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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】折り畳み継手及び折り畳みフレーム
(51)【国際特許分類】
   B62K 15/00 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
B62K15/00
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022572807
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2021142296
(87)【国際公開番号】W WO2022143720
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】202023344033.8
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522310133
【氏名又は名称】大行科工(深▲セン▼)股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】韓 徳▲ウェイ▼
(72)【発明者】
【氏名】張 文斌
(72)【発明者】
【氏名】黄 東明
(72)【発明者】
【氏名】胡 聖平
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3058905(JP,U)
【文献】特開2002-211474(JP,A)
【文献】特開2019-147522(JP,A)
【文献】実開平06-061683(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、第1接続部材に接続される第1継手と、第2接続部材に接続される第2継手と、を含む折り畳み継手であって、
前記第1継手及び前記第2継手が密着位置にあるときに前記ハンドルが前記第1接続部材又は前記第2接続部材に近接する第1位置に回動し、前記第1継手及び前記第2継手が離間位置にあるときに前記ハンドルが第2位置に回動するように、前記ハンドルと前記第1継手及び/又は前記第2継手とがヒンジで接続され、
前記ハンドルは、前記第1継手及び/又は前記第2継手にヒンジで接続されるプッシュロッドと、前記プッシュロッドにヒンジで接続されるプルバックルと、を含み、前記プルバックルには、第1係止部が設けられ、前記ハンドルが前記第1位置にあるとき、前記第1係止部は、前記第1継手及び前記第2継手を前記密着位置に制限するように前記第1接続部材又は前記第2接続部材に設けられる第2係止部と係止可能であり、
前記ハンドルが前記第1位置から前記第2位置へ切り替えられる過程において、前記プルバックルは、前記プッシュロッドに対して回動することで前記第1係止部と前記第2係止部とを離間させた後、前記プッシュロッドを回動させるように前記プッシュロッドを付勢し、
前記プルバックルは、互いに接続される接続部と操作部とを含み、前記接続部は、前記プッシュロッドにヒンジで接続され、前記第1係止部は、前記操作部に設けられ、前記接続部と前記操作部との間には、前記プッシュロッドから退避するための退避位置が形成され、
前記第1係止部と前記第2係止部とが離間する過程において、前記プッシュロッドは、自由端の端部が前記退避位置に入り込み、前記プルバックルは、前記プッシュロッドを回動させるように、前記退避位置の壁を介して前記プッシュロッドを付勢する、
ことを特徴とする折り畳み継手。
【請求項2】
前記ハンドルは、前記プッシュロッド及び前記プルバックルに接続される弾性部材をさらに含み、
前記弾性部材は、前記第1係止部と前記第2係止部とが係止されるとき、前記第1係止部と前記第2係止部とを係止する弾性力が蓄えられるように弾性変形する、
ことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み継手。
【請求項3】
前記ハンドルは、第2回動軸をさらに含み、前記弾性部材は、ねじりばねであり、前記第2回動軸は、前記プッシュロッド及び前記プルバックルに穿設され、前記ねじりばねは、一端が前記プルバックル及び/又は前記第1係止部に当接し、他端が前記プッシュロッドに当接するように前記第2回動軸の外側に設けられ、
前記プルバックルは、前記プッシュロッドに対して前記第2回動軸の軸線回りに回動可能であり、前記第1係止部と前記第2係止部とが係止されるとき、前記ねじりばねは、前記弾性力が蓄えられるように弾性変形する、
ことを特徴とする請求項2に記載の折り畳み継手。
【請求項4】
前記プッシュロッドには、第1ストッパ部及び第2ストッパ部が間隔をあけて設けられ、前記プルバックルには、前記第1ストッパ部と前記第2ストッパ部との間に設けられ、組立溝が貫通して設けられる係合部が設けられ、前記第2回動軸は、前記第1ストッパ部、前記係合部及び前記第2ストッパ部に順次穿設され、前記ねじりばねは、一端が前記第1係止部に当接するように前記組立溝に設けられる、
ことを特徴とする請求項3に記載の折り畳み継手。
【請求項5】
前記弾性部材は、弾性片であり、前記プルバックルは、互いに接続される接続部と操作部とを含み、前記接続部は、前記プッシュロッドにヒンジで接続され、前記第1係止部は、前記操作部に設けられ、前記弾性片は、前記操作部と前記プッシュロッドとの間に当接するように設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の折り畳み継手。
【請求項6】
前記第1係止部は、前記第2係止部と係合する係止バックル又は係止溝である、
ことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み継手。
【請求項7】
前記第1継手又は前記第2継手には、第3係止部が設けられ、前記第1継手及び前記第2継手を前記離間位置に制限するように前記第1係止部と前記第3係止部とが係止され、前記ハンドルが前記第2位置から前記第1位置へ切り替えられる過程において、前記プルバックルは、前記プッシュロッドに対して回動することで前記第1係止部と前記第3係止部とを離間させた後、前記プッシュロッドを回動させるように前記プッシュロッドを付勢する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の折り畳み継手。
【請求項8】
前記第1継手と前記第2継手とは、前記ハンドルから離間する一端がヒンジで接続され、前記ハンドルは、前記第1継手及び前記第2継手の一方にヒンジで接続され、前記折り畳み継手は、一端が前記ハンドルにヒンジで接続され、他端が前記第1継手及び前記第2継手の他方にヒンジで接続されるリンクをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の折り畳み継手。
【請求項9】
第1接続部材と、第2接続部材と、請求項1~のいずれか1項に記載の折り畳み継手と、を含み、
前記第1接続部材は、第1パイプであり、前記第2接続部材は、第2パイプであり、前記第2係止部は、前記第1パイプ又は前記第2パイプに設けられる、
ことを特徴とする折り畳みフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み自転車の技術分野に関し、特に折り畳み継手及び折り畳みフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車は、交通手段として、人々の日常生活において重要な役割を果たしている。持ち運びを便利にするために、折り畳み自転車が人々の生活に現れてきた。また、折り畳み自転車の折り畳み状態と非折り畳み状態との間の切替を実現するためには、折り畳み継手が必要となる。折り畳み継手は、通常、ハンドルと、それぞれ二つのパイプに接続される二つの継手とを、含み、ハンドルと継手とはヒンジで接続される。二つの継手が閉じて密着するとき、二つのパイプが非折り畳み状態にあるように、ハンドルは、継手に対して第1位置に回動し、二つの継手が離間するとき、二つのパイプが折り畳み状態にあるように、ハンドルは、継手に対して第2位置に回動する。
【0003】
一般に、パイプには可動ストッパ又は可動スナップリングが設けられており、ハンドルが第1位置にあるとき、可動ストッパ又は可動スナップリングは、非折り畳み状態から折り畳み状態へのパイプの意図しない切替を防止するためにハンドルの意図しない回動を制限し、ハンドルを第1位置から第2位置に切り替える必要がある場合、可動ストッパ又は可動スナップリングは、ハンドルに対する制限を解除するためにパイプに対して移動する。
【0004】
しかしながら、上記ハンドルのロック方式では、ハンドルが第1位置に回動するとき、ハンドルの意図しない回動を制限するためにパイプに対して移動するように可動ストッパ又は可動スナップリングを操作する必要があり、ハンドルに対する制限を解除する必要がある場合、可動ストッパ又は可動スナップリングを再度回動させる必要があり、操作が煩雑である。
【発明の概要】
【0005】
これに基づいて、従来のハンドルのロックアンロック方式では操作が煩雑であるという問題に対して、ハンドルのロックアンロック操作が簡単である折り畳み継手及び折り畳みフレームを提供する必要がある。
【0006】
ハンドルと、第1接続部材に接続される第1継手と、第2接続部材に接続される第2継手と、を含む折り畳み継手であって、
前記第1継手及び前記第2継手が密着位置にあるときに前記ハンドルが前記第1接続部材又は前記第2接続部材に近接する第1位置に回動し、前記第1継手及び前記第2継手が離間位置にあるときに前記ハンドルが第2位置に回動するように、前記ハンドルと前記第1継手及び/又は前記第2継手とがヒンジで接続され、
前記ハンドルは、前記第1継手及び/又は前記第2継手にヒンジで接続されるプッシュロッドと、前記プッシュロッドにヒンジで接続されるプルバックルと、を含み、前記プルバックルには、第1係止部が設けられ、前記ハンドルが前記第1位置にあるとき、前記第1係止部は、前記第1継手及び前記第2継手を前記密着位置に制限するように前記第1接続部材又は前記第2接続部材に設けられる第2係止部と係止可能であり、
前記ハンドルが前記第1位置から前記第2位置へ切り替えられる過程において、前記プルバックルは、前記プッシュロッドに対して回動することで前記第1係止部と前記第2係止部とを離間させた後、前記プッシュロッドを回動させるように前記プッシュロッドを付勢する折り畳み継手。
【0007】
一実施例において、前記ハンドルは、前記プッシュロッド及び前記プルバックルに接続される弾性部材をさらに含み、
前記弾性部材は、前記第1係止部と前記第2係止部とが係止されるとき、前記第1係止部と前記第2係止部とを係止する弾性力が蓄えられるように弾性変形する。
【0008】
一実施例において、前記ハンドルは、第2回動軸をさらに含み、前記弾性部材は、ねじりばねであり、前記第2回動軸は、前記プッシュロッド及び前記プルバックルに穿設され、前記ねじりばねは、一端が前記プルバックル及び/又は前記第1係止部に当接し、他端が前記プッシュロッドに当接するように前記第2回動軸の外側に設けられ、
前記プルバックルは、前記プッシュロッドに対して前記第2回動軸の軸線回りに回動可能であり、前記第1係止部と前記第2係止部とが係止されるとき、前記ねじりばねは、前記弾性力が蓄えられるように弾性変形する。
【0009】
一実施例において、前記プッシュロッドには、第1ストッパ部及び第2ストッパ部が間隔をあけて設けられ、前記プルバックルには、前記第1ストッパ部と前記第2ストッパ部との間に設けられ、組立溝が貫通して設けられる係合部が設けられ、前記第2回動軸は、前記第1ストッパ部、前記係合部及び前記第2ストッパ部に順次穿設され、前記ねじりばねは、一端が前記第1係止部に当接するように前記組立溝に設けられる。
【0010】
一実施例において、前記弾性部材は、弾性片であり、前記プルバックルは、互いに接続される接続部と操作部とを含み、前記接続部は、前記プッシュロッドにヒンジで接続され、前記第1係止部は、前記操作部に設けられ、前記弾性片は、前記操作部と前記プッシュロッドとの間に当接するように設けられる。
【0011】
一実施例において、前記プルバックルは、互いに接続される接続部と操作部とを含み、前記接続部は、前記プッシュロッドにヒンジで接続され、前記第1係止部は、前記操作部に設けられ、前記接続部と前記操作部との間には、前記プッシュロッドから退避するための退避位置が形成され、
前記第1係止部と前記第2係止部とが離間する過程において、前記プッシュロッドは、自由端の端部が前記退避位置に入り込み、前記プルバックルは、前記プッシュロッドを回動させるように、前記退避位置の壁を介して前記プッシュロッドを付勢する。
【0012】
一実施例において、前記第1係止部は、前記第2係止部と係合する係止バックル又は係止溝である。
【0013】
一実施例において、前記第1継手又は前記第2継手には、第3係止部が設けられ、前記第1継手及び前記第2継手を前記離間位置に制限するように前記第1係止部と前記第3係止部とが係止され、前記ハンドルが前記第2位置から前記第1位置へ切り替えられる過程において、前記プルバックルは、前記プッシュロッドに対して回動することで前記第1係止部と前記第3係止部とを離間させた後、前記プッシュロッドを回動させるように前記プッシュロッドを付勢する。
【0014】
一実施例において、前記第1継手と前記第2継手とは、前記ハンドルから離間する一端がヒンジで接続され、前記ハンドルは、前記第1継手及び前記第2継手の一方にヒンジで接続され、前記折り畳み継手は、一端が前記ハンドルにヒンジで接続され、他端が前記第1継手及び前記第2継手の他方にヒンジで接続されるリンクをさらに含む。
【0015】
第1接続部材と、第2接続部材と、上記いずれか1項に記載の折り畳み継手と、を含み、
前記第1接続部材は、第1パイプであり、前記第2接続部材は、第2パイプであり、前記第2係止部は、前記第1パイプ又は前記第2パイプに設けられる折り畳みフレーム。
【発明の効果】
【0016】
上記折り畳み継手及び折り畳みフレームによれば、ハンドルに第1係止部が設けられ、ハンドルが第1位置にあるとき、第1係止部は、第1継手と第2継手とを密着位置に制限するように第1接続部材又は第2接続部材に設けられる第2係止部に係止可能である。以上の設定により、ハンドルを第1位置に制限する必要がある場合には、第1係止部と第2の係止部とを係止するだけでよく、ハンドルに対する制限を解除する必要がある場合には、第1係止部と第2係止部とを離間させるだけでよく、従来技術においてハンドルに対するロック及びアンロックを実現するためにパイプに対して回動するように可動ストッパ又は可動スナップリングを繰り返し操作することが回避され、操作が簡便である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例に係る折り畳みフレームが非折り畳み状態にあるときの正面図である。
図2図1に示す折り畳みフレームの分解図である。
図3】本発明の別の実施例に係る折り畳みフレームの分解図である。
図4図1に示す折り畳みフレームの断面図である。
図5】本発明の別の実施例に係る折り畳みフレームの分解図である。
図6図5に示す折り畳みフレームの非折り畳み状態にあるときの断面図である。
図7図3に示す折り畳みフレームが非折り畳み状態にあるときの断面図である。
図8図3に示す折り畳みフレームが折り畳み状態にあるときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確に理解できるように、以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本発明を完全に理解するために、以下の説明で多くの具体的な詳細が説明されている。しかしながら、本発明は、本明細書に記載される形態とは異なる多くの他の形態で実施することができ、当業者は、本発明の意味を逸脱することなく同様の改善を行うことができるので、本発明は、以下に開示される具体的な実施例によって限定されない。
【0019】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語で示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び説明の簡略化のためであり、示される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び動作する必要があることを示し、又は暗示するものではないため、本発明を限定するものとして理解することができない。
【0020】
また、「第1」及び「第2」という用語は、説明のみを目的としており、相対的な重要性を示し若しくは暗示し、又は示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解することができない。したがって、「第1」及び「第2」に限定される特徴は、少なくとも一つの当該特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、「複数」とは、特に限定されない限り、例えば、二つ、三つなど、少なくとも二つを意味する。
【0021】
本発明において、特に断りのない限り、「取付」、「互いに接続」、「接続」、「固定」などの用語は、広く理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体化であり、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接互いに接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に互いに接続されてもよく、特に断りのない限り、二つの要素内部の連通又は二つの要素の相互作用であってもよい。当業者であれば、本発明における上記用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
本発明において、特に断りのない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」あることは、第1及び第2特徴が直接接触してもよく、第1及び第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上方にあり、又は単に第1特徴が第2特徴よりも水平高さが高いことを示してもよい。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下方にあり、又は単に第1特徴が第2特徴よりも水平高さが小さいことを示してもよい。
【0023】
なお、要素が別の要素に「固定されること」又は「設けられること」と呼ばれる場合、それは別の要素に直接あってもよく、又は間にある要素が存在してもよい。ある要素が別の要素に「接続される」と考えられる場合、それは別の要素に直接接続されてもよく、又は間にある要素が同時に存在する可能性がある。本明細書で使用される「垂直な」、「水平な」、「上」、「下」、「左」、「右」などの用語及び類似の表現は、説明のみを目的としており、唯一の実施形態であることを意味するものではない。
【0024】
図1及び図2を参照して、本発明の一実施例によれば、折り畳み継手10を含む折り畳みフレーム100が提供される。折り畳み継手10は、ハンドル11と、第1接続部材に接続される第1継手12と、第2接続部材に接続される第2継手13と、を含む。ハンドル11は、第1継手12及び/又は第2継手13にヒンジで接続され、具体的には、ハンドル11は、第1回動軸19(図3参照)を介して第1継手12及び/又は第2継手13にヒンジで接続される。第1継手12と第2継手13とが密着位置にあるときにハンドル11が第1接続部材12又は第2接続部材13に近接する第1位置に回動し、このとき、第1接続部材と第2接続部材とは非折り畳み状態にあり、第1継手12と第2継手13とが離間位置にあるときにハンドル11が第2位置に回動し、このとき、第1接続部材と第2接続部材とは折り畳み状態にある。
【0025】
なお、折り畳み継手10は折り畳みフレーム100に適用されるため、このとき第1接続部材は第1パイプ20であり、第2接続部材は第2パイプ30である。第1継手12と第2継手13とが密着位置にあるときにハンドル11が第1パイプ20又は第2パイプ30に近接する第1位置に回動し、このとき第1パイプ20と第2パイプ30とは非折り畳み状態にあり、第1継手12と第2継手13とが離間位置にあるときにハンドル11が第2位置に回動し、このとき第1パイプ20と第2パイプ30とは折り畳み状態にあり、すなわち折り畳みフレーム100は折り畳み状態にある。なお、別のいくつかの実施例において、折り畳み継手10は、折り畳みを必要とする他の装置にも適用することができ、ここでは限定されない。
【0026】
一実施例において、ハンドル11には第1係止部14が設けられており、ハンドル11が第1位置にあるとき、第1係止部14は、第1継手12と第2継手13とを密着位置に制限するように第1パイプ20又は第2パイプ30における第2係止部40に係止することができる(図4参照)。以上の設定により、第1位置にハンドル11を制限する必要がある場合には、第1係止部14と第2係止部40とを係止するだけでよく、ハンドル11に対する制限を解除する必要がある場合には、第1係止部14と第2係止部40とを離間させるだけでよく、従来技術においてハンドル11のロック及びアンロックを実現するためにパイプに対して作動ストッパ又は可動スナップリングを繰り返し操作することが回避され、操作が簡便である。
【0027】
さらに、第1継手12と第2継手13とは、ハンドル11から離間する一端が第3回動軸110(図3参照)を介してヒンジで接続され、ハンドル11は、第1継手12及び第2継手13の一方にヒンジで接続され、第1継手12及び第2継手13の他方には第1ロック部15が設けられ、ハンドル11には第2ロック部16が設けられる(図4参照)。ここで、ハンドル11が第1位置にあるとき、第1ロック部15と第2ロック部16とがロック係合し、第1係止部14と第2係止部40とが係止される。
【0028】
すなわち、第1継手12と第2継手13とが密着位置にあるとき、第1ロック部15と第2ロック部16とがロック係合する。そして、ハンドル11の意図しない回動による第1位置からの離脱を回避するために、ハンドル11が第1位置にあるとき、第1係止部14と第2係止部40とが係止される。第1係止部14と第2係止部40とが離間するとき、ハンドル11は第2位置に回動し、第1継手12と第2継手13とは離間位置にある。
【0029】
なお、別のいくつかの実施例において、第1継手12と第2継手13とは、他の方式により密着位置と離間位置との間で切り替えられてもよく、ここでは限定されない。
【0030】
図2を引き続き参照して、一実施例において、ハンドル11は、プッシュロッド111と、プルバックル112とを含む。プッシュロッド111は、第1継手12にヒンジで接続され、上記第1ロック部15は第2継手13に設けられ、上記第2ロック部16はプッシュロッド111に設けられ、プルバックル112は、プッシュロッド111にヒンジで接続され、第1係止部14はプルバックル112に設けられ、第2係止部40は第2パイプ30に設けられる。ここで、プルバックル112は、第1係止部14と第2係止部40とが係止されるようにプッシュロッド111に対して操作可能に回動する。
【0031】
すなわち、ハンドル11が第1位置から第2位置へ切り替えられる過程において、プルバックル112を把持し、プルバックル112がプッシュロッド111に対して回動することで第1係止部14と第2係止部40とを離間させた後、プルバックル112は、プッシュロッド111を動かすようにプッシュロッド111を付勢する。
【0032】
ハンドル11が第2位置から第1位置に切り替えられるとき、第1ロック部15と第2ロック部16とがロック係合した後、プルバックル112がプッシュロッド111に対して一定角度回動した後、第1係止部14と第2係止部40とが係止固定される。
【0033】
プルバックル112は、互いに接続される接続部と操作部とを含む。接続部はプッシュロッド111にヒンジで接続され、第1係止部14は操作部に設けられ、接続部と操作部との間には、プッシュロッド111に対してプルバックル112が回動するときにプッシュロッド111との干渉を回避するために、プッシュロッド111から退避するための退避位置1121が形成される(図4及び図6参照)。
【0034】
ハンドル11が第1位置から第2位置へ切り替えられる過程において、プッシュロッド111は、自由端の端部が退避位置1121に入り込み、プルバックル112は、第1継手12と第2継手13とを離間させるように退避位置1121の壁を介してプッシュロッド111を回動させるように付勢する。
【0035】
図2及び図4を引き続き参照して、ハンドル11は、プッシュロッド111及びプルバックル112に接続される弾性部材113をさらに含む。第1係止部14と第2係止部40とが係止されるとき、弾性部材113は、第1係止部14と第2係止部40とを係止する弾性力が蓄えられるように弾性変形する。弾性部材113を設けることにより、第1係止部14と第2係止部40との密着が保証される。
【0036】
ハンドル11は、第2回動軸114をさらに含む。弾性部材113は、ねじりばねであり、第2回動軸114は、プッシュロッド111及びプルバックル112に穿設され、ねじりばねは、一端がプルバックル112及び/又は第1係止部14に当接し、他端がプッシュロッド111に当接するように第2回動軸114の外側に設けられる。ここで、プルバックル112は、プッシュロッド111に対して第2回動軸114の軸線回りに回動可能である。第1係止部14と第2係止部40とが係止されるとき、ねじりばねは、弾性力が蓄えられるように弾性変形する。
【0037】
ハンドル11が第2位置から第1位置に切り替えられるとき、第1継手12と第2継手13とを閉じるように操作し、プッシュロッド111を回動するように押圧し、プッシュロッド111が一定位置に回動したとき、プルバックル112に接続される第1係止部14が第2係止部40に接触し、プッシュロッド111を押圧し続け、プッシュロッド111がプルバックル112を付勢し、プルバックル112がねじりばねを弾性変形するように圧縮し、最終的に第1係止部14と第2係止部40とが係止される。
【0038】
具体的な実施例において、プッシュロッド111には、第1ストッパ部1111及び第2ストッパ部1112が間隔をあけて設けられる(図2参照)。プルバックル112には、組立溝1123(図5参照)が貫通して設けられるように第1ストッパ部1111と第2ストッパ部1112との間に設けられる係合部1122が設けられる。第2回動軸114は、第1ストッパ部1111、係合部1122、第2ストッパ部1112に順次穿設される。ねじりばねは、一端が第1係止部14に当接するように組立溝1123に設けられる。なお、別のいくつかの実施例において、プッシュロッド111、プルバックル112、第2回動軸114及びねじりばねの設定方式もこれに限らず、ここでは限定されない。
【0039】
具体的には、第1係止部14は係止バックルであり、第2係止部40は、第1パイプ20又は第2パイプ30に設けられる係止溝(図2及び図4参照)又は係止バックル(図5及び図6参照)である。具体的な実施例において、ハンドル11は、第1継手12にヒンジで接続され、第2係止部40は、第2パイプ30に設けられる係止溝又は係止バックルである。もちろん、他のいくつかの実施例において、第1係止部14は、係止溝であってもよく、第2係止部40は、係止バックルであり、ここでは限定されない。
【0040】
図3及び図7を参照して、別の実施例において、プルバックル112は、第2回動軸114を介してプッシュロッド111にヒンジで接続され、弾性部材113は、操作部とプッシュロッド111との間に当接する弾性片である。具体的には、弾性片は、両端がそれぞれ操作部及びプッシュロッド111に当接するV字型である。より具体的には、操作部及びプッシュロッド111には、それぞれ第1凹部及び第2凹部が設けられており、弾性片は、両端にそれぞれ第1凸包及び第2凸包が設けられている。第1凸包は第1凹部に収容され、第2凸包は第2凹部に収容されるため、弾性片が操作部及びプッシュロッド111に強固に固定されるように保証される。
【0041】
図7及び図8を参照して、一実施例において、第1継手12又は第2継手13には、第3係止部17が設けられる。第3係止部17は、第1継手12と第2継手とを離間位置に制限するように第1係止部14に係止される。具体的な実施例において、第2係止部40は、第2接続部材に接続され、このとき、第3係止部17は、第2継手13に設けられる。第3係止部17は、第1継手12と第2継手13とを離間位置に制限するように第1係止部14に係止される。具体的には、第3係止部17は、第1係止部14に係合する係止バックル又は係止溝である。第3係止部17が第2継手13の表面に凸設される係止バックルである場合、第1継手12には、第3係止部17を収容するための収容キャビティ121が設けられる。第1継手12と第2継手13とが密着位置にあるとき、係止バックルは、第1継手12と第2継手13との密着に干渉することがないように収容キャビティ121に収容される。
【0042】
ハンドル11が第2位置から第1位置へ切り替えられる過程において、プルバックル112を把持し、プルバックル112がプッシュロッド111に対して回動することで第1係止部14と第3係止部17とを離間させた後、プルバックル112は、プッシュロッド111を回動させるようにプッシュロッド111を付勢する。
【0043】
図3を引き続き参照して、一実施例において、折り畳み継手は、リンク18をさらに含む。リンク18は、一端がハンドル11にヒンジで接続され、他端がハンドル11とヒンジで接続されていない継手にヒンジで接続される。具体的には、ハンドル11は、第1継手12にヒンジで接続され、リンク18は、一端がハンドル11にヒンジで接続され、他端が第4回動軸120を介して第2継手13にヒンジで接続され、第1継手12、第2継手13、ハンドル11及びリンク18により四節リンク構造が形成される。このように、ハンドル11が第1位置にあるとき、四節リンク構造は、第1継手12と第2継手13とを密着位置に制限する役割を果たすだけではなく、ハンドル11が第2位置にあるとき、四節リンク構造は、第1継手12と第2継手13とを離間位置に制限する役割も果たすことができる。
【0044】
さらに、リンク18は、第2回動軸114を介してプッシュロッド111にヒンジで接続され、すなわち、プルバックル112とリンク18とは、回動軸を共用する。プルバックル112を把持してプッシュロッド111に対して回動させるとき、リンク18を連動させることができるので、より便利である。もちろん、別のいくつかの実施例において、リンク18は、プッシュロッド111にヒンジで接続されてもよく、ここでは限定されない。
【0045】
具体的には、折り畳み継手10は、ねじ130をさらに含む。ねじ130は、リンク18と第4回動軸120とを固定して接続するようにリンク18に穿設される。
【0046】
本発明の具体的な実施例に係る折り畳みフレーム100は、以下のように動作する。
【0047】
第1パイプ20と第2パイプ30とを折り畳み状態から非折り畳み状態に切り替える必要がある場合、
離間位置から密着位置に切り替えられるように第1継手12と第2継手13とを操作するとき、まず、プルバックル112を把持し、プルバックル112がプッシュロッド111に対して回動することで第1係止部14と第3係止部17とを離間させ、第1継手12と第2継手13とを閉じるように操作し、四節リンク構造が回動する。プッシュロッド111を回動するように押圧し、プッシュロッド111が一定位置に回動した後、プルバックル112に接続される第1係止部14が第2係止部40に接触し、プッシュロッド111を押圧し続け、プッシュロッド111がプルバックル112を付勢し、プルバックル112が弾性部材を弾性変形するように圧縮し、最終的に第1係止部14と第2係止部40とが係止され、第1ロック部15と第2ロック部16とがロックされ、第1係止部14は弾性部材の弾性力によって第2係止部40に係止される。
【0048】
第1パイプ20と第2パイプ30とを非折り畳み状態から折り畳み状態に切り替える必要がある場合、
プルバックル112を把持し、プルバックル112が弾性部材をプッシュロッド111に対して回動するように圧縮し、第1係止部14と第2係止部40とが離間し、プルバックル112がプッシュロッド111を回動させるようにプッシュロッド111を付勢することで第1ロック部15と第2ロック部16とを離間させる。密着位置から離間位置に切り替えられるように第1継手12と第2継手13とを操作し、四節リンク構造が回動し、第1係止部14と第3係止部17とが係止される。
【0049】
本発明の別の実施例によれば、上記折り畳みフレーム100に含まれる折り畳み継手10がさらに提供される。折り畳み継手10は、第1継手12が第1接続部材に接続され、第2継手13が第2接続部材に接続される。
【0050】
第1継手12と第2継手13とが密着位置にあるときにハンドル11が第1接続部材又は第2接続部材に近接する第1位置に回動し、このとき、第1接続部材と第2接続部材とは非折り畳み状態にある。第1継手12と第2継手13とが離間位置にあるときにハンドル11が第2位置に回動し、このとき、第1接続部材と第2接続部材とは折り畳み状態にある。ハンドル11には第1係止部14が設けられており、ハンドル11が第1位置にあるとき、第1係止部14は、第1継手12と第2継手13とを密着位置に制限するように第1接続部材又は第2接続部材に設けられる第2係止部40に係止可能である。以上の設定により、第1位置にハンドル11を制限する必要がある場合には、第1係止部14と第2係止部40とを係止するだけでよく、ハンドル11に対する制限を解除する必要がある場合には、第1係止部14と第2係止部40とを離間させるだけでよく、ハンドル11のロック及びアンロックを実現するためにパイプに対して可動ストッパ又は可動スナップリングを繰り返し操作することが回避され、操作が簡便である。
【0051】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意の組み合わせを行ってもよく、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の可能な組み合わせのすべてについて説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載される範囲であると考えるべきである。
【0052】
上述した実施例は、本発明のいくつかの実施形態のみを表し、その説明は具体的かつ詳細であるが、これにより本発明の範囲の制限として理解されるものではない。なお、当業者にとっては、本発明の構想を逸脱することなく、いくつかの変形や改良を行うことができ、これらは、いずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は、添付の実用新案登録請求の範囲に準ずるものとする。
【符号の説明】
【0053】
100、折り畳みフレーム
10、折り畳み継手
11、ハンドル
111、プッシュロッド
1111、第1ストッパ部
1112、第2ストッパ部
112、プルバックル
1121、退避位置
1122、係合部
1123、組立溝
113、弾性部材
114、第2回動軸
12、第1継手
121、収容キャビティ
13、第2継手
14、第1係止部
15、第1ロック部
16、第2ロック部
17、第3係止部
18、リンク
19、第1回動軸
110、第3回動軸
120、第4回動軸
130、ねじ
20、第1パイプ
30、第2パイプ
40、第2係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8