IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエーの特許一覧

特許7477454ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム
<>
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図1
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図2
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図3
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図4
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図5
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図6
  • 特許-ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   E21B 43/00 20060101AFI20240423BHJP
   E21B 43/295 20060101ALI20240423BHJP
   E21C 50/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
E21B43/00 A
E21B43/295
E21C50/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020544461
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2019054042
(87)【国際公開番号】W WO2019162250
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-10
(31)【優先権主張番号】18158331.1
(32)【優先日】2018-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590002105
【氏名又は名称】シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピチュマニ,ラグフラマン
(72)【発明者】
【氏名】ファン・レンスベルヘン,ピーテル・ヒューホ
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-082975(JP,A)
【文献】特開2003-193788(JP,A)
【文献】特開2017-071959(JP,A)
【文献】特表2012-518102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 1/00-49/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスハイドレートを含有するスラリーを処理するための方法であって、
海底堆積物からガスハイドレート含有スラリーを提供することであって、このガスハイドレート含有スラリーは初期のガスハイドレート含有量を有することと、
ガスハイドレート含有スラリーを水底から水面におけるスラリーを処理するシステムまで導管を通して移送することであって、この導管は第1の圧力下で動作し、この第1の圧力はガスハイドレート含有スラリー中のガスハイドレートの解離を抑制するように選択されることと、
前記システムにおいて分離器を使用して、前記スラリーを、前記初期のガスハイドレート含有量よりも大きい第1のガスハイドレート含有量を有する第1の流れと、前記初期のガスハイドレート含有量よりも小さい第2のガスハイドレート含有量を有する第2の流れとに分離することと、
前記第1の流れおよび前記第2の流れを別々に処理することと、を含み、
前記第1の流れが、前記第1の流れからガスハイドレートを回収するか、または前記第1の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理され、
前記第2の流れが、前記第2の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される、方法。
【請求項2】
前記システムの少なくとも一部を、前記第1の圧力よりも低く、かつ大気圧よりも高くなるように選択される第2の圧力下で操作して、前記ガスハイドレートを解離させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の流れおよび前記第2の流れのうちの少なくとも1つを、少なくとも1つの加熱モジュールによって加熱することをさらに含み、前記加熱ステップが、
前記加熱モジュールの流入流を第1の加熱媒体に晒して、事前加熱された流れを得ることと、
前記事前加熱された流れを第1の流れおよび第2の流れに分離することと、
前記第1の流れのみを第2の加熱媒体に晒すことと、
前記加熱された第1の流れを前記第2の流れと一緒に合流させて、前記加熱モジュールの流出流を得ることと、を含む、請求項1および2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記スラリーが前記第1の流れと前記第2の流れとに分離される前に、前記スラリーに以下の前処理:
研削、
事前加熱、
脱水のうちの少なくとも1つを施すことをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ガスハイドレートを含有するスラリーを処理するためのシステムであって、
初期のガスハイドレート含有量を有するガスハイドレート含有スラリーを、当該初期のガスハイドレート含有量よりも大きい第1のガスハイドレート含有量を有する第1の流れと、前記初期のガスハイドレート含有量よりも小さい第2のガスハイドレート含有量を有する第2の流れとに分離するように構成された分離器と、
前記第1の流れおよび前記第2の流れを別々に処理するように構成された処理アセンブリと、を備え、
前記第1の流れが、前記第1の流れからガスハイドレートを回収するか、または前記第1の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理され、
前記第2の流れが、前記第2の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水底から得ることができるガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
メタン(CH)ハイドレートは、時折、海洋の地質断層に沿ったメタンガスの放出から形成される。寒冷な気候、および特に深海または深い湖では、メタンガスの少なくとも一部は、冷水と接触すると海底またはその近くでハイドレートを形成する。メタンハイドレートは、有望な代替エネルギー源と考えられている。1リットルのメタンハイドレート固体は、標準温度および圧力(STP)で約168リットルのメタンガスを含有するだろう。
【0003】
これらのハイドレート堆積物からメタンを採取するシステムおよび方法を開発する試みがあった。水中ハイドレート採掘方法は、米国特許第6,209,965号、米国特許出願第US2003/0136585号、国際特許出願第WO98/44078号、国際特許出願第WO2010/092145 A1号、および中国特許出願第CN101182771号から既知である。WO2010/092145 A1はさらに、水底から得られたハイドレート含有スラリーを処理するための方法を記載しており、スラリーは、スラリー分離アセンブリに排出され、メタンガス流と尾鉱流とに分離される。尾鉱流は、尾鉱戻り導管にポンプで送られ、処分のために水底に戻される。
【0004】
この試みおよび他の試みにもかかわらず、水底から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するための改善されたシステムおよび方法を開発することが依然として必要である。処理は、よりエネルギー効率がよく、かつ/または経済的に実行可能な様式で行われることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第6,209,965号明細書
【文献】米国特許出願公開第2003/0136585号明細書
【文献】国際公開第98/44078号
【文献】国際公開第2010/092145号
【文献】中国特許出願公開第101182771号明細書
【文献】国際公開第2010/092145号
【発明の概要】
【0006】
そのために、本発明の一態様では、ガスハイドレートを含有するスラリーを処理する方法が提供され、方法は、
-スラリーを、スラリーと比較してより高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れと、スラリーと比較してより低いレベルのガスハイドレートを含有する第2の流れとに分離するステップと、
-第1の流れおよび第2の流れを別々に処理することであって、第1の流れが、第1の流れからガスハイドレートを回収するか、または第1の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理され、第2の流れが、第2の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される、処理するステップと、を含む。
【0007】
本発明の別の態様では、
ガスハイドレートを含有するスラリーを処理するためのシステムが提供され、システムは、
-スラリーを、スラリーと比較してより高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れと、スラリーと比較してより低いレベルのガスハイドレートを含有する第2の流れとに分離するように構成された分離器と、
-第1の流れおよび第2の流れを別々に処理するように構成された処理アセンブリであって、第1の流れが、第1の流れからガスハイドレートを回収するか、または第1の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理され、第2の流れが、第2の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される、処理アセンブリと、を含む。
【0008】
本発明によるシステムおよび方法のこれらおよび他の特徴、実施形態および利点は、添付の特許請求の範囲、要約、および添付の図面に示される非限定的な実施形態の以下の詳細な説明に記載されており、それらの説明において、図面に示される対応する参照番号を指す参照番号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面を参照して、より詳細に、かつ例として以下に説明される。
図1】本発明によるシステムおよび方法が適用される、水中採鉱のための例示的なシステムの概略図である。
図2-5】水底から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するためのシステムの概略ブロック図である。
図6】水底から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するためのシステムにおいて適用される加熱モジュールの概略ブロック図である。
図7】海底堆積物から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法のフロー図である。
【0010】
図面において、同様の参照番号は、同様/同等の構成要素、ステップ、または特徴を指す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、ガスハイドレートを含有するスラリーを処理するためのシステムで具体化または実施され得る。スラリーは、第1の圧力下でシステムに輸送されてもよく、一方、システムの少なくとも一部は、第1の圧力よりも低く、かつ大気圧よりも高い第2の圧力下で操作される。第1の圧力は、ガスハイドレートの解離を抑制するように選択することができ、第2の圧力は、ガスハイドレートの解離を可能にするように選択することができる。
【0012】
システムは、スラリーと比較してより高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れと、スラリーと比較してより低いレベルのガスハイドレートを含有する第2の流れとに分離するための分離器を備えていてもよい。分離器は、スラリー中の固形物質の以下の特性:質量、サイズ、密度、湿潤性、または磁化率のうちの少なくとも1つに基づいて、スラリーを第1の流れと第2の流れとに分離するように構成され得る。
【0013】
システムは、第1の流れおよび第2の流れを別々に処理するための処理アセンブリを備えていてもよい。第1の流れは、第1の流れからガスハイドレートを回収するか、または第1の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される。第2の流れは、第2の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される。第2の流れのガスハイドレートから回収されたガスは、システムに電力を供給するために使用されてもよい。
【0014】
処理アセンブリは、第1の流れおよび第2の流れのうちの少なくとも1つに熱を提供するように構成された少なくとも1つの加熱モジュールを備え得る。加熱モジュールは、
流入流を第1の加熱媒体に晒すように構成されている第1のユニットと、
第1のユニットの流出流を第1の流れと第2の流れとに分離するように構成された第2のユニットと、
第2のユニットに接続し、第1の流れのみを第2の加熱媒体に晒すように構成された第3のユニットと、
加熱された第1の流れを第2の流れと一緒に合流させて、加熱モジュールの流出流を得るように構成された第4のユニットと、を備え得る。
【0015】
処理アセンブリは、第1の流れおよび/または第2の流れを脱水するように構成された少なくとも1つの脱水ユニットをさらに備え得る。脱水ユニットは、それぞれの第1およびまたは第2の流れの加熱モジュールの前に配置されることが好ましい。第1の流れおよび/または第2の流れの脱水は、それぞれの流れをそれぞれの加熱に供給する前に行われることが好ましい。
【0016】
第1の流れを処理することは、第1の流れを脱水ユニットまたは加熱モジュールに供給する前に、第1の流れを粉砕して、その中の固形物質のサイズを低減することを含み得る。したがって、システムは、第1の流れ中の固形物質のサイズを低減するように構成された粉砕機をさらに備え得る。
【0017】
分離器の上流に前処理アセンブリを提供することができる。前処理アセンブリは、スラリーが分離器に送られる前に、スラリーを前処理に晒すように構成され得る。前処理には、以下:粉砕、事前加熱、および/または脱水のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0018】
図1は、水中採掘のための例示的なシステムを示す。具体的には、システム1は、海底堆積物11からガスハイドレートを掘削、持ち上げ、および処理するように設計される。本発明による水底から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するためのシステムおよび方法は、メタンなどの貴重なガスを回収するためにこのシステムで使用することができ、システムおよび方法は、他のガスのハイドレートにも等しく適用可能である。
【0019】
図1に示されるように、海底掘削機10は、水底19に埋められたハイドレート堆積物11からハイドレート掘削し、掘削された固体状態のハイドレート、粒子状堆積物、および海水を含有するスラリー12を、可撓性ホース13を通して、水底19上の深さに設置されたポンプステーション14へと移される。ポンプステーション14は、スラリー12の圧力を上昇させ、スラリーライザ導管15を通して実質的に乱流状態でスラリー12を上方に移動させる。実際には、必要な場合、導管15に沿って複数のポンプを分散させて、導管全体の圧力を維持することができる。
【0020】
スラリーライザ導管15は、スラリー12がシステム22に入って処理される、水面21に浮かぶプラットフォーム2で終わる。具体的には、システム22では、スラリー12中のメタンハイドレートが水およびメタンガスに解離し得る。メタンガスは、システム22の上部から収集することができる。収集されたメタンガスは、圧縮天然ガス(CNG)のシステム、液化天然ガス(LNG)のシステム、またはパイプライン輸出システムなどの下流システムによって、必要に応じて、さらに乾燥および加圧またはその以外の他の処理を行ってもよい。残留水および堆積物を含む尾鉱流23は、例えば、システム22の底部から引き出され、尾鉱処分に好適な、プラットフォーム2から延在して水底19の領域18に戻る尾鉱戻り導管16に入る。
【0021】
出願人は、ガスハイドレートを導管15のその(ハイドレートの)安定領域(フィールド)に保つことが重要であることを見出した。好ましくは、スラリー12は、第1の圧力(P)下でシステム22に輸送され、Pは、導管15内の温度でのハイドレートの解離を抑制するように選択されるため、スラリー12中のハイドレートは、スラリー12が依然として導管15にある限り、その安定領域内に留まる。
【0022】
好ましくは、システム22の少なくとも一部は、ガスハイドレートの解離を可能にするように選択される第2の圧力(P)下で操作される。例えば、スラリー12は、それが導管15を出てシステム22に入るときに、PからPへの圧力低下を経験し得る。次いで、スラリー中のガスハイドレートは、その安定領域から出て、解離し始める。第2の圧力Pは、好ましくは、大気圧よりも高くなるように選択される。一例では、Pは約10バールである。Pを大気圧よりも高く設定することにより、システム22から生成されたガスを再加圧するために必要なエネルギーが低減される。これは、回収されたガスが、例えば、貯蔵および輸送のために、CNGまたはLNGを形成するために加圧する必要がある場合に特に有用である。
【0023】
本発明によるガスハイドレートを含有するスラリーを処理するためのシステムは、図2~5を参照してさらに詳述される。
【0024】
図2は、水底から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するためのシステム22の概略ブロック図である。このシステム22は、スラリー12を処理するために図1に示されるシステム1において適用されてもよい。このシステム22は、主に、分離器222および処理アセンブリ224を備える。一例では、システム12に到達するスラリー12は、以下:海水、固体状態のハイドレート、固体状態の堆積物を含有し得る。以下で後に説明されるように、システム22は、分離器の上流に設置された前処理アセンブリ(図示せず)を含むことができるため、スラリー12は、分離器に送る前に前処理することができる。
【0025】
図2に示される例では、分離器222は、スラリー12を受けて、スラリー12と比較してより高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れ121と、スラリー12と比較してより低いレベルのガスハイドレートを含有する第2の流れ123とに分離する。
【0026】
一例では、これは、第1の流れ121のガスハイドレートの重量比が、スラリー12のものよりも高く、第2の流れ123のガスハイドレートの重量比が、スラリー12のものよりも低いことによって具体化される。
【0027】
システム22は、少なくとも以下の理由で分離から利益を得ることができる。
1)出願人は、特に固体ガスハイドレートの代わりにガスを回収することを目的とする場合、ハイドレートのサイズをできるだけ小さくして高速解離を可能にするべきであるということを見出した。そのためには、ガスハイドレートを粉砕してハイドレートのサイズを低減することが好ましい(ただし、任意である)。しかしながら、スラリーには岩および堆積物の塊も含有されており、それには操作員は粉砕にエネルギーを費やしたくはない。スラリーを2つの流れに分離することで、省エネルギーの目的のために岩または堆積物を粉砕する必要性を回避することができる。
2)出願人はまた、スラリーに含有されるハイドレートを完全に解離させるために、加熱(およびさらには繰り返し加熱)が必要とされ得ることを見出した。スラリーを、ハイドレートは豊富であるが堆積物が乏しい第1の流れと、ハイドレートは乏しいが堆積物が豊富な第2の流れとに分離することにより、操作員がより多くのハイドレートを含有する第1の流れにさらなる加熱のみを適用することを可能にする。そうでなければ、分離がない場合、ハイドレートがその中で混合されるため、システムはかなりの量の堆積物および岩を加熱しなければならない阿合があるため、これはよりエネルギー効率がよい。
【0028】
出願人は、固体状態の純粋なハイドレート、固体状態の純粋な堆積物、およびその2つの混合物が、通常、以下の特性:質量、サイズ、密度、湿潤性、および磁化率のうちの少なくとも1つの点で互いに異なることを見出した。したがって、分離器222は、これらの特性のうちの少なくとも1つに従って、スラリー12を第1の流れ121と第2の流れ123とに分離することができる。例えば、分離器222は、例えば、堆積物とガスハイドレートとを区別する密度を利用する遠心分離を実行することができる。
【0029】
第1の流れ121および第2の流れ123は、処理アセンブリ224へと移される。処理アセンブリ224は、第1の流れ121および第2の流れ123を別々に処理する。具体的には、第1の流れ121は、第1の流れ121のガスハイドレートからガスを回収するか、または第1の流れからガスハイドレートを回収するように処理される。第2の流れ123は、第2の流れ123のガスハイドレートからガスを回収するように処理される。様々な例では、処理アセンブリ224は、以下で説明されるように、2つの流れを異なって処理することができる。
【0030】
一例では、分離器222および処理アセンブリは、ガスハイドレートの解離に好適な第2の圧力P下で操作される。ガスハイドレートの一部は、分離器222で解離し、残りは処理アセンブリ224で解離する。回収率を高めるために、第1の流れ121を処理することによって得られる残留フローは、尾鉱フロー125の一部を直接形成しなくてもよく、代わりに、残留フローは、別のラウンドの処理のために処理アセンブリ224に送り返して、可能な限り多くのガスハイドレートを解離することを確実にし得る。
【0031】
解離から放出されたガスは、乾燥および再加圧などのさらなる処理のために収集される。一般性を失うことなく、第2の流れ123の処理から回収されたガスを使用して、システム22、またはさらには図1に示されるプラットフォーム1全体に電力を供給することができる。システム22の要素が操作される圧力は、以下を考慮に入れることにより選択され得る:i)ハイドレート解離速度を高めるために(ハイドレート安定曲線に対して)駆動力を最大化すること、ii)可能な限り高いガス輸出圧力要件を満たすこと。
【0032】
別の例では、分離器222は、第2の圧力P下で操作する必要がない場合があり、代わりに、分離器222内の圧力は、ガスハイドレートが分離器222内で解離せず、ガスが放出されないように十分に高く設定され得る。分離器222を出るガスハイドレートは、圧力低下(例えば、Pまで低下)に晒され、下流ユニット/モジュール内、例えば、以下で後に説明されるような粉砕機、または処理アセンブリの第1の流れおよび/または第2の流れのハイドレートの解離を刺激してもよく。
【0033】
別の例では、処理アセンブリ224は、加熱または他の手段によって第1の流れ121のガスハイドレートからガスを回収するように構成されていない。代わりに、処理アセンブリ224は、第1の流れ121を処理して、好ましくは乾燥している比較的純粋なガスハイドレートを得るように構成される。そのために、脱水モジュール(以下で後に説明される)は、処理アセンブリ224に含まれ、第1の流れ121を処理してそこから海水を除去することができる。第1の流れ121は、第1の流れ121からより多くの堆積物を取り出すために、処理アセンブリでの処理の前または後に分離器222に送り返されてもよい。したがって、第1の流れ121を処理することによって得られる流出流127は、貯蔵および/または輸送に好適な乾燥ガス水ハイドレートを含有し得る。分離器222および第1の流れ121を処理するために割り当てられた処理アセンブリ224における要素/モジュール内の圧力および温度は、ガスハイドレートをその安定領域の第1の流れに保つように注意深く制御されるべきである。
【0034】
処理アセンブリ224は、第1の流れ121および第2の流れ123を処理した結果として、尾鉱流125を生成する。尾鉱流125は、主に水および堆積物を含有し、水底19での好適な場所に戻される。
【0035】
簡単に述べられるように、第1の流れ121の処理から期待される生成物に応じて、第1の流れを処理するための主に2つの異なる方法がある。第1の例では、第1の流れ121は、両方ともガスハイドレートの解離を促進する加熱または大きな圧力降下に晒されない。代わりに、処理アセンブリ224で、第1の流れを、脱水(または乾燥)して、液体水を取り出し、後にシステム22の生成物として輸出される比較的純粋な乾燥ハイドレートを得るために、分離器222に繰り返し供給して、そこから沈殿物を取り出してもよい。そのために、分離器および第1の流れ121に割り当てられた脱水モジュールなどの他の要素が、第1の流れのガスハイドレートが解離しないように維持するのに好適な圧力下で操作されることを確実にすることが重要であり得る。分離器および第1の流れ121に割り当てられた脱水モジュールの温度も、解離を促進しないように十分に低く保たれるべきである。第1の流れからガスの代わりにガスハイドレートを生成するには、任意であるが、後に図3を参照して述べられるような粉砕プロセスを使用することができる。
【0036】
第2の流れ123の処理から回収されたガスを使用して、システム22またはさらにはプラットフォーム2全体に電力を供給することができる。
【0037】
図3は、ガスハイドレートを含有するスラリーを処理するためのシステム32の概略ブロック図である。システム32をシステム22と比較すると、主な違いは、システム32が、分離器322の下流および処理アセンブリ324の上流に配置された粉砕機326をさらに含むことである。粉砕機326は、第1の流れ121を受けて粉砕し、それにより、固形物質、特に第1の流れ121のハイドレート掘り屑のサイズを低減するように構成されている。第1の流れ121中の固形物、特にその中のハイドレートのサイズを低減することによって、第1の流れのハイドレートには、その解離を促進し得るより大きな表面領域が提供される。粉砕機の代わりに他の好適な手段を使用して、第1の流れ121のハイドレート掘り屑のサイズを低減させることもできる。
【0038】
粉砕機326は、ガスハイドレートの解離を促進する圧力下で操作されてもよく、ガスは、粉砕機326内の第1の流れ121から部分的に回収され、収集されてもよい。
【0039】
第1の流れ121中の固形物質のサイズを低減することによって形成される粉砕機326からの流出流327は、流出流327および第2の流れ123がガス回収のために別々に処理される処理アセンブリ324に提供される。
【0040】
粉砕機326は任意であることを留意されるべきである。
【0041】
図3の例は、第1の流れ121の処理がガスの代わりにガスハイドレートを回収するために実行される変形を有する。図2を参照して、同様の例が詳述されている。
【0042】
図4は、ガスハイドレートを含有するスラリー12を処理するためのシステム42の概略ブロック図である。システム42は、図3に示されるシステム32に基づくさらなる開発であり、処理アセンブリについてより詳細を提供する。
【0043】
図2~3を参照して同様に説明されるように、システム42において、分離器422は、吸入スラリー12を、スラリー12と比較してより高いハイドレートレベルを有する第1の流れ121と、スラリー12と比較してより低いハイドレートレベルを有する第2の流れとに分離するように設定される。次いで、第1の流れ121は、第1の流れ121中の固形物質のサイズが低減される粉砕機426を通過する。
【0044】
処理アセンブリ424は、粉砕機426の流出流427を処理するために、順番に配置された加熱モジュール4242aおよび反応容器4244a(または反応管)を備える。処理アセンブリ424は、第2の流れ123を受けて処理するように構成された加熱モジュール4242bおよび反応容器4244b(または反応管)をさらに備える。このようにして、粉砕後の第1の流れ427および第2の流れ123は、別々に、かつ必要な場合異なって処理される。
【0045】
加熱モジュール4242aは、それが流れ427に熱を提供し、したがってその中のガスハイドレートの解離を促進するように構成されている。解離から放出されたガスは、その加熱モジュール4242aのガス出口(図示せず)から収集され、加熱モジュール4242aからの流出流429aは、加熱モジュール4242aの下流に設置された反応容器4244aに提供される。流出流429aは、典型的には、加熱モジュール4242aで生じた解離から生成された残留水、粉砕後に最初に第1の流れ427で運ばれた海水および堆積物を含有する。当業者は、ガスの代わりにガスハイドレートを回収するために第1の流れを処理することが期待される場合、加熱モジュール4242aおよび反応容器4244aを省略し、脱水モジュールによって置き換えることができることを理解するであろう。図2および3を参照して、同様の例が記載されている。
【0046】
加熱モジュール4242bは、第2の流れ123に熱を提供して、その中のガスハイドレートの解離を促進するように構成されている。解離から放出されたガスは、加熱モジュール4242bのガス出口(図示せず)から収集され、加熱モジュール4242bからの流出流429bは、反応容器4244bに供給される。加熱モジュール4242bからの流出流429bは、典型的には、加熱モジュール4242bで生じた解離から生成された残留水、第2の流れ123で最初に運ばれた海水および堆積物を含有する。
【0047】
反応容器4244aおよび4244bは、それぞれ大きなタンクによって形成され得る。それぞれの大きなタンクでは、流入流(429aまたは429b)が上部から入り、底から出る。反応容器4244aおよび4244bの各々において、流入流に残っているガスハイドレートは、高い回収率を達成するために解離する、すなわちシステム42内で可能な限り多くのハイドレートを解離するのに十分な時間を有し得る。第1の流れはガスハイドレートが豊富なため、高い解離率を確実にするために、流れ425aは、別のラウンドの加熱のために加熱モジュール4242aに送り返されてもよい。このようにして、ガスの回収率を高めるために、入ってくるスラリーよりも高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れに追加の加熱が提供される。
【0048】
反応容器4244aおよび4244bは、それぞれ尾鉱流425aおよび425bを生成し、それらは好適な様式で水底19にポンプで戻すことができる。
【0049】
述べられるように、各反応容器は、流入流が流れ、流入流中の残りのガスハイドレートが解離することができる反応管によって置き換えられてもよい。
【0050】
反応容器4244bは任意であることができ、その場合、加熱モジュール4242bの流出流は、尾鉱流として取られ、水底19に戻されてもよい。
【0051】
図5は、ガスハイドレートを含有するスラリーを処理するためのシステム52を示す。システム52は、図4に示されるシステム42に基づくさらなる開発と見なされ得る。システム42と比較して、システム52は、以下でさらに記載されるように、脱水機能をさらに含む。
【0052】
分離器522、粉砕機526、加熱モジュール5242aおよび5242b、反応容器5244aおよび5244bは、図2~4を参照して記載されるものと同様である。
【0053】
システム52では、好ましくは、第1の流れおよび第2の流れがそれぞれの加熱モジュールによって加熱される前に脱水が行われる。この脱水設備では、各流れから50%の水が除去されていると想定され、堆積物も除去されていないと想定される。それが発生した場合、それはよい影響のみ有する。脱水により、各流れの流量が減少し得る。
【0054】
脱水モジュール5246aおよび5246bを追加して、粉砕後の第1の流れ527および第2の流れ123を脱水することの効果は、より少ない水を加熱する必要があることである。さらに、同じ設備を使用した場合、流速が減少し、海水と一緒に輸送される熱量が増加する。その結果、推定によれば、加熱モジュールに供給される総電力は約35%減少し得る。
【0055】
第1の流れのガスハイドレートからのガスの高い回収率を確実にするために、反応容器5244aの流出流525aは、脱水モジュール5246aまたは加熱モジュール5242aに送り返されて、そこに残された残留ハイドレートをさらに脱水、加熱してもよい。流れ525aを脱水モジュール5246aに戻すことは、加熱する必要のない流れ525aから残留水を除去するため、好ましい場合がある。
【0056】
図5に示される例の変形によれば、脱水モジュール5246bおよび/または反応容器5244bは、任意であり得る。換言すると、スラリー12と比較してより低いレベルのハイドレートを含有する第2の流れ123は、加熱モジュール5252bに直接送られてもよい。
【0057】
尾鉱流525aおよび525bは、処理アセンブリ524によって第1および第2の流れを処理した結果として形成される。
【0058】
図5の例は、加熱モジュール5242aおよび反応容器5244aが省略される変形を有し、それによって、乾燥ガスハイドレートは、第1の流れを処理することによって回収される。図2~4を参照して、同様の例が述べられている。
【0059】
図2~5に示される例はすべて、任意の前処理アセンブリ(図示せず)を分離器の上流に追加することによって変更され得る。前処理には、以下:事前加熱、脱水、研削のうちの少なくとも1つが含まれ得る。
【0060】
図6は、本発明の実施形態による加熱モジュール6の例示的なブロック図を示す。
【0061】
示されるように、第1のユニット601は、図2~5のうちのいずれかに示されるように、スラリー12、第1の流れまたは第2の流れであり得る加熱モジュール6の流入流611を受ける。第1のユニット601はまた、第1のユニット601で流入流611を加熱するために導入された第1の加熱媒体616を受ける。第1の加熱媒体616は、例えば、冷たいスラリーよりも暖かい海水である。一例では、第1のユニット601は、多管式熱交換器によって実装される。図6に示されるように、メタンは、第1のユニット601における加熱プロセスから部分的に回収され得る。
【0062】
第1のユニット601からの流出流612は、第2のユニット602に導かれ、これは、一例では、流出流612を2つの流れ613および615、例えば、液体サイクロンまたはY型継手に分割する任意の手段であり得る。流れ613は、流出流612の小さな部分(例えば、20%、10%、またはそれ未満)であり得る。
【0063】
流れ613は、例えば、第2の加熱媒体617によってさらに加熱される第3のユニット603に供給される。流れ613に含有されるガスハイドレート中のガスの一部は、この第3のユニット603で回収される。一例では、第3のユニット603は、スパイラル熱交換器によって実装され、第2の加熱媒体617は、加熱水である。加熱水は、廃熱および/もしくは追加熱によって、または以前に回収されたガスを燃焼させることによって、例えば、秒流を処理することによって加熱することができる。
【0064】
第3のユニット603で流れ613を処理した後、流出流614が生成され、流出流614および主な流れ615が再び合流する別のY型継手であり得る第4のユニット604に供給される。合流616は、例えば、さらなる処理のために以前に記載されるように反応容器に提供される。
【0065】
代替例では、第2のユニット602は、より小さなハイドレート粒子(例えば、微細粒子)がより大きなハイドレート粒子(例えば、カーサー粒子)から分離されるハイドロサイクロンによって実装されてもよい。より小さいハイドレート粒子を運ぶ流れ613は、プレート熱交換器またはいくつかの並行プレート熱交換器によって実施され得る第3のユニット603に供給され、廃熱または追加熱から水を加熱することによって加熱される。より大きなハイドレート粒子を運ぶ流れ615は、任意に、海水による多管式熱交換においてさらなる加熱に晒される。これらの2つの流れは、熱交換器を通過した後、第4のユニット604で一緒に合流する。
【0066】
反応容器では、ハイドレートは解離する時間を有する。すべてのハイドレートが解離してガスが排出されると、水および土壌は海底に戻される。
【0067】
別の代替例では、第1のユニット601は、並列に配置されたいくつかのスパイラル熱交換器によって実装されてもよい。
【0068】
図6を参照して、流入流を2つの流れ613および615に分離し、2つの流れを処理する加熱モジュール6が記載されている。あるいは、加熱モジュールは、順番に配置された事前加熱器および本加熱器によって実装されてもよい。例えば、海水で流入流を事前加熱するための事前加熱器として、多管式熱交換器を使用してもよい。本加熱は、例えば、蒸気を注入することによって行われる。蒸気注入後、加熱モジュールの流出流が形成され、すべてのガスハイドレートが解離する反応容器に供給される。
【0069】
システムのこれらおよびその他のモジュール、ユニット、構成要素の動作条件は、ハイドレート解離の動力学を説明する数学的モデルを使用することによって良好に調整され得る。
【0070】
本発明によるシステムの特定の例は、建築用ブロック(ユニット、モジュール)が特定の順番で配置されている図面を参照して記載されている。当業者は、本発明がこれらの例に限定されないことを理解するであろう。例えば、それらの建築用ブロックのうちの少なくとも一部は、順番を変更、および/または環状もしくは並列に配置することができるとする。
【0071】
図に示される配置の変形によれば、スラリーは分離前に前処理されてもよい。例えば、スラリーを事前加熱するための前処理アセンブリを、分離器の上流に設置して、暖かい海水でスラリーを事前加熱してもよい。図6に示される加熱モジュールは、この目的のために使用され得る。
【0072】
別の変形例では、脱水モジュールを、分離器の上流に設置して、スラリーが分離器に供給される前にスラリーを脱水してもよい。この脱水モジュールは、処理アセンブリ内の少なくとも1つの脱水モジュールを置き換える必要はなく、一例では、脱水は、分離前および処理アセンブリ内で実行される。
【0073】
別の変形例では、粉砕機を分離器の上流に設置してもよい。これは、スラリーの非ハイドレート成分を粉砕することによって追加のエネルギー消費をもたらし得、処理アセンブリの少なくとも一部は、分離器の下流に設置することから依然として利益を得ることができる。
【0074】
図7は、本発明の好ましい実施形態による、水底から得られたガスハイドレート含有スラリーを処理するための方法の例示的なフローチャートを示す。この方法のさまざまなステップは、図2~5を参照して記載されるシステム22、34、42、および52のユニット、モジュール、アセンブリの機能を反映している。したがって、方法は、図2~5に関連して提供される説明を参照することによってすでに説明することができる。
【0075】
図2に示されるシステム22を反映する方法の基本的な実施形態では、方法は、
(i)スラリーを、スラリーと比較してより高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れと、スラリーと比較してより低いレベルのガスハイドレートを含有する第2の流れとに分離するステップと、
(ii)第1の流れおよび第2の流れを別々に処理することであって、第1の流れが、第1の流れからガスハイドレートを回収するか、または第1の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理され、第2の流れが、第2の流れのガスハイドレートからガスを回収するように処理される、処理するステップと、を含む。
【0076】
図7に示される例では、ステップ701(記載されるように分離器の機能を反映する)で、水底から引き上げられた吸入スラリーは、分離器(322、422、522)によって、スラリーと比較してより高いレベルのガスハイドレートを含有する第1の流れと、スラリーと比較してより低いレベルのガスハイドレートを含有する第2の流れとに分離される。
【0077】
スラリーは、第1の圧力下で分離器に輸送され、分離器は、第2の圧力下で操作されてもよく、第1の圧力は、ガスハイドレートの解離を防ぐように選択される。方法のステップのうちの少なくとも一部は、ガスハイドレートを解離させるために第1の圧力よりも低く、かつ大気圧よりも高くなるように選択される第2の圧力P下で操作され得る。換言すると、システムのうちの少なくとも一部は、ガスハイドレートを解離させるために第1の圧力よりも低く、かつ大気圧よりも高くなるように選択される第2の圧力下で操作される。あるいは、以前に記載されるように、圧力降下は分離後に発生し得る。
【0078】
ステップ702では、第1の流れは粉砕され、それにより、第1の流れ中の固形物質、特に固体状態のガスハイドレートのサイズが低減される。
【0079】
ステップ703では、第1の流れ(粉砕後)および第2の流れがそれぞれ脱水される。
【0080】
ステップ704では、以前に記載されるようにそれぞれの加熱モジュールを使用して、脱水された流れが加熱される。
【0081】
ステップ705では、加熱された流れは、ガスがスラリーから十分に回収されるまで、残りのガスハイドレートがさらに解離するそれぞれの反応容器に供給される。
【0082】
先に述べられるように、第2の流れは、脱水および反応容器に晒す必要がある場合もあれば、そうでない場合もある。換言すると、第2の流れは、ガス回収のために加熱するために直接送られてもよく、加熱後に生成された流出流は、尾鉱流として取られて処分のために送られ得る。
【0083】
ステップ704の実施形態は、図6を参照して説明される加熱モジュール6を反映する以下のプロセスを含み得る。
-加熱モジュールの流入流を第1の加熱媒体に晒して、事前加熱された流れを得ること;
-事前加熱された流れを第1の流れおよび第2の流れに分離すること;
-第1の流れのみを第2の加熱媒体に晒すこと;および
-加熱された第1の流れを第2の流れと一緒に合流させて、加熱モジュールの流出流を得ること。
【0084】
方法は、スラリーが分離器に送られる前に、スラリーを以下の処理のうちの少なくとも1つに晒すステップ(図示せず)をさらに含み得る:
研削;
予熱;
脱水。
【0085】
この任意のステップは、図2~5を参照して説明される前処理アセンブリを反映している。
【0086】
図7に示される方法の変形では、第1の蒸気は加熱されず、反応容器にも晒されない。代わりに、第1の流れは、主に脱水されてそこから水を除去する。脱水後の第1の流れは、分離を強化し、第1の流れからより多くの堆積物を取り出すために、分離器に送り返されてもよい。そのような変形例は、図2~5を参照してすでに詳述されている。
【0087】
特定の実施形態が記載れているが、これらの実施形態は、例として提示されているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書で記載される実施形態は、様々な他の形態で具体化されてもよい。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態の形態における様々な省略、置換、および変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびそれらの等価物は、本発明の範囲内に含まれるような、そのような形態または修正を含むことを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7