(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】照明補助器具および携帯照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 19/02 20060101AFI20240423BHJP
F21L 4/00 20060101ALI20240423BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20240423BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240423BHJP
【FI】
F21V19/02 100
F21L4/00 500
F21V19/02 300
F21V14/02 200
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2020070454
(22)【出願日】2020-04-09
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000232438
【氏名又は名称】日本電通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【氏名又は名称】中川 雅博
(74)【代理人】
【識別番号】100098305
【氏名又は名称】福島 祥人
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【氏名又は名称】坂根 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100187931
【氏名又は名称】澤村 英幸
(72)【発明者】
【氏名】水間 正浩
(72)【発明者】
【氏名】園田 康雅
(72)【発明者】
【氏名】小片 隆久
(72)【発明者】
【氏名】羽野 智昭
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-017335(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/02
F21L 4/00
F21V 14/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って光を出射する光出射部と前記光出射部から出射された光を発散させる発散部とを含む照明装置に取り付けられる照明補助器具であって、
前記光軸が水平方向を向くときに、前記光出射部から出射された光が第1の角度で発散し、前記光軸が斜め下方を向くときに、前記光出射部から出射された光が前記第1の角度よりも大きい第2の角度で発散するように
、前記光出射部と前記発散部とを前記光軸方向に相対的に摺動させて、前記光出射部と前記発散部との間の距離を変化させることにより光の発散角度を変化させる、照明補助器具。
【請求項2】
前記光出射部に取り付けられる第1の取付部材と、
前記発散部に取り付けられる第2の取付部材とを備え、
前記第1の取付部材と前記第2の取付部材とは、水平面内で前記光軸に直交する揺動軸を中心として相対的に揺動可能に接続され、前記第1または第2の取付部材が揺動することに連動して前記光出射部と前記発散部との間の距離を変化させる、請求項1記載の照明補助器具。
【請求項3】
前記第1および第2の取付部材の一方の姿勢を維持するように設けられた重りをさらに備える、請求項2記載の照明補助器具。
【請求項4】
前記光軸の向きに関わらず前記光出射部と前記発散部との間の距離を維持することにより前記光出射部から出射される光の発散角度を固定する固定部をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の照明補助器具。
【請求項5】
光軸に沿って光を出射する光出射部と前記光出射部から出射された光を発散させる発散部とを含む照明装置と、
前記照明装置に取り付けられる請求項1~4のいずれか一項に記載の照明補助器具とを備える、携帯照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明補助器具および携帯照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
夜間または暗室等の暗い環境において、所望の位置を照射するために携帯照明器具が用いられる。また、光の出射範囲を調整可能な携帯照明器具が知られている。例えば、特許文献1には、電池ケースと光照射部とが連結筒体により連結された懐中電灯が記載されている。光照射部は、ランプおよび凹面鏡を含む。連結筒体の外側には、回転筒体が回転可能に嵌め込まれる。回転筒体が回転されることにより、ランプが凹面鏡の焦点の近傍を移動する。
【0003】
ここで、ランプが凹面鏡の焦点に位置するときには、ランプから出射された光は、凹面鏡で反射されることにより平行光となる。一方、ランプが焦点の位置から外れるときには、ランプから出射された光は、凹面鏡で反射されることにより拡散するか、または一旦集束した後に拡散する。したがって、使用者は、回転筒体を操作してランプを移動させることにより、光を集束または拡散させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、回転筒体は懐中電灯の重心近くに位置するので、回転筒体を楽に操作することができ、片手操作も可能であることが記載されている。しかしながら、実際には、片手で光の出射範囲を調整するための操作を効率よく行うことは容易ではない。また、暗い環境において作業を行う者は、光を照射したい位置に応じて光の出射範囲を頻繁に調整する。そのため、光の出射範囲を調整するための操作を適宜行うことは面倒である。そこで、有用性が向上された携帯照明器具が開発されることが望まれる。
【0006】
本発明の目的は、照明装置の有用性を向上させることが可能な照明補助器具および携帯照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)第1の発明に係る照明補助器具は、光軸に沿って光を出射する光出射部と光出射部から出射された光を発散させる発散部とを含む照明装置に取り付けられる照明補助器具であって、光軸が水平方向を向くときに、光出射部から出射された光が第1の角度で発散し、光軸が斜め下方を向くときに、光出射部から出射された光が第1の角度よりも大きい第2の角度で発散するように光出射部と発散部との間の距離を変化させることにより光の発散角度を変化させる。
【0008】
この照明補助器具が取り付けられた照明装置においては、照明装置の光軸が水平方向に向けられたときには光が第1の角度で発散し、照明装置の光軸が斜め下方に向けられたときには光が第1の角度よりも大きい第2の角度で発散するように光出射部と発散部との間の距離が変化される。この場合、使用者は、照明装置の光軸を傾けることにより光の出射範囲を容易に調整することができる。これにより、照明装置の有用性が向上する。
【0009】
(2)照明補助器具は、光出射部に取り付けられる第1の取付部材と、発散部に取り付けられる第2の取付部材とを備え、第1の取付部材と第2の取付部材とは、水平面内で光軸に直交する揺動軸を中心として相対的に揺動可能に接続され、第1または第2の取付部材が揺動することに連動して光出射部と発散部との間の距離を変化させてもよい。
【0010】
この場合、照明補助器具に電気的な制御機構を設ける必要がない。そのため、照明補助器具のコストを低減させることができる。また、照明補助器具を動作させてもエネルギーが消費されないので、照明装置を省電力化することができる。
【0011】
(3)照明補助器具は、第1および第2の取付部材の一方の姿勢を維持するように設けられた重りをさらに備えてもよい。この場合、第1の取付部材と第2の取付部材との相対的な揺動がより容易になる。これにより、使用者は、照明装置の光軸を傾けることにより光の出射範囲をより容易に調整することができる。その結果、照明補助器具の有用性がより向上する。
【0012】
(4)照明補助器具は、光軸の向きに関わらず光出射部と発散部との間の距離を維持することにより光出射部から出射される光の発散角度を固定する固定部をさらに備えてもよい。この場合、使用者は、光の発散角度を所望の発散角度に容易に固定することができる。これにより、照明補助器具の有用性がより向上する。
【0013】
(5)第2の発明に係る携帯照明器具は、光軸に沿って光を出射する光出射部と光出射部から出射された光を発散させる発散部とを含む照明装置と、照明装置に取り付けられる第1の発明に係る照明補助器具とを備える。
【0014】
この携帯照明器具においては、照明装置の光軸が水平方向に向けられたときには光が第1の角度で発散し、照明装置の光軸が斜め下方に向けられたときには光が第1の角度よりも大きい第2の角度で発散するように光出射部と発散部との間の距離が変化される。この場合、使用者は、照明装置の光軸を傾けることにより光の出射範囲を容易に調整することができる。これにより、照明装置の有用性が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、照明補助器具および携帯照明器具の有用性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る携帯照明器具の側面図である。
【
図2】
図1の携帯照明器具の内部構造を示す側断面図である。
【
図4】携帯照明器具の動作を説明するための図である。
【
図5】携帯照明器具の動作を説明するための図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態に係る携帯照明器具の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1]第1の実施の形態
(1)携帯照明器具の構成
以下、本発明の実施の形態に係る照明補助器具および携帯照明器具について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る携帯照明器具の側面図である。
図2は、
図1の携帯照明器具の内部構造を示す側断面図である。
図3は、
図1の携帯照明器具の正面図である。
図1~
図3に示すように、携帯照明器具100は、照明装置10および照明補助器具20を備える。照明装置10は、光を出射可能に構成される。
【0018】
以下の説明では、照明装置10の光の出射部分が向く方向を前方と呼び、その反対方向を後方と呼ぶ。また、携帯照明器具100の使用者を基準に上下方向および左右方向が定義される。
図1~
図3および以降の図には、前後方向、上下方向および左右方向を示す矢印が適宜示されている。
【0019】
照明装置10は、光出射部11および発散部12を含む。光出射部11は、前後方向に延びる筒状を有する。光出射部11の先端部には、発光ダイオード等の光源13が設けられる。光出射部11の内部には、光源13に電力を供給するための1個以上(本例では2個)の電池110が収容される。光出射部11の後端部には、スイッチ14が設けられる。スイッチ14が操作されるごとに、光源13の点灯状態と消灯状態とが切り替えられる。
【0020】
発散部12は、前後方向に延びる筒状を有する。発散部12の後端部には、発散部12が前後方向に摺動可能に光出射部11の先端部が嵌め込まれる。発散部12の内部には、レンズ15が設けられる。光源13の光軸101は、レンズ15の略中心を通る。発散部12の先端部には、透光性のカバー部材16が取り付けられる。光源13が点灯状態にあるときには、光源13からの光がレンズ15およびカバー部材16を順次通過して照明装置10の先端部から出射される。
【0021】
照明補助器具20は、固定部材21、左右一対の固定部材22、左右一対の支持部材23、左右一対のピン部材24および重り25を含む。固定部材21は、例えば樹脂により形成された板部材であり、照明装置10の光出射部11の下部に取り付けられる。固定部材21は、ねじ部材、接着剤または結束バンド等により光出射部11の下面に固定されてもよい。
【0022】
各固定部材22は、例えば樹脂製により形成された前後方向に延びる長尺部材である。一対の固定部材22の後部は、固定部材21の左右両側部にそれぞれ取り付けられる。これにより、左右一対の固定部材22は、互いに離間した状態で、固定部材21から前方に突出するように延びる。一対の固定部材22は、ねじ部材または接着剤等により固定部材21に固定されてもよいし、固定部材21と一体的に形成されてもよい。
【0023】
各支持部材23は、例えば樹脂製により形成された上下方向に延びる長尺部材である。各支持部材23の上部には、上下方向に延びるスリット23aが形成される。左右一対の支持部材23は、照明装置10の発散部12を挟んで対向するように配置され、水平面内で光軸101に直交する揺動軸102を中心として揺動可能に一対の固定部材22にそれぞれ接続される。すなわち、左右一対の支持部材23は、前後方向および上下方向に揺動可能である。
【0024】
本例では、右側の支持部材23が一組のねじ26およびナット27により右側の固定部材22に接続され、左側の支持部材23が他の一組のねじ26およびナット27により左側の固定部材22に接続される。この場合、一対の固定部材22と一対の支持部材23とは、2つのねじ26の軸線を通る揺動軸102を中心として、相対的に揺動可能となる。
【0025】
一対のピン部材24は、発散部12の左右両側部に固定される。一対のピン部材24は、発散部12から左右両側方に延び、一対の支持部材23のスリット23aにそれぞれ挿入される。発散部12が光出射部11に対して前後方向に摺動するとき、各ピン部材24は対応する支持部材23のスリット23a内を上下方向に移動する。重り25は、例えば金属製の円柱部材であり、左右一対の支持部材23の下端部の間に設けられる。重り25は、ねじ部材または接着剤等により一対の支持部材23に固定されてもよい。
【0026】
(2)携帯照明器具の動作
図4および
図5は、携帯照明器具100の動作を説明するための図である。
図4に示すように、光出射部11が水平方向に向けられた場合、すなわち光軸101が水平方向に向けられた場合には、光出射部11に固定された一対の固定部材22も水平方向を向く。これに対して、一対の支持部材23は上下方向を向く。
【0027】
この状態において、光源13は、レンズ15の焦点の近傍に位置するように配置されている。そのため、光源13が点灯状態にあるときには、光源13からの光はレンズ15を通過することにより携帯照明器具100から出射される。このときの光の発散角度(第1の角度)は略0度である。したがって、携帯照明器具100から出射される光は略平行光となる。
【0028】
図5に示すように、光出射部11が斜め下方に向けられた場合、すなわち光軸101が斜め下方に向けられた場合には、光出射部11に固定された一対の固定部材22も斜め下方を向く。一方、一対の支持部材23の下端部には重り25が取り付けられている。この場合、一対の支持部材23は、上下方向を向く姿勢を維持することにより、揺動軸102を中心として一対の固定部材22に対して揺動する。
【0029】
左右一対の支持部材23の上部はそれぞれ左右一対のピン部材24により発散部12に保持されているので、一対の支持部材23が揺動することに連動して、光源13とレンズ15とが近づくように、光出射部11と発散部12とが相対的に摺動する。そのため、光源13が点灯状態にあるときには、光源13からの光はレンズ15を通過することにより、光軸101が水平を向くときよりも大きい発散角度(第2の角度)で発散しつつ携帯照明器具100から出射される。携帯照明器具100から出射される光の発散角度は、光軸101の傾斜角度に対応して連続的に変化する。
【0030】
(3)効果
本実施の形態に係る携帯照明器具100においては、照明装置10は、光軸101に沿って光を出射する光出射部11と、光出射部11から出射された光を発散させる発散部12とを含む。照明装置10に照明補助器具20が取り付けられる。照明補助器具20においては、光出射部11に取り付けられた固定部材22と、発散部12に取り付けられた支持部材23とが、水平面内で光軸101に直交する揺動軸102を中心として相対的に揺動可能に接続される。光軸101が傾斜された場合でも、支持部材23の姿勢が重り25により維持される。
【0031】
この場合、光軸101が傾けられることにより、固定部材22と支持部材23とが相対的に揺動することに連動して、光出射部11と発散部12との間の距離が変化される。これにより、光軸101が水平方向に向けられたときには光が第1の角度で発散し、照明装置10の光軸101が斜め下方に向けられたときには光が第1の角度よりも大きい第2の角度で発散する。したがって、使用者は、照明装置10の光軸101を傾けることにより光の出射範囲をより容易に調整することができる。その結果、照明補助器具20の有用性がより向上する。
【0032】
特に、使用者の足元等の比較的近い位置に光を照射する場合には、光の出射範囲を大きくすることが好ましいことが多い。一方、使用者の前方等の比較的遠い位置に光を照射する場合には、光量を集中させるために光の出射範囲を小さくすることが好ましいことが多い。上記の構成によれば、このようなニーズを満たすように光の出射範囲を適切にかつ容易に調整することができる。
【0033】
また、照明補助器具20に電気的な制御機構を設ける必要がない。そのため、照明補助器具20のコストを低減させることができる。さらに、照明補助器具20を動作させてもエネルギーが消費されないので、照明装置10を省電力化することができる。
【0034】
(4)変形例
(a)第1の変形例
照明補助器具20は、光軸101の向きに関わらず光出射部11と発散部12との間の距離を維持する固定部材をさらに含んでもよい。
図6および
図7は、固定部材の一例を示す図である。
図6に示すように、固定部28は、支持部材28aおよび当接部材28bを含む。
【0035】
支持部材28aは、上下方向に延びるとともに前後方向に延びる長尺部材であり、左側の支持部材23の左方に位置するように、例えば左側の固定部材22に取り付けられる。支持部材28aの上部には、前後方向に延びる摺動軸28cが設けられる。当接部材28bは、比較的大きい重量および比較的大きい摩擦係数を有する材料により形成され、支持部材28aの下部に取り付けられる。
【0036】
使用者は、光軸101(光出射部11)を傾斜させることにより、携帯照明器具100から出射される光の発散角度を所望の角度に調整することが可能である。この状態で、使用者は、
図7に示すように、固定部28が左側の支持部材23の上方に位置するように携帯照明器具100を光軸101周りに回転させる。この場合、支持部材28aが摺動軸28cを中心に摺動し、当接部材28bが支持部材23に当接する。
【0037】
当接部材28bが支持部材23に当接した場合には、当接部材28bと支持部材23との摩擦力により、一対の支持部材23は一対の固定部材22に対して摺動不可能となる。したがって、光軸101の向きに関わらず光出射部11と発散部12との間の距離が維持される。これにより、使用者は、光軸101の傾斜角度に関わらず、光出射部11から出射される光の発散角度を所望の角度に容易に固定することができる。
【0038】
(b)第2の変形例
携帯照明器具100は、照明補助器具20を収容するケーシングをさらに備えてもよい。あるいは、携帯照明器具100は、照明装置10および照明補助器具20を収容するケーシングを備えてもよい。
【0039】
(c)第3の変形例
本実施の形態において、発散部12はレンズ15を含むが、実施の形態はこれに限定されない。発散部12は、レンズ15に代えて凹面鏡を含んでもよい。この場合、光源13は、光軸101が水平方向を向くときに凹面鏡の焦点の近傍に位置するように配置される。
【0040】
(d)第4の変形例
本実施の形態において、一対の支持部材23に重り25が設けられるが、実施の形態はこれに限定されない。一対の支持部材23が十分な重量を有し、光軸101の傾斜角度に関わらず一対の支持部材23の姿勢が維持される場合には、一対の支持部材23に重り25が設けられなくてもよい。
【0041】
(e)第5の変形例
本実施の形態において、光出射部11に固定部材21および一対の固定部材22が取り付けられ、発散部12に一対の支持部材23が取り付けられるが、実施の形態はこれに限定されない。光出射部11に一対の支持部材23が取り付けられ、発散部12に固定部材21および一対の固定部材22が取り付けられてもよい。この場合、一対のピン部材24は光出射部11の左右両側部に固定される。一対のピン部材24は、光出射部11から左右両側方に延び、一対の支持部材23のスリット23aにそれぞれ挿入される。
【0042】
[2]第2の実施の形態
第2の実施の形態に係る照明補助器具および携帯照明器具について、第1の実施の形態に係る照明補助器具20および携帯照明器具100と異なる点を説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る携帯照明器具の模式図である。
図8に示すように、本実施の形態に係る携帯照明器具100は、照明装置10および照明補助器具30を含む。照明装置10の構成は、
図2の照明装置10の構成と同様である。
【0043】
本実施の形態に係る照明補助器具30は、傾斜センサ31、アクチュエータ32および制御部33を含む。傾斜センサ31は、光出射部11の光軸101の向き(傾斜角度)を検出する。アクチュエータ32は、例えばステッピングモータであり、光出射部11と発散部12とが相対的に摺動可能に、光出射部11および発散部12の少なくとも一方に取り付けられる。
【0044】
制御部33は、例えばマイクロコンピュータである。制御部33は、傾斜センサ31により検出される光軸101の傾斜角度に対応して光出射部11と発散部12との距離が変化するようにアクチュエータ32の動作を制御する。これにより、光軸101の傾斜角度に対応して携帯照明器具100から出射される光の発散角度が連続的に変化する。
【0045】
具体的には、光軸101が水平方向を向く場合には、光源13がレンズ15の焦点の近傍に位置するように光出射部11と発散部12との距離が調整される。そのため、光源13が点灯状態にあるときには、光源13からの光はレンズ15を通過することにより携帯照明器具100から出射される。このときの光の発散角度は略0度である。したがって、携帯照明器具100から出射される光は略平行光となる。
【0046】
一方、光軸101が斜め下方を向くように傾斜された場合には、傾斜角度に対応して、光源13とレンズ15とが近づくように、光出射部11と発散部12とが相対的に摺動される。そのため、光源13が点灯状態にあるときには、光源13からの光はレンズ15を通過することにより、光軸101が水平を向くときよりも大きい発散角度で発散しつつ携帯照明器具100から出射される。したがって、使用者は、照明装置10の光軸101を傾けることにより光の出射範囲をより容易に調整することができる。これにより、照明補助器具20の有用性がより向上する。
【0047】
照明補助器具30は、使用者により所定の操作が行われた場合には、光軸101の向きに関わらず光出射部11と発散部12との間の距離を維持してもよい。この場合、使用者は、光軸101の傾斜角度に関わらず、光出射部11から出射される光の発散角度を所望の角度に容易に固定することができる。所定の操作は、例えば携帯照明器具100を光軸101周りに90度回転させる操作であってもよい。
【0048】
[3]他の実施の形態
上記実施の形態において、光軸101が斜め下方を向くときには、光軸101が水平を向くときよりも光出射部11と発散部12とが近づくように携帯照明器具100が構成されるが、実施の形態はこれに限定されない。光軸101が斜め下方を向くときには、光軸101が水平を向くときよりも大きい発散角度で携帯照明器具100から光を出射可能である限り、光出射部11と発散部12とが遠ざかるように携帯照明器具100が構成されてもよい。
【0049】
したがって、光軸101が水平を向くときには、例えばバネ部材により光出射部11と発散部12とが近づくように付勢され、光軸101が斜め下方を向くときには、重力により付勢力に抗して光出射部11と発散部12とが遠ざかるように携帯照明器具100が構成されてもよい。
【0050】
[4]請求項の各構成要素と実施の形態の各部との対応関係
上記実施の形態においては、光軸101が光軸の例であり、光出射部11が光出射部の例であり、発散部12が発散部の例であり、照明装置10が照明装置の例であり、照明補助器具20が照明補助器具の例である。固定部材22が第1の取付部材の例であり、支持部材23が第2の取付部材の例であり、重り25が重りの例であり、固定部28が固定部の例であり、携帯照明器具100が携帯照明器具の例である。
【符号の説明】
【0051】
10…照明装置,11…光出射部,12…集光部,13…光源,14…スイッチ,15…レンズ,16…カバー部材,20,30…照明補助器具,21,22…固定部材,23…支持部材,23a…スリット,24…ピン部材,25…重り,26…ねじ,27…ナット,28…固定部,28a…支持部材,28b…当接部材,28c,102…摺動軸,31…傾斜センサ,32…アクチュエータ,33…制御部,100…携帯照明器具,101…光軸,110…電池