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特許7477696決済管理装置、決済管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】決済管理装置、決済管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0234 20230101AFI20240423BHJP
【FI】
G06Q30/0234
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023127224
(22)【出願日】2023-08-03
【審査請求日】2023-08-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】馬場 一
(72)【発明者】
【氏名】大石 祥行
(72)【発明者】
【氏名】奥田 航
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 涼真
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特許第7282226(JP,B1)
【文献】特開2006-202005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して前記利用者に電子決済サービスを提供する決済管理装置であって、
前記電子決済サービスの加盟店が発行した電子的なチラシであって前記利用者の端末装置で閲覧可能な電子チラシを前記利用者の端末装置に配信する電子チラシ配信部と、
前記電子チラシの閲覧状況を示す情報および前記電子決済サービスを使用した決済の履歴を示す情報を管理する情報管理部と、
前記閲覧状況を示す情報に基づいて利用者が前記電子チラシを閲覧したか否かを判定し、前記電子チラシを閲覧した利用者に対して特典を付与する特典付与部と、
を備え、
前記特典付与部は、利用者が前記電子チラシを閲覧した場合に前記利用者に第1特典を付与し、前記決済の履歴を示す情報に基づいて前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行ったか否かを判定し、前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行った場合に前記利用者に前記第1特典に基づく第2特典を付与するものであり、
前記電子チラシ配信部は、前記電子チラシを閲覧して前記第1特典が付与された利用者に対して、前記第1特典が付与されたことを示す情報を前記利用者の端末装置に表示させる、
決済管理装置。
【請求項2】
前記第1特典は、スクラッチカードであり、
前記第2特典は、前記スクラッチカードを削る操作が行われたことによってその内容が利用者に開示されるものであり、前記利用者に対して付与される具体的な特典である、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項3】
前記特典付与部は、前記第1特典について当該第1特典を使用可能な有効期間を設定するものであり、
前記有効期間は、前記第1特典に対応する電子チラシの掲載期間として設定される、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項4】
前記特典付与部は、前記電子チラシを閲覧した利用者が、当該電子チラシを発行した加盟店から所定の範囲内に位置する場合に前記利用者に前記第1特典を付与する、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項5】
前記第1特典は、確率的な抽選の結果に基づいて付与量が決定される特典であり、
前記第2特典は、その特典の内容が、前記第1特典が使用されることによって決定される、または前記利用者に対して提示される特典である、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項6】
前記特典付与部は、前記第1特典を付与された利用者が前記電子決済サービスによる決済を行った際、前記利用者の操作によらずに前記第1特典を自動的に使用する、
請求項に記載の決済管理装置。
【請求項7】
前記特典付与部は、前記第1特典を付与された利用者が前記電子決済サービスによる決済を行った際、前記利用者に前記第1特典の使用を促すための処理を実行し、前記利用者が前記第1特典を使用するための操作を行った場合に前記第1特典を使用する、
請求項に記載の決済管理装置。
【請求項8】
前記特典付与部は、前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で、前記電子チラシに掲載された商品を、前記電子決済サービスを用いて購入した場合に前記第2特典を付与する、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項9】
前記特典付与部は、前記利用者が前記加盟店の電子チラシを閲覧した履歴、または、前記利用者が前記電子決済サービスを用いて行った決済の履歴に関する条件に基づいて、前記利用者に前記第1特典または前記第2特典を付与する、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項10】
前記電子チラシ配信部は、利用者が閲覧可能な電子チラシの一覧画面を前記端末装置に表示させるものであり、
前記電子チラシ配信部は、前記一覧画面に表示された各電子チラシについて、閲覧によって前記第1特典が付与される対象の電子チラシである場合には、その旨を示す第1情報を各電子チラシに対応づけて表示させ、前記第1特典が付与された電子チラシである場合には、その旨を示す第2情報を各電子チラシに対応づけて表示させる、
請求項1に記載の決済管理装置。
【請求項11】
決済管理装置が、利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して前記利用者に電子決済サービスを提供する決済管理方法であって、
前記電子決済サービスの加盟店が発行した電子的なチラシであって前記利用者の端末装置で閲覧可能な電子チラシを前記利用者の端末装置に配信する電子チラシ配信処理と、
前記電子チラシの閲覧状況を示す情報および前記電子決済サービスを使用した決済の履歴を示す情報を管理する情報管理処理と、
前記閲覧状況を示す情報に基づいて利用者が前記電子チラシを閲覧したか否かを判定し、前記電子チラシを閲覧した利用者に対して特典を付与する特典付与処理と、
を実行し、
前記特典付与処理では、利用者が前記電子チラシを閲覧した場合に前記利用者に第1特典を付与し、前記決済の履歴を示す情報に基づいて前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行ったか否かを判定し、前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行った場合に前記利用者に前記第1特典に基づく第2特典を付与するものであり、
配信された前記電子チラシを閲覧して前記第1特典が付与された利用者に対して、前記第1特典が付与されたことを示す情報を前記利用者の端末装置に表示させる、
決済管理方法。
【請求項12】
決済管理装置に、利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して前記利用者に電子決済サービスを提供させるためのプログラムであって、
前記電子決済サービスの加盟店が発行した電子的なチラシであって前記利用者の端末装置で閲覧可能な電子チラシを前記利用者の端末装置に配信する電子チラシ配信処理と、
前記電子チラシの閲覧状況を示す情報および前記電子決済サービスを使用した決済の履歴を示す情報を管理する情報管理処理と、
前記閲覧状況を示す情報に基づいて利用者が前記電子チラシを閲覧したか否かを判定し、前記電子チラシを閲覧した利用者に対して特典を付与する特典付与処理と、
を実行させるものであり、
前記特典付与処理は、利用者が前記電子チラシを閲覧した場合に前記利用者に第1特典を付与し、前記決済の履歴を示す情報に基づいて前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行ったか否かを判定し、前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行った場合に前記利用者に前記第1特典に基づく第2特典を付与するものであり、
配信された前記電子チラシを閲覧して前記第1特典が付与された利用者に対して、前記第1特典が付与されたことを示す情報を前記利用者の端末装置に表示させる処理を実行させる、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済管理装置、決済管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子データとして情報処理装置で閲覧可能な電子チラシを利用者の端末装置に配信し、電子チラシを閲覧した利用者が、当該電子チラシに掲載された商品を購入した場合に当該利用者に対して所定のインセンティブを付与することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第7282226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、電子チラシを閲覧した利用者が購買行動を起こす可能性を十分に高められない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、電子チラシによる販売促進効果を高めることができる決済管理装置、決済管理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して前記利用者に電子決済サービスを提供する決済管理装置であって、前記電子決済サービスの加盟店が発行した電子的なチラシであって前記利用者の端末装置で閲覧可能な電子チラシを前記利用者の端末装置に配信する電子チラシ配信部と、前記電子チラシを閲覧した利用者に対して特典を付与する特典付与部と、を備え、前記特典付与部は、利用者が前記電子チラシを閲覧した場合に前記利用者に第1特典を付与し、前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行った場合に前記利用者に前記第1特典に基づく第2特典を付与する、決済管理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、電子チラシによる販売促進効果をより高めることができる決済管理装置、決済管理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
図7】決済アプリ20のトップ画面IM1の一例を示す図である。
図8】スクラッチカードを利用者に付与する第1の態様として、特典付与部150が電子チラシを閲覧した利用者にスクラッチカードを付与する処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
図9】電子チラシ一覧画面の一例を示す図である。
図10】スクラッチカードを利用者に付与する第2の態様として、特典付与部150が電子チラシを閲覧した後に、当該電子チラシを発行した加盟店(対象加盟店)で電子決済を行った利用者にスクラッチカードを付与する処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。
図11】決済アプリ20において決済完了通知とともに当選画面が表示される場合の画面遷移の一例を示す図である。
図12】スクラッチカード一覧画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の決済管理装置、決済管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「サーバ」、「管理装置」「情報提供装置」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0010】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、及び一以上の第2店舗端末装置70のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0012】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0013】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0014】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0015】
図2および図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0016】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0017】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0018】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0019】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、特典付与部150と、電子チラシ配信部160と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0020】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176、特典管理情報177、電子チラシ情報178などの情報が格納される。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0022】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0023】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0024】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報、獲得済みスクラッチ情報、獲得特典情報、電子チラシ閲覧状況などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0026】
獲得済みスクラッチカード情報は、利用者が獲得済みのスクラッチカードに関する情報である。一般に、スクラッチカードとは、表面に秘匿情報を記載したカード状の物理媒体であって、使用前においては当該秘匿情報が隠された状態のものであり、その秘匿状態が簡易な手動操作によって公開状態に変更され得るものである。例えば、秘匿情報は不透明なシールや塗料などで隠されるが、利用者はシールをはがしたり、塗料を削り取ったりすることで秘匿情報を確認することができる。ここでのスクラッチカードの使用とは、秘匿情報を手動操作によって公開状態とすることである。本実施形態は、このような物理媒体のスクラッチカードを情報処理によって模擬するものである。獲得済みスクラッチカード情報には、例えば、利用者が獲得したスクラッチカードの種別や枚数、有効期間などの情報が含まれ得る。ここで、スクラッチカードは、利用者に付与される第1特典の一例である。第1特典は、その使用(自動使用を含む)によって、特典の具体的な内容(特典付与の有無を含んでもよい)が明らかになる種類の特典である。これに対し、第1特典の使用により明らかにされる具体的な特典を、以下では第2特典ということにする。
【0027】
獲得特典情報は、スクラッチカードの使用によって利用者が獲得した第2特典に関する情報である。獲得特典情報は、例えば、利用者が獲得した第2特典の内容や数量、入手方法などの情報が含まれ得る。スクラッチカードの例では、具体的な特典の内容を秘匿情報とすることにより、スクラッチカード(第1特典)を使用した利用者に対して、秘匿情報が示す内容の特典を第2特典として付与することができる。なお、情報処理の観点では、第2特典の内容は、物理媒体のスクラッチカードと同様に、スクラッチカードが使用される以前においてすでに決定されている(ただしスクラッチカードが使用されるまでは秘匿されている)ものであってもよいし、スクラッチカードが使用された時に確率的な抽選処理によって決定されるものであってもよい。
【0028】
電子チラシ閲覧状況は、利用者による電子チラシの閲覧状況を示す情報である。電子チラシは、利用者端末装置10などの表示機能を有する装置において画像として表示される態様のチラシである。電子チラシは、電子チラシ配信部160によって利用者端末装置10に配信される。決済アプリ20は、利用者が閲覧可能な電子チラシの一覧を表示させるとともに、電子チラシの選択操作を受け付け、選択された電子チラシの詳細情報を電子チラシ配信部160から取得して利用者端末装置10に表示させる。情報管理部140は、電子チラシ配信部160が或る利用者に対して電子チラシの詳細情報を配信した場合、当該電子チラシを閲覧済みとして、当該利用者の電子チラシ閲覧状況を更新する。
【0029】
以下、本実施形態における第1特典がスクラッチカードである場合について説明するが、第1特典は、その使用によって第2特典の内容が明らかにされるもの(第1特典の使用時に第2特典が決定される場合と、予め決定されている第2特典の内容が第1特典の使用時まで秘匿にされる場合と、の両方を含む)であればスクラッチカードの態様に限定されない。
【0030】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0031】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172、加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。また、情報管理部140は、電子決済サービスの管理端末(図示せず)と通信し、当該管理端末から取得した情報に基づいて特典管理情報177および電子チラシ情報178を管理する。情報管理部140は、第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて特典管理情報177および電子チラシ情報178を管理してもよい。
【0032】
特典付与部150は、電子決済サービスの利用者に対して第1特典および第2特典を付与する処理を行う。より具体的には、特典付与部150は、電子決済サービスにより配信された電子チラシを閲覧した利用者に対して、スクラッチカード(第1特典)を付与する。また、特典付与部150は、スクラッチカードが使用されたことに応じて、実際の特典(第2特典)を利用者に付与するための処理を実行する。スクラッチカードは、利用者の操作によって使用されるものであってもよいし、利用者の操作によらずに所定のタイミングで自動的に使用されるものであってもよい。例えば、特典付与部150は、利用者が電子決済サービスを利用して支払いを行った際、当該利用者が保有しているスクラッチカードの一部または全部を、利用者の操作によらずに自動的に使用するように構成されてもよい。また、スクラッチカードの自動使用は利用者が設定によって有効化または無効化を切り替えることができるように構成されてもよい。
【0033】
なお、利用者にスクラッチカードを付与する際の付与条件や、スクラッチカードが使用されて利用者に第2特典を付与する際の付与条件は、電子決済サービスの運営者によって予め特典管理情報177に設定されていてもよい。また、特典管理情報177には、第2特典として利用者に付与され得る特典の内容が含まれてもよい。また、特典管理情報177には、第1特典(スクラッチカード)を付与された利用者が当該第1特典を使用することができる条件(使用条件)が含まれてもよい。例えば、第1特典の使用条件は、第1特典を付与された利用者が、当該第1特典に紐づく加盟店で決済を行ったこと、であってもよい。また、例えば、第1特典の使用条件は、電子チラシを閲覧して第1特典を付与された利用者が、当該電子チラシに掲載された商品について購入代金の決済を行ったこと、であってもよい。特典付与部150は、特典管理情報177に基づいて第1特典および第2特典の付与を行ってもよい。
【0034】
電子チラシ配信部160は、電子決済サービスの利用者に対して電子チラシを配信する処理を行う。加盟店の運営者は、配信すべき電子チラシの情報や配信対象とする利用者の条件などを予め決済サーバ100に登録しておく。これらの登録情報は、情報管理部140により電子チラシ情報178として記憶部170に保存される。電子チラシ配信部160は、電子チラシ情報178に基づき、登録済みの電子チラシについて配信対象の利用者を特定し、特定した利用者の利用者端末装置10に当該電子チラシを配信する。
【0035】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0036】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0037】
[トップ画面]
図7は、決済アプリ20のトップ画面IM1の一例を示す図である。例えば、決済アプリ20のトップ画面IM1には、スマホ決済に使用されるバーコードやQRコード(登録商標)等のコード画像が含まれる領域A1、チャージ、スキャンなどのスマホ決済における主要な動作を指示するためのアイコンが設定される領域A2、電子決済サービスにおける様々な機能を呼び出すためのアイコンが設定される領域A3が含まれる。例えば、領域A3には、カード決済における決済方法の設定や、オートチャージの設定、複数の支払い方法についての優先順位の設定など、電子決済サービスに関する各種の設定画面を呼び出すためのアイコンが配置され得る。また、例えば、領域A3には、獲得済みのスクラッチカードの一覧を表示させるためのアイコンが配置されてもよいし、スクラッチカードの使用によって付与された第2特典の一覧を表示させるためのアイコンが配置されてもよい。図示するアイコンC1は、閲覧可能な電子チラシの一覧(以下「電子チラシ一覧」という。)を表示させるためのアイコンである。
【0038】
[スクラッチカードの付与(その1)]
図8は、スクラッチカードを利用者に付与する第1の態様として、特典付与部150が電子チラシを閲覧した利用者にスクラッチカードを付与する処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。まず、利用者端末装置10において、決済アプリ20が電子チラシ一覧の表示操作を受け付ける(S31)。例えば、決済アプリ20は、トップ画面IM1の領域A3に配置されたアイコンのうち、電子チラシ一覧を表示させるためのアイコンC1の操作を受け付ける。決済アプリ20は、アイコンC1が操作されたことに応じて、決済サーバ100に対し、決済アプリ20に電子チラシ一覧を表示させるための情報(電子チラシ一覧情報)を要求する(S32)。この要求に応じて、決済サーバ100は、要求元の利用者について閲覧可能な電子チラシを認識し、その一覧情報を要求元の決済アプリ20に返信する(S33)。利用者端末装置10では、決済サーバ100から受信された電子チラシ一覧情報をもとに、決済アプリ20が電子チラシ一覧画面を生成して表示させる(S34)。
【0039】
決済アプリ20は、電子チラシ一覧画面に表示された電子チラシの中から、利用者が閲覧対象の電子チラシを選択する操作を受け付ける(S35)。決済アプリ20は、選択された電子チラシについて詳細を表示するための情報(電子チラシ情報)を決済サーバ100に要求する(S36)。この要求に応じて、決済サーバ100は、記憶部170に保存されている電子チラシ情報178から要求された電子チラシ情報を取得して要求元の決済アプリ20に送信するとともに(S37)、要求元の利用者に対してスクラッチカードを付与する(S38)。利用者端末装置10では、決済アプリ20が、決済サーバ100から受信された電子チラシ情報をもとに、利用者が閲覧対象として選択された電子チラシの内容を表示させる(S39)。
【0040】
図9は、電子チラシ一覧画面の一例を示す図である。図9の例は、電子チラシ画面IM2が、利用者が閲覧可能な電子チラシEF1~EF3を一覧表示している状況を表している。例えば、電子チラシEF1~EF3のそれぞれには、加盟店や対象店舗、有効期間の情報、電子チラシの内容を表示させるためのボタンBT11~BT13が表示される。これらのほか、電子チラシEF1~EF3には、閲覧によりスクラッチカードを獲得できる旨や、スクラッチカードを獲得済みである旨を示す情報が表示されてもよい。例えば図9において、アイコンIC1は電子チラシEF1を閲覧した利用者にスクラッチカードが付与されることを表しており、アイコンIC2は利用者が電子チラシEF2を獲得済みであることを表している。
【0041】
[スクラッチカードの付与(その2)]
図10は、スクラッチカードを利用者に付与する第2の態様として、特典付与部150が電子チラシを閲覧した後に、当該電子チラシを発行した加盟店(対象加盟店)で電子決済を行った利用者にスクラッチカードを付与する処理の流れの一例を示すシーケンスチャートである。ここでは、決済サーバ100が対象加盟店の利用者について電子決済を実行した(S41)ところから説明を始める。S41の電子決済は、図2で説明したユーザスキャン方式の電子決済(S7)であってもよいし、図3で説明したストアスキャン方式の電子決済(S17)であってもよい。また、ここで処理対象となる利用者は対象加盟店が発行した電子チラシを当該電子決済の前に閲覧済みであり、その旨が決済サーバ100によって管理されているものとする。
【0042】
特典付与部150は、決済処理部130が利用者についての電子決済を実行した場合(S41)、当該利用者が対象加盟店の電子チラシを閲覧済みであるか否かを判定する(S42)。ここで、利用者は対象加盟店の電子チラシを閲覧済みであると判定した場合、特典付与部150は当該利用者に対してスクラッチカードを付与するための処理(スクラッチカード付与処理)を実行する(S43)。例えば、スクラッチカード付与処理は、スクラッチカードを付与するか否か、または/およびスクラッチカードを何枚付与するかなどの事項を決定する処理である。スクラッチカード付与処理は、これらの事項を、確率的な抽選によって決定してもよいし、予め定められた付与条件をもとに決定してもよいし、両者を組み合わせた方法によって決定してもよい。特典付与部150は、S41の電子決済について決済完了を通知する(決済完了通知)とともに、S43のスクラッチカード付与処理の実行結果(付与有無や付与枚数など)を利用者端末装置10に通知する(S44)。
【0043】
一方、S42において利用者が電子チラシを閲覧済みでないと判定した場合、特典付与部150はスクラッチカード付与処理をスキップしてS41の電子決済について決済完了通知を利用者端末装置10に送信する(S45)。なお、S44およびS45で送信する決済完了通知は、ユーザスキャン方式では図2のS8に対応するものであり、ストアスキャン方式では図3のS18に対応するものである。
【0044】
続いて、利用者端末装置10では、決済アプリ20がS44またはS45で受信された決済完了通知を受けて決済完了画面を表示させる(S46)とともに、スクラッチカード付与処理の結果を判定する(S47)。ここで、スクラッチカード付与処理においてスクラッチカードが付与されたと判定した場合、決済アプリ20は、その旨を示す当選画面を表示させる(S48)。一方、S47において、スクラッチカード付与処理においてスクラッチカードが付与されなかったと判定した場合、決済アプリ20は当選画面を表示させることなく、電子決済に関する一連の処理を終了する。
【0045】
図11は、決済アプリ20において決済完了通知とともに当選画面が表示される場合の画面遷移の一例を示す図である。電子決済時のスクラッチカード付与処理において利用者にスクラッチカードが付与された場合、例えば、決済アプリ20は、決済完了画面IM3、第1特典画面IM4、第2特典画面IM5の順に画面遷移を行うように構成される。決済完了画面IM3は、ユーザスキャン方式では図2のS9で表示される画面であり、ストアスキャン方式では図3のS19で表示される画面である。例えば、決済完了画面IM3には、支払い先の加盟店や決済時刻、支払った金額、当該金額の支払いが完了した旨のメッセージなどが表示される。使用者にスクラッチカードが付与された場合、決済完了画面IM3は自動的に第1特典画面IM4に遷移する。
【0046】
第1特典画面IM4は、直前の電子決済においてスクラッチカードが第1特典として付与された旨を利用者に通知する画面である。図11は、第1特典画面IM4が決済完了画面IM3の前面側に重畳されて表示された例を表している。例えば、第1特典画面IM4には、スクラッチカードが付与された(当選した)旨のメッセージとともに、付与されたスクラッチカードを「今すぐ削る」(今すぐ使用する)操作を受け付けるためのボタンBT21と、今すぐ使用せずに「後で削る」(後で使用する)ことを選択する操作を受け付けるボタンBT22とが表示される。ここで、ボタンBT21が操作された場合、第1特典画面IM4は第2特典画面IM5に遷移する。
【0047】
第2特典画面IM5は、直前の電子決済において付与されたスクラッチカードを使用した結果を利用者に通知する画面である。図11の例は、第1特典画面IM4と同様に、決済完了画面IM3の前面側に重畳されて表示された第2特典画面IM5を表している。例えば、第2特典画面IM5には、スクラッチカードの使用によって決定された第2特典の内容を通知するメッセージとともに、付与された第2特典を使用する操作を受け付けるためのボタンBT23が表示される。図11の例は、第2特典としてクーポンが付与された場合を表している。この場合、決済アプリ20は、ボタンBT23が操作された場合、第2特典画面IM5をクーポン一覧画面に遷移させてもよい。なお、決済アプリ20は、決済完了画面IM3から第1特典画面IM4に遷移する間、または/および、第1特典画面IM4から第2特典画面IM5に遷移する間において、利用者をワクワクさせるようなアニメーション等による演出を表示させるように構成されてもよい。
【0048】
また、第1特典画面IM4においてボタンBT22が操作された場合、決済アプリ20は第1特典画面IM4をスクラッチカード一覧画面に遷移させてもよい。図12は、スクラッチカード一覧画面IM6の一例を示す図である。スクラッチカード一覧画面IM6は、利用者が獲得済みのスクラッチカードを一覧表示する画面である。図12の例は、スクラッチカード一覧画面IM6が、利用者が獲得済みのスクラッチカードSC1~SC3を一覧表示している状況を表している。例えば、スクラッチカードSC1~SC3のそれぞれには、加盟店や対象店舗、有効期間の情報、保有しているスクラッチカードの枚数、スクラッチカードの使用操作を受け付けるボタンBT31~BT33が表示される。
【0049】
[スクラッチカードの付与条件]
特典付与部150は、スクラッチカードの付与条件として有効期間を設けてもよい。例えば、この場合、特典付与部150は、対応する電子チラシの掲載期間を有効期間としてスクラッチカードを付与してもよい。例えば、各電子チラシの掲載期間は電子チラシ情報178によって定義される。この場合、特典付与部150は、スクラッチカードを付与する際に電子チラシ情報178を参照し、対象の電子チラシについて掲載期間を認識する。特典付与部150は、認識した掲載期間を有効期間としてスクラッチカードを利用者に付与する。この場合、利用者に付与されたスクラッチカードの有効期間は、例えば情報管理部140によって利用者情報172の獲得済みスクラッチカード情報に登録される。
【0050】
スクラッチカードの付与条件は、電子チラシを閲覧したことのみであってもよいし、付与有無や付与枚数が電子チラシの閲覧履歴または/および決済履歴情報に基づいて変動するような条件として設定されてもよい。例えば、特典付与部150は、以下のいずれかを付与条件としてスクラッチカードを付与してもよいし、以下条件のいずれか1つ以上の組み合わせを付与条件としてスクラッチカードを付与してもよい。
・利用者が対象の電子チラシを初めて閲覧した。
・利用者が対象加盟店から所定の範囲内に位置する。
・利用者が所定回数電子チラシを閲覧した。
・利用者が所定回数電子決済を行った。
なお、これらの条件は、スクラッチカードを付与するか否かの条件として使用されてもよいし、付与するスクラッチカードの枚数に対応づけられてもよい。例えば、特典付与部150は、対象の電子チラシを初めて閲覧した場合には2枚のスクラッチカードを付与し、それ以降は所定回数の閲覧ごとに1枚のスクラッチカードを付与するようにしてもよい。
【0051】
スクラッチカードの付与条件は、確率(付与確率)であってもよい。付与確率は0より大きければよく1(必ず付与される)であってもよい。また、付与確率は、一定であってもよいし、可変であってもよい。例えば、特典付与部150は、電子チラシの閲覧履歴または/および決済履歴情報に基づいて付与確率を変動させてもよい。例えば、特典付与部150は、利用者が或る加盟店で電子決済での決済を初めて行った場合に付与確率をアップさせてもよい。また、例えば、特典付与部150は、或る加盟店について、利用者が過去の電子チラシを含め、これまでに閲覧した電子チラシの累積閲覧回数に応じて付与確率をアップさせてもよい。また、特典付与部150は、電子チラシを閲覧した利用者が、電子チラシに掲載された商品を対象加盟店で購入した場合、対象加盟店で電子チラシに掲載されていない商品を購入した場合よりも付与確率をアップさせてもよい。
【0052】
[スクラッチカードの自動使用]
特典付与部150は、所定の自動使用条件が満たされた場合に、利用者が獲得済みのスクラッチカードを自動的に使用するように構成されてもよい。なお、ここでいう自動使用とは、利用者の確認操作を必要とせずにスクラッチカードを使用する全自動の使用と、利用者にスクラッチカードの使用を促すための処理(例えば、使用または不使用のいずれかを選択させる画面の表示処理など)を自動的に実行し、利用者がスクラッチカードを使用するための操作(スクラッチカードの使用を選択する操作)を行った場合にスクラッチカードを使用する半自動の使用とを含んでよい。例えば、特典付与部150は、現在(例えば電子決済時)において有効期間内であるスクラッチカードを自動使用してもよい。また、例えば、特典付与部150は、利用者の決済履歴情報に基づいてスクラッチカードの自動使用を制御してもよい。例えば、特典付与部150は、電子チラシを閲覧した利用者が当該電子チラシに掲載された商品の購入のために電子決済を行った場合にスクラッチカードを自動使用してもよい。また、例えば、特典付与部150は、電子チラシを閲覧した利用者が、対象加盟店の営業時間のうち所定の時間帯において商品購入のための電子決済を行った場合にスクラッチカードを自動使用してもよい。
【0053】
[第2特典の内容]
特典付与部150は、対象加盟店における決済総額に応じたキャッシュバック(例えば、決済金額の○○%など)を受けることができるクーポンを第2特典として利用者に付与してもよい。ここでの決済総額は、一回の支払いによって決済される金額の合計であり、1つ以上の商品についての購入金額が含まれてよい。キャッシュバックの額は、決済総額に対する割合で決定されてもよいし、キャッシュバック対象となる商品の購入金額の合計に対する割合で決定されてもよい。キャッシュバック対象となる商品は、加盟店側が指定した特定の商品または特定の種類の商品であってもよいし、販売価格が所定額以上の商品であってもよい。また、決済総額に応じた額のキャッシュバックが行われてもよいし、決済金額の範囲に対して固定のキャッシュバック率(またはキャッシュバック額)が設定されてもよい。また、キャッシュバック対象となる商品は、利用者が閲覧した電子チラシに掲載された商品に限定されてもよい。また、キャッシュバック対象となる商品は、利用者が購入した商品のなかからランダムに選択されてもよい。
【0054】
以上説明した実施形態によれば、電子チラシを閲覧した利用者が購買行動を起こすモチベーションを高めることができる。すなわち上記の実施形態によれば、電子チラシによる販売促進効果をより高めることができる。
【0055】
<変形例>
決済アプリ20に表示される各種画面の制御は、決済アプリ20が主となって行われるものであってもよいし、決済サーバ100が主となって行われるものであってもよい。例えば、決済アプリ20が各種画面について画面構成の定義情報(データ配置や静的情報など)を保持している場合、決済アプリ20は決済サーバ100から取得される情報を当該定義情報と組み合わせることで各種画面表示を実現してもよい。また、これとは逆に、決済サーバ100が各種画面を生成してその表示情報を決済アプリ20に供給してもよい。この場合、決済アプリ20は決済サーバ100から供給される表示情報をレンダリングすることで各種画面を利用者端末装置10に表示させてもよい。
【0056】
上記の実施形態では、基本的には、利用者が加盟店の電子チラシを閲覧した際にスクラッチカードを付与し、当該利用者が当該電子チラシに掲載された商品の購入代金を電子決済によって支払った際に当該スクラッチカードを自動使用する場合について説明したが、スクラッチカードの自動使用によって付与された第2特典は、当該電子決済に対して適用されるものとして付与されてもよいし、当該電子決済の次の電子決済の際に提供されるものとして付与されてもよい。また、第2特典は、電子チラシを発行した加盟店(対象加盟店)で利用可能なクーポンであってもよいし、対象加盟店以外の特定の加盟店で利用可能なクーポンであってもよい。
【0057】
特典付与部150は、利用者が獲得済みのスクラッチカードであって、未使用のスクラッチカードがある場合には、未使用のスクラッチカードについて所定のタイミング(例えば1日1回、○○時のタイミングなど)で有効期間をチェックし、チェック結果を必要に応じて決済アプリ20に通知するように構成されてもよい。例えば、特典付与部150は、有効期間が満了していない未使用のスクラッチカードがある場合、有効期間が満了する日時や有効期間が満了するまでの日数、時間等を決済アプリ20に通知してもよい。
【0058】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
50 第1店舗端末装置
60 店舗コード画像
70 第2店舗端末装置
72 加盟店向けインターフェース
100 決済サーバ
110 通信部
120 決済コンテンツ提供部
130 決済処理部
140 情報管理部
150 特典付与部
160 電子チラシ配信部
170 記憶部
172 利用者情報
174 決済コンテンツ情報
176 加盟店/店舗情報
177 特典管理情報
178 電子チラシ情報
【要約】
【課題】電子チラシによる販売促進効果をより高めることができる。
【解決手段】利用者の端末装置で動作するアプリケーションプログラムと協働して前記利用者に電子決済サービスを提供する決済管理装置であって、前記電子決済サービスの加盟店が発行した電子的なチラシであって前記利用者の端末装置で閲覧可能な電子チラシを前記利用者の端末装置に配信する電子チラシ配信部と、前記電子チラシを閲覧した利用者に対して特典を付与する特典付与部と、を備え、前記特典付与部は、利用者が前記電子チラシを閲覧した場合に前記利用者に第1特典を付与し、前記電子チラシを閲覧した利用者が前記電子チラシの発行元の加盟店で前記電子決済サービスによる決済を行った場合に前記利用者に前記第1特典に基づく第2特典を付与する、決済管理装置。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12