(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-23
(45)【発行日】2024-05-02
(54)【発明の名称】電気盤の活線表示装置、電気盤の扉ロック装置および電気設備
(51)【国際特許分類】
H02B 1/38 20060101AFI20240424BHJP
H02B 3/00 20060101ALI20240424BHJP
【FI】
H02B1/38 A
H02B3/00 Z
(21)【出願番号】P 2022206056
(22)【出願日】2022-12-22
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】井上 雄太
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-234825(JP,A)
【文献】特開2016-160652(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0052678(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-059830(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/38
H02B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気盤の活線表示を行う電気盤の活線表示装置であって、
前記電気盤内の電気系統とは別の電気系統を有して前記電気盤の外部に設けられ、前記電気盤で検出された電圧に基づいて外部に電圧を出力する電圧出力部と、
前記電気盤の扉の前面に取り付けられ、前記電圧出力部から出力された電圧を用いて発光する発光部と、を備える、電気盤の活線表示装置。
【請求項2】
前記発光部は、LEDチューブライトで構成され、前記電気盤のハンドルを囲むように配置されている、請求項1に記載の電気盤の活線表示装置。
【請求項3】
前記電気盤の扉の前面に取り付けられ、前記電圧出力部から出力された電圧を用いて前記電気盤のハンドルの移動を規制するロック機構を備える、請求項1に記載の電気盤の活線表示装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記ハンドルの移動を妨げる第1位置と、前記ハンドルの移動を妨げない第2位置との間を移動可能なアームを有し、
前記ロック機構は、前記電圧出力部から出力された電圧を用いて前記アームを前記第1位置に固定する、請求項3に記載の電気盤の活線表示装置。
【請求項5】
前記発光部を支持する支持板を備え、
前記発光部は、前記支持板を介して前記電気盤の扉の前面に取り付けられる、請求項1に記載の電気盤の活線表示装置。
【請求項6】
前記支持板は、磁石により前記電気盤の扉の前面に着脱可能に取り付けられる、請求項5に記載の電気盤の活線表示装置。
【請求項7】
電気盤と、
前記電気盤の活線表示を行う、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気盤の活線表示装置と、を備える、電気設備。
【請求項8】
電気盤の扉をロックする電気盤の扉ロック装置であって、
前記電気盤内の電気系統とは別の電気系統を有して前記電気盤の外部に設けられ、前記電気盤で検出された電圧に基づいて外部に電圧を出力する電圧出力部と、
前記電気盤の扉の前面に取り付けられ、前記電圧出力部から出力された電圧を用いて前記電気盤のハンドルの移動を規制するロック機構と、を備える、電気盤の扉ロック装置。
【請求項9】
前記ロック機構は、前記ハンドルの移動を妨げる第1位置と、前記ハンドルの移動を妨げない第2位置との間を移動可能なアームを有し、
前記ロック機構は、前記電圧出力部から出力された電圧を用いて前記アームを前記第1位置に固定する、請求項8に記載の電気盤の扉ロック装置。
【請求項10】
前記電気盤の扉の前面に取り付けられ、前記電圧出力部から出力された電圧を用いて発光する発光部を備える、請求項8に記載の電気盤の扉ロック装置。
【請求項11】
前記発光部は、LEDチューブライトで構成され、前記ハンドルを囲むように配置されている、請求項10に記載の電気盤の扉ロック装置。
【請求項12】
前記ロック機構を支持する支持板を備え、
前記ロック機構は、前記支持板を介して前記電気盤の扉の前面に取り付けられる、請求項8に記載の電気盤の扉ロック装置。
【請求項13】
前記支持板は、磁石により前記電気盤の扉の前面に着脱可能に取り付けられる、請求項12に記載の電気盤の扉ロック装置。
【請求項14】
電気盤と、
前記電気盤の扉をロックする、請求項8~13のいずれか一項に記載の電気盤の扉ロック装置と、を備える、電気設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、電気盤の活線表示装置、電気盤の扉ロック装置および電気設備に関する。
【背景技術】
【0002】
受配電設備等の電気設備において用いられる配電盤や分電盤等の電気盤が知られている。一般に、充電中の電気盤には、その扉の前面に「充電中」や「操作禁止」等の表示の札が貼り付けられ、その扉が施錠される。従来では、作業責任者が、作業前に作業対象となる電気盤を確認して、扉の前面に「充電中」や「操作禁止」等の表示の札の貼り付け作業および扉の施錠を実施していた。
【0003】
しかしながら、この場合、当日に作業予定のない電気盤には、充電中であっても札が貼り付けられない場合があった。また、確認が不十分で、充電中の電気盤に札が貼り付けられなかったり、扉が施錠されなかったりする場合もあった。また、電気盤の扉を施錠しても、鍵で簡単に開けられてしまう場合があった。このため、作業者が作業中に電気盤の充電部に触れて感電するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-180790号公報
【文献】実開昭57-151910号公報
【文献】特開昭55-18805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、電気盤の安全性を向上させることができる電気盤の活線表示装置、電気盤の扉ロック装置および電気設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施の形態による電気盤の活線表示装置は、電気盤の活線表示を行う。電気盤の活線表示装置は、電気盤内の電気系統とは別の電気系統を有して電気盤の外部に設けられ、電気盤で検出された電圧に基づいて外部に電圧を出力する電圧出力部と、電気盤の扉の前面に取り付けられ、電圧出力部から出力された電圧を用いて発光する発光部と、を備える。
【0007】
また、実施の形態による電気設備は、電気盤と、電気盤の活線表示を行う、上述した電気盤の活線表示装置と、を備える。
【0008】
また、実施の形態による電気盤の扉ロック装置は、電気盤の扉をロックする。電気盤の扉ロック装置は、電気盤内の電気系統とは別の電気系統を有して電気盤の外部に設けられ、電気盤で検出された電圧に基づいて外部に電圧を出力する電圧出力部と、電気盤の扉の前面に取り付けられ、電圧出力部から出力された電圧を用いて電気盤のハンドルの移動を規制するロック機構と、を備える。
【0009】
また、実施の形態による電気設備は、電気盤と、電気盤の扉をロックする、上述した扉ロック装置と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本実施の形態によれば、電気盤の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態による電気設備を示す正面図である
【
図3】
図3は、
図1に示される活線表示装置を拡大して示す正面図である。
【
図4】
図4は、
図3の活線表示装置において、ロック機構のアームが第2位置に位置する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態による電気設備および電気盤の活線表示装置について説明する。
【0013】
まず、
図1および
図2を用いて、本実施の形態による電気設備について説明する。
図1に示すように、本実施の形態による電気設備1は、配電盤や分電盤等の電気盤2と、電気盤の活線表示装置10(以下、単に活線表示装置10と称する)と、を含んでいる。
図1に示すように、電気設備1は、複数の電気盤2と、各電気盤2に対応する複数の活線表示装置10と、を含んでいてもよい。
【0014】
活線表示装置10は、電気盤2の活線表示を行うように構成されている。活線表示装置10は、電圧出力部15と、発光部20と、ロック機構30と、を含んでいてもよい。発光部20は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて発光するように構成されている。ロック機構30は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて電気盤2のハンドル4の移動を規制するように構成されている。
図1に示すように、発光部20およびロック機構30は、電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられている。活線表示装置10の各構成の詳細な説明は後述する。なお、活線表示装置10は、発光部20およびロック機構30の一方を有していれば、他方は有していなくてもよい。活線表示装置10がロック機構30を有している場合、活線表示装置10を扉ロック装置と称することもできる。
【0015】
図1に示すように、電気盤2と隣り合う位置にリレーボックス5が配置されていてもよい。リレーボックス5には、各電気盤2の回路の電圧を検出する不足電圧リレー5aと、外部に電圧を出力する電圧出力部15と、が収容されていてもよい。
【0016】
図2に示すように、電気盤2は、開閉器2aを有していてもよい。開閉器2aが閉状態の場合、電気盤2の回路に電流が流れ、電気盤2は充電状態になる。開閉器2aが開状態の場合、電流の流れが遮断され、電気盤2は非充電状態になる。また、電気盤2は、端子台2bを有していてもよい。電気盤2の端子台2bは、ケーブル6の一方のコネクタ6aと接続されてもよい。ケーブル6の他方のコネクタ6bは、リレーボックス5の端子台5bと接続されてもよい。ケーブル6は、コネクタ6a、6bにおいて端子台2b、5bに対して着脱可能であってもよい。リレーボックス5に収容された不足電圧リレー5aは、このケーブル6を介して電気盤2における電圧を検出してもよい。
【0017】
電圧出力部15は、開閉器15aを有していてもよい。開閉器15aが開状態の場合、外部に電圧は出力されず、開閉器15aが閉状態の場合、外部に電圧が出力される。不足電圧リレー5aが所定値よりも小さい電圧を検出した場合(電気盤2の非充電時)、開閉器15aを開状態(電圧非出力)にしてもよい。一方、不足電圧リレー5aが所定値以上の電圧を検出した場合(電気盤2の充電時)、開閉器15aを閉状態(電圧出力)にしてもよい。このように、電圧出力部15は、電気盤2で検出された電圧に基づいて外部に電圧を出力するように構成されていてもよい。
【0018】
電圧出力部15は、ケーブル16を介して発光部20およびロック機構30に接続されていてもよい。ケーブル16は、コネクタ16a、16b、16cにおいてリレーボックス5、発光部20およびロック機構30に対してそれぞれ着脱可能であってもよい。電圧出力部15は、ケーブル16を介して発光部20およびロック機構30に電圧を付与してもよい。電圧出力部15の発光部20への出力電圧は交流電圧(例えばAC100V)であってもよい。電圧出力部15のロック機構30への出力電圧は直流電圧(例えばDC24V)であってもよい。この場合、リレーボックス5内に不図示のA/Dコンバータが配置され、A/Dコンバータにより交流電流が直流電流に変換されてもよい。
【0019】
次に、
図3~
図5を用いて、本実施の形態による活線表示装置10の構成の詳細について説明する。
【0020】
図3に示すように、活線表示装置10は、発光部20と、ロック機構30と、支持板40と、を含んでいてもよい。
【0021】
発光部20は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて発光するように構成されている。すなわち、発光部20は、電気盤2の充電時に発光するようになっている。発光部20は、例えば、LEDチューブライトで構成されていてもよい。発光部20は、電気盤2のハンドル4を囲むように配置されていてもよい。
図3に示すように、発光部20は、支持板40の周縁に沿って配置されていてもよい。発光部20は、支持板40の四隅に設けられた金具42の溝部に嵌め込まれることで支持板40に取り付けられていてもよい。
【0022】
ロック機構30は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて電気盤2のハンドル4の移動を規制するように構成されている。すなわち、ロック機構30は、電気盤2の充電時に電気盤2のハンドル4の移動を規制するようになっている。
【0023】
図3および
図4に示すように、ロック機構30は、ハンドル4の移動を妨げる第1位置P1とハンドル4の移動を妨げない第2位置P2との間を移動可能なアーム32を有していてもよい。アーム32は、機構本体34に軸支されていてもよく、第1位置P1と第2位置P2との間を回動可能であってもよい。
図3に示すように、アーム32が第1位置P1に位置するとき、アーム32は機構本体34から垂直方向に延び出る姿勢であってもよい。
図3に示すように、アーム32が第1位置P1から第2位置P2に移動するとき、アーム32は時計回りに90度回転してもよい。
図4に示すように、アーム32が第2位置P2に位置するとき、アーム32は機構本体34から水平方向に延び出る姿勢であってもよい。
【0024】
ロック機構30は、電圧出力部15から出力された電圧を用いてアーム32を第1位置P1に固定してもよい。すなわち、ロック機構30は、電気盤2の充電時にアーム32を第1位置P1に固定してもよい。この場合、アーム32の第1位置P1から第2位置P2への移動が規制される。アーム32の第1位置P1と第2位置P2との間の移動は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて自動的に行われてもよいが、作業者によって手動で行われてもよい。
【0025】
図3および
図4に示すように、ハンドル4は回転式のハンドルであってもよい。
図3に示すように、正面から見たときに、第1位置P1に位置するアーム32は、ハンドル4が回動する方向(図における反時計回り)においてハンドル4と隣り合う位置に位置していてもよい。この場合、アーム32が第1位置P1に位置するとき、ハンドル4を回動させようとするとハンドル4がアーム32に当接し、ハンドル4の移動が妨げられる。このため、作業者は電気盤2の扉3を開けることが困難になり、電気盤2の扉3がロックされる。一方、
図4に示すように、アーム32が第2位置P2に位置するとき、ハンドル4はアーム32に当接することなく回動することができる。このため、作業者は電気盤2の扉3を容易に開けることができる。
【0026】
支持板40は、発光部20およびロック機構30を支持する。発光部20およびロック機構30は、この支持板40を介して電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられてもよい。支持板40は、薄い金属板で構成されていてもよい。
図3~
図5に示すように、支持板40の平面形状は矩形状であってもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、支持板40の平面形状は円形状や楕円形状であってもよく、任意である。
【0027】
図3および
図5に示すように、支持板40は、第1面40aと、第1面40aとは反対側に位置する第2面40bと、を有していてもよい。第1面40aは、発光部20およびロック機構30が取り付けられる面である。第2面40bは、電気盤2の扉3の前面3aに面する面である。第1面40aの四隅に、上述した金具42が設けられていてもよい。上述したように、発光部20は、第1面40aに設けられた金具42の溝部に嵌め込まれることで支持板40に取り付けられてもよい。ロック機構30は、第2面40bからボルト43により締結されることで支持板40に取り付けられてもよい。
【0028】
また、支持板40は、貫通孔44を有していてもよい。貫通孔44は、正面から見たときに、ハンドル4よりも大きく形成されている。
図3~
図5に示すように、貫通孔44の平面形状は矩形状であってもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、貫通孔44の平面形状は円形状や楕円形状であってもよく、任意である。支持板40を電気盤2の扉3の前面3aに取り付ける際、支持板40は、ハンドル4がこの貫通孔44を通り、ハンドル4が第1面40a側に露出するように取り付けられる。このため、支持板40が電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられているとき、ハンドル4はこの貫通孔44内に位置している。
【0029】
また、支持板40は、磁石45を有していてもよい。
図5に示すように、磁石45は、支持板40の第2面40bに設けられていてもよい。
図5に示すように、磁石45は、支持板40の周縁に沿って配置されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、磁石45は他の位置に配置されていてもよく、その配置は任意である。支持板40は、この磁石45により電気盤2の扉3の前面3aに着脱可能に取り付けられてもよい。
【0030】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0031】
電気盤2の充電時、不足電圧リレー5aにより所定値以上の電圧が検出され、電圧出力部15の開閉器15aが閉状態にされる。このことにより、電圧出力部15から発光部20およびロック機構30に電圧が出力される。発光部20は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて発光する。このため、作業者は、電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられた発光部20の発光を見ることによって、その電気盤2が充電中であることを認識することができる。また、ロック機構30は、電圧出力部15から出力された電圧を用いて電気盤2のハンドル4の移動を規制する。より具体的には、ロック機構30は、電圧出力部15から出力された電圧を用いてアーム32をハンドル4の移動を妨げる第1位置P1に固定する。このため、作業者は、充電中の電気盤2の扉3を開けることが困難になる。
【0032】
一方、電気盤2の非充電時、不足電圧リレー5aにより所定値よりも小さい電圧が検出され、開閉器15aが開状態にされる。このことにより、電圧出力部15から発光部20およびロック機構30に電圧が出力されなくなる。このため、電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられた発光部20は発光せず、作業者は、その電気盤2が充電中でないことを認識することができる。また、ロック機構30はハンドル4の移動を規制せず、アーム32によるハンドル4の第1位置P1への固定が解除される。このため、作業者は、アーム32を第2位置P2に移動させた後、電気盤2のハンドル4を回動させることで、その電気盤2の扉3を容易に開けることができる。
【0033】
このように本実施の形態によれば、活線表示装置10は、電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられ、電圧出力部15から出力された電圧を用いて発光する発光部20を備えている。このことにより、作業者は、電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられた発光部20の発光を見ることによって、その電気盤2が充電中であることを認識することができる。このため、作業者が、電気盤2が充電中であることを認識せずに、充電中の電気盤2の扉3を開けて、電気盤2の充電部に触れて感電することを回避することができる。この結果、電気盤2の安全性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、充電中の電気盤2の扉3の前面3aに「充電中」や「操作禁止」等の表示の札を貼り付けることを不要にすることができる。このため、現場作業の効率を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、既存の電気盤2の大掛かりな改造を行うことなく、既存の電気盤2に容易に適用することができる。このため、コストの増大を抑制することができる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、発光部20は、LEDチューブライトで構成され、電気盤2のハンドル4を囲むように配置されている。このような簡易な構成により、作業者は、充電中の電気盤2の扉3を開ける前に、その電気盤2が充電中であることを確実に認識することができる。このため、電気盤2の安全性をより一層向上させることができる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、活線表示装置10は、電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられ、電圧出力部15から出力された電圧を用いて電気盤2のハンドル4の移動を規制するロック機構30を備えている。このことにより、作業者は、充電中の電気盤2の扉3を開けることが困難になる。このため、作業者が、充電中の電気盤2の扉3を開けて、電気盤2の充電部に触れて感電することを回避することができる。この結果、電気盤2の安全性をより一層向上させることができる。また、充電中の電気盤2の扉3を施錠することを不要にすることができ、現場作業の効率をより一層向上させることができる。
【0038】
また、本実施の形態によれば、ロック機構30は、ハンドル4の移動を妨げる第1位置P1とハンドル4の移動を妨げない第2位置P2との間を移動可能なアーム32を有し、電圧出力部15から出力された電圧を用いてアーム32を第1位置P1に固定する。このような簡易な構成により、ロック機構30は、電気盤2のハンドル4の移動を確実に規制することができる。このため、電気盤2の安全性をより一層向上させることができる。
【0039】
また、本実施の形態によれば、発光部20およびロック機構30は、支持板40を介して電気盤2の扉3の前面3aに取り付けられる。このことにより、発光部20およびロック機構30の電気盤2の扉3の前面3aへの取付けを容易化することができる。このため、活線表示装置10の取付けに伴う現場の作業負担を軽減することができる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、支持板40は、磁石45により電気盤2の扉3の前面3aに着脱可能に取り付けられる。このことにより、発光部20およびロック機構30の電気盤2の扉3の前面3aへの取付けをより一層容易化することができる。このため、活線表示装置10の取付けに伴う現場の作業負担をより一層軽減することができる。
【0041】
なお、上述した本実施の形態においては、不足電圧リレー5aが電気盤2の電圧を検出する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、不足電圧リレー5aに代えて、一般的な電圧計を設けて、その電圧計により電気盤2の電圧を計測するようにしてもよい。そして、電圧計により検出された電圧に基づいて、電圧出力部15が外部に電圧を出力するようにしてもよい。
【0042】
また、上述した本実施の形態においては、ハンドル4が回転式のハンドルである例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、
図6に示すように、ハンドル4はプッシュ式のハンドルであってもよい。例えば、ハンドル4は押し込まれることで手前側に持ち上がり、その持ち上がったハンドル4を更に手前側に引くことで、電気盤2の扉3が開かれるようになっていてもよい。
図6に示すように、正面から見たときに、第1位置P1に位置するアーム32は、ハンドル4の一部(例えば下部)と重なるように位置していてもよい。また、第2位置P2に位置するアーム32は、ハンドル4と重ならないように位置していてもよい。この場合、アーム32が第1位置P1に位置するとき、ハンドル4が手前側に持ち上がろうとするとハンドル4はアーム32に当接し、ハンドル4の移動が妨げられる。このため、作業者は電気盤2の扉3を開けることが困難になり、電気盤2の扉3がロックされる。また、アーム32が第2位置P2に位置するとき、ハンドル4はアーム32に当接することなく手前側に持ち上がることができる。このため、作業者は、その持ち上がったハンドル4を更に手前側に引くことで、電気盤2の扉3を容易に開けることができる。
【0043】
以上述べた実施の形態によれば、電気盤の安全性を向上させることができる。
【0044】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1:電気設備、2:電気盤、3:扉、3a:前面、4:ハンドル、10:活線表示装置、15:電圧出力部、20:発光部、30:ロック機構、32:アーム、40:支持板、45:磁石、P1:第1位置、P2:第2位置
【要約】
【課題】電気盤の安全性を向上させる。
【解決手段】実施の形態による電気盤の活線表示装置は、電気盤で検出された電圧に基づいて外部に電圧を出力する電圧出力部と、電気盤の扉の前面に取り付けられ、電圧出力部から出力された電圧を用いて発光する発光部と、を備える。
【選択図】
図2