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特許7478190オキシステロールおよびそれらの使用の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】オキシステロールおよびそれらの使用の方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/575 20060101AFI20240424BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20240424BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240424BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240424BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240424BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
A61K31/575
A61P1/00
A61P3/06
A61P3/10
A61P25/00
A61P35/00
【請求項の数】 39
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022107293
(22)【出願日】2022-07-01
(62)【分割の表示】P 2021001453の分割
【原出願日】2016-07-06
(65)【公開番号】P2022130668
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】62/189,065
(32)【優先日】2015-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514058913
【氏名又は名称】セージ セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】フランセスコ ジー. サリトゥロ
(72)【発明者】
【氏名】アルバート ジーン ロビチャウド
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル マルティネス ボテーラ
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-514379(JP,A)
【文献】特表2011-520815(JP,A)
【文献】国際公開第2014/160480(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07J
A61K 31/
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物であって、ここで、前記化合物は、式(I-AA):
【化1】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、式中、
は、水素であり;
およびR の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、置換もしくは非置換カルボシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリルであるか、または
およびR は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、置換もしくは非置換3~8員環を形成し;
は、水素、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
は、水素、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;そして
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4であり;そして
ただし、R およびR の両方が水素であることはなく;
は、存在しないか、または水素であり;そして
【化84】
は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化85】
が二重結合であるとき、他方の
【化86】
は単結合であり、かつR は存在しない、
薬学的組成物。
【請求項2】
が、水素ではない、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項3】
が、水素ではない、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項4】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
およびR の各々が、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルから選択され;
各R が、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R が、独立して、水素またはC 1~6 アルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、およびpの各々が、独立して、1、2、3または4である、
請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
およびR の各々が、独立して、水素、メチル、-CF 、エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルである、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項6】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4であり;そして
が、水素である、
請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項7】
が、水素であり、そしてR が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;そして
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4である、
請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項8】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;そして
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4である、
請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) または-(CH OC(O)R である、請求項6または8に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
およびR の各々が、独立して-OR であり、R が、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり、そしてxが、2である、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
が、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH である、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項12】
n、mおよびpの各々が、独立して、1または2である、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項13】
が、-P(O) OH、-CH OP(O)(OH) 、-C(O)CH 、-C(O)CH NH 、-C(O)CH CH C(O)OH、-C(O)CH(CH(CH )NH 、-C(O)CH(CH )NH または任意のアミノ酸残基である、請求項9に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) または-(CH OC(O)R c5 である、請求項7または8に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
n、mおよびpの各々が、独立して、1または2である、請求項14に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
が、-P(O) OH、-CH OP(O)(OH) 、-C(O)CH NH 、-C(O)CH(CH(CH )NH 、または-C(O)CH(CH )NH である、請求項14に記載の薬学的組成物。
【請求項17】
【化87】
の各々が、単結合である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項18】
式(I-AA)の化合物が、式(I-A)もしくは式(I-B):
【化18】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
式(I-AA)の化合物が、式(I-B):
【化19】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項18に記載の薬学的組成物。
【請求項20】
およびR の各々が、独立して、水素、メチル、-CF 、エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルである、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項21】
およびR の各々が、独立して、水素、メチル、-CF 、エチルまたはイソプロピルである、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項22】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4であり;そして
が、水素である、
請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項23】
が、水素であり、そしてR が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;そして
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4である、
請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項24】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;そして
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4である、
請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) または-(CH OC(O)R である、請求項22または24に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
が、-P(O) OH、-CH OP(O)(OH) 、-C(O)CH 、-C(O)CH NH 、-C(O)CH CH C(O)OH、-C(O)CH(CH(CH )NH 、-C(O)CH(CH )NH または任意のアミノ酸残基である、請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) または-(CH OC(O)R c5 である、請求項23または24に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
が、-P(O) OH、-CH OP(O)(OH) 、-C(O)CH NH 、-C(O)CH(CH(CH )NH 、または-C(O)CH(CH )NH である、請求項27に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
式(I-B)の化合物が、式(I-C):
【化29】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項30】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々は、独立して、1、2、3、または4であり;そして
が、水素である、
請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項31】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) または-(CH OC(O)R である、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項32】
が、-P(O) OH、-CH OP(O)(OH) 、-C(O)CH 、-C(O)CH NH 、-C(O)CH CH C(O)OH、-C(O)CH(CH(CH )NH 、-C(O)CH(CH )NH または任意のアミノ酸残基である、請求項30に記載の薬学的組成物。
【請求項33】
が、水素であり、そしてR が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;そして
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4である、
請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項34】
が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-(CH OP(O)(R 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OS(O) または-(CH OC(O)R c5 である、請求項33に記載の薬学的組成物。
【請求項35】
が、-P(O) OH、-CH OP(O)(OH) 、-C(O)CH NH 、-C(O)CH(CH(CH )NH 、または-C(O)CH(CH )NH である、請求項34に記載の薬学的組成物。
【請求項36】
が、-P(O)(R 、-C(O)R 、-C(O)OR 、-C(O)N(R 、-(CH C(O)N(R 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R 、または-(CH C(O)OR であり;
が、-P(O)(R 、-C(O)R c5 、-C(O)OR c5 、-C(O)N(R d5 、-(CH C(O)N(R d5 、-(CH OP(O)(R 、-(CH OS(O) 、-(CH OC(O)R c5 、または-(CH C(O)OR c5 であり;
およびR の各々は、独立して、-OR または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R は、独立して、置換もしくは非置換C 1~6 アルキル、-CH NH 、-CH CH CO H、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R c5 は、独立して、-CH NH 、-CH(CH(CH )NH 、または-CH(CH )NH であり;
各R は、独立して、水素または置換もしくは非置換C 1~6 アルキルであり;
各R d5 は、独立して、水素または非置換C 1~6 アルキルであり;
各xは、独立して、1または2であり;
n、m、およびpの各々は、独立して、1、2、3、または4である、
請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項37】
式(I-C)の化合物が、式(I-D):
【化37】
の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、請求項29に記載の薬学的組成物。
【請求項38】
前記化合物が、
【化38-1】
【化38-2】
からなる群より選択される、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
前記化合物が、
【化39-1】

【化39-2】
からなる群より選択される化合物の薬学的に受容可能な塩である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2015年7月6日に出願された米国仮出願第62/189,065号に対す
る優先権を主張し、この米国仮出願の全体が、参照によって本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
NMDAレセプターは、NR1、NR2および/またはNR3サブユニットを含むヘテ
ロマー複合体であり、外来性リガンドおよび内在性リガンドに対して異なる認識部位を有
する。これらの認識部位は、グリシンに対する結合部位ならびにグルタメートアゴニスト
および調節因子に対する結合部位を含む。NMDAレセプターは、末梢組織およびCNS
において発現され、それらにおいて興奮性シナプス伝達に関与する。これらのレセプター
の活性化は、いくつかの状況ではシナプス可塑性に寄与し、他の状況では興奮毒性に寄与
する。これらのレセプターは、グルタメートおよびグリシンの結合後にCa2+を受け入
れるリガンド開口型(ligand-gated)イオンチャネルであり、興奮性神経伝
達および正常なCNS機能に必須である。正の調節因子は、向知性薬として、およびグル
タミン酸作動性の伝達が低下または欠損している精神障害の処置において潜在的な臨床用
途を有する治療薬として有用であり得る(例えば、Horakら、J.of Neuro
science,2004,24(46),10318-10325を参照のこと)。対
照的に、負の調節因子は、グルタミン酸作動性の伝達が病理学的に増加している精神障害
(例えば、処置抵抗性うつ)の処置において潜在的な臨床用途を有する治療薬として有用
であり得る。
オキシステロールは、コレステロールに由来し、NMDAレセプターの機能を強力かつ
選択的に調節すると示されている。NMDAの発現および機能に関連する症状を予防およ
び処置するための、NMDAレセプターを調節する新規のおよび改善されたオキシステロ
ールが必要である。本明細書中に記載される化合物、組成物および方法は、この目的に向
けられている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Horakら、J.of Neuroscience,2004,24(46),10318-10325
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の要旨
NMDA媒介性障害を含むがこれに限定されない広範囲の障害の予防および/または処
置に有用な置換オキシステロールが本明細書中に提供される。これらの化合物は、他のオ
キシステロールと比べて、改善されたインビボ効力、薬物動態学的(PK)特性、経口バ
イオアベイラビリティ、製剤化適性、安定性および/または安全性を示すと予想される。
本発明の化合物を含む薬学的組成物ならびにそれらの使用および処置の方法がさらに提供
される。
本明細書中に記載される化合物は、特定の実施形態において、「プロドラッグ」、すな
わちインビボにおいてより活性な化合物(例えば、薬学的に活性な治療薬)に代謝される
(例えば、加水分解される)化合物として作用し得る。プロドラッグおよびそれらのデザ
インの概説は、Huttunenら、Pharmacol.Rev.2011,63:7
50-771(その内容の全体が本明細書に援用される)に見られる。いくつかの実施形
態において、本明細書中に記載される化合物は、それらの代謝された(例えば、加水分解
された)化合物生成物と比べて、改善された物理的特性(例えば、改善された溶解度)を
有する。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化合物は、身体内での改
善されたバイオアベイラビリティまたは吸収を有する。
【0005】
1つの局面において、式(I):
【化1】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が本明細書中に提供され、式中、Rは、水素
またはC1~6アルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、水素、C1~6
ルキル、カルボシクリルまたはヘテロシクリルであるか、あるいはRおよびRは、そ
れらが結合している炭素原子と一緒になって、3~8員環(例えば、3~8員のカルボシ
クリルまたはヘテロシクリル環)を形成し;RおよびRの各々は、独立して、水素で
あり;Rは、存在しないか、または水素であり;
【化2】


は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化3】


が二重結合であるとき、他方の
【化4】


は単結合であり、かつRは存在せず;少なくとも1つの水素は、生物学的条件下で切断
可能な部分によって置き換えられる。
【0006】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-AA):
【化5】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、式中、Rは、水素またはC1~6
ルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、水素、C1~6アルキル、カルボシ
クリル、またはヘテロシクリルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合して
いる炭素原子と一緒になって、3~8員環(例えば、3~8員のカルボシクリルまたはヘ
テロシクリル環)を形成し;RおよびRの各々は、独立して、水素または生物学的条
件下で切断可能な部分であり;Rは、存在しないか、または水素であり;
【化6】


は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化7】


が二重結合であるとき、他方の
【化8】


は単結合であり、かつRは存在しない。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、両方が水素にはならない。
いくつかの実施形態において、Rは、水素ではない。いくつかの実施形態において、
は、水素ではなく、Rは、水素である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素ではない。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、-P(O)
(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CH
C(O)N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R
-(CHOS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CH
C(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルか
ら選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCH
COH、-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-C
H(CH)NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは
、独立して、1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4で
ある。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、-C(O)R
であり、ここで、Rは、アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン)である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、アミノ酸エステルで
ある。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)(R、-S(O)
、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;R
およびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;各Rは、独立
して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(C
)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であり
;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、1または2であ
り;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、Rは、C1~6アルキル(例えば、置換または非置換
1~6アルキル)である。いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつ
かの実施形態において、Rは、水素、メチル(例えば、-CH、-CFまたは-C
OCH)、エチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、R
は、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、メチル(例
えば、-CH、-CF) エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルであ
る。
いくつかの実施形態において、Rは、生物学的条件下で切断可能な部分であり、R
は、水素である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、生物学的条件下で切断可
能な部分である。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、生物学的条件
下で切断可能な部分である。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独
立して、水素、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)
N(R、-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(CH
OP(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)
、または-(CHC(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立して
、-ORまたはアルキルから選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、-C
NH、-CHCHCOH、-CH(CH(CH)NH、-CH
C(O)OHまたは-CH(CH)NH)であり;
各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xが、独立して、1または2であ
り;
n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、-S(O)であり
、xは、2であり、Rは、-OHではない。いくつかの実施形態において、Rおよび
の両方が水素にはならない。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-C(
O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
-(CHOC(O)R、または-(CHC(O)ORであり;Rは、
水素であり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され
;各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して
、1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。いく
つかの実施形態において、Rは、水素であり;Rは、-P(O)(R、-S(
O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS
(O)、-(CHOC(O)R、または-(CHC(O)OR
あり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;各R
は、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH
(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH
)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、1ま
たは2であり;n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4であり;ここで、R
が、-S(O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHではない。いくつ
かの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)
、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CH
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O
)Rである。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して-OR
であり、Rは、水素またはアルキルであり、xは、2である。いくつかの実施形態に
おいて、Rは、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH
(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH
)であり;Rは、水素またはアルキル(例えば、メチル(例えば、-CH))であ
る。
いくつかの実施形態において、n、mおよびpの各々は、独立して、1または2である

いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、
-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O
)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)
CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CH
OC(O)Rである。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立し
て-ORであり、Rが、水素またはアルキルであり、xが、2である。いくつかの実
施形態において、Rは、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCO
、-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;Rは、水素またはアルキル(例えば、メチル(例えば、-CH
))である。いくつかの実施形態において、n、mおよびpの各々は、独立して、1また
は2である。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH、--S(
O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)CHNH
、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH)NH
、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、かつRは、-S(O)OHで
はない。
いくつかの実施形態において、
【化9】


の各々は、単結合である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-A)もしくは式(I-B
):
【化10】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-B):
【化11】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、置換または非置換アルキル
)である。いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態にお
いて、Rは、水素、メチル(例えば、-CH、-CFまたは-CHOCH)、
エチルまたはイソプロピルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、メチル(例
えば、-CH、-CF)、エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルであ
る。
いくつかの実施形態において、Rは、生物学的条件下で切断可能な部分であり、R
は、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、生物学的
条件下で切断可能な部分である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、生物学的条件下で切断可能な
部分である。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、
-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R
-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(
、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)R、または-
(CHC(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまた
はアルキルから選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、非置換アルキルもし
くは置換アルキル、例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(
CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であ
り;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、1または2で
あり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4であり、ここで、Rが、水
素であり、Rが、-S(O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHでは
ない。
いくつかの実施形態において、RおよびRの両方が水素にはならない。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-C(
O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;Rは、水
素であり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-
CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、
1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり;Rは、-P(O)(R
-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)
N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CH
OS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)OR
であり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-
CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、
1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4であり;ここで
、Rが-S(O)であり、xが2であるとき、Rは、-OHではない。いくつ
かの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)
、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CH
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O
)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH、-S(
O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)CHNH
、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH)NH
、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CH
OC(O)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH
、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)C
NH、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH
)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rが、水素であるとき、Rは、-S(O)OHで
はない。
いくつかの実施形態において、式(I-B)の化合物は、式(I-C):
【化12】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、メチル(例えば、-CH、-CF
-CHOCH)、エチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、
は、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、生物学的条件下で切断可能な部分であり、R
は、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(
O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)または
-(CHOC(O)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-
P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH
、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(C
H(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基で
ある。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、生物学的条件下で切
断可能な部分である。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CH
OC(O)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH
、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)C
NH、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH
)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、生物学的条件下で切断可能な
部分である。
いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、置換または非置換アルキル
)である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rが、水素であるとき、R
、-S(O)OHではない。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、R
が、水素であるとき、Rは、-P(O)(R、-C(O)R、-C(O)N(
、-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(CH
P(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)R
または-(CHC(O)ORである。いくつかの実施形態において、Rおよび
は、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、-S
(O)OHではない。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、-
P(O)(R、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O
)N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CH
OS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)O
である。
いくつかの実施形態において、式(I-C)の化合物は、式(I-D):
【化13】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、
【化14】


【化15】


【化16】


またはその薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、
【化17】


【化18】


からなる群より選択される。
【0007】
ある局面において、本明細書中に記載される化合物またはその薬学的に受容可能な塩お
よび薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物が本明細書中に提供される。
【0008】
ある局面において、鎮静または麻酔を誘導する方法が本明細書中に提供され、その方法
は、有効量の本明細書中に記載される化合物またはその薬学的に受容可能な塩あるいはそ
の薬学的組成物を被験体に投与することを含む。
【0009】
ある局面において、本明細書中に記載される障害を処置するためまたは予防するための
方法が本明細書中に提供され、その方法は、その処置または予防を必要とする被験体に、
有効量の本明細書中に記載される化合物またはその薬学的に受容可能な塩あるいはその薬
学的組成物を投与することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、障害は、代謝障害である。
【0011】
いくつかの実施形態において、障害は、胃腸(GI)障害、例えば、便秘、過敏性腸症
候群(irritable blowel syndrome)(IBS)、炎症性腸疾
患(IBD)(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病)、GIに影響する構造障害、肛門障
害(例えば、痔、内痔核、外痔核、肛門裂傷、肛門周囲膿瘍、痔瘻)、結腸ポリープ、が
ん、大腸炎である。
【0012】
いくつかの実施形態において、障害は、炎症性腸疾患である。
【0013】
いくつかの実施形態において、障害は、がん、糖尿病またはステロール合成障害である
【0014】
ある局面において、CNS関連症状を処置するためまたは予防するための方法であって
、該処置または予防を必要とする被験体に有効量の本明細書中に記載される化合物または
その薬学的に受容可能な塩あるいはその薬学的組成物を投与する工程を含む、方法が、本
明細書中に提供される。いくつかの実施形態において、CNS関連症状は、適応障害、不
安障害(強迫性障害、心的外傷後ストレス障害および社会恐怖を含む)、認知障害(アル
ツハイマー病および他の形態の認知症(例えば、前頭側頭型認知症)を含む)、解離性障
害、摂食障害、気分障害(うつ(例えば、産後うつ)、双極性障害、気分変調性障害、自
殺念慮を含む)、統合失調症または他の精神病性障害(統合失調感情障害を含む)、睡眠
障害(不眠を含む)、物質関連障害、人格障害(強迫性人格障害を含む)、自閉症スペク
トラム障害(Shank群のタンパク質(例えば、Shank3)に対する変異を伴うも
のを含む)、神経発達障害(レット症候群、結節性硬化症症候群を含む)、多発性硬化症
、ステロール合成障害、疼痛(急性および慢性疼痛;頭痛、例えば片頭痛を含む)、ある
病状に続発する脳症(肝性脳症および抗NMDAレセプター脳炎を含む)、発作性障害(
てんかん発作重積状態および一遺伝子型のてんかん、例えばドラベ病を含む)、脳卒中、
外傷性脳損傷、運動障害(ハンチントン病およびパーキンソン病を含む)、視覚障害、聴
力損失および耳鳴である
【0015】
いくつかの実施形態において、障害は、ハンチントン病である。いくつかの実施形態に
おいて、障害は、パーキンソン病である。いくつかの実施形態において、障害は、炎症性
疾患(例えば、狼瘡)である。
【0016】
いくつかの実施形態において、障害は、ステロール合成障害である。
【0017】
いくつかの実施形態において、障害は、スミス・レムリ・オピッツ症候群(SLOS)
である。いくつかの実施形態において、障害は、デスモステロローシス(desmost
erolosis)である。いくつかの実施形態において、障害は、シトステロール血症
である。いくつかの実施形態において、障害は、脳腱黄色腫症(CTX)である。いくつ
かの実施形態において、障害は、メバロン酸キナーゼ欠損症(MKD)である。いくつか
の実施形態において、障害は、SC4MOL遺伝子変異(SMO欠損症)である。いくつ
かの実施形態において、障害は、ニーマン・ピック病である。いくつかの実施形態におい
て、障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)である。いくつかの実施形態において、
障害は、フェニルケトン尿症(phenylketomuria)に関連する。
【0018】
他の目的および利点は、次の詳細な説明、実施例および特許請求の範囲を考慮すること
によって、当業者に明らかになるだろう。
定義
化学的定義
【0019】
特定の官能基および化学的用語の定義を下記で詳細に説明する。化学元素は、元素周期
表(CASバージョン,Handbook of Chemistry and Phy
sics,第75版,内表紙)に従って特定され、特定の官能基は、一般に、その中に記
載されているとおりに定義される。さらに、有機化学の通則、ならびに特定の官能性部分
および反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry
,University Science Books,Sausalito,1999
;SmithおよびMarch,March’s Advanced Organic
Chemistry,第5版,John Wiley & Sons,Inc.,New
York,2001;Larock,Comprehensive Organic
Transformations,VCH Publishers,Inc.,New
York,1989;およびCarruthers,Some Modern Meth
ods of Organic Synthesis,第3版,Cambridge U
niversity Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0020】
本明細書中に記載される化合物は、1つまたはそれより多くの不斉中心を含み得るので
、様々な異性体、例えば、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーとして存在し
得る。例えば、本明細書中に記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオ
マーもしくは幾何異性体の形態であり得るか、または立体異性体の混合物(ラセミ混合物
、および1つまたはそれより多くの立体異性体に濃縮された混合物を含む)の形態であり
得る。異性体は、当業者に公知の方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)
ならびにキラル塩の形成および結晶化を含む)によって混合物から単離され得るか;また
は好ましい異性体が、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacquesら、En
antiomers,Racemates and Resolutions(Wile
y Interscience,New York,1981);Wilenら、Tet
rahedron 33:2725(1977);Eliel,Stereochemi
stry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,
1962);およびWilen,Tables of Resolving Agent
s and Optical Resolutions p.268(E.L.Elie
l編者,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,
IN 1972)を参照のこと。本発明はさらに、本明細書中に記載される化合物を、他
の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、およびあるいは様々な異性体の混合物
として、含む。
【0021】
本明細書中に記載される化合物はまた、1つまたはそれより多くの同位体置換を含み得
る。例えば、Hは、H、H(Dまたは重水素)、およびH(Tまたは三重水素)を
含む任意の同位体形態であり得る;Cは、12C、13C、および14Cを含む任意の同
位体形態であり得る;Oは、16Oおよび18Oを含む任意の同位体形態であり得る;な
どである。
【0022】
ある範囲の値が列挙される場合、その範囲内の各値および部分範囲を包含することが意
図される。例えば、「C1~6アルキル」は、C、C、C、C、C、C、C
1~6、C1~5、C1~4、C1~3、C1~2、C2~6、C2~5、C2~4、C
2~3、C3~6、C3~5、C3~4、C4~6、C4~5、およびC5~6のアルキ
ルを包含すると意図される。
【0023】
以下の用語は、それに関して以下に提示される意味を有することを意図され、そして本
明細書および本発明の意図される範囲を理解する際に有用である。化合物、そのような化
合物を含む薬学的組成物ならびにそのような化合物および組成物を使用する方法を含み得
る本発明を説明するとき、以下の用語は、存在する場合、別段示されない限り、以下の意
味を有する。本明細書中に記載されるとき、以後の下記で定義される部分のいずれもが、
種々の置換基で置換され得ること、およびそれぞれの定義が、下記に示されるような範囲
内に、そのような置換された部分を含むと意図されることも理解されるべきである。別段
述べられない限り、用語「置換(される)」は、下記で示されるように定義されるべきで
ある。用語「基」および「ラジカル」は、本明細書中で使用されるとき、相互交換可能で
あるとみなされ得ることがさらに理解されるべきである。冠詞「a」および「an」は、
その冠詞の1つのまたは1つより多い(すなわち少なくとも1つの)文法上の物体に言及
するために本明細書中で使用され得る。例としては、「アナログ(an analogu
e)」は、1つのアナログまたは1つより多いアナログを意味する。
【0024】
「脂肪族」とは、本明細書中で定義されるようなアルキル、アルケニル、アルキニルま
たはカルボシクリル基のことを指す。
【0025】
「アルキル」とは、1個~20個の炭素原子を有する直鎖または分枝の飽和炭化水素基
のラジカル(「C1~20アルキル」)のことを指す。いくつかの実施形態において、ア
ルキル基は、1個~12個の炭素原子を有する(「C1~12アルキル」)。いくつかの
実施形態において、アルキル基は、1個~10個の炭素原子を有する(「C1~10アル
キル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個~9個の炭素原子を有する
(「C1~9アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個~8個の
炭素原子を有する(「C1~8アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基
は、1個~7個の炭素原子を有する(「C1~7アルキル」)。いくつかの実施形態にお
いて、アルキル基は、1個~6個の炭素原子を有する(本明細書中で「低級アルキル」と
も称される「C1~6アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個
~5個の炭素原子を有する(「C1~5アルキル」)。いくつかの実施形態において、ア
ルキル基は、1個~4個の炭素原子を有する(「C1~4アルキル」)。いくつかの実施
形態において、アルキル基は、1個~3個の炭素原子を有する(「C1~3アルキル」)
。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個~2個の炭素原子を有する(「C
~2アルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1個の炭素原子を有す
る(「Cアルキル」)。いくつかの実施形態において、アルキル基は、2個~6個の炭
素原子を有する(「C2~6アルキル」)。C1~6アルキル基の例としては、メチル(
)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(
)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、iso-ブチル(C
、n-ペンチル(C)、3-ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C
)、3-メチル-2-ブタニル(C)、第3級アミル(C)およびn-ヘキシル(
)が挙げられる。アルキル基のさらなる例としては、n-ヘプチル(C)、n-オ
クチル(C)などが挙げられる。別段特定されない限り、アルキル基の各存在は、独立
して、必要に応じて置換され、すなわち、置換されない(「非置換アルキル」)か、また
は1つもしくはそれより多くの置換基;例えば、1~5個の置換基、1~3個の置換基も
しくは1個の置換基で置換される(「置換アルキル」)。ある特定の実施形態において、
アルキル基は、非置換C1~10アルキル(例えば、-CH)である。ある特定の実施
形態において、アルキル基は、置換C1~10アルキルである。一般的なアルキルの略号
としては、Me(-CH)、Et(-CHCH)、iPr(-CH(CH
、nPr(-CHCHCH)、n-Bu(-CHCHCHCH)、または
i-Bu(-CHCH(CH)が挙げられる。
【0026】
本明細書中で使用されるとき、「アルキレン」、「アルケニレン」および「アルキニレ
ン」とは、それぞれ、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基の二価のラジカルのこと
を指す。炭素の範囲または数が、特定の「アルキレン」、「アルケニレン」および「アル
キニレン」基に対して提供されるとき、その範囲または数は、二価の炭素直鎖における炭
素の範囲または数のことを指すと理解される。「アルキレン」、「アルケニレン」および
「アルキニレン」基は、本明細書中に記載されるような1つまたはそれを超える置換基で
置換されてもよいし、非置換であってもよい。
【0027】
「アルキレン」とは、2つの水素が除去されて二価のラジカルを提供するアルキル基の
ことを指し、これは、置換されてもよいし、非置換であってもよい。非置換アルキレン基
としては、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、プロピレン(-C
CHCH-)、ブチレン(-CHCHCHCH-)、ペンチレン(-C
CHCHCHCH-)、ヘキシレン(-CHCHCHCHCH
-)などが挙げられるが、これらに限定されない。例示的な置換アルキレン基、例え
ば、1つまたはそれを超えるアルキル(メチル)基で置換されたアルキレン基としては、
置換メチレン(-CH(CH)-、(-C(CH-)、置換エチレン(-CH(
CH)CH-、-CHCH(CH)-、-C(CHCH-、-CH
(CH-)、置換プロピレン(-CH(CH)CHCH-、-CHCH(
CH)CH-、-CHCHCH(CH)-、-C(CHCHCH
、-CHC(CHCH-、-CHCHC(CH-)などが挙げられ
るがこれらに限定されない。
【0028】
「アルケニル」とは、2個~20個の炭素原子、1つまたはそれを超える炭素-炭素二
重結合(例えば、1、2、3または4個の炭素-炭素二重結合)および必要に応じて1つ
またはそれを超える炭素-炭素三重結合(例えば、1、2、3または4個の炭素-炭素三
重結合)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基のラジカル(「C2~20アルケニル」
)のことを指す。特定の実施形態において、アルケニルは、三重結合を全く含まない。い
くつかの実施形態において、アルケニル基は、2個~10個の炭素原子を有する(「C
~10アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個~9個の炭
素原子を有する(「C2~9アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル
基は、2個~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルケニル」)。いくつかの実施形態
において、アルケニル基は、2個~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルケニル」)
。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個~6個の炭素原子を有する(「C
2~6アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個~5個の炭
素原子を有する(「C2~5アルケニル」)。いくつかの実施形態において、アルケニル
基は、2個~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルケニル」)。いくつかの実施形態
において、アルケニル基は、2個~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルケニル」)
。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアル
ケニル」)。1つもしくはそれより多くの炭素-炭素二重結合は、内部に存在し得る(例
えば、2-ブテニル)かまたは末端に存在し得る(例えば、1-ブテニル)。C2~4
ルケニル基の例としては、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル
(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)などが
挙げられる。C2~6アルケニル基の例としては、上述のC2~4アルケニル基、ならび
にペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)などが挙げられる
。アルケニルのさらなる例としては、ヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタ
トリエニル(C)などが挙げられる。別段特定されない限り、アルケニル基の各存在は
、独立して、必要に応じて置換され、すなわち、置換されない(「非置換アルケニル」)
か、または1つもしくはそれより多くの置換基、例えば、1~5個の置換基、1~3個の
置換基もしくは1個の置換基で置換される(「置換アルケニル」)。ある特定の実施形態
において、アルケニル基は、非置換C2~10アルケニルである。ある特定の実施形態に
おいて、アルケニル基は、置換C2~10アルケニルである。
【0029】
「アルケニレン」とは、2つの水素が除去されて二価のラジカルを提供するアルケニル
基のことを指し、これは、置換されてもよいし、非置換であってもよい。例示的な二価の
非置換アルケニレン基としては、エテニレン(-CH=CH-)およびプロペニレン(例
えば、-CH=CHCH-、-CH-CH=CH-)が挙げられるが、これらに限定
されない。例示的な置換アルケニレン基、例えば、1つまたはそれを超えるアルキル(メ
チル)基で置換されたアルケニレン基としては、置換エチレン(-C(CH)=CH-
、-CH=C(CH)-)、置換プロピレン(例えば、-C(CH)=CHCH
、-CH=C(CH)CH-、-CH=CHCH(CH)-、-CH=CHC(C
-、-CH(CH)-CH=CH-、-C(CH-CH=CH-、-C
-C(CH)=CH-、-CH-CH=C(CH)-)などが挙げられるがこ
れらに限定されない。
【0030】
「アルキニル」とは、2個~20個の炭素原子、1つまたはそれを超える炭素-炭素三
重結合(例えば、1、2、3または4個の炭素-炭素三重結合)および必要に応じて1つ
またはそれを超える炭素-炭素二重結合(例えば、1、2、3または4個の炭素-炭素二
重結合)を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基のラジカル(「C2~20アルキニル」
)のことを指す。特定の実施形態において、アルキニルは、二重結合を全く含まない。い
くつかの実施形態において、アルキニル基は、2個~10個の炭素原子を有する(「C
~10アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2個~9個の炭
素原子を有する(「C2~9アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル
基は、2個~8個の炭素原子を有する(「C2~8アルキニル」)。いくつかの実施形態
において、アルキニル基は、2個~7個の炭素原子を有する(「C2~7アルキニル」)
。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2個~6個の炭素原子を有する(「C
2~6アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2個~5個の炭
素原子を有する(「C2~5アルキニル」)。いくつかの実施形態において、アルキニル
基は、2個~4個の炭素原子を有する(「C2~4アルキニル」)。いくつかの実施形態
において、アルキニル基は、2個~3個の炭素原子を有する(「C2~3アルキニル」)
。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、2個の炭素原子を有する(「Cアル
キニル」)。1つもしくはそれより多くの炭素-炭素三重結合は、内部に存在し得る(例
えば、2-ブチニル)かまたは末端に存在し得る(例えば、1-ブチニル)。C2~4
ルキニル基の例としては、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル
(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)などが挙げられるがこれらに限
定されない。C2~6アルケニル基の例としては、上述のC2~4アルキニル基、ならび
にペンチニル(C)、ヘキシニル(C)などが挙げられる。アルキニルのさらなる例
としては、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)などが挙げられる。別段特定されな
い限り、アルキニル基の各存在は、独立して、必要に応じて置換され、すなわち、置換さ
れない(「非置換アルキニル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基;例えば
、1~5個の置換基、1~3個の置換基もしくは1個の置換基で置換される(「置換アル
キニル」)。ある特定の実施形態において、アルキニル基は、非置換C2~10アルキニ
ルである。ある特定の実施形態において、アルキニル基は、置換C2~10アルキニルで
ある。
【0031】
「アルキニレン」とは、2つの水素が除去されて二価のラジカルを提供する直鎖状のア
ルキニル基のことを指し、これは、置換されてもよいし、非置換であってもよい。例示的
な二価のアルキニレン基としては、置換または非置換エチニレン、置換または非置換プロ
ピニレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
用語「ヘテロアルキル」は、本明細書中で使用されるとき、親鎖の中に1つまたはそれ
を超える(例えば、1、2、3または4個の)ヘテロ原子(例えば、酸素、硫黄、窒素、
ホウ素、ケイ素、リン)をさらに含む本明細書中で定義されるようなアルキル基のことを
指し、ここで、その1つまたはそれを超えるヘテロ原子は、その親炭素鎖の中の隣り合っ
た炭素原子の間に挿入され、かつ/または1つまたはそれを超えるヘテロ原子は、炭素原
子と親分子との間、すなわち結合点の間に挿入される。特定の実施形態において、ヘテロ
アルキル基とは、1個~10個の炭素原子および1、2、3または4個のヘテロ原子を有
する飽和基(「ヘテロC1~10アルキル」)のことを指す。いくつかの実施形態におい
て、ヘテロアルキル基は、1個~9個の炭素原子および1、2、3または4個のヘテロ原
子を有する飽和基(「ヘテロC1~9アルキル」)である。いくつかの実施形態において
、ヘテロアルキル基は、1個~8個の炭素原子および1、2、3または4個のヘテロ原子
を有する飽和基(「ヘテロC1~8アルキル」)である。いくつかの実施形態において、
ヘテロアルキル基は、1個~7個の炭素原子および1、2、3または4個のヘテロ原子を
有する飽和基(「ヘテロC1~7アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘ
テロアルキル基は、1個~6個の炭素原子および1、2または3個のヘテロ原子を有する
基(「ヘテロC1~6アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキ
ル基は、1個~5個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテ
ロC1~5アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1
個~4個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1~4
アルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1個~3個の
炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1~3アルキル」)である
。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基は、1個~2個の炭素原子および1個
のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC1~2アルキル」)である。いくつかの実施形
態において、ヘテロアルキル基は、1個の炭素原子および1個のヘテロ原子を有する飽和
基(「ヘテロCアルキル」)である。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキル基
は、2~6個の炭素原子および1または2個のヘテロ原子を有する飽和基(「ヘテロC
~6アルキル」)である。別段特定されない限り、ヘテロアルキル基の各場合は、独立し
て、非置換である(「非置換ヘテロアルキル」)か、または1つもしくはそれを超える置
換基で置換される(「置換ヘテロアルキル」)。特定の実施形態において、ヘテロアルキ
ル基は、非置換ヘテロC1~10アルキルである。特定の実施形態において、ヘテロアル
キル基は、置換ヘテロC1~10アルキルである。
【0033】
本明細書中で使用されるとき、「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」
、「ヘテロアルキレン」、「ヘテロアルケニレン」および「ヘテロアルキニレン」とは、
それぞれ、アルキル、アルケニル、アルキニル基、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルお
よびヘテロアルキニル基の二価のラジカルのことを指す。炭素の範囲または数が、特定の
「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「ヘテロアルキレン」、「ヘテ
ロアルケニレン」または「ヘテロアルキニレン」基に対して提供されるとき、その範囲ま
たは数は、二価の炭素直鎖における炭素の範囲または数のことを指すと理解される。「ア
ルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、「ヘテロアルキレン」、「ヘテロア
ルケニレン」および「ヘテロアルキニレン」基は、本明細書中に記載されるような1つま
たはそれを超える置換基で置換されてもよいし、非置換であってもよい。
【0034】
「アリール」とは、6~14個の環炭素原子および0個のヘテロ原子が芳香環系に提供
されている単環式または多環式(例えば、二環式もしくは三環式)の4n+2芳香環系(
例えば、環状の配列において共有される6、10または14個のπ電子を有する)のラジ
カル(「C6~14アリール」)のことを指す。いくつかの実施形態において、アリール
基は、6個の環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの
実施形態において、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;
例えば、1-ナフチルおよび2-ナフチルなどのナフチル)。いくつかの実施形態におい
て、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アント
ラシル)。「アリール」は、上で定義されたようなアリール環が1つまたはそれより多く
のカルボシクリル基またはヘテロシクリル基と縮合した環系も含み、ここで、その結合ラ
ジカルまたは結合点は、アリール環上に存在し、そのような場合、炭素原子の数は、引き
続きアリール環系内の炭素原子の数を指摘する。典型的なアリール基としては、アセアン
トリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン
、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキ
サレン、as-インダセン、s-インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタ
セン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ-2,4-ジエン、ペンタセン、ペ
ンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデ
ン(pleiadene)、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレンおよびト
リナフタレンに由来する基が挙げられるが、これらに限定されない。特に、アリール基と
しては、フェニル、ナフチル、インデニルおよびテトラヒドロナフチルが挙げられる。別
段特定されない限り、アリール基の各存在は、独立して、必要に応じて置換され、すなわ
ち、置換されない(「非置換アリール」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基
で置換される(「置換アリール」)。ある特定の実施形態において、アリール基は、非置
換C6~14アリールである。ある特定の実施形態において、アリール基は、置換C6~
14アリールである。
【0035】
ある特定の実施形態において、アリール基は、ハロ、C~Cアルキル、C~C
ハロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルコキシおよびアミノから選択される
、1つまたはそれより多くの基で置換される。
【0036】
代表的な置換アリールの例としては、以下が挙げられる:
【化19】


ここで、R56およびR57の一方は、水素であり得、R56およびR57の少なくとも
1つは、各々独立して、C~Cアルキル、C~Cハロアルキル、4~10員ヘテ
ロシクリル、アルカノイル、C~Cアルコキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルア
ミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、NR58COR59、NR58SOR
、NR58SO59、COOアルキル、COOアリール、CONR5859、C
ONR58OR59、NR5859、SONR5859、S-アルキル、SOアル
キル、SOアルキル、Sアリール、SOアリール、SOアリールから選択されるか;
またはR56およびR57は、連結されて、5~8個の原子(必要に応じて、N、Oまた
はSの群から選択される1つまたはそれより多くのヘテロ原子を含む)の環式環(飽和ま
たは不飽和)を形成し得る。R60およびR61は、独立して、水素、C~Cアルキ
ル、C~Cハロアルキル、C~C10シクロアルキル、4~10員ヘテロシクリル
、C~C10アリール、置換C~C10アリール、5~10員ヘテロアリールまたは
置換5~10員ヘテロアリールである。
【0037】
「縮合アリール」とは、その環炭素のうちの2つを、第2のアリール環もしくはヘテロ
アリール環またはカルボシクリル環もしくはヘテロシクリル環と共通して有するアリール
のことを指す。
【0038】
「アラルキル」は、本明細書中で定義されるようなアルキルおよびアリールのサブセッ
トであり、必要に応じて置換されるアリール基によって置換される、必要に応じて置換さ
れるアルキル基のことを指す。
【0039】
「ヘテロアリール」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子が芳香環系に提供
されている5~10員の単環式または二環式の4n+2芳香環系(例えば、環状の配列に
おいて共有される6または10個のπ電子を有する)のラジカルのことを指し、ここで、
各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロ
アリール」)。1つまたはそれより多くの窒素原子を含むヘテロアリール基では、結合点
は、結合価が許容するとき、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系
は、一方または両方の環に1つまたはそれより多くのヘテロ原子を含み得る。「ヘテロア
リール」は、上で定義されたようなヘテロアリール環が1つまたはそれより多くのカルボ
シクリル基またはヘテロシクリル基と縮合している環系を含み、ここで、結合点は、ヘテ
ロアリール環上に存在し、そのような場合、環メンバーの数は、引き続きヘテロアリール
環系内の環メンバーの数を指摘する。「ヘテロアリール」は、上で定義されたようなヘテ
ロアリール環が1つまたはそれより多くのアリール基と縮合した環系も含み、ここで、結
合点は、アリール環上またはヘテロアリール環上に存在し、そのような場合、環メンバー
の数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系内の環メンバーの数を指摘する。1つの
環がヘテロ原子を含まない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、
カルバゾリルなど)、結合点は、いずれかの環上、すなわち、ヘテロ原子を有する環(例
えば、2-インドリル)またはヘテロ原子を含まない環(例えば、5-インドリル)上に
存在し得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および1~4個の環ヘ
テロ原子が芳香環系に提供されている5~10員芳香環系であり、ここで、各ヘテロ原子
は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)
。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および1~4個の環ヘ
テロ原子が芳香環系に提供されている5~8員芳香環系であり、ここで、各ヘテロ原子は
、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロアリール」)。い
くつかの実施形態において、ヘテロアリール基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ
原子が芳香環系に提供されている5~6員芳香環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、独
立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~6員ヘテロアリール」)。いくつ
かの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択され
る1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロアリ
ールは、窒素、酸素および硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつ
かの実施形態において、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素および硫黄から選択され
る1つの環ヘテロ原子を有する。別段特定されない限り、ヘテロアリール基の各存在は、
独立して、必要に応じて置換され、すなわち、置換されない(「非置換ヘテロアリール」
)か、または1つもしくはそれより多くの置換基で置換される(「置換ヘテロアリール」
)。ある特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、非置換5~14員ヘテロアリー
ルである。ある特定の実施形態において、ヘテロアリール基は、置換5~14員ヘテロア
リールである。
【0041】
1個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、ピロリル、フラニル
およびチオフェニルが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示
的な5員ヘテロアリール基としては、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオ
キサゾリル、チアゾリルおよびイソチアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。3
個のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、トリアゾリル、オキサジ
アゾリルおよびチアジアゾリルが挙げられるがこれらに限定されない。4個のヘテロ原子
を含む例示的な5員ヘテロアリール基としては、テトラゾリルが挙げられるがこれに限定
されない。1個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基としては、ピリジニル
が挙げられるがこれに限定されない。2個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリー
ル基としては、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニルが挙げられるがこれらに限
定されない。3または4個のヘテロ原子を含む例示的な6員ヘテロアリール基としては、
それぞれトリアジニルおよびテトラジニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個の
ヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロアリール基としては、アゼピニル、オキセピニルお
よびチエピニルが挙げられるがこれらに限定されない。例示的な5,6-二環式ヘテロア
リール基としては、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、
ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、
ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジア
ゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジ
ニルおよびプリニルが挙げられるがこれらに限定されない。例示的な6,6-二環式ヘテ
ロアリール基としては、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、
シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが挙げられるがこれら
に限定されない。
【0042】
代表的なヘテロアリールの例としては、以下:
【化20】


が挙げられ、ここで、各Zは、カルボニル、N、NR65、OおよびSから選択され;R
65は、独立して、水素、C~Cアルキル、C~C10シクロアルキル、4~10
員ヘテロシクリル、C~C10アリールおよび5~10員ヘテロアリールである。
【0043】
「カルボシクリル」または「炭素環式」とは、非芳香環系に3~10個の環炭素原子(
「C3~10カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を有する非芳香族環式炭化水素
基のラジカルのことを指す。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、3個~
8個の環炭素原子を有する(「C3~8カルボシクリル」)。いくつかの実施形態におい
て、カルボシクリル基は、3個~6個の環炭素原子を有する(「C3~6カルボシクリル
」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は、3個~6個の環炭素原子を有
する(「C3~6カルボシクリル」)。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基
は、5~10個の環炭素原子を有する(「C5~10カルボシクリル」)。例示的なC
~6カルボシクリル基としては、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、
シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペン
テニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジ
エニル(C)などが挙げられるがこれらに限定されない。例示的なC3~8カルボシク
リル基としては、上述のC3~6カルボシクリル基、ならびにシクロヘプチル(C)、
シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(
)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]
ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)などが挙げられるがこ
れらに限定されない。例示的なC3~10カルボシクリル基としては、上述のC3~8
ルボシクリル基、ならびにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシ
ル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、
デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)などが挙げら
れるがこれらに限定されない。前述の例が例証されるとき、ある特定の実施形態において
、カルボシクリル基は、単環式(「単環式カルボシクリル」)であるか、または縮合環系
、架橋環系もしくはスピロ環系(例えば、二環式系(「二環式カルボシクリル」))を含
み、飽和であり得るか、または部分不飽和であり得る。「カルボシクリル」は、上で定義
されたようなカルボシクリル環が1つまたはそれより多くのアリール基またはヘテロアリ
ール基と縮合した環系も含み、ここで、結合点は、カルボシクリル環上に存在し、そのよ
うな場合、炭素の数は、引き続き炭素環系内の炭素の数を指摘する。別段特定されない限
り、カルボシクリル基の各存在は、独立して、必要に応じて置換され、すなわち、置換さ
れない(「非置換カルボシクリル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基で置
換される(「置換カルボシクリル」)。ある特定の実施形態において、カルボシクリル基
は、非置換C3~10カルボシクリルである。ある特定の実施形態において、カルボシク
リル基は、置換C3~10カルボシクリルである。
【0044】
いくつかの実施形態において、「カルボシクリル」は、3~10個の環炭素原子を有す
る単環式の飽和カルボシクリル基(「C3~10シクロアルキル」)である。いくつかの
実施形態において、シクロアルキル基は、3個~8個の環炭素原子を有する(「C3~8
シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シクロアルキル基は、3個~6個の
環炭素原子を有する(「C3~6シクロアルキル」)。いくつかの実施形態において、シ
クロアルキル基は、5~6個の環炭素原子を有する(「C5~6シクロアルキル」)。い
くつかの実施形態において、シクロアルキル基は、5~10個の環炭素原子を有する(「
5~10シクロアルキル」)。C5~6シクロアルキル基の例としては、シクロペンチ
ル(C)およびシクロヘキシル(C)が挙げられる。C3~6シクロアルキル基の例
としては、上述のC5~6シクロアルキル基、ならびにシクロプロピル(C)およびシ
クロブチル(C)が挙げられる。C3~8シクロアルキル基の例としては、上述のC
~6シクロアルキル基、ならびにシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C
が挙げられる。別段特定されない限り、シクロアルキル基の各存在は、独立して、置換さ
れない(「非置換シクロアルキル」)か、または1つもしくはそれより多くの置換基で置
換される(「置換シクロアルキル」)。ある特定の実施形態において、シクロアルキル基
は、非置換C3~10シクロアルキルである。ある特定の実施形態において、シクロアル
キル基は、置換C3~10シクロアルキルである。
【0045】
「ヘテロシクリル」または「複素環式」とは、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原
子を有する3~10員の非芳香環系のラジカルのことを指し、ここで、各ヘテロ原子は、
独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される(「3~10員
ヘテロシクリル」)。1つまたはそれより多くの窒素原子を含むヘテロシクリル基におい
て、結合点は、結合価が許容するとき、炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル
基は、単環式環系(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合環系、架橋環系もしくはスピ
ロ環系(例えば、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))であり得、飽和であり得るか
、あるいは部分不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式環系は、一方または両方の環に
1つまたはそれより多くのヘテロ原子を含み得る。「ヘテロシクリル」は、上で定義され
たようなヘテロシクリル環が1つまたはそれより多くのカルボシクリル基と縮合した環系
も含み、ここで、結合点は、カルボシクリルもしくはヘテロシクリル環上、または上で定
義されたようなヘテロシクリル環が1つまたはそれより多くのアリール基またはヘテロア
リール基と縮合した環系上に存在し、ここで、結合点は、ヘテロシクリル環上に存在し、
そのような場合、環メンバーの数は、引き続きヘテロシクリル環系内の環メンバーの数を
指摘する。別段特定されない限り、ヘテロシクリルの各存在は、独立して、必要に応じて
置換され、すなわち、置換されない(「非置換ヘテロシクリル」)か、または1つもしく
はそれより多くの置換基で置換される(「置換ヘテロシクリル」)。ある特定の実施形態
において、ヘテロシクリル基は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。ある特定の実
施形態において、ヘテロシクリル基は、置換3~10員ヘテロシクリルである。
【0046】
いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘ
テロ原子を有する5~10員の非芳香環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、
窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リンおよびケイ素から選択される(「5~10員ヘテロシク
リル」)。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4
個の環ヘテロ原子を有する5~8員の非芳香環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、独立
して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5~8員ヘテロシクリル」)。いくつか
の実施形態において、ヘテロシクリル基は、環炭素原子および1~4個の環ヘテロ原子を
有する5~6員の非芳香環系であり、ここで、各ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素お
よび硫黄から選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)。いくつかの実施形態において
、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ
原子を有する。いくつかの実施形態において、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素お
よび硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態において
、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素および硫黄から選択される1個の環ヘテロ原子
を有する。
【0047】
1個のヘテロ原子を含む例示的な3員ヘテロシクリル基としては、アジルジニル(az
irdinyl)、オキシラニル、チオレニルが挙げられるがこれらに限定されない。1
個のヘテロ原子を含む例示的な4員ヘテロシクリル基としては、アゼチジニル、オキセタ
ニルおよびチエタニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子を含む例
示的な5員ヘテロシクリル基としては、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テト
ラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリルおよび
ピロリル-2,5-ジオンが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含
む例示的な5員ヘテロシクリル基としては、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジス
ルフラニルおよびオキサゾリジン-2-オンが挙げられるがこれらに限定されない。3個
のヘテロ原子を含む例示的な5員ヘテロシクリル基としては、トリアゾリニル、オキサジ
アゾリニルおよびチアジアゾリニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ
原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基としては、ピペリジニル、テトラヒドロピラニ
ル、ジヒドロピリジニルおよびチアニルが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘ
テロ原子を含む例示的な6員ヘテロシクリル基としては、ピペラジニル、モルホリニル、
ジチアニル、ジオキサニルが挙げられるがこれらに限定されない。2個のヘテロ原子を含
む例示的な6員ヘテロシクリル基としては、トリアジナニルが挙げられるがこれに限定さ
れない。1個のヘテロ原子を含む例示的な7員ヘテロシクリル基としては、アゼパニル、
オキセパニルおよびチエパニルが挙げられるがこれらに限定されない。1個のヘテロ原子
を含む例示的な8員ヘテロシクリル基としては、アゾカニル、オキセカニルおよびチオカ
ニルが挙げられるがこれらに限定されない。Cアリール環に縮合された例示的な5員ヘ
テロシクリル基(本明細書中で5,6-二環式複素環式環とも称される)としては、イン
ドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベン
ゾオキサゾリノニルなどが挙げられるがこれらに限定されない。アリール環に縮合された
例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書中で6,6-二環式複素環式環とも称される)
としては、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが挙げられるがこ
れらに限定されない。
【0048】
「ヘテロ」は、化合物または化合物上に存在する基を説明するために使用されるとき、
その化合物または基における1つまたはそれを超える炭素原子が、窒素、酸素または硫黄
ヘテロ原子によって置き換えられていることを意味する。ヘテロは、1~5個、特に1~
3個のヘテロ原子を有する、上に記載された任意のヒドロカルビル基、例えば、アルキル
、例えばヘテロアルキル、シクロアルキル、例えばヘテロシクリル、アリール、例えばヘ
テロアリール、シクロアルケニル、例えばシクロヘテロアルケニルなどに適用され得る。
【0049】
「アシル」とは、-C(O)R20ラジカルのことを指し、ここで、R20は、水素、
本明細書中で定義されるような、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アル
ケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換カルボシクリル、置換もし
くは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテ
ロアリールである。「アルカノイル」は、R20が水素以外の基であるアシル基である。
代表的なアシル基としては、ホルミル(-CHO)、アセチル(-C(=O)CH)、
シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル(-C(=O
)Ph)、ベンジルカルボニル(-C(=O)CHPh)、--C(O)-C-C
アルキル、-C(O)-(CH(C-C10アリール)、-C(O)-(CH
(5~10員ヘテロアリール)、-C(O)-(CH(C-C10シクロア
ルキル)および-C(O)-(CH(4~10員ヘテロシクリル)(tは、0~4
の整数である)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態において、
21は、ハロもしくはヒドロキシで置換されたC~Cアルキル;またはC~C
シクロアルキル、4~10員ヘテロシクリル、C~C10アリール、アリールアルキ
ル、5~10員ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(それらの各々は、非置
換C~Cアルキル、ハロ、非置換C~Cアルコキシ、非置換C~Cハロアル
キル、非置換C~Cヒドロキシアルキルもしくは非置換C~Cハロアルコキシま
たはヒドロキシで置換されている)である。
【0050】
「アルコキシ」とは、-OR29基のことを指し、ここで、R29は、置換もしくは非
置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非置換アルキニル、置換も
しくは非置換カルボシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリル、置換もしくは非置換
アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールである。特定のアルコキシ基は、メト
キシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ
、sec-ブトキシ、n-ペントキシ、n-ヘキソキシおよび1,2-ジメチルブトキシ
である。特定のアルコキシ基は、低級アルコキシであり、すなわち、1~6個の炭素原子
を有する。さらなる特定のアルコキシ基は、1個~4個の炭素原子を有する。
【0051】
ある特定の実施形態において、R29は、アミノ、置換アミノ、C~C10アリール
、アリールオキシ、カルボキシル、シアノ、C~C10シクロアルキル、4~10員ヘ
テロシクリル、ハロゲン、5~10員ヘテロアリール、ヒドロキシル、ニトロ、チオアル
コキシ、チオアリールオキシ、チオール、アルキル-S(O)-、アリール-S(O)-
、アルキル-S(O)-およびアリール-S(O)-からなる群より選択される1個
またはそれより多くの置換基、例えば、1~5個の置換基、特に、1~3個の置換基、特
に、1個の置換基を有する基である。例示的な「置換アルコキシ」基としては、-O-(
CH(C~C10アリール)、-O-(CH(5~10員ヘテロアリール
)、-O-(CH(C~C10シクロアルキル)および-O-(CH(4
~10員ヘテロシクリル)が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、tは、0~4
の整数であり、存在する任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロ
シクリル基は、それ自体が、非置換C~Cアルキル、ハロ、非置換C~Cアルコ
キシ、非置換C~Cハロアルキル、非置換C~Cヒドロキシアルキルまたは非置
換C~Cハロアルコキシもしくはヒドロキシによって置換され得る。特に例示的な「
置換アルコキシ」基は、-OCF、-OCHCF、-OCHPh、-OCH
シクロプロピル、-OCHCHOHおよび-OCHCHNMeである。
【0052】
「アミノ」とは、-NHラジカルのことを指す。
【0053】
「置換アミノ」とは、式-N(R38のアミノ基のことを指し、ここで、R38
、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換アルケニル、置換もしくは非
置換アルキニル、置換もしくは非置換カルボシクリル、置換もしくは非置換ヘテロシクリ
ル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリールまたはアミノ保護
基であり、ここで、R38の少なくとも1つは、水素ではない。ある特定の実施形態にお
いて、各R38は、独立して、水素、C~Cアルキル、C~Cアルケニル、C
~Cアルキニル、C~C10アリール、5~10員ヘテロアリール、4~10員ヘテ
ロシクリルもしくはC~C10シクロアルキル;またはハロもしくはヒドロキシで置換
されたC~Cアルキル;ハロもしくはヒドロキシで置換されたC~Cアルケニル
;ハロもしくはヒドロキシで置換されたC~Cアルキニル、あるいは-(CH
(C~C10アリール)、-(CH(5~10員ヘテロアリール)、-(CH
(C~C10シクロアルキル)または-(CH(4~10員ヘテロシクリル
)から選択され、ここで、tは、0~8の整数であり、それらの各々は、非置換C~C
アルキル、ハロ、非置換C~Cアルコキシ、非置換C~Cハロアルキル、非置
換C~Cヒドロキシアルキルまたは非置換C~Cハロアルコキシもしくはヒドロ
キシによって置換されているか;あるいは両方のR38基が連結して、アルキレン基を形
成する。
【0054】
例示的な「置換アミノ」基としては、-NR39-C~Cアルキル、-NR39
(CH(C~C10アリール)、-NR39-(CH(5~10員ヘテロ
アリール)、-NR39-(CH(C~C10シクロアルキル)および-NR
-(CH(4~10員ヘテロシクリル)が挙げられるが、これらに限定されず、
ここで、tは、0~4、例えば、1または2の整数であり、各R39は、独立して、Hま
たはC~Cアルキルを表し;存在する任意のアルキル基は、それ自体が、ハロ、置換
もしくは非置換アミノまたはヒドロキシによって置換され得;存在する任意のアリール、
ヘテロアリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリル基は、それ自体が、非置換C
アルキル、ハロ、非置換C~Cアルコキシ、非置換C~Cハロアルキル、非
置換C~Cヒドロキシアルキルまたは非置換C~Cハロアルコキシもしくはヒド
ロキシによって置換され得る。誤解を避けるために、用語「置換アミノ」は、下記で定義
されるような、アルキルアミノ、置換アルキルアミノ、アルキルアリールアミノ、置換ア
ルキルアリールアミノ、アリールアミノ、置換アリールアミノ、ジアルキルアミノおよび
置換ジアルキルアミノ基を含む。置換アミノは、一置換アミノ基と二置換アミノ基の両方
を包含する。
【0055】
「カルボキシ」とは、ラジカル-C(O)OHのことを指す。
【0056】
「シアノ」とは、ラジカル-CNのことを指す。
【0057】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)
およびヨード(I)のことを指す。特定の実施形態において、ハロ基は、フルオロまたは
クロロである。
【0058】
「ヒドロキシ」とは、ラジカル-OHのことを指す。
【0059】
「ニトロ」とは、ラジカル-NOのことを指す。
【0060】
「窒素含有ヘテロシクリル」基は、少なくとも1つの窒素原子、例えば、限定ではない
が、モルホリン、ピペリジン(例えば、2-ピペリジニル、3-ピペリジニルおよび4-
ピペリジニル)、ピロリジン(例えば、2-ピロリジニルおよび3-ピロリジニル)、ア
ゼチジン、ピロリドン、イミダゾリン、イミダゾリジノン、2-ピラゾリン、ピラゾリジ
ン、ピペラジンおよびN-アルキルピペラジン(例えば、N-メチルピペラジン)を含む
4~7員の非芳香族環式基のことを意味する。特定の例としては、アゼチジン、ピペリド
ンおよびピペラゾンが挙げられる。
【0061】
「チオケト」とは、基=Sのことを指す。
【0062】
本明細書中で定義されるような、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル
、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、必要に応じて置換される(例え
ば、「置換」もしくは「非置換」アルキル、「置換」もしくは「非置換」アルケニル、「
置換」もしくは「非置換」アルキニル、「置換」もしくは「非置換」カルボシクリル、「
置換」もしくは「非置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「非置換」アリールまたは
「置換」もしくは「非置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換される」は、その
前に用語「必要に応じて」があるかまたはないかに関係なく、ある基(例えば、炭素また
は窒素原子)に存在する少なくとも1つの水素が、許容され得る置換基、例えば、置換さ
れたときに、安定した化合物、例えば、自発的に変換(例えば、転位、環化、脱離または
他の反応によるもの)を起こさない化合物を生じる置換基で置き換えられることを意味す
る。別段示されない限り、「置換された」基は、その基の1つまたはそれより多くの置換
可能な位置に置換基を有し、任意の所与の構造内の2つまたはそれより多くの位置が置換
されるとき、それらの置換基は、各位置において同じであるかまたは異なる。用語「置換
される」は、有機化合物の許容され得るすべての置換基、安定した化合物を形成する本明
細書中に記載される任意の置換基による置換を含むと企図される。本発明は、安定な化合
物に到達するために、任意のおよび全てのこのような組み合わせを企図する。本発明の目
的のために、窒素などのヘテロ原子は、そのヘテロ原子の結合価を満たし、その結果、安
定した部分を形成する、本明細書中に記載されるような水素置換基および/または任意の
好適な置換基を有し得る。
【0063】
例示的な炭素原子置換基としては、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SO
、-SOH、-OH、-ORaa、-ON(Rbb、-N(Rbb、-N(R
bb 、-N(ORcc)Rbb、-SH、-SRaa、-SSRcc、-C(
=O)Raa、-COH、-CHO、-C(ORcc、-COaa、-OC(
=O)Raa、-OCOaa、-C(=O)N(Rbb、-OC(=O)N(R
bb、-NRbbC(=O)Raa、-NRbbCOaa、-NRbbC(=O
)N(Rbb、-C(=NRbb)Raa、-C(=NRbb)ORaa、-OC(
=NRbb)Raa、-OC(=NRbb)ORaa、-C(=NRbb)N(Rbb
、-OC(=NRbb)N(Rbb、-NRbbC(=NRbb)N(Rbb
、-C(=O)NRbbSOaa、-NRbbSOaa、-SON(Rbb
、-SOaa、-SOORaa、-OSOaa、-S(=O)Raa、-O
S(=O)Raa、-Si(Raa、-OSi(Raa -C(=S)N(R
、-C(=O)SRaa、-C(=S)SRaa、-SC(=S)SRaa、-S
C(=O)SRaa、-OC(=O)SRaa、-SC(=O)ORaa、-SC(=O
)Raa、-P(=O)aa、-OP(=O)aa、-P(=O)(Raa
、-OP(=O)(Raa、-OP(=O)(ORcc、-P(=O)N(R
bb、-OP(=O)N(Rbb、-P(=O)(NRbb、-OP(=
O)(NRbb、-NRbbP(=O)(ORcc、-NRbbP(=O)(N
bb、-P(Rcc、-P(Rcc、-OP(Rcc、-OP(R
、-B(Raa、-B(ORcc、-BRaa(ORcc)、C1~10
アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル
、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5
~14員ヘテロアリールが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、各アルキル、ア
ルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリー
ルは、独立して、0、1、2、3、4もしくは5個のRdd基で置換されているか;また
は炭素原子上の2個のジェミナル水素は、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNR
bbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)
aa、=NRbb、もしくは=NORccで置き換えられ;
aaの各存在は、独立して、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C
~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテ
ロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリールから選択されるか、ま
たは2つのRaa基が連結して、3~14員ヘテロシクリルもしくは5~14員ヘテロア
リール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘ
テロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または
5個のRdd基で置換され;
bbの各存在は、独立して、水素、-OH、-ORaa、-N(Rcc、-CN、
-C(=O)Raa、-C(=O)N(Rcc、-COaa、-SOaa
-C(=NRcc)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc
、-SOcc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc
、-C(=O)SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)
(Raa、-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、C1~1
アルキル、C1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニ
ル、C3~10カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび
5~14員ヘテロアリールから選択されるか、または2つのRbb基が連結して、3~1
4員ヘテロシクリルもしくは5~14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル
、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロア
リールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRdd基で置換され;
ccの各存在は、独立して、水素、C1~10アルキル、C1~10ペルハロアルキル
、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~14
員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテロアリールから選択される
か、または2つのRcc基が連結して、3~14員ヘテロシクリルもしくは5~14員ヘ
テロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリ
ル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4
または5個のRdd基で置換され;
ddの各存在は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-S
H、-OH、-ORee、-ON(Rff、-N(Rff、-N(Rff
、-N(ORee)Rff、-SH、-SRee、-SSRee、-C(=O)
ee、-COH、-COee、-OC(=O)Ree、-OCOee、-C
(=O)N(Rff、-OC(=O)N(Rff、-NRffC(=O)Ree
、-NRffCOee、-NRffC(=O)N(Rff、-C(=NRff
ORee、-OC(=NRff)Ree、-OC(=NRff)ORee、-C(=NR
ff)N(Rff、-OC(=NRff)N(Rff、-NRffC(=NR
)N(Rff、-NRffSOee、-SON(Rff、-SO
、-SOORee、-OSOee、-S(=O)Ree、-Si(Ree
-OSi(Ree、-C(=S)N(Rff、-C(=O)SRee、-C(=
S)SRee、-SC(=S)SRee、-P(=O)ee、-P(=O)(Ree
、-OP(=O)(Ree、-OP(=O)(ORee、C1~6アルキル
、C1~6ペルハロアルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10
ルボシクリル、3~10員ヘテロシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリ
ールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘ
テロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4もしく
は5個のRgg基で置換されているか;または2個のジェミナルRdd置換基は一緒にな
って、=Oもしくは=Sを形成し得;
eeの各存在は、独立して、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6
アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3
~10員ヘテロシクリルおよび3~10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アル
キル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテ
ロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のRgg基で置換され;
ffの各存在は、独立して、水素、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C
2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、3~10員ヘテロ
シクリル、C6~10アリールおよび5~10員ヘテロアリールから選択されるか、また
は2つのRff基が連結して、3~14員ヘテロシクリルもしくは5~14員ヘテロアリ
ール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテ
ロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5
個のRgg基で置換され;
ggの各存在は、独立して、ハロゲン、-CN、-NO、-N、-SOH、-S
H、-OH、-OC1~6アルキル、-ON(C1~6アルキル)、-N(C1~
アルキル)、-N(C1~6アルキル) 、-NH(C1~6アルキル)
、-NH(C1~6アルキル)、-NH 、-N(OC1~6アルキ
ル)(C1~6アルキル)、-N(OH)(C1~6アルキル)、-NH(OH)、-S
H、-SC1~6アルキル、-SS(C1~6アルキル)、-C(=O)(C1~6アル
キル)、-COH、-CO(C1~6アルキル)、-OC(=O)(C1~6アルキ
ル)、-OCO(C1~6アルキル)、-C(=O)NH、-C(=O)N(C1~
アルキル)、-OC(=O)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)(C1~
アルキル)、-N(C1~6アルキル)C(=O)(C1~6アルキル)、-NHCO
(C1~6アルキル)、-NHC(=O)N(C1~6アルキル)、-NHC(=O
)NH(C1~6アルキル)、-NHC(=O)NH、-C(=NH)O(C1~6
ルキル)、-OC(=NH)(C1~6アルキル)、-OC(=NH)OC1~6アルキ
ル、-C(=NH)N(C1~6アルキル)、-C(=NH)NH(C1~6アルキル
)、-C(=NH)NH、-OC(=NH)N(C1~6アルキル)、-OC(NH
)NH(C1~6アルキル)、-OC(NH)NH、-NHC(NH)N(C1~6
ルキル)、-NHC(=NH)NH、-NHSO(C1~6アルキル)、-SO
N(C1~6アルキル)、-SONH(C1~6アルキル)、-SONH、-S
1~6アルキル、-SOOC1~6アルキル、-OSO1~6アルキル、-
SOC1~6アルキル、-Si(C1~6アルキル)、-OSi(C1~6アルキル)
-C(=S)N(C1~6アルキル)、C(=S)NH(C1~6アルキル)、C
(=S)NH、-C(=O)S(C1~6アルキル)、-C(=S)SC1~6アルキ
ル、-SC(=S)SC1~6アルキル、-P(=O)(C1~6アルキル)、-P(
=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O)(C1~6アルキル)、-OP(=O
)(OC1~6アルキル)、C1~6アルキル、C1~6ペルハロアルキル、C2~6
アルケニル、C2~6アルキニル、C3~10カルボシクリル、C6~10アリール、3
~10員ヘテロシクリル、5~10員ヘテロアリールであるか;または2個のジェミナル
gg置換基は一緒になって、=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、Xは、対イオン
である。
【0064】
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電気的中性を維持するためにカチオン
性の第4級アミノ基と会合する負に帯電した基である。例示的な対イオンとしては、ハロ
ゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO 、ClO 、OH
、HPO 、HSO 、SO -2スルホネートイオン(例えば、メタンスルホ
ネート、トリフルオロメタンスルホネート、p-トルエンスルホネート、ベンゼンスルホ
ネート、10-カンファースルホネート、ナフタレン-2-スルホネート、ナフタレン-
1-スルホン酸-5-スルホネート、エタン-1-スルホン酸-2-スルホネートなど)
およびカルボキシレートイオン(例えば、アセテート、エタノエート、プロパノエート、
ベンゾエート、グリセレート、ラクテート、タルトレート、グリコレートなど)が挙げら
れる。
【0065】
窒素原子は、結合価が許容するとき、置換または非置換であり得、第1級、第2級、第
3級および第4級窒素原子を含み得る。例示的な窒素原子置換基としては、水素、-OH
、-ORaa、-N(Rcc、-CN、-C(=O)Raa、-C(=O)N(R
、-COaa、-SOaa、-C(=NRbb)Raa、-C(=NR
)ORaa、-C(=NRcc)N(Rcc、-SON(Rcc、-SO
cc、-SOORcc、-SORaa、-C(=S)N(Rcc、-C(=O)
SRcc、-C(=S)SRcc、-P(=O)aa、-P(=O)(Raa
-P(=O)N(Rcc、-P(=O)(NRcc、C1~10アルキル、C
1~10ペルハロアルキル、C2~10アルケニル、C2~10アルキニル、C3~10
カルボシクリル、3~14員ヘテロシクリル、C6~14アリールおよび5~14員ヘテ
ロアリールが挙げられるが、これらに限定されないか、または窒素原子に結合した2つの
cc基は、連結して、3~14員ヘテロシクリルもしくは5~14員ヘテロアリール環
を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシク
リル、アリールおよびヘテロアリールは、独立して、0、1、2、3、4または5個のR
dd基で置換され、Raa、Rbb、RccおよびRddは、上で定義されたとおりであ
る。
【0066】
これらおよび他の例示的な置換基は、詳細な説明、実施例および特許請求の範囲におい
て詳細に記載されている。本発明は、いかなる方法によっても上記の置換基の例示的な列
挙によって限定されないと意図されている。
他の定義
【0067】
用語「薬学的に受容可能な塩」とは、妥当な医学的判断の範囲内において、過度の毒性
、刺激作用、アレルギー反応など無しにヒトおよび下等動物の組織との接触において使用
するのに適し、かつ合理的なベネフィット/リスク比に見合う、塩のことを指す。薬学的
に受容可能な塩は、当該分野で周知である。例えば、Bergeらは、J.Pharma
ceutical Sciences(1977)66:1-19において薬学的に受容
可能な塩を詳細に説明している。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩は、好適な無機
酸および有機酸ならびに無機塩基および有機塩基から誘導される塩を含む。薬学的に受容
可能な無毒性の酸付加塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸およ
び過塩素酸)または有機酸(例えば、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、
コハク酸もしくはマロン酸)と形成されるかあるいはイオン交換などの当該分野において
使用される他の方法を用いることによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に
受容可能な塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン
酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸
塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン
酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩
、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化
水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン
酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、
2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パル
ミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸
塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩
、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩な
どが挙げられる。適切な塩基に由来する薬学的に受容可能な塩としては、アルカリ金属塩
、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩およびN(C1~4アルキル)塩が挙げられ
る。代表的なアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム
、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩が挙げられる。さらなる薬学的に受容可
能な塩としては、適切なとき、対イオン(例えば、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン
、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸
イオンおよびアリールスルホン酸イオン)を用いて形成される無毒性のアンモニウム、四
級アンモニウムおよびアミンカチオンの塩が挙げられる。
【0068】
投与が企図された「被験体」としては、ヒト(すなわち、任意の年齢群、例えば、小児
被験体(例えば、乳児、小児、青年)または成人被験体(例えば、若年成人、中年成人ま
たは高齢成人)の男性または女性)および/または非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例え
ば、霊長類(例えば、カニクイザル、アカゲザル)、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、
げっ歯類、ネコおよび/またはイヌ)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定
の実施形態において、被験体は、ヒトである。ある特定の実施形態において、被験体は、
非ヒト動物である。用語「ヒト」、「患者」および「被験体」は、本明細書中で交換可能
に使用される。
【0069】
疾患、障害、および状態は、本明細書中で交換可能に使用される。
【0070】
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、用語「処置する(treat)
」、「処置する(treating)」および「処置(treatment)」は、被験
体が特定の疾患、障害または状態を罹患している間に行われ、その疾患、障害または状態
の重篤度を低下させるか、あるいは疾患、障害または状態の進行を遅延させるかまたは遅
くする行為(「治療処置」)を想定し、そしてまた、被験体が特定の疾患、障害または状
態を罹患し始める前に行われる行為(「予防処置」)を想定する。
【0071】
一般に、化合物の「有効量」とは、所望の生物学的応答を惹起するために充分な量のこ
とを指す。当業者によって理解されるように、本発明の化合物の有効量は、所望の生物学
的目標、化合物の薬物動態学、処置される疾患、投与様式、ならびに被験体の年齢、健康
状態、および状態などの要因に依存して、変わり得る。有効量とは、治療処置および予防
処置を包含する。
【0072】
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、化合物の「治療有効量」とは、
疾患、障害または状態の処置において治療上の利点を提供するか、あるいはその疾患、障
害または状態に関連する1つまたはそれより多くの症状を遅延させるかまたは最小にする
ために充分な量である。化合物の治療有効量とは、その疾患、障害または状態の処置にお
いて治療上の利点を提供する、単独でかまたは他の治療と組み合わせての、治療剤の量を
意味する。用語「治療有効量」は、治療全体を改善させる量、疾患または状態の症状また
は原因を減少させるかまたは回避する量、あるいは別の治療剤の治療効力を増強する量を
包含し得る。
【0073】
本明細書中で使用される場合、他に特定されない限り、化合物の「予防有効量」とは、
疾患、障害もしくは状態、またはその疾患、障害もしくは状態に関連する1つもしくはそ
れより多くの症状を予防するため、あるいはその再発を予防するために充分な量である。
化合物の予防有効量とは、その疾患、障害または状態の予防において予防上の利点を提供
する、単独でかまたは他の剤と組み合わせての、治療剤の量を意味する。用語「予防有効
量」は、予防全体を改善させる量、または別の予防剤の予防効力を増強する量を包含し得
る。
本明細書中で使用されるとき、かつ別段特定されない限り、「生物学的条件下で切断可
能な部分」とは、インビボまたはインビトロにおいて放出される(例えば、加水分解的、
酵素的に)部分のことを指す。例えば、生物学的条件下で切断可能な部分は、エステル、
ホスフェートまたはスルフェートである。いくつかの実施形態において、生物学的条件下
で切断可能な部分は、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C
(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC
(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立
して、-ORまたはアルキルから選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、
-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(CH)NH、-CH
CHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であり;各Rは、独立して、水
素またはアルキルであり;各xは、独立して、1または2であり;n、m、pの各々は、
独立して、1、2、3または4である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
本発明の特定の実施形態の詳細な説明
[1] 本明細書中に広く記載されるように、本発明は、NMDA媒介性障害を含むがこ
れに限定されない広範囲の障害の予防および/または処置に有用なオキシステロールを提
供する。これらの化合物は、他のオキシステロールと比べて、改善されたインビボ効力、
薬物動態学的(PK)特性、経口バイオアベイラビリティ、製剤化適性、安定性および/
または安全性を示すと予想される。
[2] 本明細書中に記載される化合物は、生物学的条件下で、例えば、酵素(例えば、
ヒドロラーゼ)によって、切断可能な部分を含む。
化合物
【0075】
1つの局面において、本明細書中で、式(I):
【化21】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が提供され、式中、Rは、水素またはC1~
アルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、水素、C1~6アルキルまたは
カルボシクリルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と
一緒になって、3~8員環を形成し;RおよびRの各々は、独立して、水素であり;
は、存在しないか、または水素であり;
【化22】


は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化23】


が二重結合であるとき、他方の
【化24】


は単結合であり、かつRは存在せず;少なくとも1つの水素は、生物学的条件下で切断
可能な部分によって置き換えられる。
【0076】
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-AA):
【化25】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であり、式中、Rは、水素またはC1~6
ルキルであり;RおよびRの各々は、独立して、水素、C1~6アルキル、またはカ
ルボシクリルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している炭素原子と一
緒になって、3~8員環を形成し;RおよびRの各々は、独立して、水素または生物
学的条件下で切断可能な部分であり;Rは、存在しないか、または水素であり;
【化26】


は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化27】


が二重結合であるとき、他方の
【化28】


は単結合であり、かつRは存在しない。
いくつかの実施形態において、RおよびRは、両方が水素にはならない。
いくつかの実施形態において、Rは、水素ではない。
いくつかの実施形態において、Rは、水素ではない。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、-P(O)
(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CH
C(O)N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R
-(CHOS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CH
C(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルか
ら選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCH
COH、-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-C
H(CH)NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは
、独立して、1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4で
ある。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、-C(O)R
であり、ここで、Rは、アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン)である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、アミノ酸エステルで
ある。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)(R、-S(O)
、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;R
およびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;各Rは、独立
して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(C
)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であり

各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、1または2であ
り;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、Rは、C1~6アルキル(例えば、置換または非置換
1~6アルキル)である。いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつ
かの実施形態において、Rは、水素、メチル(例えば、-CH、-CF、-CH
OCH)、エチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、Rは、
メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、メチル(例
えば、-CH、-CF)、エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルであ
る。
いくつかの実施形態において、Rは、生物学的条件下で切断可能な部分であり、R
は、水素である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、生物学的条件下で切断可
能な部分である。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、生物学的条件
下で切断可能な部分である。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独
立して、水素、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)
N(R、-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(CH
OP(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)
、または-(CHC(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立して
、-ORまたはアルキルから選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、-C
NH、-CHCHCOH、-CH(CH(CH)NH、-CH
C(O)OHまたは-CH(CH)NH)であり;
各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xが、独立して、1または2であ
り;
n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、Rが水素であり、Rが-S(O)であり、x
が2であるとき、Rは、-OHではない。いくつかの実施形態において、RおよびR
の両方が水素にはならない。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-C(
O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
-(CHOC(O)R、または-(CHC(O)ORであり;Rは、
水素であり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され
;各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して
、1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。いく
つかの実施形態において、Rは、水素であり;Rは、-P(O)(R、-S(
O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS
(O)、-(CHOC(O)R、または-(CHC(O)OR
あり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;各R
は、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH
(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH
)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、1ま
たは2であり;n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4であり;ここで、R
が、-S(O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHではない。いくつ
かの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)
、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CH
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O
)Rである。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して-OR
であり、Rは、水素またはアルキルであり、xは、2である。いくつかの実施形態に
おいて、Rは、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH
(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH
)であり;Rは、水素またはアルキル(例えば、メチル)である。
いくつかの実施形態において、n、mおよびpの各々は、独立して、1または2である

いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、
-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O
)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)
CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CH
OC(O)Rである。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立し
て-ORであり、Rが、水素またはアルキルであり、xが、2である。いくつかの実
施形態において、Rは、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCO
、-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;Rは、水素またはアルキル(例えば、メチル)である。いくつか
の実施形態において、n、mおよびpの各々は、独立して、1または2である。いくつか
の実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH、--S(O)OH、-CH
OP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CH
CHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(C
)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rが水素であるとき、Rは、-S(O)OHでは
ない。
いくつかの実施形態において、
【化29】


の各々は、単結合である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-A)もしくは式(I-B
):
【化30】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、式(I)の化合物は、式(I-B):
【化31】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、置換または非置換アルキル
)である。いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態にお
いて、Rは、水素、メチル(例えば、-CH、-CF、-CHOCH)、エチ
ルまたはイソプロピルである。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、メチル(例
えば、-CH、-CF)、エチル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルであ
る。
いくつかの実施形態において、Rは、生物学的条件下で切断可能な部分であり、R
は、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、生物学的
条件下で切断可能な部分である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、生物学的条件下で切断可能な
部分である。いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、独立して、水素、
-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R
-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(
、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)R、または-
(CHC(O)ORであり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまた
はアルキルから選択され;各Rは、独立して、アルキル(例えば、非置換アルキルもし
くは置換アルキル、例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(
CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であ
り;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、1または2で
あり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4であり、ここで、Rが、水
素であり、Rが、-S(O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHでは
ない。
いくつかの実施形態において、RおよびRの両方が水素にはならない。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-C(
O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;Rは、水
素であり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-
CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、
1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり;Rは、-P(O)(R
-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)
N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CH
OS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)OR
であり;RおよびRの各々は、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rは、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-
CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
NH)であり;各Rは、独立して、水素またはアルキルであり;各xは、独立して、
1または2であり;n、m、pの各々は、独立して、1、2、3または4であり;ここで
、Rが-S(O)であり、xが2であるとき、Rは、-OHではない。いくつ
かの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)
、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CH
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O
)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH、-S(
O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)CHNH
、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH)NH
、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CH
OC(O)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH
、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)C
NH、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH
)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、Rが、水素であるとき、Rは、-S(O)OHで
はない。
いくつかの実施形態において、式(I-B)の化合物は、式(I-C):
【化32】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素、メチル(例えば、-CH、-CF
-CHOCH)、エチルまたはイソプロピルである。いくつかの実施形態において、
は、メチルまたはエチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、生物学的条件下で切断可能な部分であり、R
は、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(
O)、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)または
-(CHOC(O)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-
P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH
、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(C
H(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基で
ある。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、生物学的条件下で切
断可能な部分である。
いくつかの実施形態において、Rは、-P(O)(R、-S(O)、-
C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(C
OP(O)(R、-(CHOS(O)または-(CH
OC(O)Rである。いくつかの実施形態において、Rは、水素、-P(O)OH
、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)、-C(O)CH、-C(O)C
NH、-C(O)CHCHC(O)OH、-C(O)CH(CH(CH
)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意のアミノ酸残基である。
いくつかの実施形態において、RおよびRの各々は、生物学的条件下で切断可能な
部分である。
いくつかの実施形態において、Rは、アルキル(例えば、置換または非置換アルキル
)である。
いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rが、水素であるとき、R
、-S(O)OHではない。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、R
が、水素であるとき、Rは、-P(O)(R、-C(O)R、-C(O)N(
、-(CHC(O)N(R、-C(O)OR、-(CH
P(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)R
または-(CHC(O)ORである。いくつかの実施形態において、Rおよび
は、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、-S
(O)OHではない。いくつかの実施形態において、Rは、水素であり、Rは、-
P(O)(R、-C(O)R、-C(O)N(R、-(CHC(O
)N(R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CH
OS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)O
である。
いくつかの実施形態において、式(I-C)の化合物は、式(I-D):
【化33】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、
【化34】


【化35】


【化36】


またはその薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、上記化合物は、
【化37】


【化38】


からなる群より選択される。
薬学的組成物
【0077】
別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリアおよび有効量の式(I)の
化合物を含む薬学的組成物を提供する。
【0078】
本明細書中に提供される化合物は、医薬として使用されるとき、通常、薬学的組成物の
形態で投与される。そのような組成物は、薬学分野において周知の様式で調製され得、少
なくとも1つの活性な化合物を含む。
【0079】
1つの実施形態において、薬学的組成物に関して、キャリアは、非経口キャリア、経口
または局所キャリアである。
【0080】
本発明は、医薬品または薬として使用するための式(I)の化合物またはその薬学的組
成物にも関する。
【0081】
一般的に、本明細書中に提供される化合物は、有効量で投与される。実際に投与される
化合物の量は、典型的には、関連する状況(処置される症状、選択される投与経路、投与
される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重および応答、患者の症候の重症度などを含
む)に照らして、医師によって決定される。
【0082】
本明細書中に提供される薬学的組成物は、経口、直腸、経皮的、皮下、静脈内、筋肉内
および鼻腔内を含む種々の経路によって投与され得る。意図される送達経路に応じて、本
明細書中に提供される化合物は、好ましくは、注射可能な組成物、または経口用の組成物
、または軟膏、ローションもしくはパッチ(すべて経皮的投与用)として製剤化される。
【0083】
経口投与用の組成物は、バルクの液体の溶液もしくは懸濁液またはバルクの粉末の形態
をとり得る。しかしながら、より一般的には、組成物は、正確な投薬を促進する単位剤形
で提供される。用語「単位剤形」とは、ヒト被験体および他の哺乳動物に対する単位投与
量として好適な物理的に不連続の単位のことを指し、各単位は、好適な薬学的賦形剤とと
もに所望の治療効果をもたらすと計算される所定量の活性な材料を含む。典型的な単位剤
形としては、液体組成物の予め測定され予め充填されたアンプルもしくは注射器、または
固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセルなどが挙げられる。そのような組成物では、化
合物は、通常、少量の成分(約0.1~約50重量%または好ましくは約1~約40重量
%)であり、残りは、様々なビヒクルまたはキャリアおよび所望の投薬形態を形成するの
に役立つ加工助剤である。
【0084】
経口投与に適した液体の形態は、緩衝剤、懸濁化剤および予製剤(dispensin
g agents)、着色剤、香料などを含む好適な水性または非水性のビヒクルを含み
得る。固体の形態は、例えば、以下の成分または同様の性質の化合物のいずれかを含み得
る:結合剤(例えば、微結晶性セルロース、トラガカントゴムまたはゼラチン);賦形剤
(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸、Primoge
lまたはトウモロコシデンプン);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム);滑剤
(例えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)
;または香味料(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバー)
【0085】
注射可能組成物は、典型的には、注射可能な滅菌された生理食塩水もしくはリン酸緩衝
生理食塩水または当該分野で公知の他の注射可能なキャリアに基づくものである。従来ど
おり、そのような組成物における活性な化合物は、典型的には、しばしば約0.05~1
0重量%である微量の成分であり、残りは、注射可能なキャリアなどである。
【0086】
経皮的組成物は、一般に約0.01~約20重量%、好ましくは、約0.1~約20重
量%、好ましくは、約0.1~約10重量%、より好ましくは、約0.5~約15重量%
の範囲の量で活性成分(単数または複数)を通常含む、局所的軟膏またはクリームとして
製剤化される。軟膏として製剤化されるとき、活性成分は、典型的には、パラフィン軟膏
基剤または水混和性軟膏基剤と混和される。あるいは、活性成分は、例えば、水中油型ク
リーム基剤を含む、クリームとして製剤化され得る。そのような経皮的製剤は、当該分野
で周知であり、一般に、活性成分またはその製剤の皮膚浸透力または安定性を高めるさら
なる成分を含む。そのような公知の経皮的製剤および成分のすべてが、本明細書中に提供
される範囲内に含まれる。
【0087】
本明細書中に提供される化合物は、経皮的デバイスによっても投与され得る。従って、
経皮的投与は、レザバータイプもしくは多孔質膜タイプまたは固体マトリックス種類のパ
ッチを用いて達成され得る。
【0088】
経口的に投与可能な、注射可能な、または局所的に投与可能な組成物について上に記載
された構成要素は、単に代表的なものである。他の材料ならびに加工手法などは、Rem
ington’s Pharmaceutical Sciences,第17版,19
85,Mack Publishing Company,Easton,Pennsy
lvaniaのPart8(参照により本明細書中に援用される)に示されている。
【0089】
経口的に投与可能な組成物、注射可能な組成物または局所的に投与可能な組成物のため
の上に記載された構成要素は、単なる代表である。他の材料ならびに加工手法などは、R
emington’s The Science and Practice of P
harmacy,21st edition,2005,Publisher:Lipp
incott Williams & WilkinsのPart8(参照により本明細
書中に援用される)に示されている。
【0090】
本発明の化合物はまた、徐放形態でまたは徐放薬物送達系から投与され得る。代表的な
徐放材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Scie
ncesに見出すことができる。
【0091】
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に受容可能な製剤にも関する。1つの実施形態に
おいて、その製剤は、水を含む。別の実施形態において、この製剤は、シクロデキストリ
ン誘導体をさらに含む。最も一般的なシクロデキストリンは、結合される糖部分上に必要
に応じて1個またはそれより多くの置換基(それらとしては、メチル化、ヒドロキシアル
キル化、アシル化およびスルホアルキルエーテル置換が挙げられるが、これらに限定され
ない)を含む、それぞれ6個、7個および8個のα-1,4-結合グルコース単位からな
るα-、β-およびγ-シクロデキストリンである。特定の実施形態において、シクロデ
キストリンは、スルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリン、例えば、Captis
ol(登録商標)としても公知のスルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンである。
例えば、米国特許第5,376,645号を参照のこと。特定の実施形態において、この
製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリンを含む。より具体的な実施形態におい
て、この製剤は、ヘキサプロピル-β-シクロデキストリン(水中10~50%)を含む
【0092】
本発明は、式(I)の化合物の薬学的に受容可能な酸付加塩にも関する。薬学的に受容
可能な塩を調製するために使用され得る酸は、無毒性の酸付加塩、すなわち、薬理学的に
許容され得るアニオンを含む塩(例えば、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、臭化水素酸塩、硝酸
塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩
、マレイン酸塩、フマル酸塩、安息香酸塩、パラ-トルエンスルホン酸塩など)を形成す
る酸である。
【0093】
以下の製剤例は、本発明に従って調製され得る代表的な薬学的組成物を例証する。しか
しながら、本発明は、以下の薬学的組成物に限定されない。
【0094】
例示的な製剤1-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥粉
末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合され得る。少量のステアリ
ン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において240~
270mgの錠剤(錠剤1つあたり80~90mgの活性な化合物)に形成される。
【0095】
例示的な製剤2-カプセル剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、
乾燥粉末として、デンプン希釈剤とおよそ1:1の重量比で混合され得る。その混合物は
、250mgのカプセル剤(カプセル剤1つあたり125mgの活性な化合物)に充填さ
れる。
【0096】
例示的な製剤3-液剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩(125m
g)が、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)と混合され得、得ら
れた混合物が混和され、No.10メッシュのU.S.篩に通され、次いで、先に調製さ
れていた微結晶性セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89
、50mg)の水溶液と混合され得る。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料および着
色料が水で希釈され、撹拌しながら添加される。次いで、5mLの合計体積となるように
、十分な水が添加され得る。
【0097】
例示的な製剤4-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥粉
末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合され得る。少量のステアリ
ン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において450~
900mgの錠剤(150~300mgの活性な化合物)に形成される。
【0098】
例示的な製剤5-注射剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、滅菌
された緩衝食塩水である注射可能な水性媒質に、およそ5mg/mLの濃度に溶解または
懸濁され得る。
【0099】
例示的な製剤6-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥粉
末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合され得る。少量のステアリ
ン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において90~1
50mgの錠剤(錠剤1つあたり30~50mgの活性な化合物)に形成される。
【0100】
例示的な製剤7-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥粉
末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比でおそらく混合され得る。少量の
ステアリン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において
30~90mgの錠剤(錠剤1つあたり10~30mgの活性な化合物)に形成される。
【0101】
例示的な製剤8-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥粉
末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合され得る。少量のステアリ
ン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において0.3~
30mgの錠剤(錠剤1つあたり0.1~10mgの活性な化合物)に形成される。
【0102】
例示的な製剤9-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥粉
末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合され得る。少量のステアリ
ン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において150~
240mgの錠剤(錠剤1つあたり50~80mgの活性な化合物)に形成される。
【0103】
例示的な製剤10-錠剤:式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩が、乾燥
粉末として、乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合され得る。少量のステア
リン酸マグネシウムが、滑沢剤として添加される。その混合物は、打錠機において270
~450mgの錠剤(錠剤1つあたり90~150mgの活性な化合物)に形成される。
【0104】
注射剤の用量レベルは、約0.1mg/kg/時~少なくとも10mg/kg/時の範
囲であり、すべて約1~約120時間、特に、24~96時間にわたる。約0.1mg/
kg~約10mg/kgまたはそれより多くの前負荷ボーラス(preloading
bolus)も、適切な定常状態レベルを達成するために投与されてもよい。最大総用量
は、40~80kgのヒト患者にとって約2g/日を越えると予想されない。
【0105】
長期間の症状の予防および/または処置の場合、処置のためのレジメンは、通常、何ヶ
月または何年にも及ぶので、患者の利便性および許容のために経口投与が好ましい。経口
投与の場合、1日あたり1~5回、特に2~4回、典型的には3回の経口投与が、代表的
なレジメンである。これらの投薬パターンを使用するとき、各用量は、約0.01~約2
0mg/kgの本明細書中に提供される化合物をもたらし、好ましい用量は、各々、約0
.1~約10mg/kg、特に、約1~約5mg/kgをもたらす。
【0106】
経皮用量は一般に、注射用量を使用して達成されるレベルと類似であるかまたはより低
い血液中レベルを提供するように選択される。
【0107】
CNS障害の発生を予防するために使用されるとき、本明細書中に提供される化合物は
、典型的には、医師の助言によりおよび医師の監視下において、上に記載された投与量レ
ベルで、その症状を発症する危険がある被験体に投与され得る。特定の症状を発症する危
険がある被験体としては、一般に、その症状の家族歴を有する被験体、またはその症状の
発症の影響を特に受けやすいと遺伝子検査もしくはスクリーニングによって特定された被
験体が挙げられる。
処置方法および使用方法
【0108】
本発明の化合物、例えば、本明細書中に記載されるような式(I)の化合物およびその
薬学的に受容可能な塩は、通常、NMDAの機能を調節するように、およびゆえに例えば
被験体におけるCNS関連の症状の処置および予防のためのオキシステロールとして作用
するように、デザインされる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される化
合物、例えば、本明細書中に記載されるような式(I)の化合物およびその薬学的に受容
可能な塩は、通常、血液脳関門を透過するようにデザインされる(例えば、血液脳関門を
越えて輸送されるようにデザインされる)。調節は、本明細書中で使用されるとき、例え
ば、NMDAレセプターの機能の阻害または増強のことを指す。特定の実施形態において
、式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、NMDAのネガティブアロステ
リック調節因子(NAM)として作用し得、NMDAレセプターの機能を阻害し得る。特
定の実施形態において、本発明、例えば、式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能
な塩は、NMDAのポジティブアロステリック調節因子(PAM)として作用し得、NM
DAレセプターの機能を増強し得る。特定の(ceratin)実施形態において、式(
I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、NMDAの機能を調節するが、NMD
Aのネガティブアロステリック調節因子(NAM)としてもポジティブアロステリック調
節因子(PAM)としても作用しない。
【0109】
いくつかの実施形態において、障害は、がんである。いくつかの実施形態において、障
害は、糖尿病である。いくつかの実施形態において、障害は、ステロール合成障害である
。いくつかの実施形態において、障害は、胃腸(GI)障害、例えば、便秘、過敏性腸症
候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病)、GI
に影響する構造障害、肛門障害(例えば、痔、内痔核、外痔核、肛門裂傷、肛門周囲膿瘍
、痔瘻)、結腸ポリープ、がん、大腸炎である。いくつかの実施形態において、障害は、
炎症性腸疾患である。
【0110】
いくつかの実施形態において、障害は、スミス・レムリ・オピッツ症候群(SLOS)
である。いくつかの実施形態において、障害は、デスモステロローシスである。いくつか
の実施形態において、障害は、シトステロール血症である。いくつかの実施形態において
、障害は、脳腱黄色腫症(CTX)である。いくつかの実施形態において、障害は、メバ
ロン酸キナーゼ欠損症(MKD)である。いくつかの実施形態において、障害は、SC4
MOL遺伝子変異(SMO欠損症)である。いくつかの実施形態において、障害は、ニー
マン・ピック病である。いくつかの実施形態において、障害は、自閉症スペクトラム障害
(ASD)である。いくつかの実施形態において、障害は、フェニルケトン尿症に関連す
る。
【0111】
NMDA調節に関連する例示的な症状としては、胃腸(GI)障害、例えば、便秘、過
敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病
)、GIに影響する構造障害、肛門障害(例えば、痔、内痔核、外痔核、肛門裂傷、肛門
周囲膿瘍、痔瘻)、結腸ポリープ、がん、大腸炎およびCNSの症状、例えば、本明細書
中に記載されるようなものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
NMDA調節に関連する例示的なCNSの症状としては、適応障害、不安障害(強迫性
障害、心的外傷後ストレス障害、社会恐怖、全般性不安障害を含む)、認知障害(アルツ
ハイマー病および他の形態の認知症(例えば、前頭側頭型認知症)を含む)、解離性障害
、摂食障害、気分障害(うつ(例えば、産後うつ)、双極性障害、気分変調性障害、自殺
念慮を含む)、統合失調症または他の精神病性障害(統合失調感情障害を含む)、睡眠障
害(不眠を含む)、物質乱用関連障害、人格障害(強迫性人格障害を含む)、自閉症スペ
クトラム障害(Shank群のタンパク質(例えば、Shank3)に対する変異を伴う
ものを含む)、神経発達障害(レット症候群を含む)、多発性硬化症、ステロール合成障
害、疼痛(急性および慢性疼痛;頭痛、例えば、片頭痛を含む)、発作性障害(てんかん
発作重積状態および一遺伝子型のてんかん、例えばドラベ病および結節性硬化症症候群(
TSC)を含む)、脳卒中、外傷性脳損傷、運動障害(ハンチントン病およびパーキンソ
ン病を含む)および耳鳴が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態におい
て、本発明の化合物、例えば、式(I)の化合物またはその薬学的に受容可能な塩は、鎮
静または麻酔を誘導するために使用され得る。特定の実施形態において、式(I)の化合
物またはその薬学的に受容可能な塩は、適応障害、不安障害、認知障害、解離性障害、摂
食障害、気分障害、統合失調症または他の精神病性障害、睡眠障害、物質関連障害、人格
障害、自閉症スペクトラム障害、神経発達障害、ステロール合成障害、疼痛、発作性障害
、脳卒中、外傷性脳損傷、運動障害および視覚障害、聴力損失ならびに耳鳴の処置または
予防において有用である。いくつかの実施形態において、障害は、ハンチントン病である
。いくつかの実施形態において、障害は、パーキンソン病である。いくつかの実施形態に
おいて、障害は、炎症性疾患(例えば、狼瘡)である。
【0113】
別の局面において、脳の興奮性に関連する症状を起こしやすいかまたはその症状に苦し
んでいる被験体における脳の興奮性を処置するかまたは予防する方法が提供され、その方
法は、その被験体に有効量の本発明の化合物、例えば、式(I)の化合物またはその薬学
的に受容可能な塩を投与することを含む。
【0114】
なおも別の局面において、本発明は、本発明の化合物、例えば、式(I)の化合物また
はその薬学的に受容可能な塩と、別の薬理学的に活性な作用物質との併用を提供する。本
明細書中に提供される化合物は、唯一の活性な作用物質として投与され得るか、または他
の作用物質と併用して投与され得る。併用での投与は、例えば、別個の投与、連続的な投
与、同時の投与および交互の投与を含む、当業者にとって明らかな任意の手法によって進
められ得る。
【0115】
疾患および障害
ステロール合成障害を処置する方法が本明細書中に記載される。例示的な障害は、本明
細書中に記載される。その方法は、被験体、例えば、SLOSなどのステロール合成障害
に罹患している被験体に、NMDAレセプター調節化合物を投与することを含む。例示的
な化合物は、本明細書中に記載される。
ステロール合成障害
【0116】
1つの局面において、ステロール合成障害を処置するための方法が本明細書中に記載さ
れる。コレステロールは、成長および発生において不可欠な規則を有する。コレステロー
ルは、膜脂質であり、また、細胞の成長および分化、タンパク質のグリコシル化ならびに
シグナル伝達経路において重要な役割を果たす多くの分子の前駆体である。コレステロー
ルの生合成には、いくつかの酵素および中間体が関わる。コレステロールの生合成に関わ
るいずれかの酵素の欠損に起因する障害は、中間体の蓄積および生体分子の不均衡をもた
らし、先天性の骨格奇形、異形顔面特徴(dysmorphic facial fea
ture)、精神運動遅滞および成長障害をはじめとした障害をもたらす。ある実施形態
において、ステロール合成障害またはステロール合成障害の症候は、ステロール合成障害
に罹患している被験体に、本明細書中に記載される化合物(例えば、本明細書中に記載さ
れるようなNMDAレセプター調節化合物)を投与することによって処置され得る。さら
なる障害が、下記に記載される。
スミス・レムリ・オピッツ症候群
【0117】
1つの局面において、スミス・レムリ・オピッツ症候群(もしくはSLOS、または7
-デヒドロコレステロールレダクターゼ欠損症)を処置するための方法が本明細書中に記
載される。SLOSは、コレステロール合成の先天異常である。小頭症、中等度から重度
の知的障害、感覚過敏症、常同行動、異形顔面特徴および第2/第3足指の合指症に加え
て、この疾患の特徴は、低レベルのセレブロステロール(24(S)-ヒドロキシコレス
テロール)である。SLOSは、コレステロール合成経路の最後の酵素の欠損に起因する
、常染色体劣性遺伝子の症状であり、低レベルまたは低レベル~正常レベルの血漿コレス
テロールならびに高レベルの7-および8-デヒドロコレステロール(DHC;7DHC
および8DHC)を引き起こす。現在用いられている一般的な治療としては、食事由来の
コレステロール補充、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素Aレダクターゼ阻害
剤(スタチンとしても知られるHMG CoAレダクターゼ阻害剤)による処置、ならび
にコレステロールの産生および/または累積を高める作用物質による処置;ならびに潜在
的に毒性のコレステロール前駆体である7DHCおよび8DHCの蓄積を減少させること
が挙げられる。
デスモステロローシス
【0118】
デスモステロローシスは、デスモステロールレダクターゼの欠乏であり、SLOSと類
似の表現型を有する。1つの局面において、本明細書中に記載される化合物でデスモステ
ロローシスを処置するための方法が本明細書中に記載される。
シトステロール血症
【0119】
シトステロール血症は、2つのATP結合カセット(ABC)トランスポーター遺伝子
(ABCG5およびABCG8)における変異が原因の珍しい常染色体劣性障害である。
シトステロール血症は、腸からの植物ステロールおよびコレステロールの吸収を高める。
患者は、通常、腱黄色腫および結節状黄色腫ならびに早発性の冠動脈疾患を示す。1つの
局面において、本明細書中に記載される化合物でシトステロール血症を処置するための方
法が本明細書中に記載される。
脳腱黄色腫症(CTX)
【0120】
1つの局面において、本明細書中に記載される化合物で脳腱黄色腫症(大脳コレステリ
ン沈着症またはVan Bogaert-Scherer-Epstein症候群とも称
される)を処置するための方法が本明細書中に記載される。CTXは、ステロール27-
ヒドロキシラーゼ酵素を産生するCYP27A1遺伝子における変異が原因であり得る。
ステロール27-ヒドロキシラーゼは、コレステロールを、腸における脂肪の吸収におい
て重要な胆汁酸(例えば、ケノデオキシコール酸)に代謝する。酵素の機能不全は、組織
におけるコレステロール蓄積をもたらし得る。CTXは、小児における下痢、成人におけ
る白内障、腱黄色腫、低い精神能力(reduced mental capabili
ty)および異常運動を特徴とする。
メバロン酸キナーゼ欠損症症候群(MKD)
【0121】
メバロン酸キナーゼ欠損症(メバロン酸尿症(MKDのより重度の形態)、または周期
性発熱症候群を伴う高IgD症候群(HIDSすなわち高グロブリンD血症)(MKDの
より良性の形態)とも称される)は、メバロン酸キナーゼの不十分な活性の結果として、
尿中のメバロン酸の蓄積を引き起こす。MKDは、発育遅延、筋緊張低下、貧血、肝脾腫
大、異形特徴、精神遅滞および全般的な成長障害をもたらし得る。メバロン酸尿症は、身
体および精神の発達の遅れ、成長障害、嘔吐および下痢を伴う発熱の反復性エピソード、
肝臓、脾臓およびリンパ節の肥大、小頭症(小さい頭のサイズ)、白内障、低筋緊張、低
身長(short statute)、独特の顔面特徴、運動失調ならびに貧血を特徴と
する。HIDSは、リンパ節の腫大、関節痛、胃腸の問題および発疹を伴う発熱の再発性
エピソードを特徴とする。1つの局面において、本明細書中に記載される化合物でMKD
を処置するための方法が本明細書中に記載される。
SC4MOL遺伝子変異(SMO欠損症)
【0122】
SC4MOL遺伝子欠損は、コレステロール生合成経路における遺伝的障害(例えば、
新規ステロールオキシダーゼをコードするSC4MOL遺伝子における変異)である。S
C$MOL欠損は、血液、皮膚薄片または初代皮膚線維芽細胞において検出され得るジメ
チルステロールおよびモノメチルステロールの蓄積を特徴とする。1つの局面において、
本明細書中に記載される化合物でSMO欠損症を処置するための方法が本明細書中に記載
される。
ニーマン・ピック病
【0123】
ニーマン・ピック病は、代謝に影響する遺伝子変異に起因するリソソーム蓄積症である
。ニーマン・ピック病は、身体がコレステロールおよび他の脂肪性物質(脂質)を輸送で
きないことに起因して、それらの物質の異常な蓄積に至る。この蓄積は、患部を損傷する

自閉症
【0124】
1つの局面において、自閉症スペクトラム障害または自閉症を処置するための方法が本
明細書中に記載される。自閉症スペクトラム障害(ASD)および自閉症とは、脳の発達
の複雑な障害の一群のことを指す。自閉症は、通常、社会的な相互作用、例えば、言語に
よるコミュニケーションおよび言語によらないコミュニケーションが困難であることを特
徴とする。自閉症を有する個体には、反復性の行動が見られることも多い。自閉症は、知
的障害、運動協調性および注意の困難、ならびに身体的な健康問題、例えば、睡眠障害お
よび胃腸障害を伴い得る。自閉症を有する個体は、視覚的な技術、音楽、数学および芸術
に優れることもある。自閉症とは、自閉症障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発
達障害(PDD-NOS)およびアスペルガー症候群のことを指し得る。自閉症とは、一
遺伝子が原因の自閉症、例えば、シナプトパチー(synaptophathy’s)、
例えば、レット症候群、脆弱X症候群、アンジェルマン症候群のことも指す。
フェニルケトン尿症に関連する障害
【0125】
1つの局面において、本明細書中に記載される化合物でフェニルケトン尿症に関連する
障害(例えば、認知障害)を処置するための方法が本明細書中に記載される。フェニルケ
トン尿症は、低コレステロール血症(hypochesterolemia)および低ビ
タミンD状態に至り得る。総コレステロールおよび低密度コレステロールならびに25-
ヒドロキシビタミンDは、フェニルケトン尿症に罹患していない被験体と比べて、フェニ
ルケトン尿症に罹患している被験体において低下していると見出された(Clin.Ch
im.Acta 2013,416:54-59)。24S-ヒドロキシコレステロール
および27S-ヒドロキシコレステロールおよび7α-ヒドロキシコレステロール(例え
ば、それぞれ末梢および肝臓のコレステロールの排泄を代表する)は、フェニルケトン尿
症に罹患している被験体において有意に低下していると示された一方で、7β-ヒドロキ
シコレステロール(例えば、酸化ストレスを反映する)は、フェニルケトン尿症に罹患し
ている被験体において有意に増加した。24S-OHCおよび7β-ヒドロキシコレステ
ロールのレベルの変化は、フェニルアラニンのレベルと相関し、27S-ヒドロキシコレ
ステロールのレベルは、フェニルケトン尿症に罹患している被験体において25-ヒドロ
キシビタミンDのレベルと相関し得る。
【0126】
省略形:
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド;DMAP:4-ジメチルアミノピリジン;T
EA:トリエチルアミン;AlaOH:アラニン;Boc:t-ブトキシカルボニル。P
y:ピリジン(pydidine);THF:テトラヒドロフラン;TMS:トリメチル
シリル;TBS(TBDMS):t-ブチルジメチルシリル;NaSO:硫酸ナトリ
ウム;PE:石油エーテル;DCM:ジクロロメタン;EtOAc:酢酸エチル、MeO
H:メタノール;Py:ピリジン、Boc:t-ブトキシカルボニル;MTBE:メチル
tert-ブチルエーテル。
【実施例
【0127】
本明細書中に記載される本発明がより充分に理解され得る目的で、以下の実施例を示す
。合成方法または中間体は、例えば、WO2014/160480に見出され得る。本
願に記載される合成のおよび生物学的な実施例は、本明細書中に提供される化合物、薬学
的組成物および方法を例証するために提供されるものであって、決してその範囲を限定す
ると解釈されるべきでない。
【0128】
本明細書中で割り当てられる立体化学(例えば、ステロイドのC24位への「R」また
は「S」の割り当て)は、暫定的に(例えば、ランダムに)割り当てられ得る。例えば、
C24位は、絶対配置が「S」であるとき、「R」配置で描かれることがある。また、C
24位は、絶対配置が「R」であるとき、「S」配置で描かれることがある。
【0129】
実施例1.化合物1の合成
【化39】
【0130】
化合物1-2の合成。DCM(10mL)中の化合物1-1(0.3g,0.58mm
ol;Takahashiら、Tetrahedron Letters,2003,4
4(2),341-344に記載されているように合成された)の溶液に、DMAP(7
.08mg,0.058mmol)、TEA(95.7mg,0.87mmol)、DC
C(179mg,0.87mmol)および2-((tert-ブトキシカルボニル)ア
ミノ)酢酸(203mg,1.16mmol)を添加した。この混合物を15℃で16時
間撹拌し、この時点において、DMAP(7.08mg,0.058mmol)、TEA
(95.7mg,0.87mmol)、DCC(179mg,0.87mmol)および
2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)酢酸(203mg,1.16mmol
)のさらなるアリコートを添加した。この混合物を25℃で16時間撹拌し、次いで、こ
の混合物を濾過し、濾液を飽和NHCl水溶液(30mL)で希釈し、DCMで抽出し
た(10mL×2)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗
生成物の化合物1-2を得、これを精製せずに次の工程で直接使用した。H NMRは
、45%という推定収率を示した。
【0131】
化合物1-3の合成。化合物1-2(350mg,0.519mmol)をTBAF(
5.18mL,5.18mmol,THF中1M)に溶解し、この混合物を15℃で16
時間撹拌した。この混合物を飽和NHCl(10mL)でクエンチし、EtOAcで抽
出した(5mL×2)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、シ
リカゲル(PE:EtOAc=10:1)により精製して、粗生成物の化合物1-3(2
50mg,化合物1-2/化合物1-3=0.55/0.45)生成物を無色油状物とし
て得た。
【0132】
化合物1の合成。化合物1-3をHCl/ジオキサン(4N,5mL)に溶解し、この
混合物を15℃で30分間撹拌した。次いで、MTBE(5mL)をこの混合物に添加し
たところ、沈殿物が形成し、これを濾過し、prep-HPLC(カラム:Phenom
enex Synergi C18 15030mm4um、勾配:36~66%B
(A=0.05%HCl-ACN、B=アセトニトリル)流速:30mL/分)により精
製して、化合物1のHCl塩(6mg,2.92%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.36-5.35 (m, 1H), 3.91-3.81 (m, 2H), 3.43
-3.38 (m, 1H), 2.68-2.25 (m, 2H), 2.10-0.94 (m, 37H), 0.74 (s, 3H).
2949NONa[M+Na]のLCMS MS ESI計算値482、実測値
482。
【0133】
実施例2.化合物2の合成
【化40】
【0134】
化合物2-2の合成。DCM(10mL)中の化合物1-1(0.3g,0.58mm
ol)の溶液に、DMAP(21.2mg,0.174mmol)、TEA(191mg
,1.74mmol)、DCC(452mg,1.74mmol)および(S)-2-(
(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-メチルブタン酸(378mg,1.7
4mmol)を添加した。この混合物を25℃で16時間撹拌した。この混合物を濾過し
、濾液を濃縮し、コンビフラッシュ(PE:EA=100%~95%)により精製して、
化合物2-2(380mg,92%)を無色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, C
DCl3) δ 5.31-5.19 (m, 1H), 5.03-4.99 (m, 1H), 4.74-4.72 (m, 1H), 4.2
3-4.20 (m, 1H), 3.50-3.44 (m, 1H), 2.29-2.17 (m, 3H), 1.85-0.85 (m, 6
0H), 0.66 (s, 3H), 0.05 (s, 6H)。
【0135】
化合物2-3の合成。TBAF(15.9mL,15.9mmol,THF中1M)中
の化合物2-2(380mg,0.53mmol)を15℃で16時間撹拌した。この混
合物を飽和NHCl水溶液(20mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(10m
L×2)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシ
ュ(PE:EA=100%~90%)により精製して、化合物2-3を無色油状物として
得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.35-5.29 (m, 1H), 5.01-4.99 (m, 1H)
, 4.75-4.73 (m, 1H), 4.23-4.20 (m, 1H), 3.52-3.50 (m, 1H), 2.29-2.17
(m, 3H), 1.85-0.85 (m, 52H), 0.66 (s, 3H)。
【0136】
化合物2の合成。化合物2-3(50mg,0.083mmol)をHCl/ジオキサ
ン(1mL)に溶解し、15℃で30分間撹拌した。次いで、MTBE(1mL)をこの
混合物に添加したところ、沈殿物が形成し、これを濾過して、化合物2のHCl塩(5m
g,12.0%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ
5.36-5.30 (m, 1H), 3.97-3.80 (m, 1H), 3.50-3.40 (m, 1H), 2.50-2.40 (m,
3H), 2.35-0.85 (m, 46H), 0.74 (s, 3H).C3256NO[M+H]のL
CMS MS ESI計算値502、実測値502。
【0137】
実施例3.化合物3の合成
【化41】
【0138】
3-2の合成。ヨウ素(1.17g,4.63mmol)を、0℃のCHCl(2
0mL)中の亜リン酸トリメチル(526mg,4.24mmol)の溶液に添加した。
5分間撹拌した後、この無色透明の溶液を15℃に加温した。このリン酸化剤を、0℃の
CHCl(30mL)中の、化合物1-1(2.0g,3.86mmol)およびピ
リジン(1.21g,15.4mmol)の溶液に滴下により添加した。得られた混合物
を0℃で1時間撹拌し、次いで、15℃に冷却し、さらに1時間撹拌した。この反応混合
物を水(50mL)で処理し、CHClで抽出した(50mL×2)。合わせた有機
相をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧中で濃
縮した。その残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=10
/1~3/1)により精製して、化合物3-2(1.8g,75%)をオフホワイトの固
体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.35-5.30 (m, 1H), 4.20-4.17
(m, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.48-3.46 (m, 1H), 2.26-2.15 (m
, 2H), 1.93-1.61 (m, 7H), 1.55-0.88 (m, 38H), 0.66 (s, 3H), 0.05 (s,
6H)。
【0139】
化合物3の合成。CHCl(5mL)中の化合物3-2(300mg,480μm
ol)の溶液に、ブロモトリメチルシラン(220mg,1.44mmol)を15℃に
おいて添加し、この反応物を12時間撹拌した。この反応混合物をNaOH水溶液(1.
44mL,1.44mmol,HO中1M)でpH=8に調整したところ、沈殿物が形
成し、次いでこれを濾過し、CHCl(2mL)および水(2mL)で洗浄し、減圧
中で乾燥させて、化合物3(30mg,12%)をオフホワイトの固体として得た。1H
NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 5.24-5.23 (m, 1H), 3.87-3.85 (m, 1H), 3.24-
3.21 (m, 1H ), 2.13-2.06 (m, 2H), 1.91-1.60 (m, 6H), 1.50-0.80 (m, 3
3H), 0.62 (s, 3H).C2744[M+H-HO-NaP]のLCMS
MS ESI計算値367、実測値367。C2746P[M-H]のHRMS
MS ESI計算値481.3088、実測値481.3105。
【0140】
実施例4.化合物4の合成
【化42】
【0141】
化合物4-2の合成。THF(30mL)中の、化合物4-1(2g,5.01mm
ol)およびPd/C(200mg,10%)の溶液を25℃で3時間、15psiの水
素下で水素化した。この混合物をセライトパッドで濾過し、濾液を減圧中で濃縮して、化
合物4-2(1.8g,粗)をオフホワイトの固体として得た。
【0142】
化合物4-3の合成。THF(25mL)中の化合物4-2(1.8g,4.47mm
ol)の溶液に、THF(5mL)中のLiAlH(339mg,8.94mmol)
の溶液を15℃未満で滴下により添加した。この溶液を15℃で2時間撹拌した。この反
応物を、0℃の飽和NHCl水溶液(20mL)を添加することによってクエンチした
。得られた混合物をEtOAcで抽出した(2×50mL)。合わせた有機層をブライン
で洗浄し(2×30mL)、減圧中で濃縮して、化合物4-3(1.6g,粗)を淡黄色
固体として得た。
【0143】
化合物4-4の合成。DCM(10mL)およびTHF(10mL)中の化合物4-3
(1.6g,4.27mmol)の混合物を、PCC(2.27g,10.6mmol)
に25℃において添加した。この反応物を25℃で3時間撹拌した。この溶液を濾過し、
濾過ケーキをDCM(25mL)で洗浄した。合わせた濾液を減圧中で濃縮した。その残
渣を、PE/EtOAc=8/1で溶出するシリカゲルカラムにより精製して、化合物4
-4(0.9g,54%)をオフホワイトの固体として得た。
【0144】
化合物4-5の合成。THF(30mL)中の化合物4-4(0.9g,2.41mm
ol)の溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド(3.61mL,7.23mmol
,THF中2M)を-78℃において滴下により添加した。この混合物を-78℃で2時
間撹拌した。次いで、この混合物を25℃まで加温し、3時間撹拌した。この反応物を水
(100mL)に注ぎ、EtOAcで抽出した(2×30mL)。合わせた有機層をブラ
イン(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮した。その残渣を、
PE/EtOAc=5/1で溶出するシリカゲルカラムにより精製して、化合物4-5(
0.6g,57%)をオフホワイトの固体として得た。
【0145】
化合物4の合成。ピリジン(3mL)中の化合物4-5(200mg,479μmol
)の溶液に、SO-Py(76.1mg,4.79mmol)を添加し、この混合物を
40℃で16時間撹拌した。ピリジンを減圧下で除去し、その残渣をNaOH(水中3%
、20mL)で希釈し、次いで、BuOHで抽出した(10mL×3)。合わせた有機相
をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュ(MeOH中のDCM=
100%~75%)により精製して、化合物4(6mg,2%)をオフホワイトの固体と
して得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 5.25-5.19 (m, 1H), 4.35 (brs,
1H), 3.85-3.75 (m, 1H), 1.95-0.79 (m, 41H), 0.65 (m, 3H). C2847
S[M+H-HO]のLCMS MS ESI計算値479、実測値479。
【0146】
実施例5.化合物5の合成
【化43】
【0147】
化合物5-2Aおよび化合物5-2Bの合成。分子状ヨウ素(1.10g,4.34m
mol)を0℃のCHCl(3mL)中の亜リン酸トリメチル(584mg,4.7
1mmol)の溶液に添加した。5分間撹拌した後、この無色透明の溶液を20℃に加温
し、0℃のCHCl(2mL)中の、化合物5-1(500mg,1.24mmol
)およびピリジン(783mg,9.92mmol)の溶液に滴下により添加した。得ら
れた混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、20℃に加温し、さらに1時間撹拌した。こ
の反応混合物を水(20mL)で処理し、CHClで抽出した(20mL×2)。合
わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、
減圧中で濃縮し、シリカゲル(PE/EtOAc=8/1~3/1)において精製し、化
合物5-2A(200mg,32%)をオフホワイトの固体として、および化合物5-2
B(50mg,7%)を淡黄色油状物として得た。化合物5-2A:1H NMR (400 MHz
, CDCl3) δ 5.39-5.35 (m, 1H), 4.30-4.18 (m, 2H), 3.77 (s, 6H ), 3.
74 (s, 6H), 2.44-2.40 (m, 2H), 1.98-1.57 (m, 8H), 1.48-0.92 (m, 28H),
0.67 (s, 3H). 化合物5-2B:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.39-5.36 (
m, 1H), 4.25-4.18 (m, 1H), 3.77 (s, 3H ), 3.74 (s, 3H), 3.35-3.25 (
m, 1H), 2.44-2.40 (m, 2H), 1.99-1.57 (m, 8H), 1.57-0.88 (m, 29H), 0.6
8 (s, 3H)。
【0148】
化合物5の合成。CHCl(3mL)中の化合物5-2A(50mg,80.8μ
molμmol)の溶液に、TMSBr(74.1mg,484.8μmolμmol)
を20℃において添加し、この混合物を12時間撹拌したところ、この時点において、T
LC解析は、出発物質が完全に消費されたことを示した。この反応混合物をNaOH水溶
液(484uL,484μmol,HO中1M)でpH=8に調整したところ、沈殿物
が形成した。この白色固体を濾過し、CHCl(2mL)および水(2mL)で洗浄
し、減圧中で乾燥させて、化合物5(9.8mg,19%)をオフホワイトの固体として
得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 5.30-5.25 (m, 1H), 3.95-3.80 (m, 2
H), 2.37-2.26 (m, 1H), 2.26-2.15 (m, 1H), 1.96-1.77 (m, 6H), 1.55-0.79
(m, 30H), 0.62 (s, 3H).C2743[M+H-2HPOのLCMS
MS ESI計算値367、実測値367。C2747[M-H]のHRM
S MS ESI計算値561.2752、実測値561.2760。
【0149】
実施例6.化合物6の合成
【化44】
【0150】
化合物3-2の合成。ヨウ素(1.17g,4.63mmol)を、0℃のCHCl
(20mL)中の亜リン酸トリメチル(526mg,4.24mmol)の溶液に添加
した。5分間撹拌した後、この無色透明の溶液を15℃に加温し、その後、それを0℃の
CHCl(30mL)中の化合物1-1(1.21g,15.4mmol)の溶液に
滴下により添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、15℃に加温し、
さらに1時間撹拌した。この反応混合物を水(50mL)で処理し、CHClで抽出
し(50mL×2)、合わせた有機相をブライン(50mL)で洗浄し、無水NaSO
で乾燥させ、濾過し、減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲル(PE/EtOAc=
10/1~3/1)において精製して、化合物3-2(1.8g,75%)をオフホワイ
トの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.35-5.30 (m, 1H), 4.20-
4.18 (m, 1H), 3.76 (s, 3H ), 3.73 (s, 3H), 3.48-3.46 (m, 1H), 2.26-
2.17 (m, 2H), 1.95-1.61 (m, 7H), 1.48-0.88 (m, 41H), 0.66 (s, 3H), 0
.05 (s, 6H)。
【0151】
化合物6-3Aおよび化合物6-3Bの合成。化合物3-2(1.5g,2.40mm
ol)をMeOH(20mL)に溶解し、超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によ
って分離して、化合物6-3A(490mg,33%)および化合物6-3B(400m
g,27%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.3
0-5.25 (m, 1H), 4.20-4.18 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.48-
3.44 (m, 1H ), 2.30-2.10 (m, 2H), 1.98-1.57 (m, 7H), 1.53-0.88 (m, 3
8H), 0.67 (s, 3H), 0.05 (s, 6H). 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.
25 (m, 1H), 4.20-4.17 (m, 1H), 3.76 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 3.50-3.44
(m, 1H ), 2.26-2.10 (m, 2H), 1.98-1.62 (m, 11H), 1.48-0.88 (m, 34H)
, 0.67 (s, 3H), 0.05 (s, 6H). 脱保護に供されない6-3Bに対しては、91
%deが得られた。
6の合成。CHCl(3mL)中の化合物6-3A(100mg,160μmol
)の溶液に、TMSBr(97.9mg,640μmol)を添加し、この反応物を20
℃で12時間撹拌した。この反応混合物をNaOH水溶液(640uL,640μmol
,HO中1M)でpH=8に調整したところ、固体が沈殿した。この白色固体を濾過し
、CHCl(2mL)、水(2mL)で洗浄し、減圧により乾燥させて、化合物6(
45.7mg,54%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-
d6) δ 5.30-5.20 (m, 1H), 3.89-3.80 (m, 1H), 3.26-3.20 (m, 1H), 2.15-
1.60 (m, 8H), 1.55-0.80 (m, 30H), 0.63 (s, 3H).LCMS Rt=1.33
0分(2.0分間のクロマトグラフィー、10-80AB)、C2743[M+H-H
PO-HO]のMS ESI計算値367、実測値367。C2746
[M-H]のHRMS MS ESI計算値481.3088、実測値481.308
5。
実施例7.化合物7の合成
【化45】


ピリジン(2mL)中の化合物4-1(0.1g,0.239mmol)の溶液に、ジ
ヒドロフラン-2,5-ジオン(71.7mg,0.717mmol)およびDMAP(
14.5mg,0.119mmol)を添加した。この混合物を15℃で16時間撹拌し
た。この反応物に、飽和NHCl水溶液(10mL)を添加し、EtOAcで抽出した
(2×5mL)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフ
ラッシュ(PE:EA=100%~70%、DCM:MeOH=100%~95%)によ
り精製して、化合物7(40mg)を無色油状物として得、これをPE(5mL)で洗浄
し、濾過して、化合物7(10mg,収率8%)をオフホワイトの固体として得た。1H
NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.29 (m, 1H), 4.73-7.70 (m, 1H), 2.67-2.
63 (m, 4H), 2.45-2.35 (m, 1H), 1.99-1.95 (m, 3H), 1.85-0.80 (m, 39H),
0.66 (s, 3H). LCMS t=1.591分(2分間のクロマトグラフィー、1
0-80AB_ELSD)、C3252Na[M+Na]のMS ESI計算値
539、実測値539。
実施例10.化合物10の合成
【化46】


ピリジン(2mL)中の化合物10-1(50mg,0.124mmol;Upasa
niら、WO2013/36835,[00375]に記載されているように合成された
)の溶液に、ジヒドロフラン-2,5-ジオン(37.2mg,0.372mmol)お
よびDMAP(7.57mg,0.062mmol)を添加した。この混合物を15℃で
16時間撹拌し、次いで、別のバッチのジヒドロフラン-2,5-ジオン(37.2mg
,0.372mmol)およびDMAP(7.57mg,0.062mmol)を添加し
た。この混合物を15℃で16時間撹拌した。この反応溶液を飽和NHCl水溶液(5
mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(3mL×2)。合わせた有機相をNa
で乾燥させ、濾過し、濃縮した。その残渣をコンビフラッシュ(PE中0~30%の
EtOAc)により精製して、50mgの不純な化合物10を得た。この混合物をpre
p-HPLC(カラム:Gemini 15025 5u、勾配:65~65%B(A
=0.05%HCl-ACN、B=アセトニトリル)によりさらに精製して、化合物10
(5mg,8%収率)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3)
δ 5.35-5.25 (m, 1H), 2.60-2.55 (m, 5H), 2.45-2.35 (m, 2H), 2.10-0.8
0 (m, 39H), 0.67 (s, 3H). LCMS t=1.523分(2分間のクロマトグ
ラフィー、10-80AB_ELSD)、C3150Na[M+Na]のMS
ESI計算値525、実測値525。
実施例11.化合物11の合成
【化47】


化合物11-2の合成。DCM(5mL)中の、化合物5-1(300mg,745μ
mol)および(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(
423mg,2.41mmol)の溶液に、DCC(767mg,3.72mmol)、
DMAP(45mg,368μmol)、TEA(452mg,4.47mmol)を添
加した。この混合物を30℃で3時間撹拌した。この混合物をブライン(10mL)によ
って洗浄し、EtOAcによって抽出した(20mL×2)。合わせた有機層をNa
によって乾燥させ、濾過し、減圧中でエバポレートした。その残渣をシリカゲルクロ
マトグラフィー(PE/EtOAc=5/1)により精製して、化合物11-2(300
mg,54%収率)を黄色油状物として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.40-
5.37 (m, 1H), 5.17-5.04 (m, 2H), 4.76-4.61(m, 2H), 4.30-4.17 (m, 2H),
2.36-2.30 (m, 2H), 2.00-1.95 (m, 2H), 1.88-1.77 (m, 4H), 1.61-0.88 (
m, 54H), 0.67 (s, 3H)。
化合物11の合成。化合物11-2(150mg,209μmol)をHCl/ジオキ
サン(3mL,4M)に添加した。この混合物を25~27℃で1時間撹拌した。この混
合物を濾過し、MTBEで洗浄し(5mL×2)、減圧中で乾燥させて、オフホワイトの
固体を得た。この固体を水/MeCN(5mL/1mL)に溶解させて凍結乾燥させるこ
とを3回行って、残留溶媒を除去して、化合物11(71mg,収率43%収率)をオフ
ホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ5.45-5.44 (m, 1H), 4.
74-4.66 (m, 1H), 4.17-4.05 (m, 2H), 2.44-2.37 (m, 2H), 2.09-1.87 (m,
6H),1.72-0.95 (m, 37H),0.75(s, 3H).LCMS Rt=0.831分(2.0分間の
クロマトグラフィー、30-90AB)、C3357[M+H]のMS E
SI計算値545、実測値545.5。
実施例12.化合物12の合成
【化48】


化合物12-2の合成。DCM(5mL)中の化合物1-1(500mg,967μm
ol)の溶液に、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸
(586mg,3.10mmol)、DCC(764mg,3.71mmol)、TEA
(376mg,3.72mmol)、DMAP(151mg,1.24mmol)を添加
した。この混合物を30℃で3時間撹拌した。この混合物を水(10mL)によって洗浄
し、EtOAcで抽出した(20mL×2)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ
、濾過し、濃縮して、残渣を得、これを水(15mL)で希釈した。この懸濁液を60℃
で30分間加熱した。この混合物を濾過して、化合物12-2(579mg,1.00m
mol)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.31 (
d, 1H), 5.19 (s, 1H), 5.08 (d, 1H), 4.79 - 4.62 (m, 1H), 4.38 - 4
.06 (m, 1H), 3.56 - 3.39 (m, 1H), 2.35 - 2.10 (m, 2H), 2.08 - 1.9
0 (m, 2H), 1.90 - 1.66 (m, 5H), 1.65 - 1.32 (m, 21H), 1.30 - 0.79
(m, 28H), 0.66 (s, 3H), 0.17-0.01 (m, 6H)。
化合物12-3の合成。化合物12-2(300mg,435μmol)の溶液に、T
BAF/THF(5mL,1M)を添加した。この混合物を23~25℃で30分間撹拌
した。この混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAcによって抽出した(20mL×
2)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得、これを
SFC((カラム:AD(250mm30mm,5um)、条件:塩基-ETOH、開
始:B25%流速(ml/分):70)により精製して、化合物12-3(392mg)
をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.53 - 5.20
(m, 1H), 5.09 (d, 1H), 4.86 - 4.57 (m, 2H), 4.30 (t, 1H), 3.84 -
3.35 (m, 1H), 2.52 - 2.17 (m, 2H), 2.04 - 1.92 (m, 2H), 1.89 - 1.
75 (m, 4H), 1.69 - 0.82 (m, 42H), 0.67 (s, 3H)。
化合物12の合成。化合物12-1(300mg,522μmol)をHCl/ジオキ
サン(3ml,4M)に添加した。この混合物を25~27℃で1時間撹拌した。この混
合物を濾過し、MTBEで洗浄し(5ml×2)、減圧中で乾燥させて、オフホワイトの
固体を得た。残渣を水/MeCN(5mL/1mL)に溶解させて凍結乾燥させることを
3回行って、残留溶媒を除去して、化合物12-2(90mg,34%収率)をオフホワ
イトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.36 (d, 1H), 4.95-4.
4.70 (m, 3H), 3.80-3.70 (m, 1 H), 3.46 - 3.36 (m, 1H), 2.28 - 2.16
(m, 2H), 2.10 - 1.75 (m, 6H), 1.76 - 1.61 (m, 2H), 1.62 - 1.39
(m, 11H), 1.38 - 1.25 (m, 1H), 1.25 - 1.07 (m, 4H), 1.04 (s, 3H),
1.01 - 0.91 (m, 10H), 0.74 (s, 3H).LCMS Rt=0.991分(2.0
分間のクロマトグラフィー、30-90AB)、C3051NONa[M+Na]
のMS ESI計算値496.39、実測値496.3。
実施例13.化合物13の合成
【化49】


工程1。THF(70mL)中の13-1(7.0g,16.2mmol)の溶液に、
臭化エチルマグネシウム(26.9mL,80.9mmol,EtO中3M)を窒素雰
囲気下、0℃において滴下により添加した。この反応混合物を25℃で12時間撹拌した
。TLCは、出発物質が完全に消費されたことを示した。この混合物を飽和NHCl水
溶液(100mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(200mL×2)。合わせた
有機相をブライン(200mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、減圧中で濃縮
した。その残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/
1)により精製して、13-2(500mg,7.7%)を白色固体として得た。1H NM
R (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.28 (m, 1H), 2.42-2.39 (m , 5H), 1.98-1.
63 (m, 8H), 1.53-1.25 (m, 16H), 1.23-0.84 (m, 28H), 0.66 (s, 3H)。
工程2。MeOH(10mL)中の13-2(500mg,1.24mmol)の溶液
に、NaBH(93.8mg,2.48mmol)を小分けにして添加した。この反応
混合物を25℃で2時間撹拌した。TLCが、出発物質が消費されたことを示した後、新
しいスポットが生成された。この反応混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)でクエ
ンチし、EtOAcで抽出した(30mL×2)。合わせた有機相をブライン(30mL
)で洗浄し、減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(
PE/EtOAc=20/1)により精製して、13-3(500mg,粗)を得、これ
をprep-HPLCにより精製して、純粋な13-3(60mg,12%)を白色固体
として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.29 (d, J = 4.4 Hz,1H), 3.48
-3.47 (m , 1H), 2.42 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 2.02-1.57 (m, 12H), 1.5
7-0.92 (m, 26H), 0.67 (s, 3H)。
工程3。ピリジン(2mL)中の化合物13-3(200mg、496μmol)の溶
液に、DMAP(30.3mg,248μmol)およびジヒドロフラン-2,5-ジオ
ン(199mg,1.98mmol)を添加した。この混合物を25~27℃で16時間
撹拌した。この反応混合物を飽和NHCl水溶液(3ml)によって洗浄し、酢酸エチ
ルで抽出した(2mL×2)。合わせた有機層を減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(PE/EtOAc=1/1)により精製して、化合物13(42
mg,ジアステレオマーの混合物に対して17%収率)をオフホワイトの固体として得た
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δδ 5.35 - 5.22 (m, 1H), 4.87 - 4.70 (m
, 1H), 2.79 - 2.54 (m, 4H), 2.42 (d, 1H), 2.09 - 1.91 (m, 3H), 1.
89 - 1.64 (m, 3H), 1.64 - 1.30 (m, 13H), 1.32 - 0.76 (m, 21H), 0.
67 (s, 3H). LCMS Rt=2.265分(3.0分間のクロマトグラフィー、1
0-80AB)、C3150Na[M+Na]のMS ESI計算値525.3
7、実測値525.3。
実施例14.化合物14の合成
【化50】


化合物14-2の合成。ピリジン(2mL)中の化合物1-1(0.3g,0.58m
mol)の溶液に、Py-SO(276mg,1.74mmol)を添加した。この混
合物を40℃で16時間撹拌した。この混合物を濃縮し、その残渣をNaOH(20mL
,水中3%)で希釈した。この混合物をPE(10mL)で抽出し、有機層を分離した。
水層をBuOHで抽出した(2×15mL)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ
、濾過し、濃縮して、化合物14-2(400mg,粗)を黄色固体として得た。1H NM
R (400 MHz, MeOD) δ 5.34-5.33 (m, 1H), 4.14-4.11 (m, 1H), 3.58-3.54
(m, 1H), 2.30-0.85 (m, 48H), 0.74 (s, 3H), 0.08 (s, 6H)。
化合物14の合成。DCM(5ml)中の化合物14-2(200mg,0.335m
mol)の溶液に、HF-Py(2mL)を添加した。この混合物を15℃で16時間撹
拌した。この反応混合物をNaOH溶液(10mL,水中3%)で希釈し、DCMで抽出
した(2×5mL)。合わせた有機層をNaOH溶液(10mL,水中3%)で洗浄し、
分離し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残渣を得、これをコンビフラッシ
ュ(combi-flsh)(PE:EA=100%~60%、DCM:MeOH=10
0%~90%)により精製して、50mgの化合物14を無色油状物として得た。この油
状物をHOから結晶化して、化合物14(10mg,6%)をオフホワイトの固体とし
て得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.36-5.35 (m, 1H), 4.63 (s, 1H), 4
.17-4.13 (m, 1H), 3.43-3.38 (m, 1H), 2.24-2.20 (m, 2H), 2.15-0.85 (m,
37H), 0.74 (s, 3H). LCMS t=1.271分(2分間のクロマトグラフィ
ー、10-80AB_ELSD)、C2745S[M+H-HO]のMS E
SI計算値465、実測値465。
実施例16.化合物16および17の合成
【化51】


化合物5-3の合成。DCM(20mL)中の、化合物5-1(1.5g,3.72m
mol)、Boc-Ala-OH(703mg,3.72mmol)、DMAP(45.
4mg,0.37mmol)、TEA(376mg,3.72mmol)の溶液に、DC
C(767mg,3.72mmol)を15℃において添加した。この混合物を15℃で
20時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、濾液を減圧中で濃縮して、粗生成物を得、
これをフラッシュカラム(PE中のEtOAc、60分で0~30%)により精製して、
化合物5-3(600mg,28%)を得た。
化合物16および17の合成。ジオキサン(4mL)中の化合物5-3(600mg)
の溶液に、HCl(2mL,ジオキサン中4M)を15℃において添加した。この混合物
を15℃で16時間撹拌した。MTBE(15mL)を添加したところ、オフホワイトの
固体が生成した。この混合物を濾過した。濾過ケーキをMTBEで洗浄し、減圧中で濃縮
して、オフホワイトの固体(600mg)を得、これをprep.HPLC(カラム:P
henomenex Gemini 15025mm10um;条件:水(0.05
%HCl)-ACN、10分間で50~60%B、100%B保持時間(分):4;流速
(ml/分):25)によって精製して、化合物16(9mg,11%)および化合物1
7(33mg,40%)を得た。
化合物16:1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.40-8.30 (br, 3H), 5.45-5.30
(m, 1H), 4.70-4.50 (m, 1H), 4.23-4.10 (m, 1H), 4.10-3.98 (m, 1H), 3
.10-3.00 (m, 1H), 2.40-2.20 (m, 2H), 2.03-1.71 (m, 5H), 1.67-10.88 (m,
28 H), 0.86-0.78 (m, 6H), 0.66 (s, 3H). LCMS Rt=1.014分(
2.0分間のクロマトグラフィー、30-90AB_E)、C2745O[M+H-A
laOH]のMS ESI計算値385、実測値385。
化合物17:H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.40-8.30 (br, 3H), 5.45-5.30
(m, 1H), 4.70-4.50 (m, 1H), 4.234.10 (m, 1H), 4.10-3.98 (m, 1H), 3.
10-3.00 (m, 1H), 2.40-2.20 (m, 2H), 2.03-1.71 (m, 5H), 1.67-0.88 (m,
28H), 0.86-0.78 (m, 6H), 0.66 (s, 3H). LCMS Rt=1.011分(2.
0分間のクロマトグラフィー、30-90AB_E)、C2745O[M+H-Ala
OH]のMS ESI計算値385、実測値385。
実施例17.化合物18の合成
【化52】


化合物5-4の合成。13~18℃のDCM(2mL)中の化合物5-1(100mg
,248μmol)の溶液に、N,N-ジメチルピリジン-4-アミン(3mg,24.
5μmol)、トリエチルアミン(25mg,247μmol)、(S)-2-((te
rt-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(47mg,248μmol)およびN
,N’-メタンジイリデンジシクロヘキサンアミン(51mg,247μmol)を添加
した。この反応物を16時間にわたって20℃で撹拌した。この反応物を濾過し、濾液を
濃縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EtOAc=20/1)に
より精製して、所望の生成物(45mg,24%)を固体として得た。
化合物18の合成。ジオキサン(1mL)中の化合物5-4(45mg,78.4μm
ol)の溶液に、HCl/ジオキサン(4M,1mL)を15~28℃において添加した
。この反応混合物を3時間撹拌し、次いで、5mLの飽和NaHCOを添加したところ
、反応物は、pH=9になった。この混合物をEtOAcで抽出した(3×10mL)。
合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃
縮した。その残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=15/1)によ
り精製して、化合物18(3.2mg,8%)をオフホワイトの固体として得た。1H NM
R (CDCl3, 400MHz): δ 5.40-5.39 (m, 1H), 4.67-4.64 (m, 1H), 3.56-3.54
(m, 1H), 3.34-3.33 (m, 1H), 2.35-2.33 (m, 2H), 2.05-1.90 (m, 2H), 1
.88 (m, 3H), 1.67-0.91 (m, 37H), 0.70 (s, 3H). LCMS Rt=1.86
6分(3.0分間のクロマトグラフィー、10-80AB)、C2745O[M+H-
AlaOH]のMS ESI計算値385、実測値385。
実施例18.化合物19の合成
【化53】


化合物18-2の合成。DCM(1mL)中の化合物18-1(100mg,0.22
5mmol;Martinezら、WO2014/160480に記載されているように
合成された)の溶液に、DMAP(8.2mg,0.0675mmol)、Boc-Vl
a-OH(146mg,0.675mmol)、TEA(68.3mg,0.675mm
ol)およびDCC(139mg,0.675mmol)を添加した。この混合物を25
℃で16時間撹拌した。この混合物を減圧中で濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグ
ラフィー(PE/EtOAc=15:1)により精製して、化合物18-2(80mg,
55%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.35-5.20 (m, 2H), 5.00-4.90 (m, 1H), 4.3
8-4.25 (m, 1H), 2.48-2.37 (m, 1H), 2.25-2.15 (m, 1H), 2.02-1.90 (m, 3
H), 1.85-0.85 (m, 46H), 0.67 (s, 3H)。
化合物19の合成。ジオキサン(0.5mL)中の化合物18-2(70mg,0.1
24mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン(1mL,4M)を添加した。この混合物
を25℃で2時間撹拌したところ、オフホワイトの固体が形成した。この反応混合物に、
MTEB(10mL)を添加し、この反応物を濾過した。この固体をMTEB(10mL
)で洗浄し、次いで、MeOH(10mL)に溶解した。このMeOH溶液を減圧中で濃
縮して、化合物19(55.6mg,77%)をオフホワイトの固体として得た。1H NM
R (400 MHz, メタノール-d4) δ 5.60-5.50 (m, 1H), 5.34-5.25 (m, 1H), 4
.16 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 2.48-2.30 (m, 2H), 2.05-1.40 (m, 16H), 1.3
5-0.90 (m, 23H), 0.74 (s, 3H). LCMS Rt=0.970分(2.0分間の
クロマトグラフィー、30-90AB)、C3151NO[M+H]のMS
ESI計算値542、実測値542。
実施例19.化合物20の合成
【化54】


ピリジン(1mL)中の化合物18-1(50mg,0.122mmol)の溶液に、
DMAP(6.8mg,0.056mmol)およびジヒドロフラン-2,5-ジオン(
33.6mg,336mmol)を添加した。この混合物を25℃で16時間撹拌した。
この混合物を減圧中で濃縮し、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(PE/EtO
Ac=1:1)により精製して、化合物20(14.1mg,収率23%)をオフホワイ
トの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.35-5.25 (m, 2H), 2.78-
2.65 (m, 4H), 2.46-2.37 (m, 1H), 2.05-1.90 (m, 4H), 1.70-0.90 (m, 30H
), 0.67 (s, 3H). LCMS Rt=1.226分(2.0分間のクロマトグラフィ
ー、30-90AB)、C3044[M+H-HO]のMS ESI計算
値525、実測値525。
実施例20.化合物21の合成
【化55】


化合物20-2の合成。DCM(3mL)中の化合物18-1(100mg,225μ
mol)の溶液に、DMAP(2.22mg,67.5μmol)、TEA(68.3m
g,675μmol)、DCC(17.5mg,675μmol)および(S)-2-(
(tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(127mg,675μmol)
を添加した。この混合物を25℃で16時間撹拌した。この混合物を濾過し、濾過したも
のを濃縮し、コンビフラッシュ(PE:EA=100%~95%)により精製して、化合
物20-2(120mg,87%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR CDCl3
400MHz δ 5.33-5.30 (m, 2H), 2.46-2.43 (m, 1H), 2.07-0.87 (m, 48H), 0
.70 (s, 3H)。
化合物21の合成。化合物20-2(120mg,195μmol)の溶液に、HCl
/ジオキサン(4N,1mL)を添加した。この混合物を25℃で0.5時間撹拌した。
この混合物に、MTBE(3mL)を添加し、25℃で10分間撹拌した。この混合物を
濾過した。この固体をMTBE(3mL)で洗浄し、減圧中で乾燥させて、化合物21(
60mg,56%)を得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.52-5.51 (m, 1H),
5.32-5.31 (m, 1H), 4.30-4.26 (m, 1H), 2.46-2.43 (m, 1H), 2.05-1.00 (m,
36H), 0.76 (s, 3H). LCMS R=0.940分(2分間のクロマトグラフィ
ー、30-90AB)、C2947NO[M+H]のMS ESI計算値51
4、実測値514。
実施例21.化合物22の合成
【化56】


工程1。ピリジン(2mL)中の、化合物18-1(50mg,112μmol)およ
びDMAP(6.84mg,56.0μmol)の混合物に、ピバル酸無水物(104m
g,560μmol)を20℃において一度に添加した。この混合物を60℃で16時間
撹拌した。得られた混合物を濃縮して、残渣を得、これを水(30mL)で希釈し、Et
OAcで抽出した(2×15mL)。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し
、減圧中で濃縮して、粗生成物を得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(PE/Et
OAc=8/1)により精製して、化合物22(14mg,24%)をオフホワイトの固
体として得た。2回目にこの反応を行って30mgの不純な生成物を得た。これらの2バ
ッチの生成物(30mg)を合わせ、ヘキサン(5mL)で摩砕して、化合物22(23
mg,52%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5
.33-5.19 (m, 2H), 2.45-2.38 (m, 1H), 2.03-1.91 (m, 3H), 1.86-0.80 (m,
40H), 0.60 (s, 3H). LCMS t=1.575分(2分間のクロマトグラフィ
ー、30-90AB_ELSD)、C3148[M+H-HO]のMS
ESI計算値509、実測値509。
実施例21.化合物23の合成
【化57】


工程1。THF(5mL)中の化合物18-1(100mg,0.225mmol)の
溶液に、NaH(22.3mg,0.562mmol,60%)をN下、0℃において
添加した。この混合物を20℃で30分間撹拌した。塩化アセチル(35.3mg,0.
45mmol)を添加した。この反応溶液を20℃で30分間撹拌した。この混合物を飽
和NHCl(10mL)でクエンチし、MTBEで抽出した(3×5mL)。合わせた
有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシ
ュ(PE中の0~8%のEtOAc)により精製して、化合物23(39mg,35%)
をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.29 (m,
2H), 2.48-2.38 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 2.05-1.95 (m, 3H), 1.94-1.56
(m, 6H), 1.54-1.47 (m, 8H), 1.45-0.92 (m, 17H), 0.59 (s, 3H). LCM
S t=1.383分(2分間のクロマトグラフィー、30-90AB_ELSD)、
2842[M+H-HO]のMS ESI計算値467、実測値467

実施例22.化合物24の合成
【化58】


工程1。ピリジン(3mL)中の化合物22-1(500mg,1.09mmol;M
artinezら、WO2014/160480,[00199]に記載されているよう
に合成された)の溶液に、SO-Py(519mg,3.27mmol)を添加した。
この混合物を50℃で1時間撹拌した。この混合物を水(10mL)で希釈し、DCMで
抽出した(2×10mL)。合わせた有機相を水(10mL)で洗浄した。有機相に、撹
拌しながらNaOH溶液(2mL,水中3%)を滴下により添加したところ、いくらかの
白色固体が出現した。この固体を濾過により回収し、DCM(10mL)および水(10
mL)で洗浄した。この固体を分取HPLC((カラム:DuraShell 150
25mm5um)、勾配:35~60%B(A=水(10mM NHHCO)、B
=ACN)、流速:30mL/分)によって精製した。精製が完了した後、合わせた溶離
液に、DCM(10mL)を添加し、NaOH溶液(2mL,水中3%)を滴下により添
加した。化合物24(62mg,10%)が、回収および凍結乾燥により得られ、オフホ
ワイトの固体が得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 5.36-5.35 (m, 1H), 2
.88-2.85 (m, 1H), 2.35-2.31 (m, 1H), 2.21-2.01 (m, 2H), 2.00-1.75 (m,
4H), 1.70-1.43 (m, 10H), 1.41 (s, 3H), 1.38-1.30 (m, 1H), 1.27 (s,
3H), 1.22-1.10 (m, 5H), 1.09-1.02 (m, 4H), 1.00-0.92 (m, 4H), 0.75
(s, 3H). LCMS Rt=1.683分(2分間のクロマトグラフィー、10-80
CD_ELSD)、C2742S[M]のMS ESI計算値535、実測
値535。
実施例23.化合物25の合成
【化59】


工程1。THF(10mL)中の化合物22-1(500mg,1.09mmol)の
溶液に、NaH(108mg,2.72mmol,60%)をN下、0℃において添加
した。この混合物を20℃で30分間撹拌した。次いで、塩化アセチル(171mg,2
.18mmol)を添加した。この反応溶液を20℃で1時間撹拌した。この混合物を飽
和NHCl(10mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した(3×10mL)。合わ
せた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュ(PE中の0
~30%のEtOAc、60分)により精製して、化合物25(26mg,5%)をオフ
ホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.35-5.25 (m, 1H),
2.50-2.40 (m, 1H), 2.30-2.10 (m, 1H), 2.06 (s, 3H), 2.00-1.60 (m, 1
2H), 1.53-1.35 (m, 7H), 1.30-0.90 (m, 17H), 0.67 (s, 3H). LCMS R
t=3.743分(7.0分間のクロマトグラフィー、50-100AB_E)、C29
44[M+H-HO]のMS ESI計算値481、実測値481。
実施例24.化合物26の合成
【化60】


工程1。ピリジン(2mL)中の化合物24-1(100mg,239μmol;Ma
rtinezら、WO2014/160480,[00210]に記載されているように
合成された)の溶液に、DMAP(30.5mg,478μmol)およびジヒドロフラ
ン-2,5-ジオン(119mg,1.19mmol)を添加した。この混合物を60℃
で40時間撹拌した。この反応混合物を飽和NHCl(3ml)によって洗浄し、酢酸
エチルで抽出した(2×2ml)。合わせた有機層を減圧中で濃縮した。その残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィー(石油PE:EtOAc=10:1)により精製して、化合物
26(35mg,収率28%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR CDCl3 400M
Hz δ 5.35-5.30 (m, 1H), 2.64-2.61 (m, 5H), 2.58-2.56 (m, 1H), 2.01-0
.86 (m, 42H), 0.67 (s, 3H). LCMS R=1.341分(2分間のクロマト
グラフィー、30-90AB)、C2845[M+H-HO-HOOCCHCH
COOH]のMS ESI計算値381、実測値381。
実施例25.化合物27および28の合成
【化61】


工程1。ピリジン(20mL)中の化合物25-1(900mg,2.23mmol)
の溶液に、ジヒドロフラン-2,5-ジオン(1.11g,11.1mmol)およびD
MAP(272mg,2.23mmol)を添加した。この混合物を80℃で96時間撹
拌した。この反応溶液を飽和NHCl(25mL)でクエンチし、EtOAcで抽出し
た(3×10mL)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。こ
の反応混合物をコンビフラッシュ(DCM:PE,v:v=1:2中の0~10%の(M
eOH:EtOAc,v:v=1:20))によって分離し、回収された出発物質をこの
実験において再使用した(この手順を4回繰り返した)。合わせた不純な生成物を分取H
PLC(カラム:Boston Green ODS 15030 5u)、勾配:6
5~95%B(A=0.05%HCl/HO、B=MeCN)、流速:75mL/分)
により精製して、化合物27(40mg,34%)および化合物28(55mg,4%)
をオフホワイトの固体として得た。
27:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.29 (m, 1H), 2.65-2.55 (m, 4H),
2.45-2.35 (m, 1H), 2.05-1.92 (m, 3H), 1.90-1.76 (m, 3H), 1.75-1.53 (m,
5H), 1.52-1.46 (m, 3H), 1.45-1.40 (m, 7H), 1.39-1.30 (m, 2H), 1.29-1
.20 (m, 1H), 1.19-1.15 (m, 2H), 1.14-1.10 (m, 4H), 1.09-1.02 (m, 2H),
1.01-0.94 (m, 4H), 0.93-0.86 (m, 5H), 0.67 (s, 3H). LCMS Rt=
1.268分(2.0分間のクロマトグラフィー、30-90AB_ELSD)、C27
43[M+H-HO-(CHCOOH)のMS ESI計算値367、実測
値367。C3149[M-H]のHRMS MS ESI計算値501.35
85、実測値501.3575。28:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.30-5.29 (m,
1H), 2.66-2.52 (m, 5H), 2.38-2.32 (m, 1H), 2.08-1.77 (m, 6H), 1.76-1
.71 (m, 1H), 1.70-1.52 (m, 3H), 1.51-1.40 (m, 10H), 1.39 (s, 3H), 1.
38-1.18 (m, 6H), 1.17-1.11 (m, 4H), 1.10 (s, 3H), 1.09-0.95 (m, 1H),
0.94-0.88 (m, 3H), 0.68 (s, 3H). LCMS Rt=1.280分(2.0分
間のクロマトグラフィー、30-90AB_ELSD)、C2743[M+H-H
-(CHCOOH)のMS ESI計算値367、実測値367。C3149
[M-H]のHRMS MS ESI計算値501.3585、実測値501.3
597。
実施例26.化合物29の合成
【化62】


工程1。DCM(30mL)中の化合物29-1(1.5g,3.72mmol)の溶
液に、DMAP(226mg,1.86mmol)およびPy(8.65g,111mm
ol)を添加した後、ジメチルホスホロクロリデート(bimethyl phosph
orochloridate)(2.68g,18.6mmol)をN下で滴下により
添加した。この反応物を20℃で2時間撹拌した。この混合物を飽和NaHCO(10
0mL)でクエンチし、DCMで抽出した(3×40mL)。合わせた有機相をNa
で乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュ(PE/DCM(v/v=2/1)
中の0~50%のEtOAc)により精製して、化合物29-2(620mg,27%)
をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.40-5.37 (m,
1H), 4.35-4.15 (m, 2H), 3.77 (s, 6H), 3.74 (s, 6H), 2.45-2.35 (m,
2H), 2.05-1.87 (m, 4H), 1.86-1.78 (m, 2H), 1.77-1.58 (m, 2H), 1.56-1.3
3 (m, 7H), 1.30-1.15 (m, 4H), 1.14-1.04 (m, 3H), 1.02 (s, 3H), 1.01-
0.88 (m, 11H), 0.67 (s, 3H)。
工程2。DCM(5mL)中の化合物29-2(200mg,0.323mmol)の
溶液に、TMSBr(246mg,1.61mmol)をN下で添加した。この混合物
を20℃で16時間撹拌した。この反応混合物をNaOH水溶液(1.9mL,1M)で
pH=9に調整したところ、固体が沈殿した。この白色固体を濾過し、CHCl(2
mL)、水(2mL)で洗浄し、乾燥させ、凍結乾燥させて、化合物29(68mg,3
7%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.40-5.37
(m, 1H), 4.10-3.90 (m, 2H), 2.48-2.30 (m, 2H), 2.08-1.85 (m, 7H), 1
.70-1.58 (m, 10H), 1.35-1.25 (m, 1H), 1.20-1.04 (m, 5H), 1.02 (s, 3H)
, 1.00-0.96 (m, 7H), 0.95-0.88 (m, 3H), 0.71 (s, 3H).LCMS t=0
.207分(3分間のクロマトグラフィー、10-80CD_ELSD)、C2747
[M-4Na+4H-H]のMS ESI計算値561、実測値561。
実施例27.化合物30の合成
【化63】


工程1。DCM(30mL)中の29-1(1.5g,3.72mmol)の溶液に、
DMAP(226mg,1.86mmol)およびPy(8.65g,111mmol)
を添加した後、ジメチルホスホロクロリデート(2.68g,18.6mmol)をN
下で滴下により添加した。この反応物を20℃で2時間撹拌した。この混合物を飽和Na
HCO(100mL)でクエンチし、DCMで抽出した(3×40mL)。合わせた有
機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュ(PE/DCM(v
/v=2/1)中の0~50%のEtOAc)により精製して、27-1(700mg,
37%)をオフホワイトの固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5.40-5.37 (m, 1H), 4.28-4.15 (m, 1H), 3.8
0-3.70 (m, 6H), 3.35-3.25 (m, 1H), 2.45-2.40 (m, 2H), 2.02-1.90 (m, 3
H), 1.89-1.76 (m, 2H), 1.75-1.58 (m, 2H), 1.56-1.33 (m, 8H), 1.30-1.15
(m, 7H), 1.14-0.96 (m, 5H), 0.95-0.88 (m,10H), 0.67 (s, 3H)。
工程2。DCM(5mL)中の27-1(200mg,0.391mmol)の溶液に
、TMSBr(298mg,1.95mmol)を添加した。この混合物を20℃で16
時間撹拌した。別のTMSBr(596mg,3.9mmol)を0℃において添加した
。この混合物を20℃で16時間撹拌した。この混合物をNaOH(HO中1M)でp
H=9に調整したところ、固体が沈殿した。この白色固体を濾過し、CHCl(2m
L)、水(2mL)で洗浄し、MeOH(6mL)に溶解し、濃縮して、化合物30(1
6mg,8%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.
42-5.29 (m, 1H), 4.04-3.82 (m, 1H), 3.25-3.15 (m, 1H), 2.63-2.41 (m,
1H), 2.35-2.11 (m, 1H), 2.10-1.80 (m, 4H), 1.79-1.37 (m, 10H), 1.37-1.
27 (m, 2H), 1.26-1.05 (m, 6H), 1.02 (s, 3H), 0.99-0.77 (m, 13H), 0.7
2 (s, 3H). LCMS t=1.311分(3分間のクロマトグラフィー、10-8
0CD_ELSD)、C2746P[M-2Na+2H-H]のMS ESI計
算値481、実測値481。
実施例28.化合物6の代替合成
【化64】


工程1。DCM(25mL)中の29-1(1.4g,3.47mmol)の溶液に、
イミダゾール(471mg,6.94mmol)を添加した。DCM(5mL)中のTB
SCl(1.39g,10.4mmol)の溶液をN下で滴下により添加した。この反
応物を20℃で16時間撹拌した。この混合物を水(30mL)でクエンチし、DCMで
抽出した(2×15mL)。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し
、コンビフラッシュ(PE中の0~5%のEtOAc)により精製して、28-1(1.
5g,84%)をオフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 5
.33-5.30 (m, 1H), 3.52-3.43 (m, 1H), 3.34-3.27 (m, 1H), 2.31-2.13 (m,
2H), 2.04-1.92 (m, 2H), 1.90-1.76 (m, 2H), 1.75-1.57 (m, 4H), 1.54-1
.37 (m, 7H), 1.34-1.19 (m, 4H), 1.18-1.01 (m, 5H), 0.99 (s, 3H), 0.9
6-0.89 (m, 9H), 0.88-0.85 (m, 10H), 0.67 (s, 3H), 0.05 (s, 6H)。
工程2。THF(30mL)中の28-1(900g,1.74mmol)の溶液に、
n-BuLi(1.04mL,2.61mmol,ヘキサン中2.5M)をN下、-7
0℃において滴下により添加した。この反応溶液を-70℃で30分間撹拌した。次いで
、ジメチルホスホロクロリデート(502mg,3.48mmol)を滴下により添加し
た。添加後、この混合物を20℃で2時間撹拌した。この反応溶液を飽和NHCl(5
0mL)でクエンチし、DCMで抽出した(2×30mL)。合わせた有機相をNa
で乾燥させ、濾過し、濃縮し、コンビフラッシュ(PE中の0~20%のEtOAc
)により精製して、6-3A(540mg,50%)を無色油状物として得た。1H NMR
(400 MHz, CDCl3) δ 5.33-5.29 (m, 1H), 4.23-4.15 (m, 1H), 3.81-3.71
(m, 6H), 3.53-3.43 (m, 1H), 2.32-2.22 (m, 1H), 2.18-1.64 (m, 9H), 1
.60-1.33 (m, 11H), 1.31-1.06 (m, 5H), 0.99 (s, 3H), 0.97-0.90 (m, 10H
), 0.89-0.85 (m, 8H), 0.67 (s, 3H), 0.05 (s, 6H)。
工程3。DCM(5mL)中の6-3A(180mg,0.288mmol)の溶液に
、TMSBr(220mg,1.44mmol)を添加した。この混合物を20℃で16
時間撹拌した。この混合物をNaOH(HO中1M)でpH=9に調整したところ、固
体が沈殿し、これを濾過し、CHCl(2mL)、水(2mL)で洗浄した。濾過ケ
ーキをMeOH(6mL)に溶解し、濃縮して、化合物6(35mg,25%)をオフホ
ワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 5.37-5.31 (m, 1H), 4.
01-3.89 (m, 1H), 3.45-3.35 (m, 1H), 2.29-2.14 (m, 2H), 2.09-1.84 (m,
5H), 1.82-1.72 (m, 1H), 1.66-1.38 (m, 10H), 1.37-1.26 (m, 1H), 1.24-1.
04 (m, 5H), 1.03-1.00 (m, 4H), 0.99-0.93 (m, 7H), 0.92-0.85 (m, 4H),
0.72 (s, 3H). LCMS t=1.370分(3分間のクロマトグラフィー、1
0-80CD_ELSD)、C2746P[M-2Na+2H-H]のMS E
SI計算値481、実測値481。
材料および方法
【0152】
本明細書中に提供される化合物は、以下の一般的な方法および手順を使用して、容易に
入手可能な出発物質から、例えば、WO 2013/036835およびWO 2014/160480に記載される
ように調製され得る。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間
、反応体のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、別段述べられない限り、他のプ
ロセス条件も使用することができることが理解される。最適反応条件は、使用される特定
の反応体または溶媒によって変動し得るが、そのような条件は、慣用的な最適化によって
当業者によって決定され得る。
【0153】
さらに、当業者には明らかであり得るように、従来の保護基は、ある特定の官能基が望
まれない反応を起こすことを防ぐために必要であり得る。特定の官能基に対する好適な保
護基の選択ならびに保護および脱保護に適した条件は、当該分野で周知である。例えば、
数多くの保護基ならびにそれらの導入および除去は、T.W.GreeneおよびP.G
.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Syn
thesis,第2版,Wiley,New York,1991およびその中で引用さ
れている参考文献に記載されている。
【0154】
本明細書中に提供される化合物は、公知の標準的な手順によって単離され得、精製され
得る。そのような手順としては、再結晶、カラムクロマトグラフィー、HPLC、または
超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)が挙げられる(がこれらに限定されない)。本
明細書中に提供される化合物は、有機合成分野の当業者によって、公知のまたは商業的に
入手可能な出発物質および試薬から調製され得る。本明細書中に提供されるエナンチオマ
ー/ジアステレオマーの分離/精製において使用するために利用可能な例示的なキラルカ
ラムとしては、CHIRALPAK(登録商標)AD-10、CHIRALCEL(登録
商標)OB、CHIRALCEL(登録商標)OB-H、CHIRALCEL(登録商標
)OD、CHIRALCEL(登録商標)OD-H、CHIRALCEL(登録商標)O
F、CHIRALCEL(登録商標)OG、CHIRALCEL(登録商標)OJおよび
CHIRALCEL(登録商標)OKが挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
本明細書中で報告されるH-NMR(例えば、約0.5~約4ppmのδ(ppm)
領域について)は、化合物のNMRスペクトル(例えば、例示的なピーク積分値(pea
k integratations))の例示的な解釈であると理解されるだろう。分取
HPLCのための例示的な一般方法:カラム:Waters RBridge prep
10μm C18、19×250mm。移動相:アセトニトリル、水(NHHCO
)(30Lの水、24gのNHHCO、30mLのNH.HO)。流量:25m
L/分
【0156】
分析HPLCのための例示的な一般方法:移動相:A:水(10mMのNHHCO
)、B:アセトニトリル、勾配:5%~95%のBを1.6分間または2分間 流量:1
.8または2mL/分;カラム:XBridge C18、4.6×50mm、3.5μ
m、45℃
他の実施形態
【0157】
請求項において、冠詞(例えば、「a」、「an」および「the」)は、反対のこと
が示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、1つまたはそれより多いこと
を意味し得る。反対のことが示されていないかまたは別段文脈から明らかでない限り、あ
る群の1つ以上のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、1つの、1つより
多いまたはすべての群メンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用され
ているか、または別途関連していることを満たすと考えられる。本発明は、その群の厳密
に1つのメンバーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、ま
たは別途関連している実施形態を含む。本発明は、1つより多いまたはすべての群メンバ
ーが、所与の生成物またはプロセスに存在するか、使用されているか、または別途関連し
ている実施形態を含む。
【0158】
さらに、本発明は、列挙される請求項の1つ以上からの1つ以上の制限、エレメント、
節および記述用語が別の請求項に導入されているすべてのバリエーション、組み合わせお
よび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属している任意の請求項は、同じ基本請求
項に従属している他の任意の請求項に見られる1つ以上の制限を含むように改変され得る
。エレメントが、例えば、マーカッシュ群の形式でリストとして提示される場合、そのエ
レメントの各部分群もまた開示され、任意のエレメントが、その群から除去され得る。一
般に、本発明または本発明の局面が、特定のエレメントおよび/または特徴を含むと言及
される場合、本発明または本発明の局面のある特定の実施形態は、そのようなエレメント
および/もしくは特徴からなるかまたはそれらから本質的になると理解されるべきである
。単純にする目的で、それらの実施形態は、この通りの言葉で本明細書中に明確に示され
ていない。用語「含む(comprising)」および「含む(containing
)」は、オープンであるように意図されており、さらなるエレメントまたは工程を含むこ
とを許容することも注意されたい。範囲が与えられている場合、終点は含まれる。さらに
、別段示されないかまたは別段文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲とし
て表現された値は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、本発明の種々の実施形態
において述べられた範囲内の任意の特定の値または部分範囲をその範囲の下限の単位の1
0分の1まで想定し得る。
【0159】
本願は、様々な発行済特許、公開特許出願、学術論文、および他の刊行物(これらのす
べてが、参照により本明細書中に援用される)について言及する。援用される任意の参考
文献と本明細書との間に矛盾が存在する場合、本明細書が支配するものとする。さらに、
従来技術の範囲内に含まれる、本発明の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つ以
上から明白に除外され得る。そのような実施形態は、当業者に公知であると見なされるの
で、それらは、その除外が本明細書中に明示的に示されなかったとしても、除外され得る
。本発明の任意の特定の実施形態は、従来技術の存在に関係しているか否かを問わず、任
意の請求項から、任意の理由で除外され得る。
【0160】
当業者は、単なる慣用的な実験法を使用して、本明細書中に記載される特定の実施形態
に対する多くの等価物を認識し得るかまたは確かめることができるだろう。本明細書中に
記載される本実施形態の範囲は、上記の説明に限定されると意図されておらず、それは、
添付の特許請求の範囲に示されるとおりである。当業者は、以下の特許請求の範囲に定義
されるような本発明の精神または範囲から逸脱することなく、この説明に対する様々な変
更および改変が行われ得ることを認識するだろう。
【0161】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
式(I):
【化65】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、式中、
は、水素またはC1~6アルキルであり;
およびRの各々は、独立して、水素、C1~6アルキル、カルボシクリルまたは
ヘテロシクリルであるか、あるいは
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3~8員環を形成
し;
およびRの各々は、独立して、水素であり;
は、存在しないか、または水素であり;
【化66】


は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化67】


が二重結合であるとき、他方の
【化68】


は単結合であり、かつRは存在せず;
少なくとも1つの水素は、生物学的条件下で切断可能な部分によって置き換えられる、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
(項目2)
式(I):
【化69】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩であって、式中、
は、水素またはC1~6アルキルであり;
およびRの各々は、独立して、水素、C1~6アルキル、カルボシクリル、ヘテ
ロシクリルであるか、または
およびRは、それらが結合している炭素原子と一緒になって、3~8員環を形成
し;
およびRの各々は、独立して、水素または生物学的条件下で切断可能な部分であ
り;
は、存在しないか、または水素であり;
【化70】


は、単結合または二重結合を表し、ここで、一方の
【化71】


が二重結合であるとき、他方の
【化72】


は単結合であり、かつRは存在しない、
化合物またはその薬学的に受容可能な塩。
(項目3)
およびRが、両方が水素にはならない、項目1に記載の化合物。
(項目4)
が、水素ではない、項目1に記載の化合物。
(項目5)
が、水素ではない、項目1に記載の化合物。
(項目6)
およびRの各々が、独立して、水素、-P(O)(R、-S(O)
-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-(CHC(O)
N(R、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4である、
項目1に記載の化合物。
(項目7)
が、水素、-S(O)、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(
、-(CHC(O)N(R、-(CHOP(O)(R
、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)Rまたは-(CH
C(O)ORであり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4である、
項目1に記載の化合物。
(項目8)
が、C1~6アルキル(例えば、置換または非置換C1~6アルキル)である、項目
1に記載の化合物。
(項目9)
が、水素である、項目1に記載の化合物。
(項目10)
が、水素、メチル(例えば、-CH、-CFまたは-CHOCH)、エチル
またはイソプロピルである、項目8に記載の化合物。
(項目11)
が、メチル(-CH)またはエチルである、項目10に記載の化合物。
(項目12)
およびRの各々が、独立して、水素、メチル(例えば、-CH、-CF)、エ
チル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルである、項目1に記載の化合物。
(項目13)
が、生物学的条件下で切断可能な部分であり、Rが、水素である、項目1に記載の
化合物。
(項目14)
が、水素であり、Rが、生物学的条件下で切断可能な部分である、項目1に記載の
化合物。
(項目15)
およびRの各々が、生物学的条件下で切断可能な部分である、項目1に記載の化合
物。
(項目16)
およびRの各々が、独立して、水素、-P(O)(R、-S(O)
-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R、-(CHC(O)
N(R、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)
、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4である、
項目1に記載の化合物。
(項目17)
が、水素であり、Rが、-S(O)であり、xが、2であるとき、Rは、
-OHではない、項目16に記載の化合物。
(項目18)
またはRの両方が水素にはならない、項目16に記載の化合物。
(項目19)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)OR
、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CHOP
(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)R
たは-(CHC(O)ORであり;
が、水素であり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4である、
項目1に記載の化合物。
(項目20)
が、水素であり;
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)OR
、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CH
P(O)(R、-(CHOS(O)、-(CHOC(O)R
または-(CHC(O)ORであり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4であり;ここで、Rが、-S(
O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHではない、
項目1に記載の化合物。
(項目21)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R
、-(CHC(O)N(R、-(CHOP(O)(R
-(CHOS(O)または-(CHOC(O)Rである、項目18
に記載の化合物。
(項目22)
およびRの各々が、独立して-ORであり、Rが、水素またはアルキルであり
、xが、2である、項目21に記載の化合物。
(項目23)
が、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(
CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であ
り;Rが、水素またはアルキル(例えば、メチル)である、項目21に記載の化合物。
(項目24)
が、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(CH)NH
、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NHである、項目21に記載の
化合物。
(項目25)
n、mおよびpの各々が、独立して、1または2である、項目21に記載の化合物。
(項目26)
が、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)
-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-
C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意
のアミノ酸残基である、項目21に記載の化合物。
(項目27)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)N(R
、-(CHC(O)N(R、-(CHOP(O)(R
-(CHOS(O)または-(CHOC(O)Rである、項目16
に記載の化合物。
(項目28)
およびRの各々が、独立して-ORであり、Rが、水素またはアルキルであり
、xが、2である、項目27に記載の化合物。
(項目29)
が、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、-CH(CH(
CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH)NH)であ
り;Rが、水素またはアルキル(例えば、メチル(例えば、-CH))である、項目
27に記載の化合物。
(項目30)
n、mおよびpの各々が、独立して、1または2である、項目27に記載の化合物。
(項目31)
が、水素、-P(O)OH、--S(O)OH、-CHOP(O)(OH)
、-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、
-C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任
意のアミノ酸残基である、項目27に記載の化合物。
(項目32)
が、水素であるとき、Rは、-S(O)OHではない、項目1に記載の化合物。
(項目33)
【化73】


の各々が、単結合である、項目1に記載の化合物。
(項目34)
式(I)の化合物が、式(I-A)もしくは式(I-B):
【化74】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目1に記載の化合物。
(項目35)
式(I)の化合物が、式(I-B):
【化75】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目34に記載の化合物。
(項目36)
が、アルキルである、項目35に記載の化合物。
(項目37)
が、水素である、項目35に記載の化合物。
(項目38)
が、水素、メチル(例えば、-CH、-CFまたは-CHOCH)、エチル
またはイソプロピルである、項目36に記載の化合物。
(項目39)
およびRの各々が、独立して、水素、メチル(例えば、-CH、-CF)、エ
チル、イソプロピル、シクロプロピルまたはブチルである、項目35に記載の化合物。
(項目40)
およびRの各々が、独立して、水素、メチル(例えば、-CH、-CF)、エ
チルまたはイソプロピルである、項目35に記載の化合物。
(項目41)
が、生物学的条件下で切断可能な部分であり、Rが、水素である、項目35に記載
の化合物。
(項目42)
が、水素であり、Rが、生物学的条件下で切断可能な部分である、項目35に記載
の化合物。
(項目43)
およびRの各々が、生物学的条件下で切断可能な部分である、項目1に記載の化合
物。
(項目44)
およびRの各々が、独立して、水素、-P(O)(R、-S(O)
-C(O)R、-C(O)OR、-(CHOP(O)(R、-(CH
OS(O)、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
、-(CHOC(O)Rまたは-(CHC(O)ORであり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4であり、ここで、Rが、水素で
あり、Rが、-S(O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHではない

項目35に記載の化合物。
(項目45)
およびRの両方が水素にはならない、項目44に記載の化合物。
(項目46)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)OR
、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)、-C(O)
N(R、-(CHC(O)N(R、-(CHOC(O)R
たは-(CHC(O)ORであり;
が、水素であり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4である、
項目35に記載の化合物。
(項目47)
が、水素であり;
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-C(O)OR
、-(CHOP(O)(R、-(CHOS(O)、-C(O
)N(R、-(CHC(O)N(R、-(CHOC(O)R
または-(CHC(O)ORであり;
およびRの各々が、独立して、-ORまたはアルキルから選択され;
各Rが、独立して、アルキル(例えば、-CHNH、-CHCHCOH、
-CH(CH(CH)NH、-CHCHC(O)OHまたは-CH(CH
)NH)であり;
各Rが、独立して、水素またはアルキルであり;
各xが、独立して、1または2であり;
n、m、pの各々が、独立して、1、2、3または4であり;ここで、Rが、-S(
O)であり、xが、2であるとき、Rは、-OHではない、
項目35に記載の化合物。
(項目48)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-(CH
P(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O)
である、項目44に記載の化合物。
(項目49)
が、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)
-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-
C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意
のアミノ酸残基である、項目48に記載の化合物。
(項目50)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-(CH
P(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O)
である、項目44に記載の化合物。
(項目51)
が、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)
-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-
C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意
のアミノ酸残基である、項目50に記載の化合物。
(項目52)
が、水素であるとき、Rは、-S(O)OHではない、項目35に記載の化合物

(項目53)
式(I-B)の化合物が、式(I-C):
【化76】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目35に記載の化合物。
(項目54)
が、水素、メチル(例えば、-CH、-CFまたは-CHOCH)、エチル
またはイソプロピルである、項目53に記載の化合物。
(項目55)
が、メチルまたはエチルである、項目54に記載の化合物。
(項目56)
が、生物学的条件下で切断可能な部分であり、Rが、水素である、項目53に記載
の化合物。
(項目57)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-(CH
P(O)(R、-(CHOS(O)または-(CHOC(O)
である、項目56に記載の化合物。
(項目58)
が、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)
-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-
C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意
のアミノ酸残基である、項目57に記載の化合物。
(項目59)
が、水素であり、Rが、生物学的条件下で切断可能な部分である、項目53に記載
の化合物。
(項目60)
が、-P(O)(R、-S(O)、-C(O)R、-(CH
P(O)(R、-C(O)N(R、-(CHC(O)N(R
-(CHOS(O)または-(CHOC(O)Rである、項目59
に記載の化合物。
(項目61)
が、水素、-P(O)OH、-S(O)OH、-CHOP(O)(OH)
-C(O)CH、-C(O)CHNH、-C(O)CHCHC(O)OH、-
C(O)CH(CH(CH)NH、-C(O)CH(CH)NHまたは任意
のアミノ酸残基である、項目60に記載の化合物。
(項目62)
およびRの各々が、生物学的条件下で切断可能な部分である、項目53に記載の化
合物。
(項目63)
式(I-C)の化合物が、式(I-D):
【化77】


の化合物またはその薬学的に受容可能な塩である、項目53に記載の化合物。
(項目64)
前記化合物が、
【化78】



【化79】


【化80】


またはその薬学的に受容可能な塩からなる群より選択される、項目1に記載の化合物。
(項目65)
前記化合物が、
【化81】


【化82】


からなる群より選択される、項目1に記載の化合物。
(項目66)
項目1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩および薬学的に受容可能なキャリ
アを含む、薬学的組成物。
(項目67)
鎮静または麻酔を誘導する方法であって、有効量の項目1に記載の化合物またはその薬学
的に受容可能な塩あるいはその薬学的組成物を被験体に投与することを含む、方法。
(項目68)
本明細書中に記載される障害を処置するためまたは予防するための方法であって、該処置
または予防を必要とする被験体に有効量の項目1に記載の化合物またはその薬学的に受容
可能な塩あるいはその薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目69)
前記障害が、胃腸(GI)障害、例えば、便秘、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾
患(IBD)(例えば、潰瘍性大腸炎、クローン病)、GIに影響する構造障害、肛門障
害(例えば、痔、内痔核、外痔核、肛門裂傷、肛門周囲膿瘍、痔瘻)、結腸ポリープ、が
ん、大腸炎である、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記障害が、炎症性腸疾患である、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記障害が、がん、糖尿病またはステロール合成障害である、項目69に記載の方法。
(項目72)
CNS関連症状を処置するためまたは予防するための方法であって、該処置または予防を
必要とする被験体に有効量の項目1に記載の化合物またはその薬学的に受容可能な塩ある
いはその薬学的組成物を投与する工程を含む、方法。
(項目73)
前記CNS関連症状が、適応障害、不安障害(強迫性障害、心的外傷後ストレス障害およ
び社会恐怖を含む)、認知障害(アルツハイマー病および他の形態の認知症を含む)、解
離性障害、摂食障害、気分障害(うつ(例えば、産後うつ)、双極性障害、気分変調性障
害、自殺念慮を含む)、統合失調症または他の精神病性障害(統合失調感情障害を含む)
、睡眠障害(不眠を含む)、物質関連障害、人格障害(強迫性人格障害を含む)、自閉症
スペクトラム障害(Shank群のタンパク質(例えば、Shank3)に対する変異を
伴うものを含む)、神経発達障害(レット症候群、結節性硬化症症候群を含む)、多発性
硬化症、ステロール合成障害、疼痛(急性および慢性疼痛を含む)、ある病状に続発する
脳症(肝性脳症および抗NMDAレセプター脳炎を含む)、発作性障害(てんかん発作重
積状態および一遺伝子型のてんかん、例えばドラベ病を含む)、脳卒中、外傷性脳損傷、
運動障害(ハンチントン病およびパーキンソン病を含む)、視覚障害、聴力損失および耳
鳴である、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記障害が、ステロール合成障害である、項目73に記載の方法。