(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】表示システム、伝送装置及び中継装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20240424BHJP
H04N 21/436 20110101ALI20240424BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
G09G5/00 555D
H04N21/436
H04N5/66 Z
G09G5/00 510V
(21)【出願番号】P 2019227055
(22)【出願日】2019-12-17
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】池 ▲ヒョン▼宗
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 貴之
(72)【発明者】
【氏名】平木 克良
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-182821(JP,A)
【文献】特開2004-348132(JP,A)
【文献】特開2004-109322(JP,A)
【文献】特開2016-035480(JP,A)
【文献】特開2006-163991(JP,A)
【文献】特開2019-004401(JP,A)
【文献】特開平04-062589(JP,A)
【文献】特開平10-171407(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0233125(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02400822(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0101088(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
H04N 21/436
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第N(ただし、Nは2以上の整数である。)の表示パネルと、
前記第1乃至第Nの表示パネルにそれぞれ表示する映像の第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの表示パネルをそれぞれ制御する第1乃至第Nの制御信号を出力する駆動部と、
前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに伝送する伝送部と
を有し、
前記伝送部は、第1乃至第Nの中継部を有し、
前記第1の中継部は、前記駆動部から出力された前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を受信し、
前記第m(ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である。)の中継部は、前記第mの映像信号を前記第mの表示パネルに出力し、前記第(m+1)乃至第Nの映像信号を前記第(m+1)の中継部に出力する
ことを特徴とする表示システム。
【請求項2】
前記第n(ただし、nは1≦n≦Nを満たす整数である。)の中継部は、
第1乃至第Nの入力ポートと、
第1乃至第Nの出力ポートと、
前記第nの表示パネルに前記第nの映像信号を送信する第1の送信部と
を有し、
前記第nの中継部の前記第1の入力ポートは、
前記第nの中継部の前記第1の送信部に接続され、
前記第nの中継部の前記第2乃至第Nの入力ポートは、それぞれ
前記第nの中継部の前記第1乃至第(N-1)の出力ポートに接続され、
前記第mの中継部の前記第1乃至第Nの出力ポートは、前記(m+1)の中継部の前記第1乃至第Nの入力ポートに接続され、
前記第1の中継部の前記第1乃至第Nの入力ポートは、それぞれ前記第1乃至第Nの映像信号が入力される
ことを特徴とする請求項1記載の表示システム。
【請求項3】
前記第Nの出力ポートは、ダミーポートである
ことを特徴とする請求項2記載の表示システム。
【請求項4】
前記第nの中継部における前記第1の送信部は、前記第nの表示パネルにおける第1の受信部に前記第nの映像信号を非接触で送信する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記伝送部は、前記第mの中継部の前記第1乃至第Nの出力ポートを、それぞれ前記(m+1)の中継部の前記第1乃至第Nの入力ポートに接続する信号線が束ねられた第(m+1)のケーブルを有する
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項6】
前記伝送部は、前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに時間分割で伝送する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項7】
前記第nの中継部は、第nの選択信号の入力に応じて、前記第nの制御信号を前記第nの表示パネルに選択的に出力する選択部を有する
ことを特徴とする請求項6記載の表示システム。
【請求項8】
前記第nの中継部は、前記第nの表示パネルに前記第nの制御信号を送信する第2の送信部を有する
ことを特徴とする請求項7記載の表示システム。
【請求項9】
前記第nの中継部における前記第2の送信部は、前記第nの表示パネルにおける第2の受信部に前記第nの制御信号を非接触で送信する
ことを特徴とする請求項8記載の表示システム。
【請求項10】
前記第mの中継部は、
前記第mの選択信号を前記選択部に入力するための選択信号線と、
第(m+1)乃至第Nの選択信号を前記(m+1)の中継部に出力するための他の選択信号線と
を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項11】
前記伝送部は、シリアル伝送により前記第1乃至第Nの制御信号を伝送する
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項12】
前記第1乃至第Nの映像信号は、それぞれ差動信号である
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項13】
前記第1乃至第Nの表示パネルは、互いに同一の種類のものである
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項14】
前記第1乃至第Nの表示パネルは、タイリングされている
ことを特徴とする請求項13記載の表示システム。
【請求項15】
前記第1乃至第Nの表示パネルは、OLEDである
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項16】
第1乃至第N(ただし、Nは2以上の整数である。)の表示パネルと、前記第1乃至第Nの表示パネルにそれぞれ表示する映像の第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの表示パネルをそれぞれ制御する第1乃至第Nの制御信号を出力する駆動部とを有する表示システムにおいて、前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに伝送する伝送装置であって、
第1乃至第Nの中継部を有し、
前記第1の中継部は、前記駆動部から出力された前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を受信し、
前記第m(ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である。)の中継部は、前記第mの映像信号を前記第mの表示パネルに出力し、前記第(m+1)乃至第Nの映像信号を前記第(m+1)の中継部に出力する
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項17】
前記第n(ただし、nは1≦n≦Nを満たす整数である。)の中継部は、
第1乃至第Nの入力ポートと、
第1乃至第Nの出力ポートと、
前記第nの表示パネルに前記第nの映像信号を送信する第1の送信部と
を有し、
前記第nの中継部の前記第1の入力ポートは、
前記第nの中継部の前記第1の送信部に接続され、
前記第nの中継部の前記第2乃至第Nの入力ポートは、それぞれ
前記第nの中継部の前記第1乃至第(N-1)の出力ポートに接続され、
前記第mの中継部の前記第1乃至第Nの出力ポートは、前記(m+1)の中継部の前記第1乃至第Nの入力ポートに接続され、
前記第1の中継部の前記第1乃至第Nの入力ポートは、それぞれ前記第1乃至第Nの映像信号が入力される
ことを特徴とする請求項16記載の伝送装置。
【請求項18】
前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに時間分割で伝送する
ことを特徴とする請求項16又は17に記載の伝送装置。
【請求項19】
第1乃至第N(ただし、Nは2以上の整数である。)の表示パネルと、前記第1乃至第Nの表示パネルにそれぞれ表示する映像の第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの表示パネルをそれぞれ制御する第1乃至第Nの制御信号を出力する駆動部と、前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに伝送する伝送部とを有する表示システムにおける前記伝送部に含まれる
第1乃至第Nの中継装置のうちの一の中継装置であって、
前記中継装置が前記第1の中継装置である場合は、前記駆動部から出力された前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を受信し、
前記
中継装置が第m(ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である。)
の中継装置である場合は、第mの映像信号を前記第mの表示パネルに出力し、前記第(m+1)乃至第Nの映像信号を第(m+1)の中継装置に出力する
ことを特徴とする中継装置。
【請求項20】
第1乃至第Nの入力ポートと、
第1乃至第Nの出力ポートと、
前記第mの表示パネルに前記第mの映像信号を送信する第1の送信部と
を有し、
前記第1の入力ポートは、前記第1の送信部に接続され、
前記第2乃至第Nの入力ポートは、それぞれ前記第1乃至第(N-1)の出力ポートに接続され、
前記第1乃至第(N-(m-1))の入力ポートは、それぞれ前記第m乃至第Nの映像信号が入力される
ことを特徴とする請求項19記載の中継装置。
【請求項21】
前記伝送部は、前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに時間分割で伝送する
ことを特徴とする請求項19又は20に記載の中継装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示システム、伝送装置及び中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、マルチ画面ディスプレイを構成する複数の表示装置に対し、表示装置を制御するための表示装置制御情報を与える機能を有するマルチ画面映像再生装置が記載されている。特許文献1に記載の装置では、複数の描画ユニットに対し表示装置制御情報の伝送が可能なネットワークとしてLANが用いられている。
【0003】
また、特許文献2には、ホストコンピュータから送出された画像信号を複数のディスプレイに伝送する画像信号伝送システムが記載されている。特許文献2に記載のシステムでは、複数のディスプレイの夫々について、画像信号を光信号に変換する送信ユニットから送出された光信号を画像信号に変換しディスプレイに入力する中継ユニットが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-274937号公報
【文献】特開2009-182821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、表示装置制御パケットとして生成された表示装置制御情報の描画ユニットへの配信及び描画ユニットから送られてくる情報の受信をLANを用いて行う送受信部が設けられている。また、特許文献2に記載のシステムでは、中継ユニットが、光信号を画像信号に変換する光/電気変換部が設けられている。これらのため、特許文献1、2に記載の装置又はシステムでは、複数のディスプレイに信号を伝送するための構成が複雑になっていた。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を鑑み、簡単な構成で複数枚の表示パネルに信号を伝送することができる表示システム、伝送装置及び中継装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一観点によれば、第1乃至第N(ただし、Nは2以上の整数である。)の表示パネルと、前記第1乃至第Nの表示パネルにそれぞれ表示する映像の第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの表示パネルをそれぞれ制御する第1乃至第Nの制御信号を出力する駆動部と、前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに伝送する伝送部とを有し、前記伝送部は、第1乃至第Nの中継部を有し、前記第m(ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である。)の中継部は、前記第mの映像信号を前記第mの表示パネルに出力し、前記第(m+1)乃至第Nの映像信号を前記第(m+1)の中継部に出力することを特徴とする表示システムが提供される。
【0008】
本発明の他の観点によれば、第1乃至第N(ただし、Nは2以上の整数である。)の表示パネルと、前記第1乃至第Nの表示パネルにそれぞれ表示する映像の第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの表示パネルをそれぞれ制御する第1乃至第Nの制御信号を出力する駆動部とを有する表示システムにおいて、前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに伝送する伝送装置であって、第1乃至第Nの中継部を有し、前記第m(ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である。)の中継部は、前記第mの映像信号を前記第mの表示パネルに出力し、前記第(m+1)乃至第Nの映像信号を前記第(m+1)の中継部に出力することを特徴とする伝送装置が提供される。
【0009】
本発明のさらに他の観点によれば、第1乃至第N(ただし、Nは2以上の整数である。)の表示パネルと、前記第1乃至第Nの表示パネルにそれぞれ表示する映像の第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの表示パネルをそれぞれ制御する第1乃至第Nの制御信号を出力する駆動部と、前記第1乃至第Nの映像信号及び前記第1乃至第Nの制御信号を前記第1乃至第Nの表示パネルに伝送する伝送部とを有する表示システムにおける前記伝送部に含まれる中継装置であって、前記第m(ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である。)の映像信号を前記第mの表示パネルに出力し、前記第(m+1)乃至第Nの映像信号を前記第(m+1)の中継部に出力することを特徴とする中継装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構成で複数枚の表示パネルに信号を伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による表示システムの全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態による表示システムにおける表示パネルの構成を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による表示システムにおける信号統合ボード、中継ボード及びTconボードを示す概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態による表示システムにおける隣接する2つの中継ボードを示す概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による表示システムにおける制御信号及び選択信号を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[一実施形態]
本発明の一実施形態による表示システムについて
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施形態による表示システムの全体構成について
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態による表示システムの全体構成を示す概略図である。
図2は、本実施形態による表示システムにおける表示パネルの構成を示す概略図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態による表示システム1は、複数枚であるN枚(ただし、Nは2以上の整数である。以下同様である。)の表示パネル2-1、…、2-Nに映像を表示するシステムである。なお、
図1はN=4の場合を示す。
【0015】
本実施形態による表示システム1は、表示パネル2-1、…、2-Nと、駆動装置3と、伝送装置4とを含んでいる。各表示パネル2-1、…、2-Nは、例えば、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のパネルである。なお、以下では、表示パネル2-1、…、2-Nを総称して表示パネル2と称することがある。
【0016】
N枚の表示パネル2-1、…、2-Nは、互いに同一の種類のものである。すなわち、N枚の表示パネル2-1、…、2-Nは、互いに、同一の形状、同一のサイズ及び同一の構造を有している。N枚の表示パネル2-1、…、2-Nは、例えば、横1列に配置されるようにタイリングされて単一の大画面を構成している。
図1では、4枚の表示パネル2-1、2-2、2-3、2-4が横1列に配置されてタイリングされている場合、すなわち横×縦の表示パネル2の配置枚数が4×1の場合を示している。
【0017】
なお、表示パネル2の枚数は、4枚に限定されるものではなく、2枚以上の複数枚であればよい。また、横×縦の表示パネル2の配置枚数は、4×1に限定されるものではなく、x×y(ただし、x及びyは、互いに独立した正の整数であり、x×y=Nを満足する。)でありうる。すなわち、N枚の表示パネル2-1、…、2-Nは、横方向のみならず、縦方向にタイリングされていてもよいし、横方向及び縦方向にタイリングされていてもよい。
【0018】
N枚の表示パネル2-1、…、2-Nは、特にその用途が限定されるものではないが、例えば、デジタルサイネージとして用いることができる。N枚の表示パネル2-1、…、2-Nにより、大画面のデジタルサイネージを構成することができる。
【0019】
表示パネル2は、
図2に示すように、タイミングコントローラ204と、パネル部206と、ソースドライバ208と、ゲートドライバ210とを有している。また、ゲートドライバ210はパネル部206内部に内蔵された構造も含む。パネル部206は、行列状に配列された複数の画素を備えており、映像を表示する表示部として機能する。各画素は、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)等の各色の複数の副画素を含むことができる。
【0020】
タイミングコントローラ204は、ソースドライバ208と通信可能に接続されており、ゲートドライバ210はパネル部206を介してタイミングコントローラ204に接続している。タイミングコントローラ204は、後述するように入力される制御信号に基づいて、ソースドライバ208及びゲートドライバ210の動作を制御する。制御信号は、例えば、V-by-One(登録商標)信号のホットプラグ検知(Hot plug Detect)信号、ロック検知(Lock Detect)信号、I2C(Inter-Integrated Circuit、パネル間通信)信号、パネルの異常検知信号、パネルの画質補正関連信号である。また、タイミングコントローラ204は、後述するように入力される映像信号に基づいて、パネル部206における画素を構成する各副画素の輝度を示す輝度データを生成し、輝度データをソースドライバ208に出力信号として出力する。なお、映像信号は、垂直同期信号、水平同期信号、データイネーブル信号等のタイミング信号を含んでいる。
【0021】
ソースドライバ208は、タイミングコントローラ204の制御に応じて、複数のデータラインを介してパネル部206内の複数の画素を駆動するための電圧を供給する。ゲートドライバ210は、タイミングコントローラ204の制御に応じて、複数のゲートラインを介してパネル部206内の複数の画素にスキャン信号を供給する。このように、タイミングコントローラ204は、表示パネル2全体の動作を制御する表示制御装置として機能する。
【0022】
また、表示パネル2-i(ただし、iは1≦i≦Nを満たす整数である。以下同様である。)は、
図1に示すように、Tconボード20-iと、駆動ボード22-iと、駆動ボード24-iとを有している。Tconボード20-iは、タイミングコントローラ204が搭載されたボードである。駆動ボード22-i、24-iは、ソースドライバ208が搭載されたボードである。
【0023】
駆動装置3は、映像ソースに応じてその映像をN枚の表示パネル2-1、…、2-Nに表示するため、各表示パネル2-1、…、2-Nに表示する映像の映像信号と、各表示パネル2-1、…、2-Nを制御する制御信号とを生成して出力する駆動部である。本実施形態による表示システム1では、1台の駆動装置3によりN枚の表示パネル2-1、…、2-Nが制御される。
【0024】
各表示パネル2-1、…、2-Nに表示される映像は、例えば、タイリングされた表示パネル2-1、…、2-Nにわたって表示される映像の一部を構成する部分的な映像である。なお、各表示パネル2-1、…、2-Nに表示される映像は、例えば、互いに独立した映像であってもよい。
【0025】
駆動装置3は、駆動ボード30を有している。駆動装置3は、例えば、セットトップボックスとして構成されている。駆動ボード30は、入力される映像ソースに応じて、各表示パネル2-1、…、2-Nに表示する映像の映像信号を生成して出力する。また、駆動ボード30は、各表示パネル2-1、…、2-Nを制御する制御信号を生成して時間分割で出力する。
【0026】
駆動ボード30に入力される映像ソースは、特に限定されるものではないが、例えば、地上波、衛星波、有線等によるテレビジョン放送の放送信号である。また、映像ソースは、例えば、記録媒体に映像ファイルとして記録されたものであってもよい。
【0027】
伝送装置4は、駆動装置3の駆動ボード30から出力された映像信号及び制御信号をN枚の表示パネル2-1、…、2-Nに伝送する伝送部である。伝送装置4は、1台の駆動装置3とN枚の表示パネル2-1、…、2-Nとを接続する。伝送装置4は、後述するように、N枚の表示パネル2-1、…、2-Nを表示する制御信号を時間分割で伝送する。
【0028】
伝送装置4は、信号統合ボード40と、N枚の表示パネル2-1、…、2-Nの枚数と同数であるN枚の中継ボード50-1、…、50-Nとを有している。中継ボード50-1、…、50-Nは、それぞれ表示パネル2-1、…、2-Nに1:1で対応して配置されている。
【0029】
また、伝送装置4は、信号統合ボード40と中継ボード50-1との間を接続するケーブル60-1と、中継ボード50-2、…、50-Nにおける隣接ボード間を接続するケーブル60-2、…、60-Nとを有している。中継ボード50-1、…、50-Nは、互いに同じ種類のものである。また、ケーブル60-1、…、60-Nも、互いに同じ種類のものである。
【0030】
信号統合ボード40は、駆動装置3から出力された映像信号及び制御信号を、複数の信号線を束ねる1本のケーブル60-1で伝送可能なように統合して出力する統合部である。信号統合ボード40は、ケーブル32を介して駆動装置3の駆動ボード30に接続されている。なお、信号統合ボード40の機能は、駆動装置3の駆動ボード30に組み込まれていてもよい。すなわち、信号統合ボード40は、駆動ボード30に一体的に形成されていてもよい。
【0031】
中継ボード50-1、…、50-Nは、信号統合ボード40から出力された映像信号及び制御信号を中継して、それぞれ対応する表示パネル2-1、…、2-Nに入力する中継部である。中継ボード50-1、…、50-Nは、それぞれ対応する表示パネル2-1、…、2-Nに映像信号及び制御信号を中継して伝送する中継装置として機能する。
【0032】
以下、信号統合ボード40、中継ボード50-1、…、50-N及びTconボード20-1、…、20-Nの接続構造についてさらに
図3及び
図4を用いて説明する。
図3は、本実施形態による表示システムにおける信号統合ボード、中継ボード及びTconボードを示す概略図である。
図4は、本実施形態による表示システムにおける隣接する2つの中継ボードを示す概略図である。
【0033】
図3は、信号統合ボード40、中継ボード50-1及びTconボード20-1の接続構造を示している。
図3は、N=4の場合を示している。
【0034】
図3に示すように、信号統合ボード40は、ボード本体402と、入力接続部404と、出力接続部406とを有している。また、信号統合ボード40は、N組の映像信号線群408-1、…、408-Nと、SerDes回路410と、制御信号線群412と、制御信号線群414と、制御回路416と、N本の選択信号線418-1、…、418-Nとを有している。
【0035】
ボード本体402において互いに対向する一端及び他端のうち、一端には入力接続部404が設けられ、他端には出力接続部406が設けられている。なお、
図3では、2つの入力接続部404が設けられている場合を示しているが、入力接続部404の数は適宜変更することができる。また、ボード本体402には、SerDes回路410及び制御回路416が設けられている。
【0036】
入力接続部404は、ケーブル接続可能なコネクタ部として構成されている。また、出力接続部406も、ケーブル接続可能なコネクタ部として構成されている。出力接続部406には、出力ポート406v1、…、406vNが順に並ぶように設けられている。
【0037】
ボード本体402には、N組の映像信号線群408-1、…、408-N、制御信号線群412、制御信号線群414及びN本の選択信号線418-1、…、418-Nが設けられている。N組の映像信号線群408-1、…、408-Nは、入力接続部404と出力接続部406との間に設けられている。制御信号線群412は、入力接続部404とSerDes回路410との間に設けられている。制御信号線群414は、SerDes回路410と出力接続部406との間に設けられている。N本の選択信号線418-1、…、418-Nは、制御回路416と出力接続部406との間に設けられている。
【0038】
各映像信号線群408-1、…、408-Nは、差動信号を伝送する1組2本の映像信号線を1レーンとして複数レーンで構成されている。なお、
図3では、各映像信号線群408-1、…、408-4が4レーン、8本の映像信号線で構成されている場合を示しているが、これに限定されるものではない。映像信号線の本数及びレーン数は、伝送すべき映像信号等に応じて、適宜変更することができる。
【0039】
また、制御信号線群412は、パラレル伝送による制御信号の双方向伝送を行う複数本の制御信号線を含んでいる。制御信号線群412に含まれる制御信号線の本数は、例えば18本である。
【0040】
また、制御信号線群414は、シリアル伝送による制御信号の双方向伝送を行う複数本の制御信号線を含んでいる。制御信号線群414は、差動信号を伝送する1組2本の制御信号線を1レーンとして双方向伝送を行う2レーンで構成されている。すなわち、制御信号線群414に含まれる制御信号の本数は、SerDes回路410によるパラレル伝送とシリアル伝送との間の相互変換により、制御信号線群412に含まれる制御信号の本数よりも少なく、例えば4本である。
【0041】
N組の映像信号線群408-1、…、408-Nの各一方の端は、入力接続部404に接続されている。N組の映像信号線群408-1、…、408-Nの各他方の端は、出力接続部406の出力ポート406v1、…、406vNに接続されている。
【0042】
制御信号線群412の一方の端は、入力接続部404に接続されている。制御信号線群412の他方の端は、SerDes回路410に接続されている。
【0043】
制御信号線群414の一方の端は、SerDes回路410に接続されている。制御信号線群414の他方の端は、出力接続部406の出力ポート406cに接続されている。
【0044】
N本の選択信号線418-1、…、418-Nの各一方の端は、制御回路416に接続されている。N本の選択信号線418-1、…、418-Nの各他方の端は、出力接続部406の出力ポート406sに接続されている。
【0045】
SerDes回路410は、制御信号についてパラレル伝送とシリアル伝送とを相互に変換するICである。SerDes回路410は、各Tconボード20-1、…、20-Nに搭載された後述のSerDes回路214と双方向SerDesによる制御信号の伝送が可能になっている。制御信号の伝送において、SerDes回路410がマスター、SerDes回路214がスレーブになっている。SerDes回路410は、制御信号線群412においてパラレル伝送により伝送される制御信号と、制御信号線群414においてシリアル伝送により伝送される制御信号とを相互に変換する。
【0046】
制御回路416は、制御信号の伝送を行うべきN枚の表示パネル2-1、…、2-Nを順次選択する選択信号を生成して出力するICである。制御回路416は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)により構成されている。制御回路416は、表示パネル2-1を選択する第1の選択信号、…、表示パネル2-Nを選択する第Nの選択信号を生成してそれぞれ選択信号線418-1、…、418-Nに出力する。
【0047】
上述のように各信号線が接続された入力接続部404は、N組の映像信号線群408-1、…、408-N及び制御信号線群412の各一方の端を外部と接続するように構成されている。入力接続部404には、駆動装置3の駆動ボード30に接続されたケーブル32が外部から接続されている。ケーブル32は、駆動装置3からの映像信号が伝送される信号線と、駆動装置3からの制御信号が伝送される信号線とが束ねられたものである。信号統合ボード40には、駆動装置3からの映像信号及び制御信号がケーブル32を介して入力される。
【0048】
また、上述のように各信号線が接続された出力接続部406は、N組の映像信号線群408-1、…、408-N、制御信号線群414及びN本の選択信号線418-1、…、418-Nの各他方の端を外部と接続するように構成されている。
【0049】
映像信号線群408-1、…、408-Nには、駆動装置3からケーブル32を介して、それぞれ表示パネル2-1、…、2-Nに表示する映像の映像信号が入力される。また、制御信号線群412には、駆動装置3からケーブル32を介して制御信号が入力される。
【0050】
映像信号線群408-1、…、408-Nは、それぞれ映像信号を伝送して出力ポート406v1、…、406vNに出力する。
【0051】
制御信号線群412は、パラレル伝送により制御信号を伝送する。SerDes回路410は、制御信号線群412においてパラレル伝送により伝送される制御信号をシリアル変換して制御信号線群414に出力する。制御信号線群414は、パラレル伝送により制御信号を伝送して出力ポート406cに出力する。
【0052】
N本の選択信号線418-1、…、418-Nは、それぞれ制御回路416からの選択信号を伝送して出力ポート406sに出力する。N本の選択信号線418-1、…、418-Nは、それぞれ表示パネル2-1を選択する第1の選択信号、…、表示パネル2-Nを選択する第Nの選択信号を伝送する。
【0053】
こうして、信号統合ボード40が構成されている。信号統合ボード40には、ケーブル60-1を介して中継ボード50-1が接続されている。
【0054】
信号統合ボード40に接続された中継ボード50-1は、ボード本体502と、入力接続部504と、出力接続部506とを有している。また、中継ボード50-1は、N組の映像信号線群508-1、…、508-Nと、セレクタ回路510と、制御信号線群512と、制御信号線群514と、制御信号線群516と、N本の選択信号線518-1、…、518-Nとを有している。また、中継ボード50-1は、送信部520と、受信部522と、送信部524とを有している。なお、他の中継ボード50-2、…、50-Nも同一の構成を有している。
【0055】
ボード本体502において互いに対向する一端及び他端のうち、一端には入力接続部504が設けられ、他端には出力接続部506が設けられている。また、ボード本体502には、セレクタ回路510、送信部520、受信部522及び送信部524が設けられている。送信部520、受信部522及び送信部524は、表示パネル2-1におけるTconボード20-1との信号の送受信を行う送受信部526を構成している。
【0056】
入力接続部504は、ケーブル接続可能なコネクタ部として構成されている。入力接続部504には、入力ポート504v1、…、504vNが順に並ぶように設けられている。
【0057】
また、出力接続部506も、ケーブル接続可能なコネクタ部として構成されている。出力接続部506には、出力ポート506v1、…、506vNが順に並ぶように設けられている。
【0058】
ボード本体502には、N組の映像信号線群508-1、…、508-N、制御信号線群512、制御信号線群514、制御信号線群516及びN本の選択信号線518-1、…、518-Nが設けられている。N組の映像信号線群508-1、…、508-Nのうち、映像信号線群508-1は、入力接続部504と送信部520との間に設けられている。残りの映像信号線群502-8、…、508-Nは、入力接続部504と出力接続部506との間に設けられている。制御信号線群512は、入力接続部504とセレクタ回路510との間に設けられている。制御信号線群514は、セレクタ回路510と出力接続部506との間に設けられている。制御信号線群516は、セレクタ回路510と受信部522及び送信部524との間に設けられている。N本の選択信号線518-1、…、518-Nのうち、選択信号線518-1は、入力接続部504とセレクタ回路510との間に設けられている。残りの選択信号線518-2、…、518-Nは、入力接続部504と出力接続部506との間に設けられている。
【0059】
N組の映像信号線群508-1、…、508-N、セレクタ回路510、制御信号線群512、制御信号線群514、N本の選択信号線518-1、…、518-N、送信部520、受信部522及び送信部524は、ボード本体502の一方の面に設けられている。一方、制御信号線群516は、ボード本体502の一方の面に設けられた両端部分と、ビア528を介してボード本体502の他方の面に設けられた残余部分とを有している。制御信号線群516は、ボード本体502の一方の面に設けられた映像信号線群508-2、…、508-Nとボード本体502の他方の面で交差している。
【0060】
各映像信号線群508-1、…、508-Nは、差動信号を伝送する1組2本の映像信号線を1レーンとして複数レーンで構成されている。なお、
図3では、各映像信号線群508-1、…、508-4が4レーン、8本の映像信号線で構成されている場合を示しているが、これに限定されるものではない。映像信号線の本数及びレーン数は、伝送すべき映像信号等に応じて、適宜変更することができる。
【0061】
また、制御信号線群512、514、516は、それぞれ、シリアル伝送による制御信号の双方向伝送を行う複数本の制御信号を含んでいる。制御信号線群512、514、516は、それぞれ、差動信号を伝送する1組2本の制御信号線を1レーンとして、双方向伝送を行う2レーン、4本の制御信号線で構成されている。
【0062】
N組の映像信号線群508-1、…、508-Nのうち、映像信号線群508-1の一方の端は、入力接続部504の入力ポート504v1に接続されている。映像信号線群508-1の他方の端は、1レーンを構成する2本の映像信号線ごとに送信部520に接続されている。
【0063】
送信部520は、映像信号線群508-1における1レーン2本の映像信号線で差動信号として伝送される映像信号を表示パネル2-1のTconボード20-1に送信するものである。送信部520は、送信器回路520aと、伝送素子520bと有している。送信器回路520aは、ICにより構成されている。送信器回路520aの入力端には、映像信号線群508-1における1レーン2本の映像信号線のそれぞれが接続されている。送信器回路520aの出力端には、伝送素子520bの一端が接続されている。伝送素子520bは、後述の伝送素子220bとの間で信号の非接触伝送を可能にする素子である。伝送素子520bとしては、アンテナ等の公知の素子を用いることができる。伝送素子520bは、必要に応じて、その他端に終端抵抗520cが接続されて終端されている。なお、送信部520の送信器回路520a及び終端抵抗520cを含む回路構成は、伝送素子520bの特性等に応じて適宜変更することができる。
【0064】
N組の映像信号線群508-1、…、508-Nのうち、残りの映像信号線群508-2、…、508-Nの各一方の端は、入力接続部504の入力ポート504v2、…、504vNに接続されている。残りの映像信号線群508-2、…、508-Nの各他方の端は、出力接続部506の出力ポート506v1、…、506v(N-1)に接続されている。出力接続部506の出力ポート506vNは、映像信号線が接続されていないダミーポートになっている。
【0065】
このように、入力ポート504v2、…、504vNは、それぞれ映像信号線群508-2、…、508-Nを介して、それぞれ出力ポート506v1、…、506v(N-1)に接続されている。
【0066】
制御信号線群512の一方の端は、入力接続部504の入力ポート504cに接続されている。制御信号線群512の他方の端は、セレクタ回路510に接続されている。
【0067】
制御信号線群514の一方の端は、セレクタ回路510に接続されている。制御信号線群514の他方の端は、出力接続部506の出力ポート506cに接続されている。
【0068】
制御信号線群516の一方の端は、セレクタ回路510に接続されている。制御信号線群516の他方の端は、受信部522及び送信部524に接続されている。
【0069】
受信部522は、Tconボード20-1から差動信号として送信される制御信号を受信するものである。受信部522は、受信器回路522aと、伝送素子522bとを有している。受信器回路522aは、ICにより構成されている。受信器回路522aの出力端には、制御信号線群516における1レーン2本の制御信号線のそれぞれが接続されている。受信器回路522aの入力端には、伝送素子522bの一端が接続されている。伝送素子522bは、後述の伝送素子222bとの間で信号の非接触伝送を可能にする素子である。伝送素子522bとしては、アンテナ等の公知の素子を用いることができる。伝送素子522bは、必要に応じて、その他端に終端抵抗522cが接続されて終端されている。なお、受信部522の受信器回路522a及び終端抵抗522cを含む回路構成は、伝送素子522bの特性等に応じて適宜変更することができる。
【0070】
送信部524は、制御信号線群516における1レーン2本の制御信号線で差動信号として伝送される制御信号を表示パネル2-1のTconボード20-1に送信するものである。送信部524は、伝送素子524bを有している。伝送素子524bの一端には、制御信号線群516における1レーン2本の制御信号線が接続されている。伝送素子524bの他端は、終端抵抗524cが接続されて終端されている。伝送素子524bは、後述の伝送素子224bとの間で信号の非接触伝送を可能にする素子である。伝送素子524bとしては、アンテナ等の公知の素子を用いることができる。伝送素子524bは、必要に応じて、その他端に終端抵抗524cが接続されて終端されている。なお、送信部524の終端抵抗524cを含む回路構成は、伝送素子524bの特性等に応じて適宜変更することができる。
【0071】
N本の選択信号線518-1、…、518-Nの各一方の端は、入力接続部504の入力ポート504sに接続されている。N本の選択信号線518-1、…、518-Nのうち、選択信号線518-1の他方の端は、セレクタ回路510に接続されている。残りの選択信号線518-2、…、518-Nの各他方の端は、出力接続部506の出力ポート506sに接続されている。出力ポート506sには、選択信号線518-2、…、518-Nが接続されていないダミー端子506s-dが設けられている。
【0072】
セレクタ回路510は、制御信号の送受信が可能なように制御信号線群512を制御信号線群516又は制御信号線群514に接続するICである。セレクタ回路510は、選択信号線518-1からの選択信号の入力の有無に応じて、制御信号線群512を制御信号線群516又は制御信号線群514に切り替えて接続する。
【0073】
セレクタ回路510は、選択信号線518-1からの選択信号が入力されている場合、制御信号線群512を、受信部522及び送信部524が接続された制御信号線群516に接続する。この場合、中継ボード50-1とTconボード20-1との間で制御信号の送受信が可能になる。
【0074】
一方、セレクタ回路510は、選択信号線518-1からの選択信号が入力されていない場合、制御信号線群512を、出力ポート506cに接続された制御信号線群514に接続する。この場合、互いに隣接する中継ボード50-1と中継ボード50-2の間で制御信号が流れる。
【0075】
こうして、セレクタ回路510は、選択信号線518-1からの選択信号の入力に応じて、表示パネル2-1を制御する制御信号を表示パネル2-1に選択的に出力する選択部として機能する。
【0076】
上述のように各信号線が接続された入力接続部504は、N組の映像信号線群508-1、…、508-N、制御信号線群512及びN本の選択信号線518-1、…、518-Nの各一方の端を外部と接続するように構成されている。
【0077】
また、上述のように各信号線が接続された出力接続部506は、(N-1)組の映像信号線群508-2、…、508-N、制御信号線群514及び(N-1)本の選択信号線群518-2、…、518-Nの各他方の端を外部と接続するように構成されている。
【0078】
こうして、中継ボード50-1が構成されている。中継ボード50-1は、ケーブル60-1を介して信号統合ボード40に接続されている。
【0079】
なお、他の中継ボード50-2、…、50-Nも、上述した中継ボード50-1と同一の構造を有している。すなわち、中継ボード50-1、…、50-Nは、互いに異なる独自の構造を有するものではなく、交換可能な同一の構造を有している。
【0080】
中継ボード50-1における入力接続部504は、信号統合ボード40における出力接続部406にケーブル60-1を介して接続されている。
【0081】
ケーブル60-1は、信号統合ボード40における出力接続部406と、中継ボード50-1における入力接続部504とを互いに接続する信号線群が1本のケーブルに束ねられたものである。具体的には、ケーブル60-1には、信号統合ボード40における出力接続部406の各出力ポート406v1、…、406vN、406c、406sと、中継ボード50-1における入力接続部504の各入力ポート504-1、…、504-N、504c、504sとを互いに接続する信号線群が束ねられている。
【0082】
このようなケーブル60-1を介して、信号統合ボード40の映像信号線群408-1、…、408-Nが、それぞれ中継ボード50-1の映像信号線群508-1、…、508-Nに接続されている。
【0083】
また、ケーブル60-1を介して、信号統合ボード40の制御信号線群414が、中継ボード50-1の制御信号線群512に接続されている。
【0084】
また、ケーブル60-1を介して、信号統合ボード40のN本の選択信号線418-1、…、418-Nが、それぞれ中継ボード50-1のN本の選択信号線518-1、…、518-Nに接続されている。
【0085】
N枚の中継ボード50-1、…、50-Nは、例えば、横1列に配置されるようにタイリングされたN枚の表示パネル2-1、…、2-Nに対応するように1列に並ぶようにケーブル60-2、…、60-Nを介して直列的に接続されている。隣接する中継ボード50-mと中継ボード50-(m+1)とは、ケーブル60-(m+1)を介して接続されている。ただし、mは1≦m≦N-1を満たす整数である(以下同様)。
【0086】
図4は、隣接する2つの中継ボード50-m、50-(m+1)の接続構造の例として、m=1の場合の中継ボード50-1と中継ボード50-2との接続構造を示している。なお、
図4も、
図1及び
図3と同様にN=4の場合を示している。
【0087】
図4に示すように、中継ボード50-mにおける出力接続部506は、中継ボード50-(m+1)における入力接続部504にケーブル60-(m+1)を介して接続されている。
【0088】
ケーブル60-(m+1)は、中継ボード50-mにおける出力接続部506と、中継ボード50-(m+1)における入力接続部504とを互いに接続する信号線群が1本のケーブルに束ねられたものである。具体的には、ケーブル60-(m+1)は、中継ボード50-mにおける出力接続部506の各出力ポート506v1、…、506vN、506c、506sと、中継ボード50-(m+1)における入力接続部504の各入力ポート504-1、…、504-N、504c、504sとを互いに接続する信号線群が束ねられている。
【0089】
このようなケーブル60-(m+1)を介して、中継ボード50-mの映像信号線群508-2、…、508-Nが、それぞれ中継ボード50-(m+1)の映像信号線群508-1、…、508-(N-1)に接続されている。なお、中継ボード50-(m+1)の映像信号線群508-Nは、ケーブル60-(m+1)を介して、中継ボード50-mにおける出力接続部506のダミーポートである出力ポート560vNに接続されている。このため、中継ボード50-(m+1)の映像信号線群508-Nは、中継ボード50-mの映像信号線群とは接続されていない。
【0090】
また、ケーブル60-(m+1)を介して、中継ボード50-mの制御信号線群512が、中継ボード50-(m+1)の制御信号線群512に接続されている。
【0091】
また、ケーブル60-(m+1)を介して、中継ボード50-mの(N-1)本の選択信号線518-2、…、518-Nが、中継ボード50-(m+1)の(N-1)本の選択信号線518-1、…、518-(N-1)に接続されている。なお、中継ボード50-(m+1)の選択信号線518-Nは、ケーブル60-(m+1)を介して、中継ボード50-mにおける出力接続部506の出力ポート506sに設けられたダミー端子506s-dに接続されている。このため、中継ボード50-(m+1)の選択信号線518-Nは、中継ボード50-mの選択信号線とは接続されていない。
【0092】
このように、中継ボード50-mにおける出力接続部506は、中継ボード50-(m+1)における入力接続部504にケーブル60-(m+1)を介して接続されている。
【0093】
N枚の中継ボード50-1、…50-Nは、それぞれN枚の表示パネル2-1、…、2-NのTconボード20-1、…、20-Nに接続されている。中継ボード50-1、…50-Nは、それぞれTconボード20-1、…、20-Nにコネクタ等を介して接続されている。なお、各中継ボード50-1、…50-Nと各Tconボード20-1、…、20-Nとの接続状態では、各中継ボード50-1、…50-Nの送受信部526が、各Tconボード20-1、…、20-Nの後述の受送信部226に対して間隔を空けて対向配置される。各送受信部526と各受送信部226との間では、非接触伝送による信号の送受信が行われる。
【0094】
図3及び
図4に示すように、中継ボード50-1に接続されたTconボード20-1は、ボード本体202と、上述のタイミングコントローラ204と、1組の映像信号線群212とを有している。また、Tconボード20-1は、SerDes回路214と、制御信号線群216と、制御信号線群218とを有している。また、Tconボード20-1は、受信部220と、送信部222と、受信部224とを有している。なお、他のTconボード20-2、…、20-Nも同一の構成を有している。
【0095】
ボード本体202には、タイミングコントローラ204と、SerDes回路214と、受信部220と、送信部222と、受信部224とが設けられている。受信部220、送信部222及び受信部224は、中継ボード50-1との信号の受送信を行う受送信部226を構成している。
【0096】
また、ボード本体202には、1組の映像信号線群212、制御信号線群216及び制御信号線群218が設けられている。映像信号線群212は、タイミングコントローラ204と受信部220との間に設けられている。制御信号線群216は、タイミングコントローラ204とSerDes回路214との間に設けられている。制御信号線群218は、SerDes回路214と送信部222及び受信部224との間に設けられている。
【0097】
映像信号線群212は、差動信号を伝送する1組2本の映像信号線を1レーンとして複数レーンで構成されている。なお、
図3及び
図4では、映像信号線群212が4レーン、8本の映像信号線で構成されている場合を示しているが、これに限定されるものではない。映像信号線の本数及びレーン数は、伝送すべき映像信号等に応じて、適宜変更することができる。
【0098】
また、制御信号線群216は、パラレル伝送による制御信号の双方向伝送を行う複数本の制御信号線を含んでいる。制御信号線群216に含まれる制御信号線の本数は、例えば18本である。
【0099】
また、制御信号線群218は、シリアル伝送による制御信号の双方向伝送を行う複数本の制御信号を含んでいる。制御信号線群218は、差動信号を伝送する1組2本の制御信号線を1レーンとして、双方向伝送を行う2レーン、4本の制御信号線で構成されている。制御信号線群218に含まれる制御信号の本数は、SerDes回路214によるパラレル伝送とシリアル伝送との間の相互変換により、制御信号線群216に含まれる制御信号の本数よりも少なく、例えば4本である。
【0100】
映像信号線群212の一方の端は、タイミングコントローラ204に接続されている。映像信号線群508-1の他方の端は、1レーンを構成する2本の映像信号線ごとに受信部220に接続されている。
【0101】
受信部220は、中継ボード50-1の送信部520から差動信号として送信される映像信号を受信するものである。受信部220は、受信器回路220aと、伝送素子220bとを有している。受信器回路220aは、ICにより構成されている。受信器回路220aの出力端には、映像信号線群212における1レーン2本の映像信号のそれぞれが接続されている。受信器回路220aの入力端には、伝送素子220bの一端が接続されている。伝送素子220bは、前述の伝送素子520bとの間で信号の非接触伝送を可能にする素子である。伝送素子220bとしては、アンテナ等の公知の素子を用いることができる。伝送素子220bは、必要に応じて、その他端に終端抵抗220cが接続されて終端されている。なお、受信部220の受信器回路220a及び終端抵抗220cを含む回路構成は、伝送素子220bの特性等に応じて適宜変更することができる。
【0102】
制御信号線群216の一方の端は、タイミングコントローラ204に接続されている。制御信号線群216の他方の端は、SerDes回路214に接続されている。
【0103】
制御信号線群218の一方の端は、SerDes回路214に接続されている。制御信号線群218の他方の端は、送信部222及び受信部224に接続されている。
【0104】
送信部222は、制御信号線群218における1レーン2本の制御信号線で差動信号として伝送される制御信号を中継ボード50-1に送信するものである。送信部222は、伝送素子222bを有している。伝送素子222bの一端には、制御信号線群218における1レーン2本の制御信号線が接続されている。伝送素子222bは、前述の伝送素子522bとの間に生じる電磁界結合により信号の非接触伝送を可能にする素子である。伝送素子222bとしては、アンテナ等の公知の素子を用いることができる。伝送素子222bは、必要に応じて、その他端に終端抵抗222cが接続されて終端されている。なお、送信部222の終端抵抗222cを含む回路構成は、伝送素子222bの特性等に応じて適宜変更することができる。
【0105】
受信部224は、中継ボード50-1から差動信号として送信される制御信号を受信するものである。受信部224は、受信器回路224aと、伝送素子224bとを有している。受信器回路224aは、ICにより構成されている。受信器回路224aの出力端には、制御信号線群516における1レーン2本の制御信号線のそれぞれが接続されている。受信器回路224aの入力端には、伝送素子224bの一端が接続されている。伝送素子224bは、前述の伝送素子524bとの間で信号の非接触伝送を可能にする素子である。伝送素子224bとしては、アンテナ等の公知の素子を用いることができる。伝送素子224bは、必要に応じて、その他端に終端抵抗224cが接続されて終端されている。なお、受信部224の受信器回路224a及び終端抵抗224cを含む回路構成は、伝送素子224bの特性等に応じて適宜変更することができる。
【0106】
SerDes回路214は、制御信号についてパラレル伝送とシリアル伝送とを相互に変換するICである。SerDes回路214は、信号統合ボード40に搭載された前述のSerDes回路410と双方向SerDesによる制御信号の伝送が可能になっている。SerDes回路214は、制御信号線群216においてパラレル伝送により伝送される制御信号と、制御信号線群218においてシリアル伝送により伝送される制御信号とを相互に変換する。
【0107】
こうして、Tconボード20-1が構成されている。Tconボード20-1には、コネクタ等により対応する中継ボード50-1が接続されている。中継ボード50-1が接続されたTconボード20-1の伝送素子220b、222b、224bには、所定の間隔を空けて、それぞれ中継ボード50-1の伝送素子520b、522b、524bが対向配置されている。素子間の所定の間隔は、信号の非接触伝送が可能な間隔に設定されている。
【0108】
なお、他のTconボード20-2、…、20-Nも、上述したTconボード20-1と同一の構造を有している。また、他のTconボード20-2、…、20-Nも、上述したTconボード20-1と同様に、それぞれ対応する中継ボード50-2、…、50-Nが接続されている。
【0109】
こうして、本実施形態による表示システム1が構成されている。
【0110】
なお、上記送信器回路520a、受信器回路220a、522a、224a、セレクタ回路510及びSerDes回路410、214の各回路は、特に限定されるものではなく、公知の回路を用いて構成することができる。
【0111】
本実施形態による表示システム1では、次のようにして、各表示パネル2-1、…、2-Nに表示する映像の映像信号が各表示パネル2-1、…、2-Nに伝送される。各表示パネル2-1、…、2-Nに表示する映像信号は、駆動装置3の駆動ボード30から信号統合ボード40に入力される。
【0112】
まず、表示パネル2-1のタイミングコントローラ204には、信号統合ボード40の映像信号線群408-1、中継ボード50-1の映像信号線群508-1及び送信部520、並びにTconボード20-1の受信部220及び映像信号線群212を介して、表示パネル2-1に表示する映像の映像信号が入力される。
【0113】
表示パネル2-2のタイミングコントローラ204には、信号統合ボード40の映像信号線群408-2、中継ボード50-1の映像信号線群508-2、中継ボード50-2の映像信号線群508-1及び送信部520、並びにTconボード20-2の受信部220及び映像信号線群212を介して、表示パネル2-2に表示する映像の映像信号が入力される。
【0114】
表示パネル2-3のタイミングコントローラ204には、信号統合ボード40の映像信号線群408-3、中継ボード50-1の映像信号線群508-3、中継ボード50-2の映像信号線群508-2、中継ボード50-3の映像信号線群508-1及び送信部520、並びにTconボード20-3の受信部220及び映像信号線群212を介して、表示パネル2-3に表示する映像の映像信号が入力される。
【0115】
表示パネル2-4のタイミングコントローラ204には、信号統合ボード40の映像信号線群408-4、中継ボード50-1の映像信号線群508-4、中継ボード50-2の映像信号線群508-3、中継ボード50-3の映像信号線群508-2、中継ボード50-4の映像信号線群508-1及び送信部520、並びにTconボード20-4の受信部220及び映像信号線群212を介して、表示パネル2-4に表示する映像の映像信号が入力される。
【0116】
上記の映像信号の伝送では、中継ボード50-iにおいて、入力接続部504の入力ポート504v1、…、504v(N-(i-1))に、それぞれ表示パネル2-i、…、2-Nに表示する映像の映像信号が入力される。
【0117】
また、出力接続部506に中継ボード50-(m+1)が接続された中継ボード50-mでは、映像信号線群508-1及び送信部520を介して、表示パネル2-mに表示する映像の映像信号が表示パネル2-mに出力される。また、中継ボード50-mでは、映像信号線群508-2、…、508-(N-(m-1))を介して、表示パネル2-(m+1)、…、2-Nに表示する映像の映像信号が中継ボード50-(m+1)に出力される。
【0118】
また、表示パネル2-iのタイミングコントローラ204には、信号統合ボード40の映像信号線群408-i、中継ボード50-1の映像信号線群508-i、中継ボード50-2の映像信号線群508-(i-1)、中継ボード50-3の映像信号線群508-(i-2)、…、中継ボード50-iの映像信号線群508-1及び送信部520、並びにTconボード20-iの受信部220及び映像信号線群212を介して、表示パネル2-iに表示する映像の映像信号が入力される。
【0119】
本実施形態では、入力接続部504の入力ポート504v1、…、504vNのうちの入力ポート504v2、…、504vNが、それぞれ映像信号線群508-2、…、508-Nを介して、それぞれ出力接続部506の出力ポート506v1、…、506Nのうちの出力ポート506v1、…、506v(N-1)に接続されている。このため、本実施形態では、互いに同一の構造を有する中継ボード50-1、…、50-Nを用いて、上述のように、各表示パネル2-1、…、2-Nに映像信号を伝送することができる。本実施形態では、中継ボード50-1、…、50-Nが互いに同一の構造を有しているため、隣接する中継ボード間を同一のケーブルで接続することができ、表示パネルの増設に容易に対応することができる。表示パネルと中継ボードとの接続に際して、両者のマッチングを考慮する必要もない。
【0120】
このように、本実施形態によれば、簡単な構成でN枚の表示パネル2-1、…、2-Nに映像信号を伝送することができる。
【0121】
また、本実施形態による表示システム1では、次のようにして、駆動ボード30と各表示パネル2-1、…、2-Nとの間の制御信号の伝送が時間分割で行われる。以下、本実施形態による表示システム1における制御信号の伝送について
図5を用いて説明する。
図5は、時間分割での制御信号の伝送における制御信号及び選択信号を示すタイミングチャートである。なお、
図5は、N=4の場合を示している。
【0122】
図5において、上から1段目から4段目は、それぞれ表示パネル2-1を選択する選択信号S-1、表示パネル2-2を選択する選択信号S-2、表示パネル2-3を選択する選択信号S-3及び表示パネル2-4を選択する選択信号S-4を示している。また、下から1段目は、時間分割で伝送される1種類の制御信号C-1、C-2、C-3、C-4を示している。選択信号S-1、S-2、S-3、S-4は、それぞれハイレベルH及びローレベルLのうちローレベルLでアクティブとなるアクティブローの信号になっているが、ICの仕様によってはアクティブハイの場合もある。また、制御信号C-1、C-2、C-3、C-4については、簡便のため、制御信号C-1、C-3をローレベルLの信号として示し、制御信号C-2、C-4をハイレベルHの信号として示している。
【0123】
図5に示すように、駆動装置3の駆動ボード30は、制御信号C-1、…、C-Nを時間分割で多重化して順次伝送する。制御信号C-1、…、C-Nは、それぞれ表示パネル2-1、…2-Nを制御するためのものである。駆動ボード30は、N枚の表示パネル2-1、…、2-Nとの間の制御信号C1-1、…、C-Nの伝送を、所定の時間Tを1周期として周期的に行う。
【0124】
信号統合ボード40の制御回路416は、表示パネル2-1、…、2-Nを選択する選択信号S-1、…、S-Nをそれぞれ選択信号線418-1、…、418-Nに順次出力する。制御回路416は、選択信号S-1、…、S-Nをそれぞれ制御信号C-1、C-2、C-3、C-4と同期して出力する。
【0125】
選択信号S-iは、信号統合ボード40の選択信号線418-i、中継ボード50-1の選択信号線518-i、…、中継ボード50-iの選択信号線518-iを介して、中継ボード50-iのセレクタ回路510に入力される。
【0126】
中継ボード50-iのセレクタ回路510は、選択信号S-iが入力されておらず選択されていないタイミングでは、制御信号線群512と制御信号線群514とを接続する。この場合、Tconボード20-iのタイミングコントローラ204と駆動装置3の駆動ボード50との間の制御信号の双方向伝送は確立されない。このため、制御信号は、制御信号線群514から出力接続部506の出力ポート506cに出力される。
【0127】
一方、中継ボード50-iのセレクタ回路510は、選択信号S-iが入力されて選択されているタイミングでは、制御信号線群512と制御信号線群516とを接続する。この場合、Tconボード20-iのタイミングコントローラ204と駆動装置3の駆動ボード50との間の制御信号の双方向伝送が確立される。これにより、Tconボード20-iのタイミングコントローラ204には、駆動装置3の駆動ボード30からの制御信号C-iが入力される。
【0128】
このとき、制御信号C-iは、信号統合ボード40の制御信号線群412、SerDes回路410及び制御信号線群414、中継ボード50-1の制御信号線群512、514、…、中継ボード50-(i-1)の制御信号線群512、514を介して中継ボード50-iに入力される。さらに、制御信号C-iは、中継ボード50-iの制御信号線群512、516及び送信部524、並びにTconボード20-iの受信部224、SerDes214及び制御信号線群216を介してタイミングコントローラ204に入力される。
【0129】
こうして、各表示パネル2-1、…、2-Nにおける各Tconボード20-1、…、20-Nのタイミングコントローラ204と駆動装置3の駆動ボード30との間の制御信号の双方向伝送が行われる。
【0130】
本実施形態では、上述のようにして、駆動ボード30とTconボード20-iのタイミングコントローラ204との間の1:1の制御信号の伝送が時間分割で行われる。これにより、駆動ボード30とN枚のTconボード20-1、…、20-Nとの間の1:Nの制御信号の伝送が実現される。
【0131】
このような時間分割による制御信号の伝送において、本実施形態では、上述のように共通する制御信号線群を用いて制御信号を各Tconボード20-1、…、20-Nのタイミングコントローラ204に伝送することができる。したがって、本実施形態では、制御信号線の本数の増加を抑制しつつ、複数の表示パネル2-1、…、2-Nへの映像の表示を実現することができる。
【0132】
また、本実施形態では、信号統合ボード40において、SerDes回路410により、制御信号のパラレル伝送とシリアル伝送との間の相互変換を行う。また、Tconボード20-iにおいて、SerDes回路214により、制御信号のパラレル伝送とシリアル伝送との間の相互変換を行う。これにより、本実施形態では、制御信号線の本数を削減することができる。
【0133】
このように、本実施形態によれば、簡単な構成でN枚の表示パネル2-1、…、2-Nに制御信号を伝送することができる。
【0134】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
【0135】
例えば、上記では、中継ボード50-1、…、50-NとTconボード20-1、…、20-Nとの間において、伝送素子520b、220b間、伝送素子222b、522b間及び伝送素子524b、224b間で非接触で信号を伝送する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。これら各伝送素子間の非接触での信号伝送に代えて、端子ピン、端子パターン等の接触により信号が伝送される構成を採用することができる。
【0136】
また、映像信号の伝送方式と制御信号の伝送方式とを入れ替えて、映像方式の伝送方式として上記で説明した制御信号の伝送方式を採用し、制御信号の伝送方式として上記で説明した映像信号の伝送方式を採用することもできる。
【0137】
また、上記では、中継ボード50-1、…、50-Nを介して表示パネル2-1、…、2-Nに映像信号及び制御信号の両者を伝送する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、上述のように中継ボード50-1、…、50-Nを介して表示パネル2-1、…、2-Nに映像信号を伝送する一方、表示パネル2-1、…、2-Nに個別に制御信号を伝送することもできる。また、例えば、上述のように中継ボード50-1、…、50-Nを介して表示パネル2-1、…、2-Nに制御信号を伝送する一方、表示パネル2-1、…、2-Nに個別に映像信号を伝送することもできる。
【符号の説明】
【0138】
1…表示システム
2-1、…、2-N…表示パネル
3…駆動装置
4…伝送装置
20-1、…、20-N…Tconボード
30…駆動ボード
40…信号統合ボード
50-1、…、50-N…中継ボード