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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】動力モジュール及び動力設備
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/10 20060101AFI20240424BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20240424BHJP
   H02K 11/24 20160101ALI20240424BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20240424BHJP
   B25J 17/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
H02K7/10 Z
H02K11/215
H02K11/24
H02K9/19 A
B25J17/00 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022158151
(22)【出願日】2022-09-30
(65)【公開番号】P2022180602
(43)【公開日】2022-12-06
【審査請求日】2022-09-30
(31)【優先権主張番号】202111165636.8
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210954181.6
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522387939
【氏名又は名称】深▲せん▼鵬行智能研究有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Pengxing Intelligent Research Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】B5101, Building 12, Shenzhen Bay Science and Technology Ecological Park, No. 18, Keji South Road, High-tech Zone, Yuehai Street, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 倩瀾
(72)【発明者】
【氏名】華 寧
(72)【発明者】
【氏名】熊 亮
(72)【発明者】
【氏名】趙 同陽
(72)【発明者】
【氏名】趙 倩
(72)【発明者】
【氏名】葉 小奔
(72)【発明者】
【氏名】劉 卓林
(72)【発明者】
【氏名】陳 騰
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-101734(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024340(WO,A1)
【文献】特開2019-118195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 7/00 - 7/20
H02K 11/215
H02K 11/24
H02K 9/19
B25J 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力モジュールであって、
開口及び収容キャビティが形成されたハウジング
前記ハウジングに対して回転可能であり、前記開口に設けられる剛性ホイールを含む動力出力部材
前記収容キャビティ内に少なくとも部分的に設置されかつ前記剛性ホイールと動力結合され、さらに前記ハウジングに固定的に接続されるフレキシブルホイール
少なくとも部分的に前記収容キャビティ内に回転可能に取り付けられ、その内側に磁石が取り付けられ、前記剛性ホイールと同軸に回転する回転子
前記回転子内に少なくとも部分的に収容されかつ前記磁石と間隔をあけて対向して設置される固定子と、
前記フレキシブルホイールとカムとの間に設置されるフレキシブル軸受及び前記回転子に取り外し可能に取り付けられるか又は前記回転子と一体構造である前記カムを含む波発生器と、を備え
ここで、前記固定子は前記回転子が前記ハウジングに対して回転するように駆動するために用いられ、前記回転子は、回転する時に、前記波発生器により前記フレキシブルホイールを動かして変形させて、前記剛性ホイールが回転するように駆動し、
前記動力モジュールはさらに第一位置検出アセンブリを備え
前記第一位置検出アセンブリは前記動力出力部材の回転位置情報を検出するために用いられ、
前記第一位置検出アセンブリは第一磁性部材及び第一検知部材を含み、前記第一磁性部材は前記動力出力部材に固定的に接続され、前記ハウジングに中心軸部が形成され、前記第一検知部材は前記中心軸部に設置され、前記第一検知部材は前記ハウジングに固定的に接続されかつ前記第一磁性部材と間隔をあけて対向して設置され、前記中心軸部に配線溝が設置され、前記第一検知部材は前記配線溝を通過する接続線を介して第一回路基板に電気的に接続されることを特徴とする、動力モジュール。
【請求項2】
前記第一位置検出アセンブリは少なくとも部分的に前記カムで形成された環状キャビティ内に収容されるか又は前記波発生器の前記固定子から離れる一側に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の動力モジュール。
【請求項3】
前記第一検知部材は第二回路基板及び第一検知ユニットを含み、
前記第二回路基板前記第一検知ユニット電気的に接続され、
前記第一検知ユニットと前記第一磁性部材は間隔をあけて対向して設置され、
前記第二回路基板は前記中心軸部に固定され、
前記第二回路基板は前記配線溝を通過する接続線を介して前記第一回路基板に電気的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の動力モジュール。
【請求項4】
前記動力モジュールはさらに第二位置検出アセンブリを備え
前記第二位置検出アセンブリは前記第一位置検出アセンブリの前記固定子方向に向く一側に設けられ、
前記第二位置検出アセンブリは第二磁性部材及び第二検知部材を含み、
前記第二磁性部材は前記回転子と固定的に接続され且つ前記回転子と同期して回転し、
前記第二検知部材は前記ハウジングに固定的に接続されかつ前記第二磁性部材と間隔をあけて対向して設置され、
前記第二検知部材は前記第二磁性部材の回転位置を検出するために用いられることを特徴とする、請求項3に記載の動力モジュール。
【請求項5】
前記第二検知部材は第三回路基板及び第二検知ユニットを含み、
前記第三回路基板と前記第二検知ユニットは電気的に接続され、
前記第二検知ユニットと前記第二磁性部材は間隔をあけて対向して設置され、
前記第三回路基板は前記第二回路基板に対向して設置されかつ前記ハウジングに固定的に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の動力モジュール。
【請求項6】
前記フレキシブルホイールに取付キャビティが形成され、前記回転子及び前記固定子は少なくとも部分的に前記取付キャビティ内に収容されることを特徴とする、請求項1に記載の動力モジュール。
【請求項7】
前記フレキシブルホイールは互いに接続されたフレキシブル壁及び取付壁を含み、前記フレキシブル壁前記回転子回転する軸方向に沿って延在し、前記取付壁前記ハウジング固定的に接続され、
前記取付壁と前記フレキシブル壁とは、取り囲んで前記取付キャビティを形成し、前記回転子と前記固定子は全て前記取付キャビティに収容され、又は
前記フレキシブル壁前記取付キャビティを形成し、前記回転子及び前記固定子は少なくとも部分的に前記取付キャビティ内に収容されることを特徴とする、請求項6に記載の動力モジュール。
【請求項8】
前記ハウジングは周囲壁、中心軸部及び前記周囲壁と中心軸部を接続する底壁を含み、
前記周囲壁と前記底壁は、共同で前記収容キャビティを形成し、
前記フレキシブルホイールの取付壁は前記周囲壁、前記底壁及び前記中心軸部のうちの少なくともつに固定的に接続されることを特徴とする、請求項6に記載の動力モジュール。
【請求項9】
前記動力モジュールはさらにトルクセンサを備え、前記ハウジングは底壁を含み、前記底壁に溝が開設され、前記トルクセンサは前記溝内に取り付けられ、前記トルクセンサは前記剛性ホイールの出力トルクを検出するために用いられることを特徴とする、請求項1に記載の動力モジュール。
【請求項10】
動力モジュールであって、
開口及び収容キャビティが形成されたハウジング
前記ハウジングに対して回転可能であり、前記開口に設けられる剛性ホイールを含む動力出力部材
前記収容キャビティ内に少なくとも部分的に設置されかつ前記剛性ホイールと動力結合され、さらに前記ハウジングに固定的に接続されるフレキシブルホイール
少なくとも部分的に前記収容キャビティ内に回転可能に取り付けられ、その内側に磁石が取り付けられ、前記剛性ホイールと同軸に回転する回転子
前記回転子内に少なくとも部分的に収容されかつ前記磁石と間隔をあけて対向して設置される固定子と、
前記フレキシブルホイールとカムとの間に設置されるフレキシブルフレキシブル軸受及び前記回転子に取り外し可能に取り付けられるか又は前記回転子と一体構造であるカムを含む波発生器と、を備え、
ここで、前記固定子は前記回転子が前記ハウジングに対して回転するように駆動するために用いられ、
前記回転子は、回転する時に、前記波発生器により前記フレキシブルホイールを動かして変形させて、前記剛性ホイールが回動するように駆動し、
前記ハウジングは周囲壁、中心軸部及び前記周囲壁と中心軸部を接続する底壁を含み、
前記周囲壁と前記底壁は、共同で前記収容キャビティを形成し、前記フレキシブルホイールの取付壁は前記周囲壁、前記底壁及び前記中心軸部のうちの少なくともつに固定的に接続され、
前記中心軸部は、前記底壁に凸設され、かつ前記開口方向に向かって延伸
前記動力モジュールは、少なくとも部分的に前記固定子の内側に収容され、かつ前記固定子に近接する冷却管路をさらに備えることを特徴とする、動力モジュール。
【請求項11】
前記冷却管路と前記中心軸部は互いに独立する構造であり、
前記冷却管路は順に接続される入水セグメント、コイルセグメント及び出水セグメントを含み、
前記コイルセグメントは前記中心軸部に近接し、又は前記中心軸部に直接接触し、又は放熱部材により前記中心軸部と接触し、
前記底壁には、それぞれ第一貫通孔及び第二貫通孔が設置され、
前記入水セグメントは前記第一貫通孔を貫通し、
前記出水セグメントは前記第二貫通孔を貫通することを特徴とする、請求項10に記載の動力モジュール。
【請求項12】
前記中心軸部を取り囲むように設けられたスリーブをさらに備え、前記中心軸部と前記スリーブは、いずれも前記冷却管路の一部であ
前記スリーブ前記中心軸部と接触する筒壁に第一流路溝が設置され、前記第一流路溝と前記中心軸部は前記冷却管路を構成し、
又は、前記中心軸部前記スリーブと接触する軸壁に第二流路溝が設置され、前記第二流路溝と前記スリーブは前記冷却管路を構成し、
又は、前記中心軸部前記スリーブと接触する軸壁に前記第二流路溝が設置され、前記スリーブ前記中心軸部と接触する筒壁に前記第一流路溝が設置され、記第一流路溝と前記第二流路溝とは互いにマッチングしており
前記第一流路溝と前記第二流路溝は前記冷却管路を構成することを特徴とする、請求項10に記載の動力モジュール。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の動力モジュールを含む動力設備。
【請求項14】
前記動力設備はロボットを含み、前記ロボットは胴体及び前記胴体に結合された1つ以上の前記動力モジュールを含むことを特徴とする、請求項13に記載の動力設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は2021年9月30日に提出された出願番号202111165636.8、名称「動力モジュール及び動力設備」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は引用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は動力伝達の技術分野に関し、特に動力モジュール及び動力設備に関する。
【背景技術】
【0003】
ロボット動力モジュールはロボットのコア部材であり、特に移動脚足式ロボットにおいて、体積が小さく重量が軽い場合に、十分に大きな爆発力を発揮することが求められる。ロボットでは、一般的にモータと高調波減速機により関節の駆動を実現し、関連技術において、モータと減速機システムは一般的に直列形式で現れ、軸方向寸法を増大させ、その結果、ロボットの関節部位の体積が肥大化し、占有空間が大きすぎ、ロボットの走行に悪影響を与え、例えば、運動走行過程で関節部位が外部物体と衝突しやすく、同時にロボット全体の美観に悪影響を与える。また、関連技術において一般的に高調波減速機のフレキシブルホイールを採用して出力し、慣性モーメントが大きく、振動が大きい。さらに、現在の関節モータでは、自然放熱又はファン放熱を比較的多く使用し、動力モジュールの発熱量が大きい場合、放熱需要を満たすことができない。本出願は動力モジュールを提供し、上記問題を解決することを目的とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は少なくとも従来の技術に存在する技術的問題の一つを解決することを目的とする。そのために、本発明の一つの目的は動力モジュールを提供することである。本発明に係る動力モジュールは構造がコンパクトであり、占有空間を節約することができ、フレキシブルホイールはハウジングと固定され、フレキシブルホイールの変形により剛性ホイールの回転を駆動して動力を出力し、慣性モーメントが小さく、振動を効果的に低減することができ、固定子の内側に冷却管路が設置され、固定子を直接的に放熱することができ、放熱効率が高い。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態によれば、動力モジュールは、開口及び収容キャビティが形成されたハウジング、前記ハウジングに対して回転可能であり、前記開口に設けられる剛性ホイールを含む動力出力部材、前記収容キャビティ内に少なくとも部分的に設置されかつ前記剛性ホイールと動力結合され、さらに前記ハウジングに固定的に接続されるフレキシブルホイール、少なくとも部分的に前記収容キャビティ内に回転可能に取り付けられ、その内側に磁石が取り付けられ、前記剛性ホイールと同軸に回転する回転子、前記回転子内に少なくとも部分的に収容されかつ前記磁石と間隔をあけて対向して設置される固定子、前記フレキシブルホイールと前記カムとの間に設置されるフレキシブル軸受及び前記回転子に取り外し可能に取り付けられるか又は前記回転子と一体構造であるカムを含む波発生器と、を備え、ここで、前記固定子は前記回転子が前記ハウジングに対して回転するように駆動するために用いられ、前記回転子回転する時に前記波発生器により前記フレキシブルホイールを動かして変形させて、前記剛性ホイールが回転するように駆動する。
【0006】
本発明に係る動力モジュールにおいて、フレキシブルホイールは少なくとも部分的に収容キャビティ内に設置されかつ剛性ホイールと動力結合され、固定子は少なくとも部分的に収容キャビティ内に固定的に取り付けられ、回転子は収容キャビティ内に回転可能に取り付けられかつ固定子の外側に位置し、回転子は剛性ホイールと同軸に回転する。フレキシブル軸受はフレキシブルホイールとカムとの間に設けられ、カムは回転子に固定されるか又は回転子と一体構造である。このように、フレキシブルホイールは少なくとも部分的に収容キャビティ内に収容され、固定子と回転子はいずれも収容キャビティ内に収容されかつ波発生器のカムを回転子に固定するか又は回転子と一体構造として動力モジュール全体の体積を効果的に減少させることができる。同時に、フレキシブルホイールはハウジングに固定され、フレキシブルホイールの変形により剛性ホイールの回転を駆動して動力を出力し、慣性モーメントが小さく、振動を効果的に低減することができる。
【0007】
本発明はさらに動力モジュールを提供し、前記動力モジュールは、開口及び収容キャビティが形成されたハウジング、前記ハウジングに対して回転可能であり、前記開口に設けられる剛性ホイールを含む動力出力部材、前記収容キャビティ内に少なくとも部分的に設置されかつ前記剛性ホイールと動力結合され、さらに前記ハウジングに固定的に接続されるフレキシブルホイール、少なくとも部分的に前記収容キャビティ内に回転可能に取り付けられ、その内側に磁石が取り付けられ、前記剛性ホイールと同軸に回転する回転子、前記回転子内に少なくとも部分的に収容されかつ前記磁石と間隔をあけて対向して設置される固定子、前記フレキシブルホイールと前記カムとの間に設置されるフレキシブル軸受及び前記回転子に取り外し可能に取り付けられるか又は前記回転子と一体構造であるカムを含む波発生器とを備え、ここで、前記固定子は前記回転子が前記ハウジングに対して回転するように駆動するために用いられ、前記回転子は、回転する時に前記波発生器により前記フレキシブルホイールを動かして変形させて前記剛性ホイールが回転するように駆動し、前記ハウジングは周囲壁、中心軸部、及び前記周囲壁と中心軸部を接続する底壁を含み、前記周囲壁と前記底壁は、共同で前記収容キャビティを形成し、前記フレキシブルホイールの取付壁は前記周囲壁、前記底壁及び前記中心軸部のうちの少なくともつに固定的に接続され、前記中心軸部は、前記底壁に凸設され、かつ前記開口方向に向かって延伸し、前記動力モジュールは、少なくとも部分的に前記固定子の内側に収容され、かつ前記固定子に近接する冷却管路をさらに備える
【0008】
本発明に係る動力モジュールにおいて、フレキシブルホイールは少なくとも部分的に収容キャビティ内に設置されかつ剛性ホイールと動力結合され、固定子は少なくとも部分的に収容キャビティ内に固定的に取り付けられ、回転子は収容キャビティ内に回転可能に取り付けられかつ固定子の外側に位置し、回転子は剛性ホイールと同軸に回転する。フレキシブル軸受はフレキシブルホイールとカムとの間に設けられ、カムは回転子に固定されるか又は回転子と一体構造である。このように、フレキシブルホイールは少なくとも部分的に収容キャビティ内に収容され、固定子と回転子はいずれも収容キャビティ内に収容されかつ波発生器のカムを回転子に固定するか又は回転子と一体構造として動力モジュール全体の体積を効果的に減少させることができる。同時に、フレキシブルホイールはハウジングに固定され、フレキシブルホイールの変形により剛性ホイールの回転を駆動して動力を出力し、慣性モーメントが小さく、振動を効果的に低減することができ、固定子の内側に冷却管路が設置され、固定子を直接的に放熱することができ、放熱効率が高い。
【0009】
本発明はさらに動力設備を提供し、動力設備は前述の実施例のいずれか一項の動力モジュールを含む。これにより、該動力設備は前述の動力モジュールが有する全ての特徴及び利点を有し、ここでは説明を省略する。一般的には、該動力設備は上記実施例のいずれか一項の動力モジュールを有するため、該動力設備は動力が強く、体積が小さく、慣性モーメントが小さく、振動が少なく、かつ冷却管路を設置することにより動力モジュール内の部品を直接的に放熱し、動力モジュールの動作環境を最適化し、動力モジュールの耐用年数を延長する。
【0010】
本発明の付加的な態様及び利点は以下の説明において部分的に与えられ、一部は以下の説明から明らかになり、又は本発明の実践により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本出願の上記及び/又は付加的な態様及び利点は以下の図面を参照して実施形態の説明から明らかになり理解しやすくなり、ここで:
図1図1は本出願の実施形態に係る動力設備の立体構造概略図である。
図2図2は本出願の実施形態に係る動力モジュールの立体構造概略図である。
図3図3は本出願の実施形態に係る動力モジュールの分解構造概略図である。
図4図4は本出願の実施形態に係る動力モジュールの断面概略図である。
図5図5は本出願の実施形態に係る動力モジュールの別の断面概略図である。
図6図6は本出願の実施形態に係る動力モジュールの別の断面概略図である。
図7図7は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面概略図である。
図8図8は本出願の実施形態に係る動力モジュールのハウジングの構造概略図である。
図9図9は本出願の実施形態に係る動力モジュールのハウジング、第一回路基板及び駆動回路基板の構造概略図である。
図10図10は本出願の実施形態に係る動力モジュールのフレキシブルホイールの構造概略図である。
図11図11は本出願の実施形態に係る動力モジュールの部分構造の取付構造概略図である。
図12図12は本出願の実施形態に係る動力モジュールの剛性ホイールと支持部材の構造概略図である。
図13図13は本出願の実施形態に係る動力モジュールの剛性ホイールと支持部材の接続構造概略図である。
図14図14は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面概略図である。
図15図15は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面概略図である。
図16図16は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面概略図である。
図17図17は本出願の実施形態の冷却管路の構造概略図である。
図18図18は本出願の実施形態の冷却管路の構造概略図である。
図19図19は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面概略図である。
図20図20は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面図である。
図21図21は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面図である。
図22図22は本出願の実施形態の第二流路溝の構造概略図である。
図23図23は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面図である。
図24図24は本出願の実施形態に係る動力モジュールのさらに別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本出願の実施形態を詳細に説明し、前記実施形態の例は図面に示され、ここで終始同じ又は類似の符号は同一又は類似の部品又は同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下に図面を参照して説明した実施形態は例示的なものであり、本出願を解釈するためのものだけであり、本出願を限定するものと理解すべきではない。
【0013】
本出願の説明において、理解すべきこととして、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」等の指示する方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づいて、本出願の説明と説明の簡略化を容易にするためだけであり、指された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造し操作しなければならないことを指示するか又は暗示するものではないため、本出願を限定するものと理解すべきではない。また、用語「第一」、「第二」は単に目的を説明するために用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示すること、又は指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すことを理解することができない。これにより、「第一」、「第二」を限定する特徴は一つ以上の前記特徴を明示的又は暗黙的に含むことができる。本出願の説明において、「複数」は、別段の明確及び具体的な限定がない限り、二つ又は二つ以上を意味する。
【0014】
本出願の説明において、説明すべきものとして、明確な規定及び限定がない限り、用語「取付」、「結合」、「接続」は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能に接続されてもよく、又は一体的に接続されてもよく、機械的接続であってもよく、電気的に接続されてもよく又は相互に通信可能であってもよく、直接接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよく、二つの素子内部の連通又は二つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本出願における具体的な意味を理解することができる。
【0015】
本出願において、明確な規定及び限定がない限り、第一特徴が第二特徴の「上」又は「下」にあることは第一及び第二特徴が直接接触することを含むことができ、第一及び第二特徴が直接接触ではなくそれらの間の他の特徴により接触することを含むこともできる。また、第一特徴が第二特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあることは第一特徴が第二特徴の直上及び斜め上方にあることを含み、又は第一特徴のレベル高さが第二特徴より高いことのみを示す。第一特徴が第二特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあることは第一特徴が第二特徴の直下及び斜め下方にあることを含み、又は第一特徴のレベル高さが第二特徴より低いことのみを示す。
【0016】
以下の開示は多くの異なる実施形態又は例を提供して本出願の異なる構造を実現するために用いられる。本出願の開示を簡略化するために、以下に具体例の部品及び設置について説明する。もちろん、それらは例示に過ぎず、かつ本出願を限定するものではない。また、本出願は異なる例において数字及び/又は参照アルファベットを繰り返し参照することができ、このような重複は説明の簡略化及び明瞭な目的のためであり、それ自体は検討された様々な実施形態及び/又は設置の間の関係を示すものではない。また、本出願は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者は他のプロセスの応用及び/又は他の材料の使用を認識することができる。
【0017】
図1を参照すると、本出願の実施形態に係る動力設備1000は本出願の実施形態に係る動力モジュール100を含むことができ、動力設備1000は四足ロボットであってもよく、例えばロボット犬、ロボット馬等であってもよく、もちろん、動力設備1000は他のタイプのロボットであってもよく、例えば、二足ロボット、六足ロボット等であってもよい。また、動力設備1000はロボットのみに限定されず、他のタイプの設備であってもよく、具体的にはここで限定されない。
【0018】
ロボットを例とし、本出願の実施形態に係る動力モジュール100はロボットの関節に取り付けられ、動力モジュール100は関節の回転を駆動するために用いられる。具体的には、ロボットは胴体200及び足部300を含むことができ、足部300は胴体200に接続され、動力モジュール100は足部300が胴体200に対して運動するように駆動するために用いられ、例えば、動力モジュール100は足部300全体が胴体200に対して運動するように駆動するために用いられてもよく、足部300の関節運動を駆動してもよい。
【0019】
図2から図5を参照すると、本出願の実施形態に係る動力モジュール100は、ハウジング10、動力出力部材11、フレキシブルホイール12、固定子13、回転子14、磁石15及び波発生器16を含む。ハウジング10に開口101及び収容キャビティ102が形成され、動力出力部材11はハウジング10に対して回転することができ、動力出力部材11は剛性ホイール111を含み、剛性ホイール111は開口101に設けられる。
【0020】
フレキシブルホイール12は少なくとも部分的に収容キャビティ102内に設置されかつ剛性ホイール111に動力結合され、フレキシブルホイール12はさらにハウジング10に固定的に接続される。回転子14は回転可能でかつ少なくとも部分的にハウジング10の収容キャビティ102内に取り付けられ、回転子14に磁石15が設置され、固定子13は収容キャビティ102内に固定的に取り付けられかつ少なくとも部分的に回転子14内に収容されかつ磁石15と間隔をあけて対向して設置され、すなわち回転子14は収容キャビティ102内に回転可能に取り付けられかつ固定子13の外側に位置し、回転子14は剛性ホイール111と同軸に回転する。
【0021】
図4を参照すると、図4に示す実施形態において、固定子13は収容キャビティ102内に固定的に取り付けられかつ少なくとも部分的に回転子14内に収容され、回転子14の内壁が環状空間を形成し、固定子13は回転子14の内壁の内側に設置されかつ少なくとも部分的に該環状空間内に位置していると理解することができる。
【0022】
もちろん、図6を参照すると、いくつかの実施形態において、回転子14の内壁に収容キャビティが形成されてもよく、固定子13はこの収容キャビティ内に少なくとも部分的に収容されることができる(図6に示すように)。固定子13の具体的な設置方式は実際の状況に応じて設置することができる。
【0023】
波発生器16はフレキシブル軸受161及びカム162を含み、フレキシブル軸受161はフレキシブルホイール12とカム162との間に設置され、カム162は回転子14に取り外し可能に取り付けられるか又は回転子14と一体構造である。
【0024】
そのうち、固定子13は回転子14がハウジング10に対して回転するように駆動するために用いられ、回転子14が回転する時に波発生器16によりフレキシブルホイール12が変形するように駆動して剛性ホイール111が回転するように駆動する。
【0025】
理解できるように、ロボット動力モジュールはロボットのコア部材であり、特に移動脚足式ロボットにおいて、体積が小さく重量が軽い場合に、十分に大きな爆発力を発揮することが求められる。ロボットでは、一般的にモータと高調波減速機により関節の駆動を実現し、関連技術において、モータと減速機システムは一般的に直列形式で現れ、軸方向寸法を増大させ、その結果、ロボットの関節部位の体積が肥大化し、占有空間が大きすぎ、ロボットの走行に悪影響を与え、例えば、運動走行過程で関節部位が外部物体と衝突しやすく、同時にロボット全体の美観に悪影響を与える。また、関連技術において一般的に高調波減速機のフレキシブルホイールを採用して出力し、慣性モーメントが大きく、振動が大きい。
【0026】
本出願の実施形態の動力モジュール100及び動力設備1000において、フレキシブルホイール12は少なくとも部分的に収容キャビティ102内に設置されかつ剛性ホイール111と動力結合し、固定子13は少なくとも部分的に収容キャビティ102内に固定的に取り付けられ、回転子14は収容キャビティ102内に回転可能に取り付けられかつ固定子13の外側に位置し、回転子14は剛性ホイール111と同軸に回転する。フレキシブル軸受161はフレキシブルホイール12とカム162との間に設置され、カム162は回転子14に固定されるか又は回転子14と一体構造である。このように、フレキシブルホイール12は少なくとも部分的に収容キャビティ102内に収容され、固定子13と回転子14はいずれも収容キャビティ102内に収容されかつ波発生器16のカム162を回転子14に固定するか又は回転子14と一体構造として動力モジュール100全体の体積を効果的に低減することができる。同時に、フレキシブルホイール12はハウジング10に固定され、フレキシブルホイール12の変形により剛性ホイール111が回転するように駆動して動力を出力し、慣性モーメントが小さく、振動を効果的に低減することができる。
【0027】
具体的には、本出願の実施形態において、固定子13に通電した後、固定子13は回転子14を回転するように駆動し、回転子14は波発生器16を回転するように駆動してフレキシブルホイール12が変形するように駆動し、フレキシブルホイール12は変形する過程で剛性ホイール111が回転するように駆動して動力出力を実現する。
【0028】
ハウジング10は動力モジュール100全体の支持部材とし、それは担持需要を満たすために、金属材料又は強度の高い非金属材料で製造されてもよく、動力モジュール100はハウジング10により動力設備100の本体に取り付けられ、例えば、動力モジュール100はハウジング10上の取付貫通孔を介してロボットの胴体300に取り付けられる。
【0029】
ハウジング10の頂部は開口101を有し、剛性ホイール111は開口101に設置されて剛性ホイール111が開口101の近傍に設置されることを理解することができ、それは開口101の外側に位置してもよく、即ち収容キャビティ102の外に位置してもよく、開口101の内側に位置してもよく、それは収容キャビティ102内に完全に収容されてもよく又は部分的に収容キャビティ102内に収容されてもよく、具体的にはここで限定されず、図4図5に示す実施形態において、剛性ホイール111は開口の外側に位置しかつ収容キャビティ102の外に位置する。
【0030】
具体的には、ハウジング10は周囲壁104及び周囲壁104を接続する底壁103を含むことができ、周囲壁104と底壁103は共に収容キャビティ102を形成し、いくつかの実施形態において、放熱効率を向上させるために、周囲壁104は中空構造であってもよく、例えば、ハウジング10内に設置された固定子13等の発熱素子の放熱を促進するために、周囲壁104に複数の放熱孔(図示せず)を開設してもよい。もちろん、放熱を保証すると同時に外界の塵埃及び不純物が動力モジュール100の内壁に入ることを回避するために、周囲壁104の中空領域に防塵構造、例えば、防塵ネット等を設置することができ、このようにして放熱効率を向上させると同時に塵埃及び不純物が動力モジュール100内に落ちることを回避することができる。
【0031】
本出願において、固定子13と回転子14は駆動モータに相当することができ、固定子13と回転子14はいずれもハウジング10の収容キャビティ102内に設置されてモータをハウジング10内に内蔵して設置することに相当し、このようにして動力モジュール100全体の体積を効果的に減少させることができる。本出願の実施形態において、回転子14は固定子13の外側に設置され、両者は一つの外部回転子モータに相当する。
【0032】
磁石15の数は複数であり、複数の磁石15は接着の方式で回転子14の周方向に沿って間隔をあけて設置されてもよく、いくつかの実施形態において、磁石15は直接接着剤により回転子14に直接接着することができ、他の実施形態において、磁石15の取り付け安定性を向上させるために、回転子14に取付溝を開設し、磁石を取付溝内に取り付けた後に接着剤により固定することができ、具体的にはここで限定されない。
【0033】
図4を参照すると、一つの実施形態として、フレキシブルホイール12に取付キャビティ123が形成され、回転子14及び固定子13は少なくとも部分的に取付キャビティ123内に収容される。
【0034】
このように、フレキシブルホイール12は少なくとも部分的にハウジング10の収容キャビティ102内に設置されかつ回転子14及び固定子13は少なくとも部分的にフレキシブルホイール12の取付キャビティ123内に収容され、動力モジュール100の構造コンパクト性を向上させ、さらに動力モジュール100全体の体積を減少させることができる。
【0035】
理解されるように、このような実施形態において、フレキシブルホイール12はハウジング10内に収容され、回転子14と固定子13はフレキシブルホイール12の取付キャビティ123内に収容され、このように、径方向に沿って順次嵌設される方式を採用してフレキシブルホイール12と固定子13及び回転子14を配置して動力モジュール100の構造コンパクト性を向上させることができ、それにより動力モジュール100全体の体積を減少させる。
【0036】
具体的には、図4図10に示すとおり、このような実施形態において、フレキシブルホイール12は相互に接続されたフレキシブル壁121及び取付壁122を含み、フレキシブル壁121は回転子14の回転の軸方向に沿って延伸し、フレキシブル壁121は剛性ホイール111に動力結合され、取付壁122はハウジング10に固定的に接続される。取付壁122とフレキシブル壁121は取付キャビティ123を形成し、回転子14と固定子13は全て取付キャビティ123に収容される。このように、回転子14と固定子13はフレキシブルホイール12で形成された取付キャビティ123内に完全に収容され、体積をさらに減少させることができる。
【0037】
図4図7及び図8に示すとおり、一つの実施形態として、ハウジング10は周囲壁104、中心軸部105及び周囲壁104と中心軸部105を接続する底壁103を含み、周囲壁104と底壁103は共に収容キャビティ102を形成し、フレキシブルホイール12の取付壁122は周囲壁104、底壁103及び中心軸部105のうちの少なくとも一つに固定的に接続される。このように、取付壁122を周囲壁104、底壁103及び中心軸部105のうちの少なくとも一つに固定的に接続すればフレキシブルホイール12をハウジング10に固定的に接続することができる。
【0038】
具体的には、図4図5及び図10に示すとおり、図示の実施形態において、フレキシブルホイール12は略カップ状を呈し、フレキシブルホイール12のフレキシブル壁121は回転子14の回転の軸方向に沿って延伸し、すなわち回転子14の回転軸線に沿って延伸し、取付壁122はフレキシブル壁121の底部に接続されかつフレキシブル壁121に対して径方向に沿って内側に折り曲げて延伸し、すなわちフレキシブル壁121に対して回転子14の回転軸線が位置する側に折り曲げて延伸し、取付壁122に貫通孔が開設されてもよく、取付壁122は貫通孔のネジ、ボルト及びピン等の締結部材によりハウジング10に固定的に取り付けられる。
【0039】
より具体的には、フレキシブル壁121の変形を保証するために、フレキシブル壁121の厚さを薄く設定することができ、取付壁122の端部に厚さの厚い取付凸部1221が形成され、取付凸部1221が中心軸部105に嵌設され、取付壁122が該取付凸部1221によりハウジング10に固定的に接続され、取付凸部121が厚いことによりフレキシブルホイール12とハウジング10との接続強度を保証することができ、このような場合に、取付凸部1221に貫通孔が形成されてもよく、該貫通孔のピン、ネジ及びボルト等の締結部材により取付凸部1221をハウジング10に固定的に取り付けることができる。
【0040】
理解されるように、他の実施形態において、フレキシブルホイール12は取付壁122を省略してもよく又は取付部122も回転子14の回転の軸方向に沿って延伸しかつハウジング10の底壁103に直接固定的に接続されてもよい。理解されるように、このような場合に、フレキシブルホイール12はほぼ筒状を呈することができる。
【0041】
もちろん、図7を参照すると、他の実施形態において、フレキシブルホイール12も略シルクハット状を呈し、このような実施形態において、フレキシブルホイール12の取付壁122はフレキシブル壁121に対して径方向に沿って外側に折り曲げて延伸し、すなわちフレキシブル壁121に対して回転子14の回転軸線が位置する側から離れて折り曲げて延伸し、このような場合に、フレキシブル壁121は直接独立的に取付キャビティ123を形成し、固定子13と回転子14は該取付キャビティ123内に少なくとも部分的に収容されることができる。
【0042】
具体的には、このような実施形態において、ハウジング10はセグメント式ハウジング10であってもよく、具体的には上下に配置された第一部分と第二部分に分けられ、第二部分は第一部分の上方に設けられてもよく、フレキシブルホイール12の取付壁122に環状取付部1221が形成されてもよく、該環状取付部1221は第一部分と第二部分との間に取り付けられてもよい。このような場合、ハウジング10の第一部分と第二部分とフレキシブルホイール12の環状取付部1221は共に収容キャビティ102を形成する。
【0043】
本出願において、中心軸部105は底壁103の中心位置に形成することができ、回転子14は中心軸部105に回転可能に接続され、それは中心軸部105の周りに回転し、例えば、中心軸部105と回転子14との間に支持軸受が設置され、支持軸受は回転子14を支持すると同時に回転子14の回転に影響を与える。
【0044】
理解されるように、フレキシブルホイール12が波発生器16の駆動で十分に大きな変形を発生することを保証するために、取付壁122をハウジング10の底壁103に固定的に接続することを優先的に選択することができ、このようにしてフレキシブル壁121の長さを増加させることによりフレキシブル壁121が波発生器16の作用で十分な変形を発生させることができる。
【0045】
図3及び図12に示すとおり、一実施形態として、剛性ホイール111の内周面に第一リングギア構造1111が形成される。フレキシブルホイール12は取付壁122及びフレキシブル壁121を含み、取付壁122はハウジング10に固定的に接続され、フレキシブル壁121と剛性ホイール111の第一リングギア構造1111の位置と対向する外周面に第二リングギア構造1211が形成され、第一リングギア構造1111は第二リングギア構造1211と部分的に噛み合うことによりフレキシブルホイール12が剛性ホイール111と動力結合し、第二リングギア構造1211の歯数は第一リングギア構造1111の歯数よりも少ない。
【0046】
このように、第一リングギア構造1111と第二リングギア構造1211の部分噛み合いによりフレキシブルホイール12のフレキシブル壁121が変形する時に剛性ホイール111が回転するように駆動して動力出力を行うことができる。
【0047】
一実施形態として、カム162は回転子14に取り外し可能に取り付けられるか又はカム162と回転子14は一体構造であり、カム162の回転子14の回転の軸方向での正投影の外郭(外側輪郭)は楕円形を呈する。
【0048】
このように、楕円形のカム162とフレキシブル軸受161は波発生器16を構成することができ、回転子14が回転する時、カム162は回転することによりフレキシブルホイール12が変形するように周期的に駆動し、それによりフレキシブルホイール12は剛性ホイール111が回転するように駆動する。
【0049】
具体的には、このような実施形態において、カム162はネジ又はボルトなどの締結部材により回転子14に取り外し可能に取り付けられるか又は回転子14と一体構造に直接形成され、カム162の輪郭は楕円形を呈し、カム162の回転軸線は回転子14の回転軸線と重なり合い、回転子14は回転する時にカム162が回転するように駆動することができ、カム162が回転する時にフレキシブル軸受161によりフレキシブルホイール12が変形するように駆動して剛性ホイール111がハウジング10に対して回転するように駆動して動力出力を実現する。
【0050】
図3から図6を併せて参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに第一位置検出アセンブリ17を含み、第一位置検出アセンブリ17は少なくとも部分的にカム162に形成された環状キャビティ1620内に収容されるか又は波発生器16の固定子13から離れる一側に設置され、第一位置検出アセンブリ17は動力出力部材11の回転位置情報を検出するために用いられる。
【0051】
このように、第一位置検出アセンブリ17により動力出力部材11の位置及び回転速度を正確に取得することにより、より正確に制御することができ、第一位置検出アセンブリ17を収容キャビティ102に設置することによりハウジング10の取付空間をさらに節約することができてこの動力モジュール100の体積をより小さくすることができる。
【0052】
本実施形態において、「第一位置検出アセンブリ17は波発生器16の固定子13から離れる一側に設置される」とは波発生器16が固定子14から離れる一側に少なくとも一つの面を含み、第一位置検出アセンブリ17はこのいくつかの面が位置する平面が固定子13から離れる方向に形成された空間内に設置されてもよく、それは波発生器16が軸方向に投影してカバーする領域を含み、波発生器16が軸方向に投影してカバーしない領域も含み、すなわち、固定子13及び第一位置検出アセンブリ17は軸方向に沿ってそれぞれ波発生器16の反対する両側に設置されることを理解することができる。
【0053】
第一位置検出アセンブリ17と回転子14はカム162の両側に位置し、すなわち、第一位置検出アセンブリ17は波発生器16の頂部に位置する。
【0054】
具体的には、第一位置検出アセンブリ17は第一磁性部材171及び第一検知部材172を含み、第一磁性部材171は動力出力部材11に固定的に接続され、第一検知部材172はハウジング10に固定的に接続され、かつ第一磁性部材171と間隔をあけて対向して設置される。
【0055】
さらに、このような実施形態において、カム162は中空環状を呈し、第一位置検出アセンブリ17は好ましくは少なくとも部分的にカム162の環状キャビティ1620内に収容される。このように動力モジュール100全体の軸方向の積み重ね空間をさらに減少させて動力モジュール100全体の体積をより小さくすることができ、同時に第一位置検出アセンブリ17と固定子13をカム162と回転子14により分離することもできる。一方、熱源の集中による局所的な過熱を回避することができ、他方では、両者を仕切ることにより固定子13が動作する時に発生する磁界が第一位置検出アセンブリ17の検出精度に悪影響を与えることを回避することができる。もちろん、他の実施形態において、第一位置検出アセンブリ17は部分的にカム162の環状キャビティ1620内に収容されてもよく、一部は環状キャビティ1620内から回転子14を離れる一側に突出する。
【0056】
本出願において、第一磁性部材171は磁気リング又は磁石であってもよく、第一検知部材172はホール検出素子であってもよく、動力出力部材11が回転する場合、第一磁性部材171は動力出力部材11に連れて回転し、ホール検出素子は第一磁性部材171の位置を検出してさらに動力出力部材11の回転位置を検出することができ、それにより回転位置に基づいて動力出力部材11の回転速度を計算して取得する。
【0057】
図4図5及び図7及び図8を参照すると、一実施形態として、ハウジング10に中心軸部105が形成され、第一検知部材172が中心軸部105に設置され、中心軸部105に配線溝1051が設置され、配線溝1051が中心軸部105全体を貫通してもよく、中心軸部105の一部を貫通した後に中心軸部105から直接貫通してもよく、第一検知部材172が配線溝1051を通過する接続線33を介して第一回路基板18に電気的に接続される。
【0058】
このように、中心軸部105は第一検知部材172を支持して取り付けることができ、同時に、中心軸部105に配線溝1051が開設されることにより第一検知部材172は配線溝1051を通過する接続線33を介して第一回路基板18に電気的に接続されて第一検知部材172への給電を実現することができ、複雑な配線構造を設ける必要がなく、配線空間を節約し、動力モジュール100の構造をよりコンパクトにし、さらに体積を減少させる。
【0059】
具体的には、第一回路基板18は固定子13の駆動回路基板であってもよく、第一回路基板18はハウジング10の底壁104の内側又は外側に設置されてもよく、例えば、図4に示すように、ハウジング10の底壁104の下方に収容空間109が形成されてもよく、第一回路基板18は該収容空間109内に取り付けられて第一回路基板18及び第一回路基板18上の電子素子を保護することができる。また、ハウジング10の底壁103の外側にさらに駆動回路基板30が設置されてもよく、駆動回路基板30は第一回路基板18と挿着の方式で電気的に接続することができ、駆動回路基板30は動力設備1000のプロセッサと電気的に接続するために用いられ、駆動回路基板30はプロセッサから送信された制御指令を受信して固定子13の通電状況を制御して回転子13の回転速度を制御することができる。
【0060】
第一検知部材172はハウジング10の中心軸部105に嵌設して取り付けされてもよく、第一検知部材172に給電することを実現するために、第一検知部材172に接続された接続線33は配線溝1051を通過した後に中心軸部105を通過し、さらにハウジング10の底部に取り付けられた第一回路基板18に電気的に接続され、第一検知部材172は位置情報を第一回路基板18及び駆動回路基板30に伝送することができ、それによりプロセッサは動力出力部材11のリアルタイム回転位置及びリアルタイム回転速度をリアルタイムに取得することができる。
【0061】
図5から図7を参照すると、一実施形態として、第一検知部材172は第二回路基板1721及び第一検知ユニット1722を含み、第二回路基板1721と第一検知ユニット1722は電気的に接続され、第一検知ユニット1722と第一磁性部材171は間隔をあけて対向して設置され、第二回路基板1721は中心軸部105に嵌設され、第二回路基板1721は配線溝1051を通過する接続線33を介して第一回路基板18に電気的に接続される。理解されるように、相対的に設置された作用は第一検知ユニット1722と第一磁性部材171を互いに接近させるためであり、第一検知部材ユニット1722が第一磁性部材171の位置を検知することができ、それにより第一磁性部材171の回転速度、すなわち回転子14の回転速度を計算することである。
【0062】
このように、第二回路基板1721は中心軸部105に嵌設され、第一検知ユニット1722は回路基板に設置されてもよく、第一検知ユニット1722は第一磁性部材171と協働して動力出力部材11の回転位置を検出することができ、第二回路基板1721は接続線33が配線溝1051を通過することによりハウジング10の下方の第一回路基板18に電気的に接続されて第一検知ユニット1722への給電を実現することができる。
【0063】
具体的には、このような実施形態において、第一検知ユニット1722は磁気誘導チップであってもよく、第二回路基板1721はチップ回路基板であってもよく、第一検知ユニット1722の数は単一であってもよく複数であってもよく、第一磁性部材171は環状磁性シートであってもよく磁石であってもよい。例えば、第一磁性部材171が環状磁性シートである場合、磁気誘導チップの数は一つであってもよく、第一磁性部材171が動力出力部材11に連れて回転する場合、磁気誘導チップは環状磁性シートの回転位置を読み取ることができる。また例えば、第一磁性部材171が磁石である場合、第一検知ユニット1722の数は複数であり、複数の第一検知ユニット1722は環状の間隔で第二回路基板1721に設置されてもよく、動力出力部材11が第一磁性部材171を回転するように駆動する場合、複数の第一検知ユニット1722は第一磁性部材171の回転位置を検出することにより動力出力部材11の位置の検出を実現することができる。
【0064】
もちろん、いくつかの実施形態において、第一検知部材171は第一検知ユニット1722のみを含み第二回路基板1721を省略することができ、このように、第一検知部材171はハウジング10の中心軸部105に直接固定して取り付けられ、次に配線を介して配線溝1051を通過した後にハウジング10の底部に設置された第一回路基板18に直接電気的に接続され、さらに第一検知ユニット1722の給電と検知信号の伝送を実現する。
【0065】
図3から図7を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに第二位置検出アセンブリ19を含み、第二位置検出アセンブリ19は収容キャビティ102内に取り付けられ、第二位置検出アセンブリ19は第一位置検出アセンブリ17が固定子13方向に向く一側に設けられ、第二位置検出アセンブリ19は第二磁性部材191及び第二検知部材192を含み、第二磁性部材191は回転子14に固定的に接続されて回転子14に連れて同期回転し、第二検知部材192はハウジング10に固定的に接続されかつ第二磁性部材191と間隔をあけて対向して設置され、第二検知部材192は第二磁性部材191の回転位置を検出するために用いられる。
【0066】
「第二位置検出アセンブリ19は第一位置検出アセンブリ17が固定子13方向に向く一側に設けられる」とは軸方向に、固定子13、第二位置検出アセンブリ19及び第一位置検出アセンブリ17が順に間隔をあけて設置され、第二位置検出アセンブリ19が第一位置検出アセンブリ17と固定子13との間に位置し、第二位置検出アセンブリ19が第一位置検出アセンブリ17の固定子13に向く方向に形成された空間内に設置されてもよく、その第一位置検出アセンブリ17が軸方向に投影してカバーする領域は、第一位置検出アセンブリ17が軸方向に投影してカバーしない領域も含むことを理解することができる。
【0067】
このように、第二位置検出アセンブリ19により回転子14の位置及び回転速度を正確に取得することができ、それにより正確に制御することができ、すなわち入力検出を実現する。第二位置検出アセンブリ19を収容キャビティ102に設置することによりハウジング10の取付空間をさらに節約することができてこの動力モジュール100の体積をより小さくすることができる。
【0068】
具体的には、このような実施形態において、第二位置検出アセンブリ19は少なくとも部分的にカム162の環状キャビティ1620内に収容されかつ第一位置検出アセンブリ17の下方に位置し、このようにして動力モジュール100全体の軸方向の積み重ね空間をさらに減少させて動力モジュール100全体の体積をより小さくすることができ、同時に第二位置検出アセンブリ19と固定子13をカム162及び回転子14により分離することができ、一方、熱源の集中による局所的な過熱を回避することができ、他方で、両者を仕切ることにより固定子13の動作時に発生する磁界が第二位置検出アセンブリ19の検出精度に悪影響を与えることを回避することができる。
【0069】
もちろん、理解されるように、いくつかの実施形態において、第二位置検出アセンブリ19は収容キャビティ102内の他の位置に設置されてもよく、例えば、一例において、第二位置検出アセンブリ19は回転子14内に設置されてもよく又は回転子14の外に設置されてもよく、具体的にはここで限定されない。
【0070】
さらに、このような実施形態において、第二検知部材192も中心軸部105に設置されてもよく、第二検知部材192も配線溝1051を通過する接続線を介して第一回路基板18に電気的に接続されてもよい。
【0071】
さらに、このような実施形態において、第二検知部材192は第三回路基板1921及び第二検知ユニット1922を含み、第三回路基板1921と第二検知ユニット1922は電気的に接続され、第二検知ユニット1922と第二磁性部材191は間隔をあけて対向して設置され、第三回路基板1921はハウジング10に固定的に接続される。
【0072】
具体的には、本実施形態において、第二回路基板1721と同様に、第三回路基板1921もハウジング10の中心軸部105に嵌設されてもよく、第三回路基板1921と第二回路基板1721は積み重ねて設置されてもよく、第三回路基板1921も配線溝1051を通過する接続線を介して第一回路基板18に電気的に接続されてもよい。このように、第三回路基板1921と第二回路基板1721をカム162の環状キャビティ1620内に積み重ねて設置することにより、軸方向の空間を節約することができる。また、図4を参照すると、図示の方式において、第二回路基板1721及び第三回路基板1921は同じ回路基板であってもよく、すなわち、両者は集積して両面回路基板となり、第一検知ユニット1722及び第二検知ユニット1922はそれぞれ回路基板の両側に設置される。もちろん、理解されるように、いくつかの実施形態において、積み重ねられた二枚の単独の回路基板を設置することによりそれぞれ第一検知ユニット1722及び第二検知ユニット1922に給電し検出信号を伝送し、このような状況で、第二回路基板1721と第三回路基板1921との間は仕切板(図示せず)により仕切られ、第二回路基板1721と第三回路基板1921は絶縁的に分離して設置され、二つの回路基板は単独の配線により第一回路基板18に電気的に接続することができる。
【0073】
また、第一磁性部材171と同様に、第二磁性部材191は環状磁性シート又は磁石であってもよく、その具体的な構造は第一磁性部材171と同じであり、ここでは説明を繰り返しない。同時に、第一検知ユニット1722と同様に、第二検知ユニット1922は磁気誘導チップであってもよく、第二検知ユニット1922の数は単数又は複数であってもよい。単一又は複数の第二検知ユニット1922は環状の間隔で第三回路基板1921に設置されてもよく、第二磁性部材191の回転を回転するように駆動する場合、複数の第二検知ユニット1922は第二磁性部材191の回転位置を検出することにより回転子14の位置の検出を実現することができる。
【0074】
図3から図5及び図10を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに支持部材20を含み、支持部材20は開口101に設置され、剛性ホイール111は少なくとも部分的に支持部材20の内側に設置され、剛性ホイール111と支持部材20との間に転動部材21が設置され、剛性ホイール111は支持部材20に対して回転することができ、支持部材20はハウジング10と取り外し可能に接続される。
【0075】
このように、支持部材20は剛性ホイール111の回転を支持しかつ剛性ホイール111に反力を提供することができ、外接荷重の各方向から剛性ホイール111への作用力を効果的に相殺して回転の安定性を向上させることができる。
【0076】
具体的には、図10及び図11に示すとおり、このような実施形態において、支持部材20、剛性ホイール111及び転動部材21は軸受に相当することができ、支持部材20は軸受の外輪に相当することができ、剛性ホイール111は軸受の内輪に相当することができ、転動部材21は軸受のボール又はローラに相当することができ、剛性ホイール111の内側に第二リングギア構造1211を形成すればフレキシブルホイール12との動力結合を実現することができる。同時に、支持部材20及び転動部材21を設置するだけで剛性ホイール111を回転して支持することができ、支持軸受を追加して剛性ホイール111の回転を支持する必要がなく、部品を節約すると同時に動力モジュール100の径方向寸法を減少させ、その体積をより小さくすることができる。
【0077】
図示の実施形態では、支持部材20はハウジング10と取り外し可能に接続され、このようにして、支持部材20、転動部材21及び剛性ホイール111を全体として取り外し可能にすることができることを便利にする。もちろん、理解されるように、他の実施形態において、支持部材20はハウジング10と一体構造であってもよく、具体的にはここで限定されない。
【0078】
ここで、支持部材20がハウジング10の開口101に設置されることは支持部材20がハウジング10の開口101の内側に設置されかつハウジング10の収容キャビティ102内に位置することを理解することができ、開口101の外側に位置しかつハウジング10の外部に位置してもよい。図示された実施形態において、支持部材20はハウジング10の開口101の頂部に設置されかつ収容キャビティ102の外に位置し、理解されるように、他の実施形態において、支持部材20はハウジング10に収容されることであってもよく、具体的にはここで限定されない。
【0079】
図示の実施形態において、支持部材20は剛性ホイール111の外側に設置されかつ剛性ホイール111を完全に包んでカバーする。理解されるように、他の実施形態において、動力モジュール100全体の重量を減少させるために、剛性ホイール111の頂部を支持部材20の縁部から突出するように設置し、剛性ホイール111の底部が支持部材20より低く設置されかつ支持部材20内に収容され、このようにして、それぞれ支持部材20の頂部を部分的に除去しかつ剛性ホイール111の底部を部分的に除去することにより、支持部材20が剛性ホイール111の回転を支持することができることを保証する状況で動力モジュール100全体の重量を効果的に低減することができる。
【0080】
また、いくつかの実施形態において、支持部材20は剛性ホイール111の外側に設置されなくてもよく、剛性ホイール111とハウジング10との間に設置されてもよく、支持部材20の一端はハウジング10に固定し、他端は剛性ホイールに相対回転可能に固定されてもよく、例えば、いくつかの実施形態において、支持部材20は環状を呈してもよく、それはハウジング10に固定的に取り付けられ、支持部材20に環状スライド溝が形成されてもよく、剛性ホイール111の底部に環状スライド溝と嵌合する環状突起が形成され、両者が協働することにより剛性ホイール111の回転に対する支持を実現し、また、いくつかの実施形態において、支持部材20は軸受であってもよく、支持部材20をハウジング10の開口101に直接設置することができ、次にその外輪とハウジング10とを溶接等の方式でハウジング10に固定し、その内輪を溶接等の方式で剛性ホイール111に固定する。
【0081】
一実施形態として、支持部材20の外周面はハウジング10の外周面と面一である。
【0082】
このように、動力モジュール100の外観をより規則的に整列させることができ、同時に支持部材20の外周面が突出しすぎることにより径方向寸法が大きすぎることを回避することができる。
【0083】
図3から図5を参照すると、一実施形態として、動力出力部材11はさらに剛性ホイール111に固定的に接続されたフランジ112を含み、フランジ112は開口101に取り付けられ、フランジ112は剛性ホイール111、フレキシブルホイール12及びカム162をカバーする。
【0084】
このように、一方では、フランジ112を増加させることにより動力出力部材11と外部負荷との接触面積を増加したり又は接続点を増加して接続強度を向上させ、動力伝達の安定性を保証することができ、他方では、フランジ112は剛性ホイール111とフレキシブルホイール12とをカバーするように設けられて、剛性ホイール111とフレキシブルホイール12を効果的に保護して、外部不純物又は塵埃が動力モジュール内部に入って伝動の信頼性に悪影響を与えることを効果的に回避することができる。
【0085】
図4に示す実施形態において、フランジ112は剛性ホイール111の軸方向一側に固定的に接続され、両者の接続方式は軸方向接続であり、それは剛性ホイール111及びフランジ112にそれぞれ軸方向に沿って固定孔を開設しかつボルト及びネジなどの締結部材により両者を固定的に接続することができ、それは軸方向の締結部材により動力出力を行う。このような状況で、フランジ112に接続された外部負荷は直接的に軸方向に沿って延伸して軸方向にフランジ112に固定的に接続される。
【0086】
もちろん、図13を参照すると、他の実施形態において、フランジ112は剛性ホイール111の径方向一側に固定的に接続されてもよい。このような実施形態において、剛性ホイール111の径方向に固定孔1112を開設し、次に該固定孔1112の締結部材により剛性ホイール111とフランジ112を固定的に接続することができる。このように、剛性ホイール111は径方向にフランジ112に動力を出力してフランジ112を回転するように駆動し、その動力出力方向は剛性ホイール111の回転軸線と垂直であり、動力出力の安定性及び信頼性を効果的に保証することができる。このような実施形態において、フランジ112に接続された外部負荷はフランジ112及び剛性ホイール111の径方向に沿ってフランジ112又は剛性ホイール111に固定的に接続することができる。
【0087】
図3から図5を参照すると、図示の実施形態において、第一位置検出アセンブリ17の第一磁性部材171はカム162の回転子14から離れた一側に設置されかつフランジ112に取り付けられ、第一検知部材171は中心軸部105に固定的に取り付けられかつカム162の回転子14から離れる一側に位置し、すなわち、第一位置検出アセンブリ17は全てカム162の回転子から離れる一側に設置される。すなわち、このような実施形態において、第一位置検出アセンブリ17はカム162とフランジ112との間に形成された空間内に設置することができる。
【0088】
もちろん、理解されるように、いくつかの実施形態において、フランジ112に凸部が形成され、凸部がカム162の環状キャビティ1620内に延伸し、第一磁性部材171が凸部に取り付けられ、かつ第一検知部材172も全てカムの環状キャビティ1620内に収容され、これにより第一位置検出アセンブリ17全体をいずれもカム162の環状キャビティ1620内に収容することができ、それにより動力モジュール100全体の軸方向の積み重ね空間を減少させ、動力モジュール100の高さ及び体積を減少させる。
【0089】
次に、図示の実施形態において、第二位置検出アセンブリ19の第二磁性部材191はカム162の環状キャビティ1620内に収容され、第二検知部材192はカム162とフランジ112との間の空間内に位置する。理解されるように、他の実施形態において、第二位置検出アセンブリ19は全てカム162とフランジ112との間に形成された空間内に設置されるか又は回転子14内に直接設置されるか又は回転子14の外側に設置されることであってもよく、具体的にはここで限定されず、回転子14の回転位置を検出する機能を実現するだけでよい。
【0090】
さらに、図3から図5を続いて参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに第一支持軸受22を含み、ハウジング10に中心軸部105が形成され、第一支持軸受22は中心軸部105と回転子14との間に設置され、又は第一支持軸受22は中心軸部105とカム162との間に設置され、又は第一支持軸受22の一部は中心軸部105と回転子14との間に設置され、他の部分は中心軸部105とカム162との間に設置される。第一支持軸受22は、カム162及び/又は回転子14と中心軸部105とを相対回転した状態で支持するために用いられる。
【0091】
このように、第一支持軸受22は回転子14及びカム162の回転を支持して回転の安定性を保証することができる。
【0092】
具体的には、このような実施形態において、第一位置検出アセンブリ17は第一支持軸受22の頂部に位置し、このようにして第一位置検出アセンブリ17を交換するか又はメンテナンスしやすく、すなわち、軸方向に沿って、第一支持軸受22と第一位置検出アセンブリ17は間隔をあけて設置され、第一位置検出アセンブリ17は第一支持軸受22の上方に位置し、このように、第一位置検出アセンブリ17を交換するか又はメンテナンスする必要がある場合、フランジ112を剛性ホイール111から取り外すだけで第一位置検出アセンブリ17を露出させることができ、着脱を便利にする。
【0093】
一実施形態として、第一支持軸受22は中心軸部105に嵌設されてもよく、第一支持軸受22の外輪は溶接、締り嵌め等の方式でカム162及び/又は回転子14に固定的に接続され、第一支持軸受22の内輪は中心軸部105と溶接、締り嵌め等の方式で固定的に接続される。
【0094】
図4から図6を続いて参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに第二支持軸受23を含み、第二支持軸受23は動力出力部材11とカム162との間に設けられ、第二支持軸受23は動力出力部材11とカム162を相対回転する状態で支持するために用いられる。
【0095】
このように、第二支持軸受23はカム162を回転支持すると同時にフランジ112の回転を支持することができ、追加の支持軸受を追加設置する必要がなくフランジ112を支持し、部品の使用を減少させ、コストを低減する。具体的には、このような実施形態において、第二支持軸受23はフランジ112とカム162との間に設置されてもよく、第二支持軸受23は一方向スラスト軸受であることができる。
【0096】
図4を参照すると、一実施形態として、いくつかの実施形態において、第二支持軸受23とフランジ112との間にさらに波形バネが設置されてもよく、波形バネは第二支持軸受23に一定の圧力を提供することができ、それによりフランジ112に設置された第一磁性部材171と第二回路基板1721との間の寸法を制御する。
【0097】
図3から図5及び図10を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに取付ブラケット24を含み、固定子13は取付ブラケット24に設けられかつ取付ブラケットによりハウジング10又はフレキシブルホイール12に固定的に接続される。このように、取付ブラケット24は固定子13を効果的に支持し安定して取り付けることができる。
【0098】
具体的には、このような実施形態において、取付ブラケット24はフレキシブルホイール12の取付壁122の上方に設けられ、ネジ、ボルト及びピン等の締結部材により取付ブラケット24、取付壁122及びハウジング10を直接的に固定接続することができ、このように、取付ブラケット24はフレキシブルホイール12の取付壁122を押圧することができ、それによりフレキシブルホイール12の変形抵抗能力を向上させ、フレキシブルホイール12の割れを効果的に回避する。
【0099】
図4及び図5を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに第三支持軸受26を含み、第三支持軸受26は回転子14と取付ブラケット24との間に設けられ、第三支持軸受26は回転子14と取付ブラケット24を相対回転する状態で支持するために用いられる。
【0100】
このように、第三支持軸受26の設置は回転子14と取付ブラケット24の相対回転を安定的に支持して回転子14の回転の安定性を保証することができる。具体的には、このような実施形態において、取付ブラケット24は回転子14の端部に位置することができ、第三支持軸受26は回転子14の端部と取付ブラケット24に取り付けられ、例えば第三支持軸受26の外輪は取付ブラケット24に固定的に接続され、内輪は回転子14の端部に固定的に接続することができる。
【0101】
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、第三支持軸受26は回転子14と取付ブラケット24との間に設置されず、第三支持軸受26は直接的に回転子14と中心軸部105との間に設置されかつ第一支持軸受22と間隔をあけて対向して設置される。このような状況で、回転子14の内壁に収容キャビティが形成され、固定子は少なくとも部分的にこの収容キャビティ内に収容されてもよく、第三支持軸受26は回転子14の中心軸部105に近い部分と中心軸部105との間に設置することができる。
【0102】
図4から図9を参照すると、一実施形態として、固定子13と取付ブラケット24との間にさらに第四回路基板25が設けられる。このようにして、第四回路基板25は固定子に給電することができる。
【0103】
具体的には、固定子13はさらに固定子鉄心に巻設された固定子巻線(図示せず)を含み、固定子巻線と第四回路基板25は第四回路基板25に電気的に接続されると第一回路基板18に電気的に接続され、通電する時、固定子巻線は回転子14の回転を駆動する駆動力を生成して回転子14をハウジング10に対して回転するように駆動する。
【0104】
このような実施形態において、ハウジング10の底壁103に貫通孔107が開設されてもよく、同様に、フレキシブルホイール12の取付凸部1221にも貫通孔107が形成されてもよく、第四回路基板25は貫通孔107を通過する接続線を介して第一回路基板18に電気的に接続され、それにより第四回路基板25は回路に外接することができ、複雑な配線を必要とせず、配線空間を節約し、さらに動力モジュール100の体積を減少させる。
【0105】
いくつかの実施形態において、第四回路基板25と取付ブラケット24との間にさらに絶縁シート(図示せず)が設置することができる。このように、絶縁シートは取付ブラケット24及び第四回路基板25を遮断し、第四回路基板25と取付ブラケット24が電気的に接続することにより固定子13を短絡することを回避することができる。もちろん、理解されるように、いくつかの実施形態において、取付ブラケット24が絶縁材料である場合、上記絶縁シートを設置しなくてもよい。かつ、いくつかの実施形態において、第四回路基板25を設置することなく直接固定子巻線と第一回路基板18を電気的に接続することができ、具体的にはここで限定しない。
【0106】
本出願の実施形態において、第一回路基板18は動力モジュール100全体の給電回路基板であってもよく、第一回路基板18は駆動回路基板30とプラグ35を介して挿着され、第一回路基板18は動力モジュール100内の各素子に給電して制御及び検出信号を伝送するために用いられ、第一回路基板18はハウジング10の底壁103の下方の収容空間109内に設置されてもよく、それは収容キャビティ103の外に位置する。
【0107】
第二回路基板1721は第一位置検出アセンブリ17の支持回路基板であり、第三回路基板1921は第二位置検出アセンブリ19の支持回路基板であり、第二回路基板1721及び第三回路基板1921はいずれも中心軸部105上の配線溝1051を通過する接続線を介して第一回路基板18に電気的に接続され、もちろん、前述したように、第二回路基板1721及び第三回路基板1921は一枚の回路基板に統合されて第一回路基板18に直接電気的に接続されてもよく、又は第二回路基板1721及び第三回路基板1921を省略して第一検知ユニット1722及び第二検知ユニット1922を直接的に接続線を介して第一回路基板18に電気的に接続されてもよい。
【0108】
第四回路基板25は固定子回路基板であり、それは主に固定子13の固定子巻線に給電し回転子14を回転するように駆動することに用いられ、第四回路基板25は配線を介して第一回路と18に電気的に接続されてもよく、駆動回路基板30がロボットのプロセッサから送信された制御指令を受信する時、第一回路基板18及び第四回路基板25により固定子の状態を制御して回転子14の回転速度を制御することができる。もちろん、理解されるように、いくつかの実施形態において、第四回路基板25は省略されてもよく、固定子13の巻線を配線を介して第一回路基板18に直接電気的に接続される。
【0109】
また、図4を参照すると、図示の実施形態において、中心軸部105に複数のシャフトショルダが形成され、第二回路基板1721及び第三回路基板1921は中心軸部105のシャフトショルダに取り付けられてもよく、このような実施形態では、中心軸部105はハウジング10全体を完全に貫通し、接続線33は配線溝1051を介して中心軸部105の内部に入り、その後に直接第一回路基板18に電気的に接続される。
【0110】
図14を参照すると、いくつかの実施形態において、中心軸部105内に冷却液循環管路36が設置することができ、冷却液循環管路36は入口361及び出口362を有し、冷却過程において、外接の冷却ポンプにより冷却液を冷却液循環管路36内に循環するように駆動して熱量を運び去り、それにより動力モジュール100の発熱素子が集中しすぎて放熱が間に合わないことを回避する。図14に示す実施形態において、入口361は動力モジュール100の底部に位置し、出口362は動力モジュール100の頂部に位置し、理解されるように、いくつかの実施形態において、入口361と出口362の位置は入れ替え又は入口361と出口362をいずれも動力モジュール100の底部又は頂部に設置することができ、具体的にはここで限定しない。
【0111】
図4及び図5を参照すると、一実施形態として、図示の実施形態において、ハウジング10の底部にカバー31がさらに設置され、カバー31はハウジング10の底壁103の収容空間109を覆い、駆動回路基板30と第一回路基板18はいずれも収容空間109内に収容される。このように、カバー31は駆動回路基板30と第一回路基板18を保護することができ、同時に防塵の役割を果たすことができる。
【0112】
もちろん、図15を参照すると、いくつかの実施形態において、ハウジング10の底部に収容空間109が形成されなくてもよく、第一回路基板18をハウジング10の底壁103の下方に直接貼り付けてさらにハウジング10の全体の高さを減少させて動力モジュール100全体の体積を減少させる。このような状況で、駆動回路基板30は外付け可能であり、例えば、ロボットの胴体200に設置することができ、接続配線を介して第一回路基板18に電気的に接続される。
【0113】
図3及び図4及び図8を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらにトルクセンサ29を含み、ハウジング10は底壁103を含み、底壁103に溝1031が開設され、トルクセンサ29は溝1031内に取り付けられ、トルクセンサ29は剛性ホイール111の出力トルクを検出するために用いられる。
【0114】
このように、トルクセンサ29はハウジング10に直接取り付けられ、剛性ホイール111の受けたトルクはフレキシブルホイール12によりハウジング10に作用した後にトルクセンサ29に直接的に作用し、トルクセンサ29の検出トルクは剛性ホイール111の受けたトルクであり、検出が正確で、確実であり、同時に、トルクセンサ29はハウジング10の底壁103の溝1031内に設置されてトルクセンサ29の組み立てを容易にすることができ、全体構造がコンパクトであり、同時にトルクセンサ29を保護することもできる。
【0115】
具体的には、図示の実施形態において、剛性ホイール111が受けたトルクはフレキシブルホイール12のフレキシブル壁121に作用し、次に取付壁122によりハウジング10の底壁103に作用し、さらに底壁103に取り付けられたトルクセンサ29に伝達されてトルク検出を実現する。
【0116】
図示の実施形態において、溝1031はハウジング10の底壁103の底部に形成され、トルクセンサ29は溝1031内に取り付けられ、第一回路基板18は底壁103に取り付けられかつトルクセンサ29をカバーし、トルクセンサ29は第一回路基板18に電気的に接続される。トルクセンサ29は好ましくは歪みゲージトルクセンサ29であり、歪みゲージトルクセンサ29の体積が小さく、底壁103の溝1031内に取り付けられ、それにより動力モジュール100全体の体積を減少させることができる。
【0117】
また、いくつかの実施形態において、底壁103上の溝1031に対応する部分の材料はハウジング10の他の部分の材料と異なり、溝1031に対応する部分は他の部分に比べて変形しやすく、トルクセンサ29のトルクに対する検出を容易にし、検出の正確性及び精度を向上させる。
【0118】
図2から図5及び図16図19及び図20を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はハウジング10、動力出力部材11、フレキシブルホイール12、回転子14、固定子13、波発生器16及び冷却管路を含み、ハウジング10に開口101及び収容キャビティ102が形成され、動力出力部材11はハウジング10に対して回転することができ、動力出力部材11は剛性ホイール111を含み、剛性ホイール111は開口101に設けられる。
【0119】
フレキシブルホイール12は少なくとも部分的に収容キャビティ102内に設置されかつ剛性ホイール111に動力結合され、フレキシブルホイール12はさらにハウジング10に固定的に接続される。回転子14は少なくとも部分的にハウジング10の収容キャビティ102内に回転可能に取り付けられ、回転子14の内側に磁石15が取り付けられ、回転子14は剛性ホイール111と同軸に回転し、固定子13は少なくとも部分的に回転子14内に収容されかつ磁石15と間隔をあけて対向して設置される。
【0120】
波発生器16はフレキシブル軸受161及びカム162を含み、フレキシブル軸受161はフレキシブルホイール12とカム162との間に設置され、カム162は回転子14に取り外し可能に取り付けられるか又は回転子14と一体構造である。
【0121】
そのうち、固定子13は回転子14がハウジング10に対して回転するように駆動するために用いられ、回転子14が回転する時に波発生器16によりフレキシブルホイール12の変形を駆動して剛性ホイール111が回転するように駆動して動力を出力する。
【0122】
具体的には、ハウジング10はさらに周囲壁104、中心軸部105及び周囲壁104と中心軸部105を接続する底壁103を含み、周囲壁104と底壁103は共に収容キャビティ102を形成し、フレキシブルホイール12の取付壁122は囲壁104、底壁103及び中心軸部105のうちの少なくとも一つに固定的に接続され、中心軸部105は底壁103に凸設され、かつ開口101の方向に向かって延伸し、少なくとも一部の冷却管路は固定子13の内側に収容され、かつ固定子13に近接する。
【0123】
現在、関連技術における関節モータは自然放熱又はファン放熱を多く使用し、関節モータのトルク密度の増大に伴い、自然放熱及びファン放熱は現在の関節の放熱需要を満たすことができず、液冷の放熱能力がより強く、しかしながら、多くの液冷の流路はハウジングの表面に設置され、固定子の温度が高く、ハウジングの表面の冷却液は固定子を直接的に放熱することができず、すなわちハウジングの表面の冷却液は固定子への放熱効果が限られる。本発明に係る動力モジュール100は、少なくとも冷却管80が固定子14の内側に収容されかつ固定子14に近接し、冷却管路80と固定子14との距離がより近く、固定子14により生成された熱量が迅速に冷却液に伝達され、固定子14の温度が高すぎて発電機の絶縁構造を破損することを回避し、ある程度で動力モジュール100の耐用年数を延長する。
【0124】
図16から図18を参照すると、一実施形態として、冷却管路と中心軸部105は互いに独立した構造である。例えば、冷却管路は中心軸部105に巻回された冷却管路80であってもよく、具体的には、冷却管路80は順に接続された入水セグメント801、コイルセグメント802及び出水セグメント803を含み、コイルセグメント802は中心軸部105に近接し、又は中心軸部105に直接接触し、又は放熱部材により中心軸部105と接触し、底壁103にそれぞれ第一貫通孔1031と第二貫通孔1032が設置され、入水セグメント801は第一貫通孔1031を貫通し、出水セグメント803は第二貫通孔1032を貫通する。すなわち冷却管路80の入水セグメント801は第一貫通孔1031を介して動力モジュール100の内部に入り、中心軸部105の軸方向に沿って螺旋状に巻かれ、コイルセグメント802は好ましくは前記中心軸部105の内周壁に密着し、コイルセグメント802の主な作用は固定子14を降温させることであるため、コイルセグメント802の軸方向の長さは好ましくは固定子14の径方向に沿って軸方向に投影された長さ以上であり、冷却管路80は第二貫通孔1032を介して動力モジュール100を貫通して出水セグメント803を形成する。本実施例において、前記入水セグメント801と出水セグメント803は動力モジュール100の同じ側に位置し、他の実施例において、前記給水セグメント801と出水セクション803はそれぞれ動力モジュール100の対向する両側に位置することができる。また、配線を容易にするために、動力モジュール100はさらに配線筒(図示せず)を含み、配線筒及び中心軸部105は部分的に前記冷却水管を間に挟んで、信号線及び電源線は前記配線筒を貫通することができる。
【0125】
これにより、冷却液は冷却管路80の入水セグメント801に沿ってコイルセグメント802に流れ、さらにコイルセグメント802を経て出水セグメント803に流れ、隣接する二段の冷却管路内の冷却液の流れ方向が逆であり、冷却管路80全体の温度の均一性を保証し、局所的な過熱により、放熱効果に悪影響を与えることを回避することができ、それにより動力モジュール100内の構造部品を迅速に降温し、特に発熱量が多い固定子14に対して、流れる冷却液は固定子14への放熱効果を向上させることができる。それ以外に、冷却管路80は同じ側の入水及び出水を採用し、放熱効果を向上させると同時に、さらに動力モジュール100の構造をよりコンパクトにし、空間を節約し、動力モジュール100の体積を減少させることができる。説明すべきものとして、冷却管路80の巻回方式は特に制限されず、さらに動力モジュール100の具体的な用途に応じて他の巻回方式を選択することができ、放熱需要を満たすことができればよく、冷却管路80の巻回密度も特に限定されず、放熱需要に合わせて設計することができる。
【0126】
図19から図24を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらにスリーブ50を含み、スリーブ50が中心軸部105に嵌設され、スリーブ50が中心軸部の外周壁に嵌設されてもよく、中心軸部の内周壁に嵌設されてもよく、説明の便宜上、本解決手段はスリーブ50が中心軸部の外周壁に嵌設されたもので説明し、中心軸部105がスリーブ50と嵌合した後、中心軸部105とスリーブ50との間に冷却管路が画定され、スリーブ50と中心軸部105とが接触する筒壁に第一流路溝が設置され、第一流路溝の内壁と中心軸部105の外周壁との間に冷却管路が画定され、又は、中心軸部105とスリーブ50とが接触する軸壁に第二流路溝70が設置され、第二流路溝70の内壁とスリーブ50の内周壁に冷却管路が画定され、又は、中心軸部105とスリーブ50とが接触する軸壁に第二流路溝70が設置され、スリーブ50と中心軸部105とが接触する筒壁に第一流路溝が設置され、かつ第一流路溝と第二流路溝70が互いに正対しかつ延在方向が一致し、第一流路溝の内壁と第二流路溝70の内壁が互いに共同して冷却管路を画定して構成する。
【0127】
すなわち、冷却管路はさらに動力モジュール100自体の構造で形成されてもよく、例えば、動力モジュール100はさらにスリーブ50を含み、スリーブ50はスチールスリーブであってもよく、スリーブ50は中心軸部105に嵌設され、中心軸部105及びスリーブ50はいずれも冷却管路の一部である。具体的には、スリーブ50の筒壁にのみ第一流路溝が設置される場合、中心軸部105はスリーブ50と共に冷却管路を画定し、中心軸部105は冷却液が冷却管路から流出することを防止することができ、中心軸部105とスリーブ50とが接触する軸壁にのみ第二流路溝70が設置される場合、スリーブ50は中心軸部105と共に第二流路溝70を画定し、スリーブ50は冷却液が第二流路溝70から流出することを防止することができ、中心軸部105に第二流路溝70が設置され、スリーブ50の筒壁に第一流路溝が設置される場合、二つの流路溝は共に冷却液が流通する冷却管路を画定する。これにより、直接的に動力モジュール100自体の構造に溝を掘って冷却管路を形成し、動力モジュール100の本来の構造に新たな構造を追加する必要がないことにより、動力モジュール100の構成がより簡単であり、構造がコンパクトであり、同時に、冷却管路が固定子13に近接し、固定子13を迅速に放熱し、放熱効果を向上させることができる。
【0128】
図19から図24を参照すると、一実施形態として、中心軸部105及びスリーブ50に溝を掘って冷却管路を設置する場合、第一流路溝及び第二流路溝70の具体的な構造は特に限定されない。例えば、第一流路溝及び/又は第二流路溝70は、複数の周方向セグメント701及び複数の軸方向セグメント702を含み、複数の周方向セグメント701が回転子14の回転軸線を取り囲み、複数の軸方向セグメント702が回転子14の回転する軸方向に沿って延伸し、かつ複数の周方向セグメント701が回転子14の回転する軸方向に間隔をおいて配置され、隣接する二つの周方向セグメント701の間に軸方向セグメント702が接続される。これにより、冷却液は底壁103の入水口を経て流路溝内に入りかつ中心軸部105を取り囲み中心軸部105の頂部領域に流れ、中心軸部105の頂部領域に転向領域1051が設置され、冷却液は転向領域1051で流れ方向を変え、中心軸部105を取り囲み中心軸部105の底端まで流れてさらに出水口を経て流出し、一回の放熱を完了する。入水と出水が間隔を置いて配置され、冷却管路の全体の熱量分布が均一であることを保証し、局所的な過熱によって放熱効果に悪影響を与えることを回避し、放熱効率を向上させることができる。
【0129】
図22から図24を参照すると、一実施形態として、周方向セグメント701はさらに、第一周方向セグメント7011、第二周方向セグメント7012及び第三周方向セグメント7013を含み、第一周方向セグメント7011及び第二周方向セグメント7012はいずれも複数でありかつ互いに対応して設置され、第一周方向セグメント7011及び対応する第二周方向セグメント7012は中心軸部105の軸線に垂直な同一平面内に位置し、複数の第一周方向セグメント7011及び第二周方向セグメント7012は中心軸部105の軸方向に間隔をあけて設置され、第三周方向セグメント7013は複数の第一周方向セグメント7011及び第二周方向セグメント7012の底壁103から離れる一側に位置する。すなわち周方向セグメント701はセグメント化された設計であり、冷却液は入水口を経て第一周方向セグメント7011に流入し、軸方向セグメント702を経て隣接する次の第一周方向セグメント7011に流入し、さらに軸方向セグメント702を経て次の第一周方向セグメント7011に流入し、このように類推し、冷却液が回転子14の回転軸線を取り囲む第三周方向セグメント7013に流入した後、さらに第三周方向セグメント7013から第二周方向セグメント7012に流入し、さらに軸方向セグメント702を経て隣接する次の第二周方向セグメント7012に流入し、このように類推し、冷却液が第二周方向セグメント7012に連通する出水口に流入するまで、一回の放熱を完了する。これにより、流路溝の中心軸部105及び/又はスリーブ50での占用体積が小さく、放熱需要を満たすと同時に、ある程度で中心軸部105及び/又はスリーブ50の剛性を維持することができる。
【0130】
図23及び図24を参照すると、一実施形態として、動力モジュール100はさらに第一密封部材61及び第二密封部材62を含み、第一密封部材61はスリーブ50と中心軸部105との間に位置し、第二密封部材62はスリーブ50と中心軸部105との間に位置し、又は第二密封部材62はスリーブ50と底壁103との間に位置し、第一流路溝又は第二流路溝70は第一密封部材61と第二密封部材62との間に位置する。密封部材がスリーブ50と中心軸部105との間に位置する場合、径方向密封であり、密封部材がスリーブ50と底壁103との間に位置する場合、軸方向密封である。すなわち冷却管路の密封は二つの径方向密封で完了することができ(図23参照)、一つの径方向密封及び一つの軸方向密封により完了することができる(図24参照)。これにより、冷却管路内の冷却液漏れを防止することができ、かつ、密封構造が簡単で、信頼性がより高い。なお、第一密封部材61及び第二密封部材62の種類は限定されず、O型密封リングであってもよい。
【0131】
本発明はさらに動力設備1000を提供し、該動力設備1000は前述の動力モジュール100を含む。例えば、動力設備1000はロボットであってもよく、上記動力モジュール100はロボットの関節に取り付けられてもよく、固定子13の発熱量が大きいため、冷却管路は固定子13を直接的に放熱することができ、放熱効果を向上させる。かつ、動力モジュール100は構造がコンパクトであり、体積が小さく、信頼性が高い。
【0132】
本明細書の説明において、参照用語「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」等の説明は前記実施形態又は例を参照して説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴が本出願の少なくとも一つの実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語への概略的な記述は必ずしも同じ実施形態又は例を指すとは限らない。かつ、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特徴は任意の一つ又は複数の実施形態又は例において適切な方式で結合することができる。
【0133】
本出願の実施形態を示しかつ説明したが、当業者は以下を理解することができる:本出願の原理及び精神から逸脱することなくこれらの実施形態に対して様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本出願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【符号の説明】
【0134】
動力設備1000、動力モジュール100、ハウジング10、開口101、収容キャビティ102、底壁103、溝1031、周囲壁104、中心軸部105、貫通孔107、動力出力部材11、剛性ホイール111、第一リングギア構造1111、フランジ112、凸部1121、フレキシブルホイール12、フレキシブル壁121、第二リングギア構造1211、取付壁122、取付キャビティ123、固定子13、回転子14、磁石15、波発生器16、フレキシブル軸受161、カム162、第一位置検出アセンブリ17、第一磁性部材171、第一検知部材172、第二回路基板1721、第一検知ユニット1722、固定座173、第一回路基板18、第二位置検出アセンブリ19、第二磁性部材191、第二検知部材192、第三回路基板1921、第二検知ユニット1922、支持部材20、転動部材21、第一支持軸受22、第二支持軸受23、取付ブラケット24、第四回路基板25、第三支持軸受26、トルクセンサ29、駆動回路基板30、カバー31、第一貫通孔1031、第二貫通孔1032、スリーブ50、第一密封部材61、第二密封部材62、第二流路溝70、周方向セグメント701、第一周方向セグメント7011、第二周方向セグメント7012、第三周方向セグメント7013、軸方向セグメント702、冷却管溝1051、冷却管路80、入水セグメント801、コイルセグメント802、出水セグメント803、転向領域1051、胴体200、足部300
図1
図2
図3
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図5
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