(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】回転可能な注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/142 20060101AFI20240424BHJP
【FI】
A61M5/142 522
(21)【出願番号】P 2021569127
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 US2020033564
(87)【国際公開番号】W WO2020236796
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-01-06
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506324208
【氏名又は名称】ウノメディカル アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】エリクセン,イェスパー オートル
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-539437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0243085(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/00 - 5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注入セットであって、
カニューレ装置を受けるための開口を有するベースであって、下ベース部および上ベース部を含み、前記上ベース部が前記下ベース部に連結されており、前記上ベース部が前記下ベース部に対して回転可能である、前記ベースと、
流体接続管を含むコネクタと、
を含み、
前記コネクタは、前記上ベース部が前記下ベース部に対して実質的に回転することを防ぎ、前記コネクタが前記ベースに連結されているときに、前記流体接続管は前記カニューレ装置と流体接続しており、
前記上ベース部は
周方向に設けられた複数の回転案内部を含み、前記回転案内部は、前記下ベース部を受けて、前記上ベース部と前記下ベース部との接続を維持し、前記上ベース部の前記下ベース部に対する回転を案内する、
注入セット。
【請求項2】
前記カニューレ装置が特定場所に位置するとき、前記下ベース部は実質的に動かない、
請求項1に記載の注入セット。
【請求項3】
前記コネクタが前記ベースに連結されているときに、前記カニューレ装置は前記コネクタを特定場所に案内する、
請求項1または2に記載の注入セット。
【請求項4】
前記上ベース部は前記下ベース部に対して360度回転可能である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項5】
前記コネクタは少なくとも1つのスナップフックを含み、前記スナップフックによって、前記コネクタが前記ベースに連結されているときに、前記コネクタは前記ベースに固定されている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項6】
前記下ベース部は案内突起を含み、前記コネクタが前記ベースに連結されているときに、前記案内突起は前記コネクタの前記スナップフックに当接する、
請求項5項に記載の注入セット。
【請求項7】
前記下ベース部は少なくとも1つの案内突起を含む、
請求項6に記載の注入セット。
【請求項8】
前記下ベース部は少なくとも3つの案内突起を含む、
請求項6に記載の注入セット。
【請求項9】
前記案内突起は径方向対称に形成されている、
請求項6に記載の注入セット。
【請求項10】
前記コネクタは少なくとも1つの係止突起を含む、
請求項1~9のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項11】
前記下ベース部は少なくとも1つ溝を含み、前記コネクタが前記ベースに連結されているときに、前記少なくとも1つの溝は前記コネクタの前記係止突起を受ける、
請求項10に記載の注入セット。
【請求項12】
前記下ベース部は少なくとも1つの溝を含む、
請求項11に記載の注入セット。
【請求項13】
前記下ベース部は少なくとも3つの溝を含む、
請求項11に記載の注入セット。
【請求項14】
前記下ベース部の前記溝は径方向対称に形成されている、
請求項13に記載の注入セット。
【請求項15】
前記上ベース部は回転可能な接続部を含み、前記下ベース部は回転溝を含み、前記回転可能な接続部は前記回転溝において位置して回転する、
請求項1~14のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項16】
前記上ベース部は、前記カニューレ装置と流体連通している少なくとも2つの開口と、前記開口を覆う少なくとも2つの膜とを含む、
請求項1~15のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項17】
前記膜はエラストマ材料を含む、
請求項16に記載の注入セット。
【請求項18】
前記上ベース部は少なくとも1つのOリングを含み、前記Oリングは、前記カニューレ装置と前記ベースの前記開口との間において流体封止し、および/または、前記カニューレ装置と前記上ベース部と前記下ベース部との間において流体封止する、
請求項1~16のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項19】
前記カニューレ装置は、前記ベースにおいて前記開口に挿入されるように構成されている、
請求項1~18のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項20】
前記カニューレ装置はカニューレハウジングを含み、前記カニューレハウジングは前記下ベース部によって固定されており、前記上ベース部は前記カニューレハウジングに対して回転可能である、
請求項1~19のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項21】
前記カニューレ装置を受けるための開口が前記上ベース部に設けられており、当該開口の直径は、前記下ベース部に向かって遠位端から近位端への方向に減少する、
請求項20に記載の注入セット。
【請求項22】
前記上ベース部が前記カニューレハウジングに対して回転するときに、前記上ベース部および前記カニューレ装置は流体封止を維持する、
請求項20または21に記載の注入セット。
【請求項23】
前記下ベース部は、前記カニューレ装置を固定するための少なくとも1つのアームを含む、
請求項1~22のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項24】
前記上ベース部が前記下ベース部に対して回転されるときに、前記カニューレ装置は回転されない、
請求項1~23のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項25】
前記ベースにおいて前記カニューレ装置のための開口は、前記ベースの中心にまたは当該中心の近傍に設けられている、
請求項1~24のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項26】
前記ベースにおいて前記カニューレ装置のための開口は、前記ベースの中心からずれた位置に設けられている、
請求項1~25のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項27】
前記カニューレ装置はユーザの皮膚を通って経皮的に配置される、
請求項1~26のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項28】
前記流体接続管はステンレス鋼で形成されている、
請求項1~27のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項29】
前記コネクタは接続チューブを受けるための開口を含む、
請求項1~28のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項30】
前記下ベース部は近位表面上の接着部を含み、前記接着部は前記ベースをユーザの皮膚に固定させる、
請求項1~29のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項31】
前記下ベース部は、ユーザの皮膚の状態についての視野を提供するためのクリア部を含む、
請求項1~30のいずれか1項に記載の注入セット。
【請求項32】
前記上ベース部において前記カニューレ装置を受けるための前記開口は、先細りの円錐状の開口を含む、
請求項21に記載の注入セット。
【請求項33】
前記接続チューブは、少なくとも1つのインスリンポンプ、外部ポンプ、ウェアラブルポンプ、またはこれらの組み合わせと接続する、
請求項29に記載の注入セット。
【請求項34】
注入セットであって、
カニューレ装置を受けるための開口を有するベースであって、下ベース部および上ベース部を含み、前記上ベース部が前記下ベース部と連結されており、前記上ベース部が前記下ベース部に対して回転可能である、前記ベースと、
カニューレ装置と、
流体接続管を含むコネクタと、
を含み、
前記コネクタは、前記上ベース部が前記下ベース部に対して実質的に回転することを防ぎ、前記コネクタが前記ベースに連結されているときに、前記流体接続管は前記カニューレ装置と流体接続しており、
前記上ベース部は
周方向に設けられた複数の回転案内部を含み、前記回転案内部は、前記下ベース部を受けて、前記上ベース部と前記下ベース部との接続を維持し、前記上ベース部の前記下ベース部に対する回転を案内する、
注入セット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
皮下注入装置によれば、ユーザは医者または病院のセッティングなしで注入セットを配置および利用ができる。注入装置によれば、インスリン送達などを含む薬剤送達、およびその後のプログラム可能な薬剤送達が可能となる。また、センサが注入装置に収納された場合、投薬レベルの並列監視も可能となる。
【0002】
異なるシステムにわたって注入セットの再接続およびチャージは変更し得る。固定方向を有する注入セットにおいて、ユーザは単一の方向(orientation、向きともいう)に存在するので、接続のために注入セットのベースまたは接続部をどのように配置すべきかについて知る必要がない。複数の方向を有する注入セットにおいて、ユーザは、注入セットをベースに接続するために、所定方向にあるコネクタ(connector)またはベースの位置をいじる(position)必要がない。多方向の接続について、利用可能な装置は、ユーザに入るカニューレと平行に接続する注入セットの流体方向と(米国特許出願公開第2014/0088550号明細書および米国特許出願公開第2017/0185441号明細書をご参照)、常時にベース部における接続のための所定方向を装置が含む場合の固定方向と(国際公開第2005/046780号、米国特許出願公開第2016/0121046号明細書、米国特許出願公開第2014/0350485号明細書)、単一のまたは複数のコネクタに合併され得る、コネクタに設定された多方向と(国際公開第2005/046780号、米国特許出願公開第2016/0121046号明細書)を含む。一般的には、コネクタは、コネクタを特定場所に案内することを提供する手段と、コネクタが適切的に位置されるとコネクタを係止する手段とを有する。
【発明の概要】
【0003】
注射部の方向によって、注入セットを正確に位置させることがユーザにとって挑戦的であり、そのため、注入セットを変更して薬剤の継続の送達を可能にすることが難しくなり得る。ここで提供する実施例は、回転可能なベースを提供することによって、この問題を解決する。当該回転可能なベースによれば、コネクトが特定場所に案内されることを可能とし、注入セットとベースとの間の流体連通を可能とする。
【0004】
いくつかの実施例において、ここで開示される注入セットは、(a)カニューレ装置を受けるための開口を有するベースであって、(i)下ベース部および(ii)上ベース部を含み、上ベース部が下ベース部に連結されており、上ベース部が下ベース部に対して回転可能である、ベースと、(b)流体接続管(fluid connector tube)および接続部(connection part)を含むコネクタと、を含む。流体接続管および接続部は流体連通されるように構成されている。コネクタは、上ベースが下ベースに対して実質的に回転することを防ぎ、コネクタがベースに連結されているときに、流体接続管はカニューレ装置と流体接続している。いくつかの例示において、カニューレ装置が特定場所に位置するとき、下ベース部は動かない。他の例示において、コネクタがベースに連結されているときに、カニューレ装置はコネクタを特定場所に案内する。また別の例示において、上ベースは下ベースに対して360度回転可能である。いくつかの例示において、上ベースはユーザフレンドリーな位置に回転され、コネクタは、ベースに連結されており、上ベースをユーザフレンドリーな位置に係止させる。
【0005】
いくつかの実施例において、コネクタは少なくとも1つのスナップフックを含み、スナップフックによって、コネクタがベースに連結されているときに、コネクタはベースに固定されている。いくつかの例示において、下ベースは案内突起を含み、コネクタがベースに連結されているときに、案内突起はコネクタのスナップフックに当接する。また別の例示において、下ベースは少なくとも1つの案内突起を含む。また別の例示において、下ベースは少なくとも3つの案内突起を含む。さらに別の例示において、案内突起は径方向対称に形成されている。
【0006】
いくつかの例示において、コネクタは少なくとも1つの係止突起を含む。いくつかの実施例において、下ベースは少なくとも1つ溝を含み、コネクタがベースに連結されているときに、少なくとも1つの溝はコネクタの係止突起を受ける。また別の実施例において、下ベースは少なくとも1つの溝を含む。さらに別の実施例において、下ベースは少なくとも3つの溝を含む。いくつかの実施例において、溝は径方向対称に形成されている。
【0007】
いくつかの実施例において、上ベースは回転可能な接続部を含み、下ベースは回転溝を含み、回転可能な接続部は回転溝において位置して回転する。いくつかの例示において、上ベースは回転案内部を含み、回転案内部は、下ベースを受けて、上ベースと下ベースとの接続を維持し、上ベースの下ベースに対する回転を案内する。いくつかの例示において、上ベースは、カニューレ装置と流体連通している少なくとも2つの開口と、開口を覆う少なくとも2つの膜とを含む。さらに別の例示において、膜はエラストマ材料を含む。いくつかの例示において、上ベースは少なくとも1つのOリング(o-ring)を含み、Oリングは、カニューレ装置とベースの開口との間において流体封止し、および/または、カニューレ装置と上ベースとベースとの間において流体封止する。
【0008】
いくつかの実施例において、カニューレ装置は、ここで開示される注入装置のベースにおいて開口に挿入されるように構成されている。カニューレ装置はカニューレハウジングを含み、カニューレハウジングは下ベースによって固定されており、上ベースはカニューレハウジングに対して回転可能である。いくつかの実施例において、カニューレ装置を受けるための開口が上ベースに設けられており、当該開口の直径は、下ベースに向かって遠位端から近位端への方向に減少する。いくつかの例示において、上ベースがカニューレハウジングに対して回転するときに、上ベースおよびカニューレ装置は流体封止を維持する。また別の例示において、下ベースは、カニューレ装置を固定するための突起を含む。いくつかの例示において、上ベースが下ベースに対して回転されるときに、カニューレ装置は回転されない。いくつかの実施例において、ベースにおいてカニューレ装置のための開口は、ベースの中心にまたは当該中心の近傍に設けられている。いくつかの例示において、ベースにおいてカニューレ装置のための開口は、ベースの中心からずれた位置に設けられている。いくつかの実施例において、カニューレ装置はユーザの皮膚を通って経皮的に配置される。いくつかの実施例において、流体接続管はステンレス鋼で形成されている。
【0009】
いくつかの例示において、ここで開示される注入装置において、コネクタは接続チューブ(connection tube)を受けるための開口を含む。いくつかの例示において、下ベースは近位表面上の接着部を含み、接着部はベースをユーザの皮膚に固定させる。1つの例示において、下ベースは、ユーザの皮膚の状態についての視野を提供するためのクリア部を含む。他の例示において、上ベースにおいてカニューレ装置を受けるための開口は、先細りの円錐状の開口を含む。さらに他の例示において、接続チューブは、少なくとも1つのインスリンポンプ、外部ポンプ、ウェアラブルポンプ、またはこれらの組み合わせと接続する。
【0010】
同様にここで開示される注入セットは、(a)カニューレ装置を受けるための開口を有するベースであって、(i)下ベースおよび(ii)上ベースを含み、上ベースが下ベースと連結されており、上ベースが下ベースに対して回転可能である、ベースと、(b)カニューレ装置と、流体接続管を含むコネクタと、を含む。コネクタは、上ベースが下ベースに対して実質的に回転することを防ぎ、コネクタがベースに連結されているときに、流体接続管はカニューレ装置と流体接続している。
【0011】
本明細書において言及されるすべての公開公報、特許および特許出願の内容は、個別の公開公報、特許または特許出願が参照により援用されると具体的にかつ個別に示された場合、その同範囲も参照により本明細書に援用される。
【0012】
本開示の新しい特徴は、その特殊性とともに添付された特許請求の範囲に記載されている。例示的な実施例が記載された以下の詳細の説明を参照することにより、本開示の特徴および利点はよく理解される。当該例示的な実施例において、開示される原則が利用される。添付される図面は以下通りである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】接続チューブ90、コネクタ部30、下ベース部10および上ベース部20を含む注入システムの第1実施例を描く図
【
図2】ここで開示される注入システムの下ベース部10の詳細を描く図
【
図3】ここで開示される注入システムの上ベース部20の詳細を描く図
【
図4】ここで開示される注入システムの下ベース部10および上ベース部20の代替的な図
【
図5】ここで開示される注入システムの上ベース部20の詳細を描く図
【
図6】上ベース部20内に含まれたスナップフックおよび接続部を描く図
【
図7】上ベース部と下ベース部との接続の案内を描く図
【
図8】下ベース部と上ベース部とを接続するコネクタ部のための案内の代替的な図
【
図10】上ベース部20、下ベース部10およびコネクタ部30の分解図
【
図11】カニューレ針を有する、上ベース部20および下ベース部10を描く図
【
図18】開示される注入システムの代替的な実施例の分解図
【
図19】患者の皮膚の状態についての視野のための穴を含む、開示される注入システムの代替的な実施例
【
図20】ここで開示される注入システムにおいて、コネクタ部とのカニューレ接続のためのカニューレおよび空間、ならびに、カニューレの挿入のための案内部を描く図であって、挿入されるときに案内部がカニューレの位置および方向を維持する図
【
図21】挿入されるときにカニューレの位置および方向を維持するために、カニューレハウジングおよび案内部を保持するためのアームを含む案内部の詳細
【
図23】下ベース部、上ベース部および位置合わせシェル(alignment shell)の代替的な実施例および図
【
図24】タブ上にあってタブを固定する位置合わせ脚(alignment peg)を有する位置合わせシェルの代替的な実施例を描く図
【
図25】カニューレを有する、上ベース部および下ベース部の代替的な実施例および図
【
図26】カニューレを有する、上ベース部および下ベース部の代替的な実施例および図
【
図29】カニューレハウジングの例示的な実施例を描く図
【発明を実施するための形態】
【0014】
注射部の方向によって、注入セットを正確に位置させることがユーザにとって挑戦的であり、そのため、注入セットを変更して薬剤の継続の送達を可能にすることが難しくなり得る。例えば、注入セットの装着時間の延長(例えば、3日から7日または10日)によって、患者はより長期間で同じ注入部位を利用する。注入セットの装着時間にわたって異なる患者が患者のウェラブルポンプを異なる場所において(例えば、コートまたはズボンのポケットにおいて、または身体上の他の衣装や配置において)使用するとき、部位(site)との接続角度を調整して場所を変更することは有益であり、それによって、製品の性能が確保されて患者の快適性が増加する。ここで開示されて提供される実施例は、回転可能なベースを提供することによって、この問題を解決する。当該回転可能なベースによれば、コネクタは特定場所に案内され得て、注入セットとベースとの間の流体連通が可能となる。
【0015】
したがって、注入セットをベースに接続するためにベースの位置の所定場所をユーザに要求しない注入セットのための方法および装置がここで開示される。いくつかの実施例において、下ベースの近位表面に垂直な軸を中心とした、放射状の円形の通路よって、上ベースと下ベースとの連通を提供する手段はここで提供される。いくつかの例示において、ベースは、コネクタを特定場所に案内可能な方向に回転され得る。また他の例示において、ベースは少なくとも2つの部分を含む。さらに他の例示において、当該2つの部分は上ベースおよび下ベースを含む。また他の例示において、上ベースおよび下ベースは、円形の通路を中心に回転することによって互いに連通可能である。さらに他の例示において、上ベースと下ベース部との連通は、下ベースの近位表面に垂直な軸を中心として放射状に回転する。
【0016】
いくつかの実施例において、ここで開示される回転可能な注入セットは、エンドユーザが既存の注入セットをベースに接続させる方法を変更しない。注入セットについて、回転可能なベース部の接続インタフェースまたはコネクタ部へのエンドユーザの熟練度によって、利用が容易になり、エンドユーザの学習曲線が低くなる。いくつかの実施例において、注入セットは、注入セットが回転不可なベースに接続する方法と同じ方法で回転可能なベースに接続する。他の例示において、ここで開示される方法および装置によって、すでに配置されたカニューレハウジングを有する多方向の注入セットは提供され、当該カニューレハウジングはその方向の可能性が制限されない。また他の例示において、ここで開示される方法および装置は、快適かつ利用経験のある相互作用と同じ相互作用をエンドユーザに与えながら、多方向の機能性と挿入されたカニューレハウジングとも有する注入セットを提供する。さらに他の例示において、ここで開示される方法および装置は、ベースの一部の運動を部分的に制限する係止機構を提供する。また他の例示において、ここで開示される方法および装置は、穿刺部位に流体の流れが提供可能、かつ実質的に覆われた注入部位をユーザに提供する。さらに別の例示において、ここで開示される方法および装置は、実質的に低い側面形状を有するセットをユーザに提供する。さらに他の例示において、ここで開示される方法および装置は、注射ポートを有する注入セットとカニューレハウジングとをユーザに提供し、注射ポートにおいて当該セットが複数日を持ち、カニューレハウジングは、新しいカニューレ注射ポートのための新しい部位を提供するように、取り外して再度に装着することが可能である。また他の例示において、ここで開示される方法および装置は、下ベース部にある軌道を含む注入セットをユーザに提供し、当該軌道はその周りに上ベース部を案内する。
【0017】
ここで、上ベース部および下ベース部を含む注入セットのための方法および装置が提供され、ベース部は相互に接続して互いに対して運動できる。いくつかの実施例において、ベース部の運動は、下ベースに対する近位表面に垂直な軸を中心とする円形経路に沿うものである。いくつかの例示において、近位表面とは、ユーザの皮膚表面に比較的近い表面を指す。いくつかの例示において、上ベース部は下ベース部に対して自由に回転可能である。いくつかの例示において、上ベース部は下ベース部に対して360度回転可能である。いくつかの例示において、上ベース部は下ベース部に対して少なくとも90度、180度または270度回転可能である。
【0018】
ここで、ベースおよびコネクタを含んで、かつ回転可能な注入システムまたは装置が提供される。いくつかの実施例において、ベースは下ベース部および上ベース部を含む。いくつかの例示において、下ベース部は、カテーテルを保持し、接着材料を用いてユーザの皮膚に接着するための表面を有する。いくつかの例示において、上ベース部は所望の方向に自給に回転可能である。いくつかの例示において、上ベース部は下ベース部に対して360度回転可能である。いくつかの場合において、上ベース部は、注入システムがユーザに配置された後に、方向が付けられる。いくつかの場合において、上ベース部は、カテーテルまたはカニューレ装置がユーザに配置される前に、方向が付けられる。いくつかの例示において、下ベース部および上ベース部は、少なくとも1つの膜およびOリングによって封止された封止チャンバが形成される。いくつかの例示において、封止チャンバを封止する膜は2つがある。いくつかの例示において、膜は自己封止材料を含む。いくつかの例示において、膜はエラストマ性ポリマを含む。いくつかの例示において、膜はシリコンを含む。いくつかの例示において、Oリングは圧縮性材料を含む。いくつかの例示において、Oリングはエラストマ性ポリマを含む。いくつかの例示において、Oリングはシリコンを含む。膜およびOリングは、コネクタがベース部に連結されたときに、流体(例えば、薬剤、インスリン)の自由な流れがユーザに提供されるという流体接続に対して、良好な封止を確保することに役に立つ。いくつかの実施例において、流体は薬剤を含む。いくつかの実施例において、流体はインスリンを含む。
【0019】
いくつかの実施例において、ベース部は、利用されるために組み立てられた複数の部分を含む。いくつかの例示において、ベースは、下部、上ベース部、およびカニューレハウジングを含み、ベース部は注入セットを固定する。下ベース部は、接着材料を用いてユーザの皮膚に接着するための表面を有する。カニューレハウジングは、患者が注入セットを適用しているときに、カニューレハウジングのためにベース部にある開口を介してベース部に挿入可能であり、注入セットはユーザから針を隠す。ユーザの目線から針を隠すのは、針をユーザの皮膚に挿入することに対して、ユーザの不安や不快感を和らげることに役に立つ。いくつかの実施例において、カニューレハウジングは、挿入のための案内部、カニューレ挿入のための空間、または留め具(fastener)を含む。いくつかの実施例において、下ベース部は、カニューレハウジングを固定するためのアームを含み、アームは、カニューレハウジングの位置を固定してカニューレハウジングの方向を維持する。いくつかの実施例において、カニューレハウジングによって、ベース部に挿入されたときに、上ベース部とともに封止チャンバが形成される。いくつかの実施例において、封止チャンバは、膜によって封止されて、コネクタがベース部に連結され流体接続管が膜を貫通し封止チャンバとの流体連通が構築されるときにのみ、薬剤リザーバと流体連通する。いくつかの実施例において、カニューレハウジングを有するベース部とコネクタが連結されているとき、リザーバからの薬剤(例えば、インスリン)は流路を通ってユーザに流れる。いくつかの実施例において、上ベース部によって、注入セットは、注入セットがユーザに設置された後でも、自由に方向を設定することができる。いくつかの実施例において、上ベース部によって、注入セットは、注入セットがユーザに設置され前に、自由に方向を設定することができる。
【0020】
ここで開示される様々な実施例において、様々なベース部は複数の機構によって互いに連結されている。いくつかの実施例において、上ベース部と下ベース部とは、中心に配置された少なくとも1つのスナップフックによって接続し合う。代替的にまたは併用的に、上ベース部と下ベース部とは、縁部に配置された少なくとも1つのスナップフックによって接続し合う。いくつかの実施例において、上ベース部と下ベース部とは、縁部に配置された複数のスナップフックによって接続し合う。
【0021】
ここで開示されるコネクタは、コネクタ本体、流体接続管(fluid connector tube)、接続チューブ(connection tube)、および、接続チューブのための開口を含む。いくつかの実施例において、流体接続管は鋼のカニューレである。いくつかの実施例において、流体接続管は上ベース部にある膜の1つを貫通する。いくつかの実施例において、接続チューブは、開口を通ってコネクタ本体内に挿入され、流体接続管とともに流体接続を形成する。いくつかの実施例において、接続チューブはインスリンポンプに接続してインスリンをユーザに提供する。
【0022】
ここで開示される注入セットは封止チャンバを含む。いくつかの実施例において、封止チャンバは上ベース部内のキャビティに形成されており、当該キャビティは膜およびカニューレ装置によって閉じ込められる。
【0023】
いくつかの実施例において、回転可能なベース部は、既有の注入セットと互換性があるように設定される。いくつかの例示において、回転可能なベース部は、注入セットをベース部に接続させる慣用方法と互換性がある。いくつかの例示において、コネクタ部は注入セットをベース部に接続させるための部位を提供する。
【0024】
いくつかの実施例において、注入セットは、コネクタの本体にある開口内に配置された接続管を用いてベースと接続し、当該コネクタはすでにベースに連結されている。いくつかの実施例において、注入セットはコネクタをベースに連結させることによってベースに接続しており、コネクタは、コネクタがベースに連結される前に、接続チューブによって注入セットに接続している。
【0025】
ここで開示される方法および装置は、快適、かつ利用経験のある相互作用と同じ相互作用をエンドユーザに与えながら、多方向の機能性と挿入されるカニューレハウジングとも有する注入セットを提供する。いくつかの例示において、方法および装置は注入セットを提供し、当該注入セットによって、ユーザは、注入セットを変更すること、または、ユーザの皮膚表面から注入セットを取り外すことなく、注入セットの方向を容易に変更することができる。いくつかの実施例において、回転可能な注入セットの寸法は、回転不可な注入セットの寸法と実質的に同様であり、当該寸法は、高さ、重さ、長さおよび形状を含むが、これらに限らない。回転可能な注入セットと回転不可な注入セットとが同様な寸法を有するため、利用と装着の熟練度によって、ユーザにとっては使いやすくなる。
【0026】
いくつかの例示において、ここで開示される方法および装置は、ベースの一部の運動を部分的に制限する係止機構を提供する。いくつかの実施例において、注入セットは、係止突起を有するコネクタを含み、当該係止突起はベースの一部の運動を部分的に制限する。いくつかの実施例において、コネクタの係止突起は、コネクタがベース部と連結されているときに、下ベース部の1つの表面にある案内突起部の間における溝の1つに適合(fit)されている。いくつかの実施例において、コネクタのスナップフックは上ベース部の開口に強固に適合されている。コネクタがベース部と連結されているときに、係止突起は下ベース部の溝と適合されており、スナップフックは上ベース部に適合されている。よって、ベース部の互いに対する運動が制限される。いくつかの実施例において、係止機構は係止突起を含む。代替的にまたは併用的に、係止機構はスナップフックを含む。いくつかの実施例において、係止機構はベース部の運動を完全に制限する。いくつかの実施例において、ベース部に対する完全な運動制限とは、運動がほぼ0度の回転になることを指す。いくつかの実施例において、係止機構はベース部の運動を部分的に制限する。いくつかの実施例において、ベース部に対する部分的な運動制限とは、運動が、5度以下、10度以下、15度以下、20度以下、25度以下、30度以下、35度以下、40度以下、または45度以下の回転になることを指す。
【0027】
いくつかの例示において、ここで開示される方法および装置は、実質的に覆われる注入部位をユーザに提供し、当該注入部位の周りの皮膚に気流が提供され得る。注入セットは、注入部位の周りの皮膚を部分的に覆うことによって、注入セットにおいて注入部位の周りの皮膚に対して良好な接着封止を提供するように十分な接触表面積がありながら、皮膚に通気性を持たせて皮膚刺激を緩和する。いくつかの実施例において、ユーザの皮膚に接触する注入セットの近位表面は、注入部位の近傍の皮膚を部分的に覆う。いくつかの実施例において、注入セットの近位表面は、注入部位の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%を覆う。いくつかの実施例において、注入セットの近位表面は、注入部位の50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、99%以下を覆う。いくつかの実施例において、注入セットの近位表面は、ユーザの皮膚の状態についての視野を提供するように、下ベース部に少なくとも1つの穴または開口を有する。いくつかの実施例において、上ベース部も、ユーザの皮膚の状態についての視野を提供するように、少なくとも1つの穴または開口を有する。いくつかの実施例において、下ベース部にある穴または開口はクリア材料または透明材料によって覆われている。いくつかの実施例において、下ベース部にある穴または開口は通気性のある素材によって覆われている。開口によって、ユーザは皮膚から注入セットを外さずに皮膚の状態を目視することができる。
【0028】
いくつかの実施例において、注入セットは、注入部位をその上から様々な距離を空けて覆う。いくつかの実施例において、注入セットは、ユーザの皮膚上の注入部位から少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、少なくとも9cm、または少なくとも10cmで覆う。
【0029】
いくつかの例示において、ここで開示される方法および装置は、実質的に低い側面形状を有するセットをユーザに提供する。注入セットの低い側面形状によって、注入セットはユーザの皮膚に近く設置することができ、長期間の装着にわたって低い違和感をユーザに提供することができる。いくつかの実施例において、注入セットは、1cm以下、2cm以下、3cm以下、4cm以下、5cm以下、6cm以下、7cm以下、8cm以下、9cm以下、10cm以下、11cm以下、12cm以下、13cm以下、14cm以下、または15cm以下の側面形状を有する。いくつかの実施例において、注入セットは、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも4cm、少なくとも5cm、少なくとも6cm、少なくとも7cm、少なくとも8cm、少なくとも9cm、少なくとも10cm、少なくとも11cm、少なくとも12cm、少なくとも13cm、少なくとも14cm、または少なくとも15cmの側面形状を有する。
【0030】
いくつかの例示において、ここで開示される方法および装置は、注射ポートを有する注入セットとカニューレハウジングとをユーザに提供し、注射ポートにおいて当該セットが複数日を持ち、カニューレハウジングは、新しいカニューレ注射ポートのための新しい部位を提供ように、取り外して再度に装着することが可能である。いくつかの実施例において、注入セットは、単一の注入部位において、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも7日、少なくとも8日、少なくとも9日、少なくとも10日、少なくとも11日、少なくとも12日、少なくとも13日、少なくとも14日、少なくとも15日、少なくとも16日、少なくとも17日、少なくとも18日、少なくとも19日、少なくとも20日、少なくとも21日、または少なくとも30日について維持される。いくつかの実施例において、注入セットは、単一の注入部位において、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、または少なくとも4週間に維持される。いくつかの実施例において、注入セットは、単一の注入部位において、1日以下、2日以下、3日以下、4日以下、5日以下、6日以下、7日以下、8日以下、9日以下、10日以下、11日以下、12日以下、13日以下、14日以下、15日以下、16日以下、17日以下、18日以下、19日以下、20日以下、21日以下、または30日以下について維持される。いくつかの実施例において、注入セットは、所定かつ長期間の使用のために、無菌および流体封止を維持するように設計される。
【0031】
いくつかの実施例において、下ベース部は、コネクタの係止突起と連結するための溝を有する。いくつかの実施例において、溝は径方向対称に形成されている。いくつかの実施例において、溝は径方向対称でないように形成されている。いくつかの実施例において、下ベース部は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の溝を有する。いくつかの実施例において、下ベース部は、1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下、6つ以下、7つ以下、8つ以下、9つ以下、または10以下の溝を有する。いくつかの実施例において、下ベース部は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の溝を有する。いくつかの実施例において、溝は、コネクタの係止突起の寸法に近いサイズを有する。いくつかの実施例において、コネクタの係止突起の寸法に近いサイズを溝に持たせることによって、コネクタがベース部と連結された後、ベース部の回転が実質的に制限される。
【0032】
いくつかの例示において、下ベース部は、コネクタの係止突起と連結すべき溝を形成するための案内突起を有する。いくつかの実施例において、案内突起は径方向対称に形成されている。いくつかの実施例において、案内突起は径方向対称でないように形成されている。いくつかの実施例において、下ベース部は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の案内突起を有する。いくつかの実施例において、下ベース部は、1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下、6つ以下、7つ以下、8つ以下、9つ以下、または10以下の案内突起を有する。いくつかの実施例において、下ベース部は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の案内突起を有する。
【0033】
いくつかの例示において、上ベース部は、上ベース部と下ベース部との接続を維持するための回転案内部を有する。回転案内部は下ベース部の周囲に引掛ける。いくつかの実施例において、回転案内部は上ベース部の周囲に連なる。いくつかの実施例において、回転案内部は上ベース部の周囲に連なっていない。いくつかの実施例において、回転案内部は径方向対称に形成されている。いくつかの実施例において、回転案内部は径方向対称でないように形成されている。いくつかの実施例において、上ベース部は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または少なくとも10の回転案内部を有する。いくつかの実施例において、上ベース部は、1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、5つ以下、6つ以下、7つ以下、8つ以下、9つ以下、または10以下の回転案内部を有する。いくつかの実施例において、上ベース部は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10の回転案内部を有する。
【0034】
いくつかの例示において、コネクタにある流体接続管は、注入セットに慣用の、直径について互換性のある医療グレードのチューブを有する。いくつかの実施例において、流体接続管は、23番規格(gauge)、24番規格、25番規格、26番規格、27番規格、28番規格、29番規格、30番規格、31番規格、32番規格、または33番規格のものである。
【0035】
いくつかの例示において、カニューレ装置にあるカニューレは様々な直径を有する。いくつかの実施例において、カニューレは23番規格、24番規格、25番規格、26番規格、27番規格、28番規格、29番規格、30番規格、31番規格、32番規格、または33番規格のものである。
【0036】
下ベース部および上ベース部は互いに関して様々なサイズを有してもよい。いくつかの実施例において、下ベース部および上ベース部は同様な直径を有する。いくつかの実施例において、下ベース部の直径は上ベース部の直径よりも小さい。いくつかの実施例において、下ベース部は、下ベース部が上ベース部に対して傾くまたはぐらつくことを防止するためのバックタップ(back tap)を含む。いくつかの実施例において、下ベース部は、ユーザの皮膚に接着するために十分な接触面積を有する。いくつかの実施例において、コネクタは短縮されたノッチを有するため、下ベース部はより大きい接触面積を有する。
【0037】
いくつかの実施例において、カニューレ装置はカニューレハウジングによって保持されている。いくつかの実施例において、カニューレハウジングはベース部に挿入されている。いくつかの実施例において、カニューレハウジングはベース部と一体化されている。いくつかの実施例において、ベース部の方向が変更するときにカニューレ装置のカニューレは旋回しない。いくつかの実施例において、コネクタの連結は流体チャンバの封止を損なわない。いくつかの実施例において、カニューレは、ユーザの皮膚内に挿入された後に旋回しない。いくつかの実施例において、カニューレハウジングは、下ベース部にある係止アームによって、係止され固定される。代替的にまたは併用的に、カニューレハウジングは、上ベース部によって中心軸の周りに係止されない。いくつかの実施例において、上ベース部は、カニューレハウジングを固定することに役に立つ、円錐状のカラー(collar)を有する。代替的にまたは併用的に、上ベース部は、挿入のために、カニューレハウジングを位置合わせするための凹部を有する。いくつかの実施例において、カニューレハウジングは、カニューレ装置の本体を保護するためのカラーを有する。いくつかの実施例において、カニューレハウジングは、カニューレ装置およびカニューレハウジングをベース部内に配置させるように用いられる挿入具(inserter)との交換性がある。いくつかの実施例において、カニューレハウジングによって上ベース部において封止チャンバが形成され、当該封止チャンバにおいて、封止チャンバの流体封止は少なくとも1つのOリングによって強化(secured)される。いくつかの実施例において、2つのOリングが流体封止を強化する。いくつかの実施例において、カニューレハウジングは、カニューレハウジングをベース部に固定することに役に立つ少なくとも1つの留め具、タブ、または突起部を含む。いくつかの実施例において、留め具は可撓性材料を含む。いくつかの実施例において、留め具はプラスチックを含む。いくつかの実施例において、突起部は下ベース部の凹部に位置する。
【0038】
<実施例>
図1は、ここで開示される注入システムの第1実施例を描く図である。接続チューブ90はコネクタ部30に接続しており、コネクタ30は流体接続管80と流体接続している。流体接続管80は上ベース20と接続しており、上ベース20は第1膜50を含む。第1膜50は、コネクタ30を介して、上ベース部20と接続チューブ90との間の流体接続を維持する。上ベース部20は、上ベースの開口100内の第2膜40およびOリング60を介して、下ベース部10と接続している。下ベース部10は穴110および回転溝120を介して上ベース部20と位置合わせする。穴110および回転溝120を介して、カニューレ装置70は上ベース部20および下ベース部10を貫通して患者に挿入される。
【0039】
図2は、コネクタ30、下ベース部10および上ベース部20の更なる詳細を描く図である。組み立てられた注入システムは、下ベース部10の下方から見るように示されている。コネクタ30にある係止突起150は、下ベース部10内の溝、および回転溝120を介して、下ベース部10および案内突起部130の運動を制限する。コネクタ30にあるスナップフック160によって、上ベース部20および下ベース部10は注入システムにおいて固定されており、かつ、接続チューブ(図に示さず)との流体接続が可能となる。上ベース部は、装置内において上ベース部の旋回を許容しながら注入装置の運動をさらに制限するための回転案内部170を含む。
【0040】
図3は、組み立てられた注入システムのコネクタ30、下ベース部10および上ベース部20の更なる詳細を描く図であり、上方からまたは
図2の反対側から見るように示されている。コネクタ30は上ベース部20と位置合わせされた下ベース部10に挿入され、コネクタ30のスナップフック160は、コネクタを下ベース部10および上ベース部20に固定することに役に立つ。コネクタ30が下ベース部10および上ベース部20と結合されているときに、接続チューブ90を流体接続管80およびカニューレ装置70と流体接続させるために、コネクタにあって接続チューブ180のための開口は接続チューブ90を受けてもよい。いくつかの場合において、上ベース部100にあってカニューレ装置の開口によって、カニューレ装置70はベース部に配置可能となる。いくつかの場合において、上ベース部100にあってカニューレ装置の開口は膜70によって覆われる。
【0041】
図4は、ここで開示される、かつ様々な視点から示されている、組み立てられた注入システムの実施例を描く図である。上面図は下ベース部10の下方から見るように示す。下ベース部10は上ベース部20と位置合わせされており、位置合わせされたベース部はコネクタ30と連結されている。上ベース部20の回転案内部170は、上ベース部20が下ベース部10に対する位置合わせを強化すること、および、下ベース部10が上ベース部20に対するぐらつきを制限することに役に立つ。コネクタ30の係止突起150は、下ベース部10の案内突起部130の間にある溝140に配置されているときに、下ベース部10の回転を制限することに役に立つ。コネクタ30のスナップフック160は、位置合わせされたベース部にコネクタを固定させることに役に立つ。組み立てられた注入システムの側面図は、コネクタ30にあって接続チューブ180のための開口を示しており、当該コネクタ30は接続チューブに挿入され得て、当該接続チューブは薬剤リザーバに接続される。また、側面図は、コネクタとの連結のために上ベース部にある案内部190と、組み立てられたベース部に適合されるコネクタにあるスナップフック160と、下ベース部10の縁部の周りを包む上ベース部20にある回転案内部170とを示している。上方から見る図は、カニューレ装置100のための開口を有する上ベース部20と、下ベース部10と、接続チューブ180のための開口、および、ベース部と連結されたスナップフック160を有するコネクタ30とが示している。
【0042】
図5は、断面線D-Dに沿った注入システムの実施例の断面図である。当該断面図は、組み立てられた注入システム内の内部キャビティを示しており、当該組み立てられた注入システムは、上ベース部20に位置合わせされてコネクタ30に連結された下ベース部10を含む。接続チューブ180のためのコネクタ30の開口は、流体接続管80の管腔と流体連通しており、当該流体接続管80は、上ベース部20にある膜50を貫通可能であり、当該膜50は上ベース部の開口の1つを覆う。流体接続管80はカニューレ装置70と接続しており、流体接続管80の管腔はカニューレ装置70の封止チャンバ200と流体連通している。いくつかの場合において、カニューレ装置70のカニューレは、注入システムのユーザの皮膚を貫通し、封止チャンバはユーザの皮膚へのカニューレと流体連通する。いくつかの場合において、上ベース部は膜40を有し、膜40は、上ベース部20にあってカニューレ部70のための開口100の1つを覆う。Oリング60は、上ベース部20内におけるカニューレ装置70の流体封止の強化に役に立つ。下ベース部はカニューレ装置のための開口110を有する。断面図は、上ベース部の回転案内部170とコネクタ30の係止突起150とも示しており、当該係止突起150は、下ベース部の溝140に適合されており、注入装置の運動を制限する。
【0043】
図6は、2つのスナップフック160を有するコネクタ30の詳細を描く図である。当該2つのスナップフック160は、コネクタおよびノッチ210の両側に設けられている。ノッチ210は、コネクタがベース部に連結されているときに、下ベース部10と隣接して配置されるための空間をコネクタ30に提供する。
【0044】
図7は下ベース部10の詳細を描く図である。下ベース部10は、複数の案内突起部130の間に複数の溝140を有してもよい。溝140および案内突起部130は、下ベース部10において装置のユーザの皮膚と接着する側に設けられている。断面A-Aに沿った下ベース部10の断面図は、下ベース部10にあってカニューレ装置70のための開口110と、下ベース部10の中心にある、または当該中心の近傍にある回転溝120とを示している。開口110は、カテーテルのために、または貫通すべきカニューレ装置のカニューレのために空間を下ベース部において提供する。回転溝120は、開口110と同心であってもよく、開口110を部分的にまたは完全に囲んでもよい。回転溝120によって、上ベース部20のノッチ付きの回転部は、回転溝内において、下ベース部10に適合されて下ベース部10に対して回転するように案内される。下ベース部10も、その周囲にある、またはその周囲の近傍にある凹端220を有し、当該凹端220は、上ベース部の回転案内部内に適合されており、上ベース部と下ベース部との接続を維持する。
【0045】
図8は上ベース部20の詳細を描く図である。上ベース部20は複数の回転案内部170を有し、当該複数の回転案内部170は、上ベース部20を下ベース部10とカニューレ装置の開口100とに接続させることに役に立つ。断面A-Aに沿った上ベース部20の断面図は、回転案内部170と、挿入するコネクタのための案内部190と、下ベース部10にあって回転溝120内に適合された先細り回転可能部230とを示している。A-A断面図は封止チャンバも示しており、封止チャンバは、コネクタ30の流体接続管80および接続チューブ90の管腔と流体接続可能であり、薬剤のリザーバへも流体接続可能である。断面B-Bに沿った上ベース部20の断面図は、上ベース部20の上面にあって膜40のための空間240と、上ベース部の側面にあって膜50のための空間250とともに、封止チャンバ200と、回転案内部170と、カニューレ装置のための開口100との代替的な図を示しており、膜50はコネクタ30の流体接続管80に貫通され得る。
【0046】
図9は上ベース部20をさらに描く図である。上ベース部20の側面形状図は、回転案内部170と、上ベース部20の側面にあって膜50のための空間25とを示している。上ベース部20の下方からの図は、回転案内部170と、挿入するコネクタのための案内部190と、下ベース部10にあって回転溝120内に適合された先細り回転可能部230と、膜40および膜50のそれぞれのための空間240および空間250とを示している。
【0047】
図10は、ここで開示される方法および装置の第2実施例を描く図である。下ベース部10は、回転溝120および開口110を介して上ベース部20と位置合わせされ、カニューレ装置70は、開口110を介して上ベース部20および下ベース部10を通って、患者に挿入する。上ベース部20は、その上面にあって膜40のためのスペース240と、その側面にあって膜50のためのスペース250とを有する。下ベース部10は、案内突起部130の間においていくつかの溝140を有し、当該案内突起部130は、下ベース部10の上側、または下ベース部10において回転溝120と同じ側にある。上ベース部20および下ベース部10はカニューレ装置70を収納し、カニューレ装置70は、ベース部の中心または中心の近傍における開口110、240を通って、カニューレ保持部260によって特定場所に保持されている。ベース部における流体封止を強化するように、Oリングは膜40とカニューレハウジング260の上部との間に配置され得る。ベース部はコネクタ30と連結されており、そこで、スナップフック160は上ベース部20内に適合されており、流体接続管80は膜50を貫通してカニューレ装置70と流体的に接続する。コネクタ30は接続チューブのための開口180を有し、当該接続チューブは薬剤のリザーバを流体接続管80およびカニューレ装置70に流体的に接続させる。
【0048】
図11は、組み立てられた上ベース部20とカニューレ針を有する下ベース部10との詳細を描く図である。断面A-Aに沿った、上ベース部20とカニューレ装置70を有する下ベース部10との断面図は、カニューレ装置70と流体連通する封止チャンバ200を示しており、当該カニューレ装置70はベース部においてカニューレハウジングによって特定場所に保持されている。流体封止は、Oリングと、膜40と、空間250においてコネクタ30に接続され得る膜50とによって強化される。下ベース部は凹端220を有し、凹端220は、上ベース部20の回転案内部170と連結され、上ベース部と下ベース部とを繋がせる。上ベース部20にある先細り回転可能部230は、下ベース部10の回転溝120内に適合されており、上ベース部20を下ベース部10に対して回転可能にする。組み立ての分解図および代替的な組み立て図も示されている。
【0049】
図12は、断面A-Aに沿ったコネクタ部30の断面図は、スナップフック160と、ノッチ210と、接続チューブのための開口180と、流体接続管80とを示す。ノッチ210は、コネクタがベース部に連結されているときに、下ベース部10と隣接して配置されるための空間をコネクタ30に提供する。流体接続管80は、上ベース部において膜50を貫通し、上ベース部20内の封止チャンバとの流体接続を確立することができる。コネクタの分解図および代替的な図も示されている。
【0050】
図13は、下ベース部10の代替的な実施例および図である。下ベース部10の下方から見る図は、カニューレ装置のための開口110を示している。側面図および断面A-Aに沿った断面図は、カニューレ装置のための開口110と、開口110を囲んだ回転溝120と、周囲にある溝140とを示しており、当該溝140によって、コネクタにある係止突起と連結してコネクタとベース部との間の連結が強化される。下ベース部10の上方から見る図は、カニューレ装置のための開口110と、開口110を囲んだ回転溝120と、複数の案内突起部130と、周囲にあって突起部の間にある溝140とを示されている。
【0051】
図14は、上ベース部20の代替的な実施例および図である。断面A-Aに沿った断面図と拡大Bとは、カニューレ装置および空間240、250のための開口100と接続された封止チャンバ200を示しており、空間240、250は、膜40、50によって封止され得て、封止チャンバ200に対して流体封止を提供することができる。上ベース部20の下方から見る図は、上ベース部20と下ベース部10との接続を維持することに役に立つ回転案内部170と、挿入するコネクタのための案内部190と、下ベース部10にある回転溝120内に適合される先細り回転可能部230と、カニューレ装置のための開口100とを示している。断面C-Cに沿った断面図と拡大Dとは、上ベース部20の周囲の近傍において上ベース部20の下方から内側に突出する回転案内部170と、回転案内部の内側にある案内部190とを示している。案内部190は、回転案内部と、適合するコネクタのスナップフックのための案内部との間に空間を提供する。
【0052】
図15は、コネクタ部30の代替的な実施例および図である。コネクタ部30は、接続チューブおよび2つのスナップフック160のための開口180を有する。中心からずれる断面AI-AIに沿った断面図は、コネクタ30の本体から外へ延びているスナップフック160と、スナップフック160の下方にある係止突起150とを示している。断面A-Aに沿った断面図と拡大Bとは、スナップフック160と、接続チューブのための開口180と、コネクタにおいて下ベース部10と連結される側にある係止突起150とを示しており、接続チューブは、流体接続管のための空間と接続される。
【0053】
図16は、下ベース部10の代替的な実施例および図である。下ベース部10は、溝140のサイズによってコネクタにある係止突起150のために十分な空間が提供できるような数および/または寸法の案内突起部130を有し、係止突起150は、溝内において余分な空間が殆どないまたは全くないように、溝内に適合される。係止突起150の一部は、近隣の案内突起130の一部に接触してもよい。下ベース部は、下ベース部がコネクタに連結されていてコネクタの係止突起が1つの溝140内に位置するときに、下ベース部が移動または回転に空間が殆どないまたは全くないような溝140を有するように、設定され得る。断面A-Aに沿った断面図と拡大Bと拡大Cとは、カニューレ部のための開口110を囲んだ回転溝120と、上ベース部20の回転案内部170内に適合されて上ベース部と下ベース部とを繋がせる凹端220とを示している。
【0054】
図17は、下ベース部10の代替的な実施例および図である。断面B-Bに沿った断面図は、カニューレ部のための開口110を囲んだ回転溝120と、上ベース部20の回転案内部170内に適合されて上ベース部と下ベース部とを繋がせる凹端220とを示している。
【0055】
図18は、開示される注入システムの代替的な実施例の分解図を示している。カニューレハウジング260は、カニューレ装置のための上ベース部の開口110を通って、上ベース部20と下ベース部10との組み立て体の中に挿入され得る。カニューレハウジング260は、膜40によってその上部において封止され得て、カニューレ装置70をカニューレハウジング260の下部から外へ延びるように保持することができる。上ベース部の開口110の壁とカニューレハウジング260との間の流体封止は、示された少なくとも1つのOリング60または2つのOリングによって強化され得る。膜50は上ベース部20内において封止チャンバに流体封止を提供することができる。コネクタ30が、上ベース部20および下ベース部10に連結されており、かつ、カニューレ装置70から上ベース部内の封止チャンバを通って流体接続管と接続されたリザーバへの流体接続が形成されるときに、膜は流体接続管80によって貫通可能である。
【0056】
図19は、開示される注入システムの代替的な実施例を示しており、当該注入システムは、患者の皮膚の状態を監視するための視認用穴を含む。下ベース部10にある視認用穴270によれば、患者の皮膚上に配置された注入システムの下方の皮膚の状態の視認または監視が可能となる。いくつかの場合において、視認用穴270はクリアで透明な材料を含む。いくつかの場合において、視認用穴270は開放的かつ覆われていない状態に維持される。
【0057】
図20は、カニューレ装置70と、カニューレハウジング260と、コネクタ部30へのカニューレ接続のための空間280と、ここで開示される注入システムとともにカニューレの挿入のための案内部290を示している。挿入されると、案内部290はカニューレ装置70の位置および方向を維持する。案内部290は、カニューレハウジング260の外壁に、または、カニューレ装置70の本体部に付けられ得て、よって、上ベース部または下ベース部の一部は、案内部290に適合され得て、カニューレハウジングの方向を固定することができる。断面B-Bに沿った断面図は流体接続管80のための空間280を示しており、流体接続管80は、封止チャンバおよびカニューレ装置との流体接続を確立するように適合される。カニューレハウジング260またはカニューレ装置70は少なくとも1つの留め具300を有してもよく、当該少なくとも1つの留め具300は、ベース部にあるカニューレ装置のための開口内に適合されるカニューレハウジングまたはカニューレ装置に対して表面を提供する。
【0058】
図21は、カニューレ装置70またはカニューレハウジング260を保持するためのアームを含む下ベース部10の詳細を示している。アーム310は、カニューレ装置70またはカニューレハウジング260が下ベース部10内および患者の皮膚内に挿入されたときに、カニューレ装置70またはカニューレハウジング260の位置および方向を維持するための案内を提供する。下ベース部10にあってカニューレ装置のための開口120はアーム310によって配置される。カニューレ装置70またはカニューレハウジング260が下ベース部10内および患者の皮膚内に挿入されると、アーム310はカニューレ装置70またはカニューレハウジング260の位置を維持する。下ベース部10は、アーム310の周りの案内突起の間において、案内突起130と溝140とを有してもよい。いくつかの場合において、アーム310は可撓で湾曲している。いくつかの場合において、アーム310は可撓性ポリマまたは可撓性プラスチックを含む。断面C-Cに沿った断面図は下ベース部10におけるアーム310を示している。
【0059】
図22は、上ベース部20の代替的な実施例および図である。示された上ベース部20はカニューレハウジング260またはカニューレ装置70を収納してもよく、当該カニューレハウジング260またはカニューレ装置70は
図18に示された上ベース部の開口110を通って挿入される。上ベース部20は開口110を有し、開口110のサイズはカニューレハウジング260またはカニューレ装置70を収納するように設定される。上ベース部20の下方から見る図は、膜50のための空間250と接続された開口110と、上ベース部20の周囲の近傍にある複数の回転案内170と、上ベース部に適合されるコネクタのための案内部190とを示している。断面D-Dに沿った断面図および拡大
図Eは、膜40および膜50のそれぞれについての空間240および空間250と接続された封止チャンバ200を示しており、膜40および膜50が空間240および空間250を封止すると、封止チャンバ200は1つの封止された空間として形成する。
【0060】
図23は、下ベース部10、上ベース部20、および位置合わせシェル320の代替的な実施例および図である。位置合わせシェル320は、上ベース部20上に配置されており、上ベース部20と下ベース部10との位置合わせに役に立つ。ベース部の位置合わせは、封止チャンバ200が良好な流体封止を有することの確保に役に立ち、コネクタの流体接続管から封止チャンバおよびカニューレ装置を通る流体接続は、封止されて維持される。位置合わせシェル320と上ベース部20と下ベース部10との組み立て体の下方から見る図は、案内突起部130と案内突起部の間における溝140とともに、カニューレ装置またはカニューレハウジングを受ける開口にあるアーム310と、上ベース部20から下ベース部10への接続を強化する回転案内部170とを示している。
【0061】
図24は、位置合わせシェル320の実施例の詳細を描く図であり、当該位置合わせシェル320は、位置合わせシェル320にある位置合わせ脚330と固定タブ(securing tab)340とを含む。位置合わせ脚330は、位置合わせシェルの内面にある突起または脚であり、上ベース部20の凹部内に適合される。位置合わせ脚330は、位置合わせシェル320を上ベース部20への位置合わせに役に立つ。固定タブ340は、下ベース部10の凹部内に適合されることによって、位置合わせシェル320を下ベース部10に固定させる。
【0062】
図25は、カニューレ装置70を有する、上ベース部20および下ベース部10の代替的な実施例および図である。下ベース部が上ベース部より小さい、かつ、カニューレ装置が上ベース部を通って上ベース部と下ベース部との間の空間に挿入される場合、下ベース部10はカニューレ装置のための開口110を必要としなくてもよい。中心からずれた位置に設けられたカニューレ装置は、上ベース部および下ベース部が所望の位置に回転されて固定されてから配置され得る。
【0063】
図26は、カニューレ装置70およびカニューレハウジング260を有する、上ベース部20および下ベース部10の詳細を描く図であり、当該カニューレ装置70およびカニューレハウジング260は中心からずれた位置に設けられている。カニューレハウジング260はタブ360を有してもよく、タブ360は上ベース部20にある突起部380とカニューレハウジングにある突起部370とラッチ係合する。突起部380および突起部370は、上ベース部にある凹設させた溝の中に適合され、カニューレハウジング260を上ベース部20に固定させる。この詳細は断面A-Aに沿った断面図、拡大Bおよび拡大Cに示されている。
【0064】
図27は、上ベース部20の代替的な実施例および図である。いくつかの例示において、上ベース部20はカニューレ装置のための開口100を有し、当該カニューレ装置は中心からずれた位置に設けられており、開口は凹部とカニューレハウジングに適合する突起部とを有する。上ベース部20は、下ベース部10への結合を強化するために、上ベース部20の内面にある内面タブ400と交互に複数の穴39を有する。
【0065】
図28は、下ベース部10の実施例を描く図であり、当該下ベース部は上ベース部20に適合し、当該上ベース部20はカニューレ装置のために中心からずれた位置に設けられた開口を有する。
【0066】
図29は、カニューレハウジング260の実施例である。カニューレハウジングはタブ360を有し、タブ360は、可撓であり、上ベース部の突起部の下方で適合するように湾曲可能である。カニューレハウジングは、タブ360と対向する表面に突起部370を有し、突起部370は上ベース部の凹部内に適合され得る。タブ360および突起部370は、カニューレ装置がハウジング部内に挿入されているときに、カニューレハウジングがその方向および位置を維持することに役に立つ。カニューレハウジングは中心管腔を有し、当該中心管腔は、下ベース部とともに組み立てられたときに、下ベース部に向かって徐々に狭くなる。狭くなる構成によって、強固な流体封止が提供され、カニューレハウジングにおいてカニューレ装置の方向が維持される。
【0067】
本開示の好ましい実施例がすでにここで示されて説明されたが、当業者にとって、これらの実施例は例示のためのみに提供されることが明らかである。当業者にとって、多くの変化例、改変例および代用例は本開示の実行によって想到できる。理解されるべきことに、ここで開示された実施例の様々な代替例は開示内容を実行することによって適用され得る。開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって規定されることが意図されており、特許請求の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物は、これによって含まれることも意図されている。