(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】スパイラル型膜モジュールの容器内の圧力差の測定
(51)【国際特許分類】
B01D 63/10 20060101AFI20240424BHJP
B01D 63/12 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
B01D63/10
B01D63/12
(21)【出願番号】P 2021543402
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 US2020014750
(87)【国際公開番号】W WO2020159792
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-06
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519415100
【氏名又は名称】ディディピー スペシャルティ エレクトロニック マテリアルズ ユーエス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ジョンズ、スティーブン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】フランクリン、ルーク
(72)【発明者】
【氏名】トムリンソン、イアン エー.
【審査官】横山 敏志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0180610(US,A1)
【文献】特表2005-524531(JP,A)
【文献】国際公開第2010/090251(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/187024(WO,A1)
【文献】特開2009-291743(JP,A)
【文献】特開2016-019932(JP,A)
【文献】特開2011-045843(JP,A)
【文献】特表2020-533158(JP,A)
【文献】米国特許第5372709(US,A)
【文献】国際公開第2017/165091(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/058496(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/123243(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
B01D 29/00-B01D29/96
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スパイラル型モジュール(2)であって、
a)中空の透過物収集チューブ(8)の周りに巻回されて、第1の渦巻き面(30)、対向する渦巻き面(32)、及び外周面(3)を有するシリンダを形成する、少なくとも1つの膜エンベロープ(4)と、
b)前記第1の渦巻き面(30)近傍の前記透過物収集チューブ(8)の第1の遠位部(23)と、前記対向する渦巻き面(32)近傍の前記透過物収集チューブ(8)の対向する遠位部(25)との間に軸方向に位置する前記透過物収集チューブ(8)の多孔質中央部(15)であって、前記透過物収集チューブ(8)の内面(5)から外面(7)まで貫通し、前記膜エンベロープ(4)内の透過物チャネル(12)を前記中空透過物収集チューブ(8)の内部キャビティ(9)に接続する孔(24)を含む多孔質中央部(15)と、
c)前記膜エンベロープ(4)に隣接する供給物チャネル(6)であって、前記第1の渦巻き面(30)と前記対向する渦巻き面(32)との間で前記スパイラル型膜モジュール(2)を通る供給物流れを可能にするのに適した供給物チャネル(6)と、
d)前記スパイラル型モジュール(2)に取り付けられ、前記第1の渦巻き面(30)に当接する少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)であって、前記エンドキャップアセンブリ(31)の外周(36)を画成し、前記供給物チャネル(6)に接続される供給流体アクセス経路(65)を囲む外側リング(33)を含む、エンドキャップアセンブリ(31)と、を備え、
前記スパイラル型モジュールアセンブリは、
前記エンドキャップアセンブリ(31)の一部を径方向に貫通する接続導管(45)を備え、内側導管端部(46)と外側導管端部(47)との間に流体通路を画成する前記エンドキャップアセンブリ(31)と、前記エンドキャップアセンブリ(31)に取り付けられ、前記接続導管(45)の前記流体通路に流体接続される差圧センサ(49)と、を特徴とする、
スパイラル型モジュール(2)。
【請求項2】
スパイラル型モジュールアセンブリ(21)であって、
a)圧力容器(40)であって、第1の容器端部(38)と第2の容器端部(38’)との間に、軸線(X)に沿って延在する内側周囲表面(60)を含むチャンバ(41)と、少なくとも1つの供給物入口ポート(42)と、濃縮物出口ポート(42’)と、透過物出口ポート(44)と、を備える圧力容器(40)と、
b)前記チャンバ(41)内に位置する第1のスパイラル型モジュール(2’)であって、
i)中空の第1の透過物収集チューブ(8’)の周りに巻回されて、第1の渦巻き面(30’)、第1の対向する渦巻き面(32’)、及び第1の外周面(3’)を有するシリンダを形成する、少なくとも1つの第1の膜エンベロープ(4’)と、
ii)2つの第1の遠位部(23’、25’)の間に軸方向に位置する前記第1の透過物収集チューブ(8’)の第1の多孔質中央部(15’)であって、前記第1の透過物収集チューブ(8’)の第1の内面(5’)から第1の外面(7’)まで貫通し、前記第1の膜エンベロープ(4’)内の第1の透過物チャネル(12’)を前記第1の透過物収集チューブ(8’)の第1の内部キャビティ(9’)に接続する第1のセットの孔(24’)を含む第1の多孔質中央部(15’)と、
iii)前記第1の膜エンベロープ(4’)に隣接する第1の供給物チャネル(6’)であって、前記第1の渦巻き面(30’)と前記第1の対向する渦巻き面(32’)との間で前記第1のスパイラル型モジュール(2’)を通る供給物流れを可能にするのに適した第1の供給物チャネル(6’)と、
iv)前記第1のスパイラル型モジュール(2’)に固定され、前記第1の渦巻き面(30’)に当接する第1のエンドキャップアセンブリ(31’)であって、前記第1のエンドキャップアセンブリ(31’)の第1の外周(36’)を画成する第1の外側リング(33’)を含む、第1のエンドキャップアセンブリ(31’)と、を備える、第1のスパイラル型モジュール(2’)と、
c)前記第1のスパイラル型モジュール(2’)に隣接する第2のスパイラル型モジュール(2’’)であって、
i)中空の第2の透過物収集チューブ(8’’)の周りに巻回されて、第2の渦巻き面(30’’)、第2の対向する渦巻き面(32’’)、及び第2の外周面(3’’)を有するシリンダを形成する、少なくとも1つの第2の膜エンベロープ(4’’)と、
ii)前記第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の遠位部(23’’、25’’)の間に軸方向に位置する前記第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の多孔質中央部(15’’)であって、前記第2の透過物収集チューブ(8’’)の第2の内面(5’’)から第2の外面(7’’)まで貫通し、前記第2の膜エンベロープ(4’’)内の第2の透過物チャネル(12’’)を前記第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の内部キャビティ(9’’)に接続する第2のセットの第2の孔(24’’)を含む第2の多孔質中央部(15’’)と、
iii)前記第2の膜エンベロープ(4’’)に隣接する第2の供給物チャネル(6’’)であって、前記第2の渦巻き面(30’’)と前記第2の対向する渦巻き面(32’’)との間で前記第2のスパイラル型モジュール(2’’)を通る供給物流れを可能にするのに適した第2の供給物チャネル(6’’)と、
iv)前記第2のスパイラル型モジュール(2’’)に固定され、前記第2の渦巻き面(30’’)に当接する第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)と、を備える、第2のスパイラル型モジュール(2’’)と、を備え、
前記第1のエンドキャップアセンブリ(31’)が前記第2のエンドキャップアセンブリ(32’’)に隣接し、供給流体経路(61)が、前記第1の渦巻き面(30’)と前記第2の渦巻き面(30’’)との間に位置する中央領域(63)を貫通し、前記第1の供給物チャネル(6’)を前記第2の供給物チャネル(6’’)と接続し、前記供給流体経路(61)が、前記第1の渦巻き面(30’)において前記第1の供給物チャネル(6’)に接続される供給流体アクセス経路(65)を備え、前記第1の外側リング(33’)が、前記供給流体アクセス経路(65)を囲み、前記チャンバ(41)の前記内周面(60)に接触する径方向に延在する環状供給物流れ抵抗器(19)を含み、
前記スパイラル型モジュールアセンブリ(21)は、
a)前記中央領域(63)と第2の周囲空間(62’’)とを流体接続する前記第2の渦巻き面(30’’)の周囲の周囲経路(64)を可能にする前記第1及び第2のエンドキャップアセンブリ(31’、31’’)であって、前記第2の周囲空間(62’’)は、前記第2のスパイラル型モジュール(2’’)の前記第2の外周面(3’’)と前記チャンバ(41)の前記内周面(60)との間に位置する、前記第1及び第2のエンドキャップアセンブリ(31’、31’’)と、
b)前記第1のエンドキャップアセンブリ(31’)及び前記第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)から選択される機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)であって、前記機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)の一部を径方向に貫通する接続導管(45)を備え、前記接続導管(45)が内側導管端部(46)と外側導管端部(47)との間に流体通路を画成する、機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)と、
c)前記機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)に取り付けられ、前記接続導管(45)及び前記供給流体アクセス経路(65)の両方に流体接続される、差圧センサ(49)と、を特徴とする、
スパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項3】
前記差圧センサ(49)は、前記接続導管(45)の前記流体通路と前記供給流体アクセス経路(65)との間の流体流れを防止するのに適した変形可能なバリア(72)を含み、結果として、圧力差が前記バリア(72)の両端において変化するにつれて、異なる測定可能な電子特性を生じる、請求項2に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項4】
前記機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)は前記中央領域(63)の一部を取り囲む外側リング(33)を有し、前記差圧センサ(49)は前記外側リング(33)内部に位置する、請求項3に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項5】
環状溝(37)が前記第1の外側リング(33)の第1の外周部(36)上に位置し、前記径方向に延在する環状供給物流れ抵抗器(19)は、前記環状溝(37)内部に位置するブラインシール(39)である、請求項3に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項6】
前記第2のスパイラル型モジュール(2’’)の前記第2の外周面(3’’)は多孔質であり、前記供給流体経路(61)は前記周囲経路(64)を備える、請求項3に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項7】
前記第1のスパイラル型モジュール(2’)の前記第1の外周面(3’)と前記チャンバ(41)の前記内周面(60)との間に位置する第1の周囲空間と、前記第1の周囲空間(62’)から前記中央領域(63)への水の流れをバイパスさせる第1の抵抗と、前記中央領域(63)から前記第2の周囲空間(62’’)への水の流れをバイパスさせる第2の抵抗とを備え、水の流れをバイパスさせる前記第1の抵抗は、水の流れをバイパスさせる前記第2の抵抗の少なくとも10倍である、請求項3に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項8】
前記内側導管端部(46)は前記外側リング(33)内に位置し、前記外側導管端部(47)は、前記第1の外側リング(33)の外周部(36)に位置し、前記対向する渦巻き面(32’)と前記供給物流れ抵抗器(19)との間で軸方向に位置決めされる、請求項3に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項9】
前記機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)は、
a)前記第1のエンドキャップアセンブリ(31’)であって、更に、前記第1の中空透過物収集チューブ(8’)に封止され、且つ、前記第1のスパイラル型モジュール(2’’)上に位置する第1のシール面(51’)と第2のシール面(51’’)との間でシール部材(48)を圧縮するのに適した前記第1のシール面(51’)を備える内側リング(57)を備え、前記接続導管(45’)は、前記内側リング(57)を径方向に貫通し、前記第1の中空透過物収集チューブ(8’)の前記第1の内部キャビティ(9’)に流体接続される、第1のエンドキャップアセンブリ(31’)と、
b)前記第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)であって、更に、前記第2の中空透過物収集チューブ(8’’)に封止され、且つ、前記第1のスパイラル型モジュール(2’)上に位置する第2のシール面(51’’)と第1のシール面(51’)との間でシール部材(48)を圧縮するのに適した前記第2のシール面(51’’)を備える内側リング(57)を備え、前記接続導管(45’’)は、前記内側リング(57)を径方向に貫通し、前記第1の中空透過物収集チューブ(8’)の前記第2の内部キャビティ(9’’)に流体接続される、第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)と、からなる群から選択され、
前記圧縮シール部材(48)は、それぞれのスパイラル型膜モジュール(2’、2’’)の前記第1及び第2の内部キャビティ(9’、9’’)を接合し、組み合わされた透過物収集領域(50)の内部を前記供給流体アクセス経路(65)から隔離し、
前記接続導管(45)は、前記シール部材(48)と、前記当接する機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)に当接する前記渦巻き面(30)との間で軸方向に位置する、
請求項3に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項10】
透過物流量制限器(73)は、前記組み合わされた透過物収集領域(50)内に設けられ、前記第1の多孔質中央部(15’)と前記第2の多孔質中央部(15’’)との間で軸方向に位置する、請求項9に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【請求項11】
a)前記第1及び第2の外周面(3’、3’’)は、多孔質であり、それぞれ第1及び第2のスパイラル型モジュール(2’、2’’)の第1及び第2の供給物チャネル(6’、6’’)と流体連通しており、
b)前記第1のエンドキャップアセンブリ(31’)は、前記第1の渦巻き面(30’)の少なくとも75%を覆い、前記第1の渦巻き面(30’)を通って前記第1の外周面(3’)よりも前記第1の透過物収集チューブ(8’)の近くに位置する開放領域に至る供給物流れの少なくとも75%を制限するのに適しており、
c)前記第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)は、前記第2の渦巻き面(30’’)の少なくとも75%を覆い、前記第2のスパイラル型モジュール(2’’)に入る供給物流れの少なくとも75%が前記第2の外周面(3’’)を通って前記第2の供給物チャネル(6’’)に入ることを制限するのに適している、
請求項7に記載のスパイラル型モジュールアセンブリ(21)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、流体内の成分の分離又は濃縮に有用なスパイラル型膜モジュール及び関連アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
スパイラル型膜モジュールは、逆浸透、ナノ濾過、限外濾過、及び精密濾過を含む幾つかの流体分離用途において用いられる。典型的な産業上の実施において、スパイラル型膜モジュール(「エレメント」)は一般的な圧力容器内で直列に接続される。施設は、多くの場合、複数列及び/又は段の容器を含み、そのそれぞれが4~8つのスパイラル型膜モジュールを含む。特に、精密濾過及び限外濾過等の高透過性膜について、容器全体に均一な流束分布を維持することが問題となり得る。供給及び浸透側の両方の圧力は、モジュール内及び容器下方のモジュール間の両方で、軸及び径方向の両方において変化する。正味駆動圧力の差は、流束を変化させ、ひいては、分離性能、ファウリング、及びその後にモジュールを洗浄する能力に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アセンブリ内の様々な箇所で圧力を監視することで、圧力損失を特定し、オペレータが適切な対策(例えば、モジュールの選択的交換、供給流体の前処理の増加、モジュールのより積極的なクリーニング)をとることが可能になる。しかし、モジュールが圧力容器内に密封されているので、異なる箇所における圧力損失の監視は困難である。それにもかかわらず、様々な技術が開発されており、例えば:米国特許出願公開第2014/0180610号明細書、米国特許第8808539号明細書、米国特許第8617397号明細書、米国特許第8568596号明細書、米国特許第8519559号明細書、米国特許第8272251号明細書、米国特許第8210042号明細書、米国特許第7886582号明細書、米国特許出願公開第2011/10114561号明細書、国際公開第2012/117669号パンフレット及び特開2016/019932号公報を参照されたい。類似の技術は、他の種類の濾過デバイス、例えば、米国特許第6936160号明細書、米国特許第7048775号明細書、及び米国特許第8221522号明細書でも用いられている。以下、i)向上した精度、ii)既存のモジュール及び圧力容器の修正がほとんどない、iii)より少数の又はより単純なセンサの使用、及びiv)引き込み式プローブの排除、のうちの1つ以上を提供するものを含む、より複雑ではない監視システムが望まれている。
【0004】
本発明は、圧力容器を含む、スパイラル型膜モジュール及び関連アセンブリ、それらの製造及び使用方法、並びにかかるアセンブリの組み合わせを含む。スパイラル型膜モジュールは、透過物収集チューブの周りに巻回された少なくとも1つの膜エンベロープを含むことが好ましい。
【0005】
本発明は、
a)中空の透過物収集チューブ(8)の周りに巻回されて、第1の渦巻き面(30)、対向する渦巻き面(32)、及び外周面(3)を有するシリンダを形成する、少なくとも1つの膜エンベロープ(4)と、
b)第1の渦巻き面(30)近傍の透過物収集チューブ(8)の第1の遠位部(23)と、対向する渦巻き面(32)近傍の透過物収集チューブ(8)の対向する遠位部(25)との間に軸方向に位置する透過物収集チューブ(8)の多孔質中央部(15)であって、透過物収集チューブ(8)の内面(5)から外面(7)まで貫通し、膜エンベロープ(4)内の透過物チャネル(12)を中空透過物収集チューブ(8)の内部キャビティ(9)に接続する孔(24)を含む多孔質中央部(15)と、
c)膜エンベロープ(4)に隣接する供給物チャネル(6)であって、第1の渦巻き面(30)と対向する渦巻き面(32)との間でスパイラル型膜モジュール(2)を通る供給物流れを可能にするのに適した供給物チャネルと、
d)スパイラル型モジュール(2)に取り付けられ、前記第1の渦巻き面(30)に当接する少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)であって、エンドキャップアセンブリ(31)の外周(36)を画成し、供給物チャネル(6)に接続される供給流体アクセス経路(65)を囲む外側リング(33)を含む、エンドキャップアセンブリ(31)と、を備え、
スパイラル型モジュールアセンブリは、
エンドキャップアセンブリ(31)の一部を径方向に貫通する接続導管(45)を備え、内側導管端部(46)と外側導管端部(47)との間に流体通路を画成するエンドキャップアセンブリ(31)と、エンドキャップアセンブリ(31)に取り付けられ、接続導管(45)の流体通路に流体接続される差圧センサ(49)と、を特徴とするスパイラル型モジュール(2)に向けられる。
【0006】
本発明は、更に:
a)圧力容器(40)であって、第1の容器端部(38)と第2の容器端部(38’)との間に、軸線(X)に沿って延在する内側周囲表面(60)を含むチャンバ(41)と、少なくとも1つの供給物入口ポート(42)と、濃縮物出口ポート(42’)と、透過物出口ポート(44)と、を備える圧力容器と、
b)チャンバ(41)内に位置する第1のスパイラル型モジュール(2’)であって、
i)中空の第1の透過物収集チューブ(8)の周りに巻回されて、第1の渦巻き面(30’)、第1の対向する渦巻き面(32’)、及び第1の外周面(3’)を有するシリンダを形成する、少なくとも1つの第1の膜エンベロープ(4’)と、
ii)2つの第1の遠位部(23’、25’)の間に軸方向に位置する第1の透過物収集チューブ(8’)の第1の多孔質中央部(15’)であって、第1の透過物収集チューブ(8’)の第1の内面(5’)から第1の外面(7’)まで貫通し、第1の膜エンベロープ(4’)内の第1の透過物チャネル(12’)を第1の透過物収集チューブ(8’)の第1の内部キャビティ(9’)に接続する第1のセットの孔(24’)を含む第1の多孔質中央部(15’)と、
iii)第1の膜エンベロープ(4’)に隣接する第1の供給物チャネル(6’)であって、第1の渦巻き面(30’)と第1の対向する渦巻き面(32’)との間で第1のスパイラル型モジュール(2’)を通る供給物流れを可能にするのに適した第1の供給物チャネル(6’)と、
iv)第1のスパイラル型モジュール(2’)に固定され、第1の渦巻き面(30’)に当接する第1のエンドキャップアセンブリ(31’)であって、第1のエンドキャップアセンブリ(31’)の第1の外周(36’)を画成する第1の外側リング(33’)を含む、第1のエンドキャップアセンブリ(31’)と、を備える、第1のスパイラル型モジュール(2’)と、
c)第1のスパイラル型モジュール(2’)に隣接する第2のスパイラル型モジュール(2’’)であって、
i)中空の第2の透過物収集チューブ(8’’)の周りに巻回されて、第2の渦巻き面(30’’)、第2の対向する渦巻き面(32’’)、及び第2の外周面(3’’)を有するシリンダを形成する、少なくとも1つの第2の膜エンベロープ(4’’)と、
ii)第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の遠位部(23’’、25’’)の間に軸方向に位置する第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の多孔質中央部(15’’)であって、第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の内面(5’’)から第2の外面(7’’)まで貫通し、第2の膜エンベロープ(4’’)内の第2の透過物チャネル(12’’)を第2の透過物収集チューブ(8’)の第2の内部キャビティ(9’’)に接続する第2のセットの第2の孔(24’’)を含む第2の多孔質中央部(15’’)と、
iii)第2の膜エンベロープ(4’’)に隣接する第2の供給物チャネル(6’’)であって、第2の渦巻き面(30’’)と第2の対向する渦巻き面(32’’)との間で第2のスパイラル型モジュール(2’’)を通る供給物流れを可能にするのに適した第2の供給物チャネル(6’’)と、
iv)第2のスパイラル型モジュール(2’’)に固定され、第2の渦巻き面(30’’)に当接する第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)とを備える、第2のスパイラル型モジュール(2’’)と、を備え、
第1のエンドキャップアセンブリ(31’)が第2のエンドキャップアセンブリ(32’’)に隣接し、供給流体経路(61)が、第1の渦巻き面(30’)と第2の渦巻き面(30’’)との間に位置する中央領域(63)を貫通し、第1の供給物チャネル(6’)を第2の供給物チャネル(6’’)と接続し、供給流体経路(61)が、第1の渦巻き面(30’)において第1の供給物チャネル(6’)に接続される供給流体アクセス経路(65)を備え、第1の外側リング(33’)が、供給流体アクセス経路(65)を囲み、チャンバ(41)の内周面(60)に接触する径方向に延在する環状供給物流れ抵抗器(19)を含み、
スパイラル型モジュールアセンブリ(21)は、
a)中央領域(63)と第2の周囲空間(62’’)とを流体接続する第2の渦巻き面(30’’)の周囲の周囲経路(64)を可能にする第1及び第2のエンドキャップアセンブリ(31’、31’’)であって、第2の周囲空間(62’’)は、第2のスパイラル型モジュール(2’’)の第2の外周面(3’’)とチャンバ(41)の内周面(60)との間に位置する、第1及び第2のエンドキャップアセンブリと、
b)第1のエンドキャップアセンブリ(31’)及び第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)から選択される機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)であって、機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)の一部を径方向に貫通する接続導管(45)を備え、前記接続導管(45)が内側導管端部(46)と外側導管端部(47)との間に流体通路を画成する、機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)と、
c)機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)に取り付けられ、接続導管(45)及び供給流体アクセス経路(65)の両方に流体接続される、差圧センサ(49)と、を特徴とするスパイラル型モジュールアセンブリ(21)に向けられる。
【0007】
図面は、縮尺通りではなく、説明を容易にするための理想化された図を含む。可能な場合、同じ又は同様の特徴を示すために同じ又は同様の数字が図面及び本明細書全体にわたって使用されている。幾つかの図及び説明は、2つの隣接するモジュールのうちの第1又は第2のモジュールのどちらか一方に対応する特徴を示すために、数字の後に一重又は二重の引用符を含む。他の場合には、一重引用符が透過物チューブ又は容器の他端等の異なる位置における同様のアイテムを示すために用いられている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、部分的に組み立てられたスパイラル型膜モジュールの部分切取斜視図であり、軸方向供給物流れ及び内側径方向透過物流れを示す矢印を含む。
【
図2a】
図2aは、透過物チューブから展開された膜シートと、対向する渦巻き面の一部を覆って径方向の流れを誘導するために用いられてもよいエンドキャップとを、外周面から下流端部の透過物チューブの近くの領域まで示す斜視図である。
【
図2b】
図2bは、(
図2aに対応する)巻かれたスパイラル型膜モジュールと、渦巻き面を部分的に塞いで径方向の流れを誘導するエンドキャップとを示す斜視図である。矢印は、径方向の供給物流れを示し、濃縮物は、透過物チューブに近い供給物チャネルの領域から除去されている。
【
図3】
図3は、圧力容器内に位置するスパイラル型膜モジュールを示すスパイラル型膜モジュールアセンブリの部分切取斜視図であり、隣接する第1及び第2のスパイラル型モジュールを含む。
【
図4a】
図4a、
図4b、及び
図4cは、外側リングを貫通する導管の位置における、3つの異なるエンドキャップアセンブリを有するスパイラル型モジュール端部の斜視図(左側)及び対応する断面(右側)を示している。3つの図に対して、リング上の供給物流れ抵抗器は、それぞれ、a)その外径の周囲の連続ねじ山、b)可撓性ブラインシール、及びc)拡張重複分割リングを備えている。
【
図4b】
図4a、
図4b、及び
図4cは、外側リングを貫通する導管の位置における、3つの異なるエンドキャップアセンブリを有するスパイラル型モジュール端部の斜視図(左側)及び対応する断面(右側)を示している。3つの図に対して、リング上の供給物流れ抵抗器は、それぞれ、a)その外径の周囲の連続ねじ山、b)可撓性ブラインシール、及びc)拡張重複分割リングを備えている。
【
図4c】
図4a、
図4b、及び
図4cは、外側リングを貫通する導管の位置における、3つの異なるエンドキャップアセンブリを有するスパイラル型モジュール端部の斜視図(左側)及び対応する断面(右側)を示している。3つの図に対して、リング上の供給物流れ抵抗器は、それぞれ、a)その外径の周囲の連続ねじ山、b)可撓性ブラインシール、及びc)拡張重複分割リングを備えている。
【
図5a】
図5a、
図5b、及び
図5cは、隣接するエンドキャップアセンブリの3つの異なる対を通る断面を示し、各エンドキャップアセンブリは、更に、エンドキャップアセンブリの内側リングを貫通し、透過物収集チューブの内部キャビティを差圧センサに接続する少なくとも1つの伝導導管を備える。各図は、一方の渦巻き面の中心付近の開口部と、他方の渦巻き面の周囲の周囲経路とを含む供給流体アクセス経路を示す。
【
図5b】
図5a、
図5b、及び
図5cは、隣接するエンドキャップアセンブリの3つの異なる対を通る断面を示し、各エンドキャップアセンブリは、更に、エンドキャップアセンブリの内側リングを貫通し、透過物収集チューブの内部キャビティを差圧センサに接続する少なくとも1つの伝導導管を備える。各図は、一方の渦巻き面の中心付近の開口部と、他方の渦巻き面の周囲の周囲経路とを含む供給流体アクセス経路を示す。
【
図5c】
図5a、
図5b、及び
図5cは、隣接するエンドキャップアセンブリの3つの異なる対を通る断面を示し、各エンドキャップアセンブリは、更に、エンドキャップアセンブリの内側リングを貫通し、透過物収集チューブの内部キャビティを差圧センサに接続する少なくとも1つの伝導導管を備える。各図は、一方の渦巻き面の中心付近の開口部と、他方の渦巻き面の周囲の周囲経路とを含む供給流体アクセス経路を示す。
【
図5d】
図5dは、2つの隣接するエンドキャップアセンブリと、隣接する渦巻き面の間及びそれらを通る供給流体アクセス経路との断面図である。2つの異なる接続導管は内側リング及び外側リングのそれぞれを径方向に貫通し、各接続導管は差圧センサに流体接続している。
【
図6a】
図6aは、圧力容器内のスパイラル型膜モジュールの断面図である。モジュールは、エンドキャップアセンブリの外側リングを通る接続導管と、外側リング内の差圧センサとを含む。
【
図6b】
図6bは、接続導管及び差圧センサの位置における容器、モジュール、及びエンドキャップアセンブリの断面図である。接続導管は、差圧センサをモジュールと容器との間の周囲空間に流体接続する。
【
図7a】
図7aは、それぞれが差圧センサに流体接続する2つの接続導管を含むスパイラル型膜モジュールの断面図である。透過物流量制限器は、透過物収集チューブの内部キャビティ内で、シール部材と透過物収集チューブの多孔質部との間に位置する。
【
図8】
図8は、流れが接続導管を通るのを阻止する伸縮可能なフィルムを含み且つ抵抗ひずみゲージを含む圧力センサの別の実施形態を示すエンドキャップアセンブリの別の実施形態を示す断面図である。
【
図9】
図9は、対象の圧力センサに適用可能な電気回路を示す略図である。
【
図10】
図10は、圧力容器内に直列関係で軸方向に整列された複数のスパイラル型膜モジュールを含むスパイラル型膜モジュールアセンブリの断面図である。説明を容易にするために、エンドキャップアセンブリの特徴は図示していない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
スパイラル型膜モジュールは、透過物収集チューブの周りに巻き付けられた1つ以上の膜エンベロープと供給物スペーサシートとを含む。スパイラル型構成が逆浸透(RO)及びナノ濾過(NF)に対して最も一般的に用いられる一方で、本発明はまた、特に、限外濾過(UF)及び精密濾過(MF)等の低圧用途における使用にも適している。
【0010】
図1に、代表的なスパイラル型膜モジュールを参照番号2で全体的に示す。モジュール(2)は、1つ以上の膜エンベロープ(4)と任意の供給物スペーサシート(「供給物スペーサ」)とを中空の透過物収集チューブ(8)の周りに同心円状に巻回して、膜エンベロープ(4)と供給物チャネル(6)とを交互に形成することによって形成されている。各膜エンベロープ(4)は、膜シートの2つの実質的に矩形の部分(10、10’)を含むことが好ましい。膜シートの各部分(10、10’)は、多くの場合、膜即ち前面と、支持体即ち裏面と、を備えている。膜エンベロープ(4)は、膜シート(10、10’)を重ね合わせ、それらの縁を位置合わせすることによって形成される。好適な実施形態において、膜シートの部分(10、10’)は、透過物チャネル(12)を形成する透過物スペーサシートを包囲する。このサンドイッチ型構造は、3つの縁(16、18、20)に沿って例えばシーラント(15)により互いに固定されてエンベロープ(4)を形成し、第4の縁、即ち「基端側の縁」(22)は、エンベロープ(4)の内側部分(及び任意に透過物スペーサシートから形成されてもよい透過物チャネル(12))が、透過物収集チューブ(8)の長さの一部分に沿って延在する孔(24)と流体連通するように、透過物収集チューブ(8)に当接している。モジュール(2)は、単一のエンベロープ又は隣接する供給物チャネル(6)によってそれぞれ隔てられた複数の膜エンベロープ(4)を含み得る。図示する実施形態において、膜エンベロープ(4)は、隣接して配置された膜リーフパケットの裏側表面を接合することによって形成されている。膜リーフパケットは実質的に矩形の膜シート(10)を含み、実質的に矩形の膜シート(10)は折りたたまれて2つの膜「リーフ」を画成する。各リーフの前面は互いに対向し、折り目は膜エンベロープ(4)の基端側の縁(22)と軸方向に位置合わせされている、即ち、透過物収集チューブ(8)と平行である。折りたたまれた膜シート(10)の対向する前面間に配置された供給物チャネル(6)を形成する供給物スペーサシートが示される。図示しないが、アセンブリには、追加的な中間層も含まれ得る。膜リーフパケット及びそれらの製造の代表的な例が、米国特許第7875177号明細書及び米国特許第8608964号明細書に更に記載されている。プロトタイプの逆浸透膜は、多孔質支持体上における多官能価アミンのモノマーとハロゲン化アシルのモノマーとの界面重合によって作製されたFilmTec CorporationのFT-30(商標)型膜である。
【0011】
モジュール製造中、透過物スペーサシートは、それらの間に膜リーフパケットを挟んだ状態で透過物収集チューブ(8)の周囲に取り付けられ得る。透過物収集チューブ(8)は、外面(7)と、内面(5)と、内面(5)によって境界される内部キャビティ(9)とを有する。透過物収集チューブ(8)は、チューブの対向する第1の端部と第2の端部(13’、13)との間で軸線(X)に沿って延在し、多孔質部(15)は、その長さに沿って複数の孔(24)を含む。透過物収集チューブ(8)の多孔質部(15)は、透過物収集チューブの両端にある2つの遠位部(23、23’)の間に軸方向に位置する。多孔質部(15)は、多孔質部(15)内の孔(24)が液体を管の内面(5)からその外面(7)へと通過させることを可能にする点において、且つ、これらの孔が透過物収集チューブ(8)の内部キャビティ(9)を膜エンベロープ(4)内の透過物チャネル(12)に接続するので、遠位部(23、23’)とは異なる。
【0012】
隣接して配置された膜リーフ(10、10’)の裏面は、透過物チャネル(12)を密封し、且つ膜エンベロープ(4)を形成するために、膜リーフ(10、10’)の周縁部(16、18、20)の一部で密閉されている。透過物スペーサシートを透過物収集チューブに取り付けるのに適した技術は米国特許第5538642号明細書に記載されている。膜エンベロープ(4)及び供給物スペーサ(6)は、軸線(X)に沿って延在する透過物収集チューブ(8)の周りに同心円状に巻き付けられ(wound)又は「巻かれ(rolled)」、2つの渦巻き面(30、32)を形成している。その後、米国特許第7951295号明細書に記載されているように、モジュールの渦巻き面は整えられてもよく、任意選択的に、渦巻き面と透過物収集チューブ(8)との間の接合部にシーラントが適用されてもよい。米国特許第8142588号明細書及び米国特許第8668828号明細書に記載されているように、巻かれたモジュールの周囲にテープなどの不透過性層が巻かれてもよい。別の実施形態において、多孔質テープ又はガラス繊維コーティングがモジュールの周縁部に適用されてもよい。例えば、米国特許第9623379号明細書を参照されたい。
【0013】
図1を更に参照すると、動作時、加圧された供給流体(例えば、水)は渦巻き面(30)、即ち「上流」を通ってモジュール(2)に入り、モジュール内を略軸方向に流れ、反対にある渦巻き面(32)において、矢印(26)により示される方向、即ち「下流」に濃縮物として出る。透過物は、膜(10、10’)内に延在する矢印(28)によって概ね示される内側径方向の透過物流路に沿って流れ、膜エンベロープ(4)内に入り、そこで孔(24)に流れ、透過物収集チューブ(8)を通り、透過物収集チューブ(8)の端部(13、13’)において出る。
【0014】
図2a及び2bは、径方向の供給物流れを有する代替のスパイラル型モジュールを作成する1つのアプローチを示している。
図1に示すプロセスと同様に、少なくとも1つの膜エンベロープ(4)は、中空の透過物収集チューブ(8)の周りに巻回されて、第1の渦巻き面(30)、対向する渦巻き面(32)、及び外周面(3)を有するシリンダを形成する。しかし、モジュール(2)に多孔質外面(3)を設け、エンドキャップアセンブリ(31、31’)を2つの対向する渦巻き面(30、32)に当接させることによって、渦巻き面(30、32)に出入りする供給物流れの位置を変更することができる。
図2bにおいて、第1のエンドキャップアセンブリ(31)は、第1の渦巻き面(30)を塞ぎ、供給物流体を多孔質外周面(3)を通して供給物チャネル(6)に強制的に流入させるよう示されている。同時に、対向する渦巻き面(32)に当接するエンドキャップアセンブリ(31)は、供給物が、透過物チューブ(8)の近くの対向する渦巻き面(32)の領域を通って供給物チャネル(6)から出ることを可能にする。図は、バイパスを防止するエンドキャップアセンブリ(31)上のブラインシール(39)を示している。
図1におけるように、供給物チャネル(6)は、モジュールの2つの渦巻き面(30、32)の間に位置するが、モジュールを通る供給物流れの主要な方向は、透過物収集チューブに対して略垂直(平行ではない)である。略径方向に向けられる供給物流れを得る他のアプローチは、内向きであろうと外向きであろうと、米国特許第8337698号明細書、米国特許第10137416B2号明細書、特開2013071098A号公報、及び特開昭59-150505A号公報に記載されている。
【0015】
図3は、スパイラル型モジュールアセンブリ(21)を形成する容器(40)内の複数のスパイラル型モジュール(3)を示している。エンドキャップアセンブリ(31)は、システム内のモジュール間の流体流の流れに影響を及ぼす可能性がある。エンドキャップアセンブリ(31)(「伸縮防止デバイス」とも称し、用いられる)は、モジュール(2)の一方又は両方の渦巻き面(30又は32)上に位置することができる。エンドキャップアセンブリの種々の実施形態を
図4a、4b、4c、5a、5b、5c、及び5dに示す。2つの隣接するエンドキャップアセンブリの説明を容易にするために、
図3、
図5a、
図5b、
図5c、及び
図5dは、隣接する第1のモジュール(2’)及び第2のモジュール(2’’)の隣接する渦巻き面を、それぞれ第1の渦巻き面(30’)及び第2の渦巻き面(30’’)として示している。
図3において、モジュールの対向する端部の渦巻き面は、次いで、第1の対向する渦巻き面(32’)及び第2の対向する渦巻き面(32’’)として示されている。同様に、第1及び第2の隣接するモジュール上の他の特徴(例えば、透過物収集チューブ(8’、8’’))の説明を、それぞれ、シングル及びダブルプライム記号により示す。指定及び表現は、供給物流れ方向を識別することを意図するものではなく、供給物溶液は、第1の渦巻き面から第2の渦巻き面に向かう方向に移動してもよいが、供給物溶液はまた、反対方向に流れてもよい。単一のエンドキャップアセンブリ(31)がモジュール(2)上に存在する場合、それは、この発明のために、軸方向流設計を有するモジュールの供給物入口端部及び径方向流設計を有するモジュールの供給物出口端部に位置するのが好ましい。しかし、単一のエンドキャップアセンブリ(31)のみを有するモジュール(2)も圧力容器(40)内で対向して配向されてもよいことが、当業者によって十分理解されるであろう。より好ましい実施形態において、エンドキャップアセンブリ(31)は、各スパイラル型膜モジュール(2)の両方の渦巻き面(30、32)に当接するが、各エンドキャップアセンブリ(31)上の特徴は異なっていてもよい。
【0016】
エンドキャップアセンブリ(31)の構成は特に限定されないが、内側リング(57)、外側リング(33)、又は両方を含んでいてもよい。エンドキャップアセンブリ(31)は、渦巻き面(30、32)に当接し、好ましくは、スパイラル型モジュール上の少なくとも1つの位置に(例えば、接着剤、スピン溶接、テープによって)取り付けられる。取り付けのための位置は、透過物収集チューブ(8)、モジュールの外周面(3)、及び当接する渦巻き面(30、32)から選択されてもよい。
図3において、エンドキャップアセンブリは、説明を容易にするために詳細を省いて示している。
図4a、4b、及び4cにおいて、各エンドキャップアセンブリの斜視図は、関連する断面図においてより容易に識別する特徴を省略している。しかし、これらの実施形態(及びそれらの他の図)は決して限定的ではなく、図示していない追加の特徴が存在していてもよい。例えば、
図5a~5d及び7aに示すように、エンドキャップアセンブリはまた、隣接して位置決めされる分離モジュールの対応するエンドキャップと解放可能に係合するよう適合されるインターロック機能(58)を含んでいてもよく、前記インターロック機能(58)は、隣接するモジュール(2)上のシール面(51)間のシール部材(48)の圧縮を生成又は維持してもよい。好ましい実施形態において、エンドキャップアセンブリ(31)は、エンドキャップアセンブリ(31)の一部を径方向に通過する接続導管(45)を備え、内側導管端部(46)と外側導管端部(47)との間に流体通路を画成している。差圧センサ(49)は、エンドキャップアセンブリ(31)に取り付けられ、接続導管(45)の流体通路に流体接続される。
【0017】
モジュール(2)の少なくとも1つの端部は、エンドキャップの第1の外周(36)を画成する外側リング(33)を有するエンドキャップアセンブリ(31)を含み、エンドキャップアセンブリ(31)とチャンバ(41)の内周面(60)との間に径方向に延在する環状供給物流れ抵抗器(19)を含む。径方向に延在する環状供給物流れ抵抗器は、供給物流れの少なくとも75%が、エンドキャップアセンブリ(31)と内周面(60)との間を通過する代わりに、供給物チャネル(6)内のモジュールを通過するように、関連するエンドキャップアセンブリ(31)と容器チャンバ(41)の内周面(60)との間に供給物流れのための狭窄経路を提供するよう動作時に好適である。異なる供給物流れ抵抗器(19)を有するエンドキャップアセンブリ(31)の3つの実施形態を、
図4a、4b、及び4cに示す。これらは、幾つかのバイパスを可能にするよう意図される堅固に嵌合されたねじ付き外面と、エンドキャップアセンブリ(31)上の環状溝(37)内部の従来のブラインシール(39)と、同じく環状溝(37)内部の重なり合う分割リングとを含む。好ましい実施形態において、スパイラル型モジュールは、第1の外側リング(33)の第1の外周部(36)上に位置する環状溝(37)を含み、環状溝(37)は、チャンバ(41)の内周面(60)と係合するのに適したブラインシール(39)である径方向に延在する環状供給物流れ抵抗器(19)を含む。3つの場合のそれぞれについて、両側水平矢印は、環状供給物流れ抵抗器(19)が流れる間に圧力降下を誘発する主要領域を示す。
【0018】
好ましい実施形態において、外側リング(33’)は、供給物流れ抵抗器(19)を備え、第1の渦巻き面(30)において第1の供給物チャネル(6)に接続される供給流体アクセス経路(65)を囲んでいる。供給流体アクセス経路(65)は、エンドキャップアセンブリ(31)において少なくとも1つのエンドキャップ開口(35)を含んでいてもよい。隣接するモジュール(3’、3’’)の
図5a、5b、5c、及び5dの図面は、供給流体アクセス経路(65)を備え、第1の供給物チャネル(6’)を第2の供給物チャネル(6’’)と接続する供給流体経路(61)を示している。供給流体経路(61)は、隣接するモジュール(2’、2’’)の隣接する渦巻き面(第1の渦巻き面(30’)及び第2の渦巻き面(30’’))の間に位置する中央領域(63)を通過する。
【0019】
好ましい実施形態において、隣接するエンドキャップアセンブリ(31’、31’’)は、中央領域(63)と第2の周囲空間(62’’)とを流体接続する第2の渦巻き面(30’’)の周囲の周囲経路(64)を可能にするよう構成及び配置され、第2の周囲空間(62’’)は、第2のスパイラル型モジュール(2’’)の第2の外周面(3’’)とチャンバ(41)の内周面(60)との間に位置し、
図5a、5b、及び5cにおいて、第2のスパイラル型モジュール(2’’)の外周面(3’’)は多孔質であり、周囲経路(64)は隣接するモジュールの供給物チャネル(6’、6’’)間の供給流体経路(61)の一部である。
【0020】
他の好ましい実施形態は、異なる領域間の水流に対する相対的な抵抗に関する。対応する渦巻き面(30’、30’’)上に隣接するエンドキャップアセンブリ(31’、31’’)を有する隣接する第1及び第2のスパイラル型モジュール(2’、2’’)について、隣接する領域間の(渦巻き面の周りの)バイパスのための圧力差及び体積流量を決定することができる。以下の3つの領域を考慮されたい:a)第1のスパイラル型モジュール(2’)の第1の外周面(3’)とチャンバ(41)の内周面(60)との間で径方向に位置する第1の周囲空間(62’)、b)隣接する第1及び第2のエンドキャップアセンブリ(31’、31’’)に当接する渦巻き面(30’、30’’)の間の中央領域(63)、及び、c)第2のスパイラル型モジュール(2’’)の第2の外周面(3’’)とチャンバ(41)の内周面(60)との間で径方向に位置する第2の周囲空間(62’’)。第1の周囲空間(62’)から中央領域(63)へのバイパス水の流れに対する第1の抵抗と、中央領域(63)から第2の周囲空間(62’’)へのバイパスの流れに対する第2の抵抗とを測定することができる。好ましい実施形態において、バイパス水流に対する第1の抵抗は、バイパス水流に対する第2の抵抗の少なくとも10倍である。本発明のこの態様の目的のために、この体積水流量(Q)に対する相対抵抗(ΔP/Q)は、25℃、第1の周囲空間(62’)と中央領域(41)との間の圧力差(ΔP)0.25バール(25キロパスカル、約3.6psi)の条件下で測定される。
【0021】
他の好ましい実施形態において、第1及び第2の周囲空間(62’、62’’)は、対応するスパイラル型モジュール(2’、2’’)のための供給物チャネル(6’、6’’)の厚さの2倍よりも大きいそれぞれの厚さを有する軸方向に延在する導管である。更に、幾つかの実施形態において、モジュール(2)上の少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)は、供給物チャネル厚さの少なくとも4倍(より好ましくは、8倍)だけその軸方向中心(71)におけるモジュール平均直径(70)を超える最小直径(69)を有する。最小直径(69)は、モジュールを40ポンドの力で押し込むことができる最小の容器直径として定義され、本質的に可撓性構成部品(例えば、ブラインシール(39))が最も圧縮される状態にあることに対応する。
【0022】
幾つかの好ましい実施形態において、エンドキャップアセンブリ(31)は、中央に位置する、軸方向に整列されたエンドキャップ内側リング(57)を備えている。エンドキャップ内側リング(57)は透過物収集チューブ(8)に固定及び封止されてもよいか、又は透過物収集チューブ(8)から延在するインタコネクタチューブ(
図10に示す(43))を同心円状に包囲してもよい。
図6a及び7aに示す実施形態において、エンドキャップ内側リング(57)は透過物収集チューブ(8)の周りに同心円状に嵌合する。エンドキャップ内側リング(57)は、きつい同心嵌合(concentric fit)、接着剤、溶接等によって固定されてもよい。好ましい実施形態において、内側リング(57)と外側リング(33)との間の少なくとも1つの開口(35)が、モジュール(2)との供給流体アクセス経路を提供する。
【0023】
図6a及び7aの両方において、エンドキャップ内側リング(57)は、複数の径方向に延在する支持体(34)、例えば、「スポーク」によって外側リング(33)に接続され、図示する支持体(34)は、モジュール(2)に供給流体アクセス経路を提供するエンドキャップ開口(35)によって分離されており、例えば、液体は、供給物流れの方向に対するモジュール配向に応じて、モジュール(2)の渦巻き面(30)に流れ込むか又はそこから流れ出る。代表的な供給流体アクセス経路(65)は実線の矢印によって概ね示される。ハブ及びスポークエンドキャップの代表的な例は、米国特許第5128037号明細書、米国特許第5851267号明細書、米国特許第6632356号明細書、米国特許第8425773号明細書、及び国際公開第2014/151695号パンフレットに記載されている。また、
図6bにおいても特に示すように、エンドキャップの外周部(36)を画成する外側リング(33)は、モジュール(2)の外周面(3)と略同一の広がりを持つことができ、環状溝(37)を、環状溝(37)内に位置する、圧力容器(40)の内側周囲表面(60)との密封係合のために適応させた供給物流れ抵抗器(19)(例えば、ブラインシール(39))と共に含む。先に述べた通り、圧力容器内に位置する場合、供給物流れ抵抗器(19)は流体がモジュール(2)をバイパスして、モジュール(2)の外周部(3)と圧力容器(40)の内側周囲表面(60)との間の周囲空間(62)に沿って流れることを制限する。
図3a、3b、及び3cは幾つかの異なる流量抵抗器を既に示しており、代表的な例は以下に説明されている:米国特許第6299772号明細書、米国特許第8110016号明細書、国際公開第2017/019282号パンフレット。例えば、O-リング、シェブロンシール、U字形シール、スプリットリングシール等の様々な種類のシールが用いられてもよい。例えば、以下を参照されたい:米国特許第6224767号明細書、米国特許第7198719号明細書、米国特許第8377300号明細書、米国特許第8388842号明細書、米国特許第8377300号明細書、及び米国特許第9381469号明細書。
【0024】
スパイラル型膜モジュール(2)の少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)は、例えば支持体(34)に隣接する位置に、外側リング(33)の外周部(36)に位置する外側導管端部(47)から外側リング(33)内に位置する内側導管端部(46)まで径方向内側に延在する流体通路を画成し、モジュール(2)の端部と流体連通する接続導管(45)を含むことが好ましい。外側導管端部(47)は、供給物流れ抵抗器(19)とモジュール(2)の対向する端部(32)との間に好ましくは軸方向に位置し、例えば、モジュール(2)の外周面(3)と圧力容器(40)の内側周囲表面(60)との間に位置する周囲空間(62)と流体連通するように適合されている。より好ましくは、外側導管端部(47)は、供給物流れ抵抗器(19)とモジュールの第1の(即ち、最も近い)渦巻き面(30)との間に軸方向に位置している。別の好ましい実施形態において、エンドキャップアセンブリ(31)は軸方向の供給物流れのために構成されるモジュール(2)の「上流」端部に位置し、外側導管端部(47)は供給物流れ抵抗器(19)の「下流」に位置する。好ましい代替実施形態において、エンドキャップアセンブリ(31)は、径方向の供給物流れのために構成されるモジュール(2)の「下流」端部に位置し、外側導管端部(47)は供給物流れ抵抗器(19)から「上流」に位置する。どちらか一方の場合においても、接続導管(45)は、周囲空間(62)と中央領域(63)との間に(第1及び第2の渦巻き面(30’、30’’)との間に位置する)通路を提供する。
【0025】
流体にブラインシールの周りをバイパスさせる際に用いるための類似の開口部は、以下に記載されている:特開平05-287789号公報、特開昭62-049902号公報、米国特許第5128037号明細書、米国特許第7208088号明細書、米国特許第8778182号明細書、及び米国特許出願公開第2013/0161258号明細書。米国特許第8377300号明細書は、ブラインシールを取り出すのに有用な、エンドキャップの側面の開口部を示す。以下に記載されるように、本発明では、接続導管(45)を通る流体の流れは、差圧の測定で使用するのに適したバリアによって阻止される。
【0026】
好ましい実施形態において、機器搭載エンドキャップ(59)は、差圧センサ(49)を接続導管(45)の流体通路に接続することによって形成される。差圧センサは、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)と、供給物流れ抵抗器(19)(例えば、ブラインシール(39))とモジュール(2)の対向する渦巻き面(32)との間の周囲空間(62)の領域と、の間の圧力差を測定するよう適合されている。これにより供給物流れ抵抗器(19)の両端の圧力差の測定が可能となり、モジュール(2)の対向する端部間、例えば、対向する渦巻き面(30、32)間の圧力差が近似される。好ましい実施形態において、エンドキャップアセンブリ(59)は中央領域(63)の一部を取り囲む外側リング(33)を有し、差圧センサ(49)は外側リング(33)内部に位置している。差圧センサ(49)は、エンドキャップアセンブリ(31)によって囲まれる領域内に位置し、取り付けられるのが好ましく、例えば、エンドキャップアセンブリの、同心の外側リング(33)の内面又は支持体(34)のうちの1つ等に固定されている。このように、エンドキャップアセンブリ(31)の外側に面する表面は遮られないままであり、隣接して配置されたスパイラル型膜モジュールのエンドキャップアセンブリに固定され得る。幾つかの実施形態において、差圧センサ(49)は保護用高分子樹脂(例えば、熱硬化性材料又は熱可塑性材料)中に入れられる又は「ポッティングされる」ため、差圧センサ(49)は10バール(1000キロパスカル)を超える、より好ましくは15バールを超える、又は更には20バールを超える供給圧力で機能することが可能になる。好適なポッティング材としては、ウレタン、エポキシ、及びホットメルトが挙げられる。好ましい実施形態において、差圧センサ(49)は2つのポートを含んでもよく、そのうちの1つは供給物流れ抵抗器(19)とモジュール(2)の対向する渦巻き面(32)との間の周囲空間(62)と流体連通する接続導管(45)に接合されており、別のポートはモジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)と流体連通している。2つのモジュール(2)が容器内に隣接して位置決めされる場合、差圧センサ(49)のポート及びエンドキャップ開口(35)は両方とも、供給流体アクセス経路(65)を含む隣接する第1及び第2の渦巻き面(30’、32’’)間の中央領域(63)と流体連通する。(差圧センサに関連付けられる用語「ポート」は、物理的構造を伝えることを意図するものではなく、2つの異なる圧力入力のうちの1つを提供するための場所である。)
【0027】
別の実施形態において、スパイラル型モジュール(2)上のエンドキャップアセンブリ(31)は、中空透過物収集チューブ(8)との間の漏れを防止するために中空透過物収集チューブ(8)に封止される内側リング(57)を含んでいてもよい。内側リング(57)はシール面(51)を備えている。シール部材(48)と渦巻き面(30)との間で軸方向に位置する接続導管(45)は、内側リング(57)を径方向に貫通し、中空透過物収集チューブの内部キャビティに流体接続される。シール部材は、隣接するモジュール上に位置するシール面に対してシール部材(48)を圧縮するのに適しており、それらそれぞれの内部キャビティを接合して、組み合わされた透過物収集阻止部を生成している。先に説明した実施形態におけるように、差圧センサ(49)は、エンドキャップアセンブリ(59)に取り付けられ、接続導管(45)及び供給流体アクセス経路(65)の両方に流体接続される。これにより、モジュールの一端の透過物チューブ付近の正味駆動圧力の測定が可能になり、この局所的測定は、モジュール性能に対する圧力低下の影響を特定するための有用なパラメータとなり得る。
【0028】
隣接するスパイラル型モジュールが存在する場合、接続導管及び差圧センサを含む機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)は、第1又は第2の隣接モジュールのどちらか一方上に位置してもよい。これは、流れ方向、1つのモジュール上の供給物流れ抵抗器(19)の存在、又は供給流体経路(61)とは無関係である。しかし、接続導管(45’)がシール部材(48)と機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)の渦巻き面(30)との間で軸方向に位置することが重要である。
【0029】
エンドキャップアセンブリ(31)は、モジュール内の特定の位置における供給側圧力降下及び膜間圧力の両方に関連する差圧を測定するよう説明されている。実際には、先に説明した実施形態を組み合わせて、同じ機器搭載エンドキャップアセンブリ(31’)内に2つの接続導管(45’、45’’’)を有することが有利である。(
図5a、7a、7bを参照されたい。)別々の測定を提供するため、一方の導管(45’)は周囲空間(62)と流体接続状態にあってもよく、他方(45’’)は透過物収集チューブ(8)の内部キャビティ(9)と流体接続する。先に説明したように、両方の導管は、導管端部を中央領域(63)から分離する別々の差圧センサ(49’、49’’’)と流体連通する。単一のエンドキャップアセンブリ上に2つの差圧センサ(49)を共に配置することは、共通のマイクロプロセッサ、バッテリ、及び/又はアンテナを潜在的に用いて、電子機器及び通信を単純化する。更に、幾つかの実施形態において、2つの別々の接続導管(45、45’’’)は同一線上にあってもよく、製造を容易にしている。
【0030】
特に、組み合わされた透過物収集領域(50)と中央領域(63)との間の圧力差を測定するための差圧センサが存在する場合、透過物流量制限器(73)を組み合わされた透過物収集領域(50)に導入することが有利であり得る。透過物流量制限器は、モジュール(2)の透過物キャビティ(8)の大部分に及んでいてもよく、又は局所的であってもよい。最も好ましくは、透過物流量制限器(73)は、第1のモジュール(2’)の第1の多孔質中央部(15’)と隣接する第2のモジュール(2’’)の第2の多孔質中央部(15’’)との間で軸方向に位置している。
図5aは充填媒体から形成される流量制限器を示し、
図5b及び
図7bはオリフィスプレートを示している。局所的な流量制御弁(米国特許出願公開第2015/029140号明細書)及び長手方向ミキサ(米国特許第6190557号明細書)もまた可能である。好ましい実施形態において、透過物流量制限器(73)は、透過物収集チューブ(8)の内径と比較して少なくとも2分の1に減少した流路(単数又は複数)を提供する。他の実施形態において、流量制限器(73)は、同じ長さの透過物収集チューブに対する抵抗と比較して、少なくとも10倍増加した水流に対する抵抗(ΔP/Q)を提供し、水流に対する抵抗は、25℃及び1キロパスカルの圧力降下(ΔP)で測定された水流(Q)に反比例する。透過物流量制限器(73)の効果的な使用は、本明細書中に説明するような圧力測定の新規な方法によって支援することができる。
【0031】
本明細書中に説明するような機器搭載エンドキャップアセンブリを有するモジュール(2)は、軸方向の供給物流れのために構成されるスパイラル型モジュールと共に、又は径方向の供給物流れのために構成されるモジュールと共に用いられてもよい。後者はあまり理解されておらず、圧力測定装置は最適な動作に役立つであろう。2つの隣接するスパイラル型モジュール(2’、2’’)を有する好ましいスパイラル型モジュールアセンブリ(21)において、
・第1及び第2の外周面(3’、3’’)は、多孔質であり、それぞれ第1及び第2のスパイラル型モジュール(2’、2’’)の第1及び第2の供給物チャネル(6’、6’’)と流体連通しており、
・第1のエンドキャップアセンブリ(31’)は、第1の渦巻き面(30’)の少なくとも75%を覆い、第1の渦巻き面(30’)を通って第1の外周面(3’)よりも第1の透過物収集チューブ(8’)の近くに位置する開放領域に至る供給物流れの少なくとも75%を制限するのに適しており、
・第2のエンドキャップアセンブリ(31’’)は、第2の渦巻き面(30’’)の少なくとも75%を覆い、第2のスパイラル型モジュール(2’’)に入る供給物流れの少なくとも75%が第2の外周面(3’’)を通って第2の供給物チャネル(6’’)に入ることを制限するのに適している。
【0032】
図8及び9を参照すると、差圧センサ(49)は、外部電源、アンテナ、及びマイクロプロセッサのうちの1つ以上と連通する電力及び信号リード又はワイヤ(55)を含んでもよい。幾つかの実施形態において、電力リード又は信号リード(55)は、差圧センサ(49)から、供給物入口ポート(42)、濃縮物出口ポート(42’)、又は透過物出口ポート(44)を通ってマイクロプロセッシングユニット等の外部に位置するデバイスまで延在していてもよい。他の実施形態において、(例えば、電圧、電流、光等を介して)電力又は信号を伝送するリード(55)は、差圧センサ(49)から、容器(40)(例えば、中央領域(63)又は間隙空間(56、56’))内に位置するかかるデバイス(例えば、図示しないマイクロプロセッシングユニット)まで延在していてもよい。最も好ましくは、マイクロプロセッサは機器搭載エンドキャップアセンブリ(59)に取り付けられてもよい。外部電源によって電力供給されない場合、センサは、電源として内部バッテリ(例えば、コインセル)を含むか、環境発電(例えば、振動、電磁波、又は水の動きからの)を利用するか、又は信号を供給するよう呼掛け信号送信源(interrogating source)からのエネルギーを用いる受動型であってもよい。センサは、物理的なリード若しくはワイヤを必要としない無線、光、又は他の手段を介して信号プロセッサと通信してもよい。代替として、センサ(49)は、圧力容器(例えば、
図3及び10に示す間隙空間(56))内に位置する別のマイクロプロセッシングユニット又はセンサと通信してもよく、この別のセンサは、外部に位置するデバイス(例えばマイクロプロセッシングユニット)と更に通信する。容器の内側及び外側の通信手段は、有線又は無線であってもよく、後者は、NFC、Bluetooth、Bluetooth BLE、ZigBee、Zwave、LoRa、WiFi、Flexnet、及びSIGFOXを含む。
【0033】
好適な実施形態において、差圧センサ(49)は変形可能なバリア(72)(例えばダイアフラム)を含み、差圧を測定するための簡単で、信頼性が高く、且つ低コストの手段を提供する。変形可能なバリア(72)は、接続導管(45)を通る対流を防止する。それは、接続導管(45)の流体通路と供給流体アクセス経路(65)との間の流体流れを防止する。幾つかの実施形態において、差圧センサ(49)は、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)を、供給物流れ抵抗器(19)とモジュール(2)の対向する渦巻き面(32)との間の周囲空間(62)の領域から分離する。他の実施形態において、差圧センサは、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)を、内部キャビティ(9)透過物収集チューブ(8)から分離する。変形可能なバリア(72)の両端の圧力差によって測定可能な電気的性質(例えば、抵抗、静電容量)の変化を生じさせることができ、この構成要素は差圧の測定を行うために電子回路に組み込まれてもよい。代わりに、バリア層の変形は、光学的に(例えば、カメラにより又はその光の偏向若しくは散乱により)又は音の変調により検出され得る。変形可能なバリア(72)はまた、電磁波を変調して差圧の受動測定を可能にするアンテナを含んでもよい。
【0034】
動力を備えた差圧センサの例としては、OmegaのPX26-001DV、Dwyer 629C-02-CH-P2-E5-S1、及びCole-Parmer EW-68071-52が挙げられる。これら差圧センサは、異なる圧力領域に接続するために2つのポートを含む。第1のポートは、モジュールエンドキャップアセンブリ(31)の外側リング(33)の内側のエンドキャップ開口(35)と流体連通して設けられていてもよい。第2のポートは、接続導管(45)の内側導管端部(46)と密封係合されていてもよい。この種類の構成は
図6bに示されており、接続導管(45)の外側端部(47)とモジュール(2)の最も近い渦巻き面(30)との間の圧力差を測定するように適合されている。モジュールの単一端部において測定される一方で、この圧力差は、モジュールの上流の流体とモジュールの下流の流体との間の圧力差を近似する。
【0035】
別の実施形態において、伸縮可能なフィルム(72)上の方向付けられた金属ワイヤを含むひずみゲージ(74)(例えば、OmegaのSGD-LYシリーズ)が接続導管と流体連通して設けられている。この実施形態を
図8及び9に示す。この伸縮により、供給物流れ抵抗器の上流の領域と下流の領域との間の増加した圧力差がひずみゲージ抵抗の増加を生じさせる。センサ(49)の一部として組み込まれ得る電気回路は、変調された電気的性質を、マイクロプロセッシングユニットが解釈する信号に変換することを可能にする。例えば、
図9に示すクォーターブリッジひずみゲージ回路は、ひずみゲージ(74)の修正抵抗を電圧差に変換することを可能にし、動力を備えたマイクロプロセッシングユニットがこれを読み取り、対応する出力を提供することができる。(図示のケースでは、ワイヤ(55)は増幅器A2D、又はマイクロプロセッシングユニットのアナログ入力ピンに接続され得る。)代わりに、アンテナ回路の電気抵抗の変化を使用して、電波を変調し、差圧の受動(内部電源のない)測定を行い得る。好ましい実施形態において、抵抗素子は周囲の溶液から隔離するためにプラスチック中に封入されることが好ましい。
【0036】
更に別の実施形態において、アンテナを含むフィルムのたわみを使用して差圧を検出し得る。例えば、Drazan,JF.,et al.,Archimedean spiral pairs with no electrical connections as passive wireless implantable sensors,J. Biomedical Technology and Research,2014,1(1):page 8は、圧縮可能な媒体によって分離された2つの隣接するスパイラルアンテナから形成された圧力センサについて説明している。この実施形態の変更形態において、変形可能なバリア(72)内のアンテナは接続導管(45)と流体連通してもよく、固定された第2のアンテナからのその距離は差圧によって変化する。この受動センサでは、電波が適用され、リターン信号は2つのアンテナセグメント間の距離によって変調される。
【0037】
用いられる場合、センサは、劣化し得る構成要素を液体から隔離するように好ましくはパッケージに入れられるが、両側で圧力に接触することは可能にする。2つの表面に別々に接触する(且つこれら劣化し得る構成要素を包囲する)薄く且つ可撓性のある液体バリア層は、この目的に十分であり得る。バリア層内に収容され得る、圧力損失を測定するために用いられる劣化し得る構成要素としては、電気部品である抵抗器、コンデンサ、又はアンテナが挙げられる。
【0038】
マイクロプロセッシングユニットの種類は特に限定されず、適用可能な例としては、Analog Devices社のAD5931などの自立集積回路、及びTexas Instruments社のモデルCC2(3)0又はCC2530などの集積回路が挙げられる。更なる例としては、Arduino及びRaspberry Piボードが挙げられる。マイクロプロセッシングユニットは、プロトコル、制御機能、及びデータを保存するためのフラッシュメモリを含むことが好ましい。マイクロプロセッシングユニットは、エンドキャップアセンブリ(31)、透過物アダプタチューブ(52)、及び取り外し可能なエンドプレート(54)の少なくとも1つに固定されていてもよい。圧力容器内に配置される場合、マイクロプロセッシングユニットはポッティング材中に封入されてもよい。好ましくは、マイクロプロセッシングユニットはエンドキャップアセンブリ(31)によって包囲されている。
【0039】
好ましい実施形態において、1つ以上(例えば、3~10個)のスパイラル型膜モジュール(2)が圧力容器(40)内に収容され、「スパイラル型モジュールアセンブリ」(21)と総称される。容器(40)は、供給物入口ポート(42)と、濃縮物出口ポート(42’)と、透過物出口ポート(44)と、を含む。供給物入口ポート(42)は、供給液の加圧供給源と接続するように適合されている。濃縮物出口ポート(42’)は、再利用又は廃棄用の経路に接続するように適合されている。透過物出口ポート(44)は、貯蔵、使用、又は更なる処理用の経路に接続するように適合されている。本発明で用いられる圧力容器(40)は、特に限定されないが、動作条件に伴う圧力に耐え得る頑丈な構造を含むことが好ましい。容器構造体は、チャンバ内に収容されるスパイラル型膜モジュールの外周面(3)の大きさ及び形状と同様の大きさ及び形状の内周面(60)を有するチャンバ(41)を含むことが好ましい。圧力容器の向きは、特に限定されず、例えば水平の向き及び垂直の向きの両方を使用し得る。適用可能な圧力容器、モジュール配置及び装填の例は、米国特許第6074595号明細書、米国特許第6165303号明細書、米国特許第6299772号明細書及び米国特許出願公開第2008/0308504号明細書に記載されている。大きなシステム用の圧力容器の製造元には、Minneapolis MNのPentair、Vista CAのBekaert及びBeer Sheva,IsraelのBel Compositeが含まれる。
【0040】
図3及び10に、スパイラル型膜モジュールアセンブリの典型的な実施形態を参照番号21で全体的に示す。他の特徴の説明を容易にするために、供給物流れ抵抗器(19)及び圧力センサ(49)を含むエンドキャップアセンブリ(31)の詳細については図示しない。図示するように、アセンブリは、圧力容器(40)の加圧可能チャンバ(41)内に直列配置で(軸線Xに沿って)軸方向に整列された複数のスパイラル型膜モジュール(2)を含む。チャンバ(41)は、モジュール(2)を密閉する内側周囲表面(60)を含む。
図10は、隣接するモジュール(2)の透過物収集チューブ(8)が圧縮されたシール部材(48)を含むインタコネクタチューブ(43)によって接合されてもよい方法を示している。代替として、エンドキャップアセンブリ(31’)の内側リング(57’)上にシール面(51’)が設けられ(
図7a参照)、シール部材(48)を圧縮し、隣接エレメント(8’’)と係合して、組み合わせられた透過物収集領域(50)の内部を供給物流れ経路(61)から隔離するのに適している場合には、隣接モジュール(8’、8’’)間のインタコネクタチューブ(43)は不要である。どちらの場合においても、接合されたチューブ(8)の効果は、容器(40)のための組み合わせられた透過物収集領域(50)を画成することである。圧力容器(40)は、第1の容器端部と第2の容器端部(38、38’)との間に、中心軸線(X)に沿って延在する。容器(40)は、容器(40)の1つの端部(38、38’)に位置する少なくとも1つの取り外し可能なエンドプレート(54)を含む。容器エンドプレート(54)を取り外すと、チャンバ(41)にモジュール(2)を装填すること及びチャンバ(41)からモジュール(2)を取り出すことが可能になる。典型的な実施形態において、取り外し可能な容器エンドプレート(54、54’)は両方の容器端部(38、38’)に配置されていてもよい。容器(40)は、いくつかの流体ポート(42、42’、44、及び44’)、例えば、少なくとも1つの供給物入口ポート(42)、濃縮物出口ポート(42’)、及び透過物出口ポート(44)を含む。容器の各端部(38、38’)に追加的なポート、例えば、供給物入口ポート、濃縮物出口ポート、及び透過物出口ポート(44、44’)が含まれてもよい。同様に、供給物入口ポート及び濃縮物出口ポートが、
図3又は10に示す向きとは反対の向きで設けられてもよい。説明を簡単にするために、供給物入口ポート及び濃縮物出口ポートは、ポート(42/42’)により包括的に参照される場合がある。ポート(42、42’)はチャンバ(41)に対して径方向構成で示されているが、1つ以上の供給物及び濃縮物ポートは、容器(40)の端部(38、38’)内に延在する軸方向構成をとってもよい。間隙空間(56、56’)が、チャンバ(41)内の、容器(40)の端部(38、38’)と、最も近いモジュール(2、2’)との間に配置されている。
【0041】
図示するように、透過物アダプタチューブ(52)が、容器(40)のいずれかの端部又は両方の端部(38、38’)に、最も近い軸方向に整列されたスパイラル型膜モジュールの透過物収集チューブ(8)と流体連通して配置されていてもよい。例えば、透過物アダプタチューブ(52)は、第1のスパイラル型膜モジュール(2)の透過物収集チューブ(8)と透過物出口ポート(44)とに密閉流体連通して設けられていてもよい。好ましい実施形態において、透過物アダプタチューブ(52)は、透過物が第1のスパイラル型膜モジュール(2)から透過物出口ポート(44、44’)へと通過するための、例えば、透過物収集領域(50)から容器(40)を出るための密閉通路を画成する中空導管(53)を含む。
図3及び10の実施形態において、容器(40)の両方の端部(38、38’)の近傍に、対応する透過物アダプタチューブ(52、52’)と共に間隙空間(56、56’)が示されている。透過物アダプタチューブ(52)は、単一の一体ユニットであってもよい、又は接合されて、最も近いモジュール(2、2’)と透過物出口ポート(44)との両方に対して封止されるユニットを形成する複数の部品を含んでもよい。
【0042】
図10を参照すると、3つ以上のモジュールが圧力容器(40)内に位置するのが好ましく、第1の(先頭の)モジュール(2)は第1の容器端部(38)に隣接して位置し、第2の(末端の)モジュール(2’)は第2の容器端部(38’)に隣接して位置し、他のモジュールはこれら第1のモジュールと第2のモジュールとの間に位置する。容器(40)内の少なくとも1つのスパイラル型膜モジュールの少なくとも1つのエンドキャップアセンブリ(31)は、前述の接続導管(45)及び差圧センサ(49)を含む。1つの好適な実施形態において、容器(40)内の第1のモジュール(2)又は第2の(最後の)モジュール(2’)のうちの1つのみが、接続導管(45)及び差圧センサ(49)を備えるエンドキャップアセンブリ(31)を含む。他の実施形態において、圧力容器(40)内の第1のスパイラル型膜モジュール及び最後のスパイラル型膜モジュールの両方が、前述の接続導管(45)及び差圧センサ(49)を含む対象のエンドキャップアセンブリ(31)を含む。この手法は、第1の(最上流)モジュール内で典型的には最初に発生する生物付着、及び最後の(最下流)モジュール内で典型的には最初に発生するスケール生成の早期検知を可能にする。代替として、アセンブリ内の他のモジュール、又はアセンブリの全モジュールが、対象のエンドキャップアセンブリ及び差圧センサを含んでもよい。接続導管(45)及び差圧センサ(49)を含むエンドキャップアセンブリ(31)は、モジュール(2、2’)のいずれかの端部に位置してもよい。しかしながら、圧力容器(4)内の第1のスパイラル型膜モジュール及び最後のスパイラル型膜モジュールに関しては、それを間隙空間(56、56’)に最も近いエンドキャップアセンブリ(31)に配置すると信号の取り出しが容易になり得る。好ましい実施形態において、圧力センサ(49)は間隙空間(56、56’)内に位置するマイクロプロセッサと(例えば、ワイヤ、光、又は音を介して)通信してもよい。
【0043】
本発明は、スパイラル型膜モジュール、複数のスパイラル型モジュールを含む関連アセンブリ、及びそれらデバイスの異なる動作を含む。径方向又は軸方向の流れにより適したモジュール及び容器の寸法形状、供給流体アクセス経路(又は中央領域(63))と、透過物収集チューブ(9)の内部キャビティ又はモジュール(2)と容器(40)との間の周囲空間(62)のどちらか一方との間の差圧を比較するのに有用な機器搭載エンドキャップアセンブリ、異なる種類の供給物流れ抵抗器(19)、並びに異なる透過物流量制限器(73)の混在、を含む異なる実施形態が記載されている。実施形態に関して異なって説明された特徴が組み合わされてもよいことを意図している。更に、本発明の多くの実施形態を説明し、いくつかの場合において特定の実施形態、選択、範囲、構成要素、又は他の特徴を「好ましい」ものとして記載した。「好ましい」特徴のかかる明示は、本発明の必須の又は重要な態様として解釈されるべきでは決してない。表された範囲は詳細には、エンドポイントを含む。