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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ロータ、モータおよびロータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/278 20220101AFI20240423BHJP
   H02K 15/02 20060101ALI20240423BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H02K1/278
H02K15/02 K
H02K1/22 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020106694
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022002438
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】磯永 賢
(72)【発明者】
【氏名】志賀 剛
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-054175(JP,A)
【文献】特開2014-036457(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043026(WO,A1)
【文献】特開2007-049861(JP,A)
【文献】特開2010-130818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
H02K 15/02
H02K 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータに設けられステータと対向し回転軸を中心として回転するロータであって、
径方向に磁気配向され周方向に沿って並ぶ複数の主マグネットと、
周方向に磁気配向され前記主マグネットの間に配置される複数の補助マグネットと、
樹脂材料からなり前記主マグネットおよび前記補助マグネットを埋め込む保持部と、を備え、
前記主マグネットの表面には、前記保持部から露出する第1露出面が設けられ、
前記補助マグネットの表面には、前記保持部から露出する第2露出面が設けられ、
前記第2露出面は、前記補助マグネットの軸方向において部分的に設けられる、ロータ。
【請求項2】
前記補助マグネットは、前記ステータに対向する第2対向面を有し、
前記第2露出面は、前記第2対向面に位置する、
請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
モータに設けられステータと対向し回転軸を中心として回転するロータであって、
径方向に磁気配向され周方向に沿って並ぶ複数の主マグネットと、
周方向に磁気配向され前記主マグネットの間に配置される複数の補助マグネットと、
樹脂材料からなり前記主マグネットおよび前記補助マグネットを埋め込む保持部と、を備え、
前記主マグネットの表面には、前記保持部から露出する第1露出面が設けられ、
前記主マグネットの表面には、周方向両側をそれぞれ向く一対の第3露出面が設けられる、
ロータ。
【請求項4】
前記補助マグネットの表面には、第4露出面が設けられ、
前記保持部には、凹部が設けられ、
前記凹部の内部には、前記第3露出面および前記第4露出面が露出する、請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
モータに設けられステータと対向し回転軸を中心として回転するロータであって、
径方向に磁気配向され周方向に沿って並ぶ複数の主マグネットと、
周方向に磁気配向され前記主マグネットの間に配置される複数の補助マグネットと、
樹脂材料からなり前記主マグネットおよび前記補助マグネットを埋め込む保持部と、を備え、
前記主マグネットの表面には、前記保持部から露出する第1露出面が設けられ、
前記補助マグネットの表面であって径方向の両側を向く面には、それぞれ露出面が設けられる、
ロータ。
【請求項6】
モータに設けられステータと対向し回転軸を中心として回転するロータであって、
径方向に磁気配向され周方向に沿って並ぶ複数の主マグネットと、
周方向に磁気配向され前記主マグネットの間に配置される複数の補助マグネットと、
樹脂材料からなり前記主マグネットおよび前記補助マグネットを埋め込む保持部と、を備え、
前記主マグネットの表面には、前記保持部から露出する第1露出面が設けられ、
前記補助マグネットは、前記第1露出面よりも、径方向において前記ステータの反対側に位置する、
ロータ。
【請求項7】
前記第1露出面は、径方向を向く、
請求項1~6の何れか一項に記載のロータ。
【請求項8】
前記主マグネットは、前記ステータに対向する第1対向面を有し、
前記第1露出面は、前記第1対向面に位置する、
請求項1~7の何れか一項に記載のロータ。
【請求項9】
前記保持部には、ゲート痕が設けられ、
前記ゲート痕は、前記保持部の径方向の中心に対して前記ステータの反対側に偏って配置される、
請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記第1対向面において、前記第1露出面の周方向両側には、前記保持部に埋め込まれる埋設面が設けられる、
請求項8又は9に記載のロータ。
【請求項11】
前記第1露出面は、前記主マグネットの軸方向全長に亘って設けられる、請求項8~10の何れか一項に記載のロータ。
【請求項12】
請求項1~11の何れか一項に記載のロータと、
前記ステータと、を備える、
モータ。
【請求項13】
回転軸周りを回転するロータの製造方法であって、
第1の磁性部材および第2の磁性部材を周方向において交互に円環状に並べ金型内に収容する収容工程と、
前記金型内に溶融樹脂を充填して前記第1の磁性部材および前記第2の磁性部材を樹脂モールドする樹脂成型工程と、
前記第1の磁性部材および前記第2の磁性部材に着磁し、前記第1の磁性部材の磁気配向を径方向とし、前記第2の磁性部材の磁気配向を周方向とする着磁工程と、を有し、
樹脂成型工程において、前記第1の磁性部材および前記第2の磁性部材が前記金型の径方向を向く面に接触し、
前記金型の前記第2の磁性部材と接触する径方向を向く面は、前記金型の前記第1の磁性部材と接触する径方向を向く面よりも、前記回転軸から離れている、
ロータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ロータ、モータおよびロータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータのマグネットをハルバッハ配列で並べることで駆動トルクが高められたモータが知られている。このようなロータでは、マグネットの位置精度がロータの磁気特性に大きな影響を与える。しかしながら、従来技術ではマグネットの位置精度を高めることが困難であり、ロータの磁気特性が安定し難いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/008284号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、磁気特性が安定したロータ、モータおよびロータの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のロータは、回転軸を中心として回転するロータである。ロータは、モータに設けられる。ロータは、ステータと対向する。ロータは、複数の主マグネットと、複数の補助マグネットと、保持部と、を持つ。複数の主マグネットは、径方向に磁気配向される。複数の主マグネットは、周方向に沿って並ぶ。複数の補助マグネットは、周方向に磁気配向される。複数の補助マグネットは、主マグネットの間に配置される。保持部は、樹脂材料からなり主マグネットおよび補助マグネットを埋め込む。主マグネットの表面には、第1露出面が設けられる。第1露出面は、保持部から露出する。
補助マグネットの表面には、保持部から露出する第2露出面が設けられる。第2露出面は、補助マグネットの軸方向において部分的に設けられる。
又は、主マグネットの表面には、周方向両側をそれぞれ向く一対の第3露出面が設けられる。
又は、補助マグネットの表面であって径方向の両側を向く面には、それぞれ露出面が設けられる。
又は、補助マグネットは、第1露出面よりも、径方向においてステータの反対側に位置する。
実施形態のロータの製造方法は、回転軸周りを回転するロータの製造方法である。ロータの製造方法は、収容工程と、樹脂成型工程と、着磁工程と、を有する。収容工程は、第1の磁性部材および第2の磁性部材を周方向において交互に円環状に並べ金型内に収容する工程である。樹脂成型工程は、金型内に溶融樹脂を充填して第1の磁性部材および第2の磁性部材を樹脂モールドする工程である。着磁工程は、第1の磁性部材および第2の磁性部材に着磁し、第1の磁性部材の磁気配向を径方向とし、第2の磁性部材の磁気配向を周方向とする工程である。樹脂成型工程において、第1の磁性部材および第2の磁性部材が金型の径方向を向く面に接触する。金型の第2の磁性部材と接触する径方向を向く面は、金型の第1の磁性部材と接触する径方向を向く面よりも、回転軸から離れている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】一実施形態のモータを有する洗濯機の断面図。
図2】一実施形態のロータおよびステータの断面斜視図。
図3】一実施形態のロータの周壁部の部分断面模式図。
図4】一実施形態のロータをステータ側から見た模式図。
図5】一実施形態のロータの保持部を成形する金型の部分断面模式図。
図6】一実施形態の同極着磁工程を示す模式図。
図7】一実施形態の異極着磁工程を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のロータ、モータおよびロータの製造方法を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
【0008】
図1は、本実施形態のモータを有する洗濯機の断面図である。
以下の説明において、洗濯機の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機の下側とし、設置面とは反対側つまり鉛直上側を洗濯機の上側とする。また、洗濯機の正面に立つユーザから洗濯機を見た方向を基準に、左右を定義している。また、洗濯機から見て洗濯機の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「横幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「奥行方向」とは、上記定義における前後方向を意味する。図中において、+X方向が右方向、-X方向が左方向、+Y方向が後方向、-Y方向が前方向、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向である。
【0009】
図1は、洗濯機1の前後方向に垂直な断面図である。
洗濯機1は、例えば、筐体11、トップカバー12、水槽13、回転槽14、パルセータ15、およびモータ16を有する。洗濯機1は、回転槽14の回転軸Oが鉛直方向を向いたいわゆる縦軸型の洗濯機である。なお、洗濯機1は、縦軸型に限られず、回転槽の回転軸が水平又は後方へ向かって下降傾斜した横軸型いわゆるドラム式洗濯機であってもよい。
【0010】
筐体11は、例えば鋼板によって全体として矩形箱状に構成されている。トップカバー12は、例えば合成樹脂製であって、筐体11の上部に設けられている。水槽13および回転槽14は、洗濯対象となる衣類を収容する洗濯槽及び脱水槽として機能する。水槽13および回転槽14は、筐体11内に設けられている。水槽13および回転槽14は、上面が開口した容器状に構成されている。水槽13内の水は、排水口131から流出し、排水弁132を介して外部に排水される。
【0011】
モータ16は、水槽13の下側に配置される。モータ16は、クラッチ機構17を介して、回転槽14およびパルセータ15に接続される。モータ16の回転軸Oは、水槽13の中心と一致する。
【0012】
本実施形態のモータ16は、アウターロータ型である。モータ16は、回転軸Oを中心として配置される円環状のステータ30と、ステータ30を径方向外側から囲むロータ20と、を有する。すなわち、モータ16には、ステータ30およびロータ20が設けられる。ステータ30は、洗濯機1の筐体11に固定される。また、ロータ20は、回転軸O周りを回転する。
【0013】
ロータ20は、周壁部22と底壁部21とを有する有底筒状である。周壁部22は、回転軸Oを中心とする筒状である。周壁部22は、径方向においてステータ30と対向する。すなわち、ロータ20は径方向においてステータ30と対向する。底壁部21は、周壁部22の下端部から径方向内側に延びる。底壁部21は、回転軸Oと直交する平面に沿う円板状である。ロータ20は、底壁部21においてクラッチ機構17に接続される。
【0014】
クラッチ機構17は、モータ16の回転を回転槽14およびパルセータ15に選択的に伝達する。クラッチ機構17は、洗い時およびすすぎ時には、モータ16の駆動力をパルセータ15に伝達してパルセータ15を低速で直接正逆回転駆動させる。一方、クラッチ機構17は、脱水時等には、モータ16の駆動力を回転槽14に伝達して、回転槽14を一方向に高速で回転駆動させる。
【0015】
図2は、ロータ20およびステータ30の断面斜視図である。なお、図2において、後述する保持部70の図示を省略する。また、図2においてマグネットの形状を模式化して図示する。
【0016】
図3は、ロータ20の周壁部22の部分断面模式図である。図3は、回転軸Oと直交する断面に沿う断面図であり、回転軸Oを中心とする周方向Cを紙面左右方向に延びる直線状に表示し、回転軸Oを中心とする径方向Rを紙面上下方向に表示する。図3の紙面上側が回転軸Oを中心とする径方向内側に対応し、図3の紙面下側が回転軸Oを中心とする径方向外側である。したがって、図3において、ロータ20の紙面上側にステータ30が配置される。
【0017】
以下の説明において、ロータ20に対して、ステータ30が配置される方向(本実施形態において径方向内側)をステータ側R1と呼び、径方向においてステータ30の反対側の方向(本実施形態において径方向外側)を反ステータ側R2と呼ぶ。
【0018】
図2に示すように、ステータ30は、ステータコア31と、コイル39と、図示略のインシュレータと、を有する。ステータコア31は、回転軸Oを中心とする円環状のコアバック部32と、コアバック部32から径方向外側に延び出る複数のティース部33と、を有する。複数のティース部33は、周方向Cに沿って並ぶ。コイル39は、インシュレータを介してティース部33に導線を巻き付けることで構成される。
【0019】
ロータ20は、複数の主マグネット80と、複数の補助マグネット90と、フレーム60と、これらを互いに固定する保持部70(図2において省略、図3参照)と、を有する。
【0020】
図2に示すように、フレーム60は、円盤部61と筒状部62とを有する。円盤部61は、回転軸Oを中心とする円盤状である。円盤部61は、ロータ20の底壁部21を構成する。筒状部62は、円盤部61の外縁から上側に延びる。筒状部62は、回転軸Oを中心とする円筒状である。複数の主マグネット80および複数の補助マグネット90は、筒状部62の内側面に沿って周方向Cに並ぶ。
【0021】
主マグネット80および補助マグネット90は、それぞれ一様な断面で回転軸Oの軸方向に沿って延びる柱状に延びる。主マグネット80および補助マグネット90の上面は、略同一平面を形成している。同様に、主マグネット80および補助マグネット90の下面は、略同一平面を形成している。主マグネット80および補助マグネット90の下面は、フレーム60の円盤部61の上面と対向し接触する。
【0022】
本実施形態において、主マグネット80および補助マグネット90は、フェライト磁石である。しかしながら、主マグネット80および補助マグネット90は、他の種類の磁石(例えば、ネオジム磁石)であってもよい。
【0023】
図3に示すように、主マグネット80および補助マグネット90は、周方向Cに沿って交互に配置される。主マグネット80と補助マグネット90とは、それぞれ径方向Rと周方向Cとに磁気配向がされている。すなわち、主マグネット80および補助マグネット90は、ハルバッハ配列で並ぶ。なお、図3において、各マグネットに図示する矢印は、当該マグネットの磁気配向を表す。
【0024】
主マグネット80は、径方向Rに磁気配向された磁石である。すなわち、主マグネット80は、径方向Rを内部磁束の方向とする。周方向Cに並ぶ複数の主マグネット80の磁極の向きは、交互に反転されている。したがって、周方向Cにおいて隣り合う主マグネット80同士の径方向一方側を向く磁極(N極又はS極)は、互いに異なる。
【0025】
主マグネット80は、ステータ側R1を向きステータ30に対向する第1対向面81と、反ステータ側R2を向く第1外側面82と、周方向両側を向く一対の第1周端面83と、を有する。主マグネット80の径方向Rに沿う厚さ寸法は、周方向中央が最も大きく周方向両側に向かうに従い小さくなる。
【0026】
第1対向面81は、径方向R外側に向かって突出する湾曲面である。回転軸Oと直交する断面における第1対向面81の曲率半径は、回転軸Oから第1対向面81までの距離より十分に小さい。第1対向面81は、周方向Cの中心から両側に向かうに従い反ステータ側R2に近づく。
【0027】
第1外側面82は、平坦面または回転軸Oまでの距離を一定とする緩やかな湾曲面である。第1外側面82は、フレーム60の筒状部62に若干の隙間を介して対向する。
【0028】
第1周端面83は、平坦面である。一対の第1周端面83は、それぞれ径方向Rに沿って延びる。第1周端面83は、回転軸Oと直交する断面において径方向Rに対し傾斜していてもよい。
【0029】
補助マグネット90は、周方向Cに磁気配向された磁石である。すなわち、補助マグネット90は、周方向Cを内部磁束の方向とする。周方向Cに並ぶ複数の補助マグネット90の磁極の向きは、交互に反転されている。したがって、周方向Cにおいて隣り合う補助マグネット90同士の周方向一方側を向く磁極(N極又はS極)は、互いに異なる。
【0030】
補助マグネット90は、ステータ側R1を向きステータ30に対向する第2対向面91と、反ステータ側R2を向く第2外側面92と、周方向両側を向く一対の第2周端面93と、を有する。
【0031】
回転軸Oと直交する断面において、本実施形態の補助マグネット90は、例えば矩形状である。補助マグネット90の径方向Rに沿う厚さ寸法は、主マグネット80の径方向Rに沿う厚さ寸法より小さい。また、補助マグネット90の周方向Cに沿う寸法は、主マグネット80の周方向Cに沿う寸法より小さい。
【0032】
第2対向面91は、平坦面または回転軸Oまでの距離を一定とする緩やかな湾曲面である。同様に、第2外側面92は、平坦面または回転軸Oまでの距離を一定とする緩やかな湾曲面である。したがって、補助マグネット90の径方向Rに沿う厚さ寸法は、一様である。第2対向面91は、第1対向面81よりも反ステータ側R2に位置する。また、第2外側面92は、第1外側面82よりステータ側R1に位置する。第2外側面92は、フレーム60の筒状部62に隙間を介して対向する。
【0033】
第2周端面93は、平坦面である。一対の第2周端面93は、それぞれ径方向Rに沿って延びる。第2周端面93は、回転軸Oと直交する断面において径方向Rに対し傾斜していてもよい。
【0034】
補助マグネット90の第2周端面93は、主マグネット80の第1周端面83と対向する。第2周端面93と第1周端面83とは、互いに平行である。第2周端面93は、第1周端面83と面接触することが好ましい。しかしながら、第2周端面93と第1周端面83との間には、若干の隙間が設けられていてもよい。
【0035】
保持部70は、樹脂材料からなる。保持部70は、複数の主マグネット80および複数の補助マグネット90を埋め込む。これにより、保持部70は、複数の主マグネット80および複数の補助マグネット90を保持する。保持部70は、ステータ側R1を向きステータ30に対向するステータ対向面71を有する。
【0036】
主マグネット80の第1対向面81は、保持部70のステータ対向面71に対しステータ側R1に突出する。このため、第1対向面81の一部は、保持部70からステータ側R1に露出する。主マグネット80は、第1対向面81周方向中央の領域に位置する第1露出面86において保持部70から露出する。また、主マグネット80は、第1対向面81の周方向両端側の領域に位置する第1埋設面(埋設面)87において保持部70に埋め込まれる。第1埋設面87は、第1露出面86の周方向両側に位置する。
【0037】
保持部70のステータ対向面71には、補助マグネット90の第2対向面91を露出させる第1凹部72が設けられる。第1凹部72は、第2対向面91の周方向中央に位置する。すなわち、第2対向面91の周方向中央には、ステータ側R1に露出する第2露出面96が設けられる。また、第2対向面91において、第2露出面96を除く領域には、保持部70に埋め込まれる第2埋設面97が設けられる。
【0038】
本実施形態によれば、主マグネット80の表面には、保持部70から露出する第1露出面86が設けられる。主マグネット80は、第1露出面86において保持部70を成形する金型の内側面に接触する。本実施形態のロータ20のように、複数のマグネット(主マグネット80および補助マグネット90)がハルバッハ配列によって並べられる場合、主マグネット80の位置精度がモータ16の出力性能に大きな影響を与える。本実施形態によれば、主マグネット80を、保持部70を成形する金型の内側面に接触させることで、保持部70の成形後の主マグネット80の位置精度を高めることができる。
【0039】
本実施形態によれば、第1露出面86は、径方向Rを向く。主マグネット80は、第1露出面86における金型との接触により、金型内で径方向Rに位置決めされる。主マグネット80とステータ30との距離の精度は、モータ16の出力性能に特に大きな影響を与える。本実施形態によれば、複数の主マグネット80とステータ30との径方向Rの距離を高精度に一致させることができ、モータ16の出力性能を高めることができる。
【0040】
本実施形態によれば、第1露出面86がステータ30に対向する第1対向面81に位置する。このため、第1露出面86とステータ30との間の磁束の流れを保持部70が阻害することを抑制でき、モータ16の出力性能を高めることができる。
【0041】
本実施形態によれば、主マグネット80の第1対向面81において、第1露出面86の周方向両側には、保持部70に埋め込まれる第1埋設面87が設けられる。モータ16の駆動時に、主マグネット80にはステータ側R1側向かってに大きな力が加わる。保持部70は、主マグネット80の第1埋設面87において、主マグネット80のステータ側R1への移動を抑制する。本実施形態によれば、主マグネット80が保持部70によって強固に保持され、主マグネット80のステータ側R1への移動をより確実に抑制される。
【0042】
本実施形態によれば、補助マグネット90の表面には、保持部70から露出する第2露出面96が設けられる。補助マグネット90は、第2露出面96において保持部70を成形する金型の内側面に接触する。本実施形態によれば、補助マグネット90を、保持部70を成形する金型の内側面に接触させることで、保持部70の成形後の補助マグネット90の位置精度を高めることができる。
【0043】
本実施形態によれば、第2露出面96は、径方向Rを向く。したがって、補助マグネット90は、第2露出面96における金型との接触によって、金型内で径方向Rに位置決めされる。ハルバッハ配列されたロータ20において、補助マグネット90がステータ30に近づきすぎると、駆動時の補助マグネット90の減磁が顕著となる。実施形態によれば、補助マグネット90とステータ30との径方向Rの距離を確実に離間させることができ、補助マグネット90の減磁を抑制できる。
【0044】
本実施形態によれば、補助マグネット90の第2対向面91には、保持部70によって埋め込まれる第2埋設面97が設けられる。これにより、補助マグネット90は、保持部70によって強固に保持され、補助マグネット90のステータ側R1への移動がより確実に抑制される。
【0045】
図4は、ロータ20をステータ側R1から見た模式図である。
第1露出面86は、主マグネット80の軸方向全長に亘って設けられる。一方で、第2露出面96には、補助マグネット90の軸方向において部分的に設けられる。
【0046】
本実施形態によれば、主マグネット80の第1露出面86が軸方向の全長に亘って設けられる。第1露出面86の面積が広く確保され、主マグネット80とステータ30との間の磁束の流れをより円滑にすることができる。これにより、モータ16の出力がより一層高められる。加えて、主マグネット80とステータ30との間の磁束の流れが、軸方向において一様となる。これにより、ロータ20の回転効率を高めることができる。
【0047】
一方で、本実施形態によれば、補助マグネット90の第2露出面96は、第2対向面91の上端部近傍のみに位置する。上述したように、第2露出面96は、保持部70の第1凹部72の底面として径方向Rに露出する。第1凹部72は、ステータ側R1に開口するとともに、上側に開口する。第2露出面96が、軸方向において第2対向面の一部のみに設けられることで、保持部70によって覆われる第2埋設面97が広く確保される。このため、保持部70による補助マグネット90による保持力が高められる。なお、第2露出面96は、第2対向面91に複数個設けられていてもよい。
【0048】
図3に示すように、保持部70には、複数の第2凹部(凹部)74が設けられる。複数の第2凹部74は、周方向Cに沿って並んで配置される。1つの補助マグネット90の反ステータ側R2には、2つの第2凹部74が配置される。第2凹部74は、主マグネット80および補助マグネット90の上端部の近傍に位置し上側に開口する(図4参照)。第2凹部74は、保持部70を成形する金型の一部によって形成される。
【0049】
主マグネット80の第1周端面83には、第2凹部74内に露出する第3露出面88が設けられる。第3露出面88は、主マグネット80の一対の第1周端面83にそれぞれ設けられる。すなわち、主マグネット80の表面には、周方向両側をそれぞれ向く一対の第3露出面88が設けられる。第3露出面88は、第1周端面83の反ステータ側の領域に設けられる。
【0050】
本実施形態によれば、1つの主マグネット80は、周方向両側を向く一対の第3露出面88において露出する。主マグネット80は、保持部70を成型する金型内で金型の一部によって周方向両側から挟み込まれる。これにより、金型内で主マグネット80および一対の主マグネット80の間に配置される補助マグネット90を、周方向に位置決めできる。したがって、周方向において複数の主マグネット80および補助マグネット90が、一部に偏ることを抑制できる。すなわち、周方向に並ぶ複数の主マグネット80および補助マグネット90を一定の間隔で配置することができる。
【0051】
補助マグネット90の第2外側面92には、第2凹部74内に露出する第4露出面98が設けられる。上述したように、補助マグネット90の反ステータ側R2には、2つの第2凹部74が設けられる。したがって、第2外側面92には、周方向Cに並ぶ2つの第4露出面98が設けられる。
【0052】
補助マグネット90の第2外側面92には、第2凹部74内に露出する第4露出面98が設けられる。上述したように、補助マグネット90の反ステータ側R2には、2つの第2凹部74が設けられる。したがって、第2外側面92には、周方向Cに並ぶ2つの第4露出面98が設けられる。
【0053】
本実施形態によれば、補助マグネット90の表面であって径方向Rの両側を向く面(第2対向面91および第2外側面92)には、それぞれ露出面(第2露出面96および第4露出面98)が設けられる。補助マグネット90は、径方向Rの両側を向く第2露出面96および第4露出面98において金型の一部によって挟み込まれる。このため、保持部70の成形後の補助マグネット90の径方向Rの位置精度をより確実に高めることができる。
【0054】
本実施形態において、第2凹部74の内部には、前記第3露出面および前記第4露出面が露出する。このため、第2凹部74によって、主マグネット80の周方向位置および補助マグネット90の径方向位置の位置決めを行うことができる。
【0055】
次に、ロータ20の製造方法について説明する。
ロータ20の製造方法は、収容工程と樹脂成型工程と着磁工程とを有する。収容工程、樹脂成型工程および着磁工程は、この順で行われる。
以下、各工程について、詳細に説明する。
【0056】
図5は、ロータ20の保持部70を成形する金型10の部分断面模式図である。
金型10は、例えば軸方向において互いに近接および離間可能な雄金型と雌金型とを有する。雄金型と雌金型との合わせ目には、フレーム60、第1の磁性部材80A、第2の磁性部材90Aを収容するとともに溶融樹脂が充填される空隙部Gが設けられる。空隙部Gは、回転軸Oの周方向Cに沿って延びる円環状の空間である。
【0057】
収容工程において、作業者は、フレーム60と第1の磁性部材80Aと第2の磁性部材90Aとを金型10内の空隙部Gに収容する。第1の磁性部材80Aは、未着磁の主マグネット80である。同様に、第2の磁性部材90Aは、未着磁の補助マグネット90である。第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aは、空隙部Gにおいて、回転軸Oの周方向Cにおいて交互に円環状に並べられる。
【0058】
金型10の内側面には、空隙部Gを挟んで径方向Rに互いに対向する第1金型面8および第2金型面9が設けられる。第1金型面8は、反ステータ側R2を向く面である。第2金型面9は、ステータ側R1を向く面である。第1金型面8および第2金型面9は、それぞれ回転軸Oを中心とする筒状の面である。第2金型面9は、フレーム60の筒状部62に接触する。これにより、フレーム60は、金型10内で位置決めされる。
【0059】
第1金型面8には、複数の金型凹部8aおよび複数の第1金型凸部8bが設けられる。金型凹部8aと第1金型凸部8bは、周方向Cに沿って交互に並ぶ。金型凹部8aは、反ステータ側R2に開口する。第1金型凸部8bの先端面は、反ステータ側R2側を向く平坦面である。
【0060】
金型10の内部で、第1の磁性部材80Aは、金型凹部8aの内面に接触する。また、金型10の内部で、第2の磁性部材90A、第1金型凸部8bの先端面に接触する。
なお、金型凹部8aは、空隙部Gの軸方向全長に亘って設けられ、第1金型凸部8bは、空隙部Gの上端部に設けられる。
【0061】
空隙部Gの上端部には、金型10の内側面であって下側を向く面から下側に突出する複数の第2金型凸部8cが設けられる。複数の第2金型凸部8cは、回転軸Oの周方向Cに沿って並ぶ。第2金型凸部8cは、第2の磁性部材90Aの反ステータ側R2に位置する。また、第2金型凸部8cは、フレーム60の筒状部62のステータ側R1に位置する。
【0062】
第1の磁性部材80Aは、一対の第2金型凸部8cによって周方向Cの両側から挟み込まれる。これにより、第1の磁性部材80Aは、金型10内において、周方向Cに位置決めされる。
【0063】
第2の磁性部材90Aは、径方向Rにおいて、第1金型凸部8bと一対の第2金型凸部8cとの間に挟み込まれる。これにより、第2の磁性部材90Aは、金型10内において、径方向Rに位置決めされる。
【0064】
樹脂成型工程は、金型10内に溶融樹脂を充填して、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aを樹脂モールドする工程である。作業者は、溶融樹脂が固化した後に金型10から成形されたロータ20を取り出す。
【0065】
金型10には、空隙部G内に溶融樹脂を充填するためのゲート10gが設けられる。ゲート10gは、空隙部Gの上端部に位置し、空隙部G内に開口する。ゲート10gは、空隙部Gにおいて反ステータ側R2に偏って配置される。
【0066】
本実施形態によれば、ゲート10gが反ステータ側R2に偏って配置されることで、ゲート10gから空隙部Gに射出される溶融樹脂は、空隙部Gの反ステータ側R2の領域に優先的に回り込む。第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aは、溶融樹脂の射出圧によってステータ側R1に押し付けられる。すなわち、樹脂成型工程において、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aが金型10の径方向Rを向く面に押し付けられる。これにより、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aは、金型10の第1金型面8に対して高精度に位置決めされる。
【0067】
図3に示すように、保持部70のゲート10gに対応する部分には、ゲート痕70gが形成される。ゲート痕70gは、保持部70の径方向Rの中心に対して、反ステータ側R2(ステータの反対側)に偏って配置される。
【0068】
着磁工程は、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aに着磁する工程である。着磁工程は、同極着磁工程と異極着磁工程とを有する。
【0069】
図6は、同極着磁工程を示す模式図である。また、図7は、異極着磁工程を示す模式図である。
同極着磁工程は、第2の磁性部材90Aに着磁し第2の磁性部材90Aの磁気配向を周方向Cとする工程である。第2の磁性部材90Aは、同極着磁工程によって着磁されて永久磁石(補助マグネット90)となる。
異極着磁工程は、第1の磁性部材80Aに着磁し第1の磁性部材80Aの磁気配向を径方向Rとする工程である。第1の磁性部材80Aは、異極着磁工程によって着磁されて永久磁石(主マグネット80)となる。
【0070】
同極着磁工程および異極着磁工程は、着磁装置4によって行われる。着磁装置4は、4個の着磁ヨーク(第1着磁ヨーク40A、第2着磁ヨーク40B、第3着磁ヨーク40Cおよび第4着磁ヨーク40D)を有する。4個の着磁ヨークは、着磁電源(不図示)に接続されている。なお、本実施形態の着磁装置は4個の着磁ヨークを用いている。しかしながら、着磁装置は、例えば、全ての第1の磁性部材80Aと全ての第2の磁性部材90Aとを同時に着磁可能な個数の着磁ヨークを有してもよい。
【0071】
第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bとは、径方向Rに対向して配置される。第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bとは、一個の第1の磁性部材80Aの板厚方向の両側に配置される。第1着磁ヨーク40Aは径方向Rの外側に配置され、第2着磁ヨーク40Bは径方向Rの内側に配置される。
【0072】
第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dとは、径方向Rに対向して配置されている。第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dとは、第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bが挟み込む第1の磁性部材80Aの隣の第1の磁性部材80Aの板厚方向の両側に配置される。第3着磁ヨーク40Cは径方向Rの外側に配置され、第4着磁ヨーク40Dは径方向Rの内側に配置される。
【0073】
図6に示すように、同極着磁工程において、対向する第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bに同極の磁場を発生させる。さらに、対向する第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dに同極の磁場を発生させる。このとき、第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dに発生させる磁場は、第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bに発生させる磁場と異極である。同極着磁工程により、第2の磁性部材90Aは、周方向Cに着磁される。なお、第2の磁性部材90Aを周方向Cにおいて反対方向に着磁させる場合、4個の着磁ヨーク40A,40B,40C,40Dに発生させる磁場を上記と反対の極にすればよい。
【0074】
図7に示すように、異極着磁工程において、対向する第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bに異極の磁場を発生させることで、挟まれた第1の磁性部材80Aが一方向に着磁される(対向着磁)。同時に、対向する第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dに異極の磁場を発生させることで、挟まれた第1の磁性部材80Aが他方向に着磁される(対向着磁)。このとき、第3着磁ヨーク40Cと第4着磁ヨーク40Dとの間の磁場の向きは、第1着磁ヨーク40Aと第2着磁ヨーク40Bとの間の磁場の向きと反対である。異極着磁工程では、全ての第1の磁性部材80Aに順次着磁を行う。
【0075】
着磁工程において、同極着磁工程と異極着磁工程とは、この順で交互に繰り返して行われる。着磁工程を完了させることで、ロータ20が完成する。製造されたロータ20は、別途製造されたステータ30と組み合わされる。
【0076】
本実施形態のロータ20の製造方法によれば、マグネット収容工程において、第1の磁性部材80Aおよび第2の磁性部材90Aが何れも未着磁である。このため、収容工程において、第1の磁性部材80Aと第2の磁性部材90Aとを互いに近接させて配置することができる。
【0077】
本実施形態によれば、主マグネット80および補助マグネット90は、樹脂成型工程において樹脂モールドされ保持部70により固定される。保持部70は、主マグネット80および補助マグネット90が互いに反発して離間することを抑制する。そのため、主マグネット80と補助マグネット90の配置の自由度を高めることができる。本実施形態においては、主マグネット80と補助マグネット90とが高密度に配置されている。これにより、ロータ20の磁力が高められ、モータ16のトルクが向上する。
【0078】
本実施形態のロータ20の製造方法によれば、主マグネット80の着磁は、対向着磁により実施される。このため、主マグネット80の着磁工程(異極着磁工程)における漏れ磁束の発生が抑制され、主マグネット80の着磁率を高めることができる。さらに、本実施形態のロータ20の製造方法によれば、同極着磁工程の後に異極着磁工程が実施される。このため、補助マグネット90の着磁工程における主マグネット80の減磁を抑制できる。
【0079】
本実施形態において、アウターロータ型のモータ16について説明した。しかしながら、インナーロータ型のモータについて、上記の構成を採用してもよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
10…金型、10g…ゲート、16…モータ、20…ロータ、30…ステータ、70…保持部、70g…ゲート痕、74…第2凹部(凹部)、80…主マグネット、80A…第1の磁性部材、81…第1対向面、86…第1露出面、87…第1埋設面(埋設面)、88…第3露出面、90…補助マグネット、90A…第2の磁性部材、91…第2対向面、96…第2露出面、98…第4露出面、C…周方向、O…回転軸、R…径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7