IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 西部電機株式会社の特許一覧

特許7478103負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備
<>
  • 特許-負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備 図1
  • 特許-負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備 図2
  • 特許-負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備 図3
  • 特許-負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備 図4
  • 特許-負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備 図5
  • 特許-負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備
(51)【国際特許分類】
   E02B 7/20 20060101AFI20240424BHJP
   E02B 7/36 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
E02B7/20 108
E02B7/36
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021001544
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106504
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2023-10-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】北島 主計
(72)【発明者】
【氏名】横山 斉昭
【審査官】佐久間 友梨
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-134878(JP,A)
【文献】実開平02-055693(JP,U)
【文献】国際公開第2007/144456(WO,A1)
【文献】特開2010-024711(JP,A)
【文献】実開昭55-136828(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 7/20-7/54
8/02-8/04
B66B 5/00-5/28
B66C 13/00-15/06
G01B 5/00-5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状部材の巻き上げによって門体を上昇させる門開閉設備に設けられ、該線状部材の緩み及び過負荷の少なくとも一方を検出する負荷検出装置において、
前記線状部材の一端部に連結された棒材が貫通した第1の貫通孔を有するベース台と、
前記棒材が非貫通な状態で前記ベース台上に配されたばね部材と、
前記棒材が貫通した第2の貫通孔を有し、前記ばね部材から上向きの弾性力を与えられた状態で、前記棒材と共に昇降する可動体とを備え、
前記ベース台は、連結されて前記第1の貫通孔を形成する分割可能な複数のベース片を有し、前記可動体は、連結されて前記第2の貫通孔を形成する分割可能な複数の可動片を有することを特徴とする負荷検出装置。
【請求項2】
請求項1記載の負荷検出装置において、前記複数のベース片の少なくとも1つには、前記可動体の昇降を案内する棒状のガイド部材が立設されていることを特徴とする負荷検出装置。
【請求項3】
請求項2記載の負荷検出装置において、前記ばね部材及び前記ガイド部材は、それぞれ複数あって、複数の前記ばね部材は、それぞれ皿ばね又はコイルばねであり、複数の前記ガイド部材にそれぞれ装着されていることを特徴とする負荷検出装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の負荷検出装置において、前記棒材が貫通した第3の貫通孔を有し、前記ベース台の下部に固定された凸体と、前記棒材が貫通した第4の貫通孔が設けられ、前記凸体に対応する凹部を有して該凸体を回動自在に支持する受座とを、更に備え、前記凸体は、連結されて前記第3の貫通孔を形成する分割可能な複数の凸片を有し、前記受座は、連結されて前記第4の貫通孔を形成する分割可能な複数の受片を有することを特徴とする負荷検出装置。
【請求項5】
駆動手段と、前記駆動手段の作動により巻き上げられて門体を上昇させる線状部材と、前記線状部材の緩み及び過負荷の少なくとも一方を検出する負荷検出装置とを具備する門開閉設備において、
前記負荷検出装置は、
前記線状部材の一端部に連結された棒材が貫通した第1の貫通孔を有するベース台と、
前記棒材が非貫通な状態で前記ベース台上に配されたばね部材と、
前記棒材が貫通した第2の貫通孔を有し、前記ばね部材から上向きの弾性力を与えられた状態で、前記棒材と共に昇降する可動体とを備え、
前記ベース台は、連結されて前記第1の貫通孔を形成する分割可能な複数のベース片を有し、前記可動体は、連結されて前記第2の貫通孔を形成する分割可能な複数の可動片を有することを特徴とする門開閉設備。
【請求項6】
請求項5記載の門開閉設備において、前記複数のベース片の少なくとも1つには、前記可動体の昇降を案内する棒状のガイド部材が立設されていることを特徴とする門開閉設備。
【請求項7】
請求項6記載の門開閉設備において、前記ばね部材及び前記ガイド部材は、それぞれ複数あって、複数の前記ばね部材は、それぞれ皿ばね又はコイルばねであり、複数の前記ガイド部材にそれぞれ装着されていることを特徴とする門開閉設備。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載の門開閉設備において、前記棒材が貫通した第3の貫通孔を有し、前記ベース台の下部に固定された凸体と、前記棒材が貫通した第4の貫通孔が設けられ、前記凸体に対応する凹部を有して該凸体を回動自在に支持する受座とを、更に備え、前記凸体は、連結されて前記第3の貫通孔を形成する分割可能な複数の凸片を有し、前記受座は、連結されて前記第4の貫通孔を形成する分割可能な複数の受片を有することを特徴とする門開閉設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き上げられて門体を上昇させる線状部材の緩み及び過負荷の少なくとも一方を検出する負荷検出装置及びそれを具備する門開閉設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤやチェーン等の線状部材で門体を吊り上げる門開閉設備は、線状部材の巻き上げによって門体を上昇させ、線状部材の巻き下げによって門体を下降させる。門体が上昇中又は下降中に、門体の移動を阻害する異常(例えば、移動中の門体への障害物の接触)が発生すると、線状部材に緩みや過負荷が生じる。そのため、門開閉設備によっては、線状部材の緩みや過負荷の検出が求められる。
【0003】
線状部材の緩みや過負荷の検出には、線状部材の巻き上げ及び送り出し(巻き下げ)の動力を発生させる機構又はその動力を伝達する機構に特許文献1に開示されているような負荷検出部(特許文献1では過負荷検出装置)を設ける方法や、これらの機構とは別に、特許文献1に開示されているような独立した負荷検出装置(特許文献1では、ロープ緩み検出装置)を利用する方法がある。
【0004】
従来の負荷検出装置は、図6に示すように、線状部材の一端部に連結された棒材100が貫通した円筒体101と、棒材100に装着された状態で円筒体101内に収められたばね部材102を備えている。円筒体101の上端部には円環状のドグ103が固定され、円筒体101の下方には円環状の板材からなるベース台104が設けられ、円筒体101と同様に、ドグ103及びベース台104には、棒材100が貫通している。
【0005】
門体が下降中、門体の下降を阻害する障害物等により線状部材に緩みが生じると、ドグ103に対するばね材102の付勢力により、ドグ103及び円筒体101が棒材100と共に上昇する。ドグ103に接しているリミットスイッチ105は、設定された距離以上、ドグ103が円筒体101と共に上昇すると、外部の制御部に信号を送信し、外部の制御部は門体の下降を停止させる等、予め定められた処理を行う。なお、棒材100には、ドグ103に対して棒材100の負荷を与えるナット106、107が締結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実用新案登録第3096588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の負荷検出装置は、既設の門開閉設備に負荷検出装置を新規に取り付ける場合、線状部材に連結された棒材100が落下しないように棒材100のベース台104より下方の領域を支持した状態で、負荷検出装置を取り付ける必要があった。また、負荷検出装置を取り替える際、棒材100のベース台104より下方の領域を支持した状態で、ナット106、107、ドグ103、円筒体101、ベース台104及びばね材102等の棒材100からの取り外しと、新たな負荷検出装置の取り付けを行う必要があった。
【0008】
ここで、棒材100には門体や線状部材等の加重が掛かっていることや、棒材100のベース台104より下方の領域を支持した状態にするための作業スペースが確保されていないことから、既設の門開閉設備への負荷検出装置の新規の取り付け工事、及び、負荷検出装置の取り替え工事は、作業者にとって負担が大きく、工事期間の長期化を招いていた。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、棒材に対する取り付け取り外しが容易な負荷検出装置及びそれを具備する門開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的に沿う第1の発明に係る負荷検出装置は、線状部材の巻き上げによって門体を上昇させる門開閉設備に設けられ、該線状部材の緩み及び過負荷の少なくとも一方を検出する負荷検出装置において、前記線状部材の一端部に連結された棒材が貫通した第1の貫通孔を有するベース台と、前記棒材が非貫通な状態で前記ベース台上に配されたばね部材と、前記棒材が貫通した第2の貫通孔を有し、前記ばね部材から上向きの弾性力を与えられた状態で、前記棒材と共に昇降する可動体とを備え、前記ベース台は、連結されて前記第1の貫通孔を形成する分割可能な複数のベース片を有し、前記可動体は、連結されて前記第2の貫通孔を形成する分割可能な複数の可動片を有する。
【0011】
前記目的に沿う第2の発明に係る門開閉装置は、駆動手段と、前記駆動手段の作動により巻き上げられて門体を上昇させる線状部材と、前記線状部材の緩み及び過負荷の少なくとも一方を検出する負荷検出装置とを具備する門開閉設備において、前記負荷検出装置は、前記線状部材の一端部に連結された棒材が貫通した第1の貫通孔を有するベース台と、前記棒材が非貫通な状態で前記ベース台上に配されたばね部材と、前記棒材が貫通した第2の貫通孔を有し、前記ばね部材から上向きの弾性力を与えられた状態で、前記棒材と共に昇降する可動体とを備え、前記ベース台は、連結されて前記第1の貫通孔を形成する分割可能な複数のベース片を有し、前記可動体は、連結されて前記第2の貫通孔を形成する分割可能な複数の可動片を有する。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明に係る負荷検出装置及び第2の発明に係る門開閉装置は、線状部材の一端部に連結された棒材が貫通した第1の貫通孔を有するベース台が、連結されて第1の貫通孔を形成する分割可能な複数のベース片を有し、棒材が貫通した第2の貫通孔を有して棒材と共に昇降する可動体が、連結されて第2の貫通孔を形成する分割可能な複数の可動片を有するので、棒材のベース台に対応する領域より上方(即ち、棒材のベース台より下方の領域でなく)を支持した状態で複数のベース片の連結及び複数の可動片の連結によって、棒材が貫通したベース台及び可動体を形成でき、棒材への取り付けが容易である。また、連結された複数のベース片及び連結された複数の可動片をそれぞれ分割することによって、棒材からベース台及び可動体を容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施の形態に係る負荷検出装置を具備する門開閉装置の説明図である。
図2】同負荷検出装置の縦断面図である。
図3】同負荷検出装置の正面図である。
図4】(A)は同負荷検出装置の平面図であり、(B)は天板を構成する可動片の説明図である。
図5】(A)、(B)は、ベース台を構成するベース片及びばね収容部材を構成する可動片の説明図である。
図6】従来の負荷検出装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る負荷検出装置10は、線状部材Wの巻き上げによって門体Gを上昇させる門開閉設備80に設けられ、線状部材Wの緩み及び過負荷の少なくとも一方を検出する装置である。以下、詳細に説明する。
【0015】
負荷検出装置10を具備する門開閉設備80は、図1に示すように、駆動手段の一例である駆動ユニット15と、駆動ユニット15を中心に距離を有して左右に配置され、駆動ユニット15からそれぞれ軸材13、14経由で駆動力が与えられる従動ユニット11、12を有している。従動ユニット11は、負荷検出装置10に加えて、線状部材Wが巻き付けられたドラム16と、回転自在に設けられたシーブ17を備えている。ドラム16及びシーブ17は負荷検出装置10の近傍に配されている。
【0016】
従動ユニット11の下方には、門体Gの上部左側でシーブ支持体18によって回転自在に支持されたシーブ19が設けられている。門開閉設備80が備える線状部材Wは、ドラム16から送り出された領域が、シーブ17、19等に掛け渡され、負荷検出装置10の直下に配された線状部材Wの一端部に、図2図3に示す、略鉛直に配された棒材20の下端部が連結されている。
【0017】
ドラム16は、駆動ユニット15の作動によって、線状部材Wを送り出す方向、あるいは、線状部材Wを巻き上げる方向に回転する。門体Gは、線状部材Wがドラム16から送り出されることにより下降し、線状部材Wがドラム16に巻き取られることにより上昇する。従って、門開閉設備80は、駆動ユニット15と、駆動ユニット15の作動により巻き上げられて門体Gを上昇させる線状部材Wと、負荷検出装置10を具備していることとなる。
【0018】
従動ユニット12は従動ユニット11を左右反転させた設計であることから、従動ユニット12に関連した構成については、従動ユニット11に関連したものと同様の構成に同じ符号を付して、詳しい説明を省略する。なお、本実施の形態では、線状部材Wがワイヤであるが、これに限定されない。線状部材Wは、例えば、チェーンであってもよいし、ワイヤとチェーンを組み合わせたものであってもよい。
【0019】
負荷検出装置10は、図2図3に示すように、板状の支持部材21に固定された受座22と、受座22に載せられた凸体23と、下部に凸体23が固定された板状のベース台24と、ベース台24上に配された複数(本実施の形態では4つ)のばね部材25と、各ばね部材25から上向きの弾性力を与えられる可動体26を備えている。
【0020】
凸体23は、ベース台24に固定された板状部27、及び、板状部27の下側に設けられて下方に突出する球欠部28を具備している。受座22は、球欠部28の表面に密着可能な形状の(即ち、凸体23に対応して下方に凹んだ)凹部29を有して、凸体23を回動自在に支持する。凸体23は、図2に示すように、中央に棒材20が貫通した第3の貫通孔23aを有し、受座22の中央には、棒材20が貫通した第4の貫通孔22aが設けられている。なお、棒材20は支持部材21も貫通している。
【0021】
ベース台24は、図2図3図4(A)に示すように、平面視して矩形状であり、棒材20が貫通した第1の貫通孔30、及び、第1の貫通孔30の周囲に設けられたM個の貫通孔31を有している。但し、Mは2以上の自然数であり、本実施の形態ではM=4である。
M個の貫通孔31には、図2に示すように、鉛直に配された棒状のガイド部材32の下端部がそれぞれ嵌入され固定され、ベース台24に立設した状態で固定された各ガイド部材32には、ばね部材25が装着されている。
【0022】
よって、ガイド部材32及びばね部材25はそれぞれ4個(M個)ずつ存する。本実施の形態では、各ばね部材25が皿ばねであるが、ばね部材25は皿ばねに限定されず、例えば、ばね部材25として、コイルばねや、コイルばね及び皿ばねを組み合わせたものを採用することも可能である。
【0023】
可動体26は、図2図3図4(A)に示すように、M個のばね部材25を覆って各ばね部材25の大半を収容するばね収容部材33、及び、ばね収容部材33の上部に螺子34で固定された天板35を具備している。本実施の形態では、ばね収容部材33及び天板35が平面視して正方形状であるが、他の形状のばね収容部材及び天板を採用可能であることは言うまでもない。
【0024】
ばね収容部材33の中央及び天板35の中央には、図2に示すように、それぞれ棒材20が貫通する貫通孔36、37が形成されている。本実施の形態では、貫通孔36、37によって、棒材20が貫通した第2の貫通孔38が構成されている。各ガイド部材32及びガイド部材32が貫通している各ばね部材25は、第2の貫通孔38の周囲に配置されている。即ち、各ばね部材25は、棒材20が非貫通な状態でベース台24上に配されている。
【0025】
ベース台24の上方に配されたばね収容部材33には、M個のガイド部材32の上端部がそれぞれ挿通するM個の貫通孔39が形成されている。ばね収容部材33は、ばね部材25から上向きの弾性力を与えられた状態であり、M個のガイド部材32に案内されて棒材20に沿って昇降することができる。即ち、複数のガイド部材32は可動体26の昇降を案内する。
【0026】
棒材20は、上端部が可動体26から上方に突出し、支持部材21、受座22、凸体23、ベース台24及び可動体26を貫通する領域及び可動体26から上方に突出した領域が、雄螺子構造となっている。棒材20の可動体26から上方に突出した領域には、天板35に接触するナット41及びナット41に密着してナット41と共にダブルナットを構成するナット42が締結されている。
【0027】
ベース台24には、図2図3図4(A)に示すように、天板35に接触したリミットスイッチ43が支持台40を介して取り付けられている。
可動体26は、ナット41、42を介して与えられる門体G、線状部材W及び棒材20等の負荷が所定値以上の大きさであると、ばね収容部材33がベース台24から所定の距離を有する許容高さ位置又は許容高さ位置より低い位置に配された状態となる。一方、その負荷が所定値未満の大きさになると、許容高さ位置又は許容高さ位置より低い位置に配されていた状態の可動体26は、ばね部材25から与えられている上向きの弾性力により、棒材20及びナット41、42と共に上昇して、ばね収容部材33が許容高さ位置より上方に移動する。
【0028】
リミットスイッチ43は、接触している天板35(可動体26)が許容高さ位置より高い位置に配されたのを検知すると、外部の制御部に対し信号を送信して、線状部材Wに緩みが生じていることを制御部に伝える。
そして、ナット41、42を介して可動体26に与えられている負荷が、再び、所定値以上の状態になると、可動体26は棒材20及びナット41、42と共に下降して、ばね収容部材33は許容高さ位置以下の高さ位置に戻る。よって、可動体26は、ばね部材25から上向きの弾性力を与えられた状態で、棒材20と共に昇降する。
【0029】
本実施の形態では、負荷検出装置10が、線状部材Wの緩みのみを検出するように設計されているが、線状部材Wの過負荷を検出するようにする場合、リミットスイッチが、可動体の許容高さ位置からの所定以上の下降を検知した際に、外部の制御部に対して信号を送信できるように、ばね部材の選定等をすればよい。
【0030】
なお、負荷検出装置は、各種部材の調整によって、線状部材Wの緩み及び過負荷のいずれか一方のみを検出するようにすることも、線状部材Wの緩み及び過負荷の双方を検出するようにすることもできる。また、ベース台24には、図3に示すように、ベース台24に対する可動体26の上昇を制限して各ばね部材25を収縮した状態とするボルト44の下端部が固定されている。
【0031】
ここで、ベース台24は、図3図5(A)、(B)に示すように、分割可能な複数のベース片46、47を有し、可動体26は、図3図4(B)、図5(A)、(B)に示すように、分割可能な複数の可動片48、49、50、51を有している。
【0032】
ベース片46は、図2図5(A)、(B)に示すように、ベース台24の中央から左側を構成する板材であり、ベース片46には、リミットスイッチ43が支持台40を介して取り付けられ、半円状の切欠き53が設けられている。ベース片46の右側に配されるベース片47は、ベース台24の右側を構成する板材であり、ベース片47には、半円状の切欠き54が設けられている。各ベース片46、47にはそれぞれ、2個(=M/2個)のガイド部材32が前後に立設されている。
【0033】
可動片48は、ばね収容部材33の左側半分からなるもので、ベース片46上に設けられ、ベース片46に固定された2個のガイド部材32を覆っている。可動片49は、ばね収容部材33の右側半分からなるもので、ベース片47上に設けられ、ベース片47に固定された2個のガイド部材32を覆っている。可動片48には、図5(A)、(B)に示すように、平面視して半円状の切欠き55が形成され、可動片49にも平面視して半円状の切欠き56が形成されている。
【0034】
可動片48、49は、図3図4(A)に示すように、前後にそれぞれ配された2つの螺子57による固定によって連結されてばね収容部材33となり、可動片48、49が連結されて、図2図5(A)、(B)に示すように、切欠き55、56が合体した貫通孔36を形成する。
ベース片46、47は、図3図4(A)に示すように、可動片48、49の固定によって連結されてベース台24となり、ベース片46、47が連結されて、図2図5(A)、(B)に示すように、切欠き53、54が合体した第1の貫通孔30を形成する。
【0035】
可動片50は、図3図4(A)、(B)に示すように、天板35の前側半分からなる板材であり、ばね収容部材33の上部前側に螺子34により固定される。可動片51は、天板35の後側半分からなる板材であり、ばね収容部材33の上部後側に螺子34により固定される。可動片50、51には、図4(B)に示すように、半円状の切欠き58、59がそれぞれ設けられている。可動片50、51は、ばね収容部材33への固定(可動片48、49への連結)により連結されて天板35となり、図2図4(B)に示すように、切欠き58、59が合体した貫通孔37を形成する。
従って、可動片48、49、50、51が連結されて、貫通孔36、37からなる第2の貫通孔38が形成される。
【0036】
このように、本実施の形態では、ベース片46、47の連結及び可動片48、49、50、51の連結により、棒材20が貫通する第1、第2の貫通孔30、38を形成可能である。そのため、支持部材21、受座22及び凸体23を貫通して上端部が凸体23から上方に突出した状態で棒材20を固定すれば、ベース片46、47の連結及び可動片48、49、50、51の連結を行うことによって、棒材20が貫通した可動体26及びベース台24を組み立てることができる。
【0037】
また、本実施の形態では、受座22及び凸体23が共に分割式ではないが、受座22及び凸体23を貫通した状態の棒材20に対し、可動体26及びベース台24を新規に取り付ける場合は、棒材20を受座22の第4の貫通孔22a及び凸体23の第3の貫通孔23aに通す作業が不要である。
これに対し、受座22及び凸体23も新規に設置する必要がある場合は、棒材20の支持部材21より下方の領域を支持した状態にして、棒材20を受座22の第4の貫通孔22a及び凸体23の第3の貫通孔23aに通さねばならず、作業者の負担が大きくなる。
【0038】
この点、受座22の代わりに、連結されて棒材20が貫通する第4の貫通孔を形成する分割可能な複数の受片を有する受座を採用し、凸体23の代わりに、連結されて棒材20が貫通する第3の貫通孔を形成する分割可能な複数の凸片を有する凸体を採用すれば、支持部材21を貫通して上端部が支持部材21から上方に突出した棒材20の支持部材21より上側の領域を支持して固定した棒材20に対し、複数の受片の連結及び複数の凸片の連結を行うことによって、棒材20に貫通された受座及び凸体を組み立てることが可能である。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、ばね部材は、皿ばね又はコイルばねに限定されず、例えば、板ばねであってもよい。
ベース台は3つ以上のベース片を有していてもよく、第1の貫通孔を構成する切欠きは一部のベース片のみに設けられていてもよい。この点、可動体についても同様であり、可動体は3つ以上の可動片を有していてもよく、第2の貫通孔を構成する切欠きは一部の可動片のみに設けられていてもよい。
【0040】
また、可動片を棒材に案内されて昇降するように設計すれば、可動体の昇降を案内するガイド部材は設けなくてもよい。ガイド部材を設ける場合、ガイド部材は1つでもよく、ガイド部材にばね部材を装着する必要もない。但し、ガイド部材にばね部材を装着しない場合、ガイド部材とは別の部材によってばね部材を位置決めする必要がある。
更に、全てのベース片にガイド部材を固定する必要はなく、複数のベース片のうち少なくとも1つにガイド部材を固定すればよい。
【符号の説明】
【0041】
10:負荷検出装置、11、12:従動ユニット、13、14:軸材、15:駆動ユニット、16:ドラム、17:シーブ、18:シーブ支持体、19:シーブ、20:棒材、21:支持部材、22:受座、22a:第4の貫通孔、23:凸体、23a:第3の貫通孔、24:ベース台、25:ばね部材、26:可動体、27:板状部、28:球欠部、29:凹部、30:第1の貫通孔、31:貫通孔、32:ガイド部材、33:ばね収容部材、34:螺子、35:天板、36、37:貫通孔、38:第2の貫通孔、39:貫通孔、40:支持台、41、42:ナット、43:リミットスイッチ、44:ボルト、46、47:ベース片、48、49、50、51:可動片、53、54、55、56:切欠き、57:螺子、58、59:切欠き、80:門開閉設備、G:門体、W:線状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6