(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置、製袋機における角底成形装置、および、製袋機
(51)【国際特許分類】
B31B 70/26 20170101AFI20240423BHJP
【FI】
B31B70/26
(21)【出願番号】P 2023216788
(22)【出願日】2023-12-22
【審査請求日】2023-12-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599176698
【氏名又は名称】ニューロング工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000121
【氏名又は名称】IAT弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】長 健人
(72)【発明者】
【氏名】八鍬 広城
(72)【発明者】
【氏名】工藤 拓也
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-091010(JP,A)
【文献】実開平06-023739(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第112248547(CN,A)
【文献】特開2015-157375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/26 - 70/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋機の角底成形装置において、底折りドラムにより搬送されている平筒体の底部分の表側フラップを裏側フラップに対して裏返しに折り返して、前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折りドラムの外周面に沿わせて平面的に展開させるフラップ展開装置であって、
前記平筒体のうち前記底折りドラムの搬送方向に沿った両側部分をガイドして、前記表側フラップと前記裏側フラップとを平面的に展開させる一対のガイドプレートと、
一対の前記ガイドプレートをエンドエフェクタとする一対のロボットと、
一対の前記ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドプレートの三次元空間における位置および姿勢を目標位置および目標姿勢に調整する位置姿勢調整装置と、
を備える、
ことを特徴とする製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項2】
前記位置姿勢調整装置は、
一対の前記ガイドプレートの前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報を入力する動作操作部を有する入力部と、
前記動作操作部の操作により、前記入力部に入力された前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報に基づいて、一対の前記ロボットの動作を制御する制御部と、
を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項3】
前記位置姿勢調整装置は、
一対の前記ガイドプレートの前記位置および前記姿勢を調整するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が入力されると、前記制御部を介して、一対の前記ロボットを動作させる制御と、
調整された一対の前記ガイドプレートの前記位置および前記姿勢を維持するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が新たに入力されるまで、前記制御部を介して、一対の前記ロボットの動作を停止させる制御と、
を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項4】
前記入力部は、前記目標位置に位置し、かつ、前記目標姿勢にある一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に、位置させるオフセット位置情報を入力するオフセット操作部を有し、
前記制御部は、前記オフセット操作部の操作により、一対の前記ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に位置させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項5】
前記位置姿勢調整装置は、前記目標位置
の情報および前記目標姿勢
の情報が記憶されている記憶部を有し、
前記入力部は、前記記憶部に記憶されている前記目標位置
の情報および前記目標姿勢
の情報を取り出す情報取り出し操作部を有し、
前記制御部は、前記情報取り出し操作部の操作により、前記記憶部から取り出された前記目標位置
の情報および前記目標姿勢
の情報に基づいて、一対の前記ロボットの動作を制御する、
ことを特徴とする請求項2に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項6】
前記入力部は、前記目標位置に位置し、かつ、前記目標姿勢にある一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に、位置させるオフセット位置情報を入力するオフセット操作部を有し、
前記制御部は、前記オフセット操作部の操作により、一対の前記ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に位置させる、
ことを特徴とする請求項5に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項7】
一対の前記ガイドプレートは、一対の前記ロボットに、ジョイントおよび緩衝材を介して、取り付けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項8】
一対の前記ガイドプレートの間に配置されていて、前記平筒体のうち前記底折りドラムの搬送方向に沿った中央部分をガイドして、前記表側フラップと前記裏側フラップとを平面的に展開させる一対のガイドバーと、
一対の前記ガイドバーをエンドエフェクタとするガイドバー用ロボットと、
を備え、
前記位置姿勢調整装置は、前記ガイドバー用ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドバーの三次元空間における位置および姿勢を目標位置および目標姿勢に調整する、
ことを特徴とする請求項1に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項9】
前記位置姿勢調整装置は、
一対の前記ガイドバーの前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報を入力する動作操作部を有する入力部と、
前記動作操作部の操作により、前記入力部に入力された前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報に基づいて、前記ガイドバー用ロボットの動作を制御する制御部と、
を有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項10】
前記位置姿勢調整装置は、
一対の前記ガイドバーの前記位置および前記姿勢を調整するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が入力されると、前記制御部を介して、前記ガイドバー用ロボットを動作させる制御と、
調整された一対の前記ガイドバーの前記位置および前記姿勢を維持するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が新たに入力されるまで、前記制御部を介して、前記ガイドバー用ロボットの動作を停止させる制御と、
を行う、
ことを特徴とする請求項9に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項11】
前記ガイドバー用ロボットには、ガイドバー取付部材が取り付けられていて、
前記ガイドバー取付部材には、一対の前記ガイドバーが、前記底折りドラムの搬送方向、または、前記底折りドラムの搬送方向に対して交差する方向のうち少なくともいずれか一方向に移動可能に、取り付けられている、
ことを特徴とする請求項8に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項12】
前記ガイドバー用ロボットには、ガイドバー取付部材が、ジョイントおよび緩衝材を介して取り付けられていて、
前記ガイドバー取付部材には、一対の前記ガイドバーが、前記底折りドラムの搬送方向、または、前記底折りドラムの搬送方向に対して交差する方向のうち少なくともいずれか一方向に移動可能に、取り付けられている、
ことを特徴とする請求項8に記載の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置。
【請求項13】
製袋機において、平筒体の底部分を角底に成形する角底成形装置であって、
前記平筒体を間隔を開けて連続的に供給する供給装置と、
前記平筒体の底部分に底折り返し線と底折り込み線とを、製造ラインの流れ方向に対して垂直方向に付ける底折れ線付け装置と、
前記平筒体を前記製造ラインの流れ方向に搬送する底折りドラムと、
前記平筒体の底部分の表側フラップと裏側フラップとを開口させる開口装置と、
前記表側フラップを、前記底折り返し線に沿って、前記裏側フラップに対して、裏返しに折り返して、前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折りドラムの外周面に沿わせて平面的に展開させる前記請求項1から12のいずれか1項に記載のフラップ展開装置と、
平面的に展開された前記表側フラップと前記裏側フラップとに貼着剤を塗布する貼着剤塗布装置と、
前記貼着剤が塗布された前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折り込み線に沿って立ち上げる立ち上げ装置と、
立ち上げられた前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折り込み線に沿って折り込んで前記貼着剤で貼着する貼着装置と、
前記貼着剤で貼着された前記表側フラップと前記裏側フラップとをプレスして前記角底を成形するプレス装置と、
を備える、
ことを特徴とする製袋機における角底成形装置。
【請求項14】
角底袋を製造する製袋機であって、
ロール状に巻かれている原紙を、製造ラインの流れ方向に、連続的に送り出す給紙装置と、
前記給紙装置から送り出された前記原紙から平らな筒状の平筒体を成形する平筒体成形装置と、
前記平筒体成形装置で成形された前記平筒体の底部分から角底を成形する前記請求項13に記載の角底成形装置と、
を具備する、
ことを特徴とする製袋機。
【請求項15】
把手を成形し、かつ、前記把手を前記角底袋の口部分の所定位置に貼り付ける把手装置を具備する、
ことを特徴とする請求項14に記載の製袋機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製袋機の角底成形装置において、平筒体の底部分を角底に成形する過程で、底折りドラムにより搬送されている平筒体の底部分を平面的に展開させるフラップ展開装置に関する。
この発明は、製袋機において、平筒体の底部分を角底に成形する角底成形装置であって、フラップ展開装置を備える角底成形装置に関する。
この発明は、角底袋を製造する製袋機であって、フラップ展開装置を備える角底成形装置を具備する製袋機に関する。
【背景技術】
【0002】
製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置としては、たとえば、特許文献1、特許文献2に示すものがある。以下、特許文献1、特許文献2について説明する。
【0003】
特許文献1のフラップ展開装置としてのフラップ折返装置は、底折ドラムの上側に配される左右一対の案内板と、この案内板の間に配される左右一対の線状部材とを有する。案内板と線状部材とは、取付棒に取付アームを介して固定される。各案内板と線状部材とは、底折ドラムによって回転搬送される紙筒を、各案内板と底折ドラムとの間に誘い込み、底開き装置によって吸引された表側折込フラップを各案内板および線状部材に押し付けることにより、表側折込フラップを底折返線から裏返しとして折返す。すなわち、表裏の折込フラップを底折ドラムの外周に沿わせて平面的に展開し、案内板と底折ドラムとの僅かな隙間を通して紙筒の浮き上りを抑えて安定的に搬送する。
【0004】
特許文献2のフラップ展開装置としてのフラップ折返装置は、底開き装置によって開口した袋口両側部分を案内する左右一対の案内板で構成されている。この案内板は、底折ドラムの上部に横設する取付杆に取付アームを介してほぼ水平に固定されている。この左右の案内板は平板部と、この平板部の両側端部から下方に向かって垂設する立下部とを有する。平板部の一端側(底開き装置側)は、外縁部に向って次第に高くなる傾斜部が形成され、平板部の他端側は、底折ドラムの外周面に接するように取付アームに固定されている。さらに、案内板の間には、紙筒の中央部分を底折ドラムの外周面に押し付ける線状部材が取付杆に取付アームを介して固定されている。底折ドラムによって回転搬送される紙筒は、左右の案内板と底折ドラムとの間に誘い込まれ、底開き装置によって吸引された表側折込フラップが各案内板の平板部に押し付けられ、底折ドラムの回転によって表側折込フラップが折返線から裏返しとなって折返される。すなわち、裏側折込フラップを残して表側折込フラップのみを裏返しに折り返すことで、表裏の折込フラップを底折ドラムの外周に沿わせて平面的に展開するものである。このようにして、フラップ折返装置により表裏の折込フラップが展開した紙筒は、底折ドラムの回転と同体的に搬送される。この時、プレスローラと底折ドラムとで各折込フラップの両側を挾着して各折込フラップを偏平状に折畳み、かつ、紙筒を底折ドラムに併設する彎曲状の案内規制板と底折ドラムとの僅かな隙間を通して紙筒の浮き上りを抑えて安定的に搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-309793号公報
【文献】特開平8-90687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる特許文献1のフラップ折返装置製袋機は、使用する原紙の材質、厚さ、製造する角底袋の大きさにより、また、所定の製造枚数毎の角底袋の品質維持のため、左右一対の案内板の位置および姿勢と左右一対の線状部材の位置および姿勢とを調整する必要がある。
【0007】
しかしながら、特許文献1のフラップ折返装置は、左右一対の案内板と左右一対の線状部材とが取付棒に取付アームを介して固定されている、ものである。このため、特許文献1のフラップ折返装置は、左右一対の案内板の位置および姿勢と左右一対の線状部材の位置および姿勢とを調整する場合には、作業員の安全を確保するため、製袋機の製造作業を一時停止させる必要があり、製造作業能率に課題がある。
【0008】
また、同様に、かかる特許文献2のフラップ折返装置製袋機は、使用する原紙の材質、厚さ、製造する角底袋の大きさにより、また、所定の製造枚数毎の角底袋の品質維持のため、左右一対の案内板の位置および姿勢と線状部材の位置および姿勢とを調整する必要がある。
【0009】
しかしながら、特許文献1のフラップ折返装置は、左右一対の案内板が取付アームに固定されていて、線状部材が取付杆に取付アームを介して固定されている、ものである。このため、特許文献1のフラップ折返装置は、左右一対の案内板の位置および姿勢と線状部材の位置および姿勢とを調整する場合には、作業員の安全を確保するため、製袋機の製造作業を一時停止させる必要があり、製造作業能率に課題がある。
【0010】
この発明が解決しようとする課題は、作業員の安全を確保することができ、しかも、製袋機の製造作業中においても、フラップ展開装置の少なくとも一対のガイドプレートを調整することができる製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置、製袋機における角底成形装置、および、製袋機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の第1の観点の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置は、前記の課題を解決するために、製袋機の角底成形装置において、底折りドラムにより搬送されている平筒体の底部分の表側フラップを裏側フラップに対して裏返しに折り返して、前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折りドラムの外周面に沿わせて平面的に展開させるフラップ展開装置であって、前記平筒体のうち前記底折りドラムの搬送方向に沿った両側部分をガイドして、前記表側フラップと前記裏側フラップとを平面的に展開させる一対のガイドプレートと、一対の前記ガイドプレートをエンドエフェクタとする一対のロボットと、一対の前記ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドプレートの三次元空間における位置および姿勢を目標位置および目標姿勢に調整する位置姿勢調整装置と、を備える、ことを特徴とする。
【0012】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記位置姿勢調整装置は、一対の前記ガイドプレートの前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報を入力する動作操作部を有する入力部と、前記動作操作部の操作により、前記入力部に入力された前記目標位置情報および前記目標姿勢情報に基づいて、一対の前記ロボットの動作を制御する制御部と、を有する、ことが好ましい。
【0013】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記位置姿勢調整装置は、一対の前記ガイドプレートの前記位置および前記姿勢を調整するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が入力されると、前記制御部を介して、一対の前記ロボットを動作させる制御と、調整された一対の前記ガイドプレートの前記位置および前記姿勢を維持するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が新たに入力されるまで、前記制御部を介して、一対の前記ロボットの動作を停止させる制御と、を行う、ことが好ましい。
【0014】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記入力部は、前記目標位置に位置し、かつ、前記目標姿勢にある一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に、位置させるオフセット位置情報を入力するオフセット操作部を有し、前記制御部は、前記オフセット操作部の操作により、一対の前記ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に位置させる、ことが好ましい。
【0015】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記位置姿勢調整装置は、前記目標位置情報および前記目標姿勢情報が記憶されている記憶部を有し、前記入力部は、前記記憶部に記憶されている前記目標位置情報および前記目標姿勢情報を取り出す情報取り出し操作部を有し、前記制御部は、前記情報取り出し操作部の操作により、前記記憶部から取り出された前記目標位置情報および前記目標姿勢情報に基づいて、一対の前記ロボットの動作を制御する、ことが好ましい。
【0016】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記入力部は、前記目標位置に位置し、かつ、前記目標姿勢にある一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に、位置させるオフセット位置情報を入力するオフセット操作部を有し、前記制御部は、前記オフセット操作部の操作により、一対の前記ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドプレートを、前記目標位置からオフセットされたオフセット位置に位置させる、ことが好ましい。
【0017】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、一対の前記ガイドプレートは、一対の前記ロボットに、ジョイントおよび緩衝材を介して、取り付けられている、ことが好ましい。
【0018】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、一対の前記ガイドプレートの間に配置されていて、前記平筒体のうち前記底折りドラムの搬送方向に沿った中央部分をガイドして、前記表側フラップと前記裏側フラップとを平面的に展開させる一対のガイドバーと、一対の前記ガイドバーをエンドエフェクタとするガイドバー用ロボットと、を備え、前記位置姿勢調整装置は、前記ガイドバー用ロボットの動作を介して、一対の前記ガイドバーの三次元空間における位置および姿勢を目標位置および目標姿勢に調整する、ことが好ましい。
【0019】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記位置姿勢調整装置は、一対の前記ガイドバーの前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報を入力する動作操作部を有する入力部と、前記動作操作部の操作により、前記入力部に入力された前記目標位置情報および前記目標姿勢情報に基づいて、前記ガイドバー用ロボットの動作を制御する制御部と、を有する、ことが好ましい。
【0020】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記位置姿勢調整装置は、一対の前記ガイドバーの前記位置および前記姿勢を調整するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が入力されると、前記制御部を介して、前記ガイドバー用ロボットを動作させる制御と、調整された一対の前記ガイドバーの前記位置および前記姿勢を維持するために、前記入力部に前記目標位置の情報および前記目標姿勢の情報が新たに入力されるまで、前記制御部を介して、前記ガイドバー用ロボットの動作を停止させる制御と、を行う、ことが好ましい。
【0021】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記ガイドバー用ロボットには、ガイドバー取付部材が取り付けられていて、前記ガイドバー取付部材には、一対の前記ガイドバーが、前記底折りドラムの搬送方向、または、前記底折りドラムの搬送方向に対して交差する方向のうち少なくともいずれか一方向に移動可能に、取り付けられている、ことが好ましい。
【0022】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置において、前記ガイドバー用ロボットには、ガイドバー取付部材が、ジョイントおよび緩衝材を介して取り付けられていて、前記ガイドバー取付部材には、一対の前記ガイドバーが、前記底折りドラムの搬送方向、または、前記底折りドラムの搬送方向に対して交差する方向のうち少なくともいずれか一方向に移動可能に、取り付けられている、ことが好ましい。
【0023】
この発明の第1の観点の製袋機における角底成形装置は、前記の課題を解決するために、製袋機において、平筒体の底部分を角底に成形する角底成形装置であって、前記平筒体を間隔を開けて連続的に供給する供給装置と、前記平筒体の底部分に底折り返し線と底折り込み線とを、製造ラインの流れ方向に対して垂直方向に付ける底折れ線付け装置と、前記平筒体を前記製造ラインの流れ方向に搬送する底折りドラムと、前記平筒体の底部分の表側フラップと裏側フラップとを開口させる開口装置と、前記表側フラップを、前記底折り返し線に沿って、前記裏側フラップに対して、裏返しに折り返して、前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折りドラムの外周面に沿わせて平面的に展開させるこの発明のフラップ展開装置と、平面的に展開された前記表側フラップと前記裏側フラップとに貼着剤を塗布する貼着剤塗布装置と、貼着剤が塗布された前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折り込み線に沿って立ち上げる立ち上げ装置と、立ち上げられた前記表側フラップと前記裏側フラップとを前記底折り込み線に沿って折り込んで前記貼着剤で貼着する貼着装置と、前記貼着剤で貼着された前記表側フラップと前記裏側フラップとをプレスして角底を成形するプレス装置と、を備える、ことを特徴とする。
【0024】
この発明の第1の観点の製袋機は、前記の課題を解決するために、角底袋を製造する製袋機であって、ロール状に巻かれている原紙を、製造ラインの流れ方向に、連続的に送り出す給紙装置と、前記給紙装置から送り出された前記原紙から平らな筒状の平筒体を成形する平筒体成形装置と、前記平筒体成形装置で成形された前記平筒体の底部分から角底を成形するこの発明の角底成形装置と、を具備する、ことを特徴とする。
【0025】
この発明の製袋機において、把手を成形し、かつ、前記把手を前記角底袋の口部分の所定位置に貼り付ける把手装置を具備する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
この発明の製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置、製袋機における角底成形装置、および、製袋機は、作業員の安全を確保することができ、しかも、製袋機の製造作業中においても、フラップ展開装置の少なくとも一対のガイドプレートを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、この発明にかかる製袋機、角底成形装置、フラップ展開装置の実施形態を示す平面図である。
【
図2】
図2は、この発明にかかる製袋機、角底成形装置、フラップ展開装置の実施形態を示す側面図である。
【
図3】
図3は、丸紐把手付きの角底袋を示す正面図である。
【
図4】
図4は、原紙に丸紐把手を貼り付けた状態を示す一部斜視図である。
【
図5】
図5は、連続する平たい筒体を示す一部斜視図である。
【
図6】
図6は、口部分に2組の丸紐把手を備える平筒体を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、平筒体の底部分の表側フラップと裏側フラップとが開口されている状態を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、開口された表側フラップを底折り返し線に沿って裏側フラップに対して裏返しに折り返した状態を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、表側フラップと裏側フラップとを底折りドラムの外周面に沿わせて平面的に展開させた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、平面的に展開された表側フラップと裏側フラップとに貼着剤を塗布した状態を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、平筒体の底部分に角底を成形した角底袋を示す斜視図である。
【
図15】
図15は、フラップ展開装置の左右一対のガイドプレートおよび左右一対のガイドバーの退避状態を示す斜視図である。
【
図16】
図16は、左側のガイドプレート60Lを示す説明図である。(A)は、平面図である。(B)は、背面図((A)におけるB矢視図)である。(C)は、側面図((A)におけるC矢視図)である。(D)は、斜視図((A)におけるD矢視図)である。(E)は、正面図((C)におけるE矢視図)である。
【
図17】
図17は、左右一対のガイドプレート用ロボットの第6アーム、ジョイント、緩衝材および左右一対のガイドプレートを示す正面図である。
【
図18】
図18は、左右一対のガイドプレート用ロボットの第6アーム、ジョイント、緩衝材および左右一対のガイドプレートを示す側面図(
図17におけるXVIII矢視図)である。
【
図19】
図19は、左右一対のガイドプレート用ロボットの第6アームおよびジョイントを示す底面図(
図17におけるXIX-XIX線矢視図)である。
【
図20】
図20は、左右一対のガイドプレート用ロボットの第6アーム、ジョイントおよび左右一対のガイドプレートの取付部を示す底面図(
図17におけるXIX-XIX線矢視図)である。
【
図21】
図21は、左右一対のガイドバー用ロボットの第6アーム、ジョイント、緩衝材、取付部材および左右一対のガイドバーを示す正面図である。
【
図22】
図22は、左右一対のガイドバー用ロボットの第6アーム、ジョイント、緩衝材、取付部材および左右一対のガイドバーを示す側面図(
図21におけるXXII矢視図)である。
【
図23】
図23は、位置姿勢調整装置を示すブロック図である。
【
図25】
図25は、出しの平紐把手付きの角底袋を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施形態の構成の説明)
以下に、この発明にかかる製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置(以下、「フラップ展開装置」と称する)の実施形態(実施例)の1例、この発明にかかる製袋機における角底成形装置(以下、「角底成形装置」と称する)の実施形態(実施例)の1例、および、この発明にかかる製袋機の実施形態(実施例)の1例を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0029】
この明細書において、原紙、平筒体、角底袋の製造ラインの流れの下流側を前側とし、上流側を後側とする。上流側の後側から下流側の前側を見て、左側を左側とし、右側を右側とする。鉛直方向の上側を上側とし、鉛直方向の下側を下側とする。
【0030】
なお、図面は、この発明にかかるフラップ展開装置、角底成形装置、および、製袋機を示す概略図であるから、この発明にかかるフラップ展開装置、角底成形装置、および、製袋機の主要部品を図示し、主要部品以外の部品の図示を省略する。また、ハッチングの一部が省略されている。さらに、図において、矢印の符号「A」は、原紙、平筒体、角底袋の製造ラインの流れ方向を示し、矢印は、上流側から下流側に向いている。さらにまた、図において、符号「F」は「前側」、「B」は「後側」、「L」は「左側」、「R」は「右側」、「U」は「上側」、「D」は「下側」である。
【0031】
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかるフラップ展開装置、角底成形装置、および、製袋機の構成について説明する。
【0032】
(製袋機1の説明)
図1は、製袋機1を示す平面図、
図2は、製袋機1を示す側面図である。製袋機1は、この例では、
図3、
図11に示す丸紐把手34付きの角底袋10(丸紐把手34を備える角底袋10。以下、「角底袋10」と称する)を製造する。
【0033】
製袋機1は、
図1、
図2に示すように、給紙装置2と、把手装置3と、平筒体成形装置4と、角底成形装置5と、を具備する。
【0034】
(給紙装置2の説明)
給紙装置2は、製袋機1の最上流に配置されている。給紙装置2は、ロール状に巻かれている原紙20を、製造ラインの流れ方向Aに、連続的に送り出す。ロール状に巻かれている原紙20の幅W2は、
図3、
図4に示すように、角底袋10の幅W1に基づいて設定されている。
【0035】
原紙20の幅W2は、原紙20の製造ラインの流れ方向Aに対して垂直方向の寸法である。また、原紙20の材質や厚さなどは、任意である。さらに、原紙20の表面に印刷などを施している場合がある。
【0036】
(把手装置3の説明)
把手装置3は、
図1、
図2に示すように、給紙装置2と平筒体成形装置4との間に配置されている。すなわち、把手装置3は、給紙装置2の下流側に配置されていて、把手形成装置30と、把手貼り付け装置31と、を有する。
【0037】
把手形成装置30は、U字形状の丸紐把手部分32と、貼り付け用紙33とを一体にして、丸紐把手34(
図3から
図11を参照)を形成する。貼り付け用紙33は、補強紙としての機能を兼用している。
【0038】
把手貼り付け装置31は、原紙20の所定の位置に貼着剤(図示せず)を塗布する。また、把手貼り付け装置31は、
図4に示すように、塗布した貼着剤に丸紐把手34を貼り付ける。丸紐把手34は、原紙20の左右に1つずつ配置されている。
【0039】
(平筒体成形装置4の説明)
平筒体成形装置4は、
図1、
図2に示すように、把手貼り付け装置31の下流側に配置されていて、襠筋付け装置40、襠貼り付け装置41、切断装置42と、を有する。
【0040】
襠筋付け装置40は、丸紐把手34が左右に1つずつ配置されている原紙20の所定箇所、すなわち、角底袋10の左右両側の襠部分11に対応する箇所に、襠用筋12を、製造ラインの流れ方向Aに、設ける。
【0041】
襠貼り付け装置41は、丸紐把手34が左右に1つずつ配置されている原紙20の製造ラインの流れ方向Aに沿った左右両側縁部のうち、少なくとも、いずれか一方に縁部に貼着剤(図示せず)を塗布する。また、襠貼り付け装置41は、
図5に示すように、原紙20を、襠用筋12に沿って折り、かつ、粘着剤で貼り付けて、連続する平たい筒体21に、成形する。
【0042】
切断装置42は、
図5に示すように、連続する平たい筒体21の所定箇所、すなわち、
図3、
図11に示す角底袋10の口部分13の開口縁14に対応する箇所(
図5中の二点鎖線を参照)を、製造ラインの流れ方向Aに対して垂直方向に切断する。これにより、
図6に示すように、口部分13に2組の丸紐把手34を備える平筒体22が成形される。
【0043】
(角底成形装置5の説明)
角底成形装置5は、
図1、
図2に示すように、平筒体成形装置4の下流側に配置されていて、供給装置50と、底折れ線付け装置51と、底折りドラム52と、開口装置53と、フラップ展開装置6と、貼着剤塗布装置54と、立ち上げ装置55と、貼着装置56と、プレス装置57と、を備える。
【0044】
供給装置50は、平筒体成形装置4の下流側に配置されていて、平筒体成形装置4で成形された平筒体22(
図6を参照)を、間隔を開けて連続的に供給する。
【0045】
底折れ線付け装置51は、供給装置50の下流側に配置されている。底折れ線付け装置51は、
図6に示すように、平筒体22の底部分23(
図3、
図11に示す角底袋10の角底15に対応する部分)に、底折り返し線24と底折り込み線25とを、製造ラインの流れ方向Aに対して垂直方向に付ける。底折り返し線24と底折り込み線25とは、相互に平行である。
【0046】
底折りドラム52は、回転により、底折れ線付け装置51で底折り返し線24と底折り込み線25とが付けられた平筒体22を、製造ラインの流れ方向Aに、回転搬送する。底折りドラム52には、捕捉爪(図示せず)が設けられている。
【0047】
開口装置53は、底折れ線付け装置51の下流側に配置されていて、底折りドラム52の外周面に近接して配置されている。開口装置53には、吸着パット(図示せず)が設けられている。吸着パットは、
図7に示すように、平筒体22の底部分23の表側フラップ26を、吸着して、平筒体22の底部分23の裏側フラップ27に対して、開く。この時、裏側フラップ27は、底折りドラム52の捕捉爪に捕捉されていて、底折りドラム52の外周面に沿って、回転搬送されている。これにより、
図7に示すように、平筒体22の底部分23の表側フラップ26と裏側フラップ27とが開口される。
【0048】
フラップ展開装置6は、
図8、
図9に示すように、開口装置53で開口された表側フラップ26を、底折り返し線24に沿って、裏側フラップ27に対して、裏返しに折り返して、表側フラップ26と裏側フラップ27とを底折りドラム52の外周面に沿わせて平面的に展開させる。なお、フラップ展開装置6については、後記に詳細に説明する。
【0049】
貼着剤塗布装置54は、フラップ展開装置6の下流側であって、底折りドラム52の外周面に配置されている。貼着剤塗布装置54は、
図10に示すように、平面的に展開された表側フラップ26と裏側フラップ27とに貼着剤28(
図10中のハッチングを施した部分を参照)を塗布する。
【0050】
立ち上げ装置55は、貼着剤塗布装置54の下流側であって、底折りドラム52の外周面に配置されている。立ち上げ装置55は、貼着剤28が塗布された表側フラップ26と裏側フラップ27とを底折り込み線25に沿って立ち上げる。
【0051】
貼着装置56は、立ち上げ装置55の下流側であって、底折りドラム52の外周面に配置されている。貼着装置56は、
図11に示すように、立ち上げられた表側フラップ26と裏側フラップ27とを底折り込み線25に沿って折り込んで貼着剤28で貼着する。
【0052】
プレス装置57は、
図1、
図2に示すように、貼着装置56の下流側に配置されている。プレス装置57は、
図3、
図11に示すように、貼着剤28で貼着された表側フラップ26と裏側フラップ27とをプレスして、平筒体22の底部分23に角底15を成形する。これにより、角底袋10が製造される。
【0053】
(フラップ展開装置6の説明))
フラップ展開装置6は、
図12から
図24に示すように、左右一対のガイドプレート(または、バインダーと言う)60L、60Rと、左右一対のガイドバー(または、タタキバーと言う)61L、61Rと、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rと、ガイドバー用ロボット63と、位置姿勢調整装置7と、を備える。
【0054】
(左右一対のガイドプレート60L、60Rの説明)
左右一対のガイドプレート60L、60Rは、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rのエンドエフェクタとして、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rに、後記のジョイント64を介して、取り付けられている。
【0055】
なお、左右一対のガイドプレート60L、60Rのうちの左側のガイドプレート60Lは、以下、「左側ガイドプレート60L」と称する場合がある。また、左右一対のガイドプレート60L、60Rのうちの右側のガイドプレート60Rは、以下、「右側ガイドプレート60R」と称する場合がある。
【0056】
左右一対のガイドプレート60L、60Rは、表側フラップ26を、底折り返し線24に沿って、裏側フラップ27に対して、裏返しに折り返す過程において、平筒体22のうち底折りドラム52の回転搬送方向Cに沿った左右両側部分をガイドして、表側フラップ26と裏側フラップ27とを平面的に展開させる。
【0057】
図16は、左側のガイドプレート60Lを示す説明図である。以下、左側のガイドプレート60Lについて説明する。なお、右側のガイドプレート60Rは、左側のガイドプレート60Lの左右対称をなすものであるから、右側のガイドプレート60Rの説明は、省略する。ガイドプレート60Lは、水平板部600と、湾曲部601と、立ち上がり板部602と、取付部603と、を有する。
【0058】
水平板部600は、長方形の板形状からなり、底折りドラム52の外周面に近接して対向していて、平筒体22の左右両側部分を底折りドラム52の外周面に押し付ける。
【0059】
立ち上がり板部602は、水平板部600の一部分を、湾曲部601を介して立ち上げてなり、湾曲部601と共に平筒体22の左右両側部分を、水平板部600にガイドする。
【0060】
立ち上がり板部602は、水平板部600の上面の中央部分に一体に設けられていて、ジョイント64を介して、ガイドプレート用ロボット62L、62Rに取り付けられている。
【0061】
(左右一対のガイドバー61L、61Rの説明)
左右一対のガイドバー61L、61Rは、ガイドバー用ロボット63のエンドエフェクタとして、ガイドバー用ロボット63に、ジョイント64および後記のガイドバー取付部材65を介して、取り付けられている。なお、左右一対のガイドバー61L、61Rは、以下、「中央ガイドバー61L、61R」と称する場合がある。
【0062】
左右一対のガイドバー61L、61Rは、左右一対のガイドプレート60L、60Rの間に配置されている。左右一対のガイドバー61L、61Rは、表側フラップ26を、底折り返し線24に沿って、裏側フラップ27に対して、裏返しに折り返す過程において、平筒体22のうち底折りドラム52の回転搬送方向Cに沿った中央部分をガイドして、表側フラップ26と裏側フラップ27とを平面的に展開させる。
【0063】
左右一対のガイドバー61L、61Rは、
図12に示すように、丸棒部材の中央部分610を湾曲させてなる。左右一対のガイドバー61L、61Rの一端部分611が、ガイドバー取付部材65を介して、ガイドバー用ロボット63に取り付けられている。左右一対のガイドバー61L、61Rの他端部分612は、左右一対のガイドプレート60L、60Rの間に配置され、底折りドラム52の外周面に近接して対向していて、平筒体22の中央部分をガイドしながら底折りドラム52の外周面に押し付ける。
【0064】
(左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rの説明)
左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rは、
図12から
図15に示すように、天井架台60の左右両側部分に装備されている。天井架台60は、角底成形装置5の架台(図示せず)と一体構造をなしていて、角底成形装置5の天井部分に製造ラインの流れ方向Aに対して垂直方向の左右方向に配置されている。
【0065】
なお、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rのうちの左側のガイドプレート用ロボット62Lは、以下、「第1ロボット62L」と称する場合がある。また、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rのうちの右側のガイドプレート用ロボット62Rは、以下、「第3ロボット62R」と称する場合がある。
【0066】
左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rは、固定アーム620L、620Rと、第1アーム621L、621Rと、第2アーム622L、622Rと、第3アーム623L、623Rと、第4アーム624L、624Rと、第5アーム625L、625Rと、第6アーム626L、626Rと、を有する。
【0067】
固定アーム620L、620Rは、天井架台60の左右両側部分に固定されている。第1アーム621L、621Rは、固定アーム620L、620Rに第1軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第2アーム622L、622Rは、第1アーム621L、621Rに第2軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第3アーム623L、623Rは、第2アーム622L、622Rに第3軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第4アーム624L、624Rは、第3アーム623L、6213Rに第4軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第5アーム625L、625Rは、第4アーム624L、624Rに第5軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第6アーム626L、626Rは、第5アーム625L、625Rに第6軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。
【0068】
第1アーム621L、621Rから第6アーム626L、626Rは、サーボモーターにより回転駆動される。第6アーム626L、626Rには、ジョイント64を介して、左右一対のガイドプレート60L、60Rが、取り付けられている。
【0069】
(ガイドバー用ロボット63の説明)
ガイドバー用ロボット63は、
図12から
図15に示すように、天井架台60の中央部分であって、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rの間に装備されている。なお、ガイドバー用ロボット63は、以下、「第2ロボット63」と称する場合がある。
【0070】
ガイドバー用ロボット63は、固定アーム630と、第1アーム631と、第2アーム632と、第3アーム633と、第4アーム634と、第5アーム635と、第6アーム636と、を有する。
【0071】
固定アーム630は、天井架台60の中央部分に固定されている。第1アーム631は、固定アーム630に第1軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第2アーム632は、第1アーム631に第2軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第3アーム633Rは、第2アーム632に第3軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第4アーム634は、第3アーム633に第4軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第5アーム635は、第4アーム634に第5軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。第6アーム636は、第5アーム635に第6軸(図示せず)周りに回転可能に取り付けられている。
【0072】
第1アーム631から第6アーム636は、サーボモーターにより回転駆動される。第6アーム636には、ジョイント64およびガイドバー取付部材65を介して、左右一対のガイドバー61L、61Rが、取り付けられている。
【0073】
(ジョイント64の説明)
ジョイント64は、
図17から
図22に示すように、円板形状の本体部640と、本体部640の一面(下面)の中央部分に一体に設けられている板形状の取付部641と、を有する。
【0074】
本体部640の他面(上面)は、
図17から
図20に示すように、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rの第6アーム626L、626Rの一面(下面)に、緩衝材644を介在させて、ボルト643により取り付けられている。また、本体部640の他面(上面)は、
図21、
図22に示すように、ガイドバー用ロボット63の第6アーム636の一面(下面)に、緩衝材644を介在させて、ボルト643により取り付けられている。緩衝材644は、1種類でも、複数種類でも良い。
【0075】
取付部641には、
図17、
図18、
図20に示すように、左右一対のガイドプレート60L、60Rの取付部603が、ボルトナット642により取り付けられている。また、取付部641には、
図21、
図22に示すように、ガイドバー取付部材65の第1取付部651が、ボルトナット642により取り付けられている。
【0076】
(ガイドバー取付部材65の説明)
ガイドバー取付部材65は、
図21、
図22に示すように、本体部650と、第1取付部651と、2本の取付軸部652と、左右一対のスライド部653L、653Rと、左右一対の第2取付部654L、654Rと、を有する。
【0077】
本体部650は、左右に長い長方形の板部材の左右両端部分を下に折り曲げた形状をなす。本体部650の上面の中央部分には、第1取付部651が一体に設けられている。第1取付部651は、ジョイント64の取付部641にボルトナット642により取り付けられている。本体部650の左右両端部分の前後には、2本の取付軸部652の両端面が、ボルト655により取り付けられている。
【0078】
2本の取付軸部652には、左右一対のスライド部653L、653Rが、ボルトナット656により、左右方向にスライド可能に、取り付けられている。左右一対のスライド部653L、653Rの内側面、すなわち、左右一対のスライド部653L、653Rが相互に対向する面には、左右一対の第2取付部654L、654Rが、一体に設けられている。
【0079】
左右一対の第2取付部654L、654Rは、左右一対のスライド部653L、653Rと共に、2本の取付軸部652に対して、左右方向にスライド可能である。左右一対の第2取付部654L、654Rには、左右一対のガイドバー61L、61Rの一端部分611が、ボルトナット657により、前後方向にスライド可能に、取り付けられている。
【0080】
なお、左右一対のガイドバー61L、61Rは、ガイドバー取付部材65に、左右方向および前後方向に移動可能に取り付けられているが、左右方向または前後方向に移動可能に取り付けられているものであっても良い。
【0081】
(位置姿勢調整装置7の説明)
位置姿勢調整装置7は、例えばパーソナルコンピュータであり、
図23に示すように、第1入力部71と、第2入力部72と、第3入力部73と、記憶部74と、制御部70と、を有する。
【0082】
第1入力部71は、操作部の操作により、第1ロボット62Lを介して、左側ガイドプレート60Lの位置および姿勢の調整を行う。第2入力部72は、操作部の操作により、第2ロボット63を介して、中央ガイドバー61L、61Rの位置および姿勢の調整を行う。第3入力部73は、操作部の操作により、第3ロボット62Rを介して、右側ガイドプレート60Rの位置および姿勢の調整を行う。
【0083】
以下、第1入力部71について、
図24を参照して説明する。なお、第2入力部72および第3入力部73は、第1入力部71の構成と同様の構成をなすので、説明を省略する。
【0084】
第1入力部71は、
図24に示すように、6個の直線動作操作部と、6個の回転動作操作部と、情報取り出し操作部と、オフセット操作部と、を有する。
【0085】
第1入力部71は、操作者である作業員が6個の直線動作操作部および6個の回転動作操作部を操作することにより、左側ガイドプレート60Lの三次元空間における目標位置の情報および目標姿勢の情報が入力される。また、第1入力部71は、作業員が情報取り出し操作部を操作することにより、記憶部74に記憶されている目標位置の情報および目標姿勢の情報が取り出されて入力される。さらに、第1入力部71は、作業員がオフセット操作部を操作することにより、オフセット位置情報が入力される。オフセット位置情報は、目標位置に位置し、かつ、目標姿勢にある左側ガイドプレート60Lを、目標位置からオフセットされたオフセット位置に位置させる情報である。
【0086】
三次元空間における位置および姿勢は、この例では、所定の点を原点とする右手系の直交座標系で表現される。X軸は、前後方向であって、前側Fが+で、後側Bが-である。Y軸は、左右方向であって、右側Rが+で、左側Lが-である。Z軸は、上下方向であって、上側Uが+で、下側Dが-である。X軸の時計方向周りが+であり、X軸の反時計方向周りが-である。Y軸の時計方向周りが+であり、Y軸の反時計方向周りが-である。Z軸の時計方向周りが+であり、Z軸の反時計方向周りが-である。なお、三次元空間における位置および姿勢は、左手系の直交座標系で表現される場合であっても良い。
【0087】
記憶部74は、例えば、RAMやSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)を有する。記憶部74は、左側ガイドプレート60Lの目標位置の情報および目標姿勢の情報、中央ガイドバー61L、61Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報、右側ガイドプレート60Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報が記憶されている。記憶部74に記憶された目標位置の情報および目標姿勢の情報は、第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73の情報取り出し操作部の操作により、取り出される。
【0088】
記憶部74に記憶されている目標位置の情報および目標姿勢の情報は、作業員が第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73の操作部を操作して得られた情報、熟練作業員が第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73の操作部を操作して得られた情報などである。
【0089】
制御部70は、CPU(Central Processing Unit)、記憶部位(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発メモリ等)を含む、その他の要素から構成されている。制御部70は、6個の直線動作操作部および6個の回転動作操作部の操作により、第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73(以下、「入力部71、72、73」と称する場合がある)に入力された左側ガイドプレート60Lの目標位置の情報および目標姿勢の情報、中央ガイドバー61L、61Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報、右側ガイドプレート60Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報に基づいて、第1ロボット62Lの動作、第2ロボット63の動作、第3ロボット62Rの動作を制御する。
【0090】
制御部70は、情報取り出し操作部の操作により、記憶部74から取り出されて入力部71、72、73に入力された左側ガイドプレート60Lの目標位置の情報および目標姿勢の情報、中央ガイドバー61L、61Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報、右側ガイドプレート60Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報に基づいて、第1ロボット62Lの動作、第2ロボット63の動作、第3ロボット62Rの動作を制御する。
【0091】
制御部70は、オフセット操作部の操作により、入力部71、72、73に入力された左側ガイドプレート60Lのオフセット位置情報、中央ガイドバー61L、61Rのオフセット位置情報、右側ガイドプレート60Rのオフセット位置情報に基づいて、第1ロボット62Lの動作、第2ロボット63の動作、第3ロボット62Rの動作を制御する。
【0092】
すなわち、制御部70は、第1ロボット62L、第2ロボット63、第3ロボット62R(以下、「ロボット62L、63、62R」と称する場合がある)を動作させて、左側ガイドプレート60L、中央ガイドバー61L、61R、右側ガイドプレート60R(以下、「ガイド60L、61L、61R、60R」と称する場合がある)を、目標位置である製造ラインAに位置させ、目標姿勢に付け、また、
図12から
図14に示す目標位置から、
図15に示すオフセット位置にオフセットさせる。
図15に示すオフセット位置に位置するガイド60L、61L、61R、60Rは、退避状態にあって、目標位置である製造ラインAに対して、大きく離れている。
【0093】
位置姿勢調整装置7は、ロボット62L、63、62Rの動作制御を以下のようにして行う。すなわち、ガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整するために、入力部71、72、73に目標位置の情報および目標姿勢の情報が入力されると、制御部70を介して、ロボット62L、63、62Rを動作させる制御を行う。また、 調整されたガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を維持するために、入力部71、72、73に目標位置の情報および目標姿勢の情報が新たに入力されるまで、制御部70を介して、ロボット62L、63、62Rの動作を停止させる制御を行う。
【0094】
(実施形態の作用の説明)
以下、この実施形態にかかるフラップ展開装置6、角底成形装置5、および、製袋機1は、以上の如き構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0095】
製袋機1の給紙装置2は、原紙20を供給する。一方、製袋機1の把手装置3は、丸紐把手部分32と貼り付け用紙33とからなる丸紐把手34を形成して、丸紐把手34を原紙20に貼り付ける(
図4を参照)。
【0096】
製袋機1の平筒体成形装置4は、丸紐把手34が貼り付けられている原紙20を連続する平たい筒体21に成形し(
図5を参照)、かつ、連続する平たい筒体21から口部分13に2組の丸紐把手34を備える平筒体22を成形する(
図6を参照)。
【0097】
製袋機1の角底成形装置5は、平筒体22の底部分23を開口し(
図7を参照)、開口した平筒体22の底部分23を、フラップ展開装置6により、平面的に展開し(
図8、
図9を参照)、平面的に展開した平筒体22の底部分23を貼り付ける(
図10、
図11を参照)。これにより、角底袋10が形成される(
図3、
図11を参照)。
【0098】
製袋機1は、新たな原紙20から角底袋10を形成する場合には、フラップ展開装置6の位置姿勢調整装置7を操作して、ガイド60L、61L、61R、60Rを、新たな原紙20に最適な目標位置に位置させ、目標姿勢に付ける。すなわち、原紙20は、材質や厚さなど、ロットや古紙のリサイクル率などの特性がそれぞれ異なっている。このため、原紙20毎に、位置姿勢調整装置7を操作してガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整する必要がある。
【0099】
ここで、位置姿勢調整装置7の操作は、作業員が操作する場合と、記憶部74に記憶されている情報を取り出す操作の場合と、がある。
【0100】
なお、製袋機1の製造過程の途中において、成形された角底袋10を任意に取り出して品質を確認する。角底袋10が所定の設計通りに成形されていればそのまま製造過程を進める。しかしながら、角底袋10が所定の設計通りに成形されていない場合は、位置姿勢調整装置7を操作して、再度、ガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整して、ガイド60L、61L、61R、60Rを最適な目標位置に位置させ、目標姿勢に付ける必要がある。
【0101】
また、製袋機1の製造過程の途中において、角底袋10の所定数、たとえば、百単位毎、あるいは、千単位毎に、記憶部74に記憶されている情報に基づいて、自動的にガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整して、ガイド60L、61L、61R、60Rを、再度、最適な目標位置に位置させ、目標姿勢に付ける、場合がある。
【0102】
さらに、位置姿勢調整装置7を操作してガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整する場合としては、前記の場合の他に、製袋機1を稼働させる環境や季節などによっても行われ、また、ガイド60L、61L、61R、60Rを別個のガイド60L、61L、61R、60Rに交換した後などにも行われる。
【0103】
ここで、位置姿勢調整装置7が操作されると、ロボット62L、63、62Rが動作して、ガイド60L、61L、61R、60Rが最適な目標位置に位置し、かつ、最適な目標姿勢に付くように調整される。また、位置姿勢調整装置7が次に操作されるまでの間においては、ロボット62L、63、62Rが停止状態にあり、ガイド60L、61L、61R、60Rが最適な目標位置に位置し、かつ、最適な目標姿勢に付いた状態を維持する。
【0104】
(実施形態の効果の説明)
以下、この実施形態にかかるフラップ展開装置6、角底成形装置5、および、製袋機1は、以上の如き構成、作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0105】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、左右一対のガイドプレート60L、60Rと、左右一対のガイドプレート60L、60Rをエンドエフェクタとする左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rと、左右一対のガイドプレート60L、60Rの間に配置されている左右一対のガイドバー61L、61Rと、左右一対のガイドバー61L、61Rをエンドエフェクタとするガイドバー用ロボット63と、位置姿勢調整装置7と、を備える、ものである。
【0106】
位置姿勢調整装置7は、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rの動作を介して、左右一対のガイドプレート60L、60Rの三次元空間における位置および姿勢を目標位置および目標姿勢に調整し、ガイドバー用ロボット63の動作を介して、左右一対のガイドバー61L、61Rの三次元空間における位置および姿勢を目標位置および目標姿勢に調整する。
【0107】
この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、作業員が行うガイド60L、61L、61R、60Rの調整作業を、ロボット62L、63、62Rが行うことができるので、作業員の安全を確保することができる。
【0108】
しかも、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、ガイド60L、61L、61R、60Rを、最適な目標位置および目標姿勢に、短時間で、調整することができる。これにより、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、調整時間が長くなることによる角底袋10の製造ロスを抑制することができ、製袋機1の製造効率を向上させることができる。すなわち、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、角底袋10の製造ロスおよび製袋機1のダウンタイムを抑制することができる。
【0109】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6において、位置姿勢調整装置7は、ガイド60L、61L、61R、60Rの目標位置の情報および目標姿勢の情報を入力する動作操作部を有する第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73と、動作操作部の操作により、第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73に入力された目標位置情報および目標姿勢情報に基づいて、ロボット62L、63、62Rの動作を制御する制御部70と、を有する。
【0110】
この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、ガイド60L、61L、61R、60Rを、それぞれ個別に、目標位置に位置させ、目標姿勢に付けることができる。
【0111】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6において、位置姿勢調整装置7は、ガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整するために、入力部71、72、73に目標位置の情報および目標姿勢の情報が入力されると、制御部70を介して、ロボット62L、63、62Rを動作させる制御と、調整されたガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を維持するために、入力部71、72、73に目標位置の情報および目標姿勢の情報が新たに入力されるまで、制御部70を介して、ロボット62L、63、62Rの動作を停止させる制御と、を行う。
【0112】
この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、位置姿勢調整装置7が操作されると、ロボット62L、63、62Rが動作して、ガイド60L、61L、61R、60Rが最適な目標位置に位置し、かつ、最適な目標姿勢に付くように調整される。これにより、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、製袋機1の稼働を停止させることなく、作業員の代わりに、ロボット62L、63、62Rが動作して、ガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整することができ、作業員の安全を確保することができる。
【0113】
しかも、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、製袋機1を稼働させながら、作業員の代わりに、ロボット62L、63、62Rの動作を介して、ガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を調整することができるので、角底袋10の角底15の微妙な状態や変化を把握することができる。これにより、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、ガイド60L、61L、61R、60Rの調整作業時間を短縮することができ、角底袋10の製造効率を向上させることができる。
【0114】
また、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、位置姿勢調整装置7が次に操作されるまでの間において、ロボット62L、63、62Rの動作を停止させておいて、調整されたガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢を維持する。これにより、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、製袋機1の稼働を、ガイド60L、61L、61R、60Rの位置および姿勢の調整作業から引き続けることができ、角底袋10の製造効率を向上させることができる。
【0115】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6において、位置姿勢調整装置7は、目標位置情報および目標姿勢情報が記憶されている記憶部74を有し、入力部71、72、73は、記憶部74に記憶されている目標位置情報および目標姿勢情報を取り出す情報取り出し操作部を有し、制御部70は、情報取り出し操作部の操作により、記憶部74から取り出された目標位置情報および目標姿勢情報に基づいて、ロボット62L、63、62Rの動作を制御する、ものである。
【0116】
この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、ガイド60L、61L、61R、60Rを、動作操作部の操作による調整よりも、さらに、短時間で、調整することができる。これにより、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、調整時間が長くなることによる角底袋10の製造ロスを抑制することができ、製袋機1の製造効率を向上させることができる。
【0117】
ここで、目標位置情報および目標姿勢情報は、熟練作業員が行った調整を数値化してデータベース化されたものであるから、熟練作業員が長年の経験で取得した高精度の熟練技の調整を、再現することができ、製造能率を向上させることができる。しかも、熟練作業員の調整情報に、原紙20の特性や性質などの情報、および、製袋機1を稼働させる環境や季節などの情報を、関連付けることにより、さらに、高精度の調整が得られて、製造能率を向上させることができる。
【0118】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6において、第1入力部71、第2入力部72、第3入力部73は、目標位置に位置し、かつ、目標姿勢にあるガイド60L、61L、61R、60Rを、目標位置からオフセットされたオフセット位置に、位置させるオフセット位置情報を入力するオフセット操作部を有し、制御部70は、オフセット操作部の操作により、ロボット62L、63、62Rの動作を介して、ガイド60L、61L、61R、60Rを、
図12から
図14に示す目標位置からオフセットされた
図15に示すオフセット位置に位置させる、ものである。
【0119】
この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、原紙20、丸紐把手34や角底袋10が詰まった時、あるいは、角底袋10の型を交換する時において、ガイド60L、61L、61R、60Rを、
図15に示すように、製造ラインAから大きく離してオフセットさせることができる。これにより、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、詰まり除去作業、あるいは、型交換作業を容易に行うことができる。
【0120】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、左右一対のガイドプレート60L、60を、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rに、ジョイント64および緩衝材644を介して、取り付けるものである。この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、左右一対のガイドプレート60L、60が平筒体22を底折りドラム52の外周面に押し付ける時に、緩衝材644が緩衝して、平筒体22が底折りドラム52の外周面に馴染み、高精度の角底袋10を製造することができる。
【0121】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、ガイドバー用ロボット63にガイドバー取付部材65を取り付け、ガイドバー取付部材65に、左右一対のガイドバー61L、61Rを、底折りドラム52の搬送方向(前後方向)、底折りドラム52の搬送方向に対して交差する方向(左右方向)に移動可能に、取り付けたものである。この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、左右一対のガイドバー61L、61Rを、1台のガイドバー用ロボット63に対して、それぞれ別個に、左右方向および前後方向の位置を手動により調整することができる。
【0122】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、1台のガイドバー用ロボット63にガイドバー取付部材65を介して左右一対のガイドバー61L、61Rを取り付けたものであるから、高価なロボットが1台で済むので、装置の製造工ストを抑えることができる。
【0123】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、ガイドバー用ロボット63にガイドバー取付部材65を、緩衝材644を介して、取り付けるものである。この結果、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、左右一対のガイドバー61L、61Rが平筒体22を底折りドラム52の外周面に押し付ける時に、緩衝材644が緩衝して、平筒体22が底折りドラム52の外周面に馴染み、高精度の角底袋10を製造することができる。
【0124】
この実施形態にかかる角底成形装置5は、この実施形態にかかるフラップ展開装置6を備えるものであるから、この実施形態にかかるフラップ展開装置6の前記の効果と同様の効果を達成することができる。
【0125】
この実施形態にかかる製袋機1は、この実施形態にかかる角底成形装置5を具備するものであるから、この実施形態にかかる角底成形装置5およびこの実施形態にかかるフラップ展開装置6の前記の効果と同様の効果を達成することができる。
【0126】
(実施形態と比較例との対比説明)
以下、この実施形態にかかるフラップ展開装置6によるガイド60L、61L、61R、60Rの三次元空間における位置および姿勢の調整と、比較例のフラップ展開装置によるガイド60L、61L、61R、60Rの三次元空間における位置および姿勢の調整とを、対比説明する。なお、比較例のフラップ展開装置の構成部品おいて、この実施形態にかかるフラップ展開装置6の構成部品と、同様の構成部品に対して、同様の符号を付す。
【0127】
この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、作業員が位置姿勢調整装置7を操作することにより、ロボット62L、63、62Rが作業員に代わってガイド60L、61L、61R、60Rの三次元空間における位置および姿勢を調整する。これに対して、比較例のフラップ展開装置は、作業員が手作業により、ガイド60L、61L、61R、60Rの三次元空間における位置および姿勢を調整する。
【0128】
このため、比較例のフラップ展開装置においては、ガイド60L、61L、61R、60Rを調整する場合、作業員の安全を確保するため、製袋機1全体の稼働を停止させる必要がある。これにより、比較例のフラップ展開装置においては、ガイド60L、61L、61R、60Rの調整が増加すると、角底袋10のロスや製袋機1のダウンタイムが増加する。
【0129】
しかも、ガイド60L、61L、61R、60Rの調整は、三次元空間における、X軸方向の位置、Y軸方向の位置、Z軸方向の位置、および、X軸周りの姿勢、Y軸周りの姿勢、Z軸周りの姿勢について、行う必要があるため、調整作業が煩雑である。この煩雑な調整作業を作業員が行う場合、作業時間がかかり、かつ、作業員よって調整精度においてバラツキが発生し、製造される角底袋10の品質においてもバラツキが発生する。
【0130】
一方、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、作業員が位置姿勢調整装置7を操作して、ロボット62L、63、62Rによりガイド60L、61L、61R、60Rの三次元空間における位置および姿勢を調整するものである。このため、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、製袋機1全体の稼働を停止させることなく、ロボット62L、63、62Rによる調整作業を行うことができ、角底袋10のロスや製袋機1のダウンタイムを抑制することができる。しかも、この実施形態にかかるフラップ展開装置6は、作業員が位置姿勢調整装置7を操作するだけで、ロボット62L、63、62Rが位置姿勢調整装置7の制御に基づいて調整作業を行うので、比較例のフラップ展開装置と比較して、作業時間を短縮することができ、かつ、作業員よる調整精度のバラツキや角底袋10の品質のバラツキを抑制することができる。
【0131】
(実施形態以外の例の説明)
この発明の製袋機1、角底成形装置5、フラップ展開装置6は、前記の実施形態により限定されるものではない。
【0132】
上記の実施形態においては、左右一対のガイドプレート60L、60Rと左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62R、および、左右一対のガイドバー61L、61Rとガイドバー用ロボット63を備える例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、左右一対のガイドバー61L、61Rとガイドバー用ロボット63を備えず、左右一対のガイドプレート60L、60Rと左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rを備えるものであっても良い。また、この発明においては、ガイドバー用ロボット63を備えず、左右一対のガイドプレート60L、60Rと左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rと左右一対のガイドバー61L、61Rとを備えるものであっても良い。すなわち、この発明においては、少なくとも、左右一対のガイドプレート用ロボット62L、62Rで左右一対のガイドプレート60L、60Rの位置および姿勢を調整することができるものであれば、良い。この実施形態以外の例の製袋機、角底成形装置、フラップ展開装置は、前記の実施形態の製袋機1、角底成形装置5、フラップ展開装置6の効果と、ほぼ同様の効果を達成することができる。
【0133】
前記の実施形態においては、
図3に示す、丸紐把手34付きの角底袋10を製造する製袋機1について説明するものである。しかしながら、この発明においては、製袋機として、
図3に示す、丸紐把手34付きの角底袋10を製造する製袋機1以外の製袋機であっても良い。例えば、
図25に示す、外出しの平紐把手34A付きの角底袋10A(外出し平紐把手34Aを備える角底袋10A)を製造する製袋機、または、図示されていない、内折りの平紐把手付きの角底袋(内折り平紐把手を備える角底袋)を製造する製袋機、または、図示されていない、把手無の角底袋(生角底袋)を製造する製袋機、であっても良い。
【0134】
ここで、外出しの平紐把手34A付きの角底袋10Aを製造する製袋機、内折りの平紐把手付きの角底袋を製造する製袋機は、丸紐把手34を形成する把手形成装置30の代わりに、平紐把手32Aを形成する把手形成装置を備える必要がある。また、把手無の角底袋を製造する製袋機は、把手形成装置および把手貼り付け装置が不要である。
【0135】
前記の実施形態においては、左右一対のガイドバー61L、61Rが、1台のガイドバー用ロボット63に、ガイドバー取付部材65を介して、取り付けられている、例について説明するものである。しかしながら、この発明においては、左右一対のガイドバー61L、61Rを、左右一対のガイドバー用ロボットに、ガイドバー取付部材もしくはジョイント64を介して、取り付けたものであっても良い。この場合においては、左右一対のガイドバー61L、61Rを、それぞれ、個別に、かつ、より細かに、調整することができる。これにより、左右一対のガイドバー61L、61Rのより細やかな調整を必要とする場合において、対応することができる。
【0136】
前記の実施形態においては、記憶部74を有するものである。しかしながら、この発明においては、記憶部74を有さないものであっても良い。
【符号の説明】
【0137】
1 製袋機
10 角底袋
11 襠部分
12 襠用筋
13 口部分
14 開口縁
15 角底
2 給紙装置
20 原紙
21 連続する平たい筒体
22 平筒体
23 底部分
24 底折り返し線
25 底折り込み線
26 表側フラップ
27 裏側フラップ
28 貼着剤
3 把手装置
30 把手形成装置
31 把手貼り付け装置
32 丸紐把手部分
33 貼り付け用紙
34 丸紐把手
4 平筒体成形装置
40 襠筋付け装置
41 襠貼り付け装置
42 切断装置
5 角底成形装置
50 供給装置
51 底折れ線付け装置
52 底折りドラム
53 開口装置
54 貼着剤塗布装置
55 立ち上げ装置
56 貼着装置
57 プレス装置
6 フラップ展開装置
60L、60R 左右一対のガイドプレート
600 水平板部
601 湾曲部
602 立ち上がり板部
603 取付部
61L、61R 左右一対のガイドバー
610 中央部分
611 一端部分
612 他端部分
62L、62R 左右一対のガイドプレート用ロボット
620L、620R 固定アーム
621L、621R 第1アーム
622L、622R 第2アーム
623L、623R 第3アーム
624L、624R 第4アーム
625L、625R 第5アーム
626L、626R 第6アーム
63 ガイドバー用ロボット
630 固定アーム
631 第1アーム
632 第2アーム
633 第3アーム
634 第4アーム
635 第5アーム
636 第6アーム
64 ジョイント
640 本体部
641 取付部
642 ボルトナット
643 ボルト
644 緩衝材
65 ガイドバー取付部材
650 本体部
651 第1取付部
652 取付軸部
653L、653R 左右一対のスライド部
654L、654R 左右一対の第2取付部
655 ボルト
656 ボルトナット
657 ボルトナット
7 位置姿勢調整装置
70 制御部
71 第1入力部
72 第2入力部
73 第3入力部
74 記憶部
10A 角底袋
32A 平紐把手部分
34A 平紐把手
A 原紙、平筒体、角底袋の製造ラインの流れ方向
B 後側
C 底折りドラム52の回転搬送方向
D 下側
F 前側
L 左側
R 右側
U 上側
W1 角底袋10の幅
W2 原紙20の幅
【要約】
【課題】作業員の安全を確保することができ、しかも、製袋機の製造作業中においても、フラップ展開装置の少なくとも一対のガイドプレートを調整することができる製袋機の角底成形装置におけるフラップ展開装置、製袋機における角底成形装置、および、製袋機を提供することにある。
【解決手段】この発明は、ガイドプレート60L、60Rと、ガイドプレート用ロボット62L、62Rと、ガイドバー61L、61Rと、ガイドバー用ロボット63と、位置姿勢調整装置7と、を備える。この結果、この発明は、作業員の安全を確保することができ、しかも、製袋機1の製造作業中においても、ガイドプレート60L、60R、ガイドバー61L、61Rを調整することができる。
【選択図】
図12