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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】アレイ基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240423BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 59/131 20230101ALI20240423BHJP
   H10K 59/82 20230101ALI20240423BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 308A
G09F9/30 365
H10K50/10
H10K59/124
H10K59/131
H10K59/82
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021565079
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2020089066
(87)【国際公開番号】W WO2021223189
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】于 ▲鵬▼▲飛▼
【審査官】西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0181211(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0122827(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0193914(US,A1)
【文献】特開2020-013109(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0229160(US,A1)
【文献】国際公開第2020/029711(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0363151(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0035307(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0181363(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0006105(US,A1)
【文献】国際公開第2020/017835(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0089351(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110148384(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133
G02F 1/136-1/1368
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
G09F 9/00-9/46
G09G 3/00-3/08
G09G 3/12-3/16
G09G 3/19-3/26
G09G 3/30-3/34
G09G 3/38
H01L 31/02
H01L 31/0216-31/0224
H01L 31/0236
H01L 31/0248-31/0256
H01L 31/0352-31/036
H01L 31/0392-31/078
H01L 31/18
H02S 10/00-10/40
H02S 30/00-99/00
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域を囲み、前記表示領域の片側に配置された第1周辺領域と前記第1周辺領域に隣接する曲がり角領域とを含む周辺領域とを含むベース基板と、
前記表示領域に配置された複数の副画素と、
前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素にデータ信号を提供するように構成された複数のデータラインと、
前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素にゲート信号を提供するように構成された複数のゲート線と、
前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素に発光制御信号を提供するように構成された複数の発光制御線と、
少なくとも前記曲がり角領域に配置され、各組が、前記複数のゲート線のうちの1本に電気的に接続されたゲート接続線と前記複数の発光制御線のうちの1本に電気的に接続された発光制御接続線とを含む複数の接続線を含む複数組の接続線と、
少なくとも前記曲がり角領域に配置され、前記複数組の接続線における前記ゲート接続線を介して前記複数のゲート線に電気的に接続された複数のゲート駆動ユニットを含むゲート駆動回路と、
少なくとも前記曲がり角領域に配置され、且つ前記ゲート駆動回路の前記表示領域から離れた側に配置され、前記複数組の接続線における前記発光制御接続線を介して前記複数の発光制御線に電気的に接続された複数の発光制御駆動ユニットを含む発光制御駆動回路と、
少なくとも前記曲がり角領域に配置された複数のデータ信号入力線と、
少なくとも前記曲がり角領域に配置され、且つ前記ゲート駆動回路の前記表示領域に近い側に配置され、少なくとも1つが前記複数のデータ信号入力線のうちの1本および前記複数のデータラインのうちの少なくとも2本に電気的に接続された複数の多重化ユニットを含む多重化回路と、
を含み、
ここで、前記複数の接続線の各々の前記ベース基板上への正射影は、前記複数の多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影の間を通過し、且つ前記複数の多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影と重ならない、
アレイ基板。
【請求項2】
前記複数の接続線は、電源接続線をさらに含み、
前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素に第1電源信号を提供するように構成された複数の電源線と、
前記第1周辺領域と前記曲がり角領域とに配置され、且つ前記ゲート駆動回路と前記多重化回路との間に配置され、前記複数組の接続線における前記電源接続線を介して前記複数の電源線に電気的に接続された第1電源バスと、
をさらに含む、
請求項1に記載のアレイ基板。
【請求項3】
前記複数の接続線は、初期化接続線をさらに含み、
前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素に初期化信号を提供するように構成された複数の初期化線と、
少なくとも前記曲がり角領域に配置され、且つ前記ゲート駆動回路と前記第1電源バスとの間に配置され、前記複数組の接続線における前記初期化接続線を介して前記複数の初期化線に電気的に接続された初期化バスと、
をさらに含む、
請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項4】
前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、駆動トランジスタとストレージキャパシタとを含み、
前記駆動トランジスタは、
前記ベース基板上に配置された第1アクティブ層と、
前記第1アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1ゲートと、
前記第1ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第1アクティブ層に電気的に接続されたソース及びドレインと、
を含み、
前記ストレージキャパシタは、
前記第1ゲートと同一層に配置された第1電極板と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された第2電極板と、
を含み、
前記複数の接続線の各々は、第1接続部を含み、前記第1接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記隣接する2つの多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影の間を通過し、前記ゲート接続線の第1接続部、前記発光制御接続線の第1接続部、前記電源接続線の第1接続部、前記初期化接続線の第1接続部のうちの少なくとも1つは、前記第1電極板と前記第2電極板のうちの1つと同一層に配置される、
請求項3に記載のアレイ基板。
【請求項5】
前記発光制御接続線の第1接続部と前記第1電極板は、同一層に配置され、
前記ゲート接続線の第1接続部、前記初期化接続線の第1接続部、及び前記第2電極板は、同一層に配置され、
前記電源接続線の第1接続部は、前記第1電極板と前記第2電極板のうちの少なくとも1つと同一層に配置される、
請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項6】
前記複数の接続線の各々は、前記第1接続部に電気的に接続された第2接続部をさらに含み、前記第2接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記複数のデータ信号入力線の前記ベース基板上への正射影を通過し、前記第2接続部、前記ソース及び前記ドレインは、同一層に配置される、
請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項7】
前記ゲート接続線、前記発光制御接続線、及び前記初期化接続線のそれぞれは、前記第2接続部に電気的に接続された第3接続部をさらに含み、前記第3接続部は、前記第2接続部の前記第1接続部から離れた側に配置され、前記第3接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記第1電源バスの前記ベース基板上への正射影を通過し、
前記ゲート接続線の第3接続部、前記発光制御接続線の第3接続部、及び前記初期化接続線の第3接続部のうちの少なくとも1つは、前記第1電極板と前記第2電極板のうちの1つと同一層に配置される、
請求項6に記載のアレイ基板。
【請求項8】
前記発光制御接続線の第3接続部と前記第1電極板は、同一層に配置され、
前記ゲート接続線の第3接続部、前記初期化接続線の第3接続部、及び前記第2電極板は、同一層に配置される、
請求項7に記載のアレイ基板。
【請求項9】
前記発光制御駆動回路の前記表示領域から離れた側に配置された第3電源バスをさらに含み、
前記第1電源バスは、前記第1電源信号を提供するように構成され、前記第3電源バスは、第2電源信号を提供するように構成され、前記第2電源信号の電圧は、前記第1電源信号の電圧よりも低い、
請求項2に記載のアレイ基板。
【請求項10】
前記第1周辺領域と前記曲がり角領域とに配置され、且つ前記多重化回路の前記表示領域から離れた側に配置された複数の制御信号線をさらに含み、各第1制御信号線は、前記複数の多重化ユニットに電気的に接続され、
前記複数の多重化ユニットのうちの少なくとも1つは、複数のスイッチングトランジスタを含み、少なくとも1つのスイッチングトランジスタは、
前記ベース基板の片側に配置された第2アクティブ層と、
前記第2アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置され、間隔を空けて配置された第1ゲート部及び第2ゲート部を含み、前記第1ゲート部及び前記第2ゲート部は、
前記複数の制御信号線のうちの1本に電気的に接続された第2ゲートと、
前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第2アクティブ層及び前記複数のデータ信号入力線のうちの1本に電気的に接続された2つの第1電極と、
前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第2アクティブ層及び前記少なくとも2本のデータラインのうちの1本に電気的に接続され、前記ベース基板上への正射影は、前記2つの第1電極の前記ベース基板上への正射影の間にある第2電極と、
を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項11】
前記複数のスイッチングトランジスタは、2つのスイッチングトランジスタを含み、前記2つのスイッチングトランジスタは、前記2つの第1電極のうちの1つを共用する請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項12】
前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタは、電極接続部とゲート接続部のうちの少なくとも1つをさらに含み、
前記電極接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記第2アクティブ層の前記ベース基板上への正射影と前記複数の制御信号線の前記ベース基板上への正射影との間にあり、前記2つの第1電極は、前記電極接続部を介して前記データ信号入力線に電気的に接続され、
前記ゲート接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記第2アクティブ層の前記ベース基板上への正射影と前記電極接続部の前記ベース基板上への正射影との間にあり、前記第1ゲート部と前記第2ゲート部は、前記ゲート接続部を介して前記制御信号線に電気的に接続される、
請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項13】
前記2つの第1電極と前記電極接続部は、一体に設けられ、前記第1ゲート部と、前記第2ゲート部と、前記ゲート接続部とは、一体に設けられている請求項12に記載のアレイ基板。
【請求項14】
前記第1ゲート部の前記ベース基板上への正射影は、前記2つの第1電極のうちの一方の前記ベース基板上への正射影と前記第2電極の前記ベース基板上への正射影との間にあり、前記第2ゲート部の前記ベース基板上への正射影は、前記2つの第1電極のうちの他方の前記ベース基板上への正射影と前記第2電極の前記ベース基板上への正射影との間にある、
請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項15】
前記第2アクティブ層は、
第1アクティブ部と、
前記第1アクティブ部と前記表示領域との間に配置された第2アクティブ部と、
を含み、
前記2つの第1電極の各々と前記第2電極は、それぞれ、複数の第1ビアホールを介して前記第1アクティブ部に電気的に接続され、前記2つの第1電極の各々と前記第2電極は、それぞれ、複数の第2ビアホールを介して前記第2アクティブ部に電気的に接続されている、
請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項16】
前記2つの第1電極と前記第2電極は、第1方向に沿って延在し、前記複数の第1ビアホールと前記複数の第2ビアホールは、前記第1方向に沿って配列されている請求項15に記載のアレイ基板。
【請求項17】
前記複数の多重化ユニットは、前記第1周辺領域に配置された複数の第1多重化ユニットを含み、
前記第1周辺領域に配置され、少なくとも1つの前記ベース基板上への正射影は、前記複数の第1多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影の間にあり、前記少なくとも1つは、異なる層に配置された第1接続層及び第2接続層を含む複数の電源バス接続部品と、
少なくとも前記第1周辺領域に配置され、且つ前記多重化回路と前記表示領域との間に配置され、前記複数の電源バス接続部品を介して前記第1電源バスに電気的に接続された第2電源バスと、
をさらに含む、
請求項2から9のいずれか1項に記載のアレイ基板。
【請求項18】
前記第1接続層の前記ベース基板上への正射影は、前記第2接続層の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている請求項17に記載のアレイ基板。
【請求項19】
前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、駆動トランジスタとストレージキャパシタとを含み、
前記駆動トランジスタは、
前記ベース基板上に配置された第1アクティブ層と、
前記第1アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1ゲートと、
前記第1ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置された第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された第2絶縁層と、
前記第2絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第1アクティブ層に電気的に接続されたソース及びドレインと、
を含み、
前記ストレージキャパシタは、
前記第1ゲートと同一層に配置された第1電極板と、
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された第2電極板と、
を含み、
ここで、前記第2アクティブ層と前記第1アクティブ層は、同一層に配置され、前記第2ゲートと前記第1ゲートは、同一層に配置され、前記ソース、前記ドレイン、前記2つの第1電極、及び前記第2電極は、同一層に配置されている、
請求項10に記載のアレイ基板。
【請求項20】
前記複数の多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットに電気的に接続された隣接する2本のデータ信号入力線のうちの1本は、前記第1電極板と同一層に配置され、他本は、前記第2電極板と同一層に配置されている請求項4に記載のアレイ基板。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか1項に記載のアレイ基板を含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術の分野に関し、特にアレイ基板及び表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、自発光、広視野角、短反応時間、高発光効率、広色域、低作動電圧、大サイズ製作、可撓化、製造工程簡単などの特性があるため、有機発光ダイオード(organic light emitting diode、OLED)表示パネルが広く使われている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の実施例の一態様によると、表示領域と、前記表示領域を囲み、前記表示領域の片側に配置された第1周辺領域と前記第1周辺領域に隣接する曲がり角領域とを含む周辺領域とを含むベース基板と、前記表示領域に配置された複数の副画素と、前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素にデータ信号を提供するように構成された複数のデータラインと、前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素にゲート信号を提供するように構成された複数のゲート線と、前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素に発光制御信号を提供するように構成された複数の発光制御線と、少なくとも前記曲がり角領域に配置され、各組が、前記複数のゲート線のうちの1本に電気的に接続されたゲート接続線と前記複数の発光制御線のうちの1本に電気的に接続された発光制御接続線とを含む複数の接続線を含む複数組の接続線と、少なくとも前記曲がり角領域に配置され、前記複数組の接続線における前記ゲート接続線を介して前記複数のゲート線に電気的に接続された複数のゲート駆動ユニットを含むゲート駆動回路と、少なくとも前記曲がり角領域に配置され、且つ前記ゲート駆動回路の前記表示領域から離れた側に配置され、前記複数組の接続線における前記発光制御接続線を介して前記複数の発光制御線に電気的に接続された複数の発光制御駆動ユニットを含む発光制御駆動回路と、少なくとも前記曲がり角領域に配置された複数のデータ信号入力線と、少なくとも前記曲がり角領域に配置され、且つ前記ゲート駆動回路の前記表示領域に近い側に配置され、少なくとも1つが前記複数のデータ信号入力線のうちの1本および前記複数のデータラインのうちの少なくとも2本に電気的に接続された複数の多重化ユニットを含む多重化回路と、を含み、ここで、前記複数の接続線の各々の前記ベース基板上への正射影は、前記複数の多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影の間を通過し、且つ前記複数の多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影と重ならないアレイ基板に関する。
【0004】
いくつかの実施例において、前記複数の接続線は、電源接続線をさらに含み、前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素に第1電源信号を提供するように構成された複数の電源線と、前記第1周辺領域と前記曲がり角領域とに配置され、且つ前記ゲート駆動回路と前記多重化回路との間に配置され、前記複数組の接続線における前記電源接続線を介して前記複数の電源線に電気的に接続された第1電源バスと、をさらに含む。
【0005】
いくつかの実施例において、前記複数の接続線は、初期化接続線をさらに含み、前記アレイ基板は、前記表示領域に配置され、且つ前記複数の副画素に電気的に接続され、前記複数の副画素に初期化信号を提供するように構成された複数の初期化線と、少なくとも前記曲がり角領域に配置され、且つ前記ゲート駆動回路と前記第1電源バスとの間に配置され、前記複数組の接続線における前記初期化接続線を介して前記複数の初期化線に電気的に接続された初期化バスと、をさらに含む。
【0006】
いくつかの実施例において、前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、駆動トランジスタとストレージキャパシタとを含む。前記駆動トランジスタは、前記ベース基板上に配置された第1アクティブ層と、前記第1アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1ゲートと、前記第1ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された第2絶縁層と、前記第2絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第1アクティブ層に電気的に接続されたソース及びドレインと、を含む。前記ストレージキャパシタは、前記第1ゲートと同一層に配置された第1電極板と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された第2電極板と、を含む。前記複数の接続線の各々は、第1接続部を含み、前記第1接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記隣接する2つの多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影の間を通過し、前記ゲート接続線の第1接続部、前記発光制御接続線の第1接続部、前記電源接続線の第1接続部、前記初期化接続線の第1接続部のうちの少なくとも1つは、前記第1電極板と前記第2電極板のうちの1つと同一層に配置される。
【0007】
いくつかの実施例において、前記発光制御接続線の第1接続部と前記第1電極板は、同一層に配置され、前記ゲート接続線の第1接続部、前記初期化接続線の第1接続部、及び前記第2電極板は、同一層に配置され、前記電源接続線の第1接続部は、前記第1電極板と前記第2電極板のうちの少なくとも1つと同一層に配置される。
【0008】
いくつかの実施例において、前記複数の接続線の各々は、前記第1接続部に電気的に接続された第2接続部をさらに含み、前記第2接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記複数のデータ信号入力線の前記ベース基板上への正射影を通過し、前記第2接続部、前記ソース及び前記ドレインは、同一層に配置される。
【0009】
いくつかの実施例において、前記ゲート接続線、前記発光制御接続線、及び前記初期化接続線のそれぞれは、前記第2接続部に電気的に接続された第3接続部をさらに含み、前記第3接続部は、前記第2接続部の前記第1接続部から離れた側に配置され、前記第3接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記第1電源バスの前記ベース基板上への正射影を通過し、前記ゲート接続線の第3接続部、前記発光制御接続線の第3接続部、及び前記初期化接続線の第3接続部のうちの少なくとも1つは、前記第1電極板と前記第2電極板のうちの1つと同一層に配置される。
【0010】
いくつかの実施例において、前記発光制御接続線の第3接続部と前記第1電極板は、同一層に配置され、前記ゲート接続線の第3接続部、前記初期化接続線の第3接続部、及び前記第2電極板は、同一層に配置される。
【0011】
いくつかの実施例において、前記発光制御駆動回路の前記表示領域から離れた側に配置された第3電源バスをさらに含み、前記第1電源バスは、前記第1電源信号を提供するように構成され、前記第3電源バスは、第2電源信号を提供するように構成され、前記第2電源信号の電圧は、前記第1電源信号の電圧よりも低い。
【0012】
いくつかの実施例において、前記アレイ基板は、前記第1周辺領域と前記曲がり角領域とに配置され、且つ前記多重化回路の前記表示領域から離れた側に配置された複数の制御信号線をさらに含み、各第1制御信号線は、前記複数の多重化ユニットに電気的に接続され、前記複数の多重化ユニットのうちの少なくとも1つは、複数のスイッチングトランジスタを含む。少なくとも1つのスイッチングトランジスタは、前記ベース基板の片側に配置された第2アクティブ層と、前記第2アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置され、間隔を空けて配置された第1ゲート部及び第2ゲート部を含み、前記第1ゲート部及び前記第2ゲート部は、前記複数の制御信号線のうちの1本に電気的に接続された第2ゲートと、前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第2アクティブ層及び前記複数のデータ信号入力線のうちの1本に電気的に接続された2つの第1電極と、前記第2ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第2アクティブ層及び前記少なくとも2本のデータラインのうちの1本に電気的に接続され、前記ベース基板上への正射影は、前記2つの第1電極の前記ベース基板上への正射影の間にある第2電極と、を含む。
【0013】
いくつかの実施例において、前記複数のスイッチングトランジスタは、2つのスイッチングトランジスタを含み、前記2つのスイッチングトランジスタは、前記2つの第1電極のうちの1つを共用する。
【0014】
いくつかの実施例において、前記少なくとも1つのスイッチングトランジスタは、電極接続部とゲート接続部のうちの少なくとも1つをさらに含み、前記電極接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記第2アクティブ層の前記ベース基板上への正射影と前記複数の制御信号線の前記ベース基板上への正射影との間にあり、前記2つの第1電極は、前記電極接続部を介して前記データ信号入力線に電気的に接続され、前記ゲート接続部の前記ベース基板上への正射影は、前記第2アクティブ層の前記ベース基板上への正射影と前記電極接続部の前記ベース基板上への正射影との間にあり、前記第1ゲート部と前記第2ゲート部は、前記ゲート接続部を介して前記制御信号線に電気的に接続される。
【0015】
いくつかの実施例において、前記2つの第1電極と前記電極接続部は、一体に設けられ、前記第1ゲート部と、前記第2ゲート部と、前記ゲート接続部とは、一体に設けられている。
【0016】
いくつかの実施例において、前記第1ゲート部の前記ベース基板上への正射影は、前記2つの第1電極のうちの一方の前記ベース基板上への正射影と前記第2電極の前記ベース基板上への正射影との間にあり、前記第2ゲート部の前記ベース基板上への正射影は、前記2つの第1電極のうちの他方の前記ベース基板上への正射影と前記第2電極の前記ベース基板上への正射影との間にある。
【0017】
いくつかの実施例において、前記第2アクティブ層は、第1アクティブ部と、前記第1アクティブ部と前記表示領域との間に配置された第2アクティブ部と、を含み、前記2つの第1電極の各々と前記第2電極は、それぞれ、複数の第1ビアホールを介して前記第1アクティブ部に電気的に接続され、前記2つの第1電極の各々と前記第2電極は、それぞれ、複数の第2ビアホールを介して前記第2アクティブ部に電気的に接続されている。
【0018】
いくつかの実施例において、前記2つの第1電極と前記第2電極は、第1方向に沿って延在し、前記複数の第1ビアホールと前記複数の第2ビアホールは、前記第1方向に沿って配列されている。
【0019】
いくつかの実施例において、前記複数の多重化ユニットは、前記第1周辺領域に配置された複数の第1多重化ユニットを含み、前記アレイ基板は、前記第1周辺領域に配置され、少なくとも1つの前記ベース基板上への正射影は、前記複数の第1多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットの前記ベース基板上への正射影の間にあり、前記少なくとも1つは、異なる層に配置された第1接続層及び第2接続層を含む複数の電源バス接続部品と、少なくとも前記第1周辺領域に配置され、且つ前記多重化回路と前記表示領域との間に配置され、前記複数の電源バス接続部品を介して前記第1電源バスに電気的に接続された第2電源バスと、をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施例において、前記第1接続層の前記ベース基板上への正射影は、前記第2接続層の前記ベース基板上への正射影と少なくとも部分的に重なっている。
【0021】
いくつかの実施例において、前記複数の副画素のうちの少なくとも1つは、駆動トランジスタとストレージキャパシタとを含む。前記駆動トランジスタは、前記ベース基板上に配置された第1アクティブ層と、前記第1アクティブ層の前記ベース基板から離れた側に配置された第1ゲートと、前記第1ゲートの前記ベース基板から離れた側に配置された第1絶縁層と、前記第1絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置された第2絶縁層と、前記第2絶縁層の前記ベース基板から離れた側に配置され、且つ前記第1アクティブ層に電気的に接続されたソース及びドレインと、を含む。前記ストレージキャパシタは、前記第1ゲートと同一層に配置された第1電極板と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置された第2電極板と、を含む。ここで、前記第2アクティブ層と前記第1アクティブ層は、同一層に配置され、前記第2ゲートと前記第1ゲートは、同一層に配置され、前記ソース、前記ドレイン、前記2つの第1電極、及び前記第2電極は、同一層に配置されている。
【0022】
いくつかの実施例において、前記複数の多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットに電気的に接続された隣接する2本のデータ信号入力線のうちの1本は、前記第1電極板と同一層に配置され、他本は、前記第2電極板と同一層に配置されている。
【0023】
本開示の実施例の別の態様によると、上記のいずれかの実施例によるアレイ基板を含む表示装置に関する。
【0024】
明細書の一部を構成する図面は、本開示の実施例を説明し、明細書とともに本開示の原理を説明するためのものである。
図面を参照して、以下の詳細な説明により、本開示をより明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】本開示の一実施例によるアレイ基板の概略構造図である。
図1B】本開示の一実施例によるベース基板の概略構造図である。
図2A】本開示の別の実施例によるアレイ基板の概略構造図である。
図2B図2Aに示されたアレイ基板のループBに含まれる部分領域の拡大概略図である。
図3】本開示の一実施例による副画素の概略断面図である。
図4A図2Bに示されたA-A’に沿った概略断面図である。
図4B図2Bに示されたB-B’に沿った概略断面図である。
図4C図2Bに示されたC-C’に沿った概略断面図である。
図5A】本開示のまた別の実施例によるアレイ基板の概略構造図である。
図5B図5Aに示されたアレイ基板のループBに含まれる部分領域の拡大概略図である。
図6A図5Bに示されたA-A’に沿った概略断面図である。
図6B】本開示の一実施例による多重化ユニットの概略レイアウト図である。
図7A】本開示のさらに別の実施例によるアレイ基板の概略構造図である。
図7B図7Aに示されたアレイ基板のループBに含まれる部分領域の拡大概略図である。
図8図7Bに示されたA-A’に沿った概略断面図である。
図9A】本開示の一実施例による副画素の画素回路が1組の接続線に接続された概略レイアウト図である。
図9B】本開示の一実施例による副画素の画素回路が多重化ユニットに接続された概略レイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面に示した各部の寸法は、実際の比例関係に基づいて描かれていないことを理解すべきである。また、同一又は類似の符号は、同一又は類似の構成要素を示す。
【0027】
図面を参照して、本開示の様々な例示的な実施例を詳細に説明する。例示的な実施例に対する説明は、単に例示的なものであり、本開示およびその適用または使用を限定するものではない。本開示は、本明細書に記載の実施例に限定されず、多くの異なる形態で実施することができる。これらの実施例は、本開示を徹底的かつ完全にし、本開示の範囲を当業者に十分に表現するために提供される。特に明記しない限り、これらの実施例に記載された部品およびステップの相対的な配置、材料成分、数式、および数値は、限定的なものではなく、単なる例示的なものとして解釈されるべきであることに留意されたい。
【0028】
本開示で使用される「第1」、「第2」および類似語は、順序、数、または重要度を表すものではなく、単に異なる部分を区別するために使用される。「含む」または「含有する」などの類似語は、この用語の前の要素がこの用語の後に列挙された要素をカバーすることを意味し、他の要素もカバーする可能性を排除するものではない。「上」、「下」等は、相対的な位置関係のみを表すものであり、説明されたオブジェクトの絶対位置が変更されると、相対的な位置関係もそれに応じて変更される可能性がある。
【0029】
本開示において、特定の部品が第1部品と第2部品との間に配置されることが記載された場合、当該特定の部品と第1部品または第2部品との間には、中間部品が存在してもよいし、存在しなくてもよい。特定の部品が他の部品に接続されることが記載された場合、当該特定の部品は、中間部品なしで前記他の部品に直接接続されてもよいし、中間部品ありで前記他の部品に直接接続されなくてもよい。
【0030】
本開示で使用されるすべての用語(技術用語または科学用語を含む)は、特に定義されない限り、本開示の属する分野の当業者が理解するものと同じ意味である。汎用辞書で定義された用語は、本明細書で明示的に定義されない限り、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、理想化または極端に形式化された意味で解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0031】
関連分野の当業者に知られた技術、方法、および装置については詳細に説明しない場合があるが、適切な場合には、前記技術、方法、および装置が明細書の一部と見なされるべきである。
【0032】
関連技術では、多重化回路を採用することにより、1本のデータ信号入力線を利用して2本以上のデータラインにデータ信号を入力し、2列以上の副画素にデータ信号を提供することができる。このようにすると、アレイ基板と集積回路を接続する信号線の数を減らすことができ、この結果、集積回路のサイズを小さくすることができ、アレイ基板のフレームサイズを小さくすることに寄与し、プロセスの複雑さ及びコストを低減させることができる。
【0033】
発明者は、アレイ基板の曲がり角領域に配置された多重化回路が他の回路の配線と相互に影響しやすいことに気づいた。これを考慮して、本開示の実施例は、以下のような技術案を提供する。
【0034】
図1Aは、本開示の一実施例によるアレイ基板の概略構造図である。図1Bは、本開示の一実施例によるベース基板の概略構造図である。
【0035】
図1Aに示すように、アレイ基板は、ベース基板11と複数の副画素12とを含む。
ベース基板11は、表示領域111と表示領域を囲む周辺領域112とを含む。周辺領域112は、表示領域111の片側に配置された第1周辺領域112Aを含む。周辺領域112は、第1周辺領域112Aに隣接する曲がり角領域112Bをさらに含み得る。ここで、図1Aでは、第1周辺領域112Aの片側に配置された曲がり角領域112Bと第1周辺領域112Aの他側に配置された曲がり角領域112Bが示されている。
【0036】
いくつかの実施例において、第1周辺領域112Aは、直辺領域であってもよい。いくつかの実施例において、曲がり角領域112Bは、例えば円弧のような弧を有してもよい。周辺領域112は、他の周辺領域、例えば曲がり角領域112Bに隣接する第2周辺領域112Cをさらに含むことが理解すべきである。いくつかの実施例において、図1Bを参照すると、周辺領域112は、第1周辺領域112Aの表示領域11から離れた側に配置された折り曲げ区域112Dをさらに含み得る。いくつかの実施例において、ベース基板11は、例えばポリイミド(PI)基板などのフレキシブル基板を含み得る。
【0037】
複数の副画素12は、表示領域111に配置される。例えば、複数の副画素12は、赤色副画素、緑色副画素または青色副画素などを含み得る。各副画素12は、画素回路を含む。例えば、画素回路は、6つのトランジスタと1つのコンデンサ(6T1C)を含み得る。また例えば、画素回路は、7つのトランジスタと1つのコンデンサ(7T1C)を含み得る。
【0038】
なお、以下に説明する異なる実施例の異なる実施例的アレイ基板、ベース基板11及び複数の副画素12については、上記の説明を参照することができ、後述しない。
【0039】
図2Aは、本開示の別の実施例によるアレイ基板の概略構造図である。図2Bは、図2Aに示されたアレイ基板のループBに含まれる部分領域の拡大概略図である。図2Aに示された2つのループBのうちの少なくとも1つは、図2Bに示された構造を含み得ることが理解すべきである。
【0040】
図2A図2Bに示すように、アレイ基板は、ベース基板11、複数の副画素12、複数のデータライン13、複数のゲート線14、複数の発光制御線15、ゲート駆動回路21、発光制御駆動回路22、多重化回路23、複数のデータ信号入力線31、及び複数組の接続線32を含む。
【0041】
図2Aを参照すると、ベース基板11は、表示領域111と表示領域を囲む周辺領域112とを含む。周辺領域112は、表示領域111の片側に配置された第1周辺領域112Aと第1周辺領域112Aに隣接する曲がり角領域112Bとを含む。
【0042】
複数のデータライン13は、表示領域111に配置され、且つ表示領域111に配置された複数の副画素12に電気的に接続される。複数のデータライン13は、複数の副画素12にデータ信号を提供するように構成される。例えば、各データライン13は、1列の副画素12に電気的に接続される。
【0043】
複数のゲート線14は、表示領域111に配置され、且つ複数の副画素12に電気的に接続される。複数のゲート線14は、複数の副画素12ゲート信号を提供するように構成される。例えば、各ゲート線14は、1行の副画素12に電気的に接続される。
【0044】
複数の発光制御線15は、表示領域111に配置され、且つ複数の副画素12に電気的に接続される。複数の発光制御線15は、複数の副画素12に発光制御信号を提供するように構成される。例えば、各発光制御線15は、1行の副画素12に電気的に接続される。
【0045】
図2Bを参照すると、複数組の接続線32は、少なくとも曲がり角領域112Bに配置される。各組の接続線32は、複数の接続線を含み、複数の接続線は、少なくともゲート接続線321と発光制御接続線322とを含む、ゲート接続線321は、複数のゲート線14のうちの1本に電気的に接続される。例えば、ゲート接続線321は、1行の副画素12のゲート線14及び隣接する行の副画素12のリセット制御線に電気的に接続される。発光制御接続線322は、複数の発光制御線15のうちの少なくとも1本に電気的に接続される。例えば、発光制御接続線322は、隣接する2行の副画素に電気的に接続された隣接する2本の発光制御線15に電気的に接続される。
【0046】
ゲート駆動回路21は、少なくとも曲がり角領域112Bに配置される。例えば、ゲート駆動回路21は、第2周辺領域112Cに配置されてもよい。ゲート駆動回路21は、複数のゲート駆動ユニット211、例えば、カスケードされた複数の第1シフトレジスターを含む。複数のゲート駆動ユニット211は、複数組の接続線32におけるゲート接続線321を介して複数のゲート線14に電気的に接続される。例えば、曲がり角領域112Bに配置された隣接する2つのゲート駆動ユニット211のうちの1つは、1組の接続線32におけるゲート接続線321を介して1本のゲート線14に電気的に接続され、他方のゲート駆動ユニット211は、別の組の接続線32におけるゲート接続線321を介して他本のゲート線14に電気的に接続される。
【0047】
発光制御駆動回路22は、少なくとも曲がり角領域112Bに配置され、且つゲート駆動回路21の表示領域111から離れた側に配置される。例えば、発光制御駆動回路22は、第2周辺領域112Cに配置されてもよい。発光制御駆動回路22は、複数の発光制御駆動ユニット221、例えばカスケードされた複数の第2シフトレジスターを含む。複数の発光制御駆動ユニット221は、複数組の接続線32における発光制御接続線322を介して複数の発光制御線15に電気的に接続されている。例えば、曲がり角領域112Bに配置された隣接する2つの発光制御駆動ユニット211のうちの1つは、1組の接続線32における発光制御接続線322を介して1本の発光制御線15に電気的に接続され、他方の発光制御駆動ユニット221は、別の組の接続線32における発光制御接続線322を介して他本の発光制御線15に電気的に接続される。
【0048】
複数のデータ信号入力線31と多重化回路23は、少なくとも曲がり角領域112Bに配置される。例えば、複数のデータ信号入力線31と多重化回路23は、第1周辺領域112Aに配置されてもよい。多重化回路23は、ゲート駆動回路21の表示領域111に近い側に配置され、且つ複数の多重化ユニット231を含む。少なくとも1つの多重化ユニット231は、複数のデータ信号入力線31のうちの1本および複数のデータライン13のうちの少なくとも2本に電気的に接続される。
【0049】
例えば、多重化ユニット231は、データラインリード13Aを介して表示領域111に配置されたデータライン13に接続することができる。例えば、各多重化ユニット231は、並列に接続された2つのスイッチングトランジスタを含んでもよく、一方のスイッチングトランジスタがオンになると、他方のスイッチングトランジスタがオフになる。このようにすると、オンになっているスイッチングトランジスタを介してデータラインにデータ信号を提供することができる。
【0050】
各組の接続線32において、複数の接続線の各々(例えばゲート接続線321と発光制御接続線322)のベース基板11上への正射影は、複数の多重化ユニット231のうちの隣接する2つの多重化ユニット231のベース基板11上への正射影の間を通過する。各接続線(例えばゲート接続線321と発光制御接続線322)のベース基板11上への正射影は、複数の多重化ユニット231のベース基板11上への正射影と重ならない。
【0051】
上記の実施例では、ゲート駆動回路21は、複数組の接続線32におけるゲート接続線321を介して表示領域111の複数のゲート線14に電気的に接続され、発光制御駆動回路22は、複数組の接続線32における発光制御接続線322を介して表示領域111の発光制御線15に電気的に接続される。ゲート接続線321及び発光制御接続線322は、隣接する2つの多重化ユニット231の間を通過し、且つ各多重化ユニット231のベース基板11上への正射影と重ならない。このようにすると、ゲート接続線321及び発光制御接続線322と多重化回路23との間の相互影響が低減される。
【0052】
いくつかの実施例において、図2Bを参照すると、各組の接続線32における複数の接続線は、電源接続線323をさらに含む。図2A図2Bを参照すると、アレイ基板は、複数の電源線16と第1電源バス33とをさらに含む。
【0053】
複数の電源線16は、表示領域111に配置され、且つ複数の副画素12に電気的に接続される。複数の電源線16は、複数の副画素12に第1電源信号を提供するように構成される。第1電源バス33は、第1周辺領域112Aと曲がり角領域112Bとに配置され、且つゲート駆動回路21と多重化回路23との間に配置される。第1電源バス33は、複数組の接続線32における電源接続線323を介して表示領域111に配置された複数の電源線16に電気的に接続される。
【0054】
上記の実施例では、電源接続線323は、隣接する2つの多重化ユニット231の間を通過し、且つ各多重化ユニット231のベース基板11上への正射影と重ならない。このようにすると、電源接続線323と多重化回路23との間の相互影響が低減される。
【0055】
いくつかの実施例において、図2Bを参照すると、各組の接続線32における複数の接続線は、初期化接続線324をさらに含む。図1Aを参照すると、アレイ基板は、複数の初期化線17と初期化バス34とをさらに含む。
【0056】
複数の初期化線17は、表示領域111に配置され、且つ複数の副画素12に電気的に接続される。複数の初期化線17は、複数の副画素12に初期化信号を提供するように構成される。初期化バス34は、少なくとも曲がり角領域112Bに配置され、且つゲート駆動回路21と第1電源バス33との間に配置される。初期化バス34は、複数組の接続線32における初期化接続線324を介して表示領域111に配置された複数の初期化線17に電気的に接続される。
【0057】
上記の実施例では、初期化接続線324は、隣接する2つの多重化ユニット231の間を通過し、且つ各多重化ユニット231のベース基板11上への正射影と重ならない。このようにすると、初期化接続線324と多重化回路23との間の相互影響が低減される。
【0058】
いくつかの実施例において、隣接する2つの多重化ユニット231の間に1組の接続線32が配置されてもよい。別のいくつかの実施例において、隣接する2つの多重化ユニット231の間に複数組の接続線32が配置されてもよい。さらにいくつかの実施例において、隣接する2つの多重化ユニット231の間に1組の接続線32が配置されてもよく、また、隣接する2つの多重化ユニット231の間に複数組の接続線32が配置されてもよい。
【0059】
図3は、本開示の一実施例による副画素の概略断面図である。複数の副画素12のうちの少なくとも1つは、図3に示された構造を含み得る。
【0060】
図3に示すように、副画素12は、駆動トランジスタ121とストレージキャパシタ122とを含む。駆動トランジスタ121は、ベース基板11上に配置された第1アクティブ層1211と、第1アクティブ層1211のベース基板11から離れた側に配置された第1ゲート1213と、第1ゲート1213のベース基板11から離れた側に配置された第1絶縁層1214と、第1絶縁層1214のベース基板11から離れた側に配置された第2絶縁層1215と、第2絶縁層1215のベース基板11から離れた側に配置され、且つ第1アクティブ層1211に電気的に接続されたソース1216及びドレイン1217と、を含む。いくつかの実施例において、駆動トランジスタ121は、第1アクティブ層1212のベース基板11から離れた側に配置されたゲート誘電体層1212をさらに含み、第1ゲート1213は、ゲート誘電体層1212のベース基板11から離れた側に配置される。例えば、ソース1216及びドレイン1217は、それぞれ、第2絶縁層1215、第1絶縁層1214、及びゲート誘電体層1212を貫通するビアホールを介して第1アクティブ層1211に電気的に接続される。
【0061】
ストレージキャパシタ122は、第1ゲート1213と同一層に配置された第1電極板1221と、第1絶縁層1214と第2絶縁層1215との間に配置された第2電極板1222と、を含む。ストレージキャパシタ122は、第1電極板1221と第2電極板1222との間に配置された第1絶縁層1214をさらに含むことが理解すべきである。
【0062】
なお、本開示の実施例では、複数の部品が同一層に配置されるということは、複数の部品が同一材料層をパターン化することにより形成されることを意味する。
【0063】
副画素12は、発光ダイオード123、例えば、OLEDをさらに含む。発光ダイオード123は、第1電極1231(例えばアノード)と、第1電極1231のベース基板11から離れた側に配置された機能層1232と、機能層1232のベース基板11から離れた側に配置された第2電極1233(例えばカソード)と、を含む。例えば、発光ダイオード123の第1電極1231は、駆動トランジスタ121のドレイン1217に電気的に接続される。ここで、機能層1232は、少なくとも発光層、例えば有機発光層を含む。ある実施例では、機能層1232は、電子輸送層、電子注入層、正孔輸送層、及び正孔注入層のうちの1つまたは複数の層を含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施例において、図3を参照すると、副画素12は、ベース基板11と第1アクティブ層1211との間に配置されたバッファ層124と、ソース1216及びドレイン1217を覆う平坦化層125と、複数の副画素12を規定するための画素定義層126と、支持層127と、パッケージ層128と、をさらに含んでもよい。例えば、発光ダイオード123の第1電極1231は、平坦化層125を貫通するビアホールを介して駆動トランジスタ121のドレイン1217に電気的に接続される。例えば、画素定義層126は、複数の副画素12に対応する複数の開口を有し、複数の副画素12の発光ダイオード123は、複数の開口内に配置される。例えば、パッケージ層128は、薄膜パッケージ層を含み得る。いくつかの実施例において、パッケージ層128は、薄膜パッケージ層を含み得る。いくつかの実施例において、パッケージ層128は、第1無機層1281、第2無機層1282、及び第1無機層1281と第2無機層1282との間に配置された有機層1283を含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態として、第2絶縁層1215、第1絶縁層1214、ゲート誘電体層1212、バッファ層124、平坦化層125、画素定義層126、支持層127のうちの1つまたは複数の層は、例えばポリイミド、樹脂材料などの有機絶縁材料を含んでもよく、あるいは、シリコンの酸化物、シリコンの窒化物、シリコンの窒素酸化物などの無機絶縁材料を含んでもよい。
【0066】
いくつかの実施例において、副画素における画素回路は、7つのトランジスタと1つのコンデンサとを含む。例えば、副画素12は、駆動トランジスタ121に加えて、第1スイッチングトランジスタ、第2スイッチングトランジスタ及び第3スイッチングトランジスタをさらに含む。第1スイッチングトランジスタの第1電極は、複数のデータラインのうちの1本に電気的に接続され、第1スイッチングトランジスタの第2電極は、駆動トランジスタ121の第1電極(例えばソース)に電気的に接続され、第1スイッチングトランジスタのゲートは、複数のゲート線14のうちの1本に電気的に接続される。第2スイッチングトランジスタの第1電極は、複数の電源線16のうちの1本に電気的に接続され、第2スイッチングトランジスタの第2電極は、駆動トランジスタ122の第1電極(例えばソース1216)に電気的に接続され、第2スイッチングトランジスタのゲートは、複数の発光制御線15のうちの1本に電気的に接続される。第3スイッチングトランジスタの第1電極は、駆動トランジスタの第2電極(例えばドレイン1217)に電気的に接続され、第3スイッチングトランジスタの第2電極は、発光ダイオード123の第1電極1231(例えばアノード)に電気的に接続され、第3スイッチングトランジスタのゲートは、ゲート線の複数の発光制御線15のうちの1本に電気的に接続される。
【0067】
いくつかの実施例において、図2Bを参照すると、各組の接続線32における複数の接続線の各々は、第1接続部32Aを含む。例えば、ゲート接続線321、発光制御接続線322、電源接続線323、及び初期化接続線324のそれぞれは、第1接続部32Aを含む。第1接続部32Aのベース基板11上への正射影は、隣接する2つの多重化ユニット231のベース基板11上への正射影の間を通過する。
【0068】
ゲート接続線321の第1接続部32A、発光制御接続線322の第1接続部32A、電源接続線323の第1接続部32A、及び初期化接続線324の第1接続部32Aのうちの少なくとも1つは、第1電極板1221と第2電極板1222のうちの1つと同一層に配置される。このようにすると、金属層を追加することにより各接続線の第1接続部32Aを実現する必要がなく、プロセスの複雑さ及びコストが低減される。
【0069】
図4Aは、図2Bに示されたA-A’に沿った概略断面図である。
図4Aに示すように、いくつかの実施例において、発光制御接続線322の第1接続部32Aと第1電極板1221は、同一層に配置され、ゲート接続線321の第1接続部32A、初期化接続線324の第1接続部32A、及び第2電極板1222は、同一層に配置される。電源接続線323の第1接続部32Aは、第1電極板1221と第2電極板1222のうちの少なくとも1つと同一層に配置される。例えば、電源接続線323の第1接続部32Aは、第1電極板1221と同一層に配置された第1接続子部32A1と、第2電極板1222と同一層に配置された第2接続子部32A2と、を含む。
【0070】
いくつかの実施例において、図2Bを参照すると、各組の接続線32における複数の接続線の各々は、第1接続部32Aに電気的に接続された第2接続部32Bをさらに含む。例えば、第2接続部32B、ソース1216及びドレイン1217は、同一層に配置される。第2接続部32Bのベース基板11上への正射影は、複数のデータ信号入力線31のベース基板11上への正射影を通過する。ここで、電源接続線323の第2接続部32Bの一端は、第1接続部32Aに電気的に接続され、他端は、第1電源バス33に電気的に接続される。このようにすると、金属層を追加することにより各接続線の第2接続部32Bを実現する必要がなく、プロセスの複雑さ及びコストが低減される。
【0071】
いくつかの実施例において、図2Bを参照すると、各組の接続線32におけるゲート接続線321、発光制御接続線322、及び初期化接続線324のそれぞれは、第2接続部32Bに電気的に接続された第3接続部32Cをさらに含む。第3接続部32Cは、第2接続部32Bの第1接続部32Aから離れた側に配置される。第3接続部32Cのベース基板11上への正射影は、第1電源バスのベース基板11上への正射影を通過する。ここで、ゲート接続線321の第3接続部32C、発光制御接続線322の第3接続部32C、及び初期化接続線324の第3接続部32Cのうちの少なくとも1つは、第1電極板1221と第2電極板1222のうちの1つと同一層に配置される。このようにすると、金属層を追加することにより各接続線の第3接続部32Cを実現する必要がなく、プロセスの複雑さ及びコストが低減される。
【0072】
図4Bは、図2Bに示されたB-B’に沿った概略断面図である。
図4Bに示すように、いくつかの実施例において、発光制御接続線322の第3接続部32Cと第1電極板1221は、同一層に配置され、ゲート接続線321の第3接続部32C、初期化接続線323の第3接続部32C、及び第2電極板1222は、同一層に配置される。
【0073】
図4Cは、図2Bに示されたC-C’に沿った概略断面図である。
図4Cに示すように、いくつかの実施例において、ソース1216とドレイン1217のうちの少なくとも1つは、第1電源バス33と同一層に配置される。いくつかの実施例において、複数のデータライン入力線31における隣接する2本のデータライン入力線31のうちの1本は、第1電極板1221と同一層に配置され、他本は、第2電極板1222と同一層に配置される。いくつかの実施例において、ソース1216とドレイン1217のうちの少なくとも1つは、初期化バス34と同一層に配置される。
【0074】
いくつかの実施例において、図2Bを参照すると、アレイ基板は、第3電源バス35をさらに含み、第3電源バス35は、発光制御駆動回路22の表示領域111から離れた側に配置される。第1電源バス33は、第1電源信号を提供するように構成され、第3電源バス35は、第2電源信号を提供するように構成される。ここで、第2電源信号の電圧は、第1電源信号の電圧よりも低い。例えば、複数の副画素12のうちの各副画素12の発光ダイオード123の第2電極1233は、第3電源バス35に電気的に接続される。いくつかの実施例において、第3電源バス35は、第1電源バス33と同一層に配置される。例えば、第3電源バス35、第1電源バス33、副画素12における駆動トランジスタ121のソース1216及びドレイン1217は、同一層に配置される。
【0075】
発明者は、関連技術では、多重化回路における多重化ユニットのある方向での長さが長くて、アレイ基板のフレームサイズの縮小に不利であることにも気づいた。これを考慮して、本開示の実施例では、以下のような技術案をさらに提供する。
【0076】
図5Aは、本開示のまた別の実施例によるアレイ基板の概略構造図である。図5Bは、図5Aに示されたアレイ基板のループBに含まれる部分領域の拡大概略図である。図5Aに示された2つのループBのうちの少なくとも1つが図5Bに示された構造を含み得ることが理解すべきである。
【0077】
図5A図5Bに示すように、アレイ基板は、ベース基板11と、ベース基板11と、複数の副画素12と、複数のデータライン13と、多重化回路23と、複数のデータ信号入力線31と、複数の制御信号線36と、含む。
【0078】
図5Aを参照すると、ベース基板11は、表示領域111と表示領域111を囲む周辺領域112とを含む。周辺領域112は、表示領域111の片側に配置された第1周辺領域112Aを含む。複数の副画素12と複数のデータライン13は、表示領域111に配置される。ベース基板11、複数の副画素12及び複数のデータライン13に関する説明については、上記を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0079】
複数のデータ信号入力線31、複数の制御信号線36、及び多重化回路23は、少なくとも第1周辺領域112Aに配置される。例えば、複数のデータ信号入力線31、複数の制御信号線36、及び多重化回路23は、曲がり角領域112Bに配置されてもよい。多重化回路23は、複数の制御信号線36の表示領域111に近い側に配置され、且つ複数の多重化ユニット231を含む。少なくとも1つの多重化ユニット231は、複数のデータ信号入力線31のうちの1本および複数のデータライン13のうちの少なくとも2本に電気的に接続される。例えば、多重化ユニット231は、データラインリード13Aを介してデータライン13に接続されることができる。
【0080】
図5Bに示された多重化回路23は、第1周辺領域112Aに配置された複数の多重化ユニット231と曲がり角領域112Bに配置された複数の多重化ユニット231とを含むことが理解すべきである。
【0081】
図6Aは、図5Bに示されたA-A’に沿った概略断面図である。図6Bは、本開示の一実施例による多重化ユニットの概略レイアウト図である。以下、図6A図6Bを参照して多重化ユニットの構造を説明する。
【0082】
図6A図6Bを参照すると、少なくとも1つの多重化ユニット231は、複数のスイッチングトランジスタ232、例えば2つのスイッチングトランジスタ232またはこれ以上のスイッチングトランジスタ232を含む。ここで、図6A図6Bでは、2つのスイッチングトランジスタ232が概略的に示されている。少なくとも1つのスイッチングトランジスタ232は、ベース基板11の片側に配置された第2アクティブ層2321と、第2ゲート2322と、2つの第1電極2323と、第2電極2324と、を含む。例えば、スイッチングトランジスタ232は、第2ゲート2322と第2アクティブ層2321との間に配置されたゲート誘電体層1212をさらに含む。いくつかの実施例において、隣接する2つのスイッチングトランジスタ232は、2つの第1電極2323のうちの1つを共用し、このようにすると、多重化ユニット231が占有するスペースを低減することができる。
【0083】
第2ゲート2322は、第2アクティブ層2321のベース基板11から離れた側に配置される。第2ゲート2322は、間隔を空けて配置された第1ゲート部2322A及び第2ゲート部2322Bを含み、第1ゲート部2322A及び第2ゲート部2322Bは、複数の制御信号線36のうちの1本に電気的に接続される。
【0084】
2つの第1電極2323は、第2ゲート2322のベース基板11から離れた側に配置され、且つ第2アクティブ層2321及び1本のデータ信号入力線31に電気的に接続される。2つの第1電極2323と第2ゲート2322との間に第1絶縁層1214及び第2絶縁層1215が配置されることができる。例えば、各第1電極2323は、第2絶縁層1215、第1絶縁層1214、及びゲート誘電体層1212を貫通するビアホールを介して第2アクティブ層2321に電気的に接続されることができる。
【0085】
第2電極2324は、第2ゲート2322のベース基板11から離れた側に配置され、且つ第2アクティブ層2321と多重化ユニット231に電気的に接続された少なくとも2本のデータライン13のうちの1本とに電気的に接続される。第2電極2324のベース基板11上への正射影は、2つの第1電極2323のベース基板11上への正射影の間にある。いくつかの実施例において、第2電極2324と第1電極2323は、同一層に配置される。例えば、第2電極2324と第2ゲート2322との間に第1絶縁層1214及び第2絶縁層1215が配置される。例えば、第2電極2324は、第2絶縁層1215、第1絶縁層1214、及びゲート誘電体層1212を貫通するビアホールを介して第2アクティブ層2321に電気的に接続されることができる。
【0086】
また、スイッチングトランジスタ232は、ベース基板11と第2アクティブ層2321との間に配置されたバッファ層と、第2電極2324及び第1電極2323を覆う平坦化層125と、をさらに含んでもよい。
【0087】
上記の実施例では、スイッチングトランジスタ232の第2ゲート2322は、間隔を空けて配置された第1ゲート部2322A及び第2ゲート部2322Bを含み、スイッチングトランジスタ232がオンになると、2つの第1電極2323の各々と第2電極2324との間の第2アクティブ層2321にキャリアが通過する。例えば、第1ゲート部2322Aと第2ゲート部2322Bは、第1方向に沿って延在する。スイッチングトランジスタ232のチャネルは、第2アクティブ層2321が第1ゲート部2322Aと重なる部分と、第2アクティブ層2321が第2ゲート部2322Bと重なる部分と、を含む。したがって、第2ゲート2322を間隔を空けて配置された2つのゲート部に設定することにより、スイッチングトランジスタ232のチャネルのアスペクト比が一定である場合には、多重化ユニット231の第1方向での長さを低減させることができ、この結果、アレイ基板のフレームサイズを小さくすることに寄与する。
【0088】
いくつかの実施例において、図6Aを参照すると、スイッチングトランジスタ232の第2アクティブ層2321と駆動トランジスタ121の第1アクティブ層1211は、同一層に配置され、スイッチングトランジスタ232の第2ゲート2322と駆動トランジスタ121の第1ゲート1213は、同一層に配置され、スイッチングトランジスタ232の2つの第1電極2323と第2電極2324、駆動トランジスタ121のソース1216とドレイン1217は、同一層に配置される。言い換えれば、駆動トランジスタ121を形成する過程でスイッチングトランジスタ232を形成することにより、工程フローを簡略化することができる。
【0089】
いくつかの実施例において、図6Bを参照すると、少なくとも1つのスイッチングトランジスタ232は、電極接続部2325とゲート接続部2326のうちの少なくとも1つをさらに含む。例えば、2つの第1電極2323と電極接続部2325は、一体に設けられている。例えば、第1ゲート部2322A、第2ゲート部2322B、及びゲート接続部2326は、一体に設けられている。
【0090】
電極接続部2325のベース基板11上への正射影は、第2アクティブ層2321のベース基板11上への正射影と複数の制御信号線36のベース基板11上への正射影との間にある。2つの第1電極2323は、電極接続部2325を介してデータ信号入力線31に電気的に接続される。例えば、第1電極2323の端部は、電極接続部2325に接続される。
【0091】
ゲート接続部2326のベース基板11上への正射影は、第2アクティブ層2321のベース基板11上への正射影と電極接続部2325のベース基板11上への正射影との間にある。第1ゲート部2322Aと第2ゲート部2322Bは、ゲート接続部2326を介して1本の制御信号線36に電気的に接続される。例えば、第1ゲート部2322Aの端部と第2ゲート部2322Bの端部は、ゲート接続部2326に接続される。
【0092】
上記の実施例では、スイッチングトランジスタ232は、電極接続部2325とゲート接続部2326のうちの少なくとも1つをさらに含む。このような構造により、データ信号入力線31と第1電極2323との間の電気的接続の実現、及び制御信号線36と第2ゲート2322との間の電気的接続の実現を容易にする。
【0093】
いくつかの実施例において、第1ゲート部2322Aのベース基板11上への正射影は、2つの第1電極2323のうちの一方のベース基板11上への正射影と第2電極2324のベース基板11上への正射影との間にあり、第2ゲート部2322Bのベース基板11上への正射影は、2つの第1電極2323のうちの他方のベース基板11上への正射影と第2電極2324のベース基板11上への正射影との間にある。例えば、第1ゲート部2322A、第2ゲート部2322B、2つの第1電極2323、及び第2電極2324は、いずれも第1方向に沿って延在する。このような構造により、スイッチングトランジスタ232の第1方向に垂直な方向でのサイズの縮小に有利であり、この結果、多重化ユニット231が占有するスペースが低減される。
【0094】
いくつかの実施例において、図6Bを参照すると、第2アクティブ層2321は、互いに間隔を空けて配置された第1アクティブ部2321Aと第2アクティブ部2321Bとを含む。第2アクティブ部2321Bは、第1アクティブ部2321Aと表示領域111との間に配置される。各第1電極2323と第2電極2324は、それぞれ、複数の第1ビアホールV1を介して第1アクティブ部2321Aに電気的に接続され、各第1電極2323と第2電極2324は、それぞれ、複数の第2ビアホールV2を介して第2アクティブ部2321Bに電気的に接続されている。例えば、各第1電極2323と第2電極2324は、第1方向に沿って延在し、複数の第1ビアホールV1と複数の第2ビアホールV2は、第1方向に沿って配列されている。
【0095】
上記の実施例では、第2アクティブ層2321は、互いに間隔を空けて配置された第1アクティブ部2321Aと第2アクティブ部2321Bとを含む。このような構造により、スイッチングトランジスタ232の放熱に有利であり、多重化ユニット231の信頼性を向上させることができる。
【0096】
本開示の異なる実施例によるアレイ基板における多重化ユニットは、上記のいずれかの実施例に記載された多重化ユニットであってもよい。
【0097】
いくつかの実施例において、図5A図5B及び図6Aを参照すると、アレイ基板は複数の電源線16と第1電源バス33とをさらに含む。複数の電源線16は、表示領域111に配置され、且つ複数の副画素12に電気的に接続される。複数の電源線16は、複数の副画素12に第1電源信号を提供するように構成される。第1電源バス33は、少なくとも第1周辺領域112Aに配置され、且つ表示領域111に配置された複数の電源線16に電気的に接続される。第1電源バス33の第1周辺領域112Aに配置された部分のベース基板11上への正射影は、複数の制御信号線36のベース基板11上への正射影の表示領域111から離れた側にある。
【0098】
いくつかの実施例において、図5Bを参照すると、多重化回路23における複数の多重化ユニット231は、第1周辺領域112Aに配置された複数の第1多重化ユニット231Aを含む。アレイ基板は、複数の電源バス接続部品37と第2電源バス38とをさらに含む。
【0099】
複数の電源バス接続部品37は、第1周辺領域112Aに配置される。各電源バス接続部品37のベース基板11上への正射影は、複数の第1多重化ユニット231Aのうちの隣接する2つの第1多重化ユニット231Aのベース基板11上への正射影の間にある。図6Bを参照すると、少なくとも1つの電源バス接続部品37は、異なる層に配置された第1接続層371及び第2接続層372を含む。例えば、第1接続層371は、第2ゲート2322と同一層に配置される。例えば、第2接続層372は、副画素12におけるストレージキャパシタ122の第2電極板1222と同一層に配置される。
【0100】
第2電源バス38は、少なくとも第1周辺領域112Aに配置され、且つ多重化回路23と表示領域111との間に配置される。例えば、第2電源バス38は、曲がり角領域112Bに配置されてもよい。ここで、第2電源バス38は、複数の電源バス接続部品37を介して第1電源バス33に電気的に接続される。例えば、第2電源バス38は、ビアホールを介して第1接続層371に接続され、且つ、他方のビアホールを介して第2接続層372に接続される。同様に、第2電源バス33は、ビアホールを介して第1接続層371に接続され、且つ、他方のビアホールを介して第2接続層372に接続される。
【0101】
上記の実施例では、電源バス接続部品37は、異なる層に配置された第1接続層371及び第2接続層372を含む。このような構造により、電源バス接続部品37の横方向のサイズ(即ち、電源バス接続部品37の延在方向に垂直な方向でのサイズ)を縮小する場合には、異なる副画素12に提供された第1電源信号の電圧がより近くなるように電源バス接続部品37の抵抗を小さくすることができ、この結果、アレイ基板のフレームサイズとアレイ基板の表示均一性を両立させることができる。
【0102】
いくつかの実施例において、図6Aを参照すると、第1接続層371のベース基板11上への正射影と第2接続層372のベース基板11上への正射影は、少なくとも部分的に重なり、例えば、完全に重なっている。
【0103】
発明者は、制御信号線に制御信号を提供する信号線と他の信号線(例えば、第1電源信号バス、データ信号入力線など)との間に配線の干渉が生じやすいことにも気づいた。これを考慮して、本開示の実施例では、以下のような技術案をさらに提供する。
【0104】
図7Aは、本開示のさらに別の実施例によるアレイ基板の概略構造図である。図7Bは、図7Aに示されたアレイ基板のループBに含まれる部分領域の拡大概略図である。図7Aに示された2つのループBのうちの少なくとも1つが図7Bに示された構造を含み得ることが理解すべきである。
【0105】
図7A図7Bに示すように、アレイ基板は、ベース基板11と、複数の副画素12と、複数のデータライン13と、複数の電源線16と、多重化回路23と、複数のデータ信号入力線31と、複数の制御信号線36と、複数の制御信号接続線39と、複数の制御信号入力線41と、を含む。
【0106】
図7Aを参照すると、ベース基板11は、表示領域111と表示領域111を囲む周辺領域112とを含む。周辺領域112は、表示領域111の片側に配置された第1周辺領域112Aと第1周辺領域112Aに隣接する曲がり角領域112Bとを含む。
【0107】
複数のデータライン13は、表示領域111に配置され、且つ表示領域111に配置された複数の副画素12に電気的に接続される。複数のデータライン13は、複数の副画素12にデータ信号を提供するように構成される。例えば、各データライン13は、1列の副画素12に電気的に接続される。
【0108】
複数の電源線16は、表示領域111に配置され、且つ複数の副画素12に電気的に接続される。複数の電源線16は、複数の副画素12に第1電源信号を提供するように構成される。例えば、複数の電源線16は、1列の副画素12に電気的に接続される。
【0109】
図7Bを参照すると、複数のデータ信号入力線31、複数の制御信号線36、及び多重化回路23は、第1周辺領域112Aと曲がり角領域112Bとに配置される。多重化回路23は、複数の制御信号線36の表示領域111に近い側に配置される。多重化回路23は、複数の多重化ユニット231を含む。少なくとも1つの多重化ユニット231は、複数のデータ信号入力線31のうちの1本および複数のデータライン13のうちの少なくとも2本に電気的に接続される。
【0110】
第1電源バス33は、第1周辺領域112Aと曲がり角領域112Bとに配置され、且つ複数の電源線16に電気的に接続される。ここで、第1電源バス33と複数のデータ信号入力線31は、異なる層に配置される。
【0111】
複数の制御信号接続線39と複数のデータ信号入力線31は、異なる層に配置される。複数の制御信号接続線39は、第1電源バス33と表示領域111との間に配置される。各制御信号接続線39は、複数の制御信号線36のうちの1本に電気的に接続される。
【0112】
複数の制御信号入力線41と第1電源バス33は、異なる層に配置される。各制御信号入力線41は、第3ビアホールV3を介して複数の制御信号接続線39のうちの1本に電気的に接続される。ここで、第3ビアホールV3のベース基板11上への正射影は、第1電源バス33の曲がり角領域112Bに配置された部分のベース基板11上への正射影と複数のデータ信号入力線31のベース基板11上への正射影との間にある。
【0113】
上記の実施例では、複数のデータ信号入力線31は、第1電源バス33と異なる層に配置され、複数の制御信号入力線41は、第1電源バス33と異なる層に配置され、複数の制御信号接続線39は、複数のデータ信号入力線31と異なる層に配置され、且つ第1電源バス33と表示領域111との間に配置される。このようにすると、複数の制御信号接続線39は、第1電源バス33と間隔を空けて配置され、且つ複数のデータ信号入力線31と異なる層に配置され、複数の制御信号接続線39と第1電源バス33との間の配線の干渉、及び複数の制御信号接続線39と複数のデータ信号入力線31との間の配線の干渉が回避される。
【0114】
いくつかの実施例において、図7Bを参照すると、複数の制御信号入力線41のベース基板11上への正射影は、第1電源バス33のベース基板11上への正射影を通過する。言い換えれば、複数の制御信号入力線41のベース基板11上への正射影は、第1電源バス33のベース基板11上への正射影と重なっている。各制御信号接続線39は、第1電源バス33と同一層に配置された第1制御信号接続部391を含む。第1制御信号接続部391は、第3ビアホールV3を介して複数の制御信号入力線41のうちの1本に電気的に接続される。第1制御信号接続部391のベース基板11上への正射影は、複数のデータ信号入力線31のベース基板11上への正射影を通過する。言い換えれば、第1制御信号接続部391のベース基板11上への正射影は、複数のデータ信号入力線31のベース基板11上への正射影と重なっている。
【0115】
上記の実施例では、第1制御信号接続部391は、第1電源バス33と同一層に配置され、金属層を追加することにより制御信号線36に制御信号を導入する必要がなく、工程フローが簡略化され、コストが節約される。
【0116】
いくつかの実施例において、複数の制御信号入力線41と複数のデータ信号入力線31は、図3に示された副画素12におけるストレージキャパシタ122的第1電極板1221と第2電極板1222のうちの少なくとも1つと同一層に配置される。いくつかの実施例において、第1電源バス33、図3に示された副画素12における駆動トランジスタ121のソース1216及びドレイン1217は、同一層に配置される。
【0117】
図8は、図7Bに示されたA-A’に沿った概略断面図である。
図8に示すように、いくつかの実施例において、複数の制御信号入力線41のうちの隣接する2本の制御信号入力線41のうちの1本は、第1電極板1221と同一層に配置され、他本は、第2電極板1222と同一層に配置される。いくつかの実施例において、複数のデータ信号入力線31のうちの隣接する2本のデータ信号入力線31のうちの1本は、第1電極板1221と同一層に配置され、他本は、第2電極板1222と同一層に配置される。このようにすると、複数の制御信号入力線41及び複数のデータ信号入力線31が占有するスペースを低減させることができ、アレイ基板のフレームサイズをさらに小さくすることに寄与する。
【0118】
いくつかの実施例において、図7Bを参照すると、各制御信号接続線39は、第1制御信号接続部391と異なる層に配置された第2制御信号接続部392をさらに含む。第2制御信号接続部392は、1本の制御信号線36に電気的に接続され、且つ第4ビアホールV4を介して第1制御信号接続部391に電気的に接続される。第4ビアホールV4のベース基板11上への正射影は、複数の制御信号線36のベース基板11上への正射影と複数のデータ信号入力線31のベース基板11上への正射影との間にある。このようにすると、各制御信号接続線39がいずれも第1制御信号接続部391と第2制御信号接続部392とを含むので、複数の制御信号線39に提供された制御信号の電圧がより近くなり、複数の副画素12による表示の均一性を向上させることに寄与する。また、異なる信号線の間のスペースを十分に利用することができ、アレイ基板のフレームサイズをさらに小さくすることに寄与する。
【0119】
いくつかの実施例において、複数の多重化ユニット231は、第1周辺領域112Aに配置された複数の第1多重化ユニット231Aと曲がり角領域112Bに配置された複数の第2多重化ユニット231Bとを含む。複数の第1多重化ユニット231Aのうち曲がり角領域112Bに最も近い1つの第1多重化ユニット231Aに接続されたデータ信号入力線31は、第1データ信号入力線31’であり、複数の第2多重化ユニット231Bのうち第1周辺領域112Aに最も近い1つの第2多重化ユニット231Bに接続されたデータ信号入力線31は、第2データ信号入力線31’’である。第1データ信号入力線31’のベース基板11上への正射影と第2データ信号入力線31’’のベース基板11上への正射影との間にある各制御信号線36のベース基板11上への正射影の部分は、第1射影M1である。各第2制御信号接続部392は、第5ビアホールV5を介して対応する1本の制御信号線36に電気的に接続される。ここで、第5ビアホールV5のベース基板11上への正射影は、第1射影M1と重なっている。例えば、第5ビアホールV5のベース基板11上への正射影は、第1射影M1内にある。
【0120】
いくつかの実施例において、多重化回路23は、多重化された第1多重化ユニット231Aと多重化された第2多重化ユニット231Bとの間に配置されたダミー多重化ユニット232をさらに含む。ここで、ダミー多重化ユニット232の位置は、第1周辺領域112Aと曲がり角領域112Bが交差する位置と見なされることができる。例えば、ダミー多重化ユニット232の構造は、多重化ユニット231の構造と同じであってもよい。ダミー多重化ユニット232は、複数のデータ信号入力線31及び複数のデータライン13のいずれにも電気的に接続されていない。ダミー多重化ユニット232は、プロセス中に複数の多重化ユニット231の均一性を確保することに寄与する。
【0121】
以上のように、本開示の異なる実施例によるアレイ基板を説明した。なお、本開示の異なる実施例のアレイ基板を互いに組み合わせることができる。
【0122】
図9Aは、本開示の一実施例による副画素の画素回路が1組の接続線に接続された概略レイアウト図である。図9Bは、本開示の一実施例による副画素の画素回路が多重化ユニットに接続された概略レイアウト図である。
【0123】
図9A図9Bに示すように、副画素の画素回路は、駆動トランジスタT1(即ち、前述の駆動トランジスタ121)と、データ書き込みトランジスタT2と、閾値補償トランジスタT3と、第1発光制御トランジスタT4と、第2発光制御トランジスタT5と、第1リセットトランジスタT6(図9の右下隅に位置する)と、第2リセットトランジスタT7(図9の左上隅に位置する)と、ストレージキャパシタC1(即ち、前述のストレージキャパシタ122)と、を含み得る。
【0124】
駆動トランジスタT1は、チャネル領域T14を含み、データ書き込みトランジスタT2は、チャネル領域T24を含み、閾値補償トランジスタT3は、チャネル領域T34を含み、第1発光制御トランジスタT4は、チャネル領域T44を含み、第2発光制御トランジスタT5は、チャネル領域T54を含み、第1リセットトランジスタT6は、チャネル領域T64を含み、第2リセットトランジスタT7は、チャネル領域T74を含む。
【0125】
データ書き込みトランジスタT2のゲートT20は、ゲート線14に電気的に接続され、データ書き込みトランジスタT2の第1電極T21は、(例えばビアホールVH1を介して)データライン13に電気的に接続され、データ書き込みトランジスタT2の第2電極T22は、駆動トランジスタT1の第1電極T11に電気的に接続される。
【0126】
閾値補償トランジスタT3のゲートT30は、ゲート線14に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第1電極T31は、駆動トランジスタT1の第2電極T12に電気的に接続され、閾値補償トランジスタT3の第2電極T32は、接続電極31bを介して駆動トランジスタT1のゲートT10、即ちストレージキャパシタの第2電極板C12に電気的に接続される。
【0127】
第1発光制御トランジスタT4のゲートT40と第2発光制御トランジスタT5のゲートT50は、いずれも発光制御線15に電気的に接続される。例えば、発光制御線15の一部は、第1発光制御トランジスタT4のゲートT40として機能し、発光制御線110の他の部分は、第2発光制御トランジスタT5のゲートT50として機能する。第1発光制御トランジスタT4の第1電極T41は、(例えばビアホールVH2を介して)電源線16に電気的に接続され、第1発光制御トランジスタT4の第2電極T42は、駆動トランジスタT1の第1電極T11に電気的に接続される。第2発光制御トランジスタT5の第1電極T51は、駆動トランジスタT1の第2電極T12に電気的に接続され、第2発光制御トランジスタT5の第2電極T52は、発光ダイオード123の第1電極1231に電気的に接続される(図3を参照)。例えば、第2発光制御トランジスタT5の第2電極T52は、接続電極31dを介して発光ダイオード123の第1電極1231に電気的に接続される。
【0128】
第1リセットトランジスタT6のゲートT60は、リセット制御線18に電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6の第1電極T61は、接続電極31aを介して初期化信号線17に電気的に接続され、第1リセットトランジスタT6の第2電極T62は、接続電極31bを介して駆動トランジスタT1のゲートT10に電気的に接続される。例えば、第1リセットトランジスタT6の第1電極T61は、ビアホールVH11を介して接続電極31aの一端に電気的に接続される。初期化信号線17は、ビアホールVH12を介して接続電極31aの他端に電気的に接続される。例えば、第1リセットトランジスタT6の第2電極T62は、ビアホールVH21を介して接続電極31bの一端に電気的に接続され、駆動トランジスタT1のゲートT10は、ビアホールVH22を介して電極31bの他端に接続される。
【0129】
第2リセットトランジスタT7のゲートT70は、別のリセット制御線18に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7の第1電極T71は、接続電極31Cを介して別の初期化信号線17に電気的に接続され、第2リセットトランジスタT7の第2電極T72は、発光ダイオード123の第1電極1231に電気的に接続される(図3を参照)。例えば、第2リセットトランジスタT7の第1電極T71は、ビアホールVH31を介して接続電極31Cの一端に電気的に接続され、別の初期化信号線17は、ビアホールVH32を介して接続電極31Cの他端に電気的に接続される。
【0130】
ストレージキャパシタC1の第1電極板C11は、(例えば、ビアホールVH3を介して)電源線16に電気的に接続される。電源線16は、ビアホールVH0を介して接続素子214に接続される。
【0131】
図9Aに示すように、ゲート接続線321は、ゲート線14に電気的に接続され、発光制御接続線322は、発光制御線15に電気的に接続され、電源接続線323は、電源線16に電気的に接続され、初期化接続線324は、初期化信号線17に電気的に接続される。
【0132】
図9Bに示すように、第2電源バス38は、電源線16に電気的に接続され、多重化ユニットにおける第2電極2324は、(例えば、データラインリード13Aを介して)データライン13に電気的に接続される。
【0133】
本開示の実施例では、表示領域と、表示領域を囲み、表示領域の片側に配置された第1周辺領域と第1周辺領域に隣接する曲がり角領域とを含む周辺領域とを含むベース基板を準備することと、表示領域に配置された複数の副画素を形成することと、表示領域に配置され、且つ複数の副画素に電気的に接続され、複数の副画素にデータ信号を提供するように構成された複数のデータラインを形成することと、表示領域に配置され、且つ複数の副画素に電気的に接続され、複数の副画素にゲート信号を提供するように構成された複数のゲート線を形成することと、表示領域に配置され、且つ複数の副画素に電気的に接続され、複数の副画素に発光制御信号を提供するように構成された複数の発光制御線を形成することと、少なくとも曲がり角領域に配置され、各組が、複数のゲート線のうちの1本に電気的に接続されたゲート接続線と複数の発光制御線のうちの1本に電気的に接続された発光制御接続線とを含む複数の接続線を含む複数組の接続線を形成することと、少なくとも曲がり角領域に配置され、複数組の接続線におけるゲート接続線を介して複数のゲート線に電気的に接続された複数のゲート駆動ユニットを含むゲート駆動回路を形成することと、少なくとも曲がり角領域に配置され、且つゲート駆動回路の表示領域から離れた側に配置され、複数組の接続線における発光制御接続線を介して複数の発光制御線に電気的に接続された複数の発光制御駆動ユニットを含む発光制御駆動回路を形成することと、少なくとも曲がり角領域に配置された複数のデータ信号入力線を形成することと、少なくとも曲がり角領域に配置され、且つゲート駆動回路の表示領域に近い側に配置され、少なくとも1つが複数のデータ信号入力線のうちの1本および複数のデータラインのうちの少なくとも2本に電気的に接続された複数の多重化ユニットを含む多重化回路を形成することと、を含むアレイ基板の製造方法をさらに提供する。複数の接続線の各々のベース基板上への正射影は、複数の多重化ユニットのうちの隣接する2つの多重化ユニットのベース基板上への正射影の間を通過し、且つ複数の多重化ユニットのベース基板上への正射影と重ならない。
【0134】
上記の実施例では、ゲート駆動回路は、複数組の接続線におけるゲート接続線を介して表示領域の複数のゲート線に電気的に接続され、発光制御駆動回路は、複数組の接続線における発光制御接続線を介して表示領域の発光制御線に電気的に接続される。ゲート接続線と発光制御接続線は、隣接する2つの多重化ユニットの間を通過し、且つ各多重化ユニットのベース基板上への正射影と重ならない。このようにすると、ゲート接続線及び発光制御接続線と多重化回路との間の相互影響が低減される。
【0135】
本開示の実施例では、表示領域と、表示領域を囲み、表示領域の片側に配置された第1周辺領域と第1周辺領域に隣接する曲がり角領域とを含む周辺領域とを含むベース基板を準備することと、表示領域に配置された複数の副画素を形成することと、表示領域に配置され、且つ複数の副画素に電気的に接続され、複数の副画素にデータ信号を提供するように構成された複数のデータラインを形成することと、少なくとも第1周辺領域に配置された複数の制御信号線を形成することと、少なくとも第1周辺領域に配置された複数のデータ信号入力線を形成することと、多重化回路を形成することと、を含む別のアレイ基板の製造方法をさらに提供する。
【0136】
多重化回路は、少なくとも第1周辺領域に配置され、且つ複数の制御信号線の表示領域に近い側に配置され、多重化回路は、複数の多重化ユニットを含み、少なくとも1つの多重化ユニットは、複数の制御信号線、複数のデータ信号入力線のうちの1本および複数のデータラインのうちの少なくとも2本に電気的に接続され、少なくとも1つの多重化ユニットは、複数のスイッチングトランジスタを含む。少なくとも1つのスイッチングトランジスタは、ベース基板の片側に配置された第1アクティブ層と、第1アクティブ層のベース基板から離れた側に配置され、間隔を空けて配置された第1ゲート部及び第2ゲート部を含み、第1ゲート部及び第2ゲート部は、複数の制御信号線のうちの1本に電気的に接続された第1ゲートと、第1ゲートのベース基板から離れた側に配置され、且つ第1アクティブ層及びデータ信号入力線に電気的に接続された2つの第1電極と、第1ゲートのベース基板から離れた側に配置され、且つ第1アクティブ層及び少なくとも2本のデータラインのうちの1本に電気的に接続され、ベース基板上への正射影は、2つの第1電極のベース基板上への正射影の間にある第2電極と、を含む。
【0137】
上記の実施例では、スイッチングトランジスタの第2ゲートは、間隔を空けて配置された第1ゲート部及び第2ゲート部を含み、スイッチングトランジスタがオンになると、2つの第1電極の各々と第2電極との間の第2アクティブ層にキャリアが通過する。例えば、第1ゲート部及び第2ゲート部は、第1方向に沿って延在する。スイッチングトランジスタのチャネルは、第2アクティブ層が第1ゲート部と重なる部分と第2アクティブ層が第2ゲート部と重なる部分とを含む。したがって、第2ゲートを間隔を空けて配置された2つのゲート部に設定することにより、スイッチングトランジスタのチャネルのアスペクト比が一定である場合には、多重化ユニットの第1方向での長さを低減させることができ、この結果、アレイ基板のフレームサイズを小さくすることに寄与する。
【0138】
本開示の実施例では、表示領域と、表示領域を囲み、表示領域の片側に配置された第1周辺領域と第1周辺領域に隣接する曲がり角領域とを含む周辺領域とを含むベース基板を準備することと、表示領域に配置された複数の副画素を形成することと、表示領域に配置され、且つ複数の副画素に電気的に接続され、複数の副画素にデータ信号を提供するように構成された複数のデータラインを形成することと、表示領域に配置され、且つ複数の副画素に電気的に接続され、複数の副画素に第1電源信号を提供するように構成された複数の電源線を形成することと、第1周辺領域と曲がり角領域とに配置された複数の制御信号線を形成することと、第1周辺領域と曲がり角領域とに配置された複数のデータ信号入力線を形成することと、第1周辺領域と曲がり角領域とに配置され、複数の制御信号線の表示領域に近い側に配置され、少なくとも1つが複数の制御信号線、複数のデータ信号入力線のうちの1本および複数のデータラインのうちの少なくとも2本に電気的に接続された複数の多重化ユニットを含む多重化回路を形成することと、第1周辺領域と曲がり角領域とに配置され、複数の電源線に電気的に接続され、複数のデータ信号入力線と異なる層に配置される第1電源バスを形成することと、複数のデータ信号入力線と異なる層に配置され、第1電源バスと表示領域との間に配置され、各々が複数の制御信号線のうちの1本に電気的に接続される複数の制御信号接続線を形成することと、第1電源バスと異なる層に配置され、各々が第3ビアホールを介して複数の制御信号接続線のうちの1本に電気的に接続され、第3ビアホールのベース基板上への正射影が第1電源バスの曲がり角領域に配置された部分のベース基板上への正射影と複数のデータ信号入力線のベース基板上への正射影との間にある複数の制御信号入力線を形成することと、を含むさらに別のアレイ基板の製造方法をさらに提供する。
【0139】
上記の実施例では、複数のデータ信号入力線は、第1電源バスと異なる層に配置され、複数の制御信号入力線は、第1電源バスと異なる層に配置され、複数の制御信号接続線は、複数のデータ信号入力線と異なる層に配置され、且つ第1電源バスと表示領域との間に配置される。このようにすると、複数の制御信号接続線は、第1電源バスと間隔を空けて配置され、且つ複数のデータ信号入力線と異なる層に配置され、複数の制御信号接続線と第1電源バスとの間の配線の干渉、及び複数の制御信号接続線と複数のデータ信号入力線との間の配線の干渉が回避される。
【0140】
本開示では、上記のいずれかの実施例のアレイ基板を含み得る表示装置をさらに提供する。いくつかの実施例において、表示装置は、例えば、表示パネル、モバイル端末、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーション、電子ペーパーなど、表示機能を備えたあらゆる製品または部品であってもよい。
【0141】
これまで、本開示の各実施例を詳細に説明した。本開示の構想を隠すことを避けるために、当該技術分野で知られているいくつかの詳細を記載しない。本明細書で開示される技術案がどのように実現されるかは、上記の説明から当業者には十分に理解できる。
【0142】
本開示のいくつかの特定の実施例は、例によって詳細に説明されたが、上記の例が単に説明のためのものであり、本開示の範囲を限定するためのものではないことを当業者は理解すべきである。上記の実施例が本開示の範囲および精神から逸脱することなく修正され、または技術的特徴の一部が等効に置換され得ることを当業者は理解すべきである。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって限定される。
【符号の説明】
【0143】
11 ベース基板
111 表示領域
112 周辺領域
112A 第1周辺領域
112B 曲がり角領域
112C 第2周辺領域
12 副画素
121 駆動トランジスタ
122 ストレージキャパシタ
123 発光ダイオード
124 バッファ層
125 平坦化層
126 画素定義層
127 支持層
128 パッケージ層
13 データライン
13A データラインリード
14 ゲート線
15 発光制御線
16 電源線
17 初期化線
21 ゲート駆動回路
211 ゲート駆動ユニット
22 発光制御駆動回路
221 発光制御駆動ユニット
23 多重化回路
231 多重化ユニット
232 スイッチングトランジスタ
31 データ信号入力線
32 接続線
321 ゲート接続線
322 発光制御接続線
323 電源接続線
324 初期化接続線
33 第1電源バス
34 初期化バス
36 制御信号線
37 電源バス接続部品
371 第1接続層
372 第2接続層
38 第2電源バス
39 制御信号接続線
391 第1制御信号接続線
392 第2制御信号接続線
41 制御信号入力線
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B