(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240423BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G01C21/34
(21)【出願番号】P 2023122559
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2023-10-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】大橋 朋紘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 学
(72)【発明者】
【氏名】田中 祐輔
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-049253(JP,A)
【文献】特開2023-034404(JP,A)
【文献】特開2022-172511(JP,A)
【文献】特開2022-012290(JP,A)
【文献】特開2023-027681(JP,A)
【文献】特開2003-214888(JP,A)
【文献】特開2007-137139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが
所持する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、前記ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得する取得部と、
前記ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡
であって、前記経路を含む所定範囲を通過した軌跡に基づいて、前記経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定する判定部と、
前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定部が判定したことを条件として、前記
ユーザが所持する撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を
、前記撮像画像を視認することにより前記ユーザの移動を支援する人間が利用するために予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を、前記第1携帯端末に送信する送信部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記送信部は、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定部が判定し、かつ前記第1携帯端末の位置と前記物体の位置との間の距離が閾値以下になったことを条件として、前記開始情報を送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記開始情報を前記第1携帯端末に送信した後に、前記第1携帯端末の位置と前記物体の位置との間の距離が前記閾値より大きくなったことを条件として、前記撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を前記送信先に送信することと、の少なくとも一方を終了させるための終了情報を、前記第1携帯端末に送信する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記撮像画像に前記物体が写っているか否かを判定し、
前記送信部は、前記撮像画像に前記物体が写っていないと前記判定部が判定したことを条件として、前記物体が前記撮像部の撮像範囲外であることを前記ユーザに通知する情報を、前記第1携帯端末に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記撮像画像に前記物体が写っているか否かを判定し、
前記送信部は、前記撮像画像に前記物体が写っていないと前記判定部が判定したことを条件として、前記撮像部の撮像範囲を広げるように前記撮像部を制御する制御情報を、前記第1携帯端末に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記判定部は、前記撮像画像に前記物体が写っているか否かを判定し、
前記送信部は、前記撮像画像に前記物体が写っていないと前記判定部が判定したことを条件として、前記撮像部による撮像の向きを変更するように前記撮像部を制御する制御情報を、前記第1携帯端末に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、前記開始情報を受信した前記第1携帯端末が前記撮像部による撮像及び前記撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できたか否かを判定し、
前記送信部は、前記第1携帯端末が前記撮像部による撮像及び前記撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できなかったと前記判定部が判定したことを条件として、前記撮像画像が取得できないことを前記ユーザに通知する情報を、前記第1携帯端末に送信する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定部が判定した場合であって、前記物体を基準とした所定範囲内における複数の前記軌跡の数又は密度が基準値以上である場合に、前記開始情報を送信しない、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記経路上に存在する可能性があると判定した前記物体が前記経路上に固定された固定物であるか否かを判定し、
前記判定部は、第1時点において前記物体が前記固定物であると判定した場合に、前記第1時点より後の第2時点において、前記軌跡に基づくことなく前記経路上に前記物体が存在する可能性があると判定する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記送信部は、前記判定部が前記第1時点において前記物体が前記固定物であると判定した場合に、前記第1時点より後の第2時点において前記経路を移動する予定の前記ユーザに前記経路上に前記物体が存在する可能性があることを通知する情報を、前記第1携帯端末に送信する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記判定部は、前記第1携帯端末に関連付けられた前記撮像部によって撮像された前記撮像画像に基づいて、前記物体が前記固定物であるか否かを判定する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記第1携帯端末とは異なる携帯端末に関連付けられた撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて、前記物体が前記固定物であるか否かを判定する、
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記撮像部は、前記第1携帯端末が備える装置である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記撮像部は、前記第1携帯端末とは異なる装置である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
プロセッサが実行する、
ユーザが
所持する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、前記ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得するステップと、
前記ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡
であって、前記経路を含む所定範囲を通過した軌跡に基づいて、前記経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定するステップと、
前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定するステップで判定したことを条件として、前記
ユーザが所持する撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を
、前記撮像画像を視認することにより前記ユーザの移動を支援する人間が利用するために予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を、前記第1携帯端末に送信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【請求項16】
プロセッサに、
ユーザが
所持する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、前記ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得するステップと、
前記ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡
であって、前記経路を含む所定範囲を通過した軌跡に基づいて、前記経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定するステップと、
前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定するステップで判定したことを条件として、前記
ユーザが所持する撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を
、前記撮像画像を視認することにより前記ユーザの移動を支援する人間が利用するために予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが保有する携帯端末による撮像に関する処理を行うための情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、視覚障がい者等のユーザを目的地に到達させるためのナビゲーションシステムであって、ユーザの携帯端末から周囲の画像を送信し、送信された画像に基づいて他人からユーザにアドバイスを与えられるようにするシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが移動する経路上に障害物等の物体が存在する場合に、ユーザに対して物体を回避するための指示が与えられることが望ましい。特許文献1に記載されたシステムでは、画像に基づいて物体を回避するための指示をユーザに与えるためには常に携帯端末が画像を撮像及び送信する必要があるため、携帯端末の電池容量及び通信容量等のリソースが多く消費されるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが移動する経路上に存在する障害物等の物体をユーザが回避することを支援するために必要な携帯端末のリソースを削減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、ユーザが保有する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、前記ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得する取得部と、前記ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡に基づいて、前記経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定する判定部と、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定部が判定したことを条件として、前記第1携帯端末に関連付けられた撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を、前記第1携帯端末に送信する送信部と、を有する。
【0007】
前記送信部は、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定部が判定し、かつ前記第1携帯端末の位置と前記物体の位置との間の距離が閾値以下になったことを条件として、前記開始情報を送信してもよい。
【0008】
前記送信部は、前記開始情報を前記第1携帯端末に送信した後に、前記第1携帯端末の位置と前記物体の位置との間の距離が前記閾値より大きくなったことを条件として、前記撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を前記送信先に送信することと、の少なくとも一方を終了させるための終了情報を、前記第1携帯端末に送信してもよい。
【0009】
前記判定部は、前記撮像画像に前記物体が写っているか否かを判定し、前記送信部は、前記撮像画像に前記物体が写っていないと前記判定部が判定したことを条件として、前記物体が前記撮像部の撮像範囲外であることを前記ユーザに通知する情報を、前記第1携帯端末に送信してもよい。
【0010】
前記判定部は、前記撮像画像に前記物体が写っているか否かを判定し、前記送信部は、前記撮像画像に前記物体が写っていないと前記判定部が判定したことを条件として、前記撮像部の撮像範囲を広げるように前記撮像部を制御する制御情報を、前記第1携帯端末に送信してもよい。
【0011】
前記判定部は、前記撮像画像に前記物体が写っているか否かを判定し、前記送信部は、前記撮像画像に前記物体が写っていないと前記判定部が判定したことを条件として、前記撮像部による撮像の向きを変更するように前記撮像部を制御する制御情報を、前記第1携帯端末に送信してもよい。
【0012】
前記判定部は、前記開始情報を受信した前記第1携帯端末が前記撮像部による撮像及び前記撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できたか否かを判定し、前記送信部は、前記第1携帯端末が前記撮像部による撮像及び前記撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できなかったと前記判定部が判定したことを条件として、前記撮像画像が取得できないことを前記ユーザに通知する情報を、前記第1携帯端末に送信してもよい。
【0013】
前記送信部は、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定部が判定した場合であって、前記物体を基準とした所定範囲内における複数の前記軌跡の数又は密度が基準値以上である場合に、前記開始情報を送信しなくてもよい。
【0014】
前記判定部は、前記経路上に存在する可能性があると判定した前記物体が前記経路上に固定された固定物であるか否かを判定し、前記判定部は、第1時点において前記物体が前記固定物であると判定した場合に、前記第1時点より後の第2時点において、前記軌跡に基づくことなく前記経路上に前記物体が存在する可能性があると判定してもよい。
【0015】
前記送信部は、前記判定部が前記第1時点において前記物体が前記固定物であると判定した場合に、前記第1時点より後の第2時点において前記経路を移動する予定の前記ユーザに前記経路上に前記物体が存在する可能性があることを通知する情報を、前記第1携帯端末に送信してもよい。
【0016】
前記判定部は、前記第1携帯端末に関連付けられた前記撮像部によって撮像された前記撮像画像に基づいて、前記物体が前記固定物であるか否かを判定してもよい。
【0017】
前記判定部は、前記第1携帯端末とは異なる携帯端末に関連付けられた撮像部によって撮像された撮像画像に基づいて、前記物体が前記固定物であるか否かを判定してもよい。
【0018】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、ユーザが保有する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、前記ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得するステップと、前記ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡に基づいて、前記経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定するステップと、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定するステップで判定したことを条件として、前記第1携帯端末に関連付けられた撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を、前記第1携帯端末に送信するステップと、を有する。
【0019】
本発明の第3の態様のプログラムは、プロセッサに、ユーザが保有する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、前記ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得するステップと、前記ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡に基づいて、前記経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定するステップと、前記経路上に前記物体が存在する可能性があると前記判定するステップで判定したことを条件として、前記第1携帯端末に関連付けられた撮像部が撮像することと、前記撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザが移動する経路上に存在する障害物等の物体をユーザが回避することを支援するために必要な携帯端末のリソースを削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
【
図3】取得部が情報を取得する方法を説明するための模式図である。
【
図4】判定部が経路上に物体が存在する可能性があるか否かを判定する方法を説明するための模式図である。
【
図5】送信部が送信する開始情報を説明するための模式図である。
【
図6】送信部が送信する通知情報及び制御情報を説明するための模式図である。
【
図7】固定物であると判定された物体の位置を示す情報を説明するための模式図である。
【
図8】実施形態に係る情報処理装置が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、他ユーザ端末3と、監視ユーザ端末4と、を含む。情報処理システムSは、複数のユーザ端末2、複数の他ユーザ端末3及び複数の監視ユーザ端末4を含んでもよい。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0023】
情報処理装置1は、ユーザ端末2による撮像に関する処理を行うコンピュータである。情報処理装置1は、所定の条件が満たされたことに応じて、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させる。
【0024】
ユーザ端末2、他ユーザ端末3及び監視ユーザ端末4は、スマートフォン又はタブレット端末等のコンピュータである。ユーザ端末2、他ユーザ端末3及び監視ユーザ端末4は、操作を受け付けるためのタッチパネル又はキーボード等の操作部と、情報を表示するための液晶ディスプレイ等の表示部と、を有する。ユーザ端末2、他ユーザ端末3及び監視ユーザ端末4は、ネットワークを介して情報処理装置1と通信可能である。
【0025】
ユーザ端末2(第1携帯端末)は、ユーザによって利用される携帯端末である。ユーザは、所定の目的地へ向かう経路Rを移動する人間である。ユーザは、例えば、視覚障がい者であり、監視ユーザから遠隔での支援を受けながら移動する。視覚障がい者であるユーザは、視力が全くない人間、又は視力の弱い人間である。ユーザは、視覚障がい者に限られず、監視ユーザから遠隔での支援を受けながら移動するその他の人間であってもよい。
【0026】
ユーザ端末2は、ユーザの周囲を撮像することによって撮像画像を生成する撮像部と、GNSS(Global Navigation Satellite System)等によってユーザ端末2の位置を測定する測定部と、を有する。撮像部は、ユーザ端末2に予め関連付けられた撮像部であり、例えばユーザ端末2に内蔵された撮像素子、又は近距離無線通信等によりユーザ端末2に接続された撮像装置である。ユーザ端末2は、撮像した撮像画像及び測定した位置を示す位置情報を情報処理装置1及び監視ユーザ端末4に送信する。
【0027】
他ユーザ端末3(第2携帯端末)は、ユーザとは異なる他ユーザによって利用される携帯端末である。他ユーザは、ユーザが移動する予定の経路Rを含む領域を過去に移動した人間である。他ユーザ端末3は、GNSS等によって他ユーザ端末3の位置を測定する測定部を有する。他ユーザ端末3は、測定部が測定した他ユーザ端末3の位置の軌跡Tを記録し、記録した軌跡Tを示す軌跡情報を情報処理装置1に送信する。
【0028】
監視ユーザ端末4(第3携帯端末)は、ユーザとは異なる監視ユーザによって利用される携帯端末である。監視ユーザは、ユーザの移動を遠隔で支援する人間である。監視ユーザは、例えば、監視ユーザ端末4に表示された撮像画像を視認し、経路R上に存在する障害物等の物体Oを回避するための指示をユーザに対して与える。
【0029】
本実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、ユーザ端末2の位置を示す位置情報と、ユーザが移動する予定の経路Rを示す経路情報と、を取得する。
【0030】
情報処理装置1は、他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づいて、経路R上に障害物等の所定の物体Oが存在する可能性があるか否かを判定する。情報処理装置1は、例えば、複数の他ユーザ端末3の位置の軌跡Tが経路R上で何かを回避する形状を示す場合に、物体Oが存在すると判定する。
【0031】
情報処理装置1は、経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定したことを条件として、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した開始情報に従って、撮像部を用いて撮像し、生成された撮像画像を監視ユーザ端末4に送信する。
【0032】
監視ユーザ端末4は、ユーザ端末2から受信した撮像画像を表示部上に表示する。その後、監視ユーザは、監視ユーザ端末4に表示された撮像画像を視認することにより、物体Oを回避するための指示を監視ユーザ端末4からユーザ端末2に送信させる。
【0033】
このように、情報処理装置1は、他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づいて経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定したことを条件として、撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方をユーザ端末2に開始させる。これにより、ユーザ端末2が撮像部による撮像及び撮像画像の送信を常に行う必要がなくなるため、情報処理装置1は、ユーザが移動する経路R上に存在する物体Oをユーザが回避することを支援するために必要なユーザ端末2のリソースを削減できる。
【0034】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。
図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、
図2に示したもの以外のデータの流れがあってもよい。
図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、
図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてもよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてもよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてもよい。
【0035】
情報処理装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0036】
通信部11は、ネットワークを介してユーザ端末2、他ユーザ端末3及び監視ユーザ端末4との間でデータを送受信するための通信コントローラを有する。通信部11は、ユーザ端末2、他ユーザ端末3又は監視ユーザ端末4からネットワークを介して受信したデータを制御部13に通知する。また、通信部11は、ネットワークを介して、制御部13から出力されたデータをユーザ端末2、他ユーザ端末3又は監視ユーザ端末4に送信する。
【0037】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部12は、複数の他ユーザ端末3それぞれが過去に移動した位置の軌跡Tを示す軌跡情報を記憶する。記憶部12は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部13との間でデータの授受を行ってもよい。
【0038】
制御部13は、取得部131と、送信部132と、判定部133と、生成部134と、を有する。制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、送信部132、判定部133及び生成部134として機能する。
【0039】
以下、情報処理装置1が実行する処理について詳細に説明する。取得部131は、ユーザが保有するユーザ端末2による撮像に関する処理を行うために必要な各種の情報を取得する。
【0040】
図3(a)は、取得部131が目的地情報及び位置情報を取得する方法を説明するための模式図である。ユーザは、目的地に向かって移動を開始する際に、ユーザが保有するユーザ端末2において目的地を入力する。ユーザは、例えば、ユーザ端末2に対して目的地を示す音声又は文字を入力する。ユーザ端末2は、ユーザによって入力された目的地を示す目的地情報を情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、取得部131は、ユーザ端末2が送信した目的地情報を取得する。
【0041】
ユーザ端末2は、測定部によって測定されたユーザ端末2の位置を示す位置情報を情報処理装置1に送信する。ユーザ端末2は、測定部が測定した現在の位置(最新の位置)を示す位置情報を、所定の時間間隔で送信する。情報処理装置1において、取得部131は、ユーザ端末2が送信した位置情報を取得する。
【0042】
取得部131が位置情報を取得できない場合、又は取得部131が取得した位置情報の精度が所定の基準値よりも低い場合に、送信部132は、後述の開始情報をユーザ端末2に送信することなく、高精度の位置情報を取得できないことを示すアラート情報を監視ユーザ端末4に送信してもよい。監視ユーザ端末4は、情報処理装置1から受信したアラート情報を表示部上に表示する。これにより、情報処理装置1は、物体Oの有無を判定するために十分な精度の位置情報を取得できない場合に、監視ユーザに対して注意喚起をすることができる。
【0043】
図3(b)は、取得部131が経路情報及び基準点情報を取得する方法を説明するための模式図である。ユーザが目的地に向かって移動を開始する際に、取得部131は、位置情報が示すユーザ端末2の位置から目的地情報が示す目的地に移動するための経路Rを示す経路情報を取得する。
【0044】
取得部131は、例えば、記憶部12に予め記憶された地図に対して既知の経路探索処理を実行することによって経路Rを決定し、決定した経路Rを示す経路情報を取得する。また、取得部131は、例えば、情報処理装置1とは異なる装置に位置情報及び目的地情報を送信することにより、当該装置からユーザ端末2の位置から目的地に移動するための経路Rを示す経路情報を受信してもよい。
【0045】
取得部131は、位置情報が示すユーザ端末2の位置から目的地情報が示す目的地までの間の経路Rに位置する一又は複数の基準点を示す基準点情報を取得する。記憶部12には、地図上の複数の基準点を示す基準点情報が予め記憶されている。複数の基準点は、後述の判定部133が物体Oの有無を判定する範囲を区画するための地点である。複数の基準点は、例えば、道路の交差点、曲がり角、所定の間隔(50メートル等)で配置された点等を含む。取得部131は、例えば、記憶部12から、ユーザ端末2の位置から目的地までの間の経路R上にある一又は複数の基準点を示す基準点情報を取得する。
【0046】
取得部131は、複数の他ユーザそれぞれが保有する他ユーザ端末3の過去の位置の軌跡Tを示す軌跡情報を取得する。記憶部12には、複数の他ユーザ端末3それぞれが送信した軌跡情報が予め記憶されている。取得部131は、例えば、記憶部12に記憶された複数の軌跡情報のうち、ユーザ端末2の位置と経路R上にある次の基準点(ユーザ端末2が移動する向きに沿って最も近い基準点)との間の範囲を通過した軌跡Tを示す一又は複数の軌跡情報を取得する。
【0047】
取得部131が取得した軌跡情報の数が所定の第1基準値以下である場合に、送信部132は、後述の開始情報をユーザ端末2に送信することなく、軌跡情報の数が不足していることを示すアラート情報を監視ユーザ端末4に送信してもよい。第1基準値は、記憶部12に予め記憶されている。監視ユーザ端末4は、情報処理装置1から受信したアラート情報を表示部上に表示する。軌跡情報の数が不足していると、物体Oに他ユーザがたまたま近付かなかったことにより、他ユーザの軌跡情報に基づいて物体Oの有無を正しく判定できない可能性がある。情報処理装置1は、物体Oの有無を判定するために十分な数の軌跡情報を取得できない場合に、監視ユーザに対して注意喚起をすることができる。
【0048】
別の方法として、取得部131が取得した軌跡情報の数が第1基準値以下である場合に、送信部132は、後述の判定部133による物体Oが存在する可能性があるか否かの判定結果によらず、後述の開始情報をユーザ端末2に送信してもよい。これにより、情報処理装置1は、特定の基準点間で軌跡情報の数が少ない場合に、物体Oの有無によらず、ユーザ端末2に撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始させることができる。
【0049】
取得部131が取得した軌跡情報の数が所定の第2基準値以上である場合に、送信部132は、後述の開始情報をユーザ端末2に送信することなく、軌跡情報の数が過剰であることを示すアラート情報を監視ユーザ端末4に送信してもよい。第2基準値は、記憶部12に予め記憶されている。監視ユーザ端末4は、情報処理装置1から受信したアラート情報を表示部上に表示する。軌跡情報の数が過剰である場所は混雑する場所であるため、物体Oではなく他の人間に対する回避行動が多く発生することにより、他ユーザの軌跡情報に基づいて物体Oの有無を正しく判定できない可能性がある。情報処理装置1は、混雑する場所において物体Oの有無を判定できない場合に、監視ユーザに対して注意喚起をすることができる。
【0050】
判定部133は、取得部131が取得した軌跡情報の数が上述の第1基準値より大きい場合に、取得部131が取得した軌跡情報が示す他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づいて、取得部131が取得した経路情報が示す経路R上に障害物等の所定の物体Oが存在する可能性があるか否かを判定する。判定部133は、例えば、ユーザ端末2の現在の位置と経路R上にある次の基準点との間の範囲に対して判定を行う。
【0051】
図4(a)、
図4(b)は、判定部133が経路R上に物体Oが存在する可能性があるか否かを判定する方法を説明するための模式図である。判定部133は、例えば、取得部131が取得した一又は複数の軌跡情報が示す、ユーザ端末2の位置と経路R上にある次の基準点との間の範囲を通過した軌跡Tの各位置において、軌跡Tの形状に対する二階微分の値T″を算出する。値T″は、軌跡Tが急激に変化した場合(例えば、他ユーザが物体Oを回避した場合)に大きい値をとり、軌跡Tが急激に変化しない場合(例えば、他ユーザが真っすぐ歩いた場合)に小さい値をとる。
【0052】
判定部133は、いずれかの位置における他ユーザの値T″が第1閾値以上である場合に、当該他ユーザを回避行動をした回避ユーザであると判定する(
図4(a))。一方、判定部133は、いずれかの位置における他ユーザの値T″が第1閾値未満である場合に、当該他ユーザを回避行動をした回避ユーザでないと判定する(
図4(b))。値T″の第1閾値は、予め記憶部12に記憶されている。
【0053】
次に判定部133は、取得部131が取得した一又は複数の軌跡情報が示す軌跡Tに対応する全ての他ユーザの数に対する、回避ユーザであると判定した他ユーザの数の割合である回避割合を算出する。判定部133は、回避割合が第2閾値以上である場合に、経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定する。一方、判定部133は、回避割合が第2閾値未満である場合に、経路R上に物体Oが存在する可能性がないと判定する。回避割合の第2閾値は、予め記憶部12に記憶されている。
【0054】
これにより、情報処理装置1は、障害物等の物体Oの位置を地図上に記録したデータベースを構築するコストを掛けることなく、複数の他ユーザが移動した軌跡Tに基づいて、経路R上に物体Oが存在する可能性があるか否かを判定することができる。
【0055】
生成部134は、経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定部133が判定したことを条件として、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を生成する。
【0056】
送信部132は、生成部134が生成した開始情報を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した開始情報に従って、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始する。
【0057】
一方、送信部132は、経路R上に物体Oが存在する可能性がないと判定部133が判定したことを条件として、開始情報をユーザ端末2に送信することなく、監視ユーザ端末4に経路R上に物体Oが存在する可能性がないことを示す情報を送信してもよい。
【0058】
図5(a)、
図5(b)は、送信部132が送信する開始情報を説明するための模式図である。
図5(a)の例では、開始情報は、ユーザ端末2の撮像部が撮像することを開始させるための情報である。この場合に、ユーザ端末2は、開始情報を受信する前には撮像部による撮像を行わず、開始情報を受信したことを条件として撮像部による撮像を開始する。これにより、ユーザ端末2は、撮像部による撮像を常に行う必要がなくなるため、電池容量の消費を削減できる。
【0059】
図5(b)の例では、開始情報は、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することを開始させるための情報である。撮像画像の送信先は、例えば、情報処理装置1及び監視ユーザ端末4である。この場合に、ユーザ端末2は、開始情報を受信する前には撮像画像の送信を行わず、開始情報を受信したことを条件として撮像画像の送信を開始する。これにより、ユーザ端末2は、撮像画像の送信を常に行う必要がなくなるため、通信容量の消費を削減できる。
【0060】
開始情報は、撮像部による撮像及び撮像画像の送信の両方を行っていないユーザ端末2に、撮像部による撮像及び撮像画像の送信の両方を開始させる情報であってもよい。開始情報は、撮像部による撮像を常に行っているユーザ端末2に、撮像画像の送信のみを開始させる情報であってもよい。開始情報は、情報処理装置1及び監視ユーザ端末4へのデータの送信を常に行っているユーザ端末2に、撮像部による撮像のみを開始させる情報であってもよい。
【0061】
送信部132は、経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定部133が判定し、かつユーザ端末2の位置と物体Oの位置との間の距離が所定の閾値(10メートル等)以下になったことを条件として、開始情報を送信してもよい。距離の閾値は、予め記憶部12に記憶される。物体Oの位置は、例えば、いずれかの他ユーザについて上述の値T″が第1閾値以上となった位置である。これにより、情報処理装置1は、物体Oが存在する可能性がある位置にユーザが近付いたことを条件としてユーザ端末2の撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を自動的に開始させることができるため、ユーザ端末2における撮像に関する処理に必要なリソースを削減できる。
【0062】
監視ユーザ端末4は、ユーザ端末2が送信した撮像画像を受信し、受信した撮像画像を表示部上に表示する。監視ユーザは、監視ユーザ端末4に表示された撮像画像を視認することにより、ユーザが移動する経路R上に実際に物体Oが存在するか否かを判断する。監視ユーザは、物体Oが存在すると判断した場合に、物体Oを回避するための指示を監視ユーザ端末4からユーザ端末2に送信させる。
【0063】
監視ユーザは、例えば、監視ユーザ端末4とユーザ端末2との間の音声通話によりユーザに対して物体Oを回避するための指示を与えてもよい。監視ユーザは、例えば、監視ユーザ端末4を用いて、物体Oを回避するための指示を表す音声又は文字のメッセージをユーザ端末2に送信してもよい。これにより、情報処理装置1は、他ユーザが移動した軌跡Tに基づいて物体Oが写っている可能性がある撮像画像を監視ユーザに確認させることができ、監視ユーザがユーザを支援しやすくすることができる。
【0064】
送信部132が開始情報を送信した後に、判定部133は、開始情報を受信したユーザ端末2が撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できたか否かを判定する。判定部133は、例えば、送信部132が開始情報を送信してから所定時間内にユーザ端末2から撮像画像を受信できた場合にユーザ端末2が撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できたと判定し、所定時間内に撮像画像を受信できなかった場合にユーザ端末2が撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できなかったと判定する。
【0065】
送信部132は、ユーザ端末2が撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始できなかったと判定部133が判定したことを条件として、撮像画像が取得できないことをユーザに通知する情報を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した情報に従って、撮像画像が取得できないことをユーザに通知する情報を表示部上に表示する。これにより、情報処理装置1は、ユーザ端末2から撮像画像が正常に取得できないことをユーザに通知し、監視ユーザによる支援を受けられない状態でユーザが移動することを抑制することができる。
【0066】
送信部132は、開始情報をユーザ端末2に送信した後に、ユーザ端末2の位置と物体Oの位置との間の距離が所定の閾値(10メートル等)より大きくなったことを条件として、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を所定の送信先に送信することと、の少なくとも一方を終了させるための終了情報を、ユーザ端末2に送信してもよい。
【0067】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した終了情報に従って、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を終了する。これにより、情報処理装置1は、ユーザが物体Oが存在する可能性がある位置から遠ざかったことを条件としてユーザ端末2の撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を自動的に終了させることができるため、ユーザ端末2における撮像に関する処理に必要なリソースを削減できる。
【0068】
送信部132が開始情報を送信した後に、取得部131は、ユーザ端末2が送信した撮像画像を取得する。判定部133は、取得部131が取得した撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定する。判定部133は、例えば、撮像画像に対して既知の画像認識処理を実行することにより、撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定する。また、判定部133は、監視ユーザ端末4において監視ユーザによって入力された、撮像画像に物体Oが写っているか否かを示す情報を受信し、監視ユーザ端末4から受信した情報に基づいて撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定してもよい。
【0069】
生成部134は、判定部133が撮像画像に物体Oが写っていないと判定したことを条件として、物体Oがユーザ端末2の撮像部の撮像範囲外であることをユーザに通知する通知情報と、ユーザ端末2の撮像部を制御する制御情報と、の少なくとも一方を生成する。
【0070】
送信部132は、生成部134が生成した通知情報及び制御情報の少なくとも一方を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した通知情報をユーザに対して出力する。また、ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、撮像部を制御する。
【0071】
図6(a)は、送信部132が送信する通知情報を説明するための模式図である。
図6(a)の例では、通知情報は、物体Oがユーザ端末2の撮像部の撮像範囲外であることを示す情報と、ユーザに対して撮像部の向きを変更することを指示と、を含む。通知情報は、その他の情報を含んでもよい。ユーザ端末2は、通知情報を音声としてスピーカから出力しているが、文字として表示部上に出力してもよい。これにより、情報処理装置1は、撮像画像に物体Oが写っていない場合にユーザ端末2の撮像部が物体Oを撮像できるようにユーザを支援し、監視ユーザが撮像画像において物体Oを確認しやすくすることができる。
【0072】
図6(b)、
図6(c)は、送信部132が送信する制御情報を説明するための模式図である。
図6(b)の例では、制御情報は、撮像部の撮像範囲を広げるようにユーザ端末2の撮像部を制御する情報を含む。ユーザ端末2は、例えば、制御情報に従って、撮像部を第1の撮像範囲を撮像可能なモード(
図6(b)中の通常撮像モード)から第1の撮像範囲よりも広い第2の撮像範囲を撮像可能なモード(
図6(b)中の広角撮像モード)に変更する。これにより、情報処理装置1は、撮像画像に物体Oが写っていない場合にユーザ端末2の撮像部の撮像範囲を自動的に広げ、監視ユーザが撮像画像において物体Oを確認しやすくすることができる。
【0073】
図6(c)の例では、制御情報は、ユーザ端末2の撮像部による撮像の向きを変更するようにユーザ端末2の撮像部を制御する情報を含む。この場合に、ユーザ端末2の撮像部は、モータ等によって向きを変更可能に構成されている。ユーザ端末2は、例えば、制御情報に従って、撮像部を第1の向きから第1の向きとは異なる第2の向きに変更する。これにより、情報処理装置1は、撮像画像に物体Oが写っていない場合にユーザ端末2の撮像部の向きを自動的に変更し、監視ユーザが撮像画像において物体Oを確認しやすくすることができる。
【0074】
判定部133は、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像に写っている物体Oが、経路R上に固定された固定物であるか否かを判定してもよい。また、判定部133は、ユーザ端末2とは異なる携帯端末(他ユーザ端末3又はその他の端末)に関連付けられた撮像部によって撮像された物体Oの撮像画像を受信し、受信した撮像画像に基づいて物体Oが固定物であるか否かを判定してもよい。固定物は、例えば、一時的に地面に置かれた荷物等ではなく、地面に固定された構造物である。判定部133は、例えば、撮像画像に対して既知の画像認識処理を実行することにより、物体Oが固定物であるか否かを判定する。
【0075】
また、判定部133は、監視ユーザ端末4において監視ユーザによって入力された、物体Oが固定物であるか否かを示す情報を受信し、監視ユーザ端末4から受信した情報に基づいて物体Oが固定物であるか否かを判定してもよい。
【0076】
判定部133は、物体Oが固定物であると判定した場合に、当該物体Oの位置(座標等)を示す情報を、記憶部12に記憶させる。
【0077】
図7は、固定物であると判定された物体Oの位置を示す情報を説明するための模式図である。
図7の例では、固定物であると判定された物体Oの位置が地図上に記録されている。判定部133は、次回以降の判定において、固定物であると判定された物体Oの位置に基づいて、経路R上に物体Oが存在する可能性があるか否かを判定してもよい。
【0078】
判定部133は、例えば、第1時点において物体Oが固定物であると判定した場合に、第1時点より後の第2時点において、他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づくことなく、経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定する。これにより、情報処理装置1は、固定物として登録された物体Oについて、次回以降に軌跡Tを用いて判定処理を行うための計算負荷を削減することができる。
【0079】
また、送信部132は、判定部133が第1時点において物体Oが固定物であると判定した場合に、第1時点より後の第2時点において経路Rを移動する予定のユーザに対して経路R上に物体Oが存在する可能性があることを通知する通知情報を、ユーザ端末2に送信してもよい。ユーザ端末2は、ユーザが経路Rの移動を開始する前に、情報処理装置1から受信した通知情報をユーザに対して出力する。これにより、情報処理装置1は、経路R上に過去に登録された固定物である物体Oが存在することをユーザに対して予め注意喚起することができる。
【0080】
[情報処理方法のフロー]
図8は、本実施形態に係る情報処理装置1が実行する例示的な情報処理方法のフローチャートを示す図である。ユーザは、目的地に向かって移動を開始する際に、ユーザが保有するユーザ端末2において目的地を入力する。ユーザは、例えば、ユーザ端末2に対して目的地を示す音声又は文字を入力する。
【0081】
ユーザ端末2は、ユーザによって入力された目的地を示す目的地情報を情報処理装置1に送信する。また、ユーザ端末2は、測定部によって測定されたユーザ端末2の位置を示す位置情報を、所定の時間間隔で情報処理装置1に送信する。情報処理装置1において、取得部131は、ユーザ端末2が送信した目的地情報及び位置情報を取得する(S11)。
【0082】
取得部131が位置情報を取得できない場合、又は取得部131が取得した位置情報の精度が所定の基準値よりも低い場合に(S12のNO)、送信部132は、開始情報をユーザ端末2に送信することなく、高精度の位置情報を取得できないことを示すアラート情報を監視ユーザ端末4に送信する(S13)。
【0083】
精度が所定の基準値以上である位置情報を取得できた場合に(S12のYES)、取得部131は、位置情報が示すユーザ端末2の位置から目的地情報が示す目的地に移動するための経路Rを示す経路情報と、位置情報が示すユーザ端末2の位置から目的地情報が示す目的地までの間の経路Rに位置する一又は複数の基準点を示す基準点情報と、を取得する。(S14)。
【0084】
情報処理装置1は、基準点情報が示す一又は複数の基準点の中から、ユーザ端末2が移動する向きに沿って最も近い基準点を、次の基準点として選択する。取得部131は、複数の他ユーザそれぞれが保有する他ユーザ端末3の過去の位置の軌跡Tであって、ユーザ端末2の位置と経路R上にある次の基準点との間の範囲を通過した軌跡Tを示す一又は複数の軌跡情報を取得する(S15)。
【0085】
取得部131が取得した軌跡情報の数が所定の第1基準値以下である場合に(S16のNO)、送信部132は、開始情報をユーザ端末2に送信することなく、軌跡情報の数が不足していることを示すアラート情報を監視ユーザ端末4に送信する(S13)。また、取得部131が取得した軌跡情報の数が所定の第2基準値以上である場合に、送信部132は、開始情報をユーザ端末2に送信することなく、軌跡情報の数が過剰であることを示すアラート情報を監視ユーザ端末4に送信してもよい。
【0086】
取得部131が取得した軌跡情報の数が所定の第1基準値より大きい場合に(S16のYES)。取得部131が取得した軌跡情報が示す他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づいて、取得部131が取得した経路情報が示す経路R上に障害物等の所定の物体Oが存在する可能性があるか否かを判定する(S17)。
【0087】
経路R上に物体Oが存在する可能性がなしと判定部133が判定した場合に(S18のNO)、情報処理装置1はステップS20に進む。
【0088】
経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定部133が判定した場合に(S18のYES)、生成部134は、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を生成する。送信部132は、生成部134が生成した開始情報を、ユーザ端末2に送信する(S19)。
【0089】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した開始情報に従って、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始する。
【0090】
ユーザが目的地に到着した場合、例えば次の基準点が目的地であった場合に(S20のYES)、情報処理装置1は処理を終了する。ユーザが目的地に到着していない場合、例えば次の基準点が目的地でない場合に(S20のNO)、情報処理装置1は、基準点情報が示す一又は複数の基準点の中からさらに次の基準点を選択し、ステップS15~ステップS20を繰り返す。
【0091】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づいて経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定したことを条件として、撮像部による撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方をユーザ端末2に開始させる。これにより、ユーザ端末2が撮像部による撮像及び撮像画像の送信を常に行う必要がなくなるため、情報処理装置1は、ユーザが移動する経路R上に存在する物体Oをユーザが回避することを支援するために必要なユーザ端末2のリソースを削減できる。
【0092】
[変形例]
上述の実施形態では、ユーザによって入力された目的地までの経路Rによっては、記憶部12に記憶されている軌跡情報の数が少ないために、情報処理装置1がユーザ端末2に撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始させることができない場合がある。そこで、本変形例に係る情報処理装置1は、経路R全体に係る軌跡情報の数が少ない場合に、経路Rの最初からユーザ端末2に撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始させる。
【0093】
取得部131は、ユーザによって入力された目的地に基づいて経路情報を取得した際に、記憶部12に記憶された複数の軌跡情報のうち、経路Rを通過した軌跡T(例えば、少なくとも一部が経路Rと交わる軌跡T)を示す一又は複数の軌跡情報を、経路R全体に関連する軌跡情報として取得する。
【0094】
取得部131が取得した経路R全体に関連する軌跡情報の数が所定の第3基準値より大きい場合に、情報処理装置1は、上述の実施形態に係る処理を実行する。第3基準値は、記憶部12に予め記憶されている。
【0095】
一方、取得部131が取得した経路R全体に関連する軌跡情報の数が所定の第3基準値以下である場合に、生成部134は、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を生成する。
【0096】
送信部132は、生成部134が生成した開始情報を、ユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した開始情報に従って、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始する。
【0097】
これにより、情報処理装置1は、ユーザによって入力された目的地までの経路Rに関する軌跡情報の数が少ない場合に、個別の基準点間における軌跡情報の数によらず、ユーザ端末2に撮像及び撮像画像の送信の少なくとも一方を開始させることができる。
【0098】
<第2実施形態>
第1実施形態では情報処理装置1が経路R上に物体Oが存在する可能性があるか否かを判定するのに対して、本実施形態ではユーザ端末2が経路R上に物体Oが存在する可能性があるか否かを判定する。以下、第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0099】
本実施形態に係るユーザ端末2のプロセッサは、ユーザ端末2の記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより、第1実施形態の情報処理装置1が実行する処理に対応する処理を実行する。
【0100】
ユーザ端末2のプロセッサは、取得部131と同様に、ユーザ端末2の位置を示す位置情報と、ユーザが移動する予定の経路Rを示す経路情報と、を取得する。ユーザ端末2のプロセッサは、判定部133と同様に、他ユーザ端末3の位置の軌跡Tに基づいて、経路R上に物体Oが存在する可能性があるか否かを判定する。
【0101】
ユーザ端末2のプロセッサは、生成部134によって生成された開始情報を送信部132が送信する処理の代わりに、経路R上に物体Oが存在する可能性があると判定したことを条件として、ユーザ端末2の撮像部が撮像することと、ユーザ端末2の撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始する。
【0102】
[実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSによれば、ユーザ端末2は、撮像部による撮像及び撮像画像の送信を常に行う必要がなくなるため、ユーザが移動する経路R上に存在する物体Oをユーザが回避することを支援するために必要なユーザ端末2のリソースを削減できる。
【0103】
<第3実施形態>
第1実施形態では情報処理装置1はユーザ端末2に開始情報を送信した後に撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定するのに対して、本実施形態では情報処理装置1はユーザ端末2に開始情報を送信することなく撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定する。以下、第1実施形態とは異なる点を主に説明する。
【0104】
本実施形態では、ユーザ端末2は、撮像部による撮像及び撮像画像の送信を常に行う。情報処理装置1において、取得部131は、ユーザ端末2が送信した撮像画像を取得する。判定部133は、取得部131が取得した撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定する。判定部133は、例えば、撮像画像に対して既知の画像認識処理を実行することにより、撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定する。また、判定部133は、監視ユーザ端末4において監視ユーザによって入力された、撮像画像に物体Oが写っているか否かを示す情報を受信し、監視ユーザ端末4から受信した情報に基づいて撮像画像に物体Oが写っているか否かを判定してもよい。
【0105】
生成部134は、判定部133が撮像画像に物体Oが写っていないと判定したことを条件として、
図6(a)に例示した物体Oがユーザ端末2の撮像部の撮像範囲外であることをユーザに通知する通知情報と、
図6(b)及び
図6(c)に例示したユーザ端末2の撮像部を制御する制御情報と、の少なくとも一方を生成する。送信部132は、生成部134が生成した通知情報及び制御情報の少なくとも一方を、ユーザ端末2に送信する。
【0106】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した通知情報をユーザに対して出力する。通知情報は、例えば、物体Oがユーザ端末2の撮像部の撮像範囲外であることを示す情報と、ユーザに対して撮像部の向きを変更することを指示と、を含む。これにより、情報処理装置1は、撮像画像に物体Oが写っていない場合にユーザ端末2の撮像部が物体Oを撮像できるようにユーザを支援し、監視ユーザが撮像画像において物体Oを確認しやすくすることができる。
【0107】
ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した制御情報に従って、撮像部を制御する。制御情報は、例えば、撮像部の撮像範囲を広げるようにユーザ端末2の撮像部を制御する情報を含む。これにより、情報処理装置1は、撮像画像に物体Oが写っていない場合にユーザ端末2の撮像部の撮像範囲を自動的に広げ、監視ユーザが撮像画像において物体Oを確認しやすくすることができる。
【0108】
また、制御情報は、例えば、ユーザ端末2の撮像部による撮像の向きを変更するようにユーザ端末2の撮像部を制御する情報を含む。これにより、情報処理装置1は、撮像画像に物体Oが写っていない場合にユーザ端末2の撮像部の向きを自動的に変更し、監視ユーザが撮像画像において物体Oを確認しやすくすることができる。
【0109】
[実施形態の効果]
従来、撮像画像に物体Oを写っていない場合に、監視ユーザはユーザが移動する経路Rの状況を把握できないため、ユーザの移動を円滑に支援できないという問題があった。本実施形態に係る情報処理システムSによれば、情報処理装置1は、ユーザ端末2の撮像部が撮像した撮像画像に物体Oが写っていない場合に、撮像部が物体Oを写せるように撮像部が物体Oを写せるように通知し、又は撮像部が物体Oを写せるように撮像部を制御する。これにより、情報処理装置1は、監視ユーザが撮像画像に基づいて物体Oを回避するための指示をユーザに与えやすくすることができる。
【0110】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0111】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0112】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 送信部
133 判定部
134 生成部
2 ユーザ端末
3 他ユーザ端末
4 監視ユーザ端末
【要約】
【課題】ユーザが移動する経路上に存在する障害物等の物体をユーザが回避することを支援するために必要な携帯端末のリソースを削減できるようにする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザが保有する第1携帯端末の位置を示す位置情報と、ユーザが移動する予定の経路を示す経路情報と、を取得する取得部131と、ユーザとは異なる他ユーザが保有する第2携帯端末の位置の軌跡に基づいて、経路上に所定の物体が存在する可能性があるか否かを判定する判定部133と、経路上に物体が存在する可能性があると判定部が判定したことを条件として、第1携帯端末に関連付けられた撮像部が撮像することと、撮像部によって撮像された撮像画像を予め定められた送信先に送信することと、の少なくとも一方を開始させるための開始情報を、第1携帯端末に送信する送信部132と、を有する。
【選択図】
図2