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特許7477847センサ装置、センサシステム、及びセンシング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】センサ装置、センサシステム、及びセンシング方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/00 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
B65G43/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022034057
(22)【出願日】2022-03-07
(65)【公開番号】P2023129790
(43)【公開日】2023-09-20
【審査請求日】2023-11-20
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】301022471
【氏名又は名称】国立研究開発法人情報通信研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】國立 忠秀
(72)【発明者】
【氏名】松井 研輔
(72)【発明者】
【氏名】池田 浩太郎
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 拓人
(72)【発明者】
【氏名】児島 史秀
(72)【発明者】
【氏名】松村 武
(72)【発明者】
【氏名】沢田 浩和
(72)【発明者】
【氏名】伊深 和雄
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-001075(JP,A)
【文献】特開2018-115054(JP,A)
【文献】特開2015-215284(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0343722(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 43/00
B65G 15/00
G08C 15/00
G08C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人で走行可能なAGV(Automatic Guided Vehicle)である移動体に搭載された製品等の状態をセンシングするセンサ装置であって、
前記移動体の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作する前記移動体の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器と、
前記蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部と、
前記蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部と、
前記蓄電量判定部において前記蓄電量が前記閾値以上であると判定された場合に、前記移動体に搭載された対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部と、
前記センシング部における前記センシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部と、を備える、センサ装置。
【請求項2】
前記センシング部は、前記移動体の位置を検出する位置検出機能を備え、
前記送信部は、前記位置検出機能で検出された前記移動体の位置が、あらかじめ定められた所定の場所である場合に、前記センシング部における前記センシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する、請求項に記載のセンサ装置。
【請求項3】
起動処理部をさらに備え、
前記起動処理部は、前記蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された起動電力値以上である場合に、前記送信部を起動させる、請求項1又は2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記起動処理部は、前記蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された前記起動電力値以上である場合に、前記センシング部を起動させる、請求項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
無人で走行可能なAGV(Automatic Guided Vehicle)である移動体と、
前記移動体の動作に基づいて発電し、動作する前記移動体の動作量に応じて発電率が異なる発電機と、
前記発電機で発電された電力を蓄電する蓄電器と、
前記蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部と、
前記蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部と、
前記蓄電量判定部において前記蓄電量が前記閾値以上であると判定された場合に、前記移動体に搭載された対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部と、
前記センシング部における前記センシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部と、を備える、センサシステム。
【請求項6】
コンピュータによって実行されるセンシング方法であって、
無人で走行可能なAGV(Automatic Guided Vehicle)である移動体の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作する前記移動体の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得し、
前記蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定し、
前記蓄電量が前記閾値以上であると判定された場合に、前記移動体に搭載された対象物に対してセンシング処理を行い、
前記センシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する、センシング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ装置、センサシステム、及びセンシング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造ライン等の稼働状況や製品の搬送状況に関する情報をセンサにより取得してモニタ(確認)する技術が提案されている。特許文献1には、ベルトコンベアにおける異常監視を行うセンサ装置が開示されている。特許文献1に開示されたセンサ装置は、ベルトコンベアのローラに設けられた発電装置によって発電し、発電された電力により、センサによる計測やデータの送信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-1075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたセンサ装置では、発電された電力により、例えば6時間に1回の間隔でセンサによる測定(センシング)を行い、測定したデータを管理装置に送信する。しかし、このセンシングの間隔は、製造装置の稼働率や搬送速度等の稼働状況に合わせて設定することが望ましい。例えば、センシングの必要のないタイミングでセンシングを行うことは、電力を無駄に消費することになる。すなわち、稼働状況に応じて適切にセンシングの間隔を設定することが可能な装置が求められる。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能なセンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るセンサ装置は、コンベアに流れる製品等の状態をセンシングするセンサ装置であって、コンベアの動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベアの動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器と、蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部と、蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部と、蓄電量判定部において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベアに流れる対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部と、センシング部におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係るセンサ装置は、移動体に搭載された製品等の状態をセンシングするセンサ装置であって、移動体の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作する移動体の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器と、蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部と、蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部と、蓄電量判定部において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、移動体に搭載された対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部と、センシング部におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部と、を備える。
【0008】
本発明の他の態様に係るセンサシステムは、製品等を運搬するコンベアと、コンベアの動作に基づいて発電し、動作するコンベアの動作量に応じて発電率が異なる発電機と、発電機で発電された電力を蓄電する蓄電器と、蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部と、蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部と、蓄電量判定部において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベアに流れる対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部と、センシング部におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部と、を備える。
【0009】
本発明の他の態様に係るセンシング方法は、コンピュータによって実行されるセンシング方法であって、コンベアの動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベアの動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器に蓄電された電力の蓄電量を取得し、蓄電量が、あらかじめ記憶部に記憶された閾値以上であるか否かを判定し、蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベアに流れる対象物に対してセンシング処理を行い、センシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能なセンサ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係るセンサシステム10の概略構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るセンサ装置の構成を示すブロック図である。
図3】第1の実施形態に係るセンサ装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4A】第1の実施形態に係るセンサ装置の処理について説明するための図である。
図4B】第1の実施形態に係るセンサ装置の処理について説明するための図である。
図5】第1の実施形態に係るセンサ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図6】第2の実施形態に係るセンサ装置の機能的構成を示すブロック図である。
図7】第2の実施形態に係るセンサ装置の処理について説明するための図である。
図8】第2の実施形態に係るセンサ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて本実施形態に係るセンサシステム10について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るセンサシステム10の概要を示す図である。センサシステム10は、センサ装置100が、コンベア200によって運搬される製品等に該当する物品500の状態を所定の間隔でセンシングし、センシングした結果を管理端末(図示なし)へ送信する。これにより、センサシステム10は、製造ライン等の稼働状況や製品の搬送状況に関する状況を定期的に確認することが可能となる。なお、本明細書において、製造ライン等の稼働状況や製品の搬送状況に関する状況を「製造状況」とする。
【0014】
コンベア200は、「荷を連続的に運搬する機械」であり、ベルトコンベア、チェーンコンベア、ローラコンベア、スクリューコンベア、振動コンベア等が含まれる。本実施形態においては、コンベア200として、ローラ300(コロ)を駆動することよってベルトを移動させ、ベルトに設置された物品500を運搬するベルトコンベアの場合の例について説明する。また、物品500は、製品や機器を製造する治具板等に相当する。
【0015】
第1の実施形態において、コンベア200の下には、複数のローラ300が備えられる。また、ローラ300の一つに発電機130(図2参照)が備えられ、ローラ300の回転によって発電する。また発電機130は、ローラ300の回転量に応じて、所定時間当たりの発電量(発電率)が求まる。すなわち、発電機130は、ローラ300の回転速度が速い場合には、発電時間は短くなり、一方で、ローラ300の回転速度が遅い場合には、発電時間は長くなる。すなわち、発電機130は、コンベア200の動作に基づいて発電し、動作するコンベア200の動作量に応じて発電率が異なる。なお、発電機130は、ローラ300に備えられる構成に限定されず、コンベア200に備えられ、コンベア200の流れに応じて電力を発電する構成としてもよい。この発電機130によって発電された電力は、電力線400を介して、センサ装置100へ送られる。
【0016】
図2は、第1の実施形態に係るセンサ装置100の概略を示すブロック図である。図2に示すようにセンサ装置100は、制御部110と、記憶部120と、蓄電器140と、センサ150と、通信部160と、を含んで構成される。
【0017】
センサ装置100は、CPU(制御部110)、メモリ(記憶部120)、入出力部(センサ150、蓄電器140との接続)、通信部160を備える汎用のマイクロコンピュータとして構成してもよい。この場合、マイクロコンピュータには、センサ装置100として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされていてもよい。コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは、センサ装置100が備える複数の情報処理回路として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによってセンサ装置100が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0018】
制御部110は、記憶部120に格納されたプログラム(図示なし)に基づいて動作し、図3に示す各機能を実行する。なお、プログラムは、記憶部120に格納される形態に限定されず、例えば、センサ装置100内の、ROM等(図示なし)に記憶された構成としてもよい。
【0019】
記憶部120は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量や閾値情報をデータとして格納する。また、記憶部120は、上述の通り、制御部110において実行される各機能に対するプログラムを記憶してもよい。なお、記憶部120に格納されるセンサ情報やプログラムは、一つのストレージデバイスの中に物理的又は論理的に分けて設けられた領域として構成されていてもよい。あるいは、物理的に異なる複数のストレージデバイスに各データの記憶部120を設ける構成としてもよい。
【0020】
蓄電器140は、発電機130で発電された電力を蓄える装置である。蓄電器140は、電池やキャパシタなどによって構成される。この蓄電器140には、センサ150や通信部160を動作可能とする電力が蓄電される。上述の通り、発電機130は、コンベア200の動作に基づいて発電し、動作するコンベア200の動作量に応じて発電量が求まる。そのため、蓄電器140は、コンベア200の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベア200の動作量に応じて蓄電率が異なる。
【0021】
センサ150は、製造工程の稼働状況や製品の状態をモニタリングするセンサである。センサ150は、センシングする対象によって、カメラ、レーザー、レーダ等によって構成される。なお、このセンサ150の構成は、本実施形態の構成を限定するものではない。また、センサ装置100は、センサ150を複数備える構成であってもよい。
【0022】
通信部160は、センサ150によってセンシングしたデータを無線通信によって管理端末に送信するためのモジュールである。通信部160は、通信手順を実行する機能と、アンテナ機能によって構成される。また、通信部160で適用される通信規格は、本実施形態の構成を限定するものではなく、無線LAN(Local Area Network)、ローカル5G通信、又は独自の無線通信方式で構成されてもよい。
【0023】
(センサ装置100の機能的構成)
図3は、センサ装置100の機能的構成を示すブロック図である。制御部110は、蓄電量取得部111と、蓄電量判定部112と、センシング部113と、送信部114とを機能として備える。また、記憶部120は、蓄電量DB121及び閾値情報DB122を備える。
【0024】
蓄電量取得部111は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得し、記憶部120の蓄電量DB121に格納する。
【0025】
蓄電量判定部112は、蓄電量取得部111で取得した蓄電器140の蓄電量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。本実施形態において、所定の閾値は、あらかじめ記憶部120の閾値情報DB122に格納されているものとする。本実施形態においては、この蓄電量判定部112で判定された結果に基づいて、後述のセンシング部113によるセンシング処理及び送信部114による送信処理が行われる。
【0026】
図4A及び図4Bは、蓄電器140に蓄電された蓄電量の推移と、閾値との関係について説明するための図である。図4A及び図4Bにおいては、横軸に時間を割り当て、縦軸に蓄電器140の蓄電量を割り当てる。
【0027】
図4Aに示すように、コンベア200が動作している状態において、蓄電量は時間の経過と共に増加する。図4Aに示す例においては、時刻T11において、蓄電量が閾値を超えたと判定される。同様に図4Aに示す時刻T12、・・・、時刻T17においても同様に蓄電量が閾値を超えたと判定される。
【0028】
図4Bに示す例においては、図4Aに示す例と比べ、蓄電量の増加率が低い場合の例を示している。図4Bにおいては、時刻T21及び時刻T22において、蓄電量が閾値を超えたと判定される。これは、図4Bに示す例の場合、図4Aに示す例の場合に比べローラ300の回転率が遅く、それに伴い蓄電量の増加率が低くなっている。そのため、図4Bに示す例においては、図4Aに示す例に比べ、閾値を超える間隔も長い。
【0029】
センシング部113は、蓄電量判定部112で、センシング可能と判定された場合に、センシングを行う。具体的には、センシング部113は、蓄電量判定部112において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベアに流れる対象物に対してセンシング処理を行う。
【0030】
例えば、図4Aに示す例においては、時刻T11、時刻T12、・・・時刻T17のタイミングにおいて、センシング部113におけるセンシング処理が行われる。そのため、それぞれのタイミングで蓄電量が一時的に低下し、その後、所定の割合(増加率)で蓄電量が増加する。図4Bについても同様に時刻T21及び時刻T22のタイミングにおいて、センシング部113におけるセンシング処理が行われ、それぞれのタイミングで蓄電量が一時的に低下し、その後、所定の割合(増加率)で蓄電量が増加する。なお、図4A及び図4Bに示す例において、蓄電量の低下はセンシング部113におけるセンシング処理の他に、後述の送信処理における電力消費分も含まれる。
【0031】
送信部114は、センシング部113でセンシング処理の結果を、通信部160を介して、外部の管理端末に送信する。
【0032】
上述の通り、本実施形態における蓄電器140は、コンベアの動作に基づいて電力が蓄電される。すなわち、コンベア200の動作の動作量に対して蓄電器140への蓄電量の増加率(一定時間における増加量)が異なる。そのため、センサ装置100の蓄電量判定部112においては、コンベアの動作の動作量に基づいて、閾値以上であると判定するタイミングが異なり、それに伴いセンシング処理及び送信処理のタイミングも異なる。
【0033】
このように、本実施形態におけるセンサ装置100は、蓄電量の増加率(蓄電率)に合わせて、センシング処理及び送信処理が行われるため、少量生産、すなわちコンベアが低速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が長くなる。一方で、センサ装置100は、多量生産、すなわちコンベアが高速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が短くなる。よって、センサ装置100は、例えば製品の生産量に合わせて設定を変更することなく、生産量に適したセンシング処理及び送信処理が行われ、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能となる。
【0034】
(センサ装置100の処理フローの概略)
次に、図5に示すフローチャートを用いてセンサ装置100における処理の流れを示す。以下のフローチャートの説明において、上述のセンサシステム10及びセンサ装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0035】
ステップS501において、蓄電量取得部111は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得し、記憶部120の蓄電量DB121に格納する。その後処理はステップS502に進む。
【0036】
ステップS502において、蓄電量判定部112は、蓄電量取得部111で取得した蓄電器140の蓄電量が所定の閾値以上であるか否かを判定する。本実施形態において、所定の閾値は、あらかじめ記憶部120の閾値情報DB122に格納されているものとする。ステップS502において、蓄電量判定部112は、蓄電量取得部111で取得した蓄電器140の蓄電量が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS502:YES)には、処理はステップS503に進む。一方で、ステップS502において、蓄電量判定部112は、蓄電器140の蓄電量が所定の閾値以上でないと判定した場合(ステップS502:NO)には、処理はステップS501に戻り、ステップS501からの処理を繰り返し実施する。
【0037】
ステップS503において、センシング部113は、蓄電量判定部112で、センシング可能と判定された場合に、センシングを行う。具体的には、センシング部113は、蓄電量判定部112において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベアに流れる対象物に対してセンシング処理を行う。その後、処理はステップS504に進む。
【0038】
ステップS504において、送信部114は、センシング部113でセンシング処理の結果を、通信部160を介して、外部の管理端末に送信する。その後、処理はステップS505に進む。
【0039】
ステップS505において、制御部110は、センシング処理を終了するか否かを判定する。ここで、センシング処理の終了は、例えば、製造工程が終了しコンベアの停止した場合などにおいて、制御部110に対してその旨の指示(割り込み処理)がなされた場合などに相当する。また、このセンシング処理の終了については、あらかじめ所定の時間経過後に終了する構成としてもよい。この場合、終了のタイミングは、例えば記憶部120にあらかじめ記憶された終了のタイミングに関する情報に基づいて、制御部110が認識する構成としてもよい。
【0040】
ステップS505において、制御部110は、センシング処理を終了すると判定した場合(ステップS505:YES)には、処理は終了する。一方で、ステップS505において、制御部110は、センシング処理を終了しないと判定した場合(ステップS505:NO)には、処理はステップS501に戻り、ステップS501からの処理が繰り返し実施される。
【0041】
上述の通り、第1の実施形態に係るセンサ装置100は、コンベアに流れる製品の状態をセンシングするセンサ装置である。センサ装置100は、蓄電器140と、蓄電量取得部111と、蓄電量判定部112と、センシング部113と、送信部114とを備える。蓄電器140は、コンベアの動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベアの動作量に応じて蓄電率が異なる。蓄電量取得部111は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得する。蓄電量判定部112は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された閾値以上であるか否かを判定する。センシング部113は、蓄電量判定部112において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベアに流れる対象物に対してセンシング処理を行う。送信部114は、センシング部113におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する。
【0042】
これにより、本実施形態におけるセンサ装置100は、蓄電量の増加率(蓄電率)に合わせて、センシング処理及び送信処理が行われるため、少量生産、すなわちコンベアが低速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が長くなる。一方で、センサ装置100は、多量生産、すなわちコンベアが高速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が短くなる。よって、センサ装置100は、例えば製品の生産量に合わせて設定を変更することなく、生産量に適したセンシング処理及び送信処理が行われ、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能となる。
【0043】
(第2の実施形態)
以上の通り、具体的な実施形態を一つ説明したが、上述した実施形態は例示であって実施形態を限定するものではない。例えば、上述の実施形態では、蓄電器140の蓄電量に応じてセンシング処理を行う形態を例示した。ここではさらに、センサ装置100において、蓄電量に応じて、センシング部113及び送信部114の起動を行う第2の実施形態に係るセンサ装置100について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0044】
図6は第2の実施形態に係るセンサ装置100の機能的構成を示すブロック図である。第2の実施形態に係るセンサ装置100は、起動処理部115を備える点で第1の実施形態に係るセンサ装置100と異なる。
【0045】
第2の実施形態において、蓄電量判定部112は、上述の蓄電量が閾値以上であるか否かの判定に加え、蓄電量取得部111で取得した蓄電器140の蓄電量が、あらかじめ定められた起動電力値以上であるか否かを判定する。ここで、起動電力値は、センシング部113及び送信部114の処理において蓄電器140の電力が消費された場合であっても、その後のセンシング部113及び送信部114の処理において支障が出ない程度の電力値として定められる。すなわち、閾値と起動電力値との間の電力の値は、センシング部113及び送信部114の処理において消費される電力の値より大きい。また、起動電力値は、例えばあらかじめ記憶部120の起動電力値DB123に記憶されているものとする。
【0046】
起動処理部115は、蓄電量判定部112で、蓄電器140の蓄電量が、あらかじめ定められた起動電力値以上であると判定した場合に、センシング部113及び送信部114を起動する。すなわち、第2の実施形態において、センシング部113及び送信部114は、起動処理部115によって起動されるまで、オフ状態であるとする。この構成により、第2の実施形態に係るセンサ装置100は、蓄電器140の蓄電量が起動電力値以上になるまでセンシング部113及び送信部114を起動させないため、センシング部113及び送信部114に係る余分な電力消費を防ぐことが可能となる。
【0047】
図7は、第2の実施形態における蓄電器140に蓄電された蓄電量の推移と、閾値及び起動電力値と、の関係について説明するための図である。図7においては、図4A及び図4Bと同様に横軸に時間を割り当て、縦軸に蓄電器140の蓄電量を割り当てる。図7に示ように、第2の実施形態におけるセンサ装置100は、時刻T31において、蓄電量が起動電力値以上となり、起動処理部115は、センシング部113及び送信部114を起動する。すなわち、第2の実施形態において、センシング部113及び送信部114は、起動処理部115によって起動されるタイミングである時刻T31まで、オフ状態となる。これにより、図7に示す例において、センサ装置100は、時刻T31までの期間において、センシング部113及び送信部114に係る余分な電力消費を防ぐことが可能となる。
【0048】
次に図8に示すフローチャートを用いてセンサ装置100における処理の流れを示す。以下のフローチャートの説明において、上述の第1の実施形態に係るセンサシステム10及びセンサ装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0049】
ステップS801において、蓄電量取得部111は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得し、記憶部120の蓄電量DB121に格納する。その後処理はステップS802に進む。
【0050】
ステップS802において、蓄電量判定部112は、蓄電量取得部111で取得した蓄電器140の蓄電量が起動電力値以上であるか否かを判定する。第2の実施形態において、起動電力値は、あらかじめ記憶部120の起動電力値DB123に格納されているものとする。起動電力値は、センシング部113及び送信部114の処理において蓄電器140の電力が消費された場合であっても、その後のセンシング部113及び送信部114の処理において支障が出ない程度の電力値として定められる。すなわち、閾値と起動電力値との間の電力の値は、センシング部113及び送信部114の処理において消費される電力の値より大きい。
【0051】
ステップS802において、蓄電量判定部112は、蓄電量取得部111で取得した蓄電器140の蓄電量が起動電力値以上であると判定した場合(ステップS802:YES)には、処理はステップS803に進む。一方で、ステップS802において、蓄電量判定部112は、蓄電器140の蓄電量が起動電力値以上でないと判定した場合(ステップS802:NO)には、処理はステップS801に戻り、ステップS501からの処理を繰り返し実施する。
【0052】
ステップS803において、起動処理部115は、装置起動を行う。具体的には、起動処理部115は、センシング部113及び送信部114の起動を行う。その後処理はステップS804に進む。
【0053】
ステップS804~ステップS808の処理については、上述の図5に示すフローチャートのステップS501~ステップS505の処理と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0054】
上述の通り、第2の実施形態に係るセンサ装置100は、起動処理部115をさらに備える。起動処理部115は、蓄電器140の蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された起動電力値以上である場合に、センシング部113及び送信部114を起動させる。これにより、第2の実施形態に係るセンサ装置100においては、蓄電器140の蓄電量が起動電力値以上になるまでセンシング部113及び送信部114を起動させないため、センシング部113及び送信部114に係る余分な電力消費を防ぐことが可能となる。
【0055】
なお、上述の第2の実施形態において、センシング部113及び送信部114を起動処理部115で起動する構成を示したが、この構成は実施形態を限定するものではない。例えば、起動処理部115は、蓄電器140の蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された起動電力値以上である場合に、送信部114を起動する構成としてもよい。これにより、センサ装置100は、外部の管理端末への不要な送信処理を削減し、消費電力を抑えることが可能となる。
【0056】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0057】
上述の第2の実施形態に示す一つの構成において、起動処理部115が、蓄電器140の蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された起動電力値以上である場合に、送信部114を起動する例を示した。起動処理部115は、例えば、センシング部113のセンシング処理の結果に基づいて、結果が正常あり、センシングデータに変化がない場合には、送信部114における送信処理を抑制する構成を適用してもよい。これにより、センサ装置100は、外部の管理端末への不要な送信処理を削減し、消費電力を抑えることが可能となる。
【0058】
上述の実施形態において、センサ装置100は、コンベア(ベルト)やコロの動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベア等の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器を備える構成を示した。例えば、センサ装置100は、製品等を搬送する移動体の動作に基づいて発電された電力が蓄電される蓄電器を備え、蓄電された電力に基づいて、センシング処理及び送信処理を行う構成としてもよい。さらに、当該移動体は、センシング部113に位置検出機能を備え、センサ装置100は、位置検出機能で検出された移動体の位置が、あらかじめ設定された工程環境の場所になった場合に、送信処理を駆動する構成としてもよい。移動体に対して本実施形態に係るセンサ装置100を適用させることで、あらかじめ位置が定められたコンベアやコロとは異なり、製造現場等において、より柔軟なセンシング処理等が可能となる。また、上述の通り、移動体に位置検出機能を備えることで、センサ装置100は、より適切なタイミングで送信処理を行うことが可能となり、余分な電力消費を防ぐことが可能となる。なお、本実施形態における位置検出機能は、センシング部113に備えられる構成に限定されるものではない。例えば、蓄電器140の電力ではなく専用の電力源で動作する位置検出部を備え、センサ装置100は、位置検出部で検出された移動体の位置が、あらかじめ設定された工程環境の場所になった場合に、センシング処理及び送信処理を駆動する構成としてもよい。なお、センサ装置100が搭載される移動体は、運転者又は作業者等の人が搭乗する有人搬送車であってもよい。また、センサ装置100が搭載される移動体は、AGV(Automatic Guided Vehicle)等の無人搬送車であってもよい。例えば、センサ装置100が搭載される移動体をAGVで構成することにより、移動体が小型化され、移動体で消費される電力の削減や、製造現場等における、より柔軟なセンシング処理等が可能となる。
【0059】
また、上述したセンサ装置100における処理(センシング方法)をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム(センサプログラム)、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0060】
以下に、センサ装置100、センサシステム10、及びセンシング方法の特徴について記載する。
【0061】
第1の態様に係るセンサ装置100は、コンベア200に流れる製品等の状態をセンシングするセンサ装置である。センサ装置100は、コンベア200の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベア200の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器140を備える。また、センサ装置100は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部111を備える。また、センサ装置100は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部112を備える。また、センサ装置100は、蓄電量判定部112において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベア200に流れる対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部113を備える。さらに、センサ装置100は、センシング部113におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部114を備える。
【0062】
上記構成によれば、センサ装置100は、蓄電量の増加率(蓄電率)に合わせて、センシング処理及び送信処理が行われるため、少量生産、すなわちコンベアが低速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が長くなる。一方で、センサ装置100は、多量生産、すなわちコンベアが高速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が短くなる。よって、センサ装置100は、例えば製品の生産量に合わせて設定を変更することなく、生産量に適したセンシング処理及び送信処理が行われ、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能となる。
【0063】
第2の態様に係るセンサ装置100は、移動体に搭載された製品等の状態をセンシングするセンサ装置である。センサ装置100は、移動体の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作する移動体の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器140を備える。また、センサ装置100は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部111を備える。また、センサ装置100は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部112を備える。また、センサ装置100は、蓄電量判定部112において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、移動体に搭載された対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部113を備える。さらにセンサ装置100は、センシング部113におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部114を備える。
【0064】
上記構成によれば、センサ装置100は、製造現場等において、より柔軟なセンシング処理等が可能となる。
【0065】
第3の態様に係るセンサ装置100のセンシング部113は、移動体の位置を検出する位置検出機能を備えてもよい。また、送信部114は、位置検出機能で検出された移動体の位置が、あらかじめ定められた所定の場所である場合に、センシング部113におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信してもよい。
【0066】
上記構成によれば、センサ装置100は、より適切なタイミングで送信処理を行うことが可能となり、余分な電力消費を防ぐことが可能となる。
【0067】
第4の態様に係るセンサ装置100が搭載され処理の対象となる移動体は、無人で走行可能なAGV(Automatic Guided Vehicle)であってもよい。
【0068】
上記構成によれば、センサ装置100は、センサ装置100の処理の対象となる移動体をAGVで構成することにより、移動体が小型化され、移動体で消費される電力の削減や、製造現場等における、より柔軟なセンシング処理等が可能となる。
【0069】
第5の態様に係るセンサ装置100は、起動処理部115をさらに備えてもよい。起動処理部115は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された起動電力値以上である場合に、送信部114を起動させてもよい。
【0070】
上記構成によれば、センサ装置100は、外部の管理端末への不要な送信処理を削減し、消費電力を抑えることが可能となる。
【0071】
第6の態様に係るセンサ装置100の起動処理部115は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された起動電力値以上である場合に、センシング部113を起動させてもよい。
【0072】
上記構成によれば、センサ装置100は、蓄電器140の蓄電量が起動電力値以上になるまでセンシング部113及び送信部114を起動させないため、センシング部113及び送信部114に係る余分な電力消費を防ぐことが可能となる。
【0073】
第7の態様に係るセンサシステム10は、製品等を運搬するコンベア200と、コンベア200の動作に基づいて発電し、動作するコンベア200の動作量に応じて発電率が異なる発電機130を備える。また、センサシステム10は、発電機130で発電された電力を蓄電する蓄電器140を備える。また、センサシステム10は、蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得する蓄電量取得部111を備える。また、センサシステム10は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された閾値以上であるか否かを判定する蓄電量判定部112を備える。また、センサシステム10は、蓄電量判定部112において蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベア200に流れる対象物に対してセンシング処理を行うセンシング部113を備える。さらに、センサシステム10は、センシング部113におけるセンシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する送信部114を備える。
【0074】
上記構成によれば、センサシステム10は、蓄電量の増加率(蓄電率)に合わせて、センシング処理及び送信処理が行われるため、少量生産、すなわちコンベア200が低速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が長くなる。一方で、センサシステム10は、多量生産、すなわちコンベア200が高速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が短くなる。よって、センサシステム10は、例えば製品の生産量に合わせて設定を変更することなく、生産量に適したセンシング処理及び送信処理が行われ、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能となる。
【0075】
第8の態様に係るセンシング方法は、コンピュータによって実行されるセンシング方法である。センシング方法は、コンベア200の動作に基づいて発電された電力が蓄電され、動作するコンベア200の動作量に応じて蓄電率が異なる蓄電器140に蓄電された電力の蓄電量を取得する処理を含む。また、センシング方法は、蓄電量が、あらかじめ記憶部120に記憶された閾値以上であるか否かを判定する処理を含む。また、センシング方法は、蓄電量が閾値以上であると判定された場合に、コンベア200に流れる対象物に対してセンシング処理を行う処理を含む。さらに、センシング方法は、センシング処理の結果を外部の管理端末へ送信する処理を含む。
【0076】
上記方法によれば、センシング方法は、蓄電量の増加率(蓄電率)に合わせて、センシング処理及び送信処理が行われるため、少量生産、すなわちコンベア200が低速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が長くなる。一方で、センシング方法は、多量生産、すなわちコンベア200が高速で駆動する場合には、センシング処理及び送信処理の間隔が短くなる。よって、センシング方法は、例えば製品の生産量に合わせて設定を変更することなく、生産量に適したセンシング処理及び送信処理が行われ、製造ラインの製造状況を効率よくセンシングすることが可能となる。
【符号の説明】
【0077】
10 センサシステム
100 センサ装置
111 蓄電量取得部
112 蓄電量判定部
113 センシング部
114 送信部
115 起動処理部
121 蓄電量DB
122 閾値情報DB
130 発電機
140 蓄電器
150 センサ
160 通信部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8