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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】撮像装置およびキャリブレーション方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/00 20060101AFI20240423BHJP
   G01K 7/01 20060101ALI20240423BHJP
   H04N 25/70 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G01K7/00 321C
G01K7/01 C
G01K7/00 321G
H04N25/70
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020565633
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2019048063
(87)【国際公開番号】W WO2020144996
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2019002937
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古坂 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】河津 直樹
(72)【発明者】
【氏名】岡 巧
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-327174(JP,A)
【文献】特開2008-141325(JP,A)
【文献】特開2012-175408(JP,A)
【文献】特開2016-31274(JP,A)
【文献】特開2011-188224(JP,A)
【文献】特開2014-86000(JP,A)
【文献】特開2005-316530(JP,A)
【文献】特開2013-150144(JP,A)
【文献】特開2010-193296(JP,A)
【文献】米国特許第6614562(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
H04N 25/00、25/47-25/61、
25/615-25/79
G05F 3/16-3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画素を有する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の周辺の絶対温度を測定する温度測定部と、
を備え、
前記温度測定部は、
前記画素アレイ部の周辺の絶対温度に比例するPTAT信号を生成するPTAT信号生成部と、
前記PTAT信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
前記A/D変換部に供給される前記PTAT信号をカットするスイッチと、
前記スイッチでカットされた前記PTAT信号をA/D変換した第1のデジタル信号と、前記PTAT信号生成部で生成された前記PTAT信号をA/D変換した第2のデジタル信号とに基づいて、前記デジタル信号を補正する補正演算式のパラメータを算出する補正部と、
を有し、
前記温度測定部は、前記第2のデジタル信号を前記パラメータが算出された前記補正演算式で補正することで、前記画素アレイ部の周辺の絶対温度を測定し、
前記PTAT信号生成部は、npn型のバイポーラトランジスタQ1、Q2と、抵抗R1、R2と、同一サイズのp型のMOSトランジスタP1、P2、P3と、オペアンプと、n型のMOSトランジスタN1、N2とを含み、
前記バイポーラトランジスタQ1、Q2は、それぞれ、ベースとコレクタがショートされてダイオードとなり、
前記バイポーラトランジスタQ1からなるダイオードのアノードは、前記オペアンプの負入力端子および前記MOSトランジスタP1のドレインに接続され、
前記バイポーラトランジスタQ2からなるダイオードのアノードは、前記抵抗R1の一端に接続され、
前記バイポーラトランジスタQ1からなるダイオードのカソードは、前記バイポーラトランジスタQ2からなるダイオードのカソードおよび前記抵抗R2の一端に接続され、
前記抵抗R2の他端は、接地され、
前記バイポーラトランジスタQ2は、前記バイポーラトランジスタQ1に対して所与のサイズ比を有し、
前記抵抗R1の他端は、前記オペアンプの正入力端子および前記MOSトランジスタP2のドレインに接続され、
前記オペアンプの出力端子は、前記MOSトランジスタP1のゲート、前記MOSトランジスタP2のゲートおよび前記MOSトランジスタP3のゲートに接続され、
前記MOSトランジスタP1、P2、P3は、カレントミラー回路をなし、
前記MOSトランジスタP3のドレインは、前記MOSトランジスタN1のドレインに接続され、
前記MOSトランジスタN1、N2は、カレントミラー回路をなし、
前記PTAT信号生成部は、前記MOSトランジスタN2のドレイン電流を前記PTAT信号として生成する
撮像装置。
【請求項2】
前記スイッチは、前記PTAT信号生成部と前記A/D変換部との間に設けられる
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画素は、アナログ信号である画像データを生成し、
前記A/D変換部は、前記画像データをA/D変換する
請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記A/D変換部は、複数設けられ、
前記補正部は、複数の前記A/D変換部でそれぞれ変換される前記第1のデジタル信号および前記第2のデジタル信号に基づいて、前記補正演算式の前記パラメータを算出する
請求項1~3のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記補正部は、電源電圧の測定値に基づいて前記デジタル信号を補正する
請求項1~4のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項6】
絶対温度に比例するPTAT信号をカットする信号カット工程と、
カットされた前記PTAT信号を第1のデジタル信号に変換する第1A/D変換工程と、
前記PTAT信号を出力するPTAT信号出力工程と、
前記PTAT信号を第2のデジタル信号に変換する第2A/D変換工程と、
画素アレイ部の周辺の絶対温度に比例するPTAT信号をA/D変換したデジタル信号を補正する補正演算式のパラメータを、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号とに基づいて算出する算出工程と、
前記第2のデジタル信号を前記パラメータが算出された前記補正演算式で補正することで、前記画素アレイ部の周辺の絶対温度を測定する測定工程と、
を含み、
前記PTAT信号は、npn型のバイポーラトランジスタQ1、Q2と、抵抗R1、R2と、同一サイズのp型のMOSトランジスタP1、P2、P3と、オペアンプと、n型のMOSトランジスタN1、N2とを含むPTAT信号生成部で生成され、
前記バイポーラトランジスタQ1、Q2は、それぞれ、ベースとコレクタがショートされてダイオードとなり、
前記バイポーラトランジスタQ1からなるダイオードのアノードは、前記オペアンプの負入力端子および前記MOSトランジスタP1のドレインに接続され、
前記バイポーラトランジスタQ2からなるダイオードのアノードは、前記抵抗R1の一端に接続され、
前記バイポーラトランジスタQ1からなるダイオードのカソードは、前記バイポーラトランジスタQ2からなるダイオードのカソードおよび前記抵抗R2の一端に接続され、
前記抵抗R2の他端は、接地され、
前記バイポーラトランジスタQ2は、前記バイポーラトランジスタQ1に対して所与のサイズ比を有し、
前記抵抗R1の他端は、前記オペアンプの正入力端子および前記MOSトランジスタP2のドレインに接続され、
前記オペアンプの出力端子は、前記MOSトランジスタP1のゲート、前記MOSトランジスタP2のゲートおよび前記MOSトランジスタP3のゲートに接続され、
前記MOSトランジスタP1、P2、P3は、カレントミラー回路をなし、
前記MOSトランジスタP3のドレインは、前記MOSトランジスタN1のドレインに接続され、
前記MOSトランジスタN1、N2は、カレントミラー回路をなし、
前記PTAT信号生成部は、前記MOSトランジスタN2のドレイン電流を前記PTAT信号として生成する
キャリブレーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置およびキャリブレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、撮像装置などに搭載される温度センサにおいて、あらかじめ所定のテスト温度で出力される温度データの値を取得しておくことにより、温度センサのキャリブレーション(較正)を実施する技術がある(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-220437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、温度センサの精度を向上させるため、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすと、キャリブレーションに時間や設備が多く必要となることから、製造コストが増大する恐れがある。
【0005】
そこで、本開示では、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる撮像装置およびキャリブレーション方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、撮像装置が提供される。撮像装置は、画素を有する画素アレイ部と、アナログ信号生成部と、A/D変換部と、スイッチとを備える。アナログ信号生成部は、前記画素アレイ部の周辺の温度に基づくアナログ信号を生成する。A/D変換部は、前記アナログ信号をデジタル信号に変換する。スイッチは、前記A/D変換部に供給される前記アナログ信号をカットする。
【0007】
また、本開示によれば、キャリブレーション方法が提供される。キャリブレーション方法は、信号カット工程と、第1A/D変換工程と、アナログ信号出力工程と、第2A/D変換工程と、算出工程とを含む。信号カット工程は、温度に基づいて生成されるアナログ信号をカットする。第1A/D変換工程は、カットされた前記アナログ信号を第1のデジタル信号に変換する。アナログ信号出力工程は、前記アナログ信号を出力する。第2A/D変換工程は、前記アナログ信号を第2のデジタル信号に変換する。算出工程は、画素アレイ部の周辺の温度に基づいて生成されるアナログ信号をA/D変換したデジタル信号を補正する補正演算式のパラメータを、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号とに基づいて算出する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る撮像装置の概略構成例を示すシステム構成図である。
図2】本開示の実施形態に係る温度測定部の概略構成例を示すシステム構成図である。
図3】本開示の実施形態に係るPTAT電流生成部、カットスイッチ、および電流-電圧変換部の構成を示す回路図である。
図4】本開示の実施形態に係るキャリブレーション方法を模式的に示す図である。
図5】本開示の実施形態の変形例1に係るキャリブレーション方法を模式的に示す図である。
図6】本開示の実施形態の変形例2に係るキャリブレーション方法を模式的に示す図である。
図7】本開示の実施形態の変形例3に係る温度測定部の概略構成例を示すシステム構成図である。
図8】本開示の実施形態の変形例4に係る温度測定部の概略構成例を示すシステム構成図である。
図9】本開示の実施形態に係るキャリブレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。
図10】本開示の実施形態に係る温度データの補正方法の処理手順を示すフローチャートである。
図11】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図12】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の各実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
近年、撮像装置などに搭載される温度センサにおいて、あらかじめ所定のテスト温度で出力される温度データの値を取得しておくことにより、温度センサのキャリブレーション(較正)を実施する技術がある。
【0012】
しかしながら、上記の従来技術では、温度センサの精度を向上させるため、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすと、キャリブレーションに時間や設備が多く必要となることから、製造コストが増大する恐れがある。
【0013】
一方で、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を少なくすると、温度データを補正する補正演算式のパラメータを精度よく求めることが難しいことから、温度センサの精度を向上させることが困難である。
【0014】
そこで、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることが期待されている。
【0015】
(実施形態)
[撮像装置の構成]
図1は、本開示の実施形態に係る撮像装置1の概略構成例を示すシステム構成図である。図1に示すように、CMOSイメージセンサである撮像装置1は、画素アレイ部10と、システム制御部12と、垂直駆動部13と、カラム読出し回路部14と、カラム信号処理部15と、水平駆動部16と、信号処理部17と、温度測定部18とを備える。
【0016】
これら画素アレイ部10、システム制御部12、垂直駆動部13、カラム読出し回路部14、カラム信号処理部15、水平駆動部16、信号処理部17および温度測定部18は、同一の半導体基板上または電気的に接続された複数の積層半導体基板上に設けられる。
【0017】
画素アレイ部10には、入射光量に応じた電荷量を光電変換して内部に蓄積し、信号として出力することが可能な光電変換素子(フォトダイオード)を有する有効単位画素(以下、「単位画素」とも呼称する)11が行列状に2次元配置されている。単位画素11は、画素の一例である。
【0018】
また、画素アレイ部10は、有効単位画素11の他に、フォトダイオードを持たない構造のダミー単位画素や、受光面を遮光することで外部からの光入射が遮断された遮光単位画素などが、行および/または列状に配置されている領域を含む場合がある。
【0019】
なお、遮光単位画素は、受光面が遮光された構造である以外は、有効単位画素11と同様の構成を備えていてもよい。また、以下では、入射光量に応じた電荷量の光電荷を、単に「電荷」とも呼称し、単位画素11を、単に「画素」とも呼称する場合もある。
【0020】
画素アレイ部10には、行列状の画素配列に対して、行ごとに画素駆動線LDが図面中の左右方向(画素行の画素の配列方向)に沿って形成され、列ごとに垂直画素配線LVが図面中の上下方向(画素列の画素の配列方向)に沿って形成される。画素駆動線LDの一端は、垂直駆動部13の各行に対応した出力端に接続される。
【0021】
カラム読出し回路部14は、少なくとも、画素アレイ部10内の選択行における単位画素11に列ごとに定電流を供給する回路、カレントミラー回路および読出し対象となる単位画素11の切替えスイッチなどを含む。
【0022】
そして、カラム読出し回路部14は、画素アレイ部10内の選択画素におけるトランジスタとともに増幅器を構成し、光電荷信号を電圧信号に変換して垂直画素配線LVに出力する。
【0023】
垂直駆動部13は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどを含み、画素アレイ部10の各単位画素11を、全画素同時や行単位などで駆動する。この垂直駆動部13は、その具体的な構成については図示を省略するが、読出し走査系と、掃出し走査系あるいは一括掃出しおよび一括転送系とを有する構成となっている。
【0024】
読出し走査系は、単位画素11から画素信号を読み出すために、画素アレイ部10の単位画素11を行単位で順に選択走査する。行駆動(ローリングシャッタ動作)の場合、掃出しについては、読出し走査系によって読出し走査が行われる読出し行に対して、その読出し走査よりもシャッタスピードの時間分だけ先行して掃出し走査が行なわれる。
【0025】
また、グローバル露光(グローバルシャッタ動作)の場合は、一括転送よりもシャッタスピードの時間分先行して一括掃出しが行なわれる。このような掃出しにより、読出し行の単位画素11のフォトダイオードから不要な電荷が掃出し(リセット)される。そして、不要電荷の掃出し(リセット)により、いわゆる電子シャッタ動作が行われる。
【0026】
ここで、電子シャッタ動作とは、直前までフォトダイオードに溜まっていた不要な光電荷を捨てて、新たに露光を開始する(光電荷の蓄積を開始する)動作のことをいう。
【0027】
読出し走査系による読出し動作によって読み出される信号は、その直前の読出し動作または電子シャッタ動作以降に入射した光量に対応するものである。行駆動の場合は、直前の読出し動作による読出しタイミングまたは電子シャッタ動作による掃出しタイミングから、今回の読出し動作による読出しタイミングまでの期間が、単位画素11における光電荷の蓄積時間(露光時間)となる。グローバル露光の場合は、一括掃出しから一括転送までの時間が蓄積時間(露光時間)となる。
【0028】
垂直駆動部13によって選択走査された画素行の各単位画素11から出力される画素信号は、垂直画素配線LVの各々を通してカラム信号処理部15に供給される。カラム信号処理部15は、画素アレイ部10の画素列ごとに、選択行の各単位画素11から垂直画素配線LVを通して出力される画素信号に対して所定の信号処理を行うとともに、信号処理後の画素信号を一時的に保持する。
【0029】
具体的には、カラム信号処理部15は、信号処理として少なくとも、ノイズ除去処理、たとえばCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)処理を行う。このカラム信号処理部15によるCDS処理により、リセットノイズや増幅トランジスタAMPの閾値ばらつきなどの画素固有の固定パターンノイズが除去される。
【0030】
また、カラム信号処理部15は、複数のA/D変換部15a、15b・・(図8参照)を有する。かかる複数のA/D変換部15a、15b・・は、単位画素11で生成される画素信号をデジタル画素信号にA/D変換する。
【0031】
水平駆動部16は、シフトレジスタやアドレスデコーダなどを含み、カラム信号処理部15の画素列に対応する単位回路を順番に選択する。この水平駆動部16による選択走査により、カラム信号処理部15で信号処理されたデジタル画素信号が順番に信号処理部17に出力される。
【0032】
システム制御部12は、各種のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータなどを含む。システム制御部12は、かかるタイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号を基に、垂直駆動部13、カラム読出し回路部14、カラム信号処理部15、水平駆動部16などの駆動制御を行う。
【0033】
撮像装置1は、さらに、信号処理部17と、図示しないデータ格納部と、温度測定部18とを備える。信号処理部17は、少なくとも加算処理機能を有し、カラム信号処理部15から出力される画素信号に対して加算処理などの種々の信号処理を行う。
【0034】
データ格納部は、信号処理部17での信号処理にあたって、その処理に必要なデータを一時的に格納する。これら信号処理部17およびデータ格納部については、撮像装置1とは別の基板に設けられる外部信号処理部、たとえばDSP(Digital Signal Processor)やソフトウェアによる処理であってもよいし、撮像装置1と同じ基板上に搭載されてもよい。
【0035】
温度測定部18は、画素アレイ部10の周辺に設けられ、画素アレイ部10周辺の温度を測定し、測定された温度に基づく温度データをデジタル信号として出力する。温度データは、デジタル信号の一例である。かかる温度測定部18の詳細については後述する。
【0036】
実施形態に係る撮像装置1では、温度測定部18から出力される画素アレイ部10周辺の温度データに基づいて、低温時や高温時などのフェールセーフ動作を行うことができる。
【0037】
かかるフェールセーフ動作としては、たとえば、低温時や高温時などに撮像装置1自体を停止させる動作や、エラー信号を発信して外部に警告する動作などである。これにより、信頼性の高い撮像装置1を実現することができる。
【0038】
また、実施形態に係る撮像装置1では、カラム信号処理部15や信号処理部17などでの各種信号処理において、温度測定部18から出力される画素アレイ部10周辺の温度情報をパラメータに追加することができる。
【0039】
たとえば、ノイズリダクションやシェーディング補正などにおいて、画素アレイ部10周辺の温度情報をパラメータに追加することができる。これにより、各種信号処理を高い精度で実施することができる。
【0040】
[温度測定部の構成]
つづいて、温度測定部18の詳細について、図2および図3を参照しながら説明する。図2は、本開示の実施形態に係る温度測定部18の概略構成例を示すシステム構成図である。
【0041】
図2に示すように、温度測定部18は、PTAT(Proportional To Absolute Temperature)電流生成部20と、カットスイッチ21と、電流-電圧変換部22と、A/D変換部23と、補正部24と、記憶部25とを備える。PTAT電流生成部20は、アナログ信号生成部の一例であり、カットスイッチ21は、スイッチの一例である。
【0042】
PTAT電流生成部20は、画素アレイ部10周辺の温度に基づくPTAT電流Ip(図3参照)を出力する。PTAT電流Ipは、アナログ信号の一例である。PTAT電流生成部20は、たとえば、画素アレイ部10周辺の絶対温度に比例した電流値であるPTAT電流Ipを出力する。
【0043】
図3は、本開示の実施形態に係るPTAT電流生成部20、カットスイッチ21、および電流-電圧変換部22の構成を示す回路図である。図3に示すように、PTAT電流生成部20は、npn型のバイポーラトランジスタQ1、Q2と、抵抗R1、R2と、p型のMOSトランジスタP1~P3と、オペアンプOPと、n型のMOSトランジスタN1、N2とを含む。なお、以降の説明では、上記の各トランジスタを、トランジスタQ1、Q2、トランジスタP1~P3、トランジスタN1、N2と呼称する。
【0044】
トランジスタQ1およびトランジスタQ2は、それぞれ、ベースとコレクタがショートされる。これにより、トランジスタQ1およびトランジスタQ2は、一つのpn接合からなるダイオードを構成する。
【0045】
トランジスタQ1からなるダイオードのアノードは、オペアンプOPの負入力端子およびトランジスタP1のドレインに接続される。トランジスタQ2からなるダイオードのアノードは、抵抗R1の一端に接続される。
【0046】
トランジスタQ2は、トランジスタQ1に対してサイズ比(ジャンクション面積)がM倍に大きく形成される。かかるサイズ比Mの値は、温度測定部18の特性を決定する値であり、温度測定部18に要求される仕様を満たすように適宜決定される。
【0047】
抵抗R1の一端は、トランジスタQ2のコレクタに接続され、抵抗R1の他端は、オペアンプOPの正入力端子およびトランジスタP2のドレインに接続される。
【0048】
オペアンプOPの正入力端子は、抵抗R1の他端に接続されるとともに、トランジスタP2のドレインに接続される。オペアンプOPの負入力端子は、トランジスタQ1のエミッタおよびトランジスタP1のドレインに接続される。オペアンプOPの出力端子は、トランジスタP1およびトランジスタP2のゲートに接続される。
【0049】
実施形態において、トランジスタP1~P3は、同一サイズのp型MOSトランジスタが用いられる。トランジスタP1~P3は、互いのゲートがショートされるとともに、ソースが電源電圧Vddに接続される。
【0050】
つづいて、PTAT電流生成部20の回路動作について説明する。オペアンプOPは、正入力端子と負入力端子の電位が等しくなるように動作する(仮想短絡)。すなわち、オペアンプOPは、トランジスタP1とトランジスタP2のドレイン電圧が等しくなるように、互いにショートされたトランジスタP1およびトランジスタP2のゲートの電圧を制御する。
【0051】
そして、トランジスタP1およびトランジスタP2のゲートの電圧が制御されることで、トランジスタP1およびトランジスタP2のドレイン電流が制御される。ここで、トランジスタP1とトランジスタP2とのゲート-ソース間電圧Vgsは等しいため、トランジスタP1とトランジスタP2とには同じ値のドレイン電流が流れる。したがって、トランジスタQ1とトランジスタQ2とには同じ値の電流が印加される。
【0052】
また、上述のように、トランジスタQ1は1個のnpnトランジスタからなるのに対し、トランジスタQ2はM個のnpnトランジスタからなる。これにより、トランジスタQ2を構成する各npnトランジスタに流れる電流は、トランジスタQ1を構成する1個のnpnトランジスタに流れる電流より小さくなる。
【0053】
したがって、トランジスタQ1のベース-エミッタ間電圧Vbe1は、トランジスタQ2のベース-エミッタ間電圧Vbe2より大きくなる。その結果、ベース-エミッタ間電圧Vbe1とベース-エミッタ間電圧Vbe2との差に相当する電圧が、抵抗R1に印加される。
【0054】
ここで、ベース-エミッタ間電圧Vbe1とベース-エミッタ間電圧Vbe2との差は温度に対して正の相関を有するため、抵抗R1に流れる電流も温度に対して正の相関を有する。そして、抵抗R1に流れる電流はトランジスタP2のドレイン電流であるため、トランジスタP2のドレイン電流もまた、温度に対して正の相関を有する。
【0055】
トランジスタP1、P2、P3はカレントミラー回路をなし、トランジスタP1、P2のドレイン電流はそのままトランジスタP3のドレイン電流をなす。かかるトランジスタP3のドレイン電流は、トランジスタN1に流れる。
【0056】
そして、トランジスタN1、N2はカレントミラー回路をなすことから、トランジスタN1のドレイン電流はそのままトランジスタN2のドレイン電流をなす。そして、トランジスタN2のドレイン電流が、PTAT電流生成部20の出力電流であるPTAT電流Ipとなる。
【0057】
かかるPTAT電流Ipは、温度に対して正の相関を有するトランジスタP2のドレイン電流に等しいため、トランジスタP2のドレイン電流と同じく温度に対して正の相関を有する。以下、計算によりPTAT電流Ipを求めることで、その温度依存性を示す。
【0058】
トランジスタQ1のコレクタの電位V1およびトランジスタQ2のコレクタの電位V2は、それぞれ下記式(1)、(2)で与えられる。
V1=(k/q)・T・ln(I1/Is) ・・・(1)
V2=(k/q)・T・ln(I1/(M・Is)) ・・・(2)
【0059】
ここで、kはボルツマン定数(1.38×10-23(J/K))、qは電荷素量(1.6×10-19(C))、Tは絶対温度(K)、Isは逆方向飽和電流(A)である。
【0060】
また、トランジスタP1のドレイン電流I1は、下記式(3)で与えられる。
I1=(V1-V2)/R1 ・・・(3)
【0061】
ここで、トランジスタP1のドレイン電流I1は、PTAT電流Ipと等しいことから、PTAT電流Ipは、以下の式(4)で与えられる。
Ip=I1=(k/q)・T・ln(M)/R1 ・・・(4)
【0062】
式(4)から判るように、トランジスタQ1と同じnpnトランジスタをM個並列接続してトランジスタQ2を構成することにより、トランジスタP1のドレイン電流I1においてnpnトランジスタの逆方向飽和電流Isの値をキャンセルすることができる。
【0063】
したがって、実施形態によれば、温度に対して正の相関を有するPTAT電流Ipを出力することができる。なお、実施形態のPTAT電流生成部20は、図3の例に限られず、温度に対して正の相関を有するPTAT電流Ipを出力可能な構成であれば、どのような構成であってもよい。
【0064】
カットスイッチ21は、PTAT電流生成部20から供給されるPTAT電流Ipをカットする。カットスイッチ21は、たとえば、PTAT電流生成部20と電流-電圧変換部22との間に設けられる。
【0065】
なお、カットスイッチ21は、PTAT電流生成部20と電流-電圧変換部22との間に設けられる場合に限られず、PTAT電流生成部20の内部(たとえば、図3に示したトランジスタP3とトランジスタN1との間)に設けられてもよい。
【0066】
電流-電圧変換部22は、たとえば、電源電圧Vddとカットスイッチ21との間に設けられる抵抗である。電流-電圧変換部22は、カットスイッチ21を介してPTAT電流生成部20から供給されるアナログ信号のPTAT電流Ipを、PTAT電圧Vpに変換する。すなわち、このPTAT電圧Vpは、温度に対して正の相関を有するアナログ信号である。
【0067】
図2の説明に戻る。A/D変換部23は、電流-電圧変換部22から出力されるアナログ信号のPTAT電圧Vpを、デジタル信号の温度データに変換する。
【0068】
補正部24は、A/D変換部23から出力される温度データを補正し、かかる補正された温度データを温度測定部18の外部に出力する。補正部24は、たとえば、記憶部25に格納されるパラメータ26を読み出し、かかるパラメータ26および温度データを所定の補正演算式E(図4参照)に入力することにより、温度データを補正することができる。
【0069】
パラメータ26は、たとえば撮像装置1の出荷前などに、あらかじめ所定の温度(たとえば、60℃)で出力される温度データの値を取得しておくことにより算出することができる。
【0070】
かかるパラメータ26を記憶する記憶部25は、半導体メモリまたはハードディスクなどの記憶媒体により構成され、温度測定部18による処理のためのプログラムおよびデータを記憶する。なお、本開示のプログラムおよびデータの一部は、記憶部25により記憶されることなく、外部のデータソース(例えば、データサーバ、ネットワークストレージ又は外付けメモリなど)から取得されてもよい。
【0071】
実施形態では、上記に示したキャリブレーションを実施することにより、それぞれの撮像装置1において、製造バラツキなどが補正された高精度な温度データを出力することができる。
【0072】
また、実施形態では、補正部24において、補正演算式Eに電源電圧Vddのパラメータも含めることにより、さらに高精度な温度データを出力することができる。なぜなら、温度データの元となるPTAT電流Ipは、電源電圧Vddの変動にともない変動するからである。また、電源電圧Vddのパラメータも補正演算式Eに含める場合、温度測定部18に電源電圧Vddをモニタする機能を搭載すればよい。
【0073】
[キャリブレーション方法]
つづいては、温度測定部18におけるキャリブレーション方法の詳細について、図4図6を参照しながら説明する。図4は、本開示の実施形態に係るキャリブレーション方法を模式的に示す図である。
【0074】
実施形態では、まず、カットスイッチ21を切断状態にすることにより、PTAT電流生成部20から供給されるPTAT電流Ipをカットする。これにより、PTAT電流Ipの出力をゼロにすることができることから、温度測定部18においてテスト温度がゼロ(K)である状態を模擬することができる。
【0075】
次に、実施形態では、カットされたPTAT電流Ipを電流-電圧変換部22でPTAT電圧Vpに変換し、かかるPTAT電圧VpをA/D変換部23で温度データDに変換する。
【0076】
そして、実施形態では、図4に示すように、ゼロ(K)相当である温度Tでの温度データDを、補正点Pとして直交座標系にプロットする。なお、かかる温度データDは、PTAT電流Ipがゼロであっても、必ずしもゼロにはならない。なぜなら、温度測定部18では、A/D変換部23や電流-電圧変換部22などで出力値にオフセットが生じるからである。
【0077】
次に、実施形態では、カットスイッチ21を接続状態にすることにより、PTAT電流生成部20から電流-電圧変換部22にPTAT電流Ipを供給する。そして、実施形態では、撮像装置1を所定の温度Tの環境下におく。すなわち、キャリブレーションのテスト温度を温度Tに設定する。
【0078】
次に、実施形態では、PTAT電流生成部20から供給されるPTAT電流Ipを電流-電圧変換部22でPTAT電圧Vpに変換し、かかるPTAT電圧VpをA/D変換部23で温度データDに変換する。そして、実施形態では、図4に示すように、温度Tでの温度データDを、補正点Pとして直交座標系にプロットする。
【0079】
つづいて、実施形態では、プロットされた補正点Pおよび補正点Pに基づいて、補正演算式Eのパラメータ26(図2参照)を算出する。たとえば、図4に示すように、2つの補正点P、Pを線形近似することにより、一点鎖線で示される補正演算式Eのパラメータ26を算出することができる。
【0080】
すなわち、実施形態では、1つのテスト温度(温度T)でキャリブレーションを実施する場合に、テスト温度の数よりも多い2つの補正点P、Pを直交座標系にプロットすることができる。したがって、実施形態によれば、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる。
【0081】
また、実施形態では、図4に示すように、テスト温度がゼロ(K)である場合に温度データがゼロ(LSB)であるとみなして求めた補正演算式Eaに比べて、キャリブレーションの精度を向上させることができる。
【0082】
なぜなら、上述のようにA/D変換部23や電流-電圧変換部22などで出力値にオフセットが生じることから、テスト温度がゼロ(K)(すなわちPTAT電流Ipがゼロ)である場合に温度データがゼロ(LSB)であるとみなすのは妥当ではないからである。
【0083】
ここまで説明したように、実施形態では、カットスイッチ21でPTAT電流Ipをカットする処理を実施することにより、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる。
【0084】
なお、図4の例では、テスト温度を1つ(温度T)で実施する場合について示したが、実施形態に係るキャリブレーション方法は、テスト温度を1つで実施する場合に限られない。図5は、本開示の実施形態の変形例1に係るキャリブレーション方法を模式的に示す図であり、図6は、本開示の実施形態の変形例2に係るキャリブレーション方法を模式的に示す図である。
【0085】
図5に示すように、変形例1では、複数のテスト温度(温度T、T、T・・)でキャリブレーションを実施する。すなわち、上述の図4の例で示した処理に加えて、テスト温度を温度T、T・・に設定し、かかるテスト温度におけるPTAT電流Ipに基づいて出力される温度データD、D・・を補正点P、P・・として直交座標系にプロットする。
【0086】
そして、プロットされた補正点P、P、P、P・・に基づいて、補正演算式Eのパラメータ26(図2参照)を算出する。これにより、3つ以上の補正点P、P、P、P・・を直交座標系にプロットすることができることから、キャリブレーションの精度をさらに向上させることができる。
【0087】
なお、3つ以上の補正点P、P、P、P・・がプロットできる場合、図5に示すように、補正演算式Eを区分線形近似(折れ線近似)にしてもよいし、図6に示すように、補正演算式Eを多項式近似(曲線近似)にしてもよい。
【0088】
また、実施形態では、撮像装置1に設けられる複数の電極パッドのうち、2つの電極パッドを熱電対パッドにして、かかる2つの熱電対パッドを用いて上述のキャリブレーション処理を実施する際のテスト温度を測定するとよい。
【0089】
これにより、個々のチップに切断される前のウェハ状態である複数の撮像装置1をそれぞれキャリブレーション処理する際に、ウェハの面内温度分布が均一でない場合であっても、上述のキャリブレーション処理を高精度で実施することができる。
【0090】
[温度測定部の変形例]
つづいては、温度測定部18の各種変形例について、図7および図8を参照しながら説明する。図7は、本開示の実施形態の変形例3に係る温度測定部18の概略構成例を示すシステム構成図である。
【0091】
図7に示すように、変形例3では、温度測定部18の内部に設けられるA/D変換部23(図2参照)ではなく、カラム信号処理部15の内部に設けられるA/D変換部15aを用いてPTAT電圧VpのA/D変換処理を実施する。すなわち、変形例3では、カラム信号処理部15と温度測定部18とでA/D変換部15aを共用する。
【0092】
このように、カラム信号処理部15と温度測定部18とでA/D変換部15aを共用することにより、撮像装置1全体の回路構成を簡素化することができる。したがって、変形例3によれば、撮像装置1のコストを低減することができる。
【0093】
図8は、本開示の実施形態の変形例4に係る温度測定部18の概略構成例を示すシステム構成図である。図8に示すように、変形例4では、カラム信号処理部15の内部に設けられる複数のA/D変換部15a、15b・・を用いてPTAT電圧VpのA/D変換処理を実施する。
【0094】
これにより、複数のA/D変換処理の結果を平均化してランダムノイズを低減できることから、画素アレイ部10周辺の温度をさらに高精度に測定することができる。
【0095】
なお、図8の例のように、複数のA/D変換部15a、15b・・を用いてPTAT電圧VpのA/D変換処理を実施する場合、あらかじめ複数のA/D変換部15a、15b・・を用いて上述のキャリブレーション処理を実施するとよい。
【0096】
即ち補正部24は、カットされたPTAT電流Ipに基づいて複数のA/D変換部で変換される複数の温度データと、所定のテスト温度でのPTAT電流Ipに基づいて複数のA/D変換部で変換される複数の温度データとに基づきパラメータ26を算出するとよい。
【0097】
これにより、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度をさらに向上させることができる。
【0098】
図7および図8の例では、カラム信号処理部15の内部に設けられるA/D変換部15aなどを温度測定部18が共用した例について示した。一方で、温度測定部18が共用するA/D変換部は、カラム信号処理部15の内部に設けられるA/D変換部15aなどに限られない。
【0099】
たとえば、図1に示した撮像装置1の各部(たとえば、信号処理部17)の内部にA/D変換部が設けられる場合に、かかるA/D変換部を温度測定部18が共用してもよい。
【0100】
[温度測定部が実行する処理の詳細]
つづいて、図9および図10を参照しながら、実施形態に係る温度測定部18が実行する処理の詳細について説明する。図9は、本開示の実施形態に係るキャリブレーション方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0101】
まず、温度測定部18は、カットスイッチ21を制御して、PTAT電流生成部20から供給されるPTAT電流Ipをカットする(ステップS101)。そして、温度測定部18は、カットされたPTAT電流Ipを温度データDに変換する(ステップS102)。
【0102】
たとえば、温度測定部18は、カットされたPTAT電流Ipを電流-電圧変換部22でPTAT電圧Vpに変換し、かかるPTAT電圧VpをA/D変換部23で温度データDに変換する。そして、温度測定部18は、テスト温度ゼロ(K)相当の温度データDを記憶部25に格納する(ステップS103)。
【0103】
次に、温度測定部18は、カットスイッチ21を接続状態にして、PTAT電流生成部20からPTAT電流Ipを電流-電圧変換部22に出力する(ステップS104)。そして、温度測定部18は、テスト温度の数Nをゼロに設定し(ステップS105)、テスト温度の数Nに1加算する(ステップS106)。
【0104】
次に、温度測定部18は、テスト温度を所定の温度Tに設定する(ステップS107)。そして、温度測定部18は、温度TでのPTAT電流Ipを温度データDNに変換する(ステップS108)。
【0105】
たとえば、温度測定部18は、温度TでのPTAT電流Ipを電流-電圧変換部22でPTAT電圧Vpに変換し、かかるPTAT電圧VpをA/D変換部23で温度データDNに変換する。そして、温度測定部18は、温度Tの温度データDNを記憶部25に格納する(ステップS109)。
【0106】
次に、温度測定部18は、テスト温度の数Nが所定の補正点数であるか否かを判定する(ステップS110)。そして、テスト温度の数Nが所定の補正点数である場合(ステップS110,Yes)、温度測定部18は、格納された温度データD、・・、Dに基づいて、補正演算式Eのパラメータ26を算出する(ステップS111)。
【0107】
最後に、温度測定部18は、算出された補正演算式Eのパラメータ26を記憶部25に格納して(ステップS112)、処理を終了する。なお、ステップS110において、テスト温度の数Nが所定の補正点数でない場合(ステップS110,No)、ステップS106の処理に戻る。
【0108】
なお、実施形態では、上述のステップS104~S110の処理をステップS101~S103の処理より先に実施してもよい。また、テスト温度の数Nが2以上である場合、あるテスト温度でのステップS107~S109の処理と次のテスト温度でのステップS107~S109の処理との間にステップS101~S103の処理を実施してもよい。
【0109】
図10は、本開示の実施形態に係る温度データの補正方法の処理手順を示すフローチャートである。まず、温度測定部18は、カットスイッチ21を接続状態にして、PTAT電流生成部20からPTAT電流Ipを電流-電圧変換部22に出力する(ステップS201)。
【0110】
次に、温度測定部18は、電流-電圧変換部22でPTAT電流IpをPTAT電圧Vpに変換する(ステップS202)。そして、温度測定部18は、A/D変換部23でPTAT電圧Vpを温度データにA/D変換する(ステップS203)。
【0111】
次に、温度測定部18は、記憶部25に格納される補正演算式Eのパラメータ26を補正部24で読み出す(ステップS204)。そして、温度測定部18は、読み出された補正演算式Eのパラメータ26に基づいて、A/D変換部23でA/D変換された温度データを補正部24で補正する(ステップS205)。
【0112】
最後に、温度測定部18は、補正された温度データを外部に出力して(ステップS206)、処理を終了する。
【0113】
[効果]
実施形態に係る撮像装置1は、画素(単位画素11)を有する画素アレイ部10と、アナログ信号生成部(PTAT電流生成部20)と、A/D変換部23(15a、15b)と、スイッチ(カットスイッチ21)とを備える。アナログ信号生成部(PTAT電流生成部20)は、画素アレイ部10の周辺の温度に基づくアナログ信号(PTAT電流Ip)を生成する。A/D変換部23(15a、15b)は、アナログ信号(PTAT電流Ip)をデジタル信号(温度データ)に変換する。スイッチ(カットスイッチ21)は、A/D変換部23(15a、15b)に供給されるアナログ信号(PTAT電流Ip)をカットする。
【0114】
これにより、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる。
【0115】
また、実施形態に係る撮像装置1において、スイッチ(カットスイッチ21)は、アナログ信号生成部(PTAT電流生成部20)とA/D変換部23(15a、15b)との間に設けられる。
【0116】
これにより、PTAT電流生成部20から出力されるPTAT電流IpがA/D変換部23に供給される前に確実にカットすることができる。
【0117】
また、実施形態に係る撮像装置1において、画素(単位画素11)は、アナログ信号である画像データを生成し、A/D変換部15a(15b)は、画像データをA/D変換する。
【0118】
これにより、撮像装置1全体の回路構成を簡素化することができることから、撮像装置1のコストを低減することができる。
【0119】
また、実施形態に係る撮像装置1は、デジタル信号(温度データ)を補正する補正部24をさらに備える。
【0120】
これにより、それぞれの撮像装置1において、製造バラツキなどが補正された高精度な温度データを出力することができる。
【0121】
また、実施形態に係る撮像装置1において、補正部24は、第1のデジタル信号(温度データD)と、第2のデジタル信号(温度データDN)とに基づいて、デジタル信号(温度データ)を補正する補正演算式Eのパラメータ26を算出する。第1のデジタル信号(温度データD)は、スイッチ(カットスイッチ21)でカットされたアナログ信号(PTAT電流Ip)をA/D変換して生成される。第2のデジタル信号(温度データDN)は、アナログ信号生成部(PTAT電流生成部20)で生成されたアナログ信号(PTAT電流Ip)をA/D変換して生成される。
【0122】
これにより、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる。
【0123】
また、実施形態に係る撮像装置1において、A/D変換部15a、15b・・は、複数設けられる。また、補正部24は、複数のA/D変換部15a、15b・・でそれぞれ変換される第1のデジタル信号(温度データD)および第2のデジタル信号(温度データDN)に基づいて、補正演算式Eのパラメータ26を算出する。
【0124】
これにより、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度をさらに向上させることができる。
【0125】
また、実施形態に係る撮像装置1において、補正部24は、電源電圧Vddの測定値に基づいてデジタル信号(温度データ)を補正する。
【0126】
これにより、さらに高精度な温度データを出力することができる。
【0127】
また、実施形態に係る撮像装置1において、アナログ信号(PTAT電流Ip)は、電流値である。
【0128】
これにより、PTAT電流生成部20を用いて、絶対温度に比例するアナログ信号を生成することができる。
【0129】
実施形態に係るキャリブレーション方法は、信号カット工程と、第1A/D変換工程と、アナログ信号出力工程と、第2A/D変換工程と、算出工程とを含む。信号カット工程(ステップS101)は、温度に基づいて生成されるアナログ信号(PTAT電流Ip)をカットする。第1A/D変換工程(ステップS102)は、カットされたアナログ信号(PTAT電流Ip)を第1のデジタル信号(温度データD)に変換する。アナログ信号出力工程(ステップS104)は、アナログ信号(PTAT電流Ip)を出力する。
第2A/D変換工程(ステップS108)は、アナログ信号(PTAT電流Ip)を第2のデジタル信号(温度データDN)に変換する。算出工程(ステップS111)は、画素アレイ部10の周辺の温度に基づいて生成されるアナログ信号(PTAT電流Ip)をA/D変換したデジタル信号(温度データ)を補正する補正演算式Eのパラメータ26を算出する。また、算出工程(ステップS111)は、補正演算式Eのパラメータ26を第1のデジタル信号(温度データD)と第2のデジタル信号(温度データDN)とに基づいて算出する。
【0130】
これにより、キャリブレーションを実施するテスト温度の数を増やすことなく、キャリブレーションの精度を向上させることができる。
【0131】
[移動体への応用例]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0132】
図11は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0133】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図11に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(Interface)12053が図示されている。
【0134】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0135】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0136】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0137】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0138】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0139】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0140】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0141】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0142】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図11の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0143】
図12は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0144】
図12では、撮像部12031として、撮像部12101、12102、12103、12104、12105を有する。
【0145】
撮像部12101、12102、12103、12104、12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102、12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0146】
なお、図12には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0147】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0148】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0149】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0150】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0151】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、図1の撮像装置1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、かかる撮像部12031に高精度なフェールセーフ機能を付与することができる。
【0152】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0153】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
画素を有する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の周辺の温度に基づくアナログ信号を生成するアナログ信号生成部と、
前記アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、
前記A/D変換部に供給される前記アナログ信号をカットするスイッチと、
を備える撮像装置。
(2)
前記スイッチは、前記アナログ信号生成部と前記A/D変換部との間に設けられる
前記(1)に記載の撮像装置。
(3)
前記画素は、アナログ信号である画像データを生成し、
前記A/D変換部は、前記画像データをA/D変換する
前記(1)または(2)に記載の撮像装置。
(4)
前記デジタル信号を補正する補正部をさらに備える
前記(1)~(3)のいずれか一つに記載の撮像装置。
(5)
前記補正部は、前記スイッチでカットされた前記アナログ信号をA/D変換した第1のデジタル信号と、前記アナログ信号生成部で生成された前記アナログ信号をA/D変換した第2のデジタル信号とに基づいて、前記デジタル信号を補正する補正演算式のパラメータを算出する
前記(4)に記載の撮像装置。
(6)
前記A/D変換部は、複数設けられ、
前記補正部は、複数の前記A/D変換部でそれぞれ変換される前記第1のデジタル信号および前記第2のデジタル信号に基づいて、前記補正演算式のパラメータを算出する
前記(5)に記載の撮像装置。
(7)
前記補正部は、電源電圧の測定値に基づいて前記デジタル信号を補正する
前記(4)~(6)のいずれか一つに記載の撮像装置。
(8)
前記アナログ信号は、電流値である
前記(1)~(7)のいずれか一つに記載の撮像装置。
(9)
温度に基づいて生成されるアナログ信号をカットする信号カット工程と、
カットされた前記アナログ信号を第1のデジタル信号に変換する第1A/D変換工程と、
前記アナログ信号を出力するアナログ信号出力工程と、
前記アナログ信号を第2のデジタル信号に変換する第2A/D変換工程と、
画素アレイ部の周辺の温度に基づいて生成されるアナログ信号をA/D変換したデジタル信号を補正する補正演算式のパラメータを、前記第1のデジタル信号と前記第2のデジタル信号とに基づいて算出する算出工程と、
を含むキャリブレーション方法。
【符号の説明】
【0154】
1 撮像装置
10 画素アレイ部
15 カラム信号処理部
15a、15b A/D変換部
18 温度測定部
20 PTAT電流生成部(アナログ信号生成部の一例)
21 カットスイッチ(スイッチの一例)
22 電流-電圧変換部
23 A/D変換部
24 補正部
25 記憶部
26 パラメータ
E 補正演算式
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12