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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】塵芥収集車
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/00 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B65F3/00 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020031967
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021134053
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000192073
【氏名又は名称】株式会社モリタホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】山田 大二
(72)【発明者】
【氏名】塚田 慎也
【審査官】新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-048703(JP,U)
【文献】特開2018-087084(JP,A)
【文献】実開昭63-011406(JP,U)
【文献】特開2009-018926(JP,A)
【文献】特開2000-296902(JP,A)
【文献】特開2017-169613(JP,A)
【文献】特開2017-221640(JP,A)
【文献】中国実用新案第213386035(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塵芥収集を行う作業員が乗る乗員室と、
塵芥が投入される投入口を有する投入箱と、
前記乗員室と前記投入箱との間に配置され前記塵芥を収容する収容箱と、
香料を噴霧する香料噴霧装置とを備え、
前記香料噴霧装置は、液状の前記香料を貯留する本体と、一端に噴霧部が設けられ他端が前記本体に接続した長さが50cm以下のチューブとを有し、前記本体及び前記チューブが前記投入箱の一方の側壁の外面に配置され、前記噴霧部の少なくとも一部が前記投入箱の前記一方の側壁を貫通した貫通穴に配置され、前記本体の内部において液状の前記香料を霧化し、前記噴霧部から前記投入口へ向け前記香料を噴霧することを特徴とする塵芥収集車。
【請求項2】
前記一方の側壁の外面に配置された前記チューブの前記一端は、前記本体よりも車両後方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塵芥収集車。
【請求項3】
液状の香料を貯留する本体と、一端に噴霧部が設けられ他端が前記本体に接続したチューブとを有し、前記本体及び前記チューブが前記収容箱の壁の外面に配置され、前記噴霧部が前記収容箱の前記壁を貫通した貫通穴に配置され、前記噴霧部から前記収容箱内へ向け前記香料を噴霧する前記収容箱用の香料噴霧装置をさらに備えることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項4】
自車両を駆動するエンジンと、前記エンジンから動力を取り出すPTOと、前記香料噴霧装置からの前記香料の噴霧を制御する噴霧制御装置とを備え、
前記噴霧制御装置は、前記香料の噴霧パターンとして、前記エンジンがかかった状態であれば前記香料の噴霧を許可する第一パターンと、前記PTOがオンの状態であれば前記香料の噴霧を許可する第二パターンと、前記香料の噴霧を許可しない第三パターンとを有することを特徴とする請求項1又は請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項5】
前記噴霧制御装置は、前記第一パターン又は前記第二パターンにおける前記香料の噴霧間隔パターンとして、噴霧と一時停止を交互に行い前記噴霧時間が前記一時停止時間よりも長い強パターンと、前記噴霧と前記一時停止を交互に行い前記噴霧時間が前記一時停止時間よりも短い弱パターンと、連続的に前記噴霧を行う連続パターンとを有することを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項6】
前記噴霧制御装置は、前記噴霧パターンの選択と前記噴霧間隔パターンの選択の少なくとも一方を自動的に行うパターン選択部を備えることを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項7】
前記パターン選択部は、前記自車両の位置に基づいて、前記噴霧パターンの選択、又は前記噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項8】
前記パターン選択部は、前記自車両の速度に基づいて、前記噴霧パターンの選択、又は前記噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項9】
前記パターン選択部は、前記投入口周辺の臭気に基づいて、前記噴霧パターンの選択、又は前記噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項10】
前記パターン選択部は、前記投入口周辺の温度に基づいて、前記噴霧パターンの選択、又は前記噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【請求項11】
前記パターン選択部は、前記塵芥を投入する前記作業員の表情に基づいて、前記噴霧パターンの選択、又は前記噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする請求項に記載の塵芥収集車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭や事業所等から出されたゴミを収集する塵芥収集車に関する。
【背景技術】
【0002】
塵芥収集車のゴミ投入口付近は、収集したゴミから発生する悪臭によって呼吸が困難なほどであり、ゴミ収集作業に従事する作業員等にとって厳しい環境である。そのため旧来より、投入口において液状の消臭剤や芳香剤などを噴射して化学的に消臭又はマスキングするなどの悪臭対策が講じられている。
例えば特許文献1には、液体消臭剤を貯留する消臭剤タンクと、塵芥投入箱の側壁内面に向けて液体消臭剤を噴射するメイン噴射ノズルと、メイン噴射ノズルへ消臭剤タンクからの液体消臭剤を供給する供給管とを設けた塵芥収集車が開示されている。
また、特許文献2には、薬剤タンクと、薬剤供給ポンプと、ゴミ収集車のゴミ投入部内に設置してゴミ投入部空間内へ薬剤を噴霧できる薬剤噴霧ノズルと、ゴミ投入部の密閉扉の閉口時に薬剤を噴霧できるスイッチ機構と、これらを薬剤供給可能に接続する薬剤供給配管とを備えたゴミ収集車車載型薬剤噴霧システムが開示されている。
また、特許文献3には、ゴミ収集車に取り付けられた消臭液タンク、ポンプ、配管、及び噴霧ノズルからなり、ゴミの投入に合わせて消臭液を噴霧するようにしたゴミ収集車における消臭装置が開示されている。
また、特許文献4には、塵芥投入口の上部に、芳香液を適時に又は塵芥積込動作に合わせて噴霧する芳香液噴霧装置と、噴霧液を吸着して芳香を発散する噴霧液吸着装置とを備えた塵芥収集車が開示されている。
また、特許文献5には、塵芥積込作動機構部の作動に連動して一方向に薬液を圧送するポンプを設け、薬液を噴霧ノズルより間欠的に噴霧させる塵芥収集車の薬液自動噴霧装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-87084号公報
【文献】特開2009-18926号公報
【文献】特開2002-128203号公報
【文献】実開昭50-127115号公報
【文献】実開昭48-105212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、ノズルを設けた第2供給配管を塵芥投入箱内に設置するものであり、投入されたゴミとの接触等により第2供給配管が損傷する可能性がある。
また、特許文献2は、車両前方に設置した薬剤タンクと車両後方のゴミ投入部内に設置したノズルとを薬剤供給配管で接続するものであり、このように薬剤供給配管が長いと損傷の可能性が増す。
また、特許文献3は、車両前方に設置した消臭液タンクと車両後方の収集物投入口の上部に設置した噴霧ノズルとを配管で接続するものであり、このように薬剤供給配管が長いと損傷の可能性が増す。
また、特許文献4は、投入口の上部内側に送液パイプを横方向に設けるものであり、投入されたゴミとの接触等により送液パイプが損傷する可能性がある。
また、特許文献5は、薬液タンクと噴霧ノズルとを連結する薬液輸送パイプを投入口部の内部に設置するものであり、投入されたゴミとの接触等により薬液輸送パイプが損傷する可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、ゴミ収集時等の悪臭を軽減し、また悪臭を軽減するための香料が通るチューブの損傷を防止した塵芥収集車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の塵芥収集車1は、塵芥収集を行う作業員が乗る乗員室10と、塵芥が投入される投入口31を有する投入箱30と、乗員室10と投入箱30との間に配置され塵芥を収容する収容箱20と、香料を噴霧する香料噴霧装置40とを備え、香料噴霧装置40は、液状の香料を貯留する本体41と、一端に噴霧部42が設けられ他端が本体41に接続した長さが50cm以下のチューブ43とを有し、本体41及びチューブ43が投入箱30の一方の側壁30Aの外面に配置され、噴霧部42の少なくとも一部が投入箱30の一方の側壁30Aを貫通した貫通穴に配置され、本体41の内部において液状の香料を霧化し、噴霧部42から投入口31へ向け香料を噴霧することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の塵芥収集車1において、一方の側壁30Aの外面に配置されたチューブ43の一端は、本体41よりも車両後方に配置されていることを特徴とする
【0008】
求項記載の本発明は、請求項1又は請求項に記載の塵芥収集車1において、液状の香料を貯留する本体41と、一端に噴霧部42が設けられ他端が本体41に接続したチューブ43とを有し、本体41及びチューブ43が収容箱20の壁の外面に配置され、噴霧部42が収容箱20の壁を貫通した貫通穴に配置され、噴霧部42から収容箱20内へ向け香料を噴霧する収容箱20用の香料噴霧装置40をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
請求項記載の本発明は、請求項1又は請求項に記載の塵芥収集車1において、自車両を駆動するエンジンと、エンジンから動力を取り出すPTOと、香料噴霧装置40からの香料の噴霧を制御する噴霧制御装置50とを備え、噴霧制御装置50は、香料の噴霧パターンとして、エンジンがかかった状態であれば香料の噴霧を許可する第一パターンと、PTOがオンの状態であれば香料の噴霧を許可する第二パターンと、香料の噴霧を許可しない第三パターンとを有することを特徴とする。
【0010】
請求項記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、噴霧制御装置50は、第一パターン又は第二パターンにおける香料の噴霧間隔パターンとして、噴霧と一時停止を交互に行い噴霧時間が一時停止時間よりも長い強パターンと、噴霧と一時停止を交互に行い噴霧時間が一時停止時間よりも短い弱パターンと、連続的に噴霧を行う連続パターンとを有することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、噴霧制御装置50は、噴霧パターンの選択と噴霧間隔パターンの選択の少なくとも一方を自動的に行うパターン選択部53を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、パターン選択部53は、自車両の位置に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、パターン選択部53は、自車両の速度に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、パターン選択部53は、投入口31周辺の臭気に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする。
【0015】
請求項10記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、パターン選択部53は、投入口31周辺の温度に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項11記載の本発明は、請求項に記載の塵芥収集車1において、パターン選択部53は、塵芥を投入する作業員の表情に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例による塵芥収集車の外観図
図2】同投入箱の開閉扉を開けた状態を示す斜視図
図3】同塵芥収集車に取り付けた状態の香料噴霧装置を示す図
図4】同投入箱を転回した状態を示す図
図5】同噴霧制御装置のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施の形態による塵芥収集車は、塵芥収集を行う作業員が乗る乗員室と、塵芥が投入される投入口を有する投入箱と、乗員室と投入箱との間に配置され塵芥を収容する収容箱と、香料を噴霧する香料噴霧装置とを備え、香料噴霧装置は、液状の香料を貯留する本体と、一端に香料を噴霧する噴霧部が設けられ他端が本体に接続したチューブとを有し、本体及びチューブが投入箱の一方の側壁の外面に配置され、噴霧部が投入箱の一方の側壁を貫通した貫通穴に配置され、噴霧部から投入口へ向け香料を噴霧するものである。
本実施の形態によれば、香料の噴霧により悪臭を軽減してゴミ収集時等における作業環境を改善することができる。また、噴霧部を側壁の貫通穴に配置することで、本体と噴霧部とを結ぶチューブを投入箱内に設置せずに済むため、投入されたゴミとの接触等によりチューブが損傷する懸念がない。
【0019】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による塵芥収集車において、一方の側壁の外面に配置されたチューブの一端は、本体よりも車両後方に配置されているものである。
本実施の形態によれば、投入箱が上方へ転回したときに、本体に貯留されている液状の香料が噴霧部からこぼれ出ることを防止できる。
【0020】
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による塵芥収集車において、香料噴霧装置は、本体の内部において液状の香料を霧化するものである。
本実施の形態によれば、香料を液状のまま噴霧部に送出して霧状に噴射するよりも微細粒子化しやすくなる。噴霧部から放出された微細粒子の香料は投入口の空間において浮遊し満遍なく行きわたるため、香料を効率的に拡散させることができる。
【0021】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による塵芥収集車において、一方の側壁の外面に配置されたチューブの長さが50cm以下であるものである。
本実施の形態によれば、本体の内部で霧化させた香料が噴霧部に至る前にチューブ内で液状に戻ることを防止できる。
【0022】
本発明の第5の実施の形態は、第1から第4のいずれか一つの実施の形態による塵芥収集車において、本体及びチューブが収容箱の壁の外面に配置され、噴霧部が収容箱の壁を貫通した貫通穴に配置され、噴霧部から収容箱内へ向け香料を噴霧する香料噴霧装置をさらに備えるものである。
本実施の形態によれば、収容箱内の臭気を改善することができる。
【0023】
本発明の第6の実施の形態は、第1から第4のいずれか一つの実施の形態による塵芥収集車において、自車両を駆動するエンジンと、エンジンから動力を取り出すPTOと、香料噴霧装置からの香料の噴霧を制御する噴霧制御装置とを備え、噴霧制御装置は、香料の噴霧パターンとして、エンジンがかかった状態であれば香料の噴霧を許可する第一パターンと、PTOがオンの状態であれば香料の噴霧を許可する第二パターンと、香料の噴霧を許可しない第三パターンとを有するものである。
本実施の形態によれば、状況に応じた噴霧パターンを選択して香料を噴霧することができる。
【0024】
本発明の第7の実施の形態は、第6の実施の形態による塵芥収集車において、噴霧制御装置は、第一パターン又は第二パターンにおける香料の噴霧間隔パターンとして、噴霧と一時停止を交互に行い噴霧時間が一時停止時間よりも長い強パターンと、噴霧と一時停止を交互に行い噴霧時間が一時停止時間よりも短い弱パターンと、連続的に噴霧を行う連続パターンとを有するものである。
本実施の形態によれば、状況に応じた噴霧間隔パターンを選択して香料を噴霧することができる。
【0025】
本発明の第8の実施の形態は、第7の実施の形態による塵芥収集車において、噴霧制御装置は、噴霧パターンの選択と噴霧間隔パターンの選択の少なくとも一方を自動的に行うパターン選択部を備えるものである。
本実施の形態によれば、噴霧パターンの選択と噴霧間隔パターンの選択が自動的に行われるため、作業員が噴霧制御装置を操作する手間を減らすことができる。
【0026】
本発明の第9の実施の形態は、第8の実施の形態による塵芥収集車において、パターン選択部は、自車両の位置に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うものである。
本実施の形態によれば、自車両の位置に応じて自動的に香料の噴霧を制御することができる。
【0027】
本発明の第10の実施の形態は、第8の実施の形態による塵芥収集車において、パターン選択部は、自車両の速度に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うものである。
本実施の形態によれば、自車両の速度に応じて自動的に香料の噴霧を制御することができる。
【0028】
本発明の第11の実施の形態は、第8の実施の形態による塵芥収集車において、パターン選択部は、投入口周辺の臭気に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うものである。
本実施の形態によれば、臭気に応じて自動的に香料の噴霧を制御することができる。
【0029】
本発明の第12の実施の形態は、第8の実施の形態による塵芥収集車において、パターン選択部は、投入口周辺の温度に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うものである。
本実施の形態によれば、温度に応じて自動的に香料の噴霧を制御することができる。
【0030】
本発明の第13の実施の形態は、第8の実施の形態による塵芥収集車において、パターン選択部は、塵芥を投入する作業員の表情に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うものである。
本実施の形態によれば、作業員の表情に応じて自動的に香料の噴霧を制御することができる。
【実施例
【0031】
以下、本発明の一実施例による塵芥収集車について説明する。
図1は本実施例による塵芥収集車の外観図であり、図1(a)は側面図、図1(b)は背面図である。また、図2は投入箱の開閉扉を開けた状態を示す斜視図である。
塵芥収集車1は、車両前方から順に、乗員室10、収容箱20、投入箱30を有する。乗員室10には、塵芥収集を行う作業員が座る運転席や助手席等が設けられている。投入箱30は、作業員が塵芥を投入する投入口31を後面に有し、側壁30A、30Bはサイドパネル32で覆われている。収容箱20は、投入箱30と連通しており、投入口31から投入された塵芥を収容する。投入口31には、上下に開閉する開閉扉33が設けられている。また、投入口31内には、投入された塵芥(ゴミ)を収容箱20に押し込む塵芥積込装置34が設けられている。
また、塵芥収集車1は、自車両を駆動するエンジンと、エンジンから動力を取り出すPTOを備えている。塵芥を積み込む際に作動する塵芥積込装置34等は、自車両のエンジンからPTOを介して動力を得る。
【0032】
図3は塵芥収集車に取り付けた状態の香料噴霧装置を示す図であり、図3(a)はサイドパネルを取り外した状態における投入箱の側壁の外面側を示し、図3(b)は側壁の内面側を示している。
塵芥収集車1は、投入口31へ香料を噴霧する香料噴霧装置40を備える。香料噴霧装置40は、液状の香料を貯留する本体41と、一端に香料を噴霧する噴霧部42が設けられ他端が本体41に接続したチューブ43を有する。
本体41には、ステンレス製の筐体41A内に液状の香料が入ったカートリッジが収納されている。筐体41Aの上面には外部と連通した連通部41Bが設けられており、連通部41Bにはチューブ43の他端が接続されている。カートリッジに収納されている香料は、連通部41Bから出てチューブ43を通り噴霧部42から噴霧される。なお、連通部41Bは筐体41Aの上面以外に設けることも可能であるが、走行時や塵芥収集作業時の振動等によって液状の香料がこぼれ出る可能性を極力小さくするため、上面に設けることが好ましい。
本実施例では、噴霧部42としてステンレス製のノズルを用い、このノズル42を樹脂製のチューブ43の一端に接続している。なお、噴霧部42とチューブ43が一体的に形成されたものであってもよい。
【0033】
香料噴霧装置40の本体41及びチューブ43は、投入箱30の一方の側壁(左側壁)30Aの外面において、開閉扉33の開閉や塵芥積込装置34の動作等を妨げない位置に配置されている。また、香料噴霧装置40のノズル42は、一方の側壁30Aを穿孔することにより形成された貫通穴に挿入して配置され、噴射口が投入口31に向けられている。
ノズル42の先端は一方の側壁30Aの内面からわずかに突出している。この突出した部分に投入された塵芥等が当たってノズル42が損傷しないように、ノズル42の先端はカバー44で囲繞している。なお、ノズル42は、一方の側壁30Aの内面から突出しないように配置してもよい。
香料噴霧装置40は、投入箱30の他方の側壁(右側壁)30Bに設けることもでき、また、一方の側壁30Aと他方の側壁30Bの両方に設けることもできる。ノズル42の先端からは、霧化した香料が投入口31の中央(一方の側壁30Aと他方の側壁30Bの中間)付近に向けて噴霧される。
ノズル42から香料を投入口31へ向け噴霧することにより悪臭が軽減され、ゴミ収集時等における作業環境を改善することができる。また、ノズル42を側壁の貫通穴に配置することで、投入箱30内には本体41とノズル42とを結ぶチューブ43を設置せずに済むため、投入された塵芥との接触等によってチューブ43が損傷する懸念がない。また、投入箱30内にチューブ43を設置せずに済むため、既存の塵芥収集車1に対しても、香料噴霧装置40を比較的容易に低コストで設置することが可能となる。
【0034】
本体41に貯留する香料には、ゴミの臭いを軽減するように調合された薬液を用いている。薬液は、作業員の手間を軽減するため、水等で希釈せずに使用可能であることが好ましい。なお、香料噴霧装置40に、薬液の残量を検知し、残量が所定量以下になった場合に補充を促す表示や通知を行う機能を持たせてもよい。
従来、塵芥収集車に設置される消臭用の薬液噴霧装置は、希釈するなどした薬液をタンクに貯留し、水ポンプ等を利用しパイプやチューブを経由して薬液を液状のまま噴射位置まで誘導し、パイプやチューブの先端に取り付けたノズルチップ等で絞り込んで霧状に噴射するものであった。しかし、この方式では、ノズルチップ等で霧状にした薬液が重力によりすぐに落下してしまい、雰囲気内に効果的に拡散させることが難しい。
そこで、本実施例による香料噴霧装置40は、本体41の内部において液状の香料を霧化する。本体41の内部において液状の香料を霧化することにより、香料を液状のままノズル42に送出して霧状に噴射するよりも微細粒子化しやすくなる。ノズル42から放出された微細粒子の香料は投入口31の空間において浮遊し満遍なく行きわたるため、香料を効率的に拡散させることができる。また、香料が微細粒化することで、香料が作業員の服等に付着することによるべた付きが無くなる。
本体41の内部において香料を霧化する方法としては、例えば、カートリッジの内部に、液状の香料を汲み上げて噴射する汲み上げ噴射部と、ポンプ又はブロワを有し空気を吐出する空気吐出部とを設け、噴射部から噴射する液状の香料に向けて空気吐出部から加速させた空気を吐出し、カートリッジの内壁面に衝突させる方法等がある。
【0035】
一方の側壁30Aの外面に配置されたチューブ43の長さは、50cm以下であることが好ましい。チューブ43の長さを50cm以下とすることで、本体41の内部で霧化させた香料がノズル42に至る前にチューブ43内で液状に戻ることを防止できる。
【0036】
図4は投入箱を転回した状態を示す図であり、図4(a)は投入箱を外側から見た全体図、図4(b)は香料噴霧装置を装着した部分の拡大図である。
塵芥収集車1の投入箱30は、塵芥を収容箱20から排出する工程において、図4(a)に示すように約90度上方へ転回する。香料噴霧装置40は、投入箱30の外面に固定的に設置されているため、投入箱30の転回に伴って向きが変わる。そのため、筐体41Aの上面に設けている連通部41Bが横を向き、本体41の内部に貯留されている液状の香料が、連通部41Bからチューブ43に浸入しノズル42からこぼれ出る可能性がある。これを防ぐには逆止弁を連通部41Bに設けること等も考えられるが、機器が増えると構造が複雑になりコストも増加してしまう。
そこで、本実施例による香料噴霧装置40は、ノズル42が接続されているチューブ43の一端を本体41よりも車両後方に配置している。これにより、投入箱30が上方へ転回したときに、図4(b)に示すようにチューブ43の一端が本体41よりも上に位置することとなるため、香料がノズル42からこぼれ出ることが防止される。また、逆止弁等を用いないため構造が複雑化することもない。
【0037】
図示は省略するが、さらに収容箱20に香料噴霧装置を設置し、収容箱20内へ香料を噴霧することもできる。
収容箱20に設置する香料噴霧装置は、投入箱30に設置する香料噴霧装置40と同じものをそのまま適用することが可能である。収容箱20に設置する場合は、本体41及びチューブ43は、例えば収容箱20の周壁のうち乗員室10に近い壁など、収容箱20の壁の外面に配置する。また、噴霧部42は、本体41及びチューブ43を取り付ける壁と同じ壁において、壁を貫通した貫通穴に配置する。
収容箱20に香料噴霧装置を備えることで、収容箱20内の臭気を改善することができる。例えば、ゴミ処理場で収容箱20内のゴミを排出した後、拠点に戻る走行中に収容箱20内に香料を噴霧しておくことで、拠点に到着後に収容箱20に入って清掃を行う際に悪臭を感じにくくなる。また、塵芥収集車1のメンテナンスを行う前に収容箱20内に香料を噴霧しておくことで、メンテナンス中に悪臭を感じにくくすることもできる。
【0038】
また、香料の噴霧を音又は光と連動させることもできる。この場合には、噴霧する香料の種類に応じて音又は光を変えることが好ましい。例えば、森林浴を想起させる香料を噴霧する際には、音との連動として小鳥のさえずり等を鳴らしたり、光との連動としてグリーンランプで投入口31周辺を照らしたりする。
【0039】
図5は噴霧制御装置のブロック図である。
塵芥収集車1は、香料噴霧装置40からの香料の噴霧を制御する噴霧制御装置50を備える。噴霧制御装置50は、噴霧パターン制御部51と、噴霧間隔パターン制御部52と、パターン選択部53と、位置取得部54と、速度取得部55と、臭気取得部56と、温度取得部57と、表情分類部58と、記憶部59を備える。
噴霧パターン制御部51は、香料の噴霧パターンとして、エンジンがかかった状態であれば香料の噴霧を許可する第一パターンと、PTOがオンの状態であれば香料の噴霧を許可する第二パターンと、香料の噴霧を許可しない第三パターンを有する。なお、PTOはエンジンから動力を取り出すものであるため、PTOがオンの状態のときは必ずエンジンがかかった状態である。第一パターンではPTOのオン/オフに関わらず香料の噴霧が許可される。
第一パターンを選択した場合は、例えば走行中に香料を噴霧することができる。また、第二パターンを選択した場合は、例えば塵芥積込装置34を作動させているとき、すなわち作業員が塵芥の収集作業を行っているときに香料を噴霧することができる。このように、状況に応じた噴霧パターンを選択して香料を噴霧することができる。
【0040】
噴霧間隔パターン制御部52は、第一パターン又は第二パターンにおける香料の噴霧間隔パターンとして、噴霧と一時停止を交互に行い噴霧時間が一時停止時間(待機時間)よりも長い強パターンと、噴霧と一時停止を交互に行い噴霧時間が一時停止時間(待機時間)よりも短い弱パターンと、連続的に噴霧を行う連続パターンとを有する。
例えば、強パターンでは50秒間の噴霧と10秒間のインターバルを繰り返し、弱パターンでは10秒間の噴霧と50秒間のインターバルを繰り返す。また、連続パターンではインターバルを設けずに香料を噴霧し続けるが、必要以上の噴霧を防止するため、噴霧開始から例えば10分経過後に自動的に噴霧を停止させるなど、最大連続作動時間に制限を設けておくことが好ましい。
これにより、例えば、悪臭の強い場所では強パターンを選択し、悪臭の強くない場所では弱パターンを選択するというように、状況に応じた噴霧間隔パターンを選択して香料を噴霧することができる。なお、香料の噴霧量を制御し、単位時間あたりの噴霧量の多寡によって強弱をつけてもよい。
【0041】
パターン選択部53は、噴霧パターンの選択と噴霧間隔パターンの選択を自動的に行う。噴霧パターン及び噴霧間隔パターンは、作業員等が任意に選択して設定することもできるが、パターンの選択を噴霧制御装置50に行わせることにより、作業員が噴霧制御装置50を操作する手間を減らすことができる。
【0042】
パターン選択部53は、自車両の位置に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことができる。自車両の位置は、位置取得部54が、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)等を利用して取得する。
記憶部59には、香料噴霧を行う場所と行わない場所の設定情報が記憶されると共に、香料噴霧を行う場所ごとの噴霧パターンの設定情報と噴霧間隔パターンの設定情報、及び香料噴霧を行わない場所の噴霧パターンの設定情報が記憶される。
香料噴霧を行う場所の例としては、ゴミ集積所、ゴミ処理場、及び自車両の洗車場等が挙げられる。香料噴霧を行う場所の噴霧パターン及び噴霧間隔パターンの設定は、例えば、ゴミ集積所は第二パターンと強パターン、ゴミ処理場は第二パターンと弱パターン、自車両の洗車場は第一パターンと連続パターンとする。
香料噴霧を行わない場所の例としては、香りの発生を望まない住民が住む地区のゴミ集積所が挙げられる。香料噴霧を行わない場所については、噴霧パターンとして第三パターンが設定される。
パターン選択部53は、位置取得部54によって取得された自車両の現在位置と、記憶部59に記憶されている設定情報に基づいて、噴霧パターン及び噴霧間隔パターンを選択する。これにより、例えばゴミ処理場においてPTOがオンの状態であれば弱パターンで香料の噴霧が自動的に行われ、あるゴミ集積所では自動的に香料の噴霧が行われないなど、自車両の位置に応じて自動的に香料の噴霧が制御されるため、作業員が噴霧制御装置50を操作する手間を減らすことができる。
【0043】
パターン選択部53は、自車両の速度に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことができる。これにより、自車両の速度に応じて自動的に香料の噴霧が制御されるため、作業員が噴霧制御装置50を操作する手間を減らすことができる。自車両の速度は、速度取得部55が、自車両に備わる速度計等を利用して取得する。
記憶部59には、自車両の速度に基づく噴霧パターンの設定情報と噴霧間隔パターンの設定情報が記憶される。なお、塵芥収集車1はPTOがオンの状態では基本的に走行しないため、自車両の速度に基づく噴霧パターンは、第一パターンと第三パターンのどちらかで設定される。
比較的速い速度での走行時は香料が拡散し過ぎて香料噴霧の効果が低いため、自車両の速度に基づく噴霧パターン及び噴霧間隔パターンの設定は、例えば、速度の基準値として、遅いほうから順に第一の基準値、第二の基準値、及び第三の基準値を設け、速度が第一の基準値未満であれば第一パターンと連続パターン、速度が第一の基準値以上第二の基準値未満であれば第一パターンと強パターン、速度が第二の基準値以上第三の基準値未満であれば第一パターンと弱パターン、速度が第三の基準値以上であれば第三パターンとする。
パターン選択部53は、速度取得部55によって取得された自車両の速度と、記憶部59に記憶されている設定情報に基づいて、噴霧パターン及び噴霧間隔パターンを選択する。これにより、比較的速い速度での走行時は噴霧をしないか又は弱パターンで噴霧され、比較的遅い速度での走行時は強パターン又は連続パターンで噴霧されるため、香料噴霧の効果が最大限に発揮され、無用な噴霧が防止されて香料の消費量を抑制することができる。
【0044】
パターン選択部53は、投入口31周辺の臭気に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことができる。これにより、臭気に応じて自動的に香料の噴霧が制御されるため、作業員が噴霧制御装置50を操作する手間を減らすことができる。投入口31周辺の臭気は、臭気取得部56が、投入口31に設置された臭気センサ等を利用して取得する。
記憶部59には、投入口31周辺の臭気に基づく噴霧パターンの設定情報と噴霧間隔パターンの設定情報が記憶される。
臭気が比較的少ないときは香料噴霧の効果が低いため、投入口31周辺の臭気に基づく噴霧パターン及び噴霧間隔パターンの設定は、例えば、臭気指数(=10×Log(臭気濃度))の基準値として、低いほうから順に第一の基準値、第二の基準値、及び第三の基準値を設け、臭気指数が第一の基準値未満であれば第三パターン、臭気指数が第一の基準値以上第二の基準値未満であれば第一パターンと弱パターン、臭気指数が第二の基準値以上第三の基準値未満であれば第一パターンと強パターン、臭気指数が第三の基準値以上であれば第一パターンと連続パターンとする。
パターン選択部53は、臭気取得部56によって取得された臭気と、記憶部59に記憶されている設定情報に基づいて、噴霧パターン及び噴霧間隔パターンを選択する。これにより、臭気が比較的少ないときは噴霧をしないか又は弱パターンで噴霧され、臭気が比較的多いときは強パターン又は連続パターンで噴霧されるため、香料噴霧の効果が最大限に発揮され、無用な噴霧が防止されて香料の消費量を抑制することができる。
【0045】
パターン選択部53は、投入口31周辺の温度に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことができる。これにより、温度に応じて自動的に香料の噴霧が制御されるため、作業員が噴霧制御装置50を操作する手間を減らすことができる。投入口31周辺の温度は、温度取得部57が、投入口31に設置された温度センサ等を利用して取得する。
記憶部59には、投入口31周辺の温度に基づく噴霧パターンの設定情報と噴霧間隔パターンの設定情報が記憶される。
雰囲気温度が高いとゴミの腐食が加速して悪臭が増大するため、投入口31周辺の温度に基づく噴霧パターン及び噴霧間隔パターンの設定は、例えば、温度の基準値として、低いほうから順に第一の基準値、第二の基準値、及び第三の基準値を設け、温度が第一の基準値未満であれば第三パターン、温度が第一の基準値以上第二の基準値未満であれば第一パターンと弱パターン、温度が第二の基準値以上第三の基準値未満であれば第一パターンと強パターン、温度が第三の基準値以上であれば第一パターンと連続パターンとする。
パターン選択部53は、温度取得部57によって取得された温度と、記憶部59に記憶されている設定情報に基づいて、噴霧パターン及び噴霧間隔パターンを選択する。これにより、温度が比較的低いときは噴霧をしないか又は弱パターンで噴霧され、温度が比較的高いときは強パターン又は連続パターンで噴霧されるため、ゴミの腐食が加速する前に香料を噴霧してその作用により悪臭の増大を防ぐことができる。
【0046】
パターン選択部53は、塵芥を投入する作業員の表情に基づいて、噴霧パターンの選択、又は噴霧間隔パターンの選択を行うことができる。これにより、作業員の表情に応じて香料の噴霧が制御されるため、作業員が噴霧制御装置50を操作する手間を減らすことができる。
表情分類部58は、塵芥を投入する作業員の顔画像を投入箱30に設置されたカメラ等を利用して取得し、例えば、取得した顔画像から抽出した顔の特徴点を顔モデルの特徴点と関連付けること等により表情を判定し、判定した表情を、通常の表情、やや不快な表情、不快な表情、又は強く不快な表情のいずれか一つに分類する。
記憶部59には、作業員の表情に基づく噴霧パターンの設定情報と噴霧間隔パターンの設定情報が記憶される。
悪臭を嗅いだとき作業員は不快な表情になるため、作業員の表情に基づく噴霧パターン及び噴霧間隔パターンの設定は、例えば、表情が「通常」に分類されるのであれば第三パターン、表情が「やや不快」に分類されるのであれば第一パターンと弱パターン、表情が「不快」に分類されるのであれば第一パターンと強パターン、表情が「強く不快」に分類されるのであれば第一パターンと連続パターンとする。
パターン選択部53は、表情分類部58によって分類された表情と、記憶部59に記憶されている設定情報に基づいて、噴霧パターン及び噴霧間隔パターンを選択する。臭いの感じ方には個人差があるが、作業員が悪臭をあまり感じていないときは噴霧をしないか又は弱パターンで噴霧され、作業員が悪臭を強く感じているときは強パターン又は連続パターンで噴霧されるため、作業員に応じた香料の噴霧を行うことができる。
【符号の説明】
【0047】
1 塵芥収集車
10 乗員室
20 収容箱
30 投入箱
30A 一方の側壁
31 投入口
40 香料噴霧装置
41 本体
42 噴霧部(ノズル)
43 チューブ
50 噴霧制御装置
53 パターン選択部
図1
図2
図3
図4
図5