(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】輸送ハブ情報システム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240423BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240423BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240423BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240423BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20240423BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20240423BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240423BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240423BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G06Q50/40
G06Q50/10
G09G5/38
G09G5/10 B
G09G5/02 B
G06F3/01 510
G06F3/0481
G06F3/14 340C
(21)【出願番号】P 2022540986
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(86)【国際出願番号】 US2021012348
(87)【国際公開番号】W WO2021142017
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-01
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318018265
【氏名又は名称】ミスアプライド サイエンシーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Misapplied Sciences, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヌジー アルバート ハン
(72)【発明者】
【氏名】トンプソン デイビッド スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ボンズ デイビッド ランドール
(72)【発明者】
【氏名】セン アヨン
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-017924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0277032(US,A1)
【文献】特開2008-181301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G06Q 50/40
G06Q 50/10
G06F 3/01
G06F 3/0481
G06F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多視点(MV)輸送ハブ情報システムであって、
1つ以上の多視点(MV)ピクセルを含む多視点(MV)表示装置であって、各MVピクセルが、1つ以上のビームレット座標系における異なる方向にビームレットを放出するように構成される、多視点(MV)表示装置と、
登録領域を画定し、動作中、
その識別が未知である第1のブロブの第1の位置及び
その識別が未知である第2のブロブの第2の位置を
前記登録領域内に検出する検知システムと、
動作中、第1の視聴者の第1の属性及び第2の視聴者の第2の属性を受け取る入力ノードと、
前記MV表示装置、前記検知システム及び前記入力ノードに結合されたシステムコントローラと、
を備え、
前記
システムコントローラは、動作中、
ユーザタグ付けを実施して、前記登録領域において前記第1のブロブに前記第1の属性のタグを付け
することにより前記第1のブロブを前記第1の視聴者として識別し、また、
前記登録領域において前記第2のブロブに前記第2の属性のタグを付け
することにより前記第2のブロブを前記第2の視聴者として識別し、かつ前記識別された第1のブロブの前記登録領域からの移動を追跡し、また、前記識別された第2のブロブの前記登録領域からの移動を追跡し、
表示ゾーン座標系に、前記第1のブロブに基づいて第1の表示ゾーンを画定し、また、前記第2のブロブに基づいて第2の表示ゾーンを画定し、
前記表示ゾーン座標系と前記1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定し、
前記第1の属性に少なくとも基づいて第1の情報コンテンツを前記第1の表示ゾーンと関連付け、また、前記第2の属性に少なくとも基づいて第2の情報コンテンツを前記第2の表示ゾーンと関連付け、
前記第1の情報コンテンツから生成された第1の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、
前記第2の情報コンテンツから生成された第2の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、
前記第1の視聴者に見える前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束は、前記第2の視聴者に見える前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束とは異なり、
前記MVピクセルのための制御信号であって、対応する第1の画像又は第2の画像を対応する第1の表示ゾーン又は第2の表示ゾーンに投影するための各束における前記ビームレットの各々の色及び輝度を定義する制御信号を出力する、
ことを特徴とする多視点(MV)輸送ハブ情報システム。
【請求項2】
請求項1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記検知システムがカメラを備える、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項3】
請求項1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記第1の情報コンテンツ又は第2の情報コンテンツが、輸送情報、ゲート位置、目的地案内誘導方向、搭乗時間、旅行更新通知、宣伝、到着メッセージ、出発メッセージ、手荷物受取り情報、言語翻訳、アクセス可能性情報、個人からの個人メッセージ発信、サービスの場所、緊急/避難通知、ブランドメッセージ発信、娯楽コンテンツ、グループコーディネーション情報、図形/描画/写真コンテンツ、ビデオコンテンツ及び画像捕獲のうちの1つ以上を含む、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項4】
請求項1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
動作中、前記第1の属性を検出するチケットスキャナを備える、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項5】
請求項1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
動作中、前記第1の属性の視聴者仕様を受け取るユーザインターフェースデバイスを備える、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項6】
請求項
1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
静止キオスクを備え
、該静止キオスクに隣接して前記登録領域が画定され、前記登録領域に位置する前記第1又は第2のブロブを、前記第1又は第2の属性を前記静止キオスクに入力する前記第1又は第2の視聴者として識別することを容易にする、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項7】
多視点(MV)輸送ハブ情報システムであって、
1つ以上の多視点(MV)ピクセルを含む多視点(MV)表示装置であって、各MVピクセルが、1つ以上のビームレット座標系における異なる方向にビームレットを放出するように構成される、多視点(MV)表示装置と、
動作中、その識別が未知である第1のブロブの第1の位置及びその識別が未知である第2のブロブの第2の位置を検出する検知システムと、
動作中、第1の視聴者の第1の属性を前記第1の視聴者の第1の旅行者サロゲートデバイスを介して受け取り、また第2の視聴者の第2の属性を前記第2の視聴者の第2の旅行者サロゲートデバイスを介して受け取る、入力ノードと、
前記MV表示装置、前記検知システム及び前記入力ノードに結合されたシステムコントローラと、
を備え、
前記第1又は第2の旅行者サロゲートデバイスが、それぞれ、前記第1又は第2の視聴者のスマートフォン又はモバイル計算デバイスを含み、
前記システムコントローラは、動作中、
ユーザタグ付けを実施して、前記第1のブロブに前記第1の属性のタグを付けすることにより前記第1のブロブを前記第1の視聴者として識別し、また、前記第2のブロブに前記第2の属性のタグを付けすることにより前記第2のブロブを前記第2の視聴者として識別し、かつ前記識別された第1のブロブの移動を追跡し、また、前記識別された第2のブロブの移動を追跡し、
表示ゾーン座標系に、前記第1のブロブに基づいて第1の表示ゾーンを画定し、また、前記第2のブロブに基づいて第2の表示ゾーンを画定し、
前記表示ゾーン座標系と前記1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定し、
前記第1の属性に少なくとも基づいて第1の情報コンテンツを前記第1の表示ゾーンと関連付け、また、前記第2の属性に少なくとも基づいて第2の情報コンテンツを前記第2の表示ゾーンと関連付け、
前記第1の情報コンテンツから生成された第1の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、
前記第2の情報コンテンツから生成された第2の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、
前記第1の視聴者に見える前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束は、前記第2の視聴者に見える前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束とは異なり、
前記MVピクセルのための制御信号であって、対応する第1の画像又は第2の画像を対応する第1の表示ゾーン又は第2の表示ゾーンに投影するための各束における前記ビームレットの各々の色及び輝度を定義する制御信号を出力する、
ことを特徴とする
多視点(MV
)輸送ハブ情報システム。
【請求項8】
請求項
7に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
デバイス座標系における局所化システムを使用して前記
第1又は第2旅行者サロゲートデバイスの位置が予測される、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項9】
請求項
8に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記システムコントローラが、前記デバイス座標系と、前記表示ゾーン座標系又は前記ビームレット座標系のうちの1つ以上との間のマッピングを決定する、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項10】
請求項
8に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記ユーザタグ付けが、最近傍マッチング技法、動的時間ワーピング技法、組合せ最適化技法、又は機械学習アルゴリズムを使用して訓練された分類子のうちの1つ以上によって、前記
第1又は第2旅行者サロゲートデバイスの前記位置及び前記第1
又は第2のブロブの前記位置を使用して、前記
第1又は第2旅行者サロゲートデバイスを
それぞれ前記第1
又は第2のブロブと関連付けることによって実施される、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項11】
請求項
8に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記局所化システムが、Wi-Fi三角測量、超広帯域三角測量、Bluetooth飛行時間、Bluetooth信号強度、Bluetooth到来角又は超音波技法のうちの1つ以上を使用して、前記
第1又は第2旅行者サロゲートデバイスの前記位置を予測する、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項12】
請求項1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
動作中、前記第1の属性を検出する生物測定スキャナを備える、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項13】
請求項
12に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記生物測定スキャナが、顔認識システム、指紋スキャナ、網膜スキャナ又は虹彩認識システムを備える、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項14】
請求項1に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記システムコントローラが、前記第1の画像が前記第2の視聴者に見えるかもしれないことを検出する、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項15】
請求項
14に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記システムコントローラが、第3の情報コンテンツを前記第1の視聴者及び前記第2の視聴者の両方と関連付ける、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項16】
請求項
15に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記第3の情報コンテンツが、包括的コンテンツ、命令コンテンツ又は共有言語におけるコンテンツのうちの1つ以上を含む、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項17】
輸送ハブを介した複数の旅行者の誘導をサポートする方法であって、
多視点(MV)輸送ハブ情報システムを配置するステップであって、前記多視点(MV)輸送ハブ情報システムが、
1つ以上の多視点(MV)ピクセルを含む多視点(MV)表示装置であって、各MVピクセルが、1つ以上のビームレット座標系における異なる方向にビームレットを放出するように構成される、多視点(MV)表示装置と、
登録領域を画定し、動作中、
その識別が未知である第1のブロブ及び
その識別が未知である第2のブロブを
前記登録領域内に検出する検知システムと、
を含む、多視点(MV)輸送ハブ情報システムを配置するステップと、
前記MV輸送ハブ情報システムで、第1の視聴者の第1の属性及び第2の視聴者の第2の属性を受け取るステップと、
ユーザタグ付けを実施して、前記登録領域において前記第1のブロブに前記第1の属性のタグを付けすることにより前記第1のブロブを前記第1の視聴者として識別し、また、前記登録領域において前記第2のブロブに前記第2の属性のタグを付けすることにより前記第2のブロブを前記第2の視聴者として識別するステップと、
前記識別された第1のブロブの前記登録領域からの移動を追跡し、また、前記識別された第2のブロブの前記登録領域からの移動を追跡するステップと、
表示ゾーン座標系に、前記第1のブロブに基づいて第1の表示ゾーンを画定し、また、前記第2のブロブに基づいて第2の表示ゾーンを画定するステップと、
前記表示ゾーン座標系と前記1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定するステップと、
前記第1の属性に少なくとも基づいて第1の情報コンテンツを前記第1の表示ゾーンと関連付け、また、前記第2の属性に少なくとも基づいて第2の情報コンテンツを前記第2の表示ゾーンと関連付けるステップと、
前記第1の情報コンテンツから生成された第1の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別するステップと、
前記第2の情報コンテンツから生成された第2の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別するステップであって、前記第1の視聴者に見える前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束は、前記第2の視聴者に見える前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束とは異なる、ビームレットの束を識別するステップと、
前記MVピクセルのための制御信号であって、対応する第1の画像又は第2の画像を対応する第1の表示ゾーン又は第2の表示ゾーンに投影するための各束における前記ビームレットの各々の色及び輝度を定義する制御信号を出力するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項
17に記載の方法であって、
前記ユーザタグ付けが
、
最近傍マッチング技法、
動的時間ワーピング技法、組合せ最適化技法、又は機械学習アルゴリズムを使用して訓練された分類子のうちの1つ以上を使用して、
前記第1又は第2旅行者サロゲートデバイスの位置及び前記第1又は第2のブロブの前記第1又は第2の位置を使用して、前記第1
又は第2の旅行者サロゲートデバイス
のそれぞれを前記第1
又は第2の視聴者と関連付けるステップと、
によって実施される、
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
輸送ハブを介した複数の旅行者の誘導をサポートする方法であって、
多視点(MV)輸送ハブ情報システムを配置するステップであって、前記多視点(MV)輸送ハブ情報システムが、
1つ以上の多視点(MV)ピクセルを含む多視点(MV)表示装置であって、各MVピクセルが、1つ以上のビームレット座標系における異なる方向にビームレットを放出するように構成される、多視点(MV)表示装置と、
動作中、その識別が未知である第1のブロブの第1の位置及びその識別が未知である第2のブロブの第2の位置を検知する検知システムと、
を含む、多視点(MV)輸送ハブ情報システムを配置するステップと、
前記MV輸送ハブ情報システムで、第1の視聴者の第1の属性を前記第1の視聴者の第1の旅行者サロゲートデバイスを介して受け取り、また第2の視聴者の第2の属性を前記第2の視聴者の第2の旅行者サロゲートデバイスを介して受け取るステップであって、前記第1又は第2の旅行者サロゲートデバイスが、それぞれ、前記第1又は第2の視聴者のスマートフォン又はモバイル計算デバイスを含む、ステップと、
ユーザタグ付けを実施し、前記第1のブロブに前記第1の属性のタグを付けすることにより前記第1のブロブを前記第1の視聴者として識別し、また、前記第2のブロブに前記第2の視聴者のタグを付けすることにより前記第2のブロブを前記第2の視聴者として識別するステップと、
前記識別された第1のブロブの移動を追跡し、また、前記識別された第2のブロブの移動を追跡するステップと、
表示ゾーン座標系に、前記第1のブロブに基づいて第1の表示ゾーンを画定し、また、前記第2のブロブに基づいて第2の表示ゾーンを画定するステップと、
前記表示ゾーン座標系と前記1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定するステップと、
前記第1の属性に少なくとも基づいて第1の情報コンテンツを前記第1の表示ゾーンと関連付け、また、前記第2の属性に少なくとも基づいて第2の情報コンテンツを前記第2の表示ゾーンと関連付けるステップと、
前記第1の情報コンテンツから生成された第1の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別するステップと、
前記第2の情報コンテンツから生成された第2の画像に対して、前記マッピングを使用して、前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられた前記MV表示装置の前記1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別するステップであって、前記第1の視聴者に見える前記第1の画像を形成するために前記第1の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束は、前記第2の視聴者に見える前記第2の画像を形成するために前記第2の表示ゾーンに向けられたビームレットの前記束とは異なる、ビームレットの束を識別するステップと、
前記MVピクセルのための制御信号であって、対応する第1の画像又は第2の画像を対応する第1の表示ゾーン又は第2の表示ゾーンに投影するための各束における前記ビームレットの各々の色及び輝度を定義する制御信号を出力するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項7に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記検知システムがカメラを備える、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項21】
請求項7に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記第1の情報コンテンツ又は第2の情報コンテンツが、輸送情報、ゲート位置、目的地案内誘導方向、搭乗時間、旅行更新通知、宣伝、到着メッセージ、出発メッセージ、手荷物受取り情報、言語翻訳、アクセス可能性情報、個人からの個人メッセージ発信、サービスの場所、緊急/避難通知、ブランドメッセージ発信、娯楽コンテンツ、グループコーディネーション情報、図形/描画/写真コンテンツ、ビデオコンテンツ及び画像捕獲のうちの1つ以上を含む、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項22】
請求項7に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記システムコントローラが、前記第1の画像が前記第2の視聴者に見えるかもしれないことを検出する、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項23】
請求項22に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記システムコントローラが、第3の情報コンテンツを前記第1の視聴者及び前記第2の視聴者の両方と関連付ける、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【請求項24】
請求項23に記載のMV輸送ハブ情報システムであって、
前記第3の情報コンテンツが、包括的コンテンツ、命令コンテンツ又は共有言語におけるコンテンツのうちの1つ以上を含む、
ことを特徴とするMV輸送ハブ情報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、個人化されたコンテンツ配信システム及び方法に関し、これらは、空港などの輸送ハブにおける実施態様のために特に適しており、また、これらは、輸送ハブ全体にわたる複数の表示ゾーンに存在する異なる視聴者(例えば旅行者)に宛てられた、個別化された異なるメッセージ(例えば輸送情報)を生成することができる。
【背景技術】
【0002】
空港、クルーズ船の港及び列車の駅などの輸送ハブは、通常、一度に多くの客にサービスしており、各客は、それぞれ独自の旅行日程及び個人的好みを有している。関連する旅行情報を全ての客に提供するために、ハブの周囲の情報サイネージは、しばしば、個々の客が必要とする情報よりもはるかに多くの情報で満たされている。例として、フライト情報表示装置は、しばしば、全ての出発フライトを列挙し、手荷物情報表示装置は、全ての手荷物受取りのためのフライト割当てを列挙し、また、ゲート情報表示装置は、全ての搭乗優先クラスのための情報を示している。さらに、特に国際ハブでは、サイネージ上のコンテンツは、しばしば複数の言語間で切り替わる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この過剰な情報は、全ての客がその必要な情報を受け取ることを保証するためにしばしば必要であるが、客は自分に関連する情報を見つけ出す必要があり、それが旅行体験を煩わしいものにしている。さらに、煩わしいほどの量の物流情報を提供する必要性により旅行者の感情的なニーズに対処する機会が制限されており、そうでなければ旅行者の旅は、目的を絞った娯楽コンテンツで、また、家族、友人、仲間、同僚旅行者、目的地、仕事、輸送提供者及びサービス提供者からの個人化されたメッセージでその価値がより高まったかもしれない。したがって個別化された異なるメッセージを異なる客に同時に配信することができる輸送ハブ情報システムを有することが有用であろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示的実施形態によれば、多視点(MV)輸送ハブ情報システムが提供され、多視点(MV)輸送ハブ情報システムは、
1つ以上の多視点(MV)ピクセルを含む多視点(MV)表示装置であって、各MVピクセルは、1つ以上のビームレット座標系における異なる方向にビームレットを放出するように構成される、多視点(MV)表示装置と、
動作中、第1のブロブの第1の位置及び第2のブロブの第2の位置を検出する検知システムと、
動作中、第1の視聴者の第1の属性及び第2の視聴者の第2の属性を受け取る入力ノードと、
MV表示装置、検知システム及び入力ノードに結合されたシステムコントローラであって、動作中、
第1のブロブに第1の属性のタグを付け、また、第2のブロブに第2の属性のタグを付けるためにユーザタグ付けを実施し、
表示ゾーン座標系に、第1のブロブに基づいて第1の表示ゾーンを画定し、また、第2のブロブに基づいて第2の表示ゾーンを画定し、
表示ゾーン座標系と1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定し、
第1の属性に少なくとも基づいて第1の情報コンテンツを第1の表示ゾーンと関連付け、また、第2の属性に少なくとも基づいて第2の情報コンテンツを第2の表示ゾーンと関連付け、
第1の情報コンテンツから生成された第1の画像に対して、マッピングを使用して、第1の画像を形成するために第1の表示ゾーンに向けられたMV表示装置の1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、
第2の情報コンテンツから生成された第2の画像に対して、マッピングを使用して、第2の画像を形成するために第2の表示ゾーンに向けられたMV表示装置の1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、第1の視聴者に見える第1の画像を形成するために第1の表示ゾーンに向けられたビームレットの束は、第2の視聴者に見える第2の画像を形成するために第2の表示ゾーンに向けられたビームレットの束とは異なり、
MVピクセルのための制御信号であって、対応する第1の画像又は第2の画像を対応する第1の表示ゾーン又は第2の表示ゾーンに投影するための各束におけるビームレットの各々の色及び輝度を定義する制御信号を出力する
システムコントローラと
を含む。
【0005】
別の態様によれば、検知システムはカメラを備える。
【0006】
別の態様によれば、第1の情報コンテンツ又は第2の情報コンテンツは、輸送情報、ゲート位置、目的地案内誘導方向、搭乗時間、旅行更新通知、宣伝、到着メッセージ、出発メッセージ、手荷物受取り情報、言語翻訳、アクセス可能性情報、個人からの個人メッセージ発信、サービスの場所、緊急/避難通知、ブランドメッセージ発信、娯楽コンテンツ、グループコーディネーション情報、図形/描画/写真コンテンツ、ビデオコンテンツ及び画像捕獲のうちの1つ以上を含む。
【0007】
別の態様によれば、検知システムは、表示ゾーン座標系で画定された登録領域における第1のブロブを検出し、また、システムコントローラは、登録領域の第1のブロブに第1の属性のタグを付け、また、登録領域からの第1のブロブの移動を追跡することによってユーザタグ付けを実施する。
【0008】
別の態様によれば、MV輸送ハブ情報システムは、動作中、第1の属性を検出するチケットスキャナを含む。
【0009】
別の態様によれば、MV輸送ハブ情報システムは、動作中、第1の属性の視聴者仕様を受け取るユーザインターフェースデバイスを含む。
【0010】
別の態様によれば、ユーザインターフェースデバイスは静止キオスクを備える。
【0011】
別の態様によれば、ユーザインターフェースデバイスは、第1の視聴者のスマートフォン又はモバイル計算デバイスを備える。
【0012】
別の態様によれば、デバイス座標系における局所化システムを使用してユーザインターフェースデバイスの位置が予測される。
【0013】
別の態様によれば、システムコントローラは、デバイス座標系と、表示ゾーン座標系又はビームレット座標系のうちの1つ以上との間のマッピングを決定する。
【0014】
別の態様によれば、ユーザタグ付けは、最近傍マッチング技法、動的時間ワーピング技法、組合せ最適化技法、又は機械学習アルゴリズムを使用して訓練された分類子のうちの1つ以上によって、ユーザインターフェースデバイスの位置及び第1のブロブの位置を使用して、ユーザインターフェースデバイスを第1のブロブと関連付けることによって実施される。
【0015】
別の態様によれば、局所化システムは、Wi-Fi三角測量、超広帯域三角測量、Bluetooth飛行時間、Bluetooth信号強度、Bluetooth到来角又は超音波技法のうちの1つ以上を使用して、ユーザインターフェースデバイスの位置を予測する。
【0016】
別の態様によれば、MV輸送ハブ情報システムは、動作中、第1の属性を検出する生物測定スキャナを含む。
【0017】
別の態様によれば、生物測定スキャナは、顔認識システム、指紋スキャナ、網膜スキャナ又は虹彩認識システムを備える。
【0018】
別の態様によれば、第1の視聴者と関連付けられた第1のブロブは、第1の視聴者が移動すると更新される。
【0019】
別の態様によれば、システムコントローラは、第1の画像が第2の視聴者に見えるかもしれないことを検出する。
【0020】
別の態様によれば、システムコントローラは、第3の情報コンテンツを第1の視聴者及び第2の視聴者の両方と関連付ける。
【0021】
別の態様によれば、第3の情報コンテンツは、包括的コンテンツ、命令コンテンツ又は共有言語におけるコンテンツのうちの1つ以上を含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面では、同一の参照番号は同様の要素を識別している。図中の要素の大きさ及び相対的位置は、必ずしもスケール通りには描かれていない。
【
図1A】多視点(MV)輸送ハブ情報システムの実施形態を示す図である。
【
図1B】MV輸送ハブ情報システムの別の実施形態を示す図である。
【
図2】
図1A及び
図1BのMV輸送ハブ情報システムのシステム構成の実施形態を示す図である。
【
図3】プロセッサに結合された多視点表示装置の実施形態を示す図である。
【
図4】
図3のプロセッサの実施形態を示す図である。
【
図5】実施形態による、表示ゾーン座標系を3Dで示す図である。
【
図6】実施形態による、表示ゾーン座標系を2Dで示す図である。
【
図7A】例えば輸送チェックインカウンタの近傍に画定される実例登録領域を示す図であり、旅行者の識別(「属性」)の決定、及び識別された旅行者として登録領域で検知された「ブロブ」のラベル付け(タグ付け)を含むユーザタグ付けを容易にするために、旅行者のチケットが読まれる。
【
図7B】旅行者又は旅行者サロゲートデバイスとしてブロブに連続的にラベルを付けている(タグを付けている)間、「ブロブ」の検知及び追跡を含むユーザタグ付けを容易にするためのセンサの実例使用を示す図であり、ブロブに基づいて複数の表示ゾーンを画定することができる。
【
図8】実施形態によるビームレット座標系を示す図である。
【
図9A】複数の表示ゾーンの各々に向けられた1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、それにより対応する画像を形成するために、表示ゾーン座標系とビームレット座標系の間で変換するマッピングを使用する実例プロセスを示す図である。
【
図9B】異なる画像(異なるパターンを有する画像1及び画像2)を表示ゾーンに位置している目に提示するために、MVピクセルがビームレットの異なる束をそれぞれ異なる表示ゾーンに投影する例を示す図である。
【
図9C】異なる画像(異なる色を有する画像1及び画像2)を表示ゾーンに位置している目に提示するために、MVピクセルがビームレットの異なる束をそれぞれ異なる表示ゾーンに投影する別の例を示す図である。
【
図10】一実施形態による、輸送ハブ内の複数の旅行者に個人化されたコンテンツを配信する方法を示す流れ図である。
【
図11】一実施形態による、機械学習技法を使用して検知された「ブロブ」をそれぞれ異なる旅行者の異なるサロゲートデバイスに対応するものとしてラベルを付けるための実例ユーザタグ付けプロセスを示す流れ図である。
【
図12】一実施形態による、ユーザタグ付けを実施して、検知された「ブロブ」をそれぞれ異なる旅行者の異なるサロゲートデバイスと関連付けるための機械学習装置の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明においては、説明を目的として、本発明についての完全な理解を提供するために多くの特定の詳細が示されている。しかしながら本発明はこれらの特定の詳細がなくても実践することができることは当業者には明らかであろう。他の例では、周知の回路、構造及び技法は詳細には示されておらず、むしろ、説明に対する理解を不必要に曖昧にすることを回避するためにブロック図で示されている。したがって示されている特定の詳細は、単に例示的なものにすぎない。特定の実装態様はこれらの例示的な詳細から変化し得るが、依然として本発明の範囲内にあることが企図されている。説明における「一実施形態」又は「実施形態」の参照は、その実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味している。この説明の様々な場所で見出される「一実施形態において」という表現は、必ずしも同じ実施形態を表していない。
【0024】
開示される発明は、異なるコンテンツを複数の視聴者に同時に送る多視点(MV)表示装置を備えた輸送ハブ情報システムである。
【0025】
MV表示装置は複数のMVピクセルを備えており、複数のMVピクセルの各々は、異なる色の光を異なる方向に放出することができる。これらの個別に制御可能な光のユニット、すなわちビームレットにより、複数の視聴者が異なるメッセージ又はコンテンツを同じ共有表示装置上で同時に知覚することができる。MVピクセルのビームレットはビームレット座標系を使用して画定することができ、また、それぞれ複数のMVピクセルに対して複数のビームレット座標系を構成することができる。
【0026】
図1Aは、空港、クルーズ船の港及び列車の駅など輸送ハブに使用するために適した多視点(MV)輸送ハブ情報システム10の一実施態様例を示す図である。MV輸送ハブ情報システムは、ゲート位置、目的地案内誘導方向及び搭乗時間などの異なる、カスタマイズされた輸送情報を異なる旅行者が同時に受け取ることができるよう、MV表示装置に対して異なる表示ゾーンに立っている、又は移動している異なる旅行者に異なるメッセージ又は画像を提示することができる。したがって各旅行者は、そのほとんどが他の旅行者に向けられたものであり、したがって関係のない極めて大量の情報をより分ける必要がない。
【0027】
図1Aでは、MV輸送ハブ情報システム10は、1つ以上のMVピクセル12から構成された少なくとも1つの多視点(MV)表示装置11を含み、各MVピクセル12は、ビームレット座標系(
図8参照)における異なる方向にビームレット(個別に制御可能なビーム)を放出するように構成されており、複数のビームレット座標系は、それぞれ複数のMVピクセルに対して構成することができる。MV輸送ハブ情報システム10は、動作中、第1のブロブ17a及び第2のブロブ17bを検出する検知システム24(センサ13a…13nを含む)を含み、第1のブロブ17a及び第2のブロブ17bは、画像化される、又はさもなければ検知システム24によって検知される、人間の形をした任意のオブジェクトであってもよい。本明細書において使用される場合、ブロブは、検知システム24によって検出され、追跡され得るが、その識別が未だ知られていない目標オブジェクトである。例えばブロブは、その識別が未だ知られていない人(旅行者)を表す、人間の形をしたオブジェクトであってもよい。いくつかの例示的実施形態では、検知システム24は、検知システム24(例えばカメラ)によって画定される表示ゾーン座標系におけるブロブを見出し、一方、モバイルデバイス局所化システム(例えばBluetooth(登録商標))は、モバイルデバイス座標系における旅行者のスマートフォンなどの旅行者サロゲートデバイスの位置を見出す。表示ゾーン座標系とモバイルデバイス座標系の間のマッピングは校正によって決定することができ、したがってMV輸送ハブ情報システム10は、どの視聴者ブロブがどのモバイルデバイスを保持しているかを決定することができる(最近傍マッチング、組合せ最適化、動的時間ワーピングなどを介して)。様々な実施形態によれば、MV輸送ハブ情報システム10は、以下でより完全に説明されるように、これらの検知されたブロブ17a及び17bにそれぞれ特定の(識別された)旅行者16a及び16bの属性をラベル付け(タグ付け)するために「ユーザタグ付け」を実施する。
【0028】
検知システム24のセンサ13a~13nは、人間の形をしたブロブを画像化することができる1つ以上のカメラを含むことができる。別法又は追加として、検知システム24は、全地球測位システム(GPS)、モバイル無線信号のマルチラテレーションに基づくモバイル電話追跡技法、RFID又は他のタグ付けシステムなどの任意の知られている位置決め技法又はシステムを使用して、スマートフォン又は他のモバイル計算デバイスなどの視聴者サロゲートデバイスの位置を決定する位置決めシステムを含むことも可能である。
【0029】
一般に、検知システム24は、MV輸送ハブ情報システム10の表示環境における視聴者(旅行者)の位置を予測するために使用することができる。これを達成することができる例示的検知システムには、それらに限定されないが、2Dカメラシステム、深度検知システム、運動追跡システム、着用可能デバイス追跡システム及びモバイルデバイス追跡システムがある。検知システムは表示ゾーン座標系における視聴者の位置を予測することができ、また、視聴者の表示ゾーンは、視聴者の予測された位置に基づいて表示ゾーン座標系の中に画定することができる。例として、表示ゾーンは視聴者の外観、視聴者の頭又は視聴者の目を包含するように確立することができる。検知システム24は、各視聴者の識別を解像することなく、無名のブロブとして視聴者を検出し、追跡することができる。
【0030】
さらに
図3を参照すると、MV輸送ハブ情報システム10は、第1の旅行者16a(又は交換可能に使用されている「第1の視聴者16a」)の第1の属性、及び第2の旅行者16b(又は交換可能に使用されている「第2の視聴者16b」)の第2の属性を受け取るように構成された入力ノード9をも含む。以下でより完全に説明されるように、第1の属性及び第2の属性は、旅行者16a/16bと関連付けられた、あるいは旅行者16a/16bを示す、旅行者16a/16bの存在又は位置、旅行者の識別、挙動、旅行日程又は旅行履歴などの任意の特性であってもよい。様々な実施形態では、検知システム24のセンサ13a~13nのうちの1つ以上は、センサ13が第1の属性及び第2の属性を検出し、それらを入力ノード9に送信することができるよう、有線方式又は無線方式で入力ノード9に結合することができる。例えば
図1Aのセンサ13aを使用して、第1の旅行者16aの存在(第1の属性)及び第2の旅行者16bの存在(第2の属性)を検出し、その第1の属性及び第2の属性を入力ノード9に提供することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、検知システム24は、第1の旅行者16aの搭乗通行証などのチケット21を読んでその第1の旅行者16aの第1の属性を検出し、検出した第1の属性を入力ノード9に提供するように構成されたチケットスキャナ13d(
図7A参照)を含むことができる。いくつかの実施形態では、検知システム24は、必ずしも第1の属性及び第2の属性を入力ノード9に提供するために使用されるわけではない。むしろ第1の属性及び第2の属性(例えば各旅行者の識別)は、キーパッドなどの適切なユーザインターフェース(UI)デバイス19を介して旅行者16a又は16bによって入力され得る(例えば手動で)が、これらの事例では、UIデバイス19は、検知システム24を構成しているセンサ13a~13nのうちの1つと見なすことができる。UIデバイス19は、それらに限定されないが、旅行者が属性(例えば旅程番号、旅行者の識別)の指示をタイプすることができるキーボード又はキーパッド、旅行者が属性の指示を話し掛けることができるマイクロフォン、旅行者が属性の指示をタップ/ジェスチャすることができるタッチ/ジェスチャ感応パッド、旅行者が属性の指示を表現するために使用することができる光ポインタなどであってもよい。
【0032】
図1Aでは、1つ以上のMV表示装置11及び1つ以上のセンサ13a~13nが配置されている輸送ハブで、カメラなどの、1つ以上のセンサ13a~13cを含む検知システム24を使用して、それぞれ(1)及び(2)のラベルが付けられた第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bの位置が特定され、追跡される。センサ13a~13nを使用して、第1の属性及び第2の属性だけでなく、MV輸送ハブ情報システム10に有用な任意のデータを検出し、検知し、あるいは収集することができる。例えば上で説明したように、検知システム24により、MV輸送ハブ情報システム10は、第1のブロブ17a及び第2のブロブ17b、旅行者16a及び16b、又は電話、他のモバイル計算デバイス及び無線タグなどの旅行者サロゲートデバイスを検出し、識別し、選択し、位置を特定し、あるいは追跡することができる。検知システム24により、MV輸送ハブ情報システム10は、さらに、以下でより完全に説明されるように、それぞれ旅行者16a及び16bと関連付けられた表示ゾーンの位置を特定し、配置し、あるいは更新することができる。また、検知システム24により、MV輸送ハブ情報システム10は、旅行者挙動(例えば輸送ハブ内における移動の経路)などの旅行者属性に限定されない、環境条件(例えば輸送ハブにおける旅行者混雑レベル、照明状態、温度)、タイミング条件、輸送スケジュールなどを対象とした属性又は変数を監視し、検出し、あるいは測定することができる。検知システム24は、さらに、旅行者サロゲートデバイスを介して(例えば旅行者のスマートフォンを介して)、あるいは静止キオスク30(
図7A)などの適切なUIデバイス19を介して旅行者入力を受け取ることができる。例えばセンサ13a~13nは、旅行者関連コンテンツを調整するためにMV輸送ハブ情報システム10が使用することができる、照明、MV表示装置11から旅行者16a/16bまでの距離、及び他の基準を評価することができ、それにより旅行者へのメッセージを含んだ、意図した視聴者/旅行者に対する画像視覚性又は可読性が強化された画像が生成される。検知システム24は、旅行関連コンテンツの様々なバージョン及び表示ゾーンのレイアウトを予めプログラムし、スケジュールし、あるいは調整するために解析し、使用することができるデータを獲得することができる。
【0033】
図1Aでは、MV表示装置11及び入力ノード9に結合されているMV輸送ハブ情報システム10のシステムコントローラ20(
図2参照)は、検知システム24によって検出された第1のブロブ17aに第1の視聴者(第1の旅行者)16aの第1の属性のタグを付け、また、検知システム24によって検出された第2のブロブ17bに第2の視聴者(第2の旅行者)16bの第2の属性のタグを付けるユーザタグ付けを実施している。例えば以下でより完全に説明されるように、第1の視聴者及び第2の視聴者のモバイルデバイスを使用して、第1のブロブ及び第2のブロブのタグが付けられる第1の視聴者及び第2の視聴者の第1の属性及び第2の属性を指示することができる。ユーザタグ付けは、検知システム24によって検出された異なるブロブをそれぞれ異なる旅行者に正確にタグ付けすることにより、個人化された旅行情報の生成及び各旅行者への配信が容易になる点で、本開示の重要な技術的特徴の1つである。ユーザタグ付けの様々な方法については以下で説明される。
【0034】
システムコントローラ20は、第1のブロブ17a又は第1の旅行者16aに基づいて、表示ゾーン座標系(
図5)におけるMV表示装置11に対する第1の表示ゾーン18aを画定し、また、第2のブロブ17b又は第2の旅行者16bに基づいて、表示ゾーン座標系におけるMV表示装置11に対する第2の表示ゾーン18bを画定している。例えば第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bは、それぞれ第1及び第2のブロブ/旅行者17a/16a及び17b/16bを概ね取り囲むように画定され得る。システムコントローラ20は、表示ゾーン座標系と1つ以上のビームレット座標系(
図8参照)の間で変換するマッピングを決定している。具体的には、選択された、個人化されたコンテンツをMV表示装置11が表示環境における各個々の視聴者に制御可能に送るよう、システムコントローラ20は、表示ゾーン座標系(
図5)とMVピクセルのビームレット座標系(
図8)の間のマッピングを決定している。例えばこのマッピングは、MV表示装置11が設置されている間に校正手順を使用して生成することができ、メモリに記憶して、動作中、探索することができる。次に、システムコントローラ20は、このマッピングを使用して、以下でより完全に説明されるように、MVピクセルの複数のビームレットの各々の色及び輝度を設定して、特定の画像を指定された表示ゾーンに送ることができる。
【0035】
図1Aに戻ると、システムコントローラ20は、第1の旅行者16aの第1の属性に少なくとも基づいて、第1の情報コンテンツ(すなわち「第1の旅行関連コンテンツ」)を第1の表示ゾーン18aと関連付け、また、第2の旅行者16bの少なくとも第2の属性に基づいて、第2の情報コンテンツ(すなわち「第2の旅行関連コンテンツ」)を第2の表示ゾーン18bと関連付けている。システムコントローラ20は、第1の旅行関連コンテンツから生成された第1の画像25aを第1の表示ゾーン18aの第1の旅行者16aに示すよう、また、第2の旅行関連コンテンツから生成された第2の画像25bを第2の表示ゾーン18bの第2の旅行者16bに示すよう、MV表示装置11を制御している。示されている例では、第1の画像25aは第1の旅行者16aに見え、「旅行者1さん!YY:22に出発するフライトX2に備え、ゲート2へ行ってください」と読まれ、また、第2の画像25bは第2の旅行者16bに見え、「旅行者2さん!YY:33に出発するフライトX3に備え、ゲート3へ行ってください」と読まれる。第1の画像25aが作成される第1の旅行関連コンテンツは第1の旅行者16aに対して個人化され、また、第2の画像25bが作成される第2の旅行関連コンテンツは第2の旅行者16bに対して個人化されている。第1の情報コンテンツ又は第2の情報コンテンツは、非制限の例として、輸送情報、ゲート位置、目的地案内誘導方向、搭乗時間、旅行更新通知、宣伝、到着メッセージ、出発メッセージ、手荷物受取り情報、言語翻訳、アクセス可能性情報、個人(同僚旅行者、旅行者と会う人など)からの個人メッセージ発信、サービスの場所、緊急/避難通知、ブランドメッセージ発信、娯楽コンテンツ、グループコーディネーション情報、図形/描画/写真コンテンツ、ビデオコンテンツ及び画像捕獲(例えば恐らく旅の間に個人が撮った写真又はビデオ、及びそれらに対する再生)のうちの1つ以上を含むことができる。
【0036】
個人からの個人メッセージ発信に関して、例えば
図1Aを参照すると、第1の旅行者16aは、恐らくサロゲートデバイス29(例えばスマートフォン、図示せず)を使用して、第2の旅行者16bに対するメッセージをMV輸送ハブ情報システム10の検知システム24に送ることができる。システムコントローラ20は、次に、メッセージの画像を第2の旅行者16bに投影するための制御信号をMVピクセル12に対して生成する。したがってMV輸送ハブ情報システム10は、1人の人によるMV表示装置11を使用した他の人との通信を許容することができる。例えば1人の人が旅行者と会い、又は旅行者をピックアップするのを待機している場合、あるいは旅行者に歓迎メッセージを送ることを希望している場合、その人は自分のサロゲートデバイス(例えば電話又はコンピュータ)を使用して、MV輸送ハブ情報システム10の共有MV表示装置11上に見えることになるメッセージを旅行者にメール送信することができる。別の例として、ビジネス旅行者又はグループ観光旅行者は、共有MV表示装置11上のコンテンツをビジネスコーディネータ又はグループコーディネータが制御することができるよう、同僚参加者の所在位置、待合せ時間及び場所などに関する情報をMV輸送ハブ情報システム10の共有MV表示装置11上で受け取ることができる。
【0037】
図1Bは、MV輸送ハブ情報システム10の別の実施態様例を示す図である。この例におけるMV輸送ハブ情報システム10は、それぞれ1つ以上のMVピクセル12から構成された3つのMV表示装置11a~11cを含み、各MVピクセル12は、異なる方向にビームレットを放出するように構成されている。MV輸送ハブ情報システム10は、第1のブロブ17a、第2のブロブ17b、及び第3ないし第6のブロブ17c、17d、17e及び17fを検出するように構成されたセンサ13a~13cをも含む。MV輸送ハブ情報システム10は、旅行者16a~16c(3人の旅行者(1)(2)(3)が示されている)の属性を受け取るように構成された入力ノード9をさらに含む。具体的には、第1の旅行者16aの第1の属性、第2の旅行者16bの第2の属性及び第3の旅行者16cの第3の属性が入力ノード9を介して受け取られている。上で説明したように、旅行者16a~16cの属性を検出又は検知する検知システム24を介した方法などの様々な方法で、それぞれの旅行者16a~16cの様々な属性を入力ノード9に入力することができる。示されている実施形態では、それぞれ3つのMV表示装置11a~11cと関連して3つのセンサ13a~13cが提供されているが、もっと多くの、あるいはもっと少ないMV表示装置及びセンサを提供することも可能である。これらのセンサ13は、それらが第1のブロブ、第2のブロブ、及び第3ないし第6のブロブ17a~17fを検出して、第1の旅行者16a、第2の旅行者16b及び第3の旅行者16cがMV表示装置11及び検知システム24が配置されている輸送ハブの物理空間を動き回る際に、それらの旅行者の存在を追跡し続けることができる限り、必ずしも何らかのMV表示装置11a~11cと関連して提供する必要はない。
【0038】
図1A及び
図1BのMV輸送ハブ情報システム10の実例システム構成を示す
図2をさらに参照すると、MV表示装置11a~11c及びセンサ13a~13cは1つ以上のプロセッサ20a、22a、24aに結合されており、これらのプロセッサは、示されている実施形態では、MV輸送ハブ情報システム10のシステムコントローラ20、コンテンツサーバ22及び検知システム24の間に接続されて分散されているが、他の実施形態では、プロセッサの機能性は異なる方式で分散させることも可能であり、あるいは単一のプロセッサの中に統合することも可能である。プロセッサ20a、22a、24aは、多くのタスクの中でも、とりわけオペレーティングシステムを実行し、様々なデバイスドライバを実行し、及び本発明の様々な実施形態に関連して使用される専用アプリケーションソフトウェアを実行することができる汎用コンピュータであってもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ20a、22a、24aは、集合的又は個別の専用プロセッサであってもよい。プロセッサ20a、22a、24aは、プロセッサアクセス可能メモリ又は記憶装置20b、22b、24bの中でデータを設定し、更新し、使用し、及び管理することができる。簡潔には、記憶装置20b、22b、24bは、数ある情報の中でもとりわけ、データ、デバイスドライバ、並びに実行されると、プロセッサ20a、22a、24aによる、本開示において説明されている様々な計算及び処理の実施を可能にする専用アプリケーションソフトウェアを記憶することができる、揮発性記憶デバイス(例えばRAM)、及び/又は不揮発性の非一時的記憶デバイス(例えばROM、EPROM、EEPROM、ハードドライブ、フラッシュドライブ又は他のソリッドステートメモリ技術、CD-ROM、DVD)である。プロセッサ20a、22a、24a内の様々な構成要素は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せによって実現することができ、各構成要素は、回路、ソフトウェアアルゴリズムを実行する汎用プロセッサ又は専用プロセッサによって部分的に、あるいは全体的に実現することができる。
【0039】
示されている実施形態における検知システム24は、プロセッサ24a、記憶装置24b及び通信インターフェース24cに結合されたセンサ13a~13cを含む。センサ13a~13cは、第1のブロブないし第6のブロブ17a~17fを検出するように構成することができ、また、第1の旅行者16aの第1の属性、第2の旅行者16bの第2の属性及び第3の旅行者16cの第3の属性、並びにMV輸送ハブ情報システム10のために使用することができる様々な他の属性、特性又はデータをも検出することができる。センサ13a~13cは、それらに限定されないが、光センサ(例えばカメラ、ビデオカメラ、赤外線センサ)、超音波センサ、音響センサ、熱画像化センサ、能動オブジェクトを追跡することができる電磁(EM:electromagnetic)監視システムセンサ、能動オブジェクトを追跡することができるGPSシステムセンサ、RFセンサ(例えばRFIDタグを問い合わせることができるリーダを含むRFIDシステム)、RF三角測量技法に基づくセンサ、レーダセンサ、相互作用センサ(例えば旅行者がいつ静止キオスクのオブジェクトと接触したかを決定する容量センサ)、運動センサ、セル電話、スマートフォン又はタブレットなどのパーソナルデバイス(例えばサロゲートデバイス29a~29c)の存在を検出し、さらにはパーソナルデバイスから情報を発見するためのセンサなどを含む任意の適切な検知技術に基づくことができる。検知システム24は独立して動作することができ、あるいは様々な属性及び特性を検出し、区別し、又は決定するために他のデータ源を利用することも可能である。例えば検知システム24は、有効範囲内の特定のセル電話を検出し、次に、外部データベースに問い合わせてユーザ(旅行者)の識別又はユーザの属性(例えば旅行日程、旅行の好み、旅行履歴、マイレージアカウント情報など)を見出すことができる。
【0040】
複数のセンサ13a~13cを互いに対して、また、MV表示装置11a~11cに対して適切に配置し、それにより第1の旅行者16a、第2の旅行者16b及び第3の旅行者16cが輸送ハブ内を移動する際に、第1のブロブないし第6のブロブ17a~17f、並びに他の属性、特性及びデータを包括的に検出することができる。例えば適切なレンズ及び照明を有する1つ以上のカメラを使用してブロブ17a~17fを検出することができる。いくつかの実施形態では、カメラは、短距離におけるカメラを介して見られている対象の深度マップを生成することができる、構造光カメラ又は飛行時間カメラなどの深度認識カメラであってもよい。次に、深度マップを処理して、見られている対象の3D表現を近似することができる。他の実施形態では、カメラは、立体カメラ及び/又はLIDARセンサであってもよい。同じタイプの、又は異なるタイプの複数のセンサ13a~13cを共に使用することができる。検知システムプロセッサ24aは、センサ13a~13cによって捕獲された画像を処理するための画像処理ソフトウェア、及び例えば各画像化されたブロブの識別を含む捕獲された画像の属性/特性を認識又は抽出するソフトウェアなどのソフトウェアアプリケーション(記憶装置24bに記憶されている)を動作させることができる。それらに限定されないが、スティッチ/登録、形態学的フィルタリング、閾値化、ピクセル集計、画像セグメント化、顔検出、エッジ検出、ブロブ発見及び操作を含む多くの画像処理技法のうちの任意の画像処理技法を使用することができる。センサ13a~13cは、顔認識システム、指紋スキャナ、網膜スキャナ、虹彩認識システムなどの、旅行者の生物測定属性を検出するように構成された生物測定スキャナを含むことも可能である。
【0041】
様々な実施形態では、検知システム24は、それぞれ旅行者16a~16cと関連付けられたサロゲートデバイス29a~29cを含む。サロゲートデバイス29a~29cを使用することにより、各旅行者の存在、位置、識別、挙動、好み、人口統計情報、旅行日程、旅行履歴、旅行の好み、マイレージアカウント情報などの旅行者属性の検出を容易にすることができる。これは、一般に、サロゲートデバイス29によって、個々の旅行者の識別、MV表示装置に対する個々の旅行者の位置の決定、及び旅行者とMV輸送ハブ情報システム10の間の通信の確立がより容易になり、それによりサロゲートデバイスを使用して取られるアクションをMV輸送ハブ情報システム10が受け取って解釈することができることによるものである。
【0042】
サロゲートデバイス29a~29cは、非制限の例として、旅行者が運ぶことができる、若しくは着用することができる(例えばチケット、通行証、バッジ、リストバンドなどに組み込まれた)通信可能/追跡可能オブジェクトとして機能するタグ(例えばQRコード(登録商標)などのパッシブパターン、点滅するIR LEDなどのアクティブ光タグ、RFIDタグなどの無線タグ、又は超音波タグ)、旅行者が運ぶことができる、若しくは着用することができる通信可能/追跡可能オブジェクトとして機能するモバイルデバイス(例えばスマートフォン及び他のモバイル計算デバイス)、旅行者を輸送することができる、空港カートなどの乗り物、又は旅行者のサロゲートとして働くことができる任意の他のタイプのマーカーであってもよい。サロゲートデバイス29は、ユーザインターフェース(例えばスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップ又はスマートウォッチ)を含むことができ、旅行者はこのユーザインターフェースを介して旅行者の属性(例えば旅程番号、マイレージアカウント情報、旅行の好みなど)をMV輸送ハブ情報システム10に入力することができる。また、ポインタデバイスなどのユーザインターフェースがないサロゲートデバイス29は、情報(例えばMV表示装置11上で旅行者に表示される旅行関連コンテンツのトリガ、変更又は調整の旅行者による指示などの旅行者の属性)をMV輸送ハブ情報システム10に入力するために旅行者によって使用され得る。別の例として、旅行者はサロゲートデバイスを使用して(例えばポインタデバイスをMV表示装置に対して移動させることによって)、MV表示装置上で旅行者に見える旅行関連コンテンツのページをスクロールダウンすることができる、あるいはフリップスルーすることができる。旅行者は、概ね4つの方法、すなわち1)キーボード、タッチスクリーン(例えば
図7Aのチェックインキオスク30のタッチスクリーン)又は個人電話若しくは他のサロゲートデバイス上のマイクロフォンなどのUIデバイス19を使用して情報/要求/好みを入力して、2)チケット21(
図7A参照)、通行証、カード、RFIDチップ又はクイックリードコードなどのサロゲートデバイスを駅若しくはキオスク(
図7Aの30)で、又はスマートフォン上のリーダ/スキャナ/カメラなどのパーソナルデバイスを使用して、スキャン又は提示して、3)サロゲートデバイス(スマートフォン、ポインタデバイス又は着用可能デバイス若しくは他の直感的デバイス)を使用して、及び4)検知システム24によって検出される際のジェスチャ又は身体位置決めを使用して、MV輸送ハブ情報システム10と動的に通信することができる。サロゲートデバイス29が使用される場合、サロゲートデバイス29は、本質的にMV輸送ハブ情報システム10のUIデバイス19として機能する。
【0043】
センサ13a~13cは、任意の適切な検知技術又は位置特定技術を使用して、あるいはBluetooth、Wi-Fi(登録商標)、セルラー、光、超音波、又はRFID技術、EM照会技術若しくはGPS技術などのプロトコルを使用して、それぞれ旅行者と関連付けられたサロゲートデバイス29a~29cと通信するように構成することができる(例えばサロゲートデバイス29a~29cから信号を受け取り、サロゲートデバイス29a~29cに問い合わせるなど)。検知システム通信インターフェース(I/F)24cは、任意の適切な通信プロトコルを使用した、センサ13a~13c、サロゲートデバイス29a~29c、検知システムプロセッサ24a及びシステムコントローラ20の間の無線通信をサポートする役割を担っている。
【0044】
輸送ハブ全体にわたる異なる旅行者を補助し、案内するために、システムコントローラ20、コンテンツサーバ22、検知システム24及びMV表示装置11a~11cは、ネットワーク設定内で、それらのそれぞれの通信インターフェース(I/F)20c、22c、24cを介して、有線ライン及び/又は無線媒体を含む任意の適切な媒体を介して、また、任意の適切なプロトコル(例えばBluetooth、Wi-Fi、セルラー、光、超音波)を介して互いに通信することができる。
【0045】
システムコントローラ20は、一般に、MV輸送ハブ情報システム10を制御して、輸送ハブの物理空間を通る複数の旅行者を補助し、案内する役割を担っている。システムコントローラ20は、MV表示装置11a~11c、検知システム24及び入力ノード9に結合されている。システムコントローラ20は、異なるブロブ17a~17fの各々に、多くの旅行者16a~16cのうちの1人を表すラベル(タグ)を付けるためのユーザタグ付けを実施するソフトウェアなどの、様々な機能を実施するためのソフトウェアアプリケーション(記憶装置20bに記憶されている)を動作させることができるプロセッサ20aを含む。システムコントローラ20は、第1のブロブ及び第2のブロブ17a/17bに基づいて、表示ゾーン座標系におけるMV表示装置11aに対して配置された第1の表示ゾーン及び第2の表示ゾーン18a/18bを画定している。システムコントローラ20は、表示ゾーン座標系と1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定している(以下で完全に説明される)。システムコントローラ20は、入力ノード9を介して受け取った第1の旅行者及び第2の旅行者16a/16bの第1の属性及び第2の属性に少なくとも基づいて、第1の旅行者及び第2の旅行者16a/16bに対する第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツをそれぞれ第1の表示ゾーン及び第2の表示ゾーン18a/18bと関連付ける。
【0046】
様々な例示的実施形態では、システムコントローラプロセッサ20aは、複数の旅行関連コンテンツから生成された複数のメッセージを含んだ複数の画像を同じMV表示装置上で複数の表示ゾーンの複数の旅行者に同時に提示するために、複数の旅行関連コンテンツを単一のMV表示装置の複数の表示ゾーンと関連付けるように構成される。したがってMV表示装置は複数の旅行者を同時に案内し、導くことができる。本明細書において使用されているように、旅行者に提示される画像は、以下でより完全に説明されるように、静止画像、画像のストリーム(ビデオ)、テキストパターン、照明パターン、又は人間の目に見えるコンテンツの任意の他の表現のうちのいずれかであってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、システムコントローラプロセッサ20aは、コンテンツサーバ22から第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツを検索することができる。簡潔には、コンテンツサーバ22は、プロセッサ22a、様々なコンテンツ(又はコンテンツ記述子あるいはコンテンツタイプ)を記憶する記憶装置22b、及び通信インターフェース(I/F)22cを含む。別法又は追加として、コンテンツサーバ22は、ライブカメラからのフィード又は同報通信局へのフィードなどの、コンテンツプロバイダからコンテンツをフィードするインターフェースを含むことができる。さらに別法又は追加として、コントローラプロセッサ20aは、コンテンツサーバ22に記憶することができるコンピュータ実行可能アルゴリズムを使用して、フライ上で第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツを生成することも可能である。
【0048】
システムコントローラプロセッサ20aは、例えば旅行者を導いて、旅行者のそれぞれの旅程に従って輸送ハブを介して誘導すること、それぞれの旅行者の好みと一致する、食物、飲み物、免税ショッピング、ホテルなどに関する宣伝を提供すること、輸送ハブの物理空間における旅行者の流れ又は分布を管理すること、旅行警報を発行することなどによって、旅行関連コンテンツ、情報、異なる旅行者のための体験を同時に決定(選択又は設計)するように構成されている。MV輸送ハブ情報システム10のシステムコントローラプロセッサ20aは、各MV表示装置11が異なる(個別化された)画像を異なる旅行者に同時に示し、それにより旅行者毎に異なるそれぞれの旅行者の旅行体験をサポートするために、1つ以上のMV表示装置11a~11c(
図1A及び
図1B参照)を制御している。
【0049】
図3は多視点(MV)表示装置11の実施形態を示したものであり、多視点(MV)表示装置11は、集合的に
図1A及び
図1BのMV輸送ハブ情報システム10を形成するために、システムコントローラプロセッサ20a及びセンサ13a~13cに結合されており、また、任意選択でUIデバイス19に結合されている。MV表示装置11は1つ以上の多視点(MV)ピクセル12を含み(示されている例では12個のMVピクセル12a~12lが含まれている)、各MVピクセル12は、
図8に追加で示されているように、異なる方向にビームレット14を放出するように構成されている。本明細書において使用されている「ビームレット」は、MVピクセルから放出される個別に制御可能なビームを意味している。
図8は、複数の方向に複数のビームレット14を放出しているMVピクセル12a~12lのうちの1つを示したものである。スクリーンの上に画像を形成するために多くの光ビームを放出する画像プロジェクタとは異なり、各MVピクセル12からのビームレット14には、複数の視聴者のそれぞれが同じMVピクセル12に由来する異なるビームレット(例えば異なる色及び輝度のビームレット)を見るよう、複数の視聴者の目に映ることが意図されている。したがって視聴者の視点から各MVピクセル12が見えることは、その視聴者がMVピクセル12を見る角度に依存する。例証を容易にするために、
図8に示されているMVピクセル12hはいくつかのビームレット14しか放出していないように示されているが、もっと多くのビームレット14、例えば数百万程度のビームレット14をMVピクセル12hから、また、他のMVピクセル12のいずれかから放出することができることを理解されたい。
【0050】
再度
図3を参照すると、MV輸送ハブ情報システム10は、動作中、第1の旅行者16の第1の属性及び第2の旅行者16bの第2の属性を受け取る入力ノード9を含む。例えばセンサ13を使用して、第1の旅行者16a又は第2の旅行者16bの第1の属性又は第2の属性を検出し、第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bの特性(例えば存在、識別、挙動など)を示す検出信号を第1の属性及び第2の属性として入力ノード9に送信することができる。システムコントローラプロセッサ20aは、センサ13a~13cによって検出された第1のブロブ17aを第1の旅行者16aに対応するものとしてラベル付け(タグ付け)し、また、センサ13a~13cによっても検出された第2のブロブ17bを第2の旅行者16bに対応するものとしてラベル付け(タグ付け)することによってユーザタグ付けを実施する。
【0051】
システムコントローラプロセッサ20aは、受け取った第1のブロブ及び第2のブロブ17a/17bの位置に基づいて、表示ゾーン座標系におけるMV表示装置11aに対して配置された第1の表示ゾーン及び第2の表示ゾーン18a/18bを画定することができる。示されている実施形態では、第1の表示ゾーン18a(「ゾーン1」)及び第2の表示ゾーン18b(「ゾーン2」)は、
図5に追加で示されているように表示ゾーン座標系40で画定されている。第1の表示ゾーン及び第2の表示ゾーン18a/18bの画定は、統合された、あるいは分散された任意の処理構成で実施することができる。例えば検知システムプロセッサ24aは、第1のブロブ17a及び第2のブロブ17bの識別された位置をそれぞれ第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bとして画定することができ、次に、入力ノード9を介してプロセッサ20aに入力することができる。
【0052】
図5は、MV表示装置11の1つ以上のMVピクセル12a~12lに対して配置された、3次元体積(例えばボックス)としてそれぞれ指定された2つの表示ゾーン18a及び18bを示したものである。各表示ゾーン18は、1つ以上のMVピクセル12a~12lによって形成された画像を見ることができる観察点を画定している。表示ゾーン18は、3次元体積(3Dにおける観察点の集合)として、2次元面積(2Dにおける観察点の集合)として、あるいは点として画定することができる。
【0053】
表示ゾーン座標系40は、例えば、デカルト座標系、又は複数の表示ゾーンが1つ以上のMVピクセルを取り囲んで配置される極座標系などの任意の適切な座標系であってもよい。任意の適切な3D空間モデリング方法を使用して、マップ、点群、ワイヤ多角形メッシュ、及びテクスチャ多角形メッシュなどの表示ゾーン座標系40を画定することができる。いくつかの実施形態では、表示ゾーン座標系40は、複数の表示ゾーン18が画定される表示領域の物理次元に基づくことができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、表示ゾーン座標系40は、MVピクセルに取り付けられた3Dセンサ(例えば深度センサ、立体カメラ)の視界内であってもよく、また、表示ゾーン座標系40は3Dセンサの3D座標系であってもよい。例えば現実の3D環境が3Dセンサ(例えば立体カメラ)によってスキャンされ、それにより複数の表示ゾーンを指定することができる3D表示ゾーン座標系40を引き出すことができる。
【0055】
他の実施形態では、表示領域は、MVピクセルに取り付けられた2Dカメラの視界内であってもよく、2Dカメラは、それぞれ複数の表示ゾーンと関連付けられる複数の旅行者を識別するためのセンサとして使用される。この場合、表示ゾーン座標系40は2Dカメラの2Dピクセル座標系に基づく。例えば
図6は、2Dカメラ(図示せず)の2Dピクセル座標系に基づくことができる実例表示ゾーン座標系40’を2Dで示したものである。この例では、2D表示ゾーン座標系40’は、1つ以上のMVピクセル12a~12lから距離Dにある平面に設定されている。点18c又は領域18dは、表示ゾーンを表すために2D表示ゾーン座標系40’で指定することができる。2D表示ゾーン座標系40’は、半球又は他の非平面表面などの平面以外の形であってもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、場合によっては、独自の視角を個々に有するそれらの点のうちの1つ以上の点で形成される、各表示ゾーンに向けられたビームレットの束を独自に識別することができるよう、2D表示ゾーン座標系40’における点毎に、MVピクセル12a~12lに対する独自の視角を有することが望ましい。その場合、2D表示ゾーン座標系40’内の複数のオーバーラップしない表示ゾーンは、ビームレットの相互に排他的な束と関連付けられることができる(あるいは相互に排他的な束によって「照射」され得る)。
【0056】
様々な技法を使用して、各旅行者/視聴者に示すための適切なコンテンツを決定することができる。例として、搭乗通行証スキャナをMV表示装置11の表示領域内又はその近傍に置くことができる。旅行者/視聴者は、スキャナで自分の搭乗通行証をスキャンすることができ、スキャナは、システムコントローラ20に通信して、たった今スキャンした旅行者/視聴者に示すべきコンテンツを決定することができる。例えば旅行者/視聴者は、例えば
図1A及び
図1Bに示されているように、それらのフライト情報、それらのゲートへの目的地案内誘導方向、搭乗までの時間、アップグレード要求状態又はフライト遅延通知を見ることができる。システムコントローラ20は、決定されたコンテンツをスキャナの前に立っている検出されたブロブ17と関連付けることができる。次に、旅行者/視聴者が移動すると、検知システム24及びシステムコントローラ20は、引き続き視聴者のブロブ17にそれらのコンテンツのタグを付けることができ、したがって視聴者は、共有MV表示装置11上でそれらの個別化されたコンテンツを引き続いて見ることになる。
【0057】
図7Aは、空港に配置された静止キオスク30(例えばチェックインキオスク)の形態の実例UIデバイス19を示したものであり、実例UIデバイス19は、タッチパッドスクリーン31及びチケットスキャナ13dを含む。第1の旅行者16aは、搭乗通行証21をスキャンするために、スキャナ13dのすぐ前に配置された登録領域33に立っている。タッチパッドスクリーン31は、第1の旅行者16aに情報を出力し/表示することができ、また、タッチパッドエントリを介して、第1の旅行者16aの様々な属性などの情報を入力し/受け取ることができる。チケットスキャナ13dは搭乗通行証21を読み取り、それによりシステムコントローラ20は、旅行者の識別、挙動、旅程、旅行履歴、旅行の好みなどの第1の旅行者16aの1つ以上の属性を決定し、検索し、あるいは識別することができる。
図7Aでは、検知システム24は、登録領域33に立っている第1の旅行者16aの人間の形をした画像に基づいて第1のブロブ17aを検出している。第1の旅行者16aが搭乗通行証21をスキャンする前は、システムコントローラには第1のブロブ17aの識別が未だ分かっていない。第1の旅行者16aが搭乗通行証21をスキャンすると、システムコントローラ20は、搭乗通行証21に基づいて旅行者16aの識別を決定することができる。システムコントローラは、次に、搭乗通行証21がスキャンされると、キオスク30の前の登録領域33に立っているのが誰であっても、搭乗通行証21で識別された旅行者本人である可能性が最も高い仮定に基づいて、第1のブロブ17aを第1の旅行者16aに対応するものとしてラベルを付ける(タグを付ける)ことによってユーザタグ付けを実施する。したがってユーザタグ付けは、この事例では、登録プロセス(例えば搭乗通行証スキャンプロセス)を介して旅行者の識別が決定されると、登録領域33で、旅行者の1つの属性である、決定された旅行者の識別のタグをブロブに付けることによって実施される。検知システム24を使用しているMV輸送ハブ情報システム10は、第1の旅行者16aが登録領域33から移動して出た後、追跡されているブロブに第1の旅行者16aの識別のタグを連続的に付けている間、第1の旅行者16aの動きを連続的に追跡することができる。例えば
図1Bに示されているように、検知システム24は、システムコントローラ20が全てのブロブ17a、17c及び17dに第1の旅行者16aのタグを連続的に付けている間、その第1の旅行者16aと関連付けられたブロブの位置を、位置1における第1のブロブ17aから、位置2における更新された第1のブロブ17cに、位置3におけるさらに更新された第1のブロブ17dに更新する。システムコントローラ20は、旅行者の表示ゾーンの位置をも連続的に更新することができ、したがって旅行者は、それらの個別化されたコンテンツを連続的に見ることができる。
【0058】
上で説明した実施形態では、登録領域33は、表示ゾーン座標系40で画定することができる。搭乗通行証21がスキャンされていることをシステムコントローラ20が検出すると、システムコントローラは、そのスキャンによって決定された属性、プロファイル又はコンテンツを登録領域33内でブロブと関連付けることができる。
【0059】
コンテンツ関連付けのための代替技法は、ユーザインターフェースデバイス19を介したユーザ入力に基づく技法である。例えば旅行者/視聴者は、
図7AのPC又はタッチスクリーン31を備えた静止キオスク30を使用してそれらの情報又は好みを輸送ハブ情報システム10に入力することができる。一実施形態では、タブレットインターフェース31は1組の言語選択を提供することができ、視聴者は、共有MV表示装置11上に見えることになるコンテンツの言語を選択することができる。別の実施形態では、ユーザインターフェース19により、視聴者は、レストラン、ラウンジ又はトイレなどの目的地案内誘導方向のための空港位置操作に必要な情報を入力することができる。
【0060】
コンテンツ決定のための別の技法は、検知システム24に組み込まれた指紋スキャナ、網膜スキャナ、虹彩認識システム又は顔認識システムなどの生物測定システムである。視聴者のコンテンツはデータベースに記憶することができ、また、視聴者の生物測定特徴と関連付けることができる。生物測定システムは、視聴者が輸送ハブ情報システム10と係合したいと思うたびに、それらの好みを再入力し、あるいはチケット21をスキャンする必要がないよう、再取得する方法として使用することができる。例えば視聴者は、スキャナ13dでそれらの搭乗通行証21をスキャンすることができ、また、それらの顔を顔認識システムに登録することができ、また、システムコントローラ20は、スキャンされた搭乗通行証21に対するコンテンツを顔生物測定プロファイルと関連付けることができる。
【0061】
さらに別の例示的技法は、関連する局所化システムを有するモバイルデバイスの使用である。例えばWi-Fi若しくは超広帯域三角測量、Bluetoothをベースとする技法(例えば飛行時間、信号強度又は到来角を介した測距、信号強度指紋採取を介した局所化)、又は超音波技法を使用して、環境中のモバイルデバイス(すなわち旅行者サロゲートデバイス29)の位置を見出すことができる。局所化システムによってイネーブルされるスマートフォンを有する視聴者は、それらの好みに署名し、あるいはそれらの好みをモバイルアプリケーションに入力することができる。システムコントローラ20は、モバイルデバイスに最も近い視聴者/旅行者を、入力された好みから決定されたコンテンツと関連付けることができる。このようなシステムでは、モバイルデバイスの位置はモバイルデバイス座標系で画定することができ、また、モバイルデバイス座標系とビームレット座標系及び/又は表示ゾーン座標系との間のマッピングは、校正手順を介して決定することができる。視聴者関連付け(すなわちユーザタグ付け)のためのモバイルデバイスは、最近傍マッチング技法、組合せ最適化技法、機械学習アルゴリズムを使用して訓練された分類子、動的時間ワーピング技法又は他の技法を使用して決定することができる。簡潔には、動的時間ワーピングは、時間で変化する2つの量の間の一時的な相関の量を決定するための技法である。動的時間ワーピング技法は、2つの量の間の類似性スコアを、それらの2つの量の時間による変化が如何に同じように見えるかに基づいて計算し、その計算には、その変化は厳密に同じ時間に、又は同じ速度で生じ得ないことがある程度考慮されている。これらの同じ技法をも使用して、複数の局所化システムからの結果を融合し、より良好な関連付け精度を得ることができる。
【0062】
再度
図2を参照すると、システムコントローラプロセッサ20aは、第1のブロブ17aを第1の旅行者16aの属性(例えば識別、挙動、サロゲートデバイスなど)と関連付け、また、第2のブロブ17bを第2の旅行者16bの属性(例えば識別、挙動、サロゲートデバイスなど)と関連付けるユーザタグ付け能力を自動的に改善し、強化するために、機械学習システム(例えば機械学習エンジン)20dを含むことができ、あるいは機械学習システム(例えば機械学習エンジン)20dに結合することができる。本開示で説明されている学習/推論システム及び機械は、機械学習、人工知能、人工ニューラルネットワーク(ANN:artificial neural networks)、確率的推論エンジン、加速器などの技術的名称で分類することができる。例えばANNモデルは、異なる領域におけるアプリケーションのために適切に訓練することができ、例えばANNは、人間活動認識(Human Activity Recognition)の場合のように(例えばセンサ)信号処理のために、また、多くの他の学習ベースタスクのために使用することができる。コンピュータビジョン及び信号処理アプリケーションなどの知られている分類問題は、深層畳み込みニューラルネットワーク(DCNN:deep convolutional neural networks)、ファジー論理機械などの学習/推論機械の使用から利点を得ている。
【0063】
例えばDCNNは、大量のデータを処理し、また、近似的に関連する特徴をデータ内で合成し、データに関する広範囲の予測を実施し、信頼できる結論及び新しい合成に基づいて予測を洗練することによって適応的に「学習する」コンピュータベースツールである。DCNNは複数の「層」で配置され、異なるタイプの予測が各層で実施される。
【0064】
例えば顔の複数の2次元写真がDCNNへの入力として提供されると、DCNNは、縁、曲線、角度、斑点、色コントラスト、明るいスポット、暗いスポットなどの顔の様々な特性を学習することになる。これらの1つ以上の特徴がDCNNの1つ以上の第1の層で学習される。次に、DCNNは、1つ以上の第2の層で、目、眉毛、額、髪の毛、鼻、口、頬などの顔の様々な認識可能特徴を学習することになり、これらの特徴の各々を他のあらゆる特徴から区別することができる。すなわちDCNNは、学習して認識し、鼻又は他のあらゆる顔特徴から目を区別する。DCNNは、1つ以上の第3の層、及び後続する層で、顔全体、及び人種、性別、年齢、感情的状態などのより高次の特性を学習する。
【0065】
例えば機械学習システム20dは、機械学習モデルを使用して、検知システム24のモバイルデバイス局所化システム(例えばBluetooth)によってモバイルデバイス座標系で検出されたモバイルデバイスをそれぞれの旅行者16のブロブと関連付けるための1つ以上のモデルを訓練することができる。具体的には、機械学習モデルは、その所有者の識別が分かっている、検知システム24によって検出された特定の「ブロブ」によって保持されている可能性が高い特定のモバイルデバイスを選択することができ、それにより異なるモバイルデバイスをそれぞれ異なる「ブロブ」と突き合わせることができる。
【0066】
典型的な(教師あり)機械学習手法は、何らかの種類の入力を取り、その入力に対応する出力を生成する一般数学的関数の作成を含む。モデルは多くの自由パラメータを含み、これらの自由パラメータは、モデルが所与の入力に対する正しい出力をより正確に予測することができるよう、調整することができる。多くの既知の入力-出力対が与えられると、訓練アルゴリズムは、予測された出力と真の出力(所与の入力に対する)の間の相違が全ての対にわたって可能な限り小さくなるよう、パラメータを調整する。これは、典型的な数学的最適化アルゴリズムを使用して実施される。
【0067】
使用されているセンサデータのタイプに応じていくつかの異なるモデルを使用することができる。例えば1手法は、特定の時間点におけるブロブ位置のリスト、及び同じ時間点における電話位置(サロゲートデバイス位置)のリストを入力すること、並びにそれらの2つの間の対応関係のリストを出力することを含むことができる。別の手法は、特定の時間点におけるブロブ位置のリスト、及び電話センサデータ点(例えばBluetooth/Wi-Fi RSSI値)のリストを入力することを含むことができる。いずれの手法も、2つのデータセットの間の時間修正によって突き合わせのための追加情報を提供することができるよう、複数の時間点にわたるデータを入力することによって拡張することができる。さらに別の手法は、単一のブロブが一定の時間期間にわたって移動した経路、及びその同じ時間期間にわたる電話センサからの値を入力すること、また、類似性スコアを出力することを含むことができる。この場合、所与のブロブ経路に対して最も高い類似性スコアを有する電話センサデータが、最も可能性が高い対応する電話であり得る。あらゆる事例において、入力データ中に符号化された情報のタイプが、対応関係の正確な予測子を決定するために使用する機械学習アルゴリズムに対して利用することができる情報を決定する。実際のモデル構造は、データタイプによって決定される(例えば時系列データのための再帰型ニューラルネットワーク、空間データのための畳み込みニューラルネットワークなど)。
【0068】
訓練のための入力-出力対は物理的ハードウェアから獲得することができる。例えば制御された条件の下で、所望のブロブ追跡システム及び電話追跡システムを単純に同時に動作させることができる(例えばどの電話がどのブロブと一致するかを知ることが単純である場合)。シミュレーション技法を使用して追加データを生成することも可能である。ハードウェアから収集された物理的データは、例えば不良入力-出力対を生成するために、雑音を使用して人工的に破壊させることができる。ブロブ追跡システム及び電話追跡システムのモデルを使用して完全な合成データを生成することも可能であり、これは、シナリオの数及び収集することができるデータの量を著しく増すことになる。
【0069】
図11は、一実施形態による、機械学習技法を使用して検知された「ブロブ」をそれぞれ異なる旅行者の異なるサロゲートデバイスに対応するものとしてラベルを付ける(タグを付ける)ための実例ユーザタグ付けプロセスを示す流れ図である。ユーザタグ付けプロセスは、上で説明したコントローラプロセッサ20aの機械学習システム20dによって実現することができる。
【0070】
ユーザタグ付けプロセスは概ね5つのステップを含む。ステップ111は、第1のブロブの第1の位置及び第2のブロブの第2の位置などの旅行者に対するブロブ位置を受け取るステップを含む。
【0071】
ステップ112は、デバイス追跡システムから決定されるサロゲートデバイスの位置、生センサデータなどの旅行者サロゲートデバイスの属性を受け取るステップを含む。
【0072】
ステップ113は、ブロブ位置及びデバイス属性(例えばデバイス位置)をモデル実施態様によって決定される機械学習モデルによって期待される特徴ベクトルの中に配置するステップを含む。
【0073】
ステップ114は、機械学習モデルへの入力として特徴ベクトルを提供するステップを含む。
【0074】
ステップ115は、ブロブをそれらの対応するサロゲートデバイスと関連付けるために、ブロブ位置をデバイス位置などのデバイス属性に割り当てるステップを含む。
【0075】
図12は、一実施形態による、ユーザタグ付けを実施して、検知された「ブロブ」をそれぞれ異なる旅行者の異なるサロゲートデバイスと関連付けるための機械学習装置の略図である。示されている実施形態では、特定の時間点120-1…120-Nにおけるブロブ位置のリスト、及び同じ時間点122-1…122-Nにおけるサロゲートデバイス属性(例えばサロゲートデバイス位置又はサロゲートデバイスセンサデータ点)のリストが、多くの層を含むことができる機械学習モデル124に入力される。機械学習モデル124は、他の対応するアルゴリズム(例えば最近傍マッチングアルゴリズム、動的時間ワーピングアルゴリズム、組合せ最適化アルゴリズムなど)に置き換えることも可能であり、あるいはそれらによって補足することも可能である。機械学習モデル124は、次に、示されているように2つの126の間の対応関係のリスト、すなわち「ブロブ-デバイス」対応関係のリストを出力する。
【0076】
機械学習技法は、検知システム24によって検出されたブロブ17a~17nをそれぞれ旅行者16a~16cの属性(例えば所有者が分かっているサロゲートデバイス)と突き合わせるために、単独で、あるいは他のユーザタグ付け技法と関連して使用することができる(
図1A参照)。例えば
図7Aに示されているように、ユーザタグ付けは、旅行者は、それらの搭乗通行証をスキャンするために登録領域33内に立っているはずである、という仮定に基づいて、登録領域33で検知された第1のブロブ17aがスキャンされた搭乗通行証21で識別された第1の旅行者16aと関連付けられるよう、第1の旅行者16aが静止キオスク30でそれらの搭乗通行証21をスキャナ13dを使用してスキャンすることによって実施することができる。この技法は仮定に基づいているため、機械学習技法を追加使用して、検知システム24によって収集され、記憶装置24bに記憶された大量の訓練データに基づいてユーザタグ付け精度をさらに改善することができる。
【0077】
視聴者に示されるコンテンツは、視聴者の挙動の解析に基づいて決定することができる。例えば視聴者がゲートから出ると、MV輸送ハブ情報システム10は、その視聴者が飛行機、列車などから降りて、到着コンテンツを見たいと思っていることを仮定することができる。
【0078】
検知システム24のセンサ13a~13nを使用して、視聴者/旅行者16の挙動などのそれらの属性を検出し、検出した属性を
図3に示されているように入力ノード9を介してプロセッサ20aに送ることができる。
【0079】
図7Bは、例えば検出された、人間の形をした、その識別が分かっていない画像に基づいて第1のブロブ17a及び第2のブロブ17bを検出することができる実例センサ13を示したものである。センサ13は、第1の旅行者16aによって保持されている、センサ13によって読み取ることができるタグを含む第1の搭乗通行証21aなどの第1の旅行者サロゲートデバイスを識別する(例えば検出する)ことも可能である。第1の搭乗通行証21a又は第2の搭乗通行証21bの位置はシステムコントローラ20によって検出又は計算することができる。システムコントローラ20は、第1のブロブ17aに第1の旅行者16aの属性(例えば識別)のタグを付けることによってユーザタグ付けを実施することができ、識別は第1の搭乗通行証21aから決定され、また、同様に第2のブロブ17bに第2の旅行者16bの属性(例えば識別)のタグを付けることによってユーザタグ付けを実施することができ、識別は第2の搭乗通行証21bから決定される。
【0080】
示されている
図7Bの例では、MV輸送ハブ情報システム10は、ユーザタグ付けを実施して第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bの位置を識別した後、識別された位置に基づいて第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bを画定することができる。例えば点、2Dの形及び/又は3Dの形を検出された各旅行者16に割り当てることができ(例えば旅行者16を取り囲んでいる3Dボックス)、また、その後に、割り当てられた点、2Dの形及び/又は3Dの形を使用して、旅行者16のための表示ゾーン18を画定することができる。旅行者16a/16bの位置に基づいて複数の表示ゾーンを指定する処理は、センサ13のプロセッサ及び/又はMV輸送ハブ情報システム10のシステムコントローラプロセッサ20aによって実施することができる。
【0081】
さらなる実施形態では、センサ13は、音響(例えば旅行者又は旅行者サロゲートによってもたらされる会話又は他の音)、温度(例えば旅行者又は旅行者サロゲートから放出される熱)などの表示ゾーンの他の属性を識別する(例えばピックアップする)ように構成することができる。識別された属性は、表示ゾーンのための適切な旅行関連コンテンツ(例えば高温表示ゾーンにいる旅行者のために選択され/生成された冷たい飲み物の宣伝)を選択し、あるいは生成するために、例えば以下で説明されるプロセッサ20aのゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36によって使用され得る。一例として、センサ13(例えば赤外線センサ、カメラなど)は、旅行者の体温、又は窮迫若しくは病気の他の症状若しくは徴候などの属性をピックアップし、処理し、又は解析して、病気であるかもしれない旅行者を識別することができる。別の例として、センサ13は、疾病管理及び予防を実現するために様々な旅行者属性を収集することができる。例えばセンサ13は旅行者属性を収集して、旅行者がマスクをしているか、社会的距離を維持しているか、他の安全プロトコルを遵守しているかなどを検出することができる。また、MV輸送ハブ情報システム10は、疾病管理及び予防を実現する一環として、記憶装置20b、22b及び24bに記憶されている医療記録、予防接種検証、曝露追跡データベースなどにアクセスすることも可能である。次に、システムコントローラ20は、個人化を基本として、MV表示装置11を介して適切なメッセージ発信を体系化し、各旅行者に送って、より安全で、かつ、より健康的な旅行状態を促進することができる。
【0082】
図8は、デカルト座標系及び極座標系などの任意の適切な座標系であってもよい1つ以上のビームレット座標系42を概略的に示したものである。MXピクセル12のビームレットはビームレット座標系42を使用して画定することができ、また、それぞれ複数のMVピクセル12a~12hに対して複数のビームレット座標系を構成することができる。ビームレット座標系42は、MVピクセル12から放出された、特定の伝搬経路を辿るビームレットの各々を識別している。例えば各ビームレットの伝搬経路は、MVピクセル内のビームレットの原点及びその伝搬方向を画定している(単位)ベクトルによって画定することができ、あるいはビームレットによって形成される方位α角及び高度β角などの角度の組合せによって特性化することができる。さらなる例として、各伝搬経路を形成する1組のデータ点を指定する点群方法、あるいは各伝搬経路を形成する1組のボクセル(単位x-y-z次元を有する体積)を指定するボクセルデータ方法などの任意の適切な3D空間モデリング方法を使用して、ビームレット座標系42におけるビームレットの伝搬経路を画定することも可能である。3Dマップ、ワイヤ多角形メッシュ及びテクスチャ多角形メッシュなどの他の3Dモデリング方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、
図8に示されているように、ビームレット座標系42は、各MVピクセル12a内のビームレットの原点15a、15b、15c・・・によってビームレットの各々を明瞭に識別し、各ビームレットの原点は、その伝搬経路と暗黙的に関連付けられている。他の実施形態では、ビームレット座標系42は、ビームレットの伝搬経路の各々を明瞭に識別することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、各ビームレットの伝搬経路は、1つ以上のMVピクセルの幾何学モデルに基づいて見出すことができる。例えばMVピクセルのビームレットの間の幾何学的定義及び関係は、校正測定を介して工場で見出すことができ、あるいはMVピクセルに含まれているレンズの既知の半径方向の歪みなどの、MVピクセルの光-機械設計から推論することができる。様々な実施形態では、各MVピクセル内のビームレット(例えばビームレット源)は幾何学的アレイ(例えば2Dアレイ、円形アレイ)で配置される。幾何学的アレイで配置されたビームレットの伝搬経路は、それらに限定されないが、線形補間、線形外挿、非線形補間、非線形外挿、テイラー級数概算、基準フレームの線形変化、基準フレームの非線形変化、多項式、球形及び/又は指数モデル、並びに三角法操作を含む任意の適切な数学的技法を使用して幾何学的に画定することができる。特定の例として、選択されたビームレットの伝搬経路が幾何学的に画定されると、適切な補間技法を使用して、これらの幾何学的に画定されたビームレット間のビームレットの伝搬経路を見出すことができる。他の実施形態では、各ビームレットの伝搬経路は、(例えば各MVピクセル上のビームレットを選択的にターンオン及びターンオフすることによって)MVピクセル上にパターンを明滅させ、それにより全てのビームレットを独自に符号化し、また、MVピクセルの表示領域内に置かれたカメラを使用して、明滅するパターンの画像を捕獲することによって見出すことができる。次に、捕獲された画像をビームレット座標系42の上にプロットし、それによりビームレットのそれぞれの伝搬経路を幾何学的に画定することができる。それらに限定されないが、グレイコードパターン、非ゼロ復帰(NRZ:non-return-to-zero)デジタルシーケンス、振幅シフトキーイング(ASK:amplitude-shift-keyed)ビット、最長シーケンス及びシフトレジスタシーケンスを含む様々な符号化パターンを明滅パターンとして使用することができる。
【0084】
ビームレット14は、それらの放出の方向を示す矢印を有する単純な線として添付の図に示されているが、ビームレット14は、角度成分を有することができ、また、任意の形にすることができる。したがって単純な線としてのビームレットの特性化は近似であり、いくつかの実施形態では有効なモデルであるが、他の実施形態では、ビームレットは、例えばサーチライトからのビームに類似した形状を有するものとしてモデル化することができる。様々な例示的実施形態では、各ビームレット14は、旅行者の両目がビームレット14内にあることが予期され、また、ビームレット14が旅行者の両目に入射するよう、十分に広く/大きい。したがって旅行者は、両目で同じビームレット14(例えば同じ色及び輝度)を見る。他の実施形態では、各ビームレット14は、2つの異なるビームレット14が旅行者のそれぞれ2つの目に入射するように個別に制御されるよう、十分に狭く/小さい。この場合、旅行者は、恐らく異なる色及び/又は輝度の2つのビームレット14を旅行者のそれぞれ2つの目で見る。
【0085】
次に
図2及び
図4を参照すると、プロセッサ20aは、プロセッサアクセス可能メモリ20b/35の中でデータを設定し、更新し、使用し、及び管理することができ、プロセッサアクセス可能メモリ20b/35はプロセッサ20aの一部として示されているが、いくつかの実施形態ではプロセッサ20aの外部に提供することも可能である。メモリ35は、
図4では単一のデバイスとして示されているが、様々な実施形態では、メモリ35は複数の記憶デバイスに分割することも可能である。
【0086】
プロセッサ20aは、検知システム24を介して第1のブロブ17aの第1の位置及び第2のブロブ17bの第2の位置を受け取り、また、入力ノード9を介してそれぞれ第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bの第1の属性及び第2の属性を受け取る。プロセッサ20aは、ユーザタグ付けを実施して、第1のブロブ17aに第1の旅行者16aの第1の属性のタグを付け、また、第2のブロブ17bに第2の旅行者16bの第2の属性のタグを付ける。プロセッサ20aは、第1のブロブ17aに基づいて第1の表示ゾーン18aを表示ゾーン座標系に画定し、また、第2のブロブ17bに基づいて第2の表示ゾーン18bを表示ゾーン座標系に画定する。
【0087】
プロセッサ20aは、第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bの第1の属性及び第2の属性に基づいて、第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツをそれぞれ第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bと関連付ける。これは、複数のコンテンツ自体を複数の表示ゾーン18a及び18bと関連付けるか、あるいは複数のコンテンツプロバイダ(例えばライブストリームソース、旅行コンテンツのケーブルチャネル)又は複数のコンテンツタイプなどの複数のコンテンツ記述子を複数の表示ゾーン18a及び18bと関連付けることによって実施することができる。
【0088】
プロセッサ20aは、表示ゾーン座標系40(
図5)と1つ以上のビームレット座標系42(
図8)の間で変換するマッピングを決定する(例えば識別、アクセスする)。様々な実施形態では、表示ゾーン座標系40と1つ以上のビームレット座標系42の間のマッピングが生成され、プロセッサ20aがアクセスすることができるメモリ35に記憶される(又は事前に記憶される)。他の実施形態では、プロセッサ20aは、実時間校正プロセスを使用して、ランタイムの間に表示ゾーン座標系40と1つ以上のビームレット座標系42の間のマッピングを生成することができる。
【0089】
マッピングは、テーブル又は1つ以上の変換関数で表現された数学的関係などの様々な形態のうちの任意の形態を取ることができる。いくつかの実施形態では、マッピングは、表示ゾーン座標系40で、また、1つ以上のビームレット座標系42で画定された参照証印(例えば点、線、形)の登録に基づくことができる。例えば1つ以上のMVピクセル12に取り付けられた第1のカメラは、MVピクセル12の表示領域内23の画像を捕獲するために使用される。第2のカメラ及び光源(例えばLED)を含む登録デバイス(図示せず)が表示領域に置かれ、光源が明滅され、MVピクセル12の第1のカメラによって捕獲される。第1のカメラによって画像化される際の表示領域における明滅光の位置は、(第1のカメラの座標系に基づき得る)表示ゾーン座標系40における基準としての役割を果たすことができる。符号化するパターン(例えばグレイコードパターン、非ゼロ復帰(NRZ)デジタルシーケンス、振幅シフトキーイング(ASK)ビット、最長シーケンス、シフトレジスタシーケンス)は、各MVピクセルから放出された全てのビームレットを独自に符号化するために、(各MVピクセル上のビームレットを選択的にターンオン及びターンオフすることによって)1つ以上のMVピクセル上で明滅する。表示領域に置かれた登録デバイスの第2のカメラによって捕獲される各MVピクセルからのビームレットを識別して(各ビームレットは独自に符号化されているため)、ビームレット座標系42における基準として使用することができる。登録デバイスを表示領域内の異なる位置に移動させて同じプロセスを反復し、それにより表示ゾーン座標系40における1組の基準、及びビームレット座標系42における1組の基準を獲得することができる。2つの座標系40と42との間で変換するマッピングを見出して、この2つの座標系におけるこれらの2組のセットの基準を登録し、整列させ、さもなければ相関させることができる。自動3D点群登録などの画像処理における任意の他の登録技法をも使用して登録を実施することも可能である。
【0090】
図9Aに示されているように、複数のコンテンツから生成された複数の画像(「画像1」及び「画像2」)の各々に対して、プロセッサ20aは、上で決定された(例えば識別され、アクセスされ、生成された)マッピングを使用(適用)して、1つの表示ゾーン18に向けられたMVピクセル12a~12lの各々からのビームレットの束14を識別して画像を形成する。示されているように、各束52a又は52bは、各旅行者の脳に「画像1」又は「画像2」を形成するために、瞳孔28a’又は28b’に「当たり」、また、旅行者16a又は16b(2つの目を有するようにそれぞれ示されている)の網膜28a”又は28b”に広がったビームレット14を含む。旅行者16a’の脳に1つの画像「画像1」を形成するために1つの表示ゾーン18a内の瞳孔28a’に向けられたビームレット14の束52aは、旅行者16b’の脳に別の画像「画像2」を形成するために別の表示ゾーン18b内の瞳孔28b’に向けられたビームレット14の束52bとは異なる。
図3に示されているように、プロセッサ20aは、MVピクセル12a~12lのための制御信号54を出力している。制御信号54は、対応する画像を対応する表示ゾーン18に投影するために、各束52のビームレット14の各々の色及び輝度(及び必要に応じて任意の他の画像化パラメータ)を定義している。MVピクセル12a~12lは、プロセッサ20aからの制御信号54に応答して、複数の画像をそれぞれ複数の表示ゾーンに投影する。
【0091】
図9B及び
図9Cは、MVピクセル12a~12lが、2つの表示ゾーンに配置された2人の異なる旅行者のための2つの異なる画像を形成するように機能する例を示したものである。
図9B及び
図9Cでは、各MVピクセルは2つのセクション(例えば12a-1及び12a-2)に分割され、第1のセクション(12a-1、12b-1、12c-1など)は、第1の旅行者16a(より具体的には第1の旅行者の目28a)が位置している第1の表示ゾーンに向けられたビームレットを放出し、一方、第2のセクション(12a-2、12b-2、12c-2など)は、第2の旅行者16b(又は第2の旅行者の目28b)が位置している第2の表示ゾーンに向けられたビームレットを放出することが仮定されている。制御信号54は、対応する画像を対応する表示ゾーンに投影するために、各束のビームレット14の各々の色及び輝度を定義している。
【0092】
図9Bでは、長方形のパターン(12a~12d、12e、12h、及び12i~12l)を形成する10個のMVピクセルの第1のセクションは、第1の旅行者16aがパターン1を有する画像1を見るよう、「斜線」で表された色及び輝度を有するビームレットを第1の旅行者16aの目に対して放出している。6個のMVピクセル(12b~12c、12f~12g、12i及び12l)の第2のセクションは、第2の旅行者16bが画像1のパターン1とは異なるパターン2を有する画像2を見るよう、「斑点」で表された色及び輝度を有するビームレットを第2の旅行者16bに対して放出している。
【0093】
図9Cでは、12個の全てのMVピクセル(12a~12l)の第1のセクションは、第1の旅行者16aが赤い画像1を見るよう、「R」で表された色及び輝度を有するビームレットを第1の旅行者16aの目に対して放出している。12個の全てのMVピクセル(12a~12l)の第2のセクションは、第2の旅行者16bが緑の画像2を見るよう、「G点」で表された色及び輝度を有するビームレットを第2の旅行者16bに対して放出している。
【0094】
これらの例の各々において、1つの表示ゾーンに「当たる」ことになるビームレット14の束が識別され、その束のビームレットの各々の色及び輝度は、その表示ゾーンにおけるコンテンツに基づいて画像を形成するよう、表示ゾーンと関連付けられたコンテンツに対応するように制御信号54によって設定される。
【0095】
本明細書において使用される場合、「画像」は、1つ以上のMVピクセル12からの照明のパターンによってもたらされるもの全てを意味している。照明のパターンは、各MVピクセル12から放出されるビームレットの各々をターン「オン」若しくはターン「オフ」すること、並びに/又はビームレットの各々の色及び輝度(強度)を制御することによって生成される。画像の非制限の例は、静止画像、画像のストリーム(例えばビデオ)、テキストパターン(例えばメッセージ、サイネージ)、照明パターン(例えば異なる速度若しくは変化する速度で、異なる輝度/薄暗さのレベルで、異なる輝度/薄暗さの増加率若しくは減少率などで、個別に若しくは集合的に明滅し、点滅し、さもなければターン「オン」及びターン「オフ」するビームレット)、及び人間の目に見えるコンテンツの任意の他の表現のうちのいずれか1つ又は組合せを含む。
【0096】
MV表示装置11は、単一のピクセル又は従来の表示装置フォーマットで配列されたピクセルのアレイからなっていてもよく、あるいは不規則に置かれた、例えば輸送ハブの内部構造の輪郭に従うことができるピクセルのアレイからなっていてもよい。
【0097】
各MVピクセル12は、様々な色及び輝度の光線を同時に投影することができる。同様に、各MVピクセルは、いくつかの方向に光を同時に向けることができ、他の方向には光を全く示さない。MVピクセルは小さいプロジェクタに類似していてもよく、又は表示装置パネル上のレンズからなっていても、あるいは本明細書に組み込まれている、「DISPLAY SYSTEM AND METHOD FOR DELIVERING MULTI-VIEW CONTENT」という名称の同一出願人による米国特許第10,269,279号に記載されているように、同じMVピクセル又はMVピクセルのアレイから異なる視覚情報を異なる方向に同時に送る所望の効果を達成することができる任意の様々な技術からなっていてもよい。この方法によれば、各ピクセルの色及び輝度、又は光の使用あるいは光がないこと、又は明滅若しくは減衰及び増強、又は色間の交番などの他の特性は、MVピクセルに対する旅行者の位置に依存し得る。MVピクセルが赤い色を右に投影し、緑の色を左に投影する場合、同じMVピクセルを同時に観察する旅行者は、その旅行者がMVピクセルのどちら側に立っているかに応じてそれぞれ異なる色を見ることになる。同様に、MVピクセルは光を1つの方向にだけ照らすことができ、したがってある場所に立っている人は光を見て、別の場所に立っている人は暗がりを見る。さらに、MVピクセルは、位置毎に異なる割合で、明滅して見え、又は輝度を減衰及び増強させることができ、あるいは色間で交番させることができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、制御信号54は、色及び輝度に加えて、分光組成、偏光、ビームレット形状、ビームレットプロファイル、フォーカス、空間コヒーレンス、時間的コヒーレンス、及び他のビームレットとの重複などの、各MVピクセル12からのビームレット14の各々の他のパラメータを定義することができる。具体的には、ビームレットは、通常は鋭いエッジを有することはなく、したがって隣接するビームレットはいくらか重複することがある。重複の程度はビームレットパラメータのうちの1つによって制御され得る。
【0099】
MVピクセル12のための制御信号54は、有線及び/又は無線媒体を含む任意の適切な媒体を介して、また、任意の適切なプロトコル(例えばBluetooth、Wi-Fi、セルラー、光、超音波)を介してプロセッサ20aから出力することができる。
【0100】
図4は、一実施形態によるMV輸送ハブ情報システム10のプロセッサ20aの詳細を示したものである。
図4のプロセッサ20a内の様々な構成要素32、34、36及び38は、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアの組合せによって実現することができ、また、各構成要素は、回路、ソフトウェアアルゴリズムを実行する汎用プロセッサ又は専用プロセッサによって、部分的に又は全体的に実現することができる。
【0101】
プロセッサ20aは、入力ノード9を介して、第1の旅行者16aの第1の属性及び第2の旅行者16bの第2の属性を受け取る。
【0102】
プロセッサ20a内では、表示ゾーンプロセッサ32は、第1の属性及び第2の属性を処理して第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bを画定する役割を担っている。いくつかの実施形態では、入力ノード9を介して受け取られる第1の属性及び第2の属性は、オペレータによってUIデバイス19上の表示ゾーン座標系40に明示的に画定される際の、第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bの仕様であってもよい。他の実施形態では、入力ノード9を介して受け取られる第1の属性及び第2の属性は、センサ13によって識別される際の複数の旅行者16a及び16bの位置であってもよい。これらの実施形態では、表示ゾーンプロセッサ32は、複数の旅行者の識別された位置を受け取り、また、識別された位置の各々に対応する点、2Dの形又は3Dの形を画定することなどにより、識別された位置に基づいて複数の表示ゾーン18を画定するための必要な処理を実行する。表示ゾーンプロセッサ32は、センサ13によって識別される際の複数の旅行者(恐らくサロゲートデバイス29と関連付けられている)の位置を処理(例えば認識)するために、スティッチ/登録、形態学的フィルタリング、閾値化、ピクセル集計、画像セグメント化、顔検出、エッジ検出、並びにブロブ発見及び操作などの多くの画像処理技法のうちの任意の画像処理技法を使用することができる。
【0103】
様々な実施形態では、表示ゾーンプロセッサ32によって画定された複数の表示ゾーンは、プロセッサ20aの様々な構成要素によるアクセスが可能なメモリに記憶することができる。
【0104】
関連付けアプリケーションを動作させるゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36は、入力ノード9を介して受け取った複数の属性に少なくとも基づいて、また、追加として及び選択的に、ゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36によるアクセスが可能なさらなる属性及びデータに基づいて、複数の旅行関連コンテンツをそれぞれ複数の表示ゾーン18と関連付ける。メモリ35は、複数の旅行関連コンテンツ及び/若しくは複数の旅行関連コンテンツのコンテンツ記述子を記憶することができ、又は旅行関連コンテンツプロバイダに供給するインターフェースを記憶することができ、あるいは複数の表示ゾーン18と関連付けられる旅行関連コンテンツを生成する(作成する)ためにプロセッサ20aが使用することができるコンピュータ実行可能アルゴリズムを記憶することができる。
【0105】
ゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36上で動作する関連付けプログラムは、複数の属性に少なくとも基づいて、それぞれ複数の表示ゾーンのための複数の旅行関連コンテンツをフェッチし、アクセスし、又は作成する役割を担っている。関連付けプログラムは、複数の表示ゾーン18を複数の旅行関連コンテンツと関連付けるための定義された関連付け規則を意味することができる。例えば旅行関連コンテンツは、MV表示装置11に対する表示ゾーンの位置と関連付けることができ、それによりこれらの位置における表示装置のために適したものとして特に選択される旅行関連画像を生成することができる。別の例として、旅行関連コンテンツは表示ゾーンにおける旅行者と関連付けられ、それによりこれらの旅行者のために適したものとして特に選択される旅行関連画像が生成される。
【0106】
旅行関連コンテンツを選択し、また、それぞれ表示ゾーンと関連付けるために使用することができる属性は、非制限の例として、旅行者の存在、旅行者の位置、旅行者の位置の特性(例えばMV表示装置からの距離)、旅行者の外部観察可能特性(例えば顔認識に基づく特性)、旅行者の外部観察可能挙動、旅行者が追従する移動の経路、旅行者の速度、旅行者の生物測定情報(例えば視聴者の体温、心拍数、視線追跡)、旅行者の人口統計情報、旅行者の好み(例えばサロゲートデバイス29若しくはUIデバイス19を使用して旅行者によって明確に入力された好み、又は旅行者の旅行履歴に基づいて暗黙的に推論された好み)、旅行者の識別、旅行者によって入力された情報(例えばサロゲートデバイス29又はUIデバイス19を介して)、表示ゾーンの位置、表示ゾーンの環境条件(例えば温度)及び表示ゾーンの特性(例えば周囲の構造に対する空間条件)を含むことができる。
【0107】
一例として、MV輸送ハブ情報システム10によって、疾病管理及び予防のために使用することができる属性を収集し、処理することができ、それにより適切なメッセージ発信を各旅行者に対して生成し、投影して、より安全で、かつ、より健康的な旅行状態を促進することができる。例えば窮迫又は病気の症状又は徴候を検出するための属性として旅行者の生物測定情報(例えば体温、心拍数など)を収集し、それにより病気であるかもしれない旅行者を識別することができる。別の例として、様々な旅行者属性を収集して、旅行者がマスクをしているか、社会的距離を維持しているか、他の安全プロトコルを遵守しているかなどを検出することができる。
【0108】
複数の旅行関連コンテンツを複数の表示ゾーンと関連付けるためにプロセッサ20aがアクセスすることができる1つ以上のメモリデバイスに複数の旅行者の属性を記憶することができる。記憶することができる属性は、非制限の例として、旅行者の位置、旅行者の位置の特性、旅行者の外部観察可能特性、旅行者の外部観察可能挙動、旅行者が追従する移動の経路、旅行者の速度、旅行者の生物測定情報、旅行者の人口統計情報、旅行者の好み、旅行者の識別、旅行者によって入力された情報、旅行者の旅行履歴、表示ゾーンの位置、表示ゾーンの空間又は環境条件及び表示ゾーンの特性を含むことができる。
【0109】
いくつかの実施形態では、ゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36は、第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツの両方を第1の表示ゾーン及び第2の表示ゾーンと実質的に等しく関連付けるのに影響を及ぼす「外部」属性と呼ぶことができる。例えば群サイズ/フロー(例えば輸送ハブ内の混雑状態)を示す外部属性は、旅行関連コンテンツを複数の表示ゾーンに割り当てる関連付けプロセスに影響を及ぼし、したがって旅行者が輸送ハブ内に散らばることがある。別の例として、タイミング(例えば輸送ハブが閉まる時間が迫っていること)を示す外部属性は、輸送ハブからすぐに去るための特別なメッセージを全ての旅行者に追加する関連付けプロセスに影響を及ぼし得る。さらに別の例として、MV表示装置環境(例えば温度上昇)を示す外部属性は、環境状態に対処する(例えば冷たい飲み物の購入を促す)関連付けプロセスに影響を及ぼし得る。
【0110】
上で説明したコントローラプロセッサ20aの機械学習システム20dを使用して、最適旅行関連コンテンツを異なる表示ゾーンと関連付ける能力、したがって異なる旅行者のための最適旅行コンテンツを選択し、個別化し、又は設計する能力を自動的に改善し、強化することができる。システムコントローラプロセッサ20aは、検知システム24からのセンサデータの収集、解析及び適用を実施して、第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bの第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bに提示される第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツを洗練する。
【0111】
MV表示装置11におけるMVピクセル12のビームレット分解能が小さい場合、視聴者が互いに接近しているか、あるいは実質的に同じ視角に位置している(それらの表示ゾーンがオーバーラップし得るよう)と、視聴者は別の視聴者のコンテンツを見る可能性があり得る。いくつかの実施形態では、システムコントローラ20は、第1の表示ゾーン18aの第1の旅行者16aに提供された第1の画像が、その第1の旅行者16aが存在している場所に接近し得る、検知システム24によって検出される第2の旅行者16bに見える可能性があることを検出することができる。これらの状況では、MV表示装置は、場合によっては、干渉を回避するために同じ共有コンテンツを2人の視聴者に示すことが望ましい。例えば2人の視聴者が十分に接近すると、システムは一般的な空港情報を示すことができる。別法としては、MV表示装置11は、互いに離れるように命令的なコンテンツを2人の視聴者に示して、それぞれ個別化されたコンテンツが向けられるそれらの表示ゾーンを分離することも可能である。別の例として、2人の視聴者が同じ言語嗜好を共有している場合、MV表示装置は、一般的なコンテンツをその共有言語で示すことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、第1の属性及び第2の属性に基づいて、また、任意選択及び追加で外部属性に基づいて複数の表示ゾーン18と関連付けられる複数の旅行関連コンテンツは、ゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36によって実時間で生成することができる。例えばゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36上で動作する関連付けアプリケーションは、適切な関連付けアルゴリズムを使用して、属性の関数として表示ゾーン毎に実時間で旅行関連コンテンツ(例えばサイネージ、照明パターン)を生成することができる。
【0113】
プロセッサ20aのマッピングエンジン34は、表示ゾーン座標系40と1つ以上のビームレット座標系42の間で変換するマッピングを決定する(例えば識別し、アクセスし、生成する)。様々な実施形態において、マッピングはメモリ35に記憶する(又は事前に記憶する)ことができ、その場合、プロセッサ20aは記憶されたマッピングにアクセスする。
【0114】
複数のマッピング(例えば表示ゾーン座標系40から1つ以上のビームレット座標系42に変換するマッピング、及び1つ以上のビームレット座標系42から表示ゾーン座標系40に変換する別のマッピング)をメモリ35に記憶することができ、また、マッピングエンジン34は、そこから1つ以上の適切なマッピングに選択的にアクセスすることができる。様々な実施形態では、マッピングエンジン34は、マッピングを決定し(例えばアクセスし)、以下で説明されるビームレット束識別モジュール38は、マッピングを適用して各表示ゾーンに当たるビームレットの束を識別する。
【0115】
プロセッサ20aは、複数の旅行関連コンテンツ(ゾーン及びコンテンツ関連付けモジュール36によって複数の表示ゾーンと関連付けられた)から生成された複数の画像毎に、マッピング(マッピングエンジン34によって決定され/識別され/アクセスされ/生成された)を使用して、画像を形成するために1つの表示ゾーンに向けられたMVピクセルの各々からのビームレットの束を識別する。プロセッサ20a内では、束識別アプリケーションを動作させるビームレット束識別モジュール38は、マッピングを適用して、それぞれ複数の画像を形成するために複数の表示ゾーン18a、18bに向けられたビームレットの複数の束52a、52bを識別する役割を担っている(上で説明した
図9A、
図B及び
図9Cの例を参照されたい)。通常、束識別アプリケーションは、画像毎に、画像を形成するために対応する表示ゾーンに「当たる」又は「着地する」ビームレットの束を識別する。
【0116】
図1A及び
図1Bに戻って参照すると、いくつかの実施形態では、第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツを更新して、第1の旅行者16aに見える第1の画像25aの更新バージョンを生成することができ、また、同様に、第2の表示ゾーン18bと関連付けられた第2の旅行関連コンテンツを更新して、第2の旅行者16bに見える第2の画像25bの更新バージョンを生成することができる。例えば
図1Aでは、検知システム24は、第1の旅行者16aがMV表示装置11に対して第1の位置から第2の位置へ移動していることを検知することができる。次にシステムコントローラプロセッサ20aは、MV表示装置11を制御して、元の第1の画像25aを第2の位置における第1の表示ゾーン18aに投影した後、第1の画像25aの更新バージョンを第2の位置における第1の表示ゾーン18aに投影する。別法として、検知システム24が第1の旅行者16aの新しい状態(例えば第1の旅行者が自分のサロゲートデバイスを使用して特定の情報を要求していること)を検出すると、その第1の旅行者の要求に応答して、第1の画像25aの更新バージョンを第1の表示ゾーン18aに投影するようにMV表示装置11を制御することができる。したがってMV表示装置11は、異なる画像をそれぞれ第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bに投影することができることに加えて、変化する画像を第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bの各々に投影することができる。
【0117】
その様々な表示ゾーンを通って歩き回っている間にMV表示装置11を絶えず見ている個人は、新しい表示ゾーンに入ったときはいつでも新しい(異なる)コンテンツを見ることになる。各表示ゾーンに示されるコンテンツは、表示ゾーンを連続的に再構成する点、及びコンテンツを連続的に再割当てする点に対しても個別化することができる。これは、MV表示装置を通過する個人の歩行を追従するように表示ゾーンを常に調整することができ、したがってその個人は、同じ時間に同じMV表示装置を見ている他人の経路を交差する際に、その個人に対して意図されたコンテンツを見ることができることを意味している。一方、他の人は、その人たちに対して個別化されたコンテンツを見ることができる。
【0118】
図1Bは、複数の旅行者16a~16c(3人の旅行者(1)(2)(3)が示されている)を案内し、あるいは導くためのMV輸送ハブ情報システム10のいくつかの実施態様例を示している。MV表示装置の性質により、同じMV表示装置によって異なる旅行関連コンテンツを異なる旅行者のための異なる表示ゾーンで同時に表示することができる。
【0119】
図1Bの例では、システムコントローラプロセッサ20aは、センサ13a~13cを介して、第1のMV表示装置11a(「MV表示装置1」)が配置されている「位置1」で第1のブロブ17aを受け取っている。また、システムコントローラプロセッサ20aは、入力ノード9を介して、第1の旅行者16aの第1の属性をも受け取っている。第1の属性は、例えば「位置1」のチェックインキオスクで自分の搭乗通行証21aをスキャンしている第1の旅行者16aの識別であってもよい。同様に、コントローラプロセッサ20aは、「位置1」で第2のブロブ17bを受け取り、また、第2の旅行者16bの第2の属性をも受け取っている。第2の属性は、例えば「位置1」のチェックインキオスクで自分の搭乗通行証21bをスキャンしている第2の旅行者16bの識別であってもよい。プロセッサ20aは、次に、ユーザタグ付けを実施して、第1のブロブ17aに第1の旅行者16aのタグを付け、また、第2のブロブ17bに第2の旅行者16bのタグを付けている。プロセッサ20aは、第1のブロブ17a及び第2のブロブ17bに基づいて、第1の表示装置11a(「MV表示装置1」)に対する第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bを画定し、また、第1の属性及び第2の属性に少なくとも基づいて、第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツを第1の表示ゾーン18a及び第2の表示ゾーン18bと関連付けている(例えば検索し、供給し、あるいは生成している)。例えば第1の旅行関連コンテンツ及び第2の旅行関連コンテンツを選択して、異なる旅行日程に対して同時に第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bを補助するように設計されている第1の画像25a及び第2の画像25bを生成することができる。示されている例では、第1の画像25aは、「旅行者1さん!YY:22に出発するフライトX2に備え、ゲート2へ行ってください。フライトX3の待機リストにあなたの名前があります」と読め、第2の表示装置11b(「MV表示装置2」)が配置されているゲート2(「位置2」)へ行くよう、第1の旅行者16aを促している。一方、第2の旅行者16bのための第2の画像25bは、「旅行者2さん!YY:33に出発するフライトX3に備え、ゲート3へ行ってください」と読め、第3の表示装置11c(「MV表示装置3」)が配置されているゲート3(「位置3」)へ行くように第2の旅行者16bを促している。
【0120】
第1の画像25aを見た第1の旅行者16aは、第2のMV表示装置11bが配置されている位置2のゲート2へ移動する。システムコントローラプロセッサ20aは、第1の旅行者16aの動きを追跡して、現在は第2のMV表示装置11bに対して第3の表示ゾーン18cに立っている第1の旅行者16aの識別などの第1の旅行者16aの属性を受け取り、この属性に少なくとも基づいて第3の旅行関連コンテンツを第3の表示ゾーン18cと関連付けることができる。様々な実施形態では、この属性(第1の旅行者16aの識別)に加えて、プロセッサ20aは、検知システム24によって検知される、第1の旅行者16aによって入力される、あるいはプロセッサ20aがアクセスすることができる1つ以上の記憶デバイスから検索される、第1の旅行者16a又は第3の表示ゾーン18cのさらなる属性(例えば第1の旅行者の旅行履歴、旅行の好みなど)を考慮し、それにより第3の表示ゾーン18cと関連付けた第3の旅行関連コンテンツをさらに洗練することができる。示されている例では、さらなる属性は、第1の旅行者16aはフライトX3の待機リストに名前があったが、現在はフライトX3に搭乗するためにクリアされていることを示している。
【0121】
次に、第3の旅行関連コンテンツに基づく第3の画像25cは、「旅行者1さん!あなたはフライトX3に搭乗できます。ゲート3へ行ってください」と読むことができ、第3のMV表示装置11c(「MV表示装置3」)が配置されているゲート3(「位置3」)へ移動するように第1の旅行者16aを促している。システムコントローラプロセッサ20aは、第1の旅行者16a又はその第1の旅行者16aが存在している第4の表示ゾーン18dの1つ以上の属性に基づいて第3のMV表示装置11cを制御し、第1の旅行者16aに関連する第4の旅行関連コンテンツから生成された第4の画像25dを投影している。示されている例では、第3のMV表示装置11cが第1の旅行者16a(センサ13cによって第3の位置で検知された)の第4の表示ゾーン18dに示している第4の画像25dは、「旅行者1さん!フライトX3の搭乗通行証を得るためにゲート係員とチェックインしてください」と読める。
【0122】
さらに
図1Bを参照すると、システムコントローラプロセッサ20aはMV表示装置11a~11cを制御して、システムコントローラプロセッサ20aが第1の旅行者16aを案内している時刻と同じ時刻に第2の旅行者16bを案内している。例えば位置1(例えば空港チェックインカウンタ)から位置2(「ゲート2」)へ移動するように第1の旅行者16aを導くために第1のMV表示装置11aが第1の画像25aを示している間、その同じ第1のMV表示装置11aは、位置1から位置3(ゲート3)へ移動するように第2の旅行者16bを導くために第2の画像25bをその第2の旅行者16bに示している。したがって第2の旅行者16bは、第3のMV表示装置11cが配置されている位置3へ移動する。システムコントローラプロセッサ20aは、第2の旅行者16b又はその第2の旅行者16bが立っている、センサ13cによって検知された第5の表示ゾーン18eの1つ以上の属性に基づいて第3のMV表示装置11cを制御し、第2の旅行者16bに関連する第5の旅行関連コンテンツから生成された第5の画像25eを投影している。示されている例では、第3のMV表示装置11cが第5の表示ゾーン18eの第2の旅行者16bに示している第5の画像25eは、「旅行者2さん!あなたのフライトX3は予定通りYY:33に出発します」と読める。
【0123】
示されている
図1Bの実施形態では、いずれも第1のMV表示装置11aで開始している第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bは、互いに異なる第2の位置及び第3の位置における第2のMV表示装置11b及び第3のMV表示装置11cへ導かれているが、いくつかの実施形態では、第2のMV表示装置11b及び第3のMV表示装置11cは、同じ位置における同じ表示装置であってもよい。このような実施形態では、第1の旅行者16a及び第2の旅行者16bは、第1のMV表示装置11aから次のMV表示装置(11b/11c)まで同じ物理経路に従うが、異なる(例えば個人化された)旅行関連コンテンツ又はメッセージを受け取るために、第1のMV表示装置11aで異なる画像を見ており、また、次のMV表示装置(11b/11c)で異なる画像を見ている。
【0124】
さらに
図1Bを参照すると、システムコントローラプロセッサ20aはMV表示装置11a~11cを制御して、位置2における第2の表示装置11b(「MV表示装置2」)で開始する第3の旅行者16cをも同時に案内又はサポートすることができる。システムコントローラプロセッサ20aは、センサ13a~13cを介して第3のブロブ17fを受け取り、入力ノードを介して第3の旅行者16cの属性を受け取り、また、ユーザタグ付けを実施して第3のブロブ17fに第3の旅行者16cのタグを付けている。システムコントローラプロセッサ20aは、その属性に少なくとも基づいて、また、任意選択で追加として、第3の旅行者16c又は第6の表示ゾーン18fのさらなる属性に基づいて第6の旅行関連コンテンツを第6の表示ゾーン18fと関連付けている。第3のMV表示装置11cは、「旅行者3さん!あなたのフライトX2は予定通りYY:22に出発します」と読める第6の画像25fを投影している。第3のMV表示装置11cは、第3の画像25cを第1の旅行者16aに示している時刻と同じ時刻に第6の画像25fを第3の旅行者16cに示している。
【0125】
図10は、一実施形態による、輸送ハブ内の複数の旅行者に個人化されたコンテンツを配信する方法を示す流れ図である。
【0126】
ステップ101で、上で説明したMV輸送ハブ情報システム10が配置され、MV輸送ハブ情報システム10は、1つ以上のMVピクセル12を含む多視点(MV)表示装置11を含み、各MVピクセル12は、1つ以上のビームレット座標系42における異なる方向にビームレット14を放出するように構成される。MV輸送ハブ情報システム10は、動作中、第1のブロブ17aの第1の位置及び第2のブロブ17bの第2の位置を検出する検知システム24をも含む。方法はシステム10によって実施される。
【0127】
ステップ102で、システム10は、第1の視聴者16aの第1の属性及び第2の視聴者16bの第2の属性を受け取る。
【0128】
ステップ103で、システム10は、ユーザタグ付けを実施して第1のブロブに第1の視聴者の第1の属性のタグを付け、また、第2のブロブに第2の視聴者の第2の属性のタグを付ける(すなわち第1のブロブ17aに第1の視聴者16aのタグを付け、また、第2のブロブ17bに第2の視聴者16bのタグを付ける)。
【0129】
ステップ104で、システム10は、表示ゾーン座標系に、第1のブロブ17aに基づいて第1の表示ゾーン18aを画定し、また、第2のブロブ17bに基づいて第2の表示ゾーン18bを画定する。
【0130】
ステップ105で、システム10は、表示ゾーン座標系と1つ以上のビームレット座標系の間で変換するマッピングを決定する。
【0131】
ステップ106で、システム10は、第1の属性に少なくとも基づいて第1の情報コンテンツを第1の表示ゾーン18aと関連付け、また、第2の属性に少なくとも基づいて第2の情報コンテンツを第2の表示ゾーン18bと関連付ける。
【0132】
ステップ107で、システム10は、第1の情報コンテンツから生成された第1の画像に対して、マッピングを使用して、第1の画像を形成するために第1の表示ゾーンに向けられたMV表示装置の1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別する。
【0133】
ステップ108で、システム10は、第2の情報コンテンツから生成された第2の画像に対して、マッピングを使用して、第2の画像を形成するために第2の表示ゾーンに向けられたMV表示装置の1つ以上のMVピクセルからのビームレットの束を識別し、第1の視聴者に見える第1の画像を形成するために第1の表示ゾーンに向けられたビームレットの束は、第2の視聴者に見える第2の画像を形成するために第2の表示ゾーンに向けられたビームレットの束とは異なる。
【0134】
ステップ109で、システム10はMVピクセルのための制御信号を出力し、制御信号は、対応する第1の画像又は第2の画像を対応する第1の表示ゾーン又は第2の表示ゾーンに投影するための各束におけるビームレットの各々の色及び輝度を定義する。
【0135】
以上、本発明の様々な例示的実施形態について、輸送ハブにおける実施態様に適したものとして説明したが、ここで開示された技法は、いくつかを挙げると、小売り、食事、娯楽、スポーツ、集会、企業事務所、博物館及び住宅の分野などの輸送ハブ以外の状況にも適用されることを理解されたい。
定義
【0136】
本明細書において使用されているように、「表示装置」という用語は、単一の表示装置、複数の表示装置、表示装置のアレイ、表示装置の配列又は単一の投影源(ピクセル)を記述することができる。表示装置は、それらに限定されないが、散乱ピクセルの形態、又は縞若しくはパターンのレイアウトの形態、又はスターフィールドとしての形態、又は任意の、若しくは動的に可動のアレイとしての形態を取ることも可能である。本開示においては、表示装置という用語は、サイン、サイネージ、信号及び光などの用語と交換可能に使用されており、また、上で説明した様々な構成での複数の表示装置の使用をも意味し得る。
【0137】
「コンテンツ」という用語は、表示装置上で見えるもの(あるいは見えないもの)を記述している。
【0138】
「表示領域」という語句は、MV表示装置を見ることができる領域全体を記述している。個人が表示装置を見ることができる場合、その個人は、その表示領域に存在している。表示領域は、表示装置上のコンテンツを見ることが困難である角度又は距離における位置、並びに表示装置上のコンテンツが部分的にブロックされ得る位置を含むことができる。
【0139】
「表示ゾーン」という語句は、表示領域内の非オーバーラップサブセット、コンテンツの1つの全く異なるバージョンが見られ得るサブセットを記述するために使用されている。表示ゾーンは、表示装置の視界内の領域全体のより小さい部分である。表示装置のための表示領域は、典型的には、どの表示ゾーンもオーバーラップしない複数の表示ゾーンに分割され、各表示ゾーンには、コンテンツの全く異なる(例えば違う)バージョンが割り当てられることになる。単純な事例では、表示ゾーンは表示領域内に作成され得、その表示装置を見ても、その特定のゾーンにいる個人しかコンテンツを見ることができない。このゾーンの外側の領域は、コンテンツのうちの表示装置上で見られるコンテンツのバージョンはコンテンツではない第2の表示ゾーンを構成することになり、表示装置はブランクで見えることになるか、あるいはターンオフされることになる。いくつかの事例では、表示ゾーンは、表示装置を見ることができるあらゆる位置を含むことができ、その場合、表示ゾーンは表示領域と一致する。通常、特定の表示ゾーンから表示装置を見ている全ての個人は、そのゾーンに割り当てられたコンテンツを見ることになり、他の表示ゾーンに同時に示されているコンテンツを見ることはできないことになる。
【0140】
上で説明した様々な実施形態を組み合わせて他の実施形態を提供することができる。上記の詳細な説明に鑑みて、これら及び他の変更を実施形態に加えることができる。一般に、以下の特許請求の範囲では、使用されている用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲で開示されている特定の実施形態に限定するものとして解釈してはならず、権利が与えられるこのような特許請求の範囲と等価物の全範囲と共に、あらゆる可能実施形態を含むものとして解釈されるべきである。したがって特許請求の範囲は本開示によって制限されない。
【0141】
本出願は、2020年1月6日に出願した米国仮出願第62/957,656号の優先権の利益を主張するものであり、その全体を本願に引用して援用する。