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特許7477478中央課金処理装置、料金収受システム、課金処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】中央課金処理装置、料金収受システム、課金処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240423BHJP
   G08G 1/017 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G07B15/00 P
G07B15/00 510
G08G1/017
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021057280
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022154316
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 利恵
(72)【発明者】
【氏名】今村 晋輔
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】芝田 裕
(72)【発明者】
【氏名】上野 建一
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-263664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00-15/06
G06Q 50/00-50/60
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口料金所に設置された入口課金処理装置から、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、車種区分情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信する受信部と、
前記入口課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルを作成する作成部と、
前記全車両情報テーブルを、出口料金所に設置された出口課金処理装置に配信する配信部と、
を備え
前記作成部は、前回の作成タイミングで前記全車両情報テーブルを作成した後に受信した車両情報を集約して、前回の作成タイミングの後に有料道路に進入した全ての車両の車両情報を含む新規進入車両情報テーブルを作成し、
前記配信部は、前記新規進入車両情報テーブルを前記全車両情報テーブルの差分情報として前記出口課金処理装置に配信する、
中央課金処理装置。
【請求項2】
前記受信部は、更に、前記出口課金処理装置から、前記出口料金所に到来した車両の車両特定情報を受信し、
前記作成部は、前記全車両情報テーブルから、前記出口課金処理装置から受信した車両特定情報に対応する車両情報を除外する、
請求項1に記載の中央課金処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の中央課金処理装置と、
入口料金所に設置された入口課金処理装置と、
出口料金所に設置された出口課金処理装置と、
を備え
前記入口課金処理装置は、
前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の特徴を表す車両特徴情報とを取得する入口車両情報取得部と、
前記車両特徴情報を用いて前記車両が不正通行を行ったか否かを検出する入口不正検出部と、
前記車両特定情報、および前記不正通行の有無を示す不正情報を含む車両情報を中央課金処理装置に送信する入口送信部と、
を有し、
前記出口課金処理装置は、
中央課金処理装置から配信された全車両情報テーブルを自装置内の記録媒体に記録する記録処理部と、
前記出口料金所に到来した車両の車両特定情報を取得する出口車両情報取得部と、
前記記録媒体に記録された全車両情報テーブルを参照して、前記車両特定情報に紐づく不正情報が記録されている場合に、前記車両に対するペナルティを科す処理を行うペナルティ処理部と、
を有する、
料金収受システム。
【請求項4】
本線料金所に設置された本線課金処理装置を更に備え、
前記本線課金処理装置は、
前記本線料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の特徴を表す車両特徴情報とを取得する本線車両情報取得部と、
前記車両特徴情報を用いて前記車両が不正通行を行ったか否かを検出する本線不正検出部と、
中央課金処理装置から配信された全車両情報テーブルを自装置内の記録媒体に記録する記録処理部と、
前記車両特定情報を含む車両情報が、前記記録媒体に記録された全車両情報テーブルに存在しない場合、前記車両特定情報、および前記不正通行の有無を示す不正情報を含む車両情報を前記中央課金処理装置に送信する本線送信部と、
を有する、
請求項に記載の料金収受システム。
【請求項5】
中央課金処理装置が、入口料金所に設置された入口課金処理装置から、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、車種区分情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信するステップと、
前記中央課金処理装置が、前記入口課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルを作成するステップと、
前記中央課金処理装置が、前記全車両情報テーブルを、出口料金所に設置された出口課金処理装置に配信するステップと、
前回の作成タイミングで前記全車両情報テーブルを作成した後に受信した車両情報を集約して、前回の作成タイミングの後に有料道路に進入した全ての車両の車両情報を含む新規進入車両情報テーブルを作成するステップと、
前記新規進入車両情報テーブルを前記全車両情報テーブルの差分情報として前記出口課金処理装置に配信するステップと、
を有する課金処理方法。
【請求項6】
中央課金処理装置のコンピュータに、
入口料金所に設置された入口課金処理装置から、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、車種区分情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信するステップと、
前記入口課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルを作成するステップと、
前記全車両情報テーブルを、出口料金所に設置された出口課金処理装置に配信するステップと、
前回の作成タイミングで前記全車両情報テーブルを作成した後に受信した車両情報を集約して、前回の作成タイミングの後に有料道路に進入した全ての車両の車両情報を含む新規進入車両情報テーブルを作成するステップと、
前記新規進入車両情報テーブルを前記全車両情報テーブルの差分情報として前記出口課金処理装置に配信するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中央課金処理装置、料金収受システム、課金処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路に利用されている電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標))は、料金所の各車線(レーン)に設置された無線通信装置と、車両に搭載された車載器とが無線通信を行うことで、走行中の車両に対し自動的に料金収受処理(決済処理)を行うことを可能とする。
【0003】
有料道路では、車両の車種区分(普通車、大型車などの区分)に応じて異なる課金額が設定されているため、上述の電子式料金収受システムにおいても、課金処理の過程で車種区分に関する情報がやり取りされる。
【0004】
電子式料金収受システムでは、入口料金所の各車線に設置された車種判別装置を通じて、到来した車両ごとに、当該車両の車軸数等、車両の走行に伴って検出される特徴の検出結果に基づく車種区分情報を取得できるものがある。
しかしながら、車両の車軸数等を確定するためには、最低でも16メートル以上の車線長の確保が必要であり、このような車線長を確保することができないために、車軸数等を確定する前に車載器との無線通信を終了せざるを得ない料金所が存在する。このため、現行の電子式料金収受システムでは以下のような運用がなされている場合がある。
【0005】
まず、入口料金所にて、車載器に登録された車種区分情報(以下、「車載器車種区分情報」とも記載する。)を、無線通信を介して“仮の車種区分情報”として、車載器にセットされたICカード(ETCカード)に書き込む。
そして、その車両が出口料金所に到来した際、出口料金所にてICカードに書き込まれた“仮の車種区分情報”を読み出すとともに、当該“仮の車種区分情報”に応じた課金額で課金処理が行われる。
【0006】
このような運用では、例えば、被牽引車の有無などにより、有料道路を走行した車両の実際の車種区分と、車載器に登録された車種区分とが異なる場合に、車載器に登録された車種区分による課金額で課金処理が行われる。
そのため、入口料金所では、ICカードへの書き込み(無線通信)を完了した後に、車種判別装置を通じて取得した正しい車種区分情報(即ち、車軸数の検出結果を用いて特定された車種区分情報)を上位装置へ送信する。そして、出口料金所にて課金処理が行われた際に適用された車種区分情報(車載器車種区分情報)と、車軸数の検出結果を用いて特定された正しい車種区分情報との一致/不一致を事後的に判定し、不一致の場合には、課金額を後方で修正する。
【0007】
また、入口料金所の車種判別装置により検出された車両の特徴から、車両の不正通行(たとえば、総重量または軸重の超過、車載器に登録されたナンバープレート情報との不一致など)が検出された場合、当該車両に不正に応じたペナルティ(割増料金など)を科す場合がある。
この場合も、上記した処理と同様に、入口料金所では、検出した車両の不正通行に関する情報(以下、「不正情報」とも記載する。)を上位装置に送信する。そして、出口料金所では車載器車種区分情報に基づく通常の課金処理(割増料金なしの課金処理)が行われ、事後的に、当該車両に対するペナルティを科す処理が後方で行われる。
【0008】
なお、上記の技術に関連する技術として、特許文献1には、料金所に車両が進入するたびに、DBセンターから当該車両の課金に関する情報を入手して課金処理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2010-267130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような電子式料金収受システムの運用では、出口料金所にて通常の課金処理がなされたのち、事後的にペナルティを科す処理が行われることとなる。そのため、上記電子式料金収受システムでは、出口料金所にて、不正通行を行った車両に対してペナルティを科す処理、および、不正通行によりペナルティが科されたことを利用者へ通知する処理を即時的に行うことができない。
【0011】
本開示の目的は、出口料金所にて、出口料金所外への情報問合せおよび問合せ結果通知の通信時間を必要とせず、不正車両に対する即時処理、および、不正車両の利用者への即時通知を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様によれば、中央課金処理装置は、入口料金所に設置された入口課金処理装置から、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信する受信部と、前記入口課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルを作成する作成部と、前記全車両情報テーブルを、出口料金所に設置された出口課金処理装置に配信する配信部と、を備える。
【0013】
また、本開示の一態様によれば、入口料金所に設置された入口課金処理装置は、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の特徴を表す車両特徴情報とを取得する入口車両情報取得部と、前記車両特徴情報を用いて前記車両が不正通行を行ったか否かを検出する入口不正検出部と、前記車両特定情報、および前記不正通行の有無を示す不正情報を含む車両情報を中央課金処理装置に送信する入口送信部と、を備える。
【0014】
また、本開示の一態様によれば、出口料金所に設置された出口課金処理装置は、中央課金処理装置から配信された全車両情報テーブルを自装置内の記録媒体に記録する記録処理部と、前記出口料金所に到来した車両の車両特定情報を取得する出口車両情報取得部と、前記記録媒体に記録された全車両情報テーブルを参照して、前記車両特定情報に紐づく不正情報が記録されている場合に、前記車両に対するペナルティを科す処理を行うペナルティ処理部と、を備える。
【0015】
また、本開示の一態様によれば、本線料金所に設置された本線課金処理装置は、前記本線料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の特徴を表す車両特徴情報とを取得する本線車両情報取得部と、前記車両特徴情報を用いて前記車両が不正通行を行ったか否かを検出する本線不正検出部と、中央課金処理装置から配信された全車両情報テーブルを自装置内の記録媒体に記録する記録処理部と、前記車両特定情報を含む車両情報が、前記記録媒体に記録された全車両情報テーブルに存在しない場合、前記車両特定情報、および前記不正通行の有無を示す不正情報を含む車両情報を前記中央課金処理装置に送信する本線送信部と、を備える。
【0016】
また、本開示の一態様によれば、料金収受システムは、上述の中央課金処理装置と、上述の入口課金処理装置と、上述の出口課金処理装置と、を備える。
【0017】
また、本開示の一態様によれば、課金処理方法は、中央課金処理装置が、入口料金所に設置された入口課金処理装置から、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信するステップと、前記中央課金処理装置が、前記入口課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルを作成するステップと、前記中央課金処理装置が、前記全車両情報テーブルを、出口料金所に設置された出口課金処理装置に配信するステップと、を有する。
【0018】
また、本開示の一態様によれば、プログラムは、中央課金処理装置のコンピュータに、入口料金所に設置された入口課金処理装置から、前記入口料金所に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信するステップと、前記入口課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルを作成するステップと、前記全車両情報テーブルを、出口料金所に設置された出口課金処理装置に配信するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0019】
上述の各態様によれば、出口料金所にて、不正車両に対する即時処理、および、不正車両の利用者への即時通知を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る中央課金処理装置の機能構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る入口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る出口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図5】第1の実施形態に係る本線課金処理装置の機能構成を示す図である。
図6】第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の機能構成を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る車両情報の例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る全車両情報テーブルの例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る中央課金処理装置の処理フローを示す図である。
図10】第1の実施形態に係る入口課金処理装置の処理フローを示す図である。
図11】第1の実施形態に係る出口課金処理装置の処理フローを示す図である。
図12】第1の実施形態に係る本線課金処理装置の処理フローを示す図である。
図13】第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の処理フローを示す図である。
図14】第2の実施形態に係る入口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図15】第2の実施形態に係る出口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図16】第2の実施形態に係る本線課金処理装置の機能構成を示す図である。
図17】第2の実施形態に係る車両情報の例を示す図である。
図18】第2の実施形態に係る全車両情報テーブルの例を示す図である。
図19】第2の実施形態に係る入口課金処理装置の処理フローを示す図である。
図20】第2の実施形態に係る出口課金処理装置の処理フローを示す図である。
図21】第2の実施形態に係る本線課金処理装置の処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る料金収受システムについて、図1図13を参照しながら説明する。
【0022】
(料金収受システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
図1に示す料金収受システム9は、電子式料金収受システム(ETC)であって、道路事業者が管理する有料道路Uの料金収受に適用される。
【0023】
有料道路Uの構成について説明する。
図1に示すように、有料道路Uは、本線LM上に入口料金所G2、出口料金所G3、および、本線料金所G4を有する。
入口料金所G2には一般道路から有料道路Uに進入しようとする車両が到来する。車両は、流入車線L2を走行して入口料金所G2に到来し、入口料金所G2の通過後、有料道路Uを走行する。なお、図示を省略しているが、入口料金所G2の各車線には、到来した車両Aの車載器Cとの間で無線通信を行うための無線通信装置や、車両Aの車軸数の検出結果に基づいてその車種区分を特定可能な車種判別装置などが設けられている。
また、出口料金所G3には有料道路Uから一般道路に退出しようとする車両が到来する。車両は、有料道路Uを走行して出口料金所G3に到来し、出口料金所G3の通過後、流出車線L3を走行して一般道路に戻る。出口料金所G3の各車線には、到来した車両に対し無線通信による課金処理を行う無線通信装置、徴収された課金額を即時通知するための路側表示器などが設けられている。
本線料金所G4は、本線LM上に設けられた料金所であり、集約料金所ともいう。本線料金所G4では、有料道路Uの本線LMを走行する車両が通過する。なお、本線料金所G4の各車線には、入口料金所G2と同様の無線通信装置、車種判別装置などが設けられている。
【0024】
有料道路Uには入口FF車線L2Fが設けられている。入口FF車線L2Fは、FF(フリーフロー)車線であり、料金所ゲートが設けられていない流入車線である。なお、入口FF車線L2Fの路側には無線通信装置は設けられているが、車種判別装置は設けられていない。
【0025】
次に、料金収受システム9について説明する。
図1に示すように、料金収受システム9は、中央課金処理装置1と、入口課金処理装置2と、出口課金処理装置3と、本線課金処理装置4と、入口FF課金処理装置5とを備えている。
【0026】
中央課金処理装置1は、広域通信網を介して有料道路Uの各料金所やFF車線に設置された課金処理装置と通信可能に接続されており、各課金処理装置から逐次受信する情報を集約し、全車両情報テーブル(後述)を作成する。そして、中央課金処理装置1は、全車両情報テーブルを各課金処理装置に向けて配信する。
【0027】
入口課金処理装置2は、入口料金所G2に設置される装置である。入口料金所G2に複数の車線(レーン)が存在する場合、入口課金処理装置2は、その車線ごとに設置される。
入口課金処理装置2は、入口料金所G2の車線を通過する車両の車両情報(後述)を取得し、これを中央課金処理装置1に送信する。なお、入口料金所G2の各車線には車種判別装置が設置されている。そのため、入口課金処理装置2が送信する車両情報には、車両の車軸数を用いて特定された車種区分情報が含まれる。
【0028】
出口課金処理装置3は、出口料金所G3に設置される装置である。出口料金所G3に複数の車線が存在する場合、出口課金処理装置3は、その車線ごとに設置される。
出口課金処理装置3は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルをローカルの(自装置内の)記録媒体に保存している。出口課金処理装置3は、各車線を通過する車両の車種区分情報を、ローカルの記録媒体に保存されている全車両情報テーブルを参照することで特定し、正しい車種区分に基づく即時課金および即時通知を行う。
また、出口課金処理装置3は、出口料金所G3の車線を通過する車両の車両情報を取得し、これを中央課金処理装置1に送信する。
【0029】
本線課金処理装置4は、本線料金所G4に設置される装置である。本線料金所G4に複数の車線が存在する場合、本線課金処理装置4は、その車線ごとに設置される。
本線課金処理装置4は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルをローカルの記録媒体に保存している。本線課金処理装置4は、本線料金所G4の車線を通過する車両から取得した車両情報が、ローカルの記録媒体に保存されている全車両情報テーブルに既に記録されているか否か等を判定し、その判定結果に応じて、取得した車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0030】
入口FF課金処理装置5は、入口FF車線L2F上に設置されている。入口FF課金処理装置5は、中央課金処理装置1と同様に、入口FF車線L2Fを走行する車両の車両情報を取得し、これを中央課金処理装置1に送信する。ただし、入口FF車線L2Fには車種判別装置が設置されていない。そのため、入口FF課金処理装置5が送信する車両情報には、車両の車軸数を用いて特定される車種区分情報が含まれていない。
【0031】
(中央課金処理装置の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る中央課金処理装置の機能構成を示す図である。
図2に示すように、中央課金処理装置1は、CPU10と、メモリ11と、通信インタフェース12と、記録媒体13とを備えている。
【0032】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU10の機能については後述する。
メモリ11は、いわゆる主記憶装置であって、CPU10の動作に必要な記憶領域を有する。たとえば、メモリ11には、全車両情報テーブルT1、全車両情報テーブルT1の差分情報T2(新規進入車両情報テーブルT21、新規退出車両情報テーブルT22)(後述)などが記録される。
通信インタフェース12は、広域通信網を介して各課金処理装置と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
記録媒体13は、いわゆる補助記憶装置であって、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体13には、メモリ11に記録されている全車両情報テーブルT1、全車両情報テーブルT1の差分情報T2などのバックアップが記録される。
【0033】
次に、中央課金処理装置1のCPU10の機能について説明する。
【0034】
CPU10は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、受信部101、作成部102および配信部103としての機能を発揮する。
【0035】
受信部101は、各課金処理装置から車両情報を受信する。ここで、入口課金処理装置2および本線課金処理装置4から受信する車両情報には、その車両を特定可能な車両特定情報の他、車両の車軸数の検出結果を用いて判別された車種区分情報が含まれる。
なお、車軸数は、路面に設置された踏板(後述)が、走行する車両のタイヤによって順次踏み付けられることによって検出されるものであり、つまり、車両の走行に伴って検出される特徴の一態様である。車両の走行に伴って検出される特徴は、他の実施形態では車軸数に限られることはなく、例えば、光学センサなどに基づいて検出される車長などであってもよい。
【0036】
作成部102は、各課金処理装置から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成する。特に、作成部102は、入口課金処理装置2(および入口FF課金処理装置5)から逐次受信する車両情報を、新たに有料道路Uに進入した車両の車両情報として全車両情報テーブルT1に追加するとともに、これらを集約して新規進入車両情報テーブルT21を作成する。また、作成部102は、出口課金処理装置3から逐次受信する車両情報を、新たに有料道路Uから退出した車両の車両情報として全車両情報テーブルT1から除外するとともに、これらを集約して新規退出車両情報テーブルT22を作成する。
【0037】
配信部103は、作成部102によって作成された全車両情報テーブルT1を、各課金処理装置(特に、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3)に配信する。また、配信部103は、全車両情報テーブルT1の差分情報T2である新規進入車両情報テーブルT21、新規退出車両情報テーブルT22を定期的に各課金処理装置に配信する。
【0038】
(入口課金処理装置の機能構成)
図3は、第1の実施形態に係る入口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図3に示すように、入口課金処理装置2は、CPU20と、メモリ21と、通信インタフェース22と、路側機器インタフェース23と、記録媒体24とを備えている。
【0039】
CPU20は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU20の機能については後述する。
メモリ21は、CPU20の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース22は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース23は、入口料金所G2の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置2A、車種判別装置2B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体24は、入口課金処理装置2内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体24には、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1が記録される。
【0040】
次に、入口課金処理装置2に接続される路側機器(無線通信装置2A、車種判別装置2B)について説明する。
【0041】
無線通信装置2Aは、入口料金所G2に到来した車両Aの車載器C(図1)との間でDSRC(Dedicated Short Range Communications)を用いた無線通信を行い、車載器Cに記録された各種情報(車載器ID、ICカード情報、車両ナンバーなど)を取得する。車載器Cに記録された各種情報は、その車両を一意に特定可能な車両特定情報である。
【0042】
車種判別装置2Bは、走行中の車両の正しい車種区分を特定可能とする装置である。車種判別装置2Bは、踏板や車両検知器などを通じて、車線を通過する車両の車軸数を検出する。これにより、車種判別装置2Bは、通過する車両の車軸数の検出結果を用いて走行中の車両の車種区分情報を特定する。
【0043】
次に、入口課金処理装置2のCPU20の機能について説明する。
【0044】
CPU20は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部201、入口車両情報取得部202、入口送信部203および車載器情報書込部204としての機能を発揮する。
【0045】
記録処理部201は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体24に記録する。また、記録処理部201は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図2)に基づいて、記録媒体24に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0046】
入口車両情報取得部202は、無線通信装置2Aおよび車種判別装置2Bを通じて、入口料金所G2に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報と、少なくとも車両の車軸数の検出結果を用いて判別された車種区分情報とが含まれる。
【0047】
入口送信部203は、車両特定情報および車種区分情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0048】
車載器情報書込部204は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0049】
(出口課金処理装置の機能構成)
図4は、第1の実施形態に係る出口課金処理装置の機能構成を示す図である。
図4に示すように、出口課金処理装置3は、CPU30と、メモリ31と、通信インタフェース32と、路側機器インタフェース33と、記録媒体34とを備えている。
【0050】
CPU30は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU30の機能については後述する。
メモリ31は、CPU30の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース32は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース33は、出口料金所G3の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置3A、路側表示器3B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体34は、出口課金処理装置3内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体34には、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1が記録される。
【0051】
次に、出口課金処理装置3に接続される路側機器(無線通信装置3A、路側表示器3B)について説明する。
【0052】
無線通信装置3Aは、出口料金所G3に到来した車両Aの車載器C(図1)との間でDSRCを用いた無線通信を行い、車載器Cに記録された各種情報(車両特定情報)を取得する。また、出口料金所G3では、無線通信装置3Aによる無線通信を通じて課金処理が行われる。
路側表示器3Bは、無線通信による課金処理が完了した際、走行中の車両(利用者)に向けて課金額などを表示(即時通知)する表示装置である。
【0053】
次に、出口課金処理装置3のCPU30の機能について説明する。
【0054】
CPU30は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部301、出口車両情報取得部302、出口送信部303、車載器情報読取部304および課金処理部305としての機能を発揮する。
【0055】
記録処理部301は、入口課金処理装置2の記録処理部201と同様に、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体34に記録する。また、記録処理部301は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図2)に基づいて、記録媒体34に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0056】
出口車両情報取得部302は、無線通信装置3Aを通じて、出口料金所G3に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報が含まれる。
【0057】
出口送信部303は、車両特定情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0058】
車載器情報読取部304は、入口料金所G2にてICカードに書き込まれた車載器車種区分情報を読み出す。
【0059】
課金処理部305は、ローカルの記録媒体34に記録された全車両情報テーブルT1を参照して、出口車両情報取得部302が取得した車両特定情報に紐づく車種区分情報を特定し、当該車種区分情報に応じた課金額で課金処理を実行する。
【0060】
(本線課金処理装置の機能構成)
図5は、第1の実施形態に係る本線課金処理装置の機能構成を示す図である。
図5に示すように、本線課金処理装置4は、CPU40と、メモリ41と、通信インタフェース42と、路側機器インタフェース43と、記録媒体44とを備えている。
【0061】
CPU40は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU40の機能については後述する。
メモリ41は、CPU40の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース42は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース43は、本線料金所G4の各車線に設けられた路側機器(無線通信装置4A、車種判別装置4B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体44は、本線課金処理装置4内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体44には、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1が記録される。
【0062】
本線課金処理装置4に接続される路側機器である無線通信装置4A、車種判別装置4B)については、入口料金所G2に設けられる無線通信装置2A、車種判別装置2Bと同様であるため説明を省略する。
【0063】
次に、本線課金処理装置4のCPU40の機能について説明する。
【0064】
CPU40は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部401、本線車両情報取得部402、本線送信部403および車載器情報書込部404としての機能を発揮する。
【0065】
記録処理部401は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体44に記録する。また、記録処理部401は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図2)に基づいて、記録媒体24に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0066】
本線車両情報取得部402は、無線通信装置4Aおよび車種判別装置4Bを通じて、本線料金所G4に到来した車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報と、少なくとも車両の車軸数の検出結果を用いて判別された車種区分情報とが含まれる。
【0067】
本線送信部403は、特定の条件を満たした場合に、車両特定情報および車種区分情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。「特定の条件」とは、具体的には、以下の(a)、(b)の2つである。
(a)本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報(車載器IDなど)を含む車両情報が、記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在しない場合
(b)本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報を含む車両情報が記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在するが、当該車両情報に、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報が含まれていない場合
【0068】
車載器情報書込部404は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0069】
(入口FF課金処理装置の機能構成)
図6は、第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の機能構成を示す図である。
図6に示すように、入口FF課金処理装置5は、CPU50と、メモリ51と、通信インタフェース52と、路側機器インタフェース53と、記録媒体54とを備えている。
【0070】
CPU50は、予め用意されたプログラムに従って動作することで種々の機能を発揮するプロセッサである。CPU50の機能については後述する。
メモリ51は、CPU50の動作に必要な記憶領域を有する。
通信インタフェース52は、広域通信網を介して中央課金処理装置1と通信可能に接続するための接続インタフェースである。
路側機器インタフェース53は、入口FF車線L2Fに設けられた路側機器(無線通信装置5A、路側カメラ5B)と通信するための接続インタフェースである。
記録媒体54は、入口FF課金処理装置5内に設けられたローカルの記録媒体であって、HDDやSSDなどの大容量記憶デバイスである。本実施形態においては、記録媒体54には、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1が記録される。
【0071】
入口FF課金処理装置5に接続される路側機器である無線通信装置5Aについては、入口料金所G2に設けられる無線通信装置2Aと同様であるため説明を省略する。
路側カメラ5Bは、路側に設置されたカメラであって、入口FF車線L2Fを走行する車両を撮影する。路側カメラ5Bは、無線通信装置5Aを通じて得た車両特定情報と紐づけて、各車両の外観を示す車両画像を取得可能とする。
【0072】
次に、入口FF課金処理装置5のCPU50の機能について説明する。
【0073】
CPU50は、予め用意されたプログラムに従って動作することで、記録処理部501、入口FF車両情報取得部502、入口FF送信部503および車載器情報書込部504としての機能を発揮する。
【0074】
記録処理部501は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1をローカルの記録媒体54に記録する。また、記録処理部501は、中央課金処理装置1から定期的に配信される差分情報T2(図2)に基づいて、記録媒体54に記録された全車両情報テーブルT1の内容を更新する。
【0075】
入口FF車両情報取得部502は、無線通信装置5Aを通じて、入口FF車線L2Fを走行中の車両の車両情報を取得する。ここで取得される車両情報には、当該車両を特定可能な車両特定情報が含まれる。しかし、入口FF車線L2F上には車種判別装置が設置されていないため、ここで取得される車両情報には、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報は含まれていない。
【0076】
入口FF送信部503は、車両特定情報を含み、車種区分情報を含まない車両情報を中央課金処理装置1に送信する。
【0077】
車載器情報書込部504は、車載器C(図1)に予め登録されている車載器車種区分情報を読み出して、車載器C内にセットされているICカードに書き込む。
【0078】
(車両情報および全車両情報テーブルの例)
図7は、第1の実施形態に係る車両情報の例を示す図である。
また、図8は、第1の実施形態に係る全車両情報テーブルの例を示す図である。
以下、図7図8を参照しながら、入口課金処理装置2などで逐次取得され、中央課金処理装置1に送信される車両情報Dのデータの内容と、中央課金処理装置1で作成される全車両情報テーブルT1のデータの内容について詳しく説明する。
【0079】
図7に示すように、車両情報Dには、「車両特定情報」(本実施形態においては「車載器ID」)、「料金所番号」、「車線番号」、「処理年月日時分」、「ICカード情報」、「車種区分情報」、「ナンバープレート情報」、「車両画像データ」などが含まれる。
【0080】
入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202が取得する車両情報Dのうち、「車両特定情報」(車載器ID)、「ICカード情報」、「ナンバープレート情報」などは、無線通信装置2Aによる車載器Cとの無線通信を通じて得られる情報である。また、「車種区分情報」は、車種判別装置2Bを通じて得られる車種区分情報(つまり、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報)である。
【0081】
なお、本線料金所G4でも車種判別装置4Bが設置されているため、車軸数の検出結果に基づく「車種区分情報」を取得できる。したがって、本線課金処理装置4の本線車両情報取得部402が取得する車両情報は、入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202が取得する車両情報と同様に、車軸数に基づく「車種区分情報」が含まれたものとなる。
一方、入口FF車線L2Fには車種判別装置が設置されていないため、入口FF課金処理装置5の入口FF車両情報取得部502が取得する車両情報には「車種区分情報」が含まれない。
【0082】
図8は、中央課金処理装置1の作成部102が作成する全車両情報テーブルT1の内容を示している。図8に示すように、全車両情報テーブルT1は、各課金処理装置から受信した車両情報が集約されてなる。全車両情報テーブルT1には、各時点で有料道路U上を走行している全ての車両に関する車両情報が集約される。
【0083】
(中央課金処理装置の処理フロー)
図9は、第1の実施形態に係る中央課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図9を参照しながら、中央課金処理装置1が実行する処理フローについて詳しく説明する。なお、図9に示す処理フローは、中央課金処理装置1により、定期的に(例えば、数秒、数分または数十分に1回の周期等、有料道路上の入口から出口までに見込まれる最短の時間よりも短い周期で)繰り返し実行される。
【0084】
まず、中央課金処理装置1の受信部101は、有料道路Uに新たに進入した車両に関する車両情報を集約する(ステップS11A)。具体的には、受信部101は、入口課金処理装置2又は入口FF課金処理装置5から受信した車両情報D(図7)を集約する。
【0085】
次に、受信部101は、有料道路Uから新たに退出した車両に関する車両情報を集約する(ステップS11B)。具体的には、受信部101は、出口課金処理装置3から受信した車両情報Dを集約する。
【0086】
次に、中央課金処理装置1の作成部102は、ステップS11A、S11Bで集約したそれぞれの情報に基づいて、各時点で有料道路U上を走行している全ての車両に関する車両情報を有する全車両情報テーブルT1(図7)を作成、更新する(ステップS12)。具体的には、作成部102は、ステップS11Aで集約した車両情報を全車両情報テーブルT1に追加し、ステップS11Bで集約した車両情報を全車両情報テーブルT1から除外することで、全車両情報テーブルT1を更新する。
【0087】
次に、作成部102は、前回のタイミングで作成した全車両情報テーブルT1との差分を示す差分情報T2(図2)を作成する(ステップS13)。具体的には、作成部102は、ステップS11Aで集約した車両情報を用いて新規進入車両情報テーブルT21を作成する。また、作成部102は、ステップS11Bで集約した車両情報を用いて新規退出車両情報テーブルT22を作成する。
【0088】
次に、中央課金処理装置1の配信部103は、差分情報T2(新規進入車両情報テーブルT21、新規退出車両情報テーブルT22)を各課金処理装置へ配信する(ステップS14)。各課金処理装置は、ここで配信された差分情報T2に基づいて、各々のローカルの記録媒体に記録された全車両情報テーブルT1を更新する。
【0089】
課金処理装置から所定のリクエストを受信した場合には、配信部103は、そのリクエスト元には、差分情報T2ではなく、全車両情報テーブルT1そのものを配信する(ステップS15)。例えば、出口料金所G3にて新たな出口課金処理装置3が起動した際、当該起動直後の出口課金処理装置3には全車両情報テーブルT1が記録されていない。そこで、新たに起動した出口課金処理装置3は、起動直後に、中央課金処理装置1に対し所定のリクエストを送信する。そして、出口課金処理装置3は、中央課金処理装置1から全車両情報テーブルT1そのものを受信する。
【0090】
(入口課金処理装置の処理フロー)
図10は、第1の実施形態に係る入口課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図10を参照しながら、入口課金処理装置2が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0091】
まず、入口課金処理装置2は、入口料金所G2への車両の進入を検知する(ステップS21)。
【0092】
次に、入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202は、無線通信装置2Aを介して、進入した車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS22)。
【0093】
次に、入口課金処理装置2の車載器情報書込部204は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS23)。
【0094】
次に、入口課金処理装置2は、ステップS22で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体24に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていないかどうかを判定する(ステップS24)。
【0095】
ステップS22で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体24に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS24;NO)、まだ有料道路Uに進入していない車両に関する車両情報が全車両情報テーブルT1に記録されていることになる。したがって、この場合、入口課金処理装置2は、システム上、異常な車両が進入してきたと判断し、中央課金処理装置1に向けてエラー通知を行う(ステップS25)。
【0096】
ステップS22で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体24に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS24;YES)、続いて、車種判別装置2Bを通じて、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報を取得する(ステップS26)。
【0097】
続いて、入口課金処理装置2の入口送信部203は、到来した車両に関する車両情報(車種判別装置2Bによって特定された車種区分情報を含む)を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS27)。
【0098】
(出口課金処理装置の処理フロー)
図11は、第1の実施形態に係る出口課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図11を参照しながら、出口課金処理装置3が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0099】
まず、出口課金処理装置3は、出口料金所G3への車両の進入を検知する(ステップS31)。
【0100】
次に、出口課金処理装置3の出口車両情報取得部302は、無線通信装置3Aを介して、進入した車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS32)。
【0101】
次に、出口課金処理装置3の車載器情報読取部304は、ステップS23(図10)でICカードに書き込まれた車種区分情報(車載器車種区分情報)を読み取る(ステップS33)。
【0102】
次に、出口課金処理装置3は、ステップS32で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体34に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれているかどうかを判定する(ステップS34)。
【0103】
ステップS32で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体34に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS34;NO)、何らかの事情により本来あるべきはずの車両情報が、出口課金処理装置3の全車両情報テーブルT1に含まれていないことになる。したがって、この場合、課金処理部305は、ステップS33で読み取った車載器車種区分情報(仮の車種区分情報)を用いて課金額を決定し、課金処理を行う(ステップS35)。
【0104】
他方、ステップS32で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体34に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS34;YES)、課金処理部305は、当該全車両情報テーブルT1を参照して、ステップS32で取得した車両特定情報に紐づく車種区分情報を特定する(ステップS36)。
【0105】
続いて、課金処理部305は、全車両情報テーブルT1に記録された車種区分情報に応じた課金額の課金処理を実行し、その課金額を路側表示器3Bに表示させる(ステップS37)。
【0106】
(本線課金処理装置の処理フロー)
図12は、第1の実施形態に係る本線課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図12を参照しながら、本線課金処理装置4が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0107】
まず、本線課金処理装置4は、本線料金所G4への車両の進入を検知する(ステップS41)。
【0108】
次に、本線課金処理装置4の本線車両情報取得部402は、無線通信装置4Aを介して、進入した車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS42)。
【0109】
次に、本線課金処理装置4の車載器情報書込部404は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS43)。
【0110】
次に、本線課金処理装置4の本線送信部403は、ステップS42で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていないかどうかを判定する(ステップS44)。
【0111】
ステップS42で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS44;NO)、この車両は、入口料金所G2又は入口FF車線L2Fを通過した際に、入口課金処理装置2又は入口FF課金処理装置5を通じて車両情報が取得された車両といえる。
この場合、続いて、本線送信部403は、全車両情報テーブルT1に、その車両特定情報に対応する車種区分情報が含まれていないか否かを判定する(ステップS45)。
【0112】
記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に、ステップS42で取得された車両特定情報に対応する車種区分情報が含まれている場合(ステップS45;NO)、この車両は、入口料金所G2を通過した際に、車種判別装置2Bを通じて既に正しい車種区分情報が記録されていると判断される。したがって、この場合、本線送信部403は、中央課金処理装置1に何らの情報を送信することなく処理を終了する。
【0113】
他方、ステップS44で参照した車両情報に車種区分情報が含まれていない場合(ステップS45;YES)、この車両は、車種判別装置2Bが設置されていない入口FF車線L2Fを通過して有料道路Uに進入したため、正しい車種区分情報が未だ記録されていないと判断される。
この場合、本線送信部403は、車種判別装置4Bを通じて、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報を取得する(ステップS46)。
【0114】
続いて、本線送信部403は、到来した車両に関する車両情報(車種判別装置4Bによって特定された車種区分情報を含む)を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS47)。
【0115】
(入口FF課金処理装置の処理フロー)
図13は、第1の実施形態に係る入口FF課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図13を参照しながら、入口FF課金処理装置5が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0116】
入口FF課金処理装置5の入口FF車両情報取得部502は、入口FF車線L2Fの路側に設置された無線通信装置5Aを介して、その通信範囲に存在する車両の車載器Cとの間で無線通信を行い、車両特定情報(車載器ID)等を取得する(ステップS51)。
【0117】
次に、入口FF課金処理装置5の車載器情報書込部504は、車載器Cに登録されている車種区分情報(車載器車種区分情報)をICカードに書き込む(ステップS52)。
【0118】
次に、入口FF課金処理装置5は、ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていないかどうかを判定する(ステップS54)。
【0119】
ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれている場合(ステップS54;NO)、まだ有料道路Uに進入していない車両に関する車両情報が全車両情報テーブルT1に記録されていることになる。したがって、この場合、入口FF課金処理装置5は、システム上、異常な車両が進入してきたと判断し、中央課金処理装置1に向けてエラー通知を行う(ステップS54)。
【0120】
ステップS51で取得された車両特定情報が、ローカルの記録媒体54に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれていない場合(ステップS53;YES)、入口FF課金処理装置5の入口FF送信部503は、到来した車両に関する車両情報(車軸数に基づく車種区分情報を含まない)を中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS55)。なお、この車両情報には、路側カメラ5Bによって撮影された車両画像データ(又は、その保存先を示す情報)が含まれていてもよい。
【0121】
(作用、効果)
以上の通り、第1の実施形態に係る中央課金処理装置1は、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2から各車両の車種区分情報を含む車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成し、これを出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3に配信する。
このようにすることで、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3のローカル(記録媒体34)に、有料道路Uに進入した全車両の車両情報(全車両情報テーブルT1)が記録されることとなる。そして、その全車両情報テーブルT1には、各車両の正しい車種区分情報(車軸数に基づく車種区分情報)が記録されている。したがって、車両が出口料金所G3に到来した際に、直ちに全車両情報テーブルT1を参照し、その車両の車種区分情報に応じた正しい課金額で即時課金を実行することができる。
【0122】
以上より、第1の実施形態に係る中央課金処理装置1によれば、出口料金所にて、正しい課金額での即時課金、および、正しい課金額の利用者への即時通知を実現できる。
【0123】
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態に係る本線課金処理装置4は、本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報が、ローカルの記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に含まれており(ステップS44;NO)、かつ、その車両特定情報に対応する車種区分情報が含まれている場合(ステップS45;NO)、中央課金処理装置1に何らの情報を送信することなく処理を終了するものと説明した。しかし、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
即ち、同一の車両であっても、入口料金所G2通過時の車種区分と、本線料金所G4通過時の車種区分とが異なる場合がある。例えば、サービスエリアなどで貨物や被牽引車を追加/削減する場合などが考えられる。このような場合、中央課金処理装置1は、入口料金所G2通過時に特定された車種区分と、本線料金所G4通過時に特定された車種区分との両方を全車両情報テーブルT1に記録する態様としてもよい。
このようにすることで、道路事業者は、有料道路Uの走行中に車種区分が変更されたことを考慮して、当該車両に対し適切な課金額を徴収することができる。
【0124】
また、他の実施形態に係る料金収受システム9は、上述の中央課金処理装置1、入口課金処理装置2、出口課金処理装置3、本線課金処理装置4および入口FF課金処理装置5の他に、本線FF課金処理装置を有してもよい。
本線FF課金処理装置は、本線L1の通常の車線(料金所ゲートが設けられておらず自由に走行可能な車線)を走行中の車両に対し、路側に設けられた無線通信装置を介して車両情報を取得し、逐次、中央課金処理装置1に送信する。ただし、本線L1の通常の車線上には車種判別装置を設けることはできない。したがって、本線FF課金処理装置は、入口FF課金処理装置5と同様に、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報を含まない車両情報を送信する。それ以外の処理については、本線課金処理装置4と同様となる。
【0125】
また、他の実施形態に係る料金収受システム9は、さらに、有料道路Uの「出口FF車線」に対応して設けられた出口FF課金処理装置を有してもよい。この場合において、出口FF課金処理装置は、出口課金処理装置3と同様の機能を有するものとしてよい。
【0126】
また、上述の実施形態に係る料金収受システム9は、図9に示すように、逐次、差分情報T2を配信することによって、出口課金処理装置3での全車両情報テーブルT1を更新する態様として説明したが、他の実施形態ではこの態様に限定されない。即ち、他の実施形態に係る料金収受システム9では、一定周期ごとに、全車両情報テーブルT1をそのまま配信する態様としてもよい。
【0127】
<第2の実施形態>
次に、本開示の第2の実施形態に係る料金収受システムについて、図14図21を参照しながら説明する。第1の実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付して詳細説明を省略する。
【0128】
(入口課金処理装置の機能構成)
図14は、第2の実施形態に係る入口課金処理装置の機能構成を示す図である。
以下、図14を参照しながら、本実施形態に係る入口課金処理装置2および路側機器について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0129】
まず、入口課金処理装置2に接続される路側機器(車種判別装置2B)について説明する。本実施形態に係る車種判別装置2Bは、踏板(または軸重計)などを通じて、通過する車両の軸重および総重量を更に計測する。また、車種判別装置2Bは、路側カメラにより撮影された車両画像から、当該車両に付されたナンバープレートの情報を更に読み取る。この路側カメラは、既存のナンバープレート読取装置であってもよい。
【0130】
次に、入口課金処理装置2のCPU20の機能について説明する。図14に示すように、本実施形態に係るCPU20は、入口不正検出部205を更に有している。また、本実施形態では、入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202の機能が第1の実施形態と異なっている。
【0131】
入口車両情報取得部202は、車種判別装置2Bを通じて、入口料金所G2に到来した車両の特徴を表す車両特徴情報を取得する。車両特徴情報は、車種判別装置2Bが計測した車両の軸重および総重量と、車両に付されたナンバープレートから読み取ったナンバープレート情報とが含まれる。
【0132】
入口不正検出部205は、車両特徴情報を用いて車両が不正通行を行ったか否かを検出する。また、入口不正検出部205は、不正通行の有無を示す情報と、不正通行の詳細情報とを含む不正情報を作成する。不正通行とは、たとえば、有料道路に規定された軸重または総重量の上限値を超過した状態で通行することである。また、不正通行とは、車載器Cを、予め登録された情報(ナンバープレート情報または車種区分情報)に紐づく車両とは異なる車両に不正に載せ替えて通行することである。不正通行の詳細情報には、「軸重オーバー」、「総重量オーバー」、「ナンバープレート不一致疑い」、「車種区分不一致疑い」などの情報が含まれる。
【0133】
入口送信部203は、車両特定情報および車種区分情報を含む車両情報に不正情報を追加して、中央課金処理装置1に送信する。
【0134】
(出口課金処理装置の機能構成)
図15は、第2の実施形態に係る出口課金処理装置の機能構成を示す図である。
以下、図15を参照しながら、本実施形態に係る出口課金処理装置3について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0135】
図15に示すように、本実施形態に係る出口課金処理装置3のCPU30は、ペナルティ処理部306を更に有している。
【0136】
ペナルティ処理部306は、ローカルの記録媒体34に記録された全車両情報テーブルT1を参照して、出口車両情報取得部302が取得した車両特定情報に紐づく不正情報が記録されている場合に、車両に対するペナルティを科す処理を行う。
【0137】
(本線課金処理装置の機能構成)
図16は、第2の実施形態に係る本線課金処理装置の機能構成を示す図である。
以下、図16を参照しながら、本実施形態に係る本線課金処理装置4および路側機器について、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0138】
まず、本線課金処理装置4に接続される路側機器(車種判別装置4B)について説明する。車種判別装置4Bについては、本実施形態に係る入口料金所G2に設けられる車種判別装置2Bと同様であるため説明を省略する。
【0139】
次に、本線課金処理装置4のCPU40の機能について説明する。図16に示すように、本実施形態に係るCPU40は、本線不正検出部405を更に有している。また、本実施形態では、本線車両情報取得部402および本線送信部403の機能が第1の実施形態と異なっている。
【0140】
本線課金処理装置4の本線車両情報取得部402は、車種判別装置4Bを通じて、本線料金所G4に到来した車両の特徴を表す車両特徴情報を取得する。車両特徴情報は、車種判別装置4Bが計測した車両の軸重および総重量と、車両に付されたナンバープレートから読み取ったナンバープレート情報とが含まれる。
【0141】
本線不正検出部405は、車両特徴情報を用いて車両が不正通行を行ったか否かを検出する。また、本線不正検出部405は、不正通行の有無を示す情報と、不正通行の詳細情報とを含む不正情報を作成する。
【0142】
本線送信部403は、特定の条件を満たした場合に、車両特定情報、車種区分情報、および不正情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する。「特定の条件」とは、具体的には、以下の(a)、(b)の2つである。
(a)本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報(車載器IDなど)を含む車両情報が、記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在しない場合
(b)本線車両情報取得部402が取得した車両特定情報を含む車両情報が記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在するが、当該車両情報に、車軸数の検出結果に基づく車種区分情報、および不正情報が含まれていない場合
【0143】
(車両情報および全車両情報テーブルの例)
図17は、第2の実施形態に係る車両情報の例を示す図である。
また、図18は、第2の実施形態に係る全車両情報テーブルの例を示す図である。
以下、図17図18を参照しながら、入口課金処理装置2などで逐次取得され、中央課金処理装置1に送信される車両情報Dのデータの内容と、中央課金処理装置1で作成される全車両情報テーブルT1のデータの内容について詳しく説明する。
【0144】
図17に示すように、車両情報Dには、第1の実施形態と同様の各項目に加えて、「不正情報」が更に含まれる。
【0145】
入口課金処理装置2から中央課金処理装置1に送信される車両情報Dのうち、「不正情報」は、入口課金処理装置2の入口不正検出部205が車種判別装置2Bから取得した車両特徴情報を用いて検出した不正通行の有無を示す情報、および不正通行の詳細情報を含む。
【0146】
なお、本線料金所G4でも車種判別装置4Bが設置されているため、本線課金処理装置4の本線不正検出部405により、車両の不正通行の有無を検出可能である。したがって、本線課金処理装置4から中央課金処理装置1に送信される車両情報Dには、入口課金処理装置2から送信される車両情報と同様に、「不正情報」が含まれたものとなる。
一方、入口FF車線L2Fには車種判別装置が設置されていないため、入口FF課金処理装置5から中央課金処理装置1に送信される車両情報には「不正情報」が含まれない。
【0147】
図18は、中央課金処理装置1の作成部102が作成する全車両情報テーブルT1の内容を示している。図18に示すように、全車両情報テーブルT1は、各課金処理装置から受信した車両情報が集約されてなる。全車両情報テーブルT1には、各時点で有料道路U上を走行している全ての車両に関する車両情報が集約される。
【0148】
(入口課金処理装置の処理フロー)
図19は、第2の実施形態に係る入口課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図19を参照しながら、入口課金処理装置2が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0149】
ステップS121~S125の処理は、第1の実施形態における図10のステップS21~25の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0150】
また、本実施形態に係る入口課金処理装置2の入口車両情報取得部202は、車種判別装置2Bを通じて、車種区分情報および車両特徴情報を取得する(ステップS126)。
【0151】
次に、入口不正検出部205は、車載器Cおよび車種判別装置2Bから取得した情報に基づいて、車両の不正通行の有無を検出し、不正情報を作成する(ステップS127)。本実施形態に係る入口不正検出部205は、車両の「車種区分不一致疑い」、「ナンバープレート情報不一致疑い」、「軸重オーバー」、「総重量オーバー」のうち少なくとも一つの不正が検出された場合、「不正通行あり」を示す情報と、どの不正が検出されたかを示す詳細情報とを含む不正情報を作成する。詳細情報には、不正の有無の検出に用いられた情報(車載器Cおよび車種判別装置2Bから取得した車種区分情報、ナンバープレート情報、軸重、総重量)が更に含まれていてもよい。他方、全ての不正が検出されなかった場合、「不正通行なし」を示す情報を含む不正情報を作成する。
【0152】
車両の「車種区分不一致疑い」の有無の検出について説明する。
車載器Cが、予め登録された車種区分情報(車載器車種区分情報)とは異なる車種区分の車両に不正に載せ替えられた場合に、車載器車種区分情報と車種判別装置2Bが判別した車種区分情報とが不一致となる。また、車両が被牽引車を牽引している場合についても、車載器車種区分情報と車種判別装置2Bが判別した車種区分情報とが不一致となる。
これを区別するため、入口不正検出部205は、車載器Cから取得した情報に「牽引装置を有する」ことを示す情報が含まれており、且つ、車載器車種区分情報と車種判別装置2Bが判別した車種区分情報とが一致しない場合は、被牽引車を牽引している可能性があるので、「車種区分不一致疑い」は検出されなかったと判断する。
他方、車載器Cから取得した情報に「牽引装置を有する」ことを示す情報が含まれておらず、且つ、車載器車種区分情報と車種判別装置2Bが判別した車種区分情報とが一致しない場合は、車載器Cが不正に載せ替えられている可能性がある。この場合、入口不正検出部205は、「車種区分不一致疑い」が検出されたと判断する。
【0153】
車両の「ナンバープレート情報不一致疑い」の有無の検出について説明する。
車載器Cが、予め登録されたナンバープレート情報に紐づく車両とは異なる車両に不正に載せ替えられた場合に、車載器Cから取得したナンバープレート情報と、車種判別装置2Bが車両に付されたナンバープレートから読み取ったナンバープレート情報とが一致しない。
したがって、入口不正検出部205は、車載器Cから取得したナンバープレート情報と、車種判別装置2Bが読み取ったナンバープレート情報とが一致する場合、「ナンバープレート情報不一致疑い」は検出されなかったと判断する。
他方、車載器Cから取得したナンバープレート情報と、車種判別装置2Bが読み取ったナンバープレート情報とが一致しない場合、車載器Cが不正に載せ替えられている可能性がある。この場合、入口不正検出部205は、「ナンバープレート情報不一致疑い」が検出されたと判断する。
【0154】
車両の「軸重オーバー」の有無の検出について説明する。
入口不正検出部205は、車種判別装置2Bから取得した車両の軸重が、有料道路に規定された軸重の上限値未満である場合、「軸重オーバー」が検出されなかったと判断する。
他方、入口不正検出部205は、車種判別装置2Bから取得した車両の軸重が、有料道路に規定された軸重の上限値を超過する場合、「軸重オーバー」が検出されたと判断する。
【0155】
車両の「総重量オーバー」の有無の検出について説明する。
入口不正検出部205は、車種判別装置2Bから取得した車両の総重量が、有料道路に規定された総重量の上限値未満である場合、「総重量オーバー」が検出されなかったと判断する。
他方、入口不正検出部205は、車種判別装置2Bから取得した車両の総重量が、有料道路に規定された総重量の上限値を超過する場合、「総重量オーバー」が検出されたと判断する。
【0156】
続いて、入口課金処理装置2の入口送信部203は、到来した車両に関する車両情報(車種判別装置2Bによって特定された車種区分情報を含む)に不正情報を追加して、中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS128)。
【0157】
(出口課金処理装置の処理フロー)
図20は、第2の実施形態に係る出口課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図20を参照しながら、出口課金処理装置3が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0158】
ステップS131~S136の処理は、第1の実施形態における図11のステップS31~36の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0159】
また、本実施形態に係る出口課金処理装置3のペナルティ処理部306は、全車両情報テーブルT1に記録された不正情報に基づいて、車両が不正通行を行ったか否かを判定する(ステップS137)。
【0160】
全車両情報テーブルT1に記録された不正情報に「不正通行なし」を示す情報が含まれている場合(ステップS137;NO)、この車両に対するペナルティ処理は行われない。この場合、課金処理部305は、全車両情報テーブルT1に記録された車種区分情報に応じた課金額の課金処理を実行し、その課金額を路側表示器3Bに表示させる(ステップS139)。当該処理は、第1の実施形態における図11のステップS37と同じである。
【0161】
他方、全車両情報テーブルT1に記録された不正情報に「不正通行あり」を示す情報が含まれている場合(ステップS137;YES)、ペナルティ処理部306は、車両に対するペナルティ処理を実行し、ペナルティ処理の内容を路側表示器3Bに表示させる(ステップS138)。
【0162】
たとえば、ペナルティ処理部306は、ペナルティ処理として、課金処理部305が算出した課金額に、不正通行の内容に応じた割増料金を追加する処理を実行する。割増料金の金額は、不正通行の内容に応じて異なっていてもよい。
【0163】
また、ペナルティ処理部306は、ペナルティ処理として、不正通行を行った車両の車両特定情報と不正情報とを関連付けた違反車両情報を作成し、中央課金処理装置1に送信するようにしてもよい。また、中央課金処理装置1は、全車両情報テーブルT1と同様に、各出口課金処理装置3から受信した違反車両情報を集約した違反車両リスト(ブラックリスト)を作成して各課金処理装置に配布してもよい。この場合、たとえば各料金所では、違反車両リストに登録された車両の到来が検出されたときに、料金所の係員により不正がないことが確認されるまで、料金所を通過できないように車両の移動を規制してもよい。また、係員は、違反車両リストに登録された車両が、更に不正通行を行った場合に、取締機関等に通報してもよい。
【0164】
なお、車両が被牽引車を牽引している場合、車載器Cに予め登録された車載器車種区分情報と、入口料金所G2の車種判別装置2Bが判別した車種区分情報とが異なる。このとき、上記したように、車載器Cに「牽引装置あり」の情報が予め登録されていれば、全車両情報テーブルT1には「不正通行なし」を示す不正情報が記録されることとなる。したがって、このように予め「牽引装置あり」の情報を登録している車両が牽引を行ったことにより車種区分情報が不一致となったケースでは、出口課金処理装置3ではペナルティ処理は行われず、車種判別装置が判別した車種区分情報に応じた課金額で、通常の課金処理が実行されることとなる。
他方、「牽引装置あり」の情報を登録していない車両が被牽引車を牽引した場合は、車載器Cの登録情報に誤りがある(再セットアップが行われていない)ため、全車両情報テーブルT1には「不正通行あり」を示す不正情報が記録されることとなる。このケースでは、出口課金処理装置3は、当該車両に対しペナルティ処理を行う。
【0165】
(本線課金処理装置の処理フロー)
図21は、第2の実施形態に係る本線課金処理装置の処理フローを示す図である。
以下、図21を参照しながら、本線課金処理装置4が実行する処理フローについて詳しく説明する。
【0166】
ステップS141~S144の処理は、第1の実施形態における図12のステップS41~S44の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0167】
本実施形態に係る本線課金処理装置4の本線送信部403は、全車両情報テーブルT1に、ステップS142で取得された車両特定情報に対応する車種区分情報および不正情報が含まれていないか否かを判定する(ステップS145)。
【0168】
記録媒体44に記録されている全車両情報テーブルT1に、ステップS142で取得された車両特定情報に対応する車種区分情報および不正情報が含まれている場合(ステップS145;NO)、この車両は、入口料金所G2を通過した際に、車種判別装置2Bを通じて既に正しい車種区分情報および不正情報が記録されていると判断される。したがって、この場合、本線送信部403は、中央課金処理装置1に何らの情報を送信することなく処理を終了する。
【0169】
他方、ステップS144で参照した車両情報に車種区分情報および不正情報が含まれていない場合(ステップS145;YES)、この車両は、車種判別装置2Bが設置されていない入口FF車線L2Fを通過して有料道路Uに進入したため、正しい車種区分情報および不正情報が未だ記録されていないと判断される。
この場合、本線送信部403は、車種判別装置4Bを通じて、車軸数の検出結果に基づいて特定された車種区分情報と、車両特徴情報とを取得する(ステップS146)。
【0170】
次に、本線不正検出部405は、車載器Cおよび車種判別装置4Bから取得した情報に基づいて、車両の不正通行の有無を検出し、不正情報を作成する(ステップS147)。当該処理は、入口課金処理装置2の入口不正検出部205の処理(図19のステップS127)と同様である。
【0171】
続いて、本線送信部403は、到来した車両に関する車両情報(車種判別装置4Bによって特定された車種区分情報を含む)に不正情報を追加して、中央課金処理装置1に向けて送信する(ステップS148)。
【0172】
(作用、効果)
以上のとおり、第2の実施形態に係る中央課金処理装置1は、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2から各車両の不正情報を含む車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成し、これを出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3に配信する。
このようにすることで、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3のローカル(記録媒体34)に、有料道路Uに進入した全車両の車両情報(全車両情報テーブルT1)が記録されることとなる。そして、その全車両情報テーブルT1には、各車両の不正通行の有無を示す不正情報が記録されている。したがって、車両が出口料金所G3に到来した際に、直ちに全車両情報テーブルT1を参照し、その車両が不正通行を行った場合には、不正通行の内容に応じたペナルティ処理を即時実行することができる。
【0173】
以上より、第2の実施形態に係る中央課金処理装置1によれば、出口料金所にて、不正通行に対するペナルティ処理、および、利用者へのペナルティの通知を即時実行することができる。
【0174】
上述の各実施形態においては、中央課金処理装置1、入口課金処理装置2、出口課金処理装置3、本線課金処理装置4、入口FF課金処理装置5(および本線FF課金処理装置、出口FF課金処理装置)が実行する各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
【0175】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0176】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0177】
<付記>
各実施形態に記載の中央課金処理装置、入口課金処理装置、出口課金処理装置、本線課金処理装置4、料金収受システム、課金処理方法およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0178】
(1)第1の態様において、中央課金処理装置1は、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2から、入口料金所G2に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信する受信部101と、入口課金処理装置2から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成する作成部102と、全車両情報テーブルT1を、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3に配信する配信部103と、を備える。
このようにすることで、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3のローカル(記録媒体34)に、有料道路Uに進入した全車両の車両情報(全車両情報テーブルT1)が記録されることとなる。そして、その全車両情報テーブルT1には、各車両の不正通行の有無を示す不正情報が記録されている。したがって、車両が出口料金所G3に到来した際に、直ちに全車両情報テーブルT1を参照し、その車両が不正通行を行った場合には、不正通行の内容に応じたペナルティ処理を即時実行することができる。
【0179】
(2)第2の態様において、中央課金処理装置1は、更に、出口課金処理装置3から、出口料金所G3に到来した車両の車両特定情報を受信し、作成部102は、全車両情報テーブルT1から、出口課金処理装置3から受信した車両特定情報に対応する車両情報を除外する。
このようにすることで、中央課金処理装置1は、各時点で有料道路U上に存在する車両のみについて、全車両情報テーブルT1を作成することができる。
【0180】
(3)第3の態様において、中央課金処理装置1の配信部103は、全車両情報テーブルT1の差分情報T2を配信する。
このようにすることで、定期的に、全車両情報テーブルT1の差分情報のみが配信されるので、各装置間での通信負荷を軽減することができる。
【0181】
(4)第4の態様において、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2は、入口料金所G2に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の特徴を表す車両特徴情報とを取得する入口車両情報取得部202と、車両特徴情報を用いて車両が不正通行を行ったか否かを検出する入口不正検出部205と、車両特定情報、および不正通行の有無を示す不正情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する入口送信部203と、を備える。
このようにすることで、入口課金処理装置2は、有料道路Uに進入した各車両の不正通行の有無を示す不正情報を中央課金処理装置1に送信することができる。
【0182】
(5)第5の態様において、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3は、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1を自装置内(ローカル)の記録媒体34に記録する記録処理部301と、出口料金所G3に到来した車両の車両特定情報を取得する出口車両情報取得部302と、記録媒体34に記録された全車両情報テーブルT1を参照して、車両特定情報に紐づく不正情報が記録されている場合に、車両に対するペナルティを科す処理を行うペナルティ処理部306と、を備える。
このようにすることで、出口課金処理装置3は、車両が出口料金所G3に到来した際に、直ちに全車両情報テーブルT1を参照し、その車両が不正通行を行った場合には、不正通行の内容に応じたペナルティ処理を即時実行することができる。
【0183】
(6)第6の態様において、出口課金処理装置3は、出口車両情報取得部302が取得した車両特定情報(車両情報)を中央課金処理装置1に送信する出口送信部303をさらに備える。
このようにすることで、有料道路Uから退出した車両を中央課金処理装置1に通知することができる。
【0184】
(7)第7の態様において、ペナルティ処理部306は、不正情報に含まれる不正通行の内容に応じた割増料金を、車両の課金額に追加する処理を実行する。
このようにすることで、不正通行を行った車両に対し、割増料金を含む課金額で即時課金することができる。
【0185】
(8)第8の態様において、本線料金所G4に設置された本線課金処理装置4は、本線料金所G4に到来した車両の車両特定情報と当該車両の特徴を表す車両特徴情報とを取得する本線車両情報取得部402と、車両特徴情報を用いて車両が不正通行を行ったか否かを検出する本線不正検出部405と、中央課金処理装置1から配信された全車両情報テーブルT1を自装置内の記録媒体44に記録する記録処理部401と、本線車両情報取得部402によって取得された車両特定情報を含む車両情報が、記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在しない場合、車両特定情報、および前記不正通行の有無を示す不正情報を含む車両情報を中央課金処理装置1に送信する本線送信部403と、を備える。
このようにすることで、車両が入口料金所G2を通過した際に、当該車両に関する車両情報が全車両情報テーブルT1に含まれなかったとしても、本線料金所G4を通過した際に、改めて、全車両情報テーブルT1に追加することができる。
【0186】
(9)第9の態様において、本線課金処理装置4の本線送信部403は、記録媒体44に記録された全車両情報テーブルT1に存在する車両情報に不正情報が含まれていない場合、本線不正検出部405により検出された不正通行の有無を示す不正情報を中央課金処理装置1に送信する。
このようにすることで、例えば車両が入口FF車線L2Fを走行したために、進入時に不正情報が記録されなかった場合であっても、当該車両が本線料金所G4を通過した際には、本線料金所G4にて検出された布施通行の有無が全車両情報テーブルT1に追加的に記録されることとなる。したがって、入口FF車線L2Fを走行して進入した車両が不正通行を行った場合であっても、出口料金所G3にて、当該車両に対するペナルティ処理を行うことができる。
【0187】
(10)第10の態様において、料金収受システム9は、(1)から(3)に記載の中央課金処理装置1と、(4)に記載の入口課金処理装置2と、(5)から(7)に記載の出口課金処理装置3と、を備える。
【0188】
(11)第11の態様において、料金収受システム9は、更に、(8)または(9)に記載の本線課金処理装置4を備える。
【0189】
(12)第12の態様において、課金処理方法は、中央課金処理装置1が、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2から、入口料金所G2に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信するステップと、中央課金処理装置1が、入口課金処理装置2から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成するステップと、中央課金処理装置1が、全車両情報テーブルT1を、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3に配信するステップと、を有する。
【0190】
(13)第13の態様において、プログラムは、中央課金処理装置1のコンピュータに、入口料金所G2に設置された入口課金処理装置2から、入口料金所G2に到来した車両の車両特定情報と、当該車両の不正通行の有無を示す不正情報とを含む車両情報を受信するステップと、入口課金処理装置2から受信した車両情報を集約して全車両情報テーブルT1を作成するステップと、全車両情報テーブルT1を、出口料金所G3に設置された出口課金処理装置3に配信するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0191】
9 料金収受システム
1 中央課金処理装置
2 入口課金処理装置
3 出口課金処理装置
4 本線課金処理装置
5 入口FF課金処理装置
D 車両情報
T1 全車両情報テーブル
T2 差分情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21