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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】呼び登録アンケートシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20240424BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240424BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020202882
(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公開番号】P2022090465
(43)【公開日】2022-06-17
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 洋一
(72)【発明者】
【氏名】井元 涼大郎
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/078700(WO,A1)
【文献】特開2020-066513(JP,A)
【文献】特開2016-055958(JP,A)
【文献】特開2018-174529(JP,A)
【文献】特開2004-123330(JP,A)
【文献】特開2018-070301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの呼び登録と対応付けられている利用者の利用者情報を記憶する記憶部を備える呼び登録アンケートシステムあって、
利用者端末からのエレベーターの呼び登録をもとに、アンケートを作成する作成部と、
前記作成部により作成されたアンケートを前記利用者端末に送信し、前記利用者端末からの前記アンケートに対する回答を受信する通信部と、
前記アンケートに対する回答を出力する出力部と、
前記アンケートに対するアンケート結果として、前記エレベーターの呼び登録があった利用者端末からの前記アンケートに対する回答を集計する集計部と、
前記アンケート結果に基づいて所定の制御を行うように、前記エレベーターに係る装置に対して指示する指示部と、
を備え
前記作成部により作成されるアンケートには、前記エレベーターの制御内容について問い合わせる質問が含まれ、
前記エレベーターの制御内容についてのアンケート結果に対して、前記制御内容を前記エレベーターに設定することを前記エレベーターの管理者の管理者端末から受け付ける入力部を備え、
前記指示部は、前記エレベーターを制御する制御装置に対して、前記入力部で受け付けられた前記エレベーターに設定する制御内容を前記エレベーターに設定するように指示する、
呼び登録アンケートシステム。
【請求項2】
前記エレベーターの制御内容について問い合わせる質問には、前記エレベーターの防犯運転に係る質問が含まれ、
前記入力部は、前記エレベーターの防犯運転を行う制御内容についてのアンケート結果に対して、前記エレベーターの防犯運転を行う制御内容を前記エレベーターに設定することを前記管理者端末から受け付け、
前記指示部は、前記制御装置に対して、前記エレベーターが防犯運転を行う制御内容を前記エレベーターに設定するように指示する、
請求項に記載の呼び登録アンケートシステム。
【請求項3】
前記エレベーターの制御内容について問い合わせる質問には、前記エレベーターの温度調節に係る質問が含まれ、
前記入力部は、前記エレベーターの温度調節を行う制御内容についてのアンケート結果に対して、前記エレベーターの温度調節を行う制御内容を前記エレベーターに設定することを前記管理者端末から受け付け、
前記指示部は、前記制御装置に対して、前記エレベーターが温度調節を行う制御内容を前記エレベーターに設定するように指示する、
請求項に記載の呼び登録アンケートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、エレベーターの呼び登録をもとにアンケートを行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建物に設けられているエレベーターを利用する者の中には、エレベーターでの相乗りを許容する人がいたり、エレベーターでの相乗りを拒む人がいたりする。例えば、女性、セキュリティに関する意識が高い人等は、エレベーターでの相乗りを拒む可能性が高い。
【0003】
近年、エレベーターでの相乗りを拒む人およびエレベーターでの相乗りを許容する人の双方の要望に応じることが可能なエレベーター運行管理システムが開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-174319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、多くの人が利用する時間帯に、複数の者が相乗り否とした場合、エレベーターの運行効率が悪化してしまう。つまり、エレベーターを含む施設を利用する者(以下、「利用者」と記す)全体としての満足度が低下してしまうといった問題がある。
【0006】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、利用者の満足度を向上するためのアンケートを行い得る呼び登録アンケートシステム等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するため本発明においては、エレベーターの呼び登録と対応付けられている利用者の利用者情報を記憶する記憶部を備える呼び登録アンケートシステムあって、利用者端末からのエレベーターの呼び登録をもとに、アンケートを作成する作成部と、前記作成部により作成されたアンケートを前記利用者端末に送信し、前記利用者端末からの前記アンケートに対する回答を受信する通信部と、前記アンケートに対する回答を出力する出力部と、を設けるようにした。
【0008】
上記構成では、アンケートの回答が出力されるので、例えば、管理者は、アンケート結果を踏まえて、多くの利用者が希望する内容で施設を運用でき、利用者全体としての満足度を向上することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者の満足度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態による呼び登録アンケートシステムに係る構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態による呼び登録アンケートシステムのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態による呼び登録アンケートシステムの機能構成の一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態によるエレベーター情報の一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態によるアンケート対象情報の一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態によるアンケート処理の一例を示す図である。
図7】第1の実施の形態によるアンケート画面の一例を示す図である。
図8】第1の実施の形態によるアンケート結果画面の一例を示す図である。
図9】第1の実施の形態による制御結果画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。本実施の形態は、エレベーターの呼び登録をもとにアンケートを行う技術に関するものである。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施の形態の呼び登録アンケートシステムは、利用者端末からのエレベーターの呼び履歴、利用者の属性、施設の利用時間帯等をもとに、施設を管理する管理人が把握したいことを質問するアンケートを行うことができるシステムである。
【0013】
ここで、アンケートは、施設に係るアンケートである。施設とは、エレベーターまたはエレベーターと共に利用される施設である。例えば、施設は、ビル、マンション等の建物であってもよいし、建物に設けられているエレベーター、エスカレーター等の昇降機であってもよいし、駐車場設備であってもよいし、自動ドアであってもよいし、その他の設備に必要な機器であってもよい。
【0014】
アンケートの内容は、エレベーターの運用に関する内容であってもよいし、施設に設けられている監視カメラで撮影可能な範囲を対象とした内容であってもよい。撮影可能な範囲を対象とした内容は、エレベーターホール等の清掃状況に関する内容、駐車場設備の利用者による不法駐車に関する内容等である。
【0015】
以下では、エレベーターの運用に関するアンケートを例に挙げて説明する。例えば、本呼び登録アンケートシステムは、遠隔操作でエレベーターの制御内容を設定可能なエレベーターにおいて、エレベーターの制御内容の設定を行う管理者に対して、エレベーターの利用者の多くが希望する制御内容を提示する。これにより、利用者と管理者との双方の満足度を向上可能としたエレベーターの遠隔制御を実現する。
【0016】
より具体的には、本呼び登録アンケートシステムは、呼び登録に用いられる利用者の属性情報、利用者がエレベーターを利用したことを示す履歴情報等をもとにアンケートを作成する。本呼び登録アンケートシステムは、利用者が保持(所持)する利用者端末に上記アンケートを表示する。本呼び登録アンケートシステムは、利用者によるアンケートの回答を取得する。本呼び登録アンケートシステムは、管理者が保持する管理者端末にアンケートの結果を表示する。上記構成によれば、管理者は、利用者の希望を踏まえたうえで、エレベーターの制御内容を変更するかどうかの判断が可能となる。
【0017】
本呼び登録アンケートシステムによれば、例えば、アンケートの結果を管理者が把握することで、多くの利用者が希望するエレベーターの制御内容を実施可能であるため、利用者全体としての満足度の向上が図れる。
【0018】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。
【0019】
なお、以下の説明では、図面において同一要素については、同じ番号を付し、説明を適宜省略する。また、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。例えば、インターフェース部を特に区別しないで説明する場合には、「インターフェース部201」と記し、個々のインターフェース部を区別して説明する場合には、「インターフェース部201-1」、「インターフェース部201-2」のように記すことがある。
【0020】
図1は、呼び登録アンケートシステム100に係る構成の一例を示す図である。
【0021】
呼び登録アンケートシステム100は、遠隔制御システム110を含んで構成される。遠隔制御システム110は、一般回線網101を介して、制御装置120に対し、エレベーター130に制御内容を設定するための指示(以下、「遠隔制御指令」と記す)を送信する。
【0022】
また、遠隔制御システム110は、一般回線網101を介して、管理者102が利用する管理者端末140、利用者103が利用する利用者端末150、利用者103とエレベーター130とを結びつけるSNS(Social Networking Service)サーバ160の各々と通信可能に接続されている。
【0023】
遠隔制御システム110は、利用者端末150からのエレベーター130の呼び登録をSNSサーバ160を介して受信したとき、利用者端末150の利用者に対するアンケートを作成する。
【0024】
遠隔制御システム110は、利用者103が利用者端末150に表示されたアンケートの回答を集約し、管理者102が利用する管理者端末140にアンケートの結果を表示する。管理者102は、アンケートの結果から、管理者端末140を介して遠隔制御を実行する指示(以下、「遠隔制御指示」と記す)を行うことで、遠隔制御システム110から遠隔制御指令が制御装置120に送信される。
【0025】
遠隔制御システム110は、遠隔制御指令の実行結果を受け、利用者103が利用する利用者端末150にアンケートに基づいた遠隔制御の実行結果を表示する。
【0026】
図2は、呼び登録アンケートシステム100のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0027】
遠隔制御システム110は、例えば、サーバ装置であり、構成要素として、インターフェース部201-1と、記憶部202-1と、プロセッサ部203-1とを備える。制御装置120は、例えば、制御盤であり、構成要素として、インターフェース部201-2と、記憶部202-2と、プロセッサ部203-2とを備える。インターフェース部201-2は、ネットワーク210に接続され、ネットワーク210には、エレベーター130が接続されている。なお、インターフェース部201-2は、ネットワーク210を介することなく、エレベーター130に接続されていてもよい。
【0028】
管理者端末140は、例えば、PC(Personal Computer)であり、構成要素として、インターフェース部201-4と、記憶部202-4と、プロセッサ部203-4とを備える。利用者端末150は、例えば、スマートフォンであり、構成要素として、インターフェース部201-5と、記憶部202-5と、プロセッサ部203-5とを備える。SNSサーバ160は、例えば、サーバ装置であり、構成要素として、インターフェース部201-6と、記憶部202-6と、プロセッサ部203-6とを備える。
【0029】
インターフェース部201は、NIC、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Interface)モジュール、シリアル通信モジュール等である。また、インターフェース部201は、1以上のインターフェースでよい。当該1以上のインターフェースは、1以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば1以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし、2以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。インターフェース部201は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、インターフェース部201は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0030】
なお、入力装置は、管理者102、利用者103等のユーザから情報を受付けるユーザインターフェースである。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、カードリーダ、タッチパネル等である。出力装置は、各種の情報を出力(表示出力、音声出力、印字出力等)するユーザインターフェースである。出力装置は、例えば、各種情報を可視化する表示装置、音声出力装置(スピーカ)、印字装置等である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等である。
【0031】
記憶部202は、メモリ部とPDEV部とのうちの少なくとも1つ(典型的には少なくともメモリ部)である。メモリ部は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。PDEV部は、1以上のPDEVであり、典型的には補助記憶デバイスでよい。PDEVは、物理的な記憶デバイス(Physical storage DEVice)を意味し、典型的には、不揮発性の記憶デバイス、例えばHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。
【0032】
プロセッサ部203は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいし、マルチコアでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0033】
遠隔制御システム110の機能(後述の通信部311、制御部312、保持部313、判定部314、作成部315、集計部316、出力部317、入力部318、指示部319等)は、例えば、プロセッサ部203-1がプログラムを記憶部202-1に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0034】
なお、遠隔制御システム110の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、遠隔制御システム110の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、遠隔制御システム110の機能の一部は、遠隔制御システム110と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。
【0035】
制御装置120の機能(後述の通信部321、制御部322、保持部323、判定部324等)は、例えば、プロセッサ部203-2がプログラムを記憶部202-2に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0036】
管理者端末140の機能(後述の通信部341、制御部342、出力部343、入力部344等)は、例えば、プロセッサ部203-4がプログラムを記憶部202-4に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0037】
利用者端末150の機能(後述の通信部351、制御部352、出力部353、入力部354等)は、例えば、プロセッサ部203-5がプログラムを記憶部202-5に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0038】
SNSサーバ160の機能(後述の通信部361、制御部362等)は、例えば、プロセッサ部203-6がプログラムを記憶部202-6に読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。
【0039】
図3は、呼び登録アンケートシステム100の機能構成の一例を示す図である。
【0040】
遠隔制御システム110は、通信部311、制御部312、保持部313、判定部314、作成部315、集計部316、出力部317、入力部318、および指示部319を備える。
【0041】
通信部311は、一般回線網101を介し、制御装置120、管理者端末140、利用者端末150、およびSNSサーバ160の各々と通信する。制御部312は、アンケートに係る制御全般を行う。
【0042】
保持部313は、各種の情報を保持(記憶)する。保持部313は、エレベーター情報313Aと、利用者情報313Bと、アンケート作成情報313Cと、アンケート実施情報313Dとを記憶する。
【0043】
エレベーター情報313Aは、エレベーター130の現場の情報とエレベーター130の制御内容の情報とを含む情報である。エレベーター情報313Aについては、図4を用いて後述する。
【0044】
利用者情報313Bは、利用者103を識別可能な情報(例えば、利用者ID)と、利用者103によるエレベーター130の履歴情報と、利用者103の属性情報とを含む情報である。
【0045】
履歴情報は、利用者103によるエレベーター130の利用履歴を示す情報である。履歴情報は、エレベーター130の呼び登録が行われた際に、呼び登録が行われた日時(例えば、利用者103によるエレベーター130の利用時間)、現在階(利用者103がエレベーター130に乗車する階)、行先階(利用者103がエレベーター130から降車する階)等が生成されて保持部313に保持される。呼び登録には、呼び登録を行った利用者103を識別可能な情報、呼び登録が行われたエレベーター130(号機)を識別可能な情報、呼び登録が行われた日時、現在階、行先階、エレベーター130の走行方向(UP、DOWN等)等の情報が含まれている。
【0046】
属性情報は、利用者103の年齢、利用者103による車いす、ベビーカー等の利用、利用者103の性別等の情報である。属性情報は、呼び登録を行うためのSNSアプリケーションの利用者端末150へのインストールの際に登録された情報である。ただし、その他の手段で登録された情報であってもよい。
【0047】
アンケート作成情報313Cは、アンケートの対象を特定するためのアンケート対象情報を含む情報である。アンケート対象情報には、アンケートの内容を示すアンケート内容情報が対応付けられている。つまり、アンケート作成情報313Cには、アンケート内容情報が含まれていてもよいし、アンケート内容情報を特定可能な情報(例えば、アンケート番号)が含まれていてもよい。アンケート内容情報としては、「19:00から翌朝5:00まで防犯運転を希望しますか?」、「エレベーター内は暑いですか?」、「エレベーター内は寒いですか?」、「ドアが開いている時間が短いですか?」、「ドアが開いている時間が長いですか?」等が設けられる。アンケート対象情報については、図5を用いて後述する。
【0048】
アンケート実施情報313Dは、呼び登録を行った利用者103を識別可能な情報、呼び登録が行われたエレベーター130(号機)を識別可能な情報、実施されたアンケートの内容を示す情報(アンケート内容情報、アンケート内容情報を特定可能な情報等)と、アンケートの回答を示す情報(「希望する」、「希望しない」等)とを含む情報である。
【0049】
判定部314は、エレベーター情報313Aに基づいて、設定可能なエレベーター130の制御内容を判定する。作成部315は、利用者情報313Bおよびアンケート作成情報313Cに基づいて、呼び登録を行った利用者103の属性に応じたアンケートを作成する。当該アンケートには、エレベーター130の制御内容について問い合わせる質問が含まれている。集計部316は、作成部315により作成されたアンケートの結果として、当該アンケートに対する回答を集計する。ここで、アンケートの結果は、予め定められた期間内にエレベーター130の呼び登録があった利用者端末150からの回答を集計した値である。集計部316は、アンケートの項目ごとに合計を算出してアンケートの結果としてもよいし、アンケートの項目ごとに合計を算出し、全体(アンケートの実施件数)に対する合計値の割合(例えば、%)を算出してアンケートの結果としてもよいし、その他の計算を行ってアンケートの結果としてもよい。
【0050】
出力部317は、管理者端末140および利用者端末150に対する出力を制御する。例えば、出力部317は、作成部315により作成されたアンケートを利用者端末150に送信する。また、例えば、出力部317は、アンケートの結果を管理者端末140に送信する。入力部318は、管理者端末140および利用者端末150からの入力を制御する。例えば、入力部318は、利用者端末150からのアンケートの回答を入力する。また、例えば、入力部318は、管理者端末140で指定された制御内容をエレベーター130に設定することを示す情報(以下、「遠隔制御情報」と記す)を入力する。指示部319は、管理者端末140で指定された制御内容をエレベーター130に設定するための指示(遠隔制御指令)を制御装置120に送信する。
【0051】
制御装置120は、通信部321と、制御部322と、保持部323と、判定部324とを備える。
【0052】
通信部321は、遠隔制御システム110と一般回線網101を介して通信する。また、通信部321は、エレベーター130とネットワーク210を介して通信する。制御部322は、遠隔制御システム110からの遠隔制御指令が通信部321により受信されると、エレベーター130に制御内容の設定を行う。保持部323は、各種の情報を記憶する。保持部323は、例えば、エレベーター情報323Aを記憶する。エレベーター情報323Aは、エレベーター130の現場の情報とエレベーター130の制御内容の情報とを含む情報である。エレベーター情報323Aのデータ項目は、エレベーター情報313Aのデータ項目と同じであってもよいので、その説明を省略する。判定部324は、エレベーター情報323Aに基づいて、設定可能なエレベーター130の制御内容を判定する。
【0053】
管理者端末140は、通信部341と、制御部342と、出力部343と、入力部344とを備える。
【0054】
通信部341は、遠隔制御システム110と一般回線網101を介して通信する。制御部342は、アンケートに係る制御全般を行う。出力部343は、遠隔制御システム110から送信されたアンケートの結果を表示する。入力部344は、管理者102により指定されたアンケートの回答を入力する。例えば、制御部342は、入力部344により入力されたアンケートの回答を遠隔制御情報として、通信部341を介して遠隔制御システム110に送信する。
【0055】
利用者端末150は、通信部351と、制御部352と、出力部353と、入力部354とを備える。
【0056】
通信部351は、一般回線網101およびSNSサーバ160を介して、遠隔制御システム110と通信する。制御部352は、例えば、SNSアプリケーションであり、エレベーター130の呼び登録に係る制御全般と、アンケートに係る制御全般とを行う。
【0057】
例えば、利用者103は、利用者端末150を用いて、エレベーター130の乗り場等に用意されている二次元バーコードを読み込み、利用したいエレベーター130の公式アカウントを友だち登録する。これにより、利用者103は、利用者端末150を用いて、SNSサーバ160とのトーク(メッセージのやり取り)で、エレベーター130の呼び登録を行うことができる。また、利用者103は、利用者端末150を用いて、遠隔制御システム110を介したSNSサーバ160とのトークにより、遠隔制御システム110から送信されたアンケートを表示したり、アンケートに回答したりすることができる。
【0058】
出力部353は、遠隔制御システム110から送信されたアンケートを表示する。入力部354は、利用者103により指定されたアンケートの回答を入力する。
【0059】
SNSサーバ160は、通信部351と、制御部362とを備える。
【0060】
通信部351は、遠隔制御システム110および利用者端末150と一般回線網101を介して通信する。制御部362は、エレベーター130の呼び登録に係る制御全般と、アンケートに係る制御全般とを行う。
【0061】
例えば、制御部362は、エレベーター130の呼び出しと行先階の登録とが可能なサービス、つまりエレベーター130の呼び登録が可能なサービスを提供する。利用者103は、利用者端末150を用いて、トークにおいて、現在階、行先階等を選択することで、エレベーター130の呼び登録(エレベーター130の呼び出し、または、エレベーター130の呼び出しおよび行先階の登録)を行う。利用者端末150は、エレベーター130の呼び出しのメッセージ(エレベーター130の呼び登録)をSNSサーバ160に送信し、SNSサーバ160は、呼び登録を遠隔制御システム110に送信し、遠隔制御システム110は、呼び登録をエレベーター130に設定する指令を制御装置120に送信する。これにより、利用者103は、エレベーター130のボタンに触れることなく、エレベーター130を利用することができる。
【0062】
また、例えば、制御部362は、通信部361を介して、遠隔制御システム110からアンケートの内容を受信すると、アンケートの内容を含むアンケート画面情報を利用者端末150に送信する等してアンケートに係るトークを行う。また、例えば、制御部362は、通信部361を介して、利用者端末150からアンケートの回答を受信すると、受信したアンケートの回答を遠隔制御システム110に送信する。
【0063】
図4は、エレベーター情報313Aの一例(エレベーターテーブル400)を示す図である。エレベーターテーブル400は、エレベーター130の制御内容に係る情報を記憶する。
【0064】
より具体的には、エレベーターテーブル400は、製造番号401と、機種402と、エレ号機403と、ビル管理番号404と、ビル名称405と、住所406と、エアコン設定407と、エアコン設定時間408と、FAN設定409と、FAN設定時間410と、ドア開時間延長411と、ドア開時間延長設定時間412と、防犯運転413と、防犯運転設定時間414と、各階停止運転415と、各階停止運転設定時間416とが対応付けられた情報を記憶する。
【0065】
製造番号401は、エレベーター130の製造番号を示す情報である。機種402は、エレベーター130の機種を示す情報である。エレ号機403は、エレベーター130の号機(乗りかご)を識別可能な情報である。ビル管理番号404は、エレベーター130が設置されているビルを識別可能な情報である。ビル名称405は、当該ビルの名称を示す情報である。住所406は、当該ビルの住所を示す情報である。
【0066】
エアコン設定407は、エレベーター130の号機に設けられているエアコンの設定に係る情報である。エアコンの設定に係る情報は、エアコンが稼動していること(ON)を示す「実施済」、エアコンが稼動していないことを示す「未実施」、エアコンが設けられていない、エアコンが故障している等、エアコンの設定ができないことを示す「実施不可」等である。エアコン設定時間408は、エアコンの設定が行われた時間を示す情報である。
【0067】
FAN設定409は、エレベーター130の号機に設けられているFANの設定に係る情報である。FANの設定に係る情報は、FANが稼動していること(ON)を示す「実施済」、FANが稼動していないことを示す「未実施」等である。なお、FANの設定に係る情報には、FANが設けられていない、FANが故障している等、FANの設定ができないことを示す「実施不可」が含まれていてもよい。FAN設定時間410は、FANの設定が行われた時間を示す情報である。
【0068】
ドア開時間延長411は、エレベーター130の号機のドアを開いている時間を延長する設定(以下、「延長設定」と記す)に係る情報である。延長設定に係る情報は、時間が延長されていることを示す「実施済」、時間が延長されていないことを示す「未実施」等である。ドア開時間延長設定時間412は、延長設定が行われた時間を示す情報である。
【0069】
防犯運転413は、防犯運転の設定に係る情報である。防犯運転の設定に係る情報は、防犯運転が行われていることを示す「実施済」、防犯運転が行われていないことを示す「未実施」等である。防犯運転設定時間414は、防犯運転の設定が行われた時間を示す情報である。なお、防犯運転は、第三者に行先階が知られることを抑止するために、エレベーター130の乗り場のインジケーターの階数表示を消灯した状態で運転すること、途中階で呼び登録があっても、ノンストップで登録した行先階まで直行運転すること等である。
【0070】
各階停止運転415は、各階停止運転の設定に係る情報である。各階停止運転の設定に係る情報は、各階停止運転が行われていることを示す「実施済」、各階停止運転が行われていないことを示す「未実施」等である。各階停止運転設定時間416は、各階停止運転の設定が行われた時間を示す情報である。なお、各階停止運転は、呼び登録がない場合でも、行先階までの各階に停止する運転である。各階停止運転は、防犯運転に含まれていてもよい。
【0071】
図5は、アンケート対象情報の一例(アンケート対象テーブル500)を示す図である。アンケート対象テーブル500は、エレベーター130の号機ごとに設けられている。アンケート対象情報は、例えば、管理者102により適宜に登録される。
【0072】
アンケート対象テーブル500は、アンケート番号(No)501と、制御内容502と、年齢503と、利用時間504と、ベビーカー等利用505と、性別506とが対応付けられた情報を記憶する。
【0073】
アンケート番号501は、アンケートを識別可能な情報である。制御内容502は、アンケートにおいて設定可能なエレベーター130の制御内容を示す情報である。年齢503は、アンケートの対象とする者の年齢を示す情報である。例えば、年齢503「全対象」は、年齢にかかわりなくアンケートの対象とすることを示す。また、例えば、年齢503「高齢者」は、65歳以上の者をアンケートの対象とすることを示す。
【0074】
利用時間504は、アンケートの対象とするエレベーター130の利用時間を示す情報である。利用時間504「全対象」は、エレベーター130の利用時間にかかわりなくアンケートの対象とすることを示す。利用時間504「日中」は、エレベーター130の利用時間が日中である者をアンケートの対象とすることを示す。利用時間504「夜間利用」は、エレベーター130の利用時間が夜間である者をアンケートの対象とすることを示す。
【0075】
ベビーカー等利用505は、アンケートの対象とする者による車いす、ベビーカー等の利用を示す情報である。ベビーカー等利用505「全対象」は、ベビーカー等の利用にかかわりなくアンケートの対象とすることを示す。ベビーカー等利用505「利用者」は、ベビーカー等を利用する者をアンケートの対象とすることを示す。性別506は、アンケートの対象とする者の性別を示す情報である。性別506「全対象」は、性別にかかわりなくアンケートの対象とすることを示す。性別506「女性」は、女性をアンケートの対象とすることを示す。
【0076】
遠隔制御システム110は、エレベーター130の制御内容を設定可能である場合、呼び登録を行った利用者103の利用者情報313Bがアンケート対象テーブル500に示す条件を満たすアンケートを実施する。例えば、防犯運転のアンケートについては、エレベーター130を夜間に利用している女性がアンケートの対象となる。
【0077】
図6は、アンケートに係る処理(アンケート処理)の一例を示す図である。アンケート処理は、利用者端末150により呼び登録が行われたことを契機に開始される。
【0078】
ステップS601では、遠隔制御システム110は、エレベーター情報313Aと利用者情報313Bとアンケート作成情報313Cとからアンケートを作成し、作成したアンケートの内容をアンケート実施情報313Dに記憶する。
【0079】
例えば、遠隔制御システム110は、利用者端末150から送信されたエレベーター130の呼び登録を、SNSサーバ160を介して受信すると、当該呼び登録を行った利用者103(以下、「呼び利用者」と記す)の利用者情報313Bを取得する。また、遠隔制御システム110は、当該呼び登録により配車されるエレベーター130の号機(以下、「呼び号機」と記す)に対応するエレベーターテーブル400のレコードと、呼び号機に対応するアンケート対象テーブル500とを取得する。
【0080】
遠隔制御システム110は、呼び号機に対応するアンケート対象テーブル500の各レコードについて、当該呼び号機に対応するエレベーターテーブル400のレコードを照合し、アンケートの対象であるか否かを判定する。例えば、エレベーターテーブル400のレコードにエアコン設定407「実施不可」または「実施済」が含まれている場合、遠隔制御システム110は、エアコンをONに制御できないため、アンケートの内容が「エレベーター内は暑いですか?」である場合、アンケート番号501「1」のレコード(制御内容)をアンケートの対象から除外し、設定可能な制御内容のレコードを抽出する。
【0081】
遠隔制御システム110は、設定可能な制御内容の各レコードについて、呼び利用者の利用者情報313Bを照合し、アンケートの対象であるか否かを判定する。例えば、アンケート番号501「1」のレコードが除外され、呼び利用者の利用者情報313Bに、年齢「30歳」、性別「女性」、ベビーカー等利用「なし」、利用時間「日中、夜間」の情報が含まれている場合、遠隔制御システム110は、アンケート番号501「2」、「5」、「6」をアンケートの対象として抽出する。
【0082】
遠隔制御システム110は、アンケートの対象のアンケート番号501に対応するアンケートの内容をアンケート作成情報313Cから取得してアンケート実施情報313Dに記憶する。
【0083】
ステップS602では、遠隔制御システム110は、アンケート実施情報313Dに記憶されたアンケートの内容を示す情報を、SNSサーバ160を介して利用者端末150に送信する。利用者端末150は、アンケートの内容を示すアンケート画面を表示する。なお、アンケート画面については、図7を用いて説明する。
【0084】
ステップS603では、利用者端末150は、利用者103よりアンケートの回答を受け付け、受け付けたアンケートの回答を、SNSサーバ160を介して遠隔制御システム110に送信する。
【0085】
ステップS604では、遠隔制御システム110は、アンケートの回答をアンケート実施情報313Dに記憶する。
【0086】
ステップS605では、遠隔制御システム110は、適宜のタイミングで、アンケート実施情報313Dのアンケートの回答を集計等してアンケートの結果を生成し、アンケートの結果を示すアンケート結果画面を管理者端末140に送信する。管理者端末140は、アンケート結果画面を表示する。アンケートの結果画面については、図8を用いて説明する。
【0087】
適宜のタイミングとは、管理者102により指示されたタイミング、予め指定された時間、所定の周期、その他のタイミングである。なお、集計等するタイミングと、アンケート結果画面を表示するタイミングとは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、複数台の号機が現地(施設)に設けられている場合、遠隔制御システム110は、複数台の号機の各々を区別することなく、アンケートの回答を集計してもよい。
【0088】
ステップS606では、管理者端末140は、遠隔制御指示を受け付ける。より具体的には、管理者端末140は、アンケート結果画面を介して、遠隔制御を実行するか否かを示す情報を含む遠隔制御情報を入力し、入力した遠隔制御情報を遠隔制御システム110に送信する。なお、遠隔制御情報に遠隔制御を実行することを示す情報が含まれる場合、遠隔制御情報には、エレベーター130の制御内容を示す情報も含まれる。
【0089】
ステップS607では、遠隔制御システム110は、遠隔制御情報をもとに、遠隔制御を実行するか否かを判定する。遠隔制御システム110は、遠隔制御を実行すると判定した場合、ステップS608に処理を移し、遠隔制御を実行しないと判定した場合、アンケート処理を終了する。
【0090】
ステップS608では、遠隔制御システム110は、管理者端末140から受信した遠隔制御の制御内容について、呼び号機のエレベーター情報313Aから設定可能であるか否かを判定し、制御装置120に遠隔制御指令を送信する。
【0091】
ここで、アンケートを作成してから遠隔制御指示までの間に、呼び号機の制御内容が変更されている可能性がある。そこで、ステップS608において、遠隔制御システム110は、呼び号機のエレベーター情報313Aから制御内容を設定可能であるか否かを確認し、設定可能な制御内容を実行するための遠隔制御指令を制御装置120に送信する。
【0092】
ステップS609では、制御装置120は、遠隔制御指令を受信し、エレベーター130に制御内容を設定する。ここで、制御内容の設定には、全体制御設定(常時の設定)と個別制御設定(利用ごとの設定)とがある。なお、管理者102により、全体制御設定または個別制御設定の何れかが指定されている。
【0093】
全体制御設定では、全ての利用者103に対して、制御内容での運転が行われる。例えば、制御内容が防犯運転である場合、呼び号機に防犯運転が設定され、呼び利用者に限らず、全ての利用者103に対して防犯運転が行われる。つまり、防犯運転のニーズが大きい場合は、男性に対しても、高齢者に対しても防犯運転を行うことができる。
【0094】
個別制御設定では、呼び利用者、または、呼び利用者と属性および/または利用履歴が近い利用者103によりエレベーター130の呼び登録が行われた際、呼び号機に制御内容が設定される。例えば、制御内容が防犯運転である場合、呼び利用者または女性かつ夜間利用をしている利用者103によりエレベーター130の呼び登録が行われた際、呼び号機に防犯運転が設定され、呼び号機が呼び出されて防犯運転が行われる。
【0095】
なお、例えば、複数台の号機が現地に設けられている場合、利用者端末150でエレベーター130の呼び登録が行われた場合、アンケートの回答で希望した制御内容が設定されている号機を優先して呼び出す構成であってもよい。
【0096】
ステップS610では、制御装置120は、呼び号機に制御内容を設定した結果(制御結果)を遠隔制御システム110に送信する。
【0097】
ステップS611では、遠隔制御システム110は、エレベーター情報313Aに制御結果を記憶する。
【0098】
ステップS612では、遠隔制御システム110は、エレベーター情報313Aとアンケート実施情報313Dとからアンケートの結果に基づく制御結果を示す情報を、SNSサーバ160を介して利用者端末150に送信する。
【0099】
ステップS613では、利用者端末150は、制御結果を示す制御結果画面を表示する。制御結果画面については、図9を用いて説明する。
【0100】
図7は、アンケート画面の一例(アンケート画面700)を示す図である。アンケート画面700は、利用者端末150において表示される。
【0101】
アンケート画面700-1は、アンケートの対象が1つであるときの画面の例である。アンケート画面700-2は、アンケートの対象が複数(本例では、2つ)であるときの画面の例である。
【0102】
アンケート画面700は、表示領域701と、選択リスト702と、送信ボタン703と、キャンセルボタン704とを含んで構成される。表示領域701には、アンケートの内容が表示される。選択リスト702には、アンケートの回答が選択可能に表示される。送信ボタン703は、アンケートの内容に対する回答(選択リスト702において選択されているアンケートの回答)を遠隔制御システム110に送信するためのボタンである。キャンセルボタン704は、アンケートをキャンセルするためのボタンである。
【0103】
利用者103は、表示領域701に表示されたアンケートの内容を見て選択リスト702からアンケートの回答を選択し、送信ボタン703を押下する。
【0104】
図8は、アンケート結果画面の一例(アンケート結果画面800)を示す図である。アンケート結果画面800は、管理者端末140において表示される。
【0105】
アンケート結果画面800は、表示領域801,802と、実行ボタン803と、キャンセルボタン804とを含んで構成される。表示領域801には、アンケートの回答に対する制御内容が表示される。表示領域802には、アンケートの結果が表示される。実行ボタン803は、表示領域801に表示されている制御内容を実行するためのボタンである。キャンセルボタン804は、エレベーター130に対する設定をキャンセルするためのボタンである。
【0106】
なお、アンケート結果画面800には、エレ号機403の情報、ビル名称405の情報等が表示されてもよい。
【0107】
管理者102は、表示領域801に表示されている制御内容と表示領域802に表示されているアンケートの結果を見て制御内容を実行するかどうかを判断し、実行する場合は、実行ボタン803を押下し、実行しない場合は、キャンセルボタン804を押下する。
【0108】
図9は、制御結果画面の一例(制御結果画面900)を示す図である。制御結果画面900は、アンケートに回答した利用者103の利用者端末150において表示される。
【0109】
制御結果画面900は、表示領域901,902を含んで構成される。表示領域901は、エレベーター130に設定された制御内容を表示する。表示領域902は、利用者103によるアンケートの回答を表示する。
【0110】
なお、制御結果画面900には、エレ号機403の情報、ビル名称405の情報等が表示されてもよい。
【0111】
表示領域901に制御内容を表示し、表示領域902にアンケートの回答を表示することで、利用者103の満足度の向上を図っている。
【0112】
本実施の形態によれば、管理者に対して、どのような属性の利用者が、どのような時間帯に、どのような制御内容が有効であるかを提示することができるので、管理者は、利用者の希望を踏まえて施設を運用することで、利用者の満足度を向上することができる。
【0113】
(2)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0114】
上述の実施の形態においては、本発明を呼び登録アンケートシステムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0115】
また、上述の実施の形態においては、ステップS602では、遠隔制御システム110は、アンケート実施情報313Dに記憶されたアンケートの内容を示す情報を、SNSサーバ160を介して利用者端末150に送信する場合について述べたが、本発明はこれに限らない。例えば、遠隔制御システム110は、アンケート実施情報313Dに記憶されたアンケートの内容を示す情報(例えば、アンケート画面情報)を生成してSNSサーバ160を介することなく利用者端末150に送信するようにしてもよい。
【0116】
また、上述の実施の形態においては、ステップS603では、利用者端末150は、利用者103よりアンケートの回答を受け付け、受け付けたアンケートの回答を、SNSサーバ160を介して遠隔制御システム110に送信する場合について述べたが、本発明はこれに限らない。利用者端末150は、利用者103よりアンケートの回答を受け付け、受け付けたアンケートの回答を、SNSサーバ160を介することなく遠隔制御システム110に送信するようにしてもよい。
【0117】
また、上述の実施の形態においては、ステップS612では、遠隔制御システム110は、アンケートの結果に基づく制御結果を示す情報を、SNSサーバ160を介して利用者端末150に送信する場合について述べたが、本発明はこれに限らない。遠隔制御システム110は、アンケートの結果に基づく制御結果を示す情報(例えば、制御結果画面情報)を生成してSNSサーバ160を介することなく利用者端末150に送信するようにしてもよい。
【0118】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0119】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、受け付ける情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0120】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、提示する情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0121】
また、上述の実施の形態において、情報の出力は、ディスプレイへの表示に限るものではない。情報の出力は、スピーカによる音声出力であってもよいし、ファイルへの出力であってもよいし、印刷装置による紙媒体等への印刷であってもよいし、プロジェクタによるスクリーン等への投影であってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0122】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、データ等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0123】
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を有する。
【0124】
エレベーター(例えば、エレベーター130)の呼び登録と対応付けられている利用者の利用者情報(例えば、利用者情報313B)を記憶する記憶部(例えば、保持部313、記憶部202-1、記憶部202-6、遠隔制御システム110、遠隔制御システム110と通信可能な記憶装置)を備える呼び登録アンケートシステム(例えば、呼び登録アンケートシステム100)は、利用者端末(例えば、利用者端末150)からのエレベーターの呼び登録をもとに、アンケートを作成する作成部(例えば、作成部315、遠隔制御システム110、回路)と、上記作成部により作成されたアンケートを上記利用者端末に送信し、上記利用者端末からの上記アンケートに対する回答を受信する通信部(例えば、通信部311、遠隔制御システム110、回路)と、上記アンケートに対する回答を出力する出力部(例えば、出力部317、遠隔制御システム110、回路)と、を備える。
【0125】
上記作成部により作成されるアンケートの内容は、エレベーターの運用に関する内容であってもよいし、施設に設けられている監視カメラで撮影可能な範囲を対象とした内容であってもよい。上記アンケートの回答の出力は、管理者端末への表示であってもよいし、紙媒体への印刷であってもよいし、その他の出力であってもよい。出力されるアンケートの回答については、集計されていてもよいし、集計されていなくてもよい。例えば、出力したアンケートの回答を把握した管理者による指示に応じて、エレベーター、監視カメラ等の制御が自動または手動で行われてもよい。
【0126】
上記通信部は、直接的に(例えば、SNSサーバ160を介することなく)または間接的に(例えば、SNSサーバ160を介して)、利用者端末と通信を行う。
【0127】
上記構成では、アンケートの回答が出力されるので、例えば、管理者は、アンケート結果を踏まえて、多くの利用者が希望する内容で施設を運用でき、利用者全体としての満足度を向上することができる。
【0128】
上記作成部は、利用者端末(例えば、利用者端末150)からのエレベーターの呼び登録をもとに、上記利用者端末の利用者の利用者情報と、上記エレベーターを含む施設に係るアンケートの内容を特定するためのアンケート作成情報(例えば、アンケート作成情報313C)とから、上記利用者端末の利用者の属性(例えば、年齢、ベビーカー等利用、性別のうちの少なくとも1つ)に応じたアンケートを作成してもよい。この場合、上記通信部は、上記エレベーターの呼び登録を行った利用者端末の利用者の属性に応じて上記作成部により作成されたアンケートを上記利用者端末に送信し、上記利用者端末からの上記アンケートに対する回答を受信する。なお、呼び登録アンケートシステムは、上記通信部により受信されたアンケートに対する回答を保持する保持部(例えば、保持部313、遠隔制御システム110、回路)を備える。
【0129】
上記構成では、エレベーターの呼び登録をもとに利用者の属性に応じたアンケートが作成されるので、例えば、施設の管理者は、施設に関して確認したい内容に合う利用者に絞ってアンケートを行うことができ、当該利用者の満足度を向上することができる。
【0130】
上記呼び登録アンケートシステムは、上記アンケートに対するアンケート結果として、上記エレベーターの呼び登録があった利用者端末からの上記アンケートに対する回答を集計する集計部(例えば、集計部316、遠隔制御システム110、回路)と、上記アンケート結果に基づいて所定の制御を行うように、上記エレベーターに係る装置(例えば、制御装置120、監視カメラ)に対して指示する指示部(例えば、指示部319、遠隔制御システム110、回路)と、を備える。
【0131】
例えば、指示部は、集計した結果が予め定められた値を超える場合、より具体的には、予め定められた期間および/または予め定められた人数に対するアンケートの回答において、所定の制御を希望する回答が80%を超えた場合は、エレベーターの防犯運転を行ってもよいし、エレベーターの温度調節を行ってもよいし、監視カメラの記録時間延長を行ってもよい。
【0132】
上記構成によれば、集計した結果に基づいてエレベーターに係る装置が制御されるので、利用者全体としての満足度を向上することができる。
【0133】
上記作成部により作成されるアンケートには、上記エレベーターの制御内容(例えば、エアコン設定、FAN設定、ドア開時間延長、防犯運転、各階停止運転)について問い合わせる質問が含まれ(図7参照)、上記呼び登録アンケートシステムは、上記エレベーターの制御内容についてのアンケート結果に対して、上記制御内容を上記エレベーターに設定することを上記エレベーターの管理者の管理者端末(例えば、管理者端末140)から受け付ける入力部(例えば、入力部318、遠隔制御システム110、回路)を備え、上記指示部は、上記エレベーターを制御する制御装置(例えば、制御装置120)に対して、上記制御内容を上記エレベーターに設定するように指示する。
【0134】
上記呼び登録アンケートシステムは、上記エレベーターに設定されている制御内容を含むエレベーター情報(例えば、エレベーター情報313A)を記憶する記憶部(当該記憶部は、アンケート作成情報を記憶する記憶部と同じであってもよいし、異なっていてもよい。)と、上記エレベーター情報をもとに、上記入力部が受け付けた上記制御内容が上記エレベーターに設定可能であるか否かを判定する判定部(例えば、判定部314、遠隔制御システム110、回路)とを備えてもよい。
【0135】
上記構成では、アンケート結果を踏まえた管理者の指示に基づいてエレベーターの制御内容が設定されるので、例えば、管理者は、多くの利用者が希望する制御内容でエレベーターを容易に運用することができる。
【0136】
上記集計部は、予め定められた期間内に上記エレベーターの呼び登録があった利用者端末からの上記アンケートに対する回答から上記アンケート結果を算出する。
【0137】
上記構成によれば、予め定められた期間外のアンケートの回答が集計に反映されないので、例えば、現在は、夏であるのに、冬に行われたアンケートの回答が用いられてしまう事態を回避でき、より適切にエレベーターを制御できるようになる。
【0138】
上記エレベーターの制御内容について問い合わせる質問には、上記エレベーターの防犯運転に係る質問(例えば、防犯運転の希望を問う質問)が含まれ(例えば、図7参照)、上記入力部は、上記エレベーターの防犯運転を行う制御内容についてのアンケート結果に対して、上記エレベーターの防犯運転を行う制御内容を上記エレベーターに設定することを上記管理者端末から受け付け(例えば、図8参照)、上記指示部は、上記制御装置に対して、上記エレベーターが防犯運転を行う制御内容を上記エレベーターに設定するように指示する(例えば、図6参照)。
【0139】
上記構成では、エレベーターの防犯運転についてのアンケートが行われるので、例えば、管理者は、アンケートの結果に基づいて、エレベーターの防犯運転を実施することができる。
【0140】
上記エレベーターの制御内容について問い合わせる質問には、上記エレベーターの温度調節に係る質問(例えば、温度調節の希望を問う質問)が含まれ(例えば、図7参照)、上記入力部は、上記エレベーターの温度調節を行う制御内容についてのアンケート結果に対して、上記エレベーターの温度調節を行う制御内容を上記エレベーターに設定することを上記管理者端末から受け付け、上記指示部は、上記制御装置に対して、上記エレベーターが温度調節を行う制御内容を上記エレベーターに設定するように指示する(例えば、図6参照)。
【0141】
上記温度調節は、エレベーターに設けられているエアコンの調節と、エレベーターに設けられているFANの調節との少なくとも1つにより行われる。例えば、質問「エレベーター内は暑いですか?」に対する回答が「厚い」である場合、エレベーターにエアコンおよびFANが設けられているときは、エアコンをオン(稼働)またはエアコンの設定温度を所定の値だけ下げ、FANをオン(稼働)またはFANの風量を所定の値だけ上げるように、エレベーターに設定が行われる。
【0142】
上記構成では、エレベーターの温度調節についてのアンケートが行われるので、例えば、管理者は、アンケートの結果に基づいて、エレベーターの温度調節を実施することができる。
【0143】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0144】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。
【符号の説明】
【0145】
100……呼び登録アンケートシステム、311……通信部、315……作成部、317……出力部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9