(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】時間依存及びベストエフォートのデータパケットのためのメディアアクセス、並びに関連するシステム、方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
H04L 12/40 20060101AFI20240423BHJP
H04L 12/407 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H04L12/40 B
H04L12/407
(21)【出願番号】P 2021565014
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(86)【国際出願番号】 US2019059908
(87)【国際公開番号】W WO2020226685
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-11-04
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397050741
【氏名又は名称】マイクロチップ テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】MICROCHIP TECHNOLOGY INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】レンシュラー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】アイヤー、ヴェンカトラマン
【審査官】和平 悠希
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07283551(US,B1)
【文献】特開2013-179715(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0280580(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、
ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、
前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含み、
前記送信タイムスロットシグナリングを前記実行するステップは、前記ネットワークセグメントの前記物理層と前記リンク層との間のキャリア検知シグナリングをチューニングすることを含む
、方法。
【請求項2】
前記キャリア検知シグナリングを前記チューニングすることは、
エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及び/又はデアサートすることを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、
ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、
前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含み、
前記スケジュールされたタイムスロットに関連付けられたイベントを受信するステップと、
前記イベントに応答して、前記スケジュールされたタイムスロットを検出するステップと、を更に含む
、方法。
【請求項4】
イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、
ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、
前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含み、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの前記共有バスへの前記データ送信を前記実行するステップは、
前記ネットワークセグメントの前記リンク層から送信データを受信することと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記送信データを前記共有バスに提供することと、を含む
、方法。
【請求項5】
イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、
ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、
前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含み、
共有タイムスロットに関連付けられたイベントを受信するステップと、
前記共有タイムスロットが獲得されるべきであると判定するステップと、を更に含む
、方法。
【請求項6】
前記データ送信を実行した後、複数回の後続のバスサイクルにわたって前記共有タイムスロットを放棄するステップを更に含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記スケジュールされたタイムスロットが獲得されるべきであると前記判定するステップは、
タイムスロットを最後に獲得してからのバスサイクル数をカウントすることと、
前記カウントされたバスサイクル数がスレッショルドを満たすことを判定することと、を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、
ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、
前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含み、
前記データ送信を実行した後、複数回のバスサイクルにわたって共有タイムスロットを放棄することを開始するステップを更に含む
、方法。
【請求項9】
放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを検出するステップと、
前記共有タイムスロットを前記放棄することを前記複数回のバスサイクルより前に終了するステップと、を含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記タイムスロットを前記放棄することを前記複数回のバスサイクルより前に前記終了するステップは、予め指定された優先度に従って放棄カウントをリセットすることを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを前記検出するステップは、
前記放棄されたタイムスロット中に前記共有バスにおけるキャリアアクティビティがないことを観測することを含む、請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、
ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、
前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、
前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含み、
プレシジョンタイムプロトコルを使用して、ローカルクロックをマスタークロックに同期させるステップと、
同期されたローカルクロックを使用して、タイムスロットのスケジュールに関連付けられたイベントを生成するステップと、を更に含む
、方法。
【請求項13】
物理層デバイスであって、
バスサイクルのスケジュールされたタイムスロットに応答してリンク層への送信タイムスロットシグナリングを実行するように構成されたタイムスロットシグナリング回路と、
送信回路であって、前記送信回路は、
リンク層から送信データを受信し、
前記スケジュールされたタイムスロットのタイムスロット中に前記送信データを共有バスに移動させるように構成されている、送信回路と、を含み、
前記タイムスロットシグナリング回路は、
優先論理であって、前記タイムスロットが獲得されるべきであると判定するように構成されている、優先論理と、
チューニング回路であって、前記優先論理に応答して、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及び/又はデアサートするように構成されている、チューニング回路と、を含む
、物理層デバイス。
【請求項14】
前記優先論理は、タイムスロットに関連付けられたイベントに応答して、前記タイムスロットが獲得されるべきであると判定するように構成されている、請求項
13に記載の物理層デバイス。
【請求項15】
前記優先論理は、
前記タイムスロットを最後に獲得してからのバスサイクル数をカウントし、
カウントされたバスサイクル数がスレッショルドを満たすことを判定することによって、前記タイムスロットが獲得されるべきであると判定するように構成されている、請求項
13に記載の物理層デバイス。
【請求項16】
前記優先論理は、
放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを検出し、
前記タイムスロットを前記放棄することを複数回のバスサイクルより前に終了するように構成されている、請求項
15に記載の物理層デバイス。
【請求項17】
前記タイムスロットを前記放棄することを前記複数回のバスサイクルより前に終了することは、予め指定された優先度に従って放棄カウントをリセットすることを含む、請求項
16に記載の物理層デバイス。
【請求項18】
前記タイムスロットシグナリング回路は、前記送信回路が前記共有バスにアクセスした後の複数回のバスサイクルにわたって前記タイムスロット中に前記送信タイムスロットシグナリングをデアサートするように構成されている、請求項
14に記載の物理層デバイス。
【請求項19】
物理層デバイスであって、
バスサイクルのスケジュールされたタイムスロットに応答してリンク層への送信タイムスロットシグナリングを実行するように構成されたタイムスロットシグナリング回路と、
送信回路であって、前記送信回路は、
リンク層から送信データを受信し、
前記スケジュールされたタイムスロットのタイムスロット中に前記送信データを共有バスに移動させるように構成されている、送信回路と、を含み、
共有バスにおけるキャリアアクティビティを示すキャリアアクティビティシグナリングを提供するように構成された検知回路を更に含む
、物理層デバイス。
【請求項20】
前記タイムスロットシグナリング回路は、放棄されたタイムスロット中に前記キャリアアクティビティシグナリングがキャリアアクティビティを示していることに応答して、タイムスロットのシグナリングを抑制するように構成されている、請求項
19に記載の物理層デバイス。
【請求項21】
前記タイムスロットシグナリング回路は、放棄されたたタイムスロット中に前記キャリアアクティビティシグナリングが、前記共有バスにおけるキャリアアクティビティがないことを示していることに応答して、前記放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを検出するように構成されている、請求項
19に記載の物理層デバイス。
【請求項22】
物理層デバイスであって、
バスサイクルのスケジュールされたタイムスロットに応答してリンク層への送信タイムスロットシグナリングを実行するように構成されたタイムスロットシグナリング回路と、
送信回路であって、前記送信回路は、
リンク層から送信データを受信し、
前記スケジュールされたタイムスロットのタイムスロット中に前記送信データを共有バスに移動させるように構成されている、送信回路と、を含み、
受信回路であって、前記共有バスから前記リンク層に向かって受信データを移動させるように構成されている、受信回路を更に含み、
前記タイムスロットシグナリング回路は、前記タイムスロット中に前記受信回路によって受信データが移動させられていることを検出することに応答して、タイムスロットのシグナリングを抑制するように構成されている
、物理層デバイス。
【請求項23】
ネットワークセグメントにおけるトラフィックシェーピングを実行するためのシステムであって、
前記システムのリンク層側にあるスケジューラであって、同期されたローカルクロックに応答して、スケジュールされたタイムスロットを示すイベントを生成するように構成されている、スケジューラと、
前記システムの前記リンク層側にあるメディアアクセス制御ユニットであって、送信データを提供するように構成されている、メディアアクセス制御ユニットと、
前記システムの物理層側にあるタイムスロットシグナリング回路であって、前記生成されたイベントに応答して、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及びデアサートすることによって、前記メディアアクセス制御ユニットのための送信タイムスロットを作成するように構成されている、タイムスロットシグナリング回路と、を備える、システム。
【請求項24】
前記システムの前記リンク層側と前記システムの前記物理層側との間に配置されたインターフェースを更に備える、請求項
23に記載のシステム。
【請求項25】
前記タイムスロットシグナリング回路を前記スケジューラに動作可能に結合するイベント経路は、前記システムの前記リンク層側と前記物理層側との間のインターフェースを含む、請求項
24に記載のシステム。
【請求項26】
前記タイムスロットシグナリング回路を前記スケジューラに動作可能に結合するイベント経路は、前記システムの前記リンク層側と前記物理層側との間のインターフェースを含まない、請求項
23に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年5月3日に「10spe Media Access for Time Sensitive and Best Efforts Data Packets,and Related Systems,Methods and Devices」として出願された米国特許仮出願第62/842,887号の出願日の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、シングルペアイーサネットネットワークに関し、より具体的には、いくつかの実施形態は、ベストエフォートトラフィック及び時間依存トラフィックをサポートするシングルペアイーサネットネットワークでのメディアアクセスのためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
相互接続は、ネットワークのデバイス間の通信を容易にするために広く使用されている。一般的に言えば、電気信号は、物理メディア(例えば、バス、同軸ケーブル、又はツイストペア-一般には、単に「回線」と称される)上で、その物理メディアに結合されたデバイスによって送信される。
【0004】
開放型システム間相互接続モデル(OSIモデル)によれば、イーサネットベースのコンピュータネットワーキング技術は、ベースバンド伝送(すなわち、電気信号は離散的な電気パルスである)を使用して、ネットワークデバイス間で通信されるデータパケット及び究極的にはメッセージを伝送する。OSIモデルによれば、回線のアナログドメインと、パケットシグナリングに従って動作するデータリンク層(本明細書では単に「リンク層」とも称される)のデジタルドメインとの間のインターフェースをとるために、物理層(PHY)デバイス又はコントローラと呼ばれる特殊回路が使用される。データリンク層は1つ以上の副層を含み得るが、イーサネットベースのコンピュータネットワーキングにおいて、データリンク層は、典型的には、物理層の制御抽象化を提供する少なくともメディアアクセス制御(MAC)層を含む。一例として、ネットワーク上の別のデバイスにデータを送信するとき、MACコントローラは、物理メディアのためのフレームを準備し、誤り訂正要素を追加し、衝突回避を実施してもよい。更に、別のデバイスからデータを受信するとき、MACコントローラは、受信したデータの完全性を確保し、より高い層のフレームを準備してもよい。
【0005】
物理層及びリンク層を実装する(並びに、限定することなく、他の層を含み得る)様々なネットワークトポロジーが存在する。1990年代初め頃から存在する、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(PCI)規格及びパラレルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(パラレルATA)は、マルチドロップバストポロジーを実装することができる。2000年代初め頃からの傾向は、ポイントツーポイントバストポロジーを使用するようになってきており、例えば、PCIエクスプレス規格及びシリアルATA(SATA)規格は、ポイントツーポイントトポロジーを実装する。
【0006】
典型的なポイントツーポイントバストポロジーは、各デバイス間の回線(例えば、専用ポイントツーポイント)又はデバイスとスイッチとの間の回線(例えば、限定することなく、スイッチドポイントツーポイント)を実装することができる。マルチドロップトポロジーでは、物理メディアは共有バスであり、各ネットワークデバイスは、例えば、物理メディアの種類(例えば、限定することなく、同軸又はツイストペア)に基づいて選択される回路を介して共有バスに結合される。
【0007】
専用ポイントツーポイントトポロジー又はスイッチドポイントツーポイントトポロジーなどのポイントツーポイントバストポロジーは、デバイス間のリンク数が多くなることに部分的に起因して、マルチドロップトポロジーよりも多くのワイヤ及びより高価な材料を必要とする。自動車などの特定の用途では、デバイスを直接接続することを困難にする物理的な制約が存在することがあり、したがって、ネットワーク又はサブネットワーク内において直接接続を必要としない、又は同数の直接接続を必要としないトポロジー(例えば、限定することなく、マルチドロップトポロジー)は、そのような制約の影響を受けにくい場合がある。
【0008】
ベースバンドネットワーク(例えば、限定することなく、マルチドロップネットワーク)上にあるデバイスは、同じ物理伝送メディア(例えば、共有バス)を共有し、典型的には、送信のためにそのメディアの帯域幅全体を使用する(換言すれば、ベースバンド伝送で使用されるデジタル信号は、メディアの帯域幅全体を占有する)。結果として、所与の瞬間に送信することができるのは、ベースバンドネットワーク上の1つのデバイスのみである。そのため、メディアアクセス制御方法が、共有バスに対する競合を処理するために使用される。
【0009】
本開示は、特定の実施形態を具体的に指摘し明確に請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本開示の範囲内の実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて読むと、以下の説明からより容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】1つ以上の実施形態によるネットワークセグメントを示す。
【
図2】1つ以上の実施形態によるデータ送信を示す。
【
図3】1つ以上の実施形態によるデータ送信を示す。
【
図4】1つ以上の実施形態によるデータ送信を示す。
【
図5】1つ以上の実施形態による送信システムを示す。
【
図6】1つ以上の実施形態によるタイムスロットシグナリング回路を示す。
【
図7】1つ以上の実施形態による、ネットワークセグメントにおいてトラフィックをシェーピングするためのプロセスを示す。
【
図8】1つ以上の実施形態による、スケジュールされたデータ送信を示す。
【
図9】1つ以上の実施形態による、トラフィックシェーピングのためのプロセスを示す。
【
図10】1つ以上の実施形態による、トラフィックシェーピングのためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部をなし、本開示を実施し得る実施形態の具体例を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように十分に詳細に説明される。しかしながら、他の実施形態が用いられ得、本開示の範囲から逸脱することなく、構造、材料、及びプロセスの変更が行われ得る。
【0012】
本明細書に提示する図は、任意の特定の方法、システム、デバイス、又は構造の実際の図であることを意図するものではなく、本開示の実施形態を説明するために用いられる理想化した表現にすぎない。本明細書に提示する図面は、必ずしも縮尺どおりに描かれていない。様々な図面における類似の構造又は構成要素は、読者の便宜のために同一又は類似の付番を保持し得る。しかしながら、付番における類似性は、構造又は構成要素が必ずしもサイズ、組成、構成、又は任意の他の特性において同一であることを意味するものではない。
【0013】
以下の説明は、当業者が開示される実施形態を実施することを可能にするのを補助するための実施例を含み得る。「例示的な」、「例として」、「例えば(for example)」、及び「例えば(e.g.)」という用語の使用は、関連する説明が、説明的なものであることを意味し、本開示の範囲は、実施例及び法的等価物を包含することを意図するものであり、かかる用語の使用は、実施形態又は本開示の範囲を特定の構成要素、ステップ、特徴、機能などに限定することを意図するものではない。
【0014】
本明細書で概して説明され、図面に例示される実施形態の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されるであろう。したがって、様々な実施形態の以下の説明は、本開示の範囲を限定することを目的とするものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示され得るが、図面は、具体的に指示されていない限り、必ずしも尺度どおりに描画されていない。
【0015】
更に、図示及び説明する具体的な実装形態は、単なる例であり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実施する唯一の方式と解釈されるべきでない。要素、回路、及び機能は、不要に詳述して本開示を不明瞭にしないように、ブロック図の形態で示され得る。逆に、図示し、説明する具体的な実装形態は、単に例示的なものであり、本明細書において別段の指定がない限り、本開示を実装する唯一の方法と解釈されるべきではない。更に、様々なブロック間での論理のブロック定義及びパーティショニングは、例示的な具体的な実装形態である。当業者には、本開示が多数の他のパーティショニングソリューションによって実施され得ることが容易に明らかになるであろう。大部分については、タイミングの考察などに関する詳細は省略されており、かかる詳細は、本開示の完全な理解を得るために必要ではなく、当業者の能力の範囲内である。
【0016】
当業者であれば、情報及び信号は、様々な異なる技術及び技法のいずれかを使用して表され得ることを理解するであろう。いくつかの図面は、表示及び説明を明確にするために、単一の信号として信号を例示してよい。当業者は、信号が信号のバスを表し得、このバスは様々なビット幅を有してよく、本開示は、単一のデータ信号を含む任意の数のデータ信号で実施され得ることを理解するであろう。
【0017】
本明細書に開示する実施形態に関連して記載する様々な例示的な論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブル論理デバイス、別個のゲート若しくはトランジスタ論理、別個のハードウェア構成要素、又は本明細書に記載の機能を実行するように設計されている、これらの任意の組み合わせを用いて実装され得る、又は実行され得る。汎用プロセッサ(本明細書では、ホストプロセッサ又は単にホストとも称され得る)は、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は任意の他のかかる構成のなどのコンピューティングデバイスの組み合わせとして実装されてよい。プロセッサを含む汎用コンピュータは専用コンピュータとみなされ、汎用コンピュータは、本開示の実施形態に関連するコンピューティング命令(例えば、ソフトウェアコード)を実行するように構成されている。
【0018】
実施形態は、フローチャート、フロー図、構造図、又はブロック図として示すプロセスに関して説明され得る。フローチャートは、順次プロセスとして動作行為を説明し得るが、これらの行為の多くは、別の順序で、並行して、又は実質的に同時に実行できる。加えて、行為の順序は再調整され得る。プロセスは、方法、スレッド、機能、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応し得る。更に、本明細書で開示される方法は、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方において実施され得る。ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つ以上の命令又はコードとして記憶されてよい、又は送信されてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及びコンピュータプログラムのある場所から別の場所への転送を容易にする任意の媒体など通信媒体の両方を含む。
【0019】
「第1」、「第2」などの表記を使用した、本明細書の要素に対する任意の言及は、かかる制限が明示的に記載されていない限り、それらの要素の数量又は順序を限定しない。むしろ、これらの表記は、本明細書において、2つ以上の要素又は要素の例を区別する便利な方法として使用され得る。したがって、第1の要素及び第2の要素への言及は、2つの要素のみが用いられ得ること、又は何らかの方法で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味するものではない。加えて、特に明記しない限り、要素のセットは、1つ以上の要素を含んでよい。
【0020】
本明細書で使用されるとき、所与のパラメータ、特性、又は条件に言及する際の「実質的に(substantially)」という用語は、所与のパラメータ、特性、又は条件が、例えば許容可能な製造許容差の範囲内でわずかな変動で満たされることを当業者が理解するであろう程度を意味し、かつ含む。一例として、実質的に満たされる特定のパラメータ、特性、又は条件に応じて、パラメータ、特性、又は条件は、少なくとも90%満たされ得るか、少なくとも95%満たされ得るか、更には少なくとも99%満たされ得る。
【0021】
自動車、トラック、バス、船舶、及び/又は航空機などの車両は、車両通信ネットワークを含んでもよい。車両通信ネットワークの複雑性は、ネットワーク内の電子デバイスの数に応じて変化し得る。例えば、高度な車両通信ネットワークは、例えば、エンジン制御、変速制御、安全制御(例えば、アンチロックブレーキ)、及び排出制御のための様々な制御モジュールを含み得る。これらのモジュールをサポートするために、自動車産業は様々な通信プロトコルに依存する。
【0022】
10SPE(すなわち、10Mbpsのシングルペアイーサネット)は、米国電気電子学会(IEEE)によって仕様IEEE 802.3cg(商標)として現在開発中のネットワーク技術仕様である。10SPEは、マルチドロップネットワーク又は混合ネットワークのマルチドロップバス上での衝突のない決定論的伝送を提供するために使用され得る。10SPE仕様は、マルチドロップバス上での物理的衝突を回避するために使用される、任意選択の物理レベル衝突回避(PLCA)リコンシリエーション副層を含む。
【0023】
本開示の発明者らは、ここで、PLCAはベストエフォート(BE)トラフィックに適していると理解し、BEトラフィックは、不規則なトラフィック(例えば、限定することなく、ファームウェア更新、オーディオ制御信号)であり、レイテンシは重要ではないが、飢餓状態は回避されるべきである。飢餓状態とは、プロセス(例えば、限定することなく、ノード、10SPEイーサネット物理層トランシーバ(PHY)、待ち行列、又は更にはデータパケット)が、永続的に送信からロックアウトされるシナリオである。本開示の発明者らは、ここで、PLCAは、典型的には、時間依存(TS)トラフィックに対して過度のレイテンシジッタを有すると理解し、TSトラフィックは、規則的なトラフィック(例えば、限定することなく、オーディオフレーム、センサポーリング)であり、決定論的なレイテンシが重要である。
【0024】
1つ以上の実施形態は、一般に、トラフィックシェーピングプロファイルに従って共有バス上でデータ送信を実行するためのシステム、方法、及びデバイスに関する。いくつかの実施形態では、トラフィックシェーピングプロファイルのバスサイクルは、重なり合わないタイムスロットを含み得る。各タイムスロットは、スケジュールを実施するために、時間認識型であり、すなわち、スケジュール及びその割り当てられたタイムスロットを認識しており、かつネットワークセグメント内の他のノードのリアルタイムクロック(RTC)と同じ共通クロックに同期されたRTCを使用する、特定のノードに割り当てられてよい。
【0025】
1つ以上の実施形態は、一般に、トラフィックシェーピングプロファイルの少なくとも一部を実施するように、かつ/又は共有タイムスロットに対する競合に対処するための優先スキームを実施するように構成された物理層(PHY)デバイス及び該物理層デバイスを含むシステムに関する。一実施形態では、PHYは、送信タイムスロットシグナリングを使用してそのような実施を行うように構成されてもよい。PHYは、エミュレートされたキャリア検知シグナリング(例えば、限定することなく、アクティブの低)をアサートして、衝突検出及び/又は回避用に構成されているMAC(例えば、限定することなく、CSMA/CD MAC)に、割り当てられたタイムスロットの外側で遅延状態に入らせ、次いで、エミュレートされたキャリア検知シグナリング(例えば、限定することなく、非アクティブの高)をデアサートして、MACに、割り当てられたタイムスロット中に遅延状態から抜けさせるように構成されてよい。
【0026】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による、ネットワークセグメント100のブロック図を示す。
図1に示す例では、ネットワークセグメント100は、ノード106、ノード104、ノード108及びノード110を含み、そのような各ノードは、共有伝送メディア102に動作可能に結合されている。
【0027】
非限定的な例として、ネットワークセグメント100は、マルチドロップネットワークのセグメント、マルチドロップサブネットワークのセグメント、混合メディアネットワークのセグメント、又はこれらの組み合わせ若しくはサブ組み合わせであってもよい。非限定的な例として、ネットワークセグメント100は、限定することなく、マイクロコントローラタイプの埋め込みシステム、ユーザタイプのコンピュータ、コンピュータサーバ、ノートブックコンピュータ、タブレット、ハンドヘルドデバイス、モバイルデバイス、無線のイヤホンデバイス若しくはヘッドホンデバイス、有線のイヤホン若しくはヘッドホンデバイス、アプライアンスサブシステム、照明サブシステム、サウンドサブシステム、建物制御システム、住宅監視システム(例えば、限定することなく、セキュリティ又はユーティリティ使用量用)、エレベータシステム若しくはサブシステム、公共交通機関制御システム(例えば、限定することなく、地上の列車、地下の列車、市街電車、又はバス用)、自動車システム若しくは自動車サブシステム、又は産業制御システムのうちの1つ以上であっても、その一部であっても、それを含んでもよい。
【0028】
1つ以上の実施形態では、ノード106、ノード104、ノード108及びノード110は、共有伝送メディア102を介してTS及び/又はBEデータパケットを通信するように構成されている。
図1に示す実施形態では、ノード108は、マスターノードとして構成されている。
【0029】
図2は、1つ以上の実施形態による、共有バスでのトラフィックシェーピングプロファイルに従ったデータ送信200の一部分の図を示す。
【0030】
図2の例示的な実施形態に示されるように、本明細書で「バスサイクル」と称される期間は、本明細書で「タイムスロット」と称されるいくつかのサブ期間に分割され、この例では、そのような各タイムスロットは、ノード106、ノード104、ノード108及びノード110うちの1つのみに割り当てられる。
図2では、データ送信200のバスサイクル202が示されており、バスサイクル202は、ノード106、ノード104、ノード108及びノード110にそれぞれ割り当てられたタイムスロット204、タイムスロット206、208、及びタイムスロット210からなる4つのタイムスロットを含む。1つのみのノード又はノードの1つのみのデータ待ち行列に割り当て可能なタイムスロットは、本明細書において「排他的タイムスロット」と称される。1つ以上のノード又はノードの1つ以上のデータ待ち行列に割り当て可能なタイムスロットは、本明細書において「共有タイムスロット」と称される。
【0031】
一実施形態では、タイムスロット204、タイムスロット206、タイムスロット208、及びタイムスロット210は、周期的であり、かつ重なり合わない。後述するように、バスサイクル202を実装するために、各ノードは、限定することなく、IEEE 1588の時間配信システムなどの時間同期技術を使用して共通クロックに同期されたそれぞれのローカルクロックを使用するように構成されてもよい。例えば、
図1では、ノード106、ノード104、ノード108、及びノード110は、時間配信システムを実装しており、具体的には、ノード108が、ネットワークセグメント100の時間配信システムのノードマスターであり、クロック112をノード106、ノード104、及びノード108に配信する。
【0032】
一実施形態では、TS待ち行列及びBE待ち行列は、リンク層において、例えば、メディアアクセス制御(MAC)デバイス又はノードのバッファマネージャにおいて維持され、それぞれの周期的タイムスロット中に送信するように(本明細書で説明されるように)スケジュールされる(すなわち、各待ち行列は、バスサイクル内の割り当てられたタイムスロットを有する)。特に、場合によっては、ノードは、データを送信するためのスケジュールされたタイムスロットを使用しないことも予想される。
【0033】
時間認識スケジューリングを実装する
図2のデータ送信200は、典型的には決定論的なレイテンシを呈し、ほとんどの場合、レイテンシ決定論を維持することが重要であるTSトラフィックに適している。しかしながら、場合によっては、ネットワークセグメントは、2つ以上のサービス品質(QoS)指定を有するトラフィック、非限定的な例として、TSトラフィック及びBEトラフィックの両方、をサポートすることがあり、そのため、異なるトラフィックシェーピングプロトコルが適切である場合がある。
【0034】
図3及び
図4は、共有バスにおけるデータ送信の実施形態の一部分の図を示す。データ送信は、1つ以上の実施形態による、BEトラフィック及びTSトラフィックを転送するためのトラフィックシェーピングプロファイルに従って実行される。
【0035】
図3は、バスサイクルがいくつかの排他的タイムスロットを含むトラフィックシェーピングプロファイルの実施形態による、共有バスにおけるデータ送信300の一部分の図を示しており、ノードには、第1のサービス品質指定に関連付けられたトラフィックのための第1の排他的タイムスロットが割り当てられ、また第2のサービス品質指定に関連付けられたトラフィックのための第2の排他的タイムスロットも割り当てられている。
【0036】
図3の実施形態では、バスサイクル314は、TSトラフィックのための排他的タイムスロット(すなわち、TSタイムスロット302、TSタイムスロット304、及びTSタイムスロット310及びTSタイムスロット312)、及びBEトラフィックのための排他的タイムスロット(すなわち、BEタイムスロット306及びBEタイムスロット308)を含む。各ノードにTSタイムスロットが割り当てられており、ここでは、ノード106にTSタイムスロット302が割り当てられ、ノード104にTSタイムスロット304が割り当てられ、ノード108にTSタイムスロット310が割り当てられ、ノード110にTSタイムスロット312が割り当てられている。更に、ノード106及びノード104には、それぞれ、BEタイムスロット306及びBEタイムスロット308が割り当てられている。特に、全てのノードが必ずしもBEデータ(又は、場合によってはTSデータ)を有するとは限らないので、ノード108及びノード110には、BEデータのためのタイムスロットが割り当てられていない。したがって、
図3では、バスサイクル314は、それらのノード、すなわち、ノード110及びノード108のためのBEタイムスロットを含むようにはセットアップされていない。
【0037】
また、
図3には、ノード104、ノード106、ノード108及びノード110によってバスサイクル314中にそれぞれのノードの割り当てられた各排他的タイムスロットにおいて送信されるデータを示すタイミング図も示されている。
【0038】
場合によっては、ノードに排他的タイムスロットを割り当てるトラフィックスケジューリングスキームは、ネットワークセグメントに帯域幅の浪費をもたらし得る。非限定的な例として、帯域幅の浪費は、ノードが排他的タイムスロットを使用する頻度が低く、そのノードが排他的タイムスロットを使用していないときに他のノードがアイドル状態である場合にもたらされ得る。換言すれば、エンドツーエンドのレイテンシは、バスサイクル内のタイムスロットの数に正比例し得、したがって、排他的タイムスロットが頻繁に使用されない場合、エンドツーエンドのレイテンシに追加されるレイテンシは、帯域幅の増加を必ずしも実現しなくても存在し得る。
【0039】
図4は、特定のQoS指定のトラフィックのためのいくつかの共有タイムスロットを定義するトラフィックシェーピングプロファイルに適合する、バスサイクル中での共有バスにおけるデータ送信400の一部分の図を示す。企図される使用事例では、バスサイクルは、いくつか(すなわち、1つ以上)の共有タイムスロットでセットアップされてよく、次いで、ノードは、必要に応じて、このいくつかの共有タイムスロットのうちの1つ以上に(例えば、マスターノードによって)割り当てられてよい。換言すれば、追加のノードは、必ずしもバスサイクルに追加のタイムスロットを追加しなくても、共有タイムスロットに割り当てることができる。
【0040】
図4の実施形態では、バスサイクル412は、TSトラフィックのための排他的タイムスロット(すなわち、TSタイムスロット402、TSタイムスロット404、TSタイムスロット406、及びTSタイムスロット408)、及びBEトラフィックのための共有タイムスロット(すなわち、共有BEタイムスロット410)を含む。ノード106、ノード104、ノード108、及びノード110には、それぞれ、TSトラフィックのためのTSタイムスロット402、TSタイムスロット404、TSタイムスロット406、及びTSタイムスロット408が割り当てられ、ノード106及びノード104には、BEトラフィックのための共有BEタイムスロット410が割り当てられている。
【0041】
特に、共有BEタイムスロット410中に共有バスでデータを送信することができるのは、1つのノードのみである(2つ以上のノードが共有タイムスロット中に共有バスで送信すると、衝突が発生する)。したがって、
図4の実施形態では、ノード106は共有BEタイムスロット410中に共有バスにアクセスし、同じくBEデータを有するノード104は、(ノード104におけるBEデータの周囲の破線によって示されるように)共有BEタイムスロット410を放棄する(この場合、ノード106に譲る)。共有タイムスロットを獲得及び/又は放棄するための優先スキームは、本明細書に後述する。
【0042】
図4は、バスサイクル412内に1つの共有タイムスロット、すなわち、BEタイムスロット410を示しているが、バスサイクル412は、複数の共有タイムスロットを含んでもよい。更に、ネットワークセグメントで異なるQoS指定に関連付けられたトラフィックがサポートされる場合、バスサイクル412は、サポートされるQoS指定ごとにいくつかの共有タイムスロットを含んでもよい。
【0043】
図4は、共有タイムスロット(例えば、共有BEタイムスロット410)が排他的タイムスロット(例えば、TSタイムスロット408)と同じ長さであることを示しているが、場合によっては、異なるタイプのQoSに関連付けられたトラフィックは、異なるサイズのデータパケットを含むことができる。非限定的な例として、BEデータパケットは、TSデータパケットより(ビット単位で)長くてもよい。更に、第1のアプリケーションのためのBEデータパケットは、第2のアプリケーションのためのBEデータパケットより長くてもよい。したがって、共有タイムスロットに割り当てられたノード及び/又は待ち行列は、異なる長さのデータパケットを送信してもよい。いくつかの実施形態では、共有タイムスロットの長さは、共有タイムスロット中に送信されることが予想される最長データパケットと少なくとも同じ長さであるように選択されてもよい。
【0044】
図5は、1つ以上の実施形態による、トラフィックシェーピングサブシステム514を含む送信システム500の実施形態の機能ブロック図を示す。
【0045】
図5に示す送信システム500の実施形態では、データパケットは、トラフィックシェーピングサブシステム514によって実装されるトラフィックプロファイルに従ってMAC 522に提供される。一般に、MAC 522におけるフレームは、スケジューラ508によって実施されるトラフィックスケジュールに少なくとも部分的に基づいて、BE待ち行列520又はTS待ち行列518にあるデータパケットに割り当てられる。非限定的な例として、トラフィックシェーピングサブシステム514は、
図2、
図3、及び
図4を参照して本明細書で論じられるトラフィックシェーピングプロファイルのうちの1つ以上に従ってトラフィックシェーピングを実行するように構成されてもよい。
【0046】
Txパケット526は、スケジューラ508によって管理される周期的スケジュールでトラフィックシェーピングサブシステム514によってMAC 522に提供される。スケジュールは、少なくとも部分的に、トラフィックシェーピングサブシステム514によって実装されるトラフィックプロファイル及び/又は送信システム500が動作するように構成されているネットワークセグメントに基づいてよい。各Txパケット526は、BE待ち行列520及びTS待ち行列518によってそれぞれ提供されるBEデータパケット又はTSデータパケットのいずれかを含んでよい。
【0047】
スケジューラ508は、一般に、BE待ち行列520及び/又はTS待ち行列518に割り当てられたスケジュールされたタイムスロットをセレクタ502に通知するように構成されてよい。スケジューラ508は、BE/TSイベント530をセレクタ502に提供するように構成されてよい。BE/TSイベント530は、BEタイムスロット及びTSタイムスロットをそれぞれ示すためのBEイベント516又はTSイベント532を含んでよい。スケジューラ508は、ローカルクロック(すなわち、同期されたローカルクロック506)を使用して、スケジュールされたタイムスロットを検出するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、スケジューラ508は、セレクタ502のためのスケジュールされたタイムスロットを示すイベントを生成するように構成されている1つ以上のイベント生成器(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、同期されたローカルクロック506は、同期イベント528に応答して1つ以上のネットワークセグメントの共通クロックに同期されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、同期イベント528は、同期プロトコル、例えば、限定することなく、同期プロトコル、例えば、IEEE 1588のプレシジョンタイムプロトコル(precision time protocol)に従って、同期されたローカルクロック506を同期させるために、生成され、使用されてもよい。
【0048】
セレクタ502は、BE待ち行列520でBEデータを検出するとBEイベント516を伝搬し、(TS待ち行列518にTSデータが存在するか否かにかかわらず)TSイベント532を伝搬するように構成されてよい。
【0049】
BEデータパケット及びTSデータパケットは、BE/TSイベント530に応答してセレクタ502によって選択されて、Txパケット526になってよい。より具体的には、BE待ち行列520及びTS待ち行列518は、それぞれ、BEイベント516及びTSイベント532を受信したことに応答してMUX504を介してセレクタ502によって選択されてよい。
【0050】
一般に、トラフィックシェーピングサブシステム514においてデータパケットを保持するために使用される待ち行列は、決定論的レイテンシデータ待ち行列及び非決定論的レイテンシデータ待ち行列として分類することができる。
図5に示すトラフィックシェーピングサブシステム514の実施形態では、TS待ち行列518は、決定論的レイテンシデータ待ち行列であり、BE待ち行列520は、非決定論的レイテンシデータ待ち行列である。
【0051】
本明細書で論じられるように、非決定論的データに対して共有タイムスロットを使用するトラフィックシェーピングプロトコルの場合、BE待ち行列520にBEデータパケットが存在しなければ、BE待ち行列520を選択する必要はない。したがって、いくつかの実施形態では、セレクタ502は、BE/TSイベント530でBEイベントを受信したこと及びBE待ち行列520に1つ以上のBEデータパケットが存在することを検出したことに応答してBE待ち行列520を選択するように構成されてもよい。
【0052】
図5では、送信システム500のリンク層側及びPHY側が示されており、トラフィックシェーピングサブシステム514の一部分及びMAC 522がリンク層側に含まれている。PHY側には、タイムスロットシグナリング回路510、Tx/RX回路512、及び検知回路524が含まれている。Tx/RX回路512は、MAC 522及び共有バス(図示せず)に動作可能に結合されてよく、一般に、共有バスとMAC 522との間で受信データ及び送信データを移動させるように構成されてよい。検知回路524は、一般に、キャリア検知信号538(検知回路524に動作可能に結合された共有バス(図示せず)におけるキャリアアクティビティを示す信号)を提供するように構成されてよい。
【0053】
1つ以上の実施形態では、タイムスロットシグナリング回路510は、トラフィックシェーピングサブシステム514の一部分を形成してよい。タイムスロットシグナリング回路510は、一般に、送信タイムスロットシグナリング536をMAC 522に提供するように、及び送信タイムスロットシグナリング536をチューニングして、トラフィックシェーピングプロファイルを実施するように、より具体的には、トラフィックシェーピングプロファイルのトラフィックスケジューリングスキームを実施するように、構成されてよい。様々な実施形態では、MAC 522は、送信タイムスロット中にデータ送信を開始するように、及びそうでなければ遅延状態になる(すなわち、送信タイムスロットを待つ)ように構成されてよい。MAC 522は、送信タイムスロットシグナリング536がアサートされている間は送信タイムスロットを検出し、送信タイムスロットシグナリング536がデアサートされている間は送信タイムスロットを待つように構成されている。
【0054】
いくつかの実施形態では、タイムスロットシグナリング回路510は、送信タイムスロットシグナリング536をアサート/デアサートして、トラフィックシェーピングサブシステム514のトラフィックシェーピングプロファイルを実施するように構成されてよい。より具体的には、タイムスロットシグナリング回路510は、少なくともいくつかのBEイベント516及びTSイベント532に応答して送信タイムスロットシグナリング536をアサートするが、そうでなければ送信タイムスロットシグナリング536をデアサートするように構成されてよい。このように、タイムスロットシグナリング回路510は、割り当てられたタイムスロット中に送信タイムスロットシグナリング536をアサートし、割り当てられたタイムスロットの外側で送信タイムスロットシグナリング536をデアサートするように構成されてよい。MAC 522から見て、割り当てられたタイムスロットは、送信タイムスロットに対応する。いくつかの実施形態では、タイムスロットシグナリング回路510は、共有バスにおけるアクティブキャリアを示すキャリア検知信号538に応答して抑制する(すなわち、BEイベント516又はTSイベント532が受信されたとしても、送信タイムスロットシグナリング536をデアサートし続ける)ように構成されてよい。
【0055】
本明細書で論じられるように、場合によっては、トラフィックシェーピングプロファイルは、限定することなく、BEデータパケットなどの非決定論的データパケット用を含む、共有タイムスロットを含んでもよい。1つ以上の実施形態は、一般に、トラフィックシェーピングプロファイルの共有タイムスロットに対する競合に対処するための優先スキームを実装するように構成されたトラフィックシェーピングサブシステム514に関する。いくつかの実施形態は、一般に、優先スキームに従ってローカルノードがタイムスロットを勝ち取った又は逃したことを判定したことに応答して、送信タイムスロットシグナリングをアサート/デアサートするように構成されたPHYに関する。
【0056】
上述したように、いくつかの実施形態では、送信タイムスロットシグナリングは、エミュレートされたキャリア検知シグナリングを含んでよい。
図6は、1つ以上の実施形態による、優先スキームに従った、エミュレートされたキャリア検知シグナリングの選択的アサーション/アサーション解除を実行するためのタイムスロットシグナリング回路600のブロック図を示す。タイムスロットシグナリング回路600は、非限定的な例として、
図5のタイムスロットシグナリング回路510を実装するために使用されてもよい。
【0057】
1つ以上の実施形態では、タイムスロットシグナリング回路600は、優先論理602及びチューニング回路604を含んでもよい。優先論理602は、一般に、1つ以上の優先スキームを実施して、共有タイムスロットに対する競合に対処するように構成されてよい。企図される使用事例では、BEイベント516を受信すると、優先論理602は、優先スキームに従ってローカルノードが共有タイムスロットを逃すか、又は勝ち取るかを判定するように構成され得る。優先論理602が、ローカルノードが逃すと判定する場合、優先論理602は、コントロール610を介して、チューニング回路604において、エミュレートされたキャリア検知シグナリング612をアサートするように構成されている。優先論理602が、ローカルノードが勝ち取ると判定する場合、優先論理602は、エミュレートされたキャリア検知シグナリング612を(チューニング回路604を介して)デアサートするように構成されている。
【0058】
エミュレートされたキャリア検知シグナリング612は、送信が許可されていないときはいつでも、タイムスロットシグナリング回路600によってアサートされ、したがって、エミュレートされたキャリア検知シグナリング612のアサーション解除は、
図5の送信タイムスロットシグナリング536のアサーションと同じであると理解されてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、エミュレートされたキャリア検知シグナリング612は、排他的又は非排他的なキャリア検知シグナリングを含むインターフェース616に提供されてよい。非限定的な例として、インターフェース616は、メディア独立インターフェース(MII)、リデュースドMII(RMII)、又はそれらの変形物を実装してもよく、このインターフェースは、エミュレートされたキャリア検知シグナリング612に応答してアサート/デアサートされた(場合により)排他的又は非排他的なキャリア検知シグナリングのためのピンを含んでもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、TSイベント608及びBEイベント606のうちの1つ以上は、インターフェース616を通過するイベント経路(経路は図示せず)を通って優先論理602に到達してもよい。いくつかの実施形態では、TSイベント608及びBEイベント606のうちの1つ以上は、インターフェース616を通過しないイベント経路を通って優先論理602に到達してもよい。
【0061】
図7は、本開示の1つ以上の実施形態による、イーサネットセグメント用のトラフィックシェーピングを実行するためのプロセス700のフローチャートを示しており、このプロセスは、非限定的な例として、送信システム500によって実行される。
【0062】
動作702において、プロセス700は、ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行する。一実施形態では、送信タイムスロットシグナリングは、タイムスロットを示すための信号をアサート及び/又はデアサートすることを含んでもよい。一実施形態では、送信タイムスロットシグナリングは、ネットワークセグメントの共有バスにおけるキャリアがアクティブであることを示すために、キャリア検知シグナリングをチューニングすることを含んでもよい。
【0063】
動作704において、プロセス700は、ネットワークセグメントのバスサイクルのタイムスロットに関連付けられたイベントを受信する。非限定的な例として、イベントは、排他的タイムスロットのためのイベント又は共有タイムスロットのためのイベントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、タイムスロットは、バスサイクルに含まれるいくつかのスケジュールされたタイムスロットのうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、イベントの生成は、ネットワークセグメントの複数のノードに共通のクロックに同期されてもよい。
【0064】
動作706において、プロセス700は、動作702で受信したイベントに応答して送信タイムスロットを検出する。検出された送信タイムスロットは、排他的タイムスロット又は共有タイムスロットであってよい。一実施形態では、送信タイムスロットを検出することは、非限定的な例として、タイムスロットが、(後述のように)十分に高い優先度を有しないか、又はタイムスロットを放棄するように構成されている、プロセス900に関連付けられたノードである、共有タイムスロットであることにより、タイムスロットシグナリングが抑制されるべきではないことを最初に検出したことを検出することを含んでもよい。
【0065】
動作708において、プロセス700は、動作706で送信タイムスロットを検出したことに応答して送信タイムスロットシグナリングを調整する。一実施形態では、送信タイムスロットシグナリングを調整することは、ノードの物理層とリンク層との間のキャリア検知シグナリングをチューニングすることを含み得る。一実施形態では、キャリア検知シグナリングをチューニングすることは、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及び/又はデアサートすることを含んでもよい。
【0066】
動作710において、プロセス700は、ネットワークセグメントの共有バスへの送信のための送信データを受信する。特に、送信データは、タイムスロットの前及び/又は送信タイムスロット中に受信されてもよい。
【0067】
動作712において、プロセス700は、送信タイムスロット中に、動作710中に受信された送信データのデータ送信を実行する。
【0068】
図8は、共有伝送メディア102におけるスケジュールされたデータ送信800のタイミング図を示す。
図8では、スケジュールされたデータ送信800は、バスサイクル802及びバスサイクル820中に起こり、これらのバスサイクルは、
図4のバスサイクル412にほぼ対応する。
【0069】
図8では、バスサイクル802及びバスサイクル820のそれぞれの一部分は、時間依存データのためのタイムスロット、すなわち、TS部分804及びTS部分822をそれぞれ含み、バスサイクル802及びバスサイクル820のそれぞれの一部分は、ベストエフォートデータのための共有タイムスロット、すなわち、BE部分806及びBE部分824をそれぞれ含む。BE部分806及びBE部分824は、アナウンスメント用のそれぞれのタイムスロット(後述する)、すなわち、アナウンスメント部分816及びアナウンスメント部834を含み、またBEパケットのためのそれぞれのタイムスロット、それぞれ、BEスロット818及びBEタイムスロット836を含む。
【0070】
図8ではまた、2つの異なるノード(例えば、限定することなく、
図1のネットワークセグメント100のノード104及びノード106)のPHY、すなわち、PHY 1及びPHY 2のタイミング図も示されている。
図8によって企図される実施例では、バスサイクル802中に、PHY 1及びPHY 2のそれぞれのノードは、BEスロット818に対して競合し、バスサイクル820中には、BEタイムスロット836に対して競合する。
【0071】
1つ以上の実施形態では、BEイベント516のパルスは、ネットワークセグメント100を介してそれぞれのPHYにおいて互い違いの様式で受信されてもよい。BEイベント516のパルスがそれぞれのPHYにおいて互い違いの様式で受信される場合、各PHYは、共有BEタイムスロットを獲得している別のPHYによるアナウンスメントをチェックし、アナウンスメントが検出されなければ、自身が共有BEタイムスロットを獲得しているというそれ自身のアナウンスメントを送信する機会を有する。互い違いのBEイベント516のパルスの場合、各BEイベント516のパルスは、前のBEイベント516のパルスから、本明細書で「オフセット」と称される時間量だけ時間的に分離される。したがって、
図8に示す実施例では、PHY 2におけるBEイベント516のパルスが受信される前に、PHY 1におけるBEイベント516のパルスが受信される。
【0072】
PHY 1及びPHY 2のタイミング図は、バスサイクル802及びバスサイクル820中にそれぞれのPHY 1及びPHY 2のタイムスロットシグナリング回路600において観測可能な信号を含む。
図5及び
図6の送信タイムスロットシグナリング536、TSイベント532及びBEイベント516のための信号が示されている。また、バスサイクル802及びバスサイクル820中にPHY 1及びPHY 2で受信されるtxデータ534(
図5)のための信号も示されている。
図8ではBEイベント516及びTSイベント532が単一のパルスとして示されているが、それらは1つ以上のパルスであってもよく、一実施形態では、BEタイムスロットイベント及び/又はTSタイムスロットイベントは、いくつかの連続する信号パルスを含んでもよい。
【0073】
バスサイクル802中、PHY 1はTSイベント532を受信し、これは、TSタイムスロット808がまもなく開始することを示す。PHY 1は、TSイベント532のパルスを受信したことに応答して送信TSタイムスロット808を検出し、送信TSタイムスロット808を検出したことに応答して、PHY 1は、その送信タイムスロットシグナリング536をアサートし、これにより、そのMACがTSデータを送信するための送信タイムスロットが作成される。PHY 1は、MACからTSデータTS1を受信し(転送は図示せず)、TSタイムスロット808中にTS1を共有バスに提供する。TS1を提供すると、PHY 1は、その送信タイムスロットシグナリング536をデアサートし、これにより、そのMACのための送信タイムスロットは終了し、TS部分804の残りのタイムスロット(すなわち、TSタイムスロット810、TSタイムスロット812、及びTSタイムスロット814)中は、その送信タイムスロットシグナリング536をデアサートし続ける。
【0074】
特に、送信タイムスロットシグナリング536が、エミュレートされたキャリア検知シグナリングを含む場合、MACは、アサートされた、エミュレートされたキャリア検知シグナリングに応答して遅延状態に入り、デアサートされた、エミュレートされたキャリア検知シグナリングに応答して送信状態に入ることができる。
【0075】
TSタイムスロット808中、PHY 2は、送信タイムスロットシグナリング536をデアサートし、したがって、そのMACは、遅延状態に留まる。PHY 2は、TSイベント532のパルスを受信したことに応答して送信TSタイムスロット810を検出する。送信TSタイムスロット810を検出したことに応答して、PHY 2は、その送信タイムスロットシグナリング536をアサートし、これにより、そのMACがTSデータを送信するための送信タイムスロットが作成される。PHY 2は、MACからTSデータTS2を受信し(転送は図示せず)、TSタイムスロット810中にTS2を共有バスに提供する。TS2を提供すると、PHY 2は、その送信タイムスロットシグナリング536をデアサートし、これにより、そのMACのための送信タイムスロットは終了する。PHY 2は、TS部分804の残りのタイムスロット(すなわち、TSタイムスロット812及びTSタイムスロット814)中にその送信タイムスロットシグナリング536をアサートし続ける。
【0076】
特に、PHY 1及びPHY 2は、トラフィックシェーピングプロファイルが実施されているため、TS1及びTS2を送信する前に、共有伝送メディア102におけるキャリアアクティビティをチェックする必要はない。換言すれば、この実施形態におけるトラフィックシェーピングプロファイル(すなわち、重なり合わないタイムスロットの周期的なスケジューリング)によれば、PHYは、TSタイムスロットを共有することがなく、したがって、TSタイムスロットごとに1つのPHYのみがTSイベント532のパルスを受信する。しかしながら、複数のPHYが共有タイムスロット中に送信タイムスロットを試しに作成することがあるので、いくつかの実施形態では、キャリア検知が使用されてもよい。
【0077】
バスサイクル802中、PHY 1は、BEイベント516のパルスを受信したことに応答して送信タイムスロット826を検出する。送信タイムスロット826を検出したことに応答して、PHY 1は、送信タイムスロットシグナリング536をアサートして、そのMACが送信データ(ここでは、BEデータ)を送信するための送信タイムスロットを作成する。更に、PHY 1は、アナウンスメント部分816中にアナウンスメントシンボル(ここでは「J」の繰り返し)を送信して、PHY 1がBE部分806を獲得していることを(例えば、他のPHYに)アナウンスする。特に、
図8に示す実施例では、PHY 1は、そのBEイベント516のパルスを受信する最初のPHYである。したがって、理論的には、PHY 1は、その送信タイムスロットシグナリング536をアサートし、アナウンスメントを送信する前に、他のPHYからのアナウンスメントを確認する必要はない。PHY 1は、そのMACからベストエフォートデータBE1を受信し(転送は図示せず)、BEスロット818中にBE1を共有バスに提供する。BE1を送信すると、PHY 2は、その送信タイムスロットシグナリング536をデアサートして、そのMACのための送信タイムスロットを閉じる(このMACは、送信タイムスロットシグナリング536がデアサートされている間、遅延状態に入って留まることができる。)。
【0078】
バスサイクル802中、PHY 2は、BEイベント516のパルスを受信したことに応答して送信TSタイムスロット828を検出する。PHY 2におけるBEイベント516のパルスの受信は、PHY 1におけるBEイベント516のパルスの受信から時間的にオフセットされる。
図8では、アナウンスメント部分816内のブロックによって例示的なオフセットが示されている。この例では、BEイベント516は、アナウンスメント部分816の第1のブロックの開始時にPHY 1で受信され、PHY 2では、アナウンスメント部分816内の第2のブロックの開始時(すなわち、第1のブロック後)にBEイベント516が受信される。したがって、
図8で企図される動作では、BEイベント516を受信すると、PHY 2は、アナウンスメント部分816の第1のブロック中にPHY 1のアナウンスメントシンボルを観測する。それらのアナウンスメントシンボルを観測したことに応答して、PHY 2は、送信タイムスロットシグナリング536をアサートしない(つまり、換言すれば、そのMACのための送信タイムスロットを作成しない)。
【0079】
バスサイクル820を参照すると、PHY 1及びPHY 2は、バスサイクル802に関して論じたように、各自のTSタイムスロット、TSタイムスロット826及びTSタイムスロット828中にそれぞれTSデータを送信し、他のタイムスロット(例えば、TSタイムスロット830及びTSタイムスロット832)中は待機する。特に、バスサイクル820中、PHY 1は、BEイベント516のパルスを受信せず、そのため、BEタイムスロット836を検出しない。したがって、PHY 1は、その送信タイムスロットシグナリング536をアサートすることも、アナウンスシンボルを送信することも、BEデータを送信することもない。
図8には示されていないが、他の場合には、後述するように、パルスは受信されるが、優先度の理由で無視されてもよい。
【0080】
したがって、PHY 2は、BEイベント516のパルスを受信すると、BEタイムスロット836を検出する。PHY 2は、別のPHYのアナウンスメントシンボルを観測することはない(すなわち、アナウンスメント部分834の第1ブロックにおいてアナウンスメントシンボルは観測されない)。換言すれば、アナウンスメントシンボルを観測しないことに応じて、PHY 2は、BEスロット836が利用可能であることを検出する。BEタイムスロット836が利用可能であることを検出したことに応答して、PHY 2は、その送信タイムスロットシグナリング536をアサートし、そのMACが送信データ(ここでは、BEデータ)を送信するための送信タイムスロットを作成する。更に、PHY 2は、アナウンスメント部分834中にアナウンスメントシンボル(ここでは「J」)を送信して、PHY 2がBE部分824を獲得したことをネットワークセグメント100上の他のPHYにアナウンスする。PHY 2は、そのMACからBEデータBE2を受信し、BEスロット836中にBE2を共有伝送メディア102に提供する。BE2を送信すると、PHY 2は、送信タイムスロットシグナリング536をデアサートし、これにより、そのMACのための送信タイムスロットは終了する(このMACは、送信タイムスロットシグナリング536がデアサートされている間、遅延状態に入って留まることができる)。
【0081】
前述の考察では、送信タイムスロットシグナリング536は、送信タイムスロット中にアサートされ、そうでなければデアサートされる。いくつかの実施形態では、エミュレートされたキャリア検知シグナリング(例えば、限定することなく、
図6のエミュレートされたキャリア検知シグナリング612)が、送信タイムスロットシグナリング536のために使用されてよく、この場合、慣例により、エミュレートされたキャリア検知シグナリング612は、割り当てられた送信タイムスロット中にデアサートされ、そうでなければアサートされるであろう。
【0082】
図9は、例えば、タイムスロットシグナリング回路600、より具体的には優先論理602によって実装された優先スキームの実施形態のためのプロセス900を示す。
【0083】
動作902において、プロセス900は、次のBEタイムスロットイベント(例えば、限定することなく、BEイベント516)を待つ。一実施形態では、プロセス900は、バスサイクルごとにベストエフォートタイムスロットイベントを受信してもよい。
【0084】
動作904において、プロセス900は、BEタイムスロットイベントを受信する。動作906において、プロセス900は、放棄カウントがゼロに等しいかどうかを判定する。一実施形態では、BEタイムスロットを獲得した後、プロセス900は、BEタイムスロットを再度獲得する前に複数回のバスサイクルを待機してもよい。プロセス900は、プロセス900がBEタイムスロットを最後に獲得してからのバスサイクルの回数を追跡するために放棄カウントを使用してもよい。非限定的な例として、4つのノードがBEタイムスロットを共有する場合、プロセス900は、プロセス900がBEタイムスロットを獲得したバスサイクルの後の3回のバスサイクルにわたってそのBEタイムスロットを獲得しなくてよい。
【0085】
プロセス900が動作906において放棄カウントがゼロに等しくないと判定すると、動作908において、プロセス900は、放棄カウントを減らし、動作902に進んで、次のBEタイムスロットイベントを待つ。プロセス900が動作906において放棄カウントがゼロに等しいと判定すると、動作910において、プロセス900は、送信タイムスロットシグナリングをアサートして(例えば、限定することなく、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをデアサートして)、共有伝送メディアに送信データを送信するためにタイムスロットが利用可能であることをMACに示す。送信タイムスロットシグナリングをアサートしている(すなわち、アサートされた状態からデアサートされた状態に移行している)間、プロセス900は、アナウンスメントシンボルを共有伝送メディアに送信する。
【0086】
特に、プロセス900は、動作902、動作904、動作906及び動作908のそれぞれの間、送信タイムスロットシグナリングをデアサートする。
【0087】
動作912において、プロセス900は、リンク層から、より具体的には、MACから送信データを受信する。一実施形態では、動作912で受信した送信データは、BEデータを含む。
【0088】
動作914において、プロセス900は、動作912で受信した送信データを共有伝送メディアに移動させる。一実施形態では、動作914で移動させた送信データは、前に付加された区切り符号及び/又は後に付加された区切り符号を含む。区切り符号の非限定的な例としては、ストリーム開始区切り符号(SSD)、及びストリーム終了区切り符号(ESD)が挙げられる。
【0089】
動作916において、プロセス900は、送信タイムスロットシグナリングをデアサートする。一実施形態では、プロセス900は、動作914で送信データを移動させることを終了したことに応答して送信タイムスロットシグナリングをデアサートしてもよい。別の実施形態では、プロセス900は、BEタイムスロットの終了を検出したことに応答して送信タイムスロットシグナリングをデアサートしてもよい。特に、プロセス900は、動作912及び動作914のそれぞれの間、送信タイムスロットシグナリングをアサートする。
【0090】
動作918において、プロセス900は、複数回のバスサイクルにわたってBEタイムスロットの放棄を実施するために、放棄カウントを設定する。一実施形態では、放棄カウントは、ネットワークセグメント内でBEタイムスロットを共有する他のノードの数に等しい。
【0091】
場合によっては、非限定的な例として、BE待ち行列520にBEデータが存在しないことにより、動作912及び動作914においてBEデータが受信されないことがある。そのような場合、プロセス900が、受信すべき送信データがないことを検出すると、プロセス900は、動作916にスキップし、送信タイムスロットシグナリングをデアサートしてよい。
【0092】
優先スキームの別の実施形態では、ノードによって送信されるデータパケットのサイズが考慮されてもよい。データパケットサイズを考慮する非限定的な例として、ノードが、他のノードの2倍の長さ(ビット単位)のデータパケットを送信する場合、(例えば、プロセス900の)放棄カウントは、それらの他のノードの2倍の長さであると判定されてよい。
【0093】
ノードが、獲得したBEタイムスロットを使用しない場合、特定のノードがBEタイムスロットを獲得するために待つ必要がないように、ネットワークセグメント全体に対して放棄スキームをリスタートすることが望ましいことがある。ネットワークセグメント内のノードは、アプリケーション固有の優先度が割り当てられてよい。換言すれば、各ノードは、そのノード又はネットワークセグメントに関連付けられたアプリケーションに基づいて優先度が割り当てられてよい。動作中、ノードがBEタイムスロットを使用しない場合、他のノードは、指定された優先度に従ってそれらの放棄カウントをリセットするように構成されてよい。
【0094】
例えば、優先度は、ノード1、ノード2、ノード3、及びノード4として、その順序で指定されてもよい。更に、ネットワークセグメント100は、その同じ順序で互い違いのBEイベントを実装してもよい。ノード2がBEタイムスロットを使用しない場合、そのBEタイムスロットがバスサイクル中に使用されなかったことが検出されると、ノード1はカウントをゼロにリセットすることができ、ノード2はカウントを1にリセットすることができ、ノード3はカウントを2にリセットすることができ、ノード4はカウンタを3にリセットすることができる。一般に、指定された優先度は、非限定的な例として、いくつかのノードが他のノードよりも高い頻度でBEタイムスロットを獲得し得ることを含む、様々なトレードオフを考慮し得る設計上の選択である。
【0095】
図10は、1つ以上の実施形態による、共有BEタイムスロットに対して競合するノード間の予め指定された優先度に従って放棄をリセットするためのプロセス1000を示す。いくつかの実施形態では、プロセス1000は、プロセス900の動作902、動作904、動作906、及び動作908のうちの1つ以上の動作中に実行されるサブプロセスであってもよい。
【0096】
動作1002において、プロセス1000は、次のBEタイムスロットの開始を示す次のBEタイムスロットイベントを待つ。動作1004において、プロセス1000は、BEタイムスロットイベントを受信する。動作1006において、プロセス1000は、動作1004のBEタイムスロットイベントによって示された次のBEタイムスロットを放棄する。
【0097】
動作1008において、プロセス1000は、放棄されたBEタイムスロットに関連付けられた期間中を含む、共有伝送メディアにおけるキャリアアクティビティを監視する。共有伝送メディアにおけるキャリアアクティビティは、放棄されたBEタイムスロットを別のノードが獲得し、それを使用してBEデータを送信したことを示し得る。追加的に又は代替的に、別の実施形態では、プロセス1000は、放棄されたBEタイムスロット中に、受信データ経路におけるアクティビティを監視し(例えば、
図5のTx/RX回路512を監視し)、受信データが受信データ経路で受信された又は受信されなかったことを観測してもよい。
【0098】
動作1010において、プロセス1000は、動作1008で共有伝送メディアを監視している間にキャリアアクティビティが観測されなかった(又は追加的に若しくは代替的に、別の実施形態では、受信データ経路アクティビティが観測されなかった)ことに応答して、放棄されたBEタイムスロットが別のノードによって使用されなかったことを検出する。
【0099】
動作1012において、プロセス1000は、使用されていないタイムスロットを検出したことに応じて、ネットワークセグメント内のノード間の予め指定された優先度に従って放棄カウントを設定する。動作1012で放棄カウントを設定した後、プロセス1000は、動作1002に戻って、次のBEタイムスロットイベントを待つ。特に、次のBEタイムスロットイベントが受信されるとき、放棄カウントは、動作1012で予め指定された優先度に従って設定された放棄カウントとなる。
【0100】
本開示で、特に、添付の特許「請求の範囲」(例えば、添付の「特許請求の範囲」の本文)で使用される用語は、一般に「オープン」用語として意図される(例えば、用語「~を含む(including)」は「~を含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきであり、用語「~を有する(having)」は「少なくとも~を有する」と解釈されるべきであり、「~を含む(includes)」という用語は「~を含むがこれらに限定されない」と解釈されるべきであるなど。)。
【0101】
更に、導入された請求項の記載要素の具体的な数が意図的なものである場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がなければ、そのような意図は存在しない。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付の「特許請求の範囲」は、請求項の記載要素を導入するために導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含んでもよい。しかしながら、このような句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載要素の導入が、そのような導入された請求項の記載要素を含む任意の特定の請求項を、同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」、及び「a」又は「an」などの不定冠詞を含む場合でも、1つのみのそのような記載要素を含む実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)、同じことが、請求項の記載要素を導入するために使用される定冠詞の使用についても当てはまる。
【0102】
加えて、導入された請求項の記載要素の具体的な数が明示的に記載されている場合であっても、当業者は、そのような記載が少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、「2つの記載要素」という無冠詞の記載は、他に修飾語句がなければ、少なくとも2つの記載要素、又は2つ以上の記載要素を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」又は「A、B、及びCなどのうちの1つ以上」に類似した規則が使用されるそれらの例では、一般に、そのような構成は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの両方、A及びCの両方、B及びCの両方、又はA、B、及びCの全てなどを含むことが意図される。
【0103】
更に、2つ以上の代替用語を提示する任意の離接語又は離接句は、説明、請求項、又は図面のいずれにあるかにかかわらず、それらの用語のうちの1つ、それらの用語のいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を企図するものと理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるべきである。
【0104】
本開示の更なる非限定的な実施形態は、以下のとおりである。
実施形態1:イーサネットネットワークセグメントのためのトラフィックシェーピングを実行する方法であって、ネットワークセグメントの物理層とリンク層との間の送信タイムスロットシグナリングを実行するステップと、前記ネットワークセグメントのバスサイクルのスケジュールされたタイムスロットを検出したことに応答して、前記送信タイムスロットシグナリングを調整するステップと、前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの共有バスへのデータ送信を実行するステップと、を含む、方法。
【0105】
実施形態2:前記送信タイムスロットシグナリングを前記実行するステップは、前記ネットワークセグメントの前記物理層と前記リンク層との間のキャリア検知シグナリングをチューニングすることを含む、実施形態1に記載の方法。
【0106】
実施形態3:前記キャリア検知シグナリングを前記チューニングすることは、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及び/又はデアサートすることを含む、実施形態1及び2のいずれかに記載の方法。
【0107】
実施形態4:前記スケジュールされたタイムスロットに関連付けられたイベントを受信するステップと、前記イベントに応答して、前記スケジュールされたタイムスロットを検出するステップと、を更に含む、実施形態1~3のいずれかに記載の方法。
【0108】
実施形態5:前記スケジュールされたタイムスロット中に前記ネットワークセグメントの前記共有バスへの前記データ送信を前記実行するステップは、前記ネットワークセグメントの前記リンク層から送信データを受信することと、前記スケジュールされたタイムスロット中に前記送信データを前記共有バスに提供することと、を含む、実施形態1~4のいずれかに記載の方法。
【0109】
実施形態6:共有タイムスロットに関連付けられたイベントを受信するステップと、前記共有タイムスロットが獲得されるべきであると判定するステップと、を更に含む、実施形態1~5のいずれかに記載の方法。
【0110】
実施形態7:前記データ送信を実行した後、複数回の後続のバスサイクルにわたって前記共有タイムスロットを放棄するステップを更に含む、実施形態1~6のいずれかに記載の方法。
【0111】
実施形態8:前記スケジュールされたタイムスロットが獲得されるべきであると前記判定するステップは、タイムスロットを最後に獲得してからのバスサイクル数をカウントすることと、前記カウントされたバスサイクル数がスレッショルドを満たすことを判定することと、を含む、実施形態1~7のいずれかに記載の方法。
【0112】
実施形態9:前記データ送信を実行した後、複数回のバスサイクルにわたって共有タイムスロットを放棄することを開始するステップを更に含む、実施形態1~8のいずれかに記載の方法。
【0113】
実施形態10:放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを検出するステップと、前記共有タイムスロットを前記放棄することを前記複数回のバスサイクルより前に終了するステップと、を含む、実施形態1~9のいずれかに記載の方法。
【0114】
実施形態11:前記タイムスロットを前記放棄することを前記複数回のバスサイクルより前に前記終了するステップは、予め指定された優先度に従って放棄カウントをリセットすることを含む、実施形態1~10のいずれかに記載の方法。
【0115】
実施形態12:放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを前記検出するステップは、前記放棄されたタイムスロット中に前記共有バスにおけるキャリアアクティビティがないことを観測することを含む、実施形態1~11のいずれかに記載の方法。
【0116】
実施形態13:プレシジョンタイムプロトコルを使用して、ローカルクロックをマスタークロックに同期させるステップと、同期されたローカルクロックを使用して、タイムスロットのスケジュールに関連付けられたイベントを生成するステップと、を更に含む、実施形態1~12のいずれかに記載の方法。
【0117】
実施形態14:物理層デバイスであって、バスサイクルのスケジュールされたタイムスロットに応答してリンク層への送信タイムスロットシグナリングを実行するように構成されたタイムスロットシグナリング回路と、送信回路であって、この前記送信回路は、リンク層から送信データを受信し、前記スケジュールされたタイムスロットのタイムスロット中に前記送信データを共有バスに移動させるように構成されている、送信回路と、を含む、物理層デバイス。
【0118】
実施形態15:前記タイムスロットシグナリング回路は、優先論理であって、前記タイムスロットが獲得されるべきであると判定するように構成されている、優先論理と、チューニング回路であって、前記優先論理に応答して、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及び/又はデアサートするように構成されている、チューニング回路と、を含む、実施形態14に記載の物理層デバイス。
【0119】
実施形態16:前記優先論理は、タイムスロットに関連付けられたイベントに応答して、前記タイムスロットが獲得されるべきであると判定するように構成されている、実施形態14及び15のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0120】
実施形態17:前記優先論理は、前記タイムスロットを最後に獲得してからのバスサイクル数をカウントし、カウントされたバスサイクル数がスレッショルドを満たすことを判定することによって、前記タイムスロットが獲得されるべきであると判定するように構成されている、実施形態14~16のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0121】
実施形態18:前記優先論理は、放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを検出し、前記タイムスロットを前記放棄することを複数回のバスサイクルより前に終了するように構成されている、実施形態14~17のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0122】
実施形態19:前記タイムスロットを前記放棄することを前記複数回のバスサイクルより前に終了することは、予め指定された優先度に従って放棄カウントをリセットすることを含む、実施形態14~18のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0123】
実施形態20:前記タイムスロットシグナリング回路は、前記送信回路が前記共有バスにアクセスした後の複数回のバスサイクルにわたって前記タイムスロット中に前記送信タイムスロットシグナリングをデアサートするように構成されている、実施形態14~19のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0124】
実施形態21:共有バスにおけるキャリアアクティビティを示すキャリアアクティビティシグナリングを提供するように構成された検知回路を更に含む、実施形態14~20のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0125】
実施形態22:送信シグナリング回路は、放棄されたタイムスロット中に前記キャリアアクティビティシグナリングがキャリアアクティビティを示していることに応答して、タイムスロットのシグナリングを抑制するように構成されている、実施形態14~21のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0126】
実施形態23:前記送信シグナリング回路は、放棄されたタイムスロット中に前記キャリアアクティビティシグナリングが、前記共有バスにおけるキャリアアクティビティがないことを示していることに応答して、前記放棄されたタイムスロットが使用されなかったことを検出するように構成されている、実施形態14~22のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0127】
実施形態24:受信回路であって、前記共有バスから前記リンク層に向かって受信データを移動させるように構成されている、受信回路を更に含み、前記送信シグナリング回路は、前記タイムスロット中に前記受信回路によって受信データが移動させられていることを検出することに応答して、タイムスロットのシグナリングを抑制するように構成されている、実施形態14~23のいずれかに記載の物理層デバイス。
【0128】
実施形態25:ネットワークセグメントにおけるトラフィックシェーピングを実行するためのシステムであって、前記システムのリンク層側にあるスケジューラであって、同期されたローカルクロックに応答して、スケジュールされたタイムスロットを示すイベントを生成するように構成されている、スケジューラと、前記システムの前記リンク層側にあるメディアアクセス制御ユニットであって、送信データを提供するように構成されている、メディアアクセス制御ユニットと、前記システムの物理層側にあるタイムスロットシグナリング回路であって、前記生成されたイベントに応答して、エミュレートされたキャリア検知シグナリングをアサート及びデアサートすることによって、前記メディアアクセス制御ユニットのための送信タイムスロットを作成するように構成されている、タイムスロットシグナリング回路と、を備える、システム。
【0129】
実施形態26:前記システムの前記リンク層側と前記システムの前記物理層側との間に配置されたインターフェースを更に備える、実施形態25に記載のシステム。
【0130】
実施形態27:前記タイムスロットシグナリング回路を前記スケジューラに動作可能に結合するイベント経路は、前記システムの前記リンク層側と前記物理層側との間のインターフェースを含む、実施形態25及び26のいずれかに記載のシステム。
【0131】
実施形態28:前記タイムスロットシグナリング回路を前記スケジューラに動作可能に結合するイベント経路は、前記システムの前記リンク層側と前記物理層側との間のインターフェースを含まない、実施形態25~27のいずれかに記載のシステム。
【0132】
本開示は、特定の例示される実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本発明がそのように限定されないことを認識し、理解するであろう。むしろ、以下にそれらの法的等価物と共に特許請求されるような本発明の範囲から逸脱することなく、例示され、説明される実施形態に対して数多くの追加、削除、及び修正を行うことができる。加えて、一実施形態の特徴は、本発明者によって想到されるように、別の開示した実施形態の特徴と組み合わせることができるが、それでも、本開示の範囲内に包含される。