(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
F25B 49/02 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
F25B49/02 D
(21)【出願番号】P 2019051643
(22)【出願日】2019-03-19
【審査請求日】2022-01-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】浦田 健佑
(72)【発明者】
【氏名】東山 伸
(72)【発明者】
【氏名】堂前 浩
(72)【発明者】
【氏名】中山 和博
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-109363(JP,A)
【文献】特開2005-121333(JP,A)
【文献】特開2011-247491(JP,A)
【文献】特開2005-077056(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090182(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/042967(WO,A1)
【文献】特開2008-170063(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0083455(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源ユニット(10)と、
前記熱源ユニットから供給される冷媒で冷暖房を行う複数の第1利用ユニット(20)と、
前記熱源ユニットに接続され、前記複数の第1利用ユニットの少なくとも1つの第1利用ユニットへ供給する冷媒の流れ方向の切り替えを行う第1切替ユニット(40)と、
前記第1切替ユニットへの主電源(64)の供給が遮断された時に、前記第1切替ユニットへ補助電源の供給を行
い、前記熱源ユニットと、少なくとも1の前記第1利用ユニットとの間の冷媒の流れを維持する、又は、前記冷媒の流れの切替が可能である、第1給電ユニット(51)と、
前記熱源ユニットから供給される冷媒で冷暖房を行う複数の利用ユニットであって、前記第1利用ユニットとは別の第2利用ユニット(20p)と、
前記熱源ユニットに、前記第1切替ユニットと並列に接続され、複数の第2利用ユニットの少なくとも1つの第2利用ユニットへ供給する冷媒の流れの切り替えを行う第2切替ユニット(40p)と、
前記第2切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、前記第2切替ユニットへ補助電源の供給を行う第3給電ユニット(51、51p)と、
を備える冷凍サイクル装置(1)。
【請求項2】
前記冷凍サイクル装置は、さらに、
前記第1利用ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、前記第1利用ユニットへの補助電源の供給を行う第2給電ユニット(52)を備える、
請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記第1給電ユニット(51)と、前記第2給電ユニット(52)は、独立である、
請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記第1給電ユニットと、前記第2給電ユニットは、兼用である、
請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記熱源ユニット、前記第1給電ユニット、前記第1切替ユニットは、通信線(8)により接続されており、
前記第1給電ユニットから前記第1切替ユニットへの補助電源の供給は、前記通信線により行われる、
請求項1~
4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記熱源ユニット、前記第1給電ユニット、前記第1切替ユニット、前記第2給電ユニット、前記第1利用ユニットは、通信線により接続されており、
前記第1給電ユニットから前記第1切替ユニットへの補助電源の供給、および、前記第2給電ユニットから前記第1利用ユニットへの補助電源の供給は、前記通信線により行われる、
請求項
2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記第1切替ユニットは、流量調整弁(41、42)を有する、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項8】
前記冷凍サイクル装置は、さらに、
前記冷凍サイクル装置の運転を制御する、制御部(15)を備え、
前記流量調整弁は、電子膨張弁(41、42)であり、
前記制御部は、油戻し運転時に、前記第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、前記第1給電ユニットから前記電子膨張弁に補助電源の供給を行い、前記電子膨張弁の開度を制御する、
請求項
7に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項9】
前記冷凍サイクル装置は、さらに、
前記冷凍サイクル装置の運転を制御する、制御部を備え、
前記流量調整弁は、電子膨張弁であり、
前記制御部は、デフロスト運転時に、前記第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、前記第1給電ユニットから前記電子膨張弁に補助電源の供給を行い、前記電子膨張弁の開度を制御する、
請求項
7に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記熱源ユニットおよび前記第1給電ユニットに配置されている、
請求項
8または
9に記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
熱源ユニットと、利用ユニットと、利用ユニットへ供給する冷媒の流れの切り替えを行う切替ユニットとを備えた冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、1つの熱源ユニットに対し、複数の利用ユニットと、給電ユニットと、を備えた冷凍サイクル装置が存在する。非特許文献1(「三菱電機ビル空調マルチエアコンシステム設計・工事マニュアル」三菱電機株式会社、2013年7月作成、p146、図参照)に示すように、熱源ユニット、利用ユニット、及び給電ユニットは、通信線を介して接続されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
非特許文献1の給電ユニットは、一の利用ユニットの主電源が切断された場合でも、他の利用ユニットや熱源ユニットが稼動しているときに、主電源が切断された利用ユニットにバルブの開閉等を行うために、給電ユニットが準備されていた。しかし、非特許文献1においては、利用ユニットへ供給する冷媒の流れの切り替えを行う切替ユニットについては、主電源が切断されたときは、電源の供給ができなかった。
【0004】
切替ユニットに供給する主電源が切断された場合でも、その切替ユニットの一部の構成要素を駆動させたいことが起こりうる。切替ユニットに電源を供給するのが主電源だけであると、主電源が切断されると、切替ユニットを駆動させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1観点の冷凍サイクル装置は、熱源ユニットと、複数の第1利用ユニットと、第1切替ユニットと、第1給電ユニットと、を備える。第1利用ユニットは、熱源ユニットから供給される冷媒で冷暖房を行う。第1切替ユニットは、熱源ユニットに接続され、複数の第1利用ユニットの少なくとも1つの第1利用ユニットへ供給する冷媒の流れの切り替えを行う。第1給電ユニットは、第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1切替ユニットへ補助電源の供給を行う。
【0006】
第1観点の冷凍サイクル装置は、第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1切替ユニットへ補助電源の供給を行うので、主電源の供給が遮断されても、第1切替ユニットを操作することができる。
【0007】
第2観点の冷凍サイクル装置は、第1観点の装置であって、さらに、第2給電ユニットを備えている。第2給電ユニットは、第1利用ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1利用ユニットへの補助電源の供給を行う。
【0008】
第2観点の冷凍サイクル装置は、第2給電ユニットを備えているので、第1利用ユニットへの主電源の供給が遮断されても、第1利用ユニットを操作することができる。
【0009】
第3観点の冷凍サイクル装置は、第2観点の装置であって、第1給電ユニットと、第2給電ユニットは、独立である。
【0010】
第4観点の冷凍サイクル装置は、第2観点の装置であって、第1給電ユニットと、第2給電ユニットは、兼用である。
【0011】
第4観点の冷凍サイクル装置は、第1給電ユニットと、第2給電ユニットは、兼用であるので、給電ユニットを少なくできる。
【0012】
第5観点の冷凍サイクル装置は、第1観点または第2観点の装置であって、さらに、第2利用ユニットと、第2切替ユニットと、第3給電ユニットとを含む。第2利用ユニットは、熱源ユニットから供給される冷媒で冷暖房を行う複数の利用ユニットであって、第1利用ユニットとは別のユニットである。第2切替ユニットは、第1切替ユニットと並列に接続され、複数の第2利用ユニットの少なくとも1つの第2利用ユニットへ供給する冷媒の流れの切り替えを行う。第3給電ユニットは、第2切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第2切替ユニットへ補助電源の供給を行う。
【0013】
第5観点の冷凍サイクル装置は、第2切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第2切替ユニットへ補助電源の供給を行うので、主電源の供給が遮断されても、第2切替ユニットを操作することができる。
【0014】
第6観点の冷凍サイクル装置は、第1観点~第5観点のいずれかの装置であって、熱源ユニット、第1給電ユニット、第1切替ユニットは、通信線により接続されている。第1給電ユニットから第1切替ユニットへの補助電源の供給は、通信線により行われる。
【0015】
第6観点の冷凍サイクル装置は、通信線により、補助電源の供給が行われるので、新たに補助電源供給用の配線設備を設ける必要がない。
【0016】
第7観点の冷凍サイクル装置は、第1観点~第4観点のいずれかの装置であって、熱源ユニット、第1給電ユニット、第1切替ユニット、第2給電ユニット、第1利用ユニットは、通信線により接続されている。第1給電ユニットから第1切替ユニットへの補助電源の供給、および、第2給電ユニットから第1利用ユニットへの補助電源の供給は、通信線により行われる。
【0017】
第7観点の冷凍サイクル装置は、第1給電ユニットから第1切替ユニット、および、第2給電ユニットから第1利用ユニットへの補助電源の供給が、通信線により行われる。したがって、新たに補助電源供給用の配線設備を設ける必要がない。
【0018】
第8観点の冷凍サイクル装置は、第1観点~第7観点のいずれかの装置であって、第1切替ユニットは、流量調整弁を有する。
【0019】
第8観点の冷凍サイクル装置においては、第1切替ユニットが流量調整弁を有するので、冷媒の流れを制御することができる。
【0020】
第9観点の冷凍サイクル装置は、第8観点の装置であって、さらに、制御部を備える。制御部は、冷凍サイクル装置の運転を制御する。流量調整弁は、電子膨張弁である。制御部は、油戻し運転時に、第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1給電ユニットから電子膨張弁に補助電源の供給を行い、電子膨張弁の開度を制御する。ここで、電子膨張弁の開度を制御するとは、電子膨張弁の開閉を行うことを含む。
【0021】
第9観点の冷凍サイクル装置においては、第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1給電ユニットから電子膨張弁に補助電源の供給を行い、電子膨張弁の開度を制御することができるので、油戻し運転を円滑に行うことができる。
【0022】
第10観点の冷凍サイクル装置は、第8観点の装置であって、さらに、制御部を備える。制御部は、冷凍サイクル装置の運転を制御する。流量調整弁は、電子膨張弁である。制御部は、デフロスト運転時に、第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1給電ユニットから電子膨張弁に補助電源の供給を行い、電子膨張弁の開度を制御する。ここで、電子膨張弁の開度を制御するとは、電子膨張弁の開閉を行うことを含む。
【0023】
第10観点の冷凍サイクル装置においては、第1切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、第1給電ユニットから電子膨張弁に補助電源の供給を行い、電子膨張弁の開度を制御することができるので、デフロスト運転を円滑に行うことができる。
【0024】
第11観点の冷凍サイクル装置は、第9観点または第10観点の装置であって、制御部は、熱源ユニットおよび第1給電ユニットに配置されている。
【0025】
第11観点の冷凍サイクル装置は、第1給電ユニットにも、制御部を配置しているので、第1給電ユニットから、第1切替ユニットを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態の冷凍サイクル装置1の電気配線を示す図である。
【
図2】従来の冷凍サイクル装置1xの電気配線を示す図である。
【
図3A】変形例1Aの冷凍サイクル装置1aの電気配線を示す図である。
【
図3B】変形例1Bの冷凍サイクル装置1dの電気配線を示す図である。
【
図4】第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの電気配線を示す図である。
【
図5A】変形例2Aの冷凍サイクル装置1cの電気配線を示す図である。
【
図5B】変形例2Bの冷凍サイクル装置1eの電気配線を示す図である。
【
図6】切替ユニット40の冷媒回路を示す図である。
【
図7】第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの冷媒回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
(1)冷凍サイクル装置1の全体構成
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、空気調和装置である。冷媒を熱源ユニットと利用ユニットとの間で循環させて、冷房、暖房等の空気調和を行う。冷凍サイクル装置1は、空気調和装置、給湯装置、冷温水生成装置、冷蔵装置、冷凍装置、など、または、これらの組み合わせ装置であっても良い。
【0028】
第1実施形態の冷凍サイクル装置1は、
図1に示すように、熱源ユニット10、第1給電ユニット51、第1切替ユニット40、第2給電ユニット52、複数の第1利用ユニット20a~20h、制御部15、通信線8を備えている。本実施形態の冷凍サイクル装置1は、一つの熱源ユニット10に対して、利用ユニット20a~20hが接続されている。利用ユニット20a~20hは、たとえば、1台以上8台以下である。本実施形態においては、8台である。本実施形態においては、熱源ユニット10、第1給電ユニット51、切替ユニット40、第2給電ユニット52、複数の利用ユニット20a~20hは、各ブレーカ71、751、74、752、72a~72hを介して、各主電源61、651、64、652、62a~62hに接続されている。主電源は、通常、最終的に系統電源に接続されている。
【0029】
熱源ユニット10、切替ユニット40、利用ユニット20a~20hは共通の冷媒回路に接続されている。
【0030】
熱源ユニット10は、圧縮機、熱源側熱交換器などを含んでいる。圧縮機で圧縮された冷媒は、第1利用ユニット20a~20hに供給される。
【0031】
利用ユニット20a~20hは、部屋の空気調和を行う。1部屋に複数の利用ユニットが配置されていても良いし、1部屋に1つの利用ユニットが配置されていても良い。
【0032】
第1切替ユニット40は、冷媒の流れを切り換えて、第1利用ユニットの空気調和運転を冷房運転あるいは暖房運転に切り換える。本実施形態においては、1つの第1切替ユニット40に、8つの第1利用ユニット20a~20hが接続されている。第1切替ユニット40は、8つの第1利用ユニット20a~20hをまとめて、冷房から暖房に、または、暖房から冷房に切り換える。
【0033】
切替ユニット40は、
図6に示すように、内部に冷媒流路を有している。切替ユニット40は、液配管P41と、ガス配管P42、P43、P44と、流量調整弁41、42とを有している。流量調整弁41、42は、開度調整および開閉が可能な電子膨張弁であってもよい。流量調整弁41、42は、開度調整が不可能で開閉のみの可能な電磁弁であってもよい。液配管P41は、接続口において、熱源側液配管P11と、利用側液配管P31に接続されている。ガス配管P44は、一方は、接続口において、利用側ガス配管P32に接続される。ガス配管P44の他方は分岐して、流量調整弁41と、流量調整弁42に接続されている。ガス配管P42は、一方は、流量調整弁41に、接続されている。ガス配管P42の他方は、接続口において、熱源側ガス配管P12に接続されている。ガス配管P43は、一方は、流量調整弁42に、接続されている。ガス配管P43の他方は、接続口において、熱源側ガス配管P13に接続されている。
【0034】
本実施形態においては、制御部15は、熱源ユニット10に付随して配置されている。制御部は、図示していないが、第1給電ユニット51、第2給電ユニット52にも配置されている。各制御部は、プロセッサと、メモリとを有している。各制御部は、その付随しているユニットの下流側のユニットを制御する。制御部15と、給電ユニット51、52の制御部とは、熱源ユニット10、切替ユニット40、利用ユニット20a~20hを制御する。熱源ユニット10と切替ユニット40と利用ユニット20a~20hは、通信線8で接続されている。この通信線8によって、制御部15の制御指令が、切替ユニット40、利用ユニット20a~20hに伝えられる。逆に、切替ユニット40、利用ユニット20a~20hの機器情報やセンサーが感知した情報が、通信線8を介して、制御部15に伝えられる。
【0035】
(2)冷凍サイクル装置1、1xの電源構成
(2-1)比較例1の冷凍サイクル装置1xの電源構成
比較例1の冷凍サイクル装置1xの電気配線を、
図2に示す。
図2の冷凍サイクル装置1は、熱源ユニット10、切替ユニット40、利用ユニット20a~20hを備えている。冷凍サイクル装置1xは、第1実施形態と異なり、給電ユニットを備えていない。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0036】
比較例1の冷凍サイクル装置1xにおいても、熱源ユニット10、切替ユニット40、複数の利用ユニット20a~20hは、各ブレーカ71、74、72a~72hを介して、各主電源61、64、62a~62hに接続されている。熱源ユニット10、切替ユニット40、複数の利用ユニット20a~20hへの主電源の供給または遮断は、各ブレーカの接続、切断によって行われる。
【0037】
また、熱源ユニット10、切替ユニット40、複数の利用ユニット20a~20hは、通信線8によって、並列に接続されている。
【0038】
比較例1の冷凍サイクル装置1xにおいて、切替ユニット40のブレーカ74が切断され、主電源64の供給が停止されたとき、切替ユニット40は、流量調整弁41、42等を操作できなくなる。
【0039】
また、比較例1Aにおいては、一の利用ユニット、たとえば、利用ユニット20bのブレーカ72bが切断され、主電源62bの供給が遮断されたとき、利用ユニットに補助電源を供給することはできない。
【0040】
(2-2)第1実施形態の冷凍サイクル装置1の電源構成
第1実施形態の冷凍サイクル装置1は、第1給電ユニット51を備えている。第1給電ユニット51は、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、第1切替ユニット40へ補助電源の供給を行う。第1給電ユニット51から第1切替ユニット40への補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。給電ユニット51、52より下流には通信線8を通して電圧を常に重畳している。給電ユニット51、52が接続された場合、そこで電力は遮断される。
【0041】
したがって、第1実施形態の冷凍サイクル装置1において、切替ユニット40のブレーカ74が切断され、主電源64の供給が停止されたとき、第1給電ユニット51から第1切替ユニット40へ補助電源が供給され、第1切替ユニット40は、流量調整弁41、42等を操作できる。
【0042】
また、第1実施形態の冷凍サイクル装置1は、第2給電ユニット52を備えている。第2給電ユニット52は、第1利用ユニット20a~20hへの各主電源62a~62hの供給が遮断された時に、その第1利用ユニット20a~20hへ補助電源の供給を行う。第2給電ユニット52から第1利用ユニット20a~20hへの補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。
【0043】
したがって、第1実施形態の冷凍サイクル装置1において、第1利用ユニット20a~20hのブレーカ72a~72hのいずれかが切断され、主電源62a~62hのいずれかの供給が停止されたとき、第2給電ユニット52からその第1利用ユニット20a~20hへ補助電源が供給され、その第1利用ユニット20a~20hを操作できる。
【0044】
(3)特徴
(3-1)
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、熱源ユニット10と、複数の第1利用ユニット20と、第1切替ユニット40と、第1給電ユニット51とを有している。第1切替ユニット40は、第1利用ユニット20の冷媒の流れの切り替えを行う。第1給電ユニット51は、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、第1切替ユニット40へ補助電源の供給を行う。
【0045】
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、第1切替ユニット40へ補助電源の供給を行うので、主電源64の供給が遮断されても、第1切替ユニット40を操作することができる。
【0046】
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、たとえば、ショッピングセンター、複合施設が入居するビルなど、異なる店舗、事務所が入る複数のテナントが第1利用ユニットを利用する場合が想定される。複数のテナントのうち、たとえば、第1利用ユニット20bを利用するテナントが、部屋の利用を終了し、第1利用ユニット20bのブレーカ72bとともに、切替ユニット40のブレーカ74を切断したとき、他の第1利用ユニット20a、20c~20hを利用するテナントは、利用ユニットの利用が困難となる。給電ユニット51がこのとき利用できれば、切替ユニット40の操作を行うことができる。
【0047】
(3-2)
第1実施形態の冷凍サイクル装置1は、さらに、第2給電ユニット52を備えている。第2給電ユニット52は、第1利用ユニット20a~20hへの主電源62a~62hのいずれかの供給が遮断された時に、その主電源が遮断された第1利用ユニットへの補助電源の供給を行う。たとえば、第1利用ユニット20bの主電源62bが遮断されたときは、第1利用ユニット20bへの補助電源の供給を行う。
【0048】
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第2給電ユニット52を備えているので、上記例では、主電源62bの供給が遮断された第1利用ユニット20bを操作することができる。
【0049】
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第1利用ユニット20a~20hへの主電源62a~62hの全ての供給が遮断された時に、全ての第1利用ユニットへの補助電源の供給を行う。この場合、複数の第1利用ユニット20a~20hを同時に操作するのに必要な電力の供給が困難な場合には、複数の第1利用ユニット20a~20hを順次駆動する。
【0050】
また、ここでの第1利用ユニットの操作とは、たとえば、第1利用ユニット内の膨張弁の開度の調整(開閉を含む)、ドレンポンプの運転、などである。
【0051】
(3-3)
本実施形態の冷凍サイクル装置1においては、熱源ユニット10(制御部15)、第1給電ユニット51、第1切替ユニット40、第2給電ユニット52、各第1利用ユニット20a~20hは、通信線8で、並列に接続されている。
【0052】
第1給電ユニット51から第1切替ユニット40への補助電源の供給は、通信線8により行われる。
【0053】
通信線8は、主電源からの電力供給線に比べて、抵抗が高く、電力量には制限が大きい。補助電源の供給は、主電源の供給に比べて、電圧、電力量が低い。したがって、通信線を用いても問題がない。
【0054】
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、通信線8により、補助電源の供給が行われるので、新たに補助電源供給用の配線設備を設ける必要がない。
【0055】
また、第2給電ユニット52から第1利用ユニット20a~20hへの補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。
【0056】
したがって、この場合においても、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、通信線8により、補助電源の供給が行われるので、新たに補助電源供給用の配線設備を設ける必要がない。
【0057】
(3-4)
本実施形態の冷凍サイクル装置1においては、第1切替ユニット40は、流量調整弁41、42を有する。
【0058】
本実施形態の冷凍サイクル装置1においては、第1切替ユニット40が流量調整弁41、42を有するので、冷媒の流れを制御することができる。また、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、流量調整弁41、42の開度の調整、または、開閉を実行することができる。
【0059】
(4)変形例
(4-1)変形例1A
変形例1Aの冷凍サイクル装置1aは、
図3Aに示すように、利用ユニット20専用の給電ユニット52を有していない。変形例1Aの給電ユニット51は、切替ユニット40と利用ユニット20との両方に給電が可能である。
【0060】
第1給電ユニット51は、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、第1切替ユニット40へ補助電源の供給を行う。第1給電ユニット51から第1切替ユニット40への補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。
【0061】
第1給電ユニット51は、第1利用ユニット20a~20gへの主電源62a~62gの供給が遮断された時に、その第1利用ユニット20a~20gへ補助電源の供給を行う。第1給電ユニット51から第1利用ユニット20a~20gへの補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。
【0062】
変形例1Aのその他の構成については、第1実施形態と同様である。
【0063】
変形例1Aの冷凍サイクル装置1aは、第1実施形態の冷凍サイクル装置1と比較して、給電ユニットを一つ節約できる。しかし、同一の給電ユニットで考えた場合、利用できる利用ユニットの数は少なくなる。第1実施形態の
図1では8台、変形例1Aの
図3では7台である。
【0064】
(4-2)変形例1B
変形例1Bの冷凍サイクル装置1dは、
図3Bに示すように、第1実施形態の冷凍サイクル装置1の構成に加えて、給電ユニット52qと、利用ユニット20aq~20hqとを備えている。給電ユニット52qは、利用ユニット20aq~20hqへの主電源62aq~62hqの供給が遮断された時に、利用ユニット20aq~20hqへ補助電源の供給を行う。給電ユニット52qから利用ユニット20aq~20hqへの補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。第1実施形態と同様の構成部分については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0065】
変形例1Bの冷凍サイクル装置1dの冷媒回路においては、切替ユニット40は、利用ユニット20aq~20hqと並列に配置されている。したがって、切替ユニット40は、利用ユニット20aq~20hqの冷媒の流れを切り換えることはできない。利用ユニット20aq~20hqの冷媒の流れは、熱源ユニット10において切り換える。
【0066】
変形例1Bの冷凍サイクル装置1dにおいては、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、第1切替ユニット40へ補助電源の供給を行うので、主電源64の供給が遮断されても、第1切替ユニット40を操作することができる。特に利用ユニット20aq~20hqの運転中で、第1切替ユニットの主電源が切断されたときに、第1切替ユニット40に補助電源を供給し、第1切替ユニット40を操作することができる。
【0067】
<第2実施形態>
(5)第2実施形態の冷凍サイクル装置1b
(5-1)第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの全体構成
第1実施形態においては、冷凍サイクル装置1は、
図1に示すように、熱源ユニット10、第1給電ユニット51、第1切替ユニット40、第2給電ユニット52、複数の第1利用ユニット20a~20h、制御部15、通信線8を備えていた。第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、
図4に示すように、冷凍サイクル装置1の構成に加えて、さらに、第2切替ユニット40pと、第4給電ユニット52pと、複数の第2利用ユニット20a~20hと、を備えている。第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、さらに、第1給電ユニットに接続された別の切替ユニットと、その切替ユニットにより冷媒の流れの切り替えを行う利用ユニットを有しても良い。
【0068】
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bにおける冷凍サイクル装置1と共通の構成については、第1実施形態と共通しているので、重複した説明を避けて簡略化する。
【0069】
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bにおいては、切替ユニット40p、第4給電ユニット52p、複数の第2利用ユニット20ap~20hpは、各ブレーカ74p、752p、72ap~72hpを介して、各主電源64p、652p、62ap~62hpに接続されている。主電源は、通常、最終的に系統電源に接続されている。
【0070】
第2実施形態においては、熱源ユニット10、第1切替ユニット40、第1利用ユニット20a~20h、第2切替ユニット40p、第2利用ユニット20ap~20hpは共通の冷媒回路に接続されている。
【0071】
熱源ユニット10は、圧縮機、熱源側熱交換器などを含んでいる。圧縮機で圧縮された冷媒は、第1利用ユニット20a~20h、第2利用ユニット20ap~20hpに供給される。
【0072】
第2利用ユニット20ap~20hpは、部屋の空気調和を行う。1部屋に複数の利用ユニットが配置されていても良いし、1部屋に1つの利用ユニットが配置されていても良い。
【0073】
第2切替ユニット40pは、冷媒の流れを切り換えて、第2利用ユニットの空気調和運転を冷房運転か暖房運転かで切り換える。本実施形態においては、1つの第2切替ユニット40pに、8つの第2利用ユニット20ap~20hpが接続されている。第2切替ユニット40pは、8つの第2利用ユニット20ap~20hpをまとめて、冷房から暖房に、または、暖房から冷房に切り換える。
【0074】
第2切替ユニット40pの内部構成は、第1切替ユニット40と全く同様であるので、説明を省略する。
【0075】
本実施形態においては、制御部15は、熱源ユニット10に付随して配置されている。制御部は、図示していないが、各給電ユニット51、52、52pにも配置されている。各制御部は、プロセッサと、メモリとを有している。各制御部は、その付随しているユニットの下流側のユニットを制御する。制御部15と、各給電ユニット51、52、52pの制御部とは、熱源ユニット10、第1切替ユニット40、第1利用ユニット20a~20h、第2切替ユニット40p、第2利用ユニット20ap~20hpを制御する。熱源ユニット10と第2切替ユニット40pと第2利用ユニット20ap~20hpは、通信線8で並列に接続されている。通信線8は、給電ユニット51と、切替ユニット40、40pの間で分岐している。言い換えると、第1切替ユニット40と第2切替ユニット40pとは、並列に、通信線8によって、第1給電ユニット51に接続されている。この通信線8によって、制御部15の制御指令が、第2切替ユニット40p、第2利用ユニット20ap~20hpに伝えられる。逆に、第2切替ユニット40p、利用ユニット20ap~20hpの機器情報やセンサーが感知した情報が、通信線8を介して、制御部15に伝えられる。
【0076】
(5-2)第2実施形態の給電ユニット
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、第1給電ユニット51を備えている。第1給電ユニット51は、第1切替ユニット40への主電源64の供給が遮断された時に、第1切替ユニット40へ補助電源の供給を行う。第1給電ユニット51は、さらに、第2切替ユニット40pへの主電源64pの供給が遮断された時に、第2切替ユニット40pへ補助電源の供給を行う。第1給電ユニット51から第2切替ユニット40pへの補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。
【0077】
したがって、第2実施形態の冷凍サイクル装置1において、第2切替ユニット40pのブレーカ74pが切断され、主電源64pの供給が停止されたとき、第1給電ユニット51から第2切替ユニット40pへ補助電源が供給され、第2切替ユニット40pは、流量調整弁41、42等を操作できる。
【0078】
また、第2実施形態の冷凍サイクル装置1は、第4給電ユニット52pを備えている。第4給電ユニット52pは、第2利用ユニット20ap~20hpへの各主電源62ap~62hpの供給が遮断された時に、その第2利用ユニット20ap~20hpへ補助電源の供給を行う。第4給電ユニット52pから第2利用ユニット20ap~20hpへの補助電源の供給は、通信線8を介して行われる。
【0079】
したがって、第2実施形態の冷凍サイクル装置1bにおいて、第2利用ユニット20ap~20hpのブレーカ72ap~72hpのいずれかが切断され、主電源62ap~62hpのいずれかの供給が停止されたとき、第4給電ユニット52pからその第2利用ユニット20ap~20hpへ補助電源が供給され、その第2利用ユニット20ap~20hpを操作できる。
【0080】
(5-3)第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの冷媒回路
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの冷媒回路の概略を
図7に示す。なお、
図7は、冷凍サイクル装置1bの冷媒回路の内で特に本開示に関連性が高いものを記載したもので、冷媒回路の構成要素全てを記載しているわけではない。また、冷凍サイクル装置1bは、多くの利用ユニット20を有しているが、ここでは、説明の都合上、2つの利用ユニットを記載しているのみである。その他の利用ユニット20は並列に接続されており記載は省略されている。
【0081】
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、熱源ユニット10と、切替ユニット40m、40nと、利用ユニット20m、20nとを備えている。利用ユニット20mは切替ユニット40mに、液配管P31mとガス配管P32mとで接続されている。利用ユニット20nは切替ユニット40nに、液配管P31mとガス配管P32mとで接続されている。また、熱源ユニット10と切替ユニット40mとは、液配管P11mと、ガス配管P12m、P13mとで接続されている。熱源ユニット10と切替ユニット40nとは、液配管P11nと、ガス配管P12n、P13nとで接続されている。
【0082】
図7の切替ユニット40mは
図4の第1切替ユニット40と、
図7の利用ユニット20mは、
図4の第1利用ユニット20aと捉えてもよい。
図4の通信線による接続では、第1利用ユニット20a~20hは並列に接続される。
図7の冷媒配管の接続では、第1利用ユニット20b~20hは記載されていないが、記載する場合は、第1利用ユニット20a(利用ユニット20m)と並列に接続される。
図7の切替ユニット40nは
図4の第2切替ユニット40pと、
図7の利用ユニット20nは、
図4の第2利用ユニット20apと捉えてもよい。
図4の通信線による接続では、第2利用ユニット20a~20hは並列に接続される。
図7の冷媒配管の接続では、第2利用ユニット20bp~20hpは記載されていないが、記載する場合は、第2利用ユニット20ap(利用ユニット20n)と並列に接続される。
【0083】
熱源ユニット10は、
図7に示すように、圧縮機6と、切替器2a、2b、2cと、熱源側熱交換器3a、3bと、膨張弁4a、4bと、ファン5と、配管Pa、Pb、Pcとを有している。圧縮機6は、配管Paより圧縮機6に吸入された冷媒を圧縮し、配管Pbに吐出する。切替器2a、2b、2cは、暖房時と冷房時で、冷媒の向きを切り換える。熱源側熱交換器3a、3bは、冷媒と空気とで熱交換を行うことにより、冷媒の加熱または冷却を行う。第2実施形態の冷凍サイクル装置においては、熱交換器3bの方が熱交換器3aよりも熱交換量が多くなるように設計されている。熱交換器3aと熱交換器3bの熱交換量は、同等になるように設計されていても良い。ファン5は、熱交換器3a、3bに空気を送る。
【0084】
切替ユニット40m、40nの構成は、第1実施形態、
図6の切替ユニット40と構成が同じであるので、ここでは、説明を省略する。
【0085】
利用ユニット20mは、利用側熱交換器23mと、膨張弁21mと、ファン25mと、配管P21m、P22m、P23mとを有している。また、利用ユニット20nは、利用側熱交換器23nと、膨張弁21nと、ファン25nと、配管P21n、P22n、P23nとを有している。
【0086】
(5-4)第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの冷媒回路における冷媒の流れ
(5-4―1)全冷房状態
空調運転を行う利用ユニットが全て冷房運転を行う場合の冷媒の流れを説明する。
図7で、利用ユニット20m、20nが冷房運転を行うとして、以下の説明を行う。
【0087】
図7において、低温、低圧の冷媒がガス配管Paより、圧縮機6に吸入され、圧縮される。冷媒は、高温、高圧のガスとなって、ガス配管Pbに吐出される。冷媒は、ガス配管Pbにおいて、2つに分岐し、切替器2a、2bに流入する。次に冷媒は、放熱器(利用側熱交換器3a、3b)において、冷却されて液化され、さらに、膨張弁4a、4bにおいて減圧されて、液配管Pcを経由して、熱源ユニット10の出口へと向かう。熱源ユニット10を出た冷媒は、液配管P11m、P11nを経由して、各切替ユニット40m、40nへと向かう。
【0088】
切替ユニットP40mに入った冷媒は、液配管P41mを流れて、切替ユニット40mを通過する。冷媒は、液配管P31mを通過して、利用ユニット20mへと向かう。利用ユニット20mへ入った冷媒は、液配管P21mを通過して、膨張弁21mを通過する際に減圧される。冷媒は、液配管P22mを通過して、蒸発器(利用側熱交換器23m)において、空気を冷却し、冷媒は、加熱され、ガス冷媒となる。言い換えると、室内の冷房を行う。冷媒は、ガス配管P23mを経由して、利用ユニット20mの出口へ向かう。冷媒は、利用ユニット20mを出て、ガス配管P32mを経由して、切替ユニット40mに達する。
【0089】
切替ユニット40mに流入した冷媒は、ガス配管P44mで二手に分かれ、流量調整弁41m、または、流量調整弁42mを通過する。流量調整弁41mを通過した冷媒は、ガス配管P42mを通過して、切替ユニット40mの出口へ向かう。切替ユニット40mを出た冷媒は、ガス配管P12mを経由して、同様に切替ユニット40n、利用ユニット20nを流れた冷媒と配管P12nで合流して、熱源ユニット10へ向かう。熱源ユニット10へ戻った冷媒は、切替器2cを経由して、ガス配管Paに合流する。
【0090】
一方、切替ユニット40m内で、流量調整弁42mを通過した冷媒は、ガス配管43mを通過して、切替ユニット40mの出口に達する。冷媒は、切替ユニット40mを出て、ガス配管P13mを流れる。ガス配管P13mを流れた冷媒は、全く同様に切替ユニット40n、利用ユニット20nを流れた冷媒と配管P13nで合流して、熱源ユニット10へ向かう。熱源ユニット10へ戻った冷媒は、ガス配管Paで、切替器2cを経由した冷媒と合流して、再び圧縮機へと向かう。
【0091】
(5-4―2)全暖房状態
空調運転を行う利用ユニットが全て暖房運転を行う場合の冷媒の流れを説明する。
図7で、利用ユニット20m、20nが暖房運転を行うとして、以下の説明を行う。
【0092】
図7において、低温、低圧の冷媒がガス配管Paより、圧縮機6に吸入され、圧縮される。冷媒は、高温、高圧のガスとなって、ガス配管Pbに吐出される。ガス冷媒は、ガス配管Pbより、切替器2cに流入し、熱源ユニット10の出口へと向かう。
【0093】
熱源ユニット10を出た冷媒は、ガス配管P12m、P12nを経由して、各切替ユニット40m、40nへと向かう。切替ユニットP40mに入った冷媒は、ガス配管P42m、流量調整弁41m、ガス配管P44mを流れて、切替ユニット40mを通過する。冷媒は、ガス配管P32mを通過して、利用ユニット20mへと向かう。利用ユニット20mへ入った冷媒は、ガス配管P23mを通過して、放熱器(利用側熱交換器23m)において、空気を加熱し、冷媒は、冷却され、液冷媒となる。言い換えると、室内の暖房を行う。冷媒は、液配管P22mを経由して、膨張弁21mで減圧され、配管P21mを通過して、利用ユニット20mの出口へ向かう。冷媒は、利用ユニット20mを出て、液配管P31mを経由して、切替ユニット40mに達する。切替ユニット40mに流入した冷媒は、液配管P41mを通過し、切替ユニット40mの出口へ向かう。切替ユニット40mを出た冷媒は、液配管P11mを経由して、同様に切替ユニット40n、利用ユニット20nを流れた冷媒と配管P11nで合流して、熱源ユニット10へ向かう。
【0094】
熱源ユニット10へ戻った冷媒は、配管Pcを経由して、二手に分かれ、膨張弁4a、4bで減圧されて、蒸発器(熱源側熱交換器3a、3b)を通過してガス化し、過熱度がついた状態となる。そして、切替器2a、2bを通過した冷媒は、ガス配管Paに合流し、再び、圧縮機6に吸入される。
【0095】
(5-4―3)冷暖同時運転
利用ユニットの一部が暖房運転を行い、他の一部が冷房運転を行う場合の冷媒の流れを説明する。利用ユニット20mが冷房運転、利用ユニット20nが暖房運転を行うとして、説明を行う。
【0096】
このような冷暖同時運転を行う場合、熱源側熱交換器は、冷房する利用ユニットと、暖房する利用ユニットの熱交換量能力差に応じて、冷凍サイクル装置を安定化させるために、熱源側熱交換器を、放熱器または蒸発器に切り換える。利用ユニットのみで、熱交換量がバランスする場合は、熱源側熱交換器を全く利用しなくても良い。
【0097】
ここでは、全体として、冷房による冷却熱量が暖房による加熱熱量よりやや多い場合として、説明する。したがって、熱源側熱交換器3a、3bは、放熱器として利用する。
【0098】
低温、低圧の冷媒がガス配管Paより圧縮機6に吸入され、圧縮される。冷媒は、高温、高圧のガスとなって、ガス配管Pbに吐出される。冷媒は、ガス配管Pbにおいて、3つに分岐し、切替器2a、2b、2cに流入する。最初に切替器2cに向かった冷媒について説明する。
【0099】
切替器2cへ向かった高温、高圧のガス冷媒は、切替器2cを通過して、熱源ユニット10の出口へと向かう。熱源ユニット10を出た冷媒は、ガス配管P12nを経由して、切替ユニット40nへと向かう。切替ユニットP40nに入った冷媒は、ガス配管P42nを流れて、流量調整弁41n、ガス配管P44nを通過し、切替ユニット40nの出口へ向かう。切替ユニット40nを出た冷媒は、ガス配管P32nを通過して、利用ユニット20nへと向かう。利用ユニット20nへ入った冷媒は、ガス配管P23nを通過して、放熱器(利用側熱交換器23n)において、空気を加熱し、冷媒は、冷却され、液冷媒となる。言い換えると、室内の暖房を行う。冷媒は、ガス配管P22nを経由し、膨張弁21nで減圧され、液配管P21nを経由して、利用ユニット20nの出口へ向かう。冷媒は、利用ユニット20nを出て、配管P31nを経由して、切替ユニット40nに達する。切替ユニット40nに流入した冷媒は、液配管P41nを経由して、切替ユニット40nの出口へ向かう。切替ユニット40nを出た冷媒は、液配管P11nから液配管P11mに入り、冷房側の切替ユニット40mへと向かう。
【0100】
切替ユニットP40mに入った冷媒は、液配管P41mを流れて、切替ユニット40mを通過する。冷媒は、液配管P31mを通過して、利用ユニット20mへと向かう。利用ユニット20mへ入った冷媒は、液配管P21mを通過して、膨張弁21mを通過する際に減圧される。冷媒は、液配管P22mを通過して、蒸発器(利用側熱交換器23m)において、空気を冷却し、冷媒は、加熱され、ガス冷媒となる。言い換えると、室内の冷房を行う。冷媒は、ガス配管P23mを経由して、利用ユニット20mの出口へ向かう。冷媒は、利用ユニット20mを出て、ガス配管P32mを経由して、切替ユニット40mに達する。切替ユニット40mに流入した冷媒は、ガス配管P44m、流量調整弁42m、ガス配管P43mを通過して、切替ユニット40mの出口へ向かう。切替ユニット40mを出た冷媒は、ガス配管P13mを経由して、熱源ユニット10へ向かう。熱源ユニット10へ戻った冷媒は、ガス配管Paを流れて、再び圧縮機へと向かう。
【0101】
一方、圧縮機で圧縮され、ガス配管に吐出された高圧ガス冷媒のうち切替器2a、2bへと流れたものは、放熱器(利用側熱交換器3a、3b)において、冷却されて液化される。冷媒は、さらに、膨張弁4a、4bにおいて減圧されて、液配管Pcを経由して、熱源ユニット10の出口へと向かう。熱源ユニット10を出た冷媒は、暖房側の切替ユニット40nから液配管P11nを流れてきた冷媒と合流して、液配管P11mを経由して、冷房側の切替ユニット40mへと向かう。冷房側の切替ユニット40m、利用ユニット20mでの冷媒の流れは、先に説明したとおりである。
【0102】
(5-4―4)冷暖同時運転中の油戻し運転
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、切替ユニット40、40p(40m、40n)への主電源64、64pの供給が遮断された時に、切替ユニットへ補助電源の供給を行う第1給電ユニット51を有している。したがって主電源64、64pの供給が遮断された場合でも、切替ユニットの流量調整弁41m、41n、42m、42nの開閉、開度調整などを行うことができる。このことが利点になる場合の例示として、冷暖同時運転中の油戻し運転について説明する。
【0103】
圧縮機から排出された冷媒に冷凍機油が混入し、そのまま、圧縮機以外の冷媒回路に残存した場合には、この冷凍機油を圧縮機に戻す油戻し運転を行う。
【0104】
本節では、ユーザの快適性を損なわないために、空調運転中に空調運転を維持したまま油戻し運転を行う場合について、説明する。
【0105】
5-4-3において説明した、冷暖同時運転においては、切替ユニットを次のように制御していた。
【0106】
冷房側の切替ユニット40mにおいては、流量調整弁41mを閉にして、ガス配管P42m、P12mに冷媒を流さず、流量調整弁42mを開にして、ガス配管P43m、P13mに冷媒を流していた。暖房側の切替ユニット40nにおいては、流量調整弁42nを閉にして、ガス配管P43n、P13nに冷媒を流さず、流量調整弁41nを開にして、ガス配管P42n、P12nに冷媒を流していた。
【0107】
油戻し運転の一方法としては、配管を流れる冷媒の流速を所定以上とし、配管に滞留している油を圧縮機に戻す方法がある。この方法の場合、暖房中、冷房中の利用ユニットが必要とする冷媒循環量の総量以上の圧縮機吐出冷媒量が必要となる場合がある。この場合、能力過剰となって、空調による快適性がかえって損なわれる恐れがある。この対策として、以下に説明する切替ユニットの流量調整弁を用いたバイパス制御がある。この制御は、切替ユニットの下流にある利用ユニットが停止中であっても実施する。したがって、切替ユニットとその下流の利用ユニットの主電源の供給が遮断された場合でも、切替ユニットの流量調整弁を操作する必要が生じる。
【0108】
圧縮機の冷媒吐出量を増大させ、冷媒循環量を増加させた場合には、切替ユニット40において、両方の流量調整弁41、42を開として、ガス配管P42、P12にも、ガス配管P43、P13にも冷媒が流れるようにする。
【0109】
冷房側の切替ユニット40mにおいては、ガス配管P12m、P42mを流れてきた冷媒が、利用ユニット20mからきた冷媒と合流し、ガス配管P43m、P13mに流れていく。暖房側の切替ユニット40nにおいては、ガス配管P12n、P42nを流れてきた冷媒が、利用ユニット20nへ流れる配管と、ガス配管P13n、P43nへ流れる冷媒とに分岐する。
図7には記載していないが、下流の利用ユニットが停止している切替ユニット40の場合には、ガス配管P12、P42を流れてきた冷媒が、ガス配管P43、P13に流れていく。いずれの場合にも、一部または全てのガス配管P12、P42を流れてきた冷媒は、利用ユニットを流れずに(バイパスして)、ガス配管P43、P13に流出していく。このように制御することによって、冷媒循環量を増大させながら、必要以上に利用ユニットに冷媒を供給しないようにすることができる。
【0110】
(5-4―5)デフロスト運転中の油戻し運転
切替ユニットへ補助電源の供給を行う第1給電ユニット51が有効になる第2の事例として、デフロスト運転中の油戻し運転について説明する。
【0111】
外気温が低い時に、室外に置いた熱源側熱交換器に着霜した場合、デフロスト運転が行われる。ここでは、デフロスト運転として、放熱器と蒸発器が入れ替わるように冷媒の流れを逆転する逆サイクルデフロスト運転が行われる場合について検討する。したがって、基本的な冷媒の流れは、5-4-1で説明した全冷房状態と同じである。
【0112】
全冷房状態に置いては、すべての切替ユニット40において、流量調整弁41、42は開であり、利用ユニット20より、ガス配管P32を流れてきた冷媒は、切替ユニット40に入り、ガス配管P44で分岐し、ガス配管P42、P12、または、ガス配管P43、P13を流れていく。
【0113】
逆サイクルデフロスト運転は、暖房運転中に冷房運転を行うという都合上、なるべく短時間で実施するのが好ましい。なるべく早く、熱源側熱交換器の除霜を行うために、圧縮機の冷媒吐出量を多くするのが好ましい。このような逆サイクルデフロスト運転の特徴に伴い、デフロスト運転とともに油戻し運転を実施することも行われている。
【0114】
上述のように、逆サイクル運転を全冷房状態と同様の冷媒の流れで実施するとき、切替ユニット40において、流量調整弁41、42は開である。流量調整弁41、42は全開
であっても、冷媒流速が油戻し運転をするのに十分であれば問題ないが、冷媒流速が不十分な場合には、片方の流量調整弁を閉にしたり、流量調整弁の開度を絞るなどの制御が行われる。
【0115】
逆サイクルデフロスト運転は、通常、空調運転中の利用ユニットに限定されず、全ての利用ユニットで実施される。したがって、利用されていない利用ユニットを下流に有する
切替ユニット40の流量調整弁41、42の制御も必要となってくる。
【0116】
(6)第2実施形態の特徴
(6-1)
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの冷媒回路は、
図7に示すように、複数の切替ユニット40m、40nを熱源ユニット10に接続させている。冷凍サイクル装置1bの冷媒回路は、3以上の切替ユニットを熱源ユニット10に接続させていても良い。各切替ユニットは、下流側に、それぞれ1以上の利用ユニットを接続している。各切替ユニットは、その下流に接続されている利用ユニットの冷媒の流れを冷房と暖房とで切り換える事ができる。
【0117】
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、複数の利用ユニットを有しているので、複数の利用ユニットの空気調和運転を、その上流の切替ユニット毎に冷房と暖房とで切り換えて利用することができる。
【0118】
また、
図7の切替ユニット40m、40nは、
図4の電気配線図においては、たとえば、第1切替ユニット40と、第2切替ユニット40pとに相当する。第1切替ユニット40と、第2切替ユニット40pとは、通信線8によって、給電ユニット51に並列に接続されている。
【0119】
第1給電ユニット51は、第1切替ユニット40または第2切替ユニット40pへのそれぞれの主電源64、64pの供給が遮断された時に、前記第1切替ユニット40または第2切替ユニット40pへ補助電源の供給を行う。
【0120】
第1観点の冷凍サイクル装置は、第1切替ユニット40、または第2切替ユニット40pへの主電源64、64pの供給が遮断された時に、第1切替ユニット40または第2切替ユニット40pへ補助電源の供給を行うので、主電源64、64pの供給が遮断されても、第1切替ユニット40または第2切替ユニット40pを操作することができる。
【0121】
(6-2)
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bは、さらに、第2給電ユニット52、第4給電ユニット52pを備えている。第2給電ユニット52は、第1利用ユニット20a~20hへの主電源62a~62hのいずれかの供給が遮断された時に、その主電源が遮断された第1利用ユニットへの補助電源の供給を行う。たとえば、第1利用ユニット20bの主電源62bが遮断されたときは、第1利用ユニット20bへの補助電源の供給を行う。
【0122】
本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第2給電ユニット52を備えているので、上記例では、主電源62bの供給が遮断された第1利用ユニット20bを操作することができる。
【0123】
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第1利用ユニット20a~20hへの主電源62a~62hの全ての供給が遮断された時に、全ての第1利用ユニットへの補助電源の供給を行う。この場合、同時に、複数の第1利用ユニット20a~20hへの操作に必要な電力の供給が困難な場合には、複数の第1利用ユニット20a~20hを順次操作する。
【0124】
また、ここでの第1利用ユニットの操作とは、たとえば、第1利用ユニット内の膨張弁の開度の調整(開閉を含む)、ドレンポンプの運転、などである。
【0125】
さらに、第4給電ユニット52pは、第2利用ユニット20ap~20hpへの主電源62ap~62hpのいずれかの供給が遮断された時に、その主電源が遮断された第2利用ユニットへの補助電源の供給を行う。たとえば、第2利用ユニット20bpの主電源62bpが遮断されたときは、第2利用ユニット20bpへの補助電源の供給を行う。
【0126】
本実施形態の冷凍サイクル装置1bは、第4給電ユニット52pを備えているので、上記例では、主電源62bpの供給が遮断された第2利用ユニット20bpを操作することができる。
【0127】
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1cは、第2利用ユニット20ap~20hpへの主電源62ap~62hpの全ての供給が遮断された時に、全ての第2利用ユニットへの補助電源の供給を行う。この場合、同時に、複数の第2利用ユニット20ap~20hpへの操作に必要な電力の供給が困難な場合には、複数の第2利用ユニット20ap~20hpを順次操作する。
【0128】
また、ここでの第2利用ユニットの操作とは、たとえば、第2利用ユニット内の膨張弁の開度の調整(開閉を含む)、ドレンポンプの運転、などである。
【0129】
(6-3)
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bにおいて、3以上の切替ユニットと各切替ユニットの下流側に利用ユニットを有する場合を仮定する。第1の切替ユニットの下流の利用ユニットで冷房運転、第2の切替ユニットの下流で暖房運転、第3の切替ユニットとその下流の利用ユニットでは、主電源の供給が切断されていたとする。
【0130】
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bにおいては、このような場合に、
図6に示すように、切替ユニット40の流量調整弁41、42を両方開として、ガス配管P42から、配管P44を経由してガス配管P43に冷媒が流れるように、バイパス制御を行う。
【0131】
このような流量調整弁41,42の操作は、主電源の供給が切断されている第3の切替ユニット40においても行われる。この場合に、第3の切替ユニット40に給電ユニットは、補助電源を供給し、流量調整弁41、42の操作をすることができる。
【0132】
(6-4)
第2実施形態の冷凍サイクル装置1bにおいては、熱源側熱交換器の着霜時に、逆サイクルデフロスト運転を行う。そして、このデフロスト運転時に、配管中の油を圧縮機に戻す油戻し運転を行う。油戻し運転は、冷媒の流速を大きくする必要があるため、切替ユニット40の流量調整弁41、42の開閉、または開度を適宜調整する。この流量調整弁の調整は、主電源の供給が切断されている切替ユニット40に対しても実施される。主電源の供給が停止されている場合は、第1給電ユニット51から、切替ユニット40に対して補助電源の供給を行って、流量調整弁の開度の調整、開閉をできるようにする。
【0133】
(7)変形例
(7-1)変形例2A
変形例2Aの冷凍サイクル装置1cは、
図5Aに示すように、第2実施形態の冷凍サイクル装置1bに加えて、さらに、第2切替ユニット40pに給電する給電ユニット51pを有している。給電ユニット51pは、給電ユニット51と並列に、熱源ユニット10に通信線8で接続されている。冷媒回路を含めてその他の構成は第2実施形態の場合と同様である。
【0134】
変形例2Aの冷凍サイクル装置1cは、各切替ユニットへの主電源の供給が遮断された時に、各切替ユニットへ補助電源の供給を行う各給電ユニットを備えている。
【0135】
(7-2)変形例2B
変形例2Bの冷凍サイクル装置1eの構成要素は、
図5Bに示すように、第2実施形態の冷凍サイクル装置1bの構成要素と同様である。変形例1Aでは、第2切替ユニット40pに給電する給電ユニット51pは、熱源ユニット10の直近より分岐した通信線8に接続されていたのに対して、変形例1Bでは、給電ユニット51pは、第1利用ユニット20hの下流側の通信線8に接続されているところが異なる。その他の構成は冷媒回路を含めて第2実施形態の場合と同様である。
【0136】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0137】
1、1a、1b、1c、1d、1e、1x 冷凍サイクル装置
10 熱源ユニット
20、20a~20h 第1利用ユニット
20ap~20hp 第2利用ユニット
40、40p、40m、40n 切替ユニット
41、42、41m、42m、41n、42n 流量調整弁
51 第1給電ユニット
52 第2給電ユニット
64、64p、62a~62h、62ap~62hp 主電源
74、74p、72a~72h、72ap~72hp ブレーカ
8 通信線
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0138】
【文献】「三菱電機ビル空調マルチエアコンシステム設計・工事マニュアル」三菱電機株式会社、2013年7月作成、p146