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特許7478148患者の健康状態を監視するための血管アクセスデバイス、システム、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】患者の健康状態を監視するための血管アクセスデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240424BHJP
   A61B 5/01 20060101ALI20240424BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20240424BHJP
   A61B 5/08 20060101ALI20240424BHJP
   A61B 5/1459 20060101ALI20240424BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A61B5/00 B
A61B5/00 102A
A61B5/01 250
A61B5/02 H
A61B5/08
A61B5/1459
A61B10/00 H
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021528841
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2019062416
(87)【国際公開番号】W WO2020106842
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】16/197,083
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521216511
【氏名又は名称】オンコディスク, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル, ジェイムズ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, セオドア シー.
(72)【発明者】
【氏名】ソールソン, アンドリュー
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08439835(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0178617(US,A1)
【文献】国際公開第2018/085563(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
A61M 37/00
A61M 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の健康を監視するためのシステムであって、前記システムは、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、前記筐体は、リザーバを含む、筐体と、
前記リザーバに隣接した隔壁であって、前記隔壁は、前記リザーバへの流体の送達のための前記隔壁を通した針を受け取るように構成されている、隔壁と、
前記筐体によって保持され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素と、
前記感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラと
を備え、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記筐体が前記患者内に埋め込まれている間、前記感知要素を介して前記生理学的測定値を取得することと、
前記生理学的測定値に基づいて、少なくとも3つの生理学的パラメータを決定することであって、前記少なくとも3つの生理学的パラメータは、(a)温度パラメータと、(b)活動レベルパラメータと、(c)心拍数パラメータおよび呼吸数パラメータのうちの少なくとも1つとを含む、ことと、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することであって、前記比較することは、
前記温度パラメータを所定の温度閾値と比較すること
前記活動レベルパラメータを所定の活動レベル閾値と比較すること、ならびに、
前記心拍数パラメータを所定の心拍数閾値と比較すること、および/または、前記呼吸数パラメータ所定の呼吸数閾値と比較するこ
を含む、ことと、
前記比較に基づいて、前記患者が敗血症であるという指示を提供することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
【請求項2】
前記感知要素は、温度感知要素、心拍数感知要素、呼吸数感知要素、移動感知要素、圧力感知要素、電気信号感知要素、および電気光学感知要素のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記温度パラメータは、前記患者の体温であり、前記温度パラメータが前記所定の温度閾値外であることを決定することは、前記体温が96°F(35.56セルシウス度)~100°F(37.78セルシウス度)の外であることを決定することを含む、請求項1~2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記心拍数パラメータは、前記患者の心拍数であり、前記心拍数パラメータが前記所定の心拍数閾値外であることを決定することは、前記患者の心拍数が1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記心拍数パラメータは、前記患者の心拍数の変化であり、前記心拍数パラメータが前記所定の心拍数閾値外であることを決定することは、前記患者の心拍数が前記患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記呼吸数パラメータは、前記患者の呼吸数であり、前記呼吸数パラメータが前記所定の呼吸数閾値外であることを決定することは、前記患者の呼吸数が1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記活動レベルパラメータは、所定の時間量にわたる前記患者の移動の量であり、前記活動レベルパラメータが前記所定の閾値外であることを決定することは、前記患者の移動の量が前記所定の時間量にわたって前記所定の閾値未満であることを決定することを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記所定の閾値は、少なくとも部分的に前記患者のベースライン活動レベルに基づく、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記感知要素は、パルスオキシメータおよび/または電極のうちの少なくとも1つを備えている、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記感知要素は、加速度計を備えている、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記筐体は、窓を含み、前記感知要素は、前記窓に隣接して位置付けられ、前記窓は、(a)前記パルスオキシメータから放出される光が前記筐体の外部の場所まで通ること、および、(b)前記光の全ての反射が前記窓を通って戻ることを可能にするように構成されている、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際出願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2018年11月20日に出願された米国特許出願第16/197,083号の優先権を主張する。
(技術分野)
【0002】
本技術は、概して、血管アクセスデバイス、および関連付けられるシステムおよび使用方法を対象とする。特に、本技術は、患者の健康状態を監視するための血管アクセスデバイス、および関連付けられるシステムおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
抗癌治療は、患者生存率に明確な前進をもたらしている。しかしながら、治療は、潜在的に致命的である重大な毒性に関連付けられ、多くの場合、不良な治療順守、生活の質の低下、および死亡率をもたらし得る。化学療法治療の間の患者の健康の系統的監視が、したがって、致命的な健康状態の早期検出に不可欠である。患者の健康状態を監視することへの1つの従来のアプローチは、標準化された患者報告結果(「PRO」)質問票を使用して、(例えば、患者が治療のために来るときに)規則的間隔において患者からフィードバックを求めることである。しかしながら、発症から症状の報告までの遅延により、治療するべき時間が経過していること、または患者がその症状を不正確に報告している、またはいくつかの症状を報告することを完全に忘れていることもあるので、PRO質問票上で受け取られる情報は、限定された診断価値を有し得る。患者報告症状の系統的なウェブベースの収集は、より良好な結果を示しており、近年の研究は、日常的な化学療法中に電子患者報告症状監視に割り当てられた癌患者が、通常の処置を受ける(すなわち、自己報告の義務がない)患者と比較して、20%増加した生存率を有することを実証している(Basch et al.,Overall Survival Results of a Trial Assessing Patient-Reported Outcomes for Symptom Monitoring During Routine Cancer Treatment,JAMA,July 11,2017,Vol.318,No.2.)。しかしながら、殆どまたは完全にPROに基づくシステムアラートは、不必要な緊急治療室の受診および入院につながり得、それは、不必要に感染症の増加した危険性、多大なストレスに患者をさらし、患者コストを上昇させる。故に、患者の健康状態を監視するための改良されたシステムの必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本技術の血管アクセスデバイス、システム、および方法は、血管アクセスデバイスが患者内に埋め込まれている間、患者生理学的データを取得し、測定値に基づいて1つ以上の生理学的パラメータを決定するように構成される。システムは、例えば、即時の医療処置または入院を要求する健康状態の1つ以上の症状を示すある生理学的パラメータを決定し得る。そのような生理学的パラメータは、温度、患者移動/活動レベル、心拍数、呼吸数、血液酸素飽和度に関連するもの、および/または本明細書に説明される他の好適なパラメータを含むことができる。これらのパラメータに基づいて、システムは、患者が有害な健康状態に罹患している、または罹患する危険性があるという指示を患者および/または臨床医に提供し得る。本技術のシステムは、化学療法が即時に治療されなかった場合に患者に致死的であり得る多くの副作用を伴うので、化学療法を受ける癌患者に特に有益であり得る。したがって、公知の症状の早期検出が、患者の生活の質および生存に不可欠である。
【0005】
本技術は、例えば、図1-9の参照を含む、下で説明される種々の側面に従って図示される。本技術の側面の種々の例が、便宜上、付番された付記(1、2、3等)として説明される。これらは、例として提供され、本技術を限定しない。
1.1.患者の健康を監視するためのシステムであって、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、リザーバを含む、筐体と、
リザーバに隣接し、リザーバへの流体の送達のためのそれを通した針を受け取るように構成された隔壁と、
筐体に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素と、
感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラであって、少なくとも1つのコントローラはさらに、
筐体が患者内に埋め込まれている間、感知要素を介して生理学的測定値を取得し、
生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較し、
比較に基づいて、患者の健康の指示を提供する、
ように構成される、少なくとも1つのコントローラと、
を備えている、システム。
2.感知要素は、温度感知要素、心拍数感知要素、呼吸数感知要素、移動感知要素、圧力感知要素、電気信号感知要素、および電気光学感知要素のうちの少なくとも1つを備えている、付記1に記載のシステム。
3.少なくとも1つのコントローラは、比較に基づいて、患者が敗血症であるという指示を提供するように構成される、付記1または付記2に記載のシステム。
4.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つである、請求項1-3のいずれか1つに記載のシステム。
5.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも2つである、付記1-4のいずれか1つに記載のシステム。
6.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも2つを備え、
少なくとも2つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することは、少なくとも2つの生理学的パラメータの各々を対応する所定の閾値と比較することを含む、
付記1-5のいずれか1つに記載のシステム。
7.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも3つを備え、
少なくとも3つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することは、少なくとも3つの生理学的パラメータの各々を対応する所定の閾値と比較することを含む、
付記1-5のいずれか1つに記載のシステム。
8.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータと、呼吸数パラメータと、活動レベルパラメータとを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータを、それぞれ、所定の温度率閾値、所定の心拍数閾値,所定の呼吸数閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することを含む、
付記1-5のいずれか1つに記載のシステム。
9.少なくとも1つのコントローラは、7.2未満の血液pH、2mmol/Lを上回る血清乳酸、4mmol/Lを上回る血清乳酸、2ng/mLを上回る血液プロカルシトニンレベル、および2mm/Hg未満の低中心静脈圧のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、付記1-8のいずれか1つに記載のシステム。
10.感知要素は、持続的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記1-9のいずれか1つに記載のシステム。
11.感知要素は、周期的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記1-9のいずれか1つに記載のシステム。
12.少なくとも1つのコントローラは、持続的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記1-11のいずれか1つに記載のシステム。
13.少なくとも1つのコントローラは、周期的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記1-11のいずれか1つに記載のシステム。
14.少なくとも1つのコントローラは、持続的に少なくとも1つの生理学的パラメータを決定するように構成される、付記1-13のいずれか1つに記載のシステム。
15.少なくとも1つのコントローラは、周期的に少なくとも1つの生理学的パラメータを決定するように構成される、付記1-13のいずれか1つに記載のシステム。
16.感知要素は、温度を測定するように構成され、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記1-15のいずれか1つに記載のシステム。
17.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96~100°F外であることを決定することを含む、付記1-16のいずれか1つに記載のシステム。
18.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が所定の時間量にわたって96~100°F外であることを決定することを含む、付記1-17のいずれか1つに記載のシステム。
19.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が100°Fを上回ることを決定することを含む、付記1-18のいずれか1つに記載のシステム。
20.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が所定の時間量にわたって100°Fを上回ることを決定することを含む、付記1-19のいずれか1つに記載のシステム。
21.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96°F未満であることを決定することを含む、付記1-20のいずれか1つに記載のシステム。
22.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が所定の時間量にわたって96°F未満であることを決定することを含む、付記1-21のいずれか1つに記載のシステム。
23.温度パラメータは、体温の変化であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、ベースライン温度からの体温の少なくとも2%変化を決定することを含む、付記1-22のいずれか1つに記載のシステム。
24.温度パラメータは、体温の変化であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、所定の時間量にわたるベースライン温度からの体温の少なくとも2%変化を決定することを含む、付記1-23のいずれか1つに記載のシステム。
25.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび心拍数パラメータである、付記1-24のいずれか1つに記載のシステム。
26.感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、心拍数を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータとを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
心拍数パラメータを所定の心拍数閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
心拍数パラメータが所定の心拍数閾値外であることを決定し、
温度パラメータおよび心拍数パラメータが、それぞれ、所定の温度閾値および所定の心拍数閾値外であるという決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記1-25のいずれか1つに記載のシステム。
27.第2の感知要素は、パルスオキシメータを備えている、付記1-26のいずれか1つに記載のシステム。
28.心拍数パラメータは、患者の心拍数であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、付記1-27のいずれか1つに記載のシステム。
29.心拍数パラメータは、患者の心拍数であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が所定の時間量にわたって1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、付記1-28のいずれか1つに記載のシステム。30.心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、付記1-29のいずれか1つに記載のシステム。
31.心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が所定の時間量にわたって患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、付記1-30のいずれか1つに記載のシステム。
32.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび呼吸数パラメータである、付記1-31のいずれか1つに記載のシステム。
33.感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、呼吸数を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、呼吸数パラメータとを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
呼吸数パラメータを所定の呼吸数閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
呼吸数パラメータが所定の呼吸数閾値外であることを決定し、
温度パラメータおよび呼吸数パラメータが、それぞれ、所定の温度閾値および所定の呼吸数閾値外であるという決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記1-32のいずれか1つに記載のシステム。
34.呼吸数パラメータは、患者の呼吸数であり、呼吸数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の呼吸数が1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、付記32または付記33に記載のシステム。
35.呼吸数パラメータは、患者の呼吸数であり、呼吸数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の呼吸数が所定の時間量にわたって1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、付記32-34のいずれか1つに記載のシステム。
36.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび活動レベルパラメータである、付記1-35のいずれか1つに記載のシステム。
37.感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、患者の移動を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、活動レベルパラメータとを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
活動レベルパラメータを所定の活動レベル閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
活動レベルパラメータが所定の活動レベル閾値外であることを決定し、
温度パラメータおよび活動レベルパラメータが、それぞれ、所定の温度閾値および所定の活動レベル閾値外であるという決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記1-35のいずれか1つに記載のシステム。
38.第2の感知要素は、加速度計を備えている、付記36または付記37に記載のシステム。
39.活動レベルパラメータは、所定の時間量にわたる患者の移動の量であり、活動レベルパラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の移動の量が所定の時間量にわたって所定の閾値未満であることを決定することを含む、付記36-38のいずれか1つに記載のシステム。
40a.所定の閾値は、少なくとも部分的に患者のベースライン活動レベルおよび/または年齢調節された予期される活動レベルに基づく、付記39に記載のシステム。
40b.活動レベルパラメータは、所定の時間量にわたる患者の移動の量であり、活動レベルパラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の移動の量が患者のベースライン活動レベルの20%未満であることを決定することを含む、付記37-40aのいずれか1つに記載のシステム。
41.少なくとも1つのコントローラは、筐体と統合される、付記1-40のいずれか1つに記載のシステム。
42.少なくとも1つのコントローラはさらに、生理学的測定値および/または少なくとも1つの生理学的パラメータを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、付記1-41のいずれか1つに記載のシステム。
43.少なくとも1つのコントローラは、第1のコントローラと、第2のコントローラとを備え、
第1のコントローラは、筐体と統合され、第2のコントローラは、筐体と別個であり、患者内に埋め込まれるように構成されず、
第1のコントローラは、第2のコントローラと無線通信する、
付記1-42のいずれか1つに記載のシステム。
44.第1のコントローラは、ローカルエリアネットワークおよび/またはパーソナルエリアネットワークのうちの少なくとも1つを経由して第2のコントローラと通信する、付記43に記載のシステム。
45.第1のコントローラは、Bluetooth(登録商標)を介して第2のコントローラと通信する、付記43に記載のシステム。
46.第1のコントローラは、第2のコントローラから遠隔にあり、広域ネットワークを介して第2のコントローラと通信する、付記43に記載のシステム。
47.第2のコントローラは、スマートデバイスである、付記43-46のいずれか1つに記載のシステム。
48.少なくとも1つのコントローラは、第1のコントローラと、第2のコントローラと、第3のコントローラとを備え、
第1のコントローラは、筐体と統合され、
第2のコントローラは、筐体と別個であり、ローカルエリアネットワークおよび/またはパーソナルエリアネットワークを介して第1のコントローラと通信し、
第3のコントローラは、筐体と別個であり、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスである、
付記1-42のいずれか1つに記載のシステム。
49.筐体から延びているカテーテルをさらに備え、カテーテルは、(a)筐体に結合され、リザーバと流体連通する近位端と、(b)患者の血管内に位置付けられるように構成される遠位端とを有する、付記1-48のいずれか1つに記載のシステム。
50.感知要素は、カテーテルおよび/またはリザーバの遠位端またはその近傍に位置付けられる、付記49に記載のシステム。
51.感知要素は、第1の感知要素であり、システムは、カテーテルおよび/またはリザーバの遠位端またはその近傍に位置付けられる第2の感知要素を含み、第2の感知要素は、少なくとも1つのコントローラに通信可能に結合される、付記49に記載のシステム。52.感知要素は、筐体と統合される、付記1-51のいずれか1つに記載のシステム。53.感知要素の少なくとも一部は、筐体の外部表面に位置付けられる、付記1-52のいずれか1つに記載のシステム。
54.感知要素は、光を放出するように構成されたパルスオキシメータを備え、
筐体は、窓を含み、感知要素は、窓に隣接して位置付けられ、窓は、パルスオキシメータから放出される光が筐体の外部の場所まで通ることを可能にするように構成される、
付記1-53のいずれか1つに記載のシステム。
55.窓は、反射光が戻って通過することを可能にするように構成される、付記54に記載のシステム。
56.窓は、サファイアから成る、付記54または付記55に記載のシステム。
57.窓は、筐体にろう付けされる、付記54-56のいずれか1つに記載のシステム。58.比較に基づいて、コントローラは、患者の健康状態の指示を提供するように構成され、健康状態は、敗血症、肺塞栓症、転移性脊髄圧迫、貧血、脱水症/体液量減少、嘔吐、肺炎、鬱血性心不全、パフォーマンスステータス、不整脈、好中球減少性発熱、急性心筋梗塞、疼痛、オピオイド毒性、高血糖性/糖尿病性ケトアシドーシス、低血糖症、高カリウム血症、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、1つ以上の脳転移、上大静脈症候群、消化管出血、免疫療法誘発型または放射線肺臓炎、免疫療法誘発型大腸炎、下痢、脳血管障害、脳卒中、病理学的骨折、喀血、吐血、薬剤誘発型QT延長、心臓ブロック、腫瘍溶解症候群、鎌状赤血球貧血クリーゼ、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群、血友病、嚢胞性線維症、慢性疼痛、および発作のうちの少なくとも1つである、付記1-57のいずれか1つに記載のシステム。
2.59.患者の健康を監視するためのシステムであって、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、リザーバを含む、筐体と、
リザーバに隣接し、リザーバへの流体の送達のためのそれを通した針を受け取るように構成された隔壁と、
筐体に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素と、
感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラであって、少なくとも1つのコントローラはさらに、
筐体が患者内に埋め込まれている間、感知要素を介して生理学的測定値を取得し、
生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し、少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つとを含み、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較し、温度パラメータを所定の温度閾値と比較することと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、所定の心拍数閾値、所定の温度閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することとを含み、
比較に基づいて、患者が敗血症であるという指示を提供する、
ように構成される、少なくとも1つのコントローラと、
を備えている、システム。
60.感知要素は、温度感知要素、心拍数感知要素、呼吸数感知要素、移動感知要素、圧力感知要素、電気信号感知要素、および電気光学感知要素のうちの少なくとも1つを備えている、付記59に記載のシステム。
61.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96~100°F外であることを決定することを含む、付記59または付記60に記載のシステム。
62.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が100°Fを上回ることを決定すること、または体温が96°F未満であることを決定することを含む、付記59-61のいずれか1つに記載のシステム。
63.感知要素は、パルスオキシメータおよび電極のうちの少なくとも1つを備えている、付記59-62のいずれか1つに記載のシステム。
64.心拍数パラメータは、患者の心拍数であり、心拍数パラメータが所定の心拍数閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、付記59-63のいずれか1つに記載のシステム。
65.心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の心拍数閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、付記59-64のいずれか1つに記載のシステム。
66.呼吸数パラメータは、患者の呼吸数であり、呼吸数パラメータが所定の呼吸数閾値外であることを決定することは、患者の呼吸数が1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、付記59-65のいずれか1つに記載のシステム。
67.感知要素は、加速度計を備えている、付記59-66のいずれか1つに記載のシステム。
68.活動レベルパラメータは、所定の時間量にわたる患者の移動の量であり、活動レベルパラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の移動の量が所定の時間量にわたって所定の閾値未満であることを決定することを含む、付記59-67のいずれか1つに記載のシステム。
69.所定の閾値は、少なくとも部分的に患者のベースライン活動レベルに基づく、付記68に記載のシステム。
3.70.患者の健康を監視するためのシステムであって、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、リザーバを含む、筐体と、
リザーバに隣接し、リザーバへの流体の送達のためのそれを通した針を受け取るように構成された隔壁と、
筐体に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素であって、光を放出するように構成されたパルスオキシメータを含む、感知要素と、
感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラであって、少なくとも1つのコントローラはさらに、
筐体が患者内に埋め込まれている間、感知要素を介して生理学的測定値を取得し、
生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し、少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つとを含み、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較し、温度パラメータを所定の温度閾値と比較することと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、所定の心拍数閾値、所定の温度閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することとを含み、
比較に基づいて、患者が敗血症であるという指示を提供する、
ように構成される、少なくとも1つのコントローラと、
を備えている、システム。
71.感知要素は、筐体と統合される、付記70に記載のシステム。
72.筐体は、窓を含み、感知要素は、窓に隣接して位置付けられ、窓は、(a)パルスオキシメータから放出される光が筐体の外部の場所まで通ること、および、(b)光の全ての反射が窓を通って戻ることを可能にするように構成される、付記70または付記71に記載のシステム。
73.感知要素はさらに、加速度計および電極のうちの少なくとも1つを備えている、付記70-72のいずれか1つに記載のシステム。
74.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび心拍数パラメータであり、
温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96~100°F外であることを決定することを含む、
心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の心拍数閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、
付記70-73のいずれか1つに記載のシステム。
4.75.患者の健康を監視するためのシステムであって、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、リザーバを含む、筐体と、
リザーバに隣接し、リザーバへの流体の送達のためのそれを通した針を受け取るように構成された隔壁と、
筐体に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素と、
筐体から延びているカテーテルであって、(a)筐体に結合され、リザーバと流体連通する近位端と、(b)患者の血管内に位置付けられるように構成される遠位端とを有する、カテーテルと、
感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラであって、少なくとも1つのコントローラはさらに、
筐体が患者内に埋め込まれている間、感知要素を介して生理学的測定値を取得し、
生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し、少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つとを含み、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較し、温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、所定の心拍数閾値、所定の温度閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することとを含み、
比較に基づいて、患者が敗血症であるという指示を提供する、
ように構成される、少なくとも1つのコントローラと、
を備えている、システム。
76.感知要素は、(a)温度を測定するように構成されるセンサと、(b)加速度計および電極のうちの少なくとも1つとを備えている、付記75に記載のシステム。
77.感知要素は、(a)温度を測定するように構成されるセンサと、(b)パルスオキシメータとを備えている、付記75または付記76に記載のシステム。
78.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび心拍数パラメータであり、
温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96~100°F外であることを決定することを含む、
心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の心拍数閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、
付記75-77のいずれか1つに記載のシステム。
5.79.患者の健康を監視するための方法であって、
血管アクセスデバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイスに結合される感知要素を介して、患者の生理学的測定値を取得することであって、血管アクセスデバイスはさらに、リザーバを含む筐体と、リザーバに隣接し、リザーバへの流体の送達のためのそれを通した針を受け取るように構成された隔壁とを備えている、ことと、
生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定することと、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することと、
比較に基づいて、患者の健康の指示を提供することと、
を含む、方法。
80.感知要素は、温度感知要素、心拍数感知要素、呼吸数感知要素、移動感知要素、圧力感知要素、および電気信号感知要素のうちの少なくとも1つを備えている、付記79に記載の方法。
81.少なくとも1つのコントローラは、比較に基づいて、患者が敗血症であるという指示を提供するように構成される、付記79または付記80に記載の方法。
82.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つである、付記79-81のいずれか1つに記載の方法。
83.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも2つである、付記79-82のいずれか1つに記載の方法。
84.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも2つを備え、
少なくとも2つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することは、少なくとも2つの生理学的パラメータの各々を対応する所定の閾値と比較することを含む、
付記79-83のいずれか1つに記載の方法。
85.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも3つを備え、
少なくとも3つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することは、少なくとも3つの生理学的パラメータの各々を対応する所定の閾値と比較することを含む、
付記79-84のいずれか1つに記載の方法。
86.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータと、呼吸数パラメータと、活動レベルパラメータとを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータを、それぞれ、所定の温度率閾値、所定の心拍数閾値,所定の呼吸数閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することを含む、
付記79-85のいずれか1つに記載の方法。
87.少なくとも1つのコントローラは、7.2未満の血液pH、2mmol/Lを上回る血清乳酸、4mmol/Lを上回る血清乳酸、2ng/mLを上回る血液プロカルシトニンレベル、および2mm/Hg未満の低中心静脈圧のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、付記79-86のいずれか1つに記載の方法。
88.感知要素は、持続的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記79-87のいずれか1つに記載の方法。
89.感知要素は、周期的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記79-87のいずれか1つに記載の方法。
90.少なくとも1つのコントローラは、持続的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記79-89のいずれか1つに記載の方法。
91.少なくとも1つのコントローラは、周期的に生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを取得するように構成される、付記79-89のいずれか1つに記載の方法。
92.少なくとも1つのコントローラは、持続的に少なくとも1つの生理学的パラメータを決定するように構成される、付記79-91のいずれか1つに記載の方法。
93.少なくとも1つのコントローラは、周期的に少なくとも1つの生理学的パラメータを決定するように構成される、付記79-92のいずれか1つに記載の方法。
94.感知要素は、温度を測定するように構成され、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、付記79-93のいずれか1つに記載の方法。
95.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96~100°F外であることを決定することを含む、付記79-94のいずれか1つに記載の方法。
96.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が所定の時間量にわたって96~100°F外であることを決定することを含む、付記79-95のいずれか1つに記載の方法。
97.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が100°Fを上回ることを決定することを含む、付記79-96のいずれか1つに記載の方法。
98.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が所定の時間量にわたって100°Fを上回ることを決定することを含む、付記79-97のいずれか1つに記載の方法。
99.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が96°F未満であることを決定することを含む、付記79-98のいずれか1つに記載の方法。
100.温度パラメータは、患者の体温であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、体温が所定の時間量にわたって96°F未満であることを決定することを含む、付記79-99のいずれか1つに記載の方法。
101.温度パラメータは、体温の変化であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、ベースライン温度からの体温の少なくとも2%変化を決定することを含む、付記79-100のいずれか1つに記載の方法。
102.温度パラメータは、体温の変化であり、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定することは、所定の時間量にわたるベースライン温度からの体温の少なくとも2%変化を決定することを含む、付記79-101のいずれか1つに記載の方法。
103.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび心拍数パラメータである、付記79-102のいずれか1つに記載の方法。
104.感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、心拍数を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータとを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
心拍数パラメータを所定の心拍数閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
心拍数パラメータが所定の心拍数閾値外であることを決定し、
温度パラメータおよび心拍数パラメータが、それぞれ、所定の温度閾値および所定の心拍数閾値外であるという決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記79-103のいずれか1つに記載の方法。
105.第2の感知要素は、パルスオキシメータを備えている、付記79-104のいずれか1つに記載の方法。
106.心拍数パラメータは、患者の心拍数であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、付記79-105のいずれか1つに記載の方法。
107.心拍数パラメータは、患者の心拍数であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が所定の時間量にわたって1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、付記79-106のいずれか1つに記載の方法。
108.心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、付記79-107のいずれか1つに記載の方法。
109.心拍数パラメータは、患者の心拍数の変化であり、心拍数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の心拍数が所定の時間量にわたって患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、付記79-108のいずれか1つに記載の方法。
110.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび呼吸数パラメータである、付記79-109のいずれか1つに記載の方法。
111.感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、呼吸数を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、呼吸数パラメータとを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
呼吸数パラメータを所定の呼吸数閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
呼吸数パラメータが所定の呼吸数閾値外であることを決定し、
温度パラメータおよび呼吸数パラメータが、それぞれ、所定の温度閾値および所定の呼吸数閾値外であるという決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記79-110のいずれか1つに記載の方法。
112.呼吸数パラメータは、患者の呼吸数であり、呼吸数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の呼吸数が1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、付記79-111のいずれか1つに記載の方法。
113.呼吸数パラメータは、患者の呼吸数であり、呼吸数パラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の呼吸数が所定の時間量にわたって1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、付記79-112のいずれか1つに記載の方法。
114.少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび活動レベルパラメータである、付記79-113のいずれか1つに記載の方法。
115.感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、患者の移動を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、活動レベルパラメータとを含み、
少なくとも1つのコントローラは、
温度パラメータを所定の温度閾値と比較し、
活動レベルパラメータを所定の活動レベル閾値と比較し、
温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定し、
活動レベルパラメータが所定の活動レベル閾値外であることを決定し、
温度パラメータおよび活動レベルパラメータが、それぞれ、所定の温度閾値および所定の活動レベル閾値外であるという決定に基づいて、患者が敗血症であることを示す、
ように構成される、
付記79-114のいずれか1つに記載の方法。
116.第2の感知要素は、加速度計を備えている、付記79-115のいずれか1つに記載の方法。
117.活動レベルパラメータは、所定の時間量にわたる患者の移動の量であり、活動レベルパラメータが所定の閾値外であることを決定することは、患者の移動の量が所定の時間量にわたって所定の閾値未満であることを決定することを含む、付記79-116のいずれか1つに記載の方法。
118.所定の閾値は、少なくとも部分的に患者のベースライン活動レベルに基づく、付記117に記載の方法。
119.少なくとも1つのコントローラは、筐体と統合される、付記79-118のいずれか1つに記載の方法。
120.少なくとも1つのコントローラはさらに、生理学的測定値および/または少なくとも1つの生理学的パラメータを1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスに伝送するように構成される、付記79-119のいずれか1つに記載の方法。
121.少なくとも1つのコントローラは、第1のコントローラと、第2のコントローラとを備え、
第1のコントローラは、筐体と統合され、第2のコントローラは、筐体と別個であり、患者内に埋め込まれるように構成されず、
第1のコントローラは、第2のコントローラと無線通信する、
付記79-120のいずれか1つに記載の方法。
122.第1のコントローラは、ローカルエリアネットワークおよび/またはパーソナルエリアネットワークのうちの少なくとも1つを経由して第2のコントローラと通信する、付記121に記載の方法。
123.第1のコントローラは、Bluetooth(登録商標)を介して第2のコントローラと通信する、付記121に記載の方法。
124.第1のコントローラは、第2のコントローラから遠隔にあり、広域ネットワークを介して第2のコントローラと通信する、付記121に記載の方法。
125.第2のコントローラは、スマートデバイスである、付記121-124のいずれか1つに記載の方法。
126.少なくとも1つのコントローラは、第1のコントローラと、第2のコントローラと、第3のコントローラとを備え、
第1のコントローラは、筐体と統合され、
第2のコントローラは、筐体と別個であり、ローカルエリアネットワークおよび/またはパーソナルエリアネットワークを介して第1のコントローラと通信し、
第3のコントローラは、筐体と別個であり、1つ以上の遠隔コンピューティングデバイスである、
付記79-125のいずれか1つに記載の方法。
127.筐体から延びているカテーテルをさらに備え、カテーテルは、(a)筐体に結合され、リザーバと流体連通する近位端と、(b)患者の血管内に位置付けられるように構成される遠位端とを有する、付記79-126のいずれか1つに記載の方法。
128.感知要素は、カテーテルおよび/またはリザーバの遠位端またはその近傍に位置付けられる、付記127に記載の方法。
129.感知要素は、第1の感知要素であり、本方法は、カテーテルおよび/またはリザーバの遠位端またはその近傍に位置付けられる第2の感知要素を含み、第2の感知要素は、少なくとも1つのコントローラに通信可能に結合される、付記127に記載の方法。
130.感知要素は、筐体と統合される、付記79-129のいずれか1つに記載の方法。
131.感知要素の少なくとも一部は、筐体の外部表面に位置付けられる、付記79-130のいずれか1つに記載の方法。
132.感知要素は、光を放出するように構成されたパルスオキシメータを備え、
筐体は、窓を含み、感知要素は、窓に隣接して位置付けられ、窓は、パルスオキシメータから放出される光が筐体の外部の場所まで通ることを可能にするように構成される、
付記79-131のいずれか1つに記載の方法。
133.窓は、反射光が戻って通過することを可能にするように構成される、付記132に記載の方法。
134.窓は、サファイアから成る、付記132または付記133に記載の方法。
135.窓は、筐体にろう付けされる、付記132-134のいずれか1つに記載の方法。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
患者の健康を監視するためのシステムであって、前記システムは、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、前記筐体は、リザーバを含む、筐体と、
前記リザーバに隣接した隔壁であって、前記隔壁は、前記リザーバへの流体の送達のための前記隔壁を通した針を受け取るように構成されている、隔壁と、
前記筐体によって保持され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素と、
前記感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラと
を備え、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記筐体が前記患者内に埋め込まれている間、前記感知要素を介して前記生理学的測定値を取得することと、
前記生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定することと、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することと、
前記比較に基づいて、前記患者の健康の指示を提供することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
(項目2)
前記感知要素は、温度感知要素、心拍数感知要素、呼吸数感知要素、移動感知要素、圧力感知要素、電気信号感知要素、および電気光学感知要素のうちの少なくとも1つを備えている、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記感知要素は、電極と、パルスオキシメータとを備えている、項目1または項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記少なくとも1つのコントローラは、前記比較に基づいて、前記患者が敗血症であるという指示を提供するように構成されている、項目1-3のいずれか1項に記載のシステム。
(項目5)
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つである、項目1-4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目6)
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも2つである、項目1-4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも2つを備え、
前記少なくとも2つの生理学的パラメータを前記所定の閾値と比較することは、前記少なくとも2つの生理学的パラメータの各々を対応する所定の閾値と比較することを含む、項目1-4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目8)
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも3つを備え、
前記少なくとも3つの生理学的パラメータを前記所定の閾値と比較することは、前記少なくとも3つの生理学的パラメータの各々を対応する所定の閾値と比較することを含む、項目1-4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目9)
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータと、呼吸数パラメータと、活動レベルパラメータとを備え、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータを前記所定の閾値と比較することは、前記温度パラメータ、前記心拍数パラメータ、前記呼吸数パラメータ、および前記活動レベルパラメータを、それぞれ、所定の温度率閾値、所定の心拍数閾値,所定の呼吸数閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することを含む、項目1-4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目10)
前記感知要素は、温度を測定するように構成され、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータを含み、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記温度パラメータを所定の温度閾値と比較することと、
前記温度パラメータが前記所定の温度閾値外であることを決定することと、
前記決定に基づいて、前記患者が敗血症であることを示すことと
を行うように構成されている、項目1-4のいずれか1項に記載のシステム。
(項目11)
前記温度パラメータは、前記患者の体温であり、前記温度パラメータが前記所定の温度閾値外であることを決定することは、前記体温が96~100°F外であることを決定することを含む、項目10に記載のシステム。
(項目12)
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータおよび心拍数パラメータである、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記感知要素は、温度を測定するように構成された第1の感知要素と、心拍数を測定するように構成された第2の感知要素とを備え、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータとを含み、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記温度パラメータを所定の温度閾値と比較することと、
前記心拍数パラメータを所定の心拍数閾値と比較することと、
前記温度パラメータが前記所定の温度閾値外であることを決定することと、
前記心拍数パラメータが前記所定の心拍数閾値外であることを決定することと、
前記温度パラメータおよび前記心拍数パラメータが、それぞれ、前記所定の温度閾値および前記所定の心拍数閾値外であるという決定に基づいて、前記患者が敗血症であることを示すことと
を行うように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目14)
患者の健康を監視するためのシステムであって、前記システムは、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、前記筐体は、リザーバを含む、筐体と、
前記リザーバに隣接した隔壁であって、前記隔壁は、前記リザーバへの流体の送達のための前記隔壁を通した針を受け取るように構成されている、隔壁と、
前記筐体によって保持され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素と、
前記感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラと
を備え、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記筐体が前記患者内に埋め込まれている間、前記感知要素を介して前記生理学的測定値を取得することと、
前記生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定することであって、前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つとを含む、ことと、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することであって、前記比較することは、前記温度パラメータを所定の温度閾値と比較することと、前記心拍数パラメータ、前記呼吸数パラメータ、および前記活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、所定の心拍数閾値、所定の温度閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することとを含む、ことと、
前記比較に基づいて、前記患者が敗血症であるという指示を提供することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
(項目15)
前記温度パラメータは、前記患者の体温であり、前記温度パラメータが前記所定の温度閾値外であることを決定することは、前記体温が96~100°F外であることを決定することを含む、項目14に記載のシステム。
(項目16)
前記心拍数パラメータは、前記患者の心拍数であり、前記心拍数パラメータが前記所定の心拍数閾値外であることを決定することは、前記患者の心拍数が1分あたり90回の心拍を上回ることを決定することを含む、項目14または項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記心拍数パラメータは、前記患者の心拍数の変化であり、前記心拍数パラメータが前記所定の心拍数閾値外であることを決定することは、前記患者の心拍数が前記患者の基準心拍数から少なくとも10%増加していることを決定することを含む、項目14-16のいずれか1項に記載のシステム。
(項目18)
前記呼吸数パラメータは、前記患者の呼吸数であり、前記呼吸数パラメータが前記所定の呼吸数閾値外であることを決定することは、前記患者の呼吸数が1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定することを含む、項目14-17のいずれか1項に記載のシステム。
(項目19)
前記活動レベルパラメータは、所定の時間量にわたる前記患者の移動の量であり、前記活動レベルパラメータが前記所定の閾値外であることを決定することは、前記患者の移動の量が前記所定の時間量にわたって前記所定の閾値未満であることを決定することを含む、項目14-18のいずれか1項に記載のシステム。
(項目20)
前記所定の閾値は、少なくとも部分的に前記患者のベースライン活動レベルに基づく、項目19に記載のシステム。
(項目21)
前記感知要素は、パルスオキシメータおよび電極のうちの少なくとも1つを備えている、項目14-20のいずれか1項に記載のシステム。
(項目22)
前記感知要素は、加速度計を備えている、項目14-21のいずれか1項に記載のシステム。
(項目23)
前記筐体は、窓を含み、前記感知要素は、前記窓に隣接して位置付けられ、前記窓は、(a)前記パルスオキシメータから放出される光が前記筐体の外部の場所まで通ること、および、(b)前記光の全ての反射が前記窓を通って戻ることを可能にするように構成されている、項目14-22のいずれか1項に記載のシステム。
(項目24)
患者の健康を監視するためのシステムであって、前記システムは、
ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体であって、前記筐体は、リザーバを含む、筐体と、
前記リザーバに隣接した隔壁であって、前記隔壁は、前記リザーバへの流体の送達のための前記隔壁を通した針を受け取るように構成されている、隔壁と、
前記筐体に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素であって、前記感知要素は、光を放出するように構成されたパルスオキシメータを含む、感知要素と、
前記感知要素に通信可能に結合されるように構成された少なくとも1つのコントローラと
を備え、
前記少なくとも1つのコントローラは、
前記筐体が前記患者内に埋め込まれている間、前記感知要素を介して前記生理学的測定値を取得することと、
前記生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータを決定することであって、前記少なくとも1つの生理学的パラメータは、温度パラメータと、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つとを含む、ことと、
前記少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較することであって、前記比較することは、前記温度パラメータを所定の温度閾値と比較することと、前記心拍数パラメータ、前記呼吸数パラメータ、および前記活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つを、それぞれ、所定の心拍数閾値、所定の温度閾値、および所定の活動レベル閾値と比較することとを含む、ことと、
前記比較に基づいて、前記患者が敗血症であるという指示を提供することと
を行うようにさらに構成されている、システム。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の多くの側面が、以下の図面を参照して、さらに理解されることができる。図面内のコンポーネントは、必ずしも一定の縮尺ではない。代わりに、本開示の原理を明確に図示することに重点が置かれている。
【0007】
図1図1は、本技術による、埋め込まれた医療デバイスを介して患者の健康を監視するためのシステムの概略表現である。
【0008】
図2図2は、図1のシステムとの使用のために構成される血管アクセスデバイスの例を示す。
【0009】
図3図3は、患者の身体内に埋め込まれた図2の血管アクセスデバイスを示す。
【0010】
図4図4は、本技術による、1つ以上の生理学的パラメータを決定するように構成されるプロセスのフロー図である。
【0011】
図5図5は、本技術による、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、敗血症の指示を提供するように構成されるプロセスのフロー図である。
【0012】
図6図6は、本技術による、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、鬱血性心不全の指示を提供するように構成されるプロセスのフロー図である。
【0013】
図7図7は、本技術による、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、パフォーマンスステータスの指示を提供するように構成されるプロセスのフロー図である。
【0014】
図8図8は、本技術による、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、急性心筋梗塞の指示を提供するように構成されるプロセスのフロー図である。
【0015】
図9図9は、本技術による、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、高血糖症の指示を提供するように構成されるプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本技術は、患者の健康状態を監視するための血管アクセスデバイス、システム、および方法に関する。本技術のデバイス、システム、および方法の概観が、図1-3および第I節を参照して下で説明される。1つ以上の生理学的パラメータを監視するための本技術の選択されたシステムおよび方法が、図4-9および第II節を参照して下で説明される。
(I.概観)
【0017】
図1は、本技術による、血管アクセスデバイス100(または「デバイス100」)を介して患者の健康を監視するためのシステム10の概略表現である。デバイス100は、患者の胸部の上側領域に沿った皮下場所等のヒト患者H内に埋め込まれるように構成される。図1に示されるように、デバイス100は、患者の健康を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定するためにシステム10によって使用される、生理学的測定値を取得するように構成される感知要素110を含み得る。いくつかの実施形態において、システム10は、生理学的パラメータに基づいて病状(敗血症等)または関連付けられる症状を検出し、検出された症状または状態の指示を患者、介護者、および/または医療処置チームに提供し得る。
【0018】
図1に図式的に示されるように、デバイス100は、例えば、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、特殊用途照会デバイス、または他の好適なデバイスであり得るローカルコンピューティングデバイス150と無線で通信するように構成され得る。デバイス100とローカルコンピューティングデバイス150との間の通信は、例えば、近距離通信(NFC)、赤外線無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi、誘導結合、容量結合、または任意の他の好適な無線通信リンクによって仲介されることができる。デバイス100は、例えば、感知要素110を介して取得される生理学的測定値、患者医療記録、デバイス性能メトリック(例えば、バッテリレベル、エラーログ等)、またはデバイス100によって記憶された任意の他のそのようなデータを含む、データを伝送し得る。いくつかの実施形態において、伝送されたデータは、ローカルコンピューティングデバイス150への伝送の間にセキュリティを維持するように、暗号化または別様に難読化される。ローカルコンピューティングデバイス150はまた、例えば、感知要素110を介して、ある生理学的測定値を取得するために、位置特定信号を放出するために、または他の機能を実施するために、命令を血管アクセスデバイス100に提供し得る。いくつかの実施形態において、ローカルコンピューティングデバイス150は、例えば、電磁誘導充電を介して、デバイス100のバッテリを無線で再充電するように構成され得る。
【0019】
システム10はさらに、第1の遠隔コンピューティングデバイス160(またはサーバ)を含み得、ローカルコンピューティングデバイス150は、次に、有線または無線通信リンク(例えば、インターネット、公衆および私設イントラネット、ローカルまたは拡張Wi-Fiネットワーク、携帯電話の基地局、旧来の電話システム(POTS)等)を経由して、第1の遠隔コンピューティングデバイス160と通信し得る。第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、1つ以上の自身のプロセッサと、メモリとを含み得る。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成される有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。メモリはまた、遠隔データベースとして機能するように構成され得る、すなわち、メモリは、ローカルコンピューティングデバイス150から受信されるデータ(1つ以上の生理学的測定値またはパラメータおよび/または他の患者情報等)を恒久的または一時的に記憶するように構成され得る。
【0020】
いくつかの実施形態において、第1の遠隔コンピューティングデバイス160は、加えて、または代替として、例えば、病院、医療提供者、医療記録データベース、保険会社、または患者データおよび/またはデバイスデータをセキュアに記憶する責任を負う他のエンティティに関連付けられるサーバコンピュータを含むことができる。遠隔場所170(例えば、病院、診療所、保険事務所、医療記録データベース、オペレータの自宅等)で、オペレータが、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、またはプロセッサおよびメモリを有する他のハンドヘルドデバイス)、または他の好適なデバイスであり得る第2の遠隔コンピューティングデバイス172を介して、データにアクセスし得る。オペレータは、例えば、ウェブベースのアプリケーションを介して、データにアクセスし得る。いくつかの実施形態において、デバイス100によって提供される難読化されたデータは、遠隔場所170において難読化解除(例えば、非暗号化)されることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、ローカルコンピューティングデバイス150の仲介を伴わずに、遠隔コンピューティングデバイス160および/または172と通信し得る。例えば、血管アクセスデバイス100は、Wi-Fiまたは他の無線通信リンクを介して、インターネット等のネットワークに接続され得る。他の実施形態において、デバイス100は、次に、遠隔コンピューティングデバイス160および/または172と通信する、ローカルコンピューティングデバイス150のみと通信し得る。
【0022】
図2は、本技術のシステム10との使用のために構成される血管アクセスデバイス100(または「デバイス100」)の例を示す。図2に示されるように、デバイス100は、ヒト患者内に埋め込まれるように構成された筐体102と、筐体102内に含まれる流体リザーバ104と、リザーバ104に隣接し、(図3に関して下記にさらに詳細に説明されるように)リザーバ104への流体(療法または診断薬等)の送達のためにそれを通して針を受け取るように構成された隔壁106とを備えている。筐体102は、針の穿刺を防止するために十分な剛直性および強度を提供する生体適合性プラスチック、金属、セラミック、医療グレードシリコーン、または他の材料から作製され得る。隔壁106は、例えば、シリコーンまたは他の変形可能な自己シール生体適合性材料から作製される自己シール膜であり得る。いくつかの実施形態において、デバイス100は、筐体102から遠位に延び、リザーバ104と流体連通するカテーテル130を含み得る。例えば、カテーテル130は、返しコネクタまたは他の好適な機械的接続を介して、デバイス100の出口ポートと噛合するように構成されることができる。カテーテル130は、単一または多重管腔カテーテルであり得る。いくつかの実施形態において、デバイス100は、複数の別個のカテーテルを含む。
【0023】
図3に示されるように、動作時、デバイス100は、例えば、鎖骨のちょうど下方の上側胸壁に生成される小型ポケット内で、皮膚Sの下で患者に埋め込まれる。リザーバ104と流体連通するカテーテル130は、上大静脈または右心房内に静置する先端を伴って、血管V、例えば、内頸静脈または鎖骨下静脈の中に挿入される。臨床医は、皮膚Sを通して、自己シール隔壁106を通して、流体リザーバ104の中に針N(例えば、非コアリングまたはヒューバー型針)を挿入する。流体(例えば、薬剤)を患者の血管Vの中に導入するために、臨床医は、針Nを通して流体を前進させ得、それは、次いで、リザーバ104、カテーテル130を通して、血管Vの中に流動するか、または、医師が、血管Vの中への延期された送達のために、針を通して流体を前進させ、リザーバを充填し得る。血管Vから流体を除去するために(例えば、検査のために血管Vから血液を吸引するために)、臨床医は、針Nを介して吸引力を印加し、それによって、血管Vからカテーテル130の中、流体リザーバ104の中、および針Nの中に流体(例えば、血液)を引き込むことができる。手技が完了したとき、臨床医は、針Nを除去し、自己シール隔壁106は、閉鎖構成を再開し、デバイス100は、患者の皮膚Sの下の定位置に留まり得る。
【0024】
前述で述べられたような図2を再び参照すると、デバイス10は、筐体102に結合され、生理学的測定値を取得するように構成された感知要素110を含む。単一の感知要素110が、明確にするために図示されるが、種々の実施形態において、デバイス100は、筐体102内に配置されるか、または、別様にそれに結合された複数の感知要素110を含み得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のそのような感知要素110が、筐体102から分離される別個の構造コンポーネント上に配置され得る。本明細書で使用されるように、用語「感知要素」は、単一のセンサまたは複数の別々の別個のセンサを指し得る。
【0025】
デバイス100は、感知要素110に通信可能に結合された少なくとも1つのコントローラ112を含み得る。コントローラ112は、1つ以上のプロセッサと、ソフトウェアコンポーネントと、メモリ(図示せず)とを含み得る。いくつかの例において、1つ以上のプロセッサは、メモリ内に記憶された命令に従って、感知要素110から受信される生理学的測定値を処理するように構成された1つ以上のコンピューティングコンポーネントを含む。メモリは、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成された有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。例えば、メモリは、ある機能を達成するように1つ以上のプロセッサによって実行可能なソフトウェアコンポーネントのうちの1つ以上のものをロードされ得るデータ記憶装置であり得る。いくつかの例において、機能は、感知要素110に患者から生理学的データを取得させることを伴い得る。別の例において、機能は、生理学的データを処理し、1つ以上の生理学的パラメータを決定する、および/または、決定された生理学的パラメータまたは症状に関連付けられる1つ以上の症状または病状の指示を患者および/または臨床医に提供することを伴い得る。
【0026】
コントローラ112はまた、デバイス100と外部コンピューティングデバイス(例えば、ローカルコンピューティングデバイス150、遠隔コンピューティングデバイス160、および170等)との間でデータをセキュアに伝送するように構成されたデータ通信ユニットを含み得る。いくつかの実施形態において、コントローラ112は、患者内に埋め込まれたとき、位置特定信号(例えば、患者の皮膚を透照する光、振動、磁場等)を放出し、デバイス100を位置特定する際に臨床医を支援するように構成された位置特定ユニットを含む。コントローラ112は、照会デバイス(例えば、ローカルデバイス150または別の好適なデバイス)の存在下にあるとき、デバイス100のバッテリ(図示せず)を再充電するように構成された無線充電ユニット(コイル等)を含むこともできる。
【0027】
システム10は、デバイス100と通信する感知要素110を介して生理学的測定値を持続的および/または周期的に取得するように構成され得る。感知要素110は、筐体102および/またはカテーテル130によって保持され得、および/または、筐体102およびカテーテル130と別個であるが、筐体102および/またはカテーテル130に物理的または通信可能に結合された感知コンポーネントを含み得る。感知要素110は、デバイス100と同一の場所に、または異なる場所に埋め込まれ得るか、または、外部場所で患者上に(例えば、患者の皮膚上に)位置付けられ得る。感知要素110は、デバイス100に恒久的に結合され得るか、または、デバイス100に一時的に結合するように構成され得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、感知要素110は、デバイス100が埋め込まれるとき、感知要素110の一部のみが局所生理学的環境にさらされるように、筐体102に内蔵される。例えば、感知要素110は、筐体102の外部表面に位置付けられる外部部分と、筐体102内に位置付けられ、コントローラ112に配線される内部部分とを有する1つ以上の電極を備え得る。いくつかの実施形態において、感知要素110は、ポートリザーバ104との界面またはリザーバ104およびカテーテル130の接合点において筐体102の内部表面に位置付けられるか、またはカテーテル130の中に延びているか、内部部分を有する1つ以上の電極を備え得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、感知要素110は、完全に筐体102内に含まれ得る。例えば、感知要素110は、筐体102によって封入され、それを通して、パルスオキシメータから放出される光が外部場所まで通過し得、それを通して戻るように、外部場所から反射される光がパルスオキシメータのフォトダイオードによる検出のために通過し得る筐体102内の窓に隣接して位置付けられたパルスオキシメータを備え得る。そのような実施形態において、窓は、例えば、筐体102の外壁内の定位置にろう付けされるサファイア窓であり得る。
【0030】
感知要素110は、筐体102によって完全に封入される少なくとも1つのセンサと、筐体102および/またはカテーテル130の直接上にあるか、または筐体102および/またはカテーテル130から分離されている(但し、例えば、有線接続を介して筐体102および/またはカテーテル130に依然として物理的に結合されている)かどうかにかかわらず、部分的または完全に外部場所に位置付けられた少なくとも1つのセンサとを備え得る。いくつかの実施形態において、感知要素110の少なくとも一部は、リザーバ104の内部領域に位置付けられ、および/または、それにさらされる。
【0031】
いくつかの実施形態において、感知要素110は、1つ以上のプロセッサおよび/またはソフトウェアコンポーネントを備えている別個のコントローラ(図示せず)を含み得る。そのような実施形態において、感知要素110は、生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを処理し、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、次いで、(基礎的な生理学的データの有無を問わず)それらの生理学的パラメータをデバイス100のコントローラ112に伝送し得る。いくつかの例において、感知要素110は、データをコントローラ112に伝送する前に、生理学的測定値のうちの少なくともいくつかを部分的にのみ処理し得る。そのような実施形態において、コントローラ112はさらに、受信された生理学的データを処理し、1つ以上の生理学的パラメータを決定し得る。ローカルコンピューティングデバイス150および/または遠隔コンピューティングデバイス160、170はまた、感知要素110によって取得される生理学的測定値、および/または感知要素110および/またはコントローラ112によって決定される生理学的パラメータのうちのいくつかまたは全てを処理し得る。
【0032】
本技術のいくつかの側面によると、感知要素110は、メモリを含み得る。メモリは、感知要素110によって取得される生理学的測定値を恒久的および/または一時的に記憶するように構成された非一過性のコンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。感知要素110が、その自身のプロセッサを含むそれらの実施形態において、メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を記憶するように構成された有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体であり得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、感知要素110および/またはコントローラ112は、電磁、音響、運動、光学、熱、または生化学感知要素または手段によって、患者情報を識別、監視、および通信し得る。感知要素110は、例えば、1つ以上の温度感知要素(例えば、1つ以上の熱電対、1つ以上のデジタル温度センサ、1つ以上のサーミスタ、または他のタイプの抵抗温度検出器等)、1つ以上のインピーダンス感知要素(例えば、1つ以上の電極)、1つ以上の圧力感知要素、1つ以上の光学感知要素、1つ以上の流量感知要素(例えば、ドップラ速度感知要素、超音波流量計等)、1つ以上の超音波感知要素、1つ以上のパルスオキシメータ、1つ以上の化学感知要素、1つ以上の移動感知要素(例えば、1つ以上の加速度計)、1つ以上のpH感知要素、心電図(「ECG」または「EKG」)ユニット、1つ以上の電気化学感知要素、1つ以上の血液動態感知要素、および/または他の好適な感知デバイスを含み得る。
【0034】
感知要素110は、ワイヤ、複数のワイヤ、ワイヤ束、磁気ノード、および/またはノードのアレイを用いて、例えば、インピーダンス、電圧、電流、または磁場感知能力を測定および/または検出するように構成された1つ以上の電磁感知要素を備え得る。感知要素110は、例えば、ヒト聴覚範囲内、またはヒト聴覚範囲の周波数を下回る、または上回る音声周波数、鼓動または脈拍パターン、音調ピッチメロディ、および/または楽曲を測定および/または検出するように構成された1つ以上の音響感知要素を備え得る。感知要素110は、例えば、振動、移動パルス、移動のパターンまたはリズム、移動の強度、および/または移動の速度を測定および/または検出するように構成された1つ以上の運動感知要素を備え得る。運動通信は、信号への認識可能な応答によって生じ得る。この応答は、振動、パルス、移動パターン、方向、加速度、または移動率によるものであり得る。運動通信はまた、応答の欠如によるものであり得、その場合、物理的信号、振動、または環境への衝突が、感知要素110の運動応答と区別され得る周辺組織内の運動応答を生じさせる。運動通信はまた、特徴的な入力信号および応答共振によるものであり得る。感知要素110は、例えば、照明光波長、光強度、オン/オフ光パルス周波数、オン/オフ光パルスパターン、UVまたは「ブラックライト」等の特殊な光で照明されたときの受動グローまたは能動グロー、または認識可能な形状または文字の表示を含み得る1つ以上の光学感知要素を備え得る。これはまた、分光法、干渉法、赤外線照明への応答、および/または光学コヒーレンストモグラフィによる特性評価も含む。感知要素110は、デバイス環境が外部手段によって加熱または冷却されたとき、例えば、周辺環境に対するデバイス100温度、デバイス100(またはその一部)の温度、デバイス100および/または感知要素110を包囲する環境の温度、または周辺に対する微分デバイス温度変化率を測定および/または検出するように構成された1つ以上の熱感知要素を備え得る。感知要素110は、例えば、マイクロアレイチップを用いた、タンパク質、RNA、DNA、抗原、および/またはウイルスの感知のための体液のマイクロ流体輸送を可能にするためのカテーテル、細管、吸い上げ紙、または吸い上げ繊維の使用を含み得る1つ以上の生化学デバイスを備え得る。
【0035】
本技術のいくつかの側面では、コントローラ112および/または感知要素110は、ナトリウム、カリウム、塩化物、重炭酸塩、クレアチニン、血中尿素窒素、カルシウム、マグネシウム、およびリン等の血液成分の濃度を検出および/または測定するように構成され得る。システム10および/または感知要素110は、肝機能(例えば、AST、ALT、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、トロポニン等の評価および/または検出によって)、心臓機能(例えば、トロポニンの評価および/または検出によって)、凝固(例えば、プロトロンビン時間(PT)、部分トロンボプラスチン時間(PTT)、および国際標準化比(INR)の決定を介して)、および/または血球数(例えば、ヘモグロビンまたはヘマトクリット、差を伴う白血球レベル、および血小板)を評価するように構成され得る。いくつかの実施形態において、システム10および/または感知要素110は、循環腫瘍細胞、循環腫瘍DNA、循環RNA、生殖細胞系または腫瘍DNAの多重遺伝子シークエンシング、サイトカイン、C反応性タンパク質、赤血球沈降率、腫瘍マーカ(PSA、ベータHCG、AFP、LDH、CA125、CA19-9、CEA等)、およびその他等の炎症のマーカを検出および/または測定するように構成され得る。
【0036】
前述で述べられたように、システム10は、生理学的測定値および/または1つ以上の他の生理学的パラメータに基づいて、1つ以上の生理学的パラメータを決定し得る。例えば、システム10は、心拍数、温度、血圧(例えば、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、血流率、血液速度、パルス波速度、体積流率、反射圧力波振幅、増大指数、血流予備能、抵抗予備能、抵抗指数、静電容量予備能、ヘマトクリット、心調律、心電図(ECG)トレーシング、体脂肪率、活動レベル、身体移動、転倒、歩行分析、発作活動、血糖レベル、薬物/薬剤レベル、血液ガス成分および血液ガスレベル(例えば、酸素、二酸化炭素等)、乳酸レベル、ホルモンレベル(コルチゾール、甲状腺ホルモン(T4、T3、遊離T4、遊離T3)、TSH、ACTH、副甲状腺ホルモン等)、および/または前述の測定値およびパラメータの任意の相関および/または導関数(例えば、電圧および/または他の直接測定される値を含む、未加工データ値)等の生理学的パラメータを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態において、生理学的測定値のうちの1つ以上のものは、システム10によるいずれの追加の処理も伴わずに、生理学的パラメータとして利用される、または特徴付けられることができる。
【0037】
システム10はまた、特定のパラメータの変化率、特定の時間枠にわたる特定のパラメータの変化等の前述の生理学的パラメータ(本明細書では「生理学的パラメータ」とも称される)のうちのいずれかの導関数を決定および/または監視し得る。ほんのいくつかの例として、システム10は、規定時間にわたる温度、最高温度、最高平均温度、最低温度、所定または計算された温度に対する所定または計算された時間における温度、規定時間にわたる平均温度、最大血流、最小血流、所定または計算された血流に対する所定または計算された時間における血流、経時的な平均血流、最大インピーダンス、最小インピーダンス、所定または計算されたインピーダンスに対する所定または計算された時間におけるインピーダンス、規定時間にわたるインピーダンスの変化、規定時間にわたる温度の変化に対するインピーダンスの変化、経時的な心拍数の変化、経時的な呼吸数の変化、規定時間にわたる、および/または規定日時における活動レベル、および他の好適な導関数として決定するように構成され得る。
【0038】
測定値が、1つ以上の所定の時間、時間の範囲、計算された時間、および/または測定された事象が生じるとき、またはそれに対する時間に、持続的または周期的に取得され得る。同様に、生理学的パラメータは、1つ以上の所定の時間、時間の範囲、計算された時間、および/または測定された事象が生じるとき、またはそれに対する時間に、持続的または周期的に決定され得る。
【0039】
決定された生理学的パラメータに基づいて、本技術のシステム10は、患者の健康の指示を患者および/または臨床医に提供するように構成される。例えば、コントローラ112は、生理学的パラメータのうちの1つ以上のものを所定の閾値または範囲と比較し、比較に基づいて、患者の健康の指示を提供し得る。例えば、決定された生理学的パラメータが、所定の閾値を上回る、または下回る、または所定の範囲外である場合、システム10は、患者が決定された生理学的パラメータに関連付けられる症状によって特徴付けられる病状の危険性がある、またはそれをすでに発症しているという指示を提供し得る。本明細書で使用されるように、「所定の範囲」は、値の設定された範囲を指し、「所定の範囲外」は、(a)所定の範囲に部分的にのみ重複する、または値の所定の範囲のいずれの部分にも重複しない、値の測定または計算された範囲を指す。本明細書で使用されるように、「所定の閾値」は、単一の値または値の範囲を指し、「所定の閾値」「外」であるパラメータは、パラメータが、(a)所定の値を超える、または満たすことができない、測定または計算された値、(b)値の所定の範囲外に該当する、測定または計算された値、(c)値の所定の範囲に部分的にのみ重複する、または値の所定の範囲のいずれの部分にも重複しない、値の測定または計算された範囲、または、(d)値のうちのいずれも所定の値と重複しない、値の測定または計算された範囲である状況を指す。
【0040】
所定のパラメータ閾値および/または範囲は、ルックアップテーブルを生成するように実験的に決定されることができる。ルックアップテーブル値は、例えば、臨床試験、および/または公知の健康または正常な値または値の範囲に基づいて、実験的に決定されることができる。所定の閾値は、加えて、または代替として、特定の患者のベースライン生理学的パラメータに基づき得る。
【0041】
システム10によって検出され、および/または、示される病状は、例えば、敗血症、肺塞栓症、転移性脊髄圧迫、貧血、脱水症/体液量減少、嘔吐、肺炎、鬱血性心不全、パフォーマンスステータス、不整脈、好中球減少性発熱、急性心筋梗塞、疼痛、オピオイド毒性、ニコチンまたは他の薬物中毒または依存、高血糖性/糖尿病性ケトアシドーシス、低血糖症、高カリウム血症、高カルシウム血症、低ナトリウム血症、1つ以上の脳転移、上大静脈症候群、消化管出血、免疫療法誘発型または放射線肺臓炎、免疫療法誘発型大腸炎、下痢、脳血管障害、脳卒中、病理学的骨折、喀血、吐血、薬剤誘発型QT延長、心臓ブロック、腫瘍溶解症候群、鎌状赤血球貧血クリーゼ、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群、血友病、嚢胞性線維症、慢性疼痛、および/または発作を含み得る。
【0042】
本明細書および添付の請求項の目的のために、別様に示されない限り、温度、生理学的パラメータの変化率、血液成分の濃度、心拍数、呼吸数、および本明細書および請求項で使用される他の数値を表す、全ての数字は、全ての事例において用語「約」によって修飾されるものとして理解されることになる。故に、そうではないと示されない限り、以下の本明細書および添付の請求項に記載される数値パラメータは、本発明によって取得されることが求められる所望の性質に応じて変動し得る、近似である。少なくとも、均等物の原則の適用を請求項の範囲に限定するための試行としてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効桁数を踏まえて、通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。
【0043】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメータが近似であるにもかかわらず、具体的例に記載される数値は、可能な限り精密に報告される。しかしながら、任意の数値は、本質的に、それらの個別の試験測定値で見出される標準偏差に必然的に起因する、ある誤差を含む。さらに、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に組み込まれるありとあらゆる部分範囲を包含すると理解されることになる。例えば、「1~10」の範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(かつそれを含む)ありとあらゆる部分範囲、すなわち、1以上の最小値と、10以下の最大値とを有するありとあらゆる部分範囲、例えば、5.5~10を含む。
【0044】
本明細書および添付の請求項で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、1つの指示対象に明示的かつ明白に限定されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「a sensing element(感知要素)」の言及は、1つ、2つ、3つ、またはそれを上回る感知要素を含む。
【0045】
本明細書で使用されるように、用語「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、個別に、A、B、またはCのうちのいずれか、およびA、B、およびCのうちの2つ以上のものの任意の組み合わせを意味する。例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AB、AC、BC、およびABCを含む。
(II.患者の健康状態を監視するための選択されたデバイス、システム、および方法)
【0046】
図4は、1つ以上の生理学的パラメータを決定し、患者が病状を発症している、または発症する危険性があるという指示、および患者が病状をすでに発症しているという指示を含む、1つ以上の病状の指示を提供するように構成されたプロセス400を示す。プロセス400は、本技術のシステム(システム10等)の1つ以上の側面によって実装されることができる。いくつかの実施形態において、プロセス400は、メモリ(例えば、デバイス100のメモリおよび/または感知要素110のメモリ)内に記憶され、監視システム(例えば、システム10)の1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ112、感知要素110のコントローラ、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)のプロセッサ、遠隔コンピューティングデバイス160のプロセッサ、および/または遠隔コンピューティングデバイス170のプロセッサ)によって実行される1つ以上の命令を備えている。
【0047】
プロセス400の種々の実施形態は、ブロック402-408によって図示される1つ以上の動作、機能、および作用を含む。ブロックは、連続順序で図示されるが、これらのブロックはまた、並行して、および/または本明細書に開示および説明される順序と異なる順序で実施され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられた追加のブロックに分割され、および/または、除去され得る。
【0048】
加えて、プロセス400および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、いくつかの実施形態の1つの可能な実装の機能性および動作を示す。この点に関して、各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能またはステップを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイス等の任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短い期間にわたってデータを記憶する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または永続長期記憶装置等の非一過性の媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または有形記憶デバイスと見なされ得る。加えて、プロセス400および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、図4の各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能を実施するように配線される回路を表し得る。
【0049】
ブロック402では、プロセス400は、デバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイス(本明細書に説明される血管アクセスデバイス100のうちのいずれか等)に結合される感知要素(本明細書に説明される感知要素110のうちのいずれか等)を介して、生理学的測定値を取得する。ブロック404では、プロセス400は、生理学的測定値に基づいて、少なくとも1つの生理学的パラメータ(本明細書に説明される生理学的パラメータのうちのいずれか等)を決定し得る。ブロック406では、プロセス400は、少なくとも1つの生理学的パラメータを所定の閾値と比較し、比較に基づいて、システム10に患者の健康の指示を提供させ得るブロック408)。例えば、決定された生理学的パラメータが、所定の閾値外である場合、システム10は、患者が決定された生理学的パラメータに関連付けられる症状によって特徴付けられる病状の危険性がある、またはそれをすでに発症しているという指示を提供し得る。指示は、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)を介してローカルで、および/または遠隔コンピューティングデバイス170(図1)を介して遠隔で通信される聴覚指示(例えば、ベルまたはチャイム、口頭でのコミュニケーション等)および/または視覚指示(例えば、テキスト、発光等)であり得る。いくつかの実施形態において、プロセス400は、生理学的パラメータによって示される特定の病状または潜在的病状を決定し、指示を介して、それらの状態を通信し得る。いくつかの実施形態において、プロセス400は、指示において特定の状態を明示的に通信しないこともあるが、依然として、患者のデータが医療専門家による精査を必要とするというアラートを提供し得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、プロセス400は、生理学的パラメータが所定の閾値内であるときでさえも、患者の健康の指示を引き起こし得る。例えば、プロセス400は、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)および/または遠隔コンピューティングデバイス170(図1)を介して、患者の生理学的パラメータのうちのあるものの簡単な報告および/またはパラメータのうちの1つ以上のものの査定を含み得る、定期的健康更新を提供し得る。
(A.敗血症)
【0051】
埋め込まれた血管アクセスポートを有するべき患者の最も一般的な群は、化学療法を受けている癌患者である。化学療法は、多くの副作用を伴い、そのうちの1つは、免疫系の衰弱および感染症に罹患する危険性の対応する増加である。癌患者は、特に、感染症への身体の応答が患者の組織および器官を傷害する、致命的な状態である、敗血症の影響を受ける。本技術のシステムは、敗血症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、患者が敗血症である、または敗血症に向かって進行していることを示す指示(全身性炎症反応症候群(「SIRS」)の指示等)を患者および/または医師に提供するように構成される。本明細書および請求項において本明細書で使用されるように、患者が敗血症であるという指示は、患者が敗血症に向かって進行しているという指示を含む。
【0052】
図5は、例えば、敗血症(および/または1つ以上の対応する症状)を特徴付ける1つ以上の生理学的パラメータを決定し、敗血症の指示を患者および/または医師に提供するように構成されたプロセス500を示す。プロセス500は、本技術のシステム(システム10等)の1つ以上の側面によって実装されることができる。いくつかの実施形態において、プロセス500は、メモリ(例えば、デバイス100のメモリおよび/または感知要素110のメモリ)内に記憶され、監視システム(例えば、システム10)の1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ112、感知要素110のコントローラ、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)のプロセッサ、遠隔コンピューティングデバイス160のプロセッサ、および/または遠隔コンピューティングデバイス170のプロセッサ)によって実行される1つ以上の命令を備えている。
【0053】
プロセス500の種々の実施形態は、ブロック502-508によって図示される1つ以上の動作、機能、および作用を含む。ブロックは、連続順序で図示されるが、これらのブロックはまた、並行して、および/または本明細書に開示および説明される順序と異なる順序で実施され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられた追加のブロックに分割され、および/または、除去され得る。
【0054】
加えて、プロセス500および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、いくつかの実施形態の1つの可能な実装の機能性および動作を示す。この点に関して、各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能またはステップを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイス等の任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短い期間にわたってデータを記憶する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または永続長期記憶装置等の非一過性の媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または有形記憶デバイスと見なされ得る。加えて、プロセス400および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、図5の各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能を実施するように配線される回路を表し得る。
【0055】
ブロック502では、プロセス500は、デバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイス(本明細書に説明される血管アクセスデバイス100のうちのいずれか等)に結合される感知要素(本明細書に説明される感知要素110のうちのいずれか等)を介して、生理学的測定値を取得する。生理学的測定値は、例えば、少なくとも温度を含み得る。生理学的測定値に基づいて、プロセス500は、各々が下記にさらに詳細に議論される温度パラメータ、心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つ等の敗血症を示す少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し得る(ブロック504)。
【0056】
敗血症の一般的症状は、正常範囲外の測定される体温(すなわち、低体温症または発熱)である。故に、本技術のシステムは、瞬時体温、経時的な体温の変化、経時的な体温の変化率、経時的な平均体温等の温度パラメータを決定するように構成される。図5に示されるように、プロセス500が、ブロック506において、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定する場合、プロセス500は、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。例えば、プロセス500は、プロセス500が、(a)患者の体温が96~100°F、95~100°F、または95~101.3°Fの所定の温度閾値外であること、(b)体温が所定の時間量にわたって96~100°F、95~100°F、または95~101.3°Fの所定の温度閾値外であること、(c)瞬時または平均体温が100°Fまたは101°Fを上回ること、(d)瞬時または平均体温が所定の時間量にわたって100°Fまたは101°Fを上回ること、(e)瞬時または平均体温が96°Fまたは95°F未満であること、(f)瞬時または平均体温が所定の時間量にわたって96°Fまたは95°F未満であること、(g)ベースライン温度からの体温の少なくとも2%変化、および/または、(h)所定の時間量にわたるベースライン温度からの体温の少なくとも2%変化を決定する場合、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。
【0057】
敗血症の別の一般的症状は、頻脈または増加した心拍数である。故に、本技術のシステムは、患者の心拍数等の心拍数パラメータを決定するように構成される。図5に示されるように、プロセス500が、ブロック506において、温度パラメータおよび心拍数パラメータの各々が対応する所定の閾値外であることを決定する場合、プロセス500は、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。例えば、プロセス500は、プロセス500が、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定する場合、および、(a)患者の心拍数が1分あたり90回の心拍、1分あたり95回の心拍、または1分あたり100回の心拍を上回る、(b)患者の心拍数が所定の時間量にわたって1分あたり90回の心拍、1分あたり95回の心拍、または1分あたり100回の心拍を上回る、(c)患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%、15%、20%、または25%増加する、および/または、(d)患者の心拍数が所定の時間量にわたって患者の基準心拍数から少なくとも10%、15%、20%、または25%増加する場合、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。
【0058】
敗血症の別の一般的症状は、増加した呼吸数である。故に、本技術のシステムは、患者の呼吸数等の呼吸数パラメータを決定するように構成される。図5に示されるように、プロセス500が、ブロック506において、温度パラメータおよび呼吸数パラメータの各々が対応する所定の閾値外であることを決定する場合、プロセス500は、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。例えば、プロセス500は、プロセス500が、温度パラメータが所定の温度閾値外であることを決定する場合、および、(a)患者の呼吸数が1分あたり15、16、17、18、19、20、21、または22回の呼吸を上回る場合、および/または、(b)患者の呼吸数が所定の時間量にわたって1分あたり15、16、17、18、19、20、21、または22回の呼吸を上回る場合、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。
【0059】
敗血症の別の一般的症状は、減少した活動レベルである。故に、本技術のシステムは、移動パラメータを決定するように構成される。感知要素110は、例えば、移動(またはその導関数)を検出および/または測定するように構成された加速度計または他のセンサを含み得、生理学的測定値は、少なくとも患者の移動を含み得る。プロセス700はまた、デバイス100と別個の患者の身体上の場所に位置付けられ、または装着される1つ以上の移動検出要素によって取得される測定値を含み得る。
【0060】
生理学的測定値に基づいて、プロセス500は、図7に関して下で説明される移動パラメータおよびパフォーマンスステータスのうちのいずれか等の少なくとも1つの移動パラメータおよび/またはパフォーマンスステータスを決定し得る。
【0061】
図5に示されるように、プロセス500が、ブロック506において、温度パラメータおよび移動パラメータの各々が対応する所定の閾値外であることを決定する場合、プロセス500は、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。例えば、プロセス500は、プロセス500が、温度パラメータが所定の温度閾値外であり(それを上回り、または下回り)、敗血症患者が嗜眠状態であり、あまり活動的ではないので、患者の移動パラメータが所定の閾値未満であることを決定する場合、プロセス500は、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。所定の閾値は、例えば、患者のベースライン活動レベルに基づき得る。
【0062】
プロセス500はまた、中心静脈圧等の敗血症を示す1つ以上の追加の生理学的パラメータを決定し得る。プロセス500は、例えば、中心静脈圧が2mm/Hgを下回ることを決定することによって、患者が敗血症であるという指示を提供し得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、システム10は、後の分析のために、患者から血液サンプルを取得および貯蔵するように構成され得る。例えば、デバイス10は、血液を一時的に貯蔵するための1つ以上の別々のレセプタクルを含み得る。レセプタクルは、筐体内に含まれ得る、またはカテーテル130および/または筐体102に流体的に結合される別個のコンパートメントであり得る。いくつかの実施形態において、デバイス10は、リザーバ(カテーテル130等)に結合される第1のカテーテルと、レセプタクルに結合される第2のカテーテルとを含み得る。デバイス10は、事前設定された時間に、または事前設定された間隔で、または1つ以上のシステムまたは病状の検出に応答して、採血するように構成され得る。それが敗血症に関するため、システムによって取得される血液サンプルは、7.2未満の血液pH、2mmol/L、3mmol/L、または4mmol/Lを上回る血清乳酸、および/または2ng/mLを上回るプロカルシトニンレベル等の敗血症の1つ以上のインジケータを決定するように、後の分析のために保存され得る。
(B.鬱血性心不全)
【0064】
鬱血性心不全(「CHF」)は、心筋が衰弱し、血流を維持し、身体の必要性を満たすために十分に血液を拍出することができない進行性の致命的な状態である。加えて、急性心筋梗塞および心臓ブロック等の急性鬱血性心不全のいくつかの原因が存在する。癌患者は、具体的には、凝固性亢進、したがって、深部静脈血栓症および肺塞栓症の形成の危険性がある。したがって、腫瘍学の患者では、肺塞栓症は、急性CHFの一般的な原因を表し、したがって、急性CHFの検出は、急性肺塞栓症に関する代理臨床マーカであり得る。本技術のシステムは、CHFを示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、患者がCHFを有することを示す指示を患者および/または医師に提供するように構成される。
【0065】
図6は、例えば、CHF(および/または1つ以上の対応する症状)を特徴付ける1つ以上の生理学的パラメータを決定し、CHFの指示を患者および/または医師に提供するように構成されたプロセス600を示す。プロセス600は、本技術のシステム(システム10等)の1つ以上の側面によって実装されることができる。いくつかの実施形態において、プロセス600は、メモリ(例えば、デバイス100のメモリおよび/または感知要素110のメモリ)内に記憶され、監視システム(例えば、システム10)の1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ112、感知要素110のコントローラ、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)のプロセッサ、遠隔コンピューティングデバイス160のプロセッサ、および/または遠隔コンピューティングデバイス170のプロセッサ)によって実行される1つ以上の命令を備えている。
【0066】
プロセス600の種々の実施形態は、ブロック602-608によって図示される1つ以上の動作、機能、および作用を含む。ブロックは、連続順序で図示されるが、これらのブロックはまた、並行して、および/または本明細書に開示および説明される順序と異なる順序で実施され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられた追加のブロックに分割され、および/または、除去され得る。
【0067】
加えて、プロセス600および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、いくつかの実施形態の1つの可能な実装の機能性および動作を示す。この点に関して、各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能またはステップを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイス等の任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短い期間にわたってデータを記憶する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または永続長期記憶装置等の非一過性の媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または有形記憶デバイスと見なされ得る。加えて、プロセス600および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、図6の各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能を実施するように配線される回路を表し得る。
【0068】
ブロック602では、プロセス600は、デバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイス(本明細書に説明される血管アクセスデバイス100のうちのいずれか等)に結合される感知要素(本明細書に説明される感知要素110のうちのいずれか等)を介して、生理学的測定値を取得する。生理学的測定値は、例えば、少なくとも圧力および/または電気的活動を含み得る。生理学的測定値に基づいて、プロセス600は、各々が下記にさらに詳細に議論される、中心静脈圧(「CVP」)、酸素飽和度パラメータ、心拍数パラメータ、心調律パラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つ等のCHFを示す少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し得る(ブロック604)。
【0069】
CHFの一般的症状は、増加した中心静脈圧(「CVP」)である。CVPは、右心房および大静脈内の血圧の直接測定値と見なされ、本質的に、心臓に戻る血液の量および動脈系の中に戻るように血液を拍出する心臓の能力を反映する。CVPを測定するために、感知要素110は、カテーテル130の遠位部分および/またはリザーバ104内に位置する圧力感知要素(圧力トランスデューサ等)を含み得る。いくつかの実施形態において、システム10は、上大静脈または右心房の下側3分の1に位置付けられるように構成される遠位部分を伴う追加のカテーテルを含み得、圧力トランスデューサは、追加のカテーテルの遠位部分に位置付けられ得る。
【0070】
プロセス600は、感知要素110によって取得される生理学的測定値に基づいて、CVPを決定するように構成され得る。図6に示されるように、プロセス600が、ブロック606において、患者のCVPが所定の温度閾値外であることを決定する場合、プロセス600は、患者がCHFを有するという指示を提供し得る。例えば、プロセス600は、プロセス600が、CVPが4mmHg、5mmHg、または6mmHgを上回ることを決定する場合、患者がCHFを有するという指示を提供し得る。
【0071】
CVPに加えて、プロセス600はまた、(a)ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、(b)(患者の心拍数が心拍出量を維持しようとして増加するため)ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、(c)不規則な心調律、(d)ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る(例えば、1分あたり15、16、17、18、19、20、21、または22回の呼吸を上回る)呼吸数、および/または、(d)高または低血圧等のCHFを示す1つ以上の追加の生理学的パラメータを決定し得る。本明細書で使用されるように、「低血圧」は、90mmHg収縮期または60mmHg拡張期よりも低い血圧を指す。本明細書で使用されるように、「高血圧」は、120~129mmHgの収縮期および80mmHg未満の拡張期、または130~139mmHgの収縮期または80~89mmHgの拡張期、または少なくとも140mmHgの収縮期または少なくとも90mmHgの拡張期、または180mmHg超の収縮期および/または120mmHg超の拡張期の血圧を指す。
(C.パフォーマンスステータス)
【0072】
病院、癌センター、および診療所は、疾患が患者の日常生活能力(患者のパフォーマンスステータスとして医師および研究者に公知である)に影響を及ぼす様子を測定するための標準基準の使用を要求する。パフォーマンスステータスは、生存転帰と高度に互いに関係する。パフォーマンスステータスを評価する1つの方法は、自分自身を介護するその能力、日常活動、および身体能力(歩行、作業等)の観点から、患者の機能のレベルを説明する、ECOGスケールである。ECOGスケールは、以下のカテゴリ、すなわち、(0)完全に活動的であり、制限を伴わずに全ての疾患前のパフォーマンスを続行することができる、(1)身体的に激しい活動が制限されるが、歩行可能であり、軽いまたは座って行う性質の作業、例えば、軽い家事、オフィスワークを実行することができる、(2)歩行可能であり、全ての自己処置が可能であるが、いずれの作業活動も実行することができず、起きている時間の50%を上回って起き上がって動き回ることができる、(3)限定された自己処置のみが可能であり、起きている時間の50%を上回ってベッドまたは椅子に拘束されている、(4)完全に身体障害があり、いずれの自己処置も続行することができず、完全にベッドまたは椅子に拘束されている、(5)死亡を含む。本技術のデバイス、システム、および方法はまた、カルノフスキーパフォーマンスステータスおよびその他等のECOGスケール以外の方法に基づいて、パフォーマンスステータスの指示を査定および提供するために使用され得る。
【0073】
図7は、移動パラメータを決定し、パフォーマンスステータスまたは活動レベルの指示を患者および/または医師に提供するように構成されたプロセス700を示す。プロセス700は、本技術のシステム(システム10等)の1つ以上の側面によって実装されることができる。いくつかの実施形態において、プロセス700は、メモリ(例えば、デバイス100のメモリおよび/または感知要素110のメモリ)内に記憶され、監視システム(例えば、システム10)の1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ112、感知要素110のコントローラ、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)のプロセッサ、遠隔コンピューティングデバイス160のプロセッサ、および/または遠隔コンピューティングデバイス170のプロセッサ)によって実行される1つ以上の命令を備えている。
【0074】
プロセス700の種々の実施形態は、ブロック702-708によって図示される1つ以上の動作、機能、および作用を含む。ブロックは、連続順序で図示されるが、これらのブロックはまた、並行して、および/または本明細書に開示および説明される順序と異なる順序で実施され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられた追加のブロックに分割され、および/または、除去され得る。
【0075】
加えて、プロセス700および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、いくつかの実施形態の1つの可能な実装の機能性および動作を示す。この点に関して、各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能またはステップを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイス等の任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短い期間にわたってデータを記憶する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または永続長期記憶装置等の非一過性の媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または有形記憶デバイスと見なされ得る。加えて、プロセス700および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、図7の各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能を実施するように配線される回路を表し得る。
【0076】
ブロック702では、プロセス700は、デバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイス(本明細書に説明される血管アクセスデバイス100のうちのいずれか等)に結合される感知要素(本明細書に説明される感知要素110のうちのいずれか等)を介して、生理学的測定値を取得する。感知要素110は、例えば、加速度計または移動(またはその導関数)を検出および/または測定するように構成される他のセンサを含み得、生理学的測定値は、少なくとも患者の移動を含み得る。プロセス700はまた、(敗血症に関して上記に説明されるように)デバイス100と別個の患者の身体上の場所に位置付けられる、または装着される1つ以上の移動検出要素によって取得される測定値を含み得る。
【0077】
生理学的測定値に基づいて、プロセス700は、少なくとも1つの移動パラメータを決定し得る。例えば、プロセス700は、(a)患者によって移動される距離、(b)所定の時間量にわたって患者によって移動される距離、(c)移動の速度、(d)移動の加速度、(e)ある時刻の間の移動の距離、速度、または加速度、(f)歩数、(g)歩行、(h)平衡、移動の方向、(i)移動を通して費やされるエネルギー、(j)カロリー燃焼等の移動パラメータを決定し得る。いくつかの実施形態において、移動パラメータは、患者の身体の1つ以上の四肢または部分(胴体、脚、腕、頭、手、指、足、爪先等)による、移動される距離、移動の速度、加速度、および/または移動の方向を含み得る。そのようなパラメータは、病状を示す患者運動を識別するために特に有用であり得る。例えば、患者の胸部、頭部、または頸部において検出される、短い繰り返される高度に加速された移動が、患者が嘔吐していることを決定するために使用され得る。骨折または慢性疼痛の場合、特定の領域または四肢のより少ない移動、または移動がないことが、患者がその領域またはその近傍に骨折または慢性疼痛を有することを決定するために使用され得る。
【0078】
決定された移動パラメータに基づいて、プロセス700は、パフォーマンスステータスを決定し、パフォーマンスステータスを患者および/または医師に示し得る(ブロック708に示されるように)。例えば、前述のECOGスケールを使用して、プロセス700が、24期間にわたって進行される20フィート未満の移動パラメータを決定する場合、プロセス700は、「3」のパフォーマンスステータスグレードを示し得る。異なるレベルのパフォーマンスステータスに関する閾値は、患者のベースライン活動レベルおよび/または年齢または病状調節された活動レベルに基づき得る。1日あたりの推奨される歩数は、10,000であるが、米国人は、1日あたり約5,000~7,000歩が平均となる。いくつかの実施形態において、パフォーマンスステータスグレード(「PSG」)は、所与の地理的地域および/または年齢群内の平均的で健康な個人の活動レベルに対し得る(すなわち、そのような個人に関してPSG=0)。そのようなスケールでは、以下の閾値および対応するPSG、すなわち、1日あたり3,000~4,000歩に関して、PSG=1、1日あたり2,000~3,000歩に関して、PSG=2、1日あたり1,000~2,000歩に関して、PSG=3、1日あたり1,000歩未満に関して、PSG=4が、適用され得る。歩数以外の移動パラメータに基づく閾値も、利用され得る。加えて、または代替として、PSGは、0のPSGが、患者のベースライン活動レベルであり、活動の0~25%低減が、1のPSGであり、活動の25~50%低減が、2のPSGであり、活動の50~75%低減が、3のPSGであり、活動の75%を上回る低減が、4のPSGであるように、特定の患者のベースライン活動レベルに対し得る。本明細書で使用されるように、「活動」および/または「活動レベル」は、移動パラメータのうちの1つ以上のものに基づいて決定され得る。他のスケールも利用され得ることを理解されたい。
【0079】
いくつかの実施形態において、パフォーマンスステータスは、1つ以上の移動パラメータ、および心拍数パラメータ、温度パラメータ、呼吸数パラメータ、血液酸素飽和度パラメータ等の1つ以上の他の生理学的パラメータの組み合わせに基づき得る。パラメータの組み合わせを利用することは、特に、パラメータの組み合わせが身体活動の強度または激しさを示す限りにおいて、患者の健康のより完全な、または情報を得た評価を提供し得る。例えば、30分間のみ活動的であるが、高強度間隔訓練を示す生理学的パラメータ(例えば、増加した心拍数、呼吸数、温度等)を示す患者は、第1の患者がより短い持続時間にわたって移動していたとしても、1時間の経過にわたって浴室まで歩行し、戻ってくる患者よりも高いパフォーマンスステータスを与えられるであろう。
(D.急性心筋梗塞(「急性MI」))
【0080】
図8は、急性MI(および/または1つ以上の対応する症状)を特徴付ける1つ以上の生理学的パラメータを決定し、急性MIの指示を患者および/または医師に提供するように構成されたプロセス800を示す。プロセス800は、本技術のシステム(システム10等)の1つ以上の側面によって実装されることができる。いくつかの実施形態において、プロセス800は、メモリ(例えば、デバイス100のメモリおよび/または感知要素110のメモリ)内に記憶され、監視システム(例えば、システム10)の1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ112、感知要素110のコントローラ、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)のプロセッサ、遠隔コンピューティングデバイス160のプロセッサ、および/または遠隔コンピューティングデバイス170のプロセッサ)によって実行される1つ以上の命令を備えている。
【0081】
プロセス800の種々の実施形態は、ブロック802-808によって図示される1つ以上の動作、機能、および作用を含む。ブロックは、連続順序で図示されるが、これらのブロックはまた、並行して、および/または本明細書に開示および説明される順序と異なる順序で実施され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられた追加のブロックに分割され、および/または、除去され得る。
【0082】
加えて、プロセス800および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、いくつかの実施形態の1つの可能な実装の機能性および動作を示す。この点に関して、各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能またはステップを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイス等の任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短い期間にわたってデータを記憶する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または永続長期記憶装置等の非一過性の媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または有形記憶デバイスと見なされ得る。加えて、プロセス800および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、図8の各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能を実施するように配線される回路を表し得る。
【0083】
ブロック802では、プロセス800は、デバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイス(本明細書に説明される血管アクセスデバイス100のうちのいずれか等)に結合される感知要素(本明細書に説明される感知要素110のうちのいずれか等)を介して、生理学的測定値を取得する。感知要素110は、少なくとも1つの電極を備えてもよく、生理学的測定値は、少なくとも電気的活動(例えば、電流、電圧、インピーダンス等)を含み得る。生理学的測定値に基づいて、プロセス800は、各々が下記にさらに詳細に議論される、ECG/EKGパラメータ、呼吸数パラメータ、および活動レベルパラメータのうちの少なくとも1つ等の急性MIを示す少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し得る(ブロック804)。
【0084】
急性MIの一般的な症状は、異常なECG/EKGである。本明細書で使用されるように、「異常なECG/EKG」は、健康な個人のECG/EKG読み取り値から逸脱する、少なくともいくつかのセグメントを有するECG/EKGを指す。急性MIを有する患者は、多くの場合、ECGトレーシング上のSTセグメント上昇、逆T波、または心臓ブロックまたは心室細動等の不整脈を示すであろう。故に、本技術のシステムは、ECG/EKGパラメータを決定し、ECG/EKGパラメータを、患者のベースラインECG/EKGまたは健康または正常な電気的活動を特徴付けるECG/EKG読み取り値等の所定の閾値と比較するように構成される。図8に示されるように、プロセス800が、ブロック806において、ECG/EKGパラメータが所定の閾値外であることを決定する場合、プロセス800は、患者が急性MIを有するという指示を提供し得る。
【0085】
異常なECG/EKGに加えて、プロセス800はまた、(a)ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数(急性MIは、多くの場合、増加した呼吸数として検出されるであろう、息切れに関連付けられる)、(b)ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、および、(c)所定の移動プロファイル外のパフォーマンスステータスおよび/または移動、および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル等の急性MIを示す1つ以上の追加の生理学的パラメータを決定し得る。例えば、急性MIがある患者は、活動レベルの急激な減少を示す「倒れ込む」位置/運動を示し、および/または、失神を発症し得る。感知要素110は、例えば、1つ以上の加速度計を含み得、および/または、システム10は、患者の身体上の種々の場所に位置付けられ、または装着される1つ以上の移動検出要素(敗血症およびパフォーマンスステータスに関して上記に説明される)を含み得る。プロセス800は、感知要素110によって取得される移動が、倒れ込むことまたは気絶等の公知の移動を特徴付けることを決定し得る。気絶は、例えば、運動の欠如が後に続く、転倒を示す移動として検出され得る。
【0086】
プロセス800によって決定され、および/または、急性MIの指示を提供するために使用され得る他の生理学的パラメータは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血液クレアチンキナーゼ(「CK」)レベル、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血液クレアチンキナーゼ-筋肉/脳(「CK-MB」)レベル、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血液トロポニンレベル(レベル)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るCVP、および/または高または低血圧を含む。
(E.高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシス)
【0087】
図9は、高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシス(および/または1つ以上の対応する症状)を特徴付ける1つ以上の生理学的パラメータを決定し、同疾患の指示を患者および/または医師に提供するように構成されたプロセス900を示す。プロセス900は、本技術のシステム(システム10等)の1つ以上の側面によって実装されることができる。いくつかの実施形態において、プロセス900は、メモリ(例えば、デバイス100のメモリおよび/または感知要素110のメモリ)内に記憶され、監視システム(例えば、システム10)の1つ以上のプロセッサ(例えば、コントローラ112、感知要素110のコントローラ、ローカルコンピューティングデバイス150(図1)のプロセッサ、遠隔コンピューティングデバイス160のプロセッサ、および/または遠隔コンピューティングデバイス170のプロセッサ)によって実行される1つ以上の命令を備えている。
【0088】
プロセス900の種々の実施形態は、ブロック902-908によって図示される1つ以上の動作、機能、および作用を含む。ブロックは、連続順序で図示されるが、これらのブロックはまた、並行して、および/または本明細書に開示および説明される順序と異なる順序で実施され得る。また、種々のブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わせられた追加のブロックに分割され、および/または、除去され得る。
【0089】
加えて、プロセス900および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、フローチャートは、いくつかの実施形態の1つの可能な実装の機能性および動作を示す。この点に関して、各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能またはステップを実装するために1つ以上のプロセッサによって実行可能な1つ以上の命令を含むモジュール、セグメント、またはプログラムコードの一部を表し得る。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含む記憶デバイス等の任意のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶され得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、短い期間にわたってデータを記憶する有形の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体等の非一過性コンピュータ読み取り可能な媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、光または磁気ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)のような、二次または永続長期記憶装置等の非一過性の媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能な媒体はまた、任意の他の揮発性または不揮発性記憶システムであり得る。コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体、または有形記憶デバイスと見なされ得る。加えて、プロセス900および本明細書に開示される他のプロセスおよび方法に関して、図9の各ブロックは、プロセスにおいて具体的論理機能を実施するように配線される回路を表し得る。
【0090】
ブロック902では、プロセス900は、デバイスが患者内に埋め込まれている間、血管アクセスデバイス(本明細書に説明される血管アクセスデバイス100のうちのいずれか等)に結合される感知要素(本明細書に説明される感知要素110のうちのいずれか等)を介して、生理学的測定値を取得する。感知要素110は、例えば、電極および/または電気光学センサ(パルスオキシメータ等)を含み得る。生理学的測定値に基づいて、プロセス900は、各々が下記にさらに詳細に議論される心拍数パラメータ、呼吸数パラメータ、およびECG/EKGパラメータのうちの少なくとも1つ等の高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシスを示す少なくとも1つの生理学的パラメータを決定し得る(ブロック904)。
【0091】
高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシスの一般的症状は、頻脈または増加した心拍数である。故に、本技術のシステムは、患者の心拍数等の心拍数パラメータを決定するように構成される。図9に示されるように、プロセス900が、ブロック906において、心拍数パラメータが対応する所定の閾値外であることを決定する場合、プロセス900は、患者が高血糖症であるという指示を提供し得る。例えば、プロセス900は、プロセス900が、(a)患者の心拍数が1分あたり90、95、または100回の心拍を上回る、(b)患者の心拍数が所定の時間量にわたって1分あたり90、95、または100回の心拍を上回る、(c)患者の心拍数が患者の基準心拍数から少なくとも10%、15%、20%、または25%増加する、および/または、(d)患者の心拍数が所定の時間量にわたって患者の基準心拍数から少なくとも10%、15%、20%、または25%増加していることを決定する場合、患者が高血糖症であるという指示を提供し得る。
【0092】
高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシスの別の一般的症状は、増加した呼吸数である。故に、本技術のシステムは、患者の呼吸数等の呼吸数パラメータを決定するように構成される。図9に示されるように、プロセス900が、ブロック906において、呼吸数パラメータが対応する所定の閾値外であることを決定する場合、プロセス900は、患者が高血糖症であるという指示を提供し得る。例えば、プロセス900は、プロセス900が、(a)患者の呼吸数が1分あたり15回の呼吸を上回る、および/または、(b)患者の呼吸数が所定の時間量にわたって1分あたり15回の呼吸を上回ることを決定する場合、患者が高血糖症であるという指示を提供し得る。
【0093】
高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシスの別の一般的症状は、例えば、異常なECG/EKGによって示されるような心臓の異常な電気的活動である。例えば、プロセス900は、プロセス900が、高カリウム血症における尖鋭化したT波、低カリウム血症におけるU波、低カリウム血症、低カルシウム血症、および低マグネシウム血症におけるQT延長、および高カリウム血症および高カルシウム血症におけるQT短縮等の高血糖症を示唆する特質を伴うECG/EKGパラメータを決定する場合、患者が高血糖症であるという指示を提供するように構成され得る。ECG/EKGにおけるこれらの異常は、典型的には、患者の心調律に影響を及ぼし、不整脈を引き起こす、高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシスに関連付けられる重度の電解質異常の結果である。
【0094】
プロセス900によって決定され、および/または、高血糖症/糖尿病性ケトアシドーシスの指示を提供するために使用され得る他の生理学的パラメータは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る(通常、高度に上昇した)血糖、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中カリウムレベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の血中カルシウムレベル、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るBUNレベル、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベル(上昇したBUNおよび血中クレアチニンレベルは、腎機能障害を示す)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中ケトンレベル、ベースラインまたは所定の閾値未満の血液pH、低血圧、および/または敗血症に関して上記に議論される生理学的パラメータのうちの1つ以上のものを含む。
(F.追加の病状)
【0095】
本技術のデバイス、システム、および方法は、1つ以上の他の病状の指示を検出または提供するように構成され得る。本明細書に議論される病状のうちのいずれかに関連して使用されるように、「[病状]の指示を提供する」は、患者が病状を発症しつつある、または発症する危険性があるという指示、および患者が病状をすでに発症しているという指示を含む。例えば、いくつかの実施形態において、システムは、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、全身衰弱および減少した活動、嘔吐を示す移動の検出、低血圧、複数の電解質異常(通常、嘔吐に起因する)、および/または脱水症に関して上記に議論される生理学的パラメータのうちの1つ、いくつか、または全てを決定することに基づいて、胃不全麻痺/周期性嘔吐症候群の指示を提供し得る。
【0096】
いくつかの実施形態において、システムは、血友病を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、血友病の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、および/または所定の移動プロファイル外の移動、および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、特に、全身衰弱および減少した活動を示す、そのような移動を決定することに基づいて、血友病の指示を提供し得る。
【0097】
いくつかの実施形態において、システムは、嚢胞性線維症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、嚢胞性線維症の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、および/または、上で詳述される感染症/敗血症に関する1つ以上の生理学的パラメータを決定することに基づいて、嚢胞性線維症の指示を提供し得る。
【0098】
いくつかの実施形態において、システムは、慢性疼痛を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、慢性疼痛の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、および/またはオピオイド乱用に関して上記に議論される生理学的パラメータのうちの1つ、いくつか、または全てを決定することに基づいて、慢性疼痛の指示を提供し得る。
【0099】
いくつかの実施形態において、システムは、発作を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、発作の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、緊張性/間代性(大発作)発作活動の特徴的な反復運動、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ、(患者の呼吸が、多くの場合、発作の間に減少される、不安定である、または停止されるため)ベースラインまたは他の所定の閾値未満または外の呼吸数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、および/または血液中の電解質異常(上記に議論されるもの等)を決定することに基づいて、発作の指示を提供し得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、システムは、肺塞栓症(「PE」)を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、PEの指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースライン値または範囲または他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、PEを特に示す、増加した心拍数および減少した酸素飽和度の組み合わせ、転倒および/または移動/活動レベル(重度のPEがある患者は、運動の欠如が後に続く、転倒を示す移動として検出されるであろう失神を有し得る)、Dダイマ(深部静脈血栓症およびPE等の凝固能亢進状態で見られる血液パラメータ)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る中心静脈圧(PEは、右心負荷を引き起こし得、それは、次いで、中心静脈圧を上昇させる)、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値未満の全身血圧を決定することに基づいて、PEの指示を提供し得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、システムは、転移性脊髄圧迫を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、転移性脊髄圧迫の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(脊髄圧縮は、多くの場合、下肢脱力または麻痺につながり、それは、歩行変化/足を引きずること、または麻痺の場合の歩行の完全な欠如のいずれかとして検出され得る)、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数(例えば、疼痛および下肢脱力を伴う移動の作業の増加に起因する)を決定することに基づいて、転移性脊髄圧迫の指示を提供し得る。
【0102】
いくつかの実施形態において、システムは、貧血を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、貧血の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘモグロビンレベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘマトクリット、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値未満のRBC数を決定することに基づいて、貧血の指示を提供し得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、システムは、脱水症/体液量減少を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、脱水症/体液量減少の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースライン移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の中心静脈圧、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の全身血圧、および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の血液pHを決定することに基づいて、脱水症/体液量減少の指示を提供し得る。
【0104】
いくつかの実施形態において、システムは、嘔吐を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、嘔吐の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(嘔吐する行為は、例えば、1つ以上の加速度計を用いて検出され得る、特徴的な運動を有する)、および/または上で詳述される脱水症に関する生理学的パラメータを決定することに基づいて、嘔吐の指示を提供し得る。
【0105】
いくつかの実施形態において、システムは、肺炎を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、肺炎の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る温度パラメータ、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(肺炎がある患者が、嗜眠状態になり、したがって、あまり活発ではなくなり、肺炎で典型的に見られる激しい咳を示す移動が、検出され得る)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る白血球数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る乳酸、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るプロカルシトニン、および/または上で詳述される敗血症に関する生理学的パラメータのうちの1つ以上のもの(肺炎が敗血症に発展し得る)を決定することに基づいて、肺炎の指示を提供し得る。
【0106】
いくつかの実施形態において、システムは、不整脈を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、不整脈の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の心拍数、不規則な心調律、転倒および/または移動/活動レベル(不整脈がある患者は、運動の欠如が後に続く、転倒を示す移動として検出されるであろう失神を有し得る)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る中心静脈圧、および/または高または低血圧を決定することに基づいて、不整脈の指示を提供し得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、システムは、好中球減少性発熱/敗血症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、好中球減少性発熱/敗血症の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定の閾値を上回る(例えば、100を超えて、またはベースラインを2%超えて上昇した)温度パラメータ、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数(正常な心拍数は、1分あたり60~100回の心拍(BPM)に及ぶが、個人の間で変動し得、典型的には、敗血症では、心拍数は、100BPMを上回って上昇する、または20%の基準心拍数の増加)、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の白血球数、1,000/mm未満の絶対好中球数、および/または上で詳述される敗血症に関する生理学的パラメータのうちの1つ以上のものを決定することに基づいて、好中球減少性発熱/敗血症の指示を提供し得る。
【0108】
いくつかの実施形態において、システムは、疼痛を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、疼痛の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数(増加する、または制御されていない疼痛が、心拍数の増加を引き起こす)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、疼痛がある患者が、あまり移動しないであろうこと、疼痛を補償するように歩行異常を発症し得ること、または疼痛を緩和するように特徴的な体位を示すこと、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数を決定することに基づいて、疼痛の指示を提供し得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、システムは、オピオイド毒性または他の依存を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、オピオイド毒性または他の薬物依存の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の呼吸数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度(重度のオピオイド誘発型呼吸抑制があると、患者は、多くの場合、低酸素飽和度を発症する)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(患者が鎮静状態になるにつれて、急速に減少する活動を発症し得る、または上記に議論されるように、転倒を示す移動によって検出され得る失神を発症し得る)、異常なEKG/ECG(オピオイド毒性の進行した段階では、患者が不整脈を発症し得る)、および/または低血圧を決定することに基づいて、オピオイド毒性の指示を提供し得る。
【0110】
いくつかの実施形態において、システムは、低血糖症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、低血糖症の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の呼吸数(呼吸数は、昏睡状態では低くあり得る)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、昏睡/意識消失および発作さえも引き起こし得る、重度の低血糖症、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の血糖、低血圧、および/または上で詳述される敗血症に関する生理学的パラメータ(低血糖症は、多くの場合、合併感染症を有する)を決定することに基づいて、低血糖症の指示を提供し得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、システムは、高カリウム血症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、高カリウム血症の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ(例えば、特徴的な「尖鋭化した」または非常に高いP波、カリウムが上昇するにつれて、間隔が広くなり、変化が「正弦波」形態に進行し、重度の高カリウム血症があると、不整脈、心臓ブロック、心停止を有し得る)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(心停止、減少した運動力、麻痺、および/または減少した活動を示すもの等)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血清カリウム、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中尿素窒素(「BUN」)レベルおよび/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベル(これらの2つのパラメータは、腎機能障害を示す)、ベースラインまたは所定の閾値を上回る血中マグネシウムレベル、ベースラインまたは所定の閾値を上回る血中リンレベル、および/またはベースラインまたは所定の閾値を上回る血中ジゴキシンレベルを決定することに基づいて、高カリウム血症の指示を提供し得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、システムは、高カルシウム血症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、高カルシウム血症の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKG(例えば、特徴的なQT間隔短縮)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、筋力低下につながり、混乱、昏睡にさえもつながり得る、重度の高カルシウム血症、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血清カルシウム、ベースラインまたは所定の閾値を上回る血中マグネシウムレベル、ベースラインまたは所定の閾値を上回る血中リンレベル、追加の電解質異常(マグネシウム、カリウム)を有し得ること、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回るBUNレベル、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベル(上昇したBUNおよび血中クレアチニンレベルは、多くの場合、広範な骨転移または腫瘍随伴症候群のいずれかがある癌患者で見られる、腎機能障害を示す)を決定することに基づいて、高カルシウム血症の指示を提供し得る。
【0113】
いくつかの実施形態において、システムは、低ナトリウム血症を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、低ナトリウム血症の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数(例えば、脱水状態になった場合に上昇され得る)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数(昏睡状態では低くあり得る)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、混乱、嗜眠、発作、および昏睡を引き起こし得る、重度の低ナトリウム血症、低血清ナトリウム、過剰な水分摂取、血液量減少、SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)、利尿薬剤の過剰使用等の複数の原因、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るBUNレベルおよび/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベル(これらの2つのパラメータは、腎機能障害を示す。腎機能障害は、低ナトリウム血症が利尿薬のような薬剤による脱水症に起因する場合、特に関連性がある)、および/または血中TSH/甲状腺検査でチェックされ得る、甲状腺機能異常を決定することに基づいて、低ナトリウム血症の指示を提供し得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、システムは、脳転移を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、脳転移の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、症候性脳転移がある患者が、減少した活動レベルを示すであろうこと、異常な移動、異常な歩行、および/または嘔吐等の局所神経障害を示す移動が検出され得ること、広いT波逆転(「脳T波」として公知である)、QT延長、ST上昇または抑制(虚血を模倣する)、および/または不整脈等の所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数(増加した頭蓋内圧が、低呼吸数または不安定な呼吸パターンにつながり得る)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、増加した頭蓋内圧が徐脈につながり得ること、増加した、または高い血圧(例えば、重度の増加した頭蓋内圧の結果として)、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の心拍数(例えば、重度の増加した頭蓋内圧の結果として)、および/または不規則な呼吸を決定することに基づいて、脳転移の指示を提供し得る。
【0115】
いくつかの実施形態において、システムは、上大静脈症候群(「SVC症候群」)を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、SVC症候群の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数(疼痛および減少した前負荷の組み合わせに起因して、心拍数がSVC症候群において増加するであろう)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、および/または正常な中心静脈圧を決定することに基づいて、SVC症候群の指示を提供し得る。
【0116】
いくつかの実施形態において、システムは、消化管出血を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、消化管出血の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数(例えば、急速な失血に起因する)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、出血がある患者が、減少した活動レベルを示すであろうこと、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘモグロビンレベルおよび/またはベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘマトクリット等の心虚血を示す生理学的パラメータ、低血圧(重度の失血による)を決定することに基づいて、消化管出血の指示を提供し得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、システムは、免疫療法誘発型または放射線肺臓炎を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、免疫療法誘発型または放射線肺臓炎の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、所定の閾値を上回る温度パラメータ、または所定の移動プロファイル外の正常な移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、激しい咳を示す運動を検出するステップを含むこと、および/またはサイトカイン(インターロイキン、腫瘍壊死因子(「TNF」)、C反応性タンパク質、および赤血球沈降率)を含む上昇したレベルの炎症マーカを決定することに基づいて、肺臓炎の指示を提供し得る。
【0118】
いくつかの実施形態において、システムは、免疫療法誘発型大腸炎を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、免疫療法誘発型大腸炎の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る温度パラメータ、または所定の移動プロファイル外の正常な移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、および/またはサイトカイン(インターロイキン、TNF、C反応性タンパク質、赤血球沈降率)を含む上昇したレベルの炎症マーカを決定することに基づいて、免疫療法誘発型大腸炎の指示を提供し得る。
【0119】
いくつかの実施形態において、システムは、下痢を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、下痢の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る温度パラメータ、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、脱水症による改変した腎機能(BUN/クレアチニン)、異常なカリウム、ナトリウム、およびアシドーシスを含む、複数の検査所見の異常、および/または特に下痢に伴う重度の体積減少がある場合、低血圧を決定することに基づいて、下痢の指示を提供し得る。
【0120】
いくつかの実施形態において、システムは、脳血管障害(「CVA」)を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、CVAの指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(CVAがある患者は、移動または歩行障害として検出され得る、急激な局所神経障害を示すであろう)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、低呼吸数または不安定な呼吸パターンにつながり得る、増加した頭蓋内圧、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の心拍数、および/または高または上昇した血圧を決定することに基づいて、CVAの指示を提供し得る。
【0121】
いくつかの実施形態において、システムは、病理学的骨折を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、病理学的骨折の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(病理学的骨折がある患者は、活動レベルの急激な減少、および歩行可能なままである場合、歩行障害を発症するであろう)を決定することに基づいて、病理学的骨折の指示を提供し得る。
【0122】
いくつかの実施形態において、システムは、喀血または吐血を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、同状態の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘモグロビンレベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘマトクリット、および/または低血圧を決定することに基づいて、喀血または吐血の指示を提供し得る。(喀血または吐血を示す)過剰な嘔吐の検出が、単独で、または、(a)ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中カリウムレベル、およびベースラインまたは他の所定の閾値未満の血中カルシウムレベル等の1つ以上の電解質異常、(b)(例えば、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るBUNレベルおよび/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベルを決定することによる)脱水症による腎機能障害と組み合わせて、嘔吐を示す1つ以上の移動を検出することを介して、決定され得る。
【0123】
いくつかの実施形態において、システムは、薬剤誘発型QT延長を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、同状態の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ(心室性不整脈および心停止につながり得る、ECG上のQT間隔の延長等)、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(特に、失神または心停止を示す移動の検出)、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中カリウムレベル等の電解質異常、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の血中カルシウムレベルを決定することに基づいて、薬剤誘発型QT延長の指示を提供し得る。
【0124】
いくつかの実施形態において、システムは、心臓ブロックを示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、心臓ブロックの指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ、異なる程度の心臓ブロックで見られるPR間隔の特徴的な変化、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の心拍数、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル、転倒として検出されるであろう、失神につながり得る心臓ブロック、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の酸素飽和度(特に、心臓ブロックがCHFにつながる場合)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る呼吸数、および/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る中心静脈圧を決定することに基づいて、心臓ブロックの指示を提供し得る。
【0125】
いくつかの実施形態において、システムは、腫瘍溶解症候群を示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、腫瘍溶解症候群の指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、所定のプロファイルまたはパターンに対する異常なECG/EKGパラメータ、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(すなわち、全身嗜眠および減少した活動)、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中カリウムレベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満の血中カルシウムレベル、リン異常を有し得ること、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るBUNレベルおよび/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベル(上昇したBUNおよび血中クレアチニンレベルは、腎機能障害を示す)、上で詳述される、脱水症に関する生理学的パラメータ、上昇した白血球数、上昇した乳酸脱水素酵素(「LDH」)、および/または上昇した尿酸を決定することに基づいて、腫瘍溶解症候群の指示を提供し得る。
【0126】
いくつかの実施形態において、システムは、鎌状赤血球貧血クリーゼを示す1つ以上の生理学的パラメータを決定し、鎌状赤血球貧血クリーゼの指示を提供するように構成される。例えば、システムは、例えば、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回る心拍数、所定の移動プロファイル外の移動および/またはベースラインまたは所定の閾値未満の活動レベル(すなわち、全身衰弱および減少した活動、または発作を示す移動)、ベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘモグロビンレベル、ベースラインまたは他の所定の閾値未満のヘマトクリット、網状赤血球数、ベースラインまたは他の所定の閾値を上回るBUNレベルおよび/またはベースラインまたは他の所定の閾値を上回る血中クレアチニンレベル(上昇したBUNおよび血中クレアチニンレベルは、腎機能障害を示す)、および/または上で詳述される、敗血症に関する生理学的パラメータ(鎌状赤血球患者は、多くの場合、脾臓摘出術を受け、ある細菌感染症の危険性がある)を決定することに基づいて、鎌状赤血球貧血クリーゼの指示を提供し得る。
(III.結論)
【0127】
実施形態の多くが、血管アクセスデバイスを介して、生理学的測定値を取得する、および/または生理学的パラメータを決定するためのシステム、デバイス、および方法に関して上記に説明されるが、本技術は、他の用途、形態、および/または他のアプローチに適用可能である。さらに、本明細書に説明されるものに加えた他の実施形態も、本技術の範囲内に該当する。加えて、本技術のいくつかの他の実施形態は、本明細書に説明されるものと異なる構成、コンポーネント、または手順を有することができる。当業者は、したがって、故に、本技術が、追加の要素を伴う他の実施形態を有し得ること、または本技術が、上記に示され、説明される、いくつかの特徴を伴わずに他の実施形態を有し得ることを理解するであろう。
【0128】
本技術の実施形態の上記の詳細な説明は、包括的であること、または本技術を上記に開示される精密な形態に限定することを意図していない。文脈が許容する場合、単数形または複数形の用語はまた、それぞれ、複数形または単数形の用語も含み得る。本技術の具体的実施形態および例が、例証目的のために上記に説明されるが、当業者が認識するであろうように、種々の同等の修正が、本技術の範囲内で可能である。例えば、ステップが、所与の順序で提示されるが、代替実施形態は、異なる順序でステップを実施し得る。本明細書に説明される種々の実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するように組み合わせられ得る。
【0129】
さらに、用語「または」が、2つ以上の項目のリストを参照して、他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明示的に限定されない限り、次いで、そのようなリスト内の「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の項目の全て、または、(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されることになる。加えて、用語「~を備えている」は、任意のより多数の同一の特徴および/または追加のタイプの他の特徴が除外されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するために、全体を通して使用される。また、具体的実施形態が、例証の目的のために本明細書に説明されているが、種々の修正が、本技術から逸脱することなく行われ得ることも理解されたい。さらに、本技術のある実施形態に関連付けられる利点が、それらの実施形態との関連で説明されているが、他の実施形態はまた、そのような利点を呈し得、全ての実施形態が、必ずしも本技術の範囲内に該当するためにそのような利点を示す必要があるわけではない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明示的に示されない、または説明されない、他の実施形態を包含することができる。
図1
図2
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図8
図9