(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】表示プログラム、表示方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240424BHJP
G06F 21/30 20130101ALI20240424BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F21/30
(21)【出願番号】P 2023059745
(22)【出願日】2023-04-03
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲毛 聡司
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-156559(JP,A)
【文献】特開2020-149552(JP,A)
【文献】特開2022-162189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06F 21/30-21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ログイン画面の第1の入力フィールドにログイン情報を代行入力するために予め前記ログイン情報の登録を誘導する画面であって、前記ログイン情報の入力を促す第2の入力フィールドを有するログイン情報登録誘導画面に対し、
前記第1の入力フィールドに前記第2の入力フィールドの少なくとも一部が重なり合うように配置して、前記ログイン画面に対して前記ログイン情報登録誘導画面をオーバレイ表示する、
処理を実行させる表示プログラム。
【請求項2】
前記処理は、前記ログイン画面における前記第1の入力フィールドの座標情報を取得し、前記座標情報にもとづいて前記第1の入力フィールドの位置およびサイズに合わせた前記第2の入力フィールドを生成する、請求項1記載の表示プログラム。
【請求項3】
前記処理は、ベースウィンドウと、前記ベースウィンドウ上に表示させる操作ウィンドウとを含む前記ログイン情報登録誘導画面を生成し、
前記操作ウィンドウは、ユーザに向けて操作説明を表示する操作説明表示ウィンドウ、前記ログイン情報が入力される前記第2の入力フィールド、ログインを実行するログインボタンおよび前記ログイン情報の登録操作をキャンセルするキャンセルボタンを含む、請求項1記載の表示プログラム。
【請求項4】
コンピュータが、
ログイン画面の第1の入力フィールドにログイン情報を代行入力するために予め前記ログイン情報の登録を誘導する画面であって、前記ログイン情報の入力を促す第2の入力フィールドを有するログイン情報登録誘導画面に対し、
前記第1の入力フィールドに前記第2の入力フィールドの少なくとも一部が重なり合うように配置して、前記ログイン画面に対して前記ログイン情報登録誘導画面をオーバレイ表示する、
表示方法。
【請求項5】
ログイン画面の第1の入力フィールドにログイン情報を代行入力するために予め前記ログイン情報の登録を誘導する画面であって、前記ログイン情報の入力を促す第2の入力フィールドを有するログイン情報登録誘導画面に対し、前記第1の入力フィールドに前記第2の入力フィールドの少なくとも一部が重なり合うように配置して、前記ログイン画面に対して前記ログイン情報登録誘導画面をオーバレイ表示する制御部、
を有する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示プログラム、表示方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
業務アプリやWebサイトにログインする場合、ユーザ名やパスワードなどのログイン情報を手入力してログインする代わりに、ログイン画面に対して自動的にログイン情報の文字列を代行入力してログインを行う、代行入力型のシングルサインオンソフトウエアが存在する。
【0003】
このようなシングルサインオンソフトウエアでは、ログイン画面の情報を事前に登録しておくことで、ログイン画面の表示時において、ログイン画面の自動検知および代行入力処理が実現される。
ログインのために代行入力するログイン情報は、例えば、シングルサインオンソフトウエアのツールで管理者またはユーザによって事前に設定される。または、シングルサインオンソフトウエアがシングルサインオン対象のログイン画面を検知した際に、ユーザ名やパスワードの入力を促す画面を表示してログイン情報の登録誘導を行う場合がある。
【0004】
関連技術としては、例えば、ログインウィンドウの定義情報に該当するウィンドウが画面に表示されているか否かの検知を行い、検知したウィンドウに対してログインウィンドウの定義情報と関連付けられたID情報およびパスワード情報を代行入力する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シングルサインオンソフトウエアにおいて、上述したような、ユーザ名やパスワード等のログイン情報の登録誘導を行う場合、ログイン情報の入力を促すログイン情報登録誘導画面が表示される。
【0007】
しかし、従来では、実際のログイン画面の構造とは異なるログイン情報登録誘導画面が表示されている。このため、ユーザが実際のログイン画面で入力するユーザ名やパスワードなどの文字列を、ログイン情報登録誘導画面のどの入力フィールドに入力すればよいかを容易に認識することができず、ログイン情報の登録時において誤入力が発生しやすいという問題がある。
1つの側面では、本発明は、ログイン情報の登録時の誤入力を防止してユーザビリティの向上を図った表示プログラム、表示方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、表示プログラムが提供される。表示プログラムは、コンピュータに、ログイン画面の第1の入力フィールドにログイン情報を代行入力するために予めログイン情報の登録を誘導する画面であって、ログイン情報の入力を促す第2の入力フィールドを有するログイン情報登録誘導画面に対し、第1の入力フィールドに第2の入力フィールドの少なくとも一部が重なり合うように配置して、ログイン画面に対してログイン情報登録誘導画面をオーバレイ表示する処理を実行させる。
また、上記課題を解決するために、コンピュータが上記表示プログラムと同様の処理を実行する表示方法が提供される。
さらに、上記課題を解決するために、上記表示プログラムと同様の処理を実行する情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
1側面によれば、ログイン情報の登録時の誤入力の発生を防止してユーザビリティの向上を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理装置の一例を説明するための図である。
【
図2】シングルサインオン対象のログイン画面の一例を示す図である。
【
図3】ログイン情報登録誘導画面の一例を示す図である。
【
図4】ログイン情報登録誘導画面への入力の一例を示す図である。
【
図5】ログイン画面への代行入力の一例を示す図である。
【
図6】情報処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置のハードウェアの一例を示す図である。
【
図8】ログイン情報登録誘導画面の構成の一例を示す図である。
【
図9】ログイン情報登録誘導画面をログイン画面にオーバレイ表示させた場合の画面表示例を説明するための図である。
【
図10】ログイン情報登録誘導画面をログイン画面にオーバレイ表示させた場合の画面表示例を説明するための図である。
【
図11】シングルサインオン対象のログイン画面の監視処理の一例を示す図である。
【
図12】ログイン情報登録誘導画面の表示処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は情報処理装置の一例を説明するための図である。情報処理装置10は、制御部11を備える。制御部11は、業務アプリやWebサイトなどのログイン画面に対し、ログイン情報を代行入力してログインを行うシングルサインオンソフトウエアの処理機能を有する。また、制御部11の機能は、情報処理装置10が備える図示しないプロセッサが、所定のプログラムを実行することによって実現することができる。
【0012】
〔ステップS1〕制御部11は、登録されているシングルサインオン対象のログイン画面3を取得する。ログイン画面3には、ユーザ名およびパスワード等のログイン情報が入力される入力フィールドf1(第1の入力フィールド)が含まれる。
【0013】
〔ステップS2〕制御部11は、ログイン情報登録誘導画面4を生成する。ログイン情報登録誘導画面4は、シングルサインオン対象のログイン画面3の入力フィールドf1にログイン情報を代行入力するために、予めログイン情報の登録を誘導する画面である。
ログイン情報登録誘導画面4には、ログイン情報の入力を促す入力フィールドf2(第2の入力フィールド)が含まれる。さらに、
図1の例では、ログイン情報登録誘導画面4には、“ログイン情報を入力してログインしてください”と表記されている操作説明ウィンドウ、ログインボタンおよびキャンセルボタンが含まれている。
【0014】
〔ステップS3〕制御部11は、ログイン画面3の入力フィールドf1にログイン情報登録誘導画面4の入力フィールドf2が重なり合うように配置して、ログイン画面3に対してログイン情報登録誘導画面4をオーバレイ表示する。
なお、
図1の例では、入力フィールドf1に入力フィールドf2が一致するように、ログイン画面3に対してログイン情報登録誘導画面4がオーバレイ表示されているが、入力フィールドf1に対して入力フィールドf2の一部が重なるようなオーバレイ表示でもよい。
【0015】
このように、情報処理装置10では、ログイン情報登録誘導画面を実際のログイン画面の表示に従って、ログイン画面に対してオーバレイ表示する構成とした。これにより、ログイン情報の登録時の誤入力の発生を防止してユーザビリティの向上を図ることが可能になる。
【0016】
次にシングルサインオンソフトウエアで行われる代行入力について
図2から
図5を用いて説明し、さらにログイン情報登録時に誤入力が発生しやすい状態について説明する。
図2はシングルサインオン対象のログイン画面の一例を示す図である。まず、管理者またはユーザによって、シングルサインオン対象としたいログイン画面30の画面情報がシングルサインオンソフトウエアに登録される。その後、ユーザが、シングルサインオン対象のログイン画面30をデスクトップ上に表示する。
【0017】
ログイン画面30は、業務システムのログイン情報として、グループID、従業員番号およびパスワードが入力される画面である。ログイン画面30には、グループIDが入力される入力フィールドf31、従業員番号が入力される入力フィールドf32およびパスワードが入力される入力フィールドf33が含まれる。
さらに、ログインボタンb31およびキャンセルボタンb32が含まれる。なお、ログイン情報は、現時点でシングルサインオンソフトウエアに未登録の状態であるとする。
【0018】
図3はログイン情報登録誘導画面の一例を示す図である。シングルサインオンソフトウエアが、シングルサインオン対象のログイン画面30を検知して、ログイン情報登録誘導画面50を表示する。
【0019】
ログイン情報登録誘導画面50は、アプリ名が“業務システムログイン”であり、ログイン情報の登録を誘導する画面である。ログイン情報登録誘導画面50では、ユーザ名、パスワードおよびその他情報のサインイン情報の登録を促す画面表示になっている。
【0020】
ログイン情報登録誘導画面50には、ユーザ名が入力される入力フィールドf51、パスワードが入力される入力フィールドf52およびその他情報が入力される入力フィールドf53が含まれる。さらに、OKボタン(確定ボタン)b51およびキャンセルボタンb52が含まれる。
【0021】
図4はログイン情報登録誘導画面への入力の一例を示す図である。ログイン情報登録誘導画面50において、ユーザは、ユーザ名の入力フィールドf51に“123456”を入力し、パスワードの入力フィールドf52に8桁のパスワードを入力し、その他情報の入力フィールドf53に“group2”を入力している。
【0022】
そして、これらのログイン情報の入力後にOKボタンb51が押下されてログイン情報の登録が確定される。なお、パスワードの入力フィールドf52は、パスワード属性(入力した文字が“●”で表示される等)を持つ入力フィールドになっている。
【0023】
図5はログイン画面への代行入力の一例を示す図である。
図5には、ログイン情報登録誘導画面50に入力されたログイン情報が代行入力されたログイン画面30が示されている。
ログイン画面30において、グループIDの入力フィールドf31に“group2”が代行入力され、従業員番号の入力フィールドf32に“123456”が代行入力され、パスワードの入力フィールドf33に8桁のパスワードが代行入力されている。
【0024】
このように、ユーザが、ログイン情報登録誘導画面50にシングルサインオン対象のログイン画面30へのログイン情報を入力・確定すると、ログイン情報がシングルサインオンソフトウエアに登録され、ログイン画面30への代行入力が行われる。そして、次回以降は、ユーザがシングルサインオン対象のログイン画面30を表示すると、自動でログイン情報が代行入力されるようになる。
【0025】
なお、上記のようなシングルサインオンソフトウエア独自のログイン情報登録誘導画面を表示するのではなく、Webブラウザのプラグインを開発し、Webブラウザのオートコンプリート機能のように実際にWebページに入力されたログイン情報を抜き取ってシングルサインオンソフトウエアに登録するというアプローチも存在する。
【0026】
ただし、この方法で対応できるのはWebページ形式のログイン画面だけであり、一般的なOS(Operating System)のアプリケーションとして作られた業務アプリなどに対応することは困難であるため、汎用的に対応ができる方法として、上記のようなログイン情報登録誘導画面を用いた方法が広く用いられている。
【0027】
ここで、ログイン情報登録誘導画面50は、実際のログイン画面30の構造とは異なっている。上記の例では、ログイン画面30のグループIDの入力フィールドf31が、ログイン情報登録誘導画面50のその他情報の入力フィールドf53に対応している。また、ログイン画面30の従業員番号の入力フィールドf32が、ログイン情報登録誘導画面50のユーザ名の入力フィールドf51に対応している。
【0028】
なお、上記では、ログイン情報登録誘導画面50の入力フィールドf51に従業員番号が入力され、入力フィールドf53にグループIDが入力されて、正しい入力が行われたときの状態を示したものである。
【0029】
しかし、ログイン情報登録誘導画面50とログイン画面30の構造が互いに異なっていると、ユーザが実際のログイン画面30で入力するログイン情報の文字列を、ログイン情報登録誘導画面50のどの入力フィールドに入力すればよいかが直感的にわからない場合があり、誤入力が発生しやすい。誤った入力フィールドにログイン情報を入力してしまうと、誤ったログイン情報がシングルサインオンソフトウエアに登録されてしまうことになる。本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ログイン情報の登録時の誤入力の発生を防止してユーザビリティの向上を図るものである。
【0030】
次に本発明の情報処理装置10について以降詳しく説明する。
図6は情報処理装置の機能ブロックの一例を示す図である。情報処理装置10は、制御部11および記憶部12(ストレージ)を備える。
【0031】
制御部11は、シングルサインオンソフトウエア代行入力による、業務アプリやWebサイトへのシングルサインオン機能を有し、画面情報登録部11a、ログイン情報登録誘導画面生成部11b、ログイン情報登録誘導画面表示部11cおよびログイン画面代行入力部11dを含む。
【0032】
画面情報登録部11aは、シングルサインオンの対象とするログイン画面を検知するための情報として、ログイン画面の画面情報を記憶部12に登録する。ログイン情報登録誘導画面生成部11bは、実際のログイン画面の画面構成に合わせて、入力フィールドやログインのためのボタンなどの位置を動的に算出してログイン情報登録誘導画面を生成する。
【0033】
ログイン情報登録誘導画面表示部11cは、シングルサインオン対象として登録済みのログイン画面を検知した際、ログインするためのログイン情報が登録されていない場合には、ログイン情報の登録を促すためのログイン情報登録誘導画面をログイン画面にオーバレイ表示させる。
【0034】
ログイン画面代行入力部11dは、ログイン情報登録誘導画面にて、ユーザ操作によりログイン情報が入力されてログインボタンが押下された場合、ログイン情報を記憶部12に登録して、ログイン画面への代行入力を行う。
【0035】
図7は情報処理装置のハードウェアの一例を示す図である。情報処理装置10は、制御部11の機能を実現するプロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス109を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。
【0036】
プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
【0037】
メモリ102は、情報処理装置10の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOSのプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0038】
バス109に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、GPU(Graphics Processing Unit)104および入力インタフェース105、光学ドライブ装置106、機器接続インタフェース107およびネットワークインタフェース108がある。
【0039】
ストレージ装置103は、記憶部12に対応し、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、情報処理装置10の補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0040】
GPU104は、画像処理を行う演算装置であり、グラフィックコントローラとも呼ばれる。GPU104には、ディスプレイ21が接続されている。GPU104は、プロセッサ101からの命令に従って、画像をディスプレイ21の画面に表示させる。ディスプレイ21としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0041】
入力インタフェース105には、キーボード22とマウス23とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード22やマウス23から送られてくる信号をプロセッサ101に送信する。なお、マウス23は、ポインティングデバイスの一例であり、他のポインティングデバイスを使用することもできる。他のポインティングデバイスとしては、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0042】
光学ドライブ装置106は、レーザ光などを利用して、光ディスク24に記録されたデータの読み取り、または光ディスク24へのデータの書き込みを行う。光ディスク24は、光の反射によって読み取り可能なようにデータが記録された可搬型の記録媒体である。光ディスク24には、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(Re Writable)などがある。
【0043】
機器接続インタフェース107は、情報処理装置10に周辺機器を接続するための通信インタフェースである。例えば機器接続インタフェース107には、メモリ装置25やメモリリーダライタ26を接続することができる。メモリ装置25は、機器接続インタフェース107との通信機能を搭載した記録媒体である。メモリリーダライタ26は、メモリカード27へのデータの書き込み、またはメモリカード27からのデータの読み出しを行う装置である。メモリカード27は、カード型の記録媒体である。
【0044】
ネットワークインタフェース108は、ネットワークN1に接続されている。ネットワークインタフェース108は、ネットワークN1を介して、他のコンピュータまたは通信機器との間でデータの送受信を行う。ネットワークインタフェース108は、例えばスイッチやルータなどの有線通信装置にケーブルで接続される有線通信インタフェースである。またネットワークインタフェース108は、基地局やアクセスポイントなどの無線通信装置に電波によって通信接続される無線通信インタフェースであってもよい。
【0045】
情報処理装置10は、以上のようなハードウェアによって、本発明の処理機能を実現することができる。情報処理装置10は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、本発明の処理機能を実現する。情報処理装置10に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。
【0046】
例えば、情報処理装置10に実行させるプログラムをストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また情報処理装置10に実行させるプログラムを、光ディスク24、メモリ装置25、メモリカード27などの可搬型記録媒体に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み出して実行することもできる。
【0047】
図8はログイン情報登録誘導画面の構成の一例を示す図である。ログイン情報登録誘導画面40は、ベースウィンドウ41および操作ウィンドウ42aを含む。操作ウィンドウ42aは、ユーザ向け操作説明表示ウィンドウ42、ログイン情報入力フィールドf40、ログインボタンb41およびキャンセルボタンb42を含む。
【0048】
ベースウィンドウ41は、ログイン情報登録誘導画面40のベースとなるウィンドウである。ベースウィンドウ41は、他のどのウィンドウよりも最前面に表示、かつデスクトップ画面全体を覆い、ログイン情報入力以外の操作を防ぐとともに、視覚的に操作を要する箇所に注目させる効力を持つ。
【0049】
ユーザ向け操作説明表示ウィンドウ42は、入力対象の入力フィールドやボタンよりも上部に表示するウィンドウで、ドラッグ操作により移動させることも可能とする(表示位置の背後のログイン画面の表示内容によらずに表示するため、ユーザ操作で移動可能である)。また、ユーザにログイン情報の入力を促すテキスト文字列を表示する。
図8の例では“ログイン情報を入力してログインしてください”と表示されている。
【0050】
ログイン情報入力フィールドf40は、実際のログイン画面に配置されている入力フィールドと同じ位置・サイズの入力フィールドであり、ベースウィンドウ41上に表示する。なお、
図8の例では、ログイン情報入力フィールドf40は、実際のログイン画面に含まれる入力フィールドに対応させて、入力フィールドf41、f42、f43が含まれている。
【0051】
ログインボタンb41は、実際のログイン画面に配置されているログイン実行ボタンと同じ位置・サイズのボタンであり、ログインボタンb41のキャプションは、実際のログイン画面のログイン実行ボタンと同じキャプションとする。キャプションが不明な場合は、「ログイン」などの規定された文字列を表示する。ログイン情報入力フィールドf40にログイン情報が入力され、ログインボタンb41が押下されるとログイン情報が確定する。
【0052】
キャンセルボタンb42は、ログイン情報の登録操作をキャンセルするためのボタンであり、実際のログイン画面の構成によらず、ログインボタンb41と同じサイズで、ログインボタンb41の付近に配置する。
【0053】
図9、
図10はログイン情報登録誘導画面をログイン画面にオーバレイ表示させた場合の画面表示例を説明するための図である。ログイン画面30は、
図2に示したものと同じである。このログイン画面30に対して、ログイン画面30の構成に合わせて生成したログイン情報登録誘導画面40をオーバレイ表示するものとする。
【0054】
なお、ログイン情報登録誘導画面40は、ログイン画面30の上からオーバレイ表示させた場合であってもログイン画面30の表示がユーザに見えるように、透明または半透明の画面とすることができる。または、ユーザにログイン情報登録誘導画面40であることが認識されるように、ログイン画面30の画面色とは異なる画面色がつけられてもよい。
【0055】
図10に示すように、ログイン画面30にログイン情報登録誘導画面40をオーバレイ表示させた場合、ログイン情報登録誘導画面40の入力フィールドf41、f42、f43は、ログイン画面30の入力フィールドf31、f32、f33にそれぞれ一致することになる。そして、ユーザは、入力フィールドf41、f42、f43それぞれにログイン情報を入力する。
【0056】
このように、ユーザが実際のログイン画面で入力するユーザ名やパスワードなどの文字列を、ログイン情報登録誘導画面40のどの入力フィールドに入力すればよいかを容易に認識することができる。
【0057】
したがって、ユーザは、ログイン情報登録誘導画面40を用いて、実際のログイン画面30へログイン情報を入力してログインする際の視覚感・操作感と同様に、シングルサインオンソフトウエアにログイン情報を登録することが可能となる。このため、ログイン情報の誤入力を防止することができ、ユーザビリティを向上させることが可能になる。
【0058】
図11はシングルサインオン対象のログイン画面の監視処理の一例を示す図である。
〔ステップS11〕制御部11は、初期化処理として、登録済みのシングルサインオン対象のログイン画面の画面情報を記憶部12から取得する。この画面情報は、管理者またはユーザによって登録された、シングルサインオン対象としたいログイン画面の画面情報である。
【0059】
画面情報としては、例えば、ログイン画面のタイトルや、ログイン画面の構成情報(どのような情報が入力される入力フィールドであるか、どのような操作を行うボタンであるか等の情報)などである。
【0060】
〔ステップS12〕制御部11は、シングルサイン対象のログイン画面がデスクトップ上に表示されているか否かの監視処理を継続するか否かを判定する。監視処理を継続しない場合はステップS13の処理に進み、監視処理を継続する場合はステップS14の処理に進む。
【0061】
〔ステップS13〕制御部11は、終了処理を行ってステップS14以降のループを抜けて終了する。
〔ステップS14〕制御部11は、監視処理実行条件を満たしているか否かを判定する。監視処理実行条件を満たしている場合はステップS15の処理に進み、監視処理実行条件を満たしていない場合はステップS12の処理に戻る。
【0062】
例えば、前回の監視処理から一定時間(例えば、1秒)が経過している場合、またはアクティブなウィンドウが変更された場合などは、監視処理実行条件を満たしていると判定される。
【0063】
〔ステップS15〕制御部11は、シングルサインオンの解析対象の画面が登録済みの画面か否かを判定する。解析対象の画面が登録済みの場合はステップS16の処理に進み、解析対象の画面が登録されていない場合はステップS12の処理に戻る。
【0064】
ここで、制御部11は、ステップS15において、デスクトップ上に現在表示されているウィンドウの画面を解析し、シングルサインオン対象の画面かどうか(ステップS11で上述した画面情報として登録済みかどうか)を判定する。なお、当該解析は、アクティブなウィンドウに対してのみ実行してもよいし、情報処理装置10上で表示されている全ウィンドウについて実行してもよい。
【0065】
〔ステップS16〕制御部11は、記憶部12から、シングルサインオン対象のログイン画面に代行入力するログイン情報(IDやパスワード等)の取得処理を行う。
〔ステップS17〕制御部11は、ログイン情報は記憶部12に登録済みか否かを判定する。ログイン情報が登録されていない場合はステップS18の処理に進み、ログイン情報が登録済みの場合はステップS21の処理に進む。
【0066】
〔ステップS18〕制御部11は、ログイン情報登録誘導画面を生成し、ログイン情報登録誘導画面をログイン画面にオーバレイ表示する。
〔ステップS19〕制御部11は、ログイン情報登録誘導画面に入力されたログイン情報を記憶部12に登録する。
【0067】
〔ステップS20〕制御部11は、ログイン情報登録誘導画面を閉じる。
〔ステップS21〕制御部11は、シングルサインオン対象のログイン画面にログイン情報を代行入力する。ステップS12の処理に戻る。
【0068】
図12はログイン情報登録誘導画面の表示処理の一例を示す図である。
〔ステップS31〕制御部11は、ベースウィンドウを表示する。
〔ステップS32〕制御部11は、ログイン画面を表示しているプロセスから、画面情報を取得する。取得される画面情報としては、例えば、ログイン画面の座標・サイズ、入力フィールド(ログイン操作に使用する入力フィールド)の座標・サイズ、およびボタン(ログイン操作に使用するボタン)の座標・サイズ・キャプションなどがある。
【0069】
〔ステップS33〕制御部11は、取得した画面情報をもとに、ログイン情報登録誘導画面を生成して、ログイン情報登録誘導画面をログイン画面にオーバレイ表示する。
ログイン情報登録誘導画面の表示としては、例えば、ベースウィンドウ上(または手前)に、「ログイン情報入力フィールド」、「ログインボタン」、「キャンセルボタン」、「ユーザ向け操作説明表示ウィンドウ」が表示される。
【0070】
ここで、ログイン情報入力フィールドに対し、制御部11は、ステップS32で取得した画面情報にもとづいて、対象のログイン画面上のログイン操作に使用する入力フィールドの座標・サイズと同じ入力フィールドコントロールを作成し、ベースウィンドウ上に描画する。
【0071】
ログインボタンに対し、制御部11は、ステップS32で取得した画面情報にもとづいて、シングルサインオン対象のログイン画面上のログイン操作に使用するボタンの座標・サイズ・キャプションと同じボタンコントロールを作成し、ベースウィンドウ上に描画する。
【0072】
キャンセルボタンに対し、制御部11は、上記ログインボタンの付近にログイン情報登録操作キャンセル用のボタンとして配置する(例えば、ログインボタンの数ピクセル右に、ログインボタンと同じサイズ(高さ)のボタンを作成する等)。
【0073】
ユーザ向け操作説明ウィンドウに対し、制御部11は、ログイン画面の上部、ベースウィンドウよりも手前に、ユーザへの操作説明テキストを表示するためのウィンドウとして表示する(例えば、シングルサインオン対象のログイン画面の上部に中央揃えで、かつログイン情報入力フィールドやログインボタンと重ならない位置に表示する等)。
【0074】
なお、ステップS33によってログイン情報登録誘導画面が表示されると、ユーザ操作として、ログイン情報登録誘導画面の入力フィールドにログイン情報が入力され、ログインボタンが押下される。これにより、ユーザが実際のログイン画面で入力するログイン情報を、ログイン情報登録誘導画面のどの入力フィールドに入力すればよいかを容易に認識することができ、ログイン情報の登録時における誤入力の発生を防止してユーザビリティを高めることが可能になる。
【0075】
上記で説明した本発明の情報処理装置の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。この場合、情報処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0076】
処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶部、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶部には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、CD-ROM/RW等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto Optical disk)等がある。
【0077】
プログラムを流通させる場合、例えば、そのプログラムが記録されたCD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶部に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0078】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶部に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶部からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0079】
また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP、ASIC、PLD等の電子回路で実現することもできる。
【0080】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 情報処理装置
11 制御部
3 ログイン画面
4 ログイン情報登録誘導画面
f1 入力フィールド(第1の入力フィールド)
f2 入力フィールド(第2の入力フィールド)
【要約】
【課題】ログイン情報の登録時の誤入力の発生を防止してユーザビリティの向上を図る。
【解決手段】情報処理装置10は制御部11を備える。制御部11は、ログイン画面3の入力フィールドf1にログイン情報を代行入力するために予めログイン情報の登録を誘導する画面であって、ログイン情報の入力を促す入力フィールドf2を有するログイン情報登録誘導画面4を生成する。また、制御部11は、入力フィールドf1に入力フィールドf2の少なくとも一部が重なり合うように配置して、ログイン画面3に対してログイン情報登録誘導画面4をオーバレイ表示する。
【選択図】
図1