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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】抗菌フレッシュニング組成物
(51)【国際特許分類】
   D06M 13/355 20060101AFI20240423BHJP
   A61L 9/14 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/28 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20240423BHJP
   D06M 13/17 20060101ALI20240423BHJP
   D06M 15/53 20060101ALI20240423BHJP
   D06M 15/643 20060101ALI20240423BHJP
   D06M 13/144 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
D06M13/355
A61L9/14
C11D17/08
C11D3/48
C11D3/50
C11D17/04
C11D3/28
C11D1/94
C11D3/43
C11D3/20
C11D3/37
D06M13/17
D06M15/53
D06M15/643
D06M13/144
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022500865
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 US2020070287
(87)【国際公開番号】W WO2021022288
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】19188859.3
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】コンヤ、アビゲイル・マリー
(72)【発明者】
【氏名】ペレス-プラート・ヴィヌエサ、エヴァ・マリア
【審査官】中西 聡
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-506945(JP,A)
【文献】特開昭60-226802(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02443925(EP,A1)
【文献】特表2004-506820(JP,A)
【文献】特表平10-505257(JP,A)
【文献】特表2011-513266(JP,A)
【文献】特開2001-192967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06M、A61L、C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)フレッシュニング水性液体組成物であって、前記組成物の0.005重量%~0.15重量%のビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質及び香料を含み、前記組成物が、ニュートン流体である、フレッシュニング水性液体組成物と、
b)前記組成物の噴霧を生じる噴霧装置と、を含
前記組成物が、式(I):
【化1】
(式中、aは、3~15から選択される値であり、bは、0~12から選択される値であり、a+bの値、アルコキシル化度は、3~15である)によるアルコキシル化フェノールを更に含む、布地フレッシュニング製品。
【請求項2】
前記ビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質が、オクテニジン二塩酸塩である、請求項1に記載の製品。
【請求項3】
前記組成物が、前記組成物の90重量%~99.5重量%の水を含む水性組成物である、請求項1又は2に記載の製品。
【請求項4】
前記組成物が、前記組成物の少なくとも0.001重量%の香料を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
前記香料が、前記香料の少なくとも60重量%の、1.0超のClogPを有する香料原料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の製品。
【請求項6】
前記組成物が、前記組成物の3.5重量%未満の、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
前記組成物が、前記組成物の10重量%未満の溶媒を更に含み、前記溶媒が、アルコール、ポリオール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の製品。
【請求項8】
前記組成物が、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー、並びにシリコーンポリエーテルからなる群から選択される湿潤剤を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の製品。
【請求項9】
前記組成物が、水溶性ポリマー、水分散性ポリマー及びしわ防止剤からなる群から選択される1つ以上を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
前記組成物が、悪臭中和剤を更に含み、前記悪臭中和剤が、ポリオール、シクロデキストリン及びその誘導体、アミン官能性ポリマー、アルデヒド、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の製品。
【請求項11】
前記1超のClogPを有する香料原料が、ジヒドロミルセノール、イソノイルアルコール、シトロネロール、テトラヒドロリナロール、テピニルアセテート、酢酸ゲラニル、フェニルエチルフェニルアセテート、リリアール(P.T.ブシナール)、ベルテネックス、ジフェニルメタン、p’シメン、αピネン、サリチル酸ベンジル、d-リモネン、シス-ヘキセニルサリチレート、ヘキシル桂皮アルデヒド、セドリルアセテート、ハバノリド、エチルトリメチルシクロペンテンブタノール、サリチル酸ヘキシル、イソeスーパー、エチルバニリン、ヘリオナール、ウンデカラクトン、イオノンγメチル、ヒドロキシシトロネラール、シクロガルバナート、ピラノール、ベルドックス、酢酸リナリル、酢酸ベンジル、メチルフェニルカルビニルアセテート、トリプラール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項5に記載の製品。
【請求項12】
前記組成物が、硫黄含有プロ香料を更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の製品。
【請求項13】
前記噴霧装置が、プラスチック製である、請求項1~12のいずれか一項に記載の製品。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の製品を使用する工程を含む、布地をフレッシュニング及び衛生化する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質を有する組成物と、組成物を噴霧するための噴霧装置と、を含む、布地フレッシュニング製品に関する。
【背景技術】
【0002】
布地をフレッシュニングするか、又は布地上の悪臭を低減/除去するためのフレッシュニング製品は、現在利用可能である。これらの製品は、典型的には、香料原料(perfume raw material、PRM)、溶媒、界面活性剤、及び高濃度の水を含むフレッシュニング組成物を含有する。フレッシュニング製品において多種多様な香りの選択肢を有することにより、消費者が自分好みのものを見つけることが可能になる。
【0003】
しかしながら、PRMは疎水性の性質を有することから、界面活性剤及び/又は溶媒を使用して、PRM、特に高濃度の水を含む所与の配合物を、可溶化し、乳化する。しかしながら、溶媒及び比較的高濃度の界面活性剤は、特に疎水性PRMを乳化するのには役立つが、いくつかの課題のうちの少なくとも1つを提起する場合がある。
【0004】
例えば、たとえ界面活性剤を使用するとしても、濃度は最小限にすべきであり、そうしなければ、界面活性剤によって、布地若しくは表面が自然光の下で黄色若しくは茶色になる、及び/又は布地若しくは表面が汚れやすくなる、及び/又は布地若しくは表面がどのように感じるかについての消費者の認知が変化する場合がある。溶媒の選択及び濃度は考慮すべきであるが、それは、広範なPRMを可溶化する能力が限られており、環境上の懸念があり、香りに悪影響を及ぼす可能性があるためである。更に、使用される多くの溶媒は、高揮発性有機化合物(Volatile Organic Compound、VOC)である。VOC材料は、引火点規制に関する懸念と同様に、香りへの悪影響についての課題を提起する。これらの課題に鑑みて、配合者は、典型的には、溶媒及び界面活性剤に関する制約を有し、したがって、比較的より疎水性のPRMの使用を最小限に抑える。これは、利用可能なPRMの幅を狭くし、ひいてはユーザに対する香り体験を減少させる。これらの課題は、配合物が特に高濃度の水及び/又は高濃度の比較的疎水性のPRMを含有する場合に悪化する。
【0005】
フレッシュニング組成物は布地を香らせるだけでなく布の衛生化も提供することが、望ましい。
【0006】
四級アンモニウム化合物は、表面洗浄剤などの家庭用製品で一般的に使用される非常に効果的な抗菌活性物質であるが、四級アンモニウム化合物は、布地フレッシュナー組成物のための良好な選択でない。四級アンモニウム化合物は、布地フレッシュナー組成物中の香料を可溶化するために必要な界面活性剤と相互作用する可能性があり、この相互作用の結果として、組成物の抗菌効果が低減するか、又は高濃度の四級アンモニウムが使用されなければならない。高濃度の四級アンモニウム抗菌活性物質の使用は、環境上の理由で望ましくない。
【0007】
アルキルアミンもまた、それらの抗菌特性について知られている。これらの化合物は、遮蔽が非常に困難である非常に不快なアミン様臭気を有し、アルデヒドPRMと反応して、香料特徴を変化させ、かつ/又はその強度を減少させることができるため、布地フレッシュナー組成物のための良好な選択でない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、香料の特徴及び強度に影響を与えることなく、かつ布地を染色することなく、低濃度の抗菌活性物質を有する抗菌利益を提供するフレッシュニング組成物に対する必要性が、存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様に従って、布地フレッシュニング製品が、提供される。製品は、フレッシュニング組成物及び噴霧装置を含む。フレッシュニング組成物は、ビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質及び香料を含む。組成物は、水性液体組成物であり、好ましくは、界面活性剤及び溶媒、好ましくは悪臭中和剤及び/又は硬化性ポリマー及び/又はしわ防止剤を含む。組成物は、ニュートン液体である。
【0010】
本発明の第2の態様に従って、本発明の製品を使用して布地をフレッシュニング及び衛生化する方法が、提供される。
【0011】
本発明の第1の態様に関連して説明される本発明の製品の要素は、必要な変更を加えて、本発明の第2の態様に適用される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の製品は、組成物を含む。組成物は、ビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質及び香料を含む。香料は、香料原料(PRM)を含む。PRMは、典型的には、噴霧可能な布地フレッシュニング組成物を作製するために水とともに配合される。しかしながら、PRMは疎水性の性質を有することから、溶媒及び/又は界面活性剤を使用して、含水量の高い組成物中のPRMを可溶化し、乳化する。PRMを可溶化するのに適した溶媒としては、典型的には、アルコール、ポリオール及びそれらの混合物が挙げられる。
【0013】
本発明は、低濃度のビスピリジニウムアルカンを含むフレッシュニング組成物が布地衛生化を提供できるという、驚くべき発見に基づく。
【0014】
以下の説明では、記載される組成物は、布地フレッシュニング組成物である。
【0015】
本発明を詳細に説明するのに先立ち、説明を分かりやすくために以下の用語を定義する。定義されない用語には、関連する技術分野の当業者によって理解される通常の意味が与えられるべきである。
【0016】
用語「フレッシュニング組成物」は、本明細書で使用するとき、布地にフレッシュさを提供するための組成物を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「微生物(microbe)」又は「微生物(microbial)」は、微生物学者によって研究されるか、又は処理された表面の使用環境に見出される微視的生物のうちのいずれかを指すように解釈されるべきである。このような生物は、細菌及び真菌、同様にカビ、うどんこ病、及び藻類などの他の単細胞生物を含むが、これらに限定されない。ウイルス(エンベロープ及び非エンベロープ)及び他の感染因子もまた、微生物という用語に含まれる。
【0018】
「抗菌」は、殺微生物特性及び静微生物特性の両方を包含するように更に理解されるべきである。すなわち、この用語は、微生物の数の低減、同様に微生物成長の遅延効果をもたらす、微生物殺傷を含み、数は、およそ一定のままであり得る(しかし、わずかな増加/減少を可能にする)。
【0019】
考察を容易にするために、本説明は、広域スペクトル活性(例えば、細菌及び真菌に対するか、又は細菌及びウイルスに対する)を表示するために抗菌という用語を使用する。特定の微生物又は分類学的階級に対する効果について言えば、より集束された用語が使用されるものとする(例えば、特に真菌成長に対する効果を表示する抗真菌剤)。上記の例を使用して、真菌に対する効果は、いかなる方法でも、同じ抗菌組成物が別のクラスの微生物に対する効果を実証し得る可能性を排除するものではないことを、理解されたい。
【0020】
用語「香料原料」は、本明細書で使用するとき、香料材料(「PRMs」又は単数形で「PRM」)を指す。
【0021】
用語「ClogP」は、本明細書で使用するとき、PRMのlogP計算値(「ClogP」)を指す。PRMのオクタノール/水分配係数は、オクタノール中及び水中におけるその平衡濃度間の比である。フレッシュニング組成物において使用されるPRMの分配係数は、より簡便には、底が10の対数の形態であるlogPで示すことができる。ClogPは、分子構造に直接基づいて、一般的な有機分子についてのオクタノール-水分配係数(logP又はlogKow)を計算するモデルによって求められる。LogPは、2つの不混和性液相であるオクタノールと水との間の溶質の分布の尺度であり、溶質の疎水性の相対的尺度として一般に使用される。PRMのLogPを計算する1つの方法は、Advanced Chemistry Development,Inc.製のACD/Labs LogPソフトウェアモジュールを使用している。logPの計算の詳細は、ACD/Labsウェブサイト(https://www.acdlabs.com/products/percepta/predictors/logp/)で見出すことができる。ACD/Labs LogPソフトウェアモジュールを使用して計算するPRMのLogP値及びPRMのLogP値は、以下の実施例に記載される本発明において有用なPRMの選択において使用される。しかしながら、LogPを測定する別の好適な方法は、BioByte Corp製の「ClogP」プログラム(例えば、ClogPバージョン4.0及びマニュアル1999)を使用することであることが理解されるであろう。CLOG P USER GUIDE、バージョン4.0、BioByte Corp(1999)(http://www.bio-byte.com/bb/prod/clogp40.html)。LogPを測定する更なる好適な方法は、Daylight Chemical Information Systems,Inc.(Alison Viejo,CA)製のCLOGPプログラムを使用する。CLOGP Referenceマニュアル、Daylightバージョン4.9、リリース日2008年2月1日。
【0022】
用語「硫黄含有プロ香料」は、本明細書で使用するとき、硫黄を含有するプロ香料化合物の種類を指す。用語「プロ香料」は、本明細書で使用するとき、PRMと他の化学物質との反応によって得られる化合物を指し、これは1つ以上のPRMとこれらの化学物質との間に共有結合を有する。PRMは、プロ香料化合物と呼ばれる新たな材料へと変換され、次に、これが水又は光又は大気中酸素などのトリガーに曝露されると、元のPRM(すなわち、変換前のもの)を放出することができる。好適なプロ香料化合物及びその作製方法は、米国特許第7,018,978号、同第6,861,402号、同第6,544,945号、同第6,093,691号、同第6,165,953号、及び同第6,096,918号に見出すことができる。
【0023】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。列挙されている成分に関するとき、こうした重量は全て、活性レベルに基づき、このため、別途指定されない限り、市販の材料に含まれている可能性のある溶媒又は副生成物を含まない。「重量百分率」という用語は、本明細書では「重量%」として表示されてもよい。本明細書で使用される全ての分子量は、別途指定されない限り、グラム/モルで表される重量平均分子量である。
【0024】
フレッシュニング組成物
本発明に従うフレッシュニング組成物は、組成物の少なくとも0.001重量%~1重量%、好ましくは0.05重量%~0.8重量%、より好ましくは0.06重量%~0.7重量%の濃度のビスピリジニウムアルカン抗菌活性物質、好ましくはオクテニジン二塩酸塩と、香料であって、香料が、香料の少なくとも60重量%の、1超のClogPを有するPRMを含む、香料と、を含む。組成物は、組成物の少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも98重量%かつ99.5重量%未満の水を含む、水性液体組成物である。高濃度の水を有することにより、布地物品における任意の目に見える残留物及び/又は染みを最小限に抑えながら、噴霧可能なフレッシュニング組成物を可能にすることができる。本発明のニュートン流体は、円錐角2°及び±60μmの切頭部を有する40mmの円錐スピンドルでAtlas(登録商標)製AD1000 Advancedレオメータ剪断速度10s-1を用いて20℃で測定したとき、好ましくは、1cps~500cps、より好ましくは1cps~300cps、より好ましくは1cps~200cps、更により好ましくは1cps~100cps、及び最も好ましくは1cps~50cps、及び特に1cps~20cpsの粘度を有する。フレッシュニング組成物は噴霧可能であり、各スプレーにおいて香りのフレッシュさを一貫して送達する相安定性フレッシュニング組成物を提供するために、香料は可溶化されたままである。
【0025】
本発明のフレッシュニング組成物の成分を、以下の段落に記載する。
【0026】
抗菌剤
本発明の組成物は、英国特許第1533952号に記載されているものなどのビスピリジニウムアルカンを含む。ビスピリジニウムアルカンという用語は、一般式(I)又は(II)のビス[4-(置換-アミノ)-1-ピリジニウム]アルカンを含み、
【0027】
【化1】
式中、
Yは、4~18個の炭素原子を有するアルキレン又はアルキル基であり、
Rは、6~18個の炭素原子を有するアルキル基、又は5~7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、又はハロゲン置換を有するか、若しくは有しないフェニル基を表し、Aは、アニオン又はいくつかのアニオンである。
【0028】
Aは、一価、二価、又は多価アニオン、例えば、塩化物、臭化物、リン酸塩、又はオルトケイ酸塩であり得る。Aはまた、式R4-COO~を有する有機酸であり得、式中、R4は、水素、ヒドロキシル、又はC1~C40アルキルである。
【0029】
本発明のビスピリジニウムアルカンは、例えば、英国特許第1533952号及び独国特許第1964/7692(A1)号に開示されるものなどの、式(I)及び(II)の化合物の様々なプロトタイプを含む。
【0030】
他の好適なビスピリジニウムアルカンは、例えば、国際公開第2014/100807号に記載されるものなどの、有機酸が約4~約30個の炭素原子を含有するビスピリジンアミンの有機酸塩を含む。好適な有機酸は、例えば、非置換であるか、又はハロゲンによって置換されている(C1~C40)アルカンカルボン酸、飽和又は不飽和ジカルボン酸などの、ヒドロキシカルボン酸などの、アミノ酸などの、(C1~C40)アルキルスルホン酸などの、カルボン酸を含むが、これらに限定されない。塩が由来し得る追加の有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、リン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、グリシルリジン酸、サリチル酸、ステアリン酸、ホスホン酸、トリフルオロ酢酸、シアノ酢酸、4-シアノ安息香酸、2-クロロ安息香酸、2-ニトロ安息香酸、フェノキシ酢酸、ベンゼンスルホン酸を含む。ビスピリジニウムアルカンジステアレートなどのステアリン酸塩の塩が、好ましい。
【0031】
好ましいビスピリジニウムアルカンは、オクテニジン二塩酸塩である(R=n-オクチル、Y=n-デセニル;A=2×Cl、以下、「オクテニジン」CAS番号70775-75-6)。
【0032】
抗菌剤は、組成物の0.001重量%~1重量%未満であり得る殺菌有効量でのみ存在する必要がある。より好ましい組成物では、洗浄組成物は、組成物の約0.0025~約0.5%、より好ましくは0.005重量%~0.15重量%からのレベルで抗菌剤を含む。
【0033】
四級アンモニウム化合物
本発明の組成物は、四級アンモニウム化合物を含み得るか、又は四級アンモニウム化合物を実質的に含まない場合がある。四級アンモニウム抗菌活性物質を「実質的に含まない」とは、組成物が、組成物の0.001重量%未満の四級アンモニウム抗菌活性物質を含むことを意味する。
【0034】
四級アンモニウム化合物は、式(A)の化合物を含み、
【0035】
【化2】
式中、R及びRは、各々独立して、直鎖で非置換かつ中断されていないC~C12アルキル基であり、X”は、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物若しくはスルホネート、サッカリン酸塩、炭酸塩若しくは重炭酸塩、及び式(B)を有するベンザルコニウム化合物などのハロゲン化物アニオンであり、
【0036】
【化3】
式中、mは、8~18であり、X”は、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物、スルホネート、サッカリン酸塩、炭酸塩、又は重炭酸塩などのハロゲン化物アニオンである。このベンザルコニウム化合物は、通常、C~Ciアルキル基の混合物、特にn-C17からn-C1837、主にn-C1225(ドデシル)、n-C1429(テトラデシル)、及びn-C1633(ヘキサデシル)などの、直鎖で非置換かつ中断されていないアルキル基の混合物を含む。
【0037】
式(A)の化合物では、各基R及びRは、独立して、直鎖で非置換の中断されていないC8~12アルキル基、例えば、8、9、10、11又は12個の炭素原子を含有するアルキル基である。R及びRの基は、等しい又は異なる数の炭素原子を含有し得る。
【0038】
式(A)の四級アンモニウム化合物の例は、ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリド、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド及びジオクチルジメチルアンモニウムクロリドを含む。
【0039】
式(B)の四級アンモニウム化合物の例は、N,N-ベンジルジメチルオクチルアンモニウム塩化物、N,N-ベンジルジメチルデシルアンモニウム塩化物、N-ドデシル-N-ベンジル-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物、及びN-テトラデシル-N-ベンジル-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物、N-ヘキサデシル-N,N-ジメチル-N-ベンジルアンモニウム塩化物を含む。
【0040】
香料組成物(以下、「香料」)
フレッシュニング組成物は、所望の香り特性を提供し、フレッシュニング組成物中で均質に可溶化して、一貫した放出プロファイルを送達することができるような有効量で配合された香料を含む。香料は、好ましくは、香料の少なくとも60重量%の、1.0超のClogP値を有する香料原料(PRM)を含む。香料は、組成物の少なくとも0.001重量%、0.002重量%~3重量%、0.005重量%~1重量%、0.005重量%~0.4重量%の量にあり得る。好適な香料、香料成分、及び香料担体は、米国特許第5,500,138号及び米国出願公開第2002/0035053(A1)号に開示される。1超のClogPを有する香料原料(PRM)は、ジヒドロミルセノール、イソノイルアルコール、シトロネロール、テトラヒドロリナロール、テピニルアセテート、酢酸ゲラニル、フェニルエチルフェニルアセテート、リリアール(P.T.ブシナール)、ベルテネックス、ジフェニルメタン、p’シメン、αピネン、サリチル酸ベンジル、d-リモネン、シス-ヘキセニルサリチレート、ヘキシル桂皮アルデヒド、セドリルアセテート、ハバノリド、エチルトリメチルシクロペンテンブタノール、サリチル酸ヘキシル、イソeスーパー、エチルバニリン、ヘリオナール、ウンデカラクトン、イオノンγメチル、ヒドロキシシトロネラール、シクロガルバナート、ピラノール、ベルドックス、酢酸リナリル、酢酸ベンジル、メチルフェニルカルビニルアセテート、トリプラール、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0041】
任意の種類の香料は、本発明の組成物に組み込まれ得る。好ましい香料成分は、布地及び衣服への適用のための使用に適したものである。このような好ましい成分の典型的な例は、米国特許第5,445,747号に挙げられる。
【0042】
PRMは、その沸点(「B.P.」)及びオクタノール/水分配係数(「P」)によって定義することができる。本明細書において言及される沸点は、760mmHgの通常の標準圧力下で測定される。標準的な760mmHgにおける多くのPRMの沸点は、Steffen Arctander著、1969年出版の「Perfume and Flavor Chemicals(Aroma Chemicals)」に概説されている。
【0043】
布地上の長期持続性香料臭気が望ましい場合、約240℃以上、かつ好ましくは約250℃以上の沸点を有する少なくとも有効量の香料成分を使用することが、好ましい。このような好ましい成分の非限定的な例は、米国特許第5,500,138号に挙げられる。
【0044】
他の香料成分は、溶媒として作用し得る。場合によっては、このことは、組成物全体への他の香料又は油成分の組み込みを容易にするのに役立ち得る。ここで特に良好な例は、ベンジルアルコールである。ベンジルアルコールは、限られた水溶性(約1.2のclogP)を有し、他の香料成分混合物をこれらの組成物に組み込むのに役立つことが示されている。
【0045】
硫黄含有プロ香料、
フレッシュニング組成物は、硫黄含有プロ香料を含み得る。硫黄含有プロ香料の技術的効果は、フレッシュニング組成物の安定性を改善することである。硫黄含有プロ香料化合物は、組成物中に様々な濃度で存在することができる。具体的には、フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物の約0.001重量%~約5重量%、あるいは約0.001重量%~約3重量%、あるいは約0.01重量%~約1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.5重量%、あるいは約0.01重量%~約0.1重量%、あるいは少なくとも約0.02重量%、又は上記の上限及び下限の百分率の異なる組み合わせ、又は上記の範囲内の任意の整数の組み合わせの硫黄含有プロ香料を含み得る。
【0046】
フレッシュニング組成物は、以下に示される一般的構造を有するドデシルチオ-ダマスコンを含んでもよい。
【0047】
【化4】
【0048】
チオ-ダマスコンは、フレッシュニング組成物の約0.001重量%~約1.0重量%、あるいは約0.001重量%~約5.0重量%、あるいは約0.001重量%~約3.0重量%、あるいは約0.01重量%~約1.0重量%、あるいは約0.01重量%~約0.5重量%、あるいは約0.01重量%~約0.1重量%、あるいは少なくとも約0.02重量%の量で存在し得る。
【0049】
香料混合物と硫黄含有プロ香料との重量比は、組成物の重量で、約0.01:1~約200:1、又は約5:1~約50:1、又は約10:1~約40:1、又は約10:1~約20:1であり得る。
【0050】
溶媒
フレッシュニング組成物は、香料を可溶化するための溶媒を含み得る。具体的には、組成物は、10重量%未満、0.01重量%~5重量%、0.01重量%~3重量%、0.01重量%~1重量%、0.01重量%~0.05重量%のフレッシュニング組成物を含み得る。溶媒は、アルコール、ポリオール、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。溶媒は、低分子量の一価アルコール(例えば、エタノール、メタノール、及びイソプロパノール、又はエチレングリコール及びプロピレングリコールなどのポリオール)を含み得る。
【0051】
アルコキシル化フェノール
フレッシュニング組成物は、組成物の少なくとも0.0015重量%の濃度のアルコキシル化フェノールを含み得る。理論に束縛されるものではないが、フレッシュニング組成物中の香料を可溶化するためにエタノールなどの従来の溶媒を使用することと比べて、アルコキシル化フェノールの使用は、アルコキシル化フェノールが、同じ分子中にフェノール官能基及びエーテル官能基の組み合わせを有し、これが極性及び非極性の特性を両方有する固有の溶解力特性を提供することである。この界面活性剤様構造は、アルコキシル化フェノールに、フレッシュニング組成物に使用される成分(例えば、以下に記載するような水及び香料)の液相とは異なって結合し、広範な親水性及び疎水性の溶媒に混和性であるという能力を与える。
【0052】
界面活性剤
フレッシュニング組成物は、任意の過剰な疎水性有機物質、特に任意のPRM、更に、組成物に添加することはできるが、組成物に容易には溶解しない任意成分(例えば、昆虫忌避剤、酸化防止剤など)を可溶化して、透明な溶液を形成するために、界面活性剤を含有していてもよい。フレッシュニング組成物は、フレッシュニング組成物の3.5重量%未満、0.01重量%~3重量%、0.01重量%~1重量%、0.01重量%~0.05重量%のフレッシュニング組成物を含み得る。好適な界面活性剤は、非発泡性又は低発泡性界面活性剤である。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0053】
悪臭結合ポリマー
本発明のフレッシュニング組成物は、悪臭結合ポリマーを含み得る。悪臭結合ポリマーは、悪臭成分を中和する親和性を有する利用可能な官能基(例えば、アミン)を有するポリマーである。悪臭成分を中和する親和性を有する利用可能な官能基を有するモノマーも考えられる。アミン系化合物の場合、アミンがアルデヒドの悪臭に対する親和性を有することになる。このアミンは、アルデヒドの悪臭と反応して、臭気性ではないアミノール、イミン、又はエナミンのような新たな化合物を形成することができる。
【0054】
悪臭結合ポリマーは、アミン系化合物、例えば、モノアミン、アミノ酸、ポリエチレンイミンポリマー(PEI)、変性PEI、置換PEI;アクリル酸ポリマー、例えば、ポリアクリレートコポリマー(例えば、Rohm&Haas製のAcumer(商標)9000)、ポリアクリル酸ポリマー(例えば、Rohm&Haas製のAcusol(商標))、及び変性アクリレートコポリマー(例えば、Rohm&Haas製のAculyn(商標));並びに変性メタクリレートコポリマー(例えば、Salvona Technologies製のHydroSal(商標));又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0055】
悪臭結合ポリマーの好適な濃度は、フレッシュニング組成物の約0.01重量%~約2重量%、あるいは約0.01重量%~約1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.8重量%、あるいは約0.01重量%~約0.6重量%、あるいは約0.01重量%~約0.1重量%、あるいは約0.01重量%~約0.07重量%、あるいは約0.07重量%である。悪臭結合ポリマーの量が多い組成物ほど、布地が汚れの影響を受けやすくなる場合があり、かつ/又は溶液が布地から蒸発すると、許容不能な目に見える染みが布地上に残る場合がある。
【0056】
悪臭中和剤
フレッシュニング組成物は、1つ以上の悪臭中和剤を利用してもよい。悪臭中和剤としては、臭気化合物の蒸気圧を低下させる、悪臭化合物を可溶化させる、臭いを物理的に捕捉(例えば、凝集又は封入)する、臭いを物理的に結合させる、又は臭いが無生物表面に結合するのを物理的に防ぐ成分を含み得る。例えば、脂肪族アルデヒドは、魚及びタバコの臭いなどのアミン臭気と反応する。悪臭結合ポリマーと組み合わせて使用される場合、フレッシュニング組成物は、より広範な悪臭を中和し、ひいては空気中又は無生物表面上の悪臭を更に低減させる物質を生じさせ得る。
【0057】
具体的には、フレッシュニング組成物は、悪臭中和剤を含んでいてよく、悪臭中和剤は、ポリオール、シクロデキストリン及びその誘導体、アミン官能性ポリマー、アルデヒド、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される。悪臭中和剤は、シクロデキストリンであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「シクロデキストリン」は、6~12個のグルコース単位を含有する非置換シクロデキストリン、特にα-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、及び/若しくはこれらの誘導体、並びに/又はこれらの混合物などの既知のシクロデキストリンのいずれかを含む。
【0058】
緩衝系
フレッシュニング組成物は、緩衝剤を含有してもよい。緩衝剤は、酸性緩衝剤であってよい。緩衝剤は、二塩基酸、カルボン酸、マレイン酸などのジカルボン酸、クエン酸などのトリカルボン酸、又はポリアクリル酸などのポリカルボン酸であってよい。カルボン酸は、例えば、クエン酸、ポリアクリル酸、又はマレイン酸であってよい。酸は、立体的に安定していてよい。酸は、所望のpHを維持するために、本組成物で使用することができる。フレッシュニング組成物は、約4~約9、あるいは約4~約8.5、あるいは約4~約6.9、あるいは約4~約6.7のpHを有していてよい。好ましくは、緩衝系は、クエン酸、マレイン酸、ポリアクリル酸、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の緩衝剤を含む。クエン酸、マレイン酸、ポリアクリル酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される緩衝剤を含む緩衝系は、保存寿命の延長された、安定なフレッシュニング組成物を提供することが見出されている。
【0059】
好ましくは、緩衝系は、クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む。クエン酸及びクエン酸ナトリウムを含む緩衝系は、保存寿命の延長した、安定なフレッシュニング組成物を実現することが見出されている。
【0060】
フレッシュニング組成物は、二級又は三級アミンを含み得る。本フレッシュニング組成物は、組成物の少なくとも約0重量%、あるいは少なくとも約0.001重量%、あるいは少なくとも約0.01重量%の緩衝剤を含んでもよい。組成物はまた、組成物の約2重量%以下、あるいは約0.75重量%以下、あるいは約0.5重量%以下の緩衝剤を含んでいてもよい。
【0061】
湿潤剤
フレッシュニング組成物は、組成物がポリエステル及びナイロンのような疎水性表面上に容易かつより均一に広がることを可能にする低い表面張力を提供する湿潤剤を含み得る。本フレッシュニング組成物は、このような湿潤剤を使用しない場合、十分には広がらないことが見出されている。組成物を広げると、組成物を迅速に乾燥させることもまた可能となり、その結果、処理された素材は直ちに使える状態になる。更に、湿潤剤を含有する組成物は、改善された悪臭中和のために、疎水性の油性汚れによりよく浸透することができる。湿潤剤を含有する組成物は、「衣服着用中」の静電気制御性を向上させることもできる。濃縮組成物では、湿潤剤は、濃縮フレッシュニング組成物中の抗菌活性物質及び香料などの多くの活性物質の分散を促進する。湿潤剤の非限定的な例としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックコポリマーが挙げられる。好適なブロックポリオキシエチレン-ポリプロピレンポリマー界面活性剤としては、初期の反応性水素化合物として、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミンに基づくものが挙げられる。初期化合物とC12~18脂肪族アルコールなどの単一の反応性水素原子との連続エトキシル化及びプロポキシル化により作製されるポリマー化合物は、一般に、シクロデキストリンと相溶性ではない。BASF-Wyandotte Corp.(Wyandotte,Michigan)によってPluronic(商標)及びTetronic(商標)と命名された特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、容易に入手することができる。
【0062】
本組成物において使用され得る別の好適な湿潤剤は、SILWETシリコーンポリエーテルである。これらのシリコーンポリエーテルの非限定的な例は、Momentive Performance Chemical、Albany,New Yorkから入手可能なSILWET(商標)界面活性剤を含む。例示的なSILWET(商標)界面活性剤は、以下の表6に示す通りである。しかしながら、以下の界面活性剤の混合物を本発明で使用してもよいことが理解されるであろう。
【0063】
【表1】
【0064】
フレッシュニング組成物中の界面活性剤(例えば、可溶化剤、湿潤剤)の総量は、組成物の0~約3重量%、あるいは0~約1%、あるいは0~約0.9重量%、あるいは約0.7重量%、あるいは0~約0.5重量%、あるいは0~0.3重量%である。濃度の高い組成物ほど、布地が汚れの影響を受けやすくなり得、かつ/又は溶液が蒸発すると、許容不能な目に見える染みが布地上に残り得る。
【0065】
硬化性ポリマー
本発明の組成物は、1つ以上の硬化性ポリマーをさらに含み得、「硬化性ポリマー」は、フィルム形成、接着、又はポリマーが適用される表面上に堆積されたコーティングの特性を有するポリマーを指す任意のポリマーを意味する
【0066】
硬化性ポリマーは、衣服フレッシュニング組成物の約0.5重量%~約5重量%の濃度で存在し得る。硬化性ポリマーの分子量は、好ましくは1,000~500,000、より好ましくは2,000~250,000、さらにより好ましくは5,000~200,000である。
【0067】
本発明に従う硬化性ポリマーは、任意の水溶性又は水分散性ポリマーであり得る。好ましくは、ポリマーは、フィルム形成ポリマー又はこのようなポリマーの混合物である。これは、ヒドロキシル基、アミン基、アミド基、若しくはカルボキシル基などのポリマーを水溶性にする機能性を有する天然又は合成起源のホモポリマー又はコポリマーを含む。硬化性ポリマーは、カチオン性、アニオン性、非イオン性、又は両性であり得る。ポリマーは、単一種のポリマー又はその混合物であり得る。好ましくは、硬化性ポリマーは、アニオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、両性ポリマー及びそれらの混合物から選択される。
【0068】
しわ防止剤
本発明の組成物は、任意選択で、シリコーンを含み得るしわ防止剤を含み得、好ましくは、これは、エマルジョン中にある。シリコーンは、組成物の約0.5重量%~約6重量%の濃度で存在し得る。
【0069】
フレッシュニング製品
フレッシュニング製品は、スプレーディスペンサを含む。本フレッシュニング組成物がフレッシュニング製品の外側から目視可能であるか、又は少なくとも一部が目視可能であるよう、スプレーディスペンサは透明又は半透明とすることができる。
【0070】
スプレーディスペンサは、様々な量のフレッシュニング組成物を保持することができる。スプレーディスペンサは、約20p.s.i.g~約140psig、あるいは約80~約130p.s.i.gの範囲の内圧に耐えることができ得る。全組成物出力及び噴霧液滴/粒径分布は、粒子除去効果を支援するが、表面が湿るという問題を回避するように選択され得る。全出力は、スプレーディスペンサから放出されるときの組成物の流速によって決定される。最小限の表面湿潤を生じさせる噴霧プロファイルを得るために、低い流速及び小さな5つの噴霧液滴を有することが望ましい。
【0071】
スプレーディスペンサから放出される組成物の流速は、約0.0001グラム/秒(g/s)~約2.5グラム/秒とすることができる。あるいは、流速は、約0.001グラム/秒~約2.5グラム/秒、又は約0.01グラム/秒~約2.0グラム/秒であってよい。エアロゾル噴霧器について、流量は、任意の60秒間の使用のためにスプレーディスペンサによって排出される組成物の速度を測定することによって決定される。
【0072】
スプレー液滴のザウタ平均粒径は、約10μm~約100μm、あるいは約20μm~約60μmの範囲であってよい。噴霧液滴の少なくとも一部のサイズは、少なくとも約10分間、一部の例では少なくとも約15分間、又は少なくとも約30分間にわたって空気中に浮遊するように十分に小さい。噴霧が広い円錐角で分注されるときに、小さい粒子を効率的に作り出すことができる。所与のノズル構成要素及び送達管に関して、送達管のノズルの挿入深さを変更することによって円錐角を修正することができる。この円錐角は、約20度超、又は約30度超、又は約35度超、又は約40度超、又は約50度超とすることができる。
【0073】
スプレーディスペンサは、容器の基部に平行な角度と容器の基部に垂直な角度との間の角度でフレッシュニング組成物を噴霧するように構成され得る。噴霧液滴の所望のサイズは、狭い範囲の液滴サイズを提供するように設定することができる他のタイプのスプレーディスペンサによって送達することができる。このような他のスプレーディスペンサは、噴霧器、超音波ネブライザー、静電噴霧装置、及び回転ディスク噴霧器を含むが、これらに限定されない。スプレーディスペンサは、プラスチック、金属、ガラス、又はそれらの組み合わせを含む、様々な材料から構成されることができる。スプレーディスペンサは、加圧式であってもよく、非加圧式であってもよく、非エアゾールであってもよい。
【0074】
非エアゾールスプレーディスペンサは、事前圧縮トリガー噴霧器を含み得る。
【0075】
1つの好適な非エアゾールスプレーディスペンサは、プラスチック製の非エアゾールディスペンサである。ディスペンサは、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate、「PET」)、酢酸ビニル、ゴムエラストマー、及びこれらの組み合わせで構築され得る。スプレーディスペンサは、透明なPETで作製され得る。別の好適なスプレーディスペンサには、Afa Dispensing Group製のFLAIROSOL(商標)ディスペンサなど連続動作式スプレー装置が挙げられる。FLAIROSOL(商標)ディスペンサは、事前圧縮スプレーエンジンを備えたバッグ・イン・バッグ又はバッグ・イン・缶型容器、及びフレッシュニング組成物のエアゾール樣圧縮器を含む。FLAIROSOL(商標)ディスペンサの例は、米国特許第8,905,271(B2)号に記載されている。
【0076】
加圧スプレーディスペンサは、噴射剤を含んでもよい。様々な噴射剤が使用されてもよい。噴射剤は、炭化水素(複数可);窒素、二酸化炭素、空気などの圧縮ガス(複数可);液化ガス(複数可)又はヒドロフルオロオレフィン(hydrofluoro olefin、「HFO」);並びにこれらの混合物。好ましくは、製品は、圧縮空気、圧縮窒素、及びこれらの組み合わせなどの圧縮ガスからなる群から選択される噴射剤を含む。米国官報30 49C.F.R.§1.73.115、第2部、2.2項に列挙されている噴射剤が、許容可能であると考えられる。噴射剤は、特に、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロパ-1-エン、及び任意選択的にCAS番号1645-83-6のガスを含むことができる。このような噴射剤は、これらが不燃であるという利益を提供するが、フレッシュニング組成物は不燃噴射剤に限定されない。1つのこのような噴射剤は、Honeywell International(Morristown,New Jersey)から商品名HFO-5 1234ze又はGWP-6で市販されている。所望の場合、噴射剤は、凝縮性であり得る。「凝縮性」とは、スプレーディスペンサ内及び使用中に生じる圧力下において、噴射剤が、ガス状の物質から液体状の物質へと変化することを意味する。一般に、最高圧力は、スプレーディスペンサにフレッシュニング組成物が充填された後であるが、ユーザがフレッシュニング組成物を最初に分散させる前に生じる。凝縮性噴射剤は、使用中にフレッシュニング組成物が枯渇するにつれて、減圧曲線がより平坦化する利益をもたらす。
【0077】
加圧スプレーディスペンサは、炭化水素噴射剤を含まなくてもよい。フレッシュニング組成物は、流れを制御し、スプレーディスペンサ内にフレッシュニング組成物を密封するための弁、ボタンアクチュエータ、及び環境にフレッシュニング組成物を分散させるためのノズルを含むが、これらに限定されない送達部品を含むスプレーディスペンサから送達され得る。フレッシュニング組成物は、バック・イン・缶型プラスチック製スプレーディスペンサに収容され得る。
【0078】
スプレーディスペンサ
本発明のフレッシュニング組成物は、親水性香料相溶性材料で構築されたプラスチック容器内に収容することができる。これらの材料は、プラスチック容器による吸収及び/又は透過が最小限に抑えられるように、親水性香料成分との錯化を回避する。好適な親水性香料相溶性材料は、ガスクロマトグラフィー分析によって平均親水性香料損失を求めることによって容易に同定することができる。親水性香料相溶性材料は、元々存在する個々の親水性香料成分の約50%未満、あるいは約20%未満、あるいは約15%未満、あるいは約10%未満の平均親水性香料成分損失をもたらす。
【0079】
相当量の親水性香料成分を含有するフレッシュニング組成物は、周囲温度で8週間、少なくとも80%の親水性香料相溶性材料で構築されたプラスチック容器内に保管することができる。保管後、ガスクロマトグラフィー分析を使用して、水性組成物中に残っている様々な香料成分の量を求め、元々存在する各成分の量に基づいて近似的な損失を計算する。
【0080】
本発明に好適な親水性香料相溶性材料の有効量は、容器の少なくとも約80重量%、あるいは約80重量%~約100重量%、あるいは約90重量%~約100重量%、あるいは100重量%である。親水性香料相溶性材料の非限定的な例は、高密度ポリエチレン(high density polyethylene、HDPE)、低密度ポリエチレン(low density polyethylene、LDPE)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリスチレン(polystyrene、PS)、ポリエチレン-コ-ビニルアルコール(EVOH)、Aclar(登録商標)などのフッ素化ポリマー、Barex(登録商標)などのアクリロニトリル-メチルアクリレートコポリマー、又はこれらの混合物の任意の樹脂である。あるいは、HDPEを本発明で利用する。
【0081】
一実施形態では、Plastipak Packaging Inc.(Champaign,Ill.)製のHDPEボトルを使用して、本発明の水性組成物を収容する。HDPEボトルは、当該技術分野において既知の任意の吹込み成形、射出成形、及び熱成形プロセスによって作製することができる。例えば、吹込み成形されたボトルの場合、熱軟化したHDPEを中空管として成形型のキャビティ内に押し出し、加圧空気によって冷たい成形型キャビティの壁に対して押し付けてボトルを形成する。ボトルは冷却によって固化する。
【0082】
約3未満のClogPを有する香料組成物は、PP及びHDPEなどの親水性香料相溶性材料に完全には吸収されない及び/又は透過しないことが見出されている。したがって、これは、プラスチック容器を通じた香料成分の透過を防止するのに役立ち、ひいては、消費者が知覚可能なより長寿命の芳香を提供する。
【0083】
親水性香料相溶性材料のいずれかを、非晶質炭素、シリコーン酸化物、又はこれらの混合物、及び金属化コーティングを含む1つ以上のバリア材料と併用してもよい。
【0084】
使用方法
フレッシュニング組成物は、散布することによって、例えば、スプレーディスペンサなどのディスペンサ本フレッシュニング組成物を入れ、有効量を空気中、又は所望の布地に噴霧することによって使用され得る。「有効量」は、フレッシュニング組成物の量に関連して使用される場合、フレッシュニング組成物で処理された布地の領域に存在する細菌負荷に少なくともlog2の低減を提供するのに十分な量を意味する。衛生化利益に加えて布地に心地よい香りを送達する場合、有効量は、処理された布地にフレッシュ感又は香りを少なくとも約4時間、又は少なくとも約6時間、又は少なくとも約8時間、又は少なくとも約24時間提供するのに十分であるが、物品又は表面に液体が染みこむ又は液体の水溜りができ、乾いたときに目視で容易に認識可能な堆積物が存在するほどではない量を意味する。悪臭低減成分が含まれている場合、「有効量」とは、フレッシュニング組成物の量に関して使用される場合、前述の事項を提供し、また、ヒトの臭覚によって認識できない濃度まで悪臭を中和するが、物品又は表面に染みこむ又は液体の水溜りができ、乾いたときに目視で容易に認識可能な堆積物が存在するほどではない量を意味する。分散は、噴霧装置、ローラ、パッド、又は以下に記載する他の製品形態などを使用することにより達成することができる。
【0085】
以下の実施例は、本発明をより完全に説明することを目的としたものであり、本発明の範囲から逸脱することなく、その多くの変形例が可能であることから、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書における全ての部、百分率、及び比率は、別途指定されない限り、重量%として表される。
【0086】
抗菌効果(懸濁液中の最小殺生物濃度):
組成物中の抗菌剤の抗菌効果を、その最小殺生物濃度(Minimum Biocidal Concentration、MBC)を測定することによって求める。MBCは、完全な殺傷(細菌増殖がゼロ)をもたらす特定の抗菌活性物質の最低絶対濃度として定義される。本明細書の組成物のMBCを、細菌、Staphylococcus aureus(S.aureus-ATCC#6538)、グラム陽性細菌、及びEscherichia coli(E.coli-ATCC#8739)、グラム陰性細菌に対して決定した。これらの微生物は、多くの消費者向けの及び産業上の用途における天然汚染物質を代表する。いくつかのコロニーをトリプトン大豆寒天(Tryptone Soy Agar、TSA)プレートから生理食塩水溶液(0.85%NaCl)に移すことによって細菌接種材料を調製し、この生理食塩水溶液中の細菌濃度を、425nmでの透過率%を測定することによって決定し、425nmでの透過率%が、S.aureusについて23%~25%、かつE.coliについて30~32%になるまで、より多くの細菌又はより多くの生理食塩水溶液のいずれかを添加することによって調整し、この透過率%は、10CFU/mlの細菌濃度に対応する。
【0087】
抗菌剤を、3000ppm、又は1500ppm、又は750ppmの抗菌剤を含む200μLの布地リフレッシャー組成物の濃度で組成物に添加し、96ウェルマイクロタイタープレートの行Aの1つのウェルに投与した。各後続のウェル(行B~G)に、抗菌剤を添加せずに、100μLの同じ布地リフレッシャー組成物を投与した。抗菌活性物質を含む100μLの布地リフレッシャー組成物を、行Aから行Bに移し、混合した。次いで、100μLの組成物を行Bから行Cに移して混合し、このプロセスを行Gまで繰り返した。このように、抗菌剤の濃度は、隣り合うウェルごとに2倍に希釈され、一方、布地リフレッシャー組成物中の他の活性物質の濃度は、同じカラム中の全てのウェルにわたって一定のままであった。
【0088】
10CFU/ml細菌の生理食塩水懸濁液10μLを、マイクロタイタープレートのウェルA~Fに添加し、行Gを無細菌対照のままとした。各ウェル中の最終体積は、100μLの布地リフレッシャー組成物を含み細菌懸濁液を含まなかった行Gを除いて、110μLであった。各カラムへの細菌接種を30秒間ずつずらして、全てのウェルでインキュベーション時間を等しくし、全ての試料の細菌と抗菌活性物質との接触時間が20分となるようにした。この接触時間の後、10μLの各試験溶液を90μLの中和溶液(BioMerieuxから販売されているModified Letheen Broth+1.5%のPolysorbate 80)に移して、接種のずれに合わせて抗菌活性物質の抗菌作用を停止させた。この溶液2μLを、全ての試料が中和剤に同じ時間の間曝露されるように、TSAプレート上に接種のずれに合わせてプレーティングした。プレートを、32.5℃で48時間インキュベートした。MBC濃度を、TSAプレート上で目に見えるコロニー成長が観察されない抗菌活性物質の最低濃度として採用する。
【0089】
布地に対する抗菌効果
異なる抗菌剤を含む布地リフレッシャー組成物の布地表面に対する殺菌効果を、細菌、Staphylococcus aureus(S.aureus-ATCC#6538)に対して決定した。いくつかのコロニーを、トリプトン大豆寒天(TSA)プレートから追加の汚れ負荷として5%ウマ血清を含む生理食塩水溶液(0.85%NaCl)に移すことによって細菌接種材料を調製し、この生理食塩水溶液中の細菌濃度を、425nmでの透過率%を測定することによって求め、425nmでの透過率%が10CFU/mlの細菌濃度に対応する23%~25%になるまで、より多くの細菌又はより多くの生理食塩水溶液のいずれかを添加することによって調整した。
【0090】
オートクレーブによって滅菌された布地担体、綿の1cm×1cmのディスクに、50μLの10CFU/mlの細菌接種材料を接種し、32℃で30分間インキュベートした。このインキュベーション期間後、布地担体を、抗菌活性物質を含まない(参照)か、又は抗菌活性物質として0.05%のビスピリジニウムアルカン(オクテニジン二塩酸塩)若しくはN-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン(Lonzabac 12.30)のいずれかを含む2.5mlの異なる布地リフレッシャー組成物で処理した。各布地担体における細菌と布地リフレッシャー組成物との間の接触時間は、10分であった。この接触時間の後、各布地担体を、10mLの中和溶液(BioMerieuxから販売されているModified Letheen Broth+1.5%のPolysorbate 80)に移して、抗菌活性物質の抗菌作用を停止させた。布地担体を含む中和剤管を、速度10に設定されたGenie 2ボルテクサ中で30秒間ボルテックスした。中和剤+布地担体溶液の10倍希釈物を、100μLの中和剤溶液を900μLの生理食塩水溶液(0.85%NaCl)に移すことによって調製し、この溶液を、段階10倍希釈物が得られるように、同じプロトコルに従って生理食塩水中でさらに希釈した。段階希釈物の100μLの各々をTSAプレート上にプレーティングし、プレートを32℃で48時間インキュベートし、このインキュベーション時間の後、各プレート中のコロニーの数をカウントした。布地リフレッシャー組成物の殺菌効果を決定するために使用された標的希釈物は、プレート中で30~300CFUを送達するものであり、各組成について報告されたデータは、標的希釈を乗じた3つのプレートにおける細菌数の平均である。
【0091】
各抗菌処理対無抗菌活性物質の参照についての対数低減は、無抗菌活性物質の参照で処理された布地から回収されたコロニーの数を、異なる抗菌活性物質を含む組成物で処理された布地から回収されたコロニーの数によって除算することによって得られる数のlog10である。
【0092】
実施例1:布地フレッシュニング組成物中のビスピリジニウムアルカン対他の抗菌活性物質の抗菌効果の比較
ジスピリジニウムアルカンオクテニジン塩酸塩の抗菌効果を、2つの布地フレッシュニング組成物中の四級アンモニウム及びアルキルアミン抗菌化合物のものと比較した。グラム陽性細菌(Staphylococcus aureus)及びグラム陰性細菌(Escherichia coli)に対する各抗菌活性物質の懸濁液中の最小殺生物濃度(MBC)を、20分の接触時間で決定した。結果を表1に示す。
【0093】
【表2】
(1)Dowanol EPh6-Dow
(2)Lupasol HF-BASF
(3)Silwet L-7600-Momentive
(4)Uniquat 2250-Lonza
(5)Koralone B-119-Dupont
【0094】
【表3】
(6)オクテニジン塩酸塩-Tokyo Chemicals
(7)Rewocid(登録商標)WK30-Evonik
(8)Lonzabac 12.30-Lonza
(9)BTC(登録商標)824-Stepan
(10)BTC(登録商標)835-Stepan
【0095】
ビスピリジニウムアルカンオクテニジン二塩酸塩の最小殺生物濃度(MBC)を比較殺生物剤N-アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩化物(BTC(登録商標)824、及びBTC(登録商標)835)、N-(3-アミノプロピル)-N-ドデシルプロパン-1,3-ジアミン(Lonzabac 12.30)、及びN-アルキルアミノプロピルグリシン(Rewocid(登録商標)WK30)のものと比較することによって見ることができるように、ビスピリジニウムアルカンは、両方の例示された組成物1及び2中の比較殺生物剤のうちのいずれかよりもはるかに低いMBCを示し、これらの組成物中のビスピリジニウムアルカンの抗菌効果が、比較殺生物剤のうちのいずれかの抗菌効果よりもはるかに高いことと、オクテニジン塩酸塩などのビスピリジニウムアルカンが、他の一般的に使用される抗菌活性物質よりもはるかに低い濃度で使用されて、非常に強力な抗菌効果を有する布地フレッシュニング組成物を提供できることと、を示している。
【0096】
実施例2:ビスピリジニウムアルカン又は抗菌アルキルアミンを含む布地フレッシュニング組成物の布地表面に対する抗菌効果の比較
抗菌活性物質としてのビスピリジニウムアルカン又はアルキルアミンを含む布地フレッシュニング組成物の抗菌効果を、細菌負荷としてStaphylococcus aureusを使用して布地表面上で比較した。試験を、5%ウマ血清の存在下で実行して、追加の汚れ負荷で系にストレス負荷して、布地リフレッシャーが洗浄されていない布地を衛生化するために使用されるであろう状況を模倣した。結果を表2に示す。
【0097】
【表4】
(1)Lupasol HF-BASF
(2)Silwet L-7600-Momentive
(3)Uniquat 2250-Lonza
(4)Koralone B-119-Dupont
(5)オクテニジン二塩酸塩(Tokyo Chemicals)
(6)Lonzabac 12.30(Lonza)
【0098】
【表5】
【0099】
表2に見ることができるように、生存可能な細菌は、オクテニジンを含む布地フレッシュニング組成物で処理された布地から回収されず、一方で、約10CFU/mlが、抗菌活性物質としてLonzabacを含む布地リフレッシャー組成物で処理された布地から抽出されることができた。これらの結果は、ビスピリジニウムアルカン、好ましくはオクテニジン塩酸塩を含む布地フレッシュニング組成物が、Lonzabac 12などの他の抗菌活性物質を含む布地フレッシュニング組成物よりもはるかに高い殺菌効果を有することを示す。実際、非常に効果的な布地衛生化は、非常に低濃度のビスピリジニウムアルカンを含む布地リフレッシャー組成物で布地を噴霧することによって提供され得る。
【0100】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、別途指定されない限り、このような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。