(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】情報処理端末及びコード決済制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20240423BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20240423BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20240423BHJP
G07G 1/12 20060101ALN20240423BHJP
【FI】
G06Q20/32 330
G06Q20/20 370
G07G1/06 Z
G07G1/12 321L
(21)【出願番号】P 2023196235
(22)【出願日】2023-11-17
【審査請求日】2023-11-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523436768
【氏名又は名称】酒井 玲愛
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140626
【氏名又は名称】酒井 仁郎
(72)【発明者】
【氏名】酒井 玲愛
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/221097(WO,A1)
【文献】特開2013-171580(JP,A)
【文献】特開2020-129156(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0069013(US,A1)
【文献】特開2015-212884(JP,A)
【文献】特開2022-150759(JP,A)
【文献】特開2020-064391(JP,A)
【文献】特開2013-097657(JP,A)
【文献】特開2009-042931(JP,A)
【文献】特開2014-206790(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0145082(US,A1)
【文献】特開2020-091542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0058869(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0171468(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード決済が可能な情報処理端末であって、
購買記録の種別の事前設定を受け付ける第1受付部と、
ユーザから、商品のコード決済の指示を受け付ける第2受付部と、
前記コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、事前設定された前記購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う問い合わせ部と、
前記店舗端末から、前記問い合わせに対する回答を受信する受信部と、
前記回答に基づき、前記店舗端末に対し、購買記録の発行依頼を行う依頼部と、
前記コード決済の指示に従い、前記店舗端末との間で前記商品のコード決済を行う決済部と、を具備
し、
前記第1受付部は、複数の購買記録の種別の事前設定を受け付けた場合に、前記複数の購買記録のそれぞれに対して優先順位の設定を受け付け、
前記問い合わせ部は、前記コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、設定された優先順位に従い、事前設定された前記購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う、情報処理端末。
【請求項2】
前記購買記録は、紙のレシートまたは電子レシートのいずれかであり、
前記問い合わせ部は、前記コード決済の指示を受け付けた場合に、前記商品のコード決済に先立ち、決済先の店舗端末に対して、
設定された優先順位に従い、事前設定された前記購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う、請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記依頼部は、前記店舗端末に対し、購買記録の発行依頼を行う前に、前記発行依頼の内容を前記ユーザに報知する、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記受信部は、前記問い合わせに対する回答を受信した場合に、前記回答の結果を前記ユーザに報知する、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項5】
前記電子レシートには、電子領収書が含まれ、
前記電子領収書に記載すべき宛名を記憶した記憶部をさらに備え、
前記依頼部は、前記購買記録の種別として前記電子領収書が事前設定された場合であって、前記回答に基づき、前記店舗端末に対し、前記電子領収書の発行依頼を行う場合には、前記宛名を含めて前記発行依頼を行う、請求項2に記載の情報処理端末。
【請求項6】
前記受信部は、
前記依頼部によって、電子領収書の発行依頼が行われた場合に、前記店舗端末から、依頼に応じた前記宛名を含む前記電子領収書を受信する、請求項5に記載の情報処理端末。
【請求項7】
前記電子領収書には、前記宛名のほか、購入先の店舗名、購入の日付、購入金額、購入商品の品名が含まれる、請求項6に記載の情報処理端末。
【請求項8】
前記受信部は、
前記依頼部によって、電子レシートの発行依頼が行われた場合に、前記店舗端末から、依頼に応じた前記電子レシートを受信し、
受信した電子レシートを記憶するデータベースをさらに具備する、請求項2から7のいずれか一項に記載の情報処理端末。
【請求項9】
コンピュータを、
購買記録の種別の事前設定を受け付ける第1受付部と、
ユーザから、商品のコード決済の指示を受け付ける第2受付部と、
前記コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、事前設定された前記購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う問い合わせ部と、
前記店舗端末から、前記問い合わせに対する回答を受信する受信部と、
前記回答に基づき、前記店舗端末に対し、購買記録の発行依頼を行う依頼部と、
前記コード決済の指示に従い、前記店舗端末との間で前記商品のコード決済を行う決済部として機能させるための
プログラムであって、
前記第1受付部は、複数の購買記録の種別の事前設定を受け付けた場合に、前記複数の購買記録のそれぞれに対して優先順位の設定を受け付け、
前記問い合わせ部は、前記コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、設定された優先順位に従い、事前設定された前記購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う、コード決済制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理端末及びコード決済制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、店舗での買物の際に発行される購買記録としての紙レシートの記載事項をデジタルデータ化し、電子レシートとして顧客が所有するスマートフォン等のユーザ端末で閲覧できるようにしたサービスが提案されている。例えば、特許文献1には、会計時などに顧客がICチップ付きの会員カードを電子レシート発行装置にかざすことで、電子レシートを取得するサービスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された構成では、顧客は会計の都度、財布などに入れたICチップ付きの会員カードを電子レシート発行装置にかざすといった煩雑な作業が必要となる。特に、近年では、商品の購入に際して、QRコード(登録商標)やバーコードなどを使用したキャッシュレス決済(以下、コード決済)が広く利用されているが、特許文献1の開示技術をコード決済に適用した場合には、ユーザは以下に示す操作が必要となる。
【0005】
まず、ユーザは、ユーザ端末にインストールされているコード決済専用のアプリケーション(以下、コード決済アプリ)を立ち上げてユーザ端末にコードを表示し、コードが表示されたユーザ端末を店舗端末にかざすことで、コード決済を行う。ここで、電子レシートを取得するためには、ユーザは、さらにICチップ付きの会員カードを電子レシート発行装置にかざすといった操作を行う必要があるが、多くのユーザは煩わしい思いをしたくないために、電子レシートの発行を断念してしまう、という問題があった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、コード決済を利用するユーザに対し、煩雑な操作等を強いることなく、ユーザの希望に沿った購買記録を提供することができる仕組みを構築することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様である情報処理端末は、コード決済が可能な情報処理端末であって、購買記録の種別の事前設定を受け付ける第1受付部と、ユーザから、商品のコード決済の指示を受け付ける第2受付部と、コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、事前設定された購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う問い合わせ部と、店舗端末から、問い合わせに対する回答を受信する受信部と、回答に基づき、前記店舗の端末に対し、購買記録の発行依頼を行う依頼部と、コード決済の指示に従い、店舗端末との間で前記商品のコード決済を行う決済部と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コード決済を利用するユーザに対し、煩雑な操作等を強いることなく、ユーザの希望に沿った購買記録を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1の概略構成を示す図である。
【
図2】店舗側システム10の機能構成を例示するブロック図である。
【
図3】ユーザ端末20のハードウェア構成を例示する図である。
【
図4】ユーザ端末20の機能構成を例示するブロック図である。
【
図5A】購買記録の種別設定画面P1を例示した図である。
【
図5B】購買記録の種別設定画面P1を例示した図である。
【
図5C】購買記録の種別設定画面P1を例示した図である。
【
図7】ユーザがコード決済によって商品を購入し、購買記録が店舗端末から発行されるまでの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
A.本実施形態
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略構成を示す図である。
情報処理システム1は、クラウドコンピューティングシステム等により構成され、各店舗を利用して商品を購入するユーザに対して、レシートに関わるサービスを提供する。
【0012】
ここで、「商品」とは、経済活動において生産・流通・交換される物財全般を意味し、様々な製品、サービス、権利、情報などが含まれる。また、「レシート」とは、ユーザの購買記録をあらわすものであり、本実施形態では、記録媒体に応じて紙レシート(紙領収書を含む)と電子レシート(電子領収書を含む)の2種類を想定する。「レシート」には、購入先の店舗名、日付、購入金額、購入した商品名などの情報を含むもの(いわゆる、通常のレシート)のほか、これらの情報に加えて、購入者を特定する宛名を含むもの(いわゆる、領収書)がある。
【0013】
情報処理システム1は、コード決済に応じて各種レシートの発行が可能な店舗側システム10と、各店舗に来店したユーザ(顧客)が操作するユーザ端末20とを備えている。
【0014】
店舗側システム10とユーザ端末20とは、通信ネットワークNを介して接続される。通信ネットワークNは、店舗側システム10とユーザ端末20との間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0015】
店舗側システム10は、サーバコンピュータなどによって構成され、例えば通信ネットワークNに分散する複数のコンピュータから構成される。店舗側システム10は、各店舗に設置されている店舗端末なども含む。店舗端末は、コード決済に必要なハードウェア(例えば、バーコード、2次元コードの読み取りが可能なコードリーダなど)やソフトウェア(例えば、店舗の会計・集計業務に必要な機能を1つにまとめたレジアプリケーションなど)やブラウザ等を備えている。
【0016】
店舗側システム10は、制御装置11と記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより、各種レシートの発行・管理に関わる様々な機能を提供する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0017】
図2は、店舗側システム10の機能構成を例示するブロック図である。
店舗側システム10は、制御装置11などのハードウェア資源が各種ソフトウェアと協働することによって
図2に示す各部を実現する。
【0018】
ユーザ管理部111は、各ユーザの個人情報(例えば、ユーザID、メールアドレスなど)をユーザ管理データベースDB1に登録し、管理する。個人情報には、各ユーザに付与されるユニークなユーザIDや、メールアドレスなどとともに、所定期間分(例えば、過去〇×年分)の発行済みのレシートに関する情報(以下、レシート関連情報)などが含まれる。発行済みのレシート関連情報には、レシートの種別(すなわち、紙レシートまたは電子レシートのいずれか)、レシートの記載内容(例えば、購入先の店舗名、日付、購入金額、購入した商品名など)が含まれる。
【0019】
レシート関連処理部112は、ユーザからの求めに応じて、紙レシートまたは電子レシートの作成、発行、保存(管理)など、レシートに関わる様々な処理を実行する。レシート関連処理部112は、電子レシートを発行等するための電子レシート発行装置(図示略)や、紙レシートを発行等するための紙レシート発行装置(図示略)と連携されている。
【0020】
店舗側決済処理部113は、ユーザによる商品の購入に応じて、購入代金に応じた売上金を店舗の銀行口座等に入金する処理などを行なう。
【0021】
ユーザ端末(情報処理端末)20は、来店したユーザが利用する端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、ウェアラブル端末、タブレット端末、ハンドヘルドコンピュータデバイス、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPCなどによって構成されている。
【0022】
図3は、ユーザ端末20に搭載されたコンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
ユーザ端末20を構成するコンピュータは、一般的なコンピュータのハードウェアと同様、CPU等を備えた制御装置21、半導体メモリ等を備えた記憶装置22、タッチパネルや各種操作ボタン等からなる入力装置23、液晶ディスプレイ等からなる表示装置24、様々な通信インタフェースを備えた通信装置25などを含んで構成される。
【0023】
ユーザ端末20の記憶装置22には、コード決済に関わるアプリケーション(以下、コード決済関連アプリ)AP1がインストールされている。ユーザ端末20は、コード決済関連アプリAP1を実行することで、コード決済、レシートの種別設定、レシートの発行依頼、レシートの受信などを行なうことが可能となっている。
【0024】
「コード決済」とは、2次元コード、バーコード、その他の番号、記号、符号を用いて行う代金決済をいい、コード決済には、ユーザがQRコードなどの決済コードを店舗端末に提示するコード支払い方式と、店舗端末がユーザに対して決済コードを提示する読取支払い方式が存在する。本実施形態では、コード支払い方式を想定して説明するが、読取支払方式にも適用可能である。なお、「決済コード」とは、コード決済のためにユーザに対して発行される2次元コード、バーコード、その他の番号、記号、符号をいう。
【0025】
図4は、ユーザ端末20の機能構成を例示するブロック図である。
ユーザ端末20は、制御装置などのハードウェア資源が、コード決済関連アプリAP1を含む各種ソフトウェアと協働することによって
図4に示す各部を実現する。
【0026】
ユーザ端末20は、ユーザ管理部210と、受付部211と、問い合わせ部212と、受信部213と、依頼部214と、決済部215とを含む。
【0027】
ユーザ管理部210は、各ユーザの個人情報(例えば、ユーザID、ユーザ名、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレスなど)を所定のデータベースに登録し、管理する。
【0028】
受付部211は、ユーザから様々な設定や指示を受け付ける。例えば、受付部(第1受付部、第2受付部)211は、ユーザから、希望する購買記録の種別(本実施形態では、紙レシートまたは電子レシート)の設定を受け付けたり、商品のコード決済の指示を受け付けたりする。
【0029】
図5A、
図5B及び
図5Cは、表示装置24に表示される購買記録の種別設定画面P1を例示した図である。
図5Aに示す種別設定画面P1の例では、購買記録として紙レシートまたは電子レシートのいずれかを選択するためのラジオボタンB1などが表示される。ユーザは、クリック操作等により、自身が希望する購買記録の種別を選択(設定)する。
【0030】
図5Bに示す種別設定画面P1の例では、通常の紙レシート、紙領収書、通常の電子レシート、電子領収書のいずれかを選択するためのラジオボタンB1などが表示される。すでに説明したように、「通常のレシート」は、購入先の店舗名、日付、購入金額、購入した商品名などの情報を含むのに対し、「領収書」は、これらの情報に加えて、購入者を特定する宛名を含む点で異なる。購入者を特定する宛名は、ユーザ管理部210が管理する当該ユーザの個人情報(ユーザ名など)を利用してもよいが、ユーザが宛名を自由に設定、変更できるようにしてもよい。
【0031】
図5Cに示す種別設定画面P1の例では、購買記録を複数選択可能なチェックボックスCB1が表示されるとともに、優先順位PRの設定が可能となっている。ユーザは、ユーザ端末20を操作することで、例えば「電子領収書」を第1優先順位に設定し、「紙の領収書」を第2優先順位に設定し、「電子レシート」を第3優先順位などに設定することができる。このように、複数の購買記録に優先順位を設定しておくことで、例えば、購入先の店舗が第1優先順位の購買記録に対応していなくても、第2優先順位の購買記録に対応していれば、ユーザは、第2優先順位の購買記録を受け取ることができ、より希望に沿った形で購買記録を受け取ることができる。
【0032】
以上説明した購買記録の種別は、ユーザが任意のタイミングで設定・更可能である。一例として、ユーザは、コード決済関連アプリAP1のインストール時などに、購買記録の種別を設定してもよい。また、ユーザが購買記録の種別を設定しない場合なども想定されることから、例えば電子レシートをデフォルトに設定にしてもよい。
【0033】
図4に戻り、問い合わせ部212は、ユーザから、コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、事前設定された購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う。例えば、事前設定された購買記録の種別が電子レシートであれば、問い合わせ部212は、決済先の店舗端末に対して、電子レシートに対応しているか否か(すなわち、電子レシートの発行が可能か否か)の問い合わせを行う。なお、本実施形態では、コード決済の実行に先立ち、決済先の店舗端末に対して、事前設定された購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う場合を想定するが、これに限る趣旨ではない。コード決済完了後に、上記問い合わせを行ってもよい。
【0034】
受信部213は、店舗端末から、問い合わせに対する回答結果や電子レシートなどを含む様々な情報を受信する。例えば、店舗端末が電子レシートに未対応である場合に、電子レシートに対応しているか否かの問い合わせが行われた場合には、受信部213は、店舗端末から電子レシートに対応していない旨の回答結果を受信する。一方、店舗端末が電子レシートに対応している場合には、受信部213は、店舗端末から電子レシートに対応している旨の回答結果を受信する。受信部213は、このように受信した回答結果を、表示装置24に表示したり、スピーカー(図示略)から音声出力したりすることで、ユーザに報知してもよい。
【0035】
また、受信部213は、依頼部214によって電子レシートの発行依頼が行われた場合に、店舗端末から依頼に応じた電子レシートを受信する。受信した電子レシートは、記憶装置22の電子レシート履歴データベース(図示略)に保存・管理される。
【0036】
依頼部214は、受信部213が受信した回答結果に基づき、店舗端末に対して紙レシートまたは電子レシートの発行依頼を行う。一例として、依頼部214には、発行すべきレシートの種別を判断するための判断テーブルTB1(
図6参照)が格納されている。判断テーブルTB1の登録内容は、ユーザがユーザ端末20を操作して予め設定してもよい。もちろん、これに限る趣旨ではなく、例えばユーザによって事前に設定される購買記録の種別に応じて、依頼部214が自動で判断テーブルTB1を生成してもよい。依頼部214は、回答結果を受けとると、判断テーブルTB1を参照し、店舗端末に対して、紙レシートまたは電子レシートのいずれかの発行依頼を行う。
【0037】
一例を挙げて説明すると、依頼部214は、例えば電子レシートに対応していない旨の回答結果を受け取った場合には、店舗端末に対して紙レシートの発行依頼を行う。一方、依頼部214は、例えば電子領収書に対応している旨の回答結果を受け取った場合には、ユーザ管理部210から当該ユーザのユーザ名を取得し、取得したユーザ名を含めて電子領収書の発行依頼を行う。
【0038】
決済部215は、ユーザによってコード決済の指示が入力され、受付部211によってコード決済の指示が受け付けられると、店舗端末との間で商品のコード決済を行う。本実施形態では、コード支払い方式を想定しているため、ユーザ端末20にQRコードなどの決済コードを表示し、これを店舗端末のコード読み取り機(図示略)に提示することで、商品のコード決済が行われる。
【0039】
以下、ユーザがコード決済によって商品を購入し、購買記録が店舗端末から発行されるまでの処理の流れについて、
図7に示すシーケンス図を参照しながら説明する。前提として、ユーザ端末20には、ユーザが希望する購買記録の種別として、電子レシートが設定されているものとする。
【0040】
ユーザは、店舗で購入したい商品を見つけると、商品を持ってレジに行き会計を行う。この際、ユーザは、ユーザ端末20を操作し、コード決済関連アプリAP1を起動することで、コード決済の指示を行う。ユーザ端末20の受付部211は、コード決済の指示を受け付ける(ステップS1)。一方、問い合わせ部212は、決済先の店舗端末に対して、ユーザによって事前設定された購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う(ステップS2)。
【0041】
店舗端末は、問い合わせに対して回答を行う(ステップS3)。一例として、店舗端末は、ユーザ端末20から電子レシートに対応しているか否かの問い合わせを受け、かつ、自端末が電子レシートに対応している場合には、電子レシートに対応している旨を回答する。
【0042】
ユーザ端末20の受信部213は、店舗端末からの回答結果を受信する(ステップS4)。一方、依頼部214は、店舗端末からの回答結果を受け取ると、判断テーブルTB1を参照し、店舗端末に対して、購買記録の発行依頼を行う(ステップS5)。依頼部214は、例えば電子レシートに対応している旨の回答結果を受け取った場合には、電子レシートの発行依頼を行う。なお、依頼部214は、店舗端末に対して発行依頼を行う前に、ユーザが依頼内容を確認できるように、発行依頼の内容(例えば、電子レシートの発行依頼など)を表示装置24に表示したり、スピーカー(図示略)から音声出力したりすることで、ユーザに報知してもよい。
【0043】
ユーザ端末20の決済部215は、店舗端末との間で商品のコード決済を行う(ステップS6)。すでに説明したように、ここでは、決済先の店舗端末に対して、事前設定された購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行った後に、コード決済を行う態様を例示しているが、例えばコード決済完了後に、上記問い合わせを行ってもよい。
【0044】
一方、店舗端末は、ユーザ端末20との間でコード決済が完了すると、ユーザ端末20からの発行依頼に基づき、購買記録を発行する(ステップS7)。例えば、店舗端末は、電子レシートの発行依頼に応じて、ユーザが購入した商品の電子レシートを発行した場合には、電子レシートをユーザ端末20に送信する。一方、店舗端末は、紙レシートの発行依頼に応じて、ユーザが購入した商品の紙レシートを発行した場合には、プリンタ(図示略)などを利用して紙レシートを出力する。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、商品の購入にコード決済を利用するユーザは、希望する購買記録の種別を事前に選択(設定)しておくことで、コード決済時に煩雑な操作を行わずとも、店舗がその種別に対応している限り、希望に沿った種別のレシート(例えば、電子レシート)を受け取ることができる。
【0046】
別言すると、希望する購買記録の種別を事前に選択(設定)しておけば、ユーザは、これまでと同様のコード決済操作(例えば、ユーザ端末に決済コードを表示し、店舗端末のコード読み取り機に提示するなど)を行うだけで、希望に沿った種別のレシートを受け取ることができる。
【0047】
また、店舗端末において電子レシートが発行された場合には、当該電子レシートがユーザ端末20の記憶装置22の電子レシート履歴データベース(図示略)に保存・管理される。このため、例えば商品に不具合があって返品等する場合には、ユーザ端末20を操作することで電子レシート履歴データベースに保存されている電子レシートを読み出し、これを店舗に提示することで、スムーズな返品対応が可能となる。
【0048】
B.その他
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態及び変形例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。例えば、上述した本実施形態では、ユーザが実店舗で商品を購入する場合を想定して説明したが、例えばインターネット上に設けられたオンライン店舗などにも適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…情報処理システム、10…店舗側システム、11…制御装置、12…記憶装置、20…ユーザ端末、AP1…コード決済関連アプリ、210…ユーザ管理部、211…受付部、212…問い合わせ部、213…受信部、214…依頼部、215…決済部、P1…購買記録の種別設定画面、B1…ラジオボタン、CB1…チェックボックス、PR…優先順位
【要約】
【課題】コード決済を利用するユーザに対し、煩雑な操作等を強いることなく電子レシートを提供することができる仕組みを構築する。
【解決手段】情報処理端末は、購買記録の種別の事前設定を受け付ける第1受付部と、ユーザから、商品のコード決済の指示を受け付ける第2受付部と、コード決済の指示を受け付けた場合に、決済先の店舗端末に対して、事前設定された購買記録の種別に対応しているか否かの問い合わせを行う問い合わせ部と、店舗端末から、問い合わせに対する回答を受信する受信部と、回答結果に基づき、店舗の端末に対し、購買記録の発行依頼を行う依頼部と、店舗端末との間で前記商品のコード決済を行う決済部とを具備する。
【選択図】
図7