IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラクテン・シンフォニー・シンガポール・プライベート・リミテッドの特許一覧

特許7477657ネットワークサービス管理システムおよびネットワークサービス管理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ネットワークサービス管理システムおよびネットワークサービス管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/50 20220101AFI20240423BHJP
   H04L 41/0803 20220101ALI20240423BHJP
   H04L 67/50 20220101ALI20240423BHJP
【FI】
H04L41/50
H04L41/0803
H04L67/50
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022579150
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 IB2021050887
(87)【国際公開番号】W WO2022167837
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520237889
【氏名又は名称】ラクテン・シンフォニー・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一成
(72)【発明者】
【氏名】北 真也
(72)【発明者】
【氏名】パサク ミヒール
(72)【発明者】
【氏名】サデギアン メフディ
(72)【発明者】
【氏名】ワデカル アメーヤ
(72)【発明者】
【氏名】ワグ ヤシュ
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-004426(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0052526(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0245743(US,A1)
【文献】国際公開第2004/071044(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/50
H04L 41/0803
H04L 67/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する記憶部と、
前記ネットワークサービスに関する前記顧客の要求を受け付ける受付部と、
前記ファイルに定められた内容に基づく前記ネットワーク機器の設定画面を前記顧客の端末に提供する設定画面提供部と、
前記設定画面に前記顧客が入力した前記ネットワーク機器の設定値に基づいて、前記ネットワーク機器に設定を投入する機器設定部と、
を備え
前記受付部は、前記要求として、前記ネットワークサービスを購入しようとする顧客により指定された前記ネットワークサービスの構成を受け付け、
前記設定画面提供部は、前記ファイルに定められた内容と、前記顧客により指定された前記ネットワークサービスの構成とに基づく前記ネットワーク機器の設定画面を前記顧客の端末に提供する、
ネットワークサービス管理システム。
【請求項2】
前記ファイルは、前記ネットワーク機器に対するデフォルトの設定値を含むものであり、
前記設定画面提供部は、前記ネットワーク機器に対するデフォルトの設定値を含む設定画面を前記顧客の端末に提供する、
請求項に記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項3】
顧客が購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する記憶部と、
前記ネットワークサービスに関する前記顧客の要求を受け付ける受付部と、
前記ファイルに定められた内容に基づく前記ネットワーク機器の設定画面を前記顧客の端末に提供する設定画面提供部と、
前記設定画面に前記顧客が入力した前記ネットワーク機器の設定値に基づいて、前記ネットワーク機器に設定を投入する機器設定部と、
を備え
前記受付部は、前記要求として、前記ネットワークサービスの規模に関する情報を受け付け、
前記設定画面提供部は、前記ネットワークサービスの規模に応じた内容の設定画面を前記顧客の端末に提供する、
ネットワークサービス管理システム。
【請求項4】
前記ネットワークサービスの規模に関する情報は、設定すべきネットワーク機器の個数を示す情報を含み、
前記設定画面提供部は、前記設定すべきネットワーク機器の個数に対応する個数の前記ファイルに基づいて生成された設定画面を前記顧客の端末に提供する、
請求項に記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項5】
前記設定画面は、複数の前記ファイルに基づいて、複数のネットワーク機器に対応する複数の設定値入力エリアを含む、
請求項に記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項6】
前記記憶部は、前記ネットワーク機器の現在の設定値をさらに記憶し、
前記受付部は、前記要求として、前記ネットワークサービスの設定変更要求を前記顧客の端末から受け付け、
前記設定画面提供部は、前記設定画面として、前記ファイルに定められた内容と、前記ネットワーク機器の現在の設定値とに基づく前記ネットワーク機器の設定変更画面を前記顧客の端末に提供し、
前記機器設定部は、前記設定変更画面に顧客が入力した前記ネットワーク機器の設定値に基づいて、前記ネットワーク機器の設定を変更する、
請求項1からのいずれかに記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項7】
前記設定画面提供部は、前記ネットワーク機器の現在の設定値を含む設定変更画面を前記顧客の端末に提供する、
請求項に記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項8】
前記ファイルは、ネットワーク機器の設定内容が所定のデータモデル言語で記述されたファイルである、
請求項1からのいずれかに記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項9】
前記ファイルは、ネットワーク機器の設定内容がYANG(Yet Another Next Generation)により記述されたYANGモデルを含む、
請求項1からのいずれかに記載のネットワークサービス管理システム。
【請求項10】
顧客が購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する記憶部を備えるコンピュータが、
前記ネットワークサービスに関する前記顧客の要求を受け付けるステップと、
前記ファイルに定められた内容に基づく前記ネットワーク機器の設定画面を前記顧客の端末に提供するステップと、
前記設定画面に前記顧客が入力した前記ネットワーク機器の設定値に基づいて、前記ネットワーク機器に設定を投入するステップと、
を実行し、
前記受け付けるステップは、前記要求として、前記ネットワークサービスを購入しようとする顧客により指定された前記ネットワークサービスの構成を受け付け、
前記提供するステップは、前記ファイルに定められた内容と、前記顧客により指定された前記ネットワークサービスの構成とに基づく前記ネットワーク機器の設定画面を前記顧客の端末に提供する、
ネットワークサービス管理方法。
【請求項11】
顧客が購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する記憶部を備えるコンピュータが、
前記ネットワークサービスに関する前記顧客の要求を受け付けるステップと、
前記ファイルに定められた内容に基づく前記ネットワーク機器の設定画面を前記顧客の端末に提供するステップと、
前記設定画面に前記顧客が入力した前記ネットワーク機器の設定値に基づいて、前記ネットワーク機器に設定を投入するステップと、
を実行し、
前記受け付けるステップは、前記要求として、前記ネットワークサービスの規模に関する情報を受け付け、
前記提供するステップは、前記ネットワークサービスの規模に応じた内容の設定画面を前記顧客の端末に提供する、
ネットワークサービス管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理技術に関し、特にネットワークサービス管理システムおよびネットワークサービス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークサービスの購入に応じた機能ユニットのデプロイに関する技術の一例として、特許文献1には、顧客が購入した製品のオーダを、VNF(Virtualized Network Function)単位に分解し、NFVI(Network Functions Virtualization Infrastructure)上にデプロイする技術が記載されている。
【0003】
特許文献2には、非共有に関する要件であるアイソレーション要件を満たすよう、配備要求に応じたネットワーク機能部を利用可能な計算装置に配備する技術が記載されている。
【0004】
特許文献3には、上位の事業者において管理している複数のネットワークスライスの全部又は一部を、複数の事業者に対して独自性をもって利用させることができる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2018/181826号
【0006】
【文献】国際公開第2019/64678号
【0007】
【文献】国際公開第2018/34321号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ネットワークサービスの構成、規模、対象地域などといったネットワークサービスに対するニーズは様々である。しかし、特許文献1~3に記載の技術を用いても、様々なニーズに応じたネットワークサービスを柔軟に構築することができなかった。
【0009】
本開示は上記課題に鑑みてなされたものであり、1つの目的は、様々なニーズに応じたネットワークサービスを柔軟に構築する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のネットワークサービス管理システムは、顧客が購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する記憶部と、ネットワークサービスに関する顧客の要求を受け付ける受付部と、ファイルに定められた内容に基づくネットワーク機器の設定画面を顧客の端末に提供する設定画面提供部と、設定画面に顧客が入力したネットワーク機器の設定値に基づいて、ネットワーク機器に設定を投入する機器設定部とを備える。
【0011】
本開示の別の態様は、ネットワークサービス管理方法である。この方法は、顧客が購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する記憶部を備えるコンピュータが、ネットワークサービスに関する顧客の要求を受け付けるステップと、ファイルに定められた内容に基づくネットワーク機器の設定画面を顧客の端末に提供するステップと、設定画面に顧客が入力したネットワーク機器の設定値に基づいて、ネットワーク機器に設定を投入するステップとを実行する。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を、装置、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、様々なニーズに応じたネットワークサービスを柔軟に構築することを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワークの一例を示す図である。
【0015】
図2】購入画面の一例を模式的に示す図である。
【0016】
図3】サービス要件入力画面の一例を示す図である。
【0017】
図4】購入確認画面の一例を示す図である。
【0018】
図5】購入確認画面の一例を示す図である。
【0019】
図6】バンドルファイルのデータ構造の一例を示す図である。
【0020】
図7】オンボーディング画面の一例を示す図である。
【0021】
図8】本発明の一実施形態に係るMPS及びNOSで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
【0022】
図9】バンドルファイルに基づいて生成されるデータ群のデータ構造の一例を示す図である。
【0023】
図10】物理インベントリデータのデータ構造の一例を示す図である。
【0024】
図11】論理インベントリデータのデータ構造の一例を模式的に示す図である。
【0025】
図12】リソース管理データの一例を示す図である。
【0026】
図13】計画データのデータ構造の一例を示す図である。
【0027】
図14】計画データの一例を模式的に示す図である。
【0028】
図15】想定ビジーレベルデータの一例を示す図である。
【0029】
図16】リソース管理データの一例を示す図である。
【0030】
図17】CNFDの一例を示す図である。
【0031】
図18】day0パラメータの一例を示す図である。
【0032】
図19A】本発明の一実施形態に係るベンダ端末、MPS、及び、NOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0033】
図19B】本発明の一実施形態に係るベンダ端末、MPS、及び、NOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0034】
図20】本発明の一実施形態に係る購入者端末、MPS、及び、NOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0035】
図21】本発明の一実施形態に係る購入者端末、MPS、及び、NOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0036】
図22A】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0037】
図22B】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0038】
図22C】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0039】
図22D】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0040】
図22E】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0041】
図22F】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0042】
図22G】本発明の一実施形態に係るNOSで行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【0043】
図23】YANGモデルのデータの例を示す図である。
【0044】
図24】実施例の通信プラットフォームの構成を示す図である。
【0045】
図25】通信プラットフォームの動作を示すシーケンス図である。
【0046】
図26】CMaaS部に記憶されるサービスデータを模式的に示す図である。
【0047】
図27】設定画面の例を示す図である。
【0048】
図28】CMaaS部に記憶されるユーザデータを模式的に示す図である。
【0049】
図29】通信プラットフォームの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
<前提技術>
実施例の前提となる技術について、図1から図22Gに基づき詳細に説明する。
【0051】
図1は、本発明の一実施形態に係るコンピュータネットワーク24の一例を示す図である。図1に示すように、本実施形態では、インターネット等のコンピュータネットワーク24に、マーケットプレイスシステム(MPS)10、ネットワークオペレーティングシステム(NOS)12、購入者端末14、ベンダ端末16、複数のコアネットワークシステム20、及び、複数の基地局装置22、が接続されている。
【0052】
コアネットワークシステム20は、第4世代移動通信システム(以下、4Gと呼ぶ。)におけるEPC(Evolved Packet Core)や、第5世代移動通信システム(以下、5Gと呼ぶ。)における、AMF(Access and Mobility Management Function)、SMF(Session Management Function)、UPF(User Plane Function)等を含む5GC(5G CoreNetwork)に相当するシステムである。本実施形態に係るコアネットワークシステム20は、様々なロケーションに設けられた複数のデータセンタに配置されたサーバ群によって実装されている。各データセンタには、複数のサーバが配置されている。なお、図1には2つのコアネットワークシステム20が示されているが、本実施形態に係るコアネットワークシステム20の数は2つには限定されず、1つであってもよいし3つ以上であってもよい。
【0053】
基地局装置22は、4GにおけるeNB(eNodeB)や、5GにおけるgNB(NR基地局)に相当する、アンテナ22aを備えたコンピュータシステムである。本実施形態に係る基地局装置22には、1又は複数のサーバが含まれる。なお、基地局装置22がデータセンタに配置されたサーバ群によって実装されていても構わない。
【0054】
また、4GにおけるRAN(Radio Access Network)の構成要素であるvDU(virtual DU)やvCU(virtual CU)は、基地局装置22に配置されてもよいしコアネットワークシステム20の一部に組み込まれていてもよい。また、5GにおけるRANの構成要素であるDUやCUについても同様に、基地局装置22に配置されてもよいしコアネットワークシステム20の一部に組み込まれていてもよい。
【0055】
本実施形態に係るMPS10は、例えば、クラウド基盤上に構成されており、図1に示すように、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10c、が含まれる。プロセッサ10aは、MPS10にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。記憶部10bは、例えばROMやRAM等の記憶素子や、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)などである。記憶部10bには、プロセッサ10aによって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部10cは、例えば、NIC(Network Interface Card)や無線LANモジュールなどといった通信インタフェースである。通信部10cは、コンピュータネットワーク24を介して、NOS12や購入者端末14との間でデータを授受する。
【0056】
本実施形態に係るNOS12は、例えば、クラウド基盤上に構成されており、図1に示すように、プロセッサ12a、記憶部12b、通信部12c、が含まれる。プロセッサ12aは、NOS12にインストールされるプログラムに従って動作するマイクロプロセッサ等のプログラム制御デバイスである。記憶部12bは、例えばROMやRAM等の記憶素子や、ソリッドステートドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)などである。記憶部12bには、プロセッサ12aによって実行されるプログラムなどが記憶される。通信部12cは、例えば、NICや無線LANモジュールなどといった通信インタフェースである。通信部12cは、コンピュータネットワーク24を介して、MPS10、購入者端末14、ベンダ端末16、コアネットワークシステム20、基地局装置22との間でデータを授受する。
【0057】
本実施形態では、購入者によるネットワークサービスの購入要求に応じて、購入要求がされたネットワークサービスがコアネットワークシステム20や基地局装置22に構築される。そして、構築されたネットワークサービスが購入者に提供される。
【0058】
例えば、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)である購入者に、音声通信サービスやデータ通信サービス等のネットワークサービスが提供される。本実施形態によって提供される音声通信サービスやデータ通信サービスは、図1に示すUE(User Equipment)26を利用する、購入者(上述の例ではMVNO)にとっての顧客(エンドユーザ)に対して最終的に提供されることとなる。当該エンドユーザは、コアネットワークシステム20や基地局装置22を介して他のユーザとの間で音声通信やデータ通信を行うことが
可能である。
【0059】
また、本実施形態において提供されるネットワークサービスは音声通信サービスやデータ通信サービスには限定されない。本実施形態において提供されるネットワークサービスは、例えば、IoTサービスであっても構わない。そして、例えば、ロボットアームやコネクテッドカーなどを利用するエンドユーザが本実施形態に係るネットワークサービスの購入者となっても構わない。
【0060】
また、本実施形態では、コアネットワークシステム20や基地局装置22に配置されているサーバには、ドッカー(Docker)などのコンテナ型のアプリケーション実行環境がインストールされており、これらのサーバにコンテナをデプロイして稼働させることができるようになっている。そして本実施形態において購入者に提供されるネットワークサービスは、コンテナベースの機能ユニットであるCNF(Cloud-native Network Function)によって実装される。
【0061】
本実施形態に係る購入者端末14は、例えば、上述の購入者が利用する、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、などの一般的なコンピュータである。
【0062】
図2は、本実施形態に係る購入者端末14に表示される購入画面の一例を示す図である。図2に示す購入画面では、ラジオボタンによって購入者が購入するネットワークサービスの種類が選択できるようになっている。ここで、購入者が音声通信サービスを指定して、次へボタン30をクリックすると、購入者端末14には、図3に示すサービス要件入力画面が表示される。
【0063】
サービス要件入力画面では、購入者は、購入するネットワークサービスについてのサービス要件を入力できるようになっている。図3の例では、加入者数、対向IP、監視対象、監視間隔、対象地域、及び、パスワードが設定できるようになっている。なお、対向IPとは、購入者が既に保有しているネットワークシステムに対するアクセスポイントとなるIPアドレスを指す。
【0064】
購入者がこれらのサービス要件を入力して、次へボタン32をクリックすると、サービス要件入力画面への入力に対応付けられるサービス要件データが、MPS10に送信される。
【0065】
サービス要件データには、例えば、加入者数を示す加入者数データ、対向IPを示す対向IPデータ、監視対象を示す監視対象データ、当該監視対象の監視間隔を示す監視間隔データ、購入されるネットワークサービスの対象地域を示す対象地域データ、及び、パスワードを示すパスワードデータが含まれる。なお、サービス要件データにこれらのデータのすべてが含まれている必要はなく、また、これら以外の要件を示すデータが含まれていてもよい。
【0066】
そして、MPS10が、NOS12と連携して、サービス要件データに基づいて、当該サービス要件データが示すサービス要件を満たすサーバの確保が可能であるか否かを確認する。ここでは例えば、(1)サービス要件を満たすサーバの確保が可能である、(2)空きサーバのセットアップを行うことでサービス要件を満たすサーバの確保が可能である、(3)サービス要件を満たすサーバの確保が不可能である、のいずれであるかが判定される。
【0067】
そして、当該判定の結果が(1)又は(2)である場合には、購入者端末14には、図4に示す、即時の提供が可能であることを示す購入確認画面が表示される。当該判定の結果が(3)である場合には、購入者端末14には、図5に示す、所定の納期が必要である(例えば、2週間の納期が必要である)ことを示す購入確認画面が表示される。
【0068】
ここで、購入者によって、図4又は図5に示す購入ボタン34がクリックされると、購入要求がされたネットワークサービスが構築され、購入者に提供される。
【0069】
一方、購入者によって、図4又は図5に示すキャンセルボタン36がクリックされると、購入はキャンセルされる。
【0070】
以上のように本実施形態によれば、購入者の様々なニーズに応じたネットワークサービスが柔軟に構築される。購入者は、ネットワークサービスの細かい実装について意識することなく、いくつかのサービス要件を指定するだけで、所望のネットワークサービスの提供を受けることができる。
【0071】
本実施形態に係るベンダ端末16は、ネットワークサービスに関するサービスプロバイダ等のベンダが利用する、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、などの一般的なコンピュータである。
【0072】
本実施形態では、ベンダに、開発環境、検証環境、試験環境を含むCI(Continuous Integration)/CD(Continuous Delivery)パイプラインが提供される。そして、本実施形態では、当該CI/CDパイプラインを活用したオンボーディングプロセスによって、ベンダによって作成された、購入者への提供対象であるネットワークサービスに対応する検証済のバンドルファイルがオンボーディングされる。
【0073】
本実施形態に係るバンドルファイルは、例えば、所定のディレクトリ構成のファイル群を圧縮したファイル(例えばtargz形式のファイル)である。
【0074】
図6は、本実施形態に係るバンドルファイルのデータ構造の一例を示す図である。図6に示すように、本実施形態に係るバンドルファイルには、ビジネスセクションデータ、テクノロジーセクションデータ、セキュリティセクションデータ、及び、オペレーションセクションデータが含まれる。
【0075】
ビジネスセクションデータには、例えば、ネットワークサービスの名称、ライセンス要件、サービスレベルアグリーメント(SLA)の定義など、ネットワークサービスのビジネス要件が示されている。また、本実施形態に係るビジネスセクションデータには、ネットワークサービスのサービス要件についての必須の入力項目やオプションの入力項目を示すデータが含まれている。
【0076】
テクノロジーセクションデータには、例えば、ネットワークサービスを実現する機能ユニット群の構成が示されている。テクノロジーセクションデータには、例えば、ネットワークサービスを構成するアプリケーションやCNFの構成が示されている。
【0077】
セキュリティセクションデータには、例えば、インストール資格情報などといった、当該ネットワークサービスのセキュリティ定義が示されている。
【0078】
オペレーションセクションデータには、例えば、監視対象のメトリックや監視間隔などのネットワークサービスに関する監視ポリシーが示されている。
【0079】
図7は、本実施形態に係るベンダ端末16に表示されるオンボーディング画面の一例を示す図である。本実施形態では、ベンダが、バンドルファイルが配置されているパスを指定した上で、オンボーディングボタン40をクリックすると、当該バンドルファイルがオンボーディングされる。
【0080】
以上のようにして本実施形態では、ベンダは、開発したファイル群がオンボーディングされる実際のロケーションを意識することなく、ネットワークサービスのオンボーディングを簡単に行うことができる。
【0081】
以下、本実施形態に係るMPS10及びNOS12の機能、及び、MPS10及びNOS12で実行される処理について、さらに説明する。
【0082】
図8は、本実施形態に係るMPS10及びNOS12で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るMPS10及びNOS12で、図8に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図8に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0083】
図8に示すように、MPS10には、機能的には例えば、バンドル管理部50、プロダクトカタログ記憶部52、購入管理部54、が含まれる。
【0084】
バンドル管理部50、購入管理部54は、プロセッサ10a及び通信部10cを主として実装される。プロダクトカタログ記憶部52は、記憶部10bを主として実装される。
【0085】
以上の機能は、コンピュータであるMPS10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ10aで実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してMPS10に供給されてもよい。
【0086】
また、図8に示すように、NOS12には、機能的には例えば、バンドル展開部60、オーケストレーション(E2EO:End-to-End-Orchestration)部62、サービスカタログ記憶部64、インベントリ管理部66、CMaaS(Configuration Management as a Service)部68、サービスマネージャ部70、スライスマネージャ部72、監視管理部74、セキュリティ設定部76、複数のコンテナ管理部78、リポジトリ部80、インベントリデータベース82、BMaaS(Bare Metal as a Service)部84、が含まれる。
【0087】
バンドル展開部60、E2EO部62は、プロセッサ12a及び通信部12cを主として実装される。サービスカタログ記憶部64、リポジトリ部80、インベントリデータベース82は、記憶部12bを主として実装される。インベントリ管理部66、CMaaS部68、サービスマネージャ部70、スライスマネージャ部72、監視管理部74、セキュリティ設定部76、コンテナ管理部78は、プロセッサ12a及び記憶部12bを主として実装される。BMaaS部84は、プロセッサ12aを主として実装される。
【0088】
以上の機能は、コンピュータであるNOS12にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ12aで実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してNOS12に供給されてもよい。
【0089】
また、図8には、図1に示す、コアネットワークシステム20、及び、基地局装置22に含まれる、様々なロケーションに分散配置された複数のサーバ90についても示されている。そして、本実施形態に係る複数のコンテナ管理部78は、それぞれ、これら複数のサーバ90のうちの一部であるサーバ群に対応付けられている。
【0090】
本実施形態に係る複数のコンテナ管理部78のそれぞれには、例えば、クバネテス(Kubernetes)等のコンテナ管理ツール、及び、ヘルム(Helm)等のパッケージマネージャがインストールされている。そして、コンテナ管理部78は、当該コンテナ管理部78に対応付けられているサーバ群(複数のサーバ90)に対してコンテナのデプロイや設定などといったコンテナの構築を含む、コンテナのライフサイクル管理を実行する。
【0091】
なお、コンテナ管理部78は、NOS12に含まれている必要はない。コンテナ管理部78は、例えば、当該コンテナ管理部78によって管理されるサーバ90(すなわち、コアネットワークシステム20や基地局装置22)、あるいは、当該サーバ90に併設されているサーバに設けられていてもよい。
【0092】
バンドル展開部60は、本実施形態では例えば、バンドルファイルをベンダ端末16から受け付ける。そして、バンドル展開部60は、本実施形態では例えば、受け付けたバンドルファイルに基づいて、図9にデータ構造が示されているデータ群を生成する。図9に示すデータ群は、バンドル展開部60が受け付けたバンドルファイルの内容を再構成したものとなっている。
【0093】
図9に示すように、バンドル展開部60によって生成されるデータ群には、プロダクトカタログデータ、サービスカタログデータ、インベントリテンプレートデータ、CMテンプレートデータ、サービステンプレートデータ、スライステンプレートデータ、監視スクリプトデータ、セキュリティスクリプトデータ、ヘルムチャートデータ、及び、コンテナイメージデータが含まれる。
【0094】
プロダクトカタログデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるビジネスセクションデータに対応するデータである。プロダクトカタログデータには、上述したように、図2に示す購入画面に表示されるネットワークサービスの名称、ライセンス要件、サービスレベルアグリーメント(SLA)の定義など、ネットワークサービスのビジネス要件に関する情報が示されている。
【0095】
また、本実施形態に係るプロダクトカタログデータには、ネットワークサービスのサービス要件についての必須の入力項目やオプションの入力項目を示すデータが含まれている。本実施形態では、例えば、プロダクトカタログデータに基づいて、図2に示す購入画面、及び、図3に示すサービス要件入力画面が生成される。
【0096】
サービスカタログデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるテクノロジーセクションデータの一部に対応するデータである。サービスカタログデータには、ネットワークサービスを構築するためのワークフローのスクリプトが含まれている。
【0097】
また、サービスカタログデータに、上述のサービス要件データの値と、購入要求に応じて構築される機能ユニット群(例えば、CNF群)の構成との対応を示す要件構成対応データが含まれていてもよい。
【0098】
例えば、サービスカタログデータに、サービス要件データの値と、機能ユニット群の種類並びに各種類についての機能ユニットの数との対応を示す要件構成対応データが含まれていてもよい。例えば、要件構成対応データに、「加入者数20000と1つのP-GW(Packet Data Network Gateway)」、「加入者数20000と1つのIMS(IP Multimedia System)」、「加入者数20000と1つのHSS(Home Subscriber Server)」が対応することが示されていてもよい。なお、サービス要件データと対応付けられるのは4Gの構成要素の種類や数には限定されず、サービス要件データと5Gの構成要素の種類や数とが対応付けられていてもよい。
【0099】
また、例えば、要件構成対応データに、サービス要件データの値と、購入要求に応じて構築される機能ユニット群に含まれる各機能ユニットが構築されるロケーションとの対応が示されていてもよい。この場合、要件構成対応データにおいてサービス要件データの値と対応付けられているロケーションは、構築される機能ユニット群に含まれる機能ユニットによって異なっていてもよい。
【0100】
インベントリテンプレートデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるテクノロジーセクションデータの一部及びセキュリティセクションデータの一部に対応するデータである。インベントリテンプレートデータは、例えば、インベントリ管理部66によって利用されるロジックを示すテンプレートデータである。
【0101】
CMテンプレートデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるテクノロジーセクションデータの一部及びオペレーションセクションデータの一部に対応するデータであり、例えば、CMaaS部68によって利用されるロジックを示すテンプレートデータである。
【0102】
サービステンプレートデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるテクノロジーセクションデータの一部に対応するデータであり、例えば、サービスマネージャ部70によって利用されるロジックを示すテンプレートデータである。
【0103】
スライステンプレートデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるテクノロジーセクションデータの一部に対応するデータであり、例えば、スライスマネージャ部72によって利用されるロジックを示すテンプレートデータである。
【0104】
監視スクリプトデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるオペレーションセクションデータの一部に対応するデータであり、例えば、監視管理部74によって実行される監視スクリプトを示すデータである。
【0105】
セキュリティスクリプトデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるセキュリティセクションデータの一部に対応するデータであり、例えば、セキュリティ設定部76によって実行されるセキュリティに関するスクリプトを示すデータである。
【0106】
ヘルムチャートデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるオペレーションセクションデータの一部に対応するデータであり、コンテナ管理部78によって利用されるスクリプトテンプレート(ヘルムチャート)を示すデータである。
【0107】
コンテナイメージデータは、例えば、バンドルファイルに含まれるオペレーションセクションデータの一部に対応するデータであり、例えば、ネットワークサービスを実現する機能ユニット群に含まれるコンテナについてのコンテナイメージのデータである。コンテナイメージデータには、1又は複数のコンテナイメージが含まれる。これら1又は複数のコンテナイメージのそれぞれには、当該コンテナイメージの識別子であるコンテナイメージIDが関連付けられている。
【0108】
本実施形態では、バンドル展開部60は、バンドルファイルの受付に応じて、当該バンドルファイルに基づいて生成されるデータ群に対応するバンドルIDを決定する。バンドルIDは、生成されるデータ群ごとに一意に割り当てられる。
【0109】
そして、バンドル展開部60は、当該バンドルIDに対応するデータ群に含まれるプロダクトカタログデータを、決定されるバンドルIDに関連付けた上で、MPS10に送信する。
【0110】
また、バンドル展開部60は、当該データ群に含まれるサービスカタログデータを、決定されるバンドルIDに関連付けた上で、E2EO部62に出力する。すると、E2EO部62は、当該サービスカタログデータをサービスカタログ記憶部64に記憶させる。
【0111】
また、バンドル展開部60は、インベントリテンプレートデータ、CMテンプレートデータ、サービステンプレートデータ、スライステンプレートデータ、監視スクリプトデータ、セキュリティスクリプトデータ、ヘルムチャートデータ、及び、コンテナイメージデータを、当該データ群に対応するバンドルIDに関連付けた上で、それぞれ、インベントリ管理部66、CMaaS部68、サービスマネージャ部70、スライスマネージャ部72、監視管理部74、セキュリティ設定部76、コンテナ管理部78、及び、リポジトリ部80に記憶させる。
【0112】
このようにして、本実施形態ではバンドルIDによって、プロダクトカタログデータ、サービスカタログデータ、インベントリテンプレートデータ、CMテンプレートデータ、サービステンプレートデータ、スライステンプレートデータ、監視スクリプトデータ、セキュリティスクリプトデータ、ヘルムチャートデータ、及び、コンテナイメージデータが互いに関連付けられることとなる。
【0113】
また、本実施形態では、ベンダは、バンドルファイルのパスの指定などの簡単な操作によって簡単にネットワークサービスを提供することが可能である。
【0114】
バンドル管理部50は、本実施形態では例えば、バンドル展開部60から送信される、バンドルIDに関連付けられたプロダクトカタログデータを受信する。そして、バンドル管理部50は、受信したプロダクトカタログデータをプロダクトカタログ記憶部52に記憶させる。
【0115】
プロダクトカタログ記憶部52は、本実施形態では例えば、上述のように、バンドルIDに関連付けられたプロダクトカタログデータを記憶する。
【0116】
購入管理部54は、本実施形態では例えば、購入者端末14から、バンドルID、及び、サービス要件データに関連付けられた、ネットワークサービスの購入要求などといったネットワークサービスの構築要求を受け付ける。以下、購入要求に関連付けられているバンドルIDを購入バンドルIDと呼び、購入要求に関連付けられているサービス要件データを購入サービス要件データと呼ぶこととする。
【0117】
そして、購入管理部54は、上述の購入要求の受付に応じて、当該購入バンドルIDに関連付けられた当該購入サービス要件データをE2EO部62に送信する。
【0118】
また、購入管理部54は、E2EO部62及びインベントリ管理部66と連携して、購入者が購入するネットワークサービスの納期を特定する。そして、購入管理部54は、特定される納期を購入者に通知する。購入管理部54は、例えば、特定される納期が示された購入確認画面を生成して、生成される購入確認画面を購入者端末14に送信する。
【0119】
インベントリデータベース82は、本実施形態では例えば、NOS12で管理されている、コアネットワークシステム20や基地局装置22に配置されている複数のサーバ90についてのインベントリ情報が格納されたデータベースである。
【0120】
本実施形態では例えば、インベントリデータベース82には、図10に示す物理インベントリデータ、及び、図11に示す論理インベントリデータを含む、インベントリデータが記憶されている。インベントリデータには、NOS12で管理されているリソースの状況(例えば、リソースの使用状況)が示されている。
【0121】
図10は、物理インベントリデータのデータ構造の一例を示す図である。図10に示す物理インベントリデータは、1つのサーバ90に対応付けられる。図10に示す物理インベントリデータには、例えば、サーバID、ロケーションデータ、建物データ、階数データ、ラックデータ、割り当てリソースプール群ID、割り当てリソースプールID、スペックデータ、ネットワークデータ、稼働コンテナIDリスト、などが含まれる。
【0122】
物理インベントリデータに含まれるサーバIDは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90の識別子である。
【0123】
物理インベントリデータに含まれるロケーションデータは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90のロケーション(例えばロケーションの住所)を示すデータである。
【0124】
物理インベントリデータに含まれる建物データは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90が配置されている建物(例えば建物名)を示すデータである。
【0125】
物理インベントリデータに含まれる階数データは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90が配置されている階数を示すデータである。
【0126】
物理インベントリデータに含まれるラックデータは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90が配置されているラックの識別子である。
【0127】
物理インベントリデータに含まれる割り当てリソースプール群IDは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90が割り当てられているリソースプール群の識別子である。
【0128】
物理インベントリデータに含まれる割り当てリソースプールIDは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90が割り当てられているリソースプールの識別子である。割り当てリソースプールIDが示すリソースプールは、割り当てリソースプール群IDに対応するリソースプール群に含まれるいずれかのリソースプールである。なお、本実施形態では、空きサーバは、いずれかのリソースプール群に割り当てられるが、当該空きサーバが当該リソースプール群に含まれるどのリソースプールに割り当てられるかは未決定である。このような空きサーバについては、対応する物理インベントリデータに含まれる割り当てリソースプールIDの値としてNullが設定される。
【0129】
物理インベントリデータに含まれるスペックデータは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90のコア数、メモリ容量、ハードディスク容量、などといった、当該サーバ90のスペックを示すデータである。
【0130】
物理インベントリデータに含まれるネットワークデータは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90が備えるNICや当該NICが備えるポート数などを示すデータである。
【0131】
物理インベントリデータに含まれる稼働コンテナIDリストは、例えば、当該物理インベントリデータに対応付けられるサーバ90で稼働する1又は複数のコンテナのインスタンスの識別子(コンテナID)のリストを示すデータである。
【0132】
図11は、論理インベントリデータのデータ構造の一例を模式的に示す図である。図11に示すように、論理インベントリデータには、NS(Network Service)データ、NF(Network Function)データ、CNFデータ、podデータ、及び、コンテナデータが含まれている。
【0133】
NSデータは、例えばvRAN(virtual RAN)などに相当するネットワークサービスのインスタンスの識別子や当該ネットワークサービスの種類等の属性を示すデータである。NFデータは、例えばeNodeBなどに相当するネットワークファンクションのインスタンスの識別子や当該ネットワークファンクション種類等の属性を示すデータである。CNFデータは、例えばvCUやvDUなどに相当する、CNFのインスタンスの識別子や当該CNFの種類等の属性を示すデータである。podデータは、CNFに含まれるpodのインスタンスの識別子や当該podの種類等の属性を示すデータである。ここで、podとは、クバネテスでドッカーコンテナを管理するための最小単位を指す。コンテナデータは、podに含まれるコンテナのインスタンスのコンテナIDや当該コンテナの種類等の属性を示すデータである。
【0134】
なお、ホスト名やIPアドレスなどの属性を示すデータが論理インベントリデータに含まれる上述のデータに設定されていても構わない。例えば、コンテナデータに、当該コンテナデータに対応するコンテナのIPアドレスを示すデータが含まれていてもよい。また、例えば、CNFデータに、当該CNFデータが示すCNFのIPアドレス及びホスト名を示すデータが含まれていてもよい。
【0135】
上述のデータは階層構造になっており、NSデータは、当該NSデータに対応するネットワークサービスに含まれる1又は複数のネットワークファンクションのそれぞれに対応する1又は複数のNFデータと関連付けられている。また、NFデータは、当該NFデータに対応するネットワークファンクションに含まれる1又は複数のCNFのそれぞれに対応する1又は複数のCNFデータと関連付けられている。また、CNFデータは、当該CNFデータに対応するCNFに含まれる1又は複数のpodのそれぞれに対応する1又は複数のpodデータと関連付けられている。また、podデータは、当該podデータに対応するpodに含まれる1又は複数のコンテナのそれぞれに対応する1又は複数のコンテナデータと関連付けられている。
【0136】
論理インベントリデータに含まれるコンテナデータのコンテナIDと、物理インベントリデータに含まれる稼働コンテナIDリストに含まれるコンテナIDと、によって、コンテナのインスタンスと、当該コンテナのインスタンスが稼働しているサーバ90とが関連付けられることとなる。
【0137】
なお、本実施形態において購入者が購入するネットワークサービス(プロダクトカタログデータに対応付けられるネットワークサービス)は、NSデータに対応付けられるネットワークサービスに相当するものである必要はない。例えば、購入者が購入するネットワークサービスが、1又は複数のNFデータに対応付けられるネットワークファンクションに相当する機能ユニット群によって実現されるものであっても構わないし、1又は複数のCNFデータに対応付けられる機能ユニット群によって実現されるものであっても構わない。また、購入者に購入されるネットワークサービスが、1又は複数のpodに対応付けられる機能ユニット群によって実現されるものであっても構わないし、1又は複数のコンテナに対応付けられる機能ユニット群によって実現されるものであっても構わない。
【0138】
また、図11に示すように、本実施形態に係る論理インベントリデータには、それぞれリソースプール群に対応付けられる複数のリソースプール管理データが含まれる。
【0139】
図12は、本実施形態に係るリソースプール管理データの一例を示す図である。リソースプール管理データは、当該リソースプール管理データに対応付けられるリソースプール群に含まれる複数のリソースプールの状況が示されている。
【0140】
図12に示すリソースプール管理データには、リソースプール群ID、複数のリソースプールデータ、及び、空きサーバ数データが含まれる。
【0141】
リソースプール管理データに含まれるリソースプール群IDは、当該リソースプール管理データに対応付けられるリソースプール群の識別子である。
【0142】
リソースプール管理データに含まれる空きサーバ数データは、当該リソースプール管理データに対応付けられるリソースプール群に割り当てられた空きサーバ数を示すデータである。
【0143】
リソースプールデータは、リソースプール管理データに対応付けられるリソースプール群に含まれるリソースプールの状況を示すデータである。
【0144】
図12に示すように、リソースプールデータには、リソースプールID、総コア数データ、残りコア数データ、CNF種類データが含まれる。
【0145】
リソースプールIDは、リソースプールの識別子である。
【0146】
総コア数データは、当該リソースプールに割り当てられたサーバ90の総コア数を示すデータである。総コア数データは、当該リソースプールに含まれるハードウェアリソースの総量を示すリソース総量データの一具体例である。
【0147】
残りコア数データは、当該リソースプールに割り当てられたサーバ90の残りコア数を示すデータである。残りコア数データは、当該リソースプールに含まれるハードウェアリソースの残量を示すリソース残量データの一具体例である。
【0148】
また、CNF種類データは、当該リソースプールに関連付けられた1種類以上のCNFの種類を示すデータである。CNF種類データは、当該リソースプールに関連付けられた1種類以上の種類の機能ユニットを示す機能ユニット種類データの一具体例である。
【0149】
本実施形態では、複数のロケーションにまたがるリソースプール群が予め設定されてもよいし、1つのロケーションだけに対応付けられるリソースプール群が予め設定されていてもよい。いずれの場合も、リソースプール群は、物理インベントリデータに示されている1又は複数のロケーションに対応付けられることとなる。
【0150】
また、インベントリ管理部66は、コンテナ管理部78と連携して、リソースの状況を適宜把握できるようになっている。そして、インベントリ管理部66は、リソースの最新の状況に基づいて、インベントリデータベース82に記憶されているインベントリデータを適宜更新する。
【0151】
E2EO部62及びインベントリ管理部66は、本実施形態では例えば、購入管理部54から受信するサービス要件データに基づいて、購入されるネットワークサービスを実現する機能ユニット群の構成を特定する。
【0152】
ここで、E2EO部62は、例えば、購入管理部54から受信する購入サービス要件データに関連付けられている購入バンドルIDに対応するサービスカタログデータをサービスカタログ記憶部64から取得する。そして、E2EO部62は、当該サービスカタログデータが示すワークフローのスクリプトを実行する。
【0153】
E2EO部62及びインベントリ管理部66は、購入管理部54から受信する購入サービス要件データ、購入バンドルIDに関連付けられているサービスカタログデータ、購入バンドルIDに関連付けられているインベントリテンプレートデータ、及び、インベントリデータに基づいて、図13及び図14に例示する計画データ(planned data)を生成する。計画データは例えば、購入されるネットワークサービスを実現する機能ユニット群の構成を示すデータである。この処理は、例えば、E2EO部62によるワークフローのスクリプトの実行をトリガとして実行される。
【0154】
図13は、本実施形態に係る計画データのデータ構造の一例を示す図である。図14は、本実施形態に係る計画データの一例を模式的に示す図である。本実施形態に係る計画データには、計画データの識別子であるインベントリキーが含まれる。インベントリキーは、計画データが生成される際に、当該計画データに一意に割り当てられる。また、計画データには、購入バンドルIDが含まれる(図14の例では「0010」)。また、計画データには、購入要求を行った購入者(ユーザ)の識別子であるユーザIDが含まれる。
【0155】
また、計画データに、購入サービス要件データに設定されている値が含まれていてもよい。図13及び図14に示す計画データには、購入サービス要件データに含まれる、対向IPデータの値、監視対象データの値、監視間隔データの値、及び、パスワードデータの値が含まれている。
【0156】
そして、本実施形態では、計画データには、購入されるネットワークサービスを実現する機能ユニット群に含まれる機能ユニットのそれぞれについての機能ユニット構成データが含まれる。機能ユニット構成データには、例えば、当該機能ユニットの種類を示すCNF種類データ、ホスト名を示すホスト名データ、IPアドレスを示すIPアドレスデータ、当該機能ユニットを構成するコンテナにそれぞれ対応付けられる複数のコンテナ構成データ、が含まれる。
【0157】
ここで例えば、E2EO部62が、購入サービス要件データに基づいて、構築される機能ユニット群の数を特定してもよい。例えば、E2EO部62が、購入サービス要件データとサービスカタログデータに含まれる要件構成対応データとに基づいて、購入されるネットワークサービスを実現する機能ユニット群の種類並びに各種類についての機能ユニットの数を特定してもよい。例えば、サービス要件データが示す加入者数が50000である場合に、上述の要件構成対応データに基づいて、構築される機能ユニット群が、3個のP-GW、3個のIMS、及び、3個のHSSであると特定されてもよい。
【0158】
そして、E2EO部62が、サービス要件データとともに、機能ユニット群の種類並びに各種類についての機能ユニットの数を示すデータをインベントリ管理部66に出力してもよい。そして、インベントリ管理部66が、当該データと、インベントリデータと、に基づいて、各機能ユニットに割り当てられるホスト名およびIPアドレスを決定してもよい。ここで例えば、既に使用されているホスト名やIPアドレスと重複しないようホスト名やIPアドレスが決定されてもよい。そして、このようにして決定されるホスト名を示すホスト名データ、及び、決定されるIPアドレスを示すIPアドレスデータを含む計画データが生成されてもよい。
【0159】
また、上述のように、E2EO部62が、購入サービス要件データに基づいて、構築される機能ユニット群に含まれる機能ユニットのそれぞれが構築されるロケーションを特定してもよい。例えば、E2EO部62が、購入サービス要件データに含まれる対象地域データとサービスカタログデータに含まれる要件構成対応データとに基づいて、構築される機能ユニット群に含まれる各機能ユニットのロケーションを決定してもよい。ここで各機能ユニットについて異なるロケーションが決定されてもよい。そして、各機能ユニットについて、当該機能ユニットについて決定されるロケーションにおいて利用可能なホスト名やIPアドレスが、当該機能ユニットのホスト名及びIPアドレスとして決定されてもよい。そして、このようにして決定されるホスト名を示すホスト名データ、及び、決定されるIPアドレスを示すIPアドレスデータを含む計画データが生成されてもよい。
【0160】
また、E2EO部62が、購入サービス要件データに基づいて、複数のロケーションのそれぞれについて、当該ロケーションに構築される機能ユニットの種類及び数を特定してもよい。この場合、E2EO部62が、購入サービス要件データに基づいて特定されるロケーションに応じて、当該ロケーションに構築される、それぞれの種類の機能ユニットの数を決定してもよい。また、E2EO部62が、購入サービス要件データに基づいて特定されるロケーション毎に設定されている重みに基づいて、ロケーション毎に構築される、それぞれの種類の機能ユニットの数を決定してもよい。
【0161】
例えば、E2EO部62に、図15に示す想定ビジーレベルデータが記憶されていてもよい。図15に示す想定ビジーレベルデータには、例えば、当該想定ビジーレベルデータに関連付けられているデータセンタの配下の1又は複数のセルがカバーするエリアの人口が示されている。想定ビジーレベルデータの値は、上述したロケーション毎に設定されている重みの一例である。
【0162】
ここで、コアネットワークシステム20のデータセンタについての想定ビジーレベルデータには、例えば、当該コアネットワークシステム20と通信する1又は複数の基地局装置22のセルがカバーするエリアの人口が示される。
【0163】
そして、例えば、想定ビジーレベルデータが示す人口が高いロケーションであるほど多くの機能ユニットがデプロイされるようにしてもよい。例えば、購入サービス要件データに含まれる加入者数データに基づいて、デプロイされるvDUの総数nが特定されるとする。そして、購入サービス要件データに含まれる対象地域データに基づいて、当該対象地域データが示す対象地域内にある、vDUのデプロイ先である複数のデータセンタが特定されるとする。この場合、特定された各データセンタについての想定ビジーレベルデータの値に基づいて、特定されたvDUの総数nを按分した数のvDUが各データセンタにデプロイされるようにしてもよい。
【0164】
図13に示すように、コンテナ構成データには、例えば、コンテナID、コンテナイメージID、必要リソースデータ、リソースプール群ID、リソースプールID、及び、接続コンテナIDリストが含まれる。
【0165】
コンテナIDは、例えば、上述したように、当該コンテナ構成データに対応するコンテナのインスタンスに一意に割り当てられる識別子である。
【0166】
コンテナ構成データに含まれるコンテナイメージIDには、例えば、当該コンテナ構成データに対応するコンテナのコンテナイメージに割り当てられているコンテナイメージIDが設定される。
【0167】
必要リソースデータは、例えば、当該コンテナの稼働に必要なリソースを示すデータである。本実施形態では例えば、インベントリテンプレートデータに、各コンテナについて、当該コンテナの稼働に必要なリソースが示されている。インベントリ管理部66は、インベントリテンプレートデータに基づいて、必要リソースデータの値を設定する。
【0168】
コンテナ構成データに含まれるリソースプール群IDには、例えば、当該コンテナ構成データに対応するコンテナが割り当てられるリソースプール群のリソースプール群IDの値が設定される。インベントリ管理部66は、例えば、上述のようにして決定されるロケーションと、インベントリデータと、に基づいて、当該コンテナが構築されるリソースプール群IDを決定してもよい。
【0169】
コンテナ構成データに含まれるリソースプールIDには、例えば、当該コンテナ構成データに対応するコンテナが割り当てられるリソースプールのリソースプールIDの値が設定される。インベントリ管理部66は、例えば、当該コンテナの種類と、リソースプール管理データと、に基づいて、リソースプールIDを決定してもよい。
【0170】
接続コンテナIDリストは、当該コンテナと接続されるコンテナのコンテナIDのリストである。本実施形態では例えば、インベントリテンプレートデータに、各コンテナについて、当該コンテナと接続されるコンテナの種類が示されている。インベントリ管理部66は、例えば、インベントリテンプレートデータと、インベントリデータと、に基づいて、接続コンテナIDリストの値を決定する。
【0171】
計画データを生成する際には、E2EO部62は、インベントリ管理部66と連携して、新規の機能ユニット群がデプロイされるリソースプール、及び、必要なリソースを特定する。ここで、E2EO部62は、購入要求の受付などといった、ネットワークサービスの構築要求の受付に応じて特定される機能ユニットに関連付けられているリソースプールを特定してもよい。また、E2EO部62は、購入されるネットワークサービスの対象地域に基づいて、リソースプール群を特定してもよい。例えば、購入サービス要件データに含まれる対象地域データが示す対象地域に基づいて、リソースプール群が特定されてもよい。そして、E2EO部62は、特定されたリソースプール群に含まれるリソースプールのうちから、新規の機能ユニット群がデプロイされるリソースプールを特定してもよい。
【0172】
また、E2EO部62は、新規の機能ユニット群がデプロイされるハードウェアリソース(ここでは例えばサーバ90)を確保可能であるか否かを判定する。ここでは例えば、(1)サーバ90の確保が可能である、(2)いずれのリソースプールにも含まれていない未使用ハードウェアリソース(ここでは例えば空きサーバ)のセットアップを行うことでサーバ90の確保が可能である、(3)サーバ90の確保が不可能である、のいずれであるかかが判定される。
【0173】
ここで、(2)である場合は、E2EO部62は、未使用ハードウェアリソース(ここでは例えば空きサーバ)に、予め定められた特定種類の機能ユニットがデプロイされるか否かを判定する。
【0174】
そして、特定種類の機能ユニットがデプロイされる場合は、E2EO部62は、当該特定種類の機能ユニットに関連付けられているリソースプールを特定する。ここで例えば、リソースプール管理データに基づいて、当該リソースプールが特定される。
【0175】
本実施形態では例えば、以上のようにして特定されるリソースプール群のリソースプール群ID、及び、特定されるリソースプールのリソースプールIDが、コンテナ構成データに設定される。
【0176】
CMaaS部68、サービスマネージャ部70、及び、スライスマネージャ部72は、本実施形態では例えば、上述のようにして特定される機能ユニット群の構成と、当該構成をパラメータとして受け入れ可能なテンプレートデータと、に基づいて、当該機能ユニット群の構築手順を特定する。当該構築手順には、例えば、コンテナのデプロイ、及び、デプロイされたコンテナ及び当該コンテナに関係するコンテナの設定等のコンテナの構成管理の手順が含まれる。この処理は、例えば、E2EO部62によるワークフローのスクリプトの実行をトリガとして実行される。
【0177】
そして、CMaaS部68、サービスマネージャ部70、スライスマネージャ部72、及び、コンテナ管理部78は、特定される構築手順を実行することで、機能ユニット群を構築する。この処理も、例えば、E2EO部62によるワークフローのスクリプトの実行をトリガとして実行される。
【0178】
なお、機能ユニット群に含まれる機能ユニットのそれぞれが、当該機能ユニットについて特定されるロケーションに構築されてもよい。
【0179】
また例えば、購入サービス要件データに基づいて特定される数の機能ユニット群が構築されてもよい。
【0180】
また例えば、複数のロケーションのそれぞれについて、当該ロケーションについて特定される種類の機能ユニットが、特定される数だけ構築されるようにしてもよい。
【0181】
ここで、CMaaS部68及びBMaaS部84は、例えば、新規の機能ユニット群がデプロイされるハードウェアリソース(ここでは例えばサーバ90)を確保する。
【0182】
また、CMaaS部68及びBMaaS部84は、特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップを、未使用ハードウェアリソースに施す。本実施形態では例えば、CMaaS部68又はBMaaS部84に上述の特定種類の機能ユニットについてのセットアップを行うためのスクリプト(例えば、Ansibleスクリプト)が記憶されている。当該スクリプトには、例えば、特定種類あるいは特定バージョンである、コンテナ実行環境の基盤であるホストOSのインストール手順、ホストOSのカーネルの設定手順、BIOS(Basic Input Output System)の設定手順、などが記述されている。そして、BMaaS部84が、当該スクリプトを実行することにより、特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップが、空きサーバに施される。例えば、コンテナ実行環境のホストOSやBIOSのセットアップが、空きサーバに施される。
【0183】
そして、CMaaS部68及びBMaaS部84は、リソースプール管理データを更新して、システムソフトウェアのセットアップが施された未使用ハードウェアリソースを、特定されるリソースプールに追加する。このようなリソースプールへのハードウェアリソースの追加は当該ハードウェアリソースを管理するコンテナ管理部78によって検出される。そして、インベントリ管理部66が、追加されたハードウェアリソース(サーバ90)に対応するインベントリデータを更新される。このようにして、当該リソースプールには、特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップが施されたハードウェアリソースが含まれることとなる。
【0184】
ここでは例えば、vDUが特定種類の機能ユニットであることとする。また、vDUに必要なコア数が5つであり、空きサーバのコア数が50であるとする。
【0185】
この場合において、vDUを含むネットワークサービスが購入される際に、vDUに関連付けられたリソースプールが特定される。図12の例では、リソースプールIDがCであるリソースプールが特定される。そして、このリソースプールの残りハードウェアリソースが充分であるか否かが確認される。そして、残りハードウェアリソースが不足している場合は、1つの空きサーバに対して、vDUに応じたシステムソフトウェアのセットアップが施される。そして、システムソフトウェアのセットアップがされたサーバ90が、リソースプールCに追加され、リソースプール管理データは、図16に示すものに更新される。
【0186】
このようにして、本実施形態では、リソースプールデータに対応するリソースプールに含まれるハードウェアリソースには、当該リソースプールに関連付けられている1種類以上の種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップが施されることとなる。
【0187】
機能ユニットの種類によっては一般的な構成の汎用サーバでは充分な性能が発揮できないことがある。そこで、このような特定種類の機能ユニットのために、ホストOSやBIOS等のシステムソフトウェアについて、専用のセットアップをサーバ等のハードウェアリソースに施すことが望ましい。この場合、そうした専用のシステムソフトウェアのセットアップが施されたハードウェアリソースをネットワークサービスの提供開始前に所要数だけ予め準備しておき、必要時には、準備されたハードウェアリソースに当該機能ユニットをデプロイすることが考えられる。
【0188】
ところが、特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップを事前に施すべきハードウェアリソースの最適量をネットワークサービスの提供開始前に見積もることは困難である。また、余裕をもって多くのハードウェアリソースに対して特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップを施してしまうと、このようなハードウェアリソースは他の機能ユニットのデプロイには適さないため、リソースの無駄が発生する。
【0189】
本実施形態では、上述のようにして、特定種類の機能ユニットを、未使用ハードウェアリソースにデプロイする場合に、当該特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップが未使用ハードウェアリソースに施される。そして、システムソフトウェアのセットアップが施された未使用ハードウェアリソースが、当該特定種類の機能ユニットに関連付けられているリソースプールに追加される。
【0190】
このようにして本実施形態によれば、ネットワークサービスを実現する各種の機能ユニットがデプロイされるハードウェアリソースを有効活用できることとなる。
【0191】
なお、本実施形態において、需要予測の結果に基づいて機能ユニットが特定されてもよい。例えば、需要予測の結果に基づいて、近い将来に不足することが予測される機能ユニットが特定されてもよい。そして、このようにして特定される機能ユニットに関連付けられているリソースプールが特定されてもよい。そして、当該リソースプールに、当該機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップが施された未使用ハードウェアリソースが追加されてもよい。
【0192】
新規の機能ユニット群がデプロイされるハードウェアリソースが確保されると、サービスマネージャ部70は、例えば、上述の計画データと、サービスマネージャ部70に記憶されている、購入バンドルIDに関連付けられたサービステンプレートデータと、に基づいて、新規の機能ユニット群のデプロイをコンテナ管理部78に指示する。当該サービステンプレートデータは、当該計画データの一部又は全部をパラメータとして受け入れ可能なものとなっている。
【0193】
上述のサービステンプレートデータの一例として、CNFD(CNF Descriptor)が挙げられる。図17は、CNFDの一例を示す図である。サービスマネージャ部70は、例えば、計画データと当該CNFDとに基づいて、図18に示すday0パラメータ(CNFインスタンス)を生成する。例えば、図17に示すCNFDのホスト名とIPアドレスの値が設定された、図18に示すday0パラメータが生成される。
【0194】
ここでCNFDに複数のデプロイメントフレーバーのそれぞれに対応付けられたテンプレートが含まれていてもよい。そして例えば、サービスマネージャ部70は、購入サービス要件データに応じたデプロイメントフレーバーに対応するテンプレートに基づいて、day0パラメータを生成してもよい。
【0195】
ここで、サービスマネージャ部70は、day0パラメータの出力先のロケーションを特定してもよい。例えば、day0パラメータの出力先となる1又は複数のコンテナ管理部78が特定されてもよい。例えば、計画データのコンテナ構成データに示されているリソースプールのロケーションに配置されているサーバ90に対応付けられているコンテナ管理部78が特定されてもよい。そして、特定されるロケーションのそれぞれに出力されるday0パラメータが生成されてもよい。例えば、出力先となる1又は複数のコンテナ管理部78のそれぞれに出力されるday0パラメータが生成されてもよい。
【0196】
そして、サービスマネージャ部70は、生成された1又は複数のday0パラメータのそれぞれを、当該day0パラメータの出力先のロケーションであるコンテナ管理部78に出力する。当該day0パラメータには購入バンドルIDが関連付けられている。
【0197】
そして、コンテナ管理部78は、受け付けたday0パラメータに基づいて、新規の機能ユニット群をデプロイする。コンテナ管理部78は、例えば、購入バンドルIDに対応付けられるヘルムチャートデータと、受け付けたday0パラメータとに基づいて、デプロイされるコンテナイメージ、及び、コンテナがデプロイされるリソースプールを特定する。そして、コンテナ管理部78は、当該コンテナイメージをリポジトリ部80から取得して、当該コンテナイメージに対応するコンテナを、特定されたリソースプールにデプロイする。ここでは例えば、購入バンドルIDに対応付けられるヘルムチャートデータと、受信したday0パラメータとに基づいて、マニフェストファイルが生成される。そして、当該マニフェストファイルを用いたコンテナのデプロイが実行される。
【0198】
また、CMaaS部68は、例えば、上述の計画データと、CMaaS部68に記憶されている、購入バンドルIDに関連付けられたCMテンプレートデータと、に基づいて、day1パラメータを含む計画CMデータを生成する。当該CMテンプレートデータは、当該計画データの一部又は全部をパラメータとして受け入れ可能なものとなっている。
【0199】
day1パラメータには、例えば、デプロイされた機能ユニット群及び当該機能ユニット群に関係する少なくとも1つの機能ユニット(例えば、デプロイされた機能ユニット群と通信する機能ユニット)についての設定等の構成管理手順が示されている。基地局装置22に係るday1パラメータには、例えば、電波強度、アンテナ22aの向きや角度、シリアルナンバー、などが示されている。S-GW(Serving-Gateway)に係るday1パラメータには、例えば、対向ノードを示す情報(通信相手のMME(Mobility Management Entity)を示す情報やAPN(Access Point Name)等)、RADIUS(Remote Authentication Dial In User Service)サーバのホスト名あるいはFQDN、などが示されている。
【0200】
そして、CMaaS部68は、生成される計画CMデータに含まれるday1パラメータに基づいて、機能ユニットの設定等の構成管理を実行する。これらの処理は、例えば、E2EO部62によるワークフローのスクリプトの実行をトリガとして実行される。
【0201】
そして、スライスマネージャ部72は、例えば、上述の計画データと、スライスマネージャ部72に記憶されている、購入バンドルIDに関連付けられたスライステンプレートデータと、に基づいて、購入されるネットワークサービスに係るネットワークスライスのインスタンス化を実行する。当該スライステンプレートデータは、当該計画データの一部又は全部をパラメータとして受け入れ可能なものとなっている。この処理は、例えば、E2EO部62によるワークフローのスクリプトの実行をトリガとして実行される。
【0202】
ここで、スライスマネージャ部72が、ネットワークスライスのインスタンス化に関係する構成管理指示をCMaaS部68に出力してもよい。そして、CMaaS部68が、当該構成管理指示に従った設定等の構成管理を実行してもよい。
【0203】
ここで例えば、CMaaS部68が、新規の機能ユニット群のデプロイが終了した際にこれらの新規の機能ユニット群に関する構成管理を実行して、その後に、ネットワークスライスのインスタンス化に関係する構成管理を実行してもよい。
【0204】
あるいは、CMaaS部68が、一旦生成されるday1パラメータを、スライスマネージャ部72から受け付ける構成管理指示に基づいて更新してもよい。そして、CMaaS部68が、新規の機能ユニット群及びネットワークスライスのインスタンス化に関係する構成管理をまとめて実行してもよい。
【0205】
監視管理部74は、本実施形態では例えば、上述の計画データと、監視管理部74に記憶されている、購入バンドルIDに関連付けられた監視スクリプトデータと、に基づいて、購入サービス要件データが示す監視ポリシーを特定する。そして、監視管理部74は、特定される監視ポリシーに従った監視設定を実行する。そして、監視管理部74は、構築される機能ユニット群を、特定される監視ポリシーに従って監視する。ここでは例えば、購入サービス要件データが示す監視対象に対する、購入サービス要件データが示す監視間隔での監視が実行されてもよい。この処理は、例えば、E2EO部62によるワークフローのスクリプトの実行をトリガとして実行される。
【0206】
監視管理部74は、例えば、監視対象のコンテナに関連付けられた、監視対象のメトリックの値を上述の監視間隔でログとして出力するサイドカーをデプロイしてもよい。そして、当該サイドカーが上述の監視設定に従ってログを監視管理部74に出力してもよい。そして、監視管理部74は、当該ログを蓄積してもよい。そして、監視管理部74は、例えば、購入者端末14からの要求に応じて当該ログを購入者端末14に送信してもよい。
【0207】
セキュリティ設定部76は、例えば、本実施形態では例えば、上述の計画データと、セキュリティ設定部76に記憶されている、購入バンドルIDに関連付けられたセキュリティスクリプトデータと、に基づいて、購入サービス要件データの値に従った、パスワードの設定等のセキュリティ設定を実行する。
【0208】
ここで、図7に示すオンボーディング画面においてベンダによってオンボーディングボタン40がクリックされた際にベンダ端末16、MPS10、及び、NOS12で実行される処理の流れを、図19A及び図19Bに示すフロー図を参照しながら説明する。
【0209】
まず、ベンダ端末16が、オンボーディング画面において指定されたパスに配置されたバンドルデータをNOS12のバンドル展開部60に送信する(S101)。
【0210】
そして、バンドル展開部60は、S101に示す処理で受信したバンドルデータを展開して、図9に示すデータ群を生成する(S102)。
【0211】
そして、バンドル展開部60は、S102に示すデータ群に対応するバンドルIDを決定する(S103)。
【0212】
そして、バンドル展開部60は、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるプロダクトカタログデータをMPS10のバンドル管理部50に送信する。そして、MPS10のバンドル管理部50が、受信したプロダクトカタログデータをプロダクトカタログ記憶部52に記憶させる(S104)。
【0213】
そして、バンドル展開部60は、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるサービスカタログデータをE2EO部62に出力する。そして、E2EO部62が、受信したサービスカタログデータをサービスカタログ記憶部64に記憶させる(S105)。
【0214】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるインベントリテンプレートデータをインベントリ管理部66に記憶させる(S106)。
【0215】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるCMテンプレートデータをCMaaS部68に記憶させる(S107)。
【0216】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるサービステンプレートデータをサービスマネージャ部70に記憶させる(S108)。
【0217】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるスライステンプレートデータをスライスマネージャ部72に記憶させる(S109)。
【0218】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれる監視スクリプトデータを監視管理部74に記憶させる(S110)。
【0219】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるセキュリティスクリプトデータをセキュリティ設定部76に記憶させる(S111)。
【0220】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるヘルムチャートデータをコンテナ管理部78に記憶させる(S112)。ここで例えば、バンドル展開部60は、S102に示すデータ群に含まれるヘルムチャートを複数のコンテナ管理部78に記憶させてもよい。また、コンテナ管理部78に対応付けられるヘルムチャートデータが当該コンテナ管理部78に記憶されるようにしてもよい。
【0221】
そして、バンドル展開部60が、S103に示す処理で決定されたバンドルIDに関連付けられた、S102に示すデータ群に含まれるコンテナイメージデータをリポジトリ部80に記憶させて(S113)、本処理例に示す処理は終了される。
【0222】
次に、図3に示すサービス要件入力画面において購入者によって次へボタン32がクリックされた際に、購入者端末14、MPS10、及び、NOS12で実行される処理の流れを、図20に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0223】
まず、購入者端末14は、購入バンドルIDに関連付けられた購入サービス要件データをMPS10の購入管理部54に送信する(S201)。当該購入バンドルIDは、図2に示す購入画面において購入者によって選択されたネットワークサービスのバンドルIDである。当該購入サービス要件データは、図3に示すサービス要件入力画面における入力内容を示すサービス要件データである。
【0224】
すると、MPS10の購入管理部54は、S201に示す処理で受信した、購入バンドルIDに関連付けられた購入サービス要件データを、NOS12のE2EO部62に送信する(S202)。
【0225】
すると、NOS12のE2EO部62が、当該購入バンドルIDに関連付けられているサービスカタログデータに基づいて、空き状況問合せデータを生成する(S203)。ここでは例えば、購入されるネットワークサービスを実現する機能ユニット群の種類並びに各種類についての機能ユニットの数を示す空き状況問合せデータが生成される。
【0226】
そして、E2EO部62が、S203に示す処理で生成された空き状況問合せデータをインベントリ管理部66に出力する(S204)。
【0227】
すると、インベントリ管理部66が、受け付けた空き状況問合せデータ、インベントリデータ、及び、インベントリテンプレートデータに基づいて、空き状況データを生成する(S205)。ここでは例えば、受け付けた空き状況問合せデータに示されている機能ユニット群がデプロイされるハードウェアリソースについて(1)確保可能であること、(2)空きサーバをリソースプールに追加することで確保可能であること、又は、(3)確保が不可能であることのいずれかを示す空き状況データが生成される。
【0228】
そして、インベントリ管理部66は、S205に示す処理で生成された空き状況データをE2EO部62に送信する(S206)。
【0229】
すると、E2EO部62は、S206に示す処理で受信した空き状況データに基づいて、回答データを生成する(S207)。ここでは例えば、空き状況データが上述の(1)又は(2)を示す場合は、OKを示す回答データが生成され、空き状況データが上述の(3)を示す場合は、NGを示す回答データが生成される。
【0230】
そして、E2EO部62は、S207に示す処理で生成された回答データを、MPS10の購入管理部54に送信する(S208)。
【0231】
そして、購入管理部54は、S208に示す処理で受信した回答データに基づいて、購入確認画面を生成する(S209)。ここでは例えば、受信した回答データがOKを示す場合は、図4に示す、即時の提供が可能であることを示す購入確認画面が生成される。一方、受信した回答データがNGを示す場合は、図5に示す、所定の納期が必要である(例えば、2週間の納期が必要である)ことを示す購入確認画面が生成される。
【0232】
そして、購入管理部54は、S209に示す処理で生成された購入確認画面を購入者端末14に送信する(S210)。
【0233】
そして、購入者端末14が、S210に示す処理で受信した購入確認画面を購入者端末14のディスプレイに表示させて(S211)、本処理例に示す処理は終了される。
【0234】
次に、購入者によって、図4又は図5に示す購入確認画面において購入ボタン34がクリックされた際に、購入者端末14、MPS10、及び、NOS12で実行される処理の流れを、図21に示すフロー図を参照しながら説明する。
【0235】
まず、購入者端末14が、ネットワークサービスの購入要求をMPS10の購入管理部54に送信する(S301)。当該購入要求には、S201に示す処理で送信された購入バンドルID及び購入サービス要件データが関連付けられていることとする。
【0236】
そして、購入管理部54は、S301に示す処理で受信した、購入バンドルID及び購入サービス要件データに関連付けられた購入要求をE2EO部62に送信する(S302)。
【0237】
そして、E2EO部62が、受信した購入要求に関連付けられている購入バンドルIDに対応するサービスカタログデータを特定する(S303)。
【0238】
そして、E2EO部62が、S303に示す処理で特定されたサービスカタログデータをサービスカタログ記憶部64から取得して、当該サービスカタログデータが示すワークフローのスクリプトを実行して(S304)、本処理例に示す処理は終了される。
【0239】
ここで、S304に示す処理の詳細について、図22A図22Gに示すフロー図を参照しながら説明する。
【0240】
まず、E2EO部62及びインベントリ管理部66が、購入要求に関連付けられている購入サービス要件データ、サービスカタログデータ、インベントリテンプレートデータ、及び、インベントリデータに基づいて、計画データを生成する(S401)。S401で実行される処理には、例えば、機能ユニット群がデプロイされるリソースプール、及び、必要なリソースを特定する処理が含まれる。
【0241】
そして、インベントリ管理部66は、生成された計画データをインベントリデータベース82に記憶させる(S402)。
【0242】
そして、インベントリ管理部66は、生成された計画データに含まれるインベントリキーをE2EO部62に出力する(S403)。
【0243】
すると、E2EO部62は、受け付けたインベントリキーをCMaaS部68に出力する(S404)。
【0244】
すると、CMaaS部68は、受け付けたインベントリキーを含む計画データをインベントリデータベース82から取得する(S405)。
【0245】
そして、CMaaS部68は、S405に示す処理で取得された計画データに基づいて、day1パラメータを含む計画CMデータを生成して、保持する(S406)。
【0246】
そして、CMaaS部68は、必要なハードウェアリソースの確保などのセットアップの指示をBMaaS部84に出力して(S407)、BMaaS部84が、当該指示に応じたハードウェアリソースの確保などのセットアップを実行する(S408)。この際に、特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップや、リソースプールへの空きサーバの追加が、必要に応じて実行される。
【0247】
なお、本実施形態において、リソースプールへの空きサーバの追加は余裕(バッファ)をもって行われるようにしてもよい。例えば、複数台のサーバ90がまとめてリソースプールに追加されてもよい。
【0248】
そして、BMaaS部84が、終了通知をCMaaS部68に出力すると(S409)、CMaaS部68は、リソースプール管理データを更新する(S410)。ここでは例えば、ハードウェアリソースが確保されたリソースプールの残りコア数データの値が減算されてもよい。また、空きサーバ数や総コア数データの値が更新されてもよい。なお、S410に示す処理において、CMaaS部68ではなく、BMaaS部84がリソースプール管理データを更新してもよい。また、CMaaS部68からの指示に従って、インベントリ管理部66がリソースプール管理データを更新してもよい。
【0249】
そして、CMaaS部68は、終了通知をE2EO部62に出力する(S411)。
【0250】
すると、E2EO部62は、S403に示す処理で受け付けたインベントリキーをサービスマネージャ部70に出力する(S412)。
【0251】
すると、サービスマネージャ部70は、受け付けたインベントリキーを含む計画データをインベントリデータベース82から取得する(S413)。
【0252】
そして、サービスマネージャ部70は、S418に示す処理で取得された計画データに基づいて、機能ユニット群がデプロイされるロケーションを特定する(S414)。
【0253】
そして、サービスマネージャ部70は、S414に示す処理で特定されたロケーション毎のday0パラメータ(CNFインスタンス)を生成する(S415)。
【0254】
そして、サービスマネージャ部70は、S414に示す処理で特定されたそれぞれのロケーションに対応するコンテナ管理部78に、当該コンテナ管理部78に対応するday0パラメータを出力する(S416)。
【0255】
そして、コンテナ管理部78は、受け付けたday0パラメータに基づいて、コンテナのデプロイを実行する(S417)。
【0256】
そして、コンテナ管理部78は、終了通知をサービスマネージャ部70に出力する(S418)。
【0257】
すると、サービスマネージャ部70は、終了通知をE2EO部62に出力する(S419)。
【0258】
そして、E2EO部62は、day1パラメータに基づく構成管理指示をCMaaS部68に出力する(S420)。
【0259】
すると、CMaaS部68は、保持している計画CMデータに含まれるday1パラメータに基づく、コンテナ群の構成管理を実行する(S421)。
【0260】
そして、CMaaS部68は、終了通知をE2EO部62に出力する(S422)。
【0261】
すると、E2EO部62は、S403に示す処理で受け付けたインベントリキーをスライスマネージャ部72に出力する(S423)。
【0262】
すると、スライスマネージャ部72は、受け付けたインベントリキーを含む計画データをインベントリデータベース82から取得する(S424)。
【0263】
そして、スライスマネージャ部72は、S429に示す処理で取得された計画データに基づいて、ネットワークスライスのインスタンス化を実行する(S425)。S425に示す処理では、例えば上述のように、スライスマネージャ部72が、ネットワークスライスのインスタンス化に関係する構成管理指示をCMaaS部68に出力してもよい。そして、CMaaS部68が、当該構成管理指示に従った設定等の構成管理を実行してもよい。
【0264】
また、上述のように、S420~S422に示す処理が実行されずに、S425に示す処理で、CMaaS部68が、day1パラメータを、スライスマネージャ部72から受け付ける構成管理指示に基づいて更新してもよい。そして、CMaaS部68が、当該構成管理指示に従った設定等の構成管理を実行してもよい。
【0265】
そして、スライスマネージャ部72は、終了通知をE2EO部62に出力する(S426)。
【0266】
すると、E2EO部62は、S403に示す処理で受け付けたインベントリキーを監視管理部74に出力する(S427)。
【0267】
すると、監視管理部74は、受け付けたインベントリキーを含む計画データをインベントリデータベース82から取得する(S428)。
【0268】
そして、監視管理部74は、S428に示す処理で取得された計画データに基づいて、購入サービス要件データが示す監視ポリシーに従った監視設定を実行する(S429)。
【0269】
そして、監視管理部74は、終了通知をE2EO部62に出力する(S430)。
【0270】
すると、E2EO部62は、S403に示す処理で受け付けたインベントリキーをセキュリティ設定部76に出力する(S431)。
【0271】
すると、セキュリティ設定部76は、受け付けたインベントリキーを含む計画データをインベントリデータベース82から取得する(S432)。
【0272】
そして、セキュリティ設定部76は、S432に示す処理で取得された計画データに基づいて、セキュリティ設定を実行する(S433)。
【0273】
そして、セキュリティ設定部76は、終了通知をE2EO部62に出力して(S434)、本処理例に示す処理は終了される。
【0274】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0275】
例えば、購入者に提供されるネットワークサービスが、コンテナベースの機能ユニットであるCNFではなく、ハイパーバイザ型やホスト型の仮想化技術を用いた、VM(Virtual Machine)ベースの機能ユニットであるVNF(Virtualized Network Function)によって実装されても構わない。ここで、未使用ハードウェアリソース(ここでは例えば空きサーバ)に、特定種類の機能ユニットがデプロイされる場合は、仮想マシン環境の基盤であるホストOSに、当該特定種類の機能ユニットに応じたシステムソフトウェアのセットアップが施されてもよい。
【0276】
また、例えば、図8に示されている各機能についての役割分担は、図8に示すものに限定されない。例えば、E2EO部62で実行される処理の一部がインベントリ管理部66で実行されてもよい。また例えば、インベントリ管理部66で実行される処理の一部がE2EO部62で実行されてもよい。
【0277】
また、本実施形態において、NOS12にリポジトリ部80が含まれていなくてもよい。そして、バンドル展開部60が、ヘルムチャートデータ、及び、コンテナイメージデータをコンテナ管理部78に記憶させてもよい。そして、コンテナ管理部78が、当該コンテナ管理部78に記憶されているコンテナイメージをデプロイしてもよい。
【0278】
また、本実施形態において、NOS12にバンドル展開部60が含まれていなくてもよい。例えば、外部のファイル転送サーバからバンドルファイルがオンボーディングされるようにしてもよい。
【0279】
<実施例>
上記の前提技術を踏まえ、本開示の実施例を説明する。以下、前提技術で説明済みの内容は適宜省略し、前提技術と異なる内容を主に説明する。また、前提技術の構成要素と同一または対応する構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0280】
実施例の概要を説明する。ネットワーク機器の管理プロトコル「NETCONF」で使用される、設定項目等の記述言語としてYANG(Yet Another Next Generation)が知られている。ネットワーク機器の設定内容がYANGにより記述されたファイルを以下「YANGモデル」と呼ぶ。YANGモデルは、YANGを用いてネットワーク機器の構造や設定項目、設定値等を抽象化したデータと言える。
【0281】
実施例では、ネットワーク機器の設定内容を定めたYangモデルと、ネットワークサービスを購入または利用する顧客(以下「ユーザ」とも呼ぶ。)により入力されたデータとをもとに、ネットワーク機器を設定するためのユーザインタフェースを生成して、ユーザに提供する。このユーザインタフェースは、例えば、新規設定用の画面と設定変更用の画面を含む。これにより、ネットワーク機器に対する最新の設定内容(設定項目や設定値等)に整合する設定用の画面を効率よく生成して、ユーザに提供できる。
【0282】
図23は、YANGモデルのデータの例を示す。同図のYANGモデル100は、ネットワーク機器に対する設定項目として、最大送信電力(項目102)と、ダウンリンク用ベースステーションの帯域幅(項目104)を含む。各設定項目では、設定値の型・単位・範囲、設定が必須であることを示す必須オプション、デフォルトの設定値、選択可能な設定値の候補等が指定され得る。デフォルトの設定値は、デフォルトステートメントとも言え、例えば、推奨値であってもよい。
【0283】
実施例の詳細を説明する。図24は、実施例の通信プラットフォーム110の構成を示す。実施例の通信プラットフォーム110は、移動体通信事業者が提供する通信インフラ上にネットワークサービスを構築し、また、移動体通信事業者が提供する通信インフラ上に構築されたネットワークサービスを管理する情報処理システム(言い換えればコンピュータシステム)である。通信プラットフォーム110は、ネットワークサービス管理システムとも言える。
【0284】
通信プラットフォーム110の物理的な構成に制約はない。例えば、通信プラットフォーム110の機能は、1台の装置により実現されてもよい。または、通信プラットフォーム110の機能は、複数台の装置に分散配置され、これら複数台の装置が連携することにより実現されてもよい。通信プラットフォーム110は、LAN・WAN・インターネット等の通信網を介して、ユーザ端末120およびベンダ端末16と接続される。ユーザ端末120は、前提技術の購入者端末14に対応するものであり、ネットワークサービスの利用者(例えばMVNO)により操作される情報処理装置である。
【0285】
図24は、通信プラットフォーム110の機能ブロックを示すブロック図を含む。本明細書のブロック図で示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのプロセッサ、CPU、メモリをはじめとする素子や電子回路、機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0286】
通信プラットフォーム110は、フロントエンドシステム112、ネットワークオペレーティングシステム(NOS12)、サーバ90を備える。フロントエンドシステム112は、ウェブページ等のユーザインタフェースをユーザ端末120へ提供し、ネットワークサービスに関するユーザの要求を受け付ける情報処理システムである。フロントエンドシステム112は、前提技術のマーケットプレイスシステム(MPS10)が備える機能のうち少なくとも一部の機能を備えてもよい。
【0287】
サーバ90は、各種ネットワーク機器の機能(例えば図1のコアネットワークシステム20や基地局装置22の機能)を提供するコンテナベースの機能ユニットであるCNFインスタンス(CNF116)がデプロイされる情報処理装置である。前提技術で説明したように、NOS12のCMaaS部68は、ネットワーク機器の機能を規定する値(以下「設定値」とも呼ぶ。)をday1パラメータとしてCNF116に設定する。なお、実際の通信プラットフォーム110は、複数のサーバ90を備える。
【0288】
NOS12は、マーケットプレイスシステム(MPS10)、E2EO部62、インベントリ管理部66、CMaaS部68、サービスマネージャ部70を備える。インベントリ管理部66は、前提技術のインベントリデータベース82を含み、複数のサーバ90についてのインベントリ情報を管理する。
【0289】
ネットワークサービスの新規構築、言い換えれば、ネットワーク機器の新規設定に関する構成を説明する。CMaaS部68は、記憶部として、ユーザが購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイルを記憶する。このファイルは、ネットワーク機器の設定内容が所定のデータモデル言語で記述されたファイルであり、実施例では、ネットワーク機器の設定内容がYANG(Yet Another Next Generation)により記述されたYANGモデルを含む。
【0290】
フロントエンドシステム112は、受付部として、ネットワークサービスを購入しようとするユーザにより指定されたネットワークサービスの構成を受け付ける。CMaaS部68とフロントエンドシステム112は、設定画面提供部として、上記ファイルに定められた内容と、ユーザにより指定されたネットワークサービスの構成とに基づくネットワーク機器の設定画面をユーザ端末120に提供する。CMaaS部68は、機器設定部として、設定画面にユーザが入力したネットワーク機器の設定値に基づいて、ネットワーク機器に設定を投入する。
【0291】
ネットワークサービスの設定変更、言い換えれば、ネットワーク機器の設定変更に関する構成を説明する。CMaaS部68は、第1記憶部として、ユーザが購入可能なネットワークサービスと関連付けて、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めたファイル(実施例ではYANGモデルを含むファイル)を記憶する。また、CMaaS部68は、第2記憶部として、ネットワーク機器の現在の設定値を記憶する。
【0292】
フロントエンドシステム112は、受付部として、ネットワークサービスの設定変更要求をユーザ端末120から受け付ける。CMaaS部68とフロントエンドシステム112は、設定変更画面提供部として、上記ファイルに定められた内容と、ネットワーク機器の現在の設定値とに基づくネットワーク機器の設定変更画面をユーザ端末120に提供する。CMaaS部68は、機器設定部として、設定変更画面にユーザが入力したネットワーク機器の設定値に基づいて、ネットワーク機器の設定を変更する。
【0293】
以上の構成による実施例の通信プラットフォーム110の動作を説明する。図25は、通信プラットフォーム110の動作を示すシーケンス図である。同図は、ネットワークサービスの新規構築、言い換えれば、ネットワーク機器の新規設定に関する動作を示している。
【0294】
ベンダ端末16は、ベンダの担当者の操作に応じて、バンドルデータをNOS12(E2EO部62)にアップロードする(S500)。E2EO部62(バンドル展開部60)は、バンドルデータをもとに生成された機器設定テンプレート(前提技術のCMテンプレートデータ)をCMaaS部68へ送信する(S502)。
【0295】
機器設定テンプレートは、ネットワークサービスのIDと、当該ネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定内容を定めた1つ以上のYANGモデルとを含む。CMaaS部68は、機器設定テンプレートを受け付けると、機器設定テンプレートが示すネットワークサービスIDと、1つ以上のYANGモデルとを対応付けたサービスデータを記憶する。図26は、CMaaS部68に記憶されるサービスデータを模式的に示す。同図は、ネットワークサービスIDとYANGモデルとの対応関係を示している。ネットワークサービスIDとYANGモデルとの対応関係は、1対N(Nは1以上の整数)である。
【0296】
図25に戻り、E2EO部62(バンドル展開部60)は、バンドルデータをもとに生成されたプロダクトカタログデータをフロントエンドシステム112へ送信する(S504)。フロントエンドシステム112は、ユーザ端末120からの要求に応じて、ユーザが選択可能(言い換えれば購入可能)なネットワークサービスを示す購入画面(例えば図2の購入画面や、図3のサービス要件入力画面)をユーザ端末120に表示させる(S506)。
【0297】
図2および図3に関連して既述したように、ユーザは、ネットワークサービスを選択して、購入するネットワークサービスの種類やサービス要件を含む購入情報を購入画面に入力する。ユーザ端末120は、購入画面に入力された購入情報をフロントエンドシステム112へ送信する(S508)。購入情報は、購入対象のネットワークサービスのIDを含む。また、購入情報は、購入対象のネットワークサービスの構成に関する情報を含み、例えば、購入対象のネットワークサービスの規模に関する情報を含む。ネットワークサービスの規模に関する情報は、例えば、図3の加入者数や対象地域等を含んでもよい。また、購入情報は、購入対象のネットワークサービスの種類に関する情報を含む。ネットワークサービスの種類に関する情報は、例えば、図2の音声通信サービス、データ通信サービス、IoTサービスのいずれかを含んでもよい。
【0298】
フロントエンドシステム112は、ユーザ端末120から受信した購入情報(ネットワークサービスの規模、種類を含む)をE2EO部62へ送信する(S510)。それとともに、フロントエンドシステム112は、「処理中」を示すテキストデータや画像データをユーザ端末120へ送信し、ユーザ端末120に「処理中」を表示させる(S512)。
【0299】
前提技術にて既述したように、E2EO部62は、バンドルデータ(サービスカタログデータ)で指定されたワークフローにしたがって、ネットワーク構築処理を進める。ネットワーク構築処理において、E2EO部62は、計画データの作成指示(購入情報を含む)をインベントリ管理部66へ送信する(S514)。インベントリ管理部66は、購入情報に基づいて計画データを作成し、作成した計画データをE2EO部62へ送信する(S516)。E2EO部62は、計画データをCMaaS部68へ送信する(S518)。変形例として、インベントリ管理部66は、作成した計画データを自らCMaaS部68へ送信してもよい。CMaaS部68は、計画データが示すネットワークサービスに対応する1つ以上のYANGモデルのデータをE2EO部62へ送信する(S520)。
【0300】
前提技術において一部記載したように、計画データは、ユーザにより指定された規模や種類のネットワークサービスを実現するためのリソースの情報を含み、例えば、設定すべきネットワーク機器の個数や種類を示す情報を含む。実施例の通信プラットフォーム110は、計画データが、複数台のネットワーク機器Aを設定すべきことを示す場合、ネットワーク機器Aに対応するYANGモデルを用いて、設定すべきネットワーク機器Aの個数分だけユーザ用の画面(設定画面および設定変更画面)を生成する。また、実施例の通信プラットフォーム110は、計画データが、複数種類のネットワーク機器(ネットワーク機器A、ネットワーク機器B)を設定すべきことを示す場合、ネットワーク機器Aに対応するYANGモデルを用いて、ネットワーク機器A用の設定画面または設定変更画面を生成する。それとともに、ネットワーク機器Bに対応するYANGモデルを用いて、ネットワーク機器B用の設定画面または設定変更画面を生成する。
【0301】
例えば、計画データが3台のネットワーク機器A(ネットワーク機器A-1、A-2、A-3)を設定すべきことを示す場合、CMaaS部68は、ネットワーク機器A-1に対応するYANGモデルとしてネットワーク機器A用のYANGモデルをE2EO部62へ送信し、ネットワーク機器A-2に対応するYANGモデルとして同じネットワーク機器A用のYANGモデルをE2EO部62へ送信し、ネットワーク機器A-3に対応するYANGモデルとして同じネットワーク機器A用のYANGモデルをE2EO部62へ送信する。既述したように、各YANGモデルのデータには、ネットワーク機器に対するデフォルトの設定値が含まれうる。E2EO部62は、CMaaS部68から受け付けた1つ以上のYANGモデルのデータをフロントエンドシステム112へ送信する(S522)。
【0302】
フロントエンドシステム112は、YANGモデルの内容を解析するパーサーを含む。フロントエンドシステム112は、パーサーによる解析結果に基づいて、購入されたネットワークサービスを実現するためのネットワーク機器の設定画面のデータを生成する(S524)。例えば、フロントエンドシステム112は、YANGモデルで定められた複数の設定項目について、各設定項目の型や単位等に予め対応付けられた画面要素を配置することにより設定画面のデータを生成してもよい。ネットワーク機器に対するデフォルトの設定値がYANGモデルに含まれる場合、フロントエンドシステム112は、そのデフォルトの設定値を含む設定画面のデータを生成する。
【0303】
また、フロントエンドシステム112は、購入されるネットワークサービスの規模や種類に応じた内容の設定画面を生成する。例えば、フロントエンドシステム112が、CMaaS部68から、計画データに基づく4つのYANGモデル(例えば、ネットワーク機器A-1に対応するYANGモデル、ネットワーク機器A-2に対応するYANGモデル、ネットワーク機器A-3に対応するYANGモデル、ネットワーク機器Bに対応するYANGモデル)を受け付けたとする。この場合、フロントエンドシステム112は、これら4つのYANGモデルに基づいて、4つのネットワーク機器(A-1、A-2、A-3、B)に対応する4つの設定値入力エリアを含む設定画面を生成してもよい。第1の設定値入力エリアは、ネットワーク機器A-1への設定値が入力されるものであり、第2の設定値入力エリアは、ネットワーク機器A-2への設定値が入力されるものであり、第3の設定値入力エリアは、ネットワーク機器A-3への設定値が入力されるものであり、第4の設定値入力エリアは、ネットワーク機器Bへの設定値が入力されるものであってもよい。
【0304】
このように、実施例の通信プラットフォーム110は、ユーザが購入画面で指定したネットワークサービスの規模や種類に応じた内容の設定画面をユーザに提供する。これにより、ユーザが指定した規模および種類のネットワークサービスを実現するための複数のネットワーク機器を漏れなくかつ効率的に設定することができる。
【0305】
フロントエンドシステム112は、生成した設定画面のデータをユーザ端末120へ送信して、設定画面をユーザ端末120に表示させる(S526)。設定画面のデータは、HTMLデータであってもよく、ユーザ端末120のウェブブラウザは、フロントエンドシステム112から提供されたHTMLデータをもとに、設定画面を所定の表示装置に表示させてもよい。
【0306】
図27は、設定画面の例を示す。設定画面122は、設定対象の複数のネットワーク機器(例えばeNodeB「AAA」、eNodeB「BBB」)に対する2つの設定項目を含む。1つ目の設定項目は、最大送信電力(MaxTxPower)であり、2つ目の設定項目は、アンテナチルト角(Antenna tilt)である。最大送信電力の設定値入力エリアには、YANGモデルに設定されたデフォルト値「200」が予め設定されている。図27には不図示だが、図23の項目104で示したように、YANGモデルにおいて設定値の複数の候補が定められている場合、設定画面122には、それら複数の候補の中から特定の設定値を選択可能なプルダウンメニューが配置されてもよい。
【0307】
図25に戻り、ユーザ端末120は、設定画面にユーザが入力した設定値(以下「ユーザ設定値」とも呼ぶ。)をフロントエンドシステム112へ送信する(S528)。フロントエンドシステム112は、ユーザ設定値をCMaaS部68へ送信する(S530)。ユーザ設定値は、前提技術におけるday1パラメータに対応する。
【0308】
前提技術で既述したように、E2EO部62は、計画データをサービスマネージャ部70へ送信し、サービスマネージャ部70は、その計画データにしたがって、ネットワーク機器(例えばeNodeB)の機能を提供するCNF116をサーバ90にデプロイする。サービスマネージャ部70は、デプロイしたCNF116のID(すなわちネットワーク機器のID)をインベントリ管理部66へ通知する。S518で、E2EO部62からCMaaS部68へ送信される計画データには、上記CNF116のID(すなわち設定対象となるネットワーク機器のID)が含まれる。CMaaS部68は、フロントエンドシステム112から送信されたユーザ設定値を受け付けると、公知のNETCONFにしたがって、計画データで指定されたサーバ90のCNF116(すなわち設定対象のネットワーク機器)にユーザ設定値を投入する(S532)。
【0309】
CMaaS部68は、ユーザ設定値を受け付けると、購入者であるユーザのID、購入対象のネットワークサービスのIDと、当該ネットワークサービスに対応するYANGモデルのID、YANGモデルを用いて設定されるネットワーク機器(CNF116)のID、ユーザ設定値とを対応付けたユーザデータを記憶する。図28は、CMaaS部68に記憶されるユーザデータを模式的に示す。ユーザIDとネットワークサービスIDとの対応関係は、1対N(Nは1以上の整数)である。ネットワークサービスIDとYANGモデルとの対応関係は、1対Nである。YANGモデルとネットワーク機器IDとの対応関係は、1対Nである。ネットワーク機器IDとユーザ設定値との対応関係は、1対Nである。ユーザ設定値の活用に係る処理については図29に関連して後述する。
【0310】
実施例の通信プラットフォーム110は、ベンダからアップロードされたバンドルファイルに含まれるYANGモデルを用いてネットワーク機器の設定画面を生成し、その設定画面に入力された設定値をネットワーク機器(実施例ではCNF116)に設定する。機器設定用のYANGモデルには、ユーザ用の画面を生成するために必要な情報が含まれており、YANGモデルよりネットワーク機器の設定画面を生成すれば、設定画面生成のためのみの情報を別途保持する必要はなく、必要な情報量を少なくすることができる。
【0311】
また、バンドルファイルを提供するベンダがネットワーク機器の構成をバージョンアップする場合には、そのネットワーク機器に対応するYANGモデルも更新されることになる。YANGモデルとは別に設定画面用の情報を保持する構成では、YANGモデルと設定画面用の情報の両方を更新する必要があるが、実施例の通信プラットフォーム110では、YANGモデルから設定画面を生成するため、設定画面用の情報を別途更新する必要はなく、YANGモデルのみ更新すればよい。これにより、バージョンアップされたネットワーク機器に必要なパラメータの設定画面を簡便に、また、必要なパラメータの漏れがないよう生成することが可能になる。
【0312】
また、実施例の通信プラットフォーム110は、YANGモデルに設定されたデフォルトの設定値(例えば推奨値)を含む設定画面をユーザに提供する。これにより、ユーザによる設定値の決定と入力を支援することができる。
【0313】
図29は、通信プラットフォーム110の動作を示すシーケンス図である。同図は、ネットワークサービスの設定変更に関する動作を示している。具体的には、同図は、CMaaS部68に記憶されたユーザ設定値の活用と、ネットワーク機器の設定変更に関する動作を示している。
【0314】
ユーザ端末120は、設定変更画面をフロントエンドシステム112に要求する(S540)。フロントエンドシステム112は、現在の設定情報をCMaaS部68に要求する(S542)。S540とS542における要求は、ユーザIDと、変更対象のネットワークサービスIDとを含むこととする。CMaaS部68は、予め記憶するユーザデータを参照して、設定情報要求に含まれるユーザIDとネットワークサービスIDとに対応付けられたYANGモデルおよびユーザ設定値(すなわち現在の設定値)を読み出す。CMaaS部68は、読み出したYANGモデルおよびユーザ設定値を現在の設定情報としてフロントエンドシステム112へ送信する(S544)。
【0315】
フロントエンドシステム112は、CMaaS部68から送信されたYANGモデルおよびユーザ設定値とに基づいて、設定変更画面のデータを生成する(S546)。具体的には、フロントエンドシステム112は、ネットワーク機器に対するユーザ設定値(すなわち現在の設定値)を含む設定変更画面のデータを生成する。フロントエンドシステム112は、生成した設定変更画面のデータをユーザ端末120へ送信して、設定変更画面をユーザ端末120に表示させる(S548)。例えば、設定変更画面は、図27で示した設定画面122の最大送信電力の設定値入力エリアとアンテナチルト角の設定値入力エリアのそれぞれに、現在の設定値が埋め込まれたものであってもよい。
【0316】
ユーザ端末120は、ユーザが設定変更画面に入力したユーザ設定値(変更された設定値を含む)をフロントエンドシステム112へ送信する(S550)。フロントエンドシステム112は、ユーザ設定値をE2EO部62へ送信する(S552)。E2EO部62は、予め定められた設定変更用のワークフローにしたがって、ユーザ設定値をCMaaS部68へ送信する(S554)。CMaaS部68は、フロントエンドシステム112から送信されたユーザ設定値を受け付けると、公知のNETCONFにしたがって、サーバ90のCNF116にユーザ設定値を投入する(S556)。すなわち、CMaaS部68は、ユーザが設定変更画面に入力した変更内容を、サーバ90のCNF116に反映する。それとともに、CMaaS部68は、フロントエンドシステム112から送信されたユーザ設定値により予め記憶している既存のユーザ設定値を更新する。
【0317】
実施例の通信プラットフォーム110は、ベンダからアップロードされたバンドルデータに含まれるYANGモデルと、ネットワーク機器の現在の設定値を用いて設定変更画面を生成し、ユーザに提供する。これにより、ネットワーク機器に対する最新の設定内容(設定値等)に整合する設定変更画面を効率よく生成でき、また、ユーザによる設定変更作業を支援することができる。
【0318】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0319】
上記実施例では言及していないが、フロントエンドシステム112は、YANGモデルに規定されたデフォルトの設定値より、ネットワーク機器の現在の設定値を優先して設定変更画面の設定値入力エリアに設定してもよい。また、フロントエンドシステム112は、ネットワーク機器の一部の設定項目の設定値が未設定であり、かつ、YANGモデルにおいて当該一部の設定項目に対するデフォルトの設定値が規定されている場合、YANGモデルに規定されたデフォルトの設定値を設定変更画面の設定値入力エリアに設定してもよい。
【0320】
上記実施例では言及していないが、フロントエンドシステム112は、ネットワークサービスの規模をユーザが変更するための画面要素を設定変更画面に配置してもよい。ネットワークサービスの規模の変更は、ここでは規模の拡大とするが、規模の縮小でもよい。ネットワークサービスの規模の変更内容は、フロントエンドシステム112からCMaaS部68へ通知されてもよく、CMaaS部68は、ネットワークサービスの規模の変更内容と、記憶部に記憶する現在のネットワークサービスの規模(例えば設定済のネットワーク機器の個数)とに応じて、新たに設定すべきネットワーク機器の個数を導出してもよい。
【0321】
または、ネットワークサービスの規模の変更内容は、フロントエンドシステム112からE2EO部62(インベントリ管理部66)へ通知されてもよく、E2EO部62(インベントリ管理部66)は、ネットワークサービスの規模の変更内容に応じて新たな計画データ(例えば変更後の規模に応じたネットワーク機器の個数)を生成し、CMaaS部68へ送信してもよい。CMaaS部68は、新たな計画データと、記憶部に記憶する現在のネットワークサービスの規模(例えば設定済のネットワーク機器の個数)とに応じて、新たに設定すべきネットワーク機器の個数を導出してもよい。
【0322】
新たに設定すべき1つ以上のネットワーク機器に対応する1つ以上のYANGモデルは、図25のS520、S522で示したように、CMaaS部68からE2EO部62へ送信され、E2EO部62からフロントエンドシステム112へ送信されてもよい。フロントエンドシステム112は、新たに設定すべき1つ以上のネットワーク機器に対応する1つ以上のYANGモデルをもとに、それらのネットワーク機器に対する設定値を入力するための設定画面を生成し、設定画面をユーザ端末120に表示させてもよい。以降、図25のS528、S530、S532と同様に、設定画面に入力された設定値が、新たに設定すべき各ネットワーク機器に投入されてもよい。
【0323】
上述した前提技術、実施例および変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる構成要素それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、前提技術、実施例および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【産業上の利用可能性】
【0324】
本開示の技術は、ネットワークサービスを管理するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0325】
12 NOS、 68 CMaaS部、 90 サーバ、 100 YANGモデル、 110 通信プラットフォーム、 112 フロントエンドシステム、 116 CNF、 120 ユーザ端末、 122 設定画面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29