されると、移動型ロボットは、パレットへの接近に備えて整列し、必要であれば、パレット、パレットに設けられ得る視覚機構、および/又は、パレット上に存在し得るあらゆるアイテムをより見やすくするために、パレットにより接近する。その後、移動型ロボットは、視覚センサを使ってパレット内部における視覚機構の存在を確認し、かつ、それらの機構の1つ又はそれ以上が視認不可能であることを確認することで、パレットが空ではないことを確認する。その後、移動型ロボットは視覚センサを使って、回収可能アイテム上の視覚機構を介して回収可能アイテムの存在と識別を確認する。回収可能アイテムの存在が確認できない場合、移動型ロボットは、所望の回収可能アイテムを探すための別のサーチモードに切り替えること、および/又は、ソフトウェアプログラムがサーチ処理における特定の制限時間に達すると、エンドユーザに回収可能アイテムが存在しないことを通知することができる。
【0151】
引き続き、
図5に示すアイテム回収プロセスにおいて、視覚センサによってパレットおよび回収可能アイテムが存在し、移動型ロボットの範囲内にあることが確認されると、移動型ロボットはドッキング手順に入り、パレットに向かって運転し、方向を調節し、および/又は、移動型ロボットの支持面の前側とパレットの上部水平支持面の前縁とを整列させるような位置に着く。同一又は同様のセンサおよび視覚機構を使って、移動型ロボットは、動力シザーリフトを作動させ、移動型ロボットの支持面の高さをパレットの上部水平面の高さに対して調節してもよい。
【0152】
ある実施形態では、視覚センサがパレット上の一群の視覚機構を検出し、かつ/又は、回収可能アイテムがロボットの視覚センサに対して正しいな位置と距離を取ると、移動型ロボットは、運転、および/又は、支持面の高さの調節を停止する。別の実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの視覚センサによって判断されたパレットの位置に対する標的基準位置に到達してもよく、その後、標的基準位置に対するパレットの位置の予測に基づいて、最終的な距離の運転、および/又は、移動型ロボットのアッパーデッキの高さの最終的な距離を調節して、移動型ロボットの視覚センサが、センサの視野内にパレットに設けられる視覚エレメントを維持できない可能性があるときに、機能を果たしてもよい。
【0153】
引き続き、
図5に示すアイテム回収プロセスにおいて、ある実施形態では、移動型ロボットがドッキングを試みた結果、パレットとのドッキング状態を達成できなかった場合に、ドッキングソフトウェアのルーティンがリセットされ、移動型ロボットを下がらせ、移動型ロボットがプロセスを停止する前にドッキング手順を一定の回数、および/又は、一定の時間だけ再試行してもよい。
【0154】
ある実施形態では、追加のセンサが、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面がパレットと正しくドッキングしたかどうかを判断する支援をしてもよい。一実施形態では、1つ又はそれ以上の接触センサが、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前側の領域に沿って設けられるパネル、および/又は、バンパと接続されることができる。
【0155】
ある実施形態では、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前側は、バンパ、および/又は、一群の接触センサを備えることができ、バンパ、および/又は、一群の接触センサは、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前方の障害物、および/又は、対象物との接触を検出することができる。ある実施形態では、バンパ、および/又は、一群の接触センサは、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前側の左半分および右半分それぞれに、少なくとも1つの検出ポイントを備えることができる。ある実施形態では、移動型ロボットがパレット、および/又は、他の外部の面の前縁に接近しているとき、移動型ロボットは、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前側の、少なくとも1つの半分のバンパ、および/又は、少なくとも1つの接触センサによる接触検出を使うことで、アッパーデッキ、および/又は、別の支持面がパレットに対向して配置されていることを判断、および/又は、確認することができる。必要であれば、移動型ロボットは、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、支持面の前側の左半分および右半分に設けられるバンパ、および/又は、接触センサの左半分および右半分の両方が接触を検出するまで、移動型ロボットの位置を調節することで、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面の前側がパレットの前縁と整列していることを判断、および/又は、確認することができる。
【0156】
ある実施形態では、移動型ロボットが、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、別の支持面内に、少なくとも1つの左回収アームおよび1つの右回収アームを有している場合、回収アーム、および/又は、回収先端部は、接触センサ、および/又は、他のモーションフィードバックセンサを備えることができ、回収アームの回収先端部を使用して、パレット、および/又は、他の外部支持面の前縁との接触、および/又は、整列を検出、および/又は、確認することができる。
【0157】
引き続き、
図5に示すアイテム回収プロセスにおいて、移動型ロボットおよび、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、支持面が、移動のための正しい位置に配置されると、回収アームは、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、支持面の前側から延出し、回収可能アイテムの下方でパレットの凹型溝部内を進み、回収アームの回収先端部は、水平位置に回転されたまま維持される。視覚センサ、および/又は、ロボットのメモリに格納されたデータによる、パレット、および/又は、回収可能アイテムの識別に基づいて、回収アームは、設定距離だけ延出し、回収アームの回収先端部が回収可能アイテムの受容面の下方に位置する地点で停止する。その後、回収アームの回収先端部は、回収先端部が回収可能アイテムの1つ又はそれ以上の受容面に隣接している状態で、上向きに垂直位置まで回転する。その後、回収アームは、回収先端部の内側向きの表面が回収可能アイテムの内側向きの受容面に押し付けられるように逆向きの移動を開始し、回収可能アイテムをパレットから、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、支持面の上へ引き始める。回収アームは、回収先端部がロボットのアッパーデッキの前側から最小
距離の範囲内に位置する状態まで引き戻されると停止し、それにより、回収可能アイテムのわずかな一部のみが、移動型ロボットのアッパーデッキ、および/又は、支持面の縁部からはみ出て載置される。その後、移動型ロボットは下がってパレットから離れ、回収可能アイテムをデッキの上面にだけ支持された状態にする。移動型ロボットは、回収可能アイテムがもはやパレットの上にはないこと、および/又は、パレットが空であることを確認するために視覚センサを使うことができ、ロボットが依然としてパレット上に回収可能アイテムを検出する場合は、移動型ロボットは、整列および回収プロセスを再始動させることができる。移動型ロボットが、回収可能アイテムがもはやパレット上にないことを確認すると、移動型ロボットは向きを変え、次の目的地へと走行し、次の目的地は、エンドユーザのリクエストに基づいて、エンドユーザの現在地であってもよい。
・アイテム回収用の外部機構
ある実施形態では、回収可能アイテム用の回収機構の一部は、パレット、他の外部の面、および/又は、他の装置に内蔵されることができる。ある実施形態では、移動型ロボットの外部の機構は、移動型ロボットの回収機構による回収のために、回収可能アイテムを整列、および/又は、配置する役に立つことができる。ある実施形態では、移動型ロボットの外部の機構は、回収可能アイテムを、外部支持面と移動型ロボットの支持面との間の一部、又は全ての距離だけ移動させることができる。
【0158】
ある実施形態では、
図1Aに示すような一次移動型ロボットの外部の、1つ又はそれ以上の二次移動型ロボットは、アイテム回収に、支援、および/又は、拡張された機能性を提供することができる。ある実施形態では、小型の外部移動型ロボットは、外部の面と一次移動型ロボットの支持面との間を運転することで、アイテムをある面から他の面へ移動させることができる。ある実施形態では、小型の外部移動型ロボットは、アイテムを中に入れて、および/又は、移動型ロボットの本体に置いて運ぶ移動型カーゴホルダ、外部の面と一次移動型ロボットの支持面との間で回収可能アイテムを押す、および/又は、引く、移動型タグロボット、外部の面と一次移動型ロボットの支持面との間においてアイテムを移動させるために、アイテムを持ち上げて配置することができる、グリップ、および/又は、リフト機構を有する移動型ロボット、および/又は、外部の面と一次移動型ロボットの支持面との間を移動できる駆動システムを備える電子機器、サービスロボット、電化製品、および/又は、他の対象物を含む多くの構成が可能であるが、これらには限定されない。
・センサの構成
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの周囲の、および/又は、移動型ロボットの容積の範囲内の、1つ又はそれ以上の領域を監視する1つ又はそれ以上のセンサを備えることができる。これらのセンサは、移動型ロボットが、場所を認識すること、および/又は、環境中を走行すること、移動型ロボットの通り道を妨害し、かつ/又は、移動型ロボットの運転に干渉し得る障害物を検出すること、崖、急斜面、および/又は、他の危険を検出すること、移動型ロボット,パレット、および/又は、他の外部支持面の1つ又はそれ以上の表面上の回収可能アイテム、および/又は、他の対象物を検出すること、移動型ロボット,パレット、および/又は、他の外部支持面の表面の1つ又はそれ以上の縁部を越えて延びる回収可能アイテム、および/又は、他の対象物を検出すること、移動型ロボットと遭遇する可能性のある、および/又は、移動型ロボットと相互に作用する可能性のある個人、動物、対象物、および/又は、装置を検出、および/又は、認識すること、移動を検出すること、ジェスチャーを検出、および/又は、認識すること、画像をキャプチャすること、動画をストリーミング、および/又は、録画すること、および/又は、回収可能アイテム移動プロセスで支援することにおいて役立つことを含む多くの機能を実行することができるが、これらに限定されない。ある実施形態では、これらのセンサは、1つ又はそれ以上のデプスカメラ、1つ又はそれ以上の単一ビーム、多重ビーム、および/又は、走査ビーム近接センサ、1つ又はそれ以上の画像カメラ、ビデオカメラ、および/又は、視覚センサ、1つ又はそれ以上のソナーセンサ、1つ又はそれ以上のレ
ーダーセンサ、1つ又はそれ以上のレーザ,走査型レーザ、および/又は、レーザ測距器、1つ又はそれ以上の構造化光センサ、および/又は、投影光センサ、1つ又はそれ以上の赤外線を使った、および/又は、赤外線増強されたセンサ、1つ又はそれ以上の物理的接触センサ、および/又は、1つ又はそれ以上の他の反射信号検出センサを含むことができるが、これらには限定されない。ある実施形態では、これらのセンサは、移動型ロボットの通り道内の領域、移動型ロボットの周囲、および/又は、下方の床面、移動型ロボットの通り道の側方、および/又は、移動型ロボットの通り道に隣接した領域、移動型ロボットの本体の側部に沿った領域、および/又は、移動型ロボットの支持面、パレット、および/又は、外部支持面の側部に沿った領域、移動型ロボットの本体の上方、および/又は、下方の領域、移動型ロボットの支持面、パレット、および/又は、外部支持面の上方、および/又は、下方の領域を含む移動型ロボットの周りの領域の全て、又は一部を監視するために配置されることができるが、これらには限定はれない。
【0159】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のデプスカメラは、移動型ロボットの前部表面の近くに設けられることで、移動型ロボットの進路における障害物、対象物、人間、動物、表面、および/又は、危険なものを監視してもよい。ある実施形態では、1つ又はそれ以上のデプスカメラは、移動型ロボットの頂部近くで床に向かって下向きに配置されてもよく、それにより、移動型ロボットのベースの位置における移動型ロボットの前方の領域であって、移動型ロボットのベースの位置で移動型ロボットを幅方向に横切り、また、前方向および上方向にも延びる領域を監視してもよい。ある実施形態では、1つ又はそれ以上のデプスカメラは、移動型ロボットのベースの近くに、移動型ロボットの上方部分に向かって上向きに配置されてもよく、それにより、移動型ロボットの前方の領域であって、移動型ロボットの幅方向に横切って、移動型ロボットのミドルデッキ、および/又は、移動型ロボットの前方に沿った他の支持面を横切って、また、移動型ロボットの前方、および移動型ロボットの上面、および/又は、移動型ロボットの支持面上のアイテムを含む上方に向かって延びる領域を監視してもよい。
【0160】
ある実施形態では、移動型ロボットは、対象範囲の重複領域を提供するために、2つ又はそれ以上のデプスカメラを備えることができ、移動型ロボットの頂部に近い1つ又はそれ以上の下向きのデプスカメラ、および、移動型ロボットのベースに設けられる1つ又はそれ以上の上向きのデプスカメラを備えることができるが、これらには限定されない。
【0161】
図1Aに示す実施形態では、デプスカメラ169は、移動型ロボットのベースの前縁162の近くに示され、デプスカメラは上前方向きである。
図1Dに示す実施形態では、別のデプスカメラ119は、アッパーデッキ102の下面の前縁113の近くに沿って示され、デプスカメラは下前方向きである。ある実施形態では、デプスカメラは、移動型ロボットの前方領域沿いに対象範囲を提供するために、追加又は代替の場所に設けられることができる。
【0162】
ある実施形態では、デプスカメラ以外の他のセンサは、
図1Aにおいて169と記された場所、および/又は、
図1Dにおいて119と記された場所のいずれか、又は、両方で使用することができる。
【0163】
ある実施形態では、移動型ロボットは、1つ又はそれ以上の前向きデプスカメラ、および/又は、他のセンサを備えることで、1つ又はそれ以上の上述の感覚機能を支援してもよい。
【0164】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のデプスカメラ、および/又は、上述の他のセンサは、移動型ロボットの左側、右側、および/又は、後部側の近く、および/又は、移動型ロボットの支持面の近く、上、又は下に配置されることができる。このようなカメラ、
および/又は、センサは、前向きのセンサが提供する機能と同一、同様、又は、その一部の機能の対象範囲に追加の領域を提供してもよい。
【0165】
ある実施形態では、移動型ロボットは、1つ又はそれ以上のセンサの視野を拡張するために、センサの向く角度を変更でき、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の側部を、移動型ロボットに対する上向き、下向き、水平、および/又は、垂直な1つまたはそれ以上の平面においてカバーできる、1つ又はそれ以上のセンサを備えてもよい。
【0166】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のデプスカメラ、および/又は、1つ又はそれ以上の他のセンサは、移動型ロボットの周囲の一部又は全体を囲んで延びる可動リング、および/又は、横方向トラック上、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の側部に沿って設けられる垂直トラック上、および/又は、移動型ロボットの支持面の上方、および/又は、下方に設けられる水平トラック上に設けられることで、デプスカメラ、および/又は、他のセンサを、その視野が拡張されるように配置してもよい。
【0167】
ある実施形態では、移動型ロボットは、デプスカメラ、視覚カメラ、および/又は、他のセンサを備えることができ、それらは、1つ又はそれ以上の移動型ロボットの支持面の位置に対して上昇、および/又は、下降可能な伸縮ポスト、又は、その他の可動のポストに搭載される。このような配置は、デプスカメラ、視覚カメラ、および/又は、他のセンサの視野を、支持面が空であるかどうか、又は、支持面が回収可能アイテム、および/又は、他の対象物で占められているかどうかを判断可能なように位置決めするのに用いられてもよい。ある実施形態では、このデプスカメラ、視覚カメラ、および/又は、他のセンサは、固定ポスト、および/又は、移動型ロボットの支持面の1つ又はそれ以上の上に配置された構造の上に搭載されることができる。ある実施形態では、デプスカメラ、視覚カメラ、および/又は、他のセンサは、パレットの表面、外部支持面、および/又は、1つ又はそれ以上の対象物を保持できる回収可能アイテムの表面をスキャンするために使用されることができる。ある実施形態では、デプスカメラ、視覚カメラ、および/又は、他のセンサを使用することで、回収可能アイテム上の対象物が、支持面、パレット、および/又は、外部支持面によって受け入れ可能な最大高さ、および/又は、他の寸法を越えないことを確認することができる。
【0168】
ある実施形態では、移動型ロボットの本体の外部のデプスカメラ、視覚カメラ、および/又は、他のセンサは、外側の面に搭載されることができ、移動型ロボットが運搬する回収可能アイテム、および/又は、他の対象物の1つ又はそれ以上の寸法がセンサによって計測可能なように配置して、回収可能アイテム、および/又は、他の対象物が、移動型ロボットの支持面、パレットの支持面、および/又は、外部支持面によって受け入れ可能な1つ又はそれ以上の最大寸法を越えないことを確認することができる。これらの外部センサは、直接接続、および/又は、ネットワーク接続を介して移動型ロボットに無線接続されることで、移動型ロボットに、読み取り又は他のシグナルを提供してもよい。
【0169】
ある実施形態では、移動型ロボットは、センサを備え、それにより、デッキ又は移動型ロボットのアイテム支持面の側部に沿った1つ又はそれ以上の開放領域を監視、管理、および/又は、保護することを助けてもよい。これらのセンサは、多くの機能を支援してもよく、支援する機能には、空間の体積、および/又は、移動型ロボットのデッキ、移動型ロボットの別の支持面、パレット、および/又は、他の外部支持面の側部に隣接した体積が、十分に空いているかどうか、および/又は、障害物がなく、回収アーム、および/又は、回収可能アイテムが当該空間を横切る開けた通路があるかどうかを検出すること、1つ又はそれ以上の回収アーム、および/又は、回収可能アイテムの存在、および/又は、位置を確認すること、1つ又はそれ以上のパレット、他の外部支持面、および/又は、回収可能アイテムの存在、および/又は、位置を確認すること、回収可能アイテム、および
/又は、他の外来の対象物が、移動型ロボットのデッキ、および/又は、移動型ロボットの他のアイテム支持面の外側の境界を越えて延出しているかどうかを検出すること、回収可能アイテム、および/又は、他の外来の対象物が、パレット、他の外部のアイテム支持面、および/又は、他の対象物を運搬する回収可能アイテムの側部の外側の境界を越えて延出しているかどうかを検出すること、および/又は、何らかの障害物、および/又は、移動型ロボットの外部の外来の対象物が接近しているかどうか、又は、ロボットの一部と接触する危険があるかどうか、および/又は、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の開放された側部を越えているかどうかを検出することを含み得るが、これらには限定されない。
【0170】
ある実施形態では、障害物の検出、対象物の検出、他の検出、および/または、認識に使用される1つ又はそれ以上のセンサは、移動型ロボットのアイテム移動機能、および/又は、アイテム輸送機能の支援にも使用されることができる。
【0171】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のセンサは、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面上の回収可能アイテム又は他のアイテムが、これらの支持面の1つ又はそれ以上の側部、および/又は、載置されるアイテム用の規定された境界の外側へ越えて延出しているかどうかを検出することができる。アイテムの延出が移動型ロボットの運転に危険をもたらす場合、移動型ロボットは、ユーザ、および/又は、別の個人に対して、問題及び可能であればアイテムの位置について警告すること、移動型ロボットの運転又は進行を中断すること、および/又は、アイテムが撤去されるまで移動型ロボットを機能が制限されるセーフモードに切り替えること、延出したアイテムの側部に沿って、外部の障害物がない状態に保つのに必要な距離を拡大すること、移動型ロボットの動きを遅くすること、外部の障害物との接触を避けるために、移動型ロボット、および/又は、支持面の高さを下降又は上昇させること、および/又は、移動型ロボットの運転のために規定された境界内にアイテムを押し戻すために、アイテムが境界を越えている側部に沿った保護壁を積極的に上昇、および/又は、下降させることを含む、1つ又はそれ以上の方法で対応することができるが、これらには限定はされない。
【0172】
ある実施形態では、移動型ロボットは、仮想の境界、および/又は、外部の障害物、および/又は、支持面の境界を越えて延出するアイテムの監視における閾値を、移動型ロボットが実行している機能、又は、障害物までの距離、および/又は、アイテムがデッキ、および/又は、他の支持面の側部を越えて延出しているスペースの量に基づいて、動的に調整することができる。
【0173】
ある実施形態では、より高忠実度なセンサ(例えば、より高解像度、より高速度、および/又は、より高複雑度なセンサ)を、移動型ロボットの前側に設けることができ、移動型ロボットは、運転時間の大きな割合を前進運転、前方の障害物のスキャン、および/又は、アイテム回収機能への従事に費やしてもよい。
【0174】
ある実施形態では、移動型ロボットの左側、右側、および/又は、後側、および/又は、移動型ロボットの表面の上方、および/又は、下方に、より低複雑度、より低解像度、および/又は、より低速度のセンサを使用することにより、前向きのデプスカメラ又はカメラが提供するものと同様の種類の監視を、機能レベル、および/又は、性能レベルを落として提供することができる。
【0175】
ある実施形態では、移動型ロボットは、走査センサアセンブリ、又は同様のセンサモジュールの低い性能レベルに合った、移動型ロボットの転回中、および/又は、後退中に減速して運転すること、側部沿いの障害物から距離を置くにあたり、異なる、および/又は、より大きな距離を設定すること、および/又は、内部のアイテムが移動型ロボットの支
持面の側部を越えて延出したときに、反応をより控えめにすること、を含む別の行動を採用することができるが、これらには限定されない。
・ドライブベース
ある実施形態では、移動型ロボットの要素は、ロボットを種々の床面上で運転させる1つ又はそれ以上の電動輪を有するベースを備えてもよい。ベースは、移動型ロボットが移動するとき、および/又は、移動型ロボットが停止しているときに、移動型ロボットの安定性のためのさらなる支持を提供する、1つ又はそれ以上の受動車輪を備えてもよい。
【0176】
図1Dに示す実施形態では、移動型ロボット160のベースは、ロボット本体の中心軸に近い領域に沿って移動型ロボットの右側および左側の近くに設けられる、2つの電動輪163-1,163-2を備えてもよい。これら2つの電動輪は、それぞれ固有のモータ、エンコーダ、および、駆動制御ユニットに接続する一群の配線を備えて、独立して運転されることができる。2つの電動輪は、組み合わせて使用されることができ、それにより、移動型ロボットを前進させ、移動型ロボットを後退させ、移動型ロボットを右側又は左側に回転させ、移動型ロボットを右側又は左側に弧を描いて前進させ、および/又は、右側又は左側に弧を描いて後退させることが可能な差動駆動を提供する。
【0177】
図1Dに示す実施形態では、移動型ロボットのベースは、4つのキャスタ車輪164-1,164-2,164-3,164-4を備えることで、移動型ロボットの外周コーナにさらなる支持を提供してもよい。
【0178】
ある実施形態では、キャスタ車輪は、移動型ロボットの移動と共に自由に回転するように搭載されてもよく、機首方位、および/又は、横方向の向きも、移動型ロボットの移動と共に自由に回転することができる。2つの電動輪および4つのキャスタ車輪は、サスペンションに接続されることができ、それにより、移動型ロボットが小さな障害物を越えて進むこと、および/又は、平坦ではない床面上で床から離間せずにいることを可能にする。
・代替駆動システム
ある実施形態では、移動型ロボットは、代替駆動システムを備えることができ、代替駆動システムには、移動型ロボットの本体に対して向きを変更するために横方向に回転できる、電動、および/又は、非電動輪、電動、および/又は、非電動ホロノミック車輪、電動トレッド、駆動システムの種々の要素間の重量の配分を調整する電動サスペンション、および/又は、電動リフト機構、および/又は、移動型ロボットを安定させるための電動支持ポスト、および/又は、電動支持脚のうち、1つ又はそれ以上の機構を利用する駆動システムが含まれるが、これらには限定はされない。
・動力補助キャスタ
ある実施形態では、駆動システムは追加の部品を備えることで、居住環境、および/又は、他の構造化されていない環境の床面上/床面内で頻繁に見られるより幅広い課題に対応してもよく、課題には、例えば、フローリング材、および/又は、部屋間の床の変化、床面に設置された見切り材、厚いパイルカーペット、厚い詰め物が入ったカーペット、エリアラグ、凹み、および/又は、床面の溝、床面HVACレジスタ、および/又は、格子床、電源コード、および/又は、他の一般的な家庭内の床上の障害物などが挙げられる。上述した障害物のいくつか、又は、全ては、受動キャスタ車輪が回転して越えるには特に困難となり得る。これらの課題の一例として、床の硬い面の領域を運転中に、キャスタ車輪がエリアラグの縁、電源コード、および/又は、同様の障害物に遭遇する可能性があり、移動型ロボットが、メイン駆動輪を回転させるだけでは、キャスタ車輪を引き上げてエリアラグの縁又は同様の障害物を越えることができない可能性がある場合が挙げられるが、これらには限定されない。
【0179】
ある実施形態では、移動型ロボットがより多くの床面、および/又は、障害物を横断す
ることを可能にするために、キャスタ車輪のうち1つ又はそれ以上が、キャスタ車輪が床面、および/又は、障害物を横断する支援をするために、キャスタ車輪に回転支援機能を提供する1つ又はそれ以上のモータによって駆動されることができる。これらの回転支援機能は、キャスタ車輪の動作だけでは、移動型ロボットを所望されたとおりに動かすのに十分な動力、および/又は、制御を提供しないかもしれないが、メイン駆動輪と連動して、キャスタ車輪が駆動システム全体、および/又は、移動型ロボットの可動性を妨げ得る事例を制限するのに役立つ。
【0180】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のモータは、メイン駆動輪が活動中で、ロボットが移動中、および/又は、移動を試みているときはいつでも、1つ又はそれ以上のキャスタ車輪に動力を印加するように構成されてもよい。
【0181】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のキャスタ車輪に取り付けられた(又は、操作可能に接続された)1つ又はそれ以上のモータは、メイン駆動輪が移動中、および/又は、移動を試みているときはいつでも、キャスタ車輪に動力を印加することができる。このような場合、キャスタ車輪に接続されたモータは、キャスタ車輪に、常に同一の回転方向の動力を印加してもよく、動力を受けた回転の方向は、ロボットによって受動的に引かれるときにキャスタ車輪が通常回転する方向と合致する。
【0182】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上の電動キャスタ車輪が、移動型ロボットが意図する移動の方向と揃っていないとき(例えば、ロボットが停止状態から始動するとき、および/又は、ロボットが進路を著しく変更するときなど)、メイン駆動輪は、より大きな動力を印加して、電動キャスタ車輪の向きを強制的に新しい進行方向と整列させてもよい。
【0183】
ある実施形態では、キャスタ車輪に接続されたモータは、車輪の回転の1つ又はそれ以上の方向に、異なる動力レベルで、メイン駆動輪、および/又は、電動キャスタ車輪のうち1つ又はそれ以上からのモータ電流フィードバックに応じて、また、他のセンサ入力に応じて、および/又は、異なる時間で、動力を印加することができる。
【0184】
ある実施形態では、キャスタ車輪に接続されたモータが、キャスタ車輪を主要方向に回転させようとしているときに抵抗を検出すると、特に、ロボットが最初に始動するとき、および/又は、移動型ロボットが著しく方向を変えるときといった特定の場合に抵抗を検出すると、移動型ロボットは、キャスタ車輪に、一時的にキャスタ車輪の主要回転方向とは反対向きの回転方向の動力を印加することができる。
【0185】
ある実施形態では、キャスタ車輪に接続されたモータが、キャスタ車輪が高さの低い障害物、および/又は、床面の抵抗の多い領域に遭遇し、床の当該場所を横切るのにより大きな動力を必要とする可能性があることを示す、電流の上昇を検出すると、移動型ロボットは、キャスタ車輪に接続されたモータに、レベルを増大させたキャスタ車輪の主要回転方向の動力を一時的に印加することができる。ある実施形態では、移動型ロボットは、キャスタ車輪に取り付けられた1つ又は複数のモータへの電流を、移動型ロボットの移動に対する抵抗が減少する程度に基づいて、中断、および/又は、低減してもよい。
【0186】
ある実施形態では、移動型ロボットは、キャスタ車輪に接続されたモータに、周期的に、1つ又はそれ以上の方向の動力を印加することができ、それにより、モータの帰還電流を測定し、キャスタ車輪の現在のおおよその運動状態を判断し、かつ/又は、キャスタ車輪が1つ又はそれ以上の方向に、追加の動力の印加を必要としているかどうかを判断する。
【0187】
ある実施形態では、1つ又はそれ以上のキャスタ車輪の進路を制御、および/又は、調
整することができる1つ又はそれ以上のモータを備えて、床面の特定の領域を横切るようにキャスタ車輪の能力を最適化してもよい。
【0188】
ある実施形態では、キャスタ車輪に接続されたモータを制御するためのシステムは、移動型ロボットに設けられる他のセンサからのフィードバックを統合してもよく、他のセンサからのフィードバックには、メイン駆動輪に取り付けられたモータからのフィードバック、移動型ロボットに設けられる他のキャスタ車輪に取り付けられたモータからのフィードバック、キャスタ車輪に取り付けられた回転エンコーダ、キャスタ車輪の方向、および/又は、進路を提供するエンコーダ、および/又は、他のセンサ、床面の変化を検出することができ、移動型ロボットの制御システムが、キャスタ車輪が床面の変化に接触するタイミングを予測し、その変化に応じてキャスタ車輪の制御を修正することを可能にし得る、対地面センサ、移動型ロボットの全体的な動きを監視する、加速度計などのセンサ、移動型ロボットの、環境中の床、壁、および/又は、他の対象物に対する移動を追跡するセンサ、キャスタが移動型ロボットの別の部分に対して横方向に移動することを許可する可動ジョイントに接続されたセンサ、移動型ロボットの移動を妨害する可能性のある対象物を監視し、移動型ロボットの制御システムが、移動型ロボットが障害物から離間、および/又は、迂回することを助けるために、メイン駆動輪および電動キャスタ車輪のうち1つ又はそれ以上の運動を連係させることを可能にし得るセンサ、および/又は、以前のセンサ読み込みから記録され、移動型ロボットの制御システムが、後の通り道において、一領域の周り、および/又は、中をより効率的に走行するために、メイン駆動輪および電動キャスタ車輪のうち1つ又はそれ以上の運動を連係させることを可能にし得るマップ化情報が含まれるが、これらには限定されない。
【0189】
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの一方の端部に設けられる少なくとも2つの一次駆動輪を備えてもよく、これらはロボットの一方の端部の2つのコーナで移動および支持を提供し、移動型ロボットは、補助モータが接続された少なくとも2つのキャスタ車輪を備えてもよく、これらは移動型ロボットの反対側の端部のコーナに設けられる。ある実施形態では、車輪の総数は、移動型ロボットの4つのコーナそれぞれに1つずつの車輪を含めて、4個まで減らされてもよく、これにより、移動型ロボットのドライブベース、およびサスペンションシステムが単純化されるとともに、駆動輪が移動型ロボットの一端により近接して配置できることで、移動型ロボットの安定性を高め得る。
・サスペンションロックシステム
ある実施形態では、移動型ロボットのドライブベースは、特に、移動型ロボットが停止しているとき、および/又は、個人によって手動で動かされているときに、サスペンションシステムの運動範囲を低減することによって、移動型ロボットのより大きな、および/又は、より強固な安定性を提供する機構を備えてもよい。これらの機構は、駆動輪、および/又は、キャスタ車輪の1つ又はそれ以上を、駆動輪、および/又は、キャスタ車輪と、移動型ロボットのコアフレームとの間に通常は位置するサスペンションシステムを迂回して、移動型ロボットのコアフレームに強固にロックする機構、および/又は、移動型ロボットの支持ポイントとして移動型ロボットのコアフレームから延びて床に直接接触し、駆動輪、および/又は、キャスタ車輪のうち1つ又はそれ以上を迂回する伸長支柱を備えてもよいが、これらには限定されない。ロックシステムの一例には、1つ又はそれ以上のノッチ付き回転車輪、および/又は、ノッチ付きロッドに接続された、1つ又はそれ以上のモータが備えられてもよく、ノッチはサスペンションシステムの要素が移動する空間があるニュートラル状態を提供するが、車輪、および/又は、ロッドの全直径部分が適切な位置へと回転し、サスペンションシステムの部材を移動型ロボットのコアフレームに対してロックするアクティブ状態になると、この空間は閉鎖される。後者のロックシステムの一例は、駆動デッキのうち移動型ロボットの最も外側の4つのコーナに近い地点から下がる1つ又はそれ以上の下降支柱に接続された、1つ又はそれ以上のモータを備えてもよく、それにより、床と移動型ロボットのコアフレームとの間に重量負荷支持ポストを提供し
てもよい。
・支持面検出センサ
ある実施形態では、移動型ロボットの支持面のうち1つ又はそれ以上は、回収可能アイテム、および/又は、他の対象物が、支持面に載置されているかどうか、および/又は、支持面と接触しているかどうかを検出するように構成されたセンサを備えることができる。ある実施形態では、1つ又はそれ以上の圧力センサ、又は、圧力応答センサが、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面、および/又は、1つ又はそれ以上の支持面に接続された構造に接続されてもよい。ある実施形態では、圧力センサ、又は、圧力応答センサは、支持面に載置されている回収可能アイテム、および/又は、他の対象物の重量、および/又は、張り出した障害物又は、移動型ロボットを支援用に使用している個人の手など、支持面に印加されている1つ又はそれ以上の他の対象物の圧力を提供してもよい。ある実施形態では、これらのセンサは、1つ又はそれ以上の支持面の1つ又はそれ以上の特定の領域における重量、および/又は、圧力を検出することができる。ある実施形態では、これらのセンサは、多くの機能で利用することができ、この多くの機能には、回収可能アイテム、および/又は、他の対象物からの負荷を判断すること、ロボットが停止すること、ユーザへフィードバックを提供すること、および/又は、支持面上の負荷が特定の運転制限を越えるとセーフティモードに入ることを可能にすること、張り出した障害物、および/又は、他の対象物が支持面の操作に干渉しているかどうかを確認するために、移動型ロボットの制御システムに他のセンサを確認させるための入力を提供すること、支持面上の回収可能アイテム、および/又は、他の対象物に収納されたアイテムの使用、および/又は、消費を推定するために、支持面上の回収可能アイテム、および/又は、他の対象物の重量の変化に関する情報を提供すること、および/又は、支持面から読み込まれた重量、および/又は、圧力が、エンドユーザアクション、および/又は、エンドユーザイベントを示すために変更されるのを待つことが含まれるが、これらには限定されない。ある実施形態では、移動型ロボット自身の表面、および/又は、移動型ロボットの外部の表面に対する移動型ロボットの表面の上昇、下降、および/又は、他の運動中に、他の障害物と接触し得る移動型ロボットのデッキの下部面、および/又は、他の支持面を含む、移動型ロボットの他の表面が、重量センサ、圧力センサ、および/又は、他の占有センサを備えてもよい。
【0190】
ある実施形態では、これらの重量センサ、圧力センサ、および/又は、他の占有センサは、単体で、および/又は、他のセンサと組み合わせて使用されることができ、それにより、移動型ロボット上に対する個人による重量の印加、又は、重量の印加の変化を判断する。例えば、個人が自身の重量のかなりの割合を移動型ロボット上に載せていること、又は、移動型ロボットに印加されたその個人の重量が、大きさ又は方向において、突然変更(低減、又は、増大)されたことが判断されてもよい。このような場合、移動型ロボットは、1つ又はそれ以上のセーフモードに入ってもよく、セーフモードは、個人が移動型ロボットの支持面又は他の部分を、個人の支持のために使用する場合に、移動型ロボットを固定するために、移動型ロボットが、移動型ロボットのサスペンションシステム、車輪、および/又は、支持面安定機能をロック、および/又は、修正することを含んでもよい。これらの場合、移動型ロボットは、個人へのフィードバック、および/又は、質問で応じてもよく、他のセンサを使って移動型ロボットの周囲の個人の位置、および/又は、向きをスキャンしてもよく、および/又は、他の警告メッセージを発行してもよい。
・照明、およびユーザインターフェイス
ある実施形態では、移動型ロボットは照明を備えることができ、それにより、移動型ロボットの1つ又はそれ以上の支持面、および/又は、移動型ロボットの周囲の、および/又は、移動ロボット内の他の領域を照らす。ある実施形態では照明要素は、移動型ロボットのデッキ、および/又は、支持面の上方、および/又は、側方に備えられ、支持面、および/又は、回収可能アイテム、および/又は、支持面に載置された他の対象物を照らしてもよい。ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの上面の上方に上昇す
る伸縮ポスト上に照明を備えることができ、個人用の読書灯として活用できる。
【0191】
ある実施形態では、照明は、移動型ロボット、および/又は、支持面の側方の周囲の領域を監視しているセンサによって検出される運動に応じて、ジェスチャーに応じて、および/又は、支持面、および/又は、移動型ロボットの他の要素に印加される圧力を監視するセンサに応じて作動することができる。
【0192】
ある実施形態では、移動型ロボット、および/又は、移動型ロボットの支持面の1つ又はそれ以上の側方を監視しているセンサは、ジェスチャーを検出することができ、移動型ロボットは、検出されたジェスチャーを入力として使用し、移動型ロボットの高さ、支持面のうち1つ又はそれ以上の高さ、および/又は、移動型ロボットの位置を制御することができる。
【0193】
ある実施形態では、移動型ロボットは、スクリーン又は、他のユーザが知覚可能な要素(例えば、視認可能なインジケータ要素、聴覚インジケータ要素、および/又は、振動性又は触覚インジケータ要素など)を備えることができ、それにより、運転中に、移動型ロボットの情報、および/又は、状態を示す。
【0194】
ある実施形態では、移動型ロボットは、移動型ロボットの特定の機能に対する制御を提供するために、1つ又はそれ以上のボタンを備えることができ、特定の機能は、移動型ロボット、および/又は、移動型ロボットの支持面のうち1つ又はそれ以上の高さを上昇、および/又は、下降させること、移動型ロボットの運転を即座に停止すること、別の個人、および/又は、監視サービスへ援助、および/又は、支援のための連絡を送ること、移動型ロボットを1つ又はそれ以上の場所へ送ること、移動型ロボットに、1つ又はそれ以上の回収可能アイテムの回収をリクエストすること、および/又は、移動型ロボットに、1つ又はそれ以上の方向へ移動することを指示することを含むが、これらには限定されない。
【0195】
ある実施形態では、移動型ロボットは、1つ又はそれ以上のマイク、および/又は、スピーカを備えることができ、音声指示への応答、および/又は、可聴フィードバックの提供をする。ある実施形態では、移動型ロボットは、ネットワークに接続された外部機器とインターフェイスで接続することができ、このような外部機器は、任意に、音声指示に応答するため、および/又は、可聴フィードバックを提供するための、1つ又はそれ以上のマイク、および、スピーカを備える。
・その他の形状因子
ある実施形態では、移動型ロボットの全体的な形状は、円形の設置面積、楕円形の設置面積、四角形の設置面積、および/又は、異なる寸法の辺を有する長方形の設置面積を有するロボット本体を含む、種々の形状であることができるが、限定はされない。
【0196】
ある実施形態では、回収可能アイテム用の回収機構の一部は、パレット、他の外部の面、および/又は、他の装置に内蔵されることができる。ある実施形態では、移動型ロボットの外部の機構は、移動型ロボットに設けられる回収機構による回収のために、回収可能アイテムの整列、および/又は、位置決めを助けることができる。ある実施形態では、移動型ロボットの外部の機構は、外部支持面と移動型ロボットの支持面との間の一部において、回収可能アイテムを移動させることができる。
【0197】
ある実施形態では、種々の移動型ロボットが、互いの間で回収可能アイテムを移動させ、経路上の様々な段階を経てアイテムを輸送することができる。ある実施形態では、少なくとも2つの移動型ロボットを備える1つのシステムが、異なる階層の隣り合う領域で運転することができ、一方の階層から別の階層への変化は、いずれの移動型ロボットも移動
が不可能なほど大きく、しかし、少なくとも1つの移動型ロボットは可変の高さ調整システムを備え、自身のデッキ、および/又は、アイテム支持面のうち1つ又はそれ以上を上昇、および/又は、下降させて、もう一方の移動型ロボットのデッキ、および/又は、アイテム支持面の高さと整列させることができる。
【0198】
当業者であれば、本開示の好適な実施例の改良例および変形例を認識するであろう。このような改良例および変形例は、すべて、本明細書および後述する特許請求の範囲に開示された概念の範囲内で考慮される。