(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】需要予測装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0204 20230101AFI20240424BHJP
G16Y 10/45 20200101ALI20240424BHJP
【FI】
G06Q30/0204
G16Y10/45
(21)【出願番号】P 2021514177
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(86)【国際出願番号】 JP2020016459
(87)【国際公開番号】W WO2020213612
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2019077842
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】山田 将人
(72)【発明者】
【氏名】篠田 謙司
(72)【発明者】
【氏名】深澤 佑介
(72)【発明者】
【氏名】木本 勝敏
【審査官】山本 俊介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/207878(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/154958(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリアである第1エリアにおける需要を予測する需要予測装置であって、
第1エリアの需要に関連する所定のエリアである第2エリアに関するエリア情報を格納する格納部と、
前記格納部によって格納されたエリア情報が示す第2エリアに在圏する
人の属性であって第1エリアにおける需要と相関関係がある属性ごとの人数に関する在圏人数情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要を予測する予測部と、
を備える需要予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、所定のエリアにおける需要を予測する需要予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、立ち寄り地点の天気状況を考慮して立ち寄り地点のサービス需要を予測するスケジューリング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記スケジューリング装置では、天気状況に基づくパターン化されたサービス需要しか予測できず、サービス需要を柔軟に予測することができないという問題がある。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、需要をより柔軟に予測することができる需要予測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本開示の一側面に係る需要予測装置は、所定のエリアである第1エリアにおける需要を予測する需要予測装置であって、第1エリアの需要に関連する所定のエリアである第2エリアに関するエリア情報を格納する格納部と、格納部によって格納されたエリア情報が示す第2エリアに在圏する人数に関する在圏人数情報を取得する取得部と、取得部によって取得された在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要を予測する予測部と、を備える。
【0007】
このような需要予測装置によれば、第1エリアの需要に関連する第2エリアの在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要が予測されるため、例えばパターン化された需要の予測とは異なり、需要をより柔軟に予測することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、需要をより柔軟に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る需要予測装置を含む需要予測システムのシステム構成図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る需要予測装置の機能ブロック図である。
【
図3】第1エリア及び第2エリアの例を示す図である。
【
図4】在圏人数データのテーブル例を示す図である。
【
図5】第2エリア定義データのテーブル例を示す図である。
【
図8】集計データ(その1)のテーブル例を示す図である。
【
図9】集計データ(その2)のテーブル例を示す図である。
【
図10】ユーザ位置履歴データのテーブル例を示す図である。
【
図11】集計データ(その3)のテーブル例を示す図である。
【
図12】ユーザ来店履歴データのテーブル例を示す図である。
【
図13】ユーザ情報データのテーブル例を示す図である。
【
図14】ユーザアプリ利用履歴データのテーブル例を示す図である。
【
図15】ユーザ決済履歴データのテーブル例を示す図である。
【
図16】店舗位置マスタデータのテーブル例を示す図である。
【
図17】自宅出発時刻データのテーブル例を示す図である。
【
図18】SNS投稿情報データのテーブル例を示す図である。
【
図19】イベント情報データのテーブル例を示す図である。
【
図20】本発明の実施形態に係る需要予測装置で実行される需要予測処理を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の実施形態に係る需要予測装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面とともに需要予測装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る需要予測装置1を含む需要予測システム3のシステム構成図である。
図1に示す通り、需要予測システム3は、需要予測装置1及び一以上の携帯端末2を含んで構成される。なお、以降では複数の携帯端末2も総称して「携帯端末2」と記す。需要予測装置1と各携帯端末2とは互いにインターネット及び無線ネットワーク等のネットワークを介して接続されており、相互に情報を送受信することができる。
【0012】
需要予測装置1は、サーバ装置等のコンピュータ装置である。需要予測装置1は、携帯端末2から受信した情報に基づいて、所定のエリアである第1エリアにおける需要を予測する。エリアは、矩形及び円等で囲まれた一定の面積を有する範囲であり、区画、区域、地域、地帯、地区、場所、領域とも言う。エリアは、一定の体積を有する3次元範囲であってもよい。エリアは、面積を有しない点であってもよく、地点、場所、スポット、位置、拠点とも言う。第1エリアは、何らかの需要が発生し得るエリアを想定するが、これに限るものではない。第1エリアの一例として、本実施形態では主に外食サービスを提供する外食店舗を想定するが、それに限るものではない。需要は、商品又はサービス等に対する購買力の裏付けのある欲望、又は当該欲望の社会的総量である。外食店舗における需要の一例として、来店客数、売上金額及び販売個数等が挙げられる。需要予測装置1の機能の詳細については後述する。
【0013】
携帯端末2は、スマートフォン及びノートPC(Personal Computer)等のコンピュータ装置である。携帯端末2のユーザは、携帯端末2を携帯する。携帯端末2は、GPS(Global Positioning System)を備え、GPSにより携帯端末2(のユーザ)の現在の位置情報を取得可能である。位置情報には、緯度、経度、測位誤差及び測位時刻(当該緯度及び経度を取得した取得時刻)等が含まれる。本実施形態では、GPSにより取得された位置情報を用いて説明するが、これに限定されず、例えば基地局から送信される基地局情報に基づいて取得した位置情報を用いてもよい。携帯端末2は、位置情報の他、ユーザの属性情報、ユーザのアプリ利用履歴、ユーザの決済履歴、ユーザが自宅を出発した時刻等、携帯端末2が取得及び処理したデータを需要予測装置1に適宜送信する。携帯端末2は、移動体通信システムの移動体通信網を介して移動体通信を行うことが可能である。
【0014】
図2は、需要予測装置1の機能ブロック図である。
図2に示す通り、需要予測装置1は、格納部10、取得部11、予測部12、通知部13及び算出部14を含んで構成される。
【0015】
需要予測装置1の各機能ブロックは、需要予測装置1内にて機能することを想定しているが、これに限るものではない。例えば、需要予測装置1の機能ブロックの一部は、需要予測装置1とは異なるサーバ装置であって、需要予測装置1とネットワーク接続されたサーバ装置内において、需要予測装置1と情報を適宜送受信しつつ機能してもよい。また、需要予測装置1の一部の機能ブロックは無くてもよい。例えば、通知部13及び算出部14の何れか1つ以上は需要予測装置1に無くてもよい。
【0016】
以下、
図2に示す需要予測装置1の各機能ブロックについて説明する。
【0017】
格納部10は、第1エリアの需要に関連する所定のエリアである第2エリアに関するエリア情報を格納する。
【0018】
第2エリアは、例えば、当該エリアに在圏する人数と第1エリアにおける需要とが相関関係にあるエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問する人が訪問する傾向があるエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問することが期待される人(外食店舗の来店期待者)が在圏しやすいエリア又は在圏しうるエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問する人が流入元として居る傾向が(相対的に)強いエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問する人が在圏する確率が所定の閾値よりも高いエリアである。ここで、エリアに人が在圏するとは、例えば、当該人が携帯する携帯端末2が、当該エリアをカバーするセル(移動体通信システムを構成する各基地局が通信できる範囲の区画)にて移動体通信が可能な状態(通信経路を確立済み)のことを言う。なお、本実施形態の説明において、各用語「在圏する」、「訪問する」、「訪れる」、「居る」、「滞留する」、「滞在する」、「留まる」、「通る」(前述の全ての用語の名詞形等、他の品詞も含む)のうちの一つの用語は、その他の何れかの用語に適宜置き換えてもよい。
【0019】
上述の第2エリアの例において、在圏する/訪問する/居るのが所定の時間より前又は後であるという限定を加えてもよい。例えば、第2エリアは、当該エリアに、第1エリアにおける需要の発生時点よりも所定の時間より前又は後に在圏する人数と、第1エリアにおける需要とが相関関係にあるエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問する人が(第1エリアを訪問する時点に対して)所定の時間より前又は後に訪問する傾向があるエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問することが期待される人が(第1エリアを訪問する時点に対して)所定の時間より前又は後に在圏しやすいエリア又は在圏しうるエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問する人が流入元として(第1エリアを訪問する時点に対して)所定の時間より前又は後に居る傾向が(相対的に)強いエリアである。また例えば、第2エリアは、第1エリアを訪問する人が(第1エリアを訪問する時点に対して)所定の時間より前又は後に在圏する確率が所定の閾値よりも高いエリアである。
【0020】
エリア情報は、例えばエリアを特定する情報である。地域を一辺が百m程度の矩形のメッシュに分け、各メッシュに対して当該メッシュを特定するメッシュ番号を割り当てた場合、エリアに関するエリア情報は、当該エリアを構成する一つ以上のメッシュのメッシュ番号から構成されてもよい。また例えば、エリアが円内の範囲で示される場合、当該エリアに関するエリア情報は、当該円の中心の緯度及び経度と、当該円の半径とから構成されてもよい。ただし、エリア情報は上述の内容に限定されず、エリアに関する情報であればいかなる情報を含んでもよいし、エリアに関しない情報をさらに含んでもよい。
【0021】
図3は、第1エリア及び第2エリアの例を示す図である。
図3(a)に示す通り、第1エリアは、需要予測装置1が需要を予測する対象である需要予測対象施設(外食店舗等)P1を含むエリアであり、第2エリアは、当該第1エリアを包含するエリアであってもよい。また、
図3(b)に示す通り、第1エリアは、需要予測対象施設P1を含むエリアであり、第2エリアは、当該第1エリアの一部を包含するエリアであってもよい。また、
図3(c)に示す通り、第1エリアは、需要予測対象施設P1を含むエリアであり、第2エリアは、(突発的に人口が増える)イベント会場P2を含むエリアであって、当該第1エリアを包含しないエリアであってもよい。その他、第2エリアは、第1エリアと(範囲が)異なるエリアであってもよい。また、第2エリアは、第1エリアと(範囲が)同一のエリアであってもよい。
【0022】
格納部10は、後述の算出部14によって算出された第2エリアに関するエリア情報を格納してもよい。また格納部10は、その他の処理に必要な情報を格納してもよく、詳細については後の説明にて適宜説明する。
【0023】
取得部11は、格納部10によって格納されたエリア情報が示す第2エリアに在圏する人数に関する在圏人数情報を取得する。取得部11は、第2エリアに過去(現時点より所定の時間前)に在圏した人数に関する在圏人数情報を取得してもよいし、第2エリアに現時点に在圏している人数に関する在圏人数情報を取得してもよいし、第2エリアに未来(現時点より所定の時間後)に在圏する(予定の)人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。取得部11が取得する在圏人数情報の元となる人数は、携帯端末2のGPS、WiFi(登録商標)及びBeacon等を利用したジオフェンス情報、又は、携帯端末2の位置登録情報等を利用したモバイル空間統計(登録商標)に基づいて取得したものであってもよい。取得部11は、取得した在圏人数情報を予測部12に出力する。
【0024】
取得部11の処理の具体例について、取得部11又は需要予測装置1が従来技術を利用して予め用意し、格納部10によって格納された在圏人数データ及び第2エリア定義データを用いて説明する。
【0025】
在圏人数データは、各メッシュにおける所定の期間の30分前の在圏人数を示すデータである。
図4は、在圏人数データのテーブル例を示す図である。
図4に示す通り、在圏人数データは、メッシュ番号と、所定の期間と、当該メッシュ番号が示すメッシュにおける所定の期間(の例えば中央値)の30分前の在圏人数とが対応付いている。取得部11又は需要予測装置1は、例えば、各携帯端末2から受信した位置情報(緯度、経度及び測位時刻を含む)と、メッシュ番号と、当該メッシュ番号が示すメッシュの位置情報とに基づいて在圏人数データを定期的に算出し、格納部10によって格納させる。
【0026】
第2エリア定義データは、第1エリアと、当該第1エリアの需要に関連する第2エリアを構成するメッシュとを示すデータである。
図5は、第2エリア定義データのテーブル例を示す図である。
図5に示す通り、第2エリア定義データは、第1エリアである店舗(を識別する店舗名)と、当該店舗の需要に関連する第2エリアを構成するメッシュのメッシュ番号とが対応付いている。取得部11又は需要予測装置1は、例えば、予め需要予測装置1による需要予測を実行する予測実行ユーザ等によって指定された店舗と、当該店舗に基づいて後述の算出部14によって算出された第2エリアとに基づいて第2エリア定義データを定期的に算出し、格納部10によって格納させる。なお、店舗ごとに第2エリアを構成するメッシュ(メッシュ番号1~N)のそれぞれのメッシュ番号を管理するマスタテーブルが予め格納されており、取得部11又は需要予測装置1が適宜利用するものとする。また、本実施形態で説明する予測実行ユーザによる需要予測装置1への入力(データの指定及びデータの設定など)は、具体的には、予測実行ユーザが携帯する端末(携帯端末2と同様の構成)に予測実行ユーザが入力指示を行い、当該入力指示に基づいて当該端末がネットワークを介して需要予測装置1に入力を行うことで実行される。同様に、本実施形態で説明する需要予測装置1による予測実行ユーザへの出力(データの通知、データの提示及びデータの表示など)は、具体的には、需要予測装置1がネットワークを介して、予測実行ユーザが携帯する端末に出力指示を行い、当該出力指示に基づいて当該端末が予測実行ユーザに出力を行うことで実行される。予測実行ユーザが携帯する端末は、需要予測システム3に含まれてもよい。
【0027】
取得部11は、例えば、予測実行ユーザによって指定された(又は予め需要予測装置1内にて設定された)第1エリアについて、第2エリア定義データにおいて当該第1エリアと対応付いた第2エリアを構成する一つ以上のメッシュのメッシュ番号を抽出し、在圏人数データにおいて抽出した各メッシュ番号及び予測実行ユーザによって指定された(又は予め需要予測装置1内にて設定された)期間と対応付いた30分前の在圏人数を抽出した上で合算し、合算した在圏人数を在圏人数情報として取得する。ここで取得した在圏人数情報は、指定された第1エリアの需要に関連する第2エリアにおいて、指定された期間の30分前に在圏する人数となる。在圏人数データにおいて、30分前の在圏人数を別の所定の時間より前又は後の在圏人数とすることで、取得部11は当該別の所定の時間より前又は後の在圏人数に関する在圏人数情報を取得することができる。
【0028】
予測部12は、取得部11によって取得(入力)された在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要を予測する。例えば、予測部12は、第2エリアの在圏人数と第1エリアである外食店舗の予測来店客数とが予め対応付いたデータを参照し、取得部11によって取得された在圏人数情報が示す在圏人数に対応付いた予測来店客数を抽出し、抽出した予測来店客数を第1エリアにおける需要として予測する。予測部12は、予測した需要を通知部13に出力する。予測部12は、予測した需要を、予測実行ユーザに出力(表示)してもよいし、ネットワークを介して他の装置に出力してもよい。
【0029】
予測部12は、第2エリアの過去の在圏人数情報と第1エリアにおける過去の需要とにさらに基づいて第1エリアにおける需要を予測してもよい。より具体的には、予測部12は、第2エリアの過去の在圏人数情報と第1エリアにおける過去の需要との関係性を機械学習等により抽出し、抽出した関係性に対して、取得部11によって取得された在圏人数情報を適用することで、第1エリアにおける需要を予測してもよい。
【0030】
予測部12による機械学習を利用した需要の予測の一例について、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、学習用データのテーブル例を示す図である。
図6に示す通り、学習用データは、第1エリアである店舗(を識別する店舗名)と、所定の期間と、当該店舗の需要に関連する第2エリアにおいて、当該所定の期間の30分前に在圏する人数(学習用第2エリア在圏人数。当該第2エリアを構成するメッシュ内の在圏人数の合計)と、当該所定の期間における気象情報である雨量と、当該所定の期間における気象情報である風量と、当該所定の期間の売上実績統計量である1年前同週同曜日の当該店舗の売上平均と、当該所定の期間の売上実績統計量である3カ月前同週同曜日の当該店舗の売上平均と、当該所定の期間の当該店舗の売上金額の実績値とが対応付いている。なお、気象情報及び売上実績統計量は学習用特徴量である。後述の適用時に気象情報を用いない場合は、学習用データにおいて気象情報は対応付けない。学習用データは、需要予測装置1によって定期的に作成され、格納部10によって格納されてもよい。予測部12(又は需要予測装置1)は、
図6に示すような学習用データを機械学習させることで、所定の期間の30分前に在圏する人数と当該所定の期間の店舗の売上金額の実績値との関係性を抽出する。
【0031】
図7は、予測用データのテーブル例を示す図である。
図7に示す通り、予測用データは、第1エリアである店舗(を識別する店舗名)と、所定の期間と、当該店舗の需要に関連する第2エリアにおいて、当該所定の期間の30分前に在圏する人数(第2エリア在圏人数。当該第2エリアを構成するメッシュ内の在圏人数の合計)と、当該所定の期間における気象情報(予報)である雨量と、当該所定の期間における気象情報(予報)である風量と、当該所定の期間の売上実績統計量である1年前同週同曜日の当該店舗の売上平均と、当該所定の期間の売上実績統計量である3カ月前同週同曜日の当該店舗の売上平均と、当該所定の期間の当該店舗の売上金額の予測値とが対応付いている。なお、気象情報及び売上実績統計量は特徴量である。予測用データにおける売上金額の予測値は、予測部12による適用前は空である。予測用データは、需要予測装置1によって定期的に作成され、格納部10によって格納されてもよい。予測部12は、抽出された関係性に対して、予測用データを適用することで、売上金額の実績値を算出する、すなわち需要を予測する。予測部12は、算出した売上金額の実績値を予想用データに対応付ける。
【0032】
通知部13は、予測部12によって予測(入力)された第1エリアにおける需要と予め定めた需要との差が所定の閾値を超える場合に予測実行ユーザに通知を行う。例えば、予測部12によって予測された外食店舗における売上金額(この例では、数十分~1日程度の単位を想定)が「1万円」であり、需要予測装置1又は予測実行ユーザが予め定めた売上金額が「1万5千万円」であり、所定の閾値が「3千円」である場合、予測された売上金額と予め定めた売上金額との差「5千円」が閾値「3千円」を超える(上回る)ため、通知部13は予測実行ユーザにアラーム音及び警告表示による通知を行い、閾値を超えた旨を伝える。
【0033】
算出部14は、第2エリアを算出(抽出)する。算出部14による算出は、定期的に行ってもよい。以下では算出部14による算出の3つの具体例について説明する。
【0034】
第1の具体例として、算出部14は、過去の来店需要実績と、過去のエリア別在圏人数実績とに基づいて、店舗別・曜日別・時刻別に、来店需要(の増減)と、その一定時間前における在圏人数(の増減)との相関が強いエリアを抽出し、抽出したエリアを当該店舗(第1エリア)の需要に関連する第2エリアとして算出してもよい。算出部14は、抽出の際に、例えば
図8に示す集計データを利用する。
図8に示す通り、集計データは、第1エリアである店舗(を識別する店舗名)と、所定の期間と、当該所定の期間の曜日と、当該所定の期間における当該店舗の来店需要(の増減)と、各メッシュ(第2エリア候補を構成するメッシュ)における当該所定の期間の30分前に在圏する人数とが対応付いている。算出部14は、集計データのうち来店需要(の増減)と、その一定時間前における在圏人数(の増減)との相関が強いエリアを第2エリアとして算出する。なお、集計データは、算出部14又は需要予測装置1によって定期的に作成され、格納部10によって格納されてもよい。相関の抽出には機械学習を用いてもよい。上述の一定時間は、需要予測装置1による需要予測を行うタイミングと来店需要予測対象期間との時間差分又はそれ以上の長さを意味する。
【0035】
第2の具体例として、算出部14は、過去のエリア別在圏人数実績に基づいて、店舗別・曜日別・時刻別に、店舗近隣エリア(店舗から所定の距離内のエリア。店舗に実際に来訪したか否かまでの精度は不要)に来訪した人が、その一定時間前に滞留する傾向が強いエリアを抽出し、抽出したエリアを当該店舗(第1エリア)の需要に関連する第2エリアとして算出する。算出部14は、抽出の際に、例えば
図9に示す集計データを利用する。
図9に示す通り、集計データは、第1エリアである店舗(を識別する店舗名)と、所定の期間と、当該所定の期間の曜日と、当該所定の期間における当該店舗近隣エリアの在圏人数(又は当該店舗近隣エリアを来訪したユーザを識別するユーザ識別子)と、当該ユーザを集計対象者として各メッシュ(第2エリア候補を構成するメッシュ)における当該所定の期間の30分前に在圏する人数とが対応付いている。算出部14は、集計データのうち所定の期間の30分前に滞留する傾向が強いエリアを第2エリアとして算出する。なお、集計データは、算出部14又は需要予測装置1によって定期的に作成され、格納部10によって格納されてもよい。作成の際に、集計対象者を判定するために、例えば
図10に示すユーザ位置履歴データが利用される。
図10に示す通り、ユーザ位置履歴データは、ユーザが在圏した日時と、当該ユーザを識別するユーザ識別子と、当該在圏したメッシュのメッシュ番号とが対応付いている。在圏人数の集計にあたってはプライバシー等に配慮するため従前の方法により秘匿処理(少人数エリアの数値を除去する等)を行うものとする。上述の一定時間は、需要予測装置1による需要予測を行うタイミングと来店需要予測対象期間との時間差分又はそれ以上の長さを意味する。
【0036】
第3の具体例として、算出部14は、過去のエリア別在圏人数実績と、過去の人別来店実績とに基づいて、店舗別・曜日別・時刻別に、来店者が、対象店舗に来店する一定時間前に滞留する傾向が強いエリアを抽出し、抽出したエリアを当該店舗(第1エリア)の需要に関連する第2エリアとして算出する。算出部14は、抽出の際に、例えば
図11に示す集計データを利用する。
図11に示す通り、集計データは、第1エリアである店舗(を識別する店舗名)と、所定の期間と、当該所定の期間の曜日と、当該所定の期間に当該店舗に来店していた来店者の人数(又は当該来店者を識別するユーザ識別子)と、当該来店者を集計対象者として各メッシュ(第2エリア候補を構成するメッシュ)における当該所定の期間の30分前に在圏する人数とが対応付いている。算出部14は、集計データのうち所定の期間の30分前に滞留する傾向が強いエリアを第2エリアとして算出する。なお、集計データは、算出部14又は需要予測装置1によって定期的に作成され、格納部10によって格納されてもよい。作成の際に、集計対象者を判定するために、例えば
図10に示すユーザ位置履歴データと、
図12に示すユーザ来店履歴データが利用される。
図12に示す通り、ユーザ来店履歴データは、ユーザが来店した日時と、当該ユーザを識別するユーザ識別子と、当該来店した店舗(を識別る店舗名)とが対応付いている。来店者(人別来店実績)は、携帯端末2の位置情報(WiFi(登録商標)、Beacon等のジオフェンスを含む)及び決済履歴(ポイント付与又は利用履歴含む)から判定するものとする。在圏人数の集計にあたってはプライバシー等に配慮するため従前の方法により秘匿処理(少人数エリアの数値を除去する等)を行うものとする。上述の一定時間は、需要予測装置1による需要予測を行うタイミングと来店需要予測対象期間との時間差分又はそれ以上の長さを意味する。
【0037】
上述の算出部14による算出の3つの具体例の効果について説明する。店舗需要の予測に、過去の需要実績データや天気予報データを用いる手法に加えて、店舗の近隣に現在在圏している人の数を、来店する可能性のある人数の母数(来店期待人数)と見なして需要予測に活用することで、突発的な需要変動に追従することが期待できる。しかし、来店する可能性のある人数の計測にあたり、「店舗を中心とする半径500mの領域」といったような画一的なエリア内の在圏人数を計測する方法では、店舗ごとの地理的な特徴が考慮できておらず、正確な計測が期待できない。例えば、店舗Aでは東側にオフィスが多く、平日ランチ帯には同エリアから多く来店されるが、休日は同エリアからの来店は少なく、西側の商店街エリアからの来店が多い等が挙げられる。上述の具体例では、店舗ごとに、来店が期待される人が多く分布するエリアを曜日別・時刻別に予め抽出しておき、店舗需要予測時には同エリアの在圏人数を元に来店期待人数を算出して、店舗需要予測に用いることで、より正確な店舗需要予測を実現することができる。また、店舗需要予測処理に在圏人数を入力する対象エリアを限定することで、予測処理の計算量を抑える効果も期待できる。
【0038】
取得部11は、第2エリアに在圏する人の属性(セグメント)ごとの人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。その場合、予測部12は、取得部11によって取得された、第2エリアに在圏する人の属性ごとの人数に関する在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要を予測する。属性は、第1エリアにおける需要と(店舗別・曜日別・時刻別に)相関関係がある(相関が強い)属性であってもよい。その場合、取得部11は、相関関係がある属性の人数に対しては(相関関係がない属性に比べて)より重みをかけてもよい。需要予測装置1は、属性を用いることで、来店が期待されるエリア内に現在在圏する人のうち、より来店が強く期待できる属性を重視する一方、来店の期待が低い属性を軽視して人数を算出し、店舗需要予測に用いることで、より正確な店舗需要予測を実現することができる。
【0039】
属性の一例として、対象者の性別、年齢、居住地、職業、趣味嗜好、生活形態、昼食及び夕食それぞれの外食傾向有無、居住地(自宅)を出発した時刻(自宅を出たのが昼食・夕食時間帯前か否かによって、食事を済ませているかどうかを区別し、食事を済ませていない可能性が高い属性を取り出すことができる)等が挙げられる。取得部11又は需要予測装置1は、属性を、対象者の位置履歴、アプリ利用履歴又は決済履歴等から推測してもよい。取得部11又は需要予測装置1は、属性である外食傾向有無を、対象者の居住地から対象店舗所在位置までの距離に基づいて判定してもよい(距離が近ければ外食傾向は低く、遠ければ外食傾向が高い)。取得部11又は需要予測装置1は、居住地から店舗までの距離と、外食傾向の強さとの関係性を、地域ごとに予め算出しておき、当該関係性に基づいて地域ごとに外食傾向有無の判定基準を切り替えてもよい。取得部11又は需要予測装置1は、居住地から店舗までの距離と、外食傾向の強さとの関係性を人ごとに予め算出しておき、当該関係性に基づいて人ごとに外食傾向有無の判定基準を切り替えてもよい。
【0040】
属性を用いる場合、予測部12は、「在圏人数情報の属性別の構成比」の平常時との乖離度合いに基づいて、第1エリアにおける需要を予測してもよい。これにより、来店が期待されるエリア内に現在在圏する人の多寡からは捉えることが難しいイベント等が店舗近隣で発生していることを、属性別の構成比の変化から捉えて、店舗需要予測に用いることで、より正確な店舗需要予測を実現することができる。例えば、連休等で、住人の多くは外出しているが、一方で観光客が多数来訪している場合、在圏人数としては通常と大差がないが、居住地別属性の構成比としては通常と大きく異なっていることが考えられる。
【0041】
なお、取得部11、予測部12又は需要予測装置1は、属性に関する処理を行う際に、(上述の)ユーザ位置履歴データ、(上述の)ユーザ来店履歴データ、ユーザ情報テーブル、ユーザアプリ利用履歴データ、ユーザ決済履歴データ、店舗位置マスタデータ及び自宅出発時刻データを適宜用いた上で従来技術により処理を行う。
図13は、ユーザ情報データのテーブル例を示す図である。
図13に示す通り、ユーザ情報データは、ユーザ識別子と、当該ユーザ識別子が識別するユーザの性別と、当該ユーザの年齢と、当該ユーザの居住地と、当該ユーザの職業と、当該ユーザの趣味嗜好と、当該ユーザの生活形態と、当該ユーザの昼食外食傾向と、当該ユーザの夕食外食傾向とが対応付いている。
図14は、ユーザアプリ利用履歴データのテーブル例を示す図である。
図14に示す通り、ユーザアプリ利用履歴データは、ユーザがアプリを利用したアプリ利用日時と、当該ユーザを識別するユーザ識別子と、当該アプリの利用アプリ名と、当該アプリの利用アプリカテゴリとが対応付いている。
図15は、ユーザ決済履歴データのテーブル例を示す図である。
図15に示す通り、ユーザ決済履歴データは、ユーザが店舗で決済した際の決済日時と、当該ユーザを識別するユーザ識別子と、当該店舗である決済店舗とが対応付いている。
図16は、店舗位置マスタデータのテーブル例を示す図である。
図16に示す通り、店舗位置マスタデータは、店舗の店舗名と、当該店舗が位置する緯度と、当該店舗が位置する経度とが対応付いている。
図17は、自宅出発時刻データのテーブル例を示す図である。
図17に示す通り、自宅出発時刻データは、ユーザ識別子と、当該ユーザ識別子が識別するユーザの当日の自宅出発時刻と、当該ユーザの現在の状況とが対応付いている。
【0042】
取得部11は、第2エリアに在圏すると予測した予測人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。また、取得部11は、需要予測の対象期間と特徴が類似する(予め格納部10によって格納された)過去の期間の在圏人数を予測人数と、当該予測人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。取得部11は、特徴の類似度の判断基準として、SNS(Social Networking Service)に投稿された当該期間内の開催イベントに関する情報に基づいて判断してもよい。取得部11又は需要予測装置1は、類似度の判断に関する処理を行う際に、SNS投稿情報データ及びイベント情報データを適宜用いた上で従来技術により処理を行う。
図18は、SNS投稿情報データのテーブル例を示す図である。
図18に示す通り、SNS投稿情報データは、SNSへ投稿した投稿日時と、投稿した投稿文とが対応付いている。
図19は、イベント情報データのテーブル例を示す図である。
図19に示す通り、イベント情報データは、イベントを識別するイベントIDと、SNS投稿から抽出された、当該イベントのイベント名と、SNS投稿から抽出された、当該イベントが開催されているメッシュを識別するイベント開催メッシュと、SNS投稿から抽出された、当該イベントが開催されるイベント開催日と、SNS投稿から抽出された、当該イベントのイベント特徴と、当該イベントに対して類似イベントのイベントIDとが対応付いている。
【0043】
来店する可能性のある人数が現在どのくらい在圏するかを店舗需要予測に用いる場合、予測対象は、現在の在圏人数と店舗需要との相関が期待できる1~数時間後に限定される場合があり、より未来の店舗需要を予測することが難しいという問題がある。上述の通り、需要予測装置1において、SNSに投稿された未来日の開催イベント情報等を用いることで、未来日における、来店する可能性のある人数を予測し、予測した人数を用いて店舗需要予測を行なうことで、1~数時間後よりも未来の店舗需要予測を実現することができる。また、過去に同様の開催イベント情報がSNSで流れた日を特定し、当該日における、来店期待エリア内の人数実績を用いることで、未来日における、来店する可能性のある人数のより正確な概算を可能にすることができる。
【0044】
取得部11は、予測実行ユーザから入力された在圏人数情報を取得してもよい。また、取得部11は、予測実行ユーザから入力された単位時間(例:1時間)別の数段階(例:1~5の5段階)に基づいた在圏人数情報を取得してもよい。予測実行ユーザ(又は店舗運営者)が知識として把握している未来日のイベント情報に基づき、単位時間ごとに、第2エリアの在圏人数が通常よりもどの程度増減しそうかを仮定して、入力することで、需要予測装置1は、当該仮定に基づいて店舗需要を予測することができる。また、予測実行ユーザは、想定される複数の仮定を入力し、どのような店舗需要になりうるかの予測結果を複数確認しておいて準備に活用することができる。
【0045】
取得部11又は需要予測装置1は、第2エリアの在圏人数推移が類似する過去日を時系列クラスタリングによりグループ化し、当該グループの一覧を、第2エリアの在圏人数推移の代表値(例:平均値)及び同グループに属する過去日の日付とともに選択肢として予測実行ユーザに提示し、取得部11は、当該選択肢に基づいて、需要予測対象期間における在圏人数を設定し、設定した在圏人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。予測実行ユーザ(又は店舗運営者)が知識として把握している未来日のイベント情報に基づき、単位時間ごとに、第2エリアの在圏人数が通常よりもどの程度増減しそうかを仮定する際に、取得部11又は需要予測装置1により過去の類似イベント開催日の人数推移を参考情報として提示することで、店舗運営者がより精度の高い仮定を立てて入力することができ、その結果、より有益な店舗需要予測結果を得ることができる。
【0046】
続いて、
図20に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る需要予測装置1における方法の需要予測処理について説明する。
【0047】
まず、算出部14により、需要予測対象である第1エリアの需要に関連する第2エリアが算出される(ステップS1)。次に、取得部11により、S1にて算出された第2エリアの在圏人数情報が取得される(ステップS2)。次に、予測部12により、S2にて取得された在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要が予測される(ステップS3)。次に、S3にて予測された需要に基づいて、予測部12による出力、又は、通知部13による通知が行われる(ステップS4)。なお、第2エリアが予め求められている場合は、S1の処理を省略してもよい。
【0048】
次に、本実施形態のように構成された需要予測装置1の作用効果について説明する。
【0049】
需要予測装置1は、第1エリアの需要に関連する第2エリアに関するエリア情報を格納する格納部10と、格納部10によって格納されたエリア情報が示す第2エリアに在圏する人数に関する在圏人数情報を取得する取得部11と、取得部11によって取得された在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要を予測する予測部12とを備える。このような需要予測装置1によれば、第1エリアの需要に関連する第2エリアの在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要が予測されるため、例えばパターン化された需要の予測とは異なり、需要をより柔軟に予測することができる。
【0050】
第2エリアは、当該エリアに在圏する人数と第1エリアにおける需要とが相関関係にあるエリアであってもよい。また、算出部14は、第2エリアであって、当該エリアに在圏する人数と第1エリアにおける需要とが相関関係にあるエリアである第2エリアを算出してもよい。このような需要予測装置1によれば、第2エリアに在圏する人数と第1エリアにおける需要とが相関関係にあるため、当該第2エリアの在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要をより正確に予測することができる。
【0051】
第2エリアは、第1エリアを訪問する人が訪問する傾向があるエリアであってもよい。また、算出部14は、第1エリアを訪問する人が訪問する傾向があるエリアである第2エリアを算出してもよい。このような需要予測装置1によれば、第1エリアを訪問する人が訪問する傾向がある第2エリアの在圏人数情報に基づいて第1エリアにおける需要をより正確に予測することができる。
【0052】
需要予測装置1は、第2エリアを算出する算出部14をさらに備え、格納部10は、算出部14によって算出された第2エリアに関するエリア情報を格納してもよい。このような需要予測装置1によれば、任意の状況及びタイミングで第2エリアを算出し、算出された第2エリアに基づいて第1エリアにおける需要を予測することができるため、需要をより柔軟に予測することができる。
【0053】
需要予測装置1の取得部11は、第2エリアに在圏する人の属性ごとの人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。このような需要予測装置1によれば、第2エリアに在圏する人の属性を加味した、より正確な需要を予測することができる。
【0054】
属性は、第1エリアにおける需要と相関関係がある属性であってもよい。このような需要予測装置1によれば、第1エリアにおける需要と相関関係がある属性を加味した、より正確な需要を予測することができる。
【0055】
需要予測装置1の取得部11は、第2エリアに在圏すると予測した予測人数に関する在圏人数情報を取得してもよい。このような需要予測装置1によれば、より未来の需要を予測することができる等、需要をより柔軟に予測することができる。
【0056】
需要予測装置1の取得部11は、ユーザ(予測実行ユーザ)から入力された在圏人数情報を取得してもよい。このような需要予測装置1によれば、ユーザ(予測実行ユーザ)の知識及び経験等に基づいた需要を予測することができる等、需要をより柔軟に予測することができる。
【0057】
需要予測装置1の予測部12は、第2エリアの過去の在圏人数情報と第1エリアにおける過去の需要とにさらに基づいて第1エリアにおける需要を予測してもよい。このような需要予測装置1によれば、過去の情報(実績)に基づいてより正確な需要を予測することができる。
【0058】
需要予測装置1の予測部12によって予測された第1エリアにおける需要と予め定めた需要との差が所定の閾値を超える場合にユーザ(予測実行ユーザ)に通知を行う通知部13をさらに備えるてもよい。このような需要予測装置1によれば、例えばユーザ(予測実行ユーザ)は異常にすぐに気づくことができ、それにより早急に店舗運営等に関する対処を行うことができる等、ユーザ(予測実行ユーザ)の利便性が向上する。
【0059】
ここで、従来技術では、日時情報(季節・曜日・時刻等)と天候情報に基づくパターン化された店舗需要しか予測できず、イベント等や想定外の事象発生によるイレギュラーなケースでの店舗需要予測は困難であった。本実施形態に係る需要予測装置1では、対象店舗(第1エリア)の来店期待者が在圏しやすい第2エリア(来店期待エリア)を抽出し、第2エリア内に在圏している(もしくは在圏しうる)人の数を携帯端末2の位置情報等から推計し、当該情報を用いて未来の店舗需要を予測する。このような需要予測装置1によれば、イレギュラーなケースでの店舗需要を高精度に予測することができる。
【0060】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0061】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0062】
例えば、本開示の一実施の形態における需要予測装置1などは、本開示の需要予測処理の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図21は、本開示の一実施の形態に係る需要予測装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の需要予測装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0063】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。需要予測装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0064】
需要予測装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0065】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述の取得部11、予測部12、通知部13及び算出部14などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0066】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、取得部11、予測部12、通知部13及び算出部14は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0067】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0068】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0069】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の取得部11、予測部12、通知部13及び算出部14などは、通信装置1004によって実現されてもよい。
【0070】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0071】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0072】
また、需要予測装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0073】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。
【0074】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0075】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0076】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0077】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0078】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0079】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0080】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0081】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0082】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0083】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0084】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0085】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0086】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0087】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0088】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0089】
本開示においては、携帯端末2、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0090】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0091】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0092】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。
【0093】
同様に、本開示における携帯端末2は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述の携帯端末2が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0094】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0095】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0096】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0097】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0098】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0099】
本開示において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0100】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0101】
1…需要予測装置、2…携帯端末、3…需要予測システム、10…格納部、11…取得部、12…予測部、13…通知部、14…算出部。