(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】発光装置、及びこれを含む光照射器
(51)【国際特許分類】
H01L 33/58 20100101AFI20240424BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240424BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L33/00 L
(21)【出願番号】P 2021506474
(86)(22)【出願日】2019-08-06
(86)【国際出願番号】 KR2019009763
(87)【国際公開番号】W WO2020032520
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】10-2018-0091142
(32)【優先日】2018-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ギヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュン ヨン
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-011257(JP,A)
【文献】特表2009-534799(JP,A)
【文献】特開2010-010682(JP,A)
【文献】特開2006-073691(JP,A)
【文献】特開2014-240855(JP,A)
【文献】中国実用新案第202712179(CN,U)
【文献】国際公開第2017/164672(WO,A1)
【文献】特開2007-142413(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1638134(KR,B1)
【文献】特開2017-220578(JP,A)
【文献】特開2017-059788(JP,A)
【文献】国際公開第2018/100775(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0054005(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109920903(CN,A)
【文献】特開2007-173787(JP,A)
【文献】特開2001-075508(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194404(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0110102(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に複数個で提供され、行列状に配列された各発光ダイオードと、
前記各発光ダイオード上に提供された凸状のウィンドウであって、ベースと、前記ベースの一面から突出し、平面視において、円状を有するレンズ部と、を含み、前記各発光ダイオードから出射された光の経路を制御する前記ウィンドウと、を含み、
前記ウィンドウは、前記各発光ダイオードから出射された光が90度以下の指向角で集光するように下部直径の70%以下の高さを有し、
前記レンズ部の中心を通過する断面視において、前記レンズ部の中心を前記ベースの上面に投影した点を基準にして、前記レンズ部が前記ベースの上面からの角度によって順次第1領域乃至第m領域(mは3以上の整数)に分けられるとき、第n領域(1<n<m)での勾配変化量は、第n-1領域での勾配変化量及び第n+1領域での勾配変化量より大きく、
前記各発光ダイオードは、前記レンズ部の中心を通過する断面視において、両側の曲率半径が最も小さい地点の間に対応する前記基板
の面上に提供され
、
前記曲率半径が最も小さい地点は、前記第n領域に位置する、発光装置。
【請求項2】
前記
レンズ部の中心を通過する断面視において、
前記レンズ部の中心を前記ベースの上面に投影した点を基準にしたとき、前記レンズ部は
、前記ベースの上面からの角度によって隣接した部分と異なる程度の勾配変化量を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記レンズ部の中心を通過する断面視において、前記レンズ部をなす曲線の曲率半径は、前記ベースの上面から前記レンズ部の最上部方向に沿って減少してから増加する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記レンズ部の中心を通過する断面視において、順次配置された三つの地点の曲率半径を第1
曲率半径、第2曲率半径及び第3曲率半径としたとき、前記第2曲率半径は、前記第1
曲率半径及び
前記第3曲率半径より小さい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記各発光ダイオードは90度以上の指向角を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
互いに隣接した二つの発光ダイオード間の間隔は500μm以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記各発光ダイオードはそれぞれ独立的に駆動する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記各発光ダイオードはバーティカルタイプである、請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記発光装置から出射された光のプロファイルにおいて、バレー値とピーク値との差は10%以下である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記基板と各発光ダイオードとの間に提供された第1パッドと、
前記各発光ダイオードが配置され、光が出射される発光領域の周囲に提供される第2パッドと、をさらに含み、
前記各発光ダイオードは、前記第2パッドとワイヤボンディングされた、請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
前記発光ダイオードは紫外線を出射する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
複数個の発光装置を含み、
各発光装置は、
基板と、
前記基板上に複数個で提供され、行列状に配列された各発光ダイオードと、
前記各発光ダイオード上に提供された凸状のウィンドウであって、ベースと、前記ベースの一面から突出し、平面視において、円状を有するレンズ部と、を含み、前記各発光ダイオードから出射された光の経路を制御する前記ウィンドウと、を含み、
前記ウィンドウは、前記各発光ダイオードから出射された光の指向角が90度以下になるように下部直径の70%以下の高さを有し、
前記レンズ部の中心を通過する断面視において、前記レンズ部の中心を前記ベースの上面に投影した点を基準にして、前記レンズ部が前記ベースの上面からの角度によって順次第1領域乃至第m領域(mは3以上の整数)に分けられるとき、第n領域(1<n<m)での勾配変化量は、第n-1領域での勾配変化量及び第n+1領域での勾配変化量より大きく、
前記各発光ダイオードは、前記レンズ部の中心を通過する断面視において、両側の曲率半径が最も小さい地点の間に対応する前記基板
の面上に提供され
、
前記曲率半径が最も小さい地点は、前記第n領域に位置する、光照射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、及びこれを含む光照射器に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは、電子と正孔の再結合を通じて発生する光を放出する半導体素子の一つである。発光ダイオードは、可視光線、紫外線などの多様な波長帯域の光を出射し、UV硬化器、殺菌器、光源などに利用可能である。特に、紫外線発光ダイオードは、紫外線硬化装置などに多く用いられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一実施形態は、均一な光を出射する発光装置及びこれを採用した光照射器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、基板と、前記基板上に複数個で提供され、行列状に配列された各発光ダイオードと、前記各発光ダイオード上にドーム状に提供され、前記各発光ダイオードから出射された光の経路を制御するウィンドウとを含む。前記ウィンドウは、前記各発光ダイオードから出射された光が90度以下の指向角で集光するように下部直径の70%以下の高さを有する。
【0005】
本発明の一実施形態において、前記ウィンドウは、ベースと、前記ベースの一面から突出し、平面視において、円状を有するレンズ部とを含み、前記ベースの上面に対して垂直であり、前記ベース上の前記円の中心を通過する断面視において、前記レンズ部は、前記円の中心を基準にして前記ベースの上面からの角度によって隣接した部分と異なる程度の勾配変化量を有してもよい。
【0006】
本発明の一実施形態において、前記レンズ部が前記円の中心を基準にして前記ベースの上面からの角度によって順次第1乃至第m領域を有するとき、第n領域(1<n<m)での勾配変化量は、前記第n-1領域での勾配変化量及び第n+1領域での勾配変化量より大きくてもよい。
【0007】
本発明の一実施形態において、前記レンズ部の中心を通過する断面視において、前記レンズ部をなす曲線の曲率半径は、前記ベースの上面から前記レンズ部の最上部方向に沿って減少してから増加してもよい。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記レンズ部の中心を通過する断面視において、順次配置された三つの地点の曲率半径を第1乃至第3曲率半径としたとき、前記第2曲率半径は前記第1及び第2曲率半径より小さくてもよい。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記各発光ダイオードは、前記レンズ部の中心を通過する断面視において、両側の曲率半径が最も小さい地点の間に対応する前記基板面上に提供されてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記各発光ダイオードは、90度以上の指向角を有してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、互いに隣接した二つの各発光ダイオード間の間隔は500μm以下であってもよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記各発光ダイオードは、それぞれ独立的に駆動してもよく、前記各発光ダイオードはバーティカルタイプであってもよい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記発光装置から出射された光のプロファイルにおいて、バレー値とピーク値との差は10%以下であってもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、発光装置は、前記基板と各発光ダイオードとの間に提供された第1パッドと、前記発光領域の周囲に提供される第2パッドとをさらに含んでもよく、前記各発光ダイオードは、前記第2パッドとワイヤボンディングされてもよい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記発光ダイオードは紫外線を出射することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る発光装置は光照射器に採用され得るので、光照射器は複数個の発光装置を含み、各発光装置は、基板と、前記基板上に複数個で提供され、行列状に配列された各発光ダイオードと、前記各発光ダイオード上に提供され、前記各発光ダイオードから出射された光の経路を制御するウィンドウとを含む。ここで、前記ウィンドウは、前記各発光ダイオードから出射された光が90度以下の指向角になるように下部直径の70%以下の高さを有してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態は、信頼性の高い発光装置を提供することができる。
【0018】
また、本発明の一実施形態は、前記発光装置を採用することによって均一な光を出射する光照射器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る発光装置を示した斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る発光ダイオードを概念的に示した断面図である。
【
図6a】本発明の一実施形態に係る発光装置に採用されたウィンドウを示した斜視図である。
【
図7a】既存の発光装置におけるウィンドウである。
【
図7b】当該ウィンドウを採用した発光装置の光プロファイルを示した図である。
【
図8a】本発明の一実施形態に係るウィンドウである。
【
図8b】当該ウィンドウを採用した発光装置の光プロファイルを示した図である。
【
図9a】既存の発光装置におけるウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。
【
図9b】既存の発光装置におけるウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。
【
図9c】既存の発光装置におけるウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。
【
図10a】本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。
【
図10b】本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。
【
図10c】本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。
【
図11a】本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の光プロファイルを示した図であって、
図8aに示したウィンドウの全体的な形状を維持し、頂点での高さを変更した場合を示した図である。
【
図11b】本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の光プロファイルを示した図であって、
図8aに示したウィンドウの全体的な形状を維持し、頂点での高さを変更した場合を示した図である。
【
図11c】本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の光プロファイルを示した図であって、
図8aに示したウィンドウの全体的な形状を維持し、頂点での高さを変更した場合を示した図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る発光装置を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るので、特定の実施形態を図面に例示し、これを本文で詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を含むものと理解しなければならない。
【0021】
以下、添付の各図面を参照して本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光装置を示した斜視図で、
図2は、
図1の発光装置を示した分解斜視図である。
図3は、
図1の発光装置を示した平面図で、
図4は、
図3のI-I’線断面図である。
【0023】
図1乃至
図4を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光装置は、発光装置の全体的な形状をなす基板110と、基板110上に提供され、光を出射する複数個の発光ダイオード120と、前記各発光ダイオード120上に提供され、前記各発光ダイオード120から出射された光の経路を制御するウィンドウ190とを含む。
【0024】
前記各発光ダイオード120には、電気的に接続されたパッド部が提供される。パッド部には、外部の他の素子と電気的に接続するための端子部が接続されてもよい。また、発光装置には、各発光ダイオード120から出た光が透過するウィンドウ190及び静電気防止素子160などの追加的な素子がさらに提供されてもよい。
【0025】
基板110は、その上部に一つ以上の発光ダイオード120を実装するためのものである。
【0026】
基板110には、一つ以上の発光ダイオード120と発光ダイオード120とを、外部電源、外部配線などに接続するための各配線、例えば、パッド部、端子部、及び/又はコネクターなどが提供されてもよい。
【0027】
基板110は多様な形状を有し得る。一例として、基板110は、平面上で見たときに略正方形で、所定の高さを有する板状に提供されてもよい。基板110は、平面上で見たときに矩形状に提供されてもよく、この場合、一対の長辺及び一対の短辺を有してもよい。しかし、基板110の形状や大きさなどはこれに限定されない。
【0028】
基板110は、少なくとも一部が導電性材料からなってもよい。基板110は、例えば、金属からなってもよく、前記金属としては、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、これらの合金などが使用されてもよい。しかし、基板110の材料は、これに限定されるのではなく、非導電性材料からなってもよく、非導電性材料からなる場合、上面に導電体が提供されてもよい。非導電性材料としては、セラミック、樹脂、ガラス、又はこれらの複合材料(例えば、複合樹脂又は複合樹脂と導電材料の混合材)などが使用されてもよい。
【0029】
基板110上には絶縁膜がさらに提供され得るので、絶縁膜上には、後述する第1及び第2パッド111、130などが提供されてもよい。
【0030】
基板110には、各発光ダイオード120が配置されることによって、光が出射される発光領域と、発光領域の以外の領域として光が出射されない非発光領域と、が提供される。発光領域と非発光領域とは、各発光ダイオード120の有無及び配置によって変わり得る。また、非発光領域には、各発光ダイオード120を電気的に接続するための導電パターン(例えば、パッド部、端子部)及び他の多様な機能をする各素子(例えば、静電気防止素子160、温度測定素子170など)が提供される。
【0031】
発光領域には複数個の発光ダイオード120が提供されるので、発光ダイオード120に対しては後で説明する。
【0032】
基板110は、分離されていない一体として提供されてもよいが、これに限定されるのではなく、二つのサブ基板110が組み合わされた形態で提供されてもよい。
【0033】
基板110には、ウィンドウ190が装着される段差部181を有するリフレクター180が提供されてもよい。ウィンドウ190は、リフレクター180の段差部181に置かれてもよい。段差部181の深さは、ウィンドウ190のベース191の厚さと実質的に同一であってもよく、これによって、ベース191の上面と、段差部181を除いたリフレクター180の上面とは互いに同一の平面上にあり得る。又は、段差部の深さは、ウィンドウ190の厚さより大きくてもよい。
【0034】
ウィンドウ190は、基板110の発光領域上に提供されてもよい。すなわち、ウィンドウ190は、発光ダイオード120が提供される領域上に提供され、発光ダイオード120から出射された光が進行する領域、すなわち、発光領域に対応する広さを有する、又は発光領域より大きい広さで提供されてもよい。これによって、ウィンドウ190は、発光領域を全てカバーすることができる。
【0035】
本実施形態において、ウィンドウ190は、光を集光するレンズの形態で提供される。ウィンドウ190は、板状のベース191と、前記ベース191から上部方向に突出したレンズ部193とを含む。
【0036】
ウィンドウ190は、発光ダイオード120から光を透過させるために透明な絶縁材料からなり、各発光ダイオード120を保護すると同時に、各発光ダイオード120から出射された光を透過させる。これに加えて、ウィンドウ190は、光学レンズとして作用することによって、光を透過させるとき、所定角度の指向角を有するように光の進行経路を変更する。例えば、レンズ部193は、発光ダイオード120から出射された光を、90度以下の指向角を有するように集光する。本発明の一実施形態によると、発光ダイオード120が90度以上の指向角を有する場合にも、ウィンドウ190を採用することによって、出射された光を90度以下の光として集光し、その光のプロファイルが相対的に均一な値を有するようにする。
【0037】
ウィンドウ190は、発光ダイオード120から出射される光によって変形又は変色しない材料からなってもよい。例えば、発光ダイオード120から出射される光が紫外線である場合、ウィンドウ190は、紫外線によって変形又は変色しない材料からなってもよい。ウィンドウ190は、上述した機能を満足する限り、多様な材料で提供可能であり、その材料は限定されない。例えば、ウィンドウ190は、石英や高分子有機材料からなってもよい。ここで、高分子ガラス材料の場合、モノマーの種類、成形方法、及び条件によって吸収/透過させる波長が異なるので、各発光ダイオード120から出射される波長を考慮して選択可能である。例えば、ポリ(メチルメタクリレート)(poly(methylmethacrylate);PMMA)、ポリビニルアルコール(polyvinylalcohol;PVA)、ポリプロピレン(polypropylene;PP)、低密度ポリエチレン(polyethylene;PE)などの有機高分子は紫外線をほとんど吸収しないが、ポリエステル(polyester)などの有機高分子は紫外線を吸収することができる。
【0038】
本発明の一実施形態において、ベース191の平面上での形状は略四角形で、レンズ部193の平面上での形状は円形であってもよい。しかし、これは一例として提示されたものであって、ベース191の平面上での形状は、上述した形状と異なってもよく、例えば、レンズ部193と一致してもよい。特に、後述するリフレクター180の開口部183の形状によってベース191の形状が変わり得るので、開口部183が円形である場合、ベース191の形状もレンズ部193と同様に円形で提供され得る。
【0039】
ウィンドウ190の形状に対しては、後で追加説明する。
【0040】
リフレクター180は、ウィンドウ190を支持しながら発光ダイオード120から出射される光を反射する。特に、リフレクター180の発光ダイオード120に面した側壁は、発光ダイオード120から出射された光を反射する。
【0041】
リフレクター180は基板110の上部に結合される。リフレクター180には、基板110上に実装された発光ダイオード120を露出する開口部183が提供されてもよい。開口部183は、平面上で見たときに四角形状を有してもよいが、これに限定されるのではなく、円形や他の多角形状を有してもよい。このような形状は、発光ダイオード120が実装される形状や所望の出射光の形態によって多様に変形可能である。
【0042】
そして、リフレクター180の開口部183が形成された位置にウィンドウ190が装着されてもよい。このために、開口部183の内側面には、段差部、例えば、装着溝が提供されてもよい。
【0043】
また、リフレクター180には、基板110と締結されるための締結部150が提供されてもよい。締結部150は、多様な形態で提供され得るので、上面と下面を貫通する一つ以上の締結ホール151と、前記締結ホール151に挿入・締結されるねじ153の形態で提供されてもよい。締結ホール151は、一対のリフレクター180のそれぞれに提供されてもよい。図示してはいないが、基板110には、各締結ホール151に対応する位置に各基板ホールが提供されてもよく、これらは、それぞれ各締結ホールと実質的に同一の直径を有してもよい。リフレクター180は、各締結ホール151と各基板ホールが同一の位置に配置された後、ねじ153などの締結部材を用いて基板110に締結されてもよい。
【0044】
本実施形態において、リフレクター180は、開口部181の内側に配置された発光ダイオード120から放出された光を上部に放出させる役割をしながら、開口部181の内側に配置された発光ダイオード120を保護する役割をする。
【0045】
また、リフレクター180は金属を含んでもよいので、発光ダイオード120で発生した熱は、基板110を介して再びリフレクター180に伝達され、外部に放熱することができる。
【0046】
そして、リフレクター180は、アノダイジング工法を用いて外面表面に被膜を形成することができ、それによって、リフレクター180の外面は黒色であり得る。
【0047】
ウィンドウ190は、リフレクター180に形成された段差部181に挿入され、リフレクター180に結合される。それによって、ウィンドウ190は、開口部より広い面積を有し得る。また、ウィンドウ190は、ガラスなどの素材であってもよく、内部に一種類以上の蛍光体が分布されてもよい。
【0048】
リフレクター180は、基板110上に接着層107を挟んで接着される。接着層107は、リフレクター180を基板110上に接着できるものであれば十分であり、その種類は特に限定されない。
【0049】
接着層107は、有機高分子を含む有機接着剤であってもよく、金属を含むソルダーであってもよい。接着層107が有機接着剤である場合は、リフレクター180と基板110との間に直接接触することによってリフレクター180と基板110とを結合させることができる。接着層107が金属を含むソルダーである場合は、リフレクター180と基板110の互いに向かい合う表面がソルダリング可能になるように表面処理が施されていてもよい。例えば、リフレクター180が配置される基板110の領域上にソルダリングが容易に行われるように、表面処理を通じて別途のソルダリングパッドをさらに形成することもできる。
【0050】
本実施形態において、リフレクター180は、開口の内側に配置された発光ダイオード120から放出された光を上部に放出させる役割をしながら、開口部183の内側に配置された発光ダイオード120を保護する役割をする。また、リフレクター180は金属を含んでもよいので、発光ダイオード120で発生した熱は、基板110を介して再びリフレクター180に伝達され、外部に放熱することができる。
【0051】
本実施形態において、発光領域に対応する開口部183を定義するリフレクター180の内側壁が基板110の上面に対して垂直であることを示したが、これに限定されるのではなく、光の発光効率が向上するように他の形状を有してもよい。例えば、前記リフレクター180の開口側の内側壁は、基板110の上面に対して傾斜した形状を有してもよい。
【0052】
リフレクター180には、一側面から開口部183側に凹状に陥没した保護溝が形成されてもよい。すなわち、保護溝は、リフレクター180の外側面の両端が突出した形状の間に形成されてもよい。リフレクター180が基板110に設置されとき、基板110に実装された各素子(例えば、静電気防止素子160、温度測定素子170など)がリフレクター180の保護溝に配置され、それによって、リフレクター180は、各素子の少なくとも一部を覆って外部から保護することができる。
【0053】
発光ダイオード120は、複数個で提供され、基板110の発光領域内に配置される。
【0054】
本発明の一実施形態において、各発光ダイオード120は行列形態で配列される。行列形態は、全体的に見たとき、行と列をなして配置されるものであれば十分であり、行と列が必ずしも直線の列の形態で提供されなければならないのではない。
【0055】
本発明の一実施形態において、互いに隣接した二つの行間と互いに隣接した二つの列間に提供された各発光ダイオード120は所定間隔以下で離隔する。例えば、互いに隣接した二つの発光ダイオード120間の間隔Lは、500μm以下であってもよい。互いに隣接した二つの発光ダイオード120間の間隔Lが前記間隔を超える場合は、各発光ダイオード120の上部と、各発光ダイオード120間の上部における光量の差によって不均一な照射が起こる。この場合、ウィンドウ190によって光の集光が起こったとしても不均一性を克服しにくい。
【0056】
本発明の一実施形態において、各発光ダイオード120は、一つの電源に接続されることによって同時に駆動されてもよいが、それぞれ互いに異なる電源に接続されることによってそれぞれ独立的に駆動されてもよい。
【0057】
本発明の一実施形態において、発光ダイオード120はバーティカルタイプで提供されてもよいので、
図5は、本発明の一実施形態に係る発光ダイオード120を概念的に示した断面図である。
【0058】
図5を参照すると、発光ダイオード120は、第1半導体層123、活性層125、及び第2半導体層127を含む発光構造体と、発光構造体に接続されたアノード121及びカソード129とを含んでもよい。
【0059】
第1半導体層123は、第1導電型ドーパントがドーピングされた半導体層である。第1導電型ドーパントはp型ドーパントであってもよい。第1導電型ドーパントはMg、Zn、Ca、Sr、Baなどであってもよい。
【0060】
本発明の一実施形態において、第1半導体層123は窒化物系半導体材料を含んでもよい。例えば、第1半導体層123は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料からなってもよい。本発明の一実施形態において、前記組成式を有する半導体材料としては、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInNなどを挙げることができる。第1半導体層123は、前記半導体材料を用いてMg、Zn、Ca、Sr、Baなどのp型ドーパントを含むように成長させる方式で形成されてもよい。
【0061】
活性層125は、第1半導体層123上に提供され、発光層に該当する。
【0062】
活性層125は、第1半導体層123を介して注入される電子(又は正孔)と、第2半導体層127を介して注入される正孔(又は電子)とが互いに出合い、活性層125の形成物質によるエネルギーバンド(Energy Band)のバンドギャップ(Band Gap)差によって光を放出する層である。活性層125は、紫外線、可視光線、赤外線などの光を発光することができる。
【0063】
活性層125は、化合物半導体で具現されてもよい。活性層125は、例として、III族-V族及びII族-VI族の化合物半導体のうち少なくとも一つで具現されてもよい。活性層125には量子井戸構造が採用されてもよく、量子井戸層と障壁層とが交互に積層された多重量子井戸構造(Multi-Quantum Well)構造を有してもよい。しかし、活性層125の構造は、これに限定されるのではなく、量子線(Quantum Wire)構造、量子点(Quantum Dot)構造などであってもよい。
【0064】
第2半導体層127は活性層125上に提供される。
【0065】
第2半導体層127は、第1導電型ドーパントと反対の極性を有する第2導電型ドーパントを有する半導体層である。第2導電型ドーパントはn型ドーパントであってもよいので、第2導電型ドーパントは、例えば、Si、Ge、Se、Te、O、Cなどを含んでもよい。
【0066】
本発明の一実施形態において、第2半導体層127は、窒化物系半導体材料を含んでもよい。第2半導体層127は、InxAlyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式を有する半導体材料からなってもよい。本発明の一実施形態において、前記組成式を有する半導体材料としては、GaN、AlN、AlGaN、InGaN、InN、InAlGaN、AlInNなどを挙げることができる。第2半導体層127は、前記半導体材料を用いてSi、Ge、Se、Te、O、Cなどのn型ドーパントを含むように成長させる方式で形成されてもよい。
【0067】
アノード121は、第1半導体層123の下部に提供され、第1半導体層123と接触してもよい。本発明の一実施形態において、アノード121は、積層構造体が提供される基板110として使用されてもよい。カソード129は、第2半導体層127の上部に提供され、第2半導体層127と接触してもよい。
【0068】
本発明の一実施形態において、アノード121及びカソード129は、例えば、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Ti、Sn、Ni、Cr、W、Cuなどの多様な金属又はこれらの合金からなってもよい。アノード121及びカソード129は単一層又は多重層で形成されてもよい。
【0069】
本発明の一実施形態において、発光ダイオード120をなす材料及び積層構造によって多様な波長帯域の光を出射することができる。発光ダイオード120が出射する光は、紫外線、可視光線、赤外線などであるが、これに限定されるのではなく、発光層の材料及び構成によって多様な波長の光を出射することができる。本発明の一実施形態において、発光ダイオード120は、紫外線波長帯域の光を出射することができる。
【0070】
本発明の一実施形態において、発光ダイオード120がバーティカルタイプで提供されたことを説明したが、発光ダイオード120が必ずバーティカルタイプである必要はなく、本発明の概念に符合する限り、他のタイプで提供されてもよい。
【0071】
再び
図1乃至
図4を参照すると、発光領域及び発光領域に隣接した非発光領域には、各発光ダイオード120に電源を提供するパッド部が提供される。
【0072】
パッド部は、発光ダイオード120のアノード121と接続される第1パッド111と、発光ダイオード120のカソード129と接続される第2パッドとを含む。
【0073】
第1パッド111は、発光領域に提供され、各発光ダイオード120と1対1に対応し、発光ダイオード120が提供される位置ごとに提供されてもよい。すなわち、第1パッド111は、基板110上に実装される発光ダイオード120の個数と同一の個数だけ形成されてもよい。
【0074】
第1パッド111は、発光ダイオード120が実装されるために備えられ、平面視において、発光ダイオード120の形状と実質的に同一の形状で提供されてもよい。本発明の一実施形態において、第1パッド111は、基板110と分離されない一体として提供されてもよい。本発明の一実施形態において、各発光ダイオード120は、3×3行列形態で配列された9個で提供されてもよく、第1パッド111も、各発光ダイオード120に対応して9個で提供されてもよい。複数個の第1パッド111は、各発光ダイオード120の配列形態と対応するように行と列に規則的に配列されてもよい。しかし、各発光ダイオード120の個数はこれに限定されない。
【0075】
発光ダイオード120は第1パッド111の上部に実装される。第1パッド111と発光ダイオード120のアノードには導電性接着部材が提供されてもよい。導電性接着部材としては、導電性材料からなる導電性ペースト、例えば、銀(Ag)ペーストが使用されてもよい。これによって、第1パッド111と発光ダイオード120のアノード121とが電気的に接続される。
【0076】
第2パッド130は、発光領域内と、発光領域に隣接した領域、具体的に発光領域の周囲に沿って提供されてもよい。第2パッド130は、平面視において、発光ダイオード120と離隔した位置に提供される。
【0077】
第2パッド130は、複数の第1パッド111の外側に配置されてもよい。第2パッド130は複数個で配置されてもよい。第2パッド130は、例えば、第1パッド111の外側に4個で配置され、複数の第1パッド111を取り囲むことができる。
【0078】
第2パッド130は、発光ダイオード120のカソード129とワイヤボンディングで接続される。言い換えると、第2パッド130の上面と発光ダイオード120のカソードはワイヤWを介して電極に接続される。ここで、第2パッド130と発光ダイオード120のカソードが2個のワイヤWで接続されたことを示したが、これは、説明の便宜のためのものであって、単数又は他の個数のワイヤWで接続されてもよいことは当然である。
【0079】
本発明の一実施形態において、発光ダイオード120の個数、第1及び第2パッド111、130の個数は、これに限定されるのではなく、多様な個数で提供され得る。
【0080】
非発光領域には、パッド部と電気的に接続される端子部が提供される。端子部は、リフレクター180及びウィンドウ190が提供されない基板110上に提供される。
【0081】
端子部は、外部電源との接続が容易になるように基板110の一側に提供され、第1端子141及び第2端子143を含む。しかし、端子部の位置はこれに限定されるのではなく、端子部が他の位置に提供されてもよい。
【0082】
第1端子141は第1パッド111に電気的に接続される。本発明の一実施形態において、第1端子141は、基板110と分離されない一体として形成されてもよい。基板110が金属で提供される場合、第1パッド111と第1端子141は導通する。第2端子143は、第1端子141に隣接した位置に提供されてもよく、第2パッド130に電気的に接続される。第2端子143は、第2パッド130及び印刷回路基板に配線が形成されたものと同じ方式で、基板110に形成された導電性配線を介して電気的に接続されてもよい。
【0083】
第1端子141及び第2端子143には、同一の外部電源接続部と電気的に接続できるように別途の圧着端子がさらに提供されてもよい。
【0084】
本実施形態において、第1端子141及び第2端子143は導電性材料からなる。例えば、第1及び第2端子141、143は、金属からなってもよく、前記金属は、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、これらの合金などを含んでもよい。また、第1及び第2端子141、143は、単層膜又は多層膜からなってもよいので、例えば、第1及び第2端子141、143は、Ni/Au、Ni/Ag及びNi/Pd/Auなどからなってもよい。
【0085】
端子部上には静電気防止素子160がさらに提供されてもよい。静電気防止素子160は、第1及び第2端子141、143と電気的に接続されてもよく、ツェナーダイオードやTVS(Transient Voltage Suppressor)などで具現されてもよい。静電気防止素子160は、静電気の放電又はサージなどによって発光装置が破損することを防止する。
【0086】
基板110上には、静電気防止素子160以外にも温度測定素子170がさらに提供されてもよい。温度測定素子170は、発光ダイオード120の駆動による発光装置の温度を測定するための素子であってもよい。本発明の一実施形態によると、温度測定素子170は、抵抗値を測定することによって発光装置の温度を測定することができる。
【0087】
さらに、静電気防止素子160及び/又は温度測定素子170に電源を供給するために、素子コネクターDCが接続されるための端子が基板110に形成されてもよい。
【0088】
次に、
図4を参照して本発明の一実施形態に係る発光装置の断面を詳細に説明する。
【0089】
発光装置は、基板110と、基板110上に提供された第1パッド111、第2パッド130、発光ダイオード120、リフレクター180、ウィンドウ190などを含む。
【0090】
基板110は板状に提供され、基板110の上面は概して平らな面を有してもよい。但し、発光ダイオード120が実装される発光領域において、第1パッド111は基板110と分離されない一体として形成されてもよい。例えば、第1パッド111は、基板110の上面から上部に突出した突出部の形状で提供されてもよい。基板110が第1パッド111として使用される場合、第1パッド111に電源を提供するために外部電源を基板110と電気的に接続することが可能である。また、このように第1パッド111が基板110と一体として形成されることによって、第1パッド111に実装された発光ダイオード120で熱が発生したとしても第1パッド111を介して基板110に直ぐ伝達されるので、熱をより速く放出することができる。また、図示してはいないが、第1端子141、静電気防止素子160用第1端子141、161、温度測定素子170なども、発光領域の基板110の上面より上部に突出した突出部の形状で提供され得る。
【0091】
基板110上には第1絶縁膜103が提供される。第1絶縁膜103は、第1パッド111と第2パッド130との絶縁のためのものである。第1絶縁膜103は、基板110の上面の少なくとも一部を覆う。本実施形態において、
図3に示したように、基板110から突出部が提供された部分を除いたほとんどの領域に第1絶縁膜103が提供される。
【0092】
第1絶縁膜103は、所定の接着力を有する多様な絶縁性物質からなってもよく、例えば、高分子樹脂からなってもよい。第1絶縁膜103の材料は特に限定されない。
【0093】
第2パッド130は、第1絶縁膜103の上部に配置され、第1パッド111に隣接した位置と離隔した位置に配置される。図示したように、第2パッド130は、発光領域の両側にそれぞれ配置され、発光ダイオード120とワイヤWによって電気的に接続されてもよい。ここで、第2パッド130は、第1パッド111と同一の高さを有してもよいので、第1サブパッド131及び第2サブパッドはいずれも第1パッド111と同一の高さを有する。第2パッド130は、前記第1絶縁膜103によって第1パッド111と電気的に絶縁される。
【0094】
本実施形態において、第1パッド111及び第2パッド130は導電性材料からなる。例えば、第1及び第2パッド111、130は金属からなってもよく、前記金属は、銅、鉄、ニッケル、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、これらの合金などを含んでもよい。また、本発明の一実施形態において、第1及び第2パッド111、130のうち一つ、特に第2パッド130は、単層膜又は多層膜からなってもよいので、例えば、第1及び第2パッド111、130は、Ni/Au、Ni/Ag及びNi/Pd/Auなどからなってもよい。
【0095】
第2パッド130が提供された基板110上には第2絶縁膜105が提供される。
【0096】
第2絶縁膜105は、多様な絶縁性物質からなってもよく、例えば、PSR(photosensitive resist)からなってもよい。第2絶縁膜105の材料は特に限定されない。
【0097】
第2絶縁膜105は、第1パッド111及び第2パッド130のうち発光領域に隣接した一部の領域を除いた基板110の上面のほとんどを覆う。第2絶縁膜105が提供されていない第1パッド111部分には発光ダイオード120が配置され、第2絶縁膜105が提供されていない第2パッド130部分にはワイヤWが接続される。
【0098】
第2絶縁膜105は、第1及び第2端子141、143、基板ホールの少なくとも一部上にも形成されない。また、第2絶縁膜105は、静電気防止素子160が実装される静電気防止素子160用第1及び第2端子141、143にも提供されなく、温度測定素子170用端子上にも提供されない。第2絶縁膜105が提供されていない部分には、基板110の突出部の上面や第2パッド130の上面が露出する。
【0099】
第2絶縁膜105上にはリフレクター180が提供される。リフレクター180は、基板110上に設置され、接着層107によって基板110に結合されてもよい。接着層107は、リフレクター180と基板110との間に配置され、基板ホールを除いた部分に塗布されてもよい。
【0100】
前記のように、リフレクター180が接着層107によって基板110に結合された状態で、締結部材によって再び結合されてもよい。このとき、リフレクター180が基板110上に正常に配置されると、リフレクター180の締結ホール151と基板110の基板ホールとが一つのホールとして延長され、ねじ153などの締結部材が締結ホール151及び基板ホールを貫通し、リフレクター180を基板110に再び結合させることができる。このように締結部材を用いてリフレクター180を再び結合させる理由は、発光ダイオード120で発生した熱によって接着層107の接着力が弱くなる現象が発生したときにも、リフレクター180が基板110から分離されることを防止するためである。このとき、接着層107は、基板110を介して伝達される熱をリフレクター180側にうまく伝達できる物質を含んでもよい。
【0101】
ウィンドウ190は、リフレクター180の段差部181に設置されるので、図示してはいないが、ウィンドウ190も接着層に設置され得る。ウィンドウ190は、発光ダイオード120の上部に提供され、平面上で見たときに発光ダイオード120と重畳する。ウィンドウ190は、多様な形状で提供可能であり、発光ダイオード120から出射された光の経路を変更することができる。本発明の一実施形態において、ウィンドウ190は、発光ダイオード120から出射された光の指向角を所定角度以下に狭めることができる。
【0102】
図6aは、本発明の一実施形態に係る発光装置に採用されたウィンドウを示した斜視図で、
図6b及び
図6cは、
図6aのII-II’線断面図である。
【0103】
図6a乃至
図6cを参照すると、本発明の一実施形態に係るウィンドウ190は、板状のベース191と、ベース191の一面から突出したレンズ部193とを含む。
【0104】
ベース191は、リフレクター180(
図1乃至
図4を参照)の開口部に対応する形状、例えば、四角形の板状で提供されてもよい。ベース191は、リフレクター180の開口部に提供された段差部に載置できるように開口部の大きさに対応する大きさで提供される。しかし、ベース191の形状や大きさは、これに限定されるのではなく、開口部及び/又は段差部の形状によって多様に変更可能である。
【0105】
レンズ部193は、ベース191の一面に提供され、ベース191の一面から突出した形状を有する。ここで、レンズ部193は、光が進行する方向に凸状に形成されてもよい。レンズ部193は、各発光ダイオード120からの光を集光するためのものであって、凸レンズの形状を有する。
【0106】
本発明の一実施形態において、ベース191とレンズ部193は、分離されない一体として形成されてもよいが、これに限定されるのではなく、別個に形成されてから互いに結合されてもよい。
【0107】
レンズ部193は、ベース191と接する底面部と、ベース191から突出した部分に対応する曲面部とからなってもよく、略半球と類似する形状を有する。レンズ部193は、平面視において円状を有してもよい。すなわち、底面部は円状からなる。しかし、底面部の形状は、これに限定されるのではなく、平面視において楕円状であってもよく、楕円でない他の形状であってもよい。
【0108】
本発明の一実施形態において、レンズ部193は、半球と類似する形状を有するが、正確な半球状ではなく、半球より低い高さで形成される。言い換えると、前記円の中心を通過する面に沿ってレンズ部193を切断する場合、その断面は半円ではない。レンズ部193の高さは、底面部をなす円の直径Dより小さい。特に、レンズ部193は、底面部の直径Dの70%以下の高さを有してもよい。
【0109】
ここで、レンズ部193の高さHは、底面部から頂点までの最短距離、すなわち、ベース191に対して垂直な方向に底面部から最も遠い地点までの距離を意味し、底面部が円状である場合、ベース191の上面からレンズ部193のうち円の中心に対応する地点までの距離である。
【0110】
本発明の一実施形態において、ベース191の上面に対して垂直であり、前記ベース191上の前記円の中心を通過する断面視において、前記レンズ部193は、前記円の中心を基準にして前記ベース191の上面からの角度によって隣接した部分と互いに異なる程度の勾配変化量を有し、特に、徐々に大きくなってから再び小さくなる形態の勾配変化量を有する。
【0111】
これによって、本発明の一実施形態に係るウィンドウ190において、前記円の中心を基準にして前記ベース191の上面からの角度によってレンズ部193を複数個の領域に分けるとき、各領域での勾配の変化量は、隣接した部分と互いに異なる値を示す。例えば、前記レンズ部193が前記円の中心を基準にして前記ベース191の上面からの角度によって順次第1乃至第m領域(mは、3以上の整数)を有するとき、第n領域(1<n<m)での勾配変化量は、前記第n-1領域での勾配変化量及び第n+1領域での勾配変化量より大きい。
【0112】
図6bでは、説明の便宜のために、前記円の中心を基準にして前記ベース191の上面からの角度によってレンズ部193を6個の扇形に分け、各扇形の弧の両側をつなぐ線間で変化した角度(θ1、θ2、θ3、θ4、θ5)を表示した。
図6bにおいて、角度の変化量、すなわち、勾配変化量は、互いに隣接した領域で互いに異なる値を有してもよいので、徐々に大きくなってから再び小さくなる形態を有する。特に、徐々に変化量が大きくなり、5番目の領域での角度の変化量が最も大きく、6番目の領域での変化量は再び減少する趨勢を示す。
【0113】
これに加えて、曲面部の曲率は、曲面部での位置によって互いに異なる値を有する。例えば、レンズ部193の中心を通過する断面視において、曲面部は、底面部からの高さによって互いに異なる曲率を有してもよい。
【0114】
本発明の一実施形態によると、前記レンズ部193の中心を通過する断面視において、前記レンズ部193をなす曲線の曲率半径は、前記ベース191の上面から前記レンズ部193の頂点まで徐々に増加するだけである、又は徐々に減少するだけであるのではない。本発明の一実施形態によると、前記レンズ部193の中心を通過する断面視において、前記レンズ部193をなす曲線の曲率半径は、前記ベース191の上面から前記レンズ部193の最上部方向に沿って減少してから増加してもよい。これによって、前記レンズ部193の中心を通過する断面視において、曲率半径が最も小さい地点は、前記レンズ部193の最下端と前記レンズ部193の最上端(すなわち、頂点)との間に提供され得る。
【0115】
一例として、前記レンズ部193の中心を通過する一側断面上で、順次配置された三つの地点P1、P2、P3の曲率半径を第1乃至第3曲率半径としたとき、前記レンズ部193の中心を通過する一側断面上で曲率半径が最も小さい地点は、第1地点と第3地点との間に提供されてもよい。前記レンズ部193の中心を通過する一側断面上で曲率半径が最も小さい地点を第2地点P2としたとき、前記第2曲率半径は前記第1及び第3曲率半径より小さい。ここで、発光ダイオードは、レンズ部の中心を通過する断面上で両側の曲率半径が最も小さい地点の間(図面上でD’で表示される)、すなわち、両側に位置した第2地点P2の間に対応する基板面上に提供される。レンズ部193において、曲率半径が最も小さい第2地点P2から第3地点P3方向に再び曲率半径が徐々に大きくなるので、下部から上部方向に進行する発光ダイオードからの光の集光が容易になる。
【0116】
本発明の一実施形態において、発光ダイオードが複数個で提供されるとき、複数個の発光ダイオードの全ては、レンズ部193の中心を通過する断面視において、両側の曲率半径が最も小さい地点の間D’の領域内に配置されてもよい。これによって、各発光ダイオードのうち最外郭に配置された各発光ダイオードも、レンズ部193の中心を通過する断面上で両側の曲率半径が最も小さい地点の間D’に配置され得る。
【0117】
例えば、各発光ダイオードがp×q行列の形態で配列されるとき、p×q行列の最外郭(すなわち、1行1列、p行1列、1行q列、p行p列)に位置した各発光ダイオードを含む全ての発光ダイオードは、レンズ部193の中心を通過する断面上で両側の曲率半径が最も小さい地点の間D’に配置されてもよい。
【0118】
発光ダイオード120が複数個で提供される場合、各発光ダイオード120のそれぞれの上部と隣接した各発光ダイオード120間における光量が互いに異なる。これによって、各発光ダイオード120の配置により、光の強さが隣接した部分より相対的に大きい場所と小さい場所とが交互に表れ得る。その結果、光プロファイルにおけるピークとバレーが明確に表れ得る。この場合、位置による光量の差によって均一な光の照射が難しい。しかし、ウィンドウ190を介して光が集光する場合、光プロファイルにおいてバレーが著しく減少し、指向角90度以内で位置による光量の差が著しく減少する。これによって、光の強さの急激な変化が起こることなく全体的に均一な光を具現することができる。
【0119】
既存のウィンドウ、及び上述した構造を有するウィンドウをそれぞれ採用した発光装置の光プロファイルを比較すると、次の通りである。
【0120】
図7a及び
図7bは、それぞれ既存の発光装置におけるウィンドウ及びこれを採用した発光装置の光プロファイルを示した図である。
図8a及び
図8bは、それぞれ本発明の一実施形態に係るウィンドウ及びこれを採用した発光装置の光プロファイルを示した図である。ここで、既存の発光装置と本発明の一実施形態に係る発光装置は、ウィンドウ部分のみが異なり、残りは全て同一の条件で製造された。発光ダイオードとしては、3×3行列で配列された9個が使用されており、互いに隣接した発光ダイオード間の間隔は200μmであった。
図7a及び
図7bに使用されたウィンドウの直径対高さの比は76%であって、
図8a及び
図8bに使用されたウィンドウの直径対高さの比は55%であった。
【0121】
まず、
図7a及び
図7bを参照すると、前記円の中心を基準にして前記ベースの上面からの角度によってレンズ部を6個の扇形に分け、各扇形の弧の両側をつなぐ線間の勾配変化量をそれぞれ第1乃至第5変化量と示したとき、第1乃至第5変化量は、互いに隣接した領域で互いに異なる値を有するが、第1乃至第5変化量が徐々に大きくなるだけの形態を有する。
【0122】
このようなウィンドウを採用した発光素子の光プロファイルを検討すると、指向角は90度以内を示すが、角度による光の強さに大きな差が表れる。これによって、光プロファイルでピークとバレーが明確に表れるので、角度によって差はあるが、バレーに該当する光の強さがピークでの光の強さの約50%程度にしかならない区間も存在する。このようなピークとバレーは、互いに隣接した各発光ダイオード間の間隔に起因したものであって、この場合、位置による光量の差によって均一な光の照射が難しい。
【0123】
次に、
図8a及び
図8bを参照すると、前記円の中心を基準にして前記ベースの上面からの角度によってレンズ部を6個の扇形に分け、各扇形の弧の両側をつなぐ線間の勾配変化量をそれぞれ第1乃至第5変化量と示したとき、第1乃至第5変化量は、互いに隣接した領域で互いに異なる値を有しながら、第1乃至第5変化量が徐々に大きくなってから小さくなる形態を有する。
【0124】
このようなウィンドウを採用した発光素子の光プロファイルを検討すると、指向角が90度以内であって、角度による光の強さも、一定の傾向性を示しながら全体的に均一な値を示す。すなわち、光プロファイルで全体的に大きいピークのみがあり、バレー部分が明確に表れない。ピークがあったとしても、バレー値とピーク値との差は10%以下の値を有する。
【0125】
これによって、
図7a及び
図7bと同一の各発光ダイオードを使用したにもかかわらず、
図8a及び
図8bを通じて、本発明の一実施形態に係る発光装置では、光の均一性及び集中度が高くなったことを確認することができ、位置による光量の差によって均一な光の照射が容易になる。
【0126】
図9a乃至
図9cは、既存の発光装置におけるウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図であって、
図10a乃至
図10cは、それぞれ本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の発光シミュレーションプロファイルを示した図である。ここで、既存の発光装置と本発明の一実施形態に係る発光装置は、ウィンドウ部分のみが異なり、残りは全て同一の条件で製造された。ウィンドウとしては、既存の発光装置には
図7aに示したウィンドウが採用され、本発明の一実施形態に係る発光装置には
図8aに示したウィンドウが採用された。
【0127】
但し、
図9a及び
図10aにおいて、発光ダイオードとしては、3×3行列で配列された9個が使用されており、互いに隣接した発光ダイオード間の間隔は200μmであった。
図9b及び
図10bにおいて、発光ダイオードとしては、3×3行列で配列された9個が使用されており、
図9a及び
図10aで使用された各発光ダイオードより広い面積を有する発光ダイオードが使用された。このとき、互いに隣接した発光ダイオード間の間隔は200μmであった。
図9c及び
図10cにおいて、発光ダイオードとしては、4×4行列で配列された16個が使用されており、
図9a及び
図10aで使用された各発光ダイオードより広い面積を有する発光ダイオードが使用された。このとき、互いに隣接した発光ダイオード間の間隔は200μmであった。
【0128】
図9a乃至
図9cを参照すると、指向角は90度以内を示すが、角度による光の強さに大きな差が表れる。これによって、光プロファイルでピークとバレーが明確に表れた。この場合、角度による光量の差によって均一な光の照射が難しい。
【0129】
図10a及び
図10cを参照すると、指向角が90度以内で、角度による光の強さも、一定の傾向性を示しながら全体的に均一な値を示す。すなわち、光プロファイルで全体的に大きなピークのみがあり、バレー部分が表れなかった。
【0130】
前記のように、本発明の一実施形態に係る発光装置では、光の均一性及び集中度が高くなったことを確認することができる。
【0131】
図11a乃至
図11cは、それぞれ本発明の一実施形態に係るウィンドウを採用した発光装置の光プロファイルを示した図で、
図8aに示したウィンドウの全体的な形状を維持し、頂点での高さを変更した場合を示した図である。ここで、本発明の一実施形態に係る各発光装置は、ウィンドウ部分のみが異なり、残りは全て同一の条件で製造された。
図11aの場合は、ウィンドウの底面部の直径が10mmで、高さは4.5mmであって、
図11bの場合は、ウィンドウの底面部の直径が10mmで、高さは5.5mmであって、
図11cの場合は、ウィンドウの底面部の直径が10mmで、高さは6.5mmであった。
【0132】
図11a乃至
図11cを参照すると、指向角が全て90度以内で、角度による光の強さも、一定の傾向性を示しながら全体的に均一な値を示した。すなわち、光プロファイルで全体的に大きなピークのみがあり、バレー部分がほとんど表れなかった。ここで、バレー部分であると判断される部分が弱く表れた部分でも、全体のピークとの強度差はほとんど出なかったことを確認することができる。
【0133】
上述したように、光プロファイルにおいて、バレーが著しく減少し、指向角90度以内で位置による光量の差が著しく減少する。これによって、光の強さの急激な変化が起こることなく全体的に均一な光を具現することができる。結果的に、本発明の一実施形態に係る発光装置は、所定の領域内に光の強さ偏差が最小化された直進性の高い光を提供することができる。
【0134】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、多様な大きさ及び形態で具現可能であり、単数又は複数で他の装置に採用されてもよい。
図12は、本発明の一実施形態に係る発光装置を示した斜視図である。以下の実施形態では、説明の重複を避けるために上述した実施形態と異なる点を主に説明し、実質的に同一の機能をする構成要素は、同一又は類似する符号を有するように設定された。
【0135】
図12を参照すると、本発明の一実施形態に係る発光装置は、
図1に示した発光装置と全体的に類似する形態を有し、基板110、リフレクター180などが異なる形態で形成されてもよい。基板110は、長辺及び短辺を有する矩形状に提供されてもよく、リフレクター180は、各発光ダイオード120の両側に互いに離隔した形態でそれぞれ提供されてもよい。リフレクター180が形成されていない基板110の両端部上には、第1端子141及び第2端子143がそれぞれ提供されてもよい。
【0136】
このように、発光装置が多様な形態で提供される場合、これを多様な配列順序で配列することによって、光の照射が必要なターゲット物質に効率的に光を提供する。
【0137】
本発明の一実施形態に係る発光装置は、多様な装置に採用可能である。本発明の一実施形態に係る発光装置は、例えば、光照射器に使用されてもよい。光照射器は、多様な物質に光を照射するものであって、その用途が限定されるのではない。本発明の一実施形態において、光照射器は、高分子物質の硬化に使用されてもよい。光照射器は、上述した発光装置を一つ以上備えてもよい。
【0138】
以上では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野で熟練した当業者又は該当の技術分野で通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載した本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更可能であることを理解できるだろう。
【0139】
したがって、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載した内容に限定されるのではなく、特許請求の範囲によって定めるべきであろう。