(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】エアロゾル送達装置用のウィッキング要素
(51)【国際特許分類】
A24F 40/44 20200101AFI20240423BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240423BHJP
【FI】
A24F40/44
A24F40/46
(21)【出願番号】P 2021538505
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(86)【国際出願番号】 IB2019057628
(87)【国際公開番号】W WO2020053766
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-09-02
(32)【優先日】2018-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンサルード,ルイス・アール
(72)【発明者】
【氏名】ヘジャジ,バヒド
(72)【発明者】
【氏名】アルダーマン,スティーブン・リー
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0188626(US,A1)
【文献】米国特許第06611660(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第1972537(CN,A)
【文献】特表2016-512116(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0006922(US,A1)
【文献】特表2017-506915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
H05B 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル送達装置用の液体輸送要素であって、液体輸送要素が、
剛性モノリスを備え、
剛性モノリスが、外面と長手方向軸線とを備え、
外面が少なくとも1つの不連続部を備え
、
剛性モノリスの少なくとも一部が、略円筒形であり、かつ、
少なくとも1つの不連続部が、円筒の長さの少なくとも一部に亘って長手方向軸線の周りに、かつ長手方向軸線に沿って延在する螺旋溝である、液体輸送要素。
【請求項2】
螺旋溝のピッチが、長手方向軸線に沿って変化する、請求項1に記載の液体輸送要素。
【請求項3】
螺旋溝が、第1のピッチを有する複数の接触部と、第2のピッチを有する、接触部の間に配置された加熱部とを有し、
第2のピッチが第1のピッチよりも大きい、請求項2に記載の液体輸送要素。
【請求項4】
第1のピッチが、ワイヤの直径に実質的に等しい、請求項3に記載の液体輸送要素。
【請求項5】
螺旋溝が複数の端部をさらに備え、端部内の溝が第3のピッチを有し、
第1のピッチが第3のピッチよりも小さく、第2のピッチが第3のピッチよりも小さい、請求項4に記載の液体輸送要素。
【請求項6】
円筒部が中空である、請求項1に記載の液体輸送要素。
【請求項7】
剛性モノリスが、多孔質セラミックまたは多孔質ガラスである、請求項1に記載の液体輸送要素。
【請求項8】
流体輸送要素を含む噴霧器であって、
流体輸送要素が、
剛性モノリスと、
ヒータと、を備え
剛性モノリスが、外面と長手方向軸線とを備え、
外面が、少なくとも1つの不連続部を備え、
ヒータが、不連続部と係合する導電性加熱要素を備え、導電性加熱要素が、抵抗加熱または誘導加熱によって熱を生成するように構成され、
剛性モノリスの少なくとも一部が、実質的に円筒形であり、かつ、
少なくとも1つの不連続部が、円筒の長さの少なくとも一部に亘って長手方向軸線の周りに、かつ長手方向軸線に沿って延在する螺旋溝である噴霧器。
【請求項9】
加熱要素がワイヤである、請求項8に記載の噴霧器。
【請求項10】
螺旋溝のピッチが、長手方向軸線に沿って変化し、
螺旋溝が、第1のピッチを有する複数の接触部と、第2のピッチを有する、接触部の間に配置された加熱部とを有し、
第2のピッチが第1のピッチよりも大きい、請求項8または9に記載の噴霧器。
【請求項11】
螺旋溝が、第3のピッチを画定する複数の端部をさらに備え、
第1のピッチが第3のピッチよりも小さく、第2のピッチが第3のピッチよりも小さい、請求項10に記載の噴霧器。
【請求項12】
外側ハウジングと、
液体を収容するリザーバと、
液体を気化させるように構成されたヒータと、
ヒータに液体を提供するように構成された液体輸送要素と、
を備えるエアロゾル送達装置であって、
液体輸送要素が、
剛性モノリスを備え、剛性モノリスの少なくとも一部が実質的に円筒形であり、
円筒部が、外面と長手方向軸線とを備え、
外面が少なくとも1つの不連続部を備えるエアロゾル送達装置。
【請求項13】
少なくとも1つの不連続部が、円筒の長さの少なくとも一部に亘って長手方向軸線の周りに、かつ長手方向軸線に沿って延在する螺旋溝である、請求項12に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達装置およびその構成要素に関し、さらに具体的には、エアロゾルの生成のために電気的に生成された熱を利用可能な(例えば、一般に電子タバコと呼ばれる)エアロゾル送達装置に関する。エアロゾル送達装置は、タバコから製造されてもよく、タバコに由来してもよく、そうでなければタバコを組み込んでもよい材料を組み込むことができるエアロゾル前駆体を加熱するように構成されてもよく、前駆体は人間が摂取するための吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用のためにタバコを燃焼することを必要とする喫煙製品の改良品または代替品として、多くの装置が長年に亘って提案されてきた。これらの装置の多くは、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供するように設計されているが、タバコの燃焼に起因する相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することはないと言われている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Griffith Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙品、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載の商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙品、エアロゾル送達装置および電動発熱源を参照されたい。
【0003】
従来型の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris Incorporated製のACCORD(R)、InnoVapor LLC製のALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud Cigarettes製のCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.製のBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.製のCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.製のDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar Australia製のEGAR(TM)、Joyetech製のeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK Ltd製のELUSION(TM)、Eonsmoke LLC製のEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLC製のFIN(TM)、Green Smoke Inc.USA製のSMOKE(R)、Greenarette LLC製のGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)製のHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.製のHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC Technology製のLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.製のLUCI(R)、Nicotek,LLC製のMETRO(R)、Sottera,Inc.製のNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLC製のNO.7(TM)、PremiumEstore LLC製のPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.製のRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLC製のRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.製のRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLC製のSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.製のGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLC製のSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.製のSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLC製のV2CIGS(TM)、VaporNine LLC製のVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.製のVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLC製のVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor Company製のVUSE(R)、Mistic Ecigs製のMistic Menthol製品、ならびにCN Creative Ltd製のVype製品、Philip Morris International製のIQOS(TM)、ならびにBritish American Tobacco製のGLO(TM)として市販されている。さらに他の電動エアロゾル送達装置、特にいわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、COOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)およびSOUTH BEACH SMOKE(TM)の商号の下に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0216232号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアロゾル送達装置に使用するための、エアロゾル前駆体組成物用の液体輸送要素を提供することが望ましく、液体輸送要素は、エアロゾル送達装置の形成を改善するように提供される。そのような液体輸送要素を利用するように製造されたエアロゾル送達装置を提供することもまた望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、エアロゾル送達装置、およびそのような装置の要素に関する。エアロゾル送達装置と改良されたウィッキング要素とを特に統合して蒸気形成ユニットを形成することができ、蒸気形成ユニットは電源ユニットと組み合わされてエアロゾル送達装置を形成することができる。
【0007】
1つ以上の実施形態では、本開示は、剛性モノリスを含む液体輸送要素を提供することができる。剛性モノリスは、外面と長手方向軸線とを備える。外面は、少なくとも1つの不連続部を備える。
【0008】
1つ以上の実施形態では、本開示は、剛性モノリスを含む流体輸送要素を備える噴霧器を提供することができる。剛性モノリスは、外面と長手方向軸線とを備える。外面は、少なくとも1つの不連続部を備える。また、噴霧器は、不連続部と係合する導電性加熱要素を備えるヒータを有する。導電性加熱要素は、抵抗加熱または誘導加熱によって熱を生成するように構成される。
【0009】
1つ以上の実施形態では、本開示は、外側ハウジングと、液体を収容するリザーバと、液体を気化させるように構成されたヒータと、ヒータに液体を提供するように構成された液体輸送要素とを備えるエアロゾル送達装置を提供することができる。液体輸送要素は、剛性モノリスを備える。剛性モノリスの少なくとも一部は実質的に円筒形である。円筒部は、外面と長手方向軸線とを備える。外面は、少なくとも1つの不連続部を備える。
【0010】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。本開示は、そのような特徴または要素が明示的に結合されているか、そうでなければ本明細書の特定の実施形態の説明または特許請求の範囲で列挙されているかどうかにかかわらず、本開示に記載されているか、請求項の内いずれか1つ以上に列挙されている2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の任意の組合せを含む。本開示は、本開示の文脈が明らかに他のことを指示しない限り、その態様および実施形態のいずれかにおいて、本開示の任意の分離可能な特徴または要素が意図された通りに見え、すなわち組合せ可能であるように全体的に読み取られることを意図している。
【0011】
本発明は、限定するものではないが、以下の実施形態を含む。
【0012】
実施形態1:エアロゾル送達装置用の液体輸送要素であって、液体輸送要素が剛性モノリスを備え、剛性モノリスが、外面と長手方向軸線とを備え、外面が、少なくとも1つの不連続部を備える液体輸送要素。
【0013】
実施形態2:剛性モノリスの少なくとも一部が、略円筒形である、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0014】
実施形態3:少なくとも1つの不連続部が、孔部への開口部である、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0015】
実施形態4:孔部が、長手方向軸線とある角度を形成する孔部軸線を有する、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0016】
実施形態5:孔部が、長手方向軸線に対して半径方向に延在する、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0017】
実施形態6:孔部が、長手方向軸線に沿って、かつ長手方向軸線の周りに配列された複数の孔部を備える、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0018】
実施形態7:配列の列が、円筒の長さの少なくとも一部に亘って長手方向軸線に沿って延在する、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0019】
実施形態8:1つの列内の孔部が、隣接する列内の孔部に対して互い違いに配置される、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0020】
実施形態9:1つの列内の孔部が、隣接する列内の孔部に対して整列される、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0021】
実施形態10:少なくとも1つの不連続部が、円筒の長さの少なくとも一部に亘って長手方向軸線の周りに、かつ長手方向軸線に沿って延在する螺旋溝である、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0022】
実施形態11:螺旋溝のピッチが、長手方向軸線に沿って変化する、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0023】
実施形態12:螺旋溝が、第1のピッチを有する複数の接触部と、第2のピッチを有する、接触部の間に配置された加熱部とを有し、第2のピッチが第1のピッチよりも大きい、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0024】
実施形態13:第1のピッチが、ワイヤの直径に実質的に等しい、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0025】
実施形態14:螺旋溝が複数の端部をさらに備え、端部内の溝が第3のピッチを有し、第1のピッチが第3のピッチよりも小さく、第2のピッチが第3のピッチよりも小さい、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0026】
実施形態15:円筒部が中空である、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0027】
実施形態16:剛性モノリスが、多孔質セラミックまたは多孔質ガラスである、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0028】
実施形態17:外面が略平面状である、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0029】
実施形態18:少なくとも1つの不連続部が、外面に沿って経路を切断する連続溝である、任意の前述の実施形態の液体輸送要素。
【0030】
実施形態19:流体輸送要素を備える噴霧器であって、流体輸送要素が剛性モノリスを備え、剛性モノリスが、外面と、長手方向軸線と、ヒータとを備え、外面が少なくとも1つの不連続部を備え、ヒータが不連続部と係合する導電性加熱要素を備え、導電性加熱要素が抵抗加熱または誘導加熱によって熱を生成するように構成される噴霧器。
【0031】
実施形態20:加熱要素がワイヤである、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0032】
実施形態21:剛性モノリスの少なくとも一部が略円筒形である、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0033】
実施形態22:少なくとも1つの不連続部が孔部への開口部である、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0034】
実施形態23:孔部が、長手方向軸線に対して半径方向に延在する、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0035】
実施形態24:孔部が、長手方向軸線に対してある角度で延在する、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0036】
実施形態25:孔部が、円筒の長さの少なくとも一部に沿って、長手方向軸線に沿って、かつ長手方向軸線の周りに配列された複数の孔部を備える、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0037】
実施形態26:配列の列が長手方向軸線に沿って延在し、1つの列内の孔部が、隣接する列内の孔部に対して互い違いに配置される、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0038】
実施形態27:配列の列が、長手方向軸線に沿って延在し、1つの列内の孔部が、隣接する列内の孔部に対して整列される、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0039】
実施形態28:少なくとも1つの不連続部が、円筒の長さの少なくとも一部に亘って長手方向軸線の周りに、かつ長手方向軸線に沿って延在する螺旋溝である、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0040】
実施形態29:螺旋溝のピッチが長手方向軸線に沿って変化し、螺旋溝が、第1のピッチを有する複数の接触部と、第2のピッチを有する、接触部の間に配置された加熱部とを有し、第2のピッチが第1のピッチよりも大きい、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0041】
実施形態30:螺旋溝が、第3のピッチを画定する複数の端部をさらに備え、第1のピッチが第3のピッチよりも小さく、第2のピッチが第3のピッチよりも小さい、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0042】
実施形態31:外面が略平面状であり、少なくとも1つの不連続部が、外面に沿って経路を切断する連続溝である、任意の前述の実施形態の噴霧器。
【0043】
実施形態32:外側ハウジングと、液体を収容するリザーバと、液体を気化させるように構成されたヒータと、ヒータに液体を提供するように構成された液体輸送要素と、を備えるエアロゾル送達装置であって、液体輸送要素が剛性モノリスを備え、剛性モノリスの少なくとも一部が略円筒状であり、円筒部が、外面と長手方向軸線とを備え、外面が、少なくとも1つの不連続部を備えるエアロゾル送達装置。
【0044】
したがって、この概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実装形態を要約する目的のためにのみ提供されることが理解されるであろう。したがって、上記の例示的な実装形態は単なる例であり、決して本開示の範囲または趣旨を狭めると解釈されるべきではないことが理解されるであろう。他の例示的な実装形態、態様および利点は、いくつかの説明された例示的な実装形態の原理を例として示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。本発明は、そのような特徴または要素が本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかにかかわらず、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の上述の実施形態の任意の組合せ、ならびに本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つまたはそれ以上の特徴または要素の組合せを含む。本開示は、文脈上他に明確に指示されない限り、その様々な態様および実施形態のいずれかにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素が、組合せ可能であるように意図された通りに見えるように全体的に読み取られることを意図している。
【0045】
本開示の態様は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本開示の様々な実施形態による、エアロゾル送達装置に利用可能な様々な要素を含むカートリッジおよび電源ユニットを備えるエアロゾル送達装置の部分切取図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態による、エアロゾル送達装置に使用するための略管状または略円筒状の形状である蒸気形成ユニットの図である。
【
図3】本開示の様々な実施形態による、蒸気形成ユニットの内部構造を示す、蒸気形成ユニットの部分切取図である。
【
図4】本開示の第1の実施形態による液体輸送要素の斜視図である。
【
図5】本開示の第2の実施形態による液体輸送要素の斜視図である。
【
図6】本開示の第3の実施形態による液体輸送要素の斜視図である。
【
図7】本開示の第4の実施形態による液体輸送要素の斜視図である。
【
図8】本開示の第5の実施形態による液体輸送要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。
【0048】
以下に記載されるように、本開示の実施形態は、エアロゾル送達システムに関する。本開示によるエアロゾル送達システムは、吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用して(好ましくは、材料をかなりの程度燃焼させることなく、および/または材料を著しく化学変化させることなく)材料を加熱し、そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なされるのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、好ましいエアロゾル送達システムの構成要素を使用しても(すなわち、タバコの燃焼または熱分解の副産物から)煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。好ましい実施形態では、エアロゾル送達システムの構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0049】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらすことができる。例えば、本開示のいくつかの例示的な実装形態によるエアロゾル送達装置のユーザは、喫煙者が従来型の喫煙品を使用するのと同じように、その構成要素を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0050】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けられることができる。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように適合されることができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)とすることができる。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の懸濁液)とすることができる。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされることができる形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。
【0051】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれることができる外側本体またはシェル内に設けられる多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な寸法および形状を画定することができる外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長の本体が、単一の一体型ハウジングから形成されることができ、または細長のハウジングが、2つ以上の分離可能な本体から形成されることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状とすることができ、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似することができる細長のシェルまたは本体を備えることができる。一実施形態では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合され分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の構成要素(例えば、その物品の動作を制御するための電池および様々な電子機器)を収容するハウジングを含む制御本体(または電源ユニット)を一端に有し、エアロゾル形成構成要素(例えば、香味およびエアロゾル形成剤などの1つ以上のエアロゾル前駆体成分、1つ以上のヒータ、および/または1つ以上のウィック)を収容する取り外し可能に取り付けられた外側本体またはシェルを他端に有することができる。
【0052】
本開示のエアロゾル送達装置は、実質的に管状ではないが実質的に比較的大きな寸法に形成されることができる外側ハウジングまたはシェルから形成されることができる。ハウジングまたはシェルは、マウスピースを含むように構成されることができ、および/または液体エアロゾル形成剤などの消耗要素を含むことができ、気化器または噴霧器を含むことができる別個のシェル(例えば、カートリッジまたはタンク)を受け入れるように構成されてもよい。
【0053】
以下にさらに詳細に説明されるように、本開示のエアロゾル送達装置は、駆動源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ))、ヒータまたは発熱部材(例えば、電気抵抗加熱要素または他の構成要素および/または誘導コイルまたは他の関連する構成要素および/または1つ以上の輻射加熱要素)、および十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる基材部を含むエアロゾル源部材のいくつかの組合せを備える。様々な実装形態では、エアロゾル源部材は、エアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするように構成された吸い口端または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引時にそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)を含んでもよい。本開示のエアロゾル送達システム内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、様々なエアロゾル送達システム構成要素の選択および配置は、本開示の背景技術の項で参照される代表的な製品などの市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して理解することができる。
【0054】
本開示によるエアロゾル送達装置に利用可能な構成要素を示す、エアロゾル送達装置100の例示的な一実施形態が、
図1に示されている。エアロゾル送達装置100は、その中に示されている切取図に見られるように、機能的関係で恒久的にまたは取り外し可能に整列可能な電源ユニット102およびカートリッジ104を備えることができる。電源ユニット102とカートリッジ104との係合は、(図示されるように)圧入、ねじ込み、締り嵌め、磁気などとすることができる。具体的には、本明細書でさらに説明するような接続構成要素が使用されてもよい。例えば、電源ユニットは、カートリッジ上のコネクタと係合するように構成されたカプラを含んでもよい。
【0055】
特定の実施形態では、電源ユニット102およびカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。
【0056】
例えば、制御本体102は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、または無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実装形態では、エアロゾル源部材104は、使い捨て装置を備えてもよい。制御本体とともに使用するための使い捨て構成要素が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。
【0057】
図1に示すように、電源ユニット102は、制御構成要素106(例えば、プリント回路基板(PCB)、集積回路、メモリ部品、マイクロコントローラなど)、流量センサ108、電池110およびLED112を含むことができる電源ユニットシェル101から形成されることができ、このような構成要素は、可変に整列されることができる。LEDに加えて、またはLEDの代替として、追加のインジケータ(例えば、触覚フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)が含まれることができる。発光ダイオード(LED)構成要素など、視覚的刺激をもたらす構成要素、またはインジケータの追加の代表的な種類ならびにそれらの構成および使用は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書、Newtonの米国特許第8,499,766号明細書、Scatterdayの米国特許第8,539,959号明細書およびSearsらの米国特許第9,451,791号明細書ならびにGallowayらの米国特許出願公開第2015/0020825号明細書に記載されている。図示された要素のいずれもが必要なわけではないことが理解される。例えば、LEDは、存在しなくても、振動インジケータなどの異なるインジケータに置き換えられてもよい。同様に、流量センサは、プッシュボタンなどの手動アクチュエータに置き換えられてもよい。
【0058】
カートリッジ104は、リザーバハウジング内に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物をヒータ134に吸い上げるか、その他の方法で輸送するように適合された液体輸送要素136と流体連通しているリザーバ144を囲むカートリッジシェル103から形成されることができる。液体輸送要素は、毛細管作用などによって液体を輸送するように構成された1つ以上の材料から形成されることができる。一般に、液体輸送要素は、例えば、繊維状材料(例えば、有機綿、酢酸セルロース、再生セルロース布、ガラス繊維)、多孔質セラミック、多孔質炭素、黒鉛、多孔質ガラス、焼結ガラスビーズ、焼結セラミックビーズ、毛細管などから形成されることができる。一般に、液体輸送要素は、開放細孔ネットワーク(すなわち、流体が、要素を通る複数の方向に、1つの細孔から別の細孔へ流れることができるように相互接続された複数の細孔)を含む任意の材料とすることができる。本明細書でさらに説明されるように、本開示のいくつかの実施形態は、特に、非繊維輸送要素の使用に関することができるものである。そのため、繊維輸送要素は明示的に除外されることができる。あるいは、繊維輸送要素と非繊維輸送要素との組合せが利用されてもよい。
【0059】
ヒータ134を形成するために、電流が印加されると熱を生成するように構成された材料の様々な実施形態が使用されてもよい。ワイヤコイルが形成されることができる材料の例には、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、ニッケル、ステンレス鋼、インジウムスズ酸化物、タングステン、二珪化モリブデン(MoSi2)、珪化モリブデン(MoSi)、アルミニウムドープ二珪化モリブデン(Mo(Si,Al)2)、チタン、白金、銀、パラジウム、銀およびパラジウムの合金、黒鉛および黒鉛系材料(例えば、炭素系発泡体および糸)、導電性インク、ホウ素ドープシリカならびにセラミック(例えば、正温度係数セラミックまたは負温度係数セラミック)が挙げられる。ヒータ134は、抵抗加熱要素、または誘導によって熱を生成するように構成された加熱要素としてもよい。ヒータ134は、熱伝導性セラミック、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、酸化ベリリウム、アルミナ、窒化ケイ素またはそれらの複合材料によってコーティングされることができる。
【0060】
形成されたエアロゾルをカートリッジ104から放出することを可能にするために、開口部128がカートリッジシェル103内に(例えば、吸口端に)存在してもよい。そのような構成要素は、カートリッジ内に存在することが可能な構成要素の代表であり、本開示に包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図するものではない。
【0061】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ部品、センサなどを含むことができる1つ以上の電子部品150を含んでもよい。電子部品150は、有線または無線手段によって、制御構成要素106および/または外部装置と通信するように適合されてもよい。電子部品150は、カートリッジ104またはその基部140内のどこに配置されてもよい。
【0062】
制御構成要素106および流量センサ108は別個に図示されているが、空気流量センサが直接取り付けられた電子回路基板として、制御構成要素および流量センサが組み合わされてもよいことが理解される。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が電源ユニットの中心軸線に対して長さ方向に平行となることができるという点で、
図1の図に対して水平に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、空気流量センサは、それが取り付け可能なそれ自体の回路基板または他の基部要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブル回路基板が利用されてもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管状の形状を含む様々な形状に構成されてもよい。例えば、プリント回路基板および圧力センサの構成がWormらの米国特許第9,839,238号明細書に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
電源ユニット102およびカートリッジ104は、それらの間の流体係合を容易にするように構成された構成要素を含んでもよい。
図1に示すように、電源ユニット102は、内部にキャビティ125を有するカプラ124を含むことができる。カートリッジ104は、カプラ124と係合するように適合された基部140を含むことができ、キャビティ125内に嵌合するように適合された突出部141を含むことができる。このような係合は、電源ユニット102とカートリッジ104との間の安定した接続を容易にすると共に、電源ユニット内の電池110および制御構成要素106とカートリッジ内のヒータ134との間の電気接続を確立することができる。さらに、電源ユニットシェル101は、吸気口118を含むことができ、吸気口118はシェル内のノッチであってよく、ここでノッチはカプラ124に接続し、これにより、カプラ周辺の周囲空気が通過してシェル内に入り、次いでカプラのキャビティ125を通過し、突出部141を介してカートリッジ内に入ることが可能になる。
【0064】
本開示による有用なカプラおよび基部は、Novakらの米国特許第9,609,893号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、
図1に見られるように、カプラは、基部140の内周142と嵌合するように構成された外周126を画定してもよい。一実施形態では、基部の内周は、カプラの外周の半径と実質的に等しいか、それよりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラ124は、基部の内周に画定された1つ以上の凹部178と係合するように構成された1つ以上の凸部129を外周126に画定してもよい。ただし、カプラに基部を連結するために、構造、形状および構成要素の様々な他の実施形態が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジ104の基部140と電源ユニット102のカプラ124との間の接続が実質的に恒久的であってよいのに対して、他の実施形態では、それらの間の接続は、例えば、電源ユニットが、使い捨ておよび/または再充填可能であってよい1つ以上の追加のカートリッジとともに再利用されることができるように、解放可能であってよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、略棒状または略管形状または略円筒形状であってよい。他の実施形態では、追加の形状および寸法、例えば、矩形または三角形の断面、多面体形状などが包含される。具体的には、電源ユニット102は、棒状でなくてもよく、むしろ実質的に長方形、円形であってよいか、何らかの追加の形状を有してもよい。同様に、電源ユニット102は、実質的に従来の紙巻タバコの寸法であると予測される電源ユニットよりも実質的に大きくてよい。
【0066】
図1に示されるリザーバ144は、容器(例えば、エアロゾル前駆体組成物に対して実質的に不浸透性の壁から形成される)とすることができるか、繊維状リザーバとすることができる。容器の壁は柔軟なものとすることができ、折り畳み可能とすることができる。あるいは、容器の壁は実質的に硬質とすることができる。容器は、好ましくは実質的に密閉されて、本明細書に別途記載されている輸送要素を介するなど、エアロゾル前駆体組成物の通過のために明示的に設けられた、任意の特定の開口部を介するもの以外のエアロゾル前駆体組成物の通過を防止する。例示的な実施形態では、リザーバ144は、カートリッジシェル103の内部を取り囲むチューブの形状に実質的に形成された不織繊維の1つ以上の層を備えることができる。エアロゾル前駆体組成物をリザーバ144に保持することができる。例えば、液体成分は、リザーバ144によって収着的に保持ることができる(すなわち、リザーバ144が繊維状材料を含む場合)。リザーバ144は、液体輸送要素136と流体接続することができる。この実施形態では、液体輸送要素136は、毛細管作用を介して、金属ワイヤコイルの形態である加熱要素134に、リザーバ144に貯蔵されたエアロゾル前駆体組成物を輸送することができる。このように、加熱要素134は液体輸送要素136を伴った加熱構成にある。加熱要素134は、電源源110と直接電気的に接触する抵抗加熱要素に限定されず、交番磁場の存在下で生成される渦電流の結果として熱を生成するように構成された誘導加熱要素も含むことができる。
【0067】
使用時に、ユーザが物品100を吸引すると、センサ108によって空気流が検出され、加熱要素134が作動し、加熱要素134によってエアロゾル前駆体組成物の成分が気化される。物品100の吸い口端を吸引すると、周囲空気が吸気口118に入り、カプラ124内のキャビティ125と、基部140の突出部141内の中央開口部とを通過する。カートリッジ104では、吸引された空気が形成された蒸気と組み合わさって、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、加熱要素134から吹き飛ばされるか、吸入されるか、そうでなければ吸引され、物品100の吸い口端内の口元開口部128から出る。あるいは、気流センサがない場合、加熱要素134は、プッシュボタンなどによって手動で作動させられてもよい。
【0068】
エアロゾル送達装置には、入力要素が含まれてもよい(気流センサまたは圧力センサを置き換えるか、補完してもよい)。入力は、ユーザが装置の機能を制御し、および/またはユーザに対して情報を出力することを可能にするために含まれてもよい。装置の機能を制御するための入力として、任意の構成要素または構成要素の組合せが利用されてもよい。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,839,238号明細書に記載されているように、1つ以上のプッシュボタンが使用されてもよい。同様に、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許出願公開第2016/0262454号明細書に記載されているように、タッチスクリーンが使用されてもよい。さらなる例として、エアロゾル送達装置の特定の動きに基づくジェスチャ認識に適合した構成要素が、入力として使用されてもよい。参照により本明細書に組み込まれるHenryらの米国特許出願公開第2016/0158782号明細書を参照されたい。さらに別の例として、静電容量センサがエアロゾル送達装置に実装されて、静電容量センサが実装されている装置の表面に触れることなどによって、ユーザが入力を提供できるようにしてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、入力は、スマートフォンまたはタブレットなどのコンピュータまたはコンピューティング装置を含んでもよい。具体的には、エアロゾル送達装置は、USBコードまたは類似のプロトコルの使用などを介して、コンピュータまたは他の装置に配線されてもよい。エアロゾル送達装置はまた、無線通信を介して、入力として作用するコンピュータまたは他の装置と通信してもよい。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許出願公開第2016/0007561号明細書に記載されているような読み出し要求を介して装置を制御するためのシステムおよび方法を参照されたい。そのような実施形態では、コンピュータまたは他のコンピューティング装置に関連してアプリケーションまたは他のコンピュータプログラムを使用して、エアロゾル送達装置に制御命令を入力してもよく、そのような制御命令は、例えば、ニコチン含有量および/または含有される追加の香味の含有量を選択することによって、特定の組成のエアロゾルを形成する能力を含む。
【0070】
本開示によるエアロゾル送達装置の様々な構成要素は、当技術分野に記載され市販されている構成要素から選択することができる。本開示に従って使用することができる電池の例が、Peckerarらの米国特許第9,484,155号明細書に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0071】
エアロゾル送達装置は、エアロゾル生成が所望される場合(例えば、使用中に吸引された場合)に発熱要素への電力の供給を制御するためのセンサまたは検出器を組み込むことができる。このように、例えば、使用中にエアロゾル送達装置が吸引されていない場合に発熱要素への電力供給をオフにし、吸引中に発熱要素による発熱を作動させるか引き起こすために電力供給をオンにする様式または方法が提供される。追加の代表的な種類の感知または検出機構、それらの構造および構成、それらの構成要素ならびにそれらの一般的な操作方法は、参照により本明細書に組み込まれるSprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書およびFlickのPCT国際公開第2010/003480号に記載されている。
【0072】
エアロゾル送達装置は、吸引中に発熱要素への電力量を制御するための制御機構を組み込むことが最も好ましい。代表的な種類の電子部品、それらの構造および構成、それらの特徴ならびにそれらの一般的な操作方法は、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書、Panの米国特許第8,205,622号明細書、Colletらの米国特許第8,881,737号明細書、Ampoliniらの米国特許第9,423,152号明細書、Fernandoらの米国特許第9,439,454号明細書およびHenryらの米国特許出願公開第2015/0257445号明細書に記載されている。
【0073】
エアロゾル前駆体を支持するための代表的な種類の基材、リザーバまたは他の構成要素は、参照により本明細書に組み込まれるNewtonの米国特許第8,528,569号明細書、Chapmanらの米国特許出願公開第2014/0261487号明細書およびBlessらの米国特許出願公開第2015/0216232号明細書に記載されている。さらに、様々なウィッキング材料ならびに特定の種類の電子タバコ内のそれらのウィッキング材料の構成および動作は、参照により本明細書に組み込まれるSearsらの米国特許第8,910,640号明細書に記載されている。
【0074】
電子タバコとして特徴付けられるエアロゾル送達システムでは、エアロゾル前駆体組成物は、タバコまたはタバコ由来成分を組み込んでいることが最も好ましい。ある点では、タバコは、微粉砕されたか、粉砕されたか、粉末化されたタバコ薄片などのタバコの部分または細片として提供されてもよい。別の点では、タバコは、タバコの水溶性成分の多くを組み込んだ噴霧乾燥抽出物などの抽出物(例えば、ニコチンが由来する抽出物)の形態で提供されてもよい。あるいは、タバコ抽出物は、タバコ由来の少量の他の抽出成分も組み込んだ比較的高濃度のニコチン含有抽出物の形態を有してもよい。別の点では、タバコに由来する特定の香料などの比較的純粋な形態で、タバコ由来成分が提供されてもよい。ある点では、タバコに由来し、高度に精製された形態または本質的に純粋な形態で使用され得る成分は、ニコチン(例えば、医薬品グレードのニコチン)である。
【0075】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な成分を含んでもよい。最も好ましくは、エアロゾル前駆体組成物は、様々な原料または成分の組合せまたは混合物から構成される。特定のエアロゾル前駆体成分の選択、および使用されるそれらの成分の相対量は、エアロゾル生成装置によって生成される主流エアロゾルの全体的な化学組成を制御するために変更されてもよい。特に興味深いのは、本質的に一般に液体であると特徴付けられることができるエアロゾル前駆体組成物である。例えば、代表的な一般に液体のエアロゾル前駆体組成物は、溶液、粘性ゲル、混和性成分の混合物、または懸濁成分もしくは分散成分を組み込んだ液体の形態を有してもよい。典型的なエアロゾル前駆体組成物は、本開示の特徴であるエアロゾル生成装置の使用中に経験される条件下で熱に曝されると気化することができ、ひいては、吸入することができる蒸気およびエアロゾルを生成することができる。
【0076】
いくつかの態様によれば、エアロゾル送達装置は、タバコ、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接分離されることができる、タバコに天然に見出される材料、または合成的に調製され得る材料)を含有してもよく、または組み込んでもよい。例えば、エアロゾル送達装置は、カットフィラー形態のある量の風味豊かで芳香性のタバコを含んでもよい。いくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれるChenらの米国特許第9,066,538号明細書、Moldoveanuらの米国特許第9,155,334号明細書および米国特許第9,681,681号明細書ならびにMarshallらの米国特許第9,980,509号明細書に記載されている方法に従って処理されるものなど、所望の品質を提供するように処理されるタバコ、タバコ成分またはタバコ由来材料を含んでもよい。
【0077】
上述のように、高度に精製されたタバコ由来ニコチン(例えば、98%超または99%超の純度を有する医薬品グレードのニコチン)またはその誘導体が、本開示の装置に使用されることができる。代表的なニコチン含有抽出物は、参照により本明細書に組み込まれるBrinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書に記載の技術を使用して提供されることができる。特定の実施形態では、本開示の生成物は、タバコ由来でも合成由来でも、あらゆる供給源から得られたあらゆる形態のニコチンを含むことができる。本開示の生成物に使用されるニコチン化合物は、遊離塩基形態、塩形態、複合体として、または溶媒和物としてのニコチンを含むことができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるHanssonの米国特許第8,771,348号明細書に記載の遊離塩基形態のニコチンの説明を参照されたい。ニコチン化合物の少なくとも一部は、ニコチンポラクリレックスなどのニコチンがイオン交換樹脂中に結合している、ニコチンの樹脂複合体の形態で使用されることができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれるLichtneckertらの米国特許第3,901,248号明細書を参照されたい。ニコチンの少なくとも一部は塩の形態で使用されることができる。ニコチンの塩は、Coxらの米国特許第2,033,909号明細書およびPerfetti,Beitrage Tabakforschung Int.,12,43-54(1983)に記載されている種類の原料および技術を使用して提供されることができる。さらに、ニコチン塩は、Pfaltz and Bauer,Inc.およびK&K Laboratories、Division of ICN Biochemicals,Inc.などの供給元から入手可能である。例示的な薬学的に許容されるニコチン塩には、酒石酸塩(例えば、ニコチン酒石酸塩およびニコチン酒石酸水素塩)、塩化化合物(例えば、ニコチン塩酸塩およびニコチン二塩酸塩)、硫酸塩、過塩素酸塩、アスコルビン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、アスパラギン酸塩、サリチル酸塩、トシル酸塩、コハク酸塩、ピルビン酸塩のニコチン塩など、ニコチン塩水和物(例えば、ニコチン塩化亜鉛一水和物)などが含まれる。特定の実施形態では、ニコチン化合物の少なくとも一部は、参照により本明細書に組み込まれるBrinkleyらの米国特許出願公開第2011/0268809号明細書で説明されているように、レブリン酸を含むがこれに限定されない有機酸部分を有する塩の形態である。
【0078】
別の態様では、エアロゾル前駆体組成物は、エアロゾル形成材料(例えば、プロピレングリコール、グリセリンなどのような湿潤剤)を組み込むように処理、製造、生成および/または加工されることができるタバコ、タバコ成分またはタバコ由来材料を含んでもよい。追加的または代替的に、エアロゾル前駆体組成物は少なくとも1つの香料を含んでもよい。エアロゾル前駆体組成物に含まれ得る追加の成分は、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に記載されている。エアロゾル生成装置にタバコおよび他の原料を組み込むための様々な様式および方法が、Brooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2016/0073695号明細書に記載されており、それらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0079】
エアロゾル前駆体組成物はまた、いわゆる「エアロゾル形成材料」を組み込んでもよい。そのような材料は、場合によっては、本開示の特徴であるエアロゾル生成装置の通常の使用中に経験される条件下で熱に曝されて気化した際に、目に見える(または目に見えない)エアロゾルを生成する能力を有してもよい。そのようなエアロゾル形成材料は、様々なポリオールまたは多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールおよびそれらの混合物)を含む。本開示の態様はまた、水、食塩水、湿気または水性液体として特徴付けられることができるエアロゾル前駆体成分を組み込む。特定のエアロゾル生成装置の通常の使用状態では、エアロゾル生成装置内に組み込まれた水が蒸発して、生成されたエアロゾルの成分をもたらすことができる。このように、本開示の目的では、エアロゾル前駆体組成物内に存在する水はエアロゾル形成材料であると考えられてもよい。
【0080】
本開示のエアロゾル送達システムによって生成された、吸引された主流エアロゾルの感覚的な特徴または性質を変化させる、多種多様な任意の香料または材料を使用することが可能である。例えば、そのような任意の香料がエアロゾル前駆体組成物または物質内で使用されて、エアロゾルの風味、芳香および感覚刺激特性を変化させてもよい。特定の香料が、タバコ以外の供給源から提供されてもよい。例示的な香料は、天然または人工の性質のものであってよく、濃縮物または香味パッケージとして使用されてもよい。
【0081】
例示的な香料には、バニリン、エチルバニリン、クリーム、茶、コーヒー、果実(例えば、リンゴ、チェリー、イチゴ、ピーチならびにライムおよびレモンを含むシトラスの香味)、メープル、メントール、ミント、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、ナツメグ、クローブ、ラベンダー、カルダモン、生姜、蜂蜜、アニス、セージ、シナモン、ビャクダン、ジャスミン、カスカリラ、ココア、甘草ならびに紙巻タバコ、葉巻およびパイプタバコの香料に従来使用される種類および特徴の香料および香味パッケージが含まれる。また、高果糖コーンシロップなどのシロップが使用されることができる。最終エアロゾル前駆体混合物の配合の前に、特定の香料がエアロゾル形成材料内に組み込まれてもよい(例えば、特定の水溶性香料が水中に組み込まれ得、メントールがプロピレングリコール中に組み込まれることができ、特定の複合香味パッケージがプロピレングリコール中に組み込まれることができる)。ただし、本開示のいくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、いかなる香料、香味特性または添加剤も含まない。
【0082】
エアロゾル前駆体組成物はまた、酸性または塩基性の特性を示す原料(例えば、有機酸、アンモニウム塩または有機アミン)を含んでもよい。例えば、ニコチンを組み込んだエアロゾル前駆体製剤中に、好ましくは(総有機酸含有量に基づいて)ニコチンと等モルまでの量で、特定の有機酸(例えば、レブリン酸、コハク酸、乳酸およびピルビン酸)が含まれてもよい。例えば、エアロゾル前駆体は、存在する有機酸の総量がエアロゾル前駆体組成物中に存在するニコチンの総量と等モルである濃度まで、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのレブリン酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのコハク酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルの乳酸、ニコチン1モル当たり約0.1~約0.5モルのピルビン酸またはそれらの様々な順列および組合せを含んでもよい。ただし、本開示のいくつかの態様では、エアロゾル前駆体組成物は、いかなる酸性(または塩基性)の特性または添加剤も含まない。
【0083】
非限定的な一例として、代表的なエアロゾル前駆体組成物または物質は、グリセリン、プロピレングリコール、水、食塩水およびニコチンならびにこれらの成分のいずれかまたは全部の組合せまたは混合物を含むことができる。例えば、一例では、代表的なエアロゾル前駆体組成物は、(重量基準で)約70%~約100%のグリセリン、多くの場合、約80%~約90%のグリセリン、約5%~約25%の水、多くの場合、約10%~約20%の水、および約0.1%~約5%のニコチン、多くの場合、約2%~約3%のニコチンを含んでもよい。1つの特定の非限定的な例では、代表的なエアロゾル前駆体組成物は、約84%のグリセリン、約14%の水および約2%のニコチンを含んでもよい。代表的なエアロゾル前駆体組成物はまた、重量基準で様々な量のプロピレングリコール、任意の香料または他の添加剤を含んでもよい。場合によっては、エアロゾル前駆体組成物は、必要に応じてまたは所望に応じて、最大約100重量%のグリセリン、水および食塩水のいずれかを含んでもよい。
【0084】
蒸気前駆体組成物または「e-リキッド(e-liquid)」とも呼ばれるエアロゾル前駆体組成物は、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコ抽出物および/または風味料を含む様々な成分を含んでもよい。代表的な種類のエアロゾル前駆体成分および製剤もまた、Robinsonらの米国特許第7,217,320号明細書、Collettらの第8,881,737号明細書、Chongらの第9,254,002号明細書、およびZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書、Lipowiczらの米国特許出願公開第2015/0020823号明細書およびKollerの米国特許出願公開第2015/0020830号明細書、ならびにBowenらの国際公開第2014/182736号に記載され、特徴付けられており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。使用されることができる他のエアロゾル前駆体には、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)製品、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)製品、Mistic EcigsによるMISTIC MENTHOL製品、Nu Mark LLCによるMARK TEN製品、Juul Labs,Inc.によるJUUL製品およびCN Creative Ltd.によるVYPE製品に組み込まれているエアロゾル前駆体が含まれる。また、Johnson Creek Enterprises LLCから入手可能な、電子タバコ用のいわゆる「スモークジュース(smoke juice)」も望ましい。エアロゾル前駆体組成物のさらに別の例は、BLACK NOTE、COSMIC FOG、MILKMAN E-LIQUID、FIVE PAWNS、VAPOR CHEF、VAPE WILD、BOOSTED、STEAM FACTORY、MECH SAUCE、CASEY JONES MAINLINE RESERVE、MITTEN VAPORS、DR.CRIMMY’S V-LIQUID、SMILEY E LIQUID、BEANTOWN VAPOR、CUTTWOOD、CYCLOPS VAPOR、SICBOY、GOOD LIFE VAPOR、TELEOS、PINUP VAPORS、SPACE JAM、MT.BAKER VAPORおよびJIMMY THE JUICE MANの商標名の下に販売されている。
【0085】
エアロゾル送達システム内に組み込まれるエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品が許容可能な感覚および望ましい性能特性を提供するような量である。例えば、多くの点でタバコの煙の出現に似ている、目に見える主流エアロゾルを生成するために、十分な量のエアロゾル形成材料(例えば、グリセリンおよび/またはプロピレングリコール)が使用されることが望ましい。エアロゾル生成システム内のエアロゾル前駆体の量は、エアロゾル生成部品当たりの所望の吸煙の数などの要因に応じて決まってもよい。1つ以上の実施形態では、約0.5ml以上、約1ml以上、約2ml以上、約5ml以上または約10ml以上のエアロゾル前駆体組成物が含まれてもよい。
【0086】
本開示のエアロゾル送達システムに組み込まれ得るさらに他の特徴、制御部または構成要素は、参照により本明細書に組み込まれるHarrisらの米国特許第5,967,148号明細書、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Honの米国特許第8,365,742号明細書、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書、DePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Levinらの米国特許第9,427,022号明細書、Tuckerらの米国特許第9,510,623号明細書、Novakらの米国特許第9,609,893号明細書およびSebastianらの米国特許第10,004,259号明細書ならびにKimらの米国特許出願公開第2013/0180553号明細書に記載されている。
【0087】
物品の使用の上記の説明は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして当業者には明らかであり得る軽微な変更を介して、本明細書に記載される様々な実施形態に適用されることができる。ただし、上記の使用の説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に従うために提供される。
図1に示されたか、そうでなければ上記に記載された物品に示された要素はいずれも、本開示によるエアロゾル送達装置に含まれてもよい。
【0088】
1つ以上の実施形態では、本開示は、エアロゾル送達装置の1つ以上の構成要素内でのモノリス材料の使用に関連することができる。本明細書で使用される場合、「モノリス材料」または「モノリス」は、いくつかの実施形態では、接合部または継ぎ目がなく、必ずしも剛性ではないが、実質的に全体が均一であるように形成されるか、構成されるか、作成された単一片とすることができる実質的に単一のユニットを含むことを意味することが意図されている。いくつかの実施形態では、本開示によるモノリスは、等質としてもよく、すなわち単一の材料から形成されてもよいか、焼結された集成体など、恒久的に組み合わされた複数のユニットから形成されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、多孔質モノリスは一体型多孔質モノリスを含んでもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、モノリスの使用は、エアロゾル送達装置の構成要素内での多孔質ガラスモノリスの使用に特に関連することができる。本明細書で使用される場合、「多孔質ガラス」は、三次元相互連結多孔質微細構造を有するガラスを指すことが意図されている。この用語は、ガラス繊維の束(すなわち、織布または不織布)から作製された材料を特に除外することができる。したがって、多孔質ガラスは繊維状ガラスを除外することができる。多孔質ガラスは、定孔ガラス(controlled pore glass)(CPG)とも呼ばれることができ、商品名VYCOR(R)として知られている場合もある。本開示による使用に適した多孔質ガラスは、例えば、ホウケイ酸ガラス中での準安定相分離に続き、ゾル-ゲル法、またはガラス粉末の焼結によって、形成された相のうちの1つを液体抽出(例えば、酸性抽出または酸性およびアルカリ性抽出の組合せ)するなどの既知の方法によって調製されることができる。多孔質ガラスは、特に、90重量%以上、95重量%、96重量%以上、または98重量%以上のシリカを含むような高シリカガラスとすることができる。本開示による使用に好適なることができる多孔質ガラス材料、および多孔質ガラスの調製方法は、Hoodらの米国特許第2,106,744号明細書、Hoodらの米国特許第2,215,039号明細書、Chapmanらの米国特許第3,485,687号明細書、Nakashimaらの米国特許第4,657,875号明細書、Kotaniらの米国特許第9,003,833号明細書、Himanshuの第9,321,675号明細書、Kotaniらの米国特許出願公開第2013/0045853号明細書、Zhangらの米国特許出願公開第2013/0067957号明細書およびTakashimaらの米国特許出願公開第2013/0068725号明細書に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。本明細書では多孔質「ガラス」という用語が使用されてもよい、「ガラス」は様々なシリカ系材料を包含することができるという点で本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0090】
多孔質ガラスは、いくつかの実施形態では、その平均孔径に関して定義され得る。例えば、多孔質ガラスは、約1nm~約1000μm、約2nm~約500μm、約5nm~約200μmまたは約10nm~約100μmの平均孔径を有することができる。特定の実施形態では、本開示に従って使用するための多孔質ガラスは、平均孔径に基づいて区別されることができる。例えば、小孔径の多孔質ガラスは1nmから500nmまでの平均孔径を有することができ、中間孔径の多孔質クラスは500nmから10μmまでの平均孔径を有することができ、大孔径の多孔質ガラスは10μmから1000μmまでの平均孔径を有することができる。いくつかの実施形態では、大孔径の多孔質ガラスは、好ましくは貯蔵要素として有用であり得、小孔径の多孔質ガラスおよび/または中間孔径の多孔質ガラスは、好ましくは輸送要素として有用となることができる。
【0091】
多孔質ガラスはまた、いくつかの実施形態では、その表面積に関して定義されることができる。例えば、多孔質ガラスは、少なくとも100m2/g、少なくとも150m2/g、少なくとも200m2/gまたは少なくとも250m2/g、例えば、約100m2/g~約600m2/g、約150m2/g~約500m2/gまたは約200m2/g~約450m2/gの表面積を有することができる。
【0092】
多孔質ガラスは、いくつかの実施形態では、その多孔度(すなわち、孔を画定する材料の体積分率)に関して定義されることができる。例えば、多孔質ガラスは、少なくとも20体積%、少なくとも25体積%または少なくとも30体積%、例えば、約20体積%~約80体積%、約25体積%~約70体積%または約30体積%~約60体積%の多孔度を有することができる。特定の実施形態では、約5体積%~約50体積%、約10体積%~約40体積%または約15体積%~約30体積%の多孔度など、比較的低い多孔度が望ましい場合がある。
【0093】
多孔質ガラスは、いくつかの実施形態では、その密度に関してさらに定義されることができる。例えば、多孔質ガラスは、0.25g/cm3~約3g/cm3、約0.5g/cm3~約2.5g/cm3または約0.75g/cm3~約2g/cm3の密度を有することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、モノリスの使用は、エアロゾル送達装置の構成要素内での多孔質セラミックモノリスの使用に特に関連することができる。本明細書で使用される場合、「多孔質セラミック」は、三次元相互連結多孔質微細構造を有するセラミック材料を指すことが意図されている。本開示による使用に適した多孔質セラミック材料、および多孔質セラミックの製造方法は、Schwartzwalderらの米国特許第3,090,094号明細書、Frischらの米国特許第3,833,386号明細書、Helferichの米国特許第4,814,300号明細書、Kawakamiの米国特許第5,171,720号明細書、Kunikazuらの米国特許第5,185,110号明細書、Andersonらの米国特許第5,227,342号明細書、Liuらの米国特許第5,645,891号明細書、Niiharaらの米国特許第5,750,449号明細書、Fleischmannらの米国特許第6,753,282号明細書、Otsukaらの米国特許第7,208,108号明細書、Matsunagaらの米国特許第7,537,716号明細書、Hottaらの米国特許第8,609,235号明細書に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。本明細書では多孔質「セラミック」という用語が使用されてもよいが、「セラミック」は様々なアルミナ系材料を包含することができるという点で本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0095】
多孔質セラミックも同様に、いくつかの実施形態では、その平均孔径に関して定義されることができる。例えば、多孔質セラミックは、約1nm~約1000μm、約2nm~約500μm、約5nm~約200μmまたは約10nm~約100μmの平均孔径を有することができる。特定の実施形態では、本開示に従って使用するための多孔質セラミックは、平均孔径に基づいて区別されることができる。例えば、小孔径の多孔質セラミックは1nmから500nmまでの平均孔径を有することができ、中間孔径の多孔質セラミックは500nmから10μmまでの平均孔径を有することができ、大孔径の多孔質セラミックは10μmから1000μmまでの平均孔径を有することができる。いくつかの実施形態では、大孔径の多孔質セラミックは、好ましくは貯蔵要素として有用であり得、小孔径の多孔質セラミックおよび/または中間孔径の多孔質セラミックは、好ましくは輸送要素として有用となることができる。
【0096】
多孔質セラミックはまた、いくつかの実施形態では、その表面積に関して定義されることができる。例えば、多孔質セラミックは、少なくとも100m2/g、少なくとも150m2/g、少なくとも200m2/gまたは少なくとも250m2/g、例えば、約100m2/g~約600m2/g、約150m2/g~約500m2/gまたは約200m2/g~約450m2/gの表面積を有することができる。
【0097】
多孔質セラミックは、いくつかの実施形態では、その多孔度(すなわち、孔を画定する材料の体積分率)に関して定義されることができる。例えば、多孔質セラミックは、少なくとも20体積%、少なくとも25体積%、または少なくとも30体積%、または少なくとも40体積%、例えば、約20体積%~約80体積%、約25体積%~約70体積%、約30体積%~約60体積%、または約40体積%~約50体積%の多孔度を有することができる。特定の実施形態では、約5体積%~約50体積%、約10体積%~約40体積%または約15体積%~約30体積%の多孔度など、比較的低い多孔度が望ましい場合がある。
【0098】
多孔質セラミックは、いくつかの実施形態では、その密度に関してさらに定義されることができる。例えば、多孔質セラミックは、0.1g/cm3~約3g/cm3、約0.5g/cm3~約2.5g/cm3または約0.75g/cm3~約2g/cm3の密度を有することができる。
【0099】
シリカ系材料(例えば、多孔質ガラス)およびアルミナ系材料(例えば、多孔質セラミック)は、本明細書では別個に説明されてもよいが、いくつかの実施形態では、多孔質モノリスが様々なアルミノシリケート材料を含有することができることが理解される。例えば、本開示に従って、様々なゼオライトが利用されてもよい。したがって、例えば、本明細書で説明される多孔質モノリスは、複合材料として提供されることができる多孔質ガラスおよび多孔質セラミックの一方または両方を含んでもよい。一実施形態では、そのような複合材料は、SiO2およびAl2O3を含んでもよい。複合材料の少なくとも一部を形成するための他の好適な材料には、ZnO、ZrO2、CuO、MgOおよび/または他の金属酸化物が含まれる。
【0100】
1つ以上の実施形態では、本開示による多孔質モノリスは、ウィッキング速度に関して特徴付けられることができる。非限定的な例として、既知の液体の質量取り込みを測定することによってウィッキング速度を計算することができ、マイクロバランステンシオメータまたは同様の機器を使用して速度(mg/s)を測定することができる。好ましくは、ウィッキング速度は、実質的に、多孔質モノリスを含むエアロゾル形成物品を用いた吸煙の持続時間に亘って生成される所望の質量のエアロゾルの範囲内にある。ウィッキング速度は、例えば、約0.01mg/s~約20mg/s、約0.1mg/s~約12mg/sまたは約0.5mg/s~約10mg/sの範囲であり得る。ウィッキング速度は、吸い上げられる液体に応じて異なるものとすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のウィッキング速度は、実質的に純粋な水、実質的に純粋なグリセリン、実質的に純粋なプロピレングリコール、水とグリセリンとの混合物、水とプロピレングリコールとの混合物、グリセリンとプロピレングリコールとの混合物、または水、グリセリンおよびプロピレングリコールの混合物を基準とすることができる。また、ウィッキング速度は、多孔質モノリスの使用に応じて異なるものとすることができる。例えば、液体輸送要素として使用される多孔質モノリスは、リザーバとして使用される多孔質モノリスよりも大きいウィッキング速度を有してもよい。孔径、孔径分布および濡れ性のうち1つ以上を制御することによって、ならびに吸い上げられる材料の組成によって、ウィッキング速度が異なるものとしてよい。
【0101】
上述のように、エアロゾル送達装置のいくつかの既存の実施形態は、繊維状材料を具備する液体輸送要素および/またはリザーバを備える。ただし、繊維状材料は、ある種の不利益を被る可能性がある。この点に関して、加熱要素が液体輸送要素に近接して配置されることを考慮すると、繊維状液体輸送要素に焦げ付きが生じる可能性があり、これにより、生成されたエアロゾルの香味および/または液体輸送要素の構造的完全性に悪影響が及ぼされる可能性がある。構成要素の相対位置に応じて、繊維状リザーバでも焦げ付きが生じる可能性がある。
【0102】
さらに、繊維状材料は一般に比較的弱く、落下事象の繰り返しまたは他の深刻な事故の間に起こり得るような応力を受けた際に引裂きまたは他の故障を起こしやすい場合がある。さらに、空気流路内に繊維状材料を使用すると、緩んだ繊維が存在しないことを確実にするという点で、組立中に課題が生じる可能性がある。繊維状材料の柔軟な性質のために、液体輸送要素およびリザーバを所望の形状に形成し、保持することも困難となる可能性がある。
【0103】
したがって、流体輸送要素として剛性モノリスを使用することは、加熱の均一性を改善し、不均一な加熱が発生した場合の流体輸送要素の炭化の可能性を低減するのに有益である。さらに、裂けない可能性がある多孔質ガラスまたは多孔質セラミックなど、繊維状材料と比較して比較的耐久性が高い材料が選択されてもよい。さらに、そのような材料は焦げ付きにくい。さらに、多孔質モノリス中に繊維が存在しないことは、それを通して画定される空気流路中の繊維の移動に関する問題を排除する。
【0104】
このような利点にもかかわらず、モノリスは、流体輸送要素としての実装を成功させるための特定の課題も提示する。そのような課題は、繊維状ウィックと比較して、モノリス(例えば、多孔質セラミック)の異なる材料特性に一部起因する。例えば、アルミナは、シリカよりも高い熱伝導率および高い熱容量の両方を有する。これらの熱特性により、ウィックとヒータとの界面でエアロゾル前駆体組成物から熱が奪われるため、同等の流体気化を実現するには、比較的高い初期エネルギー出力が必要になる場合がある。本開示は、そのような困難を克服する手段を実現する。
【0105】
多孔質モノリスを使用するいくつかの実施形態では、多孔質モノリスを使用する場合の気化に必要なエネルギーを最小限に抑えることができ、多孔質モノリス流体輸送要素の表面の熱流束密度(ワット毎平方メートル(W/m2)単位で測定)を増加させることによって気化応答時間を改善することができる。本開示は、特に、熱流束密度のそのような増加を提供するのに適した実施形態を説明する。
【0106】
いくつかの実施形態では、液体輸送要素(すなわち、ウィックまたはウィッキング要素)は、セラミック材料、特に多孔質セラミックから部分的または完全に形成されることができる。本開示の実施形態による使用に適した例示的なセラミック材料は、例えば、LaMotheの米国特許出願公開第2014/0123989号明細書および、Davisらの米国特許出願公開第2017/0188626号明細書に記載されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。多孔質セラミックは、実質的に中実のウィック(すなわち、当技術分野で公知の個々の繊維の束ではなく、単一のモノリス材料である)を形成することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、セラミックウィックの使用により許容され得る加熱温度の上昇から生じるか、加熱面の増大(例えば、セラミックウィックの周りに巻き付けられた抵抗加熱ワイヤのコイルの数の増大)から生じるなど、気化を増加させるように加熱要素が構成されることができる。加熱要素は、液体輸送要素と組み合わさって噴霧器を形成することができる。
【0108】
図2は、別の一般的な実施形態による蒸気形成ユニット204(例えば、カートリッジ)を示し、蒸気形成ユニット204は、外壁205によって少なくとも部分的に形成されるハウジング203を備えることができる。蒸気形成ユニット204は、ハウジング203のコネクタ端部243に配置されることができるコネクタ240をさらに備えることができる。マウスピース227は、ハウジング203の吸い口端230に配置されることができる。
【0109】
蒸気形成ユニット204の内部構造は、
図3から明らかである。特に、フローチューブ245は、ハウジング203の外壁205の内部に配置される。フローチューブ245は、金属、ポリマー、セラミック組成物などの任意の好適な材料から形成されることができる。フローチューブ245は、好ましくは、ヒータに近接して達成された温度下で劣化しない、したがって熱安定である材料から形成される。フローチューブ245とハウジング203の外壁205との配置は、それらの間に環状空間247を画定することができる。環状空間247は、エアロゾル前駆体組成物のためのリザーバとして効果的に機能することができる。環状空間247は、エアロゾル前駆体組成物以外に、他の材料が実質的に存在しないようにすることができる。ただし、いくつかの実施形態では、エアロゾル前駆体組成物の少なくとも一部を収着的に保持することが望まれる場合、繊維状材料が環状空間247に含まれてもよい。空気流路257は、蒸気形成ユニット204を通って存在することができ、特に、ハウジング203のコネクタ端部243とハウジング203の吸い口端230との間に存在することができる。空気流路257は、少なくとも部分的にフローチューブ245を貫通する。ただし、空気流路257はまた、マウスピース227の内部チャネル228および/またはコネクタ240を通るなど、装置の追加の要素を貫通することができる。本開示による使用に適したコネクタおよびそれを通る空気流路は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,839,238号明細書に記載されている。
【0110】
図3の蒸気形成ユニット204は、噴霧器または噴霧器ユニットとして集合的に特徴付けられ得るヒータ234およびウィック236をさらに含むことができる。ヒータ234およびウィック236は、フローチューブ245と相互作用し、その結果、環状空間247内のエアロゾル前駆体組成物がウィックを介してヒータに輸送され、そこで、フローチューブ内、またはフローチューブと流体連通している(例えば、フローチューブの端部に直接隣接している)空間内でエアロゾル前駆体組成物が気化される。したがって、ウィック236の少なくとも一部は空気流路257内にあり、ウィックの少なくとも一部は環状空間247と流体連通している。ウィック236とフローチューブ245との間の相互作用は、環状空間247からのエアロゾル前駆体組成物が、ウィック自体の貫通以外に開口部を通過するのを実質的に防止されるような方法で、フローチューブに形成された開口部246をウィックが貫通することができるという点で、封止的な係合として特徴付けられることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、封止的な係合は、ウィック236とフローチューブ247との間に配置されることができる封止部材248を使用することによって容易にされてもよい。封止部材248は、様々な方法でウィック236およびフローチューブ245と係合することができ、単一の封止部材のみまたは複数の封止部材が利用されることができる。ウィック236、フローチューブ245、封止部材248およびコネクタ240の配置が
図3に示されている。図示される実施形態では、ウィック236は、フローチューブ245とコネクタ240との間に本質的に配置される。フローチューブ245の開口部246は、フローチューブ壁の端部の切欠きの形態である。対応する切欠きは、コネクタ240に形成されてもよい。ウィック236は、フローチューブ245の片側または両側上の切欠きを貫通し、封止部材246は、ウィックの外面とフローチューブの切欠きの内面(および場合によりコネクタ)との間の任意の空間を満たす。図示されるように、封止部材246はまた、フローチューブ245の端部とコネクタ240との間の封止部材として機能して、2つの要素の接続を効果的に封止する。言い換えれば、フローチューブ245は、マウスピース227とコネクタ240との間に全体に延在することができる。封止部材248は、シリコーン、ゴムまたは他の弾性材などの任意の好適なシーラントから形成されてもよい。
【0112】
フローチューブ245は、1つ以上のベントまたはベント開口部251によって形成されることができるベントを含むことができる。ベント251は、液体が環状空間から枯渇した際に、環状空間247内の圧力を均等化するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、ベント251は、ベントカバー252を含むことができる。ベントカバー252は、微孔質材料から形成されることができる。好ましくは、ベントカバー252は、液体がそれを通過するのを実質的に防止しながら、気体(例えば、空気)がそれを通過するのを可能にするのに効果的である。ベントは、フローチューブ245に沿った様々な位置に配置されてもよく、特に、フローチューブとマウスピース227との間の相互接続の近傍に設けられることができる。したがって、フローチューブ245は、フローチューブの第1の端部でマウスピース227に係合または隣接することができ、フローチューブの第2の端部でコネクタ240に係合または隣接することができる。
【0113】
1つ以上の実施形態では、ヒータ234は、ウィック236の外面の周りにコイル状に巻かれるか、他の方法で配置されることができる加熱要素の形態とすることができる。加熱要素は、ワイヤまたは導電性メッシュとすることができる。加熱要素は、電源源と直接電気通信している際に電気抵抗によって熱を生成するように構成されることができる。あるいは、加熱要素は、加熱要素の場における交流磁流(alternating magnetic current)の結果として加熱要素内に渦電流が生成されるため、誘導加熱プロセスを通じて熱を生成してもよい。いずれの場合も、蒸気は、ウィック236の外側の周りに形成されて、ウィックおよびヒータ234を通過して空気流路257に入る空気によって吹き飛ばされる。ウィック236は、具体的には、ハウジング203の長手方向軸線に実質的に垂直な長手方向軸線を有することができる。いくつかの実施形態では、ウィック236は、第1のウィック端部236aと第2のウィック端部236bとの間でフローチューブ245を横切って横方向に延在することができる。さらに、封止部材248は、第1のウィック端部236aおよび第2のウィック端部236bに近接してウィック236と封止的に係合することができる。第1および第2のウィック端部(236a、236b)は、封止部材248を越えて延在することができるか、環状空間247内のエアロゾル前駆体組成物がウィック端部との流体接続を達成することができる限り、封止部材と実質的に同一面に位置することができる。
【0114】
図示される例では、電気端子(234a、234b)が、ヒータ234と電気接続することができ、電源との電気接続を容易にするためにコネクタ240を貫通することができる。プリント回路基板(PCB)250などが、蒸気形成ユニット204に含まれ得、特にコネクタ240内に配置されて、環状空間247内の液体およびフローチューブ245内の蒸気(および存在し得る凝縮液)から電子部品を効果的に隔離してもよい。PCB250は、蒸気形成ユニットに制御機能を提供することができ、および/または蒸気形成ユニットが接続されることができる別の本体内設けることができるコントローラ(
図1の要素106を参照)から情報を送受信することができる。
【0115】
図4は、
図1のカートリッジ104または
図2の蒸気形成ユニット204のいずれかに使用するのに適した液体輸送要素336(例えば、ウィッキング要素またはウィック)の例示的な実施形態を示す。ただし、本明細書に記載の液体輸送要素は、任意の数のエアロゾル形成装置に使用するのに適しており、特に、気化のためのヒータに、液体、特に粘性液体、例えば、本明細書に記載のエアロゾル前駆体組成物を輸送することが望ましい任意の装置に利用されてもよいことが理解される。液体輸送要素336は、上記のように多孔質ガラスまたは多孔質セラミックから形成された多孔質モノリスなどの剛性モノリス360を具備してもよい。剛性モノリス360の少なくとも一部は、長手方向軸線Lを有する円筒として実質的に構成されてもよい。剛性モノリス360は、外面362を含む。
【0116】
一実施形態では、剛性モノリス360は、長手方向軸線Lと実質的に平行に延在する1つ以上の内腔364を含んでもよい。1つ以上の内腔364は、剛性モノリス360を実質的に中空としてもよい。モノリス360が、ウィッキングを補助するために多孔度がほとんどまたは全く無い材料から作製されている場合、中空構成を提供することが特に有益となることができる。一実施形態では、外面362と内腔364によって画定される内面との間のモノリス360の壁厚は、約0.1mm~約4mmまたは約1mm~約2mmの範囲としてもよい。好適となることができる剛性モノリス360の他の例示的な寸法には、外面362によって画定される約1mm~約8mmまたは約2mm~約4mmの外径が含まれる。内腔364によって画定される内径は、約0.1mm~約5mmまたは約0.5mm~約2mmの範囲としてもよい。剛性モノリス360は、円筒形の本体に限定されない。一例では、ヒータ134、234によって囲まれる剛性モノリス360の長さは、約2mm~約20mmまたは約3mm~約8mmとしてもよい。
【0117】
一実施形態では、
図1および
図3に示すように、ヒータ134、234は、剛性モノリス360の外面362の周りに少なくとも部分的に巻き付けられ、好ましくは接触するように構成される。一実施形態では、ヒータ134、234は、外面362、またはモノリス360の他の部分と一体的に形成されてもよい。
図4に戻ると、外面362は、少なくとも1つの表面不連続部366を含むように形成されるか、そうでなければ加工される。表面不連続部366は、液体輸送要素336の外面362をエッチングすることによって形成されてもよい。表面不連続部366は、穿孔または他の機械加工プロセスを含め、当技術分野で公知の他のプロセスを介して、剛性モノリス360を形成した後に設けられることができる。あるいは、表面不連続部366は、鋳造、射出成形、打刻、押圧、押出しもしくは積層造形などの製造プロセス、またはガラスおよびセラミックなどの剛性材料を用いて複雑な形状を作成するのに特に有用となるような他のプロセスを介して、剛性モノリス360を形成している間に作成されることができる。剛性モノリスは、使用前に焼結プロセスに供されてもよい。
【0118】
表面不連続部366は、気化の増加を促進するために、液体輸送要素336の外面362に設けられてもよい。気化の改善は、ヒータによって生成された熱をさらに効率的に使用するように液体輸送要素336を設計することを含め、様々な要因から生じることができる。液体輸送要素336はまた、液体輸送要素のウィッキング効率を高めることによって、気化を改善することができる。以下に説明される表面不連続部362とは、ヒータと適切に係合するために、以下に説明される所定の間隔および深さを有する所定のパターンに従って作成される意図的な表面特徴である。
【0119】
図4の図示される例では、液体輸送要素336の表面不連続部366は、少なくとも剛性モノリス360の円筒部の長手方向軸線Lの周りに螺旋状パターンで形成された螺旋溝370の形態で設けられる。螺旋溝370は、ヒータ134、234のワイヤを収容するためのチャネルを作成するために設けられることができる。溝370は、形状が実質的に円形としてもよい、三角形、正方形、長方形、楕円形または長円形などの他の形状も使用されてもよい。溝の床が円の一部を形成する場合、溝370の直径D、またはセグメントの曲率半径は、ヒータに使用されるワイヤの直径に基づいて選択されてもよい。その結果、ワイヤは、溝370内にぴったりとはまるように意図されてもよい。溝370は、ワイヤを剛性モノリス360に効果的に部分的に埋め込んで、ワイヤと液体輸送要素336との間の接触表面積を増加させ、それにより、液体輸送要素内のエアロゾル前駆体組成物を気化させるのに有用な、ヒータからの熱量を増加させることを可能にすることができる。
【0120】
溝370はまた、ヒータ134、234のワイヤが液体輸送要素336上に巻かれている際にヒータ134、234のワイヤの配置を制御して、製造および/または組立プロセス中に正確で再現性のある結果をもたらすのに役立つ。
【0121】
図4では、螺旋溝370は、一定のピッチPを有するように示されている。ピッチPは、剛性モノリス360の円周の周りの溝370の1つの完全な回転(例えば、巻き)の長手方向軸線Lに沿った幅に対応する。
図5の別の実施形態は、可変ピッチを有する螺旋溝470を有する液体輸送要素436の例示的な実施形態を示している。螺旋溝470のピッチを変化させると、液体輸送要素436の様々な領域または部分に接触または隣接するワイヤの集中度または量が変化し、ひいては、長手方向軸線Lに沿った様々な領域で、液体輸送要素436の部分に対する熱の集中度を制御するための技術が提供される。
【0122】
図5に示すように、液体輸送要素436は、第1の端部472aおよび第2の端部472b(総称して「端部472」)を含んでもよい。さらに、液体輸送要素436は、第1の接触部474aおよび第2の接触部474b(総称して「接触部474」)と、加熱部478とを含んでもよい。接触部474は、端部472の間に配置され得、加熱部478は、接触部の間に配置されてもよい。
【0123】
溝470は、剛性モノリス460の長手方向の長さに沿って変化するピッチを画定してもよい。接触部474内の溝470は、第1のピッチP1を画定してもよく、加熱部478内の溝は、第2のピッチP2を画定してもよく、端部472内の溝は、第3のピッチP3を画定してもよい。
【0124】
必須ではないが、いくつかの実施形態では、第1の端部472aの第3のピッチP3は、第2の端部472bのピッチに実質的に等しくてもよい。同様に、必須ではないが、第1の接触部474aの第1のピッチP1は、第2の接触部474bのピッチに実質的に等しくてもよい。さらに、端部472と接触部474との間、および接触部と加熱部478との間の移行が、溝470のピッチを個々の部分の長さに亘って変化させ得ることに留意されたい。この点に関して、本明細書で使用される場合、液体輸送要素436の特定の部分の溝470のピッチとは、一般に、参照される部分の長さに亘る溝の平均ピッチを指す。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1のピッチP1は、第3のピッチP3よりも小さくてよく、第2のピッチP2は、第3のピッチよりも小さく、第1のピッチよりも大きくてよい。以下に説明するように、接触部474、加熱部478および端部472のピッチP1、P2、P3のこの構成は、噴霧器の機能性およびコストに関して、溝470内に配置されたヒータワイヤから生じる特定の利点をもたらすことができる。
【0126】
一実施形態では、接触部474の第1のピッチP1は、溝470の直径に実質的に等しくてもよい。このピッチは、溝の巻付けが実質的に互いに直接隣接している構成に対応する。以下に説明するように、この構成は特定の利点を有することができる。ただし、他の実施形態では、溝のピッチの他の様々な実施形態が使用されてもよい。
【0127】
一実施形態では、第2のピッチP2と第1のピッチP1との比は、約2から8対1としてもよく、一実施形態では、約4対1としてもよい。第3のピッチP3と第1のピッチP1との比は、約8から32対1としてもよく、一実施形態では、約16対1としてもよい。第3のピッチP3と第2のピッチP2との比は、約1から16対1としてもよく、一実施形態では、約4対1としてもよい。
【0128】
ワイヤが液体輸送要素の長手方向の長さに沿って連続的に延在し、溝470内に存在するように、液体輸送要素436にヒータ134、234のワイヤを連結することによって、結果として得られる噴霧器が、ワイヤおよび液体輸送要素を画定する材料の長さの範囲まで連続的に製造されてもよい。
【0129】
一実施形態では、接触部474は、溝470の約3つから約5つの巻付けを含んでもよい。さらに、接触部474に比較的小さい第1のピッチP1を設けると、接触部とヒータ端子との間の電気接続を確立することがさらに容易となることができる。
【0130】
端部472の第3のピッチP3は、気化を引き起こすために液体輸送要素436の端部472内のエアロゾル前駆体に十分な熱エネルギーを提供するという主な目的を伴わず、予熱器として機能するように比較的大きくてよい。他方、接続部474から溝470を外向きに延在させると、液体輸送要素436の全長に沿って連続溝470を設け、複数の液体輸送要素を同時に製造し、剛性モノリス460が完成した後、複数の液体輸送要素を好適なセクションに分割し得ることを可能にすることによって、液体輸送要素436が製造できる効率が改善されることが可能になる。
【0131】
液体輸送要素436の加熱部478は、エアロゾル前駆体を気化させることを主に担う領域である。したがって、加熱部478内で所望の量の熱を生成することが重要である。加熱部478に利用可能な熱量は、第2のピッチP2を調整することによって制御されることができる。この点に関して、加熱部478内の溝470の第2のピッチP2は、端部セクション472内の第3のピッチP3よりも比較的小さいが、接触部474内の溝の第1のピッチP1よりも大きくてよい。溝470の巻きが加熱部478内で離れすぎないことを確実にすることによって、液体輸送要素436は、エアロゾル蒸気を生成するのに十分な量に加熱されてもよい。さらに、加熱部478内の巻線間に間隙を設けることによって、気化されたエアロゾルが、液体輸送要素436から漏れることが可能になることが可能でる。加熱部478内の巻線の数は、いくつかの実施形態では、約4~約9としてもよい。
【0132】
図6および
図7は、本開示の追加の実施形態による同様の液体輸送要素536、636を示す。液体輸送要素536、636は、エアロゾル前駆体の流量を制御することによって、気化効率を高めることができる。各液体輸送要素536、636は、上記のように多孔質ガラスまたは多孔質セラミックから形成された多孔質モノリスなどの剛性モノリス560、660を備えてもよい。剛性モノリス560、660の少なくとも一部は、長手方向軸線Lを有する円筒として実質的に構成されてもよい。剛性モノリス560、660は、外面562、662を含むことができる。剛性モノリス560、660は、長手方向軸線Lと実質的に平行に延在する1つ以上の内腔564、664を含んでもよい。1つ以上の内腔564、664は、剛性モノリス560、660を実質的に中空としてもよい。
【0133】
一実施形態では、
図1および
図3に示すように、ヒータ134、234は、剛性モノリス560、660の外面562、662の周りに少なくとも部分的に巻き付けられるように構成される。
図6および
図7に戻ると、外面562、662は、少なくとも1つの表面不連続部566、666を含むように形成されるか、そうでなければ加工される。
【0134】
図6および
図7の図示された実施形態では、表面不連続部566、666は、少なくとも1つの開口部582、682から少なくとも1つの孔部584、684を備える。孔部584、684は、長手方向軸線Lに対して半径方向に延在する。孔部584、684は、モノリス560、660の直径を全体に横切って延在し得る。あるいは、孔部584、684は、外面562、662から、存在する場合、長手方向軸線Lに沿って延在する1つ以上の内腔と連通するように延在してもよい。さらに、孔部584、684は、閉鎖された半径方向内側端部をもたらすように、外面562、662からモノリス560、660内に部分的にのみ延在する有底穴であってよい。他の実施形態では、特に積層造形が使用される場合、孔部584、684は、内腔564、664から外面562、662に向かうが、外面562、662に到達しないように、長手方向軸線に対して半径方向外向きに延在してもよい。孔部584、684の軸線は、半径方向に限定されず、長手方向軸線と約30度~約90度の角度を形成してもよい。
【0135】
孔部584、684はそれぞれ同じ直径を有してもよく、または孔部の直径は変化させてもよい。孔部の直径は、約50ミクロン~約2000ミクロンまたは約150ミクロン~約350ミクロンの範囲としてもよい。いくつかの実施形態では、孔部584、684の寸法は、加熱要素に使用されるワイヤの直径の影響を受ける。図示される実施形態では、複数の孔部584、684が、長手方向軸線Lに沿って、長手方向軸線の周りに配列されている。一実施形態では、配列の列は、長手方向軸線Lに沿って延在し、1つの列内の孔部584、684は、隣接する列内の孔部に対して互い違いに配置される。他の実施形態では、各列内の孔部は整列される。一実施形態では、孔部584、684の寸法および量は、孔部開口部面積と外表面積との約1%~約25%の比を作り出すように選択されてもよい。この範囲は、剛性モノリスの内面から外面への液体放出速度のために選択される。目的は、エアロゾル前駆体の炭化、または不完全なエアロゾル化を減少させることを追求しながら、加熱要素から利用可能になる熱エネルギーの関数としてエアロゾル生成を均衡化させることである。いくつかの実施形態では、孔部584、684の量、寸法または配置は、加熱要素のワイヤの巻付けのピッチまたは数と併せて選択されてもよい。
【0136】
図8は、本開示の追加の実施形態による液体輸送要素736を示す。液体輸送要素736は、上記のように多孔質ガラスまたは多孔質セラミックから形成された多孔質モノリスなどの剛性モノリス760を含んでもよい。液体輸送要素736は、長手方向軸線L(例えば、主軸線)を有するが、液体輸送要素は、円筒形ではなく実質的に平坦であるため、前述の実施形態とは異なる。剛性モノリス760は、外面762、例えば、板状の本体の実質的に平面の主面を含むことができる。剛性モノリス760は、長手方向軸線Lと実質的に平行または垂直に延在する1つ以上の内腔(図示せず)を含んでもよい。内腔は、主面と略平行としてもよい。
【0137】
剛性モノリス760の外面762は、少なくとも1つの表面不連続部766を含むように形成されるか、そうでなければ加工される。表面不連続部766は、液体輸送要素736の加熱効率を高めるために表面不連続部内に配置されることができる加熱ワイヤなどのヒータ134、234(
図1および
図3)と係合するように設けられることができる。
【0138】
図8の図示される実施形態では、表面不連続部766は、外面762に沿って経路を切断する少なくとも1つの連続溝784を備える。各溝782は連続的となることができるようにするため、溝に関連する加熱ワイヤなどのヒータは、依然として電源に両端を動作可能かつ電気的に接続することができる。少なくとも1つの連続溝784によって外面762に沿って形成されたパターンは、いずれもヒータから液体輸送要素736に伝達される熱の量および分布を制御することを目的として設計されてもよい。例えば、少なくとも1つの連続溝784によって画定されるパターンは、蛇行パターンとしてもよい。連続溝784のセグメントの密度、外面762上の連続溝の表面被覆率、および隣接するセグメント間の間隔はいずれも制御されることができる。連続溝784は、螺旋溝470(
図5)に関する上記の説明に基づいて設計され得、パターンは、モノリス760の外面762の様々な部分で可変である。
【0139】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。