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▶ ヨースト−ヴェアケ ドイチュラント ゲー・エム・ベー・ハーの特許一覧

特許7477496プラグコネクタシステムならびに連結システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】プラグコネクタシステムならびに連結システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240423BHJP
   B60D 1/64 20060101ALI20240423BHJP
   B62D 53/08 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B60R16/02 621C
B60D1/64
B62D53/08 D
B60R16/02 620A
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021503002
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 EP2019069528
(87)【国際公開番号】W WO2020016420
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】102018117584.1
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519279579
【氏名又は名称】ヨースト-ヴェアケ ドイチュラント ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】JOST-Werke Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 2, 63263 Neu-Isenburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホセ マヌエル アルグエラ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ギッツェン
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06373375(US,B1)
【文献】特開2013-165414(JP,A)
【文献】特表2007-508194(JP,A)
【文献】特開2013-230798(JP,A)
【文献】特開2016-055768(JP,A)
【文献】特表2008-513292(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0184490(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02821262(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B60D 1/64
B62D 53/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引車両と被牽引車両との接続のためのプラグコネクタシステム(17)であって、前記牽引車両のための、プラグ(3)を有するプラグ装置(4)と、前記被牽引車両のための、作動状態で前記プラグ(3)を差し込むことができるソケット(9)とを有している、または代替的に逆に、前記被牽引車両のための、プラグ(3)を有するプラグ装置(4)と、前記牽引車両のための、作動状態で前記プラグ(3)を差し込むことができるソケット(9)とを有している、プラグコネクタシステム(17)において、
前記プラグ(3)と前記ソケット(9)とは、電気的な接続手段としての、少なくとも1つのラインピンと少なくとも1つのライン孔とを有しており、および/または、前記プラグ(3)と前記ソケット(9)とは、ニューマチック的な接続手段としての、少なくとも1つのニューマチックピンと少なくとも1つのニューマチック孔とを有しており、
前記プラグ(3)と前記ソケット(9)とは、さらに追加的に、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機(34)と少なくとも1つの受信機(36)とを有しており、
前記通信システムは前記被牽引車両側で、以下の構成要素のうちの1つ以上に、すなわち、
シャシおよびこれに所属のセンサ、
サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、
センサ系、
照明および/または
前記被牽引車両の制御ユニットまたはディストリビュータユニットのうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であって、
前記制御ユニットおよび/または前記ディストリビュータユニットも、シャシおよびこれに所属のセンサ、サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、センサ系および/または照明のうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であることを特徴とする、プラグコネクタシステム(17)。
【請求項2】
前記プラグ(3)および前記ソケット(9)は、まっすぐな差込み軸線に沿って接続可能であるように形成されている、請求項1記載のプラグコネクタシステム。
【請求項3】
前記ピンおよび前記孔が、前記差込み軸線に沿って延在する、請求項2記載のプラグコネクタシステム。
【請求項4】
前記通信システムは、以下の技術のうちの1つ、すなわち、
-無線周波数識別(RFID)
-近距離無線通信(NFC)
-ブルートゥース(登録商標)低消費電力(BLE)
-光学信号伝送
-無線技術
のうちの1つを使用する、請求項1から3までのいずれか1項記載のプラグコネクタシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの送信機(34)および/または少なくとも1つの受信機(36)は、少なくとも1つのピンおよび/または前記プラグ(3)のプラグボディ(28)の表面にかつ/または内部に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のプラグコネクタシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの送信機(34)および/または少なくとも1つの受信機(36)は、少なくとも1つのピンレセプタクルおよび/または前記ソケット(9)のソケットボディ(23)の表面にかつ/または内部に配置されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラグコネクタシステム。
【請求項7】
ブラインドピン(33)と袋孔(26)との間に、作動状態で中間スペースが存在している、請求項6記載のプラグコネクタシステム。
【請求項8】
前記プラグボディ(28)および/または前記ソケットボディ(23)は、前記送信機(34)または前記受信機(36)のための収容部(39)を有している、請求項5を引用する請求項6または7記載のプラグコネクタシステム。
【請求項9】
前記プラグ(3)および/または前記ソケット(9)は、少なくとも部分的にプラスチックから製作されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のプラグコネクタシステム。
【請求項10】
牽引車両と被牽引車両とを接続するための連結システム(14)であって、前記牽引車両のための連結ユニット(15)と、前記被牽引車両のための連結ユニット(16)とを有しており、
前記被牽引車両のための連結ユニット(16)は、少なくとも1つの第1の機械的な連結装置を含み、
前記牽引車両のための連結ユニット(15)は、作動状態で前記第1の機械的な連結装置と協働する少なくとも1つの第2の機械的な連結装置を含み、
前記被牽引車両のための連結ユニット(16)は、プラグ(3)を有する少なくとも1つのプラグ装置(4)を含み、前記牽引車両のための連結ユニット(15)は、前記第2の機械的な連結装置に配置され、作動状態で前記プラグ(3)を差し込むことができる、前記プラグ(3)に対して相補的な少なくとも1つのソケット(9)を含み、または代替的に逆に、前記牽引車両のための連結ユニット(15)は、プラグ(3)を有する少なくとも1つのプラグ装置(4)を含み、前記被牽引車両のための連結ユニット(16)は、前記第1の機械的な連結装置に配置され、作動状態で前記プラグ(3)を差し込むことができる、前記プラグ(3)に対して相補的な少なくとも1つのソケット(9)を含む、連結システム(14)において、
前記プラグ(3)と前記ソケット(9)とは、電気的な接続手段としての、少なくとも1つラインピンと少なくとも1つライン孔とを有しており、および/または、前記プラグ(3)と前記ソケット(9)とは、ニューマチック的な接続手段としての、少なくとも1つニューマチックピンと少なくとも1つニューマチック孔とを有しており、
前記プラグ(3)と前記ソケット(9)とは、さらに追加的に、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機(34)と少なくとも1つの受信機(36)とを有しており、
前記通信システムは前記被牽引車両側で、以下の構成要素のうちの1つ以上に、すなわち、
シャシおよびこれに所属のセンサ、
サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、
センサ系、
照明および/または
前記被牽引車両の制御ユニットまたはディストリビュータユニットのうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であって、
前記制御ユニットおよび/または前記ディストリビュータユニットも、シャシおよびこれに所属のセンサ、サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、センサ系および/または照明のうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であることを特徴とする、連結システム(14)。
【請求項11】
前記牽引車両はセミトレーラのトラクタ(12)であって、前記被牽引車両はセミトレーラのトレーラ(13)であって、または前記牽引車両はフルトレーラの動力車であって前記被牽引車両はフルトレーラのトレーラであって、または前記牽引車両がスワップボディトラックであって、被牽引車両がスワップボディである、請求項10記載の連結システム(14)。
【請求項12】
前記牽引車両はセミトレーラのトラクタ(12)であって、前記被牽引車両はセミトレーラのトレーラ(13)であって、前記被牽引車両のための連結ユニット(16)は第1の機械的な連結装置として少なくとも1つのキングピン(2)を有しており、前記プラグ装置(4)は前記キングピン(2)を中心として旋回可能に支持されており、
前記牽引車両のための連結ユニット(15)は、第2の機械的な連結装置として、作動状態で前記キングピン(2)と協働する少なくとも1つの第五輪連結装置(1)を有している、
請求項10記載の連結システム(14)。
【請求項13】
前記ソケット(9)は、進入開口(7)の下方で定置に前記第五輪連結装置(1)に配置されている、請求項12記載の連結システム。
【請求項14】
前記トラクタ(12)および/または前記トレーラ(13)に配置された少なくとも1つの制御ユニット(10)を有しており、前記制御ユニットは、前記機械的な連結装置のうちの少なくとも1つの係止状態を検出するためのセンサに接続されている、請求項11から13までのいずれか1項記載の連結システム。
【請求項15】
請求項10から14までのいずれか1項記載の連結システムのための、牽引車両用の連結ユニットであって、第2の機械的な連結装置と、該第2の機械的な連結装置に配置されたソケット(9)とを有している連結ユニットにおいて、
前記ソケット(9)は、少なくとも1つの電気的な接続手段および/または少なくとも1つのニューマチック的な接続手段を有しており、
前記電気的な接続手段は、少なくとも1つラインピンおよび/または少なくとも1つライン孔であって、
前記ニューマチック的な接続手段は、少なくとも1つニューマチックピンおよび/または少なくとも1つニューマチック孔であって、
前記ソケット(9)は、さらに追加的に、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機(34)および/または少なくとも1つの受信機(36)を有していることを特徴とする、連結ユニット。
【請求項16】
請求項10から14までのいずれか1項記載の連結システムのための、被牽引車両用の連結ユニットであって、第1の機械的な連結装置と、該第1の機械的な連結装置に配置され、プラグ(3)を有したプラグ装置(4)と、を有している連結ユニットにおいて、
前記プラグ(3)は、少なくとも1つの電気的な接続手段および/または少なくとも1つのニューマチック的な接続手段を有しており、
前記電気的な接続手段は、少なくとも1つラインピンおよび/または少なくとも1つライン孔であって、
前記ニューマチック的な接続手段は、少なくとも1つニューマチックピンおよび/または少なくとも1つニューマチック孔であって、
前記プラグ(3)は、さらに追加的に、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機(34)および/または少なくとも1つの受信機(36)を有しており、
前記通信システムは前記被牽引車両側で、以下の構成要素のうちの1つ以上に、すなわち、
シャシおよびこれに所属のセンサ、
サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、
センサ系、
照明および/または
前記被牽引車両の制御ユニットまたはディストリビュータユニットのうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であって、
前記制御ユニットおよび/または前記ディストリビュータユニットも、シャシおよびこれに所属のセンサ、サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、センサ系および/または照明のうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であることを特徴とする、連結ユニット。
【請求項17】
請求項12記載の連結システム(14)のための、牽引車両用の連結ユニット(15)であって、第五輪連結装置(1)と、該第五輪連結装置(1)に配置されたソケット(9)とを有している連結ユニット(15)において、
前記ソケット(9)は、少なくとも1つの電気的な接続手段および/または少なくとも1つのニューマチック的な接続手段を有しており、
前記電気的な接続手段は、少なくとも1つラインピンおよび/または少なくとも1つライン孔であって、
前記ニューマチック的な接続手段は、少なくとも1つニューマチックピンおよび/または少なくとも1つニューマチック孔であって、
前記ソケット(9)は、さらに追加的に、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機(34)および/または少なくとも1つの受信機(36)を有していることを特徴とする、連結ユニット(15)。
【請求項18】
請求項12記載の連結システム(14)のための、被牽引車両用の連結ユニット(16)であって、キングピン(2)と、該キングピン(2)を中心として旋回可能に支持され、プラグ(3)を有したプラグ装置(4)と、を有している連結ユニット(16)において、
前記プラグ(3)は、少なくとも1つの電気的な接続手段および/または少なくとも1つのニューマチック的な接続手段を有しており、
前記電気的な接続手段は、少なくとも1つラインピンおよび/または少なくとも1つライン孔であって、
前記ニューマチック的な接続手段は、少なくとも1つニューマチックピンおよび/または少なくとも1つニューマチック孔であって、
前記プラグ(3)は、さらに追加的に、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機(34)および/または少なくとも1つの受信機(36)を有しており、
前記通信システムは前記被牽引車両側で、以下の構成要素のうちの1つ以上に、すなわち、
シャシおよびこれに所属のセンサ、
サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、
センサ系、
照明および/または
前記被牽引車両の制御ユニットまたはディストリビュータユニットのうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であって、
前記制御ユニットおよび/または前記ディストリビュータユニットも、シャシおよびこれに所属のセンサ、サスペンションおよびこれに所属の圧力センサまたは位置センサ、センサ系および/または照明のうちの1つ以上に接続されている、または接続可能であることを特徴とする、連結ユニット(16)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念による、牽引車両と被牽引車両との接続のためのプラグコネクタシステム、および、請求項11の上位概念による、牽引車両と被牽引車両との接続のための連結システムに関する。本発明は、牽引車両のための連結ユニット、および、被牽引車両のための連結ユニットにも関する。
【背景技術】
【0002】
牽引車両の例は、セミトレーラのトラクタ、またはフルトレーラの動力車、またはスワップボディトラックである。したがって、被牽引車両の例は、セミトレーラのトレーラ、フルトレーラのトレーラ、およびスワップボディである。
【0003】
トラクタとトレーラとはセミトレーラを形成し、セミトレーラでは、連結システムは、トラクタに配置された第五輪連結装置と、トレーラの下面に位置し、第五輪連結装置に係合可能かつ係止可能であるキングピンとを有している。第五輪プレートは、トレーラの連結のために、通常、走行方向で楔状に延在する進入開口を有して形成されており、この進入開口は、キングピンの第五輪連結装置への進入および第五輪連結装置からの進出を保証する構成スペース深さを少なくとも備えた自由な構成スペースを有している。連結中、トレーラは、その鉛直方向の向きに関して、第五輪プレートの表面に沿ってスライドする。側方のガイドは、連結中、進入開口内で、係止位置に到達するまで強制的にガイドされるキングピンを介して保証される。これにより、構成部分は進入開口内に突入し得ない。進入開口は、下方に向かっては、キングピンの長さによって制限される。進入開口の下方に存在する、例えば補強リブのような構成部分は、トレーラの連結および分離の際に、キングピンによってもはや把持されることはない。
【0004】
これと同様に、動力車とトレーラとがフルトレーラを形成しており、フルトレーラでは、機械的接続のための連結システムは、動力車に配属された、把捉マウスを備えたトレーラカップリングまたはボルトカップリングと、トレーラに配属されたドローバーアイを備えたドローバーを有している。
【0005】
連結システムには、それぞれプラグコネクタシステムも設けられている。プラグコネクタシステムは、様々な構成で公知である。プラグコネクタシステムを介しては特に、電力および圧縮空気が伝達される。しかしながら、近年では、包括的なセキュリティシステム、ブレーキエネルギの回生、および(部分的な)自動化により、牽引車両と被牽引車両との間のデータ交換も増加している。最も単純な場合は、プラグコネクタシステムは、それぞれ程度の差はあっても弾性的なラインに取り付けられているプラグとソケットとである。安全性の理由から、通常は、牽引車両に、プラグコネクタシステムの通電端部がソケットとして構成される。しかしながら、技術的な安全性コンセプトによっては、被牽引車両にソケットを、牽引車両にプラグを配置する逆の原理が有利な場合もあり得る。被牽引車両を牽引車両に連結した後、さらに、供給ラインを互いに接続しなければならず、これは通常、運転者によって手動で行われる。被牽引車両の分離の前に、プラグコネクタシステムを再び分離しなければならない。これをうっかり失念すると、プラグコネクタシステムまたは供給ラインが破損する。
【0006】
したがって、プラグコネクタシステムの接続と分離を一方では自動化し、他方ではより安全にするための取り組みが既に行われている。このようなシステムの開発では、基本的に、2つの異なる方法がとられる。
【0007】
まず1つには、駆動装置によって、供給ライン間の接続を形成するプラグコネクタシステムが存在している。このような形式の能動的なシステムは、例えば独国特許出願公開第10155056号明細書に記載されている。この公知のプラグコネクタシステムは、第五輪連結装置内に摺動可能に配置されており、その駆動装置を介して、トレーラ側のプラグ内へと移動することができるソケットを有している。ソケットの損傷を防止するために、このシステムには好適には、トレーラの存在を検知し、場合によっては、トレーラの連結中または分離中に、プラグコネクタシステムが損傷する前に、誤って引き出されたソケットを戻すセンサを備えている。
【0008】
プラグコネクタシステムの移動可能な構成要素を含むこのような技術的に手間のかかるプラグコネクタシステムに対して代替的に、定置に取り付けられたプラグまたは定置に取り付けられたソケットによって、供給ラインの接続を実現する努力がなされている。このような受動的なシステムは、次の文献に記載されている。
【0009】
米国特許第5060964号明細書に開示された第五輪連結装置では、第五輪ホーンの端部領域のコンタクトが、進入開口の両側に定置に配置されている。このコンタクトは、トレーラの下面に設けられた同じく定置のコンタクトと協働する。トラクタ側のコンタクトとトレーラ側のコンタクトとの間の相対運動は、回動可能なベース上に支持された第五輪連結装置によって阻止される。トラクタとトレーラとの間の動力伝達が、回動可能なベースを介して点状に、トラクタのはしご型フレーム内へ引き出されるこのような第五輪連結装置は、今日のトラクタでは、トラクタにおける補強の形態を著しく変更せずには殆ど取り付けることはできない。さらに、第五輪連結装置の構造高さも付加的に著しく増大されるが、これは、規定された最大車高における積載量を減らすことになるので、自動車メーカおよび運送業者には受け入れられない。さらに、実際には、コンタクトが、第五輪ホーンの端部領域において露出して位置していることにより、正確に進入開口に位置していないキングピンによる連結の際にしばしば損傷され、これによりプラグコネクタシステム全体が使用できなくなることが示されている。
【0010】
独国出願公開第2039340号明細書に示された別の従来技術は、運転者が運転室を離れる必要なく、全自動の第五輪連結装置と協働して、セミトレーラのトレーラの連結および分離を可能にする自動化された電力・空気連結装置を備えている。自動化された電力・空気連結装置は、キングピンを取り囲む2つの部分から成る連結部材により実現され、この連結部材は端面に、トレーラの連結の際に、第五輪連結装置の前方のロック領域におけるコンタクト個所と協働するコンタクト個所を有している。連結部材は、支持エレメントを備えた、プラグを有するプラグ装置として形成されており、支持エレメントは、キングピンの回りに旋回可能に取り付けるための手段を有している。このシステムの実質的な欠点は、ケーブルまたは圧縮空気管路を通すための、長手方向で延在する複数の孔によって付加的に脆弱にされている連結部材に対する高い機械的な負荷にある。さらなる大きな問題点は、潤滑剤がコンタクトを汚染し、電流の流れが常に保証され得るとは限らないので、潤滑剤が供給されるロック領域における第五輪連結装置との連結部材の確実なコンタクトにある。
【0011】
汚染されたまたは腐食したコンタクトは、データ伝送にも不都合であり、これにより、トラクタとトレーラとの間の各データ通信におけるデータ伝送の減少または障害、ひいては完全な故障が生じる恐れがある。自動化されたシステムでは運転者が、プラグやソケットを手にすることはないので、プラグやソケットをクリーニングする傾向も少なくなる。こうした理由から、自動化されたシステムではまさに汚染は、より大きな問題である。
【0012】
この問題を回避する1つの可能性は、ワイヤレスな無線システムである。独国特許出願公開第102012004440号明細書により、例えば、牽引式自動車の操縦過程を制御するための装置が公知である。この場合、トラクタの制御ユニットとトレーラの制御ユニットとの間の通信のためにWLANシステムの使用が提案されている。
【0013】
国際公開第2008/094096号には、駆動車両からトレーラへのエネルギおよび信号の伝達のための接続装置が開示されている。この伝達は、磁気カップリングにより行われる。
【0014】
豪国特許出願公開第2006100302号明細書により公知のトレーラ連結装置では、トラクタとトレーラとの間の電気的な接続としてプラグ接続において誘導コイルが使用されている。
【0015】
独国特許発明第10347561号明細書には、トラクタとトレーラとを含むセミトレーラが記載されており、この場合、トラクタには、周期的に変動するキャリア信号を生成するための電圧発生器が設けられており、信号変調機が制御データをキャリア信号に変調し、トラクタの第五輪プレートには伝送機が配置されており、変調された制御データを含むキャリア信号を、トレーラの連結ピンの領域にある伝送機へと伝送する。
【0016】
米国特許第8465041号明細書には、トラクタの電子システムをトレーラに電気的に接続するための装置が示されており、この装置は、トレーラの連結部分がトラクタの連結部分に取り付けられると自動的に接続される。
【0017】
米国特許出願公開第2013/0319563号明細書には、列車のための通信システムが開示されている。
【0018】
米国特許第5677667号明細書により、トラクタとトレーラとから成るコンビネーションが公知であり、このコンビネーションのために、トラクタ内にいる運転者がトレーラの様々な作動状態を監視することができる装置と方法とが提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の課題は、牽引車両と被牽引車両との間の障害のない通信を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
この課題は、牽引車両と被牽引車両との接続のためのプラグコネクタシステムであって、牽引車両のための、プラグを有するプラグ装置と、被牽引車両のための、作動状態でプラグを差し込むことができるソケットとを有している、または代替的に逆に、被牽引車両のための、プラグを有するプラグ装置と、牽引車両のための、作動状態でプラグを差し込むことができるソケットとを有している、プラグコネクタシステムによって解決される。このプラグコネクタシステムは、プラグとソケットとが、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機と少なくとも1つの受信機とを有していることを特徴とする。
【0021】
このプラグコネクタシステムは、自動的に接続可能なプラグコネクタシステムであってもよいし、手動で接続可能なプラグコネクタシステムであってもよい。自動的に接続可能なプラグコネクタシステムは、例えば、トラクタとトレーラとの連結工程で自動的に互いに差し込まれるプラグとソケットとが設けられているセミトレーラで存在している。これに対して代替的に、手動で接続可能なプラグコネクタシステムも存在しており、この場合、キングピンと第五輪連結装置との機械的な連結工程後に、運転者がプラグを、相補的なソケットへと差し込む。
【0022】
この課題は、牽引車両と被牽引車両とを接続するための連結システムであって、牽引車両のための連結ユニットと、被牽引車両のための連結ユニットとを有しており、被牽引車両のための連結ユニットは、少なくとも1つの第1の機械的な連結装置を含み、牽引車両のための連結ユニットは、作動状態で第1の機械的な連結装置と協働する少なくとも1つの第2の機械的な連結装置を含み、被牽引車両のための連結ユニットは、プラグを有する少なくとも1つのプラグ装置を含み、牽引車両のための連結ユニットは、第2の機械的な連結装置に配置され、作動状態でプラグを差し込むことができる、プラグに対して相補的な少なくとも1つのソケットを含み、または代替的に逆に、牽引車両のための連結ユニットは、プラグを有する少なくとも1つのプラグ装置を含み、被牽引車両のための連結ユニットは、第1の機械的な連結装置に配置され、作動状態でプラグを差し込むことができる、プラグに対して相補的な少なくとも1つのソケットを含む、連結システムによっても解決される。この連結システムは、プラグとソケットとが、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機と少なくとも1つの受信機とを有していることを特徴とする。
【0023】
牽引車両は好適には、セミトレーラのトラクタであり、被牽引車両はセミトレーラのトレーラである。代替的に、牽引車両は、フルトレーラの動力車であってよく、被牽引車両はフルトレーラのトレーラであってよい。さらに、牽引車両は、スワップボディトラックであってよく、被牽引車両はスワップボディであってよい。したがって、牽引車両のための連結ユニットは、本明細書では、記載された実施形態に応じて、トラクタ側の、動力車側の、またはスワップボディトラック側の連結ユニットとも記載され、被牽引車両のための連結ユニットは、セミトレーラのトレーラ側の、フルトレーラのトレーラ側の、またはスワップボディ側の連結ユニットとも記載される。
【0024】
牽引車両が、セミトレーラのトラクタであって、被牽引車両がセミトレーラのトレーラである場合、牽引車両のための連結ユニットは、好適には第五輪連結装置を有しており、被牽引車両のための連結ユニットはキングピンを有している。
【0025】
牽引車両が、フルトレーラの動力車であって、被牽引車両がフルトレーラのトレーラである場合、牽引車両のための連結ユニットは、好適にはトレーラカップリングを有しており、被牽引車両のための連結ユニットはドローバーを有している。
【0026】
本発明によるシステムの主要な利点および好適な実施形態は以下に、部分的には、トラクタとトレーラとを含むセミトレーラについてのみ説明する。同様の利点は、トレーラを備えた動力車(フルトレーラ)およびトラックとスワップボディを備えたスワップボディシステムの相応の同様に好適な実施形態によっても得られる。プラグコネクタシステムについて説明したさらなる構成、特に、プラグおよび/またはソケットおよび/または通信システムに関するさらなる構成は、本発明によるによる連結システムにも転用可能である。連結システムについて説明したさらなる構成、特に、プラグおよび/またはソケットおよび/または通信システムに関するさらなる構成は、可能である場合には、本発明によるによるプラグコネクタシステムにも転用可能である。
【0027】
プラグ装置は、好適にはキングピンを中心として旋回可能に支持されている。
【0028】
プラグ装置とソケットとは、上述したようにまとめてプラグコネクタシステムと呼ばれる。プラグコネクタシステムは、牽引車両と被牽引車両との間のラインの接続のために適している。ラインは、例えばエネルギまたは圧縮空気のための供給管路、さらにはデータ伝送ラインであってもよい。
【0029】
エネルギおよび圧縮空気の伝達のために、プラグおよび/またはソケットは、好適には少なくとも1つの電気的な接続手段および/またはニューマチック的な接続手段を有している。これにより、プラグコネクタシステムは、エネルギおよび圧縮空気の伝達を、無接触式の通信システムによるデータの伝送と組み合わせる。これにより、1度のプラグ接続を行うだけでよいので、牽引車両と被牽引車両との接続の際の手間が限定される。電気的な接続手段は、好適にはラインピンとライン孔とを含む。ニューマチック的な接続手段は、好適にはニューマチックピンとニューマチック孔とを含む。ニューマチック的な接続手段は、好適には、信号、特に、制御ラインとしてのクロック制御された空気パルス、およびエネルギ、特に被牽引車両のエアタンクに充填するための供給ラインとしてのエネルギを伝達する。
【0030】
プラグおよびソケットは、好適には、まっすぐな差込み軸線に沿って、すなわち直線運動によって接続可能であるように形成されている。これは特に、ニューマチック的な接続手段として、差込み軸線に沿って延在するピンと相補的な孔とを使用することにより達成されるので、プラグとソケットとの直線的な互いの差込みにより、ピンと孔とが互いに直接嵌合されて接続される。ピンと孔とは、特に上述したように、場合によっては、ブラインドピンおよび袋孔である。このようにして、プラグとソケットとの接続工程の自動化が可能である。エネルギおよび圧縮空気の伝達とデータの伝送との上述した組み合わせと共に、牽引車両と被牽引車両との接続のための確実なシステムが生じる。
【0031】
狭い受信範囲の無接触式の通信システムは、プラグコネクタシステムで使用する場合に実質的な利点を提供する。すなわち、無接触式のシステムは、金属表面を有する必要がないので、接触式のシステムよりも汚染の危険が少なく、腐食に対してもより良好に保護することができる。さらに、プラグとソケットとを備えたプラグコネクタシステムでは、特に差し込まれた状態で、外部からアクセスすることができないように、送信機と受信機とを配置することができる。このようにして、送信機と受信機とを、特に車両の走行中、周囲の影響に対して保護することができ、これにより牽引車両と被牽引車両との間で、障害の少ない通信または障害の全くない通信さえも可能にする。
【0032】
狭い受信範囲は、さらに、セミトレーラおよび別の牽引式車両(フルトレーラ、トラックを備えたスワップボディ等)で使用する場合には、広い受信範囲を有する通信システムよりも特に有利である。すなわち、駐車場でしばしば見られるように、複数の牽引式車両が互いに近く隣接して配置されている場合には、広い受信範囲の通信システムでは相互に影響を及ぼすまたは干渉する可能性がある。これは、狭い受信範囲の通信システムを使用することにより回避される。狭い受信範囲とは特に、1m未満の、好適には0.5m未満の、特に好適には0.01m未満の受信範囲であると理解され、この場合、受信範囲は、最適な条件の下で達成可能な最大受信範囲を意味する。通信システムの受信範囲が狭くなるほど、システムの障害が生じる可能性は減少する。しかしながら、受信範囲は、送信機と受信機とが互いに隣接して配置されているのではなく、これらの間に一定の距離がある場合には特に、狭すぎてもいけない。したがって、通信システムの受信範囲は好適には0.1mmよりも広く、特に1mmよりも広い。
【0033】
通信システムの利点は、狭い受信範囲により、大きな信号量を、外部からの大きな外乱影響なしに、確実に伝達することができることにある。
【0034】
本発明による連結システムの障害の可能性の少なさは、プラグとソケットとが互いに差し込まれた状態で(作動状態で)予め規定された差込み位置をとるという特別な特徴によっても得られる。したがって、プラグとソケットとの寸法設定および構成により、通信システムの送信機と受信機とを互いに正確に方向付けることができる。さらには、プラグとソケットとは、牽引式車両が通常、作動状態で振動する場合でも、それらの互いの位置は実質的に変化することなく留まる。このことも、障害の可能性の少なさにつながる。
【0035】
通信システムは好適には、信号および/またはエネルギが、比較的小さい範囲で、特に誘導により、ワイヤレスで伝達可能であるように形成される。
【0036】
通信システムによって、牽引車両と被牽引車両との間で信号の交換が可能となる。牽引車両側では、通信システムは好適には制御ユニットおよび/またはエネルギ供給部、例えばバッテリに接続されている、または接続可能である。
【0037】
被牽引車両側では、通信システムは好適には以下の構成要素のうちの1つ以上に接続されている、または接続可能である。すなわち、
-シャシ、特にブレーキ装置、タイヤ、(駆動)軸、ステアリング、ならびにそれらに所属のセンサ、特に圧力センサ、回転数センサ、温度センサ、およびシャシの摩耗部品のためのメンテナンスセンサ、
-サスペンション、特にそれに所属の圧力センサまたは位置センサ、
-センサ系、特に負荷センサ、スタビリティセンサ(ロールセンサ、ヨーセンサ、ピッチセンサ)、摩耗部品のためのさらなるメンテナンスセンサ、牽引車両と被牽引車両との間の角度を検出する角度センサ、および視覚センサ(カメラ)、
-照明、
-被牽引車両の制御ユニットおよびディストリビュータユニット、この場合、制御ユニットおよび/またはディストリビュータユニットもまた、
-シャシ、特にブレーキ装置、タイヤ、(駆動)軸、ステアリング、ならびにそれらに所属のセンサ、特に圧力センサ、回転数センサ、温度センサ、およびシャシの摩耗部品のためのメンテナンスセンサ、
-サスペンション、特にそれに所属の圧力センサまたは位置センサ、
-センサ系、特に負荷センサ、スタビリティセンサ(ロールセンサ、ヨーセンサ、ピッチセンサ)、摩耗部品のためのさらなるメンテナンスセンサ、牽引車両と被牽引車両との間の角度を検出する角度センサ、および視覚センサ(カメラ)、
-照明
の1つ以上に接続されている、または接続可能である。
【0038】
このようにして、通信システムは、特に以下の信号を伝達することができる。
-例えば、被牽引車両のホイール回転数のような、牽引車両の制御ユニットと被牽引車両のブレーキとの間の双方向信号、
-牽引車両の制御ユニットへの、被牽引車両のホイール空気圧および/または温度に関する情報、
-牽引車両の制御ユニットへの、被牽引車両のサスペンションのエアサスペンションベローズ内の圧力またはサスペンションの位置(高さ)に関する情報、ならびに被牽引車両の水平方向のアライメントに関する双方向信号、
-牽引車両の制御ユニットと被牽引車両のステアリングとの間の制御信号、
-牽引車両の制御ユニットへの、例えば、被牽引車両に配置されたカメラのビデオ信号、
-牽引車両の制御ユニットへの、被牽引車両の荷重(重量、およびその分布、荷重の温度、荷重の内容物等)に関する情報、
-牽引車両の制御ユニットへの、例えば、牽引車両と被牽引車両との間の相対角度のような、ならびに、ローリング検出センサまたはヨーイング検出センサからの別のセンサ信号、
-牽引車両の制御ユニットから、被牽引車両の照明への制御信号、
-牽引車両の制御ユニットへの、例えばブレーキパッドの摩耗またはホイールの摩耗のような、被牽引車両のメンテナンスセンサからの情報、
-牽引車両の制御ユニットと、好適には、トレーラのバッテリからエネルギ供給され、さらにはトラクタからの信号を受け取り、自身の信号をトラクタへと送ることができるように設計されている被牽引車両の電気駆動される車軸との間の双方向制御信号。
【0039】
好適なさらなる構成では、上記構成要素のうちの1つ以上のために、それらが被牽引車両側のエネルギ供給から、その作動のための電気エネルギを受け取り、通信システムによって制御されるように設けられている。したがって、例えば、通常作動では、牽引車両によって制御を行うことができるが、これに対して、牽引車両と被牽引車両との望ましくない分離が生じた場合には、利用可能なエネルギによって一種の緊急作動を開始することができる。
【0040】
これとは異なり、特にブレーキ弁に電流を供給するために、またはブレーキディスクを直接電気的に制動するために、通信システムによって、例えばブレーキのための電気エネルギも牽引車両から被牽引車両へ伝達することができる。逆方向の電気エネルギの伝達、特に回生エネルギまたはソーラーパネルからの電気エネルギの伝達も可能である。
【0041】
好適には、第五輪連結装置は、走行方向で楔状に延在する進入開口を有する第五輪プレートを含み、この場合、進入開口は、キングピンの第五輪連結装置への進入および第五輪連結装置からの進出を保証する構成スペース深さを少なくとも備えた自由な構成スペースから形成されている。
【0042】
通信システムは、好適には以下の技術のうちの1つ、すなわち、
-無線周波数識別(RFID)
-近距離無線通信(NFC)
-ブルートゥース(登録商標)低消費電力(BLE)
-光学信号伝送
-(狭い受信範囲の)無線技術
を使用する。
【0043】
これらの技術は、昨今のセミトレーラ等に求められている、通信システムの重要な2つの側面、すなわち一方では狭い受信範囲、他方では高いデータレートを満足させる。例えばWLANのような広い受信範囲を有する通信システムでは、例えば、2台のセミトレーラが、互いに僅かな間隔で位置している場合に、一方のセミトレーラのトラクタが、他方のセミトレーラのトレーラに影響を与える可能性がある。これはセキュリティリスクである。
【0044】
これにより、第三者が意図的に信号に影響を与えたり、データを抜き出したりするリスクも低減でき、このことは、データセキュリティの向上に寄与することができる。
【0045】
光学的な信号伝送のために、通信システムは、送信機および受信機として、好適には少なくとも1つの光導波路を、特に、牽引車両のために1つと、被牽引車両のために1つとを有する。
【0046】
本発明の範囲では、両機能(送信および受信)を満たすことができる構成部品(トランシーバ)を送信機および受信機として使用することもできる。
【0047】
一方向での通信のためには、すなわち、牽引車両から被牽引車両へのまたは被牽引車両から牽引車両への通信のためには、1つだけの送信機および1つだけの受信機が設けられていれば十分である。送信機が、牽引車両の連結ユニットの部分である場合には、牽引車両から被牽引車両への通信のみが可能である。この場合、被牽引車両の連結ユニットは受信機を有している。逆の場合は、被牽引車両の連結ユニットが送信機を、牽引車両の連結ユニットが受信機を有している。
【0048】
両方向の通信を可能とすべき場合には、牽引車両の連結ユニットおよび被牽引車両の連結ユニットがそれぞれ少なくとも1つの送信機と少なくとも1つの受信機とを有しているか、または両機能を満たすことができる1つの構成部品を有している。
【0049】
例えばデータレートの向上のために、または冗長性の形成のために、一方の側で1つの送信機ではなくて、複数の送信機を使用することもできる。同じことは、他方の側の受信機に関しても当てはまる。
【0050】
プラグを備えた連結ユニットに関して、少なくとも1つの送信機または少なくとも1つの受信機は、好適には、少なくとも1つのガイドピンおよび/または少なくとも1つのブラインドピン、および/またはプラグのプラグボディの表面にかつ/または内部に、特にプラグボディの領域にまたは端面に配置されている。
【0051】
ソケットを備えた連結ユニットに関して、少なくとも1つの送信機または少なくとも1つの受信機は、少なくとも1つのピンレセプタクル、特に袋孔、および/またはソケットボディの表面にかつ/または内部に、特にソケットのソケットボディの領域にまたは端面に配置されている。
【0052】
ブラインドピンおよび袋孔は、送信機および/または受信機の収容以外には何の機能も有していない。
【0053】
ピンは、作動状態ではそれぞれ1つのピンレセプタクル内に配置されている。この場合、ピンとピンレセプタクルとは好適には、互いに全くまたはごく僅かにしか間隔を有していない。したがって、ピンとピンレセプタクルとは、通信システムの送信機および受信機を収容するのに良好に適している。好適には、ブラインドピンとピンレセプタクルとの間には、作動状態で中間スペースが、特にリング状のスペースが存在している。これにより、摩擦および摩耗のような機械的な外乱影響は殆どない。
【0054】
基本的には、ピンがソケットにあり、ピンレセプタクルがプラグの部分であってもよい。
【0055】
プラグボディとソケットボディとは、作動状態で、同じく互いに全くまたはごく僅かにしか間隔を有しておらず、この場合、プラグボディとソケットボディとはそれぞれ端面で互いに方向合わせされており、好適には端面で互いに接触している。間隔が僅かであるまたは間隔がないことにより、これらボディも、送信機および受信機を収容するのに良好に適している。
【0056】
プラグボディおよび/またはソケットボディは、好適には送信機または受信機の収容部を有している。収容部は、好適には各端面の領域に設けられており、外部からアクセス可能である。この装置の実質的な利点は、作動状態で、送信機と受信機との間に各ボディの材料が存在しないので、伝送パフォーマンスが各ボディによって損なわれることはないことにある。
【0057】
連結システムのために好適には、牽引車両はセミトレーラのトラクタであって、被牽引車両はセミトレーラのトレーラであって、被牽引車両のための連結ユニットは第1の機械的な連結装置として少なくとも1つのキングピンを有しており、プラグ装置はキングピンを中心として旋回可能に支持されており、牽引車両のための連結ユニットは第2の機械的な連結装置として、作動状態でキングピンと協働する少なくとも1つの第五輪連結装置を有している。
【0058】
ソケットは好適には、進入開口の下方で第五輪連結装置に定置に配置されている。
【0059】
この場合、定置に、とは、ソケットの駆動されない支持であると、すなわち、プラグとのコンタクトを形成するための移動の可能性を有していないものであると理解される。セミトレーラの場合、ソケットが進入開口の下方で第五輪連結装置に直接配置されていることにより結果として、トラクタとトレーラとが、第五輪連結装置の軸受を中心として鉛直方向で屈曲する際に、ソケットが第五輪連結装置と共に旋回するので、第五輪連結装置を極めて低く設計することができるという利点が生じる。これは、トラクタにソケットが定置に配置されている場合には不可能である。第五輪連結装置の下方でトラクタにソケットが取り付けられている場合には、第五輪連結装置とソケットとの間に、第五輪連結装置の旋回角度に応じた安全距離が維持されなければならず、これは、トラクタにおける第五輪連結装置の位置を高めることとなる。このようなことは、積載量の負荷となり、受け入れられるものではない。
【0060】
ソケットはさらに、進入開口が、ソケットの上方で、キングピンの長さよりも大きな構成スペース深さを有していて、キングピンと衝突することはあり得ないので、保護された領域に位置している。トレーラの方向で、第五輪プレートがソケットを越えて突出することができるので、トレーラが低すぎて、トレーラに衝突したとしても、ソケットは損傷しない。
【0061】
プラグ装置に位置しているプラグの鉛直方向のレベルは、ソケットが、トレーラの連結状態で、キングピンの長さによって規定される進入開口の下方に配置され、同様にキングピンの下方に存在しているので、実質的にソケットの位置によって規定されて位置している。
【0062】
第五輪連結装置に係止されたキングピンは、もはや進入開口内に位置していないので、進入位置の下方のソケットの位置により、プラグがキングピンに関してトレーラ側に配置されており、キングピンの係止位置では、キングピンの下側でソケット内に導入される状態が生じる。
【0063】
したがって、総じて、ソケットの定置の配置により、トレーラとトラクタとの各連結工程で作動状態が形成されることが保証される。これは、狭い受信範囲に基づく通信装置の機能性にとっては重要である。
【0064】
好適には、プラグコネクタシステムは、牽引車両および/または被牽引車両に配置された少なくとも1つの制御ユニットを有しており、この制御ユニットは、機械的な連結装置のうちの少なくとも1つの、例えば第五輪連結装置の係止状態を検出するためのセンサに接続されている。これにより例えば、トラクタの運転室から、遠隔操作可能な第五輪連結装置と共に、連結および分離を行うことができる。制御ユニットは、牽引車両および/または被牽引車両の送信機および/または受信機に接続され、作動状態で、通信システムを介してデータを送信または受信することができる装置の一例である。
【0065】
好適には、プラグおよび/またはソケットは少なくとも部分的にプラスチックから製作されている。プラスチックは、通信システムのデータ伝送を妨げないので、プラスチックによる構造形式は、特に狭い受信範囲の通信システムの関連で好適である。これは例えば金属では異なる。さらに、電気的な供給ラインにおけるプラスチックの構造形式により、他の導電性の車両部分からの電気的な絶縁の手間が減る。さらに、プラグコネクタシステムは、天候の影響および冬期には加えて融雪塩に常にさらされているので、腐食による著しい損傷がプラグコネクタシステムに生じる恐れがある。しかしながら、プラスチックによる製作により、腐食問題は大幅に排除される。
【0066】
好適な実施形態では、ソケットは、走行方向の差込み開口を備えている。
【0067】
本発明の課題は、第2の機械的な連結装置、特に第五輪連結装置または把捉マウスを備えたまたは備えていないトレーラ連結装置と、第2の機械的な連結装置に配置されたソケットとを備えた牽引車両のための連結ユニットによっても解決される。牽引車両のためのこの連結ユニットは、ソケットが、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機および/または少なくとも1つの受信機を有していることを特徴とする。
【0068】
牽引車両のための連結ユニットは、上記構成による連結システムのために適している。連結システムの上述した好適なさらなる構成は、牽引車両のための連結ユニットでも実現可能である。
【0069】
好適には、第五輪連結装置は、走行方向で楔状に延在する進入開口を有する第五輪プレートを含み、この場合、進入開口は、少なくとも一定の構成スペース深さを備えた自由な構成スペースから形成されている。
【0070】
トレーラ連結装置のために、プラグは好適には、トレーラ連結装置の近傍に、好適には連結装置の把捉マウスの上方に配置されている。
【0071】
本発明の課題は、第1の機械的な連結装置、特にキングピンまたはドローバーと、第1の機械的な連結装置に配置された、プラグを有したプラグ装置とを備えた被牽引車両のための連結ユニットによっても解決される。被牽引車両のためのこの連結ユニットは、プラグが、狭い受信範囲の無接触式通信システムの少なくとも1つの送信機および/または少なくとも1つの受信機を有していることを特徴とする。
【0072】
被牽引車両のための連結ユニットは、上記構成による連結システムのために適している。連結システムの上述した好適なさらなる構成は、被牽引車両のための連結ユニットでも実現可能である。
【0073】
より良い理解のために、本発明を図面に基づき説明する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】第1の実施形態による本発明による連結システムを備えたセミトレーラを示す側面図である。
図2図1の本発明による連結システムを示す平面図である。
図3図1の本発明による連結システムをスタンバイ状態で示す側面図である。
図4図1の本発明による連結システムを作動状態で示す側面図である。
図5図1の本発明による連結システムのためのソケットを示す斜視図である。
図6図1の本発明による連結システムのためのプラグを示す斜視図である。
図7】本発明によるプラグコネクタシステムのさらなる実施形態によるプラグおよびソケットの一部を示す概略図である。
図8】本発明によるプラグコネクタシステムのさらなる実施形態によるプラグおよびソケットの一部を示す概略図である。
図9】本発明によるプラグコネクタシステムのさらなる実施形態によるプラグおよびソケットの一部を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0075】
図1には、トラクタ12とトレーラ13とを含むセミトレーラ11が示されている。セミトレーラ11は、連結システム14を有しており、この連結システムは、第五輪連結装置1とソケット9とを備えたトラクタ側の連結ユニット15、ならびにキングピン2とプラグ3を有したプラグ装置4とを備えたトレーラ側の連結ユニット16を含む。プラグ3とソケット9とは互いに相補的である。すなわち、プラグ3をソケット9に連結することができる。プラグ装置4とソケット9とは共にプラグコネクタシステム17を形成する。
【0076】
トラクタ12は制御ユニット10を有しており、この制御ユニットはライン8によってソケット9に接続されている。したがって、ソケット9と制御ユニット10との間ではデータ伝送が可能である。制御ユニット10は付加的に、トレーラ13とトラクタ12の連結状態で、作動状態に到達したかどうかを検出するセンサ(図示せず)に接続されている。
【0077】
トレーラ13は制御ユニット18を有しており、この制御ユニットはライン19によってプラグ装置4のプラグ3に接続されている。ライン19によって、プラグ3と制御ユニット18との間ではデータ伝送が可能である。制御ユニット18は、トレーラの様々なエレメントに接続することができ、したがって、例えばシグナル装置、ブレーキアクチュエータ、またはセンサに接続することができる。
【0078】
図1では、トラクタ12とトレーラ13とはスタンバイ状態にある。この状態では、キングピン2は第五輪連結装置1の外側にあり、第五輪連結装置には連結されていない。プラグ3とソケット9もスタンバイ状態では互いに連結されていない。
【0079】
連結ユニット15,16を連結させるために、トラクタ12は、通常の走行方向6とは逆方向でトレーラ13に向かって接近する。この際に、キングピン2は、トラクタ側の連結ユニット15の第五輪プレート5に設けられた図2に示された進入開口7内へと到る。
【0080】
図3および図4には連結工程が示されている。図3では、トラクタ12とトレーラ13とは、図1と同様にスタンバイ状態にある。トラクタとトレーラ13とは部分的にのみ示されている。トレーラは、キングピン2とプラグ装置4とが配置されている支持体ユニット20を有している。キングピン2は既に部分的に進入開口7内に位置しているが、まだ第五輪連結装置1には連結していない。
【0081】
第五輪連結装置1はベース21を有しており、このベース上に、進入開口7を備えた第五輪プレート5が配置されている。ソケット9は、進入開口7の下方で第五輪プレート5に配置されている旋回可能な支持体22に配置されている。
【0082】
プラグ3とソケット9とは、図3では互いに連結されていない。スタンバイ状態から作動状態に達するために、トラクタ12は、上述したように走行方向6とは逆方向に動かされる。図4では、トラクタ12とトレーラ13とは、作動状態にある。キングピン2(ここでは見えていない)は、第五輪連結装置1に連結している。プラグ3とソケット9は、互いに連結されている。
【0083】
図5には、連結システム14のためのソケット9が示されている。ソケット9は、端面24を備えた、実質的に直方体状のソケットボディ23を有している。ソケット9は、端面24から内部に向かって、複数のピンレセプタクルを有しており、すなわち2つのニューマチック孔25と、3つの袋孔26と、複数のライン孔27とを有している。ニューマチック孔25は、トラクタ12とトレーラ13との間のニューマチック接続のための接続エレメントである。袋孔26は、連結工程を機械的に支援している。ライン孔27は、ソケットボディ23の内側でそれぞれライン(図示せず)に接続されており、電力の伝達および/またはデータ伝送を可能にするそれぞれ少なくとも1つのコンタクトエレメント(図示せず)を有している。
【0084】
図6には、連結システム14のためのプラグ3が示されている。プラグ3は、端面29を備えた、実質的に直方体状のプラグボディ28を有している。ソケット9の端面24とプラグ3の端面29とは、所定の使用において、互いに向かい合って位置しており、作動状態で互いに接触する。
【0085】
プラグ3は、端面29から突出する複数のピンを有しており、すなわち2つのニューマチックピン30と、3つのガイドピン31と、複数のラインピン32とを有している。ニューマチックピン30は、作動状態で、ニューマチック孔25とのニューマチック接続を形成する。ガイドピン31は、トラクタ12とトレーラ13との間の連結工程中既に、ソケット9の袋孔26内に係合し、これによりさらなる連結工程を支援する。
【0086】
ラインピン32は、それぞれ少なくとも1つのコンタクトエレメントを有している。コンタクトエレメントはそれぞれ、例えばトレーラの制御ユニット18に接続されているラインに接続されている。作動状態では、ラインピン32は、ソケット9のライン孔27内に配置されており、ライン孔27内のコンタクトエレメントは、ラインピン32のコンタクトエレメントと導電接続している。このようにして、トラクタ12とトレーラ13との間のライン接続が可能である。
【0087】
袋孔26とガイドピン31とは、狭い受信範囲の通信システムの複数の送信機および受信機(ここには図示せず)を有している。送信機および受信機は、各材料の内側にあり、表面に配置されていないので、図5および図6には見えていない。プラグ3とソケット9とが作動状態で、互いの端面24,29が接触している場合には、送信機と受信機との間には十分に小さい距離が生じ、これらの間でデータ伝送が可能である。データ伝送の障害の危険は僅かである。送信機および受信機は、汚染および機械的な影響から保護されている。送信機および受信機の受信範囲が、ソケット9内またはプラグ3内の隣接している送信機間の距離または隣接している受信機間の距離よりも小さく選択されているならば、送信機の互いの影響も排除されている。
【0088】
図7図8、および図9には、プラグコネクタシステムの様々な実施形態が、概略的な形式で、部分的にのみ示されている。それぞれ1つのプラグ3とソケット9とが示されている。
【0089】
図7では、プラグ3は、プラグ3の端面29から垂直に突出しているブラインドピン33を有している。ブラインドピン33内には、狭い受信範囲の通信システム用の送信機34が配置されている。送信機34はライン35に接続されており、その他は完全に、プラグ3の材料によって取り囲まれている。ブラインドピン33は、送信機34を収容する他には何の機能も有していない。
【0090】
ソケット9は、ブラインドピン33用の袋孔26の形態のピンレセプタクルを有している。袋孔26を取り囲んで、通信システムの円形の受信機36が配置されている。受信機36はライン37に接続されており、その他は完全に、ソケット9の材料によって取り囲まれている。送信機34と受信機36とは、これらの間でデータ伝送が可能であるように形成されている。
【0091】
送信機34および受信機36は、プラグ3またはソケット9の材料によって周囲の影響に対して保護されているので、送信機34と受信機36との間では障害のないデータ伝送が持続的に保証されている。
【0092】
図8の実施形態では、プラグ3は新たなブラインドピン33を有している。この場合、ブラインドピン33は端面38に、ポケット状の収容部39を有しており、この収容部内に送信機34が配置されている。送信機34はライン35に接続されている。この実施形態では、送信機34は、プラグ3の材料によって完全に取り囲まれているのではなく、外部からアクセス可能である。
【0093】
対応するソケット9は、ブラインドピン33用の袋孔26を有している。袋孔26の底部40には、ライン37に接続されている受信機36が配置されている。受信機36には、送信機34と同様に外部からアクセス可能である。したがって、この実施形態では、送信機34と受信機36との間には、プラグ3またはソケット9の材料が存在しておらず、これにより良好な伝送品質が得られる。
【0094】
図9の実施形態では、プラグ3およびソケット9がそれぞれ1つの送信機34および受信機36を有している。
【0095】
プラグ3は、新たなブラインドピン33と、付加的に端面29に、収容部39を有している。ブラインドピン33には送信機34が、収容部39の底部40には受信機36が配置されている。送信機34および受信機36はそれぞれライン35に接続されている。
【0096】
ソケット9は、ブラインドピン33用の袋孔26を有している。データ伝送を可能にするために、プラグ3の送信機34と協働する受信機36が、差込み方向で袋孔26の後方に配置されている。ソケット9の端面24にはさらに、底部40を有した収容部39が配置されている。底部40には、プラグ3の受信機36へのデータ伝送を可能にする送信機34が配置されている。ソケット9の送信機34および受信機36はそれぞれライン37に接続されている。
【0097】
これら4つの例は、本発明による連結システムのプラグおよびソケットの内側における送信機または受信機に関する多数の配置可能性のうちの一部のみを示している。
【符号の説明】
【0098】
1 第五輪連結装置
2 キングピン
3 プラグ
4 プラグ装置
5 第五輪プレート
6 トラクタの走行方向
7 進入開口
8 ライン
9 ソケット
10 制御ユニット
11 セミトレーラ
12 トラクタ
13 トレーラ
14 連結システム
15 トラクタ側の連結ユニット
16 トレーラ側の連結ユニット
17 プラグコネクタシステム
18 制御ユニット
19 ライン
20 支持体ユニット
21 ベース
22 支持体
23 ソケットボディ
24 端面
25 ニューマチック孔
26 袋孔
27 ライン孔
28 プラグボディ
29 端面
30 ニューマチックピン
31 ガイドピン
32 ラインピン
33 ブラインドピン
34 送信機
35 ライン
36 受信機
37 ライン
38 端面
39 収容部
40 底部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9