(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】薬剤揮散装置
(51)【国際特許分類】
A01M 1/20 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A01M1/20 C
(21)【出願番号】P 2020037138
(22)【出願日】2020-03-04
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514111403
【氏名又は名称】誠和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 千佳
(72)【発明者】
【氏名】中村 雅実
(72)【発明者】
【氏名】徳原 哲豪
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-190206(JP,A)
【文献】特開2017-105539(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
常温揮散性の薬剤を保持した薬剤揮散体と、前記薬剤揮散体を収容する容器と、を備えた薬剤揮散装置であって、
前記容器は、
前記薬剤揮散体の周縁を収容
し、前記薬剤揮散体の周縁に沿った枠状の周縁部と、
前記周縁部内に配置され、前記薬剤揮散体の中央を覆う中央部と、
前記周縁部と前記中央部との間に設けられ
、U字状に形成され、前記中央部の外周を囲むように設けられた第1開口部と、を有し、
前記中央部の表面には、前記第1開口部に近づくに従って前記薬剤揮散体に近づく傾斜が設けられている、
薬剤揮散装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤揮散装置において、
前記中央部の表面に設けられた前記傾斜は、前記第1開口部に近づくに従って傾きが大きくなる曲面から構成されている、
薬剤揮散装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の薬剤揮散装置において、
前記容器を吊り下げるためのフックを備え、
前記容器は、前記周縁部の外側部において前記容器を吊り下げた状態で鉛直下側となる部分に設けられた第2開口部を有し、
前記外側部には、前記第2開口部に近づくに従って鉛直下側に向かう傾斜が設けられている、
薬剤揮散装置。
【請求項4】
請求項1~3何れか1項に記載の薬剤揮散装置において、
前記容器を吊り下げるためのフック本体を有するフックを備え、
前記容器には、前記フック本体が前記容器から突出する吊下位置と、前記フック本体が前記容器に重ねられる収容位置と、の間で回転自在に前記フックを支持する支持部が設けられ、
前記フックは、前記吊下位置と前記収容位置との中間位置で前記フックが回転しないように仮係止する第1仮係止部を有し、
前記支持部は、前記第1仮係止部に仮係止する第2仮係止部を有する、
薬剤揮散装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常温揮散性の薬剤を保持した薬剤揮散体と、前記薬剤揮散体を収容する容器と、を備えた薬剤揮散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、害虫防除などを目的として、薬剤を保持した薬剤揮散体を容器内に収容した薬剤揮散装置が用いられている。この種の薬剤揮散装置は、一般に、薬剤揮散体を外部に露出させる開口部を容器に設けることで、薬剤揮散体から自然蒸散した薬剤を薬剤揮散装置の周辺を流れる空気(風)中に揮散させるようになっている(例えば、特許文献1~3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-022164号公報
【文献】特開2014-135910号公報
【文献】特開2017-018034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の薬剤揮散装置は、薬剤揮散装置の周辺を流れる空気(風)を利用して薬剤を揮散させる原理上、空気を効率的に開口部に導いて、薬剤を効率的に揮散させることが望まれている。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、薬剤揮散装置の周辺に流れる空気を効率的に開口部に導いて、薬剤を効率的に揮散させることができる薬剤揮散装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る薬剤揮散装置は、下記[1]~[4]を特徴としている。
[1]
常温揮散性の薬剤を保持した薬剤揮散体と、前記薬剤揮散体を収容する容器と、を備えた薬剤揮散装置であって、
前記容器は、
前記薬剤揮散体の周縁を収容し、前記薬剤揮散体の周縁に沿った枠状の周縁部と、
前記周縁部内に配置され、前記薬剤揮散体の中央を覆う中央部と、
前記周縁部と前記中央部との間に設けられ、U字状に形成され、前記中央部の外周を囲むように設けられた第1開口部と、を有し、
前記中央部の表面には、前記第1開口部に近づくに従って前記薬剤揮散体に近づく傾斜が設けられている、
薬剤揮散装置であること。
[2]
[1]に記載の薬剤揮散装置において、
前記中央部の表面に設けられた前記傾斜は、前記第1開口部に近づくに従って傾きが大きくなる曲面から構成されている、
薬剤揮散装置であること。
[3]
[1]又は[2]に記載の薬剤揮散装置において、
前記容器を吊り下げるためのフックを備え、
前記容器は、前記周縁部の外側部において前記容器を吊り下げた状態で鉛直下側となる部分に設けられた第2開口部を有し、
前記外側部には、前記第2開口部に近づくに従って鉛直下側に向かう傾斜が設けられている、
薬剤揮散装置であること。
[4]
[1]~[3]何れかに記載の薬剤揮散装置において、
前記容器を吊り下げるためのフック本体を有するフックを備え、
前記容器には、前記フック本体が前記容器から突出する吊下位置と、前記フック本体が前記容器に重ねられる収容位置と、の間で回転自在に前記フックを支持する支持部が設けられ、
前記フックは、前記吊下位置と前記収容位置との中間位置で前記フックが回転しないように仮係止する第1仮係止部を有し、
前記支持部は、前記第1仮係止部に仮係止する第2仮係止部を有する、
薬剤揮散装置であること。
【0007】
上記[1]の構成の薬剤揮散装置によれば、第1開口部が、容器の中央部を囲むように設けられるため、容器の中央部に当たった風が、上下左右、どの方向に向かっても中央部を囲む第1開口部に導かれる。しかも、容器の中央部に当たった風が中央部の傾斜に沿って進み第1開口部に導かれる。これにより、薬剤揮散装置の周辺に流れる空気を効率的に第1開口部に導いて、薬剤を効率的に揮散させることができる。
【0008】
上記[2]の構成の薬剤揮散装置によれば、中央部の表面に設けられた傾斜は、第1開口部に近づくに従って傾きが大きくなる曲面から構成されている。これにより、薬剤揮散装置の周辺に流れる空気をより一層効率的に第1開口部に導いて、薬剤を効率的に揮散させることができる。
【0009】
上記[3]の構成の薬剤揮散装置によれば、第2開口部は、周縁部の外側部において容器を吊り下げた状態で鉛直下側となる部分に設けられ、鉛直下側となる部分は、第2開口部に近づくに従って鉛直下側に向かう傾斜が設けられている。これにより、容器内に入った水が傾斜に沿って流れて第2開口部から速やかに排水することができる。
【0010】
上記[4]の構成の薬剤揮散装置によれば、フックの第1仮係止部と、支持部の第2仮係止部と、が仮係止して、フックが吊下位置と収容位置との中間位置で回転しないように仮係止できる。これにより、フックを中間位置にすれば容器をフックに立てかけて置いて使用することもできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、薬剤揮散装置の周辺に流れる空気を効率的に第1開口部に導いて、薬剤を効率的に揮散させることができる薬剤揮散装置を提供できる。
【0012】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る薬剤揮散装置の斜視図である。
【
図13】
図13は、
図1に示す薬剤揮散装置のフックが収容位置にあるときのフックの部分断面図である。
【
図14】
図14は、
図1に示す薬剤揮散装置のフックが中間位置にあるときのフックの部分断面図である。
【
図15】
図15は、
図1に示す薬剤揮散装置のフックが収容位置にあるときの背面側斜視図である。
【
図16】
図16は、
図1に示す薬剤揮散装置のフックが中間位置にあるときの背面側斜視図である。
【
図18】
図18は、他の実施形態における薬剤揮散装置の部分背面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る薬剤揮散装置1について説明する。説明の便宜上、
図1に示すように、薬剤揮散装置1の長手方向を「上下方向」とし、「上下方向」に直交する一方向を「幅方向」とし、「上下方向」及び「幅方向」に直交する一方向を「厚さ方向」とする。また、薬剤揮散装置1の後述するフック4が取り付けられている側を「背面側」とし、反対側を「正面側」とする。
【0015】
本実施形態に係る薬剤揮散装置1は、
図1における上下方向に長く、厚さ方向に薄い縦長の扁平な長円形状を有している。以下の説明では、
図1に示すように、上下方向に長い形状について説明するが、本形状はあくまで一例であり、薬剤揮散装置1の形状は
図1に示す形状に限定されない。例えば、薬剤揮散装置1は、
図1における幅方向に長い横長の長方形状の形状を有してもよいし、正方形状の形状を有してもよいし、他の多角形状の形状を有してもよいし、円形や長方形の形状を有してもよい。
【0016】
(薬剤揮散装置の構造)
図1及び
図2に示すように、薬剤揮散装置1は、常温揮散性の薬剤を保持した薬剤揮散体2と、薬剤揮散体2を収容する容器3と、容器3に取り付けられるフック4と、を備えている。薬剤揮散装置1は、全体として高さ(
図1の上下方向の長さ)が幅(幅方向の長さ)よりも長い略矩形の形状を有する。
【0017】
上記薬剤揮散体2は、全体として高さが幅よりも長い矩形の薄いシート形状を有する。薬剤揮散体2の詳細については後述する。
【0018】
上記容器3は、
図2に示すように、厚さ方向に2分割された正面側筐体5と、背面側筐体6と、を有している。正面側筐体5及び背面側筐体6は、互いの間に薬剤揮散体2を挟んで保持する。
図3及び
図4に示すように、正面側筐体5及び背面側筐体6は各々、薬剤揮散体2の周縁を挟んで保持する周縁部51、61と、周縁部51、61内に配置され、薬剤揮散体2の中央を覆う中央部52、62と、を備えている。また、正面側筐体5及び背面側筐体6は各々、周縁部51、61及び中央部52、62との間に設けられた開口部53、63(第1開口部)と、周縁部51、61及び中央部52、62を連結する連結部54、64と、を備えている。
【0019】
これら周縁部51と周縁部61とが厚さ方向に対向して設けられ、中央部52と中央部62とが厚さ方向に対向して設けられ、開口部53と開口部63とが厚さ方向に対向して設けられ、連結部54と連結部64とが厚さ方向に対向して設けられている。
【0020】
周縁部51、61は、長円形状の薬剤揮散体2の周縁に沿った枠状(リング状)に設けられている。周縁部51、61において幅方向両側の部分は、上下方向に沿った直線状に設けられる。周縁部51、61において上下方向両側の部分は、上下方向両側に凸となる円弧状に設けられている。
図7、
図9に示すように、周縁部51、61は、厚さ方向に交差する壁部511、611と、壁部511、611の内周縁から薬剤揮散体2側に向かって厚さ方向に立設する内壁部512、612と、周縁部51、61の外周縁から薬剤揮散体2側に向かって厚さ方向に立設する外壁部513、613と、を有している。
【0021】
上記壁部511、611には、内周縁から外周縁に向かうに従って、薬剤揮散体2に近づく傾斜に設けられている。傾斜は、壁部511、611の内周縁から外周縁に亘って設けられている。また、内壁部512と、内壁部612と、の間には、薬剤揮散体2が挟まれて保持されている。外壁部513と、外壁部613と、の間には、薬剤揮散体2は挟まれていない。
【0022】
図2、
図5に示すように、外壁部513において幅方向両側となる部分には各々、一対の切欠513a,513aが設けられている。また、外壁部613において幅方向両側となる部分には各々、一対の切欠613a、613aが設けられている。また、
図6に示すように、外壁部513、613において上下方向下側(鉛直下側)となる部分(円弧状の頂部)には、切欠513b、613bが各々設けられている。
【0023】
切欠513a、513bは、外壁部513の壁部511から離れた側の端部を一部切り欠いて設けられている。切欠613a、613bは、外壁部613の壁部611から離れた側の端部を一部切り欠いて設けられている。正面側筐体5及び背面側筐体6を厚さ方向に重ねて薬剤揮散体2を保持すると、一対の切欠513a,513aと一対の切欠613a,613aとが合わさって、
図5に示すように、容器3の幅方向両側に一対の開口部7aが形成される。一対の開口部7aは、幅方向に対向する。
【0024】
また、切欠513bと切欠613bとが合わさって、
図6に示すように、容器3の鉛直下側に開口部7b(第2開口部)が形成される。この開口部7b周辺の外壁部513、613は、円弧状に形成され、開口部7bに近づくに従って上下方向下側(鉛直下側)に向かう傾斜T1(
図1)が設けられている。この傾斜T1は、開口部7bに近づくに従って傾きが小さくなる曲面から構成されている。
【0025】
図7、
図9に示すように、中央部52、62は、厚さ方向に交差する壁部521、621と、壁部521、621の外周縁から薬剤揮散体2側に向かって厚さ方向に立設する立壁部522、622と、を備えている。壁部521、621の表面には、開口部53、63に近づくに従って薬剤揮散体2に近づく傾斜T2、T3が設けられている。
【0026】
詳しくは、
図9に示すように、中央部52、62の壁部521、621表面には、幅方向の一端から他端にかけて開口部53、63に近づくに従って薬剤揮散体2に近づく傾斜T2、T3が設けられる。即ち、中央部52、62の壁部521、621表面は、幅方向における中央部が薬剤揮散体2から最も離れている。また、
図7に示すように、中央部52、62の壁部521、621表面には、上下方向の両端部に開口部53、63に近づくに従って薬剤揮散体2に近づく傾斜T2、T3が設けられ、上下方向の中央部はまっすぐに設けられている。これら傾斜T2、T3は、開口部53、63に近づくに従って傾きが大きくなる曲面から構成されている。
【0027】
また、本実施形態では、中央部52、62の壁部521、621は、周縁部51、61の壁部511、611よりも薬剤揮散体2から離れた側に突出して設けられている。上記立壁部522、622間に、薬剤揮散体2が挟まれて保持されている。
【0028】
開口部53、63は、
図3及び
図4に示すように、後述する連結部54、64を挟んで上下に2か所設けられている。各開口部53、63は、略U字状に形成され、中央部52、62の外周を囲むように設けられている。
【0029】
本実施形態において、
図3及び
図4に示すように、連結部54、64は各々、一対設けられている。この一対の連結部54、64は、中央部52、62の上下方向中央から幅方向両側に向かって延びて周縁部51、61の内側に連結される。
図2に示すように、連結部54、64は、厚さ方向に交差する壁部541、641と、壁部541、641の上下方向の両端から薬剤揮散体2側に向かって厚さ方向に立設する一対の立壁部542,542、642,642と、を備えている。
【0030】
壁部541、641は、
図11に示すように、周縁部51、61の壁部511、611及び中央部52、62の壁部521、621間に連なり、中央部52、62から周縁部51、61に向かうに従って、薬剤揮散体2に近づく傾斜が設けられている。一対の立壁部542,542、642,642は、
図2に示すように、周縁部51、61の内壁部512、612及び中央部52、62の立壁部522、622に連なる。
【0031】
また、
図7、
図11に示すように、正面側筐体5及び背面側筐体6は各々、互いに係止する係止部55、65を備えている。
【0032】
また、背面側筐体6は、
図4に示すように、薬剤揮散体2に保持させる薬液(薬剤)を受ける薬液受け部66を有している。薬液受け部66は、厚さ方向に交差する板状に設けられ、一対の連結部64,64の上下方向両側にそれぞれ設けられている。薬液受け部66は、
図10に示すように、周縁部61の内壁部612、連結部64の立壁部642(
図10には図示せず)及び中央部62の立壁部622、において薬剤揮散体2側の端面よりも少し、薬剤揮散体2から離れた側に連なって設けられている。これにより、薬液受け部66は、所定のクリアランスCL分だけ離間して薬剤揮散体2の背面側に配置される。正面側筐体5の開口部53からこの薬液受け部66上に薬液を載せることにより薬剤揮散体2に薬液(薬剤)を保持させることができる。
【0033】
フック4は、
図4などに示すように、容器3を吊り下げるためのフック本体41と、容器3に回転自在に支持される一対の被支持アーム42,42と、を有している。また、背面側筐体6は、フック本体41が容器3から突出する吊下位置(
図1)と、フック本体41が容器に重ねられる収容位置(
図15)と、の間でフック4を回転自在に支持する一対の支持部67(
図12)が設けられている。
【0034】
以下、フック4の説明において用いられる方向は、フック4が「吊下位置」にあるときを基準としている。フック本体41は、
図1に示すように、略板状に設けられ、中央にドアノブなどに引っ掛けるための略円形の引掛穴411が設けられている。フック本体41の下端は、周縁部61の上側に位置する外壁部613に沿って円弧状に形成されている。これにより、吊下位置においてフック本体41の下端が外壁部613において上側の部分に重ねられ、容器3よりも上側にフック本体41が突出される。フック本体41の下端には、
図8に示すように、その幅方向中央に吊下位置において容器3の仮係止溝691と係止する仮係止突起412が設けられている。
【0035】
一対の被支持アーム42,42は、フック本体41の下端において幅方向両端から下側に向かって延在して設けられている。一対の被支持アーム42,42は、フック本体41の下端から背面側に立設する立壁部421(
図5)と、立壁部421の背面側端部から下側に延在するアーム部422(
図4)と、アーム部422の先端部の背面側に設けられた回転軸部423(
図12)と、回転軸部423から下側に向かって突出する仮係止爪424(
図12)と、を有している。
【0036】
吊下位置において立壁部421は、
図5に示すように、外壁部613の上側の部分に重ねられる。一対のアーム部422,422は、その先端が中央部62の幅方向両側を挟む位置まで延在して設けられている。アーム部422の先端は、周縁部61と中央部62との間の開口部63内に位置する。
図12に示すように、このアーム部422の先端の背面側に設けられた回転軸部423も、周縁部61と中央部62との間の開口部63内に位置する。回転軸部423は、軸方向が幅方向に沿うように設けられ、幅方向両端がアーム部422の先端よりも突出して設けられている。
【0037】
図12に示すように、一対の支持部67は、幅方向に並んで設けられる。一対の支持部67,67の一方が一対の被支持アーム42,42のうち一方の回転軸部423を回転自在に支持し、一対の支持部67,67の他方が一対の被支持アーム42,42のうち他方の回転軸部423を回転自在に支持する。一対の支持部67,67は各々、一対の軸受け穴671と、一対の保持壁672と、位置決め壁673と、仮係止部68(
図13、
図14参照)と、を有している。
【0038】
一対の軸受け穴671,671は、周縁部61の内壁部612と、中央部62の立壁部622と、の幅方向に対向する部分に、それぞれ設けられ、回転軸部423の両端がそれぞれ挿入される。軸受け穴671は、上記内壁部612、立壁部622の厚さ方向の一端から他端に亘って設けられ、回転軸部423は、厚さ方向の外側の開口から軸受け穴671内に挿入される。一対の保持壁672,672は各々、一対の挟み壁672a,672aと、一対の係止突起672bと、を有している。
【0039】
一対の挟み壁672a,672aは、軸受け穴671の上下方向両側の縁部に沿って開口部63側に突出し、回転軸部423の上下方向両側を挟む。一対の係止突起672bは各々、一対の挟み壁672a,672aの厚さ方向外側の端部から互いに近づく方向に突出する。この回転軸部423の両端を軸受け穴671の厚さ方向外側の開口から挿入し、一対の係止突起672bを乗り越えると、回転軸部423が一対の係止突起672bに係止して回転軸部423が軸受け穴671の厚さ方向外側の開口から簡単に抜け落ちることがない。
【0040】
一対の位置決め壁673,673は、一対の挟み壁672a,672aよりも開口部63内に設けられ、軸受け穴671を塞ぐように設けられている。一対の位置決め壁673,673は、一対の係止突起672bよりも厚さ方向内側に設けられ、一対の係止突起672bを乗り越えて軸受け穴671に挿入した回転軸部423と厚さ方向に当接して、回転軸部423の厚さ方向の位置を決める。
【0041】
また、一対の仮係止部68,68は、
図13、
図14に示すように、フック本体41が容器3から突出する吊下位置(
図1)と、フック本体41が容器3に重ねられる収容位置(
図15)との中間位置(
図16)でフック4が回転しないように仮係止する。一対の仮係止部68,68は、幅方向に並んで設けられる。一対の仮係止部68,68の一方が一対の被支持アーム42,42のうち一方の仮係止爪424と仮係止し、一対の仮係止部68,68の他方が一対の被支持アーム42,42のうち他方の仮係止爪424に仮係止する。一対の仮係止部68,68は各々、土台681と、仮係止部本体682と、仮係止溝683と、一対の仮係止突起684と、を有している。
【0042】
土台681は、厚さ方向に直交する平板状に設けられ、その幅方向両端が周縁部61の内壁部612と、中央部62の立壁部622と、に支持され、開口部63内に収容されている。上述した位置決め壁673及び保持壁672は、その厚さ方向内側の端部が上記土台681に連なって設けられている。仮係止部本体682は、土台681の上端縁から厚さ方向外側に向かって突出する。仮係止溝683は、上記仮係止部本体682に幅方向に沿って設けられる。
図14に示すように、仮係止溝683は、フック4が中間位置にあるときに仮係止爪424の先端が嵌め込まれるように設けられている。
【0043】
一対の仮係止突起684は、この仮係止溝683の上下方向端部に沿って設けられる。上側の仮係止突起684は、下側の仮係止突起684よりも厚さ方向外側に設けられている。
【0044】
また、背面側筐体6は、
図4に示すように、収容位置にあるフック4のアーム部422に仮係止する一対の仮係止突起692,692が設けられている。一対の仮係止突起692,692は、中央部62の立壁部622から開口部63内に突出して設けられている。一対の仮係止突起692,692の一方は、一対の被支持アーム42,42の一方のアーム部422に仮係止し、他方は、一対の被支持アーム42,42の他方のアーム部422に仮係止する。
【0045】
次に、上述したフック4の収容位置から中間位置、中間位置から吊下位置に回転させたときのフック4と容器3との関係について以下説明する。
図15に示すように、収容位置において、フック4のフック本体41は、中央部62の壁部621上に重ねられる。また、フック4の一対のアーム部422,422は、開口部63内に位置し、互いの間に中央部62を挟む。また、一対のアーム部422,422は、立壁部622から突出された仮係止突起692に厚さ方向に仮係止している。これにより、フック4に軽い回転力がかかったとしても、仮係止突起692により係止されて、フック4が回転することがない。
【0046】
ユーザがフック4を収容位置から中間位置に向けて少し強い力で回転させると、アーム部422が仮係止突起692を乗り越えて中間位置まで回転できるようになる。ユーザがフック4を中間位置に向けてさらに回転させると、フック4が収容位置から中間位置になる少し前に、
図13、
図14に示す上側の仮係止突起684が、仮係止爪424の先端に当接する。
【0047】
フック4を中間位置に向けて軽い力で回転させている間は、仮係止爪424と上側の仮係止突起684とが係止してフック4は中間位置まで回転しない。ユーザがフック4を中間位置に向けて少し強い力で回転させると、仮係止爪424が上側の仮係止突起684を乗り越えて、中間位置に達し、その先端が仮係止溝683に嵌め込まれる。この状態では、フック4を軽い力で回転させても、仮係止爪424が一対の仮係止突起684,684に係止して回転しない。これにより、中間位置において、
図16に示すように、容器3を横置きにしてフック4に立てかけて置くことができる。
【0048】
さらに、ユーザがフック4を吊下位置に向けて少し強い力で回転させると、仮係止爪424が下側の仮係止突起684を乗り越えて、吊下位置まで回転させることができる。吊下位置においては、フック4の立壁部421が、周縁部61の外壁部613上に重ねられ、
図8に示すように、容器3の上部に設けた仮係止溝691にフック4に設けた仮係止突起412が係止される。
【0049】
次に、薬剤揮散体2の詳細について説明する。薬剤を保持する薬剤揮散体2として、例えば、繊維材を用いたネットが挙げられる。このネットは、一般に、多数の通気孔を有し、薬剤の揮散効果に優れる。ネットに用いる繊維材は、例えば、短繊維または長繊維の糸をレース編みやメリヤス編みなどの手法を用いて編むことで製造し得る。糸の材料として、例えば、パルプ、綿、羊毛、麻および絹などの天然繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリサルフォン、レーヨン、メタアクリル酸樹脂および生分解性樹脂(例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸およびポリ(β-ヒドロキシ酪酸))などが挙げられる。これら材料の1種または2種以上を混合して用いてもよい。特に、強度や加工性などの観点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート及びポリエチレンを用いることが好ましい。更に、例えば、繊維材には、防カビ剤、色素、紫外線吸収剤および香料などの添加物を含有させてもよい。
【0050】
繊維材を用いたネットの開口度合いについて、ネットの総面積に占める通気口部分の総面積の割合は、5~80%であることが好ましく、10~50%であることが更に好ましい。なお、開口度合いが小さいほど薬剤の揮散性が低下する傾向があり、開口度合いが大きいほど単位面積あたりの薬剤の保持量が低下する傾向がある。
【0051】
薬剤揮散体2が保持する薬剤は、常温で揮散しうる薬剤であり、各種の害虫防除剤(殺虫剤および忌避剤等)、芳香剤、消臭・防臭剤、殺菌剤、防カビ剤等の各種薬剤のなかから、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。薬剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0052】
害虫防除剤としては、例えば、有機リン系、カーバメート系、ピレスロイド系等の各種殺虫剤、忌避剤、及び、昆虫成長調節剤などが挙げられる。有機リン系殺虫剤としては、DDVP及びダイアジノン等が挙げられ、カーバメート系殺虫剤としては、プロポクサー等が挙げられ、ピレスロイド系殺虫剤としては、フタルスリン、プラレトリン、テフルスリン、トランスフルトリン、メトフルトリン、ジメフルトリン、メパフルトリン、プロフルトリン、エムペントリン及びテラレスリン等が挙げられる。これらのうち、プロフルトリン、エンペントリン、トランスフルトリン及びメトフルトリンが、殺虫効果に優れる点で好ましい。また、その他の害虫防除剤として、植物精油、テルペン、及び、これらの異性体や誘導体等が挙げられる。
【0053】
芳香剤としては、例えば、ラベンダー油、じゃ香、竜延香、アビエス油、シトロネラ油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、レモン油、レモングラス油、ナツメッグ油、ハッカ油、オレンジ油、テレピン油およびセイジ油などの精油類、ピネン、リモネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネラール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、アネトール、オイゲノール、アルデヒド、シトラール、シトロネラール、ワニリン、カルボン、ケトン、メントン、アセトフェノン、クマリン、シネオール、酢酸エチル、酢酸オクチル、酢酸リナリル、酢酸ブチルシクロヘキシル、酢酸ブチルシクロヘプチル、イソ酪酸イソプロピル、カプロン酸アリル、安息香酸エチル、桂皮酸メチル及びサリチル酸メチルなどの香料等が挙げられる。
【0054】
消臭・防臭剤としては、例えば、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、アミルシンナミックアルデヒド、アニシックアルデヒド、ジフェニルオキサイド、安息香酸メチル、安息香酸エチル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸エチル、ネオリン、サフロール、シトロネラ油およびレモングラス油等が挙げられる。
【0055】
殺菌剤としては、例えば、IPMP(イソプロピルメチルフェノール)、PCMX(p-クロロ-m-キシレノール)、AIT(アリルイソチオシアネート)、ヒノキチオール、及び、安定化二酸化塩素等が挙げられる。
【0056】
防カビ剤としては、例えば、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、IPBC、チアベンダゾール、イマザリル、オルトフェニルフェノール、CPC、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0057】
薬剤には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、効力増強剤、揮散率向上剤および安定剤等が挙げられる。添加剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0058】
効力増強剤としては、例えば、N-プロビルイゾーム、MGK-264、サイネピリン222、サイネピリン500、リーセン384、IBTA、ピペロニルブトキサイド、S-421等が挙げられる。
【0059】
揮散率向上剤としては、例えば、フェネチルイソチオシアネート等が挙げられる。安定剤としては、例えば、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、3-t-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、メルカプトベンズイミダゾール、ジラウリル-チオ-ジ-プロピオネート、2,2'-メチレン-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、4,4'-メチレン-ビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)、4,4'-チオ-ビス-(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、フェニル-β-ナフチルアミン、2-t-ブチル-4-メトキシフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、α-トコフェロール、アスコルビン酸及びエリソルビン酸等が挙げられる。
【0060】
薬剤を薬剤揮散体2に保持させる方法は、特に制限されない。例えば、薬剤を溶剤に溶解させた溶液を調製し、その溶液中に上述したネットを浸漬して薬剤を含浸させる方法、その溶液や薬剤の原体をネットの上に噴霧または滴下してネットに薬剤を含浸させる方法、及び、ネットに薬剤を練り込む方法などを用い得る。更に、必要に応じて、薬剤をネットに含浸させた後、乾燥等によって溶剤を除去してもよい。
【0061】
薬剤の溶液を調製するための溶剤としては、特に制限はないが、例えば、水、ナフテン、灯油、パラフィン等の炭化水素類、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、メタノール、イソプロパノール、1-オクタノール、1-ドデカノール等のアルコール類、アセトン、アセトフェノン等のケトン類、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アジピン酸ジオクチル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジエチル等のエステル類、キシレン、及び、シリコーンオイル等の1種もしくは2種以上が挙げられる。
【0062】
薬剤揮散体2における薬剤の保持量は、薬剤の種類等を考慮して、所望の効果(揮散性や有効期間)を発揮するように適宜決定されればよい。また、薬剤揮散体2は、交換可能なカートリッジ式に構成されてもよい。薬剤揮散装置1を長期間にわたって使用して薬剤が全て又は殆ど揮散して薬剤の効果が消失または低下した場合、薬剤揮散体2を新たなものに交換することで、優れた効果を再び発揮させることができる。
【0063】
上述した薬剤揮散装置1によれば、開口部53、63が、容器の中央部52、62を囲むように設けられるため、容器3の中央部52、62に当たった風が、上下左右、どの方向に向かっても中央部52、62を囲む開口部53、63に導かれる。このため、中央部52、62に当たった風を効率的に、開口部53、63に導くことができる。しかも、中央部52、62には、その表面が開口部53、63に近づくに従って薬剤揮散体2に近づく傾斜T2、T3が設けられている。これにより、
図17に示すように、容器3の中央部62に当たった風Wが中央部62の傾斜T3に沿って進み開口部63に導かれる。開口部63から容器3内に入った風Wは、薬剤揮散体2を通って開口部53から排出される。同様に、容器3の中央部52に当たった風Wは、中央部52の傾斜T2に沿って進み、開口部53に導かれ、薬剤揮散体2を通って開口部63から排出される。これにより、薬剤揮散装置1の周辺に流れる空気(風W)を効率的に開口部53、63に導いて、薬剤を効率的に揮散させることができる。上述したように風を効率的に開口部56、63に導くことができるため、風が弱いときであっても、薬剤を効率的に揮散させることができる。
【0064】
上述した実施形態によれば、容器3は、周縁部51、61の外壁部513、613に設けられた開口部7a、7bを有する。これにより、外壁部513、613に設けた開口部7a、7bからも風を容器3に取り込むことができ、より一層効率的に、薬剤を揮散させることができる。
【0065】
上述した実施形態によれば、容器3に設けた一対の開口部7a,7aは、幅方向に対向している。これにより、幅方向に流れる風が、一対の開口部7a,7aの一方から容器3内に導入され、薬剤揮散体2を通って他方から排出する。これにより、より一層、薬剤を揮散させることができる。
【0066】
上述した実施形態によれば、容器3は、長尺状に設けられ、開口部7a、7bは、周縁部51、61において、上下方向(長手方向)側及び幅方向(短手方向)側の外壁部513、613に各々設けられている。これにより、容器3を、
図16に示すように横置きにしても、フック4を使わず
図15に示す収容位置のまま縦置きにしても、外壁部513、613に設けた開口部7a、7bの全てが塞がれることがない。このため、より一層効率的に、薬剤を揮散させることができる。
【0067】
上述した実施形態によれば、開口部7bは、外壁部513、613において容器3を吊り下げた状態で鉛直下側となる部分に設けられ、外壁部513、613は、開口部7bに近づくに従って鉛直下側に向かう傾斜T1が設けられている。これにより、容器3内に入った雨水等の水が傾斜T1に沿って流れ、開口部7bから速やかに排水することができる。
【0068】
上述した実施形態によれば、支持部67が、吊下位置と収容位置との中間位置でフック4が回転しないように仮係止する仮係止部68を有する。これにより、フック4を吊下位置にして容器3を吊るすこともできるし、フック4を中間位置にすれば容器3をフック4に立てかけることもできる。また、フック4を収容位置にすればフック本体41を容器3に重ねることもできる。
【0069】
上述した実施形態によれば、支持部67の軸受け穴671が、周縁部61及び中央部62に各々設けられ、フック4の回転軸部423が、周縁部61と中央部62との間の開口部63内に位置する。これにより、容器3の小型化を図ることができる。
【0070】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において各々の変形例を採用できる。例えば、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0071】
上述した実施形態によれば、フック4に回転軸部423を設けて、容器3に軸受け穴671を設けていたが、これに限ったものではない。例えば、
図18に示すように、容器3に回転軸部674を設けて、フック4に回転軸部674に回転自在に保持されるU字状の軸受け部425を設けてもよい。回転軸部674は、周縁部61の内壁部612と、中央部62の立壁部622により支持されている。軸受け部425は、フック4のアーム部422先端に設けられている。この場合、軸受け部425に仮係止突起426(第1仮係止部)を設け、中央部62の立壁部622に、この仮係止突起426に仮係止する一対の仮係止突起685,685(第2仮係止部)を設ける。そして、フック4が中間位置まで回転したときに、一対の仮係止突起685,685間に仮係止突起426が挿入されて、フック4が回転しないようにしてもよい。
【0072】
また、上述した実施形態によれば、容器3の上側には開口は設けられていなかったが、これに限ったものではない。容器3の上側に、開口部7bに対して上下方向に対向する開口部を設けてもよい。この場合、上下に流れる風が、容器3の上下に設けた開口部7bを通り抜けて、薬剤揮散体2を効率的に拡散させることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 薬剤揮散装置
2 薬剤揮散体
3 容器
4 フック
41 フック本体
7a、7b 開口部(第2開口部)
51、61 周縁部
52、62 中央部
53、63 開口部(第1開口部)
67 支持部
68 仮係止部(第2仮係止部)
424 仮係止爪(第1仮係止部)
423 回転軸部(回転軸)
426 仮係止突起(第1仮係止部)
513、613 外壁部(外側部)
685 仮係止突起(第2仮係止部)