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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】簡易建物
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/064 20060101AFI20240423BHJP
   E04D 13/04 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
E04D13/064 502G
E04D13/04 J
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020065867
(22)【出願日】2020-04-01
(65)【公開番号】P2021161800
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-10-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】東海 光喜
(72)【発明者】
【氏名】吉田 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】山田 航之介
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 賢
(72)【発明者】
【氏名】笹島 淳志
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-163807(JP,A)
【文献】特開2009-161989(JP,A)
【文献】特開2018-017068(JP,A)
【文献】特開2004-225305(JP,A)
【文献】特開2000-008558(JP,A)
【文献】実開平05-058741(JP,U)
【文献】実開昭55-047585(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 13/064
E04D 13/04
E04B 1/00
E04B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樋と、樋カバーとを備え、
樋カバーは、開閉蓋を備えており、樋の長手方向に沿って着脱自在に配置されて樋の上方開放部を被覆し、
開閉蓋は、樋カバーに対して開閉自在に支持されていると共に、樋カバーの長手方向の一部に配置されていることを特徴とする簡易建物。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物に設置される簡易建物に関する。
建具に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物に設置される簡易建物としては、バルコニーやテラス囲い等が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような簡易建物は、デッキ面からの排水を受ける樋が設けられているが、樋に入ったごみの清掃を容易に行うことができる簡易建物が求められていた。

【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題を解決するために請求項1記載による簡易建物は、樋と、樋カバーとを備え、樋カバーは、開閉蓋を備えており、樋の長手方向に沿って着脱自在に配置されて樋の上方開放部を被覆し、
開閉蓋は、樋カバーに対して開閉自在に支持されていると共に、樋カバーの長手方向の一部に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、以上の構成により、樋に入ったごみの清掃を容易に行うことができる簡易建物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係る実施形態の一例を示す簡易建物の正面図である。
図2図1の側面図である。
図3図1の平面図である。
図4図3の(a)-(a)線に沿う外壁側の拡大断面図である。
図5図3の(a)-(a)線に沿う桁側の拡大断面図である。
図6図3の(b)-(b)線に沿う拡大断面図である。
図7図3の要部拡大図ある。
図8図7の(c)-(c)線に沿う拡大断面図である。
図9】開閉蓋の開閉状態を示す平面図である。
図10】樋カバーの着脱状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態の簡易建物Aを説明する。以下の説明で、異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。
【0008】
本実施形態の簡易建物Aは、建物Bの外壁B1に沿って高所に設置されるバルコニーとして例示するが、本発明における簡易建物Aは、建物の屋根に設置されるバルコニーや建物Bの外壁B1に隣接して地面に建てられるテラス囲いも含まれる(図示せず)。
【0009】
[簡易建物の構成]
簡易建物Aは、図1図3に示すように、左右に2本立設された支柱A1と外壁B1との間にデッキ部A2を設け、デッキ部A2の上部に、支柱A1の間および支柱A1と外壁B1との間の3方にフェンスA3を設けたものであり、建物Bの開閉窓B2の前方に設置されている。
デッキ部A2は、桁1と外壁B1とにわたるように複数の根太2が支持されており、この根太2上に複数のデッキ材3が架渡されるように敷設されている。
複数の根太2は、長手方向を左右の妻梁4の長手方向と平行として、桁1の長手方向に沿って並列して支持されている。
根太2は、図4および図5に示すように、桁1の内側に設けられた根太受け20と、外壁B1に設けられた根太掛け21とに架渡されるように載置されており、根太受け20および根太掛け21に対してビス止めにより固定されている。
複数のデッキ材3は、長手方向を桁1の長手方向と平行として、左右の妻梁4にわたるように敷設されていると共に、左右の妻梁4の長手方向に沿ってと並列して敷設されている。
デッキ部A2の妻梁4側には、樋5および樋5を被覆する樋カバー6が取付けられ、デッキ部A2の桁1と妻梁4とのコーナー付近において、竪樋30が樋5に接続されており、この竪樋30が支柱A1の長手方向に沿って設けられている。
【0010】
[根太掛けの構成]
外壁B1側の根太掛け21は、図4に示すように、略L形に形成されており、L形の竪側を固定部20aとし、この固定部20aが外壁B1に対してビス止めにより固定されている。
略L形の横側は、外壁B1から根太2方向に突出する掛け部21aとしており、この掛け部21aに根太2が掛けられていると共に、ビス止めにより固定されている。
根太掛け21の上方には、図4に示すように、根太掛けカバー22が配置されており、根太掛けカバー22には、デッキ材位置決め部2bと、止水材2cと、タイト材2dとが備えられている。
【0011】
根太掛けカバー22は、図4に示すように、略L形に形成されており、略L形の竪側を固定部20bとし、この固定部20bの下端を根太掛け21の固定部20aの先端に当接させた状態で、固定部20bを外壁に対してビス止めにより固定されている。
根太掛けカバー22における略L形の横側は、デッキ材3側に突出してデッキ材3の側部3aを隠す隠し板21bとしており、デッキ材3の上面よりも上方に位置することで、デッキ材3の側部3aを隠すようにしている。
根太掛けカバー22の内側面には、デッキ材3の位置決めをするデッキ材位置決め部2bが設けられている。
デッキ材位置決め部2bは、デッキ材3の側部3aに向かって突設され、デッキ材位置決め部2bの先端に、敷設されたデッキ材3の側部3aが当接することで、デッキ材3の位置決めをするようにされている。
【0012】
止水材2cは、図4に示すように、ゴム材や軟質の合成樹脂材などの弾性材を用いて中空の略ドーム状に形成されており、根太掛けカバー22の内側に設けられたホルダ22bに取付けられている。
ホルダ22bは、デッキ材位置決め部2bの上面および隠し板21bの下面に向かい合うように突設されたものである。
止水材2cの上下には、ホルダ22bに係合される係合凹部21cが設けられており、この係合凹部21cをホルダ22bに弾性係合することで、ホルダ22bに取付けられている。
止水材2cは、敷設されたデッキ材3がデッキ材位置決め部2bに当接した状態で、デッキ材3の側部3aの後述する係合開口部30aを塞ぐように圧接することで、デッキ材3内およびデッキ材3と根太掛け21との間に雨水やごみなどが浸入するのを防ぐことができるようになっている。
タイト材2dは、ゴム材や軟質の合成樹脂材などの弾性材を用いて帯状に形成されたものであり、隠し板21bの先端側の下面に、下方に向かって垂設され、敷設されたデッキ材3の上面に弾性的に接触することで、隠し板21bとデッキ材の上面との間に雨水やごみなどが浸入するのを防ぐことができるようになっている。
【0013】
このような根太掛けカバー22は、デッキ材位置決め部2bおよび止水材2cならびにタイト材2dを一体に備えているので、根太2上に順次敷設される最後のデッキ材3を載置することで、デッキ材位置決め部2bによりデッキ材3の位置決めができると共に、止水材2cおよびタイト材2dで防水構造を構成することができる。
したがって、デッキ材3の敷設作業を効率的に行うことができる。
前述では、根太掛け21と根太掛けカバー22とが、それぞれ独立した部材とした構成としているが、本発明では、根太掛け21と根太掛けカバー22とが一体形成された構成も含まれる。
すなわち、根太掛け21と根太掛けカバー22とが一体であることから、建物Bに対する根太掛け21と根太掛けカバー22の取付け作業を効率化できる。
【0014】
[デッキ材の構成]
デッキ材3は、前述したように、デッキ材位置決め部2bで位置決めされて根太2上に架渡されている。
デッキ材3は、桁1側から根太2上に順次載置され、隣合うデッキ材3同士が互いに係合することにより連結されている。
デッキ材3は、図4および図5に示すように、デッキ材位置決め部2b側の側部3aの上側コーナーに前述の係合開口部30aが設けられており、この係合開口部30aがデッキ材3に設けられた空洞部30cと連通している。
一方、桁1側の側部3bには、係合開口部30aから空洞部30cに挿入される係合片30bが設けられており、係合片30bは、デッキ材3の側部3bから桁1側に向かって延設された延設部31bの先端に下向きで突設されている。
延設部31bは、デッキ材3の上面から一段下がった部位に突設され、係合開口部30aから空洞部30cに敷設方向に沿ってスライド自在に挿入されており、これによって、隣合うデッキ材3同士が敷設方向に沿って接離自在となっている。
このようなデッキ材3は、桁1側から根太2上に順次載置するとき、桁1側に載置されたデッキ材3の係合開口部30aから空洞部30cに、根太掛け21側で隣合うデッキ材3の係合片30bおよび延設部31bを挿入することでデッキ材3同士が連結される。
根太掛け21側で隣合うデッキ材3を敷設するときに、このデッキ材3をスライドさせながら位置を調節することができる。
また、デッキ材3の位置調節の範囲は、デッキ材3同士を最も離間させた状態において、係合片30cがデッキ材3の側部3aと対向する空洞部30cの内壁31cに当接する位置と、デッキ材3同士を最も近接させた状態において、隣合うデッキ材3の側部3a、3b同士が当接する位置との間の範囲である。
桁1側には、図5に示すように、根太2に架渡されるように設けられた桁側樋7が設けられており、デッキ材3の係合片30bが桁側樋7内に上方から入り込むようにされている。
桁樋7に隣接して敷設されるデッキ材3は、側部3bが桁樋7の側壁7aに当接することで位置決めされる。
位置決めされた状態のデッキ材3は、係合片30bが桁側樋7の幅方向の中途に位置して桁側樋7内に入り込み、かつ雨水を流入させる桁側樋7の上方開放部70が延設部31bで塞がれないようにされている。
このとき、延設部31bの上面が、桁側樋7の桁1側の縁部にデッキ材2側に向けて突設された隠し突起7bの下面と離間した状態で重なるように位置することで、延設部31bの上面と隠し突起7bの下面との間に、雨水流入用の空間S1を確保している。
【0015】
[樋の構成]
樋5は、図6に示すように、左右の妻梁4の内側に妻梁4と一体形成されており、左右の樋5上に架渡されるようにデッキ材3が敷設されている。
樋5には、デッキ材3がビス止めにより固定されていると共に、デッキ材3の端部3cが樋5の幅方向の中途に位置するように敷設されており、デッキ材3の敷設によって、雨水を流入させる樋5の上方開放部50が塞がれないようにされている。
樋5には、桁側樋7の端部が接続されており、桁側樋7に流入した雨水が樋5に流れ込むようにされている。
【0016】
樋5の底部51には、図6図9図10示すように、樋5の長手方向に沿ってデッキ材3の位置決め用の目印5aが設けられており、目印5aが樋5の上方開放部50の上方から見えるようにされている。
目印5aは、デッキ材3の端部3cの位置を規定するものであり、デッキ材3が、端部3cの位置を目印5aに上下方向で合わせて敷設されている。
目印5aの位置は、デッキ材3の端部3cが目印5aに合わせられている状態で、デッキ材3の端部3cの位置が、デッキ面A30から樋5に向かって流れる雨水を樋5内に正常に排水させる位置になるように設定されている。
【0017】
樋5の両端の内部には、図6図9図10に示すように、止水ピース5bが樋5の側部を塞いで水密状に嵌合されていると共に、樋5の外側からビス止めにより固定されている。
止水ピース5bは、外周にシール部50bが設けられており、このシール部50bが樋の内側面に密着することで水密を保持している。
このような止水ピース5bは、妻梁4の出荷時において、あらかじめ樋5に取付けた状態とすることで、簡易建物Aの組立て作業工程において、従来行われていた止水ピースの嵌合作業工程およびシーリング作業工程を削減することができる。
【0018】
樋5は、図6に示すように、妻梁4に着脱自在に取付けられた樋カバー6によって上方開放部50が上方から隠されている。
また、樋5の桁1と妻梁4とのコーナー付近の底部51には、図8および図9に示すように、竪樋30と連通する排水孔5cが開口されており、この排水孔5cの直上に、樋カバー6に備えられた後述の開閉蓋6eが位置している。
【0019】
[デッキ材の敷設工程]
ここで、簡易建物Aの製造におけるデッキ材3の敷設工程を説明する。
デッキ材3は、前述のように、桁1側から根太2上に順次載置される。
桁1側に載置されるデッキ材3は、桁側樋7の側壁7aにより位置決めされており、この最も桁1側に載置されたデッキ材3の係合開口部30aから空洞部30cに、次に載置されるデッキ材3の係合片30bおよび延設部31bを挿入して係合することによって、隣合うデッキ材同士を連結する。
このとき、デッキ材3の端部3cを樋5の底部51の目印5aに対して上下方向で合わせてデッキ材3の端部3cの位置を規定する。
このデッキ材3の敷設作業を桁1側から根太掛け21側に向かって順次行い、必要に応じてデッキ材3をスライドさせて位置調整を行うことで敷設される。
これによって、デッキ材の端部3cの位置決めが容易、かつ迅速に行えると共に、端部3cの位置を確実に規定することができる。
また、目印5aの位置にデッキ材3の端部3cを合わせることで、デッキ材3の端部3cを、デッキ面A30から樋5に向かって流れる雨水を樋5内に正常に排水できる位置に設定できる。
そして、最後に敷設されたデッキ材3は、デッキ材3の側部3aがデッキ材位置決め部2bに当接して位置決めできると共に、止水材2cに圧接して防水構造を構成することができる。
したがって、デッキ材3の敷設作業を効率よく行うことができ、これによって、簡易建物Aの施工性を向上させることができる。
【0020】
[樋カバーの構成]
樋カバー6は、樋5の長手方向の全域をカバーする全長を有しており、図6に示すように、略L形に形成され、略L形の竪側に、妻梁4に引っ掛ける被掛合片6aおよび妻梁4に嵌合する嵌合突起6bとを備えている。
樋カバー6の略L形の横側は、樋5の上方開放部50およびデッキ材3の端部3cを隠すキャップ部6cであり、妻梁4に取付けられた状態で、キャップ部6cの下面とデッキ材3の上面との間に、雨水流入用の空間S2を確保している。
妻梁4には、被掛合片6aが引っ掛かる掛合片4aおよび嵌合突起6bが嵌合される嵌合凹部4bが設けられている。
掛合片4aは、上方が開放されており、下向きの被係合片6aを上方から掛合するようにされ、嵌合凹部4bは、デッキ材3側が開放されており、横向きに突設された嵌合突起6bが横方向から嵌合するようにされている。
嵌合凹部4bは、嵌合突起6bが嵌合されたときに、嵌合突起6bを弾性力によって抑えるバネ構造を有している。
【0021】
樋カバー6の取付けは、図10に示すように、樋5の上方開放部50から略L形の竪側を斜めから入れながら被係合片6aを係合片4aに引っ掛け、引っ掛けられた被係合片6aを中心として回転させて、嵌合突起6bを嵌合凹部4bに嵌合させることで取付けるようにされている。
樋カバー6の取外しは、キャップ部6cを先端を上方に引き上げるように被係合片6aを中心として回転させることで、嵌合凹部4bから嵌合突起6bが外れ、そのまま、樋カバー6を樋5の上方開放部50から引き抜けば取外すことができるようになっている。
【0022】
樋カバー6には、図7図9に示すように、前述の開閉蓋6eを備えた枠体6dが一体に設けられている。
枠体6dは、図7および図8に示すように、樋カバー6の桁1側の端部を構成するものであり、開放側をデッキ材3側に向けた平面略コ形に形成され、その内側に開閉蓋6eが、図8において左右方向にスライド自在に支持されている。
枠体6dは、樋カバー6の桁1側の端部に対して接続されており、樋カバー6と一体で妻梁4に対して着脱できるようにされている。
枠体6dには、樋カバー6に設けられた係合凹部62に係合する係合凸部60dが突設されており、この係合凸部60dを係合凹部62に係合することによって接続される。
枠体6dは、図8に示すように、開閉蓋6eをデッキ材3側にスライドさせることで、枠体6dの内側を開放して樋5の底部51の前述の排水孔5cが露出し、開いた状態の開閉蓋6eを妻梁4方向にスライドさせることで、枠体6dの内側を閉じて樋5の上方開放部50を隠すようにされている。
開閉蓋6eは、桁1側および外壁B1側の縁部が、枠体6dの桁1側および外壁B1側の枠部60の内縁に設けられたガイド溝部61にスライド自在に嵌合されている。
樋5を被覆する樋カバー6の上面と開閉蓋6eの上面とは、略面一にされており、これによって、デッキ面A30における樋カバー6部分の良好な意匠性を保持することができる。
【0023】
このような、樋カバー6は、開閉蓋6eを備えた枠体6dと一体で妻梁4に対して、ビスなどの固定手段を用いることなく容易、且つ迅速に着脱することができる。
また、樋カバー6は、開閉蓋6eを備えた枠体6dと一体であるので、妻梁4に取付けることによって、竪樋30が接続された排水孔5cを含む樋5の長手方向の全域をカバーして樋5およびデッキ材の端部を隠すことができる。
また、開閉蓋6eによって、竪樋30が接続された排水孔5cが設けられた部分のみを開閉することができる。
また、開閉蓋6eが前述のように平面方向のスライドにより開閉されるものであるので、開閉操作がしやすく、しかも、樋カバー6の上方に張り出し部分が存在していたとしても、この張り出し部分にかかわらず、開閉蓋6eの開閉を行うことができ、開閉蓋6eの開状態を人手や保持装置等を用いずに保持することができる。
また、開閉蓋6eが枠体6dにスライド自在に支持されているので、開閉蓋6eに対する上方からの耐荷重性が高く、しかも、この上方からの荷重を樋カバー6に直接作用させないようにすることができる。
なお、開閉蓋6eの開閉は、前述の方向のスライドによるものに限らず、樋カバー6の長手方向に沿うスライドによるもの、着脱によるもの、回転によるもの等が例示できる。
また、開閉蓋6eの配置箇所および配置数は任意である。
また、開閉蓋6eは、枠体6を介さずに樋カバー6に直接取付けてもよい。
【0024】
以上の構成とする簡易建物Aによると、前述のように、デッキ材3を敷設することで、デッキ材3の位置決めができると共に、防水構造を構成できるので、デッキ材3の敷設作業を効率的に行うことができる。
また、デッキ材3の敷設工程では、樋5の底部51の長手方向に沿って設けられた目印5aに対して、デッキ材3の端部3cを上下方向で合わせて順次敷設するため、デッキ材3の敷設作業を効率的に行うことができる。
したがって、施工性が向上した簡易建物Aを提供できる。
そして、このように敷設されたデッキ材3は、確実に位置決めされているため、デッキ面A30の良好な意匠性を保持することができる。
また、樋カバー6によって、樋5への雨水の流入を妨げることなく、樋5およびデッキ材3の端部3cを隠すことができるので、デッキ面A30の良好な意匠性を保持できると共に、落ち葉や土埃などのごみの侵入を抑制することができる。
しかも、開閉蓋6eを開くことによって、落ち葉や土埃などのごみが詰まりやすい竪樋付近の清掃を行うことができる。
したがって、デッキ面A30の意匠性が向上すると共に、落ち葉や土埃などのごみのが詰まりにくく、詰まっても清掃が容易にできる簡易建物を提供できる。
【0025】
以上、本発明に係る実施形態の簡易建物を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0026】
また、前述の各実施形態は、その目的および構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0027】
A:簡易建物
B:建物
B1:外壁
A1:支柱
A2:デッキ部
A3:フェンス
A30:デッキ面
B2:開閉窓
S1:空間
S2:空間
1:桁
2:根太
3:デッキ材
4:妻梁
5:樋
6:樋カバー
7:桁側樋
20:根太受け
21:根太掛け
30:竪樋
2b:デッキ材位置決め部
2c:止水材
2d:タイト材
20a:固定部
20b:固定部
21a:掛け部
21b:隠し板
21c:係合凹部
22b:ホルダ
3a:側部
3b:側部
3c:端部
30a:係合開口部
30b:係合片
30c:空洞部
31b:延設部
31c:内壁
4a:掛合片
4b:嵌合凹部
5a:目印
5b:止水ピース
5c:排水孔
50:上方開放部
51:底部
50b:シール部
6a:被掛合片
6b:嵌合突起
6c:キャップ部
6d:枠体
6e:開閉蓋
60:枠部
61:ガイド溝部
62:係合凹部
60d:係合凸部
7a:側壁
7b:隠し突起
70:上方開放部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10