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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】アタッチメント
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/12 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B66F9/12 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022047097
(22)【出願日】2022-03-23
(65)【公開番号】P2023140993
(43)【公開日】2023-10-05
【審査請求日】2023-08-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231981
【氏名又は名称】日本甜菜製糖株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】510243528
【氏名又は名称】サークル機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】今村 城久
(72)【発明者】
【氏名】久米 忠男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 泰明
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-093400(JP,U)
【文献】実開昭51-104577(JP,U)
【文献】国際公開第2014/013617(WO,A1)
【文献】特開2009-274775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/00-11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォークリフトのフォークに取り付けて使用されるアタッチメントであって、
前記フォークに差し込んで使用される筒体と、該筒体の先端に設けられて荷物の吊り部を挟持する挟持部と、を備え、
前記挟持部は、前記吊り部を支持する下部挟持部材と、挟持口が開かれた状態の開口位置と前記挟持口が閉じられた状態の閉口位置との間を回動可能な上部挟持部材と、該上部挟持部材を前記開口位置に向かって付勢する付勢部材と、前記上部挟持部材が前記閉口位置に位置することを表示する表示部材と、を有し、
前記下部挟持部材は、前記筒体の先端から横並びで長手方向へ延びる一対の棒部材を有し、前記上部挟持部材は、荷受部が前記荷物の吊り部によって押し下げられることにより、前記一対の棒部材の間に差し込まれることを特徴とするアタッチメント。
【請求項2】
請求項1に記載のアタッチメントであって、
前記表示部材を前記上部挟持部材に連動させる連動部を有することを特徴とするアタッチメント。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のアタッチメントであって、
前記下部挟持部材は、前記吊り部が掛止される凹形の掛止部を有することを特徴とするアタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークリフトのフォークに取り付けられて使用されるアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フォークリフトのフォークに対して着脱可能に装着される装着部と、該装着部(以下「従来のアタッチメント」と称する)に対して一体に固定されて被吊持物を掛止可能な掛止部とを備えるフォークリフト用掛止具が開示されている。なお、被吊持物として、穀物、飼料、土砂等が収容されたフレキシブルコンテナバッグ(以下「フレコンバッグ」と称する)が想定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-96597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のアタッチメントを装着したフォークリフトによりフレコンバッグ(荷物)を運搬する場合、安全上、フレコンバッグを吊り上げた状態で吊りベルトが掛止具により確実に掛止されていることを確認する必要がある。しかし、掛止部が掛止具(補助フォーク)の先端部に設けられているため、フォークリフトの運転者が吊りベルトの掛止状態を視認するのは困難であった。
【0005】
本発明は、吊り上げられた荷物の掛止状態をフォークリフトの運転者が視認可能なアタッチメントを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアタッチメントは、フォークリフトのフォークに取り付けて使用されるアタッチメントであって、前記フォークに差し込んで使用される筒体と、該筒体の先端に設けられて荷物の吊り部を挟持する挟持部と、を備え、前記挟持部は、前記吊り部を支持する下部挟持部材と、挟持口が開かれた状態の開口位置と前記挟持口が閉じられた状態の閉口位置との間を回動可能な上部挟持部材と、該上部挟持部材を前記開口位置に向かって付勢する付勢部材と、前記上部挟持部材が前記閉口位置に位置することを表示する表示部材と、を有し、前記下部挟持部材は、前記筒体の先端から横並びで長手方向へ延びる一対の棒部材を有し、前記上部挟持部材は、荷受部が前記荷物の吊り部によって押し下げられることにより、前記一対の棒部材の間に差し込まれることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フォークリフトのフォークに取り付けられて使用されるアタッチメントにおいて、吊り上げられた荷物の掛止状態をフォークリフトの運転者が視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態の説明図であって、フォークにアタッチメントが取り付けられたフォークリフトの平面図である。
図2】第1実施形態の説明図であって、フォークにアタッチメントが取り付けられたフォークリフトの側面図である。
図3】第1実施形態に係るアタッチメントの前端部の側面図であって、挟持口が開口された状態を示す図である。
図4】第1実施形態に係るアタッチメントの前端部の正面図である。
図5】第1実施形態に係るアタッチメントの前端部の平面図である。
図6】第1実施形態に係るアタッチメントの前端部の側面図であって、挟持口が閉口された状態を示す図である。
図7】第1実施形態の説明図であって、フレコンバッグを吊り上げる直前及び降ろした直後の状態を示すフォークリフトの側面図である。
図8】第1実施形態の説明図であって、フレコンバッグを吊り上げた状態を示すフォークリフトの側面図である。
図9】第1実施形態の説明図であって、フレコンバッグを吊り上げる直前及び降ろした直後の状態を示す挟持部の側面図である。
図10】第1実施形態の説明図であって、フレコンバッグを吊り上げた状態を示す挟持部の側面図である。
図11】第1実施形態の他の形態の説明図である。
図12】第2実施形態の説明図であって、挟持口が開口された状態を示すアタッチメントの前端部の側面図である。
図13】第2実施形態の説明図であって、挟持口が閉口された状態を示すアタッチメントの前端部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を添付した図を参照して説明する。
なお、以下の説明における方向に関する記載は、フォークリフト1の座席2に着座した運転者8(図7参照)の視線に基づくものであり、図1における上方向を右方向、図1における下方向を左方向、並びに図2における上方向及び下方向をそのまま上下方向と称する。
【0010】
図1図2に示されるように、第1実施形態に係るアタッチメント11,11は、フォークリフト1のフォーク3,3に取り付けて使用される。第1実施形態では、右側のフォーク3に取り付けられるアタッチメント11と、左側のフォーク3に取り付けられるアタッチメント11とは左右対称に構成される。よって、明細書の記載を簡潔にすることを目的に、右側のアタッチメント11のみを詳細に説明する。また、第1実施形態では、対象とする荷物をフレコンバッグ5(フレキシブルコンテナバッグ、図7参照)としたが、荷物をフレコンバッグ5に限定することを意図するものではない。
【0011】
アタッチメント11は、フォーク3に差し込んで使用されるさや形の補助フォーク12(筒体)と、補助フォーク12の前端部(先端)に設けられ、フレコンバッグ5の吊りベルト6(吊り部、図7参照)を挟持する挟持部21とを備える。補助フォーク12の後端部には、固定ピン13が抜き差し可能に設けられる。固定ピン13は、フォーク3のヒール4(図2参照)に突き当てられることで補助フォーク12のフォーク3に対する抜けを阻止する。なお、補助フォーク12の前端部の内側(図5における「下側」)の角にはR部14が設けられる。
【0012】
図3乃至図5を参照すると、挟持部21は、フレコンバッグ5の吊りベルト6(図7参照)が掛けられる下部挟持部材23を有する。下部挟持部材23は、補助フォーク12の前端面15から前方へ向かって延びる一対の棒部材24,24を有する。棒部材24,24は、例えば丸棒からなり、左右方向に一定の間隔をあけて横並びに配置される。棒部材24,24の前端部には、補強部材25が架設される。下部挟持部材23の後部には、フレコンバッグ5の吊りベルト6を掛止するための凹形状の掛止部26が形成される。
【0013】
挟持部21は、下部挟持部材23との間に挟持口22を形成する上部挟持部材31を有する。上部挟持部材31は、挟持軸32を介して挟持ブラケット33に連結される。挟持ブラケット33は、補助フォーク12のブレード上面16に接合され、平面視(図5参照)において前方に向かって開口するU字形に形成される。挟持軸32は、上部挟持部材31と挟持ブラケット33とを左右方向に貫通する。上部挟持部材31は、挟持軸32を軸に回動可能に設けられる。
【0014】
上部挟持部材31は、側面視(図3参照)において平板をU字形に切断して形成されたリンク34を有する。リンク34は、挟持口22が開口した状態(図3参照、以下「開口状態」と称する)で縦に配置されて挟持ブラケット33に連結される連結部35と、開口状態において連結部35の上端部から前方へ向かって延びる上部アーム36と、開口状態において連結部35の下端部から前方へ向かって延びる下部アーム37とを有する。
【0015】
連結部35の上部には、ばね受ピン38が挿通される複数個(第1実施形態では「3個」)のピン挿通孔39が設けられる。ピン挿通孔39は、縦に一定の間隔をあけて設けられる。他方、挟持ブラケット33の後部には、ばね受ピン40が挿通される複数個(第1実施形態では「3個」)のピン挿通孔41が設けられる。ピン挿通孔41は、上から下へ斜め後方に一定の間隔をあけて設けられる。
なお、ピン挿通孔39とピン挿通孔41は後述する引張コイルばね42(付勢部材)の強さ(付勢力)を調整するためのもので、挿通孔の個数は任意に決めて良い。
【0016】
上部挟持部材31(リンク34)側のばね受ピン38と挟持ブラケット33側のばね受ピン40との間には、引張コイルばね42(付勢部材)が張設される。これにより、上部挟持部材31は、挟持軸32を軸に挟持口22の開口方向、即ち図3における時計回り方向へ付勢される。なお、上部挟持部材31は、リンク34の連結部35が挟持ブラケット33に設けられたストッパ(図示省略)に突き当たることで開口位置(図3参照)に位置決めされる。また、補助フォーク12のブレード上面16には、挟持ブラケット33及び引張コイルばね42の一部を覆うカバー(図示省略)が取り付けられる。
なお、引張コイルばね42(付勢部材)の寸法及び個数は、所要の強さ(付勢力)を得られるよう、任意に決めて良い。
【0017】
リンク34の内側には、上部アーム36から連結部35にかけてL字形に形成された切欠き43が設けられる。切欠き43には、切欠き43に合わせてL字形に形成された閉塞部44が接合される。閉塞部44は、リンク34の左右両側面から一定の長さで横方向へ突出する。なお、挟持口22が閉口した状態(図6参照、以下「閉口状態」と称する)において、上部アーム36の前端部45(上部アーム36における閉塞部44の前端よりも前側の部分)は、下部挟持部材23の一対の棒部材24,24間に突入する。また、リンク34に形成される切欠き43の深さは、閉塞部44の板厚に設定される。
【0018】
リンク34の下部アーム37の内側(上側)には、挟持口22に挿入されたフレコンバッグ5の吊りベルト6(図7参照)を受ける荷受部46が形成される。荷受部46には、側面視(図3参照)において下部挟持部材23(棒部材24)の前端部27の案内面29(棒部材24の前端部に接する上下一対の水平面のうち上側の面)に連続するようにして後方へ登り勾配で延びる第1傾斜部47と、第1傾斜部47の後端(頂点)から後方へ下り勾配で延びる第2傾斜部48とが設けられる。第2傾斜部48は、閉口状態(図6参照)において下部挟持部材23の掛止部26に側面視で略一致するように形成される。
【0019】
一方、アタッチメント11は、上部挟持部材31が閉口位置(図6参照)に位置することを表示、即ち挟持部21の挟持口22が閉じた状態であることをフォークリフト1の運転者8(図8参照)が視認可能な表示部材51と、表示部材51を上部挟持部材31の回動動作(挟持口22の開閉動作)に連動させる連動部53とを有する。なお、表示部材51には、光を反射する反射板が用いられる。
【0020】
連動部53は、補助フォーク12のブレード下面17に設けられる表示ブラケット54と、表示ブラケット54に取り付けられるばね丁番55と、上部挟持部材31(下部アーム37)の前後方向中間位置から下方へ突出する突起部59とを有する。ばね丁番55は、一側の固定板56が表示ブラケット54に固定され、他側の回動板57に表示部材51の端部(補助フォーク12の前端面15に近い部分)が固定される。
【0021】
表示部材51は、ばね丁番55の付勢力により図3における時計回り方向へ付勢されることにより、上部挟持部材31のリンク34に設けられた突起部59に常時当接される。なお、開口状態において、表示部材51は、下部挟持部材23(棒部材24)の掛止部26の外側に当接させるように構成することができる。そして、図3に示される開口状態では、表示部材51は、水平から僅かに押し込まれた状態、換言すれば表示部材51の反射面52がフォークリフト1の運転者8(図7参照)から視認できない状態で保持される。
【0022】
そして、開口状態の上部挟持部材31が、挟持軸32を軸に図3における反時計回り方向へ回動されると、表示部材51は上部挟持部材31に連動する。即ち、表示部材51は、ばね丁番55の付勢力に抗してリンク34に形成された突起部59により下方へ押し込まれ、ばね丁番55のピン58を軸に図3における反時計回り方向へ回動する。図6に示される閉口状態では、表示部材51は、垂直から僅かに前方へ戻された状態、換言すれば、表示部材51の反射面52がフォークリフト1の運転者8(図8参照)から視認可能な状態で保持される。
【0023】
次に、第1実施形態に係るアタッチメント11の作用を説明する。
アタッチメント11を使用してフレコンバッグ5(荷物)を運搬する場合、まず、さやフォークをフォークリフト1のフォーク3に取り付ける要領で、アタッチメント11の補助フォーク12(筒体)にフォークリフト1のフォーク3を差し込む。フォーク3を差し込み後、補助フォーク12に固定ピン13を装着して補助フォーク12をフォーク3に固定する。
【0024】
次に、フレコンバッグ5の吊りベルト6をアタッチメント11の挟持部21により挟持するため、フォークリフト1のフォーク3を一定の高さまで上昇させる(図7参照)。この状態で、吊りベルト6を挟持部21の挟持口22から挿入し、吊りベルト6の上端部を上部挟持部材31の荷受部46の第2傾斜部48の位置、換言すれば下部挟持部材23の掛止部26の直上の位置まで移動させる。
【0025】
図7及び図9は、挟持部21による吊りベルト6の挟持が完了した状態を示す。この状態では、上部挟持部材31の荷受部46に、引張コイルばね42(付勢部材)の付勢力に抗して荷受部46を下方へ押し込む力が作用していない(小さい)ので、上部挟持部材31は挟持軸32を軸に回動しない、即ち挟持口22は開口したままである。また、第2傾斜部48の傾斜は、吊りベルト6が下部挟持部材23の掛止部26の直上の位置から外れる(前方へ移動する)ことを抑止する。
【0026】
次に、図8に示されるように、フォークリフト1のフォーク3を上昇させてフレコンバッグ5を吊り上げる。フォーク3が上昇する過程で、上部挟持部材31の荷受部46(下部アーム37)がフレコンバッグ5の吊りベルト6により押し下げられる。これにより、上部挟持部材31は、引張コイルばね42の付勢力に抗して挟持軸32を軸に図9における反時計回り方向へ回動し、リンク34の上部アーム36の前端部45が下部挟持部材23の一対の棒部材24,24間に突入する。図10に示される閉口状態では、下部挟持部材23の凹形状の掛止部26により掛止された吊りベルト6に、上部挟持部材31の閉塞部44が覆い被さる。
【0027】
一方、挟持部21の閉口動作(リンク34の動き)に連動して上部挟持部材31の突起部59が表示部材51を押し込むことにより、表示部材51は、ばね丁番55のピン58を軸に図9における反時計回り方向へ回動する。そして、図10に示される挟持口22が閉口された状態では、表示部材51は、反射面52がフォークリフト1の運転者8から視認可能な状態(縦向き)で保持される。
【0028】
運転手8は、表示部材51の反射面52が反射した光を視認することにより、挟持部21により吊りベルト6が正しく挟持されていること、即ち吊りベルト6が下部挟持部材23の掛止部26に掛止されていることを、フォークリフト1上から確認することができる。そして、フォークリフト1を走行させてフレコンバッグ5を目標位置(移動先)の直上に位置決めし、フレコンバッグ5の位置決め後、フォークリフト1のフォーク3を下降させてフレコンバッグ5を接地させる(図7参照)。
【0029】
フレコンバッグ5を降ろす過程で、上部挟持部材31の荷受部46(下部アーム37)に作用する荷重が減少すると、上部挟持部材31が引張コイルばね42の付勢力により挟持軸32を軸に図10における時計回り方向へ回動し、挟持口22が開口する(図9参照)。上部挟持部材31に連動し、表示部材51は、ばね丁番55のピン58を軸に図10における時計回り方向へ回動する。そして、図9に示される挟持口22の開口状態では、表示部材51は、反射面52がフォークリフト1の運転者8から視認できない状態(横向き)で保持される。
【0030】
運転手8は、表示部材51が反射した光を視認できないことにより、挟持部21の挟持口22が開口していることを、フォークリフト1上から確認することができる。そして、フォークリフト1を後退させて吊りベルト6を挟持部21の下部挟持部材23と上部挟持部材31との間から脱離させる。
【0031】
ここで、従来のアタッチメントにおいては、運転者は、フレコンバッグの吊りベルトが掛止部に正しく掛止されているのかフォークリフト上から視認することが困難であった。
【0032】
これに対し、第1実施形態に係るアタッチメント11は、フレコンバッグ5の吊りベルト6を挟持する挟持部21を補助フォーク12の前端部に設け、挟持部21は、下部挟持部材23と、挟持軸32を軸に開口位置と閉口位置との間を回動可能な上部挟持部材31と、上部挟持部材31を開口位置に向かって付勢する引張コイルばね42(付勢部材)と、上部挟持部材31に連動して視認可能位置(図10参照)と視認不能位置(図9参照)との間を移動する表示部材51を備える。
【0033】
第1実施形態では、フレコンバッグ5を吊り上げた状態で、運転者8は、表示部材51の反射面52が反射する光を視認することにより、挟持部21が閉口状態であること、即ち挟持部21によりフレコンバッグ5の吊りベルト6が正しく挟持されていることをフォークリフト1上で知ることができる。言い換えれば、吊りベルト6が正しく挟持されていない状態でフォークリフト1を走行させることを回避できる。これにより、運搬作業の安全性を向上させることが可能である。
また、第1実施形態では、下部挟持部材23に凹形状の掛止部26を設けたので、フレコンバッグ5を吊り上げたときに吊りベルト6が掛止部26から外れて前方へ移動することを抑止することができる。
また、第1実施形態では、閉口状態において上部挟持部材31の先端部(上部アーム36の前端部45)が下部挟持部材23の一対の棒部材24,24間に突入される(入り込む)ので、挟持部21をコンパクトに構成することができる。
また、第1実施形態では、吊り上げられたフレコンバッグ5を下降させて上部挟持部材31の荷受部46に作用する荷重が一定以下(引張コイルばね42の張力を調整することで調整可能)になると、引張コイルばね42(付勢部材)の付勢力により挟持部21の挟持口22が開口されるので、運転者8は、フォークリフト1から降車することなく、フォークリフト1を後退させるだけで吊りベルト6を挟持部21から脱離させることができる。これにより、運転者8(作業者)の負担を軽減することができる。
【0034】
なお、実施形態は、前述した形態に限定されるものではなく、例えば、次のように構成することができる。
前述した実施形態(図5参照)では、挟持部21を補助フォーク12の幅方向(左右方向)の一側に配置したが、図11に示されるように、挟持部21を補助フォーク12の幅方向の中間位置に配置することができる。この場合、補助フォーク12の前端部の左右両側の角にR部を設ける。
【0035】
(第2実施形態)
次に、図12図13を参照して第2実施形態を説明する。
なお、第1実施形態との共通部分については、同一の称呼及び符号を用い、重複する説明を省略する。
【0036】
第1実施形態では、補助フォーク12が水平に保持された状態で、下部挟持部材23の前端部27(棒状部材24の先端部)の高さと、下部挟持部材23の後端部28(棒部材24の基端部)の高さとが略同一であった。
【0037】
これに対し、第2実施形態では、下部挟持部材23の全長(前後方向長さ)を第1実施形態から変えずに、下部挟持部材23の前端部27を後端部28よりも高くした。これに伴い、第2実施形態では、開口状態(上部挟持部材31の開口位置、図12参照)から閉口状態(上部挟持部材31の閉口位置、図13参照)に至る上部挟持部材31の回動量(角度)が第1実施形態と比較して大きくなる。
【0038】
このため、第2実施形態では、引張コイルばね42の伸長量(長さ)が第1実施形態と同等になるように、挟持軸32の位置を第1実施形態に対して上方へ移動させている。また、ばね受ピン40が挿通される複数個(第2実施形態では「3個」)のピン挿通孔41は、挟持軸32よりも高い位置に前後方向へ一定の間隔をあけて配置される。
【0039】
また、第1実施形態では、上部挟持部材31(下部アーム37)の荷受部46に第1傾斜部47及び第2傾斜部48を形成したが、第2実施形態では、荷受部46を直線状に形成し、開口状態(上部挟持部材31の開口位置、図12参照)で水平になるように設けた。また、第2実施形態では、開口状態において、荷受部46が下部挟持部材23(棒部材24)の案内面29よりも僅かに低くなるようにした。
【0040】
また、第1実施形態では、表示部材51は、ばね丁番55の付勢力により上部挟持部材31の突起部59に常時当接されていた。これに対し、第2実施形態では、表示部材51は、開口状態(図12参照)において、下部挟持部材23(棒部材24)における凹形状の掛止部26の外側に当接される。なお、表示部材51は、下部挟持部材23との当接部60が反射面52側に凹むV字形に曲げられている。
【0041】
また、第1実施形態では、突起部59は、上部挟持部材31(下部アーム37)の前後方向中間位置から下方へ突出されていた。これに対し、第2実施形態では、突起部59は、上部挟持部材31(下部アーム37)の前端部から下方へ突出される。そして、上部挟持部材31が開口状態(開口位置、図12参照)から挟持軸32を軸に図12における反時計回り方向へ回動すると、表示部材51は、上部挟持部材31の突起部59が当接した時点で上部挟持部材31との連動を開始し、ばね丁番55の付勢力に抗してピン58を軸に図12における反時計回り方向へ回動する。
【0042】
そして、挟持部21の挟持口22が閉口した状態、即ちフレコンバッグ5の吊りベルト6が挟持部21により挟持された状態では、図13に示されるように、表示部材51は、フォークリフト1上の運転者8(図8参照)が反射光を視認可能な位置で保持される。
【0043】
第2実施形態では、前述した第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、第2実施形態では、掛止部26により掛止された吊りベルト6が前方へ移動することをより確実に抑止することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 フォークリフト、3 フォーク、5 フレコンバッグ(荷物)、6 吊りベルト(吊り部)、11 アタッチメント、12 補助フォーク(筒体)、21 挟持部、22 挟持口、23 下部挟持部材、31 上部挟持部材、42 引張コイルばね(付勢部材)、51 表示部材
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