(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240423BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G09F9/30 307
G09F9/30 349Z
G09F9/30 349A
G09F9/30 349C
G09F9/30 309
G09F9/30 365
G02B5/20 101
(21)【出願番号】P 2020081888
(22)【出願日】2020-05-07
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2019-0108539
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】鄭 鎭 九
(72)【発明者】
【氏名】崔 凡 洛
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110061038(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0074326(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0083227(US,A1)
【文献】中国実用新案第208507679(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第110021640(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206953(US,A1)
【文献】特開平02-181726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/00
G02B 7/18-7/24
G02F 1/1335
G02F 1/13363
G09F 9/00-9/46
G09G 3/00-3/08
G09G 3/12-3/16
G09G 3/19-3/26
G09G 3/30-3/34
G09G 3/38
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
島状の第1の画素領域、及び、前記第1の画素領域の各島状部分を取り囲む第1の周辺領域を含む第1の領域と、
島状の第2の画素領域、少なくとも一つの透過領域、及び、前記第2の画素領域の各島状部分及び前記透過領域を取り囲む第2の周辺領域を含む第2の領域と
を有する表示パネルと、
前記表示パネル上に配置されて、少なくとも1つの無機層と、少なくとも1つの有機層とを含む封止構造物と、
前記封止構造物上に配置されて、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域に重なるカラーフィルタと、
前記封止構造物上に配置されて、前記第1の周辺領域及び前記第2の周辺領域に重なるブラックマトリックスと、
前記表示パネルの背面上に配置されて、前記第2の領域に重なる機能性モジュールとを含
み、
前記表示パネルは、
基板と、
前記基板上の互いに異なる層に位置する複数の導電層と、
前記導電層上に配置される有機絶縁層と、
前記有機絶縁層上に配置される画素電極と、
前記画素電極上に配置され、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域を区画する画素区画膜と、
前記画素電極上に配置される発光層と、
前記発光層及び前記画素区画膜上に配置される対向電極とを含み、
前記有機絶縁層、前記画素区画膜、及び前記対向電極のうちの少なくとも1つは、前記透過領域に重なる開口を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
更に、前記表示パネルは、前記基板上の互いに異なる層に位置して、前記導電層を互いに絶縁させる複数の無機絶縁層を含み、
前記無機絶縁層の少なくとも1つは、前記透過領域に重なる開口を有することを特徴とする請求項
1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の画素領域は、複数の第1のサブ画素領域を含み、
前記第2の画素領域は、複数の第2のサブ画素領域を含み、
単位面積当たりの前記第2のサブ画素領域の数は、単位面積当たりの前記第1のサブ画素領域の数よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2のサブ画素領域の配列構造は、前記第1のサブ画素領域の配列構造と異なることを特徴とする請求項
3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2のサブ画素領域のそれぞれの面積は、前記第1のサブ画素領域のそれぞれの面積よりも大きいことを特徴とする請求項
3に記載の表示装置。
【請求項6】
更に、前記封止構造物上に配置され、少なくとも前記透過領域に重なるオーバーコート層を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記封止構造物は、
第1の無機層と、
前記第1の無機層上に配置される有機層と、
前記有機層上に配置される第2の無機層と、
前記第1の無機層と前記有機層の間に配置され、前記第1の無機層の屈折率よりも小さく、前記有機層の屈折率よりも大きい屈折率を有する第1の低屈折無機層と、
前記有機層と前記第2の無機層の間に配置され、前記有機層の屈折率よりも大きく、前記第2の無機層の屈折率よりも小さい屈折率を有する第2の低屈折無機層とを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記封止構造物は、
第1の無機層と、
前記第1の無機層上に配置される有機層と、
前記有機層上に配置される第2の無機層とを含み、
前記第1の無機層の屈折率と前記有機層の屈折率の差、及び、前記有機層の屈折率と前記第2の無機層の屈折率の差は、0.2よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
島状の第1の画素領域、及び前記第1の画素領域の各島状部分を取り囲む第1の周辺領域が含まれる第1の領域と、
島状の第2の画素領域、少なくとも一つの透過領域、及び、前記第2の画素領域の各島状部分及び前記透過領域を取り囲む第2の周辺領域が含まれる第2の領域と
を有する表示パネルと、
前記表示パネル上に配置されて、少なくとも1つの無機層と、少なくとも1つの有機層とを含む封止構造物と、
前記封止構造物上に配置されて、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域に重なるカラーフィルタと、
前記封止構造物上に配置されて、前記第1の周辺領域及び前記第2の周辺領域に重なるブラックマトリックスとを含み、
前記表示パネルは、前記表示パネルに含まれる複数の絶縁層の少なくとも1つに形成されて、前記透過領域に重なる透過窓を含
み、
前記表示パネルは、
基板と、
前記基板上の互いに異なる層に位置する複数の導電層と、
前記導電層上に配置される有機絶縁層と、
前記有機絶縁層上に配置される画素電極と、
前記画素電極上に配置され、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域を区画する画素区画膜と、
前記画素電極上に配置される発光層と、
前記発光層及び前記画素区画膜上に配置される対向電極とを含み、
前記透過窓は、前記有機絶縁層、前記画素区画膜、及び前記対向電極のうちの少なくとも1つの開口により形成されることを特徴とする表示装置。
【請求項10】
前記透過窓は、前記有機絶縁層、前記画素区画膜、及び前記対向電極の開口が重ね合わされて形成される、請求項9に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。より詳しくは、本発明は、機能性モジュールを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、電気的信号を変換して、映像を表示することによって、使用者に視覚的な情報を提供する。表示装置は、表示装置に入射される外光を透過する透過領域を含む。透過領域を介して、表示装置の背面に配置されるカメラモジュール、センサモジュールなどのような機能性モジュールが、表示装置の前面に位置する事物、使用者などを感知又は認識することになる。
【0003】
表示装置は、金属を含む配線、電極などを備え、配線、電極などから表示装置に入射される外光が反射される。このような外光の反射を防止するために、一般の表示装置は、偏光層を含む。しかし、偏光層は外光の反射を防止しうるが、偏光層により、表示装置の透過領域における透過度が低下しうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2019/0130822号明細書
【文献】米国特許第10,062,865号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、外光反射が減少し、透過領域の透過度が向上した表示装置を提供することである。
但し、本発明の目的がこのような目的に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、様々に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的を達成するために、実施例による表示装置は、(1)第1の画素領域、及び前記第1の画素領域を取り囲む第1の周辺領域を含む第1の領域と、第2の画素領域、透過領域、及び前記第2の画素領域と前記透過領域を取り囲む第2の周辺領域を含む第2の領域とを有する表示パネルと、(2)前記表示パネル上に配置され、少なくとも1つの無機層と、少なくとも1つの有機層とを含む封止構造物と、(3)前記封止構造物上に配置され、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域に重なるカラーフィルタと、(4)前記封止構造物上に配置され、前記第1の周辺領域及び前記第2の周辺領域に重なるブラックマトリックスと、(5)前記表示パネルの背面上に配置され、前記第2の領域に重なる機能性モジュールとを含むことを特徴とする。
【0007】
前記第1の画素領域は、複数の第1のサブ画素領域を含み、前記第2の画素領域は、複数の第2のサブ画素領域を含み、単位面積当たりの前記第2のサブ画素領域の数は、単位面積当たりの前記第1のサブ画素領域の数よりも少ない。
【0008】
単位面積当たりの前記第2のサブ画素領域の数は、単位面積当たりの前記第1のサブ画素領域の数の1/2、1/4、1/9、又は1/16である。
【0009】
前記第2のサブ画素領域の配列構造は、前記第1のサブ画素領域の配列構造と異なる。
【0010】
前記第2のサブ画素領域のそれぞれの面積は、前記第1のサブ画素領域のそれぞれの面積よりも大きい。
【0011】
更に、前記封止構造物上に配置され、少なくとも前記透過領域に重なるオーバーコート層を含む。
【0012】
前記第1の領域は、前記第2の領域の少なくとも一部を取り囲む。
【0013】
前記封止構造物上に配置され、少なくとも前記透過領域に重なるオーバーコート層を含む。
【0014】
前記オーバーコート層は、前記カラーフィルタ及び前記ブラックマトリックスを覆い、平坦な上面を有する。
【0015】
前記表示パネルは、基板と、前記基板上の互いに異なる層に位置する複数の導電層と、前記導電層上に配置される有機絶縁層と、前記有機絶縁層上に配置される画素電極と、前記画素電極上に配置され、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域を区画する画素区画膜と、前記画素電極上に配置される発光層と、前記発光層及び前記画素区画膜上に配置される対向電極とを含み、前記有機絶縁層、前記画素区画膜、及び前記対向電極の少なくとも1つは、前記透過領域に重なる開口を有する。
【0016】
前記画素区画膜は、黒色を有する。
【0017】
前記表示パネルは、更に、前記基板上の互いに異なる層に位置して、前記導電層を互いに絶縁させる複数の無機絶縁層を含み、前記無機絶縁層の少なくとも一つは、前記透過領域に重なる開口を有する。
【0018】
前記画素区画膜は、前記導電層、前記無機絶縁層、及び前記有機絶縁層の前記透過領域に重なる部分に重なる。
【0019】
更に、前記表示装置は、少なくとも前記第1の周辺領域及び前記第2の周辺領域に重なる遮光層を含む。
【0020】
前記遮光層は、前記ブラックマトリックス上に配置される。
【0021】
前記遮光層は、前記封止構造物と前記ブラックマトリックスの間に配置される。
【0022】
前記遮光層は、前記導電層、前記無機絶縁層、前記有機絶縁層、前記画素区画膜、及び前記対向電極の前記透過領域に重なる部分に重なる。
【0023】
前記封止構造物は、第1の無機層と、前記第1の無基層上に配置される有機層と、前記有機層上に配置される第2の無機層とを含む。
【0024】
更に、前記封止構造物は、前記第1の無機層と前記有機層の間に配置され、前記第1の無機層の屈折率よりも小さく、前記有機層の屈折率より大きい屈折率を有する第1の低屈折無基層と、前記有機層と前記第2の無機層の間に配置されて前記有機層の屈折率より大きく、前記第2の無機層の屈折率より小さい屈折率を有する第2の低屈折無機層とを含む。
【0025】
前記第1の低屈折無機層及び前記第2の低屈折無機層のそれぞれは、シリコン酸窒化物を含む。
【0026】
更に、前記封止構造物は、前記第2の無機層上に配置され、前記第2の無基層の屈折率よりも小さい屈折率を有する低屈折無機層を含む。
【0027】
前記低屈折無機層は、シリコン酸窒化物を含む。
【0028】
前記第1の無機層の屈折率と前記有機層の屈折率の差、及び前記有機層の屈折率と前記第2の無基層の屈折率の差は、約0.2よりも小さい。
【0029】
前記第1の無機層及び前記第2の無機層それぞれは、シリコン酸窒化物を含む。
【0030】
前記機能性モジュールは、カメラモジュール、顔認識センサモジュール、瞳孔認識センサモジュール、加速度センサモジュール、近接センサモジュール、赤外線センサモジュール、及び照度センサモジュールの少なくとも1つを含む。
【0031】
前述した本発明の目的を達成するために、実施例による表示装置は、第1の画素領域、及び前記第1の画素領域を取り囲む第1の周辺領域を含む第1の領域と、第2の画素領域、透過領域、及び前記第2の画素領域と前記透過領域を取り囲む第2の周辺領域を含む第2の領域とを有する表示パネルと、前記表示パネル上に配置され、少なくとも1つの無機層と、少なくとも1つの有機層とを含む封止構造物と、前記封止構造物上に配置され、前記第1の画素領域及び前記第2の画素領域に重なるカラーフィルタと、前記封止構造物上に配置され、前記第1の周辺領域及び前記第2の周辺領域に重なるブラックマトリックスとを含み、前記表示パネルは、前記表示パネルに含まれる複数の絶縁層の少なくとも1つに形成され、前記透過領域に重なる透過窓を含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明の表示装置によると、封止構造物上に配置され、表示パネルの第1及び第2の画素領域に重なるカラーフィルタと、封止構造物上に配置され、表示パネルの第1及び第2の周辺領域に重なるブラックマトリックスとを含み、表示パネルは、透過領域に重なる透過窓を備える。これにより、偏光層を省略することができるので、透過領域の透過度が向上し、且つ、外光反射を防止することができる。
【0033】
但し、本発明の効果が前述した効果に限定されるものではなく、本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、様々に拡張可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による表示装置を示す断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例による表示パネルを示す平面図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施例による第1の領域を示す平面図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施例による第2の領域を示す平面図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例による封止構造物を示す断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例による表示パネルを示す平面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例による第2の領域を示す平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施例による第2の領域を示す平面図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施例による第2の領域を示す平面図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施例による第2の領域を示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施例による第2の領域を示す平面図である。
【
図13】
図13は、本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の一実施例による封止構造物を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例による表示装置をより詳しく説明する。添付の図面上の詳細な構成要素に対しては、同一又は類似の符号を付している。
【0036】
図1は、本発明の一実施例による表示装置を示す断面図である。
【0037】
図1に示しているように、表示装置は、表示パネル100と、封止構造物200と、カラーフィルタ層300と、カバーウィンドウ(WM)と、機能性モジュール400とを含む。
【0038】
表示パネル100は、第1の領域(A1)及び第2の領域(A2)を有する。第1の領域(A1)及び第2の領域(A2)は、いずれも、映像を表示するための表示領域である。第2の領域(A2)は、外光を透過する透過領域を含む。これによって、第2の領域(A2)は、映像を表示し、且つ、第2の領域(A2)に入射される外光を透過させる。第1の領域(A1)と第2の領域(A2)は、互いに隣接して配置される。
【0039】
表示パネル100上には、封止構造物200が配置される。封止構造物200は、酸素、水分などといった不純物が、表示パネル100に含まれた発光素子に流入することを遮断する。また、封止構造物200は、外部の衝撃などから、発光素子を保護する。
【0040】
封止構造物200上には、カラーフィルタ層300が配置される。カラーフィルタ層300は、表示装置に入射される外光の反射を防止する。また、カラーフィルタ層300は、表示パネル100で生成された光を透過し、表示装置が表示する映像の色純度を向上させる。
【0041】
カラーフィルタ層300の上には、カバーウィンドウ(WM)が配置される。カバーウィンドウ(WM)は、表示装置を構成する一連の部分・部品を保護し、表示パネル100で形成された映像が表示される表示面を提供する。
【0042】
表示パネル100の裏面100L上には、機能性モジュール400が配置される。機能性モジュール400は、表示装置の前面の側に位置する物体や対象のイメージを撮影(又は、認識)するためのカメラモジュール、使用者の顔を感知する顔認識センサモジュール、使用者の瞳を感知する瞳孔認識センサモジュール、表示装置の動きを判断する加速度センサモジュール、及び地磁気センサモジュール、表示装置の前面に近接しているか否かを感知する近接センサモジュール及び赤外線センサモジュール、及び、外部の明るさの程度を測定する照度センサモジュールなどを含みうる。
【0043】
機能性モジュール400は、表示パネル100の第2の領域(A2)に重なる。前述したように、第2の領域(A2)は、透過領域を含み、これによって、表示パネル100の裏面100L上に配置される機能性モジュール400が、表示パネル100の第2の領域(A2)に含まれる透過領域を介して、表示装置の前面に位置する対象物又は使用者を、感知又は認識することができる。
【0044】
図2は、本発明の一実施例による表示パネル100を示す平面図である。
図2は、
図1の表示パネル100の一例を示している。
【0045】
図2に示しているように、一実施例において、第2の領域(A2)は、機能性モジュール400と重なる限度内で、平面上、機能性モジュール400の位置によらず、の配置されうる。言い換えると、機能性モジュール400は、平面上、第2の領域(A2)内のある部分に配置される。また、第2の領域(A2)は、平面上、機能性モジュール400の形状によらず、一定の形状を有する。
図2には、第2の領域(A2)が、平面上、第1の領域(A1)の一側に位置し、長方形状を有するものと示しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、第2の領域(A2)は、平面上、第1の領域(A1)を取り囲むように位置するか、台形状など長方形以外の多角形状を有してもよい。これによって、機能性モジュール400の平面形状によらず、機能性モジュール400は、第2の領域(A2)と重なる領域内で、表示パネル100の裏面に接する様々な位置に配置されうる。
【0046】
図3は、本発明の一実施例による第1の領域(A1)を示す平面図である。
図4は、本発明の一実施例による第2の領域(A2)を示す平面図である。
図3は、
図2のI領域の一例を示
し、
図4は、
図2のII領域の一例を示している。
【0047】
図3及び
図4に示しているように、第1の領域(A1)は、第1の画素領域(PA1)及び第1の周辺領域(SA1)を含み、第2の領域(A2)は、第2の画素領域(PA2)、透過領域(TA)、及び第2の周辺領域(SA2)を含む。第1の画素領域(PA1)及び第2の画素領域(PA2)のそれぞれは、画素が配置され、画素のそれぞれで生成された光が放出される領域である。
【0048】
第1の画素領域(PA1)は、互いに異なる色の光を放出する複数の第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)を含み、第2の画素領域(PA2)は、互いに異なる色の光を放出する複数の第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)を含む。一実施例において、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)は、赤色光を放出する第1の赤色画素領域(SRA1)、緑色光を放出する第1の緑色画素領域(SGA1)、及び青色光を放出する第1の青色画素領域(SBA1)を含み、第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)は、赤色光を放出する第2の赤色画素領域(SRA2)、緑色光を放出する第2の緑色画素領域(SGA2)、及び青色光を放出する第2の青色画素領域(SBA2)を含む。
【0049】
透過領域(TA)は、表示パネル100に入射される外光を透過する領域である。第2の領域(A2)が外光を透過する透過領域(TA)を含むことによって、表示パネル100の裏面上に配置された、第2の領域(A2)に重なる機能性モジュール400が、透過領域(TA)を介して、表示装置の前面側に位置する対象物又は使用者を感知又は認識することができる。第1の周辺領域(SA1)は、海状に連続して、多数の島状の第1の画素領域(PA1)を取り囲む。第2の周辺領域(SA2)は、海状に連続して、多数の島状の第2の画素領域(PA2)及び透過領域(TA)を取り囲む。第1の周辺領域(SA1)及び第2の周辺領域(SA2)は、いずれも、光が放出されず、かつ、外光が透過されない領域である。
【0050】
第2の領域(A2)が透過領域(TA)を含むことによって、透過領域(TA)を含めた画素領域(PA1)の単位面積当たりでの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、画素領域(PA2)の単位面積当たりでの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数よりも小さい。言い換えると、第2の領域(A2)の解像度は、第1の領域(A1)の解像度よりも低い。
【0051】
一実施例において、単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数の1/2である。例えば、
図3及び
図4に示しているように、一定のサイズの単位面積(UA)当たりでの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数が16である場合、一定のサイズの単位面積(UA)当たりでの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、8である。
【0052】
第1の領域(A1)において、第1の緑色画素領域(SGA1)は、第1の赤色画素領域(SRA1)から見て、第1の方向(DR1)へと離間して、又は第1の方向(DR1)に直交する第2の方向(DR2)へと離間して位置しうる。また、第1の青色画素領域(SBA1)は、第1の赤色画素領域(SRA1)から見て、第1の方向(DR1)と第2の方向(DR2)との間の第3の方向(DR3)へと離間して、又は第3の方向(DR3)に直交する第4の方向(DR4)へと離間して位置しうる。例えば、第3の方向(DR3)は、第1の方向(DR1)に対して、時計回りに約45度の角度をなし、第4の方向(DR3)は、第2の方向(DR2)に対して、時計回りに約45度の角度をなすのでありうる。
【0053】
一実施例において、第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の配列構造は、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の配列構造と実質的に同一である。この場合、第2の領域(A2)において、第2の緑色画素領域(SGA2)は、第2の赤色画素領域(SRA2)から見て、第1の方向(DR1)又は第2の方向(DR2)へと離間して位置する。また、第2の青色画素領域(SBA2)は、第2の赤色画素領域(SRA2)から見て、第3の方向(DR3)又は第4の方向(DR4)へと離間して位置する。
【0054】
一実施例において、第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)のそれぞれ(各島状領域)の面積は、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)のそれぞれ(各島状領域)の面積と実質的に同一である。例えば、第2の赤色画素領域(SRA2)の面積、第2の緑色画素領域(SGA2)の面積、及び第2の青色画素領域(SBA2)の面積はそれぞれ、第1の赤色画素領域(SRA1)の面積、第1の緑色画素領域(SGA1)の面積、及び第1の青色画素領域(SBA1)の面積と実質的に同一である。
【0055】
図5は、本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
図5は、
図4のIII-III’線に沿った第2の領域(A2)の一例を示している。
【0056】
図5には、第2の領域(A2)の断面構造が示されているが、第1の領域(A1)の断面構造は、透過領域(TA)を除き、第2の領域(A2)の断面構造と実質的に同一である。言い換えると、第1の画素領域(PA1)の断面構造及び第1の周辺領域(SA1)の断面構造はそれぞれ、第2の画素領域(PA2)の断面構造及び第2の周辺領域(SA2)の断面構造と実質的に同一である。
【0057】
図5に示しているように、表示装置は、表示パネル100と、封止構造物200と、カラーフィルタ層300と、オーバーコート層500とを含む。表示パネル100は、基板110と、複数の導電層120、131、132、141、142、143と、複数の無機絶縁層125、135、有機絶縁層145と、画素電極150と、画素区画膜160と、発光層170と、対向電極180とを含む。
【0058】
基板110は、透明な絶縁性基板である。例えば、基板110は、ガラス、石英、プラスチックなどからなる。
【0059】
基板110上には、互いに異なる層に位置する導電層120、131、132、141、142、143が配置される。導電層120、131、132、141、142、143は、活性層120と、ゲート線131と、ゲート電極132と、データ線141と、ソース電極142と、ドレイン電極143とを含む。また、基板110上には、互いに異なる層に位置し、導電層120、131、132、141、142、143を互いに絶縁させる無機絶縁層125、135が配置される。無機絶縁層125、135は、ゲート絶縁層125と、層間絶縁層135とを含む。
【0060】
基板110上には、活性層120が配置される。活性層120は、非晶質シリコン、多結晶シリコン、酸化物半導体などで形成される。活性層120は、ソース領域と、ドレイン領域と、ソース領域とドレイン領域の間に配置されるチャンネル領域とを含む。ソース領域及びドレイン領域には、P型又はN型不純物がドープされ、チャンネル領域には、ソース領域及びドレイン領域にドープされた不純物とは異なるタイプの不純物がドープされうる。
【0061】
活性層120上には、ゲート絶縁層125が配置される。ゲート絶縁層125は、活性層120を覆うようにして、基板110上に形成される。ゲート絶縁層125は、活性層120から、ゲート線131及びゲート電極132を絶縁させる。ゲート絶縁層125は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物などといった無機絶縁物質で形成されうる。
【0062】
ゲート絶縁層125上には、ゲート線131及びゲート電極132が配置される。ゲート線131は、一方向に延在され、ゲート信号を転送する。ゲート電極132は、活性層120のチャンネル領域に重なる。ゲート線131及びゲート電極132は、金属、金属の合金などといった導電物質で形成されうる。
【0063】
ゲート線131及びゲート電極132上には、層間絶縁層135が配置される。層間絶縁層135は、ゲート線131及びゲート電極132を覆って、ゲート絶縁層125上に形成される。層間絶縁層135は、ゲート線131及びゲート電極132から、データ線141、ソース電極142、及びドレイン電極143を絶縁させる。層間絶縁層135は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、シリコン酸窒化物などといった無機絶縁物質で形成されうる。
【0064】
層間絶縁層135上には、データ線141、ソース電極142、及びドレイン電極143が配置される。データ線141は、ゲート線131に交差する方向に沿って延び、データ信号を転送する。ソース電極142は、活性層120のソース領域に連結され、ドレイン電極143は、活性層120のソース領域に連結される。データ線141、ソース電極142、及びドレイン電極143は、金属、金属の合金などといった導電物質で形成されうる。活性層120、ゲート電極132、ソース電極142、及びドレイン電極143は、トランジスタ(TR)を形成する。
【0065】
データ線141、ソース電極142、及びドレイン電極143の上には、有機絶縁層145が配置される。有機絶縁層145は、データ線141、ソース電極142、及びドレイン電極143を覆うように、層間絶縁層135の上に形成される。有機絶縁層145は、ゲート線131、データ線141、及びトランジスタ(TR)を保護し、これらの上部に平坦な面を提供する。有機絶縁層145は、ポリイミド(PI)などといった有機絶縁物質で形成されうる。
【0066】
有機絶縁層145の上には、画素電極150が配置される。画素電極150は、ソース電極142又はドレイン電極143に連結される。画素電極150は、第1の画素領域及び第2の画素領域(PA2)に対応して形成される。画素電極150は、金属、透明導電性酸化物などといった導電物質で形成される。
【0067】
画素電極150の上には、画素区画膜160が配置される。画素区画膜160は、画素電極150の中心部を露出する画素開口を含み、第1の画素領域及び第2の画素領域(PA2)を区画する。また、画素区画膜160は、画素電極150の縁部から対向電極180を離隔することで、画素電極150の縁部と対向電極180との間にアークが発生することを防止することができる。画素区画膜160は、ポリイミド(PI)などといった有機絶縁物質で形成されうる。
【0068】
画素電極150上には、発光層170が配置される。発光層170は、画素開口によって露出する画素電極150上に配置される。発光層170は、有機発光物質及び量子点の少なくとも1つを含む。
【0069】
一実施例において、有機発光物質は、低分子有機化合物又は高分子有機化合物を含む。例えば、低分子有機化合物としては、銅フタロシアニン(copper phthalocyanine)、ジフェニルベンジジン(N、N’-diphenylbenzidine)、トリスヒドロキシキノリンアルミニウム(tris-(8-hydroxyquinoline)aluminum)などを含みうるのであり、高分子有機化合物は、ポリエチレンジオキシチオフェン(poly(3,4-ethylene dioxythiophene)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリフェニレンビニレン(poly-phenylene vinylene)、ポリフルオレン(polyfluorene)などを含みうる。
【0070】
一実施例において、量子点は、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びこれらの組み合わせから選ばれる化合物を含むコアを含む。一実施例において、量子点は、コア、及びコアを取り囲むシェルを含むコア-シェル構造を有する。シェルは、コアの化学的変性を防止して、半導体特性を維持するための保護層の役割、及び量子点に電気泳動特性を付与するための充電層(charging layer)の役割を果たす。
【0071】
発光層170上には、対向電極180が配置される。対向電極180は、画素区画膜160上にも配置される。対向電極180は、発光層170を挟んで、画素電極150に対向する。対向電極180は、金属、透明な導電性酸化物などといった導電物質で形成されうる。画素電極150、発光層170、及び対向電極180は、発光素子(LE)を形成する。
【0072】
一実施例において、表示パネル100は、対向電極180上に配置される機能層190を更に含む。機能層190は、発光素子(LE)から放出される光の効率を増加させて、発光素子(LE)を保護することができる。機能層190の構成については、後述する
図6を参照して説明する。
【0073】
表示パネル100は、透過領域(TA)に重なる透過窓(TW)を含む。透過窓(TW)は、透過領域(TA)に重なる表示パネル100の構成の開口と定義することができる。一実施例において、透過窓(TW)は、表示パネル100に含まれる絶縁層(例えば、ゲート絶縁層125、層間絶縁層135、有機絶縁層145、及び画素区画膜160など)の少なくとも1つに形成される。
【0074】
有機絶縁層145、画素区画膜160、及び対向電極180の少なくとも一つは、透過領域(TA)に重なる開口を有する。また、対向電極180上に機能層190が配置される場合、機能層190は、透過領域(TA)に重なる開口を有する。
【0075】
一実施例において、機能層190、対向電極180、画素区画膜160、及び有機絶縁層145はそれぞれ、透過領域(TA)に重なる第1の開口(OP1)、第2の開口(OP2)、第3の開口(OP3)、及び第4の開口(OP4)を有する。この場合、機能層190の第1の開口(OP1)、対向電極180の第2の開口(OP2)、画素区画膜160の第3の開口(OP3)、及び有機絶縁層145の第4の開口(OP4)は、透過窓(TW)を形成する。
【0076】
透過領域(TA)内に絶縁層が積層される場合、隣接する絶縁層の間の界面にて反射される、外光の反射率が増加する。また、透過領域(TA)内に導電層が配置される場合、導電層による外光の反射率が増加する。しかし、本発明の実施例による表示パネル100が透過領域(TA)に重なる透過窓(TW)を含むことによって、透過領域(TA)内における、隣接する絶縁層同士の間での界面の数が減少するか、または、透過領域(TA)内に配置される導電層の面積が減少する。これによって、隣接する絶縁層同士の間の界面、又は、導電層に起因した外光の反射を低減させることができ、外光の反射率が減少しうる。
【0077】
表示パネル100上には、封止構造物200が配置される。封止構造物200は、少なくとも1つの無機層と、少なくとも1つの有機層とを含む。
【0078】
封止構造物200における、第1の画素領域、第1の周辺領域、第2の画素領域(PA2)、及び第2の周辺領域(SA2)の一連の領域に重なる部分は、発光素子(LE)上に配置されて、外部からの不純物が発光素子(LE)に流入することを遮断し、外部の衝撃から、発光素子(LE)を保護することができる。また、封止構造物200における透過領域(TA)に重なる部分は、透過窓(TW)を満たすのでありうる。封止構造物200は、第1の画素領域、第1の周辺領域、第2の画素領域(PA2)、透過領域(TA)、及び第2の周辺領域(SA2)に亘って、平坦な上面を有する。封止構造物200の構成については、後述する
図6を参照して説明する。
【0079】
封止構造物200上には、カラーフィルタ層300が配置される。カラーフィルタ層300は、カラーフィルタ310と、ブラックマトリックス320とを含む。
【0080】
カラーフィルタ310は、第1の画素領域及び第2の画素領域(PA2)に重なる。カラーフィルタ310は、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ、及び青色カラーフィルタを含む。赤色カラーフィルタは、第1の赤色画素領域及び第2の赤色画素領域に重なり、緑色カラーフィルタは、第1の緑色画素領域及び第2の緑色画素領域に重なり、青色カラーフィルタは、第1の青色画素領域及び第2の青色画素領域に重なる。
【0081】
カラーフィルタ310は、カラーフィルタ310に入射される外光のうち、自身が有する色の波長帯を除く残りの波長帯の光を吸収する。これによって、発光素子(LE)から放出された光がカラーフィルタ310を通して外部に放出される時、他の波長帯の外光と混ざらないため、カラーフィルタ310は、外光反射を防止すると共に、発光素子(LE)から放出される光の色純度を向上することができる。カラーフィルタ310は、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などで形成されうる。
【0082】
ブラックマトリックス320は、第1の周辺領域及び第2の周辺領域(SA2)に重なる。ブラックマトリックス320は、黒色を有する。ブラックマトリックス320は、ブラックマトリックス320に入射される外光の殆どを吸収することができる。これによって、ブラックマトリックス320は、外光反射を防止することができる。ブラックマトリックス320は、クロム(Cr)、クロム酸化物(CrOx)、クロム窒化物(CrNx)、カーボンブラック、顔料混合物、染料混合物などで形成されうる。
【0083】
封止構造物200上には、オーバーコート層500が配置される。オーバーコート層500は、少なくとも透過領域(TA)に重なって、カラーフィルタ層300による封止構造物200上の段差を緩和させる。オーバーコート層500は、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などで形成されうる。
【0084】
一実施例において、オーバーコート層500は、カラーフィルタ310及びブラックマトリックス320を覆い、平坦な上面500Uを有する。この場合、オーバーコート層500は、第1の画素領域、第1の周辺領域、第2の画素領域(PA2)、透過領域(TA)、及び第2の周辺領域(SA2)の全てに重なる。オーバーコート層500は、カラーフィルタ310及びブラックマトリックス320を保護して、カラーフィルタ310及びブラックマトリックス320の信頼性を向上させる。
【0085】
従来技術による表示装置は、外光反射を防止するために、表示パネル100上に配置される偏光層を含む。このような偏光層が透過領域(TA)に重なる場合、透過領域(TA)の透過度を減少させうるのであり、これによって、機能性モジュールが重なる第2の領域(A2)の透過度が減少しうる。しかし、本発明の実施例による表示装置は、外光反射を防止するために、第1の画素領域及び第2の画素領域(PA2)に重なるカラーフィルタ310と、第1の周辺領域及び第2の周辺領域(SA2)に重なるブラックマトリックス320とを含む。カラーフィルタ310及びブラックマトリックス320が透過領域(TA)に重ならないため、透過領域(TA)の透過度が増加し、これによって、機能性モジュールが重なる第2の領域(A2)での透過度が増加する。
【0086】
図6は、本発明の一実施例による封止構造物200を示す断面図である。
図6は、
図5の封止構造物200の一例を示している。
【0087】
図5及び
図6に示しているように、機能層190上には、封止構造物200が配置される。機能層190は、キャッピング層191と、キャッピング層191上に配置されるカバー層192とを含む。キャッピング層191は、屈折率マッチングにより、発光素子(LE)から放出される光の効率を向上させる。カバー層192は、プラズマなどを用いる、後に続く工程にて、発光素子(LE)の損傷を防止することができる。キャッピング層191は、有機物質を含み、カバー層192は、フッ化リチウム(LiF)を含むのでありうる。
【0088】
封止構造物200は、第1の無機層210と、有機層220と、第2の無機層230とを含む。有機層220は、第1の無機層210上に配置され、第2の無機層230は、有機層220上に配置される。
【0089】
第1の無機層210及び第2の無機層230は、発光素子(LE)に、酸素、水分などといった不純物が浸透することを遮断するか又は減少させることができる。有機層220は、封止構造物200の封止特性を向上させ、第1の無機層210及び第2の無機層230の内部応力を緩和し、第1の無機層210及び第2の無機層230の欠陥を補って、第2の無機層230に対し平坦な上面を提供する。
【0090】
一実施例において、第1の無機層210と有機層220との間の屈折率の差、及び、有機層220と第2の無機層230との間の屈折率の差は、約0.2以上である。例えば、第1の無機層210は、シリコン窒化物(SiNx)又はシリコン酸窒化物(SiOxNy)を含み、約1.78の屈折率を有し、有機層220は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などといった有機物質を含み、約1.53の屈折率を有し、第2の無機層230は、シリコン窒化物(SiNx)を含み、約1.94の屈折率を有する。封止構造物200に含まれる隣接する層同士の間の屈折率の差が大きい場合、隣接する層同士の間の界面にて外光が反射される率(外光の反射率)が増加する。
【0091】
一実施例において、封止構造物200は、更に、第1の無機層210と有機層220の間に配置される第1の低屈折無機層240と、有機層220と第2の無機層230の間に配置される第2の低屈折無機層250とを含む。
【0092】
第1の低屈折無機層240の屈折率は、第1の無機層210の屈折率よりも小さく、有機層220の屈折率よりも大きい。例えば、第1の低屈折無機層240の屈折率は、約1.66である。第2の低屈折無機層250の屈折率は、有機層220の屈折率より大きく、第2の無機層230の屈折率よりも小さい。例えば、第2の低屈折無機層250の屈折率は、約1.71である。
【0093】
第1の低屈折無機層240及び第2の低屈折無機層250は、いずれも、シリコン酸窒化物(SiOxNy)を含む。第1の低屈折無機層240及び第2の低屈折無機層250のそれぞれに含まれた、シリコン酸窒化物(SiOxNy)についての酸素と窒素の割合を変化させることで、第1の低屈折無機層240及び第2の低屈折無機層250のそれぞれの屈折率を調節することができる。例えば、シリコン酸窒化物(SiOxNy)において、窒素の割合が相対的に高い場合、屈折率が増加し、シリコン酸窒化物(SiOxNy)において、酸素の割合が相対的に高い場合、屈折率が減少する。
【0094】
第1の無機層210と有機層220との間に第1の低屈折無機層240が配置され、有機層220と第2の無機層230との間に第2の低屈折無機層250が配置されることによって、封止構造物200に含まれた、隣接する層同士の間の屈折率の差が、約0.2よりも小さい。これによって、隣接する層間の界面より反射される外光の反射率が減少する。そこで、封止構造物200の透過領域(TA)に重なる部分における透過度が増加し、これによって、機能性モジュールが重なる第2の領域(A2)の透過度が増加することになる。
【0095】
一実施例において、封止構造物200は、第2の無機層230上に配置される第3の低屈折無機層260を更に含む。第3の低屈折無機層260の屈折率は、第2の無機層230の屈折率よりも小さい。例えば、第3の低屈折無機層260の屈折率は、約1.71である。第3の低屈折無機層260は、シリコン酸窒化物(SiOxNy)を含むのでありうる。
【0096】
封止構造物200上には、封止構造物200上に配置される表示装置の構成を、封止構造物200の上面に付着するための接着層(ADL)が配置される。接着層(ADL)は、減圧接着剤(pressure sensitive adhesive、PSA)、透明接着剤(optically clear adhesive、OCA)などの層でありうるのであり、接着層(ADL)の屈折率は、例えば約1.53である。
【0097】
第2の無機層230上に、第2の無機層230との屈折率の差が大きい接着層(ADL)が直接に配置される場合、第2の無機層230と接着層(ADL)との間の界面にて反射される外光の反射率が増加する。しかし、本実施例において、第2の無機層230と接着層(ADL)との間に第3の低屈折無機層260が配置されるため、第2の無機層230と第3の低屈折無機層260との間の界面、及び第3の低屈折無機層260と接着層(ADL)との間の界面のそれぞれにて反射される比率を合計した、トータルの外光の反射率は、第3の低屈折無機層260がない場合に比べて減少する。
【0098】
図7は、本発明の一実施例による表示パネルを示す平面図である。
図7は、
図1の積層構造を有する表示パネル100についての他の例を示している。
【0099】
図7に示しているように、一実施例において、第2の領域(A2)は、平面上、機能性モジュール400の位置に対応して配置される。言い換えれば、機能性モジュール400は、平面上、第2の領域(A2)に対応して配置される。また、第2の領域(A2)は、平面上、機能性モジュール400の形状と実質的に同一の形状を有する。
図7に示しているように、機能性モジュール400が円状の平面形状を有し、平面図で見た場合に、表示パネル100の縁から離隔して表示パネル100内に配置される場合、第2の領域(A2)は、機能性モジュール400の配置箇所に対応して位置し、円状の平面形状を有する。この場合、第1の領域(A1)は、第2の領域(A2)の少なくとも一部を取り囲む。これによって、相対的に解像度の低い第2の領域(A2)の面積が減少し、相対的に解像度の高い第1の領域(A1)の面積が増加する。
【0100】
【0101】
図8、
図9、及び
図10を参照して説明する実施例による第2の領域(A2)において、
図4を参照して説明した一実施例による第2の領域(A2)と同様の構成に関する説明は、省略する。
【0102】
図3と、
図8、
図9、及び
図10とを対比すれば知られるように、これらの図により示される実施例において、単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数の1/4、1/9、又は1/16である。一実施例において、
図3及び
図8の組み合わせにより示されるように、一定のサイズの単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数が16である場合、一定のサイズの単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、4である。
【0103】
一実施例において、
図3及び
図9の組み合わせにより示されるように、一定のサイズの単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数が36である場合、一定のサイズの単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、4である。一実施例において、
図3及び
図10の組み合わせにより示されるように、一定のサイズの単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数が64である場合、一定のサイズの単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数は、4である。
【0104】
単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数に対する単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数の比が減少するほど、透過領域(TA)の面積の割合が増加する。そこで、透過領域(TA)の面積の割合が増加するほど、第2の領域(A2)の透過度が増加する。一方、単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数に対する単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数の比が増加するほど、第2の画素領域(PA2)の面積の割合が増加する。したがって、第2の画素領域(PA2)の面積の割合が増加するほど、第2の領域(A2)の解像度が増加する。
【0105】
【0106】
図11及び
図12を参照して説明する実施例による第2の領域(A2)において、
図4を参照して説明した一実施例による第2の領域(A2)と同様の構成に関する説明は、省略する。
【0107】
図3と、
図11及び
図12とを対比すれば知られるように、これらの図により示される実施例において、第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の配列構造は、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の配列構造と異なる。一実施例において、
図11に示しているように、第2の領域(A2)中、第2の緑色画素領域(SGA2)は、第2の赤色画素領域(SRA2)に対し、第3の方向(DR3)から隣接するように位置する。また、第2の青色画素領域(SBA2)は、第2の緑色画素領域(SGA2)に対し、第3の方向(DR3)から隣接するように位置する。一実施例において、
図12に示しているように、第2の領域(A2)において、第2の緑色画素領域(SGA2)は、第2の赤色画素領域(SRA2)に対し、第4の方向(DR4)から隣接するように位置する。また、第2の青色画素領域(SBA2)は、第2の赤色画素領域(SRA2)及び第2の緑色画素領域(SGA2)に対し、第3の方向(DR3)から隣接するように位置する。
【0108】
一実施例において、第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)のそれぞれ(各サブ画素領域)の面積は、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)のそれぞれ(各サブ画素領域)の面積よりも大きい。例えば、第2の赤色画素領域(SRA2)の面積、第2の緑色画素領域(SGA2)の面積、及び第2の青色画素領域(SBA2)の面積は、それぞれ、第1の赤色画素領域(SRA1)の面積、第1の緑色画素領域(SGA1)の面積、及び第1の青色画素領域(SBA1)の面積よりも大きい。
【0109】
第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)のそれぞれの面積が、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)のそれぞれの面積と実質的に同一である場合、単位面積当たりの第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)の数が、単位面積当たりの第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)の数よりも少ない。そのため、第2の領域(A2)に表示される映像の明るさを、第1の領域(A1)に表示される映像の明るさと実質的に同一にするためには、第2の画素領域(PA2)に配置される発光素子より放出される光の輝度が、第1の画素領域(PA1)に配置される発光素子より放出される光の輝度よりも大きいのでありうる。この場合、第2の画素領域(PA2)に配置される発光素子の寿命が減少する。
【0110】
しかし、本実施例において、第2のサブ画素領域(SRA2, SGA2, SBA2)のそれぞれ(各サブ画素領域)の面積が、第1のサブ画素領域(SRA1, SGA1, SBA1)のそれぞれ(各サブ画素領域)の面積よりも大きい。そのため、第2の画素領域(PA2)に配置される発光素子より放出される光の輝度が、第1の画素領域(PA1)に配置される発光素子より放出される光の輝度と実質的に同一であったとしても、第2の領域(A2)に表示される映像の明るさが、第1の領域(A1)に表示される映像の明るさと実質的に同一でありうる。これによって、第2の画素領域(PA2)に配置される発光素子の寿命が増加する。
【0111】
図13は、本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
図13は、
図4のIII-III’線に沿った第2の領域(A2)の他の例を示している。
【0112】
図13を参照して説明する一実施例による表示装置は、
図5を参照して説明した一実施例による表示装置と、ゲート絶縁層1125及び層間絶縁層1135の構造を除いて、実質的に同一である。したがって、
図13を参照して説明する、一実施例による表示装置に関して、
図5を参照して説明した一実施例による表示装置と同様の構成に関する説明は、省略する。
【0113】
図13に示しているように、ゲート絶縁層1125、層間絶縁層1135、有機絶縁層145、画素区画膜160、及び対向電極180の少なくとも1つは、透過領域(TA)に重なる開口を有する。
【0114】
一実施例において、機能層190、対向電極180、画素区画膜160、有機絶縁層145、層間絶縁層1135、及びゲート絶縁層1125はそれぞれ、透過領域(TA)に重なる第1の開口(OP1)、第2の開口(OP2)、第3の開口(OP3)、第4の開口(OP4)、第5開口(OP5)、及び第6開口(OP6)を有する。この場合、機能層190の第1の開口(OP1)、対向電極180の第2の開口(OP2)、画素区画膜160の第3の開口(OP3)、有機絶縁層145の第4の開口(OP4)、層間絶縁層1135の第5開口(OP5)、及びゲート絶縁層1125の第6開口(OP6)は、透過窓(TW)を形成する。
【0115】
図14は、本発明の一実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
図14は、
図4のIII-III’線に沿った第2の領域(A2)の他の例を示している。
【0116】
図14を参照して説明する一実施例による表示装置は、
図13を参照して説明した一実施例による表示装置と、画素区画膜1160の構造を除いて、実質的に同一である。これによって、
図14を参照して説明する一実施例による表示装置において、
図13を参照して説明した一実施例による表示装置と同様な構成に関する説明は、省略する。
【0117】
図14に示しているように、画素区画膜1160は、黒色を有する。画素区画膜1160は、画素区画膜1160に入射する外光の殆どを吸収する。これによって、画素区画膜1160は、外光反射を防止することができる。画素区画膜1160は、カーボンブラック、フェニレンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、ニグロシンブラック、ブラック樹脂などで形成されうる。
【0118】
一実施例において、画素区画膜1160は、一部が透過領域(TA)の縁部に位置し、特には、この箇所にて、導電層120、131、132、141、142、143、無機絶縁層1125、1135、及び有機絶縁層145が重ね合わされた部分に覆い重なる。例えば、
図14に示しているように、ゲート線131、ゲート絶縁層1125、層間絶縁層1135、及び有機絶縁層145の一部が、透過領域(TA)の縁部に重なる場合、画素区画膜1160は、透過領域(TA)の縁部にて重ね合わされる、ゲート線131、ゲート絶縁層1125、層間絶縁層1135、及び有機絶縁層145についての前記一部に重なる。したがって、透過領域(TA)を通り抜ける外光が、透過領域(TA)の縁部にて、この箇所に位置する導電層120、131、132、141、142、143、無機絶縁層1125、1135、及び有機絶縁層145の一部によって、回折されて、透過領域(TA)の透過度が減少するということを防止できる。
【0119】
図15及び
図16は、本発明の実施例による表示装置の一部を示す断面図である。
図15及び
図16は、
図4のIII-III’線に沿った第2の領域(A2)の他の例を示している。
【0120】
図15及び
図16を参照して説明する実施例による表示装置は、
図13を参照して説明した一実施例による表示装置と、遮光層600の追加を除き、実質的に同一である。したがって、
図15及び
図16を参照して説明する実施例による表示装置に関して、
図13を参照して説明した一実施例による表示装置と同様の構成に関する説明は、省略する。
【0121】
図15及び
図16に示しているように、表示装置は、少なくとも第1の周辺領域及び第2の周辺領域(SA2)に重なる遮光層600を含む。例えば、遮光層600は、第1の周辺領域、第2の周辺領域(SA2)、及び第1の周辺領域と第2の周辺領域(SA2)に隣接する透過領域(TA)の縁部に重なる。
【0122】
一実施例において、
図15に示しているように、遮光層600は、ブラックマトリックス320上に配置される。例えば、遮光層600は、ブラックマトリックス320を覆うように、封止構造物200上に配置される。他の実施例において、
図16に示しているように、遮光層600は、封止構造物200とブラックマトリックス320との間に配置される。
【0123】
一実施例において、遮光層600は、黒色を有する。この場合、遮光層600は、遮光層600に入射される外光の殆どを吸収し、これによって、遮光層600は、外光反射を防止することができる。例えば、遮光層600は、クロム(Cr)、クロム酸化物(CrOx)、クロム窒化物(CrNx)、カーボンブラック、顔料混合物、染料混合物などで形成されうる。他の実施例において、遮光層600は、金属を含む。
【0124】
一実施例において、遮光層600は、一部が透過領域(TA)の縁部に位置し、特には、この箇所にて、導電層120、131、132、141、142、143、無機絶縁層1125、1135、有機絶縁層145、画素区画膜160、及び対向電極180が重ね合わされた部分に覆い重なる。例えば、
図15及び
図16に示しているように、ゲート線131、ゲート絶縁層1125、層間絶縁層1135、有機絶縁層145、及び画素区画膜160の一部が、透過領域(TA)の縁部に重なる場合、遮光層600は、透過領域(TA)の縁部にて重ね合わされるゲート線131、ゲート絶縁層1125、層間絶縁層1135、有機絶縁層145、及び画素区画膜160についての前記一部に重なる。したがって、透過領域(TA)を通り抜ける外光が、透過領域(TA)のの縁部にて、この箇所に位置する導電層120、131、132、141、142、143、無機絶縁層1125、1135、有機絶縁層145、画素区画膜160、及び対向電極180の一部によって、回折されて、透過領域(TA)の透過度が減少するということを防止できる。
【0125】
図17は、本発明の一実施例による封止構造物200を示す断面図である。
図17は、
図5の封止構造物200の他の例を示している。
【0126】
図17を参照して説明する一実施例による封止構造物200において、
図6を参照して説明した一実施例による封止構造物200と同様の構成に関する説明は、省略する。
【0127】
図17に示しているように、機能層190上には、封止構造物200が配置される。封止構造物200は、第1の無機層1210と、有機層1220と、第2の無機層1230とを含む。有機層1220は、第1の無機層1210上に配置され、第2の無機層1230は、有機層1220上に配置される。
【0128】
一実施例において、第1の無機層1210と有機層1220の間の屈折率の差、及び有機層1220と第2の無機層1230の間の屈折率の差は、約0.2以下である。例えば、第1の無機層1210は、シリコン酸窒化物(SiOxNy)を含み、約1.60の屈折率を有しており、有機層1220は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などといった有機物質を含み、約1.53の屈折率を有しており、第2の無機層1230は、シリコン窒化物(SiNx)を含み、約1.60の屈折率を有する。
【0129】
第1の無機層1210及び第2の無機層1230のそれぞれに含まれたシリコン酸窒化物(SiOxNy)の酸素と窒素の割合を変化させて、第1の無機層1210及び第2の無機層1230のそれぞれの屈折率を調節することができる。例えば、シリコン酸窒化物(SiOxNy)において、窒素の割合が相対的に高い場合、屈折率が増加し、シリコン酸窒化物(SiOxNy)において、酸素の割合が相対的に高い場合、屈折率が減少する。したがって、第1の無機層1210及び第2の無機層1230のそれぞれに含まれたシリコン酸窒化物(SiOxNy)において、酸素の割合が増加する場合、第1の無機層1210及び第2の無機層1230の屈折率が減少するのであり、これによって、第1の無機層1210と有機層1220の間の屈折率の差、及び、有機層1220と第2の無機層1230の間の屈折率の差が、約0.2以下となりうる。したがって、第1の無機層1210と有機層1220との間の界面、及び有機層1220と第2の無機層1230との間の界面にて反射される外光の比率(反射率)が減少する。この結果、封止構造物200における透過領域(TA)に重なる部分での透過度が増加し、これによって、機能性モジュールが重なる第2の領域(A2)での透過度が増加する。
【0130】
好ましい一実施形態によると、下記のとおりである。
【0131】
好ましい具体的な一実施形態によると、本件の課題・背景は下記(i)~(vi)のとおりである。
【0132】
(i) スマートホンやタブレットPCなどのモバイル端末では、表示パネルの背面側に、カメラや光学センサーを配置し、このような光学モジュールを配置した箇所について、表示パネルに孔を開けるか、金属パターンなどを設けないことで、光透過性とすることが行われていた。
【0133】
(ii) しかし、そのような方式であると、画像表示面中、島状に非表示部分が生じてしまうので、望ましくない。
そこで、光学モジュールを配置した箇所について、必要な程度に光を透過させつつ、画像も表示する半透過・半表示領域とすることが提案されている。
(US2019/0130822A; 「先行文献2」の対応米国出願)
【0134】
(iii) US2019/0130822AのFig.10A~10B、並びにFig.11~13には、R,G,Bの3つのサブ画素からなる矩形状のフルカラー画素と、これと同一の寸法及び形状を有する矩形の透過領域とを、画素行方向(Fig.10AのX方向)及び画素列方向(Fig.10AのY方向)に交互に配列すること、すなわち、市松模様(checkered pattern)状に配列することが示されている。
【0135】
この透過領域では、Fig.10B並びにFig.11~13に示されるように、有機発光表示素子が省かれている。また、Fig.11の例では、透過領域で、配線が省かれている。しかし、Fig.10Bに示されるように、積層絶縁膜は、透過領域にも、サブ画素を配列した領域と全く同様に形成される。
【0136】
(iv) 一方、モバイル端末は、野外や強い照明光の環境で使用されることもあり、照明光などの外光の映り込みを防止する必要がある。
ところが、特には、有機発光表示装置(OLED)では、有機発光素子の配置箇所に、多数の絶縁膜が積層しており、層同士の界面で、反射が生じうる。そこで、互に接触して重ねられる絶縁膜同士の屈折率差を小さくすることも提案されている。(US10,062,865B)
【0137】
(v) 本件発明者らは、画像表示面の中に島状に半透過・半表示領域を形成させた表示装置の表示性能を向上させるべく鋭意検討する中で、画像表示・光透過領域における外光反射を一層低減させるべきことに気づいた。島状の半透過・半表示領域は、通常、面積が小さいものの、外光反射率が周囲の領域よりも高いと、これらの境界が視認されてしまうなどの問題が生じ得ることに気づいたのである。
【0138】
(vi) すなわち、島状の半透過・半表示領域にて、周囲の領域との差が目立たない程度の品質(解像度及び輝度)で画像表示を行うとともに、光透過率を高く保ち、外光の映り込みを防止することができるようにする必要がある。
【0139】
上記課題を解決すべく、特に好ましい一実施形態において、下記A1~A7のとおりとする。また、下記B1~B4の少なくとも一つとすることができる。
【0140】
A1 発光素子(LE)を封止する封止層(「封止構造物200」)を配置するより前の構造体を「表示パネル100」と呼ぶならば、「表示パネル100」の「基板110」上の積層膜は、半透過・半表示領域(「第2の領域(A2)」)中の透過領域(TA)にて省かれて、「透過窓(TW)」を形成する。(本願
図13~16)
なお、ゲート絶縁膜125及び層間絶縁膜135は、透過領域(TA)中に残しても良い(本願
図5)。
【0141】
A2 「透過窓(TW)」は、封止層(「封止構造物200」)によって埋められる。したがって、封止層(「封止構造物200」)に含まれる有機層が、省かれた積層膜の厚みの分だけ、画素配置領域よりも厚く形成される。
【0142】
A3 半透過・半表示領域(「第2の領域(A2)」)中、平面図で見て、島状の各サブ画素、及び、矩形状の各透過領域(TA)を、海状に連続して延びる遮光パターン(第1の周辺領域(SA1))が取り囲むようにする。
すなわち、平面図で見て、サブ画素同士の間、透過領域(TA)同士の間、及び、サブ画素と透過領域(TA)との間には、必ず、遮光パターン(第1の周辺領域(SA1))が介在されるようにする。
なお、この遮光パターン(第1の周辺領域(SA1)は、通常表示領域(「第1の領域(A1)」)中にて各サブ画素を取り囲む遮光パターン(第2の周辺領域(SA1))と全く同様とすることができる。
【0143】
A4 半透過・半表示領域(「第2の領域(A2)」)中の画素領域(PA2)内では、発光表示部分の面積割合が、通常表示領域(「第1の領域(A1)」)内におけるよりも、高くなるようにする。特には、半透過・半表示領域(「第2の領域(A2)」)内の画素領域(PA2)中にて、各サブ画素の面積が、通常表示領域(「第1の領域(A1)」)内におけるよりも、大きくなるようにする。
【0144】
A5 通常表示領域(「第1の領域(A1)」)及び画素領域(PA2)の全面には、封止層(「封止構造物200」)を覆うように、カラーフィルタ層300が配置され、これを覆うように、オーバーコート層500が配置される。オーバーコート層500は、透過領域(TA)も含めて、画像表示面の全体を覆い、カラーフィルタ層300の縁の段差をも吸収することで、平坦な上面500Uをなす。
【0145】
A6 各透過領域(TA)の縁部では、画素区画膜160が、平坦化膜(有機絶縁層145)を覆っている。したがって、各透過領域(TA)の周壁は、大部分が、画素区画膜160により形成されている。
(本願
図5及び13~16)
【0146】
A7 画素区画膜160は、少なくとも、露出する表面の部分が、黒色である。例えば、画素区画膜160の材料中に、カーボンブラックなどの黒色顔料が含まれるか、表面が、染料またはインクでもって染色または着色されている。
【0147】
B1 封止層(「封止構造物200」)は、厚みの大きい有機層220と、上下の無機層210及び230と、これらの間に配置される低屈折無機層240及び250とを備える。
【0148】
低屈折無機層240及び250の屈折率は、有機層220の屈折率(例えば1.9~2.0)と、無機層210及び230の屈折率(例えば1.5~1.6)との間のほぼ中間の値(例えば1.7~1.8)となるように設定される。(本願
図6及び[0092]~[0093])
【0149】
B2 封止層の上方の無機層230と、オーバーコート層500との間にも、低屈折無機層260が配置される。低屈折無機層260の屈折率も、オーバーコート層500の屈折率(例えば1.4~1.6)と、無機層230の屈折率(例えば1.5~1.6)との間のほぼ中間の値(例えば1.7~1.8)となるように設定される。(本願
図6及び[0095]及び[0097])
【0150】
B3 封止層(「封止構造物200」)中に備えられる低屈折無機層240及び250並びに260は、シリコン酸窒化物(SiOxNy)からなり、適宜に屈折率を調節できる。(本願[0093]及び[0097])
【0151】
B4 オーバーコート層500は、カバーウィンドウ(WM)を貼り付けるための、透明粘着層などの接着層(ADL)でありうる。(本願
図6及び[0096])
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明の例示的な実施例による表示装置は、コンピュータ、ノート型パソコン、携帯電話、スマートフォン、スマートパッド、PMP、PDA、MP3プレイヤーなどに含まれる表示装置に適用可能である。
【0153】
以上、本発明の例示的な実施例による表示装置について、図面を参照して説明したが、前記の実施例は、例示的なものであって、下記の請求範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、当該技術分野における通常の知識を有する者によって、修正及び変更できることは理解されるだろう。
【符号の説明】
【0154】
100: 表示パネル
200: 封止構造物
310: カラーフィルタ
320: ブラックマトリックス
400: 機能性モジュール
A1: 第1の領域
A2: 第2の領域
PA1: 第1の画素領域
PA2: 第2の画素領域
SA1: 第1の周辺領域
SA2: 第2の周辺領域
TA: 透過領域
TW: 透過窓