(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】複数回使用使い捨てセットを有する多流体送達システムおよびその特徴
(51)【国際特許分類】
A61M 5/14 20060101AFI20240423BHJP
A61J 1/20 20060101ALI20240423BHJP
A61M 39/22 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61M5/14 510
A61J1/20 314Z
A61M39/22 100
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022018598
(22)【出願日】2022-02-09
(62)【分割の表示】P 2020134968の分割
【原出願日】2016-01-07
【審査請求日】2022-03-10
(32)【優先日】2015-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507021757
【氏名又は名称】バイエル・ヘルスケア・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・エー・ハウリー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・スワントナー
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・ソコロフ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・ジェームズ・カレン
(72)【発明者】
【氏名】アリソン・ルース・ノーコット
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト・フエソ・モニス
(72)【発明者】
【氏名】カマン・ロー
(72)【発明者】
【氏名】マーク・シルヴィオ・プロファカ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・スペンス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・イー・ケイン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エー・スポーン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ピー・コーワン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・アンガート
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04396385(US,A)
【文献】特表2013-500060(JP,A)
【文献】特表2004-538052(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0107480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61J 1/20
A61M 39/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁頭内へと窪んだスロットを備えた弁頭を有する弁と、
前記弁頭に結合されて、長手方向軸線を中心とした前記弁頭の回転を可能にするように構成されたカップリング機構であって、ブレードを備えたカップリング機構と、
を備えた回転可能なシリンジ弁アセンブリであって、
前記スロットは、前記カップリング機構のブレードを受容するように形成されており、前記スロットの一端にリップを備え、前記スロットは、前記ブレードの端部が前記スロットのリップに隣接するように、前記カップリング機構のブレードの配向を単一の自己位置合わせ配向に限定し、
前記回転可能な弁は、充填ポートを通じてシリンジの内部空間を充填するための充填位置と、前記シリンジの内部空間から排出出口を通じてマニホールドへと流体を送達するための送達位置と、の間で回転可能に動作可能であり、
前記充填ポートは、前記回転可能な弁が送達位置にある場合に、前記シリンジの内部空間から流体的に隔離されている、回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項2】
前記カップリング機構のブレードが、前記弁頭のスロット内に受容された場合に、前記カップリング機構の回転は前記弁を回転させる、請求項1に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項3】
前記カップリング機構は前記弁と自己位置合わせして、前記カップリング機構のブレードを前記弁頭のスロット内に受容する、請求項1または2に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項4】
前記カップリング機構のブレードが回転して、前記弁頭のスロットと自己位置合わせした場合に、前記カップリング機構はばね付勢されて、前記弁との接触を維持する、請求項1から3のいずれか一項に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項5】
前記カップリング機構のブレードが、前記弁頭のスロットと自己位置合わせされた場合に、前記ブレードは、伸縮性のある弾性部材の復元作用下で前記スロット内に押し込まれる、請求項4に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項6】
前記カップリング機構のブレードは、前記弁頭の外側側壁に接触するように構成された傾斜面を備え、前記ブレードの傾斜面が前記外側側壁に接触した場合に、前記ブレードは、前記外側側壁を乗り越えるように垂直上方に、且つ前記弁頭の上面に沿って強制移動させられる、請求項5に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項7】
前記ブレードが垂直上方に強制移動させられた場合、前記伸縮性のある弾性部材は圧縮されて、これにより復元力は前記伸縮性のある弾性部材内に蓄積される、請求項6に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項8】
前記弁頭の外側側壁の遠位外周は、斜めの、面取りされた、または丸みのある縁部を備え、前記傾斜面と前記弁頭との間の係合を容易にしている、請求項6または7に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項9】
前記弁頭のスロットは、前記弁頭の上面から始まって狭まる側壁を備え、前記ブレードの前記スロット内への挿入を容易にしている、請求項1から8のいずれか一項に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項10】
前記カップリング機構は、前記長手方向軸線を中心として前記カップリング機構のブレードを回転させるための駆動システムをさらに備えている、請求項1から8のいずれか一項に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項11】
前記充填位置および前記送達位置に対する前記弁頭の位置の自己位置合わせの際に、流体インジェクタのオペレーティングシステムと通信して、これにより前記オペレーティングシステムは、前記弁の配向を決定し且つ前記回転可能なシリンジ弁の正確な回転を決定して、前記充填位置と、前記送達位置と、閉位置と、の間で前記弁を動作可能に回転させる、請求項1から9のいずれか一項に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項12】
前記流体インジェクタのオペレーティングシステムは、前記弁が充填位置へと回転させられた場合に、前記流体インジェクタのピストンを近位方向に移動させ、前記弁が送達位置へと回転させられた場合に、前記流体インジェクタのピストンを遠位方向に移動させるように構成されている、請求項11に記載の回転可能なシリンジ弁アセンブリ。
【請求項13】
流体インジェクタのカップリング機構を備えたシリンジの遠位端において、回転可能な弁を自己位置合わせするための方法であって、
前記カップリング機構は、前記回転可能な弁に結合されて、前記回転可能な弁が長手方向軸線を中心として回転することを可能にしており、前記方法は、
前記流体インジェクタの収容空間内に前記シリンジを挿入するステップと、
前記カップリング機構のブレードを、
前記回転可能な弁の外側側壁を乗り越えるように垂直上方に、且つ前記
回転可能な弁の弁頭の上面に沿って強制移動させるステップと、
前記ブレードの端部が前記弁頭内のスロットの一端のリップに隣接するように、前記ブレードが前記弁頭内のスロットと自己位置合わせするまで、
前記長手方向軸線を中心として前記
カップリング機構のカップリングを回転させるステップと、
前記カップリング機構のブレードが、前記弁頭のスロットと自己位置合わせされた場合に、前記ブレードと関連した伸縮性のある弾性部材の復元作用下で前記ブレードを前記スロット内に押し込むステップと、
を含んでいる方法。
【請求項14】
前記カップリング機構のブレードを垂直上方に強制移動させるステップは、
前記カップリング機構のブレードの傾斜面を前記弁頭の外側側壁と接触させるステップであって、前記シリンジが前記流体インジェクタの収容空間内へと移動する場合に、前記ブレードの傾斜面が前記傾斜面に沿って摺動する、ステップと、
前記ブレードが垂直上方に強制移動させられた場合に、前記ブレードに関連した前記伸縮性のある弾性部材を圧縮して、これにより復元力が前記伸縮性のある弾性部材内に蓄積されるステップと、
を含んでいる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ブレードの傾斜面を前記弁頭の外側側壁と接触させるステップは、
前記ブレードの傾斜面を、前記弁頭の外側側壁の遠位外周の斜めの、面取りされた、または丸みのある縁部と接触させて、前記傾斜面と前記弁頭との間の係合を容易にするステップを含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記弁の充填位置および送達位置に対する前記弁頭の位置を前記流体インジェクタのオペレーティングシステムに伝達するステップと、
前記弁の配向および前記回転可能な弁の正確な回転を、前記オペレーティングシステムにより決定して、充填位置と、送達位置と、閉位置と、の間で前記弁を動作可能に回転させるステップと、
をさらに含んでいる、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年10月15日に出願された「シリンジおよびマニホールドのための取り付け構成」と題する米国仮出願第62/242,090号、2015年10月15日に出願された「複数回使用使い捨てシステムのための回転可能弁」と題された米国仮出願第62/242,101号、2015年1月9日に出願された「多流体送達システムおよびそのための単回使用使い捨てセットのコネクタ」と題する米国仮出願第62/101,752号の優先権を主張するものであり、これらのそれぞれの開示の全体は、この参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、多流体送達システムおよびそのための単回使用使い捨てセット(SUDS:single-use disposable set)のコネクタの分野に関し、より詳細には、SUDSコネクタを使用して患者に流体を送達するように構成された回転可能弁を有する多患者用使い捨てセットを有する多流体送達システムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療診断および治療処置において、内科医などの開業医は、1種類以上の医療用流体を患者に注入する。近年、造影溶液(単に「造影剤」と呼ばれることが多い)、フラッシング剤(生理食塩水など)、および他の医療用流体などの流体の加圧注入用の多数の医療用流体送達システムが、血管造影、コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)、超音波検査、磁気共鳴イメージング(MRI:magnetic resonance imaging)、陽電子放射断層撮影(PET:positron emission tomography)、および他のイメージング処置などの処置で使用するために開発されている。一般に、これらの医療用流体送達システムは、予め設定された流量で予め設定された量の流体を送達するように設計されている。
【0004】
一部の注入処置では、開業医は、患者の静脈または動脈にカテーテルまたは針を入れる。カテーテルまたは針は、チューブ、および流体インジェクタシステムとのインターフェースであるコネクタを介して、手動または自動のいずれかの流体インジェクタシステムに接続される。自動流体インジェクタシステムは、一般的に、例えば電動リニアピストンを有する少なくとも1つの流体インジェクタに接続される少なくとも1つのシリンジを含む。少なくとも1つのシリンジは、例えば造影剤源および/またはフラッシング流体源を含む。開業医は、造影剤および/または生理食塩水の一定量ならびにそれぞれの一定の注入速度に関する設定を流体インジェクタの電子制御システムに入力する。単回使用使い捨てセット(SUDS)のコネクタおよび関連するチューブは、1種類以上の流体を患者に送達するための流体インジェクタシステムに接続される。
【0005】
様々な手動および自動流体送達システムが、医療分野では知られているが、医療診断および治療処置中に1種類以上の流体が患者に供給されるこれらの処置での使用に適合された多流体送達システムの改善が依然として必要とされている。さらに、医療分野では、患者への1種類以上の流体の送達を容易にするために多流体送達システムとともに使用され得るSUDSコネクタの改善も求められている。医療分野では、様々な医療処置中に流体を患者に供給するために使用される医療用の装置およびシステムの改善が絶えず求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のゆえに、医療用アセンブリの単回使用部分とアセンブリの複数回使用部分とを接続するための医療用コネクタアセンブリが必要とされている。さらに、1つ以上の複数回用量容器(multi-dose container)を使用して複数の患者に複数回の流体用量を送達するための流体送達システムが必要とされている。アセンブリは、アセンブリの単回使用部分および複数回使用部分を通る流体通路の無菌性を保持するように構成されるべきであり、特に、再使用可能な、アセンブリの部分の無菌性を維持すべきである。さらに、システムは、流体注入をより簡単にするために自動準備(流体ラインからの空気の除去として規定される)を可能にするように構成されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、これらの必要性の一部または全部に対処するように構成された医療用コネクタが本明細書で提供される。一態様によれば、医療用コネクタは、複数回使用使い捨てセット(MUDS:multi-use disposable set)の接続ポートに、これとの流体接続を確立するように取り外し可能に係合するよう構成された流体入口ポートと、MUDSの廃棄物入口ポートに、これとの流体接続を確立するように取り外し可能に係合するよう構成された廃棄物出口ポートとを含んでもよい。患者流体ラインは、第1の端部で流体入口ポートに接続されてもよく、第2の端部で廃棄物出口ポートに接続されてもよい。患者流体ラインを通る流体の流れは、第1の端部から第2の端部への一方向であってもよい。患者流体ラインは、患者に流体を送達するために廃棄物出口ポートから可逆的に切り離されるように構成されてもよい。
【0008】
別の態様では、医療用コネクタをMUDSに取り外し可能に固定するためのロッキング機構が設けられてもよい。流体入口ポートは、流体入口ポートの少なくとも一部分を囲むシュラウドを含んでもよい。流体入口ポートは、MUDSの廃棄物入口ポートとの接続を防止する形状に形成されてもよく、この場合、廃棄物出口ポートは、MUDSの接続ポートとの接続を防止する形状に形成される。患者流体ラインの第2の端部は、廃棄物出口ポートに取り外し可能に係合するように構成されたコネクタを有してもよい。医療用コネクタは、流体入口ポートを通って患者流体ラインに流れ込む一方向の流れのために構成された一方向弁を有してもよい。あるいは、一方向弁は、患者流体ラインに配置されてもよい。少なくとも1つの検知要素は、医療用コネクタが適切に挿入または取り付けられたことを示す、少なくとも1つの検知要素の有無を検出するように構成された、MUDSまたはインジェクタの少なくとも1つのセンサと相互作用するように構成されてもよい。
【0009】
別の態様では、少なくとも1つの接続ポートは、複数のシリンジのうちの少なくとも1つに接続されるフレームに設けられてもよい。少なくとも1つの接続ポートは、送達ラインを介してマニホールドと流体連通してもよい。複数のシリンジのそれぞれは、バルク流体源に接続されるように構成されたスパイクを有する充填ラインを有してもよい。各流体ラインは、少なくとも1つの弁が充填位置にあるときにシリンジの遠位端の充填ポートを介して対応するシリンジ内部に充填するように構成されてもよい。少なくとも1つの弁は、少なくとも1つの弁を充填位置と送達位置との間で回転させるように構成された電動インジェクタの対応するブレードと係合するスロットを有してもよい。ブレードは、ブレードおよびスロットが正しい回転位置にあるときにブレードがスロットに揃うまでスロットに対してブレードを回転させることによって、特定の構成でスロットに自己位置合わせされ、可逆的に係合するように設計される。
【0010】
別の態様では、多流体送達システムは、複数の往復動作可能なピストン要素を取り囲むハウジングを備える電動インジェクタを含んでもよい。ハウジングは、MUDSの複数のシリンジを取り外し可能に収容するように構成された収容空間を有してもよい。収容空間は、下部プレートおよび後部側壁によって下部プレートから離間された上部プレートを有してもよく、この場合、MUDSの複数のシリンジは、上部プレートと下部プレートとの間で軸方向に支持される。少なくとも1つのガイドが、収容空間に関連付けられてもよい。少なくとも1つのガイドは、収容空間内にMUDSを案内するために後部側壁に向かって挿入方向に狭まっていてもよい。
【0011】
別の態様では、複数のバルク流体コネクタは、MUDSの複数のシリンジと少なくとも1つのバルク流体源とを接続するように構成されてもよい。上部プレートは、MUDSの複数のシリンジのうちの少なくとも1つの遠位端を受け入れるように構成された複数のスロットを有してもよい。複数のスロットのそれぞれは、少なくとも1つのシリンジの円錐遠位端を受け入れるための嵌込凹部を有してもよく、この場合、円錐遠位端は、MUDSが収容空間に収容されるときに嵌込凹部に係合する。上部プレートは、収容空間内に/からMUDSを挿入する/取り出すように構成された第1の位置と、少なくとも1つのシリンジの円錐遠位端を対応する嵌込凹部に固定することによって収容空間内にMUDSをロックするように構成された第2の位置との間で移動可能であってもよい。上部プレートは、第2の位置に上部プレートをロックするためのラッチを有してもよい。別の態様では、上部プレートは、システムのアクセスドアが閉じられ、任意選択的にロックされるときに第2の位置にロックされてもよく、また、上部プレートは、システムのアクセスドアが開かれるときに第1の位置に移動されてもよい。少なくとも1つのカップリングは、MUDSの複数のシリンジのうちの少なくとも1つに少なくとも1つの弁を係合するように構成されてもよい。少なくとも1つのカップリングは、MUDSの少なくとも1つの弁に形成されるスロットに自己位置合わせされるように構成されたブレードを有する回転可能なカップリングである。
【0012】
MUDSは、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間された遠位端ならびにシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する少なくとも1つのシリンジを含んでもよい。MUDSは、少なくとも1つのシリンジの遠位端と流体連通するマニホールドをさらに含んでもよい。少なくとも1つの弁は、シリンジ内部と流体連通してもよい。少なくとも1つの弁は、シリンジ内部に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能であってもよい。MUDSは、少なくとも1つの弁が送達位置にあるときにマニホールドおよびシリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの接続ポートを有してもよい。
【0013】
別の態様によれば、少なくとも1つの弁は、弁頭であって、該弁頭に、スロットが凹部として形成された弁頭を有してもよい。スロットは、少なくとも1つの弁を充填位置と送達位置との間で回転させるためのカップリング機構が少なくとも1つの弁のスロットに係合しているときにカップリング機構の少なくとも一部分を受け入れる形状に形成されてもよい。スロットは、弁の遠位端から弁の近位端への方向に狭まっていてもよい。少なくとも1つの弁は、シリンジの遠位端の弁収容空洞内において充填位置と送達位置との間で回転可能であってもよい。充填位置では、少なくとも1つの弁は、バルク流体源と流体連通する充填ポートを介してシリンジ内部に充填し、マニホールドと流体連通する排出出口を介してシリンジ内部から流体を送達するように動作可能であってもよい。少なくとも1つの接続ポートは、複数のシリンジのうちの少なくとも1つに接続されるフレームに設けられてもよい。少なくとも1つの接続ポートは、送達ラインを介してマニホールドと流体連通してもよい。少なくとも1つの接続ポートは、廃棄物リザーバと流体連通する廃棄物ポートを有してもよい。充填ラインは、バルク流体源に接続するためのスパイクを有してもよい。流体ラインは、少なくとも1つの弁が充填位置にあるときにマニホールドを介してシリンジ内部に流体を充填してもよい。
【0014】
別の態様によれば、多流体インジェクタシステムは、少なくとも1つの往復動作可能なピストン要素を取り囲むハウジングを有する電動インジェクタと、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間された遠位端ならびに少なくとも1つのピストン要素によってシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する少なくとも1つのシリンジを有するMUDSとを含んでもよい。マニホールドは、少なくとも1つのシリンジの遠位端と流体連通してもよい。少なくとも1つの弁は、シリンジ内部と流体連通してもよい。少なくとも1つの弁は、シリンジ内部に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能であってもよい。少なくとも1つの接続ポートは、少なくとも1つの弁が送達位置にあるとき、マニホールドおよびシリンジ内部と流体連通してもよい。少なくとも1つの弁を充填位置と送達位置との間で動作させるためのカップリング機構が用意されてもよい。
【0015】
別の態様によれば、カップリング機構は、ブレードを有してもよく、少なくとも1つの弁は、カップリング機構のブレードを受け入れる形状に形成されたスロットを有してもよい。カップリング機構のブレードが少なくとも1つの弁のスロット内に受け入れられているとき、カップリング機構の回転により、少なくとも1つの弁が回転されてもよい。カップリング機構は、少なくとも1つの弁のスロット内にカップリング機構のブレードを受け入れるために、少なくとも1つの弁に自己位置合わせされてもよい。カップリング機構のブレードが回転されて少なくとも1つの弁のスロットに位置合わせされるときに少なくとも1つの弁との接触を維持するために、カップリング機構に、ばね荷重がかけられてもよい。カップリング機構のブレードが少なくとも1つの弁のスロットに位置合わせされたとき、ブレードは、伸縮性のある弾性部材の復元作用下でスロット内に押し込まれてもよい。カップリング機構を動作させるための駆動機構が用意されてもよい。駆動機構は、カップリング機構を回転させてもよい。ブレードは、少なくとも1つの弁の長手方向軸線に対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面を有してもよい。
【0016】
別の態様によれば、MUDSは、複数のシリンジであって、該シリンジのそれぞれが、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間された遠位端ならびにシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する複数のシリンジを含んでもよい。マニホールドは、複数のシリンジのそれぞれの遠位端に接続されてもよい。少なくとも1つの弁が、マニホールドに関連付けられてもよい。少なくとも1つの弁は、マニホールドを介して複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部に充填するための充填位置と、マニホールドを介して複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能であってもよい。少なくとも1つの充填ラインは、少なくとも1つの弁が充填位置にあるときにマニホールドおよび複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部と流体連通してもよい。少なくとも1つの接続ポートは、少なくとも1つの弁が送達位置にあるときにマニホールドおよび複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部と流体連通してもよい。少なくとも1つの弁は、弁頭であって、該弁頭に、スロットが凹部として形成された弁頭を有してもよい。スロットは、少なくとも1つの弁を充填位置と送達位置との間で回転させるためのカップリング機構が少なくとも1つの弁のスロットに係合しているときにカップリング機構の少なくとも一部分を受け入れる形状に形成されてもよい。
【0017】
様々な他の態様によれば、MUDSは、以下の1つ以上の項に従って特徴付けられ得る。
【0018】
項1.複数回使用使い捨てセット(MUDS)であって、複数のシリンジであって、該シリンジのそれぞれが、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間される遠位端ならびにシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する複数のシリンジと、複数のシリンジのそれぞれの遠位端と流体連通するマニホールドと、複数のシリンジのうちの少なくとも1つの遠位端と流体連通する少なくとも1つの弁であって、マニホールドを介して複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部に充填するための充填位置と、マニホールドを介して複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能な少なくとも1つの弁と、少なくとも1つの弁が送達位置にあるときにマニホールドと流体連通する少なくとも1つの接続ポートとを備える複数回使用使い捨てセット(MUDS)。
【0019】
項2.少なくとも1つの接続ポートが、複数のシリンジのうちの少なくとも1つに接続されるフレームに設けられている、項1に記載のMUDS。
【0020】
項3.少なくとも1つの接続ポートが、送達ラインを介してマニホールドと流体連通する、項1または2に記載のMUDS。
【0021】
項4.廃棄物リザーバと流体接続される廃棄物ポートをさらに備える、項1から3のいずれか一項に記載のMUDS。
【0022】
項5.複数のシリンジのそれぞれが、バルク流体源に接続されるように構成されたスパイクを有する充填ラインを備え、流体ラインのそれぞれが、少なくとも1つの弁が充填位置にあるときにマニホールドを介してシリンジ内部に充填するように構成される、項1から4のいずれか一項に記載のMUDS。
【0023】
項6.少なくとも1つの弁が、スロットであって、該スロットを充填位置と送達位置との間で回転させるブレードと係合するスロットを備える、項1から5のいずれか一項に記載のMUDS。
【0024】
項7.多流体インジェクタシステムであって、複数の往復動作可能なピストン要素を取り囲むハウジングを備える電動インジェクタと、複数回使用使い捨てセット(MUDS)の複数のシリンジを取り外し可能に収容するように構成された収容空間であって、該収容空間が、下部プレートおよび後部側壁によって下部プレートから離間される上部プレートを備え、MUDSの複数のシリンジが、上部プレートと下部プレートとの間で軸方向に支持されるようになっている収容空間と、収容空間に関連する少なくとも1つのガイドと、を備え、少なくとも1つのガイドが、収容空間内にMUDSを案内するために後部側壁に向かって挿入方向に狭まっている流体インジェクタシステム。
【0025】
項8.MUDSと少なくとも1つのバルク流体源とを接続するように構成された複数のバルク流体コネクタをさらに備える、項7に記載の多流体インジェクタシステム。
【0026】
項9.上部プレートが、MUDSの複数のシリンジのうちの少なくとも1つを受け入れるように構成された複数のスロットを画成し、該複数のスロットのそれぞれが、少なくとも1つのシリンジの円錐遠位端を受け入れるための嵌込凹部を画成し、円錐遠位端が、MUDSが収容空間に収容されたときに嵌込凹部に係合するようになっている、項7または8に記載の多流体インジェクタシステム。
【0027】
項10.上部プレートが、収容空間内に/からMUDSを挿入する/取り出すように構成された第1の位置と、収容空間内にMUDSをロックするように構成された第2の位置との間で移動可能である、項7から9のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0028】
項11.上部プレートが、第2の位置に上部プレートをロックするためのラッチを備える、項10に記載の多流体インジェクタシステム。
【0029】
項12.MUDSの少なくとも1つの弁に係合するように構成された少なくとも1つのカップリングをさらに備える、項7から11のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0030】
項13.少なくとも1つのカップリングが、MUDSの少なくとも1つの弁に形成されるスロットに自己位置合わせされるように構成されたブレードを有する回転可能なカップリングである、項12に記載の多流体インジェクタシステム。
【0031】
項14.MUDSであって、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間される遠位端ならびにシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する少なくとも1つのシリンジと、少なくとも1つのシリンジの遠位端と流体連通するマニホールドと、シリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの弁であって、シリンジ内部に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能な少なくとも1つの弁と、少なくとも1つの弁が送達位置にあるときにマニホールドおよびシリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの接続ポートとを備えるMUDS。
【0032】
項15.少なくとも1つの弁が、弁頭を有し、該弁頭に、スロットが凹部として形成される、項14に記載のMUDS。
【0033】
項16.スロットが、充填位置と送達位置との間で少なくとも1つの弁を回転させるためのカップリング機構が少なくとも1つの弁のスロットに係合しているときにカップリング機構の少なくとも一部分を受け入れる形状に形成される、項15に記載のMUDS。
【0034】
項17.スロットが、弁の遠位端から弁の近位端への方向に狭まっている、項15または16に記載のMUDS。
【0035】
項18.少なくとも1つの弁が、シリンジの遠位端の弁収容空洞内において充填位置と送達位置との間で回転可能である、項14から17のいずれか一項に記載のMUDS。
【0036】
項19.充填位置では、少なくとも1つの弁が、バルク流体源と流体連通する充填ポートを介してシリンジ内部に充填し、マニホールドと流体連通する排出出口を介してシリンジ内部から流体を送達するように動作可能である、項14から18のいずれか一項に記載のMUDS。
【0037】
項20.少なくとも1つの接続ポートが、複数のシリンジのうちの少なくとも1つに接続されるフレームに設けられている、項14から19のいずれか一項に記載のMUDS。
【0038】
項21.少なくとも1つの接続ポートが、送達ラインを介してマニホールドと流体連通する、項14から20のいずれか一項に記載のMUDS。
【0039】
項22.少なくとも1つの接続ポートが、廃棄物リザーバと流体連通する廃棄物ポートを有する、項14~21のいずれか一項に記載のMUDS。
【0040】
項23.バルク流体源に接続されるスパイクを有する充填ラインをさらに備え、流体ラインが、少なくとも1つの弁が充填位置にあるとき、マニホールドを介してシリンジ内部に流体を充填する、項14から22のいずれか一項に記載のMUDS。
【0041】
項24.多流体インジェクタシステムであって、少なくとも1つの往復動作可能なピストン要素を取り囲むハウジングを備える電動インジェクタと、電動インジェクタに接続可能なMUDSであって、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間される遠位端ならびに少なくとも1つのピストン要素によってシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する少なくとも1つのシリンジ、少なくとも1つのシリンジの遠位端と流体連通するマニホールド、シリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの弁であって、シリンジ内部に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能な少なくとも1つの弁、ならびに少なくとも1つの弁が送達位置にあるときにマニホールドおよびシリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの接続ポートを備えるMUDSと、充填位置と送達位置との間で少なくとも1つの弁を動作させるためのカップリング機構とを備える多流体インジェクタシステム。
【0042】
項25.カップリング機構が、ブレードを備え、少なくとも1つの弁が、カップリング機構のブレードを受け入れる形状に形成されるスロットを有する、項24に記載の多流体インジェクタシステム。
【0043】
項26.カップリング機構のブレードが少なくとも1つの弁のスロット内に受け入れられているとき、カップリング機構の回転により、少なくとも1つの弁が回転される、項25に記載の多流体インジェクタシステム。
【0044】
項27.カップリング機構が、少なくとも1つの弁のスロット内にカップリング機構のブレードを受け入れるために、少なくとも1つの弁に自己位置合わせされる、項25または26に記載の多流体インジェクタシステム。
【0045】
項28.カップリング機構のブレードが回転されて少なくとも1つの弁のスロットに位置合わせされるときに少なくとも1つの弁との接触を維持するために、カップリング機構に、ばね荷重がかけられる、項25から27のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0046】
項29.カップリング機構のブレードが少なくとも1つの弁のスロットに位置合わせされたとき、ブレードが、伸縮性のある弾性部材の復元作用下でスロット内に押し込まれる、項25から28のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0047】
項30.カップリング機構を動作させるための駆動機構をさらに備える、項24から29のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0048】
項31.駆動機構が、カップリング機構を回転させる、項24から30のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0049】
項32.ブレードが、少なくとも1つの弁の長手方向軸線に対して傾斜した少なくとも1つの傾斜面を有する、項25から31のいずれか一項に記載の多流体インジェクタシステム。
【0050】
項33.MUDSであって、複数のシリンジであって、該シリンジのそれぞれが、近位端および長手方向軸線に沿って近位端から離間される遠位端ならびにシリンジ内部を近位端と遠位端との間で往復移動可能なプランジャを有する複数のシリンジと、複数のシリンジのそれぞれの遠位端に接続されるマニホールドと、マニホールドに関連する少なくとも1つの弁であって、マニホールドを介して複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部に充填するための充填位置と、マニホールドを介して複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能な少なくとも1つの弁と、少なくとも1つの弁が充填位置にあるときにマニホールドおよび複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの充填ラインと、少なくとも1つの弁が送達位置にあるときにマニホールドおよび複数のシリンジのうちの少なくとも1つのシリンジ内部と流体連通する少なくとも1つの接続ポートとを備え、少なくとも1つの弁が、弁頭を有し、該弁頭に、スロットが凹部として形成され、スロットが、充填位置と送達位置との間で少なくとも1つの弁を回転させるためのカップリング機構が少なくとも1つの弁のスロットに係合しているときにカップリング機構の少なくとも一部分を受け入れる形状に形成されるMUDS。
【0051】
様々な他の態様によれば、本開示は、少なくとも1つのシリンジのシリンジ流体ポートとマニホールドのマニホールド導管の導管シリンジ取り付け端との取り付け構成を提供する。
【0052】
項34.シリンジ/マニホールド構成であって、シリンジ流体ポートを有する円錐遠位端を有する少なくとも1つのシリンジと、少なくとも1つのマニホールド導管を備えるマニホールドであって、マニホールド導管が、主流路および導管シリンジ取り付け端に流体接続され、導管シリンジ取り付け端が、少なくとも1つのシリンジのシリンジ流体ポートと流体連通するマニホールドとを備え、少なくとも1つのマニホールド導管の導管シリンジ取り付け端が、少なくとも1つのシリンジのシリンジ流体ポートと流体密接続されるシリンジ/マニホールド構成。
【0053】
項35.少なくとも1つのマニホールド導管が、MUDS流体ラインと流体連通するように構成された充填ポートと、主流路と流体連通する排出出口と、弁収容空洞とを備え、排出出口および充填ポートが、弁収容空洞内の弁アセンブリを介して少なくとも1つのシリンジの内部と流体連通する、項34に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0054】
項36.弁アセンブリが、シリンジ内部に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能である、項35に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0055】
項37.少なくとも1つのマニホールド導管の導管シリンジ取り付け端が、スイベルナット取り付け機構によってシリンジ流体ポートと流体密接続される、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0056】
項38.少なくとも1つのマニホールド導管の導管シリンジ取り付け端が、シリンジ流体ポートの内面との溶媒結合によって流体密接続を形成するオーバーモールドされたポリマーシースを備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0057】
項39.シリンジ流体ポートが、少なくとも1つのマニホールド導管の導管シリンジ取り付け端の内面との溶媒結合によって流体密接続を形成するオーバーモールドされたポリマーシースを備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0058】
項40.シリンジ流体ポートの内面および導管シリンジ取り付け端の内面がそれぞれ、半径方向内側に延在するロッキングフランジを備え、弁アセンブリが、シリンジ流体ポートおよび導管シリンジ取り付け端それぞれのロッキングフランジとのロッキング係合を形成するように構成されたシリンジロッキング溝およびマニホールドロッキング溝を備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0059】
第41.導管シリンジ取り付け端の外周面が、UV活性化接着剤によってシリンジ流体ポートの内周面に接着され、シリンジ充填ポートが、硬化プロセス中のUV活性化接着剤の膨張を可能にする複数の側方スロットを備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0060】
項42.シリンジ流体ポートの外周面が、UV活性化接着剤によって導管シリンジ取り付け端の内周面に接着され、導管シリンジ取り付け端が、硬化プロセス中のUV活性化接着剤の膨張を可能にする複数の側方スロットを備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0061】
項43.シリンジの円錐遠位端が、導管シリンジ取り付け端の外周上の半径方向フランジに係合するように構成された、遠位方向を向いた複数の可撓性クリップを備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0062】
項44.シリンジ流体ポートが、長手方向スロットを含み、導管シリンジ取り付け端が、半径方向フランジを備え、導管シリンジ取り付け端が、半径方向フランジが長手方向スロットに対して近位方向に隣接する位置までシリンジ流体ポートに挿入され、導管シリンジ取り付け端とシリンジ流体ポートとの接続が、長手方向スロットに挿入されるCクリップによって維持される、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0063】
項45.シリンジ流体ポートおよび導管シリンジ取り付け端の一方が、半径方向フランジを備え、シリンジ流体ポートおよび導管シリンジ取り付け端の他方が、半径方向フランジを受け入れる相補的な半径方向受入フランジを備え、半径方向フランジおよび相補的な半径方向受入フランジが、レーザ溶接部によって互いに接続される、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0064】
項46.シリンジ流体ポートおよび導管シリンジ取り付け端の一方が、エネルギーディレクタを含む周囲受入スロットを備え、シリンジ流体ポートおよび導管シリンジ取り付け端の他方が、周囲受入スロット内に係合して受け入れられる末端部分を備え、末端部分と周囲受入スロットとが、超音波溶接によって互いに接続される、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0065】
項47.シリンジ流体ポートが、導管シリンジ取り付け端の雄ルアーコネクタと流体密接続を形成する雌ルアーコネクタを備え、シリンジ流体ポートが、UV活性化接着剤を受け入れるように構成された、シリンジ流体ポートと導管シリンジ取り付け端との間の遠位周囲スロットをさらに備える、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0066】
項48.シリンジ流体ポートと導管シリンジ取り付け端との係合により、シリンジ流体ポートの内面と導管シリンジ取り付け端の外面との間に管状空間が画成され、管状空間が、UV活性化接着剤を受け入れるように構成された、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0067】
項49.シリンジ流体ポートと導管シリンジ取り付け端との係合により、導管シリンジ取り付け端の内面とシリンジ流体ポートの外面との間に管状空間が画成され、管状空間が、UV活性化接着剤を受け入れるように構成された、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0068】
項50.シリンジ流体ポートが、導管シリンジ取り付け端の雄ルアーコネクタと流体密接続を形成する雌ルアーコネクタを備え、シリンジ流体ポートが、レーザタック溶接部によって導管シリンジ取り付け端に溶接される、項34から36のいずれか一項に記載のシリンジ/マニホールド構成。
【0069】
多流体送達システムおよびそのためのSUDSコネクタのこれらのおよび他の特徴および特性ならびに関連する構造の要素の動作方法および機能ならびに部分の組合せおよび製造の経済性は、添付の図面を参照して以下の説明および添付の特許請求の範囲を検討することによってより明らかになり、これらのすべては、本明細書の一部を形成し、同じ参照符号は、様々な図において対応する部分を示す。しかしながら、図面は、例示および説明のためのものに過ぎず、本開示の境界の規定として意図されたものではないことを明確に理解されたい。本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、単数形の「1つ(a)」、「1つ(an)」および「その(the)」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1A】本開示の一態様による、多流体送達システムの斜視図である。
【
図1B】アクセスパネルが開位置にある、
図1Aの多流体送達システムの斜視図である。
【
図2】
図1Aの多流体送達システム内の様々な流体通路の概略図である。
【
図3A】多流体送達システムの受入スロットに挿入されているときのMUDSの斜視図である。
【
図4A】
図3Aの多流体送達システムの受入スロットに取り付けられたMUDSの斜視図である。
【
図5A】
図3Aの多流体送達システムの受入スロットから取り外される前のMUDSの側面図である。
【
図5B】
図3Aの多流体送達システムの受入スロットから取り外された後のMUDSの側面図である。
【
図6】MUDSのストップコックとの係合前の、多流体送達システムのストップコックカップリングの斜視図である。
【
図7A】
図6に示すストップコックとの係合前のストップコックカップリングの側断面図である。
【
図7B】
図6に示すストップコックとの初期係合中のストップコックカップリングの側断面図である。
【
図7C】
図6に示すストップコックとの最終係合中のストップコックカップリングの側断面図である。
【
図8A】多流体送達システムとSUDSコネクタとを接続する前の接続インターフェースの斜視図である。
【
図8B】多流体送達システムと接続されたSUDSコネクタを示す、
図8Aの接続インターフェースの斜視図である。
【
図9A】一態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図9C】多流体送達システムのポートに接続された、
図9Aに示すSUDSコネクタの断面図である。
【
図10A】本開示の別の態様によるMUDSの側面図である。
【
図10C】
図10Aに示すMUDSとともに使用するためのシリンジの側断面図である。
【
図10D】本開示の別の態様によるMUDSの側面斜視図である。
【
図11】MUDSの単一シリンジの側断面図である。
【
図12A】本開示の別の態様によるMUDSとともに使用するための弁の斜視図である。
【
図13A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図13B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図13C】シリンジ/マニホールド接続構成のさらに別の態様を示す。
【
図14A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図14B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図15A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図15B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図16A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図16B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図16C】シリンジ/マニホールド接続構成のさらに別の態様を示す。
【
図17A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図17B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図17C】シリンジ/マニホールド接続構成のさらに別の態様を示す。
【
図18A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図18B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図18C】シリンジ/マニホールド接続構成のさらに別の態様を示す。
【
図19A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図19B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図19C】シリンジ/マニホールド接続構成のさらに別の態様を示す。
【
図19D】シリンジ/マニホールド接続構成のさらに別の態様を示す。
【
図20A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図20B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図21A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図21B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図22A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図22B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図23A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図23B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図24A】シリンジ/マニホールド接続構成の態様を示す。
【
図24B】シリンジ/マニホールド接続構成の別の態様を示す。
【
図25A】多流体送達システムおよびMUDSの一部分を切り取った、
図9Cに示すSUDSコネクタの斜視図である。
【
図26】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図27A】
図26に示すSUDSコネクタの、線A-Aに沿った拡大断面図である。
【
図27B】
図26に示すSUDSコネクタの、B-B線に沿った拡大断面図である。
【
図28A】SUDSコネクタとMUDSコネクタとを接続する一段階の斜視図である。
【
図28B】SUDSコネクタとMUDSコネクタとを接続する別の段階の斜視図である。
【
図28C】SUDSコネクタとMUDSコネクタとを接続するさらに別の段階の斜視図である。
【
図28D】SUDSコネクタとMUDSコネクタとを接続するさらに別の段階の斜視図である。
【
図28E】SUDSコネクタとMUDSコネクタとを接続するさらに別の段階の斜視図である。
【
図28F】SUDSコネクタとMUDSコネクタとを接続するさらに別の段階の斜視図である。
【
図29】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図30A】一態様によるMUDSコネクタのポートの斜視図である。
【
図30C】別の態様による、吸収パッドが取り付けられたMUDSコネクタの概略図である。
【
図31A】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図31B】別の態様によるMUDSコネクタの斜視図である。
【
図32】別の態様によるSUDSコネクタの正面斜視図である。
【
図33A】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図33B】
図33AのSUDSコネクタを含む医療用接続アセンブリの断面図である。
【
図34A】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図34B】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図35A】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図35B】別の態様によるSUDSコネクタの斜視図である。
【
図36B】別の態様による、医療用コネクタアセンブリのSUDSの斜視図である。
【
図37】別の態様による多流体流体注入システムの電子制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下の説明の目的のために、用語「上」、「下」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「下部」、「横方向」、「長手方向」、およびこれらの派生語は、図面における方向として本開示に関係するものとする。MUDSのシリンジに関して使用される場合、「近位」という用語は、シリンジから流体を送達するためのピストン要素に最も近いシリンジの部分を指す。SUDSコネクタに関して使用される場合、「近位」という用語は、SUDSコネクタが多流体インジェクタシステムに接続される向きに配置されたときに多流体インジェクタシステムに最も近い、SUDSコネクタの部分を指す。MUDSのシリンジに関して使用される場合、「遠位」という用語は、送達ノズルに最も近いシリンジの部分を指す。SUDSコネクタに関して使用される場合、「遠位」という用語は、SUDSコネクタが多流体インジェクタシステムに接続される向きに配置されたときにユーザに最も近い、SUDSコネクタの部分を指す。添付の図面に示され、以下の明細書に記載されている特定の装置およびプロセスは、本開示の単なる例示的な態様であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される態様に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、限定的であると考えられるべきではない。
【0072】
図面のいくつかの図を通して同じ参照符号が同じ部分を示す図面を参照すると、本開示は、概して、SUDS190(
図8Aに示す)を使用して患者に流体を送達するように構成されたMUDS130(
図1Bに示す)を有する多流体医療用インジェクタ/注入システム100(以下、「流体インジェクタシステム100」)に関する。流体インジェクタシステム100は、本明細書に個々に記載されるような複数の構成要素を含む。一般に、流体インジェクタシステム100は、本明細書に記載されているように、圧力下で1つ以上の複数回用量容器から患者に1種類以上の流体を送達するためにインジェクタに関連付けられるようにされた電動インジェクタ制御器または装置および流体送達セットを有する。流体インジェクタシステム100の様々な装置、構成要素、および特徴ならびにこれらに関連する流体送達セットも同様に本明細書では詳細に説明する。
【0073】
図1Aを参照すると、流体インジェクタシステム100は、互いに逆向きの側面104と、遠位端または上端106と、近位端または下端108とを有するインジェクタハウジング102を含む。一部の態様では、ハウジング102は、床面上でのハウジング102の回転可能かつ移動可能な支持のために1つ以上の車輪112を有するベース110上に支持されてもよい。1つ以上の車輪112は、ハウジング102が所望の位置に配置された後に意図せずに動くのを防止するためにロック可能であってもよい。流体インジェクタシステム100の移動および配置を容易にするために、少なくとも1つのハンドル114を設けられてもよい。他の態様では、ハウジング102は、床、天井、壁、または他の構造などの固定面に取り外し可能または取り外し不可能に固定されてもよい。ハウジング102は、様々な機械的駆動構成要素、機械的駆動構成要素を駆動するのに必要な電気的および電力的構成要素、ならびに本明細書に記載の流体インジェクタシステム100に関連する往復移動可能なピストン要素103(
図2に示す)の動作を制御するために使用される、電子メモリおよび電子制御装置(以下、電子制御装置)などの制御構成要素を取り囲む。このようなピストン要素103は、モータ、ボイスコイルアクチュエータ、ラックアンドピニオンギヤ駆動装置、およびリニアモータなどによって駆動されるボールねじシャフトなどの電気機械駆動構成要素を介して往復動作可能であってもよい。一部の態様では、機械的駆動構成要素、電気的および電力的構成要素、ならびに制御構成要素の少なくとも一部は、ベース110上に設けられてもよい。
【0074】
図1Bを参照して、引き続き
図1Aを参照すると、流体インジェクタシステム100は、機械的駆動構成要素、電気的および電力的構成要素、ならびに制御構成要素の少なくとも一部を取り囲む少なくとも1つのドア116を有する。ドア116は、開位置(
図1Bに示す)と閉位置(
図1Aに示す)との間で移動可能であることが望ましい。一部の態様では、ドア116はロック可能であってもよい。
【0075】
流体インジェクタシステム100は、少なくとも1つのバルク流体源120と接続するための少なくとも1つのバルク流体コネクタ118をさらに含む。一部の態様では、複数のバルク流体コネクタ118が設けられてもよい。例えば、
図1Aおよび
図1Bに示すように、3つのバルク流体コネクタ118は、並列配置または他の配置で設けられてもよい。一部の態様では、少なくとも1つのバルク流体コネクタ118は、バイアル、ボトル、またはバッグなどの少なくとも1つのバルク流体源120に取り外し可能に接続されるように構成されたスパイクであってもよい。少なくとも1つのバルク流体コネクタ118は、新しいバルク流体源120ごとに再使用可能なまたは再使用不可能なインターフェースを有してもよい。少なくとも1つのバルク流体コネクタ118は、本明細書に記載されているように、多患者用使い捨てセットに形成されてもよい。少なくとも1つのバルク流体源120は、流体インジェクタシステム100に送達するための、生理食塩水、造影溶液、または他の医療用流体などの医療用流体を受け入れるように構成されてもよい。ハウジング102は、少なくとも1つのバルク流体源120が流体インジェクタシステム100に接続されたときに少なくとも1つのバルク流体源120を支持するための少なくとも1つの支持部材122を有してもよい。
【0076】
図1Aを参照すると、流体インジェクタシステム100は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI:graphical user interface)ディスプレイウィンドウのなどの1つ以上のユーザインターフェース124を含む。ユーザインターフェース124は、流体インジェクタシステム100に関わる流体注入処置に関する情報(現在の流量、流体圧力、および流体インジェクタシステム100に接続された少なくとも1つのバルク流体源120に残っている量など)を表示してもよく、また、オペレータが流体インジェクタシステム100の動作のためにコマンドおよび/またはデータを入力することを可能にするタッチスクリーンGUIであってもよい。ユーザインターフェース124は、インジェクタハウジング102上に示されているが、このようなユーザインターフェース124はまた、ハウジング102ならびに流体インジェクタシステム100の制御要素および機械要素に有線または無線でリンクされる遠隔ディスプレイの形態であってもよい。一部の態様では、ユーザインターフェース124は、ハウジング102に脱着可能に接続され、かつハウジング102と有線または無線でリンクされて通信するタブレットコンピュータであってもよい。さらに、流体インジェクタシステム100および/またはユーザインターフェース124は、流体インジェクタシステム100の関連するオペレータによる触覚操作のための少なくとも1つの制御ボタン126を含んでもよい。特定の態様では、少なくとも1つの制御ボタンは、オペレータがコマンドおよび/またはデータを入力するためのキーボードの一部であってもよい。少なくとも1つの制御ボタン126は、電子制御装置への直接入力を行うために、流体インジェクタシステム100に関連する電子制御装置にハードワイヤード接続されても無線接続されてもよい。少なくとも1つの制御ボタン126は、タッチスクリーンなどのユーザインターフェース124のグラフィックの一部であってもよい。いずれの配置においても、少なくとも1つの制御ボタン126は、
(1)多患者用使い捨てセットの装填/非装填の確認
(2)多患者用使い捨てセットのロック/アンロック
(3)流体インジェクタシステム100の充填/パージ
(4)患者および/または注入処置に関連する情報および/またはデータの入力、ならびに
(5)注入処置の開始/停止
などであるが、これらに限定されないいくらかの個別の制御特徴を流体インジェクタシステム100の関連するオペレータに提供することが望ましい。流体インジェクタシステム100に関連するユーザインターフェース124および/または任意の電子処理ユニットは、病院ネットワークシステムなどの運用および/またはデータ記憶システムに有線または無線で接続されてもよい。
【0077】
図1Bを参照すると、流体インジェクタシステムは、1つ以上のバルク流体源120から患者に1種類以上の流体を送達するために流体インジェクタシステム100に取り外し可能に接続されるMUDS130を含む。流体インジェクタシステム100は、本明細書に記載されているように、SUDSをMUDS130に解除可能に接続するための少なくとも1つのスロットまたはアクセスポート128を含む。MUDS130は、1つ以上のシリンジまたはポンプ132を含んでもよい。一部の態様では、シリンジ132の数は、バルク流体源120の数に対応してもよい。例えば、
図1Bを参照すると、MUDS130は、各シリンジ132がバルク流体源120のうちの1つに流体接続可能であるように並列配置された3つのシリンジ132を有する。各シリンジ132は、対応するバルク流体コネクタ118および関連するMUDS流体通路134によってバルク流体源120のうちの1つに流体接続可能であってもよい。MUDS流体通路134は、バルク流体コネクタ118に接続されるその末端にスパイク要素を伴う可撓性チューブとして形成されてもよい。一部の態様では、バルク流体コネクタ118は、MUDS130上に直接設けられてもよい。
【0078】
図2~
図3Aを参照すると、MUDS130は、流体インジェクタシステム100のハウジング102に取り外し可能に接続可能である。MUDS130は、1つ以上のシリンジ132を支持するためのフレーム154を含んでもよい。シリンジ132は、フレーム154に取り外し可能または取り外し不可能に接続されてもよい。特定の態様では、少なくとも1つのシリンジ132は、フレーム154と共成形されてもよいし、あるいはフレーム154に接着または溶接されてもよい。
図3Bを参照すると、各シリンジ132は、前端または遠位端140および後端または近位端142を有する細長い、実質的に円筒形のシリンジ本体138を有する。シリンジプランジャ144は、シリンジ本体138内に配置され、流体インジェクタシステム100に関連するピストン要素の移動に起因してシリンジ本体138内を往復移動可能である。シリンジ本体138の遠位端140は、概ね円錐形であり、本明細書に記載されているように、流体インジェクタシステム100に画成された凹部に形成された対応する先端湾曲部(apex curve)に嵌め込まれるように適合された先端部または円錐部(apex or cone point)145にかけて先細にされる。シリンジ先端部または円錐部145は、シリンジ本体138の中心長手方向軸線Lに沿って配置される。
【0079】
引き続き
図3Bを参照すると、各シリンジ132は、バルク流体源120(
図2に示す)からシリンジ内部139に流体を充填するためにMUDS流体通路134と流体連通する充填ポート147を有してもよい。各シリンジ132は、先端部または円錐部145の末端に排出出口または導管146をさらに有してもよい。各シリンジ132の排出出口146は、マニホールド148と流体連通している。一部の態様では、マニホールド148は、複数のシリンジ132と流体接続されてもよい。特定の態様では、マニホールド148は、シリンジ132を単一の一体構造として取り扱うことができるようにシリンジ132を支持してもよい。一部の態様では、マニホールド148が、各シリンジ132の遠位端140を支持する一方で、フレーム154は、各シリンジ132の近位端142を支持する。一部の態様では、マニホールド148の少なくとも一部分は、少なくとも1つのシリンジ132と一体に形成されてもよい。他の態様では、マニホールド148は、複数のシリンジ132とは別個に形成され、複数のシリンジ132のそれぞれに対応する複数の導管148aを含んでもよく、この場合、個々の導管148aは、例えば適切な接着剤または溶接によって、複数のシリンジ132のそれぞれの個々の出口ポート146に取り付けまたは接着されてもよい。シリンジ132は、並列方向、またはシリンジ132の相対位置を保持する任意の他の方向に配置されてもよい。
【0080】
図10A~
図10Cを参照すると、別の態様によるMUDS130が示されている。MUDS130は、並列(または他の配置)の複数のシリンジ132を含み、各シリンジ132は、バルク流体源120(
図2に示す)のうちの1つに流体接続可能であってもよい。各シリンジ132は、マニホールド148と流体連通してもよい。マニホールド148は、マニホールド148がシリンジ132と一体に接続されるように、シリンジ132の排出出口146間に延在する板状構造を含んでもよい。マニホールド148は、各シリンジ132と流体連通する流体路149を有していてもよい。流体路149は、1つ以上の流体出口ライン152(
図2に示す)と流体連通してもよい。マニホールド148の第1の部分148aは、成形、接着手段、または溶接などによって各シリンジ132と一体に形成されてもよく、一方、第2の部分148b(
図11に示す)は、第1の部分148aに恒久的にまたは非恒久的に接続されてもよい。一部の態様では、マニホールド148の第1の部分148aは、溶接、接着剤、1つ以上の締結具、または任意の他の接続手段によって第2の部分148bに接続されてもよい。第1の部分148aと第2の部分148bとを組み合わせることにより、複数のシリンジ132のそれぞれの排出ポート146と1つ以上の流体出口ライン152とを流体接続する流体通路がマニホールド内に形成されてもよい。第1の部分148aおよび第2の部分148bの少なくとも一方は、排出出口146を囲むようにマニホールド148の外周に延在する溝151を有してもよい。溝151は、第1の部分148aと第2の部分148bとの境界面をシールするためのガスケット153(
図11に示す)を受け入れるように構成されてもよい。
図10B~
図10Cを参照すると、各シリンジ132の先端部または円錐部145の末端に、弁収容空洞155が設けられてもよい。弁収容空洞155は、シリンジ内部139まで、各シリンジ132の長手方向軸線L(
図10Cに示す)と一致する方向に延在してもよい。一部の態様では、弁収容空洞155は、シリンジ内部139、充填ポート147、および排出出口146と流体連通する。弁収容空洞155は、弁136(
図11に示す)を収容するように構成される。本明細書に記載されているように、弁136の少なくとも一部分は、弁収容空洞155内で長手方向軸線Lを中心に回転可能であってもよい。弁136は、シリンジ内部139に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部139から流体を送達するための送達位置との間で動作可能であってもよい。一部の態様では、弁136は、充填ポート147がシリンジ内部139と流体連通する一方で、排出出口146がシリンジ内部139から流体遮断(fluid isolation)される第1の位置と、排出出口146がシリンジ内部139と流体連通する一方で、充填ポート147がシリンジ内部139から流体遮断される第2の位置との間で回転可能であってもよい。弁136は、シリンジ139の内部が充填ポート147および排出出口146の両方から遮断される第3の位置を有してもよい。第1の位置では、弁136は、流体がマニホールド148に送達されるのを防止しながら、MUDS流体通路134を介してバルク流体源120からシリンジ内部139に流体を充填するように構成されてもよい。第2の位置では、弁136は、流体が充填ポート147を介して送達されるのを防止しながら、排出出口146を介してシリンジ内部139からマニホールド148に流体を送達するように構成されてもよい。弁136はまた、流体がシリンジ内部139に/から送達され得ないように、流体が充填ポート147および排出出口146を通って流れるのを防止するように構成されてもよい。一部の態様では、弁136は、排出出口146および/または充填ポート147を部分的に開放または部分的に閉鎖するように回転可能であってもよい。様々な態様において、各シリンジ132の弁136は、互いに独立して制御されてもよく、これにより、例えば、様々な医療用流体が、1つ以上のシリンジ132に送達されてもよく、および/または同時にもしくは順次的に1つ以上の他のシリンジ132から送達されてもよい。複数のシリンジ132の弁136は、例えば、流体インジェクタシステム100に関連する電子制御装置によって制御されてもよい。
【0081】
図10Dを参照すると、別の態様によるMUDS130が示されている。MUDS130は、並列(または他の配置)の複数のシリンジ132を含み、各シリンジ132は、バルク流体源120(
図2に示す)のうちの1つに流体接続可能であってもよい。MUDS130は、1つ以上のシリンジ132を支持するためのフレーム154を含んでもよい。シリンジ132は、フレーム154に取り外し可能または取り外し不可能に接続されてもよい。一部の態様では、各シリンジは、バルク流体コネクタ118およびMUDS流体通路134を介してバルク流体源120のうちの1つに流体接続可能であってもよい。各シリンジ132の先端部または円錐部145は、排出出口146、充填ポート147、および弁収容空洞155を有してもよい。弁収容空洞155は、シリンジ内部まで、各シリンジ132の長手方向軸線L(例えば、
図11参照)と実質的に平行な方向に延在してもよい。排出出口146および充填ポート147は、シリンジ内部の近くで、各シリンジ132の長手方向軸線Lに実質的に垂直な方向に延在してもよい。排出出口146および充填ポート147は、先端部または円錐部145の外周に互いに対向して配置されてもよい。一部の態様では、弁収容空洞155は、シリンジ内部、充填ポート147、および排出出口146と流体連通する。
【0082】
引き続き
図10Dを参照すると、各シリンジ132の排出出口146は、マニホールド148に接続されてもよい。各シリンジ132は、別々に形成されてもよく、マニホールド148に独立して接続可能であってもよい。マニホールド148は、シリンジ132の排出出口146に接続するための1つ以上の導管148aを有する管状構造であってもよい。一部の態様では、導管148aは、排出出口146に取り外し可能にまたは取り外し不能に接続されてもよい。例えば、各導管148aは、それぞれの排出出口146に、接着剤で接続されてもよく、レーザまたは超音波振動溶接されてもよく、または1つ以上の機械的締結具によって恒久的かつ取り外し不能に締結されてもよい。あるいは、各導管148aは、例えば締まりばめ、1つ以上のクリップ、または他の機械的接続手段などによって、それぞれの排出出口146に取り外し可能に接続されてもよい。マニホールド148は、それぞれの導管148aを介して各シリンジ132と流体連通する主流路148bを有してもよい。一部の態様では、1つ以上の導管148aは、主流路148bと一体に形成される。主流路148bの一端は、本明細書に記載されているように、シリンジ132から患者に流体を送達するために1つ以上の流体出口ライン152と流体連通してもよい。
【0083】
弁収容空洞155は、弁136を収容するように構成される。本明細書に記載されているように、弁136の少なくとも一部分は、弁収容空洞155内で長手方向軸線Lを中心に回転可能であってもよい。弁136は、シリンジ内部に流体を充填するための充填位置と、シリンジ内部から流体を送達するための送達位置との間で動作可能であってもよい。一部の態様では、弁136は、充填ポート147がシリンジ内部と流体連通する一方で、排出出口146がシリンジ内部から流体遮断される第1の位置と、排出出口146がシリンジ内部と流体連通する一方で、充填ポート147がシリンジ内部から流体遮断される第2の位置との間で回転可能であってもよい。第1の位置では、弁136は、流体がマニホールド148に送達されるのを防止しながら、MUDS流体通路134を介してバルク流体源120からシリンジ内部に流体を充填するように構成されてもよい。第2の位置では、弁136は、流体が充填ポート147を介して送達されるのを防止しながら、排出出口146を介してシリンジ内部からマニホールド148に流体を送達するように構成されてもよい。弁136はまた、流体がシリンジ内部に/から送達され得ないように、流体が充填ポート147および排出出口146を通って流れるのを防止するように構成されてもよい。一部の態様では、弁136は、排出出口146および/または充填ポート147を部分的に開放または部分的に閉鎖するように回転可能であってもよい。様々な態様において、各シリンジ132の弁136は、流体が、1つ以上のシリンジ132に送達される間に、1つ以上の他のシリンジ132から同時にもしくは順次的に送達され得るように互いに独立して制御されてもよい。
【0084】
図2をさらに参照すると、MUDS130は、流体インジェクタシステム100のハウジング102に取り外し可能に接続可能である。当業者には理解されるように、流体インジェクタシステム100との流体接続が確立されたことの視覚的確認を容易にするために、透明な医療グレードのプラスチックからMUDS130の少なくとも一部分を構成することが望ましい場合がある。視覚的確認は、様々な流体接続部内に気泡が存在しないことを確認するためにも望ましい。あるいは、MUDS130および/またはドア116の少なくとも一部分は、様々な構成要素間の接続を視覚化するための窓(図示せず)を含んでもよい。また、様々な光センサ(図示せず)が、接続を検出して確認するために設けられてもよい。さらに、発光ダイオード(LED)などの様々な照明要素(図示せず)が、1つ以上の光センサを作動させ、様々な構成要素間の適切な接続が確立されたことを示すために設けられてもよい。
【0085】
引き続き
図2を参照すると、流体インジェクタシステム100の様々な流体通路の概略図が提供されている。MUDS130は、どの医療用流体または複数の医療用流体の組合せが複数回用量バルク流体源120から引き出されるか、および/または各シリンジ132を介して患者に送達されるかを制御するための、ストップコック弁などの1つ以上の弁136を含んでもよい。一部の態様では、1つ以上の弁136は、複数のシリンジ132の遠位端140またはマニホールド148に設けられてもよい。マニホールド148は、弁136および/またはシリンジ132を介して、各シリンジ132と対応するバルク流体源120とを接続するMUDS流体通路134の第1の端部と流体連通してもよい。MUDS流体通路134の反対側の第2の端部は、バルク流体源120と流体接続するように構成されたそれぞれのバルク流体コネクタ118に接続されてもよい。1つ以上の弁136の位置に応じて、流体は、1つ以上のシリンジ132に引き込まれ得るか、または1つ以上のシリンジ132から送達され得る。第1の位置では、シリンジ132の充填中などに、1つ以上の弁136は、流体がMUDS流体通路134を介してバルク流体源120から所望のシリンジ132に流れるように配置される。充填処置中、1つ以上の弁136は、1つ以上の流体出口ライン152またはマニホールド148を通る流体の流れが遮断されるように配置される。第2の位置では、流体送達処置中などに、1つ以上のシリンジ132からの流体は、1つ以上の流体出口ライン152またはシリンジ弁出口ポートを介してマニホールド148に送達される。送達処置中、1つ以上の弁136は、MUDS流体通路134を通る流体の流れが遮断されるように配置される。1つ以上の弁136、MUDS流体通路134、および/または流体出口ライン152は、マニホールド148に組み込まれてもよい。1つ以上の弁136は、手動または自動の処理によって第1の位置または第2の位置に選択的に配置されてもよい。例えば、オペレータは、充填または流体送達のために1つ以上の弁136を所望の位置に配置してもよい。他の態様では、流体インジェクタシステム100の少なくとも一部分は、本明細書に記載されているように、充填または流体送達のために、オペレータによる入力に基づいて1つ以上の弁136を所望の位置に自動的に配置するために動作可能である。弁体構造の適切な例は、それぞれ2012年9月20日に出願された国際出願第PCT/US2012/056355号および米国出願公開第2014/0228762号に示されており、また、これらの開示は、この言及により組み込まれる。
【0086】
図3Bを特に参照すると、MUDS130は、少なくとも1つのシリンジ132の近位端142の少なくとも一部分を受け入れるフレーム154をさらに含む。一部の態様では、フレーム154は、各シリンジ132の近位端142の少なくとも一部分を受け入れる形状に形成されてもよい。一部の態様では、流体出口ライン152は、フレーム154に接続されてもよい。一部の態様では、フレーム154は、SUDSとMUDS130とを接続するための接続ポート192の少なくとも一部分を画成する。フレーム154は、流体インジェクタシステム100への挿入中および流体インジェクタシステム100からの取り外し中にMUDS130を把持するためのハンドルを有してもよい。特定の態様では、接続ポート192は、単一のMUDSユニットを形成するようにフレーム154の一部として形成されてもよいし、フレーム154に接着/溶接されてもよい。
【0087】
図2を参照すると、一部の態様では、流体出口ライン152はまた、流体インジェクタシステム100の廃棄物リザーバ156に接続されてもよい。廃棄物リザーバ156は、汚染を防止するためにシリンジ132から分離されることが望ましい。一部の態様では、廃棄物リザーバ156は、例えば準備動作中にシリンジ132から排出される廃棄流体を受け入れるように構成される。廃棄物リザーバ156は、廃棄物リザーバ156の内容物を処分するためにハウジング102から取り外し可能であってもよい。他の態様では、廃棄物リザーバ156は、ハウジング102から廃棄物リザーバ156を取り外すことなく廃棄物リザーバ156の内容物を空にするためのドレンポート(図示せず)を有してもよい。一部の態様では、廃棄物リザーバ156は、MUDS130とは別個の構成要素として用意される。
【0088】
流体インジェクタシステム100およびMUDS130の上述の説明を念頭において、次に、
図3A~
図5Bを参照して、ハウジング102の収容空間158(
図3Aに示す)へのMUDS130の例示的な装填および抜き取りについて説明する。以下の解説では、MUDS130は、単一または複数の患者に使用するための流体インジェクタシステム100に接続され、これとの接続部から取り外され得ると想定されている。最初に
図3Aを参照すると、収容空間158は、後部側壁164によって上部プレート162から分離された下部プレート160を有する。下部プレート160は、複数の開口166であって、これらを通って、流体インジェクタシステム100のピストン要素103がMUDS130のそれぞれのプランジャ144に係合するように伸長する複数の開口166を有する。少なくとも1つの下部ガイド168が、MUDS130が流体インジェクタシステム100に装填されるときにMUDS130のフレーム154を案内するために下部プレート160に形成されている。一部の態様では、下部ガイド168は、下部プレート160に対して起立した、後部側壁164に向かって挿入方向に狭まる一対の壁として構成されてもよい。挿入中、下部ガイド168は、MUDS130のフレーム154を配置し、収容空間158の後部側壁164へフレーム154を案内する案内面を形成する。このようにして、MUDS130は、最初にMUDS130が収容空間158に位置合わせされていない場合であっても、収容空間158に位置合わせされ得る。
【0089】
図3Bを参照し、引き続き
図3Aを参照すると、上部プレート162は、少なくとも1つのシリンジ132の遠位端140を受け入れるように構成されている。上部プレート162は、シリンジ132の遠位端140の少なくとも一部分を受け入れる形状に形成された1つ以上のシリンジスロット170(
図3Aに示す)を有する。一部の態様では、MUDS130が収容空間158に挿入されたとき、上部プレート162のシリンジスロット170は、少なくとも1つのシリンジ132の遠位端140とマニホールド148との間に配置されてもよい。上部プレート162は、
図3Bに示す揺動点P1を中心に回転可能であってもよいし、MUDS130に対して垂直方向に移動可能であってもよい。第1の位置では、収容空間158へのMUDS130の装填中などに、上部プレート162は、少なくとも1つのシリンジ132の先端部または円錐部145が上部プレート162の下面に接触しないように持ち上げられてもよい。一部の態様では、上部プレート162は、MUDS130が収容空間158から取り外されるたびに、付勢kなどによって第1の位置に戻されてもよい。他の態様では、上部プレート162は、少なくとも1つのシリンジ132の先端部または円錐部145が少なくとも1つのシリンジスロット170に係合したときに第1の位置に付勢されてもよい。
【0090】
図4Aに示すように、MUDS130が後部側壁164に係合したとき、MUDS130は、上部プレート162を第2の位置に移動させることによって収容空間158にロックされてもよい。第2の位置では、上部プレート162は、少なくとも1つのシリンジ132の先端部または円錐部145が上部プレート162の下面に係合するように下げられる。一部の態様では、上部プレート162は、付勢(図示せず)によって第2の位置に付勢されてもよい。他の態様では、上部プレート162は、
図4A~
図4Bに示す矢印Aの方向に上部プレート162を揺動させることによって手動で第2の位置に移動されてもよい。上部プレート162は、収容空間158からのMUDS130の抜け落ちを防止するために、ラッチ172によってMUDS130にロックされてもよい。ラッチ172は、上部プレート162が揺動点P1を中心に回転するのを防止するように動作可能であってもよい。ラッチ172は、揺動点P2を中心に
図4Bに示す矢印Bの方向に揺動可能なオーバーセンターのばね荷重ラッチであってもよい。
図4Cを参照すると、MUDS130が収容空間158内にロックされているとき、上部プレート162の下面は、少なくとも1つのシリンジ132の先端部または円錐部145に係合する。ロック位置では、各シリンジ132の長手方向軸線Lは、各シリンジスロット170の中心に位置合わせされる。上部プレート162がロック位置にあるとき、収容空間158からのMUDS130の抜け落ちは、上部プレート162の下面と少なくとも1つのシリンジ132の先端部または円錐部145との係合によって防止される。ロックされたら、上部プレート162は、注入処置中に軸方向に移動しないようシリンジ132を保持する。
【0091】
図5A~
図5Bを参照すると、MUDS130は、少なくとも1つのシリンジ132の先端部もしくは円錐部または円錐部分145から上部プレート162をロック解除することによって収容空間158から取り外される。以下の解説では、MUDS130は、流体インジェクタシステム100との接続部から取り外され、医療廃棄物として廃棄され得ると想定されている。一部の態様では、上部プレート162は、揺動点P2を中心に
図5Aに示す矢印Cの方向にラッチ172を揺動させるによってラッチ172を外すことによりロック解除される。ラッチ172が外されたら、上部プレート162は、MUDS130から、
図5Bに示す矢印Dの方向に向かって上方に揺動される。上部プレート162をロック解除することによって、上部プレート162は、少なくとも1つのシリンジ132の先端部もしくは円錐部または円錐部分145が上部プレート162のシリンジスロット170(
図3Aに示す)に接触しないようにするためにMUDS130から移動される(すなわち、揺動されるまたは持ち上げられる)。次に、MUDS130は、後部側壁164(
図3Aに示す)からMUDS130を離すように移動させることによって、挿入方向とは反対の方向に引き出されてもよい。
【0092】
図6を参照すると、一部の態様では、MUDS130は、マニホールド148を通る流体の流れを制御する1つ以上の回転可能な弁136を有してもよい。1つ以上の弁136は、流体の充填または送達を達成するために様々な位置の間で回転可能であってもよい。一部の態様では、カップリング機構174が、1つ以上の弁136を回転させ、これにより、流体の充填または送達のためにMUDS130の配置を制御するために用意されてもよい。カップリング機構174は、少なくとも1つの回転可能な弁136に係合する回転可能なカップリング176の形態であってもよい。一部の態様では、回転可能なカップリング176は、少なくとも1つの回転可能な弁136のスロット180に係合するように構成されたブレード178を有する。回転可能なカップリング176は、ブレード178がスロット180に係合するまでカップリング176を最大で360度回転させるために流体インジェクタシステム100に設けられた駆動機構(図示せず)を使用して回転可能であってもよい。カップリング機構174は、ブレード178がスロット180に係合した時点を検知し、カップリング機構174にカップリング176の回転の停止を命令するセンサ(図示せず)を含んでもよい。様々な態様によれば、カップリング機構174は、スロット180の初期の向きに関係なく、弁136に係合および結合することが可能である。したがって、例えばMUDS130の製造、輸送、または挿入中の、弁136の回転運動は補償され得る。回転可能なカップリング176のブレード178が、少なくとも1つの回転可能な弁136のスロット180に係合したら、回転可能なカップリング176の回転は、回転可能な弁136の対応する回転をもたらす。このようにして、1つ以上の弁136の配置は、1つ以上のシリンジ132(
図3Aに示す)に充填するための位置と、1つ以上のシリンジ132から流体を送達するための位置との間で切り替えられ得る。
【0093】
図12A~
図12Cを参照すると、弁136は、弁収容空洞155(
図11に示す)の少なくとも一部分内に回転可能に収容されるように構成された弁体250を有する。一部の態様では、弁136は、弁136がインジェクタのカップリング機構174と連携し得るように、実質的に垂直な向きに弁収容空洞155内に収容されるように構成される。弁体250は、弁頭254に接続された弁棒252を有する。弁棒252は、弁収容空洞155の少なくとも一部分内に収容される形状に形成されてもよい。弁頭254は、成形などによって弁棒252と一体に形成されてもよい。一部の態様では、弁頭254は、弁棒252とは別個に形成され、弁棒252に取り外し可能にまたは取り外し不能に接続される。弁棒252および弁頭254は、同じまたは異なる材料から形成されてもよい。一部の態様では、弁棒252は、実質的に円筒形の部材として形成され、弁頭254は、弁棒252と一体に形成され、弁頭254は、弁棒252に対して半径方向外側に延在する。様々な態様において、弁頭254は、円形、正方形、長方形、または1つ以上の直線もしくは曲線の縁を有する任意の規則的なまたは不規則な幾何学的形状を有する形状であってもよい。弁棒252および弁頭254は、弁136の長手方向軸線256に対して位置合わせまたはオフセットされてもよい。
【0094】
弁136の少なくとも一部分は、弁収容空洞155の側壁に対するシールを提供するためにエラストマー材料から作製されてもよい。一部の態様では、弁136の少なくとも一部分は、生体適合性の、非発熱性の、ラテックスを含まない、および/またはDEHPを含まない材料から作製されてもよい。他の態様では、弁136は、様々な造影溶液および生理食塩水溶液を含むが、これらに限定されない様々な医療用流体に適合する材料から作製されてもよい。他の態様では、弁136は、電子ビーム滅菌、ガンマ滅菌、および/またはエチレンオキシド滅菌を含むが、これらに限定されない様々な滅菌技術のために構成されてもよい。他の態様では、弁136は、シリンジ132が弁136とともに処分されなければならなくなるまで、24時間などの所定の期間にわたって使用されるように構成されてもよい。一部の態様では、弁136は、350psi超の最大動作圧力に定格を定めてもよい。他の態様では、弁136を回転させるのに必要な作動トルクは、3Nm未満であってもよく、故障トルクは、作動トルクの2.5倍を超えてもよい。他の態様では、弁136は、60rpm以上で回転されるように構成されてもよい。他の態様では、弁136の内部流体損失は、必要な量の全体の0.5%未満であってもよい。他の態様では、弁136は、200mlのシリンジ132に対して0.1ml未満の許容可能な漏出量を有してもよい。
【0095】
図12Aを参照すると、弁頭254は、弁頭254内に延在する凹部として形成されたスロット180を有する。一部の態様では、弁頭254は、複数のスロットを有してもよい。スロット180は、弁頭254の上面の少なくとも一部分にわたって延在してもよい。一部の態様では、スロット180は、スロット180が長手方向軸線256に対して半径方向に延在するように弁136の長手方向軸線256に位置合わせされてもよい。他の態様では、スロット180は、弁136の長手方向軸線256からオフセットされてもよい。スロット180は、その長さに沿って均一または不均一な幅を有してもよい。スロット180は、スロット180と弁頭254の外周262との間に延在する1つ以上のリブ260を有する1つ以上の凹部258によって囲まれてもよい。スロット180は、スロット180の長さに沿って、均一または不均一な深さで弁頭254内に延在してもよい。スロット180は、平坦な底部を有してもよいし、弁頭254にV字形を形成するように傾斜していてもよい。
【0096】
図12Cを参照すると、弁棒252は中空であり、側壁264が弁棒252の外形を画成することが望ましい。中空の弁棒252は、開いた下端266とともに内部268を有する。弁棒252は、下端266からオフセットされた位置で側壁264を貫通する第1の側面開口270を有する。第1の側面開口270は、弁棒252の内部268と流体連通する。第1の側面開口270は、弁136の長手方向軸線256に対して垂直なまたは斜めの方向に側壁264を貫通してもよい。一部の態様では、複数の第1の側面開口270が設けられてもよい。このような態様では、複数の第1の側面開口270は、弁棒252の外周の周りに周方向におよび/または弁136の長手方向軸線256に沿って軸方向に延在してもよい。
【0097】
図12Cを参照すると、インサート272は、弁棒252の内部268内に受け入れられてもよい。一部の態様では、インサート272は、インサート272と弁136との共成形などによって弁136と一体に形成されてもよい。インサート272の少なくとも一部分は、弁棒252に対するインサート272の回転を防止するために、弁頭254に形成された凹部258内に延在してもよい。インサート272は、開いた下端276を有する内部275を囲む外周側壁274を有する中空体を有する。少なくとも1つの第2の側面開口278は、インサート272の中空体の側壁274を貫通する。第2の側面開口278は、第1の側面開口270および第2の側面開口278が互いに流体連通するように弁棒252の第1の側面開口270に位置合わせされる。このようにして、第1の側面開口270は、L字形の流体通路を介してインサート272の内部275と流体連通する。
【0098】
流体インジェクタシステム100との接続前、1つ以上の弁136は、流体インジェクタシステム100のカップリング機構174に位置合わせされていなくてもよい。カップリング機構174を回転させて1つ以上の弁136に位置合わせするために、回転可能なカップリング176は、少なくとも1つの弁136に自己位置合わせされるように回転可能である。MUDS130(
図3Aに示す)が、流体インジェクタシステム100の収容空間158内に装填されるとき、弁136の少なくとも一部分(その外側側壁182(
図7Aに示す)の一部分など)が、回転可能なカップリング176の少なくとも一部分に係合する。
図7Aを参照すると、回転可能なカップリング176のブレード178は、弁136の外側側壁182に対して傾斜した傾斜面184を有してもよい。傾斜面184と接触すると、弁136の外側側壁182は、MUDS130が収容空間158内に移動されるのに合わせて傾斜面184に沿って摺動する。弁側壁182は、弁側壁182の遠位外周に、傾斜面184と弁136との係合を容易にし得る斜めの、面取りされた、または丸みのある縁部183を含んでもよい。このような摺動移動により、回転可能なカップリング176は、
図7Aの矢印Eの方向に向かって垂直に移動する。一部の態様では、ブレード178が矢印Eの方向に移動された場合に、例えば、ブレード178がスロット180に正しく位置合わせされていないとき、復元力が、伸縮性のある弾性部材188に蓄えられるように、回転可能なカップリング176には、ばね荷重がかけられてもよい。
図7Cに示すように、スロット180は、例えばブレード178の傾斜面184がリップ181に隣接しているときに、スロット180に挿入するブレード178の向きを単一の向きに制限するリップ181を一端に有してもよい。MUDS130が収容空間に完全に挿入されると、回転可能なカップリング176のブレード178は、弁136の上面186上に配置される。弁136と回転可能なカップリング176とを位置合わせするために、回転可能なカップリング176は、ブレード178がスロット180に位置合わせされるまで弁136に対して回転される。位置合わせされると、ブレード178は、スロット180内に下げられる。このとき、回転可能なカップリング176は、伸縮性のある弾性部材188の復元動作下でスロット180内に押し込まれてもよい。スロット180は、スロット180へのブレード178の挿入を容易にするために、上面186から始まって狭まる側壁を有してもよい。ブレード178がスロット180に挿入されたら、回転可能なカップリング176は、本明細書に記載されているように、流体の充填または送達のために弁136の向きを調整することができる。各弁136と各回転可能なカップリング176との間にはただ1つの正しい向きしかないため、インジェクタのオペレーティングシステムは、各弁136の向きを判定し、MUDS130の複数のシリンジ132のそれぞれへの流体の充填またはMUDS130の複数のシリンジ132のそれぞれからの流体の送達に必要な、各回転可能なカップリング176の正しい回転を決定することができる。
【0099】
流体インジェクタシステム100およびMUDS130の構成要素について一般的に説明してきたが、次に、SUDS190の構造および使用方法ならびにMUDS130とのその相互作用について説明する。
【0100】
図8Aおよび
図8Bを参照すると、流体インジェクタシステム100は、SUDS190の少なくとも一部分との解除可能な流体接続を形成するように構成された接続ポート192を有する。一部の態様では、接続ポート192は、MUDS130に形成されてもよい。接続ポート192は、流体インジェクタシステム100のハウジング102の少なくとも一部分によって遮蔽されてもよい。例えば、接続ポート192をハウジング102の内部の凹所に配置することは、ユーザまたは患者が、患者に注入される流体に接触する、接続ポート192の部分に触れて汚染することを防止または制限することによって、接続ポート192の無菌性を保つことができる。一部の態様では、接続ポート192は、流体インジェクタシステム100のハウジング102に形成された開口194内の凹所に配置されるか、あるいは、接続ポート192は、接続ポート192の少なくとも一部分を囲む遮蔽構造(図示せず)を有してもよい。他の態様では、接続ポート192は、ハウジング102に直接形成され、流体通路(図示せず)によってMUDS130に接続されてもよい。本明細書に記載されているように、SUDS190は、MUDS130および/またはハウジング102の少なくとも一部分に形成された接続ポート192に接続されてもよい。SUDS190と接続ポート192との接続は、選択的にSUDS190が接続ポート192から切り離され(
図8A)、接続ポート192に接続される(
図8B)ことを可能にする解除可能な接続であることが望ましい。一部の態様では、SUDS190は、各流体送達処置の後に接続ポート192から切り離されて処分されてもよく、新しいSUDS190が、その後の流体送達処置のために接続ポート192に接続されてもよい。
【0101】
引き続き
図8Aおよび
図8Bを参照すると、廃棄物入口ポート196が、接続ポート192とは別個に設けられてもよい。廃棄物入口ポート196は、廃棄物リザーバ156と流体連通する。一部の態様では、廃棄物リザーバ156は、廃棄物入口ポート196からの流体が廃棄物リザーバ156に送達され得るようにSUDS190とは別個に設けられる。SUDS190の少なくとも一部分は、例えば、SUDS190から空気を排出する準備動作中に廃棄流体を廃棄物リザーバ156に導入するために、廃棄物入口ポート196に解除可能に接続されてもよいまたは関連付けられてもよい。廃棄物リザーバ156は、廃棄物リザーバ156の充填レベルを示す、目盛り付き目印などの表示200を有する目視窓198を有してもよい。
【0102】
図9Aを参照すると、SUDS190は、接続ポート192(
図8Aに示す)と解除可能に接続されるように構成された流体入口ポート202を有する。流体入口ポート202は、流体インジェクタシステム100から送達される流体を受け入れる。流体入口ポート202は、
図9Bに示すように中空の管状構造であることが望ましい。SUDS190は、廃棄物入口ポート196(
図8Aに示す)との解除可能な接続または関連付けのために構成された廃棄物出口ポート204をさらに有する。廃棄物出口ポート204は、例えばSUDS190の準備動作中に、廃棄流体を受け入れ、このような廃棄流体を廃棄物リザーバ156に送達する。廃棄物出口ポート204は、
図9Bに示すように中空の管状構造であることが望ましい。廃棄物出口ポート204は、廃棄流体が廃棄物入口ポート196を通って流れ、続いて廃棄物リザーバ156に流れ込み得るように、廃棄物入口ポート196に接続、挿入、または配置されてもよい。流体入口ポート202および廃棄物出口ポート204は、スペーサ206によって互いに離間されてもよい。一部の態様では、スペーサ206は、流体入口ポート202および廃棄物出口ポート204を、それぞれ接続ポート192および廃棄物入口ポート196に位置合わせするように配置する寸法に形成される。
図9Aにはパッケージ(図示せず)から取り出した後の状態のSUDS190が示されていることに留意されたい。使用前、SUDS190は、空気または表面媒介汚染物質による汚染からSUDS190を保護する予め滅菌された密封パッケージに包装されることが望ましい。あるいは、密封パッケージおよびSUDS190は、包装後に滅菌されてもよい。
【0103】
SUDS190は、ユーザが1つの向きでしかSUDS190をMUDS130に取り付けることができないように非対称構造を有することが望ましい。このようにして、ユーザが流体入口ポート202を廃棄物入口ポート196に取り付けることが防止される。一部の態様では、フィン207が、接続ポート192へのSUDS190の間違った挿入を防止するためにSUDS190の少なくとも一部分に設けられてもよい。特定の態様では、フィン207は、廃棄物出口ポート204の近傍でスペーサ206上に形成されてもよい。このようにして、フィン207は、接続ポート192へのSUDS190の正しくない挿入を妨げることができる。フィン207以外の構造および形状が、接続ポート192へのSUDS190の間違った挿入を防止するために使用されてもよい。
【0104】
一部の態様では、チューブ208が、その近位端210で流体入口ポート202に接続されてもよい。チューブ208は、流体入口ポート202から受け入れた流体を送達するように構成される。チューブ208の遠位端212は、廃棄物出口ポート204または患者(図示せず)に接続された流体通路に接続されるように構成されたコネクタ214を有してもよい。チューブ208は、チューブ208を螺旋状に巻くことを可能にする、医療グレードのプラスチック材料などの可撓性材料から作製されてもよい。コネクタ214は、ルアーロックコネクタ(所望の用途に応じて雄ルアーロックコネクタもしくは雌ルアーロックコネクタのいずれか)または他の医療用コネクタ構成であってもよい。一部の態様では、コネクタ214は、流体の逆流を防止するために一方向弁を有してもよい。あるいは、一方向弁は、流体入口ポート202とコネクタ214との間の、SUDS190の他の位置に配置されてもよい。
【0105】
引き続き
図9Aを参照すると、SUDS190は、ロッキングタブ216と流体インジェクタシステム100の少なくとも一部分との係合に応じて流体インジェクタシステム100にSUDS190を選択的にロックするように構成されたロッキングタブ216を有してもよい。一部の態様では、ロッキングタブ216は、ロッキングタブ216の少なくとも一部分を曲げることによって係合位置と非係合位置との間で曲がることが可能な可撓性タブであってもよい。ロッキングタブ216は、押圧面218であって、押圧されたときに、流体インジェクタシステム100へのSUDS190の挿入および流体インジェクタシステム100からのSUDS190の取り外しのために、ロッキングタブ216を係合位置から非係合位置に曲げる押圧面218を有してもよい。一部の態様では、ロッキングタブ216は、MUDS130の受入スロット217(
図9Cに示す)に解除可能にロッキング係合するように構成されてもよい。
【0106】
図9Bを参照すると、SUDS190は、流体入口ポート202の近位端226の周りに周方向に延在する第1の環状スカート224と、流体入口ポート202の遠位端222の周りに周方向に延在する第2の環状スカート220とを有してもよい。第1の環状スカート224および第2の環状スカート220は、不用意な接触および汚染を防止するために流体入口ポート202を囲む。第1の環状スカート224は、その側壁を通って延在する1つ以上の凹部228(
図9Aに示す)を有してもよい。1つ以上の凹部228は、流体インジェクタシステム100の対応するロッキング要素(図示せず)とのロッキングインターフェースを提供してもよい。第2の環状スカート220は、SUDS190の把持および取り扱いを容易にするために少なくとも1つのくぼみ230(
図9Aに示す)を有してもよい。一部の態様では、第2の環状スカート220は、SUDS190の把握および取り扱いを容易にするために、1つ以上のリブ232(
図9Aに示す)を有するテクスチャ表面を有してもよい。
【0107】
引き続き
図9Bを参照すると、少なくとも1つの環状シール234が、流体入口ポート202の近位端226の周りに設けられてもよい。少なくとも1つの環状シール234は、流体がSUDS190を通って漏れるのを防止するために流体入口ポート202をシールすることができる。少なくとも1つの環状シール234は、流体が漏れることなくMUDS130からSUDS190に流れることを可能にするために、SUDS190およびMUDS130が互いに流体接続されているときにこれらの間の流体シールを提供してもよい。一方向弁236は、流体がSUDS190からMUDS130に向かって逆方向に流れるのを防止するために流体入口ポート202の内腔内に設けられてもよい。
【0108】
図9Cを参照すると、
図9Aに示すSUDS190が、流体インジェクタシステム100に接続されて示されている。
図9Cは、MUDS130に形成された接続ポート192を示しているが、他の態様では、接続ポート192は、ハウジング102の一部分に形成されてもよい(
図1に示す)。SUDS190の流体入口ポート202は、
図9Cに示す矢印Fの方向に流体通路を確立するように接続ポート192に接続されている。流体入口ポート202を通過する流体は、一方向弁236を通ってチューブ208に流れる。流体入口ポート202と接続ポート192との接合部から滴り落ち得る流体は、廃棄物リザーバ156に集められる。廃棄物リザーバ156は、SUDS190がMUDS130から取り外されるときにSUDS190から滴り落ち得る流体を集める形状に形成されてもよい。さらに、SUDS190が接続ポート192に接続されるとき、廃棄物出口ポート204の出口は、廃棄物入口ポート196内に配置され、これにより、チューブ208からの廃棄流体は、廃棄物リザーバ156内に排出され得る。スペーサ206は、接続ポート192へのSUDS190の挿入の深さを規定する挿入止め面を形作ってもよい。
【0109】
図13~
図24は、1つ以上のシリンジ132の先端部もしくは円錐部または遠位円錐端145の末端と、少なくとも1つのマニホールド導管を含むマニホールド148との様々な接続構成であって、マニホールド導管148aが、主流路148bおよび導管シリンジ取り付け端に流体接続され、導管シリンジ取り付け端が、少なくとも1つのシリンジ132のシリンジ流体ポートと流体連通する様々な接続構成を示している。これらの態様によれば、少なくとも1つのマニホールド導管148aは、MUDS流体ライン134と流体連通するように構成された充填ポート147と、主流路148bと流体連通する排出出口146と、弁収容空洞155とを備え、排出出口146および充填ポート147は、弁収容空洞155内の弁アセンブリ272を介して少なくとも1つのシリンジ132の内部139と流体連通する。
【0110】
図13A~
図13Cを参照すると、スイベルナット接続を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。少なくとも1つのシリンジ132の遠位円錐端1346は、雄ルアーチップおよび周方向溝1390を含む。周方向溝1390は、雌ねじ1382を含むねじ付きスイベルナット1380の半径方向内側フランジ1385を受け入れるように構成される。マニホールド導管1370の導管シリンジ取り付け端1372は、遠位円錐端1346の雄ルアーチップと流体密接続されるように構成された雌ルアーチップを含む。雌ねじ1382は、マニホールド導管1370と遠位円錐端1346とを接続するためにマニホールド導管1370の導管シリンジ取り付け端1372の相補的なねじ山1375と螺合される。
【0111】
図14Aおよび
図14Bを参照すると、溶媒結合を用いた、オーバーモールドされたマニホールド接続を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。少なくとも1つのマニホールド導管1470の導管シリンジ取り付け端1472は、導管シリンジ取り付け端1472の外面とシリンジ流体ポート1446の内面との溶媒結合によって流体密接続を形成するオーバーモールドされたポリマーシース1476を備える。特定の態様では、少なくとも1つのシリンジおよび/またはマニホールド導管1470は、例えばポリカーボネートなどの第1のポリマー材料から作製されてもよく、オーバーモールドされたポリマーシース1476は、ポリウレタンなどの第2のポリマー材料から作製されてもよく、製造中に導管シリンジ取り付け端1472上にオーバーモールドされてもよい。次に、ポリマーシース1476は、第2のポリマー材料を少なくとも部分的に溶解して、凝結時に2つの表面間の溶媒結合を形成する溶媒(シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、または他の適切な溶媒などであるが、これらに限定されない)で処理されてもよい。
図15Aおよび
図15Bに示す別の態様によれば、シリンジ流体ポート1546が、シリンジ流体ポート1546の外面にオーバーモールドされたオーバーモールドされたポリマーシース1576を備えてもよく、これは、このとき、少なくとも1つのマニホールド導管1570の導管シリンジ取り付け端1572の内面との流体密接続およびシールを形成する。
【0112】
図16A~
図16Cを参照すると、シリンジとマニホールドとを接続するために弁アセンブリ136の弁棒を使用する弁棒ロック構成を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート1646の内面1649は、半径方向内側に延在するロッキングフランジ1685を備え、導管シリンジ取り付け端1672の内面は、半径方向内側に延在するロッキングフランジ1673を備える。弁アセンブリ136は、シリンジ流体ポート1646および導管シリンジ取り付け端1672のロッキングフランジ1685、1673とのロッキング係合を形成するように構成されたシリンジロッキング溝1695およびマニホールドロッキング溝1690を備える。特定の態様は、弁アセンブリと、シリンジ流体ポート1646および導管シリンジ取り付け端1672の一方または両方との間に1つ以上のOリングをさらに含んでもよい。
【0113】
図17A~
図17Cを参照すると、UV活性化接着剤を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、導管シリンジ取り付け端1772の外周面は、UV活性化接着剤によってシリンジ流体ポート1746の内周面に接着される。硬化中のUV活性化接着剤の潜在的な膨張に対処するために、シリンジ充填ポートは、硬化プロセス中のUV活性化接着剤の膨張を可能にする複数の側方スロット1790を備えてもよく、この場合、余分な接着剤は、側方スロット1790を通って膨張することができる。別の態様(図示せず)では、導管シリンジ取り付け端1772は、硬化プロセス中のUV活性化接着剤の膨張を可能にする複数の側方スロットを備えてもよく、この場合、余分な接着剤は、側方スロットを通って膨張することができる。
【0114】
図18A~
図18Cを参照すると、複数の可撓性クリップ要素を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。一態様によれば、円錐遠位端145は、マニホールド導管1870の導管シリンジ取り付け端1872の外周上の半径方向フランジ1875に係合するように構成された、遠位方向を向いた複数の可撓性クリップ1890を備えてもよい。シリンジ流体ポート1846は、導管シリンジ取り付け端1872の雌ルアーチップにシール可能に係合する雄ルアーチップを含んでもよい。他の態様(図示せず)では、可撓性クリップは、導管シリンジ取り付け端1872に配置され、シリンジ流体ポート1846上の対応するフランジに係合するように近位方向に突出してもよい。
【0115】
図19A~
図19Dを参照すると、Cクリップロッキング特徴を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート1946は、長手方向スロット1995を含み、導管シリンジ取り付け端1972は、半径方向フランジ1975を備える。導管シリンジ取り付け端1972は、半径方向フランジ1975が長手方向スロット1995に対して近位方向に隣接する位置までシリンジ流体ポート1946に挿入される。導管シリンジ取り付け端1972とシリンジ流体ポート1746との接続は、半径方向フランジに対して遠位方向に隣接する長手方向スロット1995に挿入されたCクリップ1990によって維持される。導管シリンジ取り付け端1972は、導管シリンジ取り付け端1972とシリンジ流体ポート1946との間に流体密シールを形成するように構成された1つ以上のOリング1999をさらに備えてもよい。
【0116】
図20Aおよび
図20Bを参照すると、レーザ溶接特徴を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート2046および導管シリンジ取り付け端2072の一方は、レーザ溶接用に構成された表面を有する半径方向フランジ2085を備え、シリンジ流体ポート2046および導管シリンジ取り付け端2072の他方は、半径方向フランジ2085を受け入れ、レーザ溶接用に構成された相補的な表面を有する半径方向受入フランジ2073を備える。半径方向フランジ2085および相補的な半径方向受入フランジ2073は、これらの間のレーザ溶接部2086によって互いに接続される。
【0117】
図21Aおよび
図21Bを参照すると、超音波溶接特徴を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート2146および導管シリンジ取り付け端2172の一方は、エネルギーディレクタ2186を含む周囲受入スロット2185を備え、シリンジ流体ポート2146および導管シリンジ取り付け端2172の他方は、周囲受入スロット2185内に係合して受け入れられる末端部分2175を備える。末端部分2175および周囲受入スロット2185は、エネルギーディレクタ2186によって誘導され得る超音波振動にさらされることによるそれらの間の超音波溶接によって接続される。
【0118】
図22A~
図22Bを参照すると、UV接着結合部を有するルアーシールを含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート2246は、導管シリンジ取り付け端2272の雄ルアーコネクタと液密接続を形成する雌ルアーコネクタを備えてもよい。ルアー接続を組み立てたとき、遠位周囲スロット2080が、シリンジ流体ポート2246と導管シリンジ取り付け端2272との間に形成される。遠位周囲スロット2080は、UV放射を用いた照射時にシリンジ流体ポート2246と導管シリンジ取り付け端2272との接着接続を形成するUV活性化接着剤を受け入れるように構成される。シリンジ流体ポート2246と導管シリンジ取り付け端2272との逆のルアー接続も考えられる。
【0119】
図23A~
図23Bを参照すると、シリンジ流体ポート2346とマニホールド導管2370とのUV接着結合を含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート2346と導管シリンジ取り付け端2372との係合により、シリンジ流体ポート2346の内面と導管シリンジ取り付け端2372の外面との間に管状空間2380が画成される。接続を組み立てるとき、UV放射を用いた照射時にシリンジ流体ポート2346と導管シリンジ取り付け端2372との接着接続を形成するUV活性化接着剤が、管状空間2380内に受け入れられる。シリンジ流体ポート2346と導管シリンジ取り付け端2372との逆の接続も考えられる。
【0120】
図24A~
図24Bを参照すると、レーザタック溶接部を有するルアーシールを含むシリンジ/マニホールド接続構成の一態様が示されている。この態様によれば、シリンジ流体ポート2446は、導管シリンジ取り付け端2472の雄ルアーコネクタと液密接続を形成する雌ルアーコネクタを備えてもよい。ルアー接続を組み立てるとき、レーザタック溶接部2480が、シリンジ流体ポート2446と導管シリンジ取り付け端2472との境界面に形成される。シリンジ流体ポート2446と導管シリンジ取り付け端2472との逆のルアー接続も考えられる。
【0121】
図25Aおよび
図25Bを参照すると、流体インジェクタシステム100は、SUDS190がMUDS130と流体連通した時点を確認するように適合されたセンサシステム238を有してもよい。センサシステム238は、少なくとも1つの検知要素(SUDS190のセンサフィン240および流体インジェクタシステム100またはMUDS130の対応するセンサ242など)を含んでもよい。センサ242は、少なくとも1つのセンサフィン240または他の検知要素の有無を検出するように構成されてもよい。一部の態様では、少なくとも1つのセンサフィン240などの検知要素は、
図9Aに示すように、SUDS190のロッキングタブ216上に形成される。他の態様では、少なくとも1つのセンサフィン240などの検知要素は、SUDS190の任意の部分に形成されてもよい。センサ242は、流体インジェクタシステム100のハウジング102上に形成されたそれぞれのマウント内に設置されて固定された光学センサであってもよい。電動式医療用流体インジェクタの当業者には理解されるように、センサ242は、少なくとも部分的にセンサ242からの入力に基づいて流体インジェクタシステムの動作(1つ以上のピストン要素の動作など)を個々に制御するために使用される電子制御装置に電子的に結合されてもよい。センサフィン240などの検知要素は、センサ242によって検出される可視光または赤外光を反射する1つ以上の反射面を有してもよい。他の態様では、検知要素とセンサ242との間の機械的相互作用が使用されてもよい。
【0122】
一部の態様では、SUDS190は、再使用防止特徴(図示せず)をさらに含んでもよい。例えば、SUDS190は、SUDS190がMUDS130から取り外されるときに折れるか、または壊れる1つ以上の破壊可能なセンサ要素、センサタブ、またはセンサ構造を含んでもよい。これらの特徴がなくなることによって、取り外した後のSUDS190の再挿入および再使用が防止され得る。このようにして、SUDS190が1回の流体送達処置にのみ使用されることが保証され得る。
【0123】
流体インジェクタシステム100、MUDS130、およびSUDS190の構成要素について一般的に説明してきたが、次に、SUDS190を使用する操作の方法について詳細に説明する。使用時、医療技術者またはユーザは、使い捨てのSUDS190をそのパッケージ(図示せず)から取り出し、MUDS130の接続ポート192に流体入口ポート202を挿入する。上記のように、流体入口ポート202が接続ポート192に接続のために位置合わせされ、廃棄物出口ポート204が廃棄物入口ポート196に接続のために位置合わせされるように、SUDS190は正しい向きで挿入されなければならない。SUDS190は、MUDS130の受入スロット217にロッキングタブ216を挿入することによってMUDS130に固定されてもよい。SUDS190が、MUDS130に固定接続されたら(例えば、センサ242によって検知されたとき)、流体インジェクタシステム100(
図1Aおよび
図1Bに示す)は、MUDS130の複数のシリンジ132の1つ以上に流体を引き込み、MUDS130およびSUDS190から空気を除去するために自動準備動作を実行する。このような準備動作中、MUDS130からの流体は、接続ポート192を介してSUDS190のチューブ208に注入される。流体は、チューブ208および廃棄物出口ポート204を通って廃棄物リザーバ156に流れ込む。自動準備動作が完了したら、医療技術者は、廃棄物出口ポート204からコネクタ214を切り離す。次に、コネクタ214は、患者への流体送達を容易にする、カテーテル、血管アクセス装置、針、または付加的な流体通路のセットを介して患者に接続されてもよい。流体送達が完了したら、SUDS190は、患者から切り離され、MUDS130の受入スロット217からSUDS190のロッキングタブ216を外すことによってMUDS130から切り離される。次に、医療技術者は、SUDS190を処分してもよい。特定の態様では、MUDS130からSUDS190を取り外すことにより、再使用防止特徴(図示せず)が作動し、これにより、SUDS190の再挿入および再使用が防止される。
【0124】
図26を参照すると、別の態様による、SUDS190とMUDS130との接続インターフェースが示されている。MUDS130は、ポート192の遠位端からポート192の内部に延在するルアーロックコネクタ24(所望の用途に応じて雄ルアーロックコネクタまたは雌ルアーロックコネクタのいずれか)を有する中空の管状構造として構成され得る接続ポート192を有する。したがって、ルアーロックコネクタ24の近位開口は、ポート192の内部の凹所に配置される。ルアーロックコネクタ24は、MUDS130をSUDS190に固定するためのねじ山30(
図27Bに示す)を含んでもよい。例えば、
図27Aおよび
図27Bに示すように、ねじ山30は、ルアーロックコネクタ24を囲む外側シュラウド32に配置されてもよい。ねじ山30はまた、ルアーロックコネクタ24自体に配置されてもよい。ルアーロックコネクタ24は、接続ポート192の近位端からその遠位開口までルアーロックコネクタ24を貫通する流体路34(
図27Bに示す)を画成する。接続ポート192は、ルアーロックコネクタ24を含むものとして描かれているが、クリップインコネクタ、バヨネットコネクタ、および圧入コネクタなどを含むが、これらに限定されない他の形式のコネクタも本開示の範囲内で使用され得る。さらに、特定の態様では、接続ポート192用のコネクタ24は、第三者によって製造されたコネクタを取り付けることができないように非標準コネクタ(例えば、独特のサイズまたは形状を有するコネクタ)であることが望ましい。
【0125】
MUDS130は、同様に中空の管状構造として構成され得る廃棄物入口ポート196(
図26に示す)を有する。廃棄物入口ポート196は、廃棄物入口ポート196と廃棄物リザーバ156(
図2に示す)とを接続する可撓性チューブなどの流体導管に取り付けられた先細の遠位ノズル36を含む。
【0126】
再び
図26を参照すると、本明細書に詳細に記載されているように、MUDS130は、一回の使用の後に処分されるSUDS190に接続されるように適合される。
図26では、パッケージ(図示せず)から取り出した後の状態のSUDS190が示されていることに留意されたい。使用前、SUDS190は、空気または表面媒介汚染物質による汚染からSUDS190を保護する予め滅菌された密封パッケージに包装されることが望ましい。
【0127】
SUDS190は、MUDS130の接続ポート192および廃棄物入口ポート196に対応する2つ以上のポートを有してもよい。便宜上、SUDS190のポートは、
図9A~
図9Bを参照して説明したSUDS190の流体入口ポート202および廃棄物出口ポート204と同等である。ポート202、204は、
図27Bに示すように、MUDS130のハウジング20内への受け入れに適したエンクロージャ42に設けられてもよい。エンクロージャ42は、ユーザがただ1つの向きでしかSUDS190をMUDS130に取り付けることができないように非対称構造を有することが望ましい。したがって、例えば、ユーザがMUDS130の接続ポート192をSUDS190の廃棄物出口ポート204に取り付けることが防止される。SUDS190のポート202、204およびエンクロージャ42は、医療グレードのプラスチックなどの医療用途に適した材料から作製されてもよい。SUDS190のチューブ208は、逆止弁を介して、流体入口ポート202の近位端と廃棄物出口ポート204の端部とに接続される。チューブ208は、包装および操作を容易にするために巻き付けられた形態または螺旋状に巻かれた形態で提供されてもよい。
【0128】
図27Aおよび
図27Bを参照すると、SUDS190の流体入口ポート202は、MUDS130の接続ポート192に挿入されるように構成された中空の管状構造である。SUDS190の流体入口ポート202は、MUDS130に隣接して配置される、ポート202の近位端から、チューブ208に接続される、ポート202の遠位端まで延在する流体路46を画成する、ルアーロックコネクタ44などの管状導管を含む。ルアーロックコネクタ44は、MUDS130のルアーロックコネクタ24に接続されるように適合される。固定接続されると、MUDS130の接続ポート192は、SUDS190の流体入口ポート202と流体連通する。ルアーロックコネクタ44は、MUDS130の接続ポート192をSUDS190の流体入口ポート202に固定するためのサムホイール52を含んでもよい。サムホイール52は、ルアーロックコネクタ44と一体に形成されてもよいし、従来の手段によってルアーロックコネクタ44に固定して接続される別個の構造体であってもよい。サムホイール52は、ルアーロックコネクタ44を回転させて、そこから延在するタブ54を接続ポート192の対応するねじ山30に係合させる。チューブ208は、サムホイール52の開口56を介して流体入口ポート202に接続され、これにより、MUDS130からチューブ208への連続流体接続が確立される。
【0129】
引き続き
図27Aおよび
図27Bを参照すると、SUDS190は、SUDS190の廃棄物出口ポート204も含む。SUDS廃棄物出口ポート204は、MUDS130の廃棄物入口ポート196とチューブ208との間に延在する、管状導管60によって画成された流体路58を有する。チューブ208は、MUDS130の廃棄物入口ポート196に直接接続されなくてもよい。その代わりに、SUDS190の管状導管60は、MUDS130からチューブ208を分離し、これにより、チューブ208およびコネクタ214がMUDS130の廃棄物入口ポート196から離されることを保証する。管状導管60は、汚染の可能性を低減するために、単回使用コネクタエンクロージャ42の一部分によってMUDS130の廃棄物入口ポート196より凹所に配置されてもよい。管状導管60はまた、流体がSUDS190の廃棄物出口ポート204を通ってMUDS130の廃棄物入口ポート196に流れることを容易にするために水平に対して傾斜していてもよい。一部の態様では、SUDS190は、再使用防止特徴(図示せず)をさらに含んでもよい。例えば、SUDS190は、SUDS190がMUDS130から取り外されるときに折れるか、または壊れる破壊可能なタブまたは構造を含んでもよい。このようにして、SUDS190が1回の流体送達処置にのみ使用されることが保証され得る。
【0130】
次に、
図28A~
図28Fを参照して、
図26~
図27Bに描いたSUDS190とMUDS130との接続アセンブリの態様の操作の方法を詳細に説明する。使用時、医療技術者またはユーザは、使い捨てのSUDS190をそのパッケージから取り出し、対応するMUDS130にSUDS190を挿入する。上記のように、SUDS190は、MUDS130の接続ポート192がSUDS190の流体入口ポート202に係合し、MUDS130の廃棄物入口ポート196がSUDS190の廃棄物出口ポート204に係合するように、正しい向きで挿入されなければならない。
図28Bに示すように、医療技術者は、次に、サムホイール52を回転させてSUDS190をMUDS130に固定する。SUDS190が、MUDS130に固定接続されたら、流体インジェクタシステム100(
図1Aおよび
図1Bに示す)は、MUDS130の複数のシリンジ132の1つ以上に流体を引き込み、MUDS130およびSUDS190から空気を除去するために自動準備動作(
図28C)を実行する。このような準備動作中、MUDS130からの流体は、接続ポート192を介してSUDS190のチューブ208に注入される。流体は、チューブ208および廃棄物出口ポート204を通って廃棄物リザーバ156に流れ込む。自動準備動作が完了したら、医療技術者は、廃棄物出口ポート204からコネクタ214を切り離す(
図28D)。次に、コネクタ214は、患者への流体送達を容易にする、カテーテル、血管アクセス装置、または付加的な流体通路のセットを介して患者に接続されてもよい(
図28E)。流体送達が完了したら、ユーザは、患者からコネクタ214を切り離し、サムホイール52を回転させてMUDS130からSUDS190を取り外す(
図28F)。次に、医療技術者は、SUDS190を処分してもよい。特定の態様では、MUDS130からSUDS190を取り外すことにより、再使用防止特徴(図示せず)(SUDS190の一部分から延在するタブなど)が折れるか、または壊れ、これにより、SUDS190の再挿入が防止される。
【0131】
図29を参照すると、SUDS190およびMUDS130を有するコネクタアセンブリのさらなる態様が示されている。この態様のアセンブリでは、SUDS190は、コネクタ214に接続された針カニューレ129を受け入れるためのカニューレポート62を含む。患者への流体送達のために使用されるカニューレ129は、患者から取り外された後、カニューレポート62に挿入されてもよい。カニューレポート62は、カニューレ129の処分中にカニューレ129の汚染された端部を覆うことができる。この態様では、単回使用エンクロージャ42は、安全な処分のために針カニューレ129の全長がエンクロージャ42に挿入され得るように十分に長いことが望ましい。
【0132】
図30Aおよび
図30Bを参照すると、SUDS190およびMUDS130を有するコネクタアセンブリのさらなる態様が示されている。コネクタアセンブリは、MUDS130の接続ポート192が廃棄物入口ポート196の上方に配置されるように垂直の向きに設けられている。MUDS130は、接続ポート192と廃棄物入口ポート196との間に延在する液滴通路64を含む。接続ポート192から漏れる流体は、重力によって下方に導かれ液滴通路64を通る。液滴通路64は、廃棄物入口ポート196に通じている。したがって、液滴通路64から排出される流体は、廃棄物入口ポート196を通って導かれ、廃棄物リザーバ156に収集される。あるいは、MUDS130は、接続ポート192および廃棄物入口ポート196の一部分を囲む、
図30Cに示す吸収パッド66などの吸収材料を備えてもよい。吸収材料は、液滴管理の改善のために、SUDS190の取り外し中に流体の滴を吸収するように設けられる。
【0133】
図31A~
図31Cを参照すると、複数の圧入コネクタを有する、SUDS190およびMUDS130を有するコネクタアセンブリのさらなる態様が示されている。
図31Aに示すように、SUDS190は、流体入口ポート202および廃棄物出口ポート204を含む。SUDS190は、サムホイールではなく、切り離しタブ68を含む。SUDS190はまた、SUDS190のエンクロージャ42から延在し、かつMUDS130の対応するスロット72(
図31Bに示す)に挿入されるように構成された位置合わせ構造70を含む。
【0134】
図31Cに描かれている断面図に示すように、SUDS190は、位置合わせ溝71によってMUDS130に挿入されて位置合わせされる。切り離しタブ68は、その一端に内側に延在するフランジ76を有する管状シュラウド74と一体に形成されている。シュラウド74は、SUDS190の管状導管80を囲んでいる。SUDS190がMUDS130に挿入されると、フランジ76は、MUDS130の接続ポート192の一部分から延在する対応するリッジ78と干渉係合(interference engagement)を形成する。干渉係合は、MUDS130とSUDS190との実質的に流体密の接続を形成する。SUDS190の切り離しタブ68を押圧することにより、フランジ76がリッジ78から外れて、ユーザがMUDS130からSUDS190を取り外すことができるようになる。
図32を参照すると、MUDS130、および上記の切り離しタブ68を有するSUDS190を有する接続アセンブリも同様に垂直構成で提供され得る。
【0135】
図33Aおよび
図33Bを参照すると、SUDS190およびMUDS130を有するコネクタアセンブリのさらなる態様が示されている。MUDS130は、先の態様で説明したように、接続ポート192および廃棄物入口ポート196を含む。接続ポート192は、SUDS190とMUDS130との接続を強化するための共成形シール面82を含む。SUDS190は、SUDS190およびMUDS130を正しく位置合わせするための、エンクロージャ42と一体に形成された外側位置合わせ面84を含む。また、位置合わせ面84は、使用前の汚染の可能性を低減するためにSUDS190の流体入口ポート202および廃棄物出口ポート204を凹所に配置する。
【0136】
図34A~
図36Bを参照すると、チューブ208の様々な態様が示されている。例えば、チューブ208は、チューブ208が、そのパッケージから取り出される間またはSUDS190がMUDS130に接続されるときにほどけないことを保証するために、スプールまたはフレーム部材などの保持構造133の周りに巻き付けられてもよい。
図36Aを参照すると、チューブ208は、取り外し可能な外部クリップ135をさらに含んでもよい。クリップ135は、パッケージからの取り出しまたは自動準備の最中にチューブ208がほどけるのを防止するために、巻かれたチューブ208の周りに結合される。
図36Bを参照すると、さらなる態様では、チューブ208は、チューブ208をSUDS190から離しておくために、螺旋状に巻かれていない部分137を備える。SUDS190がMUDS130に接続されたとき、チューブ208の螺旋状に巻かれた部分139は、螺旋状に巻かれていない部分137より下に垂れ下がる。
【0137】
図37を参照すると、電子制御装置900が、充填および送達動作を制御するために流体インジェクタシステム100に関連付けられてもよい。一部の態様では、電子制御装置900は、所望の充填処置または送達処置を達成するために様々な弁、ピストン部材、および他の要素の動作を制御してもよい。例えば、電子制御装置900は、様々な個別のコンピュータ可読媒体構成要素を含んでもよい。例えば、このコンピュータ可読媒体は、揮発性媒体、不揮発性媒体、リムーバブル媒体、非リムーバブル媒体、一時的媒体、非一時的媒体など、電子制御装置900によってアクセスされ得る任意の媒体を含んでもよい。さらなる例として、このコンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、もしくは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法もしくは技術で実施される媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM:electrically erasable programmable read only memory)、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ記憶装置、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、もしくは他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用され得る、電子制御装置900によってアクセスされ得る任意の他の媒体などのコンピュータ記憶媒体を含んでもよい。さらに、このコンピュータ可読媒体は、搬送波または他の伝送メカニズムなどの変調データ信号のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの通信媒体を含んでもよく、任意の情報伝達媒体、有線媒体(有線ネットワークおよび直接有線接続など)、および無線媒体(音響信号、無線周波数信号、光信号、赤外線信号、生体信号、バーコード信号など)を含んでもよい。言うまでもなく、上記の任意の組合せもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるものとする。
【0138】
電子制御装置900は、ROMおよびRAMなどの揮発性メモリおよび不揮発性メモリの形態のコンピュータ記憶媒体を有するシステムメモリ908をさらに含む。適切なコンピュータベースのルーチンを有する基本入出力システム(BIOS)は、電子制御装置900内の構成要素間での情報の転送を支援し、通常はROMに記憶される。システムメモリ908のRAM部分は、一般的には、処理ユニット904によって即座にアクセス可能であるか、または現在処理中であるデータおよびプログラムモジュール(例えば、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラミングインターフェース、アプリケーションプログラム、プログラムモジュール、プログラムデータ、および他の命令ベースのコンピュータ可読コード)を含む。
【0139】
引き続き
図37を参照すると、電子制御装置900はまた、他のリムーバブルまたは非リムーバブルな、揮発性または不揮発性の、一時的または非一時的なコンピュータ記憶媒体製品を含んでもよい。例えば、電子制御装置900は、ハードディスクドライブ912(例えば、非リムーバブルな不揮発性の磁気媒体)と通信してこれを制御する非リムーバブルメモリのインターフェース910と、磁気ディスクドライブユニット916(リムーバブルな不揮発性の磁気ディスク918に対して読み書きを行う)、光ディスクドライブユニット920(リムーバブルな不揮発性の光ディスク922(CD-ROMなど)に対して読み書きを行う)、リムーバブルメモリカードなどとの接続に使用されるユニバーサルシリアルバス(USB)ポート921と通信してこれを制御するリムーバブルな不揮発性メモリのインターフェース914とを含んでもよい。しかしながら、他のリムーバブルまたは非リムーバブルな、揮発性または不揮発性のコンピュータ記憶媒体(磁気テープカセット、DVD、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどを含むが、これらに限定されない)が、例示的なコンピューティングシステム環境902において使用され得ることも考えられる。これらの様々なリムーバブルまたは非リムーバブルな、揮発性または不揮発性の磁気媒体は、システムバス906を介して処理ユニット904および電子制御装置900の他の構成要素と通信する。上述し
図37に示したドライブおよびその関連するコンピュータ記憶媒体は、オペレーティングシステム、コンピュータ可読命令、アプリケーションプログラム、データ構造、プログラムモジュール、プログラムデータ、および電子制御装置900用の他の命令ベースのコンピュータ可読コード(この情報とシステムメモリ908内のデータとが重複するか否かにかかわらず)の記憶装置を提供する。
【0140】
ユーザは、特定の取り付け可能または操作可能な入力装置(
図1Aに示すユーザインターフェース124など)を用いて、ユーザ入力インターフェース928を介して、電子制御装置900にコマンド、情報、およびデータを入力してもよい。言うまでもなく、外部ソースから電子制御装置900へのデータおよび情報の入力を容易にする任意の構成を含む様々な上記のような入力装置(例えば、マイクロホン、トラックボール、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スキャナなど)が利用されてもよい。上述したように、これらおよび他の入力装置は、システムバス906に結合されたユーザ入力インターフェース928を介して処理ユニット904に接続されることが多いが、パラレルポート、ゲームポート、またはUSBなどの他のインターフェースおよびバス構造によって接続されてもよい。さらに、データおよび情報は、モニタ930(この情報およびデータを電子的形態で視覚的に提示する)、プリンタ932(この情報およびデータを印刷形態で物理的に提示する)、スピーカ934(この情報およびデータを可聴形態で聴覚的に提示する)などの特定の出力装置によって、理解できる形態または形式でユーザに提出または提供されてもよい。これらの装置のすべては、システムバス906に結合された出力インターフェース936を介して電子制御装置900と通信する。任意のこのような周辺出力装置を使用して、ユーザに情報およびデータを提供することが考えられる。
【0141】
電子制御装置900は、電子制御装置900に一体化されるか、またはそこから遠隔にある通信装置940を使用することにより、ネットワーク環境938で動作してもよい。この通信装置940は、通信インターフェース942を介して電子制御装置900の他の構成要素によって動作可能であり、これと通信する。このような構成を使用して、電子制御装置900は、1つ以上のリモートコンピュータ(リモートコンピュータ944など)であって、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークパーソナルコンピュータ、ピアデバイス、または他の一般的なネットワークノードであってもよく、一般的に、電子制御装置900に関連して上記した構成要素の多くまたはすべてを含む1つ以上のリモートコンピュータと接続されるか、またはこれと通信してもよい。適切な通信装置940(例えば、モデム、ネットワークインターフェース、またはアダプタなど)を使用して、コンピュータ944は、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)内で動作し、これらを介して通信することができるが、さらには、仮想プライベートネットワーク(VPN)、オフィスネットワーク、企業ネットワーク、イントラネット、インターネットなどの他のネットワークを含んでもよい。
【0142】
本明細書で使用されるように、電子制御装置900は、本開示の方法およびシステムの処理ステップを実行および実施するのに適したカスタム設計のまたは従来のソフトウェアを含むか、またはこれを実行するように動作可能であり、この結果、特殊かつ特定のコンピューティングシステムを形成する。したがって、本開示の方法およびシステムは、処理ユニット904に、本開示に関連して後述する方法、プロセス、およびデータ変換操作を実行、構成、または実施させるコンピュータ可読プログラムコードまたは命令を記憶することが可能なコンピュータ可読記憶媒体を有する1つ以上の電子制御装置900または同様のコンピューティング装置を含んでもよい。さらに、電子制御装置900は、本開示のコンピュータ実施方法およびシステムを効果的に実施するためにデータを適切に処理するのに必要な処理ハードウェアを有するパーソナルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、ポータブルコンピュータ、ラップトップ、パームトップ、モバイルデバイス、携帯電話、サーバ、または任意の他の種類のコンピューティング装置の形態であってもよい。
【0143】
システムが、それぞれのサーバと同じであってもなくてもよい1つ以上のコンピュータに物理的に配置されたデータベースを利用してもよいことは、当業者には明らかであろう。例えば、電子制御装置900上のプログラミングソフトウェアは、ネットワークの別個のプロセッサに物理的にまたは異なる方法で記憶されたデータベースを制御することができる。
【0144】
一部の態様では、電子制御装置900は、各シリンジ132に関して予めプログラムされたトリガ最小量に基づいて自動補充が行われるようにプログラムされてもよい。例えば、シリンジ132の少なくとも1つに残っている流体の量が、プログラムされた量よりも少ないとき、電子制御装置900によってシリンジ補充処置が自動的に開始される。流体インジェクタシステム100に関連付けられた電子制御装置900は、流体インジェクタシステム100の動作中にそれぞれのシリンジ132から供給された流体量を追跡することによって、予めプログラムされたトリガ最小量に達したことを判定してもよい。あるいは、流体レベルセンサが、流体インジェクタシステム100に組み込まれてもよく、これらの流体レベルセンサからの入力が、電子制御装置900が、シリンジ132の少なくとも1つで予めプログラムされたトリガ最小量に達した時点を判定し得るように、電子制御装置900に供給されてもよい。補充の充填量および充填速度が、電子制御装置900に予めプログラムされてもよい。自動補充処置は、電子制御装置900によって自動的に停止することもできるし、手動で中断することもできる。さらに、流体注入処置の完了時に、次のプログラムされた流体注入処置を実行するのに十分な流体がシリンジ132の少なくとも1つにない場合に、自動補充処置を開始してもよい。
【0145】
補充処置中、それぞれのシリンジ132に関連付けられたバルク流体源120の1つ以上が空になり得る(例えば、1つ以上のシリンジ132の完全な補充を全うするのに十分な流体が最初から不足する)可能性がある。したがって、交換用のバルク流体源120が必要であり、そのようなバルク流体源120の交換は迅速に行われることが望ましい。流体インジェクタシステム100は、流体インジェクタシステム100が使用され得る前にバルク流体源120の交換が必要であることをオペレータに示すために、可聴的および/または視覚的表示器などの表示器を有してもよい。
【0146】
多流体送達システムのいくつかの態様およびこれらのためのマルチコネクタおよびSUDSコネクタが、添付の図面に示され、上で詳細に説明されているが、他の態様は、当業者には明らかであり、本開示の範囲および精神から逸脱することなく当業者によって容易に実施される。例えば、本開示では、可能な限り、任意の態様の1つ以上の特徴と任意の他の態様の1つ以上の特徴とを組み合わせることができると考えられていることを理解されたい。したがって、上述の説明は、限定的ではなく例示的なものであることが意図されている。
【符号の説明】
【0147】
20 ハウジング
24、44 ルアーロックコネクタ
30 ねじ山
32 外側シュラウド
34、46、58、149 流体路
36 遠位ノズル
42 エンクロージャ
52 サムホイール
54 タブ
56、166、194 開口
60、80 管状導管
62 カニューレポート
64 液滴通路
66 吸収パッド
68 切り離しタブ
70 位置合わせ構造
71 位置合わせ溝
72 対応するスロット
74 管状シュラウド
76 フランジ
78 リッジ
82 共成形シール面
84 位置合わせ面
100 多流体医療用インジェクタ/注入システム、流体インジェクタシステム
102 インジェクタハウジング
103 ピストン要素
104 側面
106 上端
108 下端
110 ベース
112 車輪
114 ハンドル
116 ドア
118 バルク流体コネクタ
120 バルク流体源
122 支持部材
124 ユーザインターフェース
126 制御ボタン
128 アクセスポート
129 カニューレ
130 MUDS
132 シリンジ、ポンプ
133 保持構造
134 MUDS流体通路、MUDS流体ライン
135 外部クリップ
136 弁、弁アセンブリ
137 螺旋状に巻かれていない部分
138 シリンジ本体
139 シリンジ内部
140 シリンジの遠位端
142 シリンジの近位端
144 シリンジプランジャ
145 先端部または円錐部、円錐部分、円錐遠位端、遠位円錐端
146 排出出口、出口ポート、排出ポート、導管
147 充填ポート
148 マニホールド
148a マニホールド導管
148b 主流路
151 溝
152 流体出口ライン
153 ガスケット
154 フレーム
155 弁収容空洞
156 廃棄物リザーバ
158 収容空間
160 下部プレート
162 上部プレート
164 後部側壁
168 下部ガイド
170 シリンジスロット
172 ラッチ
174 カップリング機構
176 回転可能なカップリング
178 ブレード
180 スロット
181 リップ
182 外側側壁
183 縁部
184 傾斜面
186 上面
188 弾性部材
190 SUDS
192 接続ポート
196 廃棄物入口ポート
198 目視窓
200 表示
202 流体入口ポート
204 SUDS廃棄物出口ポート
206 スペーサ
207 フィン
208 チューブ
210 チューブの近位端
212 チューブの遠位端
214 コネクタ
216 ロッキングタブ
217 受入スロット
218 押圧面
220 第2の環状スカート
222 流体入口ポートの遠位端
224 第1の環状スカート
226 流体入口ポートの近位端
228、258 凹部
230 くぼみ
232、260 リブ
234 環状シール
236 一方向弁
238 センサシステム
240 センサフィン
242 センサ
250 弁体
252 弁棒
254 弁頭
256 長手方向軸線
262 外周
264 側壁
266、276 下端
268、275 内部
270 第1の側面開口
272 インサート、弁アセンブリ
274 外周側壁
278 第2の側面開口
900 電子制御装置
902 コンピューティングシステム環境
904 処理ユニット
906 システムバス
908 システムメモリ
910 非リムーバブルメモリのインターフェース
912 ハードディスクドライブ
914 リムーバブルな不揮発性メモリのインターフェース
916 磁気ディスクドライブユニット
918 リムーバブルな不揮発性の磁気ディスク
920 光ディスクドライブユニット
921 ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート
922 リムーバブルな不揮発性の光ディスク
928 ユーザ入力インターフェース
930 モニタ
932 プリンタ
934 スピーカ
936 出力インターフェース
938 ネットワーク環境
940 通信装置
942 通信インターフェース
944 リモートコンピュータ
1346 遠位円錐端
1370、1470、1570、1670、1770、1870、1970、2070、2170、2270、2370、2470 マニホールド導管
1372、1472、1572、1672、1772、1872、1972、2072、2172、2272、2372、2472 導管シリンジ取り付け端
1375 相補的なねじ山
1380 ねじ付きスイベルナット
1382 雌ねじ
1385 半径方向内側フランジ
1390 周方向溝
1446、1546、1646、1746、1846、1946、2046、2146、2246、2346、2446 シリンジ流体ポート
1476、1576 オーバーモールドされたポリマーシース
1649 シリンジ流体ポートの内面
1673、1685 ロッキングフランジ
1690 マニホールドロッキング溝
1695 シリンジロッキング溝
1790 側方スロット
1875、1975、2085 半径方向フランジ
1890 可撓性クリップ
1990 Cクリップ
1995 長手方向スロット
1999 Oリング
2073 半径方向受入フランジ
2080 遠位周囲スロット
2086 レーザ溶接部
2175 末端部分
2185 周囲受入スロット
2186 エネルギーディレクタ
2380 管状空間
2480 レーザタック溶接部
L 長手方向軸線
P1、P2 揺動点