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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、推定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240423BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0601 320
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021030530
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131535
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】木場 俊
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-026251(JP,A)
【文献】特開2018-049613(JP,A)
【文献】特開2004-013331(JP,A)
【文献】特開2020-160504(JP,A)
【文献】特開2017-068785(JP,A)
【文献】特開2002-157472(JP,A)
【文献】特開2004-171244(JP,A)
【文献】特開2001-005868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する取得部と、
前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する推定部と、
前記評価対象商品の属性と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部と、を備え、
前記取得部は、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の属性を示す情報を含む購入履歴情報を取得し、
前記推定部は、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記属性に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定する、
情報処理装置。
【請求項2】
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する取得部と、
前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する推定部と、
前記評価対象商品の種類と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を備え、
前記取得部は、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の種類を含む購入履歴情報を取得し、
前記推定部は、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記種類に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定する、
情報処理装置。
【請求項3】
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する取得部と、
前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザに推奨する商品を選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記商品を前記ユーザに提示する提示部と、
前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザの前記調理スキルの目標を設定する目標設定部と、を備え、
前記選択部は、前記目標設定部が設定した前記目標に基づいて、前記ユーザに推奨する商品を選択する、
情報処理装置。
【請求項4】
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する取得部と、
前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する推定部と、
前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザに推奨する商品を選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記商品を前記ユーザに提示する提示部と、
前記ユーザにより指定された料理を示す料理情報を取得する取得部と、を備え、
前記選択部は、指定された前記料理と、前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザが前記料理を作るために推奨する商品を選択する、
情報処理装置。
【請求項5】
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する取得部と、
前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する推定部と、
前記ユーザが食材を注文した場合に、前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、当該食材を前記ユーザが調理するために要する加工内容を決定する決定部と、
前記決定部が決定した前記加工内容を前記食材の生産者に通知する通知部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記評価対象商品である調理器具を購入した履歴を示す前記購入履歴情報を取得する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記評価対象商品である食材又は調味料を購入した履歴を示す前記購入履歴情報を取得する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の加工形態に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記調理スキルと、前記料理と、前記商品とを関連付けた料理テーブルを記憶する記憶部を備え、
前記選択部は、指定された前記料理と、前記推定部が推定した前記調理スキルとに前記料理テーブルにおいて関連付けられた前記商品を選択する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記推定部が推定した前記ユーザの調理スキルを前記ユーザに通知する通知部を備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記推定部が推定した前記ユーザの調理スキルを修正する前記ユーザの指示を受け付ける受付部と、
修正後の前記調理スキルと、前記ユーザを識別する識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、を備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記推定部は、前記評価対象商品を購入した回数又は分量が多いほど、前記ユーザの前記調理スキルが高いと推定する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示し、かつ、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の属性を示す情報を含む購入履歴情報を取得するステップと、
前記評価対象商品の属性と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を参照して、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記属性に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定するステップと、
を有する、推定方法。
【請求項14】
コンピュータが実行する、
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示し、かつ、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の種類を含む購入履歴情報を取得するステップと、
前記評価対象商品の種類と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を参照して、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記種類に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定するステップと、
を有する、推定方法。
【請求項15】
コンピュータに、
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示し、かつ、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の属性を示す情報を含む購入履歴情報を取得するステップと、
前記評価対象商品の属性と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を参照して、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記属性に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示し、かつ、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の種類を含む購入履歴情報を取得するステップと、
前記評価対象商品の種類と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を参照して、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記種類に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理スキルを推定する情報処理装置、推定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
調理スキルのレベルを活用する技術が知られている。特許文献1には、ユーザが自身の端末に入力した調理スキルに合った料理情報を提供する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-160504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された方法では、ユーザの調理スキルをユーザ自身が入力する必要がある。このため、調理スキルの入力作業に時間を要するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザの調理スキルを推定するために必要なユーザの手間を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する取得部と、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定する推定部と、を備える。
【0007】
前記取得部は、前記評価対象商品である調理器具を購入した履歴を示す前記購入履歴情報を取得してもよい。前記取得部は、前記評価対象商品である食材又は調味料を購入した履歴を示す前記購入履歴情報を取得してもよい。前記推定部は、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の加工形態に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定してもよい。
【0008】
前記情報処理装置は、前記評価対象商品の属性と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を備え、前記取得部は、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の属性を示す情報を含む購入履歴情報を取得し、前記推定部は、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記属性に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定してもよい。
【0009】
前記情報処理装置は、前記評価対象商品の種類と、前記調理スキルとを関連付けた対応スキルテーブルを記憶する記憶部を備え、前記取得部は、前記ユーザが購入した前記評価対象商品の種類を含む購入履歴情報を取得し、前記推定部は、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品の前記種類に前記対応スキルテーブルにおいて関連付けられた前記調理スキルを前記ユーザの前記調理スキルとして推定してもよい。
【0010】
前記情報処理装置は、前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザに推奨する商品を選択する選択部と、前記選択部が選択した前記商品を前記ユーザに提示する提示部と、をさらに備えてもよい。前記情報処理装置は、前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザの前記調理スキルの目標を設定する目標設定部をさらに備え、前記選択部は、前記目標設定部が設定した前記目標に基づいて、前記ユーザに推奨する商品を選択してもよい。前記ユーザにより指定された料理を示す料理情報を取得する取得部と、前記選択部は、指定された前記料理と、前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、前記ユーザが前記料理を作るために推奨する商品を選択してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記調理スキルと、前記料理と、前記商品とを関連付けた料理テーブルを記憶する記憶部を備え、前記選択部は、指定された前記料理と、前記推定部が推定した前記調理スキルとに前記料理テーブルにおいて関連付けられた前記商品を選択してもよい。前記情報処理装置は、前記ユーザが食材を注文した場合に、前記推定部が推定した前記調理スキルに基づいて、当該食材を前記ユーザが調理するために要する加工内容を決定する決定部と、前記決定部が決定した前記加工内容を前記食材の生産者に通知する通知部と、をさらに備えてもよい。前記情報処理装置は、前記推定部が推定した前記ユーザの調理スキルを前記ユーザに通知する通知部を備えてもよい。
【0012】
前記情報処理装置は、前記推定部が推定した前記ユーザの調理スキルを修正する前記ユーザの指示を受け付ける受付部と、修正後の前記調理スキルと、前記ユーザを識別する識別情報とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、を備えてもよい。前記推定部は、前記評価対象商品を購入した回数又は分量が多いほど、前記ユーザの前記調理スキルが高いと推定してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様の推定方法は、コンピュータが実行する、食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得するステップと、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、食材を調理するのに要する調理スキルに関連する評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得するステップと、前記購入履歴情報が示す前記評価対象商品に基づいて、前記ユーザの前記調理スキルを推定するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの調理スキルを推定するために必要なユーザの手間を軽減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る情報処理システムの概要を説明するための図である。
図2】ユーザ端末の構成を示す。
図3】情報処理装置の構成を示す。
図4】取得部が取得する購入履歴情報が示す購入履歴の例を示す。
図5】購入履歴情報が示す購入履歴の別の例を示す。
図6】購入履歴情報においてユーザが購入した食材と調理スキルとの関係を示す図である。
図7】加工テーブルの例を示す。
図8】情報処理装置による食材の加工内容の決定の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムSの概要を説明するための図である。図1は、情報処理システムSの構成を示す。情報処理システムSは、ユーザ端末100と、情報処理装置200と、生産者端末300とを備える。
【0018】
ユーザ端末100は、例えば、ユーザが所有するスマートフォンである。ユーザ端末100は、ネットワークを介して、情報処理装置200と通信する。ユーザ端末100は、EC(Electronic Commerce)サイト等において食材を注文するユーザの操作を受け付ける。食材は、例えば、ブリ、サバ又は豚肉である。ユーザ端末100は、受け付けた食材を注文する注文情報を生成する。
【0019】
情報処理装置200は、例えば、サーバである。情報処理装置200は、ネットワークを介して、ユーザ端末100及び生産者端末300と通信する。情報処理装置200は、注文情報において注文された食材をユーザが調理するために加工する必要があるか否かを決定し、食材を加工する必要がある場合には加工内容を決定し、決定した加工内容を生産者端末300に通知する。一例としては、情報処理装置200は、注文情報において注文された食材がブリである場合には、ブリを1匹まるごとの状態でユーザに発送するか、ブリをお造りの状態まで加工してユーザに発送するかを決定する。
【0020】
情報処理装置200は、食材の加工の要否及び加工内容を決定する前に、ユーザが評価対象商品を購入した履歴を示す購入履歴情報を記憶部から読み出す。情報処理装置200は、読み出した購入履歴情報に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する。調理スキルは、ユーザが食材を調理する技能の水準を示す。評価対象商品は、食材を調理するのに要する調理スキルに関連する商品である。評価対象商品は、例えば、食材、調味料又は調理器具である。
【0021】
高い調理スキルを備えるユーザは、調理するのに高い調理スキルを要する評価対象商品を購入する傾向がある。一方、高い調理スキルを備えていないユーザは、調理するのに高い調理スキルを要する評価対象商品を購入することが比較的少ない傾向がある。情報処理装置200は、このような傾向を利用して、購入履歴情報においてユーザが購入している評価対象商品の調理に要する調理スキルに基づいて、ユーザの調理スキルを推定する。情報処理装置200は、推定したユーザの調理スキルを参照して、注文情報において注文された食材をユーザが調理するために加工する必要があるか否かを決定し、食材を加工する必要がある場合には加工内容を決定する。
【0022】
生産者端末300は、例えば、食材を生産する生産者が所有するスマートフォンである。生産者端末300は、無線通信回線を介して、情報処理装置200と通信する。
【0023】
以下、図1を参照して、情報処理システムSにおける処理の流れを説明する。ユーザ端末100は、生成した注文情報を情報処理装置200へ送信する(図1中の(1))。情報処理装置200は、取得した注文情報において注文された食材をユーザが調理するために加工する必要があるか否かを決定する。情報処理装置200は、この食材を加工する必要がある場合に、ユーザの購入履歴情報を参照することによりユーザの調理スキルを推定し、推定した調理スキルに基づいて、ユーザに適した加工内容を決定する(図1中の(2))。情報処理装置200は、取得した注文情報と、決定した加工の要否及び加工内容を示す加工情報とを生産者端末300へ送信する(図1中の(3))。
【0024】
生産者端末300は、注文情報と、加工の要否及び加工内容を示す加工情報とを受信する。生産者は、生産者端末300が受信した加工情報が示す加工内容に応じて、注文された食材を加工する。生産者は、加工済み食材をユーザ端末100のユーザへ発送する。
【0025】
以上説明したように、情報処理装置200は、ユーザが評価対象商品を購入した購入履歴に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する。このようにして、情報処理装置200は、ユーザが自身の調理スキルを入力する作業を省略することができ、ユーザの調理スキルを推定する際のユーザの手間を軽減することができる。
【0026】
[ユーザ端末100の構成]
図2は、ユーザ端末100の構成を示す。ユーザ端末100は、タッチパネル11、通信部12、表示部13、記憶部14及び制御部15を備える。タッチパネル11は、表示部13に対するユーザの操作を検出する。通信部12は、ネットワークを介して、情報処理装置200と通信するための無線通信モジュールである。
【0027】
表示部13は、文字又は画像等を表示する。記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部15が実行するプログラムを記憶している。制御部15は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。制御部15は、記憶部14が記憶しているプログラムを実行することにより、操作受付部151、通信制御部152及び表示制御部153として機能する。
【0028】
操作受付部151は、タッチパネル11を介して、ユーザの操作を受け付ける。例えば、操作受付部151は、ECサイト等において食材を注文するユーザの操作を受け付ける。操作受付部151は、受け付けた食材を示す注文情報を通信制御部152へ出力する。操作受付部151は、ユーザが調理したい料理を指定する操作を受け付ける。操作受付部151は、情報処理装置200がユーザの調理スキルを推定した場合に、この調理スキルの修正を指示するユーザの操作を受け付ける。
【0029】
通信制御部152は、通信部12を介して、情報処理装置200と通信する。通信制御部152は、注文情報を情報処理装置200へ送信する。通信制御部152は、ユーザを識別する識別情報を情報処理装置200へ送信する。識別情報は、例えば、携帯電話番号又は電子メールアドレスである。通信制御部152は、ユーザにより指定された料理を示す料理情報を情報処理装置200へ送信する。通信制御部152は、情報処理装置200が推定したユーザの調理スキルを修正するユーザの指示を情報処理装置200へ送信する。
【0030】
通信制御部152は、情報処理装置200が推定したユーザの調理スキルを示す情報を情報処理装置200から受信する。通信制御部152は、ユーザに推奨する商品を示す情報を情報処理装置200から受信する。
【0031】
表示制御部153は、文字又は画像等を表示部13に表示する。例えば、表示制御部153は、情報処理装置200が推定したユーザの調理スキルを表示する。表示制御部153は、情報処理装置200が選択したユーザに推奨する商品を表示する。
【0032】
[情報処理装置200の構成]
図3は、情報処理装置200の構成を示す。情報処理装置200は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。通信部21は、ネットワークを介して、ユーザ端末100及び生産者端末300と通信するためのインターフェースである。
【0033】
記憶部22は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部22は、制御部23が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部22は、推定部232がユーザの調理スキルを推定するために使用する各種のデータを記憶する。記憶部22は、例えば、購入された商品と調理スキルとの関係を示す対応スキルテーブルを記憶する。記憶部22は、決定部233が食材をユーザが調理するために要する加工内容を決定するために用いる加工テーブルを記憶する。対応スキルテーブル及び加工テーブルの詳細については後述する。
【0034】
制御部23は、例えば、CPUである。制御部23は、記憶部22が記憶しているプログラムを実行することにより、取得部231、推定部232、決定部233、通知部234、受付部235、記憶制御部236、選択部237及び提示部238として機能する。
【0035】
取得部231は、評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する。評価対象商品は、食材を調理するのに要する調理スキルに関連する商品である。取得部231は、ユーザが購入した評価対象商品の属性を示す情報を含む購入履歴情報を取得する。属性は、例えば、種類又は品名である。
【0036】
本明細書の例では、情報処理装置200は、ECサイトの機能を備えており、記憶部22には、このECサイトの購入履歴情報が記憶されている。取得部231は、購入履歴情報を記憶部22から取得する。取得部231は、ECサイトのサーバなどの外部装置から購入履歴情報を取得してもよい。取得部231は、評価対象商品として食材又は調味料を購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する。図4は、取得部231が取得する購入履歴情報が示す購入履歴の例を示す。
【0037】
図4の例では、取得部231は、評価対象商品の属性として、評価対象商品の種類及び品名の両方を含む購入履歴情報を取得する。図4に示すように、記憶部22に記憶されている購入履歴情報は、ユーザと、評価対象商品の購入時期と、種類と、品名と、加工形態と、数量とを関連付けて示す。例えば、最上段の項目は、ユーザAが、2020年12月8日に購入した評価対象商品の種類は、「小型魚」であり、品名は「サバ」であり、加工形態は「切り身」であり、数量は、「200g」であることを示している。
【0038】
図5は、購入履歴情報が示す購入履歴の別の例を示す。取得部231は、評価対象商品として調理器具を購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する。図5の上段の項目は、ユーザAが、2020年10月3日に購入した評価対象商品の種類は「包丁」であり、品名は「出刃包丁」であり、数量は1個であることを示している。
【0039】
取得部231は、通信部21を介して、ユーザ端末100と通信する。取得部231は、ユーザの識別情報をユーザ端末100から取得する。取得部231は、食材を注文する注文情報をユーザ端末100から取得する。取得部231は、ユーザにより指定された料理を示す料理情報をユーザ端末100から取得する。取得部231は、取得した購入履歴情報、ユーザの識別情報及び注文情報を推定部232へ出力する。取得部231は、取得した料理情報を選択部237へ出力する。
【0040】
[調理スキルの推定]
推定部232は、取得部231が取得した購入履歴情報が示す評価対象商品に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する。推定部232は、推定したユーザの調理スキルを示す情報を選択部237及び決定部233へ出力する。
【0041】
推定部232は、記憶部22に記憶されている対応スキルテーブル(図6参照)を用いて、評価対象商品の属性に対応する調理スキルを推定する。この対応スキルテーブルには、評価対象商品の種類又は品名等の属性と、調理スキルとが関連付けられて記憶されている。推定部232は、購入履歴情報が示す評価対象商品の属性に対応スキルテーブルにおいて関連付けられた調理スキルをユーザの調理スキルとして推定する。
【0042】
図6(a)から図6(c)は、購入履歴情報においてユーザが購入した食材と調理スキルとの関係を示す図である。図6(a)は、評価対象商品が調理器具である場合の対応スキルテーブルの例を示す。図6(b)は、評価対象商品が食材である場合の対応スキルテーブルの例を示す。図6(c)は、評価対象商品が調味料である場合の対応スキルテーブルの例を示す。
【0043】
図6(a)に示す対応スキルテーブルでは、評価対象商品の種類「包丁」に小型魚及び大型魚を包丁でさばくための調理スキルが関連付けられている。図6(a)の上段に示す項目では、評価対象商品の種類「包丁」と、品名「万能包丁」と、小型魚及び大型魚を包丁でさばく能力が比較的低いことを示す調理スキル「低(小型魚、大型魚)」とが関連付けられている。取得部231が取得した購入履歴情報においてユーザが購入した評価対象商品の種類が包丁であり、品名が万能包丁であるものとする。この場合、推定部232は、対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「包丁」と、品名「万能包丁」とに関連付けられた調理スキル「低(小型魚、大型魚)」をユーザの小型魚及び大型魚の調理スキルであると推定する。
【0044】
図6(a)の下段に示す調理スキル「中(小型魚、大型魚)」は、小型魚及び大型魚を包丁でさばく能力が中程度であることを示すものである。取得部231が取得した購入履歴情報においてユーザが購入した評価対象商品の種類が包丁であり、品名が出刃包丁であるものとする。この場合、推定部232は、対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「包丁」と、品名「出刃包丁」とに関連付けられた調理スキル「中(小型魚、大型魚)」をユーザの小型魚及び大型魚の調理スキルであると推定する。
【0045】
推定部232は、購入履歴情報が示す評価対象商品の加工形態に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する。例えば、推定部232は、高い調理スキルを要する加工形態の食材をユーザが購入した場合、ユーザの調理スキルが比較的高いと推定する。一方、推定部232は、高い調理スキルを要しない加工形態の食材をユーザが購入した場合、ユーザの調理スキルが比較的低いと推定する。
【0046】
図6(b)の上から1段目~3段目に示す対応スキルテーブルでは、評価対象商品の種類「小型魚」と、品名「サバ」とに小型魚を包丁でさばくための調理スキルとが関連付けられている。図6(a)の上から1段目に示す調理スキル「低(小型魚)」は、小型魚を包丁でさばく能力が比較的低いことを示す。取得部231が取得した購入履歴情報においてユーザが購入した評価対象商品の種類が小型魚であり、品名がサバであり、加工形態が切り身であるものとする。この場合、推定部232は、対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「小型魚」、品名「サバ」、加工「切り身」に関連付けられた調理スキル「低(小型魚)」をユーザの小型魚の調理スキルであると推定する。
【0047】
購入履歴情報においてユーザが購入した評価対象商品の種類が小型魚であり、品名がサバであり、加工形態が1匹まるごとで内臓が抜かれた状態のものであるものとする。この場合、推定部232は、図6(b)の上から2段目に示す対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「小型魚」、品名「サバ」、加工「内臓抜き」に関連付けられた調理スキル「中(小型魚)」をユーザの小型魚の調理スキルであると推定する。
【0048】
図6(b)の上から4段目~6段目に示す対応スキルテーブルでは、評価対象商品の種類「大型魚」と、品名「マグロ」とに大型魚を扱う調理スキルが関連付けられている。図6(b)の上から5段目に示す調理スキル「中(大型魚)」は、大型魚を包丁でさばく能力が中程度であることを示す。購入履歴情報が示すユーザが購入した評価対象商品の種類が大型魚であり、品名がマグロであり、加工形態が柵であるものとする。この場合、推定部232は、対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「大型魚」、品名「マグロ」、加工「柵」に関連付けられた調理スキル「中(大型魚)」をユーザの大型魚の調理スキルであると推定する。
【0049】
推定部232は、評価対象商品の品名全体に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する例に限定されず、品名に含まれる加工形態を示す文字列に基づいて、ユーザの調理スキルを推定してもよい。例えば、推定部232は、品名「マグロ切り身300g」の「切り身」、品名「国産豚ブロック1kg」の「ブロック」等の加工形態を示す文字列を抽出し、抽出した文字列に基づいて、ユーザの調理スキルを推定してもよい。
【0050】
図6(c)に示す対応スキルテーブルでは、評価対象商品の種類「調味料」と、食材を味付けするための調理スキルとが関連付けられている。図6(c)の上から1段目に示す調理スキル「低(味付け)」は、食材を味付けする能力が比較的低いことを示す。購入履歴情報においてユーザが購入した評価対象商品の種類が調味料であり、品名がマーボ豆腐の素であり、加工形態が完成調味料であるものとする。推定部232は、この対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「調味料」、品名「マーボ豆腐の素」、加工形態「完全調味料」に関連付けられた調理スキル「低(味付け)」をユーザの味付けの調理スキルであると推定する。
【0051】
図6(c)の上から3段目に示す調理スキル「高(味付け)」は、食材を味付けする能力が比較的高いことを示す。購入履歴情報においてユーザが購入した評価対象商品の種類が調味料であり、品名がローレルであり、加工形態が調味素材であるものとする。推定部232は、この対応スキルテーブルを参照して、購入履歴情報が示す評価対象商品の種類「調味料」、品名「ローレル」、加工形態「調味素材」に関連付けられた調理スキル「高(味付け)」をユーザの味付けの調理スキルであると推定する。
【0052】
推定部232は、取得部231が取得した購入履歴情報において評価対象商品を購入した回数が多いほど、ユーザの調理スキルが高いと推定してもよい。例えば、推定部232は、購入履歴情報において1匹まるごとのサバを週に1回購入しているユーザが小型魚を包丁でさばく調理スキルは、同じ1匹まるごとのサバを年に数回購入しているユーザが小型魚を包丁でさばく調理スキルよりも高い水準であると推定してもよい。
【0053】
推定部232は、取得部231が取得した購入履歴情報において評価対象商品を購入した分量が多いほど、ユーザの調理スキルが高いと推定してもよい。例えば、推定部232は、購入履歴情報において一度に10匹以上のまるごとのサバを購入しているユーザが小型魚を包丁でさばく調理スキルは、1匹まるごとのサバを一度に1匹だけ購入しているユーザが小型魚を包丁でさばく調理スキルよりも高い水準であると推定してもよい。
【0054】
推定部232は、学習済みの機械学習モデルを用いて、ユーザの調理スキルを推定してもよい。例えば、推定部232は、ユーザが評価対象商品を購入した購入履歴を示す購入履歴情報を入力データとして機械学習モデルに入力し、機械学習モデルが出力する調理スキルがユーザの調理スキルであると推定する。
【0055】
推定部232がユーザの調理スキルを推定するタイミングは任意であるが、推定部232は、例えば、取得部231が注文情報を取得したときに、取得した識別情報に対応するユーザの調理スキルを推定する。
【0056】
推定部232は、取得部231が注文情報を取得する前に、ユーザの調理スキルを予め推定してもよい。推定部232は、ユーザの調理スキルを予め推定する場合には、推定したユーザの調理スキルを示す情報と、ユーザの識別情報とを関連付けたユーザスキルテーブルを作成し、作成したユーザスキルテーブルを記憶部22に記憶させる。
【0057】
[加工内容の決定]
決定部233は、ユーザが食材を注文した場合に、推定部232が推定した調理スキルに基づいて、食材をユーザが調理するために加工が必要であるか否かを決定する。決定部233は、加工が必要であると判定した場合には、食材をユーザが調理するために要する加工内容とを決定する。本明細書の例では、決定部233は、記憶部22に記憶されている加工テーブルを参照して、加工内容を決定する。
【0058】
図7は、加工テーブルの例を示す。図7に示すように、記憶部22に記憶されている加工テーブルには、食材の種類と、品名と、推定部232が推定したユーザの調理スキルと、加工方法とが関連付けられている。決定部233は、加工テーブルを記憶部22から読み出す。決定部233は、取得部231が取得した注文情報が示す食材の種類と、この食材の品名と、推定部232が推定したユーザの調理スキルとに加工テーブルにおいて関連付けられた加工内容を特定する。
【0059】
一例として、取得部231が取得した注文情報が示す食材の種類が小型魚であり、品名がサバであるものとする。推定部232は、このユーザが小型魚を包丁でさばく能力を比較的高いと推定したものとする。
【0060】
決定部233は、図7の上から3段目に示すように、食材の種類「小型魚」と、品名「サバ」と、調理スキル「高(小型魚)」とに関連付けられた加工方法「加工不要」を特定する。このとき、決定部233は、食材を加工する必要はないと決定する。
【0061】
他の例として、取得部231は、ユーザがマグロを注文する注文情報を取得し、推定部232は、このユーザが大型魚を包丁でさばく能力を比較的低いと推定したものとする。このとき、決定部233は、図7の上から4段目に示すように、食材の種類「大型魚」と、品名「マグロ」と、調理スキル「低(大型魚)」とに関連付けられた加工方法「切り身」をユーザが注文した食材の加工内容として決定する。
【0062】
決定部233は、後述する受付部235によりユーザの調理スキルが修正された場合には、修正後の調理スキルに基づいて、加工内容を決定する。決定部233は、決定した加工の要否及び加工内容を示す加工情報を通知部234へ出力する。
【0063】
通知部234は、通信部21を介して、ユーザ端末100及び生産者端末300と通信する。通知部234は、推定部232が推定したユーザの調理スキルをユーザに通知する。例えば、通知部234は、推定部232が推定したユーザの調理スキルをユーザ端末100の表示部13に表示させる。通知部234は、決定部233が決定した加工の要否と、決定した加工内容とをユーザが注文した食材の生産者に通知する。例えば、通知部234は、取得部231が取得した注文情報と、ユーザの識別情報と、決定部233が決定した加工の要否及び加工内容を示す加工情報とを生産者端末300へ送信する。
【0064】
[調理スキルの修正]
推定部232が推定した調理スキルが、ユーザの認識する調理スキルと一致していないという場合も想定される。そこで、情報処理装置200は、受付部235を介して、推定部232が推定した調理スキルをユーザが修正できるように構成されている。
【0065】
受付部235は、通信部21を介して、ユーザ端末100と通信する。ユーザ端末100のユーザは、通知部234がユーザに通知した調理スキルがユーザの認識する調理スキルと一致していない場合に、調理スキルの修正を情報処理装置200へ指示することができる。受付部235は、推定部232が推定したユーザの調理スキルを修正するユーザの指示を受け付ける。受付部235は、受け付けたユーザの指示に基づいて、ユーザの調理スキルを修正する。受付部235は、修正後の調理スキルを示す情報を決定部233、選択部237及び記憶制御部236へ出力する。
【0066】
記憶制御部236は、受付部235による修正後の調理スキルを記憶部22に記憶させる。より詳しくは、記憶制御部236は、ユーザの調理スキルと、ユーザの識別情報とを関連付けて記憶しているユーザスキルテーブルを記憶部22から読み出す。記憶制御部236は、受付部235が修正した調理スキルに対応する修正前の調理スキルをユーザスキルテーブルから消去する。記憶制御部236は、受付部235による修正後の調理スキルと、ユーザの識別情報とを関連付けて記憶部22のユーザスキルテーブルに記憶させる。
【0067】
[商品の選択]
選択部237は、推定部232が推定した調理スキルに基づいて、ユーザに推奨する商品を選択する。選択部237は、受付部235により調理スキルが修正された場合には、修正後の調理スキルに基づいて、ユーザに推奨する商品を選択する。選択部237は、ユーザの調理スキルにおいて小型魚を包丁でさばく能力が中程度であると推定部232が推定した場合、このユーザに推奨する商品として、内臓を抜いた状態にサバを加工した加工品を選択する。
【0068】
例えば、選択部237は、ユーザの調理スキルにおいて小型魚を包丁でさばく能力が比較的低いと推定部232が推定した場合、このユーザに推奨する商品として、サバをお造りの状態に加工した加工品を選択する。同様にして、選択部237は、ユーザの調理スキルにおいて小型魚を包丁でさばく能力が比較的高いと推定部232が推定した場合、このユーザに推奨する商品として、加工していない1匹まるごとのサバを選択する。
【0069】
選択部237は、取得部231が取得した料理情報において指定された料理と、推定部232が推定した調理スキルに基づいて、ユーザが料理を作るために推奨する商品を選択する。より詳しくは、選択部237は、記憶部22が記憶している料理テーブルを参照して、ユーザに推奨する商品を選択する。料理テーブルには、調理スキルと、料理と、商品とが関連付けられている。
【0070】
選択部237は、取得部231が取得した料理情報において指定された料理と、推定部232が推定した調理スキルとに料理テーブルにおいて関連付けられた商品を選択する。例えば、選択部237は、料理情報において指定された料理がサバの味噌煮であり、このユーザの調理スキルにおいて小型魚を包丁でさばく能力が中程度であると推定部232が推定した場合、選択部237は、推定部232が推定した調理スキルと、料理「サバの味噌煮」とに料理テーブルにおいて関連付けられた商品を特定する。選択部237は、料理テーブルにおいて内臓を抜いた状態にサバを加工した加工品を特定したものとする。このとき、選択部237は、この加工品をユーザに推奨する商品として選択する。
【0071】
このようにして、選択部237は、ユーザの調理スキルを参照して、ユーザが作ることを希望している料理をユーザが作るために必要な状態まで加工した商品をユーザに推奨する。このため、ユーザは、作りたい料理を容易に作製することができる。
【0072】
選択部237は、ユーザに推奨する商品として、食材又は食材の加工品を選択する例に限定されない。選択部237は、ユーザの推奨する商品として、調味料を選択してもよい。例えば、選択部237は、ユーザの調理スキルにおいて味付けする能力が比較的低いと推定部232が推定した場合に、マーボ豆腐の素をユーザに推奨する商品として推奨してもよい。選択部237は、ユーザの調理スキルにおいて味付けする能力が中程度であると推定部232が推定した場合に、豆板醤をユーザに推奨する商品として推奨してもよい。
【0073】
提示部238は、通信部21を介して、ユーザ端末100と通信する。提示部238は、選択部237が選択した商品をユーザに提示する。例えば、提示部238は、選択部237が選択した商品をユーザ端末100の表示部13に表示させる。
【0074】
[調理スキルの推定の処理手順]
図8は、情報処理装置200による食材の加工内容の決定の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、ユーザ端末100の操作受付部151が食材を注文するユーザの操作を受け付けたときに開始する。
【0075】
まず、取得部231は、ユーザの識別情報と、食材を注文する注文情報とを取得する(S101)。取得部231は、評価対象商品をユーザが購入した履歴を示す購入履歴情報を取得する(S102)。推定部232は、取得部231が取得した購入履歴情報が示す評価対象商品に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する(S103)。
【0076】
決定部233は、推定部232が推定した調理スキルに基づいて、食材をユーザが調理するために加工が必要であるか否かと、加工が必要である場合には加工内容とを決定する(S104)。通知部234は、取得部231が取得した注文情報と、決定部233が決定した加工の要否及び加工内容を含む加工情報とを生産者端末300へ送信し、処理を終了する(S105)。
【0077】
本実施形態では、選択部237は、推定部232が推定したユーザの現在の調理スキルに対応する商品をユーザに推奨する商品として選択する場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されない。例えば、情報処理装置200は、推定部232が推定したユーザの現在の調理スキルに基づいて、ユーザの調理スキルの目標を設定する目標設定部(不図示)をさらに備えてもよい。
【0078】
例えば、推定部232は、ユーザが評価対象商品として小型魚の切り身を注文した場合に、ユーザが小型魚を包丁でさばく調理スキルが比較的低いと推定したものとする。目標設定部は、現在のユーザの調理スキルより高い水準の調理スキルをユーザの目標として定める。目標設定部は、ユーザが小型魚を包丁でさばく調理スキルが比較的低いと推定部232が推定した場合に、ユーザが大型魚を包丁でさばく調理スキルが中程度まで向上することをユーザの調理スキルの目標として定める。
【0079】
選択部237は、目標設定部が設定したユーザの調理スキルの目標に基づいて、ユーザに推奨する商品を選択する。このとき、選択部237は、推定部232が推定したユーザの現在の調理スキルよりも高い調理スキルを要する商品を選択する。一例としては、選択部237は、ユーザが大型魚を包丁でさばく調理スキルを中程度まで向上することを目標設定部が目標として定めた場合に、柵の状態まで加工したマグロをユーザに推奨する商品として選択する。
【0080】
このようにして、選択部237は、ユーザの現在の調理スキルよりも高い調理スキルを要する商品をユーザが調理する機会を提供することにより、目標設定部が設定した目標にユーザが到達するようにユーザを支援することができる。選択部237は、ユーザの調理スキルを向上させることにより、食材等を調理したいというユーザのモチベーションを向上させることができる。選択部237は、ユーザの調理スキルを向上させることにより、ユーザに販売可能な食材を増やすことができる。
【0081】
選択部237は、商品として食材又は食材の加工品のみを選択する例に限定されず、この食材の調理に必要な調理器具、選択した商品の調理方法を紹介する動画サイト等の参考情報、又は、技術支援を受けるための料理教室等のサービスの提供を含む包括的な商品をユーザに推奨する商品として選択してもよい。例えば、選択部237は、柵の状態まで加工したマグロと、このマグロを切り身にするための刺身包丁と、マグロを柵から切り身にする方法を紹介する動画サイトにアクセスする方法の案内とを組み合わせたセット商品をユーザに推奨する商品として選択する。
【0082】
[本発明による効果]
本実施形態によれば、推定部232は、ユーザが評価対象商品を購入した購入履歴に基づいて、ユーザの調理スキルを推定する。このようにして、推定部232は、ユーザが自身の調理スキルを入力する作業を省略することができ、ユーザの調理スキルを推定するために必要なユーザの手間を軽減することができる。なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0084】
11 タッチパネル
12 通信部
13 表示部
14 記憶部
15 制御部
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
100 ユーザ端末
151 操作受付部
152 通信制御部
153 表示制御部
200 情報処理装置
231 取得部
232 推定部
233 決定部
234 通知部
235 受付部
236 記憶制御部
237 選択部
238 提示部
300 生産者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8