(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】サイトカインをベースとした生理活性化薬剤およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61K 47/64 20170101AFI20240424BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240424BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240424BHJP
C12N 15/19 20060101ALI20240424BHJP
C12N 15/12 20060101ALI20240424BHJP
C07K 14/54 20060101ALI20240424BHJP
C07K 14/495 20060101ALI20240424BHJP
C07K 19/00 20060101ALI20240424BHJP
A61K 47/65 20170101ALI20240424BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240424BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240424BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240424BHJP
A61P 35/04 20060101ALI20240424BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240424BHJP
A61K 38/02 20060101ALI20240424BHJP
A61K 38/20 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A61K47/64
C12N15/63 Z ZNA
C12N15/62 Z
C12N15/19
C12N15/12
C07K14/54
C07K14/495
C07K19/00
A61K47/65
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P43/00 121
A61K38/02
A61K38/20
(21)【出願番号】P 2021520277
(86)(22)【出願日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 US2019038229
(87)【国際公開番号】W WO2019246392
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-15
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520500417
【氏名又は名称】キュージーン インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CUGENE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リ,ユエシェン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ,リンユン
(72)【発明者】
【氏名】ス,ジン
【審査官】三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/156178(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/158436(WO,A1)
【文献】Development of an attenuated interleukin-2 fusion protein that can be activated by tumour-expressed proteases,Immunology,2011年,Vol.133, No.2,206-220
【文献】Challenges and developing solutions for increasing the benefits of IL-2 treatment in tumor therapy,Expert Review of Clinical Immunology,2014年,Vol. 10, No.2,207-217
【文献】Fusion Proteins for Half-Life Extension of Biologics as a Strategy to Make Biobetters,BioDrugs,2015年,Vol.29, No.4,215-239
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61K 38/00-38/58
A61K 39/00-39/44
C07K 1/00-19/00
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理活性化ポリペプチド薬構築体であって、N末端からC末端方向(D1-D2-D3)に、
1)
機能部分であるD1ドメイン(「D1」)と、
2)生理活性化部分であるD2ドメイン(「D2」)と、
3)遮蔽部分であるD3ドメイン(「D3」)と、
を含み、
前記機能D1ドメインは、前記生理活性化部分を目的の治療部位にターゲティングさせる働きをするD1ドメイン、前記生理活性化部分を目的の治療部位にターゲティングさせ、D2の半減期を延長させる働きをするD1ドメイン、および前記生理活性化部分を目的の治療部位にターゲティングさせ保持する働きをするD1ドメインからなる群から選択され、
D3は、目的の治療部位で活性化されるまでD2の機能活性を遮蔽することが可能で
あり、
前記D1が、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号156、および配列番号166~168に記載のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFcドメインであり、
前記D2が、配列番号2、3に記載のアミノ酸配列を有するIL-15ポリペプチドであり、
前記D3が、IL-15に対するコグネイト受容体/結合パートナー(またはそのバリアント)であり、配列番号4に記載のアミノ酸配列または任意のその機能性断片を含む、または、配列番号5に記載のアミノ酸配列を含む、
生理活性化ポリペプチド薬構築体。
【請求項2】
生理活性化ポリペプチド薬構築体であって、N末端からC末端方向(D1-D2-D3)に、
1)機能部分であるD1ドメイン(「D1」)と、
2)生理活性化部分であるD2ドメイン(「D2」)と、
3)遮蔽部分であるD3ドメイン(「D3」)と、
を含み、
前記機能D1ドメインは、前記生理活性化部分を目的の治療部位にターゲティングさせる働きをするD1ドメイン、前記生理活性化部分を目的の治療部位にターゲティングさせ、D2の半減期を延長させる働きをするD1ドメイン、および前記生理活性化部分を目的の治療部位にターゲティングさせ保持する働きをするD1ドメインからなる群から選択され、
D3は、目的の治療部位で活性化されるまでD2の機能活性を遮蔽することが可能であり、
前記D1が、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号156、および配列番号166~168に記載のアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するFcドメインであり、
前記D2が、配列番号8に記載のアミノ酸配列を有するIL-2ポリペプチド、または、配列番号8の19位、20位、38位、41位、42位、44位、88位、107位、125位、または126位における1または複数のアミノ酸置換または欠失を含むポリペプチドの群から選択されるIL-2バリアントポリペプチドであり、
前記D3が、IL-2に対するコグネイト受容体/結合パートナー(またはそのバリアント)であり、配列番号10に記載のアミノ酸配列または任意のその機能性断片を含む、または、配列番号9に記載のアミノ酸配列を含む、
生理活性化ポリペプチド薬構築体。
【請求項3】
プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカー、および切断不可なペプチドリンカーからなる群から選択されるペプチドリンカー(「L1」)によって、D2がD1に取り付けられている、請求項1~
2のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項4】
プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーが、配列番号71~96および配列番号157~161に記載の各配列からなる群から選択される、請求項
3に記載の構築体。
【請求項5】
切断不可なペプチドリンカーが、配列番号107~127に記載の各配列からなる群から選択される、請求項
3に記載の構築体。
【請求項6】
プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカー、および切断不可なペプチドリンカーからなる群から選択されるペプチドリンカー(「L2」)によって、D2がD3に取り付けられている、請求項1~
5のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項7】
プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーが、配列番号71~96および配列番号157~161に記載の各配列からなる群から選択される、請求項
6に記載の構築体。
【請求項8】
切断不可なペプチドリンカーが、配列番号107~127に記載の各配列からなる群から選択される、請求項
6に記載の構築体。
【請求項9】
L1およびL2の両方が、プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーである、請求項1~
8のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項10】
L1およびL2の両方が、切断不可なペプチドリンカーである、請求項1~
8のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項11】
L1がプロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーであり、L2が切断不可なペプチドリンカーである、請求項1~
8のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項12】
L1が切断不可なペプチドリンカーであり、L2がプロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーである、請求項1~
8のいずれか一項に記載の構築体。
【請求項13】
配列番号25~43、162~165、および169~174に記載のアミノ酸配列を含む構築体の群から選択される、請求項1に記載の構築体。
【請求項14】
配列番号49~65、150~155、および179に記載のアミノ酸配列を含む構築体の群から選択される、請求項2に記載の構築体。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか一項に記載の構築体を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む、医薬組成物
であって、前記医薬組成物が、対象におけるがんまたはがん転移の治療のためのものであり、前記がんが、膵がん、胃がん、肝臓がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、黒色腫、白血病、骨髄異形成症候群、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、頭頸部がん、および横紋筋肉腫からなる群から選択される、医薬組成物。
【請求項16】
前記治療が、対象におけるがんまたはがん転移を治療することが可能な第二の治療薬または治療方法をさらに含む、請求項
15に記載の
医薬組成物。
【請求項17】
請求項1~
14のいずれか一項に記載の
生理活性化ポリペプチド薬構築体をコードする核酸分子。
【請求項18】
請求項
17に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
【請求項19】
請求項
18に記載の発現ベクタ
ーを含む、宿主細胞。
【請求項20】
請求項1~
14のいずれか一項に記載の生理活性化ポリペプチド薬構築体の製造方法であって、生理活性化ポリペプチド薬構築体の発現を促進する条件下で請求項
19に記載の宿主細胞を培養することと、生理活性化ポリペプチド薬構築体タンパク質を回収することと、を含む
、製造方法。
【請求項21】
請求項
20に記載の方法によって製造される、単離された生理活性化ポリペプチド薬構築体タンパク質。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願
本出願は2018年6月22日に出願された米国仮出願第62/689,053号の利益を主張するものであり、当該仮特許出願の全内容は参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
疾患治療用の候補治療薬として、多くのサイトカインの評価が行われてきた。しかし、サイトカインによる身体免疫系への全身的な過剰刺激または過剰抑制が、その開発と臨床的有用性の著しい障害となっている。
【0003】
インターロイキン-2(IL-2)およびインターロイキン-15(IL-15)は、共通の受容体成分(γcおよびIL-2Rβ)とシグナル経路を共有しており、いくつかの類似した機能を有する。両サイトカインが、T細胞の増殖を刺激し;細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の産生を刺激し;B細胞の増殖と、B細胞による免疫グロブリンの合成を促進し;ナチュラルキラー(NK)細胞の産生および残存を誘導する。非常に多くの前臨床試験、さらには複数の臨床的評価から、両サイトカインは、がん、自己免疫障害、炎症性障害、移植、および種々の他の障害において、潜在的価値のある治療薬と見なされている。転移性腎細胞癌患者および悪性黒色腫患者において、組換えIL-2の使用が承認されている。IL-15については、いくつかの腫瘍学臨床試験が進行中であるが、使用が承認されたものは未だない。さらに、IL-2およびIL-15は共に、第3の、ユニークな、非シグナル伝達性の受容体αサブユニットとして、それぞれIL-2Rα(別名CD25)またはIL-15Rαを有しているが、これらが、IL-2およびIL-15の別個の受容体特異性および生物学的機能に寄与しているのかもしれない。
【0004】
組換えヒトIL-2は転移性黒色腫および腎がんに使用されている効果の高い免疫療法であり、およそ10%の患者で持続的な反応が見られる。しかし、半減期が短く、毒性が強いことで、IL-2の最適用量は制限を受けている。さらに、IL-2は、そのヘテロ三量体型受容体のIL-2Rαβγに対して、より大きな親和性で結合するため、高レベルのIL-2Rαを恒常的に発現している免疫抑制的な制御性T細胞(Treg)の優先的な増殖が起こる。Tregの増殖はがん免疫療法にとってのIL-2の望ましくない効果となり得る。しかし、低用量でもTreg細胞を刺激できるIL-2の能力は、自己免疫性の慢性炎症性障害の治療で利用できる可能性があった。さらに最近になって、細胞傷害性のエフェクターT細胞またはTreg細胞のどちらかを選択的に刺激するよう、IL-2を改変できることが分かった。様々なアプローチから、改善された選択的な免疫調節活性を有するIL-2バリアントが生成されるに至った。
【0005】
IL-2とIL-15は共に免疫エフェクター細胞の強力なアゴニストであるため、細胞傷害性の免疫細胞が患部またはその近傍でのみ完全に活性化されること、例えば、がん部位またはその近傍でのみ完全に活性化されて、腫瘍細胞がごく特異的に破壊されること;あるいは、炎症性の問題を有する部位(inflammatory issue site)またはその近傍でのみ完全に活性化されて、抗自己免疫性慢性炎症性障害としてのみ働くこと、が重要となる。全てのサイトカイン、ケモカイン、および増殖因子について、標的に対する特異性および選択性を改善し、健常な細胞および組織をそのままの未損傷な状態に残すことは、大きな関心事である。
【発明の概要】
【0006】
一つの態様において、本発明は、全身性機構(systemic mechanism)に基づいた毒性を低減し、がん、自己免疫障害、炎症性障害、および種々の他の障害の治療における、IL-15およびIL-2などのサイトカイン、ケモカイン、ホルモン、および増殖因子の、治療的有用性を広げることを目的とした、サイトカインをベースとした生理活性化薬剤(「VitoKine」)のプラットフォームを提供する。このVitoKineプラットフォームは、
図1に示された構築体と、
図2に示された、提唱された活性化法とにより規定される。
図1を参照すると、本発明の新規VitoKine構築体は以下の3つのドメインを含んでいる:1)組織標的ドメイン;半減期延長ドメイン;または二重機能性部分ドメインからなる群から選択されるD1ドメイン(「D1」)、2)「活性部分ドメイン」であるD2ドメイン(「D2」)、および3)「遮蔽部分ドメイン」であるD3ドメイン(「D3」)。重要なこととして、VitoKine構築体のD2ドメインは患部組織で発現上昇しているプロテアーゼによって、または患部での加水分解によって、局所的な活性化を受けるまで、ほぼ不活性または最低限の活性を維持するため、当該活性部分が周辺の、または患部以外の細胞もしくは正常な組織の細胞表面上の受容体に結合することが制限されることで、その経路の過剰な活性化が抑制され、好ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性や望ましくない標的シンクが低減される。
【0007】
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、腫瘍関連抗原(TAA)、または組織特異抗原、細胞表面分子もしくは細胞外マトリックスタンパク質、またはプロテアーゼ、または任意の翻訳後修飾残基、に結合する抗体または抗体断片などの、ターゲティング部分であるD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、患部細胞または患部組織に対して結合親和性を示すタンパク質またはペプチドなどの、ターゲティング部分であるD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、患部細胞または患部組織上で発現されているC型レクチン受容体などの特定の受容体に対して結合親和性を示す、グリカン修飾タンパク質またはグリカン修飾ペプチドなどの、修飾を受けたタンパク質またはペプチドであるD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、免疫チェックポイント修飾因子に対する抗体であるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、組織部位にサイトカインを滞留させる機能を有するD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、組織ターゲティングおよび組織滞留など、二機能性であるD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、ポリマーであるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、半減期延長部分であるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、Fcドメイン(またはその機能性断片)であるD1ドメインを含む。
【0008】
「Fcドメイン」とは、ヒンジ領域の全体または一部を通常含む、2つのFcドメイン単量体からなる二量体を指す。種々の実施形態において、Fcドメインは、ヒトIgG1のFcドメイン、ヒトIgG2のFcドメイン、ヒトIgG3のFcドメイン、ヒトIgG4のFcドメイン、IgAのFcドメイン、IgDのFcドメイン、IgEのFcドメイン、IgGのFcドメイン、およびIgMのFcドメインからなる群から選択されるか、またはこれらの任意の組み合わせである。種々の実施形態において、Fcドメインは、補体結合特性またはFc受容体結合特性が変化したFcドメインをもたらすアミノ酸変化を含む。補体結合特性またはFc受容体結合特性が変化したFcドメインをもたらすことが知られているアミノ酸変化は、当該技術分野において公知である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、配列番号13に記載のヒトIgG1-Fcドメイン配列である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換を含む、配列番号14に記載の配列である。種々の実施形態において、Fcドメインは、生体内半減期のさらなる延長をもたらすアミノ酸変化を含む。半減期がさらに延長されたFcドメインをもたらすことが知られているアミノ酸変化は、当該技術分野において公知である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、FcγRの結合やC1qの結合を断ち、生体内半減期を延長させるアミノ酸置換を含む、配列番号156または配列番号166に記載の配列である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、配列番号15に記載のKnob-Fcドメイン配列由来である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、配列番号16に記載のHole-Fcドメイン配列由来である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、配列番号167に記載の、生体内半減期が延長されたKnob-Fcドメイン配列由来である。種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、配列番号168に記載の、生体内半減期(in vivo half)が延長されたHole-Fcドメイン配列由来である。
【0009】
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、タンパク質であるD2ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-9、IL-10、IL-12、IL-15、IL-23、およびトランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)スーパーファミリーのリガンド、例えばTGFβ(配列番号24)、を含むがこれらに限定はされない群から選択される、サイトカインであるD2ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-15であるD2ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-15ポリペプチドに1または複数のアミノ酸置換、アミノ酸欠失、またはアミノ酸挿入を含むIL-15バリアント(または変異体)である、D2ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-2であるD2ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-2ポリペプチドに1または複数のアミノ酸置換、アミノ酸欠失、またはアミノ酸挿入を含むIL-2バリアント(または変異体)である、D2ドメインを含む。
【0010】
種々の実施形態において、VitoKine構築体のD2ドメインは、配列番号2に記載の成熟ヒトIL-15ポリペプチド(以下、huIL-15またはIL-15野生型(wt)とも称する)の配列を含む、IL-15ドメインである。種々の実施形態において、IL-15ドメインは、配列番号2に記載の成熟ヒトIL-15ポリペプチドの配列に由来する配列を含むIL-15バリアント(または変異体)となるであろう。種々の実施形態において、IL-15ドメインは、配列番号2と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列相同性を有する配列を含むIL-15バリアント(または変異体)となるであろう。IL-15のバリアント(または変異体)は、元のアミノ酸、成熟配列内での上記元のアミノ酸の位置、およびバリアント型のアミノ酸、を用いて呼称される。例えば、huIL-15「S58D」は、配列番号2の58位にSからDへの置換を含むヒトIL-15を表す。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、ネイティブIL-15ポリペプチドと比較した場合のIL-15Rβγc受容体に対する結合活性の増加などから示されるような、IL-15アゴニストとしての機能を有する。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、ネイティブIL-15ポリペプチドと比較した場合に、IL-15Rβγc受容体に対する結合活性が減少していること、またはIL-15Rβγc受容体に対する結合活性は類似もしくは増加しているがシグナル伝達活性は減少もしくは消失していることなどから示されるような、IL-15アンタゴニストとしての機能を有する。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、ネイティブIL-15ポリペプチドと比較して、IL-15Rβγc受容体に対し、結合親和性が増加しているか、または結合活性が減少している。種々の実施形態において、IL-15バリアントの配列は、ネイティブIL-15配列と比較して、少なくとも1つ(すなわち、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれ以上)のアミノ酸変化を有する。アミノ酸変化としては、IL-15Rβおよび/またはIL-15Rβγcと相互作用するIL-15のドメインなどの、IL-15ポリペプチドに、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、およびアミノ酸挿入のうちの1または複数を含ませることができる。種々の実施形態において、アミノ酸変化は、配列番号2の30位、31位、32位、58位、62位、63位、67位、68位、または108位における、1または複数のアミノ酸置換またはアミノ酸欠失である。種々の実施形態において、アミノ酸変化は、成熟ヒトIL-15配列の、30位のDからTへの置換、31位のVからYへの置換、32位のHからEへの置換、58位のSからDへの置換、61位のTからDへの置換、63位のVからFへの置換、67位のIからVへの置換、68位のIからFもしくはHもしくはDもしくはKへの置換、108位のQからAもしくはMもしくはSへの置換、またはこれらの置換の任意の組み合わせである。種々の実施形態において、アミノ酸変化は成熟ヒトIL-15配列の58位におけるSからDへの置換である。種々の実施形態において、IL-15ポリペプチドは、配列番号3のIL-15バリアントを含む。種々の実施形態において、IL-15ドメインは、アミノ酸置換、アミノ酸欠失、およびアミノ酸挿入の任意の組み合わせを有する。
【0011】
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体のD2ドメインは、IL-2ポリペプチドを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、1または複数のアミノ酸置換、アミノ酸欠失、またはアミノ酸挿入を含むIL-2バリアント(または変異体)である、D2ドメインを含む。種々の実施形態において、VitoKine構築体は、IL-2ドメインが配列番号8に記載の成熟ヒトIL-2ポリペプチド(以下、huIL-2またはIL-2野生型(wt)とも称する の配列を含む、D2ドメインを含む。種々の実施形態において、IL-2ドメインは、配列番号8に記載の成熟ヒトIL-2ポリペプチドの配列に由来する配列を含むIL-2バリアント(または変異体)となるであろう。種々の実施形態において、IL-2ドメインは、配列番号8と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の配列相同性を有する配列を含むIL-2バリアント(または変異体)となるであろう。種々の実施形態において、IL-2バリアントはIL-2アゴニストとしての機能を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントはIL-2アンタゴニストとしての機能を有する。種々の実施形態において、アミノ酸変化は、配列番号8の19位、20位、38位、41位、42位、44位、88位、107位、125位、または126位における、1または複数のアミノ酸置換である。種々の実施形態において、アミノ酸変化は、成熟ヒトIL-2配列の、19位のLからDもしくはHもしくはNもしくはPもしくはQもしくはRもしくはSもしくはYへの置換、20位のDからEもしくはIもしくはNもしくはQもしくはSもしくはTもしくはYへの置換、38位のRからEもしくはAへの置換、41位のTからAもしくはGもしくはVへの置換、42位のFからAへの置換、44位のFからGもしくはVへの置換、88位のNからD、EもしくはGもしくはIもしくはMもしくはQもしくはTもしくはRへの置換、107位のYからGもしくはHもしくはLもしくはVへの置換、125位のSからE、H、K、I、もしくはWへの置換、126位のQからDもしくはEもしくはKもしくはLもしくはMもしくはNへの置換、またはこれらの置換の任意の組み合わせである。
【0012】
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、D2のタンパク質またはサイトカインに対するコグネイト受容体/結合パートナー、または同定されている任意の結合パートナーである、「遮蔽部分ドメイン」(D3)を含む。種々の実施形態において、D3ドメインは、D2ドメインに対するコグネイト受容体/結合パートナーのバリアントである。種々の実施形態において、D3ドメインは、野生型コグネイト受容体/結合パートナーと比較して、D2ドメインに対する結合性が増強されている。種々の実施形態において、D3ドメインは、野生型コグネイト受容体/結合パートナーと比較して、D2ドメインに対する結合性が減少または消失している。種々の実施形態において、D3ドメインは、D2の活性を遮蔽することができる、タンパク質、またはペプチド、または抗体、または抗体断片である。種々の実施形態において、D3ドメインは、DNA、RNA断片、またはPEGなどのポリマーである。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-15Rα細胞外ドメインまたはその機能性断片であるD3ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-15RαSushiドメインであるD3ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-2Rα細胞外ドメインまたはその機能性断片であるD3ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-2RαSushiドメインであるD3ドメインを含む。種々の実施形態において、D3ドメインは、目的の治療部位で活性化を受けるまで、D2の機能活性を遮蔽することが可能である。
【0013】
種々の実施形態において、VitoKine構築体のD1、D2、およびD3ドメインは、プロテアーゼ切断可能なポリペプチドリンカー配列で連結されている。種々の実施形態において、VitoKine構築体のD1、D2、およびD3ドメインは、切断が不可なポリペプチドリンカー配列で連結されている。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体のL1およびL2は共に、プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーである。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体のL1は、プロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーであり、L2は切断不可なペプチドリンカーである。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体のL1は、切断不可なペプチドリンカーであり、L2はプロテアーゼ切断可能なペプチドリンカーである。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体のL1およびL2は共に、切断不可なリンカーである。種々の実施形態において、リンカーは、G/S含量が豊富である(例えば、リンカー内の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%、またはそれ以上のアミノ酸がGまたはSである。各々のペプチドリンカー配列は独立して選択できる。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーは、配列番号71~96および配列番号157~161に記載の配列の群から選択される。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーには、切断可能なリンカーのN末端、または切断可能なリンカーのC末端、または切断可能なリンカーの両末端に、長さ可変の追加のペプチドスペーサーを持たせることができる。種々の実施形態において、切断不可なリンカーは、配列番号107~127に記載の配列の群から選択される。種々の実施形態において、リンカーは、柔軟または剛直であり、種々の長さを有する。
【0014】
種々の実施形態において、VitoKine構築体のD2ドメインおよびD3ドメインは、
図1に示されるように、D1ドメインのN末端に配置される。種々の実施形態において、VitoKine構築体のD2ドメインおよびD3ドメインは、
図1に示されるように、D1ドメインのC末端に配置される。
【0015】
種々の実施形態において、VitoKine構築体のD1ドメイン、D2ドメイン、およびD3ドメインは、単量体であってもよく、二量体であってもよく、あるいは、D1が二量体であり、D2およびD3が単量体であるなどの、二量体および単量体の組み合わせであってもよい。
【0016】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。1つの実施形態において、対象はヒト対象である。種々の実施形態において、がんは、膵がん、胃がん、肝臓がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、黒色腫、白血病、骨髄異形成症候群、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、頭頸部がん、横紋筋肉腫、または任意のがんから選択される。
【0017】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法において、治療有効量の本発明の医薬組成物を、以下からなる群から選択される第2の治療方法と組み合わせて投与することを含む、上記方法を提供する:細胞障害性化学療法、免疫療法、小分子キナーゼ阻害剤標的療法、外科手術、放射線療法、幹細胞移植、CAR-T、CAR-NK、iPS誘導CAR-TまたはiPS誘導CAR-NKを含む細胞療法、およびカルメット・ゲラン桿菌(BCG)などのワクチン。種々の実施形態において、併用療法は、治療有効量の免疫療法を対象に投与することを含み得るが、免疫療法としては、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体(depleting antibody)を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CTLA-4、PD-1、PD-L1、CD40、OX-40、CD137、GITR、LAG3、TIM-3、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTAなどの共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL-12、IL-21、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、およびIFN-γなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチンまたは腫瘍抗原ペプチドワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療;CAR-NK細胞を用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖された且つ/またはTCRトランスジェニックのT細胞)を用いた治療;TALL-104細胞を用いた治療;Toll様受容体(TLR)アゴニストのCpGおよびイミキモドなどの免疫刺激剤を用いた治療;並びに、BCGなどのワクチンを用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず;上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、VitoKine構築体と免疫療法との間には相乗作用が存在する。
【0018】
別の態様において、本開示は、対象におけるウイルス感染症を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。1つの実施形態において、上記対象はヒト対象である。種々の実施形態において、上記ウイルスはHIVである。
【0019】
別の態様において、本開示は、対象におけるウイルス感染症を治療するための方法において、アシクロビル、エプクルーサ、マヴィレット、ジドブジン、およびエンフビルチドを含むがこれらに限定はされない第二の治療方法と組み合わせて、治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。
【0020】
別の態様において、本開示は、対象における自己免疫疾患を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。1つの実施形態において、上記対象はヒト対象である。種々の実施形態において、自己免疫疾患は全身性エリテマトーデス(SLE)、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、グレーブス病、シェーグレン病、皮膚筋炎、橋本病、多発性筋炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症(MS)、真性糖尿病、関節リウマチ、および強皮症からなる群から選択される。
【0021】
別の態様において、本開示は、対象における炎症性疾患を治療するための方法において、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。1つの実施形態において、上記対象はヒト対象である。種々の実施形態において、炎症性疾患は、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット症候群、および分類不能大腸炎からなる群から選択される。
【0022】
種々の実施形態において、炎症性疾患は、アカラシア、成人スティル病、無ガンマグロブリン血症、アミロイドーシス、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性脳脊髄炎、自己免疫性内耳疾患、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性睾丸炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性蕁麻疹、軸索およびニューロンの神経障害、バロー病、ベーチェット病、良性粘膜類天疱瘡、キャッスルマン病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、慢性再発性多発性骨髄炎、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡、コーガン症候群、コクサッキー心筋炎、クレスト症候群、疱疹状皮膚炎、デビック病/視神経脊髄炎、円板状ループス、ドレスラー症候群、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、本態性混合型クリオグロブリン血症、線維化肺胞炎、巨細胞性動脈炎、巨細胞性心筋炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、妊娠性疱疹または妊娠性類天疱瘡、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫に関連した有害事象、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性(Juvenie)筋炎、ランバート・イートン症候群、白血球破壊性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬(Lichen Sclerosis)、木質結膜炎、線状IgA病、慢性ライム病(Lyme Disease Chronic)、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎(Microscopic Polyangitis)、混合結合組織病、モーレン潰瘍、ムッハ・ハーベルマン病、多巣性運動ニューロパチー、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS、傍腫瘍性小脳変性症、パリー・ロンベルク症候群、毛様体扁平部炎、パーソネージ・ターナー症候群、静脈周囲性脳脊髄炎、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、多腺性症候群(polyglandular syndrome)、リウマチ性多発筋痛、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、原発性硬化性胆管炎(Primary Sclerosis Cholangitis)、プロゲステロン皮膚炎(Progesterone Dematitis)、乾癬性関節炎、赤芽球癆、壊疽性膿皮症、レイノー現象(Reynaud’s Phenomenon)、反射性交感神経性ジストロフィー、再発性多発性軟骨炎、後腹膜線維症、強膜炎、精子・精巣自己免疫、全身硬直症候群、亜急性細菌性心内膜炎、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、血小板減少性紫斑病、トローザ・ハント症候群、横断性脊髄炎(Transverse Myeltitis)、未分化結合組織病、フォークト・小柳・原田病などの他の自己免疫性炎症性疾患からなる群から選択される。
【0023】
別の態様において、本開示は、がん治療用の医薬を調製するためのVitoKine構築体の使用を提供する。
【0024】
別の態様において、本開示は、ウイルス感染症治療用の医薬を調製するためのVitoKine構築体の使用を提供する。
【0025】
別の態様において、本開示は、自己免疫疾患治療用の医薬を調製するためのVitoKine構築体の使用を提供する。
【0026】
別の態様において、本開示は、炎症治療用の医薬を調製するためのVitoKine構築体の使用を提供する。
【0027】
別の態様において、本開示は、がん、ウイルス感染症、自己免疫疾患、または炎症を治療することが可能な第二の治療薬または細胞治療と組み合わせた、本発明のVitoKine構築体の使用を提供する。
【0028】
別の態様において、本開示は、本開示のVitoKine構築体をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。別の態様において、本開示は、本明細書に記載の核酸を含むベクターを提供する。種々の実施形態において、上記のベクターは発現ベクターである。別の態様において、本開示は、本開示の核酸を含む単離された細胞を提供する。種々の実施形態において、上記の細胞は、本開示の発現ベクターを含む宿主細胞である。別の態様において、上記のタンパク質またはポリペプチドの発現を促進する条件下で上記の宿主細胞を培養することによる、VitoKine構築体の作製方法が提供される。
【0029】
別の態様において、本開示は、単離されたVitoKine構築体を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む、医薬組成物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明のVitoKine構築体の代表的な型を示している。
【
図2】
図2は、提唱されたVitoKine構築体活性化メカニズムを示している。例示的なVitoKineは、2種のプロテアーゼ切断可能なリンカーを含み;L1リンカーの切断により起こるプロテアーゼ1の活性化は活性型1をもたらし;L2リンカーの切断により起こるプロテアーゼ2の活性化は第2活性型をもたらし;L1リンカーおよびL2リンカーの切断により起こる両方のプロテアーゼによる活性化は活性型3をもたらす。
【
図3】
図3は、プロテインA精製後の例示的なIL-15 VitoKine P-0315の、A)還元剤の非存在下および存在下のSDS-PAGE、B)サイズ排除クロマトグラム、のタンパク質プロファイルを示している。
【
図4】
図4は、高活性IL-15融合タンパク質P-0198と比較した、IL-15 VitoKine P-0172の結合性および機能活性を示している。(A)ELISAアッセイで測定されたIL-2Rβに対する結合活性;(B~C)FACS分析による新鮮ヒトPBMCのヒトCD8+T細胞上(B)およびNK細胞上(C)のCD69発現の誘導。
【
図5】
図5は、高活性IL-15融合タンパク質P-0166と比較した、単量体Fc IL-15 VitoKine P-0170の機能活性を示している。新鮮ヒトPBMCのヒトCD8+T細胞上のCD69発現の誘導はFACSで測定と解析を行った。
【
図6】
図6は、高活性IL-15/IL-15Rα-Fc融合タンパク質P-0165と比較した、リンカー長が異なる例示的なVitoKine構築体(P-0204、P-0205、およびP-0206)による、ヒトPBMCのA)CD8
+T細胞上、およびB)NK(CD56+)細胞上のCD69発現の誘導を示している。
【
図7】
図7は、完全活性(fully active)IL-15/IL-15Rα-Fc融合タンパク質のP-0207およびP-0217と比較した、異なるL1リンカーおよびL2リンカーを有する例示的なVitoKine構築体(P-0202、P-0203、およびP-0204)による、ヒトPBMCにおけるNK(CD56+)細胞の増殖を示している。
【
図8】
図8は、IL-15/IL-15Rα-Fc融合タンパク質P-0156と比較して、FACSで測定された、L2リンカー配列組成が異なる例示的なFc IL-15 VitoKine構築体(P-0351、P-0488、およびP-0489)による、ヒトPBMCにおけるA)NK(CD56+)細胞、およびB)CD8
+T細胞の増殖を示している。
【
図9】
図9は、様々な量のMMP-2を用いたFc IL-15 VitoKine P-0315のタンパク質分解の、SDS-PAGE分析を示している。
【
図10】
図10は、完全な切断に適した反応条件を求めるための、異なる条件下でuPAを用いたFc IL-15 VitoKine P-0203のタンパク質分解の、SDS-PAGE分析を示している。
【
図11】
図11は、A)uPAによるタンパク質分解前後のFc IL-15 VitoKine P-0203のSDS-PAGE分析を示している。B)uPA消化とプロテインA精製による切断型Fc断片除去後の、活性型VitoKine P-0203のタンパク質プロファイル。
【
図12】
図12は、A)MMP-2によるタンパク質分解前後のFc IL-15 VitoKine P-0315のSDS-PAGE分析を示している。ゲルは、MMP-2消化とプロテインA精製を受けたP-0315のプロファイル;B)MMP-2消化後のプロテインA精製から得られたVitoKine P-0315の第2活性型のタンパク質プロファイル;C)MMP-2およびuPAの両方による二重タンパク質分解後のフロースルーモードでのプロテインA精製から得られた、VitoKine P-0315の第3活性型のタンパク質プロファイルも示している。
【
図13】
図13は、A)CD56+NK細胞上およびB)CD8+T細胞上の活性化マーカーCD69の誘導を分析することによる、プロテアーゼ(uPA)によって活性化されたFc IL-15 VitoKine P-0203の活性評価を示している。高活性IL-15融合タンパク質であるP-0165を陽性対照として含めた。
【
図14】
図14は、A)CD56+NK細胞上およびB)CD8+T細胞上の活性化マーカーCD69の誘導を分析することによる、2つの形態のプロテアーゼ活性化Fc IL-15 VitoKine P-0315の活性評価を示している。P-0315の第2活性型はMMP-2消化から得て、P-0315の第3活性型はMMP-2およびuPAの両方による二重タンパク質分解から得た。P-0315の第2活性型と構造的に類似した高活性IL-15融合タンパク質であるP-0313を、陽性対照として含めた。
【
図15】
図15は、A)CD56+NK細胞上およびB)CD8+T細胞上の増殖マーカーKi67の誘導を分析することによる、MMP-2活性化IL-15 VitoKine P-0315(第2活性型)の活性評価を示している。切断不可なL1リンカーおよびL2リンカーの両方を含み、P-0315と同じL2リンカー長を共有するP-0351を、比較用に含めた。
【
図16】
図16は、Balb/Cマウスにおける単回注射後の、末梢血中のCD8+T細胞(A)、NK細胞(B)、および白血球(C)の増殖に対する、切断可能なFc IL-15 VitoKine P-0315、切断不可なFc IL-15 VitoKine P-0351の用量依存的および時間依存的な効果を示している。完全活性型IL-15 Fc融合体のP-0313は比較用に含めた。-1日目、3日目、5日目、および7日目に血液を採取し、FACS分析でリンパ球表現型検査を行った。データは平均値±SEMとして表されている。統計解析として、2元配置分散分析と、その後にテューキーの事後検定を行った。各時点のPBS群との比較で、
****p<0.0001、
***p<0.001、
*p<0.05。
【
図17】
図17は、P-0315、P-0351、P-0313、またはPBS対照を5日おきに4回投与した1日後の、マウスCT26肺転移モデルにおける肺転移性結節の阻害を示している。CT26細胞注射の1日後に最初の投与を開始した。特に記載がない限り全ての比較はPBS群に対する比較である;
****p<0.0001;
**p<0.01;
*p<0.05。
【
図18】
図18は、CT26転移マウスの総血中リンパ球中の、A)CD8+T細胞の割合(%)およびB)NK細胞の割合(%)を示している。P-0315、P-0351、P-0313、またはPBS対照の腹腔内注射を5日おきに3回行ってから4日後に、フローサイトメトリーで細胞数を求めた。全ての比較はPBS群に対する比較である;
****p<0.0001;
**p<0.01;
*p<0.05。
【
図19】
図19は、樹立されたCT26マウス大腸癌腫瘍モデルにおける、完全活性型IL-15-Fc融合体P-0313と比較した、Fc IL-15 VitoKine P-0315の抗腫瘍活性を示している。A)PBS溶媒群、B)0.1mg/kg P-0315群、またはC)0.1mg/kg P-0313群について、処置を5日おきに2回行った後の個々のマウスにおけるCT26皮下腫瘍の成長曲線を示した。(D)各処置群の経時的な平均腫瘍体積±SEM。全ての比較は溶媒処置に対する比較である;n=11/群;
****P<0.0001。
【
図20】
図20は、CT26マウス大腸癌腫瘍モデルにおけるVitoKine P-0315または高活性IL-15-Fc融合体P-0313処置後のマウス末梢血の免疫薬力学的プロファイリング(immuno-pharmacodynamic profiling)を示している。腫瘍移植の11日後から開始して、処置を5日おきに2回行った後に、19日目のA)NK細胞およびB)CD8+T細胞における増殖マーカーKi67の増加率を、フローサイトメトリーにより求めた。
****PBSとの比較でP<0.0001。
【
図21】
図21は、CT26マウス大腸癌腫瘍モデルにおけるP-0315またはP-0313処置後のマウス末梢血の免疫薬力学的プロファイリングを示している。腫瘍移植の11日後から開始して、処置を5日おきに2回行った後に、19日目の循環血(全血1μl当たり)中のA)総白血球、B)NK細胞、およびC)CD8+T細胞の数の増加を、フローサイトメトリーにより求めた。
****PBSとの比較でP<0.0001。
【
図22】
図22は、CT26マウス大腸癌腫瘍モデルにおけるP-0315またはP-0313処置後の脾臓の免疫薬力学的プロファイリングを示している。腫瘍移植の11日後から開始して、処置を5日おきに2回行った後に、19日目の脾臓中のA)総白血球、B)NK細胞、およびC)CD8+T細胞の数の増加を、フローサイトメトリーにより求めた。PBSとの比較で、
****P<0.0001、
*P<0.05。
【
図23】
図23は、A)CD56+NK細胞上およびB)CD8+T細胞上の増殖マーカーKi67の誘導を分析することによる、切断不可Fc IL-15 VitoKine P-0351と基準との活性比較を示している。
【
図24】
図24は、プロテインA精製後の例示的なIL-2 VitoKine P-0320の、A)還元剤の非存在下および存在下でのSDS-PAGE、およびB)サイズ排除クロマトグラム、のタンパク質プロファイルを示している。
【
図25】
図25は、新鮮ヒトPBMC中のA)CD4陽性Foxp3陽性/CD25高発現のTregおよびB)CD4陽性Foxp3陰性/D25低発現のCD4通常T細胞サブセットにおけるpStat5レベルを分析することによる、2種類のFc IL-2 VitoKine、P-0320(IL-2がFcのC末端に融合している)およびP-0329(IL-2がFcのN末端に融合している)の活性評価を示している。高活性のIL-2-Fc融合タンパク質であるP-0250を陽性対照として含めた。
【
図26】
図26は、プロテアーゼ切断後にD2からD3が遊離し拡散することが好ましい場合の、
図2の図示からの、VitoKine活性化機構の変形例を示している。
【
図27】
図27は、A)IL-2 VitoKine P-0382と、MMP-2消化後のNi-Excel精製によるその活性化との、SDS-PAGE分析を示している。B)結合/溶出モードでプロテインAにより精製されたMMP-2活性化P-0382のタンパク質プロファイル。
【
図28】
図28は、新鮮ヒトPBMC中のA)CD4陽性Foxp3陽性/CD25高発現のTregおよびB)CD4陽性Foxp3陰性/D25低発現のCD4通常T(Tconv)細胞サブセットにおけるpStat5レベルを分析することによる、プロテアーゼ活性化IL-2 VitoKines P-0382の活性評価を示している。2種類の活性型試料を、Ni-Excel樹脂で精製してプロテアーゼを除去するか(第1活性型)、または、プロテインAで精製してプロテアーゼとタンパク質分解で生じたIL-2RαSushiドメインの両方を除去した(第2活性型)。高活性のIL-2-Fc融合タンパク質であるP-0250を陽性対照として含めた。
【
図29】
図29は、新鮮ヒトPBMC中のA)CD4陽性Foxp3陽性/CD25高発現のTregおよびB)CD4陽性Foxp3陰性/D25低発現のCD4通常Tconv細胞サブセットにおけるpStat5レベルを分析することによる、MMP-2タンパク質分解前後のFc IL-2 VitoKine P-0398の活性評価を示している。P-0398とL2リンカー長だけが異なるP-0382と、高活性のIL-2-Fc融合タンパク質であるP-0250を、比較用に含めた。
【
図30】
図30は、フローサイトメトリーで求められた、A)CD56+NK細胞上およびB)CD8+T細胞上の増殖マーカーKi67の誘導の分析による、抗体IL-15 VitoKine P-0485と比較した、Fc IL-15 VitoKine P-0315の活性評価を示している。
【
図31】
図31は、ELISA形式の、IL-15に対するブロッキングペプチド(L01、L02、L03、L04、およびL05)の結合性を示している。
【
図32】
図32は、プレート上にコーティングされたIL-2Rβに対する、IL-2Rβベースのブロッキングペプチドを含むIL-15融合タンパク質(P-0153、P-0159、P-0160、およびP-0161)の結合性を示している。
【
図33】
図33は、IL-2-Fc融合タンパク質P-0250のサイズ排除クロマトグラム(A)と比較して、4種類のIL-2 VitoKine(P-0320、P-0382、P-0362、およびP-0379)(B~F)と、IL-2に1アミノ酸置換S125Iを有する1種類のP-0250対応物Fc融合タンパク質のサイズ排除クロマトグラムを示している。
【
図34】
図34は、Fc IL-15 VitoKine P-0389(A)のSDS-PAGEゲルと、それと比較した、P-0315のSDS-PAGEゲル(B)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、がん、ウイルス感染症、自己免疫疾患、または炎症性疾患の治療における使用が意図された、全身性のオンターゲット毒性を低減し、サイトカインの治療指数を増大する、プラットフォーム技術としての新規の「VitoKine」構築体を提供する。
図1を参照して、このVitoKineプラットフォームは、
図1に示された構築体と、
図2に示された、提唱された活性化法とにより規定される。
図1を参照すると、本発明の新規VitoKine構築体は以下の3つのドメインを含んでいる:1)組織標的ドメイン;半減期延長ドメイン;または二重機能性部分ドメインからなる群から選択されるD1ドメイン(「D1」)、2)「活性部分ドメイン」であるD2ドメイン(「D2」)、および3)「遮蔽部分ドメイン」であるD3ドメイン(「D3」)。重要なこととして、D3ドメインは、目的の治療部位で活性化を受けるまで、D2の機能活性を遮蔽することが可能である。
【0032】
これら3つのドメインが、プロテアーゼ切断可能な配列を伴う、長さと剛直性が可変のリンカーを用いて連結されており、この配列が、患部において発現が上昇または調節不全となっている特定のプロテアーゼ亜型のペプチド基質となることで、機能的D2ドメインが当該患部で暴露または放出されることが可能となる。リンカーの長さと組成が最適化されて、D2ドメインのその受容体への到達性の最良な遮蔽が達成されたことで、D2ドメインの全身性の結合(systemic engagement)が低減され、その一方で、血行中でのVitoKineの安定性が維持され、目的患部で特定のプロテアーゼと遭遇してからの効率的な切断が可能となった。「VitoKine」の設計はまた、サイトカイン類とそれらのコグネイト受容体との分子間相互作用の知見に基づいて合理的に進められた。サイトカイン受容体は、典型的には、2~4つの受容体サブユニットからなるオリゴマー複合体として機能する。これらの異なるサブユニットが、リガンド結合やシグナル伝達などの特殊化された機能を実行する。サイトカイン受容体のαサブユニットは結合用の受容体であって、リガンド特異性を付与し、シグナル伝達用の受容体とのリガンド相互作用を強化し、シグナル伝達用受容体を低親和性から高親和性へと変換するものである。VitoKineのD3ドメインは、すなわち、D2ドメインのコグネイトな結合性受容体であることが好ましい。切断後は、D3ドメインは解離してもD2ドメインと再会合し、局所的にD2ドメインの結合性とシグナル伝達活性を完全に回復させ得る。すなわち、D3ドメインは、D2ドメインの機能制御において二重の役割を有する場合がある。D3ドメインは、VitoKineが不活性化状態である場合はD2ドメインを不活性に保っており、VitoKineが切断され活性化されるとD2機能に関与し得る。しかし、D3ドメインは、D2の活性を遮蔽することができる、任意のタンパク質、ペプチド、抗体、抗体断片、またはポリマーまたはヌクレオチドとすることができる。
【0033】
別の態様において、D3ドメインの付加により、VitoKine構築体の開発適合性プロファイルが大きく改善され、発現収率が増強され、凝集傾向が低減される結果も得られ得る。
【0034】
D1ドメインは、D2ドメインの機能活性を遮蔽する付加ドメインとして機能することに加えて、VitoKineの循環中半減期を延長させる半減期延長ドメインであり得る。D1ドメインは、VitoKineを特異的に目的部位に導く疾患ターゲティングモチーフまたは組織ターゲティングモチーフでもあり、VitoKineの活性化が局所に限定することで、治療指数をさらに向上させ得る。従って、「VitoKine」プラットフォームは、目的部位におけるサイトカインの選択的な活性化を可能とし、全身毒性を低減させる一方で、患部における治療効果を増大させて、治療指数を向上させるという利点がある。
【0035】
VitoKine構築体のD2ドメインは活性部分ではあるが、患部組織で発現上昇しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるまでは不活性状態を維持するため、これにより、当該活性部分が周辺の、または患部以外の細胞もしくは組織の細胞表面上の受容体に結合することが制限され、その経路の過剰な活性化が抑制され、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性が低減される。さらに、プロテアーゼによる活性化前にVitoKine活性部分が不活性であることで、抗原シンクの可能性が大きく減少するため、生体内半減期が延長し、体内分布、治療目標部位における生物学的利用能および有効性が改善される結果となる。さらに、本発明に基づいて、VitoKineプラットフォームは、コグネイトな受容体αをD3ドメインとして使用した場合などで、発現レベルの向上および凝集傾向の低減を含むがこれらに限定はされない、タンパク質の開発適合性プロファイルを強化し得る。
【0036】
切断可能な結合は、大部分のVitoKineにとって、全身的な活性化を制限し、投与後に目的部位で活性ドメインを遊離するのに好ましいが、薬理学的に活性なVitoKineの持続的な全身暴露を可能とし、治療効果を向上させるために、切断不可なリンカーが望ましい場合がある。
【0037】
例示的な実施形態において、VitoKine構築体は、IL-15をベースとした、IL-15バリアントをベースとした、IL-2をベースとした、またはIL-2バリアントをベースとした、活性部分(D2)を含む。これらのIL-15をベースとしたVitoKine構築体および/またはIL-2をベースとしたVitoKine構築体において、各サイトカインに対する受容体のユニークな非シグナル伝達性αサブユニットは、プロテアーゼ切断可能なリンカーを介して遮蔽部分ドメイン(D3)の1つとして用いられ、サイトカイン活性を可逆的に遮蔽する。各受容体複合体の対照的な特性、およびVitoKine分子によって治療されることが企図される各種疾患適応症の種々の要件に基づいて、遮蔽性αサブユニットは、プロテアーゼによるリンカーの切断後に非共有結合的な会合を通じて活性化型サイトカインと複合体形成することが好ましい場合もあれば(例えば、IL-15の場合)、解離することが好ましい場合もある(例えば、選択的増殖中のTreg細胞におけるIL-2の場合)。結果として、そのコグネイトなサイトカインに対する結合親和性を調節するためのα-受容体のアミノ酸修飾が必要になる場合がある。
【0038】
目的の治療部位で活性化されるまで、その機能活性を遮蔽する活性化可能リンカーを介して、コグネイトな受容体、タンパク質、抗体、抗体断片、結合性ペプチドをサイトカインに結合させておくというこのコンセプトは、種々のサイトカイン、例えば、限定はされないが、IL-4、IL-7、IL-9、IL-10、IL-12、IL-22、IL-23、およびTGFβ、CXCR3などのケモカイン、またはTNFファミリー、TGFαおよびTGFβなどの種々の増殖因子、並びにホルモンに合わせることができる。患部に対するターゲティングの強化を達成し、治療的有用性を広げるために、同じコンセプトを他のタンパク質に適用してプロタンパク質を作製することもできる。
【0039】
定義
本明細書において、「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は同義的に使用されており、アミノ酸残基のポリマーを指している。種々の実施形態において、「ペプチド」、「ポリペプチド」、および「タンパク質」は、α炭素同士がペプチド結合を通じて連結されているアミノ酸鎖である。鎖の一方の末端(アミノ末端)の末端アミノ酸はすなわち遊離アミノ基を有しており、一方、鎖の他方の末端(カルボキシ末端)の末端アミノ酸は遊離カルボキシル基を有している。本明細書で使用される場合、用語「アミノ末端」(N末端と省略)は、ペプチドのアミノ末端のアミノ酸上の遊離α-アミノ基を指すか、あるいは、ペプチド内の任意の他の場所のアミノ酸のα-アミノ基(ペプチド結合に参加している場合のアミノ基)を指す。同様に、用語「カルボキシ末端」(C末端と省略)は、ペプチドのカルボキシ末端の遊離カルボキシル基、またはペプチド内の任意の他の場所のアミノ酸のカルボキシル基を指す。ペプチドは、実質的に任意のポリアミノ酸も包含し、ペプチド模倣薬が挙げられるがこれに限定はされず、例えば、アミノ酸同士がアミド結合ではなくエーテルによって連結されているものなどである。
【0040】
本開示のポリペプチドは、例えば、(1)タンパク質分解に対する感受性の低減、(2)酸化に対する感受性の低減、(3)タンパク質複合体形成を目的とした結合親和性の変化、(4)結合親和性の変化、および、(5)他の物理化学的特性または機能特性の付与または改変など、いかなる方法およびいかなる理由で改変されたポリペプチドも包含する。
【0041】
アミノ酸の「置換」とは、本明細書で使用される場合、親ポリペプチド配列内の特定位置のあるアミノ酸の、異なるアミノ酸との、ポリペプチドにおける置換を指す。アミノ酸置換は、当該技術分野において周知の遺伝学的手法または化学的手法を用いて生じさせることができる。例えば、天然配列に(例えば、分子間接触を形成しているドメインの外側のポリペプチド部分に)、単一のアミノ酸置換(例えば、保存的アミノ酸置換)がなされていてもよいし、複数のアミノ酸置換がなされていてもよい。「保存的アミノ酸置換」とは、ポリペプチド内の、あるアミノ酸の、機能的に類似したアミノ酸との置換を指す。下記の6つのグループはそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含んでいる:
1)アラニン(A)、セリン(S)、およびスレオニン(T)
2)アスパラギン酸(D)、およびグルタミン酸(E)
3)アスパラギン(N)、およびグルタミン(Q)
4)アルギニン(R)、およびリジン(K)
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、およびバリン(V)
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、およびトリプトファン(W)
【0042】
「非保存的アミノ酸置換」とは、これらのクラスの1つの構成要素の別のクラスの構成要素への置換を指す。そのような変化を起こす際、種々の実施形態においては、アミノ酸の疎水性親水性指標が考慮される場合がある。各アミノ酸には、その疎水性および電荷特性に基づいて、疎水性親水性指標が割り振られている。それぞれの疎水性親水性指標は以下である、イソロイシン(+4.5);バリン(+4.2);ロイシン(+3.8);フェニルアラニン(+2.8);システイン/シスチン(+2.5);メチオニン(+1.9);アラニン(+1.8);グリシン(-0.4);トレオニン(-0.7);セリン(-0.8);トリプトファン(-0.9);チロシン(-1.3);プロリン(-1.6);ヒスチジン(-3.2);グルタミン酸(-3.5);グルタミン(-3.5);アスパラギン酸(-3.5);アスパラギン(-3.5);リジン(-3.9);およびアルギニン(-4.5)。
【0043】
タンパク質に相互作用的な生物学的機能を付与する際のアミノ酸疎水性親水性指標の重要性は、当該技術分野においては理解されているところである(例えば、Kyteら、1982年、J.Mol.Biol.、157:105-131を参照)。ある特定のアミノ酸を、同様の疎水性親水性指標または疎水性親水性スコアを有する他のアミノ酸に置換しても、同様の生物活性が保持され得ることが知られている。疎水性親水性指標に基づいて変化を起こす際、種々の実施形態においては、両者の疎水性親水性指標が±2以内であるアミノ酸同士の置換が含まれる。種々の実施形態においては±1以内のものが含まれ、種々の実施形態においては±0.5以内のものが含まれる。
【0044】
また、特に、このように作製された生物学的な機能を持つタンパク質またはペプチドの、本明細書において開示される免疫学的な実施形態での使用が意図されている場合、類似アミノ酸同士の置換は、親水性に基づくことで、効率的に為すことができると、当該技術分野では理解されている。種々の実施形態において、隣接アミノ酸の親水性によって制御される、タンパク質の局所的な平均親水性の最大値は、その免疫原性および抗原性と相関しており、すなわち、当該タンパク質の生物学的特性と相関している。
【0045】
下記の親水性値がこれらのアミノ酸残基に割り振られている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパラギン酸(+3.0.+-.1);グルタミン酸(+3.0.+-.1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0);トレオニン(-0.4);プロリン(-0.5.+-.1);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-1.0);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5)、およびトリプトファン(-3.4)。同様の親水性値に基づいた変化を起こす際、種々の実施形態においては、親水性値が±2以内であるアミノ酸同士の置換が含まれ、種々の実施形態においては±1以内のものが含まれ、種々の実施形態においては±0.5以内のものが含まれる。
【0046】
例示的なアミノ酸置換を表1に記載する。
【0047】
【0048】
当業者であれば、周知の手法を用いて、本明細書に記載されているポリペプチドの好適なバリアントを決定することができる。種々の実施形態において、当業者は、活性に重要であるとは考えられていない領域を標的とすることにより、活性を破壊することなく変化を起こすことができる、上記分子の好適な領域を、特定することができる。他の実施形態において、当業者は、類似ポリペプチド間で保存されている、上記分子の残基および部分を特定することができる。さらなる実施形態においては、生物活性または構造にとって重要であり得る領域でさえも、生物活性を破壊することも、ポリペプチド構造に悪影響を与えることもなく、保存的アミノ酸置換を起こすことができる。
【0049】
さらに、当業者は、活性または構造にとって重要な類似ポリペプチド内の残基を特定する構造・機能研究を調査することができる。そのような比較を考慮に入れて、当業者は、類似ポリペプチドの活性または構造にとって重要なアミノ酸残基に対応する、ポリペプチド内のアミノ酸残基の重要性を予測することができる。当業者は、そのような予測された重要アミノ酸残基のために、化学的に類似したアミノ酸置換を選択することができる。
【0050】
また、当業者は、三次元構造およびアミノ酸配列を、類似ポリペプチドの当該構造と関連させて解析することができる。そのような情報に照らして、当業者は、その三次元構造に関して、ポリペプチドのアミノ酸残基の並びを予測することができる。種々の実施形態において、当業者は、ポリペプチドの表面上に存在すると予測されたアミノ酸残基に、このような残基は他の分子との重要な相互作用に関与している場合があるため、根本的な変化が生じないように、選択を行うことができる。さらに、当業者は、所望のアミノ酸残基のそれぞれに単一のアミノ酸置換を含む試験バリアントを作製することができる。その後、当業者に公知の活性定量法を用いて、バリアントのスクリーニングを行うことができる。そのようなバリアントを用いることで、好適なバリアントに関する情報を集めてもよい。例えば、特定のアミノ酸残基への変化が活性の破壊、活性の好ましくない低減、または不適切な活性をもたらすことが分かった場合、そのような変化を有するバリアントを避けることができる。言い換えれば、そのような通例の実験から集められた情報に基づいて、当業者は、単独または他の変異と組み合わせた、さらなる置換が避けられるべきアミノ酸を容易に確認することができる。
【0051】
用語「ポリペプチド断片」および「切断型ポリペプチド」とは、本明細書で使用される場合、対応する完全長タンパク質と比較して、アミノ末端および/またはカルボキシ末端に欠失を有するポリペプチドを指す。種々の実施形態において、断片は、例えば、5以上、10以上、25以上、50以上、100以上、150以上、200以上、250以上、300以上、350以上、400以上、450以上、500以上、600以上、700以上、800以上、900以上、または1000以上のアミノ酸長とすることができる。種々の実施形態において、断片は、例えば、1000以下、900以下、800以下、700以下、600以下、500以下、450以下、400以下、350以下、300以下、250以下、200以下、150以下、100以下、50以下、25以下、10以下、または5以下のアミノ酸長ともすることができる。断片には、その一方または両方の末端に、1または複数の追加のアミノ酸をさらに含ませることができ、例えば、異なる天然タンパク質由来のアミノ酸配列(例えば、Fcまたはロイシンジッパードメイン)または人工アミノ酸配列(例えば、人工リンカー配列)を含ませることができる。
【0052】
「ポリペプチドバリアント」、「ハイブリッドポリペプチド」、および「ポリペプチド変異体」という用語は、本明細書で使用される場合、別のポリペプチド配列と比較して、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列に挿入されている、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列から欠失している、且つ/または、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列中に置換されている、アミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。種々の実施形態において、挿入、欠失、または置換されているアミノ酸残基の数は、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、または少なくとも500のアミノ酸長とすることができる。本開示のハイブリッドは融合タンパク質を包含する。
【0053】
ポリペプチドの「誘導体」とは、化学的に修飾されたポリペプチドであって、例えば、ポリエチレングリコール、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)などの別の化学的部分への結合、リン酸化、およびグリコシル化などである。
【0054】
本明細書において、用語「%配列同一性」は、用語「%同一性」と同義的に使用されており、配列アラインメント用プログラムを用いてアラインメントされた場合の、2以上のペプチド配列間のアミノ酸配列同一性の値、または2以上のヌクレオチド配列間のヌクレオチド配列同一性の値を指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%同一性は、規定のアルゴリズムで測定された80%配列同一性と同じことを意味し、所与の配列が別の長さの別の配列に対して少なくとも80%の同一性を有することを意味している。種々の実施形態において、%同一性は、所与の配列に対しての、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%、またはそれ以上の配列同一性から選択される。種々の実施形態において、%同一性は、例えば、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約99%の範囲内である。
【0055】
本明細書において、用語「%配列相同性」は、用語「%相同性」と同義的に使用されており、配列アラインメント用プログラムを用いてアラインメントされた場合の、2以上のペプチド配列間のアミノ酸配列相同性の値、または2以上のヌクレオチド配列間のヌクレオチド配列相同性の値を指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%相同性は、規定のアルゴリズムで測定された80%配列相同性と同じことを意味し、すなわち、所与の配列の相同体は所与の配列のある長さに亘って80%超の配列相同性を有する。種々の実施形態において、%相同性は、所与の配列に対しての、例えば、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%、またはそれ以上の配列相同性から選択される。種々の実施形態において、%相同性は、例えば、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約99%の範囲内である。
【0056】
2つの配列間の同一性を確認するために用いることができる例示的なコンピュータプログラムとしては、NCBIウェブサイトにおいてインターネット上で一般に入手可能な一連のBLASTプログラム、例えば、BLASTN、BLASTX、およびTBLASTX、BLASTPおよびTBLASTN、が挙げられるが、これらに限定はされない。また、Altschulら、J.Mol.Biol.、215巻:頁403-10、1990年(公表された初期設定、すなわち、パラメーターw=4、パラメーターt=17、に特に関連して)、およびAltschulら、Nucleic Acids Res.、25巻:頁3389-3402、1997年を参照されたい。GenBank Protein Sequencesや他の公開データベースのアミノ酸配列と比較して所与のアミノ酸配列を評価する場合、配列検索は通常、BLASTPプログラムを用いて行う。BLASTXプログラムは、GenBank Protein Sequencesや他の公開データベースのアミノ酸配列に対して、全ての読み取り枠で翻訳された核酸配列の検索に好ましい。オープンギャップペナルティ=11.0、ギャップ伸長ペナルティ=1.0という初期パラメーターを用いて、BLASTPおよびBLASTXの両方を実行し、BLOSUM-62行列を利用する。
【0057】
パーセント配列同一性の算出に加え、BLASTアルゴリズムは、2つの配列間の類似性の統計解析も行う(例えば、KarlinおよびAltschul、Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA、90巻:頁5873-5787、1993年を参照)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性尺度の1つとして、最小和確率(smallest sum probability)(P(N))があり、これは、2つのヌクレオチド配列間または2つのアミノ酸配列間で一致が偶然に生じる確率を示す。例えば、試験核酸を参照核酸と比較した場合の最小和確率が、例えば、約0.1未満、約0.01未満、または約0.001未満である場合、核酸は参照配列に類似しているとみなされる。
【0058】
用語「修飾」とは、本明細書で使用される場合、ペプチド骨格(例えばアミノ酸配列)の任意の操作またはポリペプチドの翻訳後修飾(例えばグリコシル化)を指す。
【0059】
用語「ノブ・イントゥ・ホール修飾(knob-into-hole modification)」とは、本明細書で使用される場合、CH3ドメインにおける、2つの免疫グロブリン重鎖間の境界面内の修飾を指す。1つの実施形態において、「ノブ・イントゥ・ホール修飾」は、一方の抗体重鎖にはアミノ酸置換T366Wと所望によりアミノ酸置換S354Cとを含み、他方の抗体重鎖にはアミノ酸置換T366S、L368A、Y407Vと、所望によりY349Cとを含む。ノブ・イントゥ・ホール技術は、米国特許第5,731,168号;米国特許第7,695,936号;Ridgwayら、Prot Eng、9巻、頁617-621(1996年)、およびCarter、J Immunol Meth、248巻、頁7-15(2001年)などで説明されている。
【0060】
用語「生理活性化薬剤」または「VitoKine」とは、本明細書で使用される場合、薬剤前駆体である化合物であって、対象への投与後、当該生理活性化薬剤が標的組織に対して活性を持つ生成物に変換されるようないくつかの化学的または生理的過程を介して、当該薬剤を生体内で放出する、化合物を意味する。生理活性化薬剤は、生体内活性化を受けた後にその薬理作用を示す任意の化合物である。すなわち、生理活性化薬剤は、親分子の望ましくない特性を変化または取り除くために一過的に用いられる特殊な無毒性保護基を含む薬剤と見なすことができる。
【0061】
用語「融合タンパク質」とは、本明細書で使用される場合、元は別々のタンパク質をコードしていた2以上の遺伝子を含む融合ポリペプチド分子であって、その構成成分は、直接またはペプチドリンカーを介して、ペプチド結合で互いに連結されている、融合ポリペプチド分子を指す。用語「融合した」とは、本明細書で使用される場合、構成成分が、直接または1もしくは複数のペプチドリンカーを介して、ペプチド結合で連結されていることを指す。
【0062】
「リンカー」とは、共有結合的に、またはイオン結合、ファンデルワールス結合、もしくは水素結合を通じて、2つの他分子を連結する分子のことをいい、例えば、ある相補的配列の5’末端にハイブリダイズし、さらに、別の相補的配列の3’末端にハイブリダイズすることで、2つの非相補的配列を連結する核酸分子である。「切断可能なリンカー」とは、切断可能なリンカーによって連結されている2つの成分を分離するために、分解、消化、または他の方法による切断が可能なリンカーを指す。切断可能なリンカーは一般的には酵素によって切断され、典型的にはペプチダーゼ、プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、リパーゼなどによって切断される。切断可能なリンカーは、例えば温度変化、pH変化、塩濃度変化などの、環境要因によって切断される場合もある。
【0063】
用語「ペプチドリンカー」とは、本明細書で使用される場合、1または複数のアミノ酸、典型的には1~30個程度のアミノ酸、を含むペプチドを指す。ペプチドリンカーは、当該技術分野において公知のものか、本明細書に記載のものである。好適な非免疫原性のリンカーペプチドとしては、(G4S)nペプチドリンカー、(SG4)nペプチドリンカー、またはG4(SG4)nペプチドリンカーなどが挙げられる。「n」は通常は1~10の数字であり、典型的には2~4の数字である。
【0064】
「医薬組成物」は、動物における製薬学的用途において好適な組成物を指す。医薬組成物は、薬理学的有効量の活性薬剤と、薬剤的に許容できる担体と、を含む。「薬理学的有効量」とは、意図された薬理学的結果を得るのに有効な薬剤量を指す。「薬剤的に許容できる担体」とは、任意の標準的な医薬担体、溶媒、緩衝液、および医薬品添加物を指し、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、5%ブドウ糖水溶液、水中油型エマルションまたは油中水型エマルションなどのエマルション、並びに、様々な種類の湿潤剤および/または補助剤などである。好適な医薬担体および製剤については、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第21版、2005年、マック出版社(Mack Publishing Co)、イーストン、に記載がある。「薬剤的に許容できる塩」は、製薬学的用途で化合物に配合できる塩であり、例えば、金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩など)、アンモニア塩、有機アミン塩が挙げられる。
【0065】
本明細書で使用される場合、「治療」(および「治療する」や「治療すること」などのその文法的変形語)は、治療を受けている個体における病気の自然経過を変化させるための臨床的介入を指し、予防のために実施することもできるし、臨床病理の経過中に実施することもできる。望ましい治療効果としては、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理的帰結の低減、転移の予防、疾患増悪速度の減少、病状の改善または軽減、および寛解または予後の改善が挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書で使用される場合、疾患、障害、または状態を「軽減する」とは、当該疾患、障害、または状態の症状の重症度および/または発生頻度を低減させることを意味する。さらに、本明細書における「治療」に関する記載は、治癒的、対症的および予防的な治療に関する記載を包含する。
【0066】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書で使用される場合、その症状の1または複数を改善、緩和、軽減、および/または遅延するなど、特定の障害、状態、または疾患を治療するのに十分な化合物または組成物の量を指す。がん、または他の望ましくない細胞の増殖に関して、有効量は、以下に十分な量を含む:(i)がん細胞数の減少;(ii)腫瘍サイズの減少;(iii)末梢器官へのがん細胞浸潤の阻害、遅滞、ある程度の減速、好ましくは停止;(iv)腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度の減速、好ましくは停止);(v)腫瘍増殖の阻害;(vi)腫瘍の発生および/もしくは再発の抑制または遅延;並びに/または、(vii)がんと関連した症状のうちの1もしくは複数のある程度の軽減。有効量は、一回または複数回の投与で投与することができる。
【0067】
「投与する」または「投与させる(cause to be administered)」という表現は、当該の薬剤/化合物の患者への投与を管理および/または許可する、医療専門家(例えば、医師)、または患者の医学的ケアを管理する人、によって行われる行為を指す。投与させることには、診断、および/または適切な治療レジメンの決定、および/または患者への特定の薬剤/化合物の処方が含まれ得る。このような処方は、例えば、処方箋書式の草案、医療記録の注釈などを包含し得る。投与が本明細書に記載されている場合、「投与させること」も企図される。
【0068】
用語「患者」、「個体」、および「対象」は、同義的に使用されている場合があり、哺乳動物を指し、ヒトまたはヒト以外の霊長類が好ましいが、家畜化された哺乳類(例えば、イヌまたはネコ)、実験用の哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット)、および農業用の哺乳類(例えば、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ)を指す場合もある。種々の実施形態において、患者は、病院、精神科医療施設で医師もしくは他の医療従事者の治療を受けている、外来患者としての、または他の臨床状況下の、ヒト(例えば、成人男性、成人女性、青年期男性、青年期女性、男児、女児)とすることができる。種々の実施形態において、患者は、免疫無防備状態の患者または免疫系が弱まった患者としてもよく、例えば、原発性免疫不全症患者、エイズ患者;ある特定の免疫抑制剤を服用しているがん患者および移植患者;並びに、免疫系に影響を及ぼす遺伝病(例えば、先天性無ガンマグロブリン血症、先天性IgA欠損症)を有する患者が挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、患者は免疫原性のがんを有しており、例えば、膀胱がん、肺がん、黒色腫、および変異率が高いと報告されている他のがん(Lawrenceら、Nature、499巻(7457号):頁214-218、2013年)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0069】
用語「免疫療法」とは、がん治療のことをいい、例えば、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)、例えば、CTLA-4、PD-1、PDL-1、CD40、OX-40、CD137、GITR、LAG3、TIM-3、SIRPa、CD47、GITR、ICOS、CD27、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTA、CD276、CD272、TIM-3、B7-H4、に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:生物学的応答調節物質、例えばIL-2、IL-4、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-22、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、およびIFN-γ、TGF-βアンタゴニストまたはTGF-βトラップの投与を含む治療;シプロイセルTなどの治療用ワクチンを用いた治療;T-vecなどの腫瘍溶解性ウイルスを含むがこれらに限定はされない治療用ウイルスを用いた治療;樹状細胞ワクチン、または腫瘍抗原ペプチドもしくはネオアンチゲンワクチンを用いた治療;NK細胞を用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療;CAR-NK細胞を用いた治療;DCまたはT細胞を用いた治療;iPS誘導NK細胞を用いた治療;iPS誘導T細胞を用いた治療、およびカルメット・ゲラン桿菌(BCG)などのワクチンを用いた治療;腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖された且つ/またはTCRトランスジェニックの細胞)を用いた治療;TALL-104細胞を用いた治療;並びに、免疫刺激剤、例えば、Toll様受容体(TLR)アゴニストCpG、TLR7、TLR8、TLR9、およびイミキモドを用いた治療。
【0070】
「抵抗性または難治性のがん」とは、化学療法、外科手術、放射線療法、幹細胞移植、および免疫療法などをはじめとするこれまでの抗がん治療には反応しない腫瘍細胞またはがんを指す。腫瘍細胞は、治療開始時から抵抗性または難治性である可能性もあるし、治療の中で抵抗性または難治性になる場合もある。難治性の腫瘍細胞には、治療の開始に反応しない、または、短期間の初期反応は示すが、治療に反応はしない、腫瘍が含まれる。難治性の腫瘍細胞には、抗がん治療による治療に反応するが、その後引き続く治療には反応しない腫瘍も含まれる。本発明の目的上、難治性の腫瘍細胞は、抗がん療法による治療で阻害されたように見えたが、治療の中止後に5年以内、場合によっては10年以内、またはそれ以上の期間以内に再発する腫瘍も包含する。抗がん治療では、化学療法剤単独、放射線単独、標的療法単独、外科手術単独、またはこれらの組み合わせが使用できる。説明の簡略化のためであり、限定を目的としたものではないが、上記の難治性腫瘍細胞は抵抗性腫瘍と交換可能であると理解されたい。
【0071】
用語「腫瘍関連抗原」(TAA)とは、例えば、がん細胞によって選択的に発現される、または大部分の正常細胞と比較してがん細胞において過剰発現される、細胞表面抗原を指す。「TAAバリアント」および「TAA変異体」という用語は、本明細書で使用される場合、別のTAA配列と比較して、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列に挿入されている、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列から欠失している、且つ/または、1または複数のアミノ酸残基がアミノ酸配列中に置換されている、アミノ酸配列を含むTAAを指す。種々の実施形態において、挿入、欠失、または置換されているアミノ酸残基の数は、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、または少なくとも500のアミノ酸長とすることができる。
【0072】
用語「ネオアンチゲン」とは、例えば、免疫系が以前に暴露されたことがない細胞表面抗原、特に、がん細胞によって選択的に発現されている、または大部分の正常細胞と比較してがん細胞で過剰発現されている、放射線、化学療法、ウイルス感染、腫瘍形質転換/変異、薬物代謝などによる宿主抗原の変化によって生じる細胞表面抗原を指す。
【0073】
用語「抗体」とは、本明細書で使用される場合、最も広い意味で用いられ、種々の抗体構造(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgE)を包含し、例えば、モノクローナル抗体と、ポリクローナル抗体と、多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体または二機能性抗体)と、目的の抗原結合活性を示す限りにおいて抗体断片と、が挙げられるがこれらに限定はされない。
【0074】
用語「抗体断片」とは、本明細書で使用される場合、インタクト抗体の一部を含むインタクト抗体以外の分子であって、当該インタクト抗体が結合する抗原と結合する、分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab′、Fab′-SH、F(ab′)2、ダイアボディ、直鎖状抗体、一本鎖抗体分子(例えばscFv)、およびシングルドメイン抗体が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0075】
用語「Fab断片」とは、本明細書で使用される場合、軽鎖のVLドメインおよび定常ドメイン(CL)と、重鎖のVHドメインおよび第一定常ドメイン(CH1)と、を含む、免疫グロブリン断片を指す。
【0076】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、本明細書で使用される場合、免疫グロブリンまたは抗体の重鎖もしくは軽鎖のドメインであって、通常、当該免疫グロブリンまたは抗体の抗原への結合に関与するドメインを指す。免疫グロブリンまたは抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVHおよびVL)は、通常は同様の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの相補性決定領域(CDR)と、を含む。
【0077】
「ヒト免疫グロブリン」は、本明細書で使用される場合、ヒトもしくはヒト細胞によって産生される、または、ヒト免疫グロブリンレパートリーもしくは他のヒト免疫グロブリンコード配列を利用するヒト以外の供給源に由来する、免疫グロブリンのアミノ酸配列と一致するアミノ酸配列を有するものである。このヒト免疫グロブリンの定義は、非ヒト抗原結合性残基を含むヒト型化免疫グロブリンを明確に除外している。
【0078】
「Fcドメイン」または「Fc領域」という用語は、本明細書で使用される場合、定常領域の一部を少なくとも含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を規定するために使用される。この用語はネイティブ配列のFc領域とバリアントFc領域とを包含する。IgGのFc領域はIgGのCH2ドメインとIgGのCH3ドメインとから構成される。CH3領域は、本明細書においては、ネイティブ配列のCH3ドメインである場合と、バリアントCH3ドメイン(例えば、その一方の鎖に「凸部」(「ノブ」)が導入され、そのもう一方の鎖に対応する「凹部」(「ホール」)が導入された、CH3ドメイン;参照によって本明細書に明確に援用される、米国特許第5,821,333号を参照)である場合がある。このようなバリアントCH3ドメインを用いることで、本明細書に記載されているような2つの同一でない免疫グロブリン重鎖のヘテロ二量体化が促進され得る。本明細書においては特に記載がない限り、Fc領域または定常領域でのアミノ酸残基の番号付けは、EU付番方式に従うものとする。
【0079】
用語「エフェクター機能」とは、本明細書で使用される場合、免疫グロブリンのFc領域に起因する生物活性を指し、免疫グロブリンのアイソタイプによって異なる。免疫グロブリンのエフェクター機能の例としては、C1qとの結合による補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体との結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)、サイトカイン分泌、抗原提示細胞による免疫複合体を介した抗原取り込み、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の発現低下、およびB細胞活性化が挙げられる。
【0080】
「制御性T細胞」または「Treg細胞」という用語、本明細書で使用される場合、他のT細胞(エフェクターT細胞)の反応を抑制できる、特殊な種類のCD4+T細胞を意味する。Treg細胞は、CD4、IL-2 受容体のaサブユニット(CD25)、および転写因子であるフォークヘッドボックスP3(FOXP3)の発現を特徴としており(Sakaguchi、Annu Rev Immunol、22巻、頁531-62(2004年))、腫瘍によって発現されたものを包含する抗原に対する末梢性自己寛容の誘導と維持において決定的役割な役割を果たす。
【0081】
用語「通常CD4+T細胞」とは、本明細書で使用される場合、制御性T細胞以外のCD4+T細胞を意味する。
【0082】
用語「Treg細胞の選択的活性化」とは、本明細書で使用される場合、他のT細胞サブセット(CD4+ヘルパーT細胞、CD8+細胞傷害性T細胞、NKT細胞など)、またはナチュラルキラー(NK)細胞の活性化を基本的に伴わない、Treg細胞の活性化を意味する。実施例で、これらの細胞型を同定・区別するための方法を説明している。活性化には、IL-2受容体シグナリングの誘導(リン酸化STAT5aの検出などにより測定)、増殖の誘導(Ki-67の検出などにより測定)、および/または、活性化マーカーの発現の上方制御(例えばCD25など)が含まれる場合がある。
【0083】
本明細書で使用される場合、「特異的結合」とは、結合が抗原に対して選択的であることを意味し、望ましくないまたは非特異的な相互作用とは区別できる。免疫グロブリンの特異的抗原に対する結合能は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、または表面プラズモン共鳴(SPR)法などの当業者に周知の他の方法を通じて測定できる。
【0084】
「親和性」または「結合親和性」という用語は、本明細書で使用される場合、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合的な相互作用の総合計強度を指す。一般的に、分子XのそのパートナーYに対する親和性は解離定数(KD)で表すことができ、KDは解離速度定数と会合速度定数(それぞれkoffおよびkon)の比である。親和性を測定するための特定の方法として、表面プラズモン共鳴(SPR)がある。
【0085】
用語「結合性の減少」とは、本明細書で使用される場合、SPRなどで測定された場合の、それぞれの相互作用における、親和性の減少を指す。逆に、「結合性の増加」とは、それぞれの相互作用における、結合親和性の増加を指す。
【0086】
用語「ポリマー」とは、本明細書で使用される場合、通常、ホモポリマー;例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー、および交互コポリマーなどのコポリマー;並びにターポリマー;並びにこれらの混合物および修飾物を包含するが、これらに限定はされない。さらに、特に限定されていない限り、用語「ポリマー」は、その物質の全ての可能な幾何学的立体配置を包含するものとする。これらの立体配置は、アイソタクチックな対称性、シンジオタクチックな対称性、およびランダムな対称性を包含するが、これらに限定はされない。
【0087】
「ポリヌクレオチド」とは、ヌクレオチド単位から構成される重合体を指す。ポリヌクレオチドは、デオキシリボ核酸(「DNA」)およびリボ核酸(「RNA」)などの天然核酸だけでなく、核酸アナログも包含する。核酸アナログは、天然ホスホジエステル結合以外の他のヌクレオチドとの結合に参加しているヌクレオチドである非天然塩基を含むもの、ホスホジエステル結合以外の結合を通じて付加された塩基を含むもの、を包含する。すなわち、核酸アナログは、例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロトリエステル、ホスホルアミダート、ボラノリン酸、メチルホスホン酸、キラル-メチルホスホン酸、2-O-メチルリボヌクレオチド、ペプチド-核酸(PNA)などを包含し、これらに限定はされない。このようなポリヌクレオチドは、自動DNA合成装置などを用いて合成することができる。用語「核酸」は、通常、大型のポリヌクレオチドを指す。用語「オリゴヌクレオチド」は、通常は短いポリヌクレオチドを指し、通常は約50ヌクレオチド以下である。ヌクレオチド配列がDNA配列(すなわち、A、T、G、C)で表されている場合、「U」が「T」と置き換わったRNA配列(すなわち、A、U、G、C)もこれに包含されることは理解されたい。
【0088】
本明細書では従来の表示法を用いてポリヌクレオチド配列を記載している。一本鎖ポリヌクレオチド配列の左側の末端が5’末端であり;二本鎖ポリヌクレオチド配列の左手方向を5’方向と称する。新生RNA転写物への5’方向から3’方向へのヌクレオチド付加を転写方向と称する。mRNAと同じ配列を有するDNA鎖を「コード鎖」と称し;DNAから転写されたmRNAと同じ配列を有し、RNA転写物の5’末端の5’側に位置するDNA鎖上の配列を「上流配列」と称し;RNAと同じ配列を有し、コードRNA転写物の3’末端の3’側にあるDNA鎖上の配列を「下流配列」と称する。
【0089】
「相補的」とは、位相幾何学的な適合性、すなわち、2つのポリヌクレオチドの相互作用し合う表面同士の一致性をいう。すなわち、この2つの分子は相補的と記載することができ、さらには、接触表面特徴が互いに相補的である。第一のポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が第二のポリヌクレオチドのポリヌクレオチド結合パートナーのヌクレオチド配列と実質的に同一である場合、または、第一のポリヌクレオチドがストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で第二のポリヌクレオチドにハイブリダイズ可能である場合、第一のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドに相補的である。
【0090】
「~に特異的にハイブリダイズすること」または「特異的なハイブリダイゼーション」または「~に選択的にハイブリダイズする」とは、核酸分子が、特定のヌクレオチド配列に対して、当該配列が混合物としての(例えば、全細胞)DNAまたはRNA中に存在している場合に、ストリンジェントな条件下で優先的に、結合、二本鎖形成、またはハイブリダイズすることを指す。用語「ストリンジェントな条件」とは、プローブが、その標的物質には優先的にハイブリダイズするが、他の配列に対してはより小さな程度にしかハイブリダイズしないか、または全くハイブリダイズしないであろう、条件を指す。サザンハイブリダイゼーションおよびノーザンハイブリダイゼーションなどの核酸ハイブリダイゼーション実験に関連して、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション洗浄条件」は、配列依存的であり、異なる環境パラメーター下では異なったものとなる。核酸のハイブリダイゼーションの詳細な手引きは、Tijssen、1993年、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Acid Probes、第I部、第2章、「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays」、エルゼビア社、ニューヨーク州;Sambrookら、2001年、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、コールド・スプリング・ハーバー研究所、第3版、ニューヨーク州;および、Ausubelら(編)、Current Edition, Current Protocols in Molecular Biology、グリーン・パブリッシング・アソシエート・アンド・ワイリー・インターサイエンス社(Greene Publishing Associates and Wiley Interscience)、ニューヨーク州に見出すことができる。
【0091】
通常、高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件および高度にストリンジェントな洗浄条件は、規定のイオン強度およびpHにおける特定の配列の融解温度(Tm)より5℃程度低くなるように選択される。Tmは、標的配列の50%が完全一致プローブにハイブリダイズする(規定のイオン強度およびpH下での)温度である。非常にストリンジェントな条件は、特定のプローブのTmと同じになるように選択される。サザンブロットまたはノーザンブロットにおけるフィルター上の約100超の相補的残基を有する相補的核酸同士のハイブリダイゼーションのストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の一例は、50%ホルマリン+1mgヘパリン、42℃、一晩のハイブリダイゼーション実行である。高度にストリンジェントな洗浄条件の一例は、0.15M NaCl、72℃、約15分である。ストリンジェントな洗浄条件の一例は、0.2×SSC洗浄、65℃、15分である。SSC緩衝液の説明については、Sambrookらを参照されたい。高度にストリンジェントな洗浄の前に、低度にストリンジェントな洗浄を行うことで、バックグラウンドのプローブシグナルを除去することができる。例えば約100超のヌクレオチドの二本鎖に対する中程度にストリンジェントな洗浄の例は、1×SSC、45℃、15分である。例えば約100超のヌクレオチドの二本鎖に対する低度にストリンジェントな洗浄の例は、4~6×SSC、40℃、15分である。通常、特定のハイブリダイゼーションアッセイにおいて、無関係のプローブにおいて確認されたシグナル・ノイズ比の2倍(以上)のシグナル・ノイズ比が、特定のハイブリダイゼーションの検出を示す。
【0092】
「プライマー」とは、指定のポリヌクレオチド鋳型に特異的にハイブリダイズし、相補的ポリヌクレオチドの合成開始点を与えることが可能な、ポリヌクレオチドを指す。このような合成は、ポリヌクレオチドプライマーが、合成が誘導される条件下に、すなわち、ヌクレオチド類と、相補的ポリヌクレオチド鋳型と、DNAポリメラーゼなどの重合用の物質と、の存在下に、置かれた場合に生じる。プライマーは典型的には一本鎖であるが、二本鎖であってもよい。プライマーは典型的にはデオキシリボ核酸であるが、幅広い種類の合成プライマーおよび天然プライマーが多くの適用で有用である。プライマーは鋳型に対して相補的であり、鋳型にハイブリダイズして合成開始部位として働くように設計されているが、鋳型の配列を厳密に反映している必要はない。このような場合の、鋳型に対するプライマーの特異的なハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシー次第である。プライマーは、発色性部分、放射性部分、または蛍光性部分などで標識でき、検出可能な部分として使用できる。
【0093】
「プローブ」とは、ポリヌクレオチドを指して使用されている場合、別のポリヌクレオチドの指定の配列に特異的にハイブリダイズすることが可能なポリヌクレオチドをいう。プローブは、標的の相補的ポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするものであるが、鋳型の相補的配列を厳密に反映している必要はない。このような場合の、標的に対するプローブの特異的なハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシー次第である。プローブは、発色性部分、放射性部分、または蛍光性部分などで標識でき、検出可能な部分として使用できる。プローブが相補的なポリヌクレオチドの合成開始点を与える場合、プローブをプライマーとすることもできる。
【0094】
「ベクター」は、それに連結した別の核酸を細胞に導入するのに使用できるポリヌクレオチドである。ベクターの1種として「プラスミド」があるが、プラスミドとは、その中に追加の核酸セグメントを連結することができる、直鎖状または環状の二本鎖DNA分子をいう。別の種類のベクターとしてウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、複製欠損アデノウイルス、および複製欠損アデノ随伴ウイルス)があり、このウイルスゲノムの中には追加のDNAセグメントを導入することができる。ある特定のベクターは導入された宿主細胞内で自律増殖が可能である(例えば、細菌性複製開始点を含む細菌ベクターおよびエピソーム性の哺乳類ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性の哺乳類ベクター)は、宿主細胞内への導入後に宿主細胞のゲノムに組み入れられることで、宿主ゲノムと共に複製される。「発現ベクター」は選択されたポリヌクレオチドの発現を指示することができるベクターの一種である。
【0095】
「制御配列」は、それが機能的に連結された核酸の発現(例えば、発現量、発現タイミング、または発現場所)に影響を与える核酸である。制御配列は、例えば、被制御核酸に対して直接、あるいは、1または複数の他の分子(例えば、当該制御配列および/または当該核酸に結合するポリペプチド)の作用を通じて、その効果を及ぼし得る。制御配列の例としては、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)が挙げられる。制御配列のさらなる例が、例えば、Goeddel、1990年、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、185巻、アカデミックプレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州、およびBaronら、1995年、Nucleic Acids Res.、23巻、頁3605-06に記載されている。制御配列がヌクレオチド配列の発現(例えば、発現量、発現タイミング、または発現場所)に影響を及ぼしている場合、当該ヌクレオチド配列は当該制御配列に「機能的に連結」されていることになる。
【0096】
「宿主細胞」は、本開示のポリヌクレオチドの発現に用いることができる細胞である。宿主細胞は原核生物とすることができ、例えば、大腸菌とすることができ、あるいは、宿主細胞は真核生物とすることができ、例えば、単細胞の真核生物(例えば、酵母または他の真菌)、植物細胞(例えば、タバコ植物細胞またはトマト植物細胞)、動物細胞(例えば、ヒト細胞、サル細胞、ハムスター細胞、ラット細胞、マウス細胞、または昆虫細胞)、またはハイブリドーマとすることができる。通常、宿主細胞は、ポリペプチドコード核酸による形質転換またはそのトランスフェクトが可能な培養細胞であり、当該宿主細胞においてこのポリペプチドコード核酸の発現が可能となる。発現対象の核酸で形質転換された、またはそれをトランスフェクトされた宿主細胞を表すために、「組換え宿主細胞」という表現が用いられている場合がある。宿主細胞はまた、上記核酸を含んではいるが、それを所望のレベルでは発現していない細胞とすることもできるが、ただし、上記核酸と機能的に連結するように制御配列が当該宿主細胞に導入されている場合は除く。宿主細胞という用語は、特定の対象細胞を指すだけでなく、そのような細胞の子孫や潜在的な子孫も指すと理解される。突然変異や環境の影響などによってある特定の改変が後の世代において生じ得るため、そのような子孫は実際には親細胞と同一でない場合があるが、その場合であっても、本明細書で使用される上記用語の範囲内に包含される。
【0097】
用語「単離された分子」(ここで、分子はポリペプチドまたはポリヌクレオチドなどである)は、その起源または派生源に基づいて、(1)天然状態のそれに伴っている天然付随成分を付随していない分子、(2)同じ種由来の他の分子を実質的に含んでいない分子、(3)異なる種由来の細胞によって発現された分子、または(4)天然では生じない分子である。すなわち、化学的に合成された分子、または天然にそれが生じる細胞とは異なる細胞系で発現された分子が、その天然付随成分から「単離」されることとなる。当該技術分野において周知の精製法を用いて、分子を、単離により天然付随成分を実質的に含まないものとしてもよい。当該技術分野において周知のいくつかの手段で、分子の純度または均一性を評価することができる。例えば、当該技術分野において周知の方法を用いて、ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびゲル染色によりポリペプチドを可視化することで、ポリペプチド試料の純度を評価することができる。ある特定の目的のために、HPLCまたは当該技術分野において周知の他の精製手段を用いることで、より高い解像度を得てもよい。
【0098】
試料の少なくとも約60%~75%が単一のポリペプチド種を示す場合に、タンパク質またはポリペプチドは「実質的に純粋な」、「実質的に均一な」、または「実質的に精製された」ものである。このポリペプチドまたはタンパク質は単量体であっても多量体であってもよい。実質的に純粋なポリペプチドまたはタンパク質は、通常、タンパク質試料の約50%(W/W)、約60%(W/W)、約70%(W/W)、約80%(W/W)、または約90%(W/W)を構成しており、より頻繁には約95%を構成しており、99%超純粋となることが好ましい。タンパク質の純度または均一性は、タンパク質試料をポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた後、当該技術分野において周知の染色法によるゲル染色で単一ポリペプチドバンドを可視化するなどの、当該技術分野において周知のいくつかの手段で、示すことができる。ある特定の目的のために、HPLCまたは当該技術分野において周知の他の精製手段を用いることで、より高い解像度を得てもよい。
【0099】
「標識」または「標識化」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体に別の分子を組み込むことをいう。1つの実施形態において、標識は検出可能なマーカーであり、例えば、放射性標識されたアミノ酸の組み込み、またはマークを付けたアビジンにより検出可能なビオチニル部分のポリペプチドへの付加(例えば、光学的方法または熱量測定法(calorimetric method)で検出可能な蛍光マーカーまたは酵素活性を含むストレプトアビジン)である。別の実施形態において、標識またはマーカーは、治療用の標識またはマーカーとすることができ、例えば、薬剤複合体または毒素である。ポリペプチドおよび糖タンパク質の種々の標識法が、当該技術分野において公知であり、使用されてよい。ポリペプチド用の標識の例として、以下が挙げられるが、これらに限定はされない:放射性同位元素または放射性核種(例えば、3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光ラベル(例えば、FITC蛍光体、ローダミン蛍光体、ランタニド蛍光体)、酵素標識(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光マーカー、ビオチニル基、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体に対する結合部位、金属結合ドメイン、エピトープ標識)、磁性を有する薬剤、例えばガドリニウムキレート、毒素、例えば百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウムブロマイド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド(tenoposide)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド類、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、およびピューロマイシン、並びにこれらのアナログまたはホモログ。種々の実施形態において、標識は、起こり得る立体障害を抑制するため、様々な長さのスペーサーアームによって付加される。
【0100】
用語「異種の」とは、本明細書で使用される場合、構成や状態が天然のものではない、または天然には存在しないことを指し、例えば、既存の天然構成または天然状態を、別の供給源由来の構成または状態と置き替えることにより達成することができる構成や状態を指す。同様に、そのタンパク質が天然で発現される生物以外の生物でのタンパク質の発現は、異種の発現系および異種のタンパク質となる。
【0101】
本明細書に記載の本開示の態様および実施形態は、態様および実施形態「からなるもの」、および/または態様および実施形態「から本質的になるもの」、を包含すると理解される。
【0102】
本明細書における「約」値またはパラメーターを指す記載は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とした変動を包含(および説明)する。例えば、「約X」を指す記載は、「X」という記載を包含する。
【0103】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、文脈によって特に明示されていない限り、「a」、「または(or)」、および「the」といった単数形は複数形を包含する。本明細書に記載の本開示の態様および変更形態は、態様および変更形態「からなるもの」、および/または態様および変更形態「から本質的になるもの」、を包含すると理解される。
【0104】
VitoKineプラットフォームの説明
本発明は、全身性機構(systemic mechanism)に基づいた毒性を低減し、サイトカインなどのタンパク質の治療的有用性を広げることを目的とした、サイトカインベースの生理活性化薬剤(「VitoKine」)プラットフォームを提供する。
図1を参照すると、本発明の新規VitoKine構築体は、ターゲティングドメイン、半減期延長ドメイン、または二機能性もしくは多機能性部分ドメインであるD1ドメインと、「活性部分ドメイン」(D2)と、「遮蔽部分ドメイン」(D3)と、を含む。提案されたVitoKine D2ドメインの活性化方法が
図2に示されている。重要なこととして、VitoKine構築体のD2は患部組織で発現上昇しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるまで不活性状態または活性が減弱された状態を維持するため、これにより、当該活性部分が周辺の、または患部以外の細胞の細胞表面上の受容体に結合することが制限され、その経路の過剰な活性化が抑制され、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性が低減される。さらに、プロテアーゼによる活性化前にVitoKine活性部分が不活性であることで、抗原シンクや標的シンクの可能性が大きく減少するため、生体内半減期が延長し、体内分布および治療目標部位における生物学的利用能が改善される結果となる。
【0105】
D1ドメイン(「ターゲティングドメイン、半減期延長ドメイン、または二機能性もしくは多機能性部分ドメイン」)
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、腫瘍関連抗原に対する抗体もしくは抗体断片またはタンパク質もしくはペプチドの形態のターゲティング部分であるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、免疫チェックポイント修飾因子に対する抗体、抗体断片、タンパク質、またはペプチドであるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、自己免疫調節物質として抗体もしくは抗体断片またはタンパク質もしくはペプチドであるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、腫瘍微小環境(TME)または炎症組織部位などの組織部位にD2ドメインを滞留させる働きをするD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、組織ターゲティングおよび組織滞留など、二機能性であるD1を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、ポリマーであるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、半減期延長部分であるD1ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、FcドメインであるD1ドメインを含む。
【0106】
Fcドメイン
IgGクラスの免疫グロブリンはヒト血液中で最も豊富なタンパク質である。IgGクラス免疫グロブリンの循環血中半減期は21日間もの長さに達し得る。IgGのFc領域を種々のサイトカインや受容体などの別のタンパク質のドメインと組み合わせた、融合タンパク質の報告がある(例えば、Caponら、Nature、337巻:頁525-531、1989年;Chamowら、Trends Biotechnol.、14巻:頁52-60、1996年);米国特許第5,116,964号および同第5,541,087号を参照)。融合タンパク質の原型は、IgGのFcのヒンジ領域内のシステイン残基を介して連結された、重鎖の可変領域およびCH1ドメインと軽鎖がないIgG分子に似た分子となった、ホモ二量体タンパク質である。Fcドメインを含む融合タンパク質の二量体特性は、他の分子とのより高次の相互作用(すなわち二価または二重特異的結合)を実現する際に有利となり得る。構造的な相同性により、Fc融合タンパク質は、同様のアイソタイプをもつヒトIgGと同等のインビボ薬物動態プロファイルを示す。
【0107】
用語「Fc」は、単量体形態であっても多量体形態であってもよい、全長抗体の非抗原結合性断片の配列を含む分子または配列を指す。ネイティブFcのオリジナルとなる免疫グロブリン供給源は、ヒト由来のものが好ましく、任意の免疫グロブリンであってよいが、IgG1およびIgG2が好ましい。ネイティブFcは、共有結合的結合(すなわち、ジスルフィド結合)および非共有結合的結合により、連結されて二量体形態または多量体形態になり得る、単量体ポリペプチドから構成される。ネイティブFc分子の単量体サブユニット間の分子間ジスルフィド結合の数は、クラス(例えば、IgG、IgM、IgA、IgE)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgGA2)に応じて、1~4の幅がある。ネイティブFcの一例として、IgGのパパイン分解から生じるジスルフィド結合二量体がある(Ellisonら、(1982年)、Nucleic Acids Res.、10巻:頁4071-9)。用語「ネイティブFc」とは、本明細書で使用される場合、単量体形態、二量体形態、および多量体形態の総称である。プロテインAに対する結合部位、プロテインGに対する結合部位、種々のFc受容体に対する結合部位、および補体タンパク質に対する結合部位を含有するFcドメイン。
【0108】
種々の実施形態において、用語「Fcバリアント」とは、ネイティブFcから改変を受けたが、サルベージ受容体であるFcRnに対する結合部位を尚も含んでいる、分子または配列を指す。国際公開第97/34631号(1997年9月25日に公開)および国際公開第96/32478号には、例示的なFcバリアント、およびサルベージ受容体との相互作用に関する記載があり、当該国際公開は参照により本明細書に援用される。さらに、ネイティブFcは、本発明の融合分子には必要とされない構造的特徴または生物活性を与えることから、除去されてもよい部位を含む。すなわち、種々の実施形態においては、用語「Fcバリアント」は、以下に影響または関与する1または複数のネイティブFc部位または残基を欠く分子または配列を含む:(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との不適合性、(3)選択された宿主細胞における発現後のN末端の異種性、(4)グリコシル化、(5)CDCなどの、補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、または、(7)抗体依存性細胞傷害(ADCC)。
【0109】
用語「Fcドメイン」は、上記で定義された、ネイティブFcおよびFcバリアントの分子および配列を包含する。FcバリアントおよびネイティブFcと同様、用語「Fcドメイン」は、全長抗体から消化された、または組換え遺伝子発現もしくは他の手段で生成された、単量体形態または多量体形態の、分子を包含する。種々の実施形態において、「Fcドメイン」とは、ヒンジ領域の全体または一部を通常含む、2つのFcドメイン単量体(配列番号13)からなる二量体を指す。種々の実施形態において、Fcドメインはエフェクター機能を欠くように変異を受けていてもよい。種々の実施形態において、FcドメインのFcドメイン単量体の各々は、FcドメインとFcγ受容体との間の相互作用または結合を減少させるために、CH2抗体定常ドメインにアミノ酸置換を含む。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減する2つのアミノ酸置換(L234AおよびL235A)を含む。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減する3つのアミノ酸置換(L234A、L235A、およびG237A)を含む(配列番号14)。
【0110】
種々の実施形態において、Fcドメインは生体内半減期をさらに延長させるように変異を受けていてもよい。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、米国特許第7,658,921号(配列番号156)で開示された、ヒトFcRnに対する結合性を増強する3つのアミノ酸置換(M252Y、S254T、およびT256E)を含む。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、米国特許第7,371,826号で開示された、ヒトFcRnに対する結合性を増強させた1つのアミノ酸置換(N434A)を含む(配列番号166)。種々の実施形態において、Fcドメインの各サブユニットは、米国特許第8,546,543号で開示された、ヒトFcRnに対する結合性を増強させた1つのアミノ酸置換(M428LおよびN434S)を含む。種々の実施形態において、半減期延長変異は、活性化性Fc受容体への結合性および/またはエフェクター機能を低減するアミノ酸置換と組み合わせることができる。
【0111】
種々の実施形態において、Fcドメインの2つのFcドメイン単量体は、それぞれ、これら2つの単量体のヘテロ二量体化を促すアミノ酸置換を含む。種々の他の実施形態において、Fcドメイン単量体のヘテロ二量体化は、2つのFcドメイン単量体に異なっているが適合性の置換(「ノブ・イントゥ・ホール(knob-into-hole)」残基対など)を導入することにより、促すことができる。この「ノブ・イントゥ・ホール」技術は米国特許第8,216,805号においても開示されている。さらに別の実施形態では、一方のFcドメイン単量体がノブ型変異T366Wを含み、他方のFcドメイン単量体がホール型変異のT366S、L358A、およびY407Vを含む。種々の実施形態において、安定化ジスルフィド架橋を形成する2つのCy残基が(「ノブ」側のS354Cと「ホール」側のY349C)が導入された(配列番号15および配列番号16)。ヘテロ二量体Fcの使用により、一価VitoKine構築体が得られ得る。
【0112】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、下記の配列番号14に記載のヒトIgG1-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号14)、
【0113】
配列番号14は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
【0114】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、下記の配列番号15に記載のKnob-Fcドメイン配であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号15)
【0115】
配列番号15は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
【0116】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるヘテロ二量体Fcドメイン配列は、下記の配列番号16に記載のHole-Fcドメイン配であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)、
【0117】
配列番号16は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)を含む。
【0118】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、エフェクター機能が低減/消失し、半減期が延長された、下記の配列番号156に記載のアミノ酸配列を有する、IgG1-Fcドメインであり:
DKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号156)、
【0119】
配列番号156は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0120】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、下記の配列番号166に記載のヒトIgG1-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号166)、
【0121】
配列番号166は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0122】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、下記の配列番号167に記載の、生体内半減期が延長されたKnob-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号167)、
【0123】
配列番号167は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0124】
種々の実施形態において、VitoKine構築体の製造に使用されるFcドメイン配列は、下記の配列番号168に記載の、生体内半減期が延長されたHole-Fcドメイン配列であり:
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号168)、
【0125】
配列番号168は、FcγRの結合やC1qの結合を断つアミノ酸置換(下線部)と、半減期を延長させるアミノ酸置換(太字)とを含む。
【0126】
疾患関連標的または腫瘍関連抗原に対する抗体およびタンパク質/ペプチド結合体
種々の実施形態において、D1は、腫瘍関連抗原(TAA)に対する抗体の形態のターゲティング部分とすることもできるし、患部細胞または患部組織に対し結合親和性を示す別のタンパク質またはペプチドの形態のターゲティング部分とすることもできる。上記のTAAは、それに対する免疫応答が望まれる、任意の分子、高分子、分子の組み合わせなどであり得る。上記のTAAは、2以上のポリペプチドサブユニットを含むタンパク質であり得る。例えば、上記のタンパク質は二量体、三量体、またはより高次の多量体であり得る。種々の実施形態において、上記のタンパク質の2以上のサブユニットは、例えばジスルフィド結合などの共有結合で連結されているとすることができる。種々の実施形態において、上記のタンパク質のサブユニットは、非共有結合性相互作用で結び付いているとすることができる。すなわち、TAAは、それに対する免疫応答の誘導が当業者により望まれる、任意のペプチド、ポリペプチド、タンパク質、核酸、脂質、炭水化物、もしくは有機小分子、またはこれらの任意の組み合わせとすることができる。種々の実施形態において、TAAは、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約25個、約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約55個、約60個、約65個、約70個、約75個、約80個、約85個、約90個、約95個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約400個、約500個、約600個、約700個、約800個、約900個、または約1000個のアミノ酸を含むペプチドである。種々の実施形態において、上記のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質は、一般的には注射によって対象に投与される分子である。種々の実施形態において、投与後、腫瘍特異的な抗体または結合タンパク質は、VitoKineをがん部位などの患部に導くターゲティング部分として働き、当該患部で、活性ドメインが遊離し、患部細胞または患部組織上のそのコグネイトな受容体と相互作用し得る。
【0127】
上記マーカーのいずれも、本発明のVitoKine構築体の疾患関連標的またはTAA標的として用いることができる。種々の実施形態において、本開示のVitoKine構築体および方法における使用が企図される1または複数の疾患関連標的もしくはそのバリアント、またはTAA、TAAバリアント、もしくはTAA変異体は、表2に示される一覧表から選択されるか、またはそれに由来する。
【0128】
【0129】
腫瘍関連抗原のさらなる例としては、TRP-1、TRP-2、MAG-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15(58)、CEA、RAGE、NY-BSO(LAGE)、SCP-1、Hom/Mel-40、H-Ras、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原のE6およびE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、p180erbB-3、c-met nm-23H1、PSA、TAG-72-4、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、Numa、K-ras、β-カテニン、CDK4、Muni-1、p16、TAGE、PSCA、CT7、テロメラーゼ、43-9F、5T4、791Tgp72、β-HCG、BCA225、BTAA、CA15-3(CA27.29\BCAA)、CA195、CA242、CA-50、CAM43、CD68\KF1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90(Mac-2結合タンパク質¥シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLP、およびTPSが挙げられる。
【0130】
免疫チェックポイント修飾因子
いくつかの免疫チェックポイントタンパク質抗原が、種々の免疫細胞上で発現されていることが報告されており、例えば、CD152(活性化型のCD8+T細胞、CD4+T細胞、および制御性T細胞によって発現)、CD279(腫瘍浸潤リンパ球上で発現、活性化T細胞(CD4およびCD8の両方)、制御性T細胞、活性化B細胞、活性化NK細胞、免疫不応答状態のT細胞、単球、樹状細胞によって発現)、CD274(T細胞、B細胞、樹状細胞、マクロファージ、血管内皮細胞、膵島細胞上で発現)、およびCD223(活性化T細胞、制御性T細胞、免疫不応答状態(angergic)T細胞、NK細胞、NKT細胞、および形質細胞様樹状細胞によって発現)(例えば、Pardoll,D.、Nature Reviews Cancer、12巻:頁252-264、2012年を参照)が挙げられる。免疫チェックポイントタンパク質であることが確認されている抗原に結合する抗体は、当業者に公知である。例えば、様々な抗CD276抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許出願公開第20120294796号(Johnsonら)およびその引用文献を参照);様々な抗CD272 抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許出願公開第20140017255号(Matarazaら)およびその引用文献を参照);様々な抗CD152/CTLA-4抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許出願公開第20130136749号(Korman et al)およびその引用文献を参照);様々な抗LAG-3/CD223抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許出願公開第20110150892号(Thudiumら)およびその引用文献を参照);様々な抗CD279/PD-1抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許第7,488,802号(Collinsら)およびその引用文献を参照);様々な抗PD-L1抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許出願公開第20130122014号(Kormanら)およびその引用文献を参照);様々な抗TIM-3抗体が当該技術分野で報告されており(例えば、米国特許出願公開第20140044728号(Takayanagiら)およびその引用文献を参照);様々な抗B7-H4抗体が当該技術分野で報告されている(例えば、米国特許出願公開第20110085970号(Terrettら)およびその引用文献を参照)。これらの参考文献の各々は、当該参考文献で教示された特定の抗体および配列について、その全体が参照によって本明細書に援用されたものとする。
【0131】
種々の実施形態において、D1は、免疫細胞の表面上に存在する免疫チェックポイントタンパク質抗原に対して結合性を示す抗体、抗体断片、またはタンパク質もしくはペプチドを含み得る。種々の実施形態において、免疫チェックポイントタンパク質抗原は、CD276、CD272、CD152、CD223、CD279、CD274、CD40、SIRPa、CD47、OX-40、GITR、ICOS、CD27、4-1BB、TIM-3、B7-H4、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTAからなる群から選択されるが、これらに限定はされない。
【0132】
種々の実施形態において、D1は、腫瘍細胞の表面上に存在する、PD-L1、B7-H3、およびB7-H4からなる群から選択されるが、これらに限定はされない、免疫チェックポイントタンパク質抗原に対する抗体を含み得る。
【0133】
自己免疫性障害および炎症性障害の調節物質
様々な炎症組織または免疫細胞上で高発現されている上記のタンパク質のいずれも、本発明のVitoKine構築体の自己免疫性疾患/炎症性疾患の標的として用いることができる。種々の実施形態において、本開示のVitoKine構築体および方法における使用が企図される、1または複数の自己免疫性疾患/炎症性疾患の標的、そのバリアント、またはその変異体/アイソフォームは、表3に示される一覧表から選択されるか、またはそれに由来する。これらの標的はがん標的としても適用可能であり得る。
【0134】
【0135】
種々の実施形態において、D1ターゲティング部分は、TNF、TNFR、インテグリンA4β7、IL-6Rα、BLYS、TSLPなどの、患部細胞または患部微小環境に対して結合性を示す、炎症組織特異的な抗体、抗体断片、別のタンパク質またはペプチドとすることができる。
【0136】
ポリマー
種々の実施形態において、D1は、ポリエチレングリコール(PEG)などのポリマーとすることができる。種々の実施形態において、PEGなどのポリマーは、化学的結合などの従来の化学的手法を用いて、N末端もしくはC末端、または内部位置に、共有結合的に取り付けられ得る。種々の実施形態において、PEGなどのポリマーは、部位特異的結合またはサイトカインの他のアミノ酸もしくは操作された特定のアミノ酸置換を介して、D2ドメインのN末端に共有結合的に取り付けられ得る。
【0137】
半減期延長部分
種々の実施形態において、VitoKineの血中半減期を延長するために、本発明におけるD1ドメインとして用いることができる、他の半減期延長部分。半減期延長部分としては、Fcドメイン、Fcバリアント、抗体、抗体断片(Fab、ScFv)、およびEXTEN(Schellenbergerら、Nat.Biotechnol.27巻:頁1186-1192、2009年)、およびヒト血清アルブミンタンパク質が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0138】
D2ドメイン(「活性部分ドメイン」)
D2は、VitoKine構築体の活性部分であって、その活性は当該構築体において可逆的に遮蔽されており、患部でプロテアーゼ切断された際に回復され得る。この活性部分は、任意のネイティブまたはバリアントのインターロイキンまたはサイトカインポリペプチドを含むがこれらに限定はされない、任意のタンパク質であり得る。重要なこととして、VitoKine構築体の「活性部分」は患部組織で発現上昇しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるまで不活性状態または活性が減弱された状態を維持するため、これにより、当該活性部分が周辺の、または患部以外の細胞の細胞表面上の受容体に結合することが制限され、その経路の過剰な活性化が抑制され、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性が低減される。さらに、プロテアーゼによる活性化前にVitoKine活性部分が不活性であることで、抗原シンクや標的シンクの可能性が大きく減少するため、生体内半減期が延長し、体内分布および治療目標部位における暴露が改善される結果となる。
【0139】
IL-15
インターロイキン-15(IL-15)は、抗IL-2中和抗体の存在下でIL-2依存性CTLL-2 T細胞株の増殖を刺激する能力に基づいて、2つの別個のグループにより同定されたサイトカインである(Steelら、Trends in Pharmacological Sciences、33巻(1号):頁35-41、2012年)。IL-15およびインターロイキン-2(IL-2)は、受容体(R)シグナル伝達成分(IL-2/15Rβγc)の共有にみられるように、インビトロにおいて同様の生物学的特性を有する。しかし、IL-2に対するIL-15の特殊性が独自の私有のα鎖受容体によってもたらされ、このα鎖受容体によりヘテロ三量体型の高親和性受容体複合体であるIL-15RαβγおよびIL-2Rαβγが完成されることで、リガンドおよび発現された高親和性受容体に依存した応答性の差異が生じる。興味深いことに、IL-15転写物およびIL-15Rα転写物は共に、IL-2/IL-2Rαよりもかなり広い組織分布を有する。さらに、複数の複雑な転写後制御機構がIL-15発現を厳密に制御している。すなわち、IL-15およびIL-15Rαの発現の複雑な制御と、さらには発現パターンの差異から、この受容体/リガンド対の重要なインビボ機能は、IL-2とIL-2Rαの機能とは異なる可能性がある。IL-15の生物学的特性を調べている研究によって、現在までに、ナチュラルキラー(NK)細胞、NK-T細胞、および小腸上皮内リンパ細胞の発生および機能におけるIL-15の重要性など、いくつかの重要な非冗長的な役割が確認されている。関節リウマチなどの自己免疫プロセスや、成人T細胞白血病などの悪性腫瘍におけるIL-15の役割から、IL-15の調節異常は宿主に有害作用をもたらす恐れが示唆される(Fehnigerら、Bllod、97巻:頁14-32、2001年)。
【0140】
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL-15」および「ネイティブインターロイキン-15」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、および成熟型を包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン-15アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類インターロイキン-15種のアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_032383(ハツカネズミ(Mus musculus)、未成熟型)、AAB60398(アカゲザル(Macaca mulatta)、未成熟型)、NP_000576(ヒト、未成熟型)、CAA62616(ヒト、未成熟型)、AAI00964(ヒト、未成熟型)、およびAAH18149(ヒト)が挙げられる。本発明の種々の実施形態において、ネイティブIL-15は、天然哺乳類IL-15の未成熟型または前駆型である。他の実施形態において、ネイティブIL-15は、天然哺乳類IL-15の成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15は、天然ヒトIL-15の前駆型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15は、天然ヒトIL-15の成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15タンパク質/ポリペプチドは、単離または精製されたものである。種々の実施形態において、IL-15ベースのドメインD2は、下記の配列番号1に記載のヒトIL-15前駆体配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号1)。
【0141】
種々の実施形態において、IL-15ベースのドメインD2は、下記の配列番号2に記載のヒトIL-15成熟型配列のアミノ酸配列を含む:
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号2)。
【0142】
種々の実施形態において、IL-15ベースのドメインD2は、配列番号2に記載の成熟ヒトIL-15ポリペプチドの配列に由来する配列を含むIL-15バリアント(または変異体)となるであろう。IL-15のバリアント(または変異体)は、元のアミノ酸、成熟配列内での上記元のアミノ酸の位置、およびバリアント型のアミノ酸、を用いて呼称される。例えば、「huIL-15 S58D」は、配列番号2の58位にSからDへの置換を含むヒトIL-15を表す。種々の実施形態において、本発明のD2ドメインは、IL-15バリアントであるIL-15ドメインを含む(以下、IL-15変異ドメインとも称する)。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、ネイティブ(または野生型)IL-15タンパク質とは異なるアミノ酸配列を含む。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、IL-15Rαポリペプチドと結合し、IL-15のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能する。種々の実施形態において、アゴニスト活性を有するIL-15バリアントは、スーパーアゴニスト活性を有する。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、IL-15Rαとの結び付きとは無関係に、IL-15のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能できる。IL-15アゴニストは、野生型IL-15と比較した場合の同等または増加した生物活性により例証される。IL-15アンタゴニストは、野生型IL-15と比較した場合の生物活性の減少、またはIL-15介在反応を阻害する能力により例証される。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、増加または減少した活性で、IL-15RβγC受容体に結合する。種々の実施形態において、IL-15バリアントの配列は、ネイティブIL-15配列と比較した場合に、少なくとも1つのアミノ酸変化、例えば置換または欠失、を有し、このような変化により、IL-15アゴニスト活性またはIL-15アンタゴニスト活性が得られる。種々の実施形態において、アミノ酸置換/欠失は、IL-15Rβおよび/またはγCと相互作用するIL-15のドメイン内にある。種々の実施形態において、アミノ酸置換/欠失は、IL-15Rαポリペプチドへの結合性にも、IL-15バリアントの産生能にも、影響を与えない。IL-15バリアントを作製するのに好適なアミノ酸置換/欠失は、既知のIL-15構に基づいて、IL-15と構造既知のIL-2などの類似分子との比較に基づいて、本明細書で提供されるような、合理的もしくは無作為の変異誘発と機能分析を通じて、または他の経験的方法を通じて、特定することができる。さらに、好適なアミノ酸置換は、保存的な変化および追加のアミノ酸の挿入とすることもできるし、非保存的な変化および追加のアミノ酸の挿入とすることもできる。種々の実施形態において、本発明のIL-15バリアントは、配列番号2に記載の成熟ヒトIL-15配列の30位、31位、32位、58位、62位、63位、67位、68位、または108位に、1または2以上のアミノ酸置換またはアミノ酸欠失を含有する。種々の実施形態において、D30T(「D30」は、ネイティブ成熟ヒトIL-15配列内のアミノ酸と残基位置を指し、「T」はIL-15バリアント内のその位置における置換後のアミノ酸残基を指す)置換、V31Y置換、H32E置換、D62T置換、I68F置換、またはQ108M置換は、アンタゴニスト活性を有するIL-15バリアントを生じ、S58D置換は、アゴニスト活性を有するIL-15バリアントを生じる。種々の実施形態において、IL-15バリアントは、下記の配列番号3に記載のアミノ酸配列を含む:
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号3)。
【0143】
例示的なFc IL-15 VitoKine構築体を表4に示す。
【0144】
【0145】
種々の実施形態において、抗体IL-15 VitoKineまたはIL-15 Fc融合体の各分子は、表5に記載されるような2つ以上のヘテロ二量体鎖を含むであろう。
【0146】
【0147】
種々の実施形態において、IL-15ベースのD2ドメインは、配列番号66~70に記載のアミノ酸配列を有する構築体から選択されるIL-2Rβベースのブロッキングペプチドを含むIL-15構築体を含むであろう。
【0148】
種々の実施形態において、IL-15ベースのD2ドメインは、IL-2Rβベースのブロッキングペプチドを含み、表6に記載されているようなヘテロ二量体鎖を2つ以上有する、IL-15構築体を含むであろう。
【0149】
【0150】
IL-2
インターロイキン-2(IL-2)は、古典的なTh1サイトカインであり、T細胞抗原受容体と共起刺激分子CD28を介した活性化後のT細胞によって産生される。IL-2の制御は、シグナル経路の活性化と、IL-2プロモーターに作用して遺伝子転写を新たに引き起こす転写因子と、を通じて起こるが、IL-2mRNAの安定性の調節も伴う。IL-2は、Jak-STAT経路を通じたシグナル伝達を仲介する、高度に制御されたα鎖とβ鎖とγ鎖を含む多鎖受容体に結合する。IL-2は、活性化シグナル、増殖シグナル、および分化シグナルをT細胞、B細胞、およびNK細胞に送達する。IL-2はまた、免疫応答を終了させるための必要不可欠な機構を与える機能である、活性化により誘導されるT細胞死の媒介において重要である。市販の非グリコシル化ヒト組換えIL-2製品である、アルデスロイキン(カリフォルニア州サンディエゴのプロメテウス・ラボラトリーズ社(Prometheus Laboratories Inc.)から、PROLEUKIN(登録商標)という商標のデス-アラニル-1、セリン-125ヒトインターロイキン-2として入手可能)は、転移性腎細胞癌患者および転移性黒色腫患者への投与用に承認されている。IL-2はまた、C型肝炎ウイルス(HCV)感染患者、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者、急性骨髄性白血病患者、非ホジキンリンパ腫患者、皮膚T細胞リンパ腫患者、若年性関節リウマチ患者、アトピー性皮膚炎患者、乳がん患者、および膀胱がん患者における投与が提唱されている。残念ながら、半減期の短さと毒性の強さがIL-2の最適用量に制限を設けている。
【0151】
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL-2」および「ネイティブインターロイキン-2」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、および成熟型を包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン-2アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類インターロイキン-2種のアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_032392.1(ハツカネズミ(Mus musculus)、未成熟型)、NP_001040595.1(アカゲザル(Macaca mulatta)、未成熟型)、NP_000577.2(ヒト、前駆型)、CAA01199,1(ヒト、未成熟型)、AAD48509.1(ヒト、未成熟型)、およびAAB20900.1(ヒト)が挙げられる。本発明の種々の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然哺乳類IL-2の未成熟型または前駆型である。他の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然哺乳類IL-2の成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然ヒトIL-2の前駆型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2は、天然ヒトIL-2の成熟型である。種々の実施形態において、IL-2ベースのドメインD2は、下記の配列番号6に記載のヒトIL-2前駆体配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号6)。
【0152】
種々の実施形態において、IL-2ベースのドメインD2は、下記の配列番号8に記載のヒトIL-2成熟型野生型配列のアミノ酸配列を含み、当該アミノ酸配列は125位にシステインからセリンへの置換を含むが、天然IL-2との比較でIL-2受容体との結合性は変化させていない:
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号8)。
【0153】
種々の実施形態において、IL-2ベースのドメインD2は、配列番号8に記載の成熟ヒトIL-2ポリペプチドの配列に由来する配列を含むIL-2バリアント(または変異体)となるであろう。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、ネイティブ(または野生型)IL-2タンパク質とは異なるアミノ酸配列を含む。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rαポリペプチドと結合し、IL-2のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能する。種々の実施形態において、アゴニスト活性を有するIL-2バリアントは、スーパーアゴニスト活性を有する。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rαとの結び付きとは無関係に、IL-2のアゴニストまたはアンタゴニストとして機能できる。IL-2アゴニストは、野生型IL-2と比較した場合の同等または増加した生物活性により例証される。IL-2アンタゴニストは、野生型IL-2と比較した場合の生物活性の減少、またはIL-2介在反応を阻害する能力により例証される。種々の実施形態において、IL-2バリアントの配列は、ネイティブIL-2配列と比較した場合に、少なくとも1つのアミノ酸変化、例えば置換または欠失、を有し、このような変化により、IL-2アゴニスト活性またはIL-2アンタゴニスト活性が得られる。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rαに対する結合性が減少/消失しており、がん治療に有効なT細胞(Teff)を選択的に活性化し増殖させる、配列番号8由来のアミノ酸配列を有する。例示的なアミノ酸置換を表7に挙げる。種々の実施形態において、IL-2バリアントは、IL-2Rβおよび/またはγcに対する結合性が減少しており、自己免疫疾患治療用の制御性T細胞(Treg)の活性化および増殖における選択性が増強された、配列番号8由来のアミノ酸配列を有する。例示的なアミノ酸置換を表7に挙げる。当業者には理解されることであるが、これら全ての変異は、所望により、独立して、任意に組み合わせることで、最適な親和性と活性化の調節を達成することができる。
【0154】
【0155】
例示的なIL-2ベースのVitoKine構築体を表8に示す。
【0156】
【0157】
種々の実施形態において、活性部分は、限定はされないが、インターロイキン-4(IL-4)(配列番号17)、インターロイキン-7(IL-7)(配列番号18)、インターロイキン-9(IL-9)(配列番号19)、インターロイキン-10(IL-10)(配列番号20)、インターロイキン-12α(IL-12α)(配列番号21)、インターロイキン-12β(IL-12β)(配列番号22)、インターロイキン-23α(IL-23α)(配列番号23)、およびTGFβ(配列番号24)の各アミノ酸配列からなる配列の群から選択される。種々の実施形態において、活性部分は、第1鎖としての配列番号21と、第2鎖としての配列番号22と、を含むヘテロ二量体ヒトIL-12サイトカインである。種々の実施形態において、活性部分は、第1鎖としての配列番号23と、第2鎖としての配列番号22と、を含むヘテロ二量体ヒトIL-23サイトカインである。
【0158】
D3ドメイン(「遮蔽部分ドメイン」)
D3ドメインは「遮蔽部分ドメイン」であり、主に、特定のVitoKine構築体においてD2ドメインの活性を可逆的に遮蔽するために利用される。D3ドメインは、目的の治療部位で活性化を受けるまで、D2の機能活性を遮蔽することが可能である。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、D2のタンパク質またはサイトカインに対するコグネイト受容体/結合パートナーである、「遮蔽部分ドメイン」(D3)を含む。種々の実施形態において、D3ドメインは、D2ドメインに対するコグネイト受容体/結合パートナーのバリアント、またはペプチドもしくは抗体断片などの特異的結合体である。種々の実施形態において、D3ドメインは、野生型コグネイト受容体/結合パートナーと比較して、D2ドメインに対する結合性が増強されている。種々の実施形態において、D3ドメインは、野生型コグネイト受容体/結合パートナーと比較して、D2ドメインに対する結合性が減少または消失している。種々の実施形態において、D3ドメインは、D2の活性を遮蔽することができる、タンパク質、またはペプチド、または抗体、または抗体断片である。種々の実施形態において、D3ドメインは、切断可能なリンカーによる、DNA、RNA断片、またはPEGなどのポリマーである。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-15Rα細胞外ドメインまたはその機能性断片もしくはバリアントであるD3ドメインを含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-15RαSushiドメインであるD3ドメイン(配列番号5の1~65位のアミノ酸)を含む。種々の好ましい実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、SushiドメインのC末端に1~30個の追加のIL-15Rα残基を含む、IL-15RαSushi+ドメインであるD3ドメイン(例えば、配列番号5)を含む。種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-2Rα細胞外ドメインまたはその機能性断片であるD3ドメインを含む。種々の好ましい実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、IL-2RαSushiドメインであるD3ドメインを含む。種々の実施形態において、D3ドメインは、目的の治療部位で活性化を受けるまで、D2の機能活性を遮蔽することが可能である。
【0159】
IL-15受容体α
IL-15受容体は、ベータ(β)・ガンマ(γ)サブユニット(IL-2受容体と共有)と、アルファ(α)サブユニット(IL-15と高親和性で結合)と、からなるI型サイトカイン受容体である。完全長ヒトIL-15Rαは、32アミノ酸長のシグナルペプチド、173アミノ酸長の細胞外ドメイン、21アミノ酸長の膜貫通領域、37アミノ酸長の細胞質側末端、および複数のN結合型またはO結合型糖鎖付加部位を有するタイプ1膜貫通型タンパク質である(Andersonら、J.Biol Chem、270巻:頁29862-29869、1995年)。以前に、IL-15Rαの細胞外ドメイン全体に相当するIL-15Rα鎖の天然可溶型が、高親和性のIL-15アンタゴニストとして働くことが明らかにされた。しかし、その知見とは際立って対照的であることに、IL-15に対する結合親和性の大部分を占める、IL-15Rαの組換え型の可溶性sushiドメインが、IL-15Rβ/γヘテロ二量体を介したIL-15の結合性および生物学的効果(増殖およびアポトーシスからの保護)を増強することで強力なIL-15アゴニストとして働き、一方で三分子型IL-15Rα/β/γ膜受容体のIL-15結合性と機能には影響を与えないことが明らかとなった。これらの結果から、天然に産生されている場合、このような可溶性sushiドメインがIL-15のトランスプレゼンテーション機構に関与している可能性が示唆された(Mortierら、J.Biol Chem、281巻(3号):頁1612-1619、2006年)。
【0160】
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL-15Rα」および「ネイティブインターロイキン-15受容体α」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、成熟型および天然アイソフォームを包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン-15受容体α(「IL-15Rα」)アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類IL-15Rαのアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_002180(ヒト)、ABK41438(アカゲザル(Macaca mulatta))、NP_032384(ハツカネズミ(Mus musculus))、Q60819(ハツカネズミ(Mus musculus))、CA141082(ヒト)が挙げられる。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然哺乳類IL-15Rαポリペプチドの未成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然哺乳類IL-15Rαポリペプチドの成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然哺乳類IL-15Rαポリペプチドの一形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然哺乳類IL-15Rαポリペプチドの完全長形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然ヒトIL-15Rαポリペプチドの未成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然ヒトIL-15Rαポリペプチドの成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαは、天然ヒトIL-15Rαポリペプチドの完全長形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL-15Rαタンパク質またはポリペプチドは、単離または精製されたものである。種々の実施形態において、IL-15Rαドメインは、下記の配列番号4に記載のヒトIL-15Rα配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL(配列番号4)。
【0161】
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、下記の配列番号5に記載の成熟ヒトIL-15Rαポリペプチドのアミノ酸配列を含むIL-15RαSushi+ドメインである、D3ドメインを含む:
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号5)。
【0162】
種々の実施形態において、IL-15の切断型コグネイト補助受容体であり、完全長IL-15Rα(配列番号4)の結合親和性の大部分を再現している、IL-15RαSushi+(配列番号5)が、IL-15 VitoKineを作製するために、IL-15とIL-15RαShushi+とを連結している切断可能なリンカーまたは切断不可なリンカーを調整することによって、IL-15活性を遮蔽するためのD3ドメインとして使用された。当業者であれば理解できることであるが、D3ドメインの長さは、完全長IL-15Rα(配列番号4)の結合活性の大部分を再現できる限り、すなわち機能性断片となる限り、配列番号5に記載の配列と異なっていてもよい。IL-15 VitoKine設計の他との明確な差異は、IL-15とIL-15αとの間の並外れて高い親和性(30pM)をはじめとする、IL-15経路のユニークな特徴の完全利用と、IL-15αの複合体形成が生体内におけるIL-15の活性を増強すること、にある。IL-15とIL-15αSushi+とを連結しているリンカーが、患部で発現上昇しているプロテアーゼによって切断された後も、IL-15RαShushi+または任意のIL-15RαECD由来機能断片は、IL-15の非共有結合性会合を残しており、IL-15活性を増強すると期待される。
【0163】
IL-2受容体
IL-2受容体(IL-2R)は、リンパ球などのある種の免疫細胞の表面上に発現されているヘテロ三量体タンパク質であり、IL-2と呼ばれるサイトカインに結合・応答する。IL-2Rは、以下の3種のサブユニットを有する:α(CD25)、β(CD122)、およびγc(CD132、他の5種のサイトカイン受容体(IL-4R、IL-7R、IL-9R、IL-15R、およびIL-21R)との共有鎖)。ヒト受容体のα鎖(別名:Tac抗原またはp55)は、IL-2RA遺伝子によって染色体10p14-15にコードされている。この受容体のヒトβ鎖(IL-2RB、CD122)の遺伝子は染色体22q11.2-12に位置しており、一方、共通IL-2RγC鎖(IL-2RG)の遺伝子は染色体Xq13に位置している。この受容体の3種全てのサブユニットの集合は、B細胞およびT細胞へのシグナル伝達にとって重要である。IL-2Rは、リンパ系(lymphoid linage)のT細胞、B細胞、およびNK細胞、並びにマクロファージ、単球、および好中球のような骨髄系を含むほぼ全ての造血細胞で(一時的または恒常的に)細胞表面上に発見された。このシグナルは、ヤヌスキナーゼであるJak1およびJak3を介して細胞内に伝達される。受容体β鎖のサイトゾル内部分のリン酸化により、STAT-3因子およびSTAT-5因子のホモ二量体形成が可能となる。STAT-3およびSTAT-5のホモ二量体は核に対する親和性の増加を示し、核において、IL-2依存的遺伝子の転写を増強する特異的なDNAエレメントに結合する。
【0164】
本明細書で使用される場合、「ネイティブIL-2Rα」および「ネイティブインターロイキン-2受容体α」という用語は、タンパク質またはポリペプチドの文脈の中で、未成熟型または前駆型、成熟型および天然アイソフォームを包含して、任意の天然哺乳類インターロイキン-2受容体α(「IL-2Rα」)アミノ酸配列を指す。種々のネイティブ哺乳類IL-2Rαのアミノ酸配列のGenBankアクセッション番号の非限定例としては、NP_032393.3(ハツカネズミ(Mus musculus))、CAK26553.1(ヒト)、およびNP_000408.1(ヒト)が挙げられる。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然哺乳類IL-2Rαポリペプチドの未成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然哺乳類IL-2Rαポリペプチドの成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然哺乳類IL-2Rαポリペプチドの一形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然哺乳類IL-2Rαポリペプチドの完全長形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然ヒトIL-2Rαポリペプチドの未成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然ヒトIL-2Rαポリペプチドの成熟型である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαは、天然ヒトIL-2Rαポリペプチドの完全長形態である。種々の実施形態において、ネイティブIL-2Rαタンパク質またはポリペプチドは、単離または精製されたものである。種々の実施形態において、IL-2Rαドメインは、下記の配列番号9に記載のヒトIL-2Rα配列のアミノ酸配列に由来するものである:
MDSYLLMWGLLTFIMVPGCQAELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGEMETSQFPGEEKPQASPEGRPESETSCLVTTTDFQIQTEMAATMETSIFTTEYQVAVAGCVFLLISVLLLSGLTWQRRQRKSRRTI(配列番号9)。
【0165】
種々の実施形態において、本発明のVitoKine構築体は、下記の配列番号10に記載の成熟ヒトIL-2Rαポリペプチドのアミノ酸配列を含むIL-2RαSushiドメインである、D3ドメインを含む:
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号10)。
【0166】
種々の実施形態において、IL-2活性を遮蔽するためにIL-2RαSushi(配列番号10)が用いられて、IL-2 VitoKineが作製される。単一のsushiドメインを含んだIL-15Rαとは異なり、IL-2Rαは、リンカー領域で隔てられた2つのsushiドメインを含む。種々の実施形態において、IL-2 VitoKineは、IL-2RαとIL-2との間の特定の非共有結合性相互作用を壊すことで、IL-2に対するIL-2Rαの結合親和性を減少させるためのアミノ酸置換を含有する、IL-2RαSushiバリアントを含む。ネイティブIL-2Rαは30nMという中程度の親和性でIL-2に結合するが、リンカーの切断後も、IL-2Rαが解離しないという可能性がある。IL-2RαがIL-2と会合することで、IL-2の活性が低減し、且つ/または、T細胞亜群のバランスが好ましくない方向に傾く場合がある。IL-2RαSushiに導入された、親和性を減少させる変異(例えば、K38E、もしくはY43A、またはこれら2つの置換の組み合わせ)により、IL-2Rαsushiドメインはプロテアーゼによるリンカー切断後にIL-2から解離しやすい。
【0167】
L1リンカーおよびL2リンカー
切断可能なリンカー
切断可能なリンカー、すなわち疾患関連酵素に感受性のリンカーは、患部以外の組織と比較した場合に患部において高レベルで存在しているプロテアーゼによる特異的な切断が可能な、タンパク性基質などの部分を含有していてもよい。様々な種類のがん(例えば、固形腫瘍)においてレベルが増加している基質既知の酵素が、文献で報告されている。例えば、各々の全体が参照によって本明細書に援用される、La Roccaら、Brit.J.Cancer、90巻:頁1414-1421、およびDucryら、Bioconjug.Chem.、21巻:頁5-13、2010年を参照されたい。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーを切断することが可能なプロテアーゼは、メタロプロテイナーゼ、例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)1~28、セリンプロテアーゼ、例えば、ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(uPA)およびマトリプターゼ、システインプロテアーゼ、例えば、レグマイン、アスパラギン酸プロテアーゼ、並びにカテプシンプロテアーゼからなる群から選択される。例示的なプロテアーゼ基質のペプチド配列を表9に示す。
【0168】
【0169】
D2ドメインのC末端、N末端、または両端の、様々な長さのペプチドスペーサーを有するまたは有さない、プロテアーゼ切断可能なリンカーとして使用できる例示的なプロテアーゼ基質のペプチド配列を、表10に示す。
【0170】
【0171】
種々の実施形態において、プロテアーゼはMMP-9またはMMP-2である。さらなる特定の実施形態において、プロテアーゼはuPAである。さらなる特定の実施形態において、プロテアーゼはMMP-14である。さらに特定の実施形態において、プロテアーゼはレグマインである。種々の実施形態において、1つのVitoKine分子は2種の異なるプロテアーゼを含む。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーはプロテアーゼ認識配列「GPLGMLSQ」(配列番号77)を含む。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーはプロテアーゼ認識配列「LGGSGRSANAILE」(配列番号80)を含む。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーはプロテアーゼ認識配列「SGRSENIRTA」(配列番号157)を含む。種々の実施形態において、プロテアーゼ切断可能なリンカーはプロテアーゼ認識配列「GPTNKVR」(配列番号158)を含む。種々の実施形態において、リンカー(例えば、切断可能なリンカー)は、腫瘍関連プロテアーゼで切断されてもよい。種々の実施形態において、切断可能なリンカーは、炎症性疾患などのがん以外の疾患における、他の疾患特異的プロテアーゼで切断されてもよい。
【0172】
種々の実施形態において、ペプチドスペーサーは、プロテアーゼ切断可能な配列のどちらかの側に挿入されてもよいし、あるいは、プロテアーゼ切断可能な配列の両側に隣接するように挿入されてもよいし、あるいは、プロテアーゼ基質部位を持たない切断不可なリンカーとして挿入されてもよい。ペプチドスペーサーは、切断に関与する酵素がより到達し易くなるように、切断可能なリンカーを位置付ける働きをする。スペーサーの長さは、酵素的切断のための到達性と、D2ドメインの生物活性の発現を可逆的に遮蔽するために必要とされる空間的制約とのバランスを取るように、変更または最適化してもよい。スペーサーは1~100個のアミノ酸を含み得る。好適なペプチドスペーサーは当該技術分野において公知のものであり、グリシンおよびセリンなどの可動性アミノ酸残基を含有するペプチドリンカーを包含するが、それらに限定はされない。種々の実施形態において、スペーサーには、GSモチーフ、GGSモチーフ、GGGGSモチーフ、GGSGモチーフ、またはSGGGモチーフを含ませることができる。種々の実施形態において、スペーサーには、Gモチーフ、Sモチーフ、GSモチーフ(配列番号116)、GGSモチーフ(配列番号117)、GSGSモチーフ(配列番号121)、GSGSGSモチーフ(配列番号122)、GSGSGSGSモチーフ(配列番号123)、GSGSGSGSGSモチーフ(配列番号124)、またはGSGSGSGSGSGSモチーフ(配列番号125)をはじめとする、1~12個のアミノ酸を含ませることができる。他の実施形態では、スペーサーには、(GGGGS)nモチーフ(nは1~10の整数)を含ませることができる。他の実施形態では、スペーサーには、グリシンおよびセリン以外のアミノ酸を含ませることもできる。
【0173】
スペーサーペプチドがプロテアーゼ基質ペプチド(下線)に隣接している、例示的なプロテアーゼ切断可能なリンカーを表11に示す。
【0174】
【0175】
種々の実施形態において、切断可能なリンカーは、加水分解を包含するがこれに限定はされない、タンパク質分解以外の機構で活性化させることができ、例えば、様々なpH下での制御放出機構を介して放出され得る遊離可能ペグ化ポリマーなどである。
【0176】
切断不可なリンカー
切断不可なリンカーは、タンパク質ドメイン間に、共有結合と、構造的および/または空間的な追加の可動性とを与える。当該技術分野においては公知であるが、グリシンおよびセリンなどの可動性アミノ酸残基を含むペプチドリンカーは、切断不可なリンカーとして使用できる。種々の実施形態において、切断不可なリンカーは1~100個のアミノ酸を含み得る。種々の実施形態において、スペーサーには、GSモチーフ(配列番号116)、GGSモチーフ(配列番号117)、GGGGSモチーフ(配列番号118)、GGSGモチーフ(配列番号119)、またはSGGGモチーフ(配列番号120)を含ませることができる。他の実施形態では、リンカーには、(GGGGS)nモチーフ(nは1~10の整数)を含ませることができる。他の実施形態では、リンカーには、グリシンおよびセリン以外のアミノ酸を含ませることもできる。別の実施形態では、切断不可なリンカーは、単純な化学結合であってよく、例えば、アミド結合(例えば、PEGの化学的な結合によるもの)である。切断不可なリンカーは、生理条件下だけでなく、がん部位や炎症性疾患部位などの患部においても安定である。
【0177】
例示的な切断不可なリンカーを表12に示す。
【0178】
【0179】
切断可能なリンカーと切断不可なリンカーの組み合わせ
種々の実施形態において、L1リンカーおよびL2リンカーは、共に切断可能なリンカーとしたり、共に切断不可なリンカーとしたり、切断可能なリンカーと切断不可なリンカーの組み合わせとしたりすることで、D2ドメインの活性部分に様々な形態を取らせて、様々な治療目的を達成したり、リスク便益比のバランスを取ったり、サイトカインの様々な特性を確認したりすることができる。リンカーの切断によって遊離する活性型を
図2に例示する。L1の切断から生じる活性型1、およびL1とL2両方の切断から生じる活性型3は、D3の高次構造に応じて様々な程度の機能活性を有する短時間作用性のサイトカインである。半減期延長部分または患部組織ターゲティング部分であるD1からの切断および遊離は、活性型D2ドメインの局所濃度を増加させるであろう。局所的に作用した後、この短時間作用性活性型は、体循環から迅速に排除され、毒性が低減され得る。対照的に、L2の切断から生じる第2活性型は、患部に持続的に残留しより長く且つ増強された有効性を示す、機能が完全に戻った、長時間作用性の、組織を標的とする保存されたサイトカインである。
【0180】
ポリヌクレオチド
別の態様において、本開示は、本開示の、IL-15、IL-15バリアント、IL-15Rα、IL-15Rαバリアント、Fc、Fcバリアント、IL-15-Fc融合タンパク質、IL-15RαSushi-Fc融合タンパク質、またはVitoKine構築体をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子を提供する。主題の核酸は一本鎖であっても二本鎖であってもよい。このような核酸はDNA分子であってもRNA分子であってもよい。DNAとしては、例えば、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、PCRで増幅されたDNA、およびこれらの組み合わせが挙げられる。VitoKine構築体をコードするゲノムDNAは、多くの種に対応したゲノムライブラリーから得られる。合成DNAは、重複するオリゴヌクレオチド断片を化学合成した後、それらの断片をアセンブルし、コード領域および隣接配列の一部または全部を再構成することにより得られる。RNAは、T7プロモーターを用いたベクターなどの高レベルのmRNA合成を指示する原核生物発現ベクターと、RNAポリメラーゼとから得ることができる。本開示のDNA分子は、完全長遺伝子だけでなく、ポリヌクレオチドやその断片も包含する。完全長遺伝子は、N末端シグナル配列をコードする配列も包含し得る。このような核酸が、新規VitoKine構築体を作製するための方法などで使用され得る。
【0181】
種々の実施形態において、単離された核酸分子は、本明細書に記載のポリヌクレオチドを含み、さらに、本明細書に記載の少なくとも1つの異種タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む。種々の実施形態において、上記の核酸分子は、本明細書に記載のリンカーまたはヒンジリンカーをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。
【0182】
種々の実施形態において、本開示の組換え核酸は、発現コンストラクト内の1または複数の制御ヌクレオチド配列に機能的に連結されていてもよい。制御配列は、当該技術分野において承認されたもので、VitoKine構築体の発現を指示するように選択される。すなわち、制御配列という用語には、プロモーター、エンハンサー、および他の発現調節エレメントが包含される。例示的な制御配列が、Goeddel;Gene Expression Technology: Methods in Enzymology、アカデミックプレス社、サンディエゴ、カリフォルニア州(1990)に記載されている。典型的には、上記の1または複数の制御ヌクレオチド配列として、プロモーター配列、リーダー配列またはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始配列および転写終結配列、翻訳開始配列および翻訳終結配列、並びにエンハンサー配列またはアクチベーター配列を含むことができるが、これらに限定はされない。当該技術分野において公知の構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターが、本開示により企図されている。プロモーターは、天然プロモーターであってもよいし、あるいは、2つ以上のプロモーターエレメントを組み合わせたハイブリッドプロモーターであってもよい。発現コンストラクトは、プラスミドなどの、細胞内またはエピソーム内に存在するものであってもよいし、あるいは、発現コンストラクトを染色体に挿入してもよい。種々の実施形態において、形質転換宿主細胞のセレクションを可能とするために、発現ベクターは選択マーカー遺伝子を含む。選択マーカー遺伝子は当該技術分野において周知であり、使用される宿主細胞によって異なる。
【0183】
本開示の別の態様において、主題の核酸は、VitoKine構築体をコードしている、少なくとも1つの制御配列に機能的に連結されたヌクレオチド配列を含む発現ベクター内にある状態で、提供される。用語「発現ベクター」は、ポリヌクレオチド配列からポリペプチドを発現させるための、プラスミド、ファージ、ウイルス、またはベクターを指す。宿主細胞における発現に好適なベクターは容易に利用可能なものであり、ベクターへの核酸分子の挿入は標準的な組換えDNA技術を用いて行われる。そのようなベクターには、作動可能なように連結されている場合にDNA配列の発現を調節する、VitoKine構築体をコードするDNA配列を発現させるためにこれらのベクターに用いることができる、種々様々な発現調節配列を含ませることができる。このような有用な発現調節配列としては、例えば、SV40の初期プロモーターおよび後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルスの前初期プロモーター、RSVプロモーター、lac系、trp系、TAC系またはTRC系、T7RNAポリメラーゼによって発現が指示されるT7プロモーター、λファージの主要なオペレーター領域およびプロモーター領域、fdコートタンパク質に対する調節領域、3-ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の解糖酵素に対するプロモーター、酸性ホスファターゼ(例えば、PhoS)のプロモーター、酵母α接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系の多角体プロモーター、並びに、原核細胞もしくは真核細胞またはそれらのウイルスの遺伝子の発現を調節することが知られている他の配列、並びにこれらの種々の組み合わせ、が挙げられる。発現ベクターの設計が、形質転換される宿主細胞の選択および/または発現が所望されるタンパク質の種類などの要因によって異なる場合があることは理解されよう。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を調節する能力、および当該ベクターにコードされる任意の他のタンパク質(抗生物質マーカーなど)の発現についても、考慮がなされるべきである。VitoKineの発現に好適な例示的な発現ベクターとして、VitoKineポリヌクレオチドと、当該技術分野において公知または以下に記載の任意の追加の好適なベクターとを含有するpDSRa、およびその誘導体がある。
【0184】
クローニングされた遺伝子またはその一部を、原核細胞もしくは真核細胞(酵母細胞、鳥類細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞)のいずれか、またはその両方での発現に好適なベクターにライゲーションすることで、本開示の組換え核酸を産生させることが可能となる。組換えVitoKine構築体を産生させるための発現用溶媒は、プラスミドと他のベクターを含む。例えば、好適なベクターとしては、大腸菌などの原核細胞における発現用の、以下の各種プラスミドが挙げられる:pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミド、およびpUC由来プラスミド。
【0185】
哺乳類発現ベクターの中には、細菌内のベクターの増殖を促進する原核生物性配列と、真核細胞で発現される1または複数の真核生物性転写単位とを、両方含有するものがある。pcDNAI/amp由来ベクター、pcDNAI/neo由来ベクター、pRc/CMV由来ベクター、pSV2gpt由来ベクター、pSV2neo由来ベクター、pSV2-dhfr由来ベクター、pTk2由来ベクター、pRSVneo由来ベクター、pMSG由来ベクター、pSVT7由来ベクター、pko-neo由来ベクター、およびpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳類発現ベクターの例である。これらのベクターのいくつかは、原核細胞および真核細胞の両方における複製および薬剤耐性セレクションを促すための、pBR322などの細菌性プラスミド由来の配列による改変を受けている。あるいは、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現のために、ウシパピローマウイルス(BPV-1)、またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo、pREP由来、およびp205)などのウイルスの誘導体を用いることができる。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、下記の遺伝子治療送達系の説明に見出すことができる。プラスミドの調製および宿主生物の形質転換で使用される種々の方法は、当該技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞の両方に好適な他の発現系、並びに一般的な組換え法については、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook、Fritsch、およびManiatis(編)(コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局、1989年)、16章および17章を参照されたい。場合によっては、バキュロウイルス発現系を使用して組換えポリペプチドを発現することが望ましいことがある。そのようなバキュロウイルス発現系の例としては、pVL由来ベクター(pVL1392、pVL1393、およびpVL941など)、pAcUW由来ベクター(pAcUW1など)、およびpBlueBac由来ベクター(B-gal含有pBlueBac IIIなど)が挙げられる。
【0186】
種々の実施形態において、主題のVitoKine構築体をCHO細胞で産生させるためのベクターが設計されることとなり、例えば、Pcmv-Scriptベクター(ストラタジーン社、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)、pcDNA4ベクター(インビトロジェン社、カールズバッド、カリフォルニア州)、およびpCI-neoベクター(プロメガ社、マディソン、ウィスコンシン州)などである。後述するように、主題の遺伝子コンストラクトを用いて、培養液中で増殖された細胞において主題のVitoKine構築体の発現を引き起こし、例えば、タンパク質(融合タンパク質またはバリアントタンパク質を含む)を産生させ、精製を行うことができる。
【0187】
本開示はまた、1または複数の主題のVitoKine構築体のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む組換え遺伝子をトランスフェクトされた宿主細胞に関する。宿主細胞は任意の原核細胞または真核細胞であり得る。例えば、本開示のVitoKine構築体は、大腸菌などの細菌細胞で発現されてもよく、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用)で発現されてもよく、酵母で発現されてもよく、あるいは哺乳類細胞で発現されてもよい。他の好適な宿主細胞として、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、またはヒト胚腎臓293(HEK293)細胞など、当業者に公知のものがある。
【0188】
これを受けて、本開示はさらに、主題のVitoKine構築体を生産する方法に関する。例えば、VitoKine構築体をコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を適切な条件下で培養することにより、VitoKine構築体を発現させることができる。VitoKine構築体は、分泌後、当該VitoKine構築体を含有する細胞および培地の混合物から単離することができる。あるいは、VitoKine構築体を細胞質または膜画分に保持させ、細胞を回収、溶解し、上記タンパク質を単離してもよい。細胞培養液には宿主細胞、培地、および他の副生成物が含まれる。細胞培養に好適な培地は当該技術分野において周知のものである。
【0189】
本開示のポリペプチドおよびタンパク質は、当業者に周知のタンパク質精製法に従って精製することができる。これらの方法は、あるレベルでの、タンパク質性画分と非タンパク質性画分の粗分画を含む。ペプチドポリペプチドを他のタンパク質から分離した後、目的のペプチドまたはポリペプチドをクロマトグラフ法および電気泳動法によりさらに精製することで、部分的または完全な精製(すなわち均一になるまでの精製)を達成することができる。「単離されたポリペプチド」または「精製されたポリペプチド」という用語は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドがその天然で入手可能な状態に対し任意の程度精製されている、他の成分から単離可能な組成物を指すことが意図されている。精製されたポリペプチドとは、そのため、それを天然に生じ得る環境から分離されたポリペプチドも指す。一般に、「精製された」とは、分画を受けて種々の他成分を除去された、発現されたその生物活性を実質的に保持している、ポリペプチド組成物を指す。用語「実質的に精製された」が用いられている場合、この呼称は、ポリペプチドまたはペプチドが組成物の主成分を形成している、例えば、組成物中のタンパク質の約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約85%以上、または約90%以上を構成している、ペプチド組成物またはポリペプチド組成物を指す。
【0190】
精製に用いるのに好適な種々の方法は、当業者に周知なものである。これらの方法としては、例えば、硫酸アンモニウム、PEG、抗体(免疫沈降)などを用いた沈降、または熱変性による沈降の後に、遠心分離;アフィニティークロマトグラフィー(プロテインAカラム)、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー;等電点電気泳動;ゲル電気泳動;これらの方法の組み合わせ、を行うことが挙げられる。当該技術分野では周知のことであるが、種々の精製工程を実行する順番は変更しても、あるいは、ある特定の工程を省いても、尚も、実質的に精製されたポリペプチドを調製するのに好適な方法となり得ると考えられる。
【0191】
医薬組成物
別の態様において、本開示は、VitoKine構築体を、薬剤的に許容できる担体と混合して含む、医薬組成物を提供する。そのような薬剤的に許容できる担体は、当業者に周知で理解されるものであり、広範に説明がなされている(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、A.R.Gennaro(編)、マック出版社、1990年を参照)。薬剤的に許容できる担体は、組成物のpH、モル浸透圧濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解速度、遊離速度、吸着性、または浸透性などを変化、維持または保存する目的で含まれ得る。このような医薬組成物は、当該ポリペプチドの物理的状態、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響し得る。好適な薬剤的に許容できる担体(carrier)としては、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、またはリジンなど);抗菌剤;抗酸化剤(アスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、または亜硫酸水素ナトリウムなど);緩衝剤(ホウ酸塩、炭酸水素塩、トリス塩酸、クエン酸塩、リン酸塩、他の有機酸など);増量剤(bulking agent)(マンニトールまたはグリシンなど)、キレート化剤(エチレンジアミン四酢酸(EDTA)など);錯化剤(カフェイン、ポリビニルピロリドン、β-シクロデキストリン、またはヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンなど);充填剤(filler);単糖類;二糖類および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンなど);タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど);着色剤;着香剤および希釈剤(diluting agent); 乳化剤;親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);低分子量ポリペプチド;塩形成性対イオン(ナトリウムなど);保存剤(塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸、または過酸化水素など);溶媒(グリセリン、プロピレングリコール、またはポリエチレングリコールなど);糖アルコール(マンニトールまたはソルビトールなど);懸濁化剤;界面活性剤または湿潤剤(プルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサポール(tyloxapal)など);安定化剤(スクロースまたはソルビトール);等張化剤(tonicity enhancing agent)(ハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトール ソルビトールなど);送達担体(delivery vehicle);賦形剤(diluent);医薬品添加物(excipient)、および/または補助剤(pharmaceutical adjuvant)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0192】
医薬組成物中の主要な溶媒または担体は、本質的に水性であっても非水性であってもよい。例えば、好適な溶媒または担体は、注射用蒸留水であってもよく、生理的食塩水であってもよく、人工脳脊髄液であってもよく、非経口投与用の組成物に通常含まれる他の物質を添加することができる。さらなる例示的な溶媒として、血清アルブミンを混合した中性緩衝生理食塩水または生理食塩水がある。他の例示的な医薬組成物は、約pH7.0~8.5のトリス緩衝液、または約pH4.0~5.5の酢酸緩衝溶液を含み、当該緩衝液にはソルビトールまたはその好適な代替物をさらに含ませてもよい。本開示の1つの実施形態において、所望の純度を有する選択された組成物を任意の製剤化剤(formulation agent)(Remington’s Pharmaceutical Sciences、上記)と混合することによって、凍結乾燥ケークまたは水溶液の形態で、保存用に、組成物を調製してもよい。さらに、治療用組成物は、スクロースなどの適切な医薬品添加物を用いて、凍結乾燥物として製剤化してもよい。最適な医薬組成物は、意図された投与経路、送達様式、および目的の用量などに基づいて、当業者によって決定される。
【0193】
非経口投与が企図される場合、治療用医薬組成物は、薬剤的に許容できる溶媒中に所望のVitoKine構築体を含む、発熱物質を含まない非経口投与において許容される水溶液の形態であり得る。特に好適な非経口注射用溶媒は滅菌蒸留水であり、滅菌蒸留水中では、ポリペプチドは適切に保存された無菌の等張液として製剤化される。種々の実施形態において、注射投与に好適な医薬製剤が、水溶液中で製剤化され得るが、ハンクス液、リンゲル液、または生理的緩衝食塩水などの生理的に適合性の緩衝液中で製剤化されることが好ましい。水性の注射用懸濁液には、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの、当該懸濁液の粘度を増加させる物質を含有させてもよい。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油性の注射用懸濁液として調製してもよい。所望により、懸濁液には、好適な安定剤、すなわち、化合物の溶解性を増加させることで高度に濃縮された溶液の調製を可能にする薬剤、を含有させてもよい。
【0194】
種々の実施形態において、治療用医薬組成物は、コロイド分散系を用いた標的化送達用に製剤化され得る。コロイド分散系としては、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、並びに、水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含む脂質をベースとした系が挙げられる。リポソーム生成で有用な脂質の例としては、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミンなどのホスファチジル化合物、スフィンゴ脂質、セレブロシド、およびガングリオシドが挙げられる。例示的なリン脂質としては、卵ホスファチジルコリン(egg phosphatidylcholine)、ジパルミトイルホスファチジルコリン、およびジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。リポソームのターゲティングは、例えば、臓器特異性、細胞特異性、および細胞小器官特異性に基づいても可能であり、当該技術分野において公知である。
【0195】
種々の実施形態において、医薬組成物の経口投与が企図される。この様式で投与される医薬組成物は、錠剤およびカプセル剤などの固体剤形の調剤で通例使用される担体を含ませて製剤化することもできるし、含ませずに製剤化することもできる。経口投与用の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖剤、散剤、粒剤など)では、1または複数の本開示の治療用化合物を、1または複数の薬剤的に許容できる担体と混合してよく、例えば、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または下記のうち任意のものである:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプンまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤(solution retarding agent);(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリン粘土およびベントナイト粘土などの吸着剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体のポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの滑沢剤;並びに、(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、医薬組成物は緩衝剤を含んでいてもよい。ラクトースすなわち乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールなどの医薬品添加物を用いた、軟ゼラチンカプセル中および硬ゼラチンカプセル中の充填剤として、同様の種類の固体組成物を使用してもよい。経口投与用の液体剤形としては、薬剤的に許容できる乳剤、マイクロエマルション、水剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。有効成分に加えて、液体剤形には、当該技術分野において一般に使用される不活性な賦形剤を含有させてもよく、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(具体的には、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物などである。
【0196】
種々の実施形態において、医薬組成物の皮膚または粘膜への局所投与が企図される。局所製剤には、皮膚浸透促進剤または角質層浸透促進剤として有効であると知られている各種薬剤のうちの1または複数をさらに含ませてもよい。これらの例としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、ジメチルスルホキシド、およびアゾン(azone)がある。製剤を美容上許容できるものにするために、追加の薬剤をさらに含ませてもよい。これらの例としては、脂肪、ろう、油、色素、香料、保存剤、安定剤、および界面活性剤がある。当該技術分野において公知のものなどの、角質溶解薬を含ませてもよい。例としてはサリチル酸および硫黄がある。局所的投与用または経皮投与用の剤形としては、散剤、噴霧剤、軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、水剤、貼付剤、および吸入剤が挙げられる。活性化合物は、無菌条件下で、薬剤的に許容できる担体(carrier)と、必要な場合、任意の保存剤、緩衝剤、または噴射剤と混合してよい。軟膏剤、パスタ剤、クリーム剤、およびゲル剤には、本開示の主題の化合物(例えば、VitoKine構築体)の他に、動物性脂肪、植物性脂肪、油、ろう、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛などの医薬品添加物、またはこれらの混合物、を含有させてもよい。
【0197】
本明細書における使用が企図される追加の医薬組成物としては、持続送達製剤または送達制御製剤において、ポリペプチドを含む製剤が挙げられる。リポソーム担体、生体内分解性の微小粒子または多孔質ビーズ、およびデポ剤などの、種々の他の持続送達手段または制御送達手段を製剤化するための方法も、当業者に公知である。
【0198】
治療的に使用される医薬組成物の有効量は、治療の内容および目的などによって異なる。すなわち、当業者には理解されることであるが、治療に適した用量レベルは、部分的には、送達される分子、ポリペプチドが使用される予定の適応症、投与経路、並びに、患者のサイズ(体重、体表面、または臓器サイズ)および状態(年齢、および全体的な健康)に応じて変動することとなる。このため、臨床医は、最適な治療効果を得るために、用量設定と、投与経路の変更を行うことができる。典型的な用量は、上記の要因に応じて、約0.0001mg/kg~約100mg/kgまたはそれ以上の範囲を取り得る。好ましくは、ポリペプチド組成物を静脈内に注射または投与してもよい。持効性の医薬組成物を、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、3日~4日毎、毎週、または隔週、投与してもよい。投与頻度は、使用される製剤でのポリペプチドの薬物動態パラメーターに依存することとなる。典型的には、組成物は、目的の効果を達成する用量に達するまで投与される。組成物は、そのため、単回投与として投与されてもよいし、あるいは長期に亘る複数回投与(投与当たり同じまたは異なる濃度)として投与されてもよいし、あるいは持続点滴として投与されてもよい。適切な投与量のさらなる改善が定期的に行われる。適切な用量反応データを用いて、適切な投与量を確認してもよい。
【0199】
医薬組成物の投与経路は、公知の方法に従うものであり、例えば、経口、静脈内経路、腹腔内経路、腫瘍内経路、脳内経路(脳実質内経路)、脳室内経路、筋肉内経路、眼内経路、動脈内経路、門脈内経路、病巣内経路による注射、髄内、くも膜下腔内、心室内、膀胱内、経皮、皮下、もしくは腹腔内;並びに、鼻腔内手段、経腸手段、局所的手段、舌下手段、経尿道手段、経膣手段、もしくは経直腸手段、持続放出系、または埋込デバイスによる投与経路である。所望により、組成物は、ボーラス投与で投与してもよいし、点滴で持続的に投与してもよいし、あるいは、埋込デバイスにより投与してもよい。あるいはまたはさらに、組成物は、目的分子が吸着または封入されている膜、スポンジ、または別の適切な材料の埋め込みによって、局所的に投与してもよい。埋込デバイスが使用される場合、デバイスは任意の好適な組織または臓器に埋め込むことができ、目的分子の送達は、拡散、時限放出ボーラス(timed-release bolus)、または連続投与を介してもよい。
【0200】
治療用途
本開示は、対象におけるがん細胞を治療する方法であって、上記対象に、薬剤的に許容できる担体中の、治療有効量(単独療法レジメンとして、または併用療法レジメンにおいて)の本開示のVitoKine構築体を投与することを含み、そのような投与によってがん細胞の成長および/または増殖が阻害される、上記方法を提供する。特に、本開示のVitoKine構築体は、がんとして特徴付けられる障害を治療する際に有用である。このような障害としては、固形腫瘍、例えば、乳がん、気道がん、脳がん、生殖器がん、消化管がん、尿路がん、眼がん、肝臓がん、皮膚がん、頭頸部がん、甲状腺がん、副甲状腺がん、およびこれらの遠隔転移、リンパ腫、肉腫、多発性骨髄腫、並びに白血病が挙げられるが、これらに限定はされない。乳がんの例としては、浸潤性乳管癌、浸潤性小葉癌、乳管内上皮内癌、および非浸潤性小葉癌が挙げられるが、これらに限定はされない。気道のがんの例としては、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、気管支腺腫、および胸膜肺芽腫が挙げられるが、これらに限定はされない。脳がんの例としては、脳幹神経膠腫、視床下部神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳星状細胞腫、神経芽細胞腫、髄芽腫、上衣腫、神経外胚葉性腫瘍、および松果体腫瘍が挙げられるが、これらに限定はされない。男性生殖器の腫瘍としては、前立腺がんおよび精巣がんが挙げられるが、これらに限定はされない。女性生殖器の腫瘍としては、子宮内膜がん、子宮頸部がん、卵巣がん、膣がん、および外陰がん、並びに子宮肉腫が挙げられるが、これらに限定はされない。消化管の腫瘍としては、肛門がん、結腸がん、大腸がん、食道がん、胆嚢がん、胃がん、肝がん、乳がん、膵がん、直腸がん、小腸がん、および唾液腺がんが挙げられるが、これらに限定はされない。尿路の腫瘍としては、膀胱がん、陰茎がん、腎がん、腎盂がん、尿管がん、および尿道がんが挙げられるが、これらに限定はされない。眼がんとしては、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫が挙げられるが、これらに限定はされない。肝がんの例としては、肝細胞癌(線維層板状異型を伴うまたは伴わない肝細胞癌)、胆管癌(肝内胆管癌)、および肝細胞癌と胆管癌の混合型が挙げられるが、これらに限定はされない。皮膚がんとしては、扁平上皮癌、カポジ肉腫、悪性黒色腫、メルケル細胞皮膚がん、および非黒色腫皮膚がんが挙げられるが、これらに限定はされない。頭頸部がんとしては、鼻咽腔がん、並びに唇および口腔のがんが挙げられるが、これらに限定はされない。リンパ腫としては、エイズ関連リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキン病、および中枢神経系のリンパ腫が挙げられるが、これらに限定はされない。肉腫としては、軟部組織の肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫、リンパ肉腫、および横紋筋肉腫が挙げられるが、これらに限定はされない。白血病としては、急性骨髄性白血病、急性リンパ芽球白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、および毛様細胞性白血病が挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、がんは、アクチビンA、ミオスタチン、TGF-β、およびGDF15などのTGF-βファミリーメンバーの発現量が多いがんとなり、例えば、膵がん、胃がん、肝臓がん、 乳がん、卵巣がん、大腸がん、黒色腫 白血病、肺がん、前立腺がん、脳がん、膀胱がん、および頭頸部がんである。
【0201】
種々の実施形態において、VitoKine構築体は、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、黒色腫、腎細胞癌、尿路上皮がん、肝がん、乳がん、膵がん、大腸がん、胃がん、前立腺がん、および肉腫を含むがこれらに限定はされない、全ての種類のがんの治療用の単剤として用いることができる。
【0202】
別の態様において、本開示は、対象における自己免疫疾患を治療する方法であって、上記対象に、薬剤的に許容できる担体中の、治療有効量(単独療法レジメンとして、または併用療法レジメンにおいて)の本開示のVitoKine構築体を投与することを含む、上記方法を提供する。「自己免疫疾患」とは、個体それ自身の組織に起因する、個体それ自身の組織を対象とした、非悪性の疾患または障害を指す。自己免疫性の疾患または障害の例としては、乾癬および皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎)を包含する炎症性皮膚疾患などの炎症反応;炎症性腸疾患に伴う反応(クローン病および潰瘍性大腸炎など);皮膚炎;湿疹および喘息などのアレルギー状態;関節リウマチ;全身性エリテマトーデス(SLE)(ループス腎炎、皮膚ループスを含むがこれらに限定はされない);真性糖尿病(例えば、1型真性糖尿病またはインスリン依存性糖尿病);多発性硬化症および若年発症糖尿病が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0203】
別の態様において、本開示は、対象における炎症性疾患を治療する方法であって、上記対象に、薬剤的に許容できる担体中の、治療有効量(単独療法レジメンとして、または併用療法レジメンにおいて)の本開示のVitoKine構築体を投与することを含む、上記方法を提供する。「炎症性疾患」は急性炎症または慢性炎症を伴う全ての疾患を包含する。急性炎症は有害な刺激に対する身体の初期反応であり、血液から傷害組織への血漿および白血球(例えば顆粒球など)の移動が増加することにより生じる。局所的な脈管系と、免疫系と、傷害組織内の各種細胞とを含む、いくつかの生化学的イベントが、炎症反応を伝搬・成熟させる。遷延性の炎症は慢性炎症と呼ばれ、炎症部位に存在する細胞の種類に段階的な変化をもたらし、炎症過程からの組織の破壊と回復が同時に起きていることを特徴とする。炎症性疾患の例は当該技術分野において周知である。種々の実施形態において、炎症性疾患は炎症性腸疾患、乾癬、および細菌性敗血症からなる群から選択される。用語「炎症性腸疾患」とは、本明細書で使用される場合、結腸および小腸の炎症状態の一群を指し、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、コラーゲン大腸炎、リンパ球性大腸炎、虚血性大腸炎、空置大腸炎、ベーチェット症候群、および分類不能大腸炎が挙げられる。
【0204】
別の態様において、本開示は、対象におけるウイルス感染症を治療する方法であって、上記対象に、薬剤的に許容できる担体中の、治療有効量(単独療法レジメンとして、または併用療法レジメンにおいて)の本開示のVitoKine構築体を投与することを含む、上記方法を提供する。種々の実施形態において、治療対象のウイルス感染症は、細菌、真菌、原虫(protozae)、およびウイルスを含むがこれらに限定はされない感染体によって引き起こされ得る。本明細書に記載の方法に従って予防、治療、および/または管理できるウイルス性疾患としては、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSY-I)、単純ヘルペスII型(HSY-II)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス(echinovirus))、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、天然痘、エプスタイン・バーウイルス、ヒト免疫不全ウイルスI型(HIV-I)、ヒト免疫不全ウイルスII型(HIV-II)、およびウイルス性髄膜炎、脳炎、デング熱、または天然痘などのウイルス性疾患の媒介物によって引き起こされるウイルス性疾患が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0205】
本明細書に記載の方法に従って予防、治療、および/または管理できる、細菌(例えば、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)、スタフィロコッカス・ビリジアンス(Staphylococcus viridians)、および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa))によって引き起こされる細菌性疾患としては、マイコバクテリア リケッチア、マイコプラズマ、ナイセリア、肺炎球菌(S. pneumonia)、ライム病菌(Borrelia burgdorferi)(ライム病)、炭疽菌(Bacillus antracis)(炭疽)、テタヌス、連鎖球菌、ブドウ球菌、マイコバクテリウム、百日咳、コレラ、ペスト、ジフテリア、クラミジア、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、およびレジオネラが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0206】
本明細書に記載の方法に従って予防、治療、および/または管理できる原虫によって引き起こされる原虫性疾患としては、リーシュマニア、コクジディオア(kokzidioa)、トリパノソーマ、またはマラリアが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0207】
本明細書に記載の方法に従って予防、治療、および/または管理できる寄生虫によって引き起こされる寄生虫病としては、クラミジアおよびリケッチアが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0208】
「治療有効量」または「治療有効用量」とは、治療予定の障害の1または複数の症状をある程度軽減する、投与予定の治療薬の量を指す。
【0209】
初めに、IC50測定により、細胞培養アッセイから治療有効量が評価され得る。次に、動物モデルにおいて、細胞培養液中で測定された上記IC50を含む循環血漿中濃度範囲を達成するように、用量が製剤化され得る。そのような情報を用いることで、ヒトで有用な用量をより正確に求めることができる。血漿中レベルがHPLCなどによって測定され得る。対象の状態を鑑みて、個々の医師により、的確な組成、投与経路、および用量が選択され得る。
【0210】
投与計画は最適な所望の反応(例えば、治療的反応または予防的反応)が得られるように調整できる。例えば、単回ボーラス投与が行われ、何回かの分割量(複数回投与量または反復投与量または維持投与量)が長期に亘って投与され、治療状況の必要性に比例して用量が増減され得る。投与のしやすさと投与量の均一性のために、投薬単位形態で非経口組成物を製剤化することが、特に有利である。投薬単位形態とは、本明細書で使用される場合、治療される哺乳類対象に対する統一された用量として適した物理的に分離している単位を指し、それぞれの単位は必要な医薬担体と併せて目的の治療効果を生むと計算された所定量の活性化合物を含有する。本開示の投薬単位形態の規格は、主に、抗体の独自の特徴、および達成されるべき特定の治療効果または予防効果によって決定される。
【0211】
すなわち、当業者には理解されることであるが、本明細書に提供される開示に基づいて、用量および投与計画は当該治療分野で周知の方法に従って調整される。すなわち、最大耐量を容易に確立でき、検出可能な治療効果を対象に与える有効量も決定でき、同様に、検出可能な治療効果を対象に与えるようにそれぞれの薬剤を投与するための時間的要件も決定できる。よって、本明細書にはある特定の用量および投与計画が例示されているが、これらの例は、本開示を実施する際に対象に与えられ得る用量および投与計画を何ら限定するものではない。
【0212】
なお、用量の値は、改善されるべき状態の種類および重症度によって異なり、単回用量または反復用量を含み得る。さらには、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投与計画は、個々の必要性や組成物の投与を管理または監督する人の専門家としての判断に従って長期間に亘って調整されるべきということ、並びに、本明細書に記載された用量範囲は例示のみを目的としており、特許請求された組成物の範囲や実践を限定する意図はないことも、理解されたい。さらに、本開示の組成物を用いた投与計画は、疾患の種類、対象の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重症度、投与経路、および使用される特定の抗体を含む様々な要因に基づかせてもよい。すなわち、投与計画は多様であり得るが、標準的な方法を用いてルーチンに決定できる。例えば、用量は薬物動態パラメーターまたは薬力学的パラメーターに基づいて調整され得るが、これらのパラメーターとしては、毒性作用および/または実験室値などの臨床的効果が含まれ得る。すなわち、本開示は、当業者によって求められる、対象者内用量漸増を包含する。適切な用量および投与計画の決定は、関連技術分野で周知であり、本明細書で開示された教示が提供されれば当業者に達成されることは理解される。
【0213】
治療有効量または予防有効量の本開示のVitoKineまたはVitoKineバリアントの、例示的であり非限定的な一日量の範囲は、0.0001~100mg/kg体重、0.0001~90mg/kg体重、0.0001~80mg/kg体重、0.0001~70mg/kg体重、0.0001~60mg/kg体重、0.0001~50mg/kg体重、0.0001~40mg/kg体重、0.0001~30mg/kg体重、0.0001~20mg/kg体重、0.0001~10mg/kg体重、0.0001~5mg/kg体重、0.0001~4mg/kg体重、0.0001~3mg/kg体重、0.0001~2mg/kg体重、0.0001~1mg/kg体重、0.001~50mg/kg体重、0.001~40mg/kg体重、0.001~30mg/kg体重、0.001~20mg/kg体重、0.001~10mg/kg体重、0.001~5mg/kg体重、0.001~4mg/kg体重、0.001~3mg/kg体重、0.001~2mg/kg体重、0.001~1mg/kg体重、0.010~50mg/kg体重、0.010~40mg/kg体重、0.010~30mg/kg体重、0.010~20mg/kg体重、0.010~10mg/kg体重、0.010~5mg/kg体重、0.010~4mg/kg体重、0.010~3mg/kg体重、0.010~2mg/kg体重、0.010~1mg/kg体重、0.1~50mg/kg体重、0.1~40mg/kg体重、0.1~30mg/kg体重、0.1~20mg/kg体重、0.1~10mg/kg体重、0.1~5mg/kg体重、0.1~4mg/kg体重、0.1~3mg/kg体重、0.1~2mg/kg体重、0.1~1mg/kg体重、1~50mg/kg体重、1~40mg/kg体重、1~30mg/kg体重、1~20mg/kg体重、1~10mg/kg体重、1~5mg/kg体重、1~4mg/kg体重、1~3mg/kg体重、1~2mg/kg体重、または1~1mg/kg体重とすることができる。なお、用量の値は、改善されるべき状態の種類および重症度によって異なり得る。さらには、いかなる特定の対象に対しても、具体的な投与計画は、個々の必要性や組成物の投与を管理または監督する人の専門家としての判断に従って長期間に亘って調整されるべきということ、並びに、本明細書に記載された用量範囲は例示のみを目的としており、特許請求された組成物の範囲や実践を限定する意図はないことも、理解されたい。
【0214】
本開示の医薬組成物の毒性および治療指数は、LD50(集団の50%に対し致死的な用量)やED50(集団の50%に治療効果のある用量)などを求めるための、細胞培養液または実験動物における標準的な薬学的手法で求めることができる。中毒量と治療有効量との間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大きな治療指数を示す組成物が一般的に好ましい。
【0215】
VitoKine構築体医薬組成物の投与の投与頻度は、治療方法および治療される特定の疾患の性質に応じたものとなる。対象は、毎週または毎月などの一定間隔を置いて、目的の治療結果が達成されるまで治療できる。例示的な投与頻度として、限定はされないが:毎週1回;隔週で週1回;2週間に1回;3週間に1回;2週間毎週1回、その後月1回;3週間毎週1回、その後月1回;月1回;2ヵ月に1回;3ヵ月に1回;4ヵ月に1回;5ヵ月に1回;もしくは6ヶ月に1回、または年1回が挙げられる。
【0216】
併用療法
本明細書で使用される場合、本開示のVitoKine構築体と1または複数の他の治療薬とを参照した、「同時投与」、「同時投与される」、および「~と組み合わせて」という用語は、以下を意味することが意図され、以下を指して包含する:治療を必要としている対象への本開示のVitoKine構築体と治療薬とのそのような組み合わせの同時投与であって、そのような成分が合剤化されて単一剤形となり、上記各成分が実質的に同時に上記対象に放出される、同時投与;治療を必要としている対象への本開示のVitoKine構築体と治療薬とのそのような組み合わせの実質的な同時投与であって、そのような成分が互いに別々に製剤化されて別々の剤形となり、それらが上記対象によって実質的に同時に摂取された際、上記各成分が実質的に同時に上記対象に放出される、実質的な同時投与;治療を必要としている対象への本開示のVitoKine構築体と治療薬とのそのような組み合わせの連続投与であって、そのような成分が互いに別々に製剤化されて別々の剤形となり、それらが各投与の間にかなりの時間間隔を置いて上記対象によって連続した時間に摂取された際、上記各成分が実質的に異なる時間に上記対象に放出される、連続投与;並びに、治療を必要としている対象への本開示のVitoKine構築体と治療薬とのそのような組み合わせの連続投与であって、そのような成分が合剤化されて単一剤形となり、上記各成分が徐放的に放出される際、それらが同時および/または異なる時間に同時発生的、連続的、および/または重複的に上記対象に放出され、各部分は同じ経路または異なる経路で投与され得る、連続投与。
【0217】
別の態様において、本開示は、対象におけるがんまたはがん転移を治療するための方法であって、免疫療法、細胞障害性化学療法、小分子キナーゼ阻害剤標的療法、外科手術、放射線療法、および幹細胞移植を包含するがこれらに限定はされない第二の治療方法と組み合わせて、治療有効量の本発明の医薬組成物を投与することを含む、上記方法を提供する。例えば、そのような方法は、予防的に、がんの予防、外科手術後のがんの再発および転移の予防で、他の従来のがん治療法の補助療法として、用いることができる。本開示が認めるところによれば、本明細書に記載の併用法の使用を通じて、従来のがん治療法(例えば、化学療法、放射線療法、光線療法、免疫療法、および外科手術)の有効性を増強することができる。
【0218】
幅広い従来化合物が抗悪性腫瘍活性を有することが示されている。これらの化合物は、固形腫瘍を退縮させる、転移とさらなる成長を抑制する、または、白血病性もしくは骨髄の悪性腫瘍における悪性T細胞の数を減少させる、化学療法における医薬品として使用されている。化学療法は様々な種類の悪性腫瘍の治療で有効であったが、多くの抗悪性腫瘍化合物は望ましくない副作用を誘導する。2種以上の異なる治療を組み合わせた場合、それらの治療が、相乗的に働いて、各治療の用量の削減を可能とすることにより、より高用量で各化合物が発現する有害な副作用が低減される場合があることが示されている。他の例では、治療に対して抵抗性の悪性腫瘍は、2種以上の異なる治療の併用療法に対して反応する場合がある。
【0219】
種々の実施形態において、化学療法剤などの第二の抗がん剤が患者に投与されることとなる。例示的な化学療法剤の一覧には、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ナイトロジェンマスタード、クロラムブシル、メルファラン、シクロホスファミド、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、ベンダムスチン、シタラビン(CA)、5-フルオロウラシル(5-FU)、フロクスウリジン(5-FUdR)、メトトレキサート(MTX)、コルヒチン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド、テニポシド、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ペントスタチン、クラドリビン、シタラビン、ゲムシタビン、プララトレキサート、ミトキサントロン、ジエチルスチルベストロール(DES)、フルダラビン(fluradabine)、イホスファミド、ヒドロキシ尿素タキサン類(hydroxyureataxanes)(パクリタキセルおよびドセタキセル(doxetaxel)など)、および/または、アントラサイクリン系抗生物質、並びに、限定はされないが、DA-EPOCH、CHOP、CVP、またはFOLFOXなどの薬剤の組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。種々の実施形態において、そのような化学療法剤の用量としては以下が挙げられるが、これらに限定はされない:約10mg/m2、約20mg/m2、約30mg/m2、約40mg/m2、約50mg/m2、約60mg/m2、約75mg/m2、約80mg/m2、約90mg/m2、約100mg/m2、約120mg/m2、約150mg/m2、約175mg/m2、約200mg/m2、約210mg/m2、約220mg/m2、約230mg/m2、約240mg/m2、約250mg/m2、約260mg/m2、および約300mg/m2のうちのいずれか。
【0220】
種々の実施形態において、本開示の併用療法は、治療有効量の免疫療法を対象に投与することをさらに含んでいてもよく、例えば、特定の腫瘍抗原に対する枯渇抗体を用いた治療;抗体薬物複合体を用いた治療;CTLA-4、PD-1、PDL-1、CD40、OX-40、CD137、GITR、LAG3、TIM-3、SIRPa、CD47、GITR、ICOS、CD27、Siglec7、Siglec8、Siglec9、Siglec15、およびVISTA、CD276、CD272、TIM-3、B7-H4に対する抗体などを含むがこれらに限定はされない、共刺激分子または共抑制分子(免疫チェックポイント)に対するアゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体を用いた治療;ブリナツモマブなどの二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE(登録商標))を用いた治療:IL-2、IL-7、IL-10、IL-12、IL-15、IL-21、IL-22、GM-CSF、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、TGF-βアンタゴニスト、またはTGF-βトラップなどの生物学的応答調節物質の投与を含む治療;T-vecなどの腫瘍溶解性ウイルス、またはシプロイセルTなどの治療用ワクチンを含むがこれらに限定はされない治療用ワクチンを用いた治療;樹状細胞ワクチン、または腫瘍抗原ペプチドワクチンもしくはネオアンチゲンワクチンを用いた治療;キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞を用いた治療;CAR-NK細胞を用いた治療;NK細胞を用いた治療;iPS誘導NK細胞を用いた治療;iPS誘導T細胞を用いた治療;iPS誘導CAR-T細胞またはiPS誘導CAR-NK細胞を用いた治療 腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を用いた治療;養子移植抗腫瘍T細胞(生体外で増殖された且つ/またはTCR-T細胞)を用いた治療;TALL-104細胞を用いた治療;免疫刺激剤、例えば、Toll様受容体(TLR)アゴニストのCpG、TLR7、TLR8、TLR9、およびカルメット・ゲラン桿菌(BCG)などのワクチン、およびイミキモドを用いた治療が挙げられるが、これらに限定はされず;上記の併用療法はエフェクター細胞による腫瘍細胞の殺傷を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、VitoKine構築体と免疫療法との間には相乗作用が存在する。
【0221】
種々の実施形態において、本開示の併用療法は、自己免疫疾患、炎症性疾患、および他の免疫不全に対する治療有効量の抗炎症剤を対象に投与することをさらに含んでいてもよく、例えば、特定の免疫細胞に対する枯渇抗体を用いた治療;IL-1α、IL-1βまたはIL-1R、IL-4またはIL-4R、IL-5またはIL-5R、IL-6またはIL-6R、IL-8またはIL-8R、IL-7またはIL-7R、IL-10またはIL-10R、IL-11またはIL-11R、IL-12またはIL-12R、IL-17またはIL-17R、IL-18またはIL-18R、IL-21またはIL-18R、IL-22またはIL-22R、IL-23またはIL-23R、MCSFまたはMCSF-R、GM-CSFまたはGM-CSFR、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、TGF-α、TGF-βまたはTGF-β、TNFファミリーまたはその関連受容体、インテグリンファミリー(例えばα4β7)、TSLP、補体C5(C5)またはC5a、IgE、APRIL、TACI、BCMA、CD20、CD22、CD40/CD40L、B7H1、B7H2、ICOS、BAFF、BCR、BLys、B7RP1、TLR7、TLR8、TLR9を含むがこれらに限定はされない標的(リガンドまたはその受容体)に対する免疫応答標的調節物質として調節抗体(アゴニスト抗体、アンタゴニスト抗体、または阻止抗体)を用いた治療;NFkB、Jak1、Jak2、Jak3、Tyk2、Syk、BTK、PIK3、シクロオキシゲナーゼ2、およびNMDA受容体を含むがこれらに限定はされない標的に対する免疫応答標的調節物質として調節小分子(アゴニストまたはアンタゴニスト)を用いた治療が挙げられるがこれらには限定されず;上記の併用療法は免疫応答調節の有効性を増大させ、すなわち、同時に投与された場合、VitoKine構築体と抗炎症療法との間には相乗作用が存在する。
【0222】
種々の実施形態において、併用療法は、同一の医薬組成物中で、または別々の医薬組成物中で、VitoKine構築体と第二の薬剤組成物とを同時に投与することを含む。種々の実施形態において、VitoKine構築体組成物と第二の薬剤組成物は、逐次的に投与され、すなわち、第二の薬剤組成物の投与の前または後に、VitoKine構築体組成物が投与される。種々の実施形態において、VitoKine構築体組成物と第二の薬剤組成物の投与は同時発生的であり、すなわち、VitoKine構築体組成物の投与時期と第二の薬剤組成物の投与時期は互いに重なっている。種々の実施形態において、VitoKine構築体組成物と第二の薬剤組成物の投与は、同時発生的ではない。例えば、種々の実施形態においては、VitoKine構築体組成物の投与は、第二の薬剤組成物が投与される前に終了される。種々の実施形態において、第二の薬剤組成物投与は、VitoKine構築体組成物が投与される前に終了される。
【0223】
以下の実施例は、本開示をより十分に例示するために提供されており、本開示の範囲を限定するものとは解釈されない。
【実施例】
【0224】
実施例1
IL-15 VitoKine構築体の構築および作製
がんまたは患部組織で発現上昇しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるまで不活性状態を維持する、IL-15 VitoKine構築体を設計することを目標とした。活性部分としての野生型IL-15(配列番号2)またはIL-15変異タンパク質(例えば、配列番号3)が、FcドメインとIL-15RαSushi+(配列番号5)との間で可逆的に遮蔽されているVitoKinesが、本明細書に記載される。これらの構築体は、腫瘍特異性プロテアーゼによって認識される切断可能なリンカーを1つまたは2つ含む。プロテアーゼを発現する腫瘍細胞の存在下で、FcとIL-15変異タンパク質とを連結しているリンカーおよび/またはIL-15とIL-15αSushi+とを連結しているリンカーが切断を受けることで、IL-15活性が回復する。注目すべきこととして、タンパク質分解後の遊離型IL-15αSushi+は、IL-15とIL-15Rαとの間の並外れて高い親和性(30pM)により、IL-15との非共有結合的な会合状態を維持することが予想される。リンカーとペプチドスペーサーとを様々に組み合わせたFc IL-15 VitoKine構築体を作製した。
図1にその模式図に示し、それら各々の配列は配列番号25~43、162~165、および169~174として一覧表に記載する。
【0225】
全ての遺伝子には、哺乳類細胞における発現用のコドン最適化を行い、合成して、レシピエント哺乳類発現ベクター(GenScript)にサブクローニングした。CMVプロモーターによってタンパク質発現が駆動され、CDSの3’末端には合成SV40ポリAシグナル配列が存在している。上記コンストラクトのN末端にはリーダー配列が設けられており、これにより、分泌のための適切なシグナル伝達とプロセシングが実行される。
【0226】
ポリエチレンイミン(PEI、分子量25,000、直鎖、ポリサイエンス社(Polysciences))を用いて、浮遊液中で増殖中のHEK293-F細胞を上記哺乳類発現ベクターでコトランスフェクトすることにより、上記構築体を産生させた。2種以上の発現ベクターが存在していた場合、ベクターは1:1の比でトランスフェクトされることとなる。トランスフェクションにおいては、HEK293細胞は無血清FreeStyle(商標)293 Expression Medium(サーモフィッシャーサイエンティフィック社(ThermoFisher))中で培養した。1000mlの振盪フラスコ(ワーキングボリュームは330mL)内で産生させる場合、トランスフェクションの24時間前に、HEK293細胞を0.8×106細胞/mlの密度で播種した。総量330μgのDNAに達する発現ベクターを、16.7mlのOpti-MeM培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)と混合した。16.7mlのOpti-MeM培地で希釈した0.33mgのPEIを添加した後、その混合物を15秒間ボルテックスし、次いで室温で10分間静置した。その後、このDNA/PEI液を上記細胞に添加し、8%CO2雰囲気の恒温器内で37℃でインキュベートした。終濃度2mg/Lの酪酸ナトリウム(ミリポアシグマ社)を4日目の細胞培養液に添加することで、タンパク質発現の維持を補助した。6日間の培養後、上清を収集し、2200rpmで20分間の遠心分離により精製を行った。この液を滅菌ろ過(0.22μmフィルター、コーニング社)した。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーを用いて、細胞培養上清から分泌タンパク質を精製した。
【0227】
アフィニティークロマトグラフィーにおいては、25mlのリン酸緩衝生理食塩水(pH7.2)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)で平衡化したHiTrap MabSelectSure Protein A FFカラム(CV=5mL、GEヘルスケア社)に上清をロードした。5カラム体積分のPBS(pH7.2)で洗浄することで未結合のタンパク質を除去し、25mMクエン酸ナトリウム、25mM塩化ナトリウム(pH3.2)で標的タンパク質を溶出させた。3%1M Tris(pH10.2)の添加によりタンパク質溶液を中和した。Amicon(登録商標)Ultra-15コンセントレーター10KDa NMWC(メルクミリポア社)を用いて、標的タンパク質を濃縮した。
【0228】
精製された構築体の純度および分子量の分析は、還元剤の存在下および非存在下のSDS-PAGEと、クーマシー(Imperial(商標)Stain)染色により、行った。NuPAGE(登録商標)Pre-Castゲルシステム(4~12%または8~16%Bis-Tris、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を製造業者の説明書に従い使用した。280nmのUV吸光度を測定し(Nanodrop分光光度計、サーモフィッシャーサイエンティフィック社)、アミノ酸配列に基づいて算出されたモル吸光係数で除算することにより、精製されたタンパク質試料のタンパク質濃度を求めた。Agilent 1200高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムで構築体の凝集量を分析した。25℃の、150mMリン酸ナトリウム(pH7.0)を移動相として用いる、AdvanceBioサイズ排除カラム(300Å、4.6×150mm、2.7μm、LCカラム、アジレント社)に試料を注入した。
【0229】
P-0315は、uPA切断配列およびMMP切断配列をL1リンカーおよびL2リンカーのそれぞれに含む、二量体C末端Fc融合IL-15 VitoKineである。IL-15はS58Dバリアントタンパク質である。Fc IL-15 VitoKineのタンパク質プロファイルを示す一例として、P-0315(配列番号33)のSDS-PAGE分析を
図3Aに示す。サイズ排除クロマトグラム(
図3B)。
【0230】
実施例2
VitoKine形態においてIL-15のインビトロ活性は効果的に遮蔽された
IL-15 VitoKine P-0172(配列番号27)は、短GS(配列番号116)ペプチドリンカーで連結されたIL-15/IL-15RαSushi+融合ポリペプチドを含み、当該融合ポリペプチドは、ホモ二量体融合体型で、uPAで切断可能なリンカーを介してホモ二量体FcドメインのC末端に結合している。P-0198は、非共有結合的に複合体化したIL-15RαSushiを有する二量体C末端Fc-IL-15融合タンパク質である。これら2つの分子は、FcとIL-15融合との間には同様の立体配置を有しており、主な違いはIL-15RαSushi組み込みにある。一方は短GSリンカーで融合されており(P-0172)、もう一方は非共有結合性により遊離型である(P-0198)。IL-2Rβに対するP-0172の結合活性を、高活性のIL-15/IL-15Rα-Fc融合タンパク質であるP-0198(配列番号45、配列番号44、および配列番号5を含む)と比較して、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により求めた。
【0231】
簡潔に説明すると、IL-2Rβ-ECD(配列番号12)を1μg/ウェルでヌンク社製96ウェルマイクロプレートMaxisorpの各ウェルにコートした。4℃で一晩インキュベートし、SuperBlock(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)でブロッキングした後、100nMから開始して3倍段階希釈したIL-15化合物を各ウェルに100μl/ウェルで添加した。室温で1時間インキュベートした後、100μl/ウェルのヤギ抗ヒトIgG Fc-HRP(希釈液で1:5000希釈)を各ウェルに添加し、室温で1時間インキュベートした。各ステップの後、ウェルには十分な吸引を行い、PBS/0.05%Tween-20で3回洗浄した。最後に、100μlのTMB基質を各ウェルに添加し、室温の暗所で10分間プレートを発色させ、100μl/ウェルの停止液(2N硫酸、リッカ・ケミカル社(Ricca Chemical))を添加した。450nmの吸光度を求め、Prismソフトウェア(グラフパッド社)を用いて曲線の当てはめを行った。
図4Aに示されているように、VitoKine P-0172のIL-2Rβに対する結合活性は、P-0198と比較して顕著に減少しているが(12.2nM対0.21nM)、これは、IL-15とIL-15RαSushiとの間にある短い共有結合に起因する空間的な制約が原因である可能性があり、このことは、VitoKineプラットフォームにおけるIL-15RαSushiが、受容体に結合しようとするIL-15ドメインを、効果的に遮蔽したことを示唆している。
【0232】
P-0198と比較したIL-15 VitoKine P-0172の機能活性を、FACS分析で、新鮮ヒト末梢血単核球(PBMC)由来のヒトNK細胞およびヒトCD8+T細胞上のCD69発現のIL-15媒介性誘導を調べることにより、さらに評価した。CD69は、NK細胞およびT細胞を含むリンパ系活性化の際、初期に誘導される細胞表面糖タンパク質である。
【0233】
簡潔に説明すると、オクラホマ血液研究所(Oklahoma Blood Institute)より購入したバフィーコートからのフィコール・ハイパック遠心分離によって、ヒトPBMCを単離した。精製後のヒトPBMCを各IL-15試験化合物の段階希釈系列で処理し、37℃で48時間インキュベートした。細胞を300×gの遠心分離で収集し、FACS用緩衝液に再懸濁した。Human TruStain FcX(1:50希釈)を添加してFc受容体をブロッキングした後、抗ヒトCD56-FITC抗体、抗ヒトCD69-PE抗体、および抗ヒトCD8-APC抗体(1:50希釈)を用いて細胞を染色した。上記抗体と一緒に室温で30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。CD56+NK細胞およびCD8+T細胞にゲートをかけることによりCD69発現を測定した。データはゲートをかけられた集団中のCD69陽性細胞の割合(%)として表現される。
【0234】
図4Bおよび
図4Cに示されているように、VitoKine P-0172によるCD8+T細胞およびNK細胞上のCD69活性化は激減しており、最高試験濃度でのみ測定可能なものであり、結合強度はP-0198の結合強度よりも少なくとも2~3対数低かった。このことは、VitoKine形態においてのIL-15活性の効率的な遮蔽を示している。この遮蔽効果は、IL-2Rβ ELISA結合アッセイでよりも、PBMC CD69活性化アッセイでより顕著であったが、このことは、インビトロで再構成されたELISA条件でよりも、生理的条件で、IL-15活性の重度障害がより明白であることを示唆している。空間的な制約が存在するため、VitoKineは、リンパ球上に発現されたIL-2Rβおよびγ
C複合体へのIL-15の結合を著しく障害し、その結果、経路の活性化が不十分となり、活性が著しく障害された。
【0235】
単量体IL-15 VitoKineの生物活性も調べた。P-0170(配列番号26および配列番号15)は、リンカーおよび融合の立体配置が同じである、P-0172の単量体型対応物である。高活性のIL-15 Fc融合タンパク質P-0166と比較して、P-0172は、CD8+T細胞上のCD69を活性化する能力が著しく減少しており(
図5)、このことは、単量体型VitoKineプラットフォームが、D2ドメインにおけるIL-15の生物活性を効率的に遮蔽したことを示唆している。
【0236】
実施例3
IL-15とIL-15RαSushi+との間、およびFcとIL15との間の、リンカー長および組成が異なる場合の、Fc IL-15 VitoKineの遮蔽効率の比較
IL-15 VitoKineは、
図1に示されているように、ペプチドリンカーであるL1およびL2を介して、半減期延長FcドメインおよびヒトIL-15のコグネイトな高親和性補助受容体αドメインなどの2つの異なるドメインの間にヒトIL-15が融合されることにより、構築される。IL-15の生物活性に対する、FcとIL-15とを繋ぐリンカー、およびIL-15と15RαSushiドメインとを繋ぐリンカーという、2つのリンカーの効果の違いと、各リンカーの長さおよび組成の効果の違いを、所望の活性障害について調べた。
【0237】
新鮮ヒトPBMCの免疫細胞亜分画の活性化マーカーCD69のFACS分析を実施し、IL-15とIL-15RαSushi+との間の切断不可なリンカー(L2)の長さが異なるIL-15 VitoKinesを評価した。実施例2と同じプロトコルに従った。
【0238】
P-0204(配列番号30)、P-0205(配列番号31)、およびP-0206(配列番号32)は、FcとIL-15との間に同じuPA切断可能なリンカーの配列(L1)を共有しているFc IL-15 VitoKineであるが、これら3種のVitoKineのIL-15とIL-15RαSushi+ドメインとを連結しているリンカー(L2)は、長さが異なっており、それぞれ、(GGGGS)3(配列番号127)、(GGGGS)2(配列番号126)、GGGGS(配列番号118)である。
【0239】
図6に示されているように、IL-15とIL-15RαSushi+との間で5~15アミノ酸長でリンカー長が異なるFc IL-15 VitoKineは、全て、CD8+T細胞(
図6A)またはNK細胞(
図6B)に対する活性化能が著しく減少していた。P-0206、P-0205、およびP-0204の活性を比較して、IL-15とIL-15RαSushi+ドメインとを連結しているリンカーの長さが短いほど、VitoKineはより不活性となることが明らかとなったが;このことは、L2リンカーの長さによって活性低減の程度がさらに調整可能であることを示唆している。要約すると、IL-15とIL-15Rαとの間のリンカー(L2)の長さを調整して適切なレベルの空間的制約をつくり出すことにより、FcドメインとIL-15のコグネイトな高親和性補助受容体αとの間にIL-15を遮蔽することによって、IL-15活性がほぼ完全に消失することが示された。
【0240】
VitoKineの生物活性に対する、FcとIL-15とを連結しているリンカー(L1)の影響についても調べた(
図7に示す)。P-0204およびP-0203(配列番号29)は、IL-15とIL-15Rαとの間に同じ15アミノ酸長の柔軟な(G
4S)
3リンカー(L2)を共有しているが、L1リンカーの長さは異なっており、P-0203は、FcとIL-15とを連結しているuPA基質ペプチドを挟んでいる7つのGS残基分だけ、P-0204より長いペプチドスペーサーを含んでいる。FcとIL-15とを連結しているL1リンカーの長さが異なっているにもかかわらず、P-0204とP-0203の生物活性は類似しており(
図7)、このことは、FcとIL-15とを連結するL1リンカーが、13~35アミノ酸残基の長さである場合に、IL-15活性の障害に対する影響が最小限となることを示唆している。しかし、L1リンカーの長さが13~35アミノ酸残基よりも少ない、またはそれよりも多い場合、あるいは異なるサイトカインが関連している場合は、D2ドメインに対する遮蔽活性に影響が生じ得る。同一の研究に、P-0203と比較して、FcとIL-15とを連結しているL1リンカーは同じものを共有しているが、IL-15とIL-15RαSushiドメインとを連結しているL2リンカーが13アミノ酸だけ短い、P-0202を採用した。P-0202はP-0203よりも低い生物活性を示し、VitoKineの遮蔽活性においてはリンカーL2がリンカーL1よりも重要であることが確認された。
【0241】
IL-15 VitoKine処理後の、NK細胞およびCD8 T細胞の核内のKi67発現を測定することにより、VitoKine活性に対するリンカー組成すなわちリンカーのペプチド配列の影響を調べた。Ki67は細胞増殖のマーカーである。エキソビボのヒトPBMCアッセイを確立した。簡潔に述べると、精製後のヒトPBMCをIL-15 VitoKine化合物の段階希釈系列で処理し、37℃で5日間インキュベートした。5日目、細胞をFACS用緩衝液(1%FBS/PBS)で1回洗浄し、Fcブロッカーと、抗ヒトCD56-FITCおよび抗ヒトCD8-APC(1:50希釈)を含む表面マーカー抗体とで1回目の染色を行った。30分間のインキュベーションと洗浄の後、細胞ペレットを200μl/ウェルの1×Foxp3固定・透過処理用ワーキング溶液で完全に再懸濁し、室温の暗所で30分間インキュベートした。遠心分離後、200μlの1×透過処理用緩衝液を各ウェルに添加し、さらなる洗浄を行った。細胞ペレットを抗ヒトKi67-PE(1:25希釈)を含む透過処理用緩衝液で再懸濁した。室温で30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。データは、ゲーティングされた集団におけるKi67陽性細胞の割合(%)として表される。
【0242】
L1リンカーと比較してL2リンカーはIL-15 VitoKineの活性に重大な影響を及ぼすため、IL-15 VitoKineの生物活性に対する種々のL2リンカー配列組成の影響を調べた。P-0351(配列番号25)、P-0488(配列番号163)、およびP-0489(配列番号164)は全て、FcとIL-15とを連結している同じ(G4S)3リンカー(L1)を共有している。IL-15とIL-15Rαとを連結しているリンカーは全て10アミノ酸長であるが、配列が異なる。リンカーは、P-0351では(G4S)2、P-0488ではMMP-14基質ペプチド(配列番号157)、またはP-0489ではレグマイン基質ペプチド(配列番号160)である。
【0243】
図8に示されているように、3種全てのIL-15 VitoKineが、高活性IL-15/IL-15Rα Fc融合タンパク質P-0156(配列番号175+176)と比較して、NK細胞(
図8A)またはCD8+T細胞(
図8B)の増殖において、活性に強い障害を受けていた。ペプチドリンカー配列が異なる場合でも、各々のVitoKineの生物活性にはわずかな影響しかなく(
図8Aおよび
図8B)、これは、各リンカーペプチドの構造的柔軟性によるものである可能性がある。L2リンカーペプチドがより剛直になるほど、VitoKine分子に及ぼす構造的な制約はより大きなものとなり、活性障害はより顕著になり得る。しかし、VitoKine活性に対するL2リンカー配列組成の影響は最低限であったことから、このデータは、D2ドメインの活性を効率的に遮蔽するように、種々の切断可能なリンカーをL2リンカーとして組み込むことができ、それにより、VitoKineの設計および有用性の幅を広げられることを裏付けている。
【0244】
要約すると、これらのデータを併せて、IL-15ドメイン(D2)とIL-15RαSushi+ドメイン(D3)とを連結しているL2リンカーが、不活性なVitoKineを得るためのD2活性の遮蔽において重要な役割を担っていることが示された。不活性さのレベルは、L2リンカーの長さを調整し、リンカーの配列/柔軟性を変えることによって、さらに調整することができた。切断可能なL2リンカーの長さおよび配列の選択は、目的の適応疾病部位における特異的プロテアーゼの存在と、当該プロテアーゼに対する基質ペプチドの到達性と、所望のタンパク質分解速度との、バランスをとるべきである。
【0245】
実施例4
完全なプロテアーゼ切断に適した反応条件の決定
IL-15 VitoKine構築体P-0315およびP-0203を用いて最初のインビトロプロテアーゼ切断実験を行い、それぞれMMP-2およびuPAの、プロテアーゼ切断性および最適な切断条件を求めた。P-0315(配列番号33)は、FcドメインおよびIL-15ドメインを連結しているuPA切断可能なリンカーと、IL-15ドメインおよびIL-15RαSushi+ドメインを連結しているMMP-2/9切断可能なリンカーと、を含む。P-0203(配列番号29)は、FcドメインとIL-15ドメインとを連結している単一のプロテアーゼ切断可能なリンカー(uPA)を含む。P-0203におけるIL-15ドメインとIL-15RαSushi+ドメインとの間のリンカーは、柔軟な(G4S)3リンカーである。組み換えヒトuPAおよび組み換えヒトMMP-2をバイオレジェンド社(BioLegend)から購入した。MMP-2は、潜在型(latent form)で供給を受け、製造業者の説明書に従ってp-アミノフェニル水銀アセタート(APMA、ミリポア・シグマ社(Millipore Sigma))で活性化させた。
【0246】
MMP-2によるタンパク質切断においては、4μgのP-0315を、30ng、100ng、または300ngの、APMAで活性化させたMMP-2と一緒に、製造業者の推奨アッセイ用緩衝液(100mM Tris、20mM CaCl
2、300mM NaCl、0.1%(w/v)Brij35、pH7.5)中、37℃で3時間インキュベートした。反応を止めるため、SDS-PAGE用ローディングダイを反応液に添加し、その混合物を95℃で5分間加熱した。切断の評価を行うため、消化後の試料を、4~12%Tris-Bis SDS-PAGEゲル上で分離させた。未処理試料と処理試料の比較により、IL-15 VitoKineが、全ての試験濃度において、MMP-2処理後に完全に切断されたことが示された。これは、SDS pageゲル(
図9)におけるサイズシフトと約9KDaのシャープなバンドの出現とにより示され、このシャープなバンドはP-0315から切断されたIL-15RαSushi+ドメインであるとされた。
【0247】
uPAの切断能を、P-0203を用いて評価した。まず、種々の量のuPAを、20μlのPBS(pH7.2)緩衝液中の2μgのP-0203に添加し、その反応混合物を37℃で2時間インキュベートした。0、25ng、50ng、100ng、および300ngのuPAを用いて実行された切断を、
図10Aに示す。
図10Aの3本の矢印は非還元(NR)試料についてのものであり、uPAタンパク質分解によるFc鎖の変化を示している。「部分切断」では、2つのFc鎖の一方のみからIL-15/IL-15RαSushi+融合ポリペプチドが切断され、一方、「全切断」では、両方のFc鎖からIL-15/IL-15RαSushi+融合ポリペプチドが切断された。
図10Aで丸で囲んだスメア状のバンドは、Fcから切断されたIL-15/IL-15RαSushi+融合ポリペプチドであり、このスメア状の外観はグリコシル化が原因である可能性が最も高い。還元(R)試料では、上側のバンドはIL-15/IL-15RαSushi+融合ポリペプチドに連結されたFc鎖であり、下側のシャープなバンドはIL-15/IL-15RαSushi+融合ポリペプチドが切断されたFc鎖であるとされた。
【0248】
uPAの量が増加するにつれて、非還元試料の全切断型タンパク質の量が漸増したことを、SDS-PAGEゲルは明瞭に示している。同様に、還元試料では切断型Fc鎖の量が増加しており、これは、切断レベルの増加を示している。しかし、完全な切断を達成した条件はなかった。完全な消化を達成するため、同様のuPA消化反応液をより長い時間インキュベートした。
図10Bは、50ng、100ng、および300ngのuPAによる、37℃で24時間の、2μgのP-0203の切断を示している。データから、100ngのuPAと24時間のインキュベーションにより、ほぼ完全な切断が達成されたことが分かる。
【0249】
実施例5
活性型IL-15産物を得るためのFc IL-15 VitoKine P-0203のプロテアーゼ切断
VitoKine P-0203(配列番号29)は、FcとIL-15とを連結している、スペーサーペプチドが両端を挟んでいるuPA基質ペプチドリンカー(配列番号90)を含んでおり、第2の15アミノ酸の柔軟なリンカー(GGGGS)
3(配列番号127)がIL-15ドメインとIL-15RαSushi+ドメインとを連結している。100μgのVitoKine P-0203を、5μgの組み換えヒトuPA(バイオレジェンド社)と一緒に、500μlのPBS(pH7.2)緩衝液中、37℃で24時間インキュベートすることにより、インビトロでのプロテアーゼ切断を達成した。反応を止めるため、25μlのNi-Excel樹脂(PBSで平衡化された50%スラリー、GEヘルスケア社)を添加して、6×HisタグuPAを溶液から除去した。一方で、50μlのMabSelectSure Protein A樹脂(PBSで平衡化された50%スラリー、GEヘルスケア社)を反応液に添加することで、切断型Fc画分と、未切断のまたは不完全に消化されたP-0203の除去も行った。両方の親和性樹脂と共に室温で15分間インキュベートした後、遠心分離で樹脂を取り除き、プロテアーゼ活性型P-0203、すなわちIL-15/IL-15αSushi+融合ポリペプチド(
図2に第1活性型として模式的に図示)を含有するフロースルーを回収した。
図11Aおよび
図11Bから分かるように、活性型P-0203断片がスメア状のバンド形成をしながら移動しており、このスメア状のバンド形成はグリコシル化が原因である可能性が最も高い。
【0250】
実施例6
活性型IL-15産物を得るためのFc IL-15 VitoKine P-0315のプロテアーゼ切断
VitoKine P-0315(配列番号33)は、FcおよびIL-15を連結しているuPA基質ペプチドリンカー(配列番号92)と、IL-15ドメインおよびIL-15RαSushi+ドメインを連結している第2の10アミノ酸のMMP-2/9切断可能なリンカー(配列番号95)と、を含有している。P-0315のIL-15ドメインは、受容体βサブユニットに対する結合性を増強するためのS58D置換を含んでいる。プロテアーゼ消化により、P-0315の活性型を2種類作製した。
【0251】
P-0315の一方の活性型(
図2に第2活性型として模式的に図示)は、MMP-2を用いたインビトロでのプロテアーゼ切断によって得た。簡潔に説明すると、660ngの潜在型MMP-2(バイオレジェンド社)を、製造業者の説明書に従ってAPMA(ミリポア・シグマ社)で活性化し、緩衝液を交換し、0.4mlの製造業者推奨のアッセイ用緩衝液(100mM Tris、20mM CaCl
2、300mM NaCl、0.1%(w/v)Brij35、pH7.5)中のP-0315(80μg)に添加した。37℃で3時間インキュベートした後、50μlのMabSelectSure Protein A樹脂(PBSで平衡化された50%スラリー、GEヘルスケア社)を反応液に添加した。目的の第1活性型を25mMクエン酸ナトリウム、25mM塩化ナトリウム(pH3.2)で溶出させた。3%1M Tris(pH10.2)の添加によりタンパク質を中和した。切断の評価を行うため、試料を4~12%Tris-Bis SDS-PAGEゲル上で分離させた(
図12A)。還元剤の存在下のMMP-2消化前のP-0315をレーン1に示した。レーン2およびレーン3は、MMP-2タンパク質分解後であるがプロテインA精製前の非還元型P-0315および還元型P-0315である。IL-15Rα-sushi+ドメインがゲルの9KDaの位置にシャープなバンドとして出現しており、これにより、MMP-2/9基質ペプチドリンカーにおける効率的なMMP-2切断が確認された。プロテインA精製後、各試料(レーン4およびレーン5)は同一の移動パターンを示している。このデータは、
図2に第2活性型として図示されているように、共有結合から解放されたIL-15RαSushi+ドメインが、Fcと融合したIL-15と非共有結合的に会合したままであり;このような会合が、プロテインA溶出の際の低pH条件を耐えるのに十分な強さがあったことを示唆している。
図12Bには、この活性型の、非共有結合的に会合した2種類の成分がさらに示されている。
【0252】
P-0315の他の活性型(
図2に第3活性型として模式的に図示)は、uPAおよびMMP-2の両方を用いたP-0315のプロテアーゼ切断によって得た。簡潔に説明すると、100μgのP-0315を、5μgと一緒に、400μlのPBS(pH7.2)緩衝液中で20時間インキュベートした。次いで、200mM Tris、40mM CaCl
2、450mM NaCl、0.2%(w/v)Brij35を含有する等量の緩衝液(pH7.5)を反応液に加え、製造業者推奨のMMP-2アッセイ緩衝液(100mM Tris、20mM CaCl
2、300mM NaCl、0.1%(w/v)Brij35、pH7.5)に近づくように緩衝液を調整した。潜在型MMP-2(660ng)をAPMAで活性化し、緩衝液を上記アッセイ用緩衝液と置換し、上記反応液に添加し、37℃で3時間インキュベートした。Ni-Excel樹脂(PBSで平衡化された50μlの50%スラリー、GEヘルスケア社)を添加して、Hisタグを付けたMMP-2およびuPAを溶液から除去した。一方で、100μlのMabSelectSure Protein A樹脂(PBSで平衡化された50%スラリー、GEヘルスケア社)を反応液に添加することで、切断型Fc画分と、未切断のままのまたは不完全に消化されたP-0315を除去した。両方の親和性樹脂と共に室温で15分間インキュベートした後、遠心分離で樹脂を取り除き、
図2に模式図が示されたP-0315の第3活性型を含有するフロースルーを回収した。
図12Cに示されているように、P-0315の第3活性型は、二重タンパク質分解反応から予想される通りの、IL-15/IL-15αSushi+非共有結合複合体を含有しており;IL-15はスメアバンド形成として移動しているものであり、IL-15RαSushi+は第2活性型(
図12B)で見られたような約9KDaの位置にあるシャープなバンドである。
【0253】
実施例7
ヒトPBMCアッセイによるプロテアーゼ活性型Fc IL-15 VitoKineの活性評価
新鮮ヒトPBMCの免疫細胞亜分画の活性化マーカーCD69のFACS分析を、実施例2に詳述した通りに実施し、プロテアーゼ活性型IL-15 VitoKineの活性を評価した。P-0203と、uPA消化から得られた対応するその活性型(活性型P-0203;
図2に第1活性型として模式的に図示)との比較を
図13に示す。プロテアーゼ活性化前のVitoKineの活性は高活性IL-15/IL-15Rα Fc融合タンパク質P-0165よりも約3対数分低く、実施例3に記載したVitoKine活性と一致した。CD56+NK細胞(
図13A)およびCD8+T細胞(
図13B)に対する両方の活性化能が、uPA消化により大幅に回復したが、P-0165の活性化能よりは尚も明白に低く、これは、IL-15とIL-15Rαドメインとの共有結合が原因である可能性がある。IL-15とIL-15Rαとを連結している柔軟リンカーの長さを伸ばすことは、活性型の活性を増強すると予想される。逆説的ではあるが、リンカー長の延長は、D3ドメインの活性遮蔽効率を低下させ、その結果、基礎活性がより高いVitoKine構築体をもたらす可能性もある。
【0254】
別のIL-15 Fc VitoKine P-0315と、2種類のその活性型の生物活性を、新鮮ヒトPBMCの免疫細胞亜分画の活性化におけるCD69活性化を測定することにより、評価した。
図14から分かるように、非切断型P-0315の活性はほぼ測定不可であったが、これにより、VitoKine型の活性部分の効果的な遮蔽が確認された。P-0315の第2活性型は、
図2に示されているように、MMP-2切断により遊離したIL-15RαSushi+ドメインと非共有結合的に複合体形成しているFc融合型IL-15を含んでおり;高活性IL-15 IL-15Rα Fc融合タンパク質であるP-0313陽性対照と構造が似ている。P-0315の第3活性型は、
図2に示されているように、uPAによってFcドメインから切断された遊離型のIL-15ドメインと、MMP-2切断により放出されたIL-15RαSushi+ドメインと、を含んでおり、これら2つは非共有結合的な複合体を形成している。P-0315の両方の活性型が、CD56+NK細胞(
図14A)およびCCD8+T細胞(
図14B)の両方の活性化において、完全またはほぼ完全な活性の回復を示し;第3活性型は第2活性型よりも活性が多少高かった。腫瘍微小環境における目的経路の一過的な活性化が望ましい場合、第3活性型におけるFcドメインの欠如が有益である場合がある。
【0255】
また、MMP-2タンパク質分解前後のP-0315の活性を、処理後のNK細胞(
図15A)およびCD8+T細胞(
図15B)の核内のKi67発現を測定することにより、調べた。2つの切断不可な柔軟リンカーを含むP-0351を比較用に採用した。これらのデータから、VitoKineに活性がないことと、インビトロにおけるタンパク質分解性の活性化の後、NK細胞およびCD8+T細胞の両方において、およそ3対数分の活性回復が起こったことがさらに示された。P-0351とP-0315が同一の活性を有しることが確認されたが、このことは、P-0315の2つの切断可能なリンカーが、作製、発現、および保存の間にインタクトなままであり、各プロテアーゼに対して特異的であったことを示唆している。
【0256】
要約すると、MMP-2/9および/またはuPAによるIL-15 VitoKine P-0315の切断は、当該分子の活性化をもたらし、当該サイトカインの活性は、nM以下の範囲のEC50を有する高活性IL-15化合物のP-0313と同様のレベルにまで回復した。
【0257】
実施例8
健常マウスでFc IL-15 VitoKineを用いた場合の最小の全身性サイトカイン作用
VitoKineプラットフォーム技術の目標は、全身的なオンターゲット毒性を低減させ、治療濃度域を拡大することである。VitoKineは、活性サイトカインを不活性状態で遮蔽しており、当該サイトカインが周辺の、または患部以外の細胞の細胞表面上の受容体に結合することを防ぐ。結果として、VitoKineプラットフォームは、サイトカイン経路の過剰な活性化を制限し、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性を低減する。VitoKineは、患部組織で発現増加しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるよう意図されている。この前提の評価を行うため、プロテアーゼ切断可能なVitoKineおよび切断不可なVitoKineを健常マウスに投与し、高活性IL-15 Fc融合タンパク質と比較して、全身性サイトカイン作用を評価した。
【0258】
P-0313(配列番号47および配列番号5)は陽性対照としての完全活性型IL-15/IL-15Rα Fc融合分子である。P-0315(配列番号33)は2つのプロテアーゼ切断可能なリンカーを含むFc IL-15 VitoKineである。P-0351(配列番号25)は2つの切断不可なリンカーを含むFc IL-15 VitoKineである。陰性対照としては溶媒(PBS)を用いた。化合物の投与は、単回腹腔内注射を1回、健常BALB/cマウス(8~10週齢、n=6匹/群)に、0.1mg/kgおよび0.3mg/kgの用量で行った。血液試料を投与前(-1日目)、または投与後3日目、5日目、および7日目に採取し、免疫表現型検査にかけた。
【0259】
BD pharm溶解緩衝液で赤血球を溶解させた後、トリパンブルー死細胞排除法で総生単核血液細胞をカウントした。精製抗マウスCD16/CD32(1:50希釈)でFc受容体をブロッキングした後、抗マウスCD3-FITC、抗マウスCD49b-APC、および抗マウスCD8-Percpcy5.5(1:50希釈)で細胞を染色した。30分間インキュベートした後、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。
【0260】
図16に示されているように、完全活性型IL-15 Fc融合タンパク質であるP-0313は、末梢血中の細胞傷害性のCD8+T細胞(
図16A)、NK細胞(
図16B)、および総白血球(
図16C)を、2つの試験用量で用量依存的に、劇的に増殖させた。細胞増殖は、3日目に確認され、5日目にピークを迎え、7日目にはベースライン近くにまで戻った。対照的に、切断可能なVitoKine(P-0315)および切断不可なVitoKine(P-0351)は共に、CD8 T細胞においては、7日間の全試験期間中に増加を示さなかった。NK細胞増殖においては、高用量の切断可能なVitoKine P-0315で処置されたマウスで、小さな増加が遅れて確認された。P-0351と、低用量のP-0315は、試験されたいずれの標的細胞集団においても、増加の兆候を示さなかった。全体として、活性分子P-0313と比較して、試験された2つのVitoKineは、標的リンパ球集団の全身的な活性化および増殖を最小限にしか示さず、周辺部におけるIL-15の活性を遮蔽・遅延できることを示した。
【0261】
実施例9
マウスにおけるFc IL-15 VitoKineを用いた結腸がん細胞の肺転移の阻害
マウスCT26肺転移モデルにおいて、IL-15 Fc VitoKine分子の転移抑制効果および免疫応答を調べた。簡潔に説明すると、1×105個のマウス結腸癌細胞CT26-WT(ATCC CRL-2638)を、雌Balb/Cマウス(9~11週齢)に静脈内注射した。翌日(1日目)から、腹腔内注射で、5日おきに4回の処置を開始した。処置群(計6群、n=7匹/群)は、0.3mg/kg P-0315群、0.3mg/kg P-0351群、および0.1mg/kg P-0313群を含む。P-0315(配列番号33)は2つのプロテアーゼ切断可能なリンカーを含むFc IL-15 VitoKineである。P-0351(配列番号25)は切断不可なFc IL-15 VitoKineである。P-0313(配列番号47および配列番号5)は完全活性型IL-15/IL-15Rα Fc融合分子である。陰性対照としては溶媒(PBS)を用いた。17日目、全てのマウスを屠殺し、組織摘出を行った。肺を15%墨汁で膨らませ、Fekete液(10%ホルムアルデヒド、5%氷酢酸、および60%エタノール)で脱染した。肺腫瘍小結節をカウントし、処置群と溶媒対照との間の腫瘍小結節数の違いにより転移抑制効果を表した。
【0262】
図17に示されているように、P-0313は肺転移の形成および成長の抑制において著しい効果を示した。0.1mg/kgで、P-0313処置は完全に近い肺転移阻害を達成した。切断可能なVitoKine P-0315は、肺小結節の発生に70%の阻害を示し;転移抑制効果は3つ全ての用量(0.3mg/kg、1mg/kg、または3mg/kg)で同等であった。切断不可なVitoKine P-0351は、転移発生の減少に比較的弱いが有意な効果を示し、高用量においてのいくらかの固有の基礎活性が示唆された。しかし、P-0315はP-0351よりもはっきりと良好な転移抑制効果を示し(p<0.05;
図17)、P-0315における一方または両方のリンカーのタンパク質切断と、その後の活性型IL-15の遊離が、P-0351に対するP-0315のインビボ有効性における優位性に寄与している可能性が示唆される。腫瘍転移の発生は、腫瘍微小環境付近のタンパク質分解活性の増加をもたらし得る。
【0263】
15日目(3回目の処置の4日後)のマウス末梢血のフローサイトメトリー分析により、IL-15化合物処置後の免疫応答を調べた。対照と比較して、CD8+T細胞の増殖は、活性IL-15 Fc融合体のP-0313で処置されたマウスでは確認されたが、切断可能なVitoKineのP-0315で処置されたマウスや切断不可なVitoKineのP-0351で処置されたマウスでは確認されず、このことは、VitoKineによる全身的なCD8+T細胞の増加が生じていない場合において、結腸がん転移抑制効果が確認されたことを示唆している(
図17および
図18A)。しかし、末梢血中のNK細胞は3つ全てのIL-15化合物処置群で増加しており、最も顕著な増加は反復投与後の切断不可VitoKine群で見られた(
図18B)。VitoKine処置群ではNK細胞の全身的な増殖は増加したが、CD8+T細胞の全身的な増殖は増加せず、このことは、NK細胞がIL-15処置に対してCD8+T細胞よりも応答性が高く、VitoKineの固有の基礎活性がNK細胞増殖をもたらし得ることを示唆している。すなわち、残りの全身作用を低減させるには、IL-15 VitoKineの投与濃度を調整することが重要となる。P-0351群におけるNK細胞の顕著な増加から、この低活性の切断不可VitoKineが、弱くではあるが持続的に経路を活性化し、長期の免疫応答をもたらし得ることも示唆される。
【0264】
実施例10
Fc IL-15 VitoKine P-0315はマウスにおける樹立されたCT26腫瘍の増殖を阻害し、全身性サイトカインの活性化は最小限であった
Fc IL-15 VitoKine P-0315の抗腫瘍活性および免疫応答を、CT26マウス大腸癌腫瘍モデルで、完全活性型IL-15/IL-15Rα-Fc融合タンパク質P-0313と比較して、調べた。簡潔に説明すると、雌Balb/Cマウス(10~12週齢)の右側腹部に、1×105個のCT26細胞を皮下注射した。11日目、平均腫瘍体積が約70mm3となったとき、マウスを無作為に3つの群(n=11匹/群)に分け、無作為化の同日に、溶媒(PBS)、または0.1mg/kgのP-0315もしくはP-0313の腹腔内注射を行った。16日目に、各試験薬剤の腹腔内注射を追加で1回行った(5日おきに2回)。週3回ノギスを用いて腫瘍を測定し、腫瘍体積を以下の通りに算出した:体積=0.5×(幅)2×(長さ)。19日目、免疫応答の研究のために、非終末部の末梢血をヘパリン処理チューブに採取した。21日目、全てのマウスを屠殺し、組織摘出を行った。
【0265】
図19Aに示されているように、PBS処置マウスは巨大な皮下腫瘍を急速に発達させ、P-0315またはP-0313によるマウスの処置は腫瘍増殖遅延ではおよそ等効力であった(
図19Bおよび19C)。腫瘍接種後21日目、対照処置マウスの平均腫瘍体積は約1000mm
3であったが、それに対し、P-0315処置マウスやP-0313処置マウスでは約450mm
3であった(
****P<0.0001;一元配置分散分析とテューキーの事後検定(Tukey’s post-test))(
図19D)。注目すべきことに、P-0313は初期にはP-0315よりも大きな腫瘍量減少を示したが、治療が進むにつれてその差異は次第に小さくなっていった。P-0315の抗腫瘍効果の遅れは、基質ペプチドリンカーにアクセスし切断してVitoKineを活性化するのに適した量のプロテアーゼを発生させるのに時間がかかったためと考えられる。
【0266】
次に、末梢血中のCD8+T細胞およびNK細胞の増殖に対するP-0315の効果を、P-0313および溶媒と比較して、フローサイトメトリーで調べた。末梢血中および脾臓内の総WBCおよびリンパ球サブセット(CD8+T細胞およびNK細胞)の各集団に対するP-0315の効果についても、同様の評価を行った。
【0267】
担癌マウスに完全活性型IL-15/IL-15Rα Fc融合体P-0313の注射を行ったところ、末梢血中および脾臓内の両方で、リンパ球の増殖能および増殖が強く誘導された(
図20~
図22)。PBS群と比較して、P-0313処理後では、Ki67増殖(Ki67 proliferation)は、末梢NK細胞では4倍の増殖(61%対15%;
図20A)を見せ、CD8+細胞では5.3倍の増殖(46%対8.6%;
図20B)を見せた。同様に、P-0313処理は、末梢血中(
図21A~
図21C)および脾臓内(
図22A~22C)の両方の総白血球、NK細胞、およびCD8+T細胞の、著しい細胞増殖をもたらした。例えば、末梢総WCB細胞数は、6倍に増加し、CD8+T細胞数は5倍に増加し;NK細胞数は85倍という劇的な増加を見せた。脾臓においても、最も顕著な細胞増殖はNK細胞で見られ(10倍)、次いでCD8+T細胞であり、2.9倍の増加であった。脾臓内総WBCは1.7倍という控えめな増加であった。細胞傷害性のCD8+T細胞およびNK細胞のロバストな活性化は、IL-15の全体的な免疫調節性と一貫しており、この強力な免疫応答がインビボにおけるP-0313の抗腫瘍活性の主要な寄与因子になったと考えられる。しかし、血液中のリンパ球サブセットの劇的な変化は、毒性を引き起こし、治療指数を低下させる場合がある。
【0268】
P-0313とは著しい対照をなして、Fc IL-15 VitoKine P-0315による処置は、血液中のリンパ球サブセットの恒常性に最小限の変化しかもたらさなかった。この所見は、
図20においては末梢血中のNK細胞およびCD8+T細胞のKi67増殖で示され、
図21においては末梢血中の総白血球、NK細胞、およびCD8+T細胞の細胞増殖で示された。P-0315処置後の唯一注目に値する免疫薬力学的効果は、脾臓内のNK細胞数の4倍の増加であった(
図22B)。P-0315は樹立CT26腫瘍の増殖遅延ではP-0313とおよそ等効力であったことから(
図19A~19D)、P-0315のインビボ抗腫瘍活性は、腫瘍微小環境付近で切断可能なリンカーがタンパク質分解を受けた後のVitoKineの活性化によるものであったと考えられる。活性型VitoKineは腫瘍付近でのみ現れるため、不活性VitoKine分子の投与に対する末梢リンパ球の応答は、完全活性型P-0313よりも、ずっとより程度の低いものであった。
【0269】
まとめると、P-0315で例示されたIL-15 Fc VitoKineは、腫瘍増殖を効率的に遅延することができ、血液中および脾臓内のリンパ球サブセットの増殖能および増殖に著しい変化はもたらさなかった。結果的に、VitoKine型により、抗腫瘍効果を損なうことなく、完全活性型サイトカインには通常付随する、経路の過剰な活性化、好ましくない「オンターゲット」ではあるが「標的組織外に対する」毒性、および望ましくない標的シンクを、抑制または低減することができた。
【0270】
実施例11
活性減弱型サイトカインとしての切断不可VitoKine
インビトロでは強力なサイトカインがインビボでは最も強いリンパ球応答を誘発しない場合があることが、当該技術分野で知られている。高活性のサイトカインは、より強い受容体刺激、内部移行、および脱感作を伴い、シグナル伝達、増殖、および機能を減弱し、細胞死の増加やクローン枯渇をもたらす場合が多い。従って、過剰に強いリンパ球活性化を抑制し、持続的且つ増強されたインビボ薬力学的効果および抗腫瘍活性を達成するために、活性減弱型のサイトカインが極めて好ましい場合がある。
【0271】
切断不可なFc IL-15 VitoKine P-0351は、インビトロにおいては完全活性型IL-15化合物と比較して顕著に抑制された活性を示したが、マウスCT26肺転移モデルにおいては転移抑制効果と顕著なNK細胞応答とを示した(実施例8)。すなわち、切断不可なVitoKine構築体を用いて、持続的な活性を有する活性減弱型サイトカインとして機能させることで、インビボ薬力学的作用を最適化することができる。
【0272】
P-0351は、NK細胞およびCD8+T細胞(
図23Aおよび
図23B)の両方におけるKi67増殖能の誘導において、特許出願WO2018071919A1におけるXENP024306と同等の基準分子(配列番号177および配列番号178)と同じ活性を示した。XENP024306は、IL-15にアミノ酸置換(D30N/E64Q/N65D)を含み、Fcに半減期延長変異を含む、IL-15/IL-15Rα Fc融合分子である。XENP024306のIL-15鎖におけるこの三変異は、インビトロで200倍の強さの抑制をもたらすことが報告された。XENP024306は、インビボではより高い活性を有することが示されたが、これは、薬力学的特性がインビボにおいて最適化されているためと考えられる。
【0273】
同様に、P-0351の活性の減弱化は、完全活性型サイトカインには通常付随する過剰な活性化や望ましくない標的シンクを回避または低減することにより、暴露をより持続的なものにし、薬力学的作用(PD)を改善すると期待される。すなわち、P-0351の半減期延長型対応物であるP-0651(配列番号170)は、半減期をより長期のものへと促し、インビボにおけるPDをさらに拡張する。
【0274】
実施例12
自己免疫疾患、炎症性障害、移植、および他の障害を治療するための制御性T細胞の選択的増殖のためのFc IL-2 VitoKine(Treg IL-2 VitoKine)の構築および作製
炎症部位で発現上昇しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるまで不活性状態を維持する、IL-2 VitoKine構築体を設計することを目標としている。低用量の野生型IL-2はエフェクターT細胞よりも優先的にTregを刺激し、IL-2Rβに対する結合親和性が減少したIL-2変異タンパク質は選択性の窓(selectivity window)を広げることが報告されている。これらの分子は自己免疫疾患の予防療法として開発できる。IL-2Rβ結合性および/またはγC結合性には干渉するがIL-2Rαとの相互作用には影響しない他の変異も、Teffに対して以上にTreg活性化に対して、選択性の窓を広げることができる。
【0275】
野生型IL-2または、エフェクターT細胞以上にTregを刺激するように選択性が増加したIL-2変異タンパク質を含むIL-2 Fc VitoKineを活性部分として用いた。この活性部分はFcドメインとIL-2RαSushi(配列番号10)との間で可逆的に遮蔽される。IL-2Rα(配列番号9)は、天然ペプチドリンカー領域で隔てられた2つのsushiドメインを含む。IL-2 VitoKine構築体は、炎症性障害部位で発現増加していることが報告されているプロテアーゼに認識される1つまたは2つの切断可能なリンカーを含む。FcとIL-2/変異タンパク質とを連結するリンカーは切断可能および切断不可の両方の場合が可能であるが、IL-2とIL-2αSushiとを連結するリンカーはプロテアーゼにより特異的に切断可能であることが好ましい。
【0276】
Tregを選択的に刺激するIL-2変異タンパク質の活性は、プロテアーゼ切断後の、IL-2からのIL-2Rαの遊離および拡散の後に回復することが予想される。IL-2RαとIL-2との間のnM結合親和性により、IL-2RαSushiはリンカーの切断後もIL-2と非共有結合的に会合し続け;結果的に、IL-2の、Treg細胞上のIL-2Rαとの相互作用が遮断されたままとなる可能性がある。この潜在的な問題を解決するため、IL-2に対する結合性を弱めるように、IL-2との接触面にアミノ酸置換を有するIL-2Rα変異タンパク質を設計した。すなわち、リンカーのプロテアーゼ切断後、上記IL-2RαSushi変異体はIL-2から解離・拡散することとなり、この活性化メカニズム(
図26に模式的に図示)は
図2に図示されているものとは若干異なる。
【0277】
代表的なアミノ酸置換はIL-2Rαドメインの38位(すなわち、K38E)および43位(すなわちY43A)になされた。IL-2相互作用残基に置換を有する他のIL-2Rαバリアントは、IL-2とIL-2Rαの相互作用を壊すことが予想され、同様に組み入れることができる。当業者には理解されることであるが、これら全ての変異は、所望により、独立して、任意に組み合わせることで、最適な親和性の調節を達成することができる。異なるリンカーの組み合わせと、野生型またはバリアント型のIL-2と、野生型またはバリアント型のIL-2RαSushiとを含む、IL-2 VitoKine分子を作製した(その各々の配列は配列番号49~65として列挙)。
【0278】
遺伝子合成、発現ベクター構成、並びにタンパク質の生成、精製、および特性評価は、実施例1に詳述した同じ手順に従って行った。IL-2 VitoKineのタンパク質プロファイルを示す一例として、P-0320のSDS-PAGE分析を
図24Aに示す。
図24Bのサイズ排除クロマトグラムから、ポリッシング工程を行っていない初期のプロテインA捕捉工程後に見られた凝集は5%未満であったことが示された。この低い凝集傾向により、IL-2 VitoKineの開発適合性プロファイルが好ましいものであることが示唆された。
【0279】
実施例13
がんおよび他の障害を治療するためのエフェクターT細胞の選択的増殖のためのFc IL-2 VitoKine(Teff IL-2 VitoKine)の構築および作製
腫瘍部位にのみ存在している、または腫瘍部位で発現上昇しているプロテアーゼにより局所的な活性化を受けるまで不活性状態を維持する、IL-2 VitoKine構築体を設計することを目標としている。TregはエフェクターT細胞応答を抑制し得るため、IL-2によるTregの優先的な増殖はがん免疫療法にとってのIL-2の望ましくない効果である。これらの制限を克服するため、IL-2に対して、IL-2Rαとの結合面に、F42AおよびR38Eを含むアミノ酸置換を設計し(PNAS、1991. 88:4636-4640)、IL-2Rαに対する結合性を減少/消失させた。IL-2Rα結合のみに干渉し、IL-2Rβγとの相互作用には影響しない他の変異(例えば、R38A、T41A、T41G、T41V、Y107G、Y107H、Y107L、またはY107V)も、組み込むことができる。当業者には理解されることであるが、これら全ての変異は、所望により、独立して、任意に組み合わせることで、最適な親和性の調節を達成することができる。
【0280】
Fc IL-2 VitoKine構築体は、野生型IL-2、またはIL-2Rαに対する結合性が減少/消失したIL-2バリアントを活性部分として含み、この活性部分はFcドメインとIL-2RαSushi(配列番号10)との間で可逆的に遮蔽される。これらの構築体は、様々な種類のがん(例えば、固形腫瘍)における発現増加が報告されているプロテアーゼに認識される1つまたは2つの切断可能なリンカーを含む。FcとIL-2/変異タンパク質とを連結するリンカーは切断可能なリンカーおよび切断不可なリンカーの両方が可能であるが、IL-2とIL-2αSushiとを連結するリンカーはプロテアーゼにより特異的に切断可能であることが好ましい。Teff機能に対する選択性を増加させるため、IL-2Rαは、切断後にIL-2と会合していることが好ましい場合がある。IL-2変異タンパク質の活性は、プロテアーゼ切断後の、IL-2からのIL-2Rαの遊離および拡散の後に回復することが予想される。活性部分として種々のIL-2変異タンパク質を組み入れたIL-2 VitoKine分子を
図1に模式的に示す。Teff細胞の選択的増殖のための例示的なFc IL-2 VitoKine分子を構築および作製した(その各々の配列は配列番号59~61として列挙)。
【0281】
遺伝子合成、発現ベクター構成、並びにタンパク質の生成、精製、および特性評価は、実施例1に詳述した同じ手順に従って行った。
【0282】
実施例14
Fc IL-2 VitoKineのインビトロ活性評価
新鮮ヒトPBMCの特定T細胞サブセットのリン酸化STAT5(pStat5)レベルを測定することにより、T細胞に対するIL-2 VitoKineの生理活性を求めた。Stat5は、膜貫通型IL-12RβγC複合体へのIL-2結合により誘導される、下流の細胞内シグナル伝達に関与していることが知られている。pStat5ペプチドに対する抗体を用いて、固定と透過処理を行った細胞におけるフローサイトメトリーにより、pStat5のレベルを測定した。簡潔に説明すると、オクラホマ血液研究所(Oklahoma Blood Institute)より購入した健常ドナーのバフィーコートからのフィコール・ハイパック遠心分離によって、ヒトPBMCを単離した。2×105個のPBMCを試験化合物の段階希釈系列で37℃で30分間処理した。その後、製造業者の取扱説明書に従ってFoxp3/Transcription Factor Staining Buffer Set(EBIO)で細胞を処理した。次いで、細胞をCytofix緩衝液で固定し、Perm Buffer III(BDバイオサイエンス社)で透過処理した後、洗浄した。ヒトTruStain FcX(1:50希釈)を添加することでFc受容体をブロッキングした後、製造業者が推奨する濃度の抗CD25-PE抗体、抗FOXP3-APC抗体、抗pSTAT5-FITC抗体、および抗CD4-PerCP-Cy5.5抗体の混合物で、室温で60分間、細胞を染色した。次いで、細胞を収集し、洗浄し、FACS用緩衝液に再懸濁し、フローサイトメトリーで分析した。フローサイトメトリーのデータにゲーティングをかけ、Foxp3陽性/CD25高発現群およびFoxp3陰性/D25低発現群(それぞれTreg細胞サブセットおよびCD4エフェクターT細胞サブセット)とした。データは、ゲーティングされた集団におけるpStat5陽性細胞の割合(%)として表される。
【0283】
IL-2 VitoKineのP-0320(配列番号49)およびP-0329(配列番号62)を、P-0250(配列番号48)と比較して、pStat5活性化について評価した。P-0320は野生型IL-2ドメインを含んでおり、野生型IL-2ドメインのN末端はuPA切断可能なリンカーを介してFcドメインと融合しており、野生型IL-2ドメインのC末端は柔軟な(GGGGS)
3(配列番号127)リンカーでIL-2RαSushiドメインに連結されている。P-0329は野生型IL-2ドメインを含んでおり、野生型IL-2ドメインのC末端はuPA切断可能なリンカーを介してFcドメインと融合しており、野生型IL-2ドメインのN末端は柔軟な(GGGGS)
3リンカーでIL-2RαSushiドメインに連結されている。P-0250は高活性IL-2 Fc融合タンパク質である。各試験化合物について、Treg細胞サブセットおよびCD4+通常T細胞(Tconv)サブセット中のpStat5陽性細胞の割合を
図25に示す。完全活性型IL-2融合タンパク質と比較して、両方のIL-2 VitoKineの場合で、pStat5活性化がTregにおいて劇的に減少していることが明らかである。CD4+Tconv細胞においては、pStat5活性化はほとんど測定できなかった。このデータは、VitoKine形態においてのIL-2活性の効率的な遮蔽を示している。
【0284】
実施例15
IL-2 VitoKineのプロテアーゼ活性化およびインビトロ活性評価
IL-2 VitoKine P-0382(配列番号51)は、FcおよびIL-2を連結している柔軟なGGGSGGGSリンカー(配列番号115)と、IL-2ドメインおよびIL-2RαSushiドメインを連結している10アミノ酸MMP-2/9切断可能なリンカー(配列番号77)と、を含有している。P-0382のIL-2RαSushiドメインに、IL-2に対するその結合親和性を減少させるように設計されたアミノ酸置換(K38E)を含ませることで、リンカーのプロテアーゼ切断後にIL-2から解離しその後拡散するようにしている。
【0285】
P-0382は、MMP-2を用いたインビトロプロテアーゼ切断で活性化した。簡潔に説明すると、3.3μgの潜在型MMP-2(バイオレジェンド社)をまず、製造業者の説明書に従ってAPMA(ミリポア・シグマ社)で活性化し、次いで緩衝液を交換し、0.4mlの製造業者推奨のアッセイ用緩衝液(100mM Tris、20mM CaCl
2、300mM NaCl、0.1%(w/v)Brij35、pH7.5)中の120μgのP-0382に添加した。37℃で20時間インキュベートした後、反応液の半分を、MabSelectSure Protein A樹脂を用いた精製にかけ、25mMクエン酸ナトリウム、25mM塩化ナトリウム(pH3.2)により活性型VitoKineを溶出させた。3%1M Tris(pH10.2)の添加によりタンパク質を中和した。もう半分の試料はNi-Excel樹脂とインキュベートしHisタグMMP-2タンパク質を除去することにより反応を止め、遠心分離でNi樹脂を除去することにより活性型VitoKineを収集した。プロテインA精製は、IL-2RαSushiドメインが、
図26に模式的に図示されているように、ポリペプチド鎖切断後もIL-2と非共有結合的に会合していないことを確認するためのものであった。
図27に示される4~12%Tris-Bis SDS-PAGEゲル上で試料の評価を行った。構造的に類似したIL-15 VitoKine(例えばP-0315)と比較して、プロテアーゼ量の増加と反応時間の延長にもかかわらず、反応は完全な切断をもたらさなかった。プロテインA精製を行ったMMP-2処理試料とプロテインA精製を行っていないMMP-2処理試料の比較(
図27Aおよび
図27B)により、IL-2RαSushiドメインが共有結合から解放され、Fc-IL-2融合ポリペプチドと共精製されていないことが確認された。
【0286】
切断は不完全であるが、2種類のMMP-2活性化試料を、1つはNi-Excelフロースルー(第1活性型)として、他方はプロテインA溶離液(第2活性型)として、実施例13に記載されたpStat5活性化アッセイで評価し、データを
図28に示した。P-0382の活性は、Tregにおいては非常に低く、CD4+Tconv細胞の場合ではほとんど測定できず、IL-2 VitoKine形態での活性部分の効果的な遮蔽が再度確認された。両方の活性型試料がほぼ完全な活性回復を示した。P-0250と比較して活性が若干低いのは、タンパク質分解が不完全であるためと考えられた。
【0287】
第1活性型および第2活性型はTreg細胞およびTconv細胞両方のpStat5リン酸化の誘導において同等の活性を有する(
図28Aおよび
図28B)ため、第1活性型試料中のMMP-2で切断されたIL-2RαSushiドメインの存在は、活性型IL-2 VitoKineの活性を変化させないと思われた。データから、MMP-2切断により生じたIL-2RαSushiドメインはIL-2と会合しなかったため、IL-2の、リンパ球上に発現している受容体複合体との結合を妨害しないはずであることが示唆された。
【0288】
P-0382のMMP-2タンパク質分解は完全な切断をもたらさず、切断可能なリンカーの延長によって、基質ペプチドが、切断を担うプロテアーゼによりアクセスし易くなり得ることが考えられた。P-0382の10アミノ酸リンカー(配列番号95)を、余分な隣接残基を含む15アミノ酸MMP-2/9切断可能なリンカー(配列番号94)と置き換えることで、新規のVitoKine構築体P-0398(配列番号52)を得た。上記で詳述された同じプロトコルに従った、MMP-2を用いたインビトロプロテアーゼ切断により、P-0398を活性化した。MMP-2量を1/3倍に少なくした場合でも(180μgのP-0398の場合の1.5μgのMMP-2に対し、120μgのP-0382の場合の3.3μgのMMP-2)、P-0398の完全な消化が達成されたことが、SDS-PAGEゲル上に「全切断」バンドのみが存在していた(データ未記載)ことから明らかとなった。
【0289】
プロテインA精製によりIL-2RαSushiドメインが除去された活性型P-0398の生理活性をpStat5アッセイで測定した(
図29Aおよび
図29B)。活性型P-0398は配列および構造においてIL-2 Fc融合分子であるP-0250と似ており、これらはTreg細胞およびTconv細胞の両方でのStat5リン酸化の誘導においてほぼ同一の活性を有する。VitoKineのP-0382およびP-0398は共に、IL-2RαSushiドメインに共有結合的に連結されていることにより、生理活性が著しく障害されているが(4対数分)、より長いL2リンカーを含むP-0398がより高活性となる傾向があるように思われた。IL-15 Fc VitoKineで確認されたことと同様に、L2リンカー長を調節することにより、IL-2 VitoKineの不活性さのレベルをさらに調整することができた。同様に、切断可能なL2リンカーの長さおよび配列の選択は、目的の適応疾病部位における特異的プロテアーゼの存在と、当該プロテアーゼに対する基質ペプチドの到達性と、所望のタンパク質分解速度との、バランスをとるべきである。
【0290】
要約すると、IL-15 VitoKineと比較して、IL-2 VitoKineは、完全なタンパク質分解を達成するための最適な酵素到達性のために、より長いL2リンカーを必要とした。MMP-2による例示的なIL-2 VitoKine構築体であるP-0382およびP-0398の切断は、各分子の完全活性化をもたらした。これらの活性型IL-2 VitoKineは、高活性のIL-2 Fc融合体化合物であるP-0250と同様の生理活性を達成した。
【0291】
実施例16
抗体型VitoKineの構築
組換え抗体-サイトカイン融合タンパク質(免疫サイトカイン)の使用は、当該サイトカインを患部に標的化することにより、サイトカインの治療指数を増強する見込みがある。しかし、完全活性型サイトカインを抗体に融合すると、周辺部の活性化や、腫瘍標的化の不足が生じる場合がある。目的治療部位における活性化前のVitoKineの活性をなくすことで、抗体型VitoKineは、新規且つ革新的な免疫サイトカイン形態となる。腫瘍標的抗体に加えて、腫瘍微小環境における免疫抑制効果を回避する免疫チェックポイント阻止抗体や、既存の反応を増強する免疫刺激抗体も、抗体型VitoKineを構築するのに使用することができ、それにより、腫瘍に対する免疫系の活性をさらに増強することができる。さらに、炎症性の問題を有する部位(inflammatory issue site)を標的とする抗体型VitoKineは、抗自己免疫性慢性炎症性障害の治療に利用することができる。
【0292】
このコンセプトに従って、D2ドメインとしてIL-15またはIL-2のどちらかを含む抗体型VitoKineタンパク質を構築した。抗体の例としては、PD-1阻止抗体JS-001、PD-L1阻止抗体テセントリク、抗CTLA4抗体イピリムマブ、アゴニストCD40抗体RO7009789、腫瘍抗原標的抗体、例えば、フィブロネクチンの外部ドメイン(extra-domain)に対するL19、CD20に対するリツキシマブ、Her-2に対するハーセプチン、EGFRに対するセツキシマブ、並びに、抗炎症抗体の、インテグリンα4β7に対するベドリズマブおよびTNFαに対するヒュミラが挙げられる。例示的な抗体型VitoKineの配列を配列番号128~143に列挙する。
【0293】
遺伝子合成、発現ベクター構成、並びにタンパク質の生成、精製、および特性評価は、実施例1に詳述した同じ手順に従って行った。ヒトPBMCを各IL-15 VitoKine化合物で処理した後にNK細胞(
図30A)およびCD8+T細胞(
図30B)におけるKi67発現を測定することにより、例示的な抗PDL1抗体IL-15 VitoKine P-0485(配列番号180および配列番号181)の生理活性を調べた。P-0485は、そのFc VitoKine型の対応物であるP-0315と同一の、L1リンカーとL2リンカーおよびD2ドメインとD3ドメインを共有している。
図29のデータから、両方のVitoKineが、
図15に示される活性型P-0315と比較して、同等の強く障害された生理活性を有することが示唆された。P-0485は若干より高い活性を有しているように見えたが、これは、PD-L1遮断によるリンパ球活性化に起因している可能性がある。
【0294】
実施例17
プロテアーゼで活性化可能な不活性なIL-15融合タンパク質またはIL-2融合タンパク質の作製物に対するIL-15Rβベースのブロッキングペプチド
プロテアーゼで活性化可能な不活性なIL-15融合タンパク質またはIL-2融合タンパク質を作製するための異なるアプローチは、遺伝子的に、ブロッキングペプチド(例えば、IL-2Rβベースのブロッキングペプチド)を、切断可能なリンカーを介してIL-15またはIL-2に融合することである。探索されたブロッキングペプチドは、IL-15と直接接する重要な残基を含む2つのIL-2Rβループ(配列番号97および配列番号98)をベースとしている。表13に記載のペプチドは、これら2つのループの配列をベースとしている。
【0295】
【0296】
表13の5種のペプチドL01~L05(配列番号97~101)を合成し、それらのIL-15に対する結合性をELISA形式で評価した。簡潔に説明すると、IL-15/IL-15RαSushi+Fc融合タンパク質であるP-0153(配列番号44および配列番号46)を、ヌンク社製Maxisorp 96ウェルマイクロプレートの各ウェル上に1μg/ウェルでコートし、100μMから開始して3倍段階希釈したビオチン化ペプチドを各ウェルに添加した。製造業者推奨の濃度のストレプトアビジン-HRP複合体を添加し、TMB基質によりシグナルを発色させた。
図30に示されているように、L03(配列番号99)に特異的結合が確認され、これは環化型ループ2(配列番号98)であった。
【0297】
ループ2をベースとした配列をブロッキングペプチドとして採用し、IL-15融合タンパク質に組み込んだ。切断可能なリンカーおよびペプチドスペーサー(配列番号102~106)を介してIL-15に融合されたIL-2Rβベースのブロッキングペプチドを含む融合タンパク質の配列の例が表13に示されているが、表中、太字はIL-15Rβベースのブロッキングペプチドを示しており、波状の下線は切断可能なリンカーを示しており、直線状の下線はスペーサーペプチドを示している。IL-15RαSushi+(配列番号5)が共発現されたが、これはブロッキングペプチド含有IL-15融合タンパク質と非共有結合性の複合体を形成する。
【0298】
遺伝子合成、発現ベクター構成、並びにタンパク質の生成、精製、および特性評価は、実施例1に詳述した同じ手順に従って行った。これらのブロッキングペプチド含有IL-15融合タンパク質をまず、IL-2Rβに対する結合能を評価するため、ELISAアッセイで試験した。
図32に示されているように、P-0153と比較して、連結しているブロッキングペプチドの違いにより、結合親和性に若干の減少があった。しかしながら、これらのブロッキングペプチド含有IL-15融合タンパク質によるCD56+NK細胞またはCD8+T細胞を含む免疫細胞の活性化の発現を評価するPBMCアッセイでは、注目に値する活性減少は示されず(データ未記載)、試験されたブロッキングペプチドの遮蔽効率が不十分であることが示唆された。活性遮蔽の効率を見るために、IL-2Rβの細胞外ドメイン全体を含む、様々な長さのブロッキングペプチドが探索される場合がある。IL-2にも同様に、同じアプローチを適用できた。
【0299】
実施例18
VitoKine型は融合タンパク質の開発適合性を向上させる
当該技術分野において、天然起源のIL-2タンパク質は、あまり安定ではない傾向にあり、凝集しやすいことが知られている。このことは、野生型IL-2 Fc融合タンパク質(P-0250)を低レベル(HEK-293F細胞で一過的に約3mg/L)で発現させた実験において、
図33Aに図示されるSECクロマトグラムにより高い凝集傾向が示されたことにより、実証された。4種類のIL-2 VitoKine分子、P-0320、P-0382、P-0362、およびP-0379を、P-0250と比較した。P-0320(配列番号49)は、そのN末端がFcドメインと融合しており、そのC末端がIL-2RαSushiドメインに連結されている、野生型IL-2ドメインを含む。FcとIL-2とを連結しているL1リンカーはuPA基質ペプチドと隣接スペーサーペプチドを含む切断可能なリンカー(配列番号92)であり、IL-2とIL-22RαSushiとの間のL2リンカーは柔軟な(GGGGS)
3リンカー(配列番号127)である。P-0382(配列番号51)は、リンカー配列においてのみP-0320と異なっており;P-0382のL1リンカーは柔軟な(G
3S)
2リンカー(liner)(配列番号115)であり、L2リンカーはMMP-2/9切断可能なリンカー(配列番号95)である。P-0362(配列番号:)およびP-0379(配列番号59)は、単一点突然変異でもって、P-382と異なっている。P-0362はIL-2RαSushiドメインにK38E変異を含み、一方、P-0379はIL-2ドメインにF42A置換を含む。P-0250(配列番号48)は、IL-2が柔軟な(G
3S)
2(配列番号115)リンカーを用いてFcのC末端と融合されている、IL-2 Fc融合タンパク質である。
【0300】
5種類の分子のサイズ排除分離の図表を
図33A~
図33Eに示す。上記クロマトグラムから、4種全てのIL-2 VitoKine構築体が、IL-2 Fc融合タンパク質に優る、大幅に改善された純度プロファイルを有することは、非常に明白である。P-0250は好ましくない高分子量種を25%超も含有している。対照的に、4種のVitoKine分子は全て、96%超の単量体含量で、シャープな単量体ピークを示している。リンカーの変更も、IL-2における変異も、IL-2RαSushiにおける変異も、質に対して注目に値する影響を与えなかった。このようなタンパク質の質における著しい増強は、VitoKineにおけるIL-2αSushiドメインの融合に起因しているように思われた。
【0301】
タンパク質の質に加えて、IL-2 VitoKineの発現レベルも増強され、特に、FcとIL-2との間にGSリンカーを有し、IL-2とIL-2RαSushiとの間に10アミノ酸のMMP-2/9で活性化可能なリンカーを有するVitoKine型が増強された。タンパク質発現レベルは細胞の増殖条件を原因として異なるバッチ間で異なる場合があるが、VitoKineの発現レベルは、明らかに、IL-2 Fc融合タンパク質よりも一貫して数倍高い。mg/L単位のタンパク質の発現価(expression titer)を、タンパク質の単量体の割合と共に、表14に示す。
【0302】
【0303】
さらに、本発明者らのIL-2に対する技術的努力により、生物活性を完全に保持したまま、IL-2 Fc融合構築体の開発適合性に普遍的な改善をもたらした、125位におけるセリンのイソロイシンとの1アミノ酸置換も同定された。Fc融合体型における、野生型IL-2、および異なる変異構成のIL-2バリアント、の125位におけるIle置換は、全て、4~11倍に増強された発現レベルおよび一様に低い凝集傾向をもたらした。例示的な分子の、発現レベル(mg/L)、およびSECクロマトグラフィーで評価されたプロテインA精製物の純度(凝集率)を表15にまとめる。表15の同じ列にある2分子は、他のアミノ酸置換に関しては同じものを共有しており、125番残基がセリンであるかイソロイシンであるかのみ異なる。一例として、P-250のIL-2-S125I型の対応分子のSECクロマトグラムを、
図33Fにさらに例示する。
【0304】
【0305】
結論として、VitoKineプラットフォームがタンパク質の開発適合性プロファイルを大幅に改善することが、Fc IL-2 VitoKine構築体のタンパク質発現増加と凝集傾向のかなりの低減とにより示された。さらに、有益なIL-2 S125Iアミノ酸を組み込んでいるIL-2(野生型IL-2またはバリアントIL-2)VitoKine構築体は、開発適合性プロファイルがさらに増強されることとなる。
【0306】
実施例19
VitoKine D3ドメインの選択はタンパク質発現に劇的な影響を与え得る
D3ドメインが、D2ドメインのコグネイト受容体のバリアントである、または無関係なタンパク質ドメインである、VitoKineプラットフォームも、探索された。結晶構造解析(Wangら、Science、310巻:頁1159-1163、2005年)によれば、IL-2Rαのsushiドメイン1とsushiドメイン2とは、鎖交換事象において会合する。その結果、IL-2Rαの第1~19残基はsushiドメイン2の一部であり、第102~122残基はsushiドメイン1の一部であった。このような構造配置を、N末端にIL-2Rα(配列番号10)の第102~122残基を含み、C末端にIL-2Rαの第20~68残基を含む、IL-2RαSushiバリアント(配列番号147)に反映させた。そのようなIL-2RαSushiバリアントは、IL-2との相互作用残基の大部分を含み、構造的な完全性が想定される場合の活性の大部分を再現するはずである。P-0320(配列番号49)のIL-2RαSushiドメインをIL-2RαSushiバリアントと置換することで、IL-2 VitoKine P-0321(配列番号179)を得た。予想外にも、D3ドメインとしてIL-2RαSushiバリアントを含むP-0321は、全く発現しないか、あるいは発現レベルが低く、物質を捕捉・精製することができなかった。
【0307】
同様に、VitoKine P-0315(配列番号33)のIL-15αSushi+ドメインをIL-2RαSushi(配列番号10)と置換した。得られたタンパク質はP-0389(配列番号42)である。P-0389はP-0315と比較して著しく低いレベルで発現した。さらに驚くべきことに、
図34Aに示されるSDS-PAGEゲル像から分かるように、精製されたP-0389は主に高分子量の凝集体であった。比較する目的で、対応分子であるP-0315のSDS-PAGEゲル像を
図34Bに示す。さらに、精製されたP-0389は、その配列中にMMP-2/9基質ペプチドが存在しているにもかかわらず、MMP-2消化に対して耐性を示し、このことは、当該分子が正しくフォールディングされなかったか、あるいは、凝集によってプロテアーゼのアクセスが制限されたことを示唆している。
【0308】
要約すると、D3はVitoKine構築体の非常に重要な成分である。遮蔽部分としての機能に加え、D3はタンパク質の開発適合性プロファイルに対して正および負の劇的な影響を与え得る。
【0309】
本願で開示および特許請求されている物品および方法は全て、本開示に照らし合わせることで、必要以上の実験を行うことなく作製および実行することができる。本開示の物品および方法を好ましい実施形態の観点から説明したが、本開示の精神および範囲から逸脱しない範囲で、物品および方法に変更を適用してもよいことは、当業者には明らかである。当業者には明らかな、そのような変更形態および均等物は全て、現存するものであれ後に開発されるものであれ、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の精神および範囲に包含されると見なされる。本明細書で言及された特許、特許出願、および刊行物は全て、本開示が属する技術分野における当業者の水準を示すものである。全ての特許、特許出願、および刊行物は、あたかも個々の刊行物が、その全体があらゆる目的で参照により援用されると明確且つ個別に示されているのと同程度に、それらの全体があらゆる目的で参照により本明細書に援用される。本明細書に例示的に記載された開示は、本明細書に特には開示されていない任意の要素の非存在下で、好適に実施されている場合がある。すなわち、本開示は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されたが、本明細書で開示された概念の変更および変形が当業者によって為されてもよいこと、並びに、そのような変更形態および変形形態が添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内であると見なされることを理解されたい。
[配列表]
添付の配列表に列挙された核酸配列およびアミノ酸配列では、米国特許法施行規則§1.822の規定の通り、ヌクレオチド塩基は標準的な略語を用いて示しており、アミノ酸は3文字表記を用いて示している。
配列番号1はヒトIL-15前駆体のアミノ酸配列である。
配列番号2はヒトIL-15成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号3はIL-15バリアントポリペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号4はヒトIL-15Rαのアミノ酸配列である。
配列番号5はヒトIL-15Rαのsushiドメイン+のアミノ酸配列である。
配列番号6はヒトIL-2前駆体のアミノ酸配列である。
配列番号7はヒトIL-2成熟型の天然アミノ酸配列である。
配列番号8はヒトIL-2成熟型の野生型アミノ酸配列である。
配列番号9はヒトIL-2Rα(CD25)前駆体のアミノ酸配列である。
配列番号10はヒトIL-2Rαのsushiドメインのアミノ酸配列である。
配列番号11はヒトIL-2Rβ前駆体のアミノ酸配列である。
配列番号12はヒトIL-2Rβの細胞外ドメインのアミノ酸配列である。
配列番号13はヒトIgG1-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号14はエフェクター機能が低減/消失したヒトIgG1-Fcの配列である。
配列番号15はKnob-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号16はHole-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号17はヒトIL-4成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号18はヒトIL-7成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号19はヒトIL-9成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号20はヒトIL-10成熟型のアミノ酸配列である。
配列番号21はヒトIL-12サブユニットα成熟型の配列である。
配列番号22はヒトIL-12サブユニットβ成熟型の配列である。
配列番号23はヒトIL-23サブユニットα成熟型の配列である。
配列番号24はヒトIL-27サブユニットβ成熟型の配列である。
配列番号25~43は各種Fc IL-15 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号44はHole-Fc-IL-15融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号45はKnob-Fc-IL-15融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号46はKnob-Fc-IL-15Rα-Sushi+融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号47はFc-IL-15 S58D融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号48はIL-2融合タンパク質のアミノ酸配列である。
配列番号49~65は各種Fc IL-2 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号66~70はブロッキングペプチドを含む各種IL-15構築体のアミノ酸配列である。
配列番号71~87および配列番号157~159は各種プロテアーゼ基質ペプチドのアミノ酸配列である。
配列番号88~96および配列番号160~161は、各種スペーサーペプチドが隣接しているプロテアーゼ基質ペプチドを含む、プロテアーゼ切断可能な各種リンカーのアミノ酸配列である。
配列番号97~106は各種ブロッキングペプチド配列のアミノ酸配列である。
配列番号107~127は各種切断不可なリンカー配列のアミノ酸配列である。
配列番号128~146は各種抗体VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号147はヒトIL-2Rαのバリアント配列である。
配列番号148~149はHole-Fc-IL-15融合構築体のアミノ酸配列である。
配列番号150~155は各種Fc IL-2 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号156は、エフェクター機能が低減/消失し、半減期が延長したヒトIgG1-Fcの配列である。
配列番号162~165は各種Fc IL-15 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号166は、エフェクター機能が低減/消失し、半減期が延長したヒトIgG1-Fcの配列である。
配列番号167は半減期が延長したKnob-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号168は半減期が延長したHole-Fcのアミノ酸配列である。
配列番号169~174は各種Fc IL-15 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号175~178は各種IL-15 Fc融合構築体のアミノ酸配列である。
配列番号179はFc IL-2 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号180~181は抗体IL-15 VitoKine構築体のアミノ酸配列である。
配列番号182~192は各種Fc IL-15 VitoKine構築体のヌクレオチド配列である。
配列表
ヒトIL-15前駆体の配列
MRISKPHLRSISIQCYLCLLLNSHFLTEAGIHVFILGCFSAGLPKTEANWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号1)
ヒトIL-15成熟型の配列
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号2)
ヒトIL-15 S58D 変異タンパク質
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号3)
ヒトIL-15R𝛼前駆体の配列
MAPRRARGCRTLGLPALLLLLLLRPPATRGITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPSTVTTAGVTPQPESLSPSGKEPAASSPSSNNTAATTAAIVPGSQLMPSKSPSTGTTEISSHESSHGTPSQTTAKNWELTASASHQPPGVYPQGHSDTTVAISTSTVLLCGLSAVSLLACYLKSRQTPPLASVEMEAMEALPVTWGTSSRDEDLENCSHHL(配列番号4)
ヒトIL-15R𝛼、sushiドメイン+
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号5)
ヒトIL-2前駆体の配列
MYRMQLLSCIALSLALVTNSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号6)
ヒトIL-2成熟型の天然配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFCQSIISTLT(配列番号7)
ヒトIL-2成熟型の野生型配列
APTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号8)
ヒトIL-2Rα(CD25)前駆体の配列
MDSYLLMWGLLTFIMVPGCQAELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGEMETSQFPGEEKPQASPEGRPESETSCLVTTTDFQIQTEMAATMETSIFTTEYQVAVAGCVFLLISVLLLSGLTWQRRQRKSRRTI(配列番号9)
ヒトIL-2Rα Sushi
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号10)
ヒトIL-2Rβ前駆体の配列
MAAPALSWRLPLLILLLPLATSWASAAVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDTIPWLGHLLVGLSGAFGFIILVYLLINCRNTGPWLKKVLKCNTPDPSKFFSQLSSEHGGDVQKWLSSPFPSSSFSPGGLAPEISPLEVLERDKVTQLLLQQDKVPEPASLSSNHSLTSCFTNQGYFFFHLPDALEIEACQVYFTYDPYSEEDPDEGVAGAPTGSSPQPLQPLSGEDDAYCTFPSRDDLLLFSPSLLGGPSPPSTAPGGSGAGEERMPPSLQERVPRDWDPQPLGPPTPGVPDLVDFQPPPELVLREAGEEVPDAGPREGVSFPWSRPPGQGEFRALNARLPLNTDAYLSLQELQGQDPTHLV(配列番号11)
ヒトIL-2Rβの細胞外ドメインの配列
AVNGTSQFTCFYNSRANISCVWSQDGALQDTSCQVHAWPDRRRWNQTCELLPVSQASWACNLILGAPDSQKLTTVDIVTLRVLCREGVRWRVMAIQDFKPFENLRLMAPISLQVVHVETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLSPGHTWEEAPLLTLKQKQEWICLETLTPDTQYEFQVRVKPLQGEFTTWSPWSQPLAFRTKPAALGKDT(配列番号12)
ヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号13)
エフェクター機能が低減/消失したヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号14)
Knob-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号15)
Hole-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号16)
ヒトIL-4成熟型の配列
HKCDITLQEIIKTLNSLTEQKTLCTELTVTDIFAASKNTTEKETFCRAATVLRQFYSHHEKDTRCLGATAQQFHRHKQLIRFLKRLDRNLWGLAGLNSCPVKEANQSTLENFLERLKTIMREKYSKCSS(配列番号17)
ヒトIL-7成熟型の配列
DCDIEGKDGKQYESVLMVSIDQLLDSMKEIGSNCLNNEFNFFKRHICDANKEGMFLFRAARKLRQFLKMNSTGDFDLHLLKVSEGTTILLNCTGQVKGRKPAALGEAQPTKSLEENKSLKEQKKLNDLCFLKRLLQEIKTCWNKILMGTKEH(配列番号18)
ヒトIL-9成熟型の配列
QGCPTLAGILDINFLINKMQEDPASKCHCSANVTSCLCLGIPSDNCTRPCFSERLSQMTNTTMQTRYPLIFSRVKKSVEVLKNNKCPYFSCEQPCNQTTAGNALTFLKSLLEIFQKEKMRGMRGKI(配列番号19)
ヒトIL-10成熟型の配列
SPGQGTQSENSCTHFPGNLPNMLRDLRDAFSRVKTFFQMKDQLDNLLLKESLLEDFKGYLGCQALSEMIQFYLEEVMPQAENQDPDIKAHVNSLGENLKTLRLRLRRCHRFLPCENKSKAVEQVKNAFNKLQEKGIYKAMSEFDIFINYIEAYMTMKIRN(配列番号20)
ヒトIL-12サブユニットα成熟型の配列
RNLPVATPDPGMFPCLHHSQNLLRAVSNMLQKARQTLEFYPCTSEEIDHEDITKDKTSTVEACLPLELTKNESCLNSRETSFITNGSCLASRKTSFMMALCLSSIYEDLKMYQVEFKTMNAKLLMDPKRQIFLDQNMLAVIDELMQALNFNSETVPQKSSLEEPDFYKTKIKLCILLHAFRIRAVTIDRVMSYLNAS(配列番号21)
ヒトIL-12サブユニットβ成熟型の配列
IWELKKDVYVVELDWYPDAPGEMVVLTCDTPEEDGITWTLDQSSEVLGSGKTLTIQVKEFGDAGQYTCHKGGEVLSHSLLLLHKKEDGIWSTDILKDQKEPKNKTFLRCEAKNYSGRFTCWWLTTISTDLTFSVKSSRGSSDPQGVTCGAATLSAERVRGDNKEYEYSVECQEDSACPAAEESLPIEVMVDAVHKLKYENYTSSFFIRDIIKPDPPKNLQLKPLKNSRQVEVSWEYPDTWSTPHSYFSLTFCVQVQGKSKREKKDRVFTDKTSATVICRKNASISVRAQDRYYSSSWSEWASVPCS(配列番号22)
ヒトIL-23サブユニットα成熟型の配列
RAVPGGSSPAWTQCQQLSQKLCTLAWSAHPLVGHMDLREEGDEETTNDVPHIQCGDGCDPQGLRDNSQFCLQRIHQGLIFYEKLLGSDIFTGEPSLLPDSPVGQLHASLLGLSQLLQPEGHHWETQQIPSLSPSQPWQRLLLRFKILRSLQAFVAVAARVFAHGAATLSP(配列番号23)
ヒトTGFβ成熟型の配列
ALDTNYCFSSTEKNCCVRQLYIDFRKDLGWKWIHEPKGYHANFCLGPCPYIWSLDTQYSKVLALYNQHNPGASAAPCCVPQALEPLPIVYYVGRKPKVEQLSNMIVRSCKCS(配列番号24)
P-0351
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号25)
P-0170のHole鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGLGGSGRSANAILENWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号26)
P-0172
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGLGGSGRSANAILENWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号27)
P-0202
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSLSGRSDNHGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号28)
P-0203
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGSLGGSGRSANAILEGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号29)
P-0204
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSLGGSGRSANAILEGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号30)
P-0205
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSLGGSGRSANAILEGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号31)
P-0206
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSLGGSGRSANAILEGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号32)
P-0315
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号33)
P-0316
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGPLGMLSQGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号34)
P-0350
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号35)
P-0354
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGSGPLGMLSQGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGSGRSANAIITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号36)
P-0355
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGSGRSANAIITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号37)
P-0385
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGPLGMLSQITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号38)
P-0386
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYISNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKSIRDPALVHQRPAPP(配列番号39)
P-0387
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGR↓SANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSREEYICNSGFKEKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号40)
P-0388
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSDCGLPPDVPNAQPALEGRTSFPEDTVITYKCEESFVKIPGEKDSVICLKGSQWSDIEEFCNR(配列番号41)
P-0389
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号42)
P-0397
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGGPLGMLSQSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSLGGSGRSANAILEGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号43)
Hole-Fc-IL-15
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号44)
Knob-Fc-IL-15
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号45)
Knob-Fc-IL-15Rα-Sushi+
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号46)
Fc-IL-15 S58D
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号47)
P-0250
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLT(配列番号48)
P-0320
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSGGGGSGGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG
(配列番号49)
P-0352
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSGGGGSGGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG
(配列番号50)
P-0382
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号51)
P-0398
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGSGPLGMLSQGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号52)
P-0362
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号53)
P-0380
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLAMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号54)
P-0384
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLAMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号55)
P-0400
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLNDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号56)
P-0404
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLELQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号57)
P-0399
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号58)
P-0379
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号59)
P-0381
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTEMLTAKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号60)
P-0383
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTEMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号61)
P-0329
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGGGGGSGGGGSGGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSLGGSGRSANAILEGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号62)
P-0401
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGGGPLGMLSQSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号63)
P-0402
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGGGSGPLGMLSQGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号64)
P-0403
ELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTGGGPLGMLSQSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTAEAAAKEAAAKEAAAKACPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号65)
Hole-Fc-15p1
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGSLGGSGRSANAILEGGGSGGGSGGGSIYNCEISQASHYFERHLCYSI(配列番号66)
Hole-Fc-15p2
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGSLGGSGRSANAILEGGGSGGGSGGGSIYNCELHREFYHSAQSIEWCYSI(配列番号67)
Hole-Fc-15p3
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGEPKSSDKTHTSPPSPNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGSLGGSGRSANAILEGGGSGGGSGGGSETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLCPGH(配列番号68)
p1’-15-Fc
QGQSGQCEISQASHYFERHLCYSIGSSGGSGGSGGSGLSGRSDNHGSSGTNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号69)
p3’-15-Fc
QGQSGQCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLCPGHGSSGGSGGSGGSGLSGRSDNHGSSGTNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号70)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
SPLGLAGS(配列番号71)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
EPLELRAG(配列番号72)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
LSGRSDNH(配列番号73)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GPLGIAGQ(配列番号74)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GTAHLMGG(配列番号75)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
RIGSLRTA(配列番号76)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GPLGMLSQ(配列番号77)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
RPSASRSA(配列番号78)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
PLGLAG(配列番号79)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
LGGSGRSANAILE(配列番号80)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GGSGRSANAI(配列番号81)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
SGRSA(配列番号82)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
AANL(配列番号83)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GFFY(配列番号84)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GPICFRLG(配列番号85)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
RQAGFSL(配列番号86)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
HSSKLQ(配列番号87)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGGSGGGGSGGGGSLSGRSDNHGGSGGGGS(配列番号88)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GSSSGRSENIRTAGT(配列番号89)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGGGSGGGGSGGGSLGGSGRSANAILEGGSGGGGS(配列番号90)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGGGSGGGGSLGGSGRSANAILEGGGGS(配列番号91)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGGGSLGGSGRSANAILEGGS(配列番号92)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGGSGPTNKVRGGS(配列番号93)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGSGPLGMLSQGGGS(配列番号94)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGPLGMLSQS(配列番号95)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGGPLGMLSQGGS(配列番号96)
ペプチド配列
LGAPDSQKLTTVDIV(配列番号97)
ペプチド配列
EISQASHYFERHL(配列番号98)
ペプチド配列
CEISQASHYFERHLC(配列番号99)
ペプチド配列
LGAPDSQKLTTVDIVGGGGGGGGEISQASHYFERHL(配列番号100)
ペプチド配列
KPFENLRLMAPIS(配列番号101)
ペプチド配列
GGGSLGGSGRSANAILEGGGSGGGSGGGSIYNCEISQASHYFERHLCYSI(配列番号102)
ペプチド配列
GGGSLGGSGRSANAILEGGGSGGGSGGGSIYNCELHREFYHSAQSIEWCYSI
(配列番号103)
ペプチド配列
GGGSLGGSGRSANAILEGGGSGGGSGGGSETHRCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLCPGH(配列番号104)
ペプチド配列
QGQSGQCEISQASHYFERHLCYSIGSSGGSGGSGGSGLSGRSDNHGSSGT
(配列番号105)
ペプチド配列
QGQSGQCNISWEISQASHYFERHLEFEARTLCPGHGSSGGSGGSGGSGLSGRSDNHGSSGT(配列番号106)
切断不可なリンカーの配列
EPKSSDKTHTSPPS(配列番号107)
切断不可なリンカーの配列
GGGSGGGSGGGS(配列番号108)
切断不可なリンカーの配列
GGGS(配列番号109)
切断不可なリンカーの配列
GSSGGSGGSGGSG(配列番号110)
切断不可なリンカーの配列
GSSGT(配列番号111)
切断不可なリンカーの配列
GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号112)
切断不可なリンカーの配列
AEAAAKEAAAKEAAAKA(配列番号113)
切断不可なリンカーの配列
GGGGSGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号114)
切断不可なリンカーの配列
GGGSGGGS(配列番号115)
切断不可なリンカーの配列
GS(配列番号116)
切断不可なリンカーの配列
GGS(配列番号117)
切断不可なリンカーの配列
GGGGS(配列番号118)
切断不可なリンカーの配列
GGSG(配列番号119)
切断不可なリンカーの配列
SGGG(配列番号120)
切断不可なリンカーの配列
GSGS(配列番号121)
切断不可なリンカーの配列
GSGSGS(配列番号122)
切断不可なリンカーの配列
GSGSGSGS(配列番号123)
切断不可なリンカーの配列
GSGSGSGSGS(配列番号124)
切断不可なリンカーの配列
GSGSGSGSGSGS(配列番号125)
切断不可なリンカーの配列
GGGGSGGGGS(配列番号126)
切断不可なリンカーの配列
GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号127)
JS001-IL-15-VitoKine-HC
QGQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWMGVIESETGGTAYNQKFKGRAKITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTREGITTVATTYYWYFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号128)
JS001-Lκ
DVVMTQSPLSLPVTLGQPASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPQLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCFQGSHVPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号129)
イピリムマブ-IL-15-VitoKine-HC
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLSCAASGFTFSSYTMHWVRQAPGKGLEWVTFISYDGNNKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAIYYCARTGWLGPFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号130)
イピリムマブ-Lκ
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVGSSYLAWYQQKPGQAPRLLIYGAFSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQYGSSPWTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号131)
RO7009789-IL-15-VitoKine-HC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQAPGQGLEWMGWINPDSGGTNYAQKFQGRVTMTRDTSISTAYMELNRLRSDDTAVYYCARDQPLGYCTNGVCSYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号132)
RO7009789-Lκ
DIQMTQSPSSVSASVGDRVTITCRASQGIYSWLAWYQQKPGKAPNLLIYTASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQANIFPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号133)
L19-IL-15-VitoKine-HC
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSFSMSWVRQAPGKGLEWVSSISGSSGTTYYADSVKGRFTISRDSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKPFPYFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号134)
L19-Lκ
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSFLAWYQQKPGQAPRLLIYYASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYCQQTGRIPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号135)
リツキシマブ-IL-2-VitoKine-HC
QVQLQQPGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGRGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARSTYYGGDWYFNVWGAGTTVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKAEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号136)
リツキシマブ-Lκ
QIVLSQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVSYIHWFQQKPGSSPKPWIYATSNLASGVPVRFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWTSNPPTFGGGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号137)
ハーセプチン-IL-2-VitoKine-HC
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFNIKDTYIHWVRQAPGKGLEWVARIYPTNGYTRYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCSRWGGDGFYAMDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号138)
ハーセプチン-Lκ
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVNTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSRSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQHYTTPPTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号139)
セツキシマブ-IL-2-VitoKine-HC
QVQLKQSGPGLVQPSQSLSITCTVSGFSLTNYGVHWVRQSPGKGLEWLGVIWSGGNTDYNTPFTSRLSINKDNSKSQVFFKMNSLQSNDTAIYYCARALTYYDYEFAYWGQGTLVTVSAASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号140)
セツキシマブ-Lκ
DILLTQSPVILSVSPGERVSFSCRASQSIGTNIHWYQQRTNGSPRLLIKYASESISGIPSRFSGSGSGTDFTLSINSVESEDIADYYCQQNNNWPTTFGAGTKLELKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号141)
JS001-IL-2-VitoKine-HC
QGQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTDYEMHWVRQAPGQGLEWMGVIESETGGTAYNQKFKGRAKITADKSTSTAYMELSSLRSEDTAVYYCTREGITTVATTYYWYFDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号142)
ベドリズマブ-IL-2-VitoKine-HC
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKGSGYTFTSYWMHWVRQAPGQRLEWIGEIDPSESNTNYNQKFKGRVTLTVDISASTAYMELSSLRSEDTAVYYCARGGYDGWDYAIDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLTLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号143)
ベドリズマブ-Lκ
DVVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLAKSYGNTYLSWYLQKPGQSPQLLIYGISNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCLQGTHQPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号144)
ヒュミラ-IL-2-VitoKine-HC
EVQLVESGGGLVQPGRSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSAITWNSGHIDYADSVEGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKVSYLSTASSLDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLTLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号145)
ヒュミラ-Lκ
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQGIRNYLAWYQQKPGKAPKLLIYAASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDVATYYCQRYNRAPYTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号146)
IL-2Rαドメインの交換後のSushi
GHCREPPPWENEATERIYHFVYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRN(配列番号147)
Hole-Fc-IL-15-2
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号148)
Hole-Fc-IL-15-3
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTS(配列番号149)
P-0420
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISRINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号150)
P-0421
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLTLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号151)
P-0423
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSESIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号152)
P-0424
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLNDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSESIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号153)
P-0425
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLRDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSESIISTLTGGPLGMLSQSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号154)
P-0426
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLHDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFIESIISTLTGGSGPLGMLSQGGGSELCDDDPPEIPHATFKAMAYKEGTMLNCECKRGFRRIESGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRNTTKQVTPQPEEQKERKTTEMQSPMQPVDQASLPGHCREPPPWENEATERIYHFVVGQMVYYQCVQGYRALHRGPAESVCKMTHGKTRWTQPQLICTG(配列番号155)
エフェクター機能が低減/消失し、半減期が延長したヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号156)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
SGRSENIRTA(配列番号157)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
GPTNKVR(配列番号158)
プロテアーゼ基質ペプチドの配列
RQARAVGG(配列番号159)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GGPTNKVRGS(配列番号160)
プロテアーゼ切断可能なリンカーの配列
GRQARAVGGS(配列番号161)
P-0660
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGSSSGRSENIRTAGTNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号162)
P-0488
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSSGRSENIRTAITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号163)
P-0489
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPTNKVRGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号164)
P-0661
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGSGPTNKVRGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号165)
エフェクター機能が低減/消失し、生体内半減期が延長したヒトIgG1-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号166)
生体内半減期が延長したKnob-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号167)
生体内半減期が延長したHole-Fc
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPG(配列番号168)
P-0650
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号169)
P-0651
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSGGGGSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号170)
P-0662のHole鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号171)
半減期が延長したP-0663のHole鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号172)
半減期が延長したP-0664のHole鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPGGGGGSGGGGSGGGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号173)
半減期が延長したP-0665のHole鎖
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHAHYTQKSLSLSPGGSSSGRSENIRTAGTNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号174)
P-0156のKnob鎖
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPPGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVCTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号175)
P-0156のhole鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPCREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号176)
標準の第1鎖
NWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESNVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDASIHDTVQDLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVKHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEEYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCDVSGFYPSDIAVEWESDGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWEQGDVFSCSVLHEALHSHYTQKSLSLSPGK(配列番号177)
標準の第2鎖
ITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPPVAGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVKHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREQMTKNQVKLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVLHEALHSHYTQKSLSLSPGK(配列番号178)
P-0321
DKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSAPTSSSTKKTQLQLEHLLLDLQMILNGINNYKNPKLTRMLTFKFYMPKKATELKHLQCLEEELKPLEEVLNLAQSKNFHLRPRDLISNINVIVLELKGSETTFMCEYADETATIVEFLNRWITFSQSIISTLTGGGGSGGGGSGGGGSGHCREPPPWENEATERIYHFVYKEGTMLNCECKRGFRRIKSGSLYMLCTGNSSHSSWDNQCQCTSSATRN(配列番号179)
テセントリク-IL-15-VitoKineHC
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQAPGKGLEWVAWISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAEDTAVYYCARRHWPGGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGAPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGGGGGSLGGSGRSANAILEGGSNWVNVISDLKKIEDLIQSMHIDATLYTESDVHPSCKVTAMKCFLLELQVISLESGDADIHDTVENLIILANNSLSSNGNVTESGCKECEELEEKNIKEFLQSFVHIVQMFINTSGGPLGMLSQSITCPPPMSVEHADIWVKSYSLYSRERYICNSGFKRKAGTSSLTECVLNKATNVAHWTTPSLKCIRDPALVHQRPAPP(配列番号180)
テセントリク-Lκ
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQKPGKAPKLLIYSASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQQYLYHPATFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号181)
P-0315
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggcggcggaggaagtctgggagggagtgggcgaagtgccaacgctattctggagggcggaagtaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号182)
P-0350
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggcggcggaggaagtggcggaggaggctctggcggaggcggaagtaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号183)
P-0351
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcataaccactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggcggcggcggctctggaggaggaggcagcggcggaggaggctccaactgggtgaatgtgatctctgacctgaagaagatcgaggatctgatccagagcatgcacatcgacgccaccctgtacacagagtctgatgtgcaccctagctgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagtccggcgacgccgatatccacgacaccgtggagaacctgatcatcctggccaacaatagcctgagctccaacggcaatgtgacagagtccggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctccggaggaggaggctctggcggcggaggcagcatcacatgcccccctccaatgtctgtggagcacgccgacatctgggtgaagtcctactctctgtacagccgggagcggtacatctgcaattctggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccacaaatgtggcccactggaccacacccagcctgaagtgtatccgggaccccgccctggtgcaccagcgccccgccccccct(配列番号184)
P-0650
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcatgctcactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggcggcggaggaagtggcggaggaggctctggcggaggcggaagtaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号185)
P-0651
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagtttaactggtacgtggacggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctagggaggagcagtacaattctacctatcgcgtggtgagcgtgctgacagtgctgcaccaggattggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgcctgccccaatcgagaagaccatctctaaggccaagggccagcccagagagcctcaggtgtacacactgcctccaagcagagacgagctgaccaagaaccaggtgtccctgacatgtctggtgaagggcttctatccctctgatatcgccgtggagtgggagagcaatggccagcctgagaacaattacaagaccacaccccctgtgctggacagcgatggctccttctttctgtattccaagctgaccgtggataagtctcggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaagcactgcatgctcactacacccagaagagcctgagcctgtcccccgggggcggcggcggctctggaggaggaggcagcggcggaggaggctccaactgggtgaatgtgatctctgacctgaagaagatcgaggatctgatccagagcatgcacatcgacgccaccctgtacacagagtctgatgtgcaccctagctgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagtccggcgacgccgatatccacgacaccgtggagaacctgatcatcctggccaacaatagcctgagctccaacggcaatgtgacagagtccggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctccggaggaggaggctctggcggcggaggcagcatcacatgcccccctccaatgtctgtggagcacgccgacatctgggtgaagtcctactctctgtacagccgggagcggtacatctgcaattctggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccacaaatgtggcccactggaccacacccagcctgaagtgtatccgggaccccgccctggtgcaccagcgccccgccccccct(配列番号186)
P-0662の第1鎖
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacctgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacaccctgatgatctctcgtacgcccgaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctcgggaggagcagtacaactccacctatagagtggtgtctgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggccaagggccagcctagggagccacaggtgtataccctgccaccctgccgcgaggagatgacaaagaaccaggtgtccctgtcttgtgccgtgaagggcttctacccttctgacatcgccgtggagtgggagagcaatggccagccagagaacaattataagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctggtgagcaagctgaccgtggataagtccaggtggcagcagggcaacgtgtttagctgttccgtgatgcacgaggccctgcacaatcactacacacagaagtctctgagcctgtcccccgggggcggcggaggaagtctgggagggagtgggcgaagtgccaacgctattctggagggcggaagtaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号187)
P-0662の第2鎖
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgtctcacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagaccaagcccagggaggagcagtacaacagcacctatcgcgtggtgtccgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggcaaagggacagcctcgggagccacaggtgtgcaccctgccaccctctagagaggagatgacaaagaaccaggtgagcctgtggtgtctggtgaagggcttctacccttccgacatcgccgtggagtgggagtctaatggccagccagagaacaattacaagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctgtattctaagctgaccgtggataagagcaggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaggccctgcacaatcactacacacagaagagcctgtccctgtctcccggg(配列番号188)
P-0663の第1鎖
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacctgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacaccctgatgatctctcgtacgcccgaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctcgggaggagcagtacaactccacctatagagtggtgtctgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggccaagggccagcctagggagccacaggtgtataccctgccaccctgccgcgaggagatgacaaagaaccaggtgtccctgtcttgtgccgtgaagggcttctacccttctgacatcgccgtggagtgggagagcaatggccagccagagaacaattataagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctggtgagcaagctgaccgtggataagtccaggtggcagcagggcaacgtgtttagctgttccgtgatgcacgaggccctgcacgctcactacacacagaagtctctgagcctgtcccccgggggcggcggaggaagtctgggagggagtgggcgaagtgccaacgctattctggagggcggaagtaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号189)
P-0664の第1鎖
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacctgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacaccctgatgatctctcgtacgcccgaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctcgggaggagcagtacaactccacctatagagtggtgtctgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggccaagggccagcctagggagccacaggtgtataccctgccaccctgccgcgaggagatgacaaagaaccaggtgtccctgtcttgtgccgtgaagggcttctacccttctgacatcgccgtggagtgggagagcaatggccagccagagaacaattataagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctggtgagcaagctgaccgtggataagtccaggtggcagcagggcaacgtgtttagctgttccgtgatgcacgaggccctgcacgctcactacacacagaagtctctgagcctgtcccccgggggcggcggaggaagtggcggaggaggctctggcggaggcggaagtaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号190)
P-0665の第1鎖
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacctgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacaccctgatgatctctcgtacgcccgaggtgacatgcgtggtggtggacgtgagccacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagacaaagcctcgggaggagcagtacaactccacctatagagtggtgtctgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtacaagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggccaagggccagcctagggagccacaggtgtataccctgccaccctgccgcgaggagatgacaaagaaccaggtgtccctgtcttgtgccgtgaagggcttctacccttctgacatcgccgtggagtgggagagcaatggccagccagagaacaattataagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctggtgagcaagctgaccgtggataagtccaggtggcagcagggcaacgtgtttagctgttccgtgatgcacgaggccctgcacgctcactacacacagaagtctctgagcctgtcccccgggggcagctccggaagcggcaggtccgagaatatccgcaccgccggaacaaactgggtcaatgtgattagtgatctgaagaagatcgaggacctgatccagagcatgcacatcgatgccaccctgtacacagagtccgacgtgcacccctcttgcaaggtgaccgccatgaagtgtttcctgctggagctgcaggtcatcagcctggagagcggcgacgccgatatccacgataccgtggagaacctgatcatcctggccaacaattctctgagctccaacggcaatgtgacagagagcggctgcaaggagtgtgaggagctggaggagaagaacatcaaggagttcctgcagtcctttgtgcacatcgtgcagatgttcatcaatacctctggaggaccactgggaatgctgtcccagtctatcacatgcccacctccaatgtccgtggagcacgcagacatctgggtgaagagctactccctgtatagccgggagagatatatctgcaattccggctttaagcggaaggccggcacctctagcctgacagagtgcgtgctgaacaaggccaccaatgtggcccactggacaaccccaagcctgaaatgtattcgcgaccctgccctggtccaccagcgccctgcccccccc(配列番号191)
P-0663/P-0664/P-0665の第2鎖
atggatatgcgggtgcctgctcagctgctgggcctgctgctgctgtggctgcgaggggctagatgtgataaaactcatacttgtcctccatgcccagcacctgaggcagcaggcgccccatccgtgttcctgtttccccctaagcccaaggacacactgatgatctcccgtacgccagaggtgacatgcgtggtggtggacgtgtctcacgaggaccccgaggtgaagttcaactggtacgtggatggcgtggaggtgcacaatgccaagaccaagcccagggaggagcagtacaacagcacctatcgcgtggtgtccgtgctgacagtgctgcaccaggactggctgaacggcaaggagtataagtgcaaggtgtccaataaggccctgccagcccccatcgagaagaccatcagcaaggcaaagggacagcctcgggagccacaggtgtgcaccctgccaccctctagagaggagatgacaaagaaccaggtgagcctgtggtgtctggtgaagggcttctacccttccgacatcgccgtggagtgggagtctaatggccagccagagaacaattacaagaccacacctccagtgctggactctgatggcagcttctttctgtattctaagctgaccgtggataagagcaggtggcagcagggcaacgtgttttcctgctctgtgatgcacgaggccctgcacgctcactacacacagaagagcctgtccctgtctcccggg(配列番号192)
【配列表】